図面 (/)

技術 既設構造物と取替用部材との接合方法及び構造

出願人 中日本高速道路株式会社オリエンタル白石株式会社
発明者 田中貞俊加藤嵩大正司明夫大谷悟司高橋謙一神谷裕司
出願日 2014年9月25日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-195259
公開日 2016年4月28日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2016-065402
状態 特許登録済
技術分野 橋または陸橋
主要キーワード 事前作業 潰し変形 継手鉄筋 ループ鉄筋 フック部分 既設鉄筋 コンクリート床板 床版鉄筋
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリート充填することにより互いに接合する上で、施工時間を短縮することができ、材料コストを低減することが可能な既設構造物と取替用部材との接合方法を提供する。

解決手段

既設床版2と取替用床版3との間に間詰めコンクリート4を充填することにより互いに接合する際に、既設鉄筋21を突出させてなる既設床版2の端面と継手鉄筋30を突出させてなる取替用床版3の端面とを互いに間隔を空けて対向させ、既設床版2と取替用床版3間に介装鉄筋5を既設鉄筋21との間では互いに離間させ、且つ継手鉄筋30との間では重ね継手となるように配設した上で間詰めコンクリート4を充填する。

概要

背景

従来より、橋梁におけるコンクリート床版が古くなった場合には、その古いコンクリート床板を取り外し、その代替として取替用床版を配設する。既設床版と取替用床版の間に形成される接続部には間詰めコンクリート打設する。また既設床版の端面から突出される鉄筋と、取替用床版の端面から突出させた鉄筋の間で、例えば重ね継手により接続する。

図9は、既設床版と接合する取替用床版81の従来例である。取替用床版81は、取替用床版本体80の各端部91a、91bから線状の鉄筋92を略水平方向に向けて突出されている。鉄筋92は、この取替用床版本体80上において上下2段に亘って形成されている。なお、このような線状の鉄筋92の代替として、上下2段の鉄筋を床版厚み方向円弧状に形成されたループ状継手を取替用床版本体80に埋設させるようにしてもよい。

このような構成からなる取替用床版81は、橋軸直角方向に横長の床版である。このような取替用床版81を既設床版100と接合する場合には、例えば図10に示すように既設床版100から突出された鉄筋101と、取替用床版81から突出された鉄筋92との間で、重ね継手を構成する。この鉄筋101と鉄筋92とは平面視で互い違いになるように配置するとともに、鉄筋101と鉄筋92との間には、橋軸方向に直交する方向へ補強鉄筋95を配筋する。この補強鉄筋95と、鉄筋101又は鉄筋92との間で、必要に応じて番線等の結束線により結束するようにしてもよい。その後、既設床版100と、取替用床版81との間に形成される目地間隔Cに間詰めコンクリート97を打設する(例えば、特許文献1参照。)。

概要

既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリートを充填することにより互いに接合する上で、施工時間を短縮することができ、材料コストを低減することが可能な既設構造物と取替用部材との接合方法を提供する。既設床版2と取替用床版3との間に間詰めコンクリート4を充填することにより互いに接合する際に、既設鉄筋21を突出させてなる既設床版2の端面と継手鉄筋30を突出させてなる取替用床版3の端面とを互いに間隔を空けて対向させ、既設床版2と取替用床版3間に介装用鉄筋5を既設鉄筋21との間では互いに離間させ、且つ継手鉄筋30との間では重ね継手となるように配設した上で間詰めコンクリート4を充填する。

目的

本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリート充填することにより互いに接合する既設構造物と取替用部材との接合方法において、既設鉄筋を突出させてなる上記既設構造物の端面と継手鉄筋を突出させてなる上記取替用部材の端面とを互いに間隔を空けて対向させ、上記既設構造物と上記取替用部材間介装鉄筋を上記既設鉄筋との間では互いに離間させ、且つ上記継手鉄筋との間では重ね継手となるように配設した上で上記間詰めコンクリートを充填することを特徴とする既設構造物と取替用部材との接合方法。

請求項2

ループ鉄筋である上記継手鉄筋に対して、上記介装用鉄筋のループ状折曲げ部分を重ねることによる重ね継手を形成することを特徴とする請求項1記載の既設構造物と取替用部材との接合方法。

請求項3

先端に鋼管圧着したエンドバンド鉄筋である上記継手鉄筋に対して、上記介装用鉄筋の先端に圧着された鋼管との間で上記重ね継手を形成することを特徴とする請求項1記載の既設構造物と取替用部材との接合方法。

請求項4

上記介装用鉄筋のうちフック状に折り曲げられた端部と上記既設鉄筋との間で上記間詰めコンクリートを介して定着されていることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の既設構造物と取替用部材との接合方法。

請求項5

既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリートが充填されることにより互いに接合される既設構造物と取替用部材との接合構造において、既設鉄筋を突出させてなる上記既設構造物の端面と継手鉄筋を突出させてなる上記取替用部材の端面とが互いに間隔を空けて対向させてなり、上記既設構造物と上記取替用部材との間に介装用鉄筋が配設され、上記介装用鉄筋は、上記既設鉄筋との間では互いに離間させ、且つ上記継手鉄筋との間では重ね継手を形成してなることを特徴とする既設構造物と取替用部材との接合構造。

請求項6

上記継手鉄筋は、ループ鉄筋であり、上記介装用鉄筋は、そのループ状の折曲げ部分を、上記ループ鉄筋に対して重ねることによる重ね継手を形成してなることを特徴とする請求項5記載の既設構造物と取替用部材との接合構造。

請求項7

上記継手鉄筋は、先端に鋼管を圧着したエンドバンド鉄筋であり、上記介装用鉄筋は、上記継手鉄筋と重ね継手を形成するその先端に鋼管が圧着されてなることを特徴とする請求項5記載の既設構造物と取替用部材との接合構造。

請求項8

上記介装用鉄筋のうちフック状に折り曲げられた端部と上記既設鉄筋との間で上記間詰めコンクリートを介して定着されていることを特徴とする請求項5〜7のうち何れか1項記載の既設構造物と取替用部材との接合構造。

技術分野

0001

本発明は、既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリート充填することにより互いに接合する既設構造物と取替用部材との接合方法及び構造に関するものである。

背景技術

0002

従来より、橋梁におけるコンクリート床版が古くなった場合には、その古いコンクリート床板を取り外し、その代替として取替用床版を配設する。既設床版と取替用床版の間に形成される接続部には間詰めコンクリートを打設する。また既設床版の端面から突出される鉄筋と、取替用床版の端面から突出させた鉄筋の間で、例えば重ね継手により接続する。

0003

図9は、既設床版と接合する取替用床版81の従来例である。取替用床版81は、取替用床版本体80の各端部91a、91bから線状の鉄筋92を略水平方向に向けて突出されている。鉄筋92は、この取替用床版本体80上において上下2段に亘って形成されている。なお、このような線状の鉄筋92の代替として、上下2段の鉄筋を床版厚み方向円弧状に形成されたループ状継手を取替用床版本体80に埋設させるようにしてもよい。

0004

このような構成からなる取替用床版81は、橋軸直角方向に横長の床版である。このような取替用床版81を既設床版100と接合する場合には、例えば図10に示すように既設床版100から突出された鉄筋101と、取替用床版81から突出された鉄筋92との間で、重ね継手を構成する。この鉄筋101と鉄筋92とは平面視で互い違いになるように配置するとともに、鉄筋101と鉄筋92との間には、橋軸方向に直交する方向へ補強鉄筋95を配筋する。この補強鉄筋95と、鉄筋101又は鉄筋92との間で、必要に応じて番線等の結束線により結束するようにしてもよい。その後、既設床版100と、取替用床版81との間に形成される目地間隔Cに間詰めコンクリート97を打設する(例えば、特許文献1参照。)。

先行技術

0005

特開2007−231569号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上述した重ね継手を介した接合方法によれば以下に説明する問題点がある。

0007

先ず第1の問題点として、上述した重ね継手を使用すると、接合部の目地間隔Cが長くなってしまう。その結果、間詰めコンクリート97を打設するための労力が増大し、これに伴う施工時間が長期化してしまう。特に取替用床版81による取替作業を行うためには、交通規制を行う必要があり、打設する間詰めコンクリート97の量が増加すれば、その分交通規制時間が長くなってしまうという問題点が生じる。また間詰めコンクリートの量が増加すれば、その分材料コストが増加してしまうという問題点も生じる。

0008

また、第2の問題点として、既設床版100について、建設時の図面等の情報が残っていない場合もあり得る。かかる場合には、この既設床版100との間で重ね継手を構成する上で、既設床版100の鉄筋101の配置状況等が不明になる。このため、一度掘削作業を行い、既設床版100のコンクリート中に埋設されている鉄筋101の配置状況を確認するいわゆる事前作業を行う必要が生じ、施工時間が更に長期化してしまう。これに加えて、図面や事前作業を通じて特定した鉄筋101の配置状況と、実際の鉄筋101の配置状況とが異なる場合もあり、施工時間が更に長期化してしまう場合もある。

0009

また、第3の問題点として、重ね継手を採用する場合には、ネジ等を用いる機械式継手を用いる場合において、現場での組立調整が必要となり、施工時間が更に長期化してしまう。

0010

更に第4の問題点として、重ね継手を採用する場合において、後施工アンカー打ち込み、接合可能な鉄筋とする際に更に施工時間を要する。

0011

そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリートを充填することにより互いに接合する上で、施工時間を短縮することができ、材料コストを低減することが可能な既設構造物と取替用部材との接合方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

請求項1記載の既設構造物と取替用部材との接合方法は、既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリートを充填することにより互いに接合する既設構造物と取替用部材との接合方法において、既設鉄筋を突出させてなる上記既設構造物の端面と継手鉄筋を突出させてなる上記取替用部材の端面とを互いに間隔を空けて対向させ、上記既設構造物と上記取替用部材間介装用鉄筋を上記既設鉄筋との間では互いに離間させ、且つ上記継手鉄筋との間では重ね継手となるように配設した上で上記間詰めコンクリートを充填することを特徴とする。

0013

請求項2記載の既設構造物と取替用部材との接合方法は、請求項1記載の発明において、ループ鉄筋である上記継手鉄筋に対して、上記介装用鉄筋のループ状折曲げ部分を重ねることによる重ね継手を形成することを特徴とする。

0014

請求項3記載の既設構造物と取替用部材との接合方法は、請求項1記載の発明において、先端に鋼管圧着したエンドバンド鉄筋である上記継手鉄筋に対して、上記介装用鉄筋の先端に圧着された鋼管との間で上記重ね継手を形成することを特徴とする。

0015

請求項4記載の既設構造物と取替用部材との接合方法は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、上記介装用鉄筋のうちフック状に折り曲げられた端部と上記既設鉄筋との間で上記間詰めコンクリートを介して定着されていることを特徴とする。

0016

請求項5記載の既設構造物と取替用部材との接合構造は、既設構造物と取替用部材との間に間詰めコンクリートが充填されることにより互いに接合される既設構造物と取替用部材との接合構造において、既設鉄筋を突出させてなる上記既設構造物の端面と継手鉄筋を突出させてなる上記取替用部材の端面とが互いに間隔を空けて対向させてなり、上記既設構造物と上記取替用部材との間に介装用鉄筋が配設され、上記介装用鉄筋は、上記既設鉄筋との間では互いに離間させ、且つ上記継手鉄筋との間では重ね継手を形成してなることを特徴とする。

0017

請求項6記載の既設構造物と取替用部材との接合構造は、請求項5記載の発明において、上記継手鉄筋は、ループ鉄筋であり、上記介装用鉄筋は、そのループ状の折曲げ部分を、上記ループ鉄筋に対して重ねることによる重ね継手を形成してなることを特徴とする。

0018

請求項7記載の既設構造物と取替用部材との接合構造は、上記継手鉄筋は、先端に鋼管を圧着したエンドバンド鉄筋であり、上記介装用鉄筋は、上記継手鉄筋と重ね継手を形成するその先端に鋼管が圧着されてなることを特徴とする。

0019

請求項8記載の既設構造物と取替用部材との接合構造は、請求項5〜7のうち何れか1項記載の発明において、上記介装用鉄筋のうちフック状に折り曲げられた端部と上記既設鉄筋との間で上記間詰めコンクリートを介して定着されていることを特徴とする。

発明の効果

0020

上述した構成からなる本発明によれば、取替用床版側においては、介装用鉄筋と継手鉄筋との間では、重ね継手を構成していることから互いに強固に接合することが可能となる。また既設床版側においては、介装用鉄筋と、既設鉄筋との間で間詰めコンクリートを介して定着させる構造を採用することで、十分な強度を以って接合することができる。この定着させる継手構造では、介装用鉄筋並びに既設鉄筋が間詰めコンクリートを介して定着されているものに過ぎないが、これによっても上述した所期の効果を発現させることが可能となる。

0021

特に既設床版側において重ね継手を適用することなく、あくまで間詰めコンクリートを介した定着を行うことにより、既設床版と、取替用床版との間に形成される目地間隔を短くすることができる。その結果、間詰めコンクリートを打設するための労力を軽減させることができ、また施工時間も短縮することが可能となる。特に取替用床版による取替作業を行うための交通規制時間も短縮することができる。更に必要な間詰めコンクリートの量も低減することができ、材料コストを抑制することが可能となる。

0022

また本発明では、既設床版側においては、介装用鉄筋と、既設鉄筋との間で間詰めコンクリートを介した定着構造を採用するため、既設床版について建設時の図面等の情報が残っていない場合であってもこれとは無関係に接合を行うことができる。このため、既設床版の鉄筋の配置状況等を確認するために一度掘削作業を行う必要も無くなり、これに伴う施工時間が増加してしまうのを防止することができる。

0023

また本発明では、既設床版側においては、介装用鉄筋と、既設鉄筋との間で間詰めコンクリートを介して定着させるため、従来の重ね継手を採用する場合における機械式継手の組立調整も必要なくなり、施工時間をより短縮することが可能となる。

図面の簡単な説明

0024

本発明を適用した接合構造の平面図である。
本発明を適用した接合構造の断面図である。
本発明を適用した接合構造に用いられる取替用床版の側面図である。
本発明を適用した接合構造に用いられる介装用鉄筋について説明するための図である。
既設床版から突出されている2段の既設鉄筋の上下間隔が狭い場合の例について説明するための図である。
ループ鉄筋が突出された取替用床版の側断面図である。
本発明を適用した接合構造に用いられる介装用鉄筋の他の例について説明するための図である。
本発明を適用した接合構造の他の例の断面図である。
既設床版と接合する取替用床版の従来例について説明するための図である。
従来における既設構造物と取替用部材との接合構造について説明するための図である。

実施例

0025

以下、本発明の実施の形態として、既設構造物と取替用部材との接合構造について、図面を参照しながら詳細に説明をする。

0026

図1は、本発明を適用した接合構造1の平面図であり、図2はその断面図を示している。この接合構造1は、例えば橋梁におけるコンクリート床版が破損、劣化等した場合においてその一部を補修する上で適用されるものである。この接合構造1を適用する場合には、補修対象のコンクリート床版を取り外すことにより、取替対象外の既設床版2間に間隙を設ける。そして、この間隙に取替用床版3を配設する。更にこの既設床版2と取替用床版3の間には、介装用鉄筋5が配設された上で間詰めコンクリート4が打設される。

0027

既設床版2の内部には、既設鉄筋21が橋軸方向に向けて埋設され、その端部は端面2aから突出されている。この既設床版2の内部には、更に橋軸直角方向に向けて補強鉄筋22が埋設されている。この補強鉄筋22は、既設鉄筋21に対して直交させつつこれに添設されている。

0028

取替用床版3は、図3の側面図に示すように、所定の長さ寸法の鉄筋の両端部に鋼製筒状体31が嵌合されると共に、鉄筋に押し潰し変形されて圧着固定された圧着グリップ(エンドバンド)32が形成され、圧着グリップ付き継手鉄筋(エンドバンド付き継手鉄筋)からなる上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bが構成されている。

0029

圧着グリップ付き継手鉄筋からなる上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bは、鉄筋に加熱成形等の熱間加工を必要としないので、市販の安価な鉄筋を使用でき、また、鋼製筒状体31も市販の安価な部材を使用することができる。また鋼製筒状体31は、その長さについても自由度がある。また、鉄筋の端部を徐々に拡径させる拡径端部を有する特注の鉄筋を使用する場合に比べて、本発明において使用する圧着グリップ付き継手鉄筋からなる上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bは、市販の各種の鉄筋および鋼製筒状体を利用でき、製造の自由度が格段に高く、製造も容易である。

0030

圧着グリップ付き継手鉄筋からなる上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bが、床版鉄筋の一部として上部および下部の所定の位置に、かつ圧着グリップ32が橋軸方向の両端部に位置するように配置され、前記鉄筋の中間部を埋め込むようにコンクリートが打設硬化されて、取替用床版3が構成されている。

0031

また上部継手鉄筋30aが突出されている上部床版端面34が、下部継手鉄筋30bが突出されている下部床版端面35よりも、橋軸方向の中央部寄りに位置するように設けられている。これにより、上部床版端面34間の幅は、下部床版端面35間の幅よりも狭くなるように設けられている。

0032

上部床版端面34と下部床版端面35との間には、橋軸直角方向に連続する傾斜面又は平坦面を備えた段部137が設けられていてもよい。多数の上部継手鉄筋30aによる上部継手鉄筋基端部と、段部137とにより、橋軸直角方向の継手鉄筋用の仮置き収容溝138が、橋軸直角方向に連続して延長するように形成されている。

0033

また介装用鉄筋5は、図4に示すように、一本の鉄筋をフック状に折り曲げて構成された端部53を有している。この端部53は、曲率を持たせて折り曲げられていてもよい。また、この介装用鉄筋5の他端には、鋼製筒状体51が嵌合されると共に、鉄筋に押し潰し変形されて圧着固定された圧着グリップ(エンドバンド)52が形成されている。

0034

上述の如き構成からなる既設床版2、取替用床版3、介装用鉄筋5により接合構造1を構成する場合には、既設床版2における端面2aと、取替用床版3における上部床版端面34、下部床版端面35とを互いに間隔を空けて対向させて配置する。これにより既設床版2における端面2aから突出された既設鉄筋21と、取替用床版3における上部床版端面34、下部床版端面35から突出された上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bが平面視で互い違いになるように配置されることとなる。

0035

また介装用鉄筋5を、既設床版2と、取替用床版3との間に設ける。図2の例では、介装用鉄筋5における端部53を、既設床版2側に近接させ、圧着グリップ52を取替用床版3側に近接させる。このとき、介装用鉄筋5は、図1に示すように、平面視において既設鉄筋21、上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bとの間で互いに離間させた位置に配置されることとなる。また、この介装用鉄筋5を配置する際には、これを上下2段に亘り設けるようにしてもよい。その理由として、上下2段に亘り設けられる上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bにそれぞれ重ね継手を構成するためである。即ち、上側に設ける介装用鉄筋5は、端部53のフックを下から上に向けて延長された状態とし、下側に設ける介装用鉄筋5は、端部53のフックを上から下に向けて延長された状態で配設する。また、介装用鉄筋5における圧着グリップ52が設けられている側は、上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bとそれぞれほぼ同一高さとなるように構成される。

0036

この介装用鉄筋5は、既設床版2における既設鉄筋21との間で互いに離間させた上で間詰めコンクリート4を介して定着させる。また、この介装用鉄筋5は、上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bとの間で重ね継手となるように配設する。実際に、既設鉄筋21と、介装用鉄筋5における端部53は、平面視において互いに離間させてなり、特に鉄筋を介して連結することなく、定着する継手構造を構成する。この間詰めコンクリート4を介して定着させる構造を採用する上で橋軸直角方向に向けて、換言すれば図2中の紙面奥行側に向けて補強鉄筋38が配筋される。

0037

これに対して、介装用鉄筋5における圧着グリップ52と、上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bにおける圧着グリップ32との間の間隔dは、介装用鉄筋5と、継手鉄筋30とが互いに重複する長さである。本発明においては、少なくともこの間隔dにおいて重ね継手を構成する。

0038

この重ね継手を構成する上では、橋軸直角方向に向けて、換言すれば図2中の紙面奥行側に向けて補強鉄筋37が配筋される。この補強鉄筋37と、介装用鉄筋5及び継手鉄筋30とは、必要に応じて番線等の結束線により結束する。特に取替用床版3における上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bが、先端に圧着グリップ32を設けたいわゆるエンドバンド鉄筋であることから、これに対応させて介装用鉄筋5においても、その端部に圧着グリップ52を形成させることで、重ね継手を好適に形成させることが可能となる。

0039

介装用鉄筋5をこのような状態で配置した後に、間詰めコンクリート4を充填する。これにより、介装用鉄筋5におけるフック状に折り曲げられた端部53と、間詰めコンクリート4を定着させることができ、継手構造として所期の効果を発現させることが可能となる。特にこの端部53がフック状に折り曲げられていることにより、橋軸方向に向けて負荷される引張応力に対して、このフック部分抵抗することができることから引き抜けを防止することが可能となり、間詰めコンクリート4との間で強固な定着を実現できる。

0040

なお、既設床版2から突出されている既設鉄筋21は、取替えを行うための取替用床版3と離れていることから、既設鉄筋21についてのみラップを行うことで、所望の性能を保持することが可能となる。

0041

上述した構成からなる接合構造1によれば、取替用床版3側においては、介装用鉄筋5と上部継手鉄筋30a及び下部継手鉄筋30bとの間では、重ね継手を構成していることから互いに強固に接合することが可能となる。また既設床版2側においては、介装用鉄筋5と、既設鉄筋21との間で間詰めコンクリート4を介して定着させる構造を採用することで、十分な強度を以って接合することができる。この定着させる継手構造では、介装用鉄筋5並びに既設鉄筋21が間詰めコンクリート4を介して定着されているものに過ぎないが、これによっても上述した所期の効果を発現させることが可能となる。

0042

特に既設床版2側において重ね継手を適用することなく、あくまで間詰めコンクリート4を介した定着を行うことにより、既設床版2と、取替用床版3との間に形成される目地間隔eを短くすることができる。その結果、間詰めコンクリート4を打設するための労力を軽減させることができ、また施工時間も短縮することが可能となる。特に取替用床版3による取替作業を行うための交通規制時間も短縮することができる。更に必要な間詰めコンクリート4の量も低減することができ、材料コストを抑制することが可能となる。

0043

また本発明では、既設床版2側においては、介装用鉄筋5と、既設鉄筋21との間で間詰めコンクリート4を介した定着構造を採用するため、既設床版2について建設時の図面等の情報が残っていない場合であってもこれとは無関係に接合を行うことができる。このため、既設床版2の鉄筋の配置状況等を確認するために一度掘削作業を行う必要も無くなり、これに伴う施工時間が増加してしまうのを防止することができる。

0044

また本発明では、既設床版2側においては、介装用鉄筋5と、既設鉄筋21との間で間詰めコンクリート4を介して定着させるため、従来の重ね継手を採用する場合における機械式継手の組立調整も必要なくなり、施工時間をより短縮することが可能となる。

0045

なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば図5に示すように既設床版2から突出されている2段の既設鉄筋21の上下間隔が狭い場合には、上段の既設鉄筋21のみ上方に折り曲げて間隔調整を行うようにしてもよい。これにより、2段に亘る既設鉄筋21の間隔を上下に亘り拡径することが可能となる。そして、この上下に亘り拡径された既設鉄筋21同士を、この介装用鉄筋5との間で間詰めコンクリート4を介して定着させることにより、これらを接合することが可能となる。

0046

更に本発明では、図6に示す取替用床版3´に示すように、端面から突出される鉄筋がようにループ状のループ鉄筋39とされていても、同様に実現することができる。この取替用床版3´において、上述した取替用床版3と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。

0047

ループ鉄筋39は、その一端が上部床版端面34から突出され、またその他端が下部床版端面35から突出される。このループ鉄筋39は、上部床版端面34から突出された一端がそのまま略水平方向に向けて延長された上で下側に向けて徐々に屈曲してループ40を描くように形成され、同様に下部床版端面35から突出された一端がそのまま略水平方向に向けて延長されて上側に向けて徐々に屈曲してループ40を描くように形成される。このループ鉄筋39における屈曲された一端から他端にかけて連続しており、屈曲された一端から他端まで至るまで円弧状のループ40を描くように形成されている。このループ鉄筋39におけるループ40は、必ずしも円弧状に構成されていることは必須ではなく、いかなる形状で構成されていてもよい。

0048

図7は、このような取替用床版3´との間で重ね継手を構成する介装用鉄筋5´の構成を示している。円弧状のループを描くような形状とされているループ55と、このループ55の一端からそのまま略水平方向に向けて延長された上で下側に向けて徐々に円弧を描くように屈曲された屈曲部56aと、このループ55の他端からそのまま略水平方向に向けて延長された上で上側に向けて徐々に円弧を描くように屈曲された屈曲部56bとを備えている。ちなみに、介装用鉄筋5´は、図7の形態に限定されるものではなく、ループ55が形成されているものであれば、その何れか一端のみが略水平方向に延長されるものであってもよい。また、屈曲部56a、56bの構成は必須ではなく、これらを省略するようにしてもよい。またループ55は円弧状に構成される場合に限定される場合に限定されるものではなく、他のいかなる形状で構成されるものであってもよい。

0049

上述の如き構成からなる取替用床版3´、介装用鉄筋5´により、既設床版2との関係において接合構造1を構成する場合には、図8に示すように、既設床版2における端面2aと、取替用床版3´における上部床版端面34、下部床版端面35とを互いに間隔を空けて対向させて配置する。これにより既設床版2における端面2aから突出された既設鉄筋21と、取替用床版3におけるループ鉄筋39が平面視で互い違いになるように配置されることとなる。

0050

また介装用鉄筋5´を、既設床版2と、取替用床版3´との間に設ける。図8の例では、介装用鉄筋5´における屈曲部56a、56bを、既設床版2側に近接させる。このとき、介装用鉄筋5´は、平面視において既設鉄筋21、ループ鉄筋39との間で互いに離間させた位置に配置されることとなる。

0051

この介装用鉄筋5´は、既設床版2における既設鉄筋21との間で間詰めコンクリート4を介して定着させるように配設する。また、この介装用鉄筋5は、ループ鉄筋39との間で重ね継手となるように配設する。実際に、既設鉄筋21と、介装用鉄筋5´における屈曲部56は、平面視において互いに離間させてなり、特に鉄筋を介して連結することなく、定着させる構造としている。かかる構造を構成する上で橋軸直角方向に向けて、換言すれば図2中の紙面奥行側に向けて補強鉄筋38が配筋されるが、この補強鉄筋38は、あくまで継手を構成する上では必須ではなく、また番線等の結束線により結束されることも特段必要とされない。

0052

これに対して、介装用鉄筋5におけるループ鉄筋39との間で重ね継手を構成する上では、橋軸直角方向に向けて、換言すれば図8中の紙面奥行側に向けて補強鉄筋37が配筋される。この補強鉄筋37と、介装用鉄筋5及びループ鉄筋39とは、必要に応じて番線等の結束線により結束する。特に取替用床版3における介装用鉄筋5がループ状に折り曲げられたループ鉄筋39であることから、これに対応させて介装用鉄筋5においても、ループ55を形成させることで、重ね継手を好適に形成させることが可能となる。

0053

介装用鉄筋5´をこのような状態で配置した後に、間詰めコンクリート4を充填する。これにより、介装用鉄筋5´におけるフック状に折り曲げられた屈曲部56と、間詰めコンクリート4を定着させることができ、継手として上述の所期の効果を発現させることが可能となる。特にこの屈曲部56がフック状に折り曲げられていることにより、橋軸方向に向けて負荷される引張応力に対して、このフック部分が抵抗することができることから引き抜けを防止することが可能となり、間詰めコンクリート4との間で強固な定着を実現できる。

0054

従って、取替用床版3´を使用する場合においても、取替用床版3を使用する場合と同等の作用効果を得ることが可能となる。

0055

なお、本発明は、更に、既設床版2と取替用床版3、3´間の接合方法としても適用可能であることは勿論である。かかる場合には、既設床版2と、取替用床版3、3´を互いに間隔を空けて配置し、既設鉄筋21と介装用鉄筋5、5´とを互いに離間させる。また、介装用鉄筋5、5´と継手鉄筋30、ループ鉄筋39との間では互いに重ね継手となるように配設する。その上で間詰めコンクリート4を充填することで、上述した接合構造1を形成させることが可能となる。

0056

更に本発明は、橋梁の補修に限定されるものではなく、あらゆる既設構造物の補修に対しても適用可能である。かかる場合には、その補修対象の既設構造物における取替えを行わない領域を既設床版2とみなし、また取替を行う部材を取替用床版3、3´とみなして、上述と同様の接合を行っていくこととなる。

0057

なお、上述した構成からなる本発明では、橋梁の補修について、橋軸方向間の補修のみならず、橋軸直角方向間の補修についても同様に適用することができることは勿論である。

0058

1接合構造
2既設床版
3 取替用床版
4間詰めコンクリート
5介装用鉄筋
21既設鉄筋
22補強鉄筋
30a 上部継手鉄筋
30b 下部継手鉄筋
31鋼製筒状体
32圧着グリップ
34 上部床版端面
35 下部床版端面
37 補強鉄筋
38 補強鉄筋
39ループ鉄筋
40ループ
51 鋼製筒状体
52 圧着グリップ
53 端部
55 ループ
56屈曲部
80 取替用床版本体
81 取替用床版
92 鉄筋
95 補強鉄筋
97コンクリート
100 既設床版
101 鉄筋
137 段部
138 収容溝

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ