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技術 含水土用の土壌改質材および土の再生方法

出願人 アイシン高丘株式会社
発明者 中川浩一山本裕康八幡一義
出願日 2014年9月29日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-198060
公開日 2016年5月9日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-069444
状態 特許登録済
技術分野 固体相互の分離 土壌改良剤および土壌安定剤
主要キーワード 体積基準平均 スクリュー式コンベア 概略組成 金属製異物 相互付着 コンクリート破片 一石二鳥 粒状材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

安価に入手可能であり、含水土に混ぜることで篩分け作業の効率を改善できると共に盛土支持力を向上させることができる含水土用土壌改質材を提供する。また、その土壌改質材を用いて、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土再生する方法を提供する。

解決手段

土壌改質材は、鋳物工場砂処理設備で生じたダスト集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μmの集塵ダストと、生石灰との混合物として提供される。その場合に、集塵ダスト(X)と生石灰(Y)との重量混合比(X/Y)は、9/1〜5/5の範囲に設定される。

概要

背景

2011年3月の東日本大震災からの復興事業に関連して、津波によって生じた堆積土(「津波堆積土」と呼ばれている)の再生処理が行われている。一般に津波堆積土には、土砂だけでなく、コンクリート破片等の建築廃材流木の根といった瓦礫廃物も含まれているため、篩分けして再利用可能な土砂とそれ以外の異物(主に瓦礫)とに分別する必要がある。津波堆積土や残土等は概して、屋外で雨等に曝されると多量の水分を含んでベトベト又はドロドロするため、そのままでは篩分け作業を円滑に行うことができない。また、篩分けにより分別回収した土砂については、埋め戻し用の土や盛土用の土として再利用することが想定されているが、特に盛土用の土については、施工場所に盛ったときの土壌支持力確保が必要になる。こういった事情から津波堆積土を処理する際には、津波堆積土に対し生石灰重量比率で数%程度混合した上で、篩分け作業を行っている。ちなみに、生石灰(CaO)は水(H2O)と反応して消石灰(Ca(OH)2)へと変化することで、堆積土中から余分な水分を取り除き、堆積土の篩分け作業を円滑化する作用がある。また、生石灰から転じた消石灰は、土砂の成分であるシリカと反応してカルシウムシリケート水和物を生成することが知られており、これが土砂間の結合能力(ひいては土壌の支持力)を高めるのに役立つ。

津波堆積土の処理材としての生石灰には、上述のような一石二鳥の利点がある一方で、値段が高いという欠点があり(例えば1トン当たり3万円を超えることもある)、生石灰による津波堆積土の処理はコスト的に割高なものとなっている。それ故、生石灰の使用量を減らした安価な土壌改質材が求められている。

なお、特許文献1は、生砂関連工場から発生したダスト活性粘土分を含む)と、20〜30重量%の消石灰(水酸化カルシウム)との混合物から成ると共に、粒径が1.5〜20.0mmの粒状をなし、且つ表面に凹凸が形成されてなる水質浄化材土壌改良材を開示する(同文献の特許請求の範囲参照)。ただし、特許文献1の水質浄化材・土壌改良材は水質浄化を目的・効果とすること、及び、粒径が1.5〜20.0mmの粒状をなしていることから、その粒状材自体が(焼成されていないにもかかわらず)一定の堅牢性を有し、且つその粒状材自体が吸着材として機能する点に特徴がある水質等の浄化改良材であると解される。少なくとも特許文献1には、堆積土の篩分け作業効率を改善することや、盛土材としての特性を改善することについての開示は認められない。

概要

安価に入手可能であり、含水土に混ぜることで篩分け作業の効率を改善できると共に盛土の支持力を向上させることができる含水土用の土壌改質材を提供する。また、その土壌改質材を用いて、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土再生する方法を提供する。土壌改質材は、鋳物工場砂処理設備で生じたダストを集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μmの集塵ダストと、生石灰との混合物として提供される。その場合に、集塵ダスト(X)と生石灰(Y)との重量混合比(X/Y)は、9/1〜5/5の範囲に設定される。

目的

本発明の目的は、安価に入手可能であり、含水土に混ぜることで篩分け作業の効率を改善できると共に盛土の支持力を向上させることができる含水土用の土壌改質材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

鋳物工場砂処理設備で生じたダスト集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μmの集塵ダストと、生石灰との混合物である、ことを特徴とする含水土用土壌改質材

請求項2

前記集塵ダスト(X)と前記生石灰(Y)との重量混合比(X/Y)が、9/1〜5/5の範囲にある、ことを特徴とする請求項1に記載の含水土用の土壌改質材。

請求項3

前記集塵ダストは、67〜71質量%のSiO2,10〜14質量%のAl2O3,5〜12質量%のFeO,並びに、CaO,MgO,Na2OおよびK2Oを含んでなるものである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の含水土用の土壌改質材。

請求項4

瓦礫その他の異物を含む含水土盛土用の再生土再生する方法であって、鋳物工場の砂処理設備で生じたダストを集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μmの集塵ダストと、生石灰との混合物である土壌改質材を準備する改質材準備工程と、瓦礫その他の異物を含む含水土に対し、前記土壌改質材を0.5〜20重量%の配合比率で混合する混合工程と、前記混合工程で得られた含水土と土壌改質材との混合物を篩分け装置にかけて、予め定められた閾値粒サイズ以下の土砂と、それ以外の異物とに分別する分別工程と、を経て、前記分別工程で得られた閾値粒サイズ以下の土砂を盛土用の再生土として回収する、ことを特徴とする土の再生方法

技術分野

0001

本発明は、多くの水分を含んだ土(含水土)の再生処理に使用する土壌改質材と、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土再生する方法とに関する。

背景技術

0002

2011年3月の東日本大震災からの復興事業に関連して、津波によって生じた堆積土(「津波堆積土」と呼ばれている)の再生処理が行われている。一般に津波堆積土には、土砂だけでなく、コンクリート破片等の建築廃材流木の根といった瓦礫や廃物も含まれているため、篩分けして再利用可能な土砂とそれ以外の異物(主に瓦礫)とに分別する必要がある。津波堆積土や残土等は概して、屋外で雨等に曝されると多量の水分を含んでベトベト又はドロドロするため、そのままでは篩分け作業を円滑に行うことができない。また、篩分けにより分別回収した土砂については、埋め戻し用の土や盛土用の土として再利用することが想定されているが、特に盛土用の土については、施工場所に盛ったときの土壌支持力確保が必要になる。こういった事情から津波堆積土を処理する際には、津波堆積土に対し生石灰重量比率で数%程度混合した上で、篩分け作業を行っている。ちなみに、生石灰(CaO)は水(H2O)と反応して消石灰(Ca(OH)2)へと変化することで、堆積土中から余分な水分を取り除き、堆積土の篩分け作業を円滑化する作用がある。また、生石灰から転じた消石灰は、土砂の成分であるシリカと反応してカルシウムシリケート水和物を生成することが知られており、これが土砂間の結合能力(ひいては土壌の支持力)を高めるのに役立つ。

0003

津波堆積土の処理材としての生石灰には、上述のような一石二鳥の利点がある一方で、値段が高いという欠点があり(例えば1トン当たり3万円を超えることもある)、生石灰による津波堆積土の処理はコスト的に割高なものとなっている。それ故、生石灰の使用量を減らした安価な土壌改質材が求められている。

0004

なお、特許文献1は、生砂関連工場から発生したダスト活性粘土分を含む)と、20〜30重量%の消石灰(水酸化カルシウム)との混合物から成ると共に、粒径が1.5〜20.0mmの粒状をなし、且つ表面に凹凸が形成されてなる水質浄化材土壌改良材を開示する(同文献の特許請求の範囲参照)。ただし、特許文献1の水質浄化材・土壌改良材は水質浄化を目的・効果とすること、及び、粒径が1.5〜20.0mmの粒状をなしていることから、その粒状材自体が(焼成されていないにもかかわらず)一定の堅牢性を有し、且つその粒状材自体が吸着材として機能する点に特徴がある水質等の浄化改良材であると解される。少なくとも特許文献1には、堆積土の篩分け作業効率を改善することや、盛土材としての特性を改善することについての開示は認められない。

先行技術

0005

特開2004−81993号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、安価に入手可能であり、含水土に混ぜることで篩分け作業の効率を改善できると共に盛土の支持力を向上させることができる含水土用の土壌改質材を提供することにある。また、その土壌改質材を用いて、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土に再生する方法を提供することにある。

0007

なお、本発明は、鋳物工場で生じる集塵ダスト鋳造工程や生砂関連工程から廃出されるダストを集塵機で集めたものの総称)の新たな用途ないし再利用方法を提供するという資源リサイクル意義をも有するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、鋳物工場の砂処理設備で生じたダストを集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μmの集塵ダストと、生石灰との混合物である、ことを特徴とする含水土用の土壌改質材である。

0009

本発明はまた、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土に再生する方法であって、
鋳物工場の砂処理設備で生じたダストを集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μmの集塵ダストと、生石灰との混合物である土壌改質材を準備する改質材準備工程と、
瓦礫その他の異物を含む含水土に対し、前記土壌改質材を0.5〜20重量%の配合比率で混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた含水土と土壌改質材との混合物を篩分け装置にかけて、予め定められた閾値粒サイズ以下の土砂と、それ以外の異物とに分別する分別工程と、
を経て、前記分別工程で得られた閾値粒サイズ以下の土砂を盛土用の再生土として回収する、ことを特徴とする土の再生方法である。

0010

本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件については、後記「発明を実施するための形態」欄で説明する。

発明の効果

0011

本発明の含水土用の土壌改質材によれば、相対的に安価な集塵ダストを生石灰と併用したことで安価に入手可能であるだけでなく、この土壌改質材を含水土に混ぜることで篩分け作業の効率を改善できると共に盛土の支持力(締固め性)を向上させることができる。また、本発明の土の再生方法によれば、前記土壌改質材を用いて、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土に再生することができる。

図面の簡単な説明

0012

津波堆積土を盛土材に再生するまでの一連の工程に関する処理システム概要を示す図。
土粒子間に働く力を説明するための概念図であって、(A)は、土壌改質材を添加する前の原土における土粒子の状況の模式図、(B)は、原土に土壌改質材を添加した後における土粒子の状況の模式図。

0013

以下、本発明の詳細及び好ましい実施形態について説明する。

0014

[土壌改質材について]
本発明の含水土用の土壌改質材は、鋳物工場で廃物として生じる集塵ダストに、生石灰を混合して得た混合物である。

0015

集塵ダストとは、具体的には、鋳物工場の砂処理設備で生じたダストを集塵機で集めたものである。砂処理設備とは、鋳物砂の調製、鋳物砂の鋳型への造型注湯後の砂型解砕、解砕された砂の回収などの鋳物工場内で砂を取り扱う各種工程に関する設備全般を意味する。かかる砂処理設備には一般に集塵機が設置されており、この集塵機によって、工場内に放出されがちな微粒子成分飛散を防止して労働環境を清澄保全している。鋳物工場の操業中に集塵機で集められたダストが、本発明の主要原料である「集塵ダスト」である。

0016

砂処理設備の集塵機で集められた集塵ダストは、鋳物砂に近い成分組成を有する。即ち本発明で使用する集塵ダストは、その全量(100質量%)中に、好ましくは、
67〜71質量%のSiO2,
10〜14質量%のAl2O3,
5〜12質量%のFeO,
を含有するものであり、これらの他にも、CaO,MgO,Na2O、K2O等の無機酸化物を含有するものである。また、この集塵ダストの無機成分のうちの一部(例えば30〜40質量%)は、ベントナイト等の活性粘土分を構成している。

0017

本発明で使用する集塵ダストの平均粒径(好ましくは、レーザー回折散乱粒度分布測定における体積基準平均径)は、1〜260μm、より好ましくは40〜200μmの範囲にある。集塵ダストの平均粒径が1μm未満であると、粒が細かすぎて取扱いに支障を来すため好ましくない。他方、集塵ダストの平均粒径が260μmを超えると、含水土の土粒子の表面に付着して微粉体コーティング図2(B)参照)を形成することが困難になり、含水土の篩分け作業性を改善できなくなるおそれがある。

0018

本発明において、集塵ダストと併用されるのは生石灰である。市販の生石灰を用いる場合には、CaO純度の高いものを用いることが好ましい。

0019

集塵ダストの配合重量をXとし、生石灰の配合重量をYとした場合、集塵ダストと生石灰との重量混合比は、X/Y=9/1〜5/5の範囲にあることが好ましい。
重量混合比:X/Yが9/1よりも集塵ダストリッチになると、生石灰の含有量が過少になって、当該土壌改質材で処理した土を盛土として再利用する場合の盛土の支持力が要求レベルに満たなくなるおそれがあり、好ましくない。他方、重量混合比:X/Yが5/5よりも生石灰リッチになると、生石灰の使用量を従来例(生石灰100%使用)に比べて劇的に減らすことにはならず、コスト面でのメリット希薄になってしまう。ちなみに、本発明で使用する土壌改質材の単価は、生石灰の単価の数十分の1程度である。

0020

[土の再生方法について]
本発明の土の再生方法は、瓦礫その他の異物を含む含水土を盛土用の再生土に再生する方法であって、改質材準備工程、混合工程および分別工程の少なくとも三工程を経る方法である。そして図1は、本方法の一連の工程を実施するのに適した処理システムの一例を示す。図1に即した説明を交えながら、本方法の概要を以下に説明する。

0021

本方法の第1ステップである改質材準備工程は、鋳物工場の砂処理設備で生じたダストを集塵機で集めてなる平均粒径が1〜260μm(より好ましくは40〜200μm)の集塵ダストと、生石灰との混合物である土壌改質材を準備する工程である。図1の処理システムでは、集塵機(図示略)から採集した集塵ダストと、生石灰とを粉粒体用混合機11で混合することで土壌改質材を製造している。混合機11による混合操作は、鋳物工場内で行われることが好ましいが、含水土の処理現場で行われてもよい。

0022

本方法の第2ステップである混合工程は、瓦礫その他の異物を含む含水土に対し、上記改質材準備工程で得られた土壌改質材を0.5〜20重量%の配合比率で混合する工程である。なお、この配合比率は、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%が更に好ましい。また、第2ステップである混合工程の前に、異物を含む含水土から(比較的大きな)異物を除去するようにしてもよい。

0023

図1の処理システムでは、異物を含む含水土としての津波堆積土が第1のサイロ12にストックされると共に、土壌改質材が第2のサイロ13にストックされる。第1のサイロ12からは80〜99.5重量%に相当する量の津波堆積土が切り出され、第2のサイロ13からは0.5〜20重量%に相当する量の土壌改質材が切り出される。そして、両サイロから提供された津波堆積土及び土壌改質材は土砂用の混合機14で混合される。土砂用混合機14としては、例えばスクリュー式コンベアニーダー使用可能である。

0024

混合機14から排出された土壌改質材を含む土砂は、コンベア装置15によって篩分け装置16に送り込まれる。コンベア装置15としては、例えば振動コンベアベルトコンベアが使用可能である。なお、コンベア装置15で土砂を搬送する途中において、流木片等の相対的に軽量な異物を例えば風圧によってコンベア装置の外に吹き飛ばす等して排除(つまりゴミ除去)してもよい。また、磁選機によって金属製異物を除去してもよい。

0025

本方法の第3ステップである分別工程は、上記混合工程で得られた含水土と土壌改質材との混合物を篩分け装置にかけて、予め定められた閾値粒サイズ以下の土砂と、それ以外の異物とに分別する工程である。図1の処理システムでは、コンベア装置15を経由して篩分け装置16に投入された土砂は、粒サイズに応じて三種類に分別ないし分級される。図1の篩分け装置16は、好ましくは土砂又は砕石用の振動フルイ機16であり、相対的に粗目のフルイ網16aと、相対的に細目のフルイ網16bとを備えている。即ち、粗目のフルイ網16aによって、粒サイズが40mm以上の土砂や残存異物が捕捉され、篩分けされる。粗目のフルイ網16aを通り抜けた土砂のうち粒サイズが20mm超え40mm未満の土砂が、細目のフルイ網16bによって捕捉され、篩分けされる。そして、細目のフルイ網16bを通り抜けた土砂(つまり粒サイズが20mm以下の土砂)が、盛土用の再生土(盛土材)として回収される。つまり図1の事例では、再生土分別のための「閾値粒サイズ」は20mmということになる。

0026

なお、本明細書において「粒サイズ」とは、篩分け装置が採用する篩分け具(例えば振動フルイ機16におけるフルイ網16b)の機械的又は構造的特徴(例えばフルイ網16bの目の粗さ)に依拠して決定されるパラメータであり、必ずしも理想的な球形状を持った粒の直径を意味するものではない。

0027

なお、粒サイズが20mm超え40mm未満の土砂、及び/又は、粒サイズが40mm以上の土砂については、振動フルイ機16に再度投入して土砂の解砕及び篩分けを行ってもよい。

0028

本方法によれば、分別工程に先んじた混合工程において含水土に対して土壌改質材(集塵ダストと生石灰との混合物)が混合されるため、含水土を篩分け装置にかけた場合でも、ダマにならずに円滑に篩分けを行うことができる。

0029

土壌改質材の添加によって篩分け作業が円滑化する理由の一つは、土壌改質材に含まれる集塵ダスト及び生石灰のそれぞれが、含水土中の水分の一部を吸収して土粒子間に介在する水分(いわば遊離水)の量を減少させることにある。生石灰について言えば、生石灰は水と反応して消石灰を生成することが知られているが、消石灰の生成過程で水分を消費する。また、集塵ダストについて言えば、上記混合工程での混合操作によって土粒子表面に集塵ダストが付着するが、その付着した集塵ダストに含まれる活性粘土分が土粒子表面の水分を吸収し、土粒子の表面から水分を取り除く働きをする。このように集塵ダスト及び生石灰のそれぞれの作用により、土粒子間及び土粒子表面の水分量が減少して篩分け作業性が改善される。

0030

篩分け作業が円滑化する理由の二つ目として、平均粒径が1〜260μmという微粉体である集塵ダストが土粒子の表面を被覆することで土粒子の表面積が増大し、土粒子表面付近での見掛け上の水分量が低下することがあげられる。かかる表面積増大効果によって篩分け作業性が改善する理由については、後記「実施例」欄で改めて説明する。

0031

上記分別工程を経て回収された閾値粒サイズ以下の土砂は、盛土用の再生土(盛土材)として優れた適性を有している。なぜなら、この再生土には、生石灰、及び/又は、生石灰から転じた消石灰が含まれており、これらの石灰分が盛土の支持力向上に貢献するからである。なお、本方法で使用する土壌改質材は、集塵ダストに比して生石灰の含有量が相対的に少ないものであるが、回収された再生土を盛土に利用した場合でも、必要レベルの支持力を発揮し得ることは、後述するCBR試験で確認されている。

0032

以下、本発明に従う実施例1及び2並びに比較対象たる比較例1について説明する。

0033

[土壌改質材の原料]
実施例1及び2並びに比較例1で使用した生石灰は、宇部マテリアルズ株式会社製の生石灰(粒サイズを約2mm程度に調整したもの)である。この市販の生石灰におけるCaOの純度は、約93wt%であった。

0034

実施例1及び2で使用した集塵ダストは、本件出願人の子会社であるアイシン株式会社の鋳物工場内にあるFCD砂処理設備に設置された集塵機で捕集したダスト(以下「集塵ダストNo.11」と呼ぶ)である。産業技術総合センター依頼して集塵ダストの組成分析を行ったところ、集塵ダストNo.11の組成酸化物換算で次の通りであった。
SiO2:70.00wt%、Al2O3:12.67wt%、FeO:6.97wt%、
CaO:2.66wt%、MgO:2.56wt%、
Na2O:2.77wt%、K2O:1.11wt%、その他:1.26wt%

0035

この集塵ダストNo.11の粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定器(株式会社セイシン企業製:SKレーザーマイクロサイザーLMS−2000eを使用)で測定したところ、その体積基準平均径は約163μmであった。また、集塵ダストNo.11の一般的特性を鋳物砂の試験方法に準じて測定したところ、その含水率は4%、強熱減量(ig.loss)は12%であった。また、JISの鋳物砂の試験方法に定められた、メチレンブルー溶液を用いた活性粘土分測定によると、集塵ダストNo.11の活性粘土分は35%であった。

0036

[実施例1]
実施例1の土壌改質材は、集塵ダストNo.11(X)と生石灰(Y)とを重量混合比X/Y=7/3で混合して得たものである。ちなみに、実施例1の土壌改質材を構成する主要成分の概略組成換算予測値)は次のとおりである。SiO2:49wt%、Al2O3:9wt%、FeO:5wt%、CaO:28wt%、その他:9wt%

0037

[実施例2]
実施例2の土壌改質材は、集塵ダストNo.11(X)と生石灰(Y)とを重量混合比X/Y=9/1で混合して得たものである。ちなみに、実施例2の土壌改質材を構成する主要成分の概略組成(換算予測値)は次のとおりである。SiO2:63wt%、Al2O3:12wt%、FeO:6wt%、CaO:9wt%、その他:10wt%

0038

[比較例1]
比較例1の土壌改質材は、生石灰(Y)からなるもの(即ちX/Y=0/10)である。ちなみに、比較例1の土壌改質材を構成する主要成分の概略組成は次のとおりである。
CaO:93wt%、その他:7wt%

0039

評価試験に使用した原土]
東日本大震災時に宮城県内に堆積し、その後ストックヤード一時保管場所)に集められた津波堆積土を、以下に説明する評価試験において「原土」として使用した。

0040

[篩分け作業性の評価(含水比試験)]
篩分け作業性の良否を直接的に数値で表すことは難しいが、原土に土壌改質材を添加することで土砂中の含水比がどの程度まで低下したかの測定値を篩分け作業性の間接的又は代替的な評価指標とすることができる。具体的には、土壌改質材を添加する前の原土の含水比と、原土に対して土壌改質材を5重量%添加した場合(即ち原土95重量%、土壌改質材5重量%)の含水比とを比較した。土壌改質材の添加によって含水比が下がるほど、篩分け作業性が良くなる傾向にあると言える。なお、含水比の測定はJIS A1203の含水比試験方法に準拠した。つまり、炉乾燥前の試料土の重さと、約105℃の恒温空気槽で炉乾燥した後の試料土の重さとに基づいて含水比(%)を測定した。

0041

表1に、各試験例における含水比の測定結果を示す。

0042

一般に、原土(津波堆積土)に土壌改質材を添加することで含水比を3%以上低下させることができれば、篩分け作業性を大幅に改善できると言われている。この点、原土に実施例1の土壌改質材を添加すること(試験例3)で土砂中の含水比を6%も低下させることができた。また、原土に実施例2の土壌改質材を添加すること(試験例4)で土砂中の含水比を5%も低下させることができた。いずれも、土壌改質業者の要求を十分に満たすものとなった。

0043

実施例1又は2の土壌改質材を原土に添加することで篩分け作業性が改善するメカニズムのうち、特に集塵ダストが作業性改善に貢献するメカニズムについては、次のように考えられる。

0044

図2(A)は土壌改質材を添加する前の原土(津波堆積土)を構成する土粒子の状況を模式的に示したものである。ドロドロの原土は多くの水分を含んでいるため、土粒子はあたかも水中に浮かんでいるような状況にあり、土粒子間に介在する水分によって過大な表面張力粘着力)が発生する。この表面張力によって土粒子が互いに引き付けあい、相互に付着する結果、ダマを形成して篩分け作業を困難にしている。これに対し、図2(B)は本発明の土壌改質材を添加した後の土粒子の状況を模式的に示す。土壌改質材の多くを占める集塵ダストはミクロン(μm)サイズの微粉体であるため、図2(B)に示すように土粒子の表面に付着して、土粒子を微粉体でコーティング(被覆)することになる。個々の土粒子の表面を被覆する集塵ダストにはベントナイト等の活性粘土分が含まれており、この活性粘土分が土粒子表面の水分を吸収し、土粒子表面から水分を除去する働きをする。また、微粉体コーティングによる土粒子の表面積の増大に伴い、土粒子表面付近での見掛け上の水分量が低下する。このような水分の吸収除去作用および表面積増大効果により、土粒子間に介在し得る水分による表面張力が低下し、土粒子が相互付着する力が弱められる結果、篩分け作業性が改善するものと考えられる。

0045

[盛土材の支持力の評価]
土木工学の分野で舗装路路床路盤)の支持力の評価方法として定着しているCBR試験方法(Method of Test for California Bearing Ratio)に基づいて、盛土材の支持力(締固め性)を評価した。具体的には、土壌改質材を添加する前の原土のCBR値と、原土に対して土壌改質材を5重量%添加した場合(即ち原土95重量%、土壌改質材5重量%)のCBR値とを比較した。土壌改質材の添加によってCBR値が上がるほど、盛土材としての支持力が高いと評価できる。

0046

なお、CBR値の測定はJIS A1211に準拠した。即ち、JISに定められたモールドを用いて試料土を突き固めてなる円柱状の供試体(直径150mm)を作製し、これを20日間養生した。鋼製貫入ピストン(直径50mm)及び貫入量測定装置を用いて、養生後の供試体に対しJIS規定の貫入試験を行い、所定の貫入深さにおける荷重値から標準荷重に対するCBR(%)を算出した。

0047

表2に、各試験例におけるCBR値の測定結果を示す。

実施例

0048

原土にほぼCaOからなる改質材を添加した場合(試験例6)には劣るけれども、原土に実施例1の土壌改質材を添加すること(試験例7)でCBR値を23%に上昇させることができた。また、原土に実施例2の土壌改質材を添加すること(試験例8)でCBR値を21%に上昇させることができた。これらの値は土木工事業者の要求レベル(CBR値20%以上)を十分に満たすものである。

0049

本発明に従う含水土用の土壌改質材は、上述のように津波堆積土の処理および盛土への再生に利用できるほか、「品質上の問題により残土として長期にわたり放置されて雨水を多く含むことになった建設発生土」や「海や河川から浚渫した泥土」などの水分含有量が比較的多い土(土砂や土壌を含む)の処理、改質または再生に利用することができる。

0050

11粉粒体用の混合機
12 第1のサイロ
13 第2のサイロ
14土砂用の混合機
15コンベア装置
16振動フルイ機(篩分け装置)
16a粗目のフルイ網、16b細目のフルイ網

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