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技術 非水電解質二次電池及び蓄電装置

出願人 株式会社GSユアサ
発明者 矢吹明法山本秀美中川裕江
出願日 2014年9月24日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2014-193769
公開日 2016年4月28日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2016-066453
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 小形機器 モリブデン硫化物 ジピリジニウム 亜硫酸ジメチル 難燃性電解液 擬グラフ パーフルオロビニルエーテル共重合体 蓄電ユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月28日)のものです。
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図面 (2)

課題

解決手段

非水電解質が、式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルを20質量%以下含有する非水電解質二次電池。(R1及びR2は各々独立に、Fで置換されていてもよいC1〜8のアルキル基;R3は少なくとも1つはフッ素原子で置換されているC1〜8のアルキル基)

概要

背景

リチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池は、その高エネルギー密度という利点を活かして、携帯電話に代表されるモバイル機器電源として幅広く普及している。また、近年、小形機器用電源だけでなく、電力貯蔵用、電気自動車用及びハイブリッド自動車用等の中大型産業用途への展開がなされている。

非水電解質二次電池は、一般に、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水溶媒及びリチウム塩を含有する非水電解質とを備えている。
非水電解質二次電池を構成する正極活物質としてはリチウム含有遷移金属酸化物が、負極活物質としてはグラファイトに代表される炭素材料が、非水電解質としては、エチレンカーボネート等の環状カーボネートジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート主構成成分とする非水溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等の電解質を溶解したものが広く知られている。

ところで、今後の中型・大型、特に大きな需要が見込まれる産業用途への展開を考えた場合、産業用途では小型民生用では使用されないような高温環境において電池が使用される用途も存在するため、電池の安全性が非常に重要視される。
しかしながら、従来非水溶媒に用いられてきた有機溶媒は一般に揮発しやすく、引火性を有するため、可燃性物質分類されるものである。

そこで、非水電解質二次電池の電解液難燃性向上や、高温充放電サイクル特性及び高温保存特性向上のために、非水電解質中リン系化合物、例えば、フッ素化ホスホン酸エステル等を添加する技術が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。

特許文献1には、「電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、該有機溶媒が下記〔化1〕の一般式(I)で表されるリン化合物の少なくとも一種を含むことを特徴とする難燃性電解液



(式中、R1は炭素原子数1〜8のアルキル基ハロゲン化アルキル基アリール基アルキルアリール基アラルキル基、または−CH2−COOR3−を示し、R2はメチル基エチル基または炭素原子数1〜8のハロゲン化アルキル基を示す。R3は炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す。但しR1、R2、R3のうち、一つ以上がハロゲン化アルキル基である。mおよびnはそれぞれ1または2を示し、mおよびnの合計は3である。)」(請求項1)の発明が記載され、その実施例には、ジ−(2,2,2−トリフルオロエチルメタンホスホネート、ジ−(2,2,2−トリフルオロエチル)エタンホスホネート、ジ−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)メタンホスホネート、ジ−メチルパーフルオロエタンホスホネート、ジメチルホスフィン酸−2,2,2−トリフルオロエチル等を33重量%又は50重量%含有した有機溶媒を用いること(段落[0017]及び[0042])が示されている。
また、特許文献1には、この発明の目的として「電気特性に悪影響がなく、優れた難燃性を有する難燃性電解液およびこれを用いた非水電解液二次電池を提供すること」(段落[0008])が記載され、さらに、「上記リン化合物の存在割合(使用量)は、電解液を構成する有機溶媒中、5〜100重量%が好ましく、10〜100重量%が更に好ましく、特に10〜80重量%が好ましい。該割合が5重量%未満では十分な難燃化効果が得られないことがある。」(段落[0021])と記載されている。

特許文献2には、「電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液において、該非水系電解液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有していることを特徴とする非水系電解液電池用非水系電解液。



(一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子フッ素原子、又は炭素数1〜12の一価置換基のいずれかを示し、R5はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基のいずれかを示す。nは0〜6の整数を示す。但し、R1、R2が共にアルコキシ基である場合、nは1〜6の整数を示し、R3及びR4の少なくとも一つは水素原子以外の基を示す。)」(請求項1)の発明が記載され、その実施例には、トリエチル−2−ホスホノプロピオネート、トリエチル−2−ホスホノブチレート、トリエチルホスホノフルオロアセテートエチルジエチルホスフィニル)アセテート等が示されている(段落[0117]、[0119]〜[0122])。
また、特許文献2には、この発明の目的として「ガス発生が少なく、高容量で、保存特性及びサイクル特性に優れた非水系電解液電池を実現することができる非水系電解液と、この非水系電解液を用いた非水系電解液電池を提供すること」(段落[0010])が記載され、さらに、「非水系電解液中の一般式(1)で表される化合物の割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上である。これより低濃度では、本発明の効果が発現しにくい場合がある。逆に濃度が高すぎると、電池の容量が低下する場合があるので、上限は、通常10重量%以下、好ましくは4重量%以下、更に好ましくは2重量%、特に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.8重量%以下である。」(段落[0064])と記載されている。

特許文献3には、上記[化2]と同様の一般式で表される化合物を含有している非水系電解液電池用非水系電解液の発明が記載され、その実施例には、トリエチルホスホノアセテート等が示されている(段落[0134]〜[0136])。
また、特許文献3には、この発明の効果として「高容量で、保存特性及びサイクル特性に優れた非水系電解液電池を提供することができ、非水系電解液電池の小型化、高性能化を達成することができる」(段落[0016])ことが記載され、さらに、「非水系電解液中のこれらの化合物の含有割合は、本願発明の効果を発現するためには、特に制限はないが、非水系電解液全体に対して、合計で、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。また、上限は合計で、通常5重量%以下であり、4重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらの化合物の濃度が低すぎると改善効果が得られ難い場合があり、一方、濃度が高すぎると充放電効率の低下を招く場合がある。」(段落[0075])と記載されている。

概要

高電圧充放電サイクル性能が優れた非水電解質二次電池を提供する。非水電解質が、式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルを20質量%以下含有する非水電解質二次電池。(R1及びR2は各々独立に、Fで置換されていてもよいC1〜8のアルキル基;R3は少なくとも1つはフッ素原子で置換されているC1〜8のアルキル基)なし

目的

特許文献1〜3に具体的に記載されているようなホスホン酸エステルを添加した従来の非水電解質二次電池では、難燃性、低電圧作動時の充放電サイクル性能や保存特性が改善されるものの、正極作動電位が4.3Vvs.Li/Li+以上に達する高電圧作動時に、充放電サイクル性能の低下が大きかった。そこで、本発明は、上記のような従来技術に鑑み、高電圧作動時においても、充放電サイクル性能が優れた非水電解質二次電池を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

正極、負極、セパレータ及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池であって、前記非水電解質は、下記一般式(1)(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子フッ素原子置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表される含フッ素ホスホン酸エステルを20質量%以下含有していることを特徴とする非水電解質二次電池。

請求項2

請求項1記載の非水電解質二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置

技術分野

0001

本発明は、非水電解質二次電池、特に、非水電解質に特徴を有する非水電解質二次電池に関する。

背景技術

0002

リチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池は、その高エネルギー密度という利点を活かして、携帯電話に代表されるモバイル機器電源として幅広く普及している。また、近年、小形機器用電源だけでなく、電力貯蔵用、電気自動車用及びハイブリッド自動車用等の中大型産業用途への展開がなされている。

0003

非水電解質二次電池は、一般に、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水溶媒及びリチウム塩を含有する非水電解質とを備えている。
非水電解質二次電池を構成する正極活物質としてはリチウム含有遷移金属酸化物が、負極活物質としてはグラファイトに代表される炭素材料が、非水電解質としては、エチレンカーボネート等の環状カーボネートジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート主構成成分とする非水溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等の電解質を溶解したものが広く知られている。

0004

ところで、今後の中型・大型、特に大きな需要が見込まれる産業用途への展開を考えた場合、産業用途では小型民生用では使用されないような高温環境において電池が使用される用途も存在するため、電池の安全性が非常に重要視される。
しかしながら、従来非水溶媒に用いられてきた有機溶媒は一般に揮発しやすく、引火性を有するため、可燃性物質分類されるものである。

0005

そこで、非水電解質二次電池の電解液難燃性向上や、高温充放電サイクル特性及び高温保存特性向上のために、非水電解質中リン系化合物、例えば、フッ素化ホスホン酸エステル等を添加する技術が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。

0006

特許文献1には、「電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、該有機溶媒が下記〔化1〕の一般式(I)で表されるリン化合物の少なくとも一種を含むことを特徴とする難燃性電解液



(式中、R1は炭素原子数1〜8のアルキル基ハロゲン化アルキル基アリール基アルキルアリール基アラルキル基、または−CH2−COOR3−を示し、R2はメチル基エチル基または炭素原子数1〜8のハロゲン化アルキル基を示す。R3は炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す。但しR1、R2、R3のうち、一つ以上がハロゲン化アルキル基である。mおよびnはそれぞれ1または2を示し、mおよびnの合計は3である。)」(請求項1)の発明が記載され、その実施例には、ジ−(2,2,2−トリフルオロエチルメタンホスホネート、ジ−(2,2,2−トリフルオロエチル)エタンホスホネート、ジ−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)メタンホスホネート、ジ−メチルパーフルオロエタンホスホネート、ジメチルホスフィン酸−2,2,2−トリフルオロエチル等を33重量%又は50重量%含有した有機溶媒を用いること(段落[0017]及び[0042])が示されている。
また、特許文献1には、この発明の目的として「電気特性に悪影響がなく、優れた難燃性を有する難燃性電解液およびこれを用いた非水電解液二次電池を提供すること」(段落[0008])が記載され、さらに、「上記リン化合物の存在割合(使用量)は、電解液を構成する有機溶媒中、5〜100重量%が好ましく、10〜100重量%が更に好ましく、特に10〜80重量%が好ましい。該割合が5重量%未満では十分な難燃化効果が得られないことがある。」(段落[0021])と記載されている。

0007

特許文献2には、「電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液において、該非水系電解液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有していることを特徴とする非水系電解液電池用非水系電解液。



(一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子フッ素原子、又は炭素数1〜12の一価置換基のいずれかを示し、R5はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基のいずれかを示す。nは0〜6の整数を示す。但し、R1、R2が共にアルコキシ基である場合、nは1〜6の整数を示し、R3及びR4の少なくとも一つは水素原子以外の基を示す。)」(請求項1)の発明が記載され、その実施例には、トリエチル−2−ホスホノプロピオネート、トリエチル−2−ホスホノブチレート、トリエチルホスホノフルオロアセテートエチルジエチルホスフィニル)アセテート等が示されている(段落[0117]、[0119]〜[0122])。
また、特許文献2には、この発明の目的として「ガス発生が少なく、高容量で、保存特性及びサイクル特性に優れた非水系電解液電池を実現することができる非水系電解液と、この非水系電解液を用いた非水系電解液電池を提供すること」(段落[0010])が記載され、さらに、「非水系電解液中の一般式(1)で表される化合物の割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上である。これより低濃度では、本発明の効果が発現しにくい場合がある。逆に濃度が高すぎると、電池の容量が低下する場合があるので、上限は、通常10重量%以下、好ましくは4重量%以下、更に好ましくは2重量%、特に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.8重量%以下である。」(段落[0064])と記載されている。

0008

特許文献3には、上記[化2]と同様の一般式で表される化合物を含有している非水系電解液電池用非水系電解液の発明が記載され、その実施例には、トリエチルホスホノアセテート等が示されている(段落[0134]〜[0136])。
また、特許文献3には、この発明の効果として「高容量で、保存特性及びサイクル特性に優れた非水系電解液電池を提供することができ、非水系電解液電池の小型化、高性能化を達成することができる」(段落[0016])ことが記載され、さらに、「非水系電解液中のこれらの化合物の含有割合は、本願発明の効果を発現するためには、特に制限はないが、非水系電解液全体に対して、合計で、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。また、上限は合計で、通常5重量%以下であり、4重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらの化合物の濃度が低すぎると改善効果が得られ難い場合があり、一方、濃度が高すぎると充放電効率の低下を招く場合がある。」(段落[0075])と記載されている。

先行技術

0009

特許第4407847号公報
特許第5169091号公報
特開2013−080727号公報

発明が解決しようとする課題

0010

特許文献1〜3に具体的に記載されているようなホスホン酸エステルを添加した従来の非水電解質二次電池では、難燃性、低電圧作動時の充放電サイクル性能や保存特性が改善されるものの、正極作動電位が4.3Vvs.Li/Li+以上に達する高電圧作動時に、充放電サイクル性能の低下が大きかった。そこで、本発明は、上記のような従来技術に鑑み、高電圧作動時においても、充放電サイクル性能が優れた非水電解質二次電池を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明においては、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
〔1〕正極、負極、セパレータ及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池であって、前記非水電解質は、下記一般式(1)



(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表される含フッ素ホスホン酸エステルを20質量%以下含有していることを特徴とする非水電解質二次電池。
〔2〕前記〔1〕の非水電解質二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置

発明の効果

0012

本発明においては、含フッ素ホスホン酸エステルを非水電解質に20質量%以下含有させることにより、含フッ素ホスホン酸エステルを含有しない場合よりも充放電サイクル性能が優れた非水電解質二次電池が得られる。

図面の簡単な説明

0013

本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態を示す外観斜視図
本発明に係る非水電解質二次電池を複数個備えた蓄電装置を示す概略図

発明を実施するための最良の形態

0014

図1に、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。

0015

ここで、セパレータに保持されている非水電解質は、非水溶媒と該非水溶媒に溶解した電解質塩とを含むものであるが、本発明においては、さらに、特定の含フッ素ホスホン酸エステルを20質量%以下含む点に特徴を有する。

0016

従来技術においては、特許文献1に示されているように、非水電解質二次電池の非水電解質に含フッ素ホスホン酸エステルを添加すると、難燃性は向上するが、充放電サイクル性能は低下すると考えられていた。しかし、本発明者らは、非水電解質二次電池の非水電解質に、上記一般式(1)に示されている含フッ素ホスホン酸エステルを少量添加することにより、予想外に、充放電サイクル性能が顕著に向上することを知見して、本発明に到達した。上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルの含有量は、高温充放電サイクル性能を向上させるために、非水電解質の全質量に対して20質量%以下であることが好ましく、特に効果を得るためには、0.5〜10質量%であることがより好ましく、なかでも5〜10質量%であることがさらに好ましい。

0017

上記一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキル基を示す。Pに直接結合するアルキル基(R3)がフッ素原子で置換されているアルキル基である含フッ素ホスホン酸エステルを用いることにより、非水電解質中に含フッ素ホスホン酸エステルを多く(例えば10質量%)含有させた場合であっても、充放電サイクル性能を向上させる効果が充分に発揮される。従って、含フッ素ホスホン酸エステルの含有量を多くしたことに伴う難燃性向上効果を兼ね備えさせることができる。

0018

上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルが有する、炭素数1〜8の含フッ素アルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−フルオロブチル基、3−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基、2,2−ジフルオロブチル基、3,3−ジフルオロブチル基、4,4−ジフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、2,2,3,3−テトラフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、2−フルオロペンチル基、3−フルオロペンチル基、4−フルオロペンチル基、5−フルオロペンチル基、2,2−ジフルオロペンチル基、3,3−ジフルオロペンチル基、4,4−ジフルオロペンチル基、5,5−ジフルオロペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、1H,1H,5H,5H,5H−ヘキサフルオロペンチル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H−ノナフルオロペンチル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロへプチル基、1H,1H−トリデカフルオロヘプチル基、1H,1H,8H−トリデカフルオロオクチル基、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル基等が挙げられる。これらのうち、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H−ノナフルオロペンチル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロへプチル基、1H,1H−トリデカフルオロヘプチル基から選択されることが好ましい。

0019

上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルとしては、ジメチル(フルオロメチル)ホスホネート、ジメチル(ジフルオロメチル)ホスホネート、ジメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホネート、ジメチル(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)ホスホネート、ジメチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)ホスホネート、ジエチル(フルオロメチル)ホスホネート、ジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネート、ジエチル(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホネート、ジエチル(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)ホスホネート、ジエチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)ホスホネート等が好ましい。

0020

Pに直接結合するアルキル基(R3)がフッ素原子で置換されているアルキル基である含フッ素ホスホン酸エステルを用いることにより、本発明の効果が奏される作用機構については必ずしも明らかではないが、フッ素化アルキル基は、同じ炭素数のアルキル基に比べて電子供与性が低いことから、本発明の効果は、Pの電荷密度が低いことと関連していると推察される。この観点から、R3は、上記した炭素数1〜8の含フッ素アルキル基のなかでも、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基が好ましく、フルオロメチル基又はジフルオロメチル基がより好ましく、フルオロメチル基が最も好ましい。

0021

また、後述する比較例2と比較例4の結果の対比からもわかるように、R1及びR2についても、電子供与性が低い基であることが好ましいと推察される。この観点から、上記には、一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルの具体例として、R1及びR2がアルキル基である化合物を列挙したが、R1及びR2は、水素原子がフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキル基であるものがより好ましい。

0022

本発明において、非水電解質を構成するその他の有機溶媒は、限定されるものではなく、一般に非水電解質二次電池用非水電解質に使用される有機溶媒が使用できる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートクロロエチレンカーボネートスチレンカーボネートカテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンプロピオラクトン等の環状カルボン酸エステルジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートジフェニルカーボネート等の鎖状カーボネート、酢酸メチル酪酸メチル等の鎖状カルボン酸エステルテトラヒドロフラン若しくはその誘導体、1,3−ジオキサンジメトキシエタンジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類アセトニトリルベンゾニトリル等のニトリル類ジオキサラン若しくはその誘導体等の単独又はそれら2種以上の混合物等を挙げることができる。特に、エチレンカーボネート等の環状カーボネート及びジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートを含有するものが好ましい。また、これらの有機溶媒は、任意の割合で混合して用いることができる。

0023

本発明の非水電解質は、上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルと上記有機溶媒とを含有するものであるが、必要に応じて他の化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の量で含有させることができる。

0024

このような他の化合物としては、例えば、ビフェニルアルキルビフェニルターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼンジフェニルエーテルジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等の過充電防止剤;ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートフルオロエチレンカーボネートジフルオロエチレンカーボネートトリフルオロプロピレンカーボネート無水コハク酸無水グルタル酸無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸シクロヘキサンジカルボン酸無水物等の負極被膜形成剤亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン亜硫酸ジメチルプロパンスルトンプロペンスルトンブタンスルトン、メタンスルホン酸メチルブスルファントルエンスルホン酸メチル硫酸ジメチル硫酸エチレン、スルホランジメチルスルホン、ジエチルスルホンジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドテトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルフィドチオアニソールジフェニルジスルフィドジピリジニウムジスルフィド等の正極保護剤等が挙げられる。

0025

非水電解質中におけるこれら他の化合物の含有割合は特に限定はないが、非水電解質全体に対し、それぞれ、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、上限は、5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。これらの化合物を含有させることにより、安全性をより向上させたり、高温保存後容量維持性能やサイクル性能を向上させたりすることができる。

0026

本発明の非水電解質を構成する電解質塩(リチウム塩)は、限定されるものではなく、一般に非水電解質二次電池に使用される広電位領域において安定であるリチウム塩が使用できる。例えば、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。

0027

非水電解質における電解質塩の濃度としては、優れた高率放電特性を有する非水電解質二次電池を確実に得るために、0.1mol/L〜5.0mol/Lが好ましく、さらに好ましくは、1.0mol/L〜2.0mol/Lである。

0028

本発明の非水電解質二次電池を構成する正極に使用する正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離可能なものであれば、特に制限はなく、一般に非水電解質二次電池用正極活物質に使用される正極活物質が使用できる。例えば、遷移金属酸化物遷移金属硫化物リチウム遷移金属複合酸化物リチウム含有ポリアニオン金属複合化合物等が挙げられる。遷移金属酸化物としては、マンガン酸化物鉄酸化物銅酸化物ニッケル酸化物バナジウム酸化物、遷移金属硫化物としては、モリブデン硫化物チタン硫化物等が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムマンガン複合酸化物リチウムニッケル複合酸化物リチウムコバルト複合酸化物リチウムニッケルコバルト複合酸化物リチウムニッケルマンガン複合酸化物リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。リチウム含有ポリアニオン金属複合化合物としては、リン酸鉄リチウムリン酸コバルトリチウム等が挙げられる。さらに、ジスルフィド、ポリピロールポリアニリンポリパラスチレン、ポリアセチレンポリアセン系材料等の導電性高分子化合物擬グラフイト構造炭素質材料等が挙げられる。

0029

正極集電体材質としては特に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。
具体例としては、アルミニウムステンレス鋼ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料カーボンクロスカーボンペーパー等の炭素質材料が挙げられる。中でも金属材料、特にアルミニウムが好ましい。

0030

本発明の非水電解質二次電池を構成する負極に使用する負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離可能なものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫酸化ケイ素等の金属酸化物金属複合酸化物、リチウム単体リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。 炭素質材料としては、天然グラファイト人造グラファイト、コークス類、難黒鉛化性炭素低温焼成易黒鉛化性炭素フラーレンカーボンナノチューブカーボンブラック活性炭等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。中でも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。

0031

負極の集電体としては、公知のものを任意に用いることができる。例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられ、中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。

0032

セパレータとして、微多孔性膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。
セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレンポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。中でもポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂を主成分とする微多孔性膜であることが好ましい。

0033

その他の電池の構成要素としては、端子絶縁板電池ケース等があるが、これらの部品は従来用いられてきたものをそのまま用いて差し支えない。

0034

本発明に係る非水電解質二次電池の形状については特に限定されるものではなく、円筒型電池角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質二次電池を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質二次電池1を備えている。前記蓄電装置30は、電気自動車EV)、ハイブリッド自動車HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。

0035

以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。

0036

(実施例1)
実施例1においては、上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルとしてジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートを使用した。

0037

(実施例1−1)
1mol/LのLiPF6を含有するエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)が体積比で30:70の混合溶媒に、以下の化学式を有するジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートを0.5質量%添加して、実施例1−1に係る非水電解質を作製した。

0038

(実施例1−2〜1−4)
ジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートの添加量を0.5質量%から、それぞれ、1質量%、2質量%、5質量%に変更して、実施例1−2、1−3、1−4に係る非水電解質を作製した。

0039

(比較例2)
比較例2においては、上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルとしてビス(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルホスホネートを使用した。

0040

(比較例2−1)
ジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートの代わりに、以下の化学式を有するビス(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルホスホネートを添加したこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例2−1に係る非水電解質を作製した。

0041

(比較例2−2〜2−4)
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルホスホネートの添加量を0.5質量%から、それぞれ、1質量%、2質量%、5質量%に変更して、比較例2−2、2−3、2−4に係る非水電解質を作製した。

0042

(比較例3)
ジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートを添加しないこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例3に係る非水電解質を作製した。

0043

(比較例4)
ジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートの代わりに、以下の化学式を有するジエチルメチルホスホネートを添加したこと以外は実施例1−3と同様にして、比較例4に係る非水電解質を作製した。

0044

(非水電解質二次電池の作製)
実施例1及び比較例2〜4の非水電解質を用いて、非水電解質二次電池を作製した。実施例に係る非水電解質二次電池は、正極活物質を正極集電体に塗布して得た正極と、負極活物質を負極集電体に塗布して得た負極とを、セパレータを介して積層し、扁平形状に捲回することにより形成された電極群が、電池ケースに収納されてなる。

0045

次に、上記構成の非水電解質二次電池の製造方法を説明する。
正極は次のようにして得た。まず、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、導電剤であるアセチレンブラックを混合し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合し、この混合物(正極合剤)をアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布した後、乾燥し、正極合剤の厚さが所定の厚さとなるようにプレスした。以上の工程により正極を得た。

0046

負極は、次のようにして得た。まず、負極活物質である黒鉛エックス線広角回折法による(002)面の面間隔0.336nm)と、結着剤であるスチレン−ブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロース水溶液を混合し、この混合物(負極合剤)を銅箔からなる負極集電体の両面に塗布した後、乾燥し、負極合剤の厚さが所定の厚さとなるようにプレスした。以上の工程により負極を得た。

0047

セパレータは、ポリエチレン製微孔膜を用いた。電極群は、正極合剤と負極合剤とを対向させ、その間にセパレータを配し、正極、セパレータ、負極の順に積層して捲回することにより、構成した。次に、電極群をアルミニウム製の電池ケースに収納し、正負極端子を取り付けた。この電池ケース内部に実施例1及び比較例2〜4の非水電解質をそれぞれ注入したのちに封口した。以上のようにして、実施例1及び比較例2〜4の非水電解質二次電池をそれぞれ作製した。

0048

充放電試験
これらの実施例1及び比較例2〜4の電池について、充放電試験を行った。
まず、25℃において、電流1.0CmA、終止電圧4.35Vの定電流定電圧充電と、電流1.0CmA、終止電圧2.75Vの定電流放電とを、1サイクル行った。
次に、45℃において、電流1.0CmA、終止電圧4.35Vの定電流定電圧充電と、電流1.0CmA、終止電圧2.75Vの定電流放電とを75サイクル行い、45℃における1サイクル目と75サイクル目の1.0CmA放電容量を測定した。

0049

(電池厚さの測定)
上記した充放電試験において、45℃における1サイクル目の1.0CmA放電容量を測定する前及び45℃における75サイクル目の1.0CmA放電容量を測定した後の、室温における電池厚さを、ノギスを用いて測定した。

0050

以上の結果をまとめて表1及び表2に示す。なお、表1において、45℃における1サイクル目、75サイクル目の1.0CmA放電容量は、比較例3の1サイクル目の1.0CmA放電容量の値を100%として表記した。表2において、45℃における1サイクル目の1.0CmA放電容量を測定する前の電池厚さを「電池厚さ1サイクル目」、45℃における75サイクル目の1.0CmA放電容量を測定した後の電池厚さを「電池厚さ75サイクル目」とし、比較例3の45℃における1サイクル目の1.0CmA放電容量を測定する前の電池厚さの値を100%として表記した。

0051

0052

0053

表1及び表2に示すように、R1〜R3の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されているアルキル基を有する含フッ素ホスホン酸エステルを5質量%以下含有した実施例1及び比較例2の非水電解質を用いた二次電池は、含フッ素ホスホン酸エステルを含有しない比較例3の非水電解質を用いた二次電池と比較して、高温充放電サイクル性能が顕著に向上し、電池厚さの増加が顕著に抑制されていることがわかる。これに対して、R1〜R53の水素原子がフッ素原子で置換されていないアルキル基を有するホスホン酸エステルを含有した比較例4の非水電解質を用いた二次電池は、比較例3の非水電解質を用いた二次電池と比較して、高温充放電サイクル性能が向上せず、電池厚さの増加が同程度であり抑制されていない。

0054

次に、含フッ素ホスホン酸エステルを5質量%添加した比較例2−5の充放電サイクル性能は、2質量%添加した比較例2−3に比べて低下する傾向が見られたのに対し、含フッ素ホスホン酸エステルを5質量%添加した実施例1−4の充放電サイクル性能は、2質量%添加した実施例1−3と同等であることに着目し、改めて実施例1で用いたものと同じ含フッ素ホスホン酸エステルを用いて、添加量の範囲を拡大した非水電解質を作製し、これらを用いた非水電解質二次電池の充放電試験を行った。

0055

(実施例3)
実施例3においては、実施例1と同じく、上記一般式(1)で表される含フッ素ホスホン酸エステルとしてジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートを使用した。

0056

(実施例3−1)
1mol/LのLiPF6を含有するエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)が体積比で30:70の混合溶媒に、実施例1と同じく、〔化4〕の化学式を有するジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートを5質量%添加して、実施例3−1に係る非水電解質を作製した。

0057

(実施例3−2〜3−4)
ジエチル(ジフルオロメチル)ホスホネートの添加量を5質量%から、それぞれ、7.5質量%、10質量%、20質量%に変更して、実施例3−2、3−3、3−4に係る非水電解質を作製した。

0058

(非水電解質二次電池の作製)
実施例3及び比較例3の非水電解質を用いて、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。

0059

(充放電試験)
これらの実施例3及び比較例3の電池について、充放電試験を行った。
まず、25℃において、電流1.0CmA、終止電圧4.35Vの定電流定電圧充電と、電流1.0CmA、終止電圧2.75Vの定電流放電とを、1サイクル行った。
次に、45℃において、電流1.0CmA、終止電圧4.35Vの定電流定電圧充電と、電流1.0CmA、終止電圧2.75Vの定電流放電とを100サイクル行い、45℃における1サイクル目と100サイクル目の1.0CmA放電容量を測定した。

0060

(電池厚さの測定)
上記した充放電試験において、45℃における1サイクル目の1.0C放電容量を測定する前及び45℃における100サイクル目の1.0CmA放電容量を測定した後の、室温における電池厚さを、ノギスを用いて測定した。

0061

以上の結果をまとめて表3及び表4に示す。なお、表3において、45℃における1サイクル目、100サイクル目の1.0CmA放電容量は、比較例3の1サイクル目の1.0CmA放電容量の値を100%として表記した。表4において、45℃における1サイクル目の1.0CmA放電容量を測定する前の電池厚さを「電池厚さ1サイクル目」、45℃における100サイクル目の1.0CmA放電容量を測定した後の電池厚さを「電池厚さ100サイクル目」とし、比較例3の45℃における1サイクル目の1.0CmA放電容量を測定する前の電池厚さの値を100%として表記した。

0062

0063

0064

表3及び表4に示すように、Pに直接結合するアルキル基であるR3の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されている含フッ素ホスホン酸エステルを20質量%以下含有した実施例3の非水電解質を用いた二次電池は、含フッ素ホスホン酸エステルを含有しない比較例3の非水電解質を用いた二次電池と比較して、高温充放電サイクル性能が顕著に向上し、電池厚さの増加が顕著に抑制されていることがわかる。

0065

(符号の説明)
1非水電解質二次電池
2電極群
3電池容器
4正極端子
4’正極リード
5負極端子
5’負極リード
20蓄電ユニット
30 蓄電装置

0066

本発明に係る非水電解質二次電池は、充放電サイクル性能が優れているので、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車等の自動車用電源として有用である。

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