図面 (/)

技術 電気集塵機用高圧電源装置

出願人 ミドリ安全株式会社
発明者 山下隆之杉田直記
出願日 2014年9月25日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-195764
公開日 2016年4月28日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-064377
状態 特許登録済
技術分野 静電分離 DC‐DCコンバータ
主要キーワード 負荷抵抗体 放電スパーク 荷電時間 定電流出力特性 集塵対象 部品変更 電源特性 定電圧運転
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

放電スパークの発生が検出された場合にはPWMのデューティを変更することで連続的な放電スパークの発生を防止するとともに通常運転に円滑かつ迅速に移行し得る電気集塵機用高圧電源装置を提供する。

解決手段

アイオナイザIおよびコレクタIIに対する出力電圧Vおよび出力電流Iを検出するとともに、出力電圧Vを表す出力電圧信号S1および出力電流Iを表す出力電流信号S2をCPU9に供給することによりCPU9で、変換装置によるPWM制御のためのデューティ制御を行う電気集塵機用高圧電源装置であって、CPU9は、出力電圧Vの低下により放電スパークの発生が検出されたとき、出力電圧信号S1または出力電流信号S2を取り込んで、PWM制御のデューティを最小にすることで出力電圧Vの出力を直ちに休止するとともに、所定の休止期間の経過後、出力電圧Vの電圧上昇速度を前記デューティの分割比と、出力電圧信号S1または出力電流信号S2を取り込むサンプリング速度とに基づき設定される緩やかな上昇曲線とするよう制御する。

概要

背景

電気集塵機を長期作動し続けると、電極堆積したダストミストカーボン切削油水滴などによって、電極間放電スパークが発生し、集塵が妨げられることがある。連続した放電スパークの場合は集塵効率の低下のみならず、油分の着火危険の可能性も生じるため、できるだけ速やかに電源休止・集塵休止の処置を行うが、その場合においても次のような問題があった。

(1)従来、電極間で放電スパークが起きた時、10秒間休止し、再度高圧出力して正常レベルに戻っていればそのまま運転を継続し、異常ならさらに10秒間高圧休止し、これを3回繰り返して最終的に異常判定を行っていた。そのため、異常が起きた場合でも合計20秒間の集塵休止により、その間に煙が工場内を充満する事態生起されていた。

(2)偶発単発スパーク定常的連続スパークかは放電している電極の状態および放電空間の状態によって決まり、放電スパーク自体を電源側でコントロールすることができなかった。

(3)さらに上記以外の事象として、放電スパークを伴わない、湿気等の絶縁劣化による低抵抗負荷に伴う過電流もしくは継続的電圧低下による異常も発生する。この場合には集塵能力の期待はできないので、速やかに電極洗浄などの処置が必要となり、判定もできるだけ速やかに下す必要があるが、放電スパークと区別する機構欠落していた。

(4)原因が湿気による絶縁低下であった場合、電極洗浄すれば回復するが、その間集塵休止となってしまう。

放電スパークをコントロールする点を開示する公知文献として、例えば特許文献1がある。これは、火花放電が発生した後、出力電圧を低下させ、再立ち上げ時の電圧上昇の傾きを任意に制御し、火花放電の再発防止と荷電時間の確保を行なうというものである。

ところが、特許文献1には次のような問題がある。

(1)ソフト的なプログラミングで放電スパーク対策のための必要な制御を実現するという技術思想がなく、全てアナログ回路で処理するものであるので、回路が複雑になり、部品点数が多く必要で、コストがかかり、動作変更等の仕様自体の変更は面倒な作業を伴う部品交換を必要としていた。

(2)制御目標値としての電圧値又は電流値が基本的に点状の点状制御を考えていて、2次元的広がりを持つ関数制御の必要性の認識がない。

(3)集塵効率低下を引き起こさないことを優先しており、放電スパークに伴う一時的電圧低下からできるだけ早く電圧回復させることを主眼としているため、集塵対象の着火安全性について全く考慮されていない。このため、十分な休止時間が確保されていない。したがって、このままでは着火安全性の問題が発生する。

概要

放電スパークの発生が検出された場合にはPWMのデューティを変更することで連続的な放電スパークの発生を防止するとともに通常運転に円滑かつ迅速に移行し得る電気集塵機用高圧電源装置を提供する。アイオナイザIおよびコレクタIIに対する出力電圧Vおよび出力電流Iを検出するとともに、出力電圧Vを表す出力電圧信号S1および出力電流Iを表す出力電流信号S2をCPU9に供給することによりCPU9で、変換装置によるPWM制御のためのデューティ制御を行う電気集塵機用高圧電源装置であって、CPU9は、出力電圧Vの低下により放電スパークの発生が検出されたとき、出力電圧信号S1または出力電流信号S2を取り込んで、PWM制御のデューティを最小にすることで出力電圧Vの出力を直ちに休止するとともに、所定の休止期間の経過後、出力電圧Vの電圧上昇速度を前記デューティの分割比と、出力電圧信号S1または出力電流信号S2を取り込むサンプリング速度とに基づき設定される緩やかな上昇曲線とするよう制御する。

目的

本発明は、上記従来技術に鑑み、放電スパークの発生が検出された場合にはPWMのデューティを変更することで連続的な放電スパークの発生を防止するとともに通常運転に円滑かつ迅速に移行し得るばかりでなく、連続的な放電スパークが発生した場合でも可及的迅速に連続スパークを収束させて円滑な継続運転を確保し得る電気集塵機用高圧電源装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

負荷であるアイオナイザおよびコレクタに対する出力電圧および出力電流を検出するとともに、検出した出力電圧を表す出力電圧信号および出力電流を表す出力電流信号を制御手段に供給することにより前記制御手段で、前記負荷が接続された変換装置によるPWM制御のためのデューティ制御を行うように構成した電気集塵機用高圧電源装置であって、前記制御手段は、前記出力電圧の低下により放電スパークの発生が検出されたとき、前記出力電圧信号または出力電流信号を取り込んで、前記PWM制御のデューティを最小にすることで前記出力電圧の出力を休止するとともに、所定の休止期間の経過後、前記出力電圧の電圧上昇速度を前記デューティの分割比と、前記出力電圧信号または出力電流信号を取り込むサンプリング速度とに基づき設定される緩やかな上昇曲線とするよう制御するものである特徴とする電気集塵機用高圧電源装置。

請求項2

請求項1に記載する電気集塵機用高圧電源装置において、前記休止時間は、前記アイオナイザまたはコレクタにおける着火安全性と、集塵効率とに基づき決定したことを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載する電気集塵機用高圧電源装置において、前記制御手段は、所定時間内の前記放電スパークの発生回数が、所定の閾値を超える毎に定電流特性の出力電流の値を段階的に低下させることを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置。

請求項4

請求項1または請求項2に記載する電気集塵機用高圧電源装置において、前記制御手段は、所定時間内の前記放電スパークの発生回数が、所定の閾値を超える毎に定電圧特性の出力電圧の値を段階的に低下させることを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置。

請求項5

請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載する電気集塵機用高圧電源装置において、前記制御手段は、定格よりも低い定電流定電圧出力特性で立ち上げ絶縁部材に付着する湿気ジュール熱で乾燥された段階で定格の定電流・定電圧出力特性による運転移行するようにPWM制御するものであることを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置。

技術分野

0001

本発明は電気集塵機用高圧電源装置に関し、特にPWMによるデューティ制御により負荷であるアイオナイザまたはコレクタに供給する電圧電流を制御する場合に適用して有用なものである。

背景技術

0002

電気集塵機を長期作動し続けると、電極堆積したダストミストカーボン切削油水滴などによって、電極間放電スパークが発生し、集塵が妨げられることがある。連続した放電スパークの場合は集塵効率の低下のみならず、油分の着火危険の可能性も生じるため、できるだけ速やかに電源休止・集塵休止の処置を行うが、その場合においても次のような問題があった。

0003

(1)従来、電極間で放電スパークが起きた時、10秒間休止し、再度高圧出力して正常レベルに戻っていればそのまま運転を継続し、異常ならさらに10秒間高圧休止し、これを3回繰り返して最終的に異常判定を行っていた。そのため、異常が起きた場合でも合計20秒間の集塵休止により、その間に煙が工場内を充満する事態生起されていた。

0004

(2)偶発単発スパーク定常的連続スパークかは放電している電極の状態および放電空間の状態によって決まり、放電スパーク自体を電源側でコントロールすることができなかった。

0005

(3)さらに上記以外の事象として、放電スパークを伴わない、湿気等の絶縁劣化による低抵抗負荷に伴う過電流もしくは継続的電圧低下による異常も発生する。この場合には集塵能力の期待はできないので、速やかに電極洗浄などの処置が必要となり、判定もできるだけ速やかに下す必要があるが、放電スパークと区別する機構欠落していた。

0006

(4)原因が湿気による絶縁低下であった場合、電極洗浄すれば回復するが、その間集塵休止となってしまう。

0007

放電スパークをコントロールする点を開示する公知文献として、例えば特許文献1がある。これは、火花放電が発生した後、出力電圧を低下させ、再立ち上げ時の電圧上昇の傾きを任意に制御し、火花放電の再発防止と荷電時間の確保を行なうというものである。

0008

ところが、特許文献1には次のような問題がある。

0009

(1)ソフト的なプログラミングで放電スパーク対策のための必要な制御を実現するという技術思想がなく、全てアナログ回路で処理するものであるので、回路が複雑になり、部品点数が多く必要で、コストがかかり、動作変更等の仕様自体の変更は面倒な作業を伴う部品交換を必要としていた。

0010

(2)制御目標値としての電圧値又は電流値が基本的に点状の点状制御を考えていて、2次元的広がりを持つ関数制御の必要性の認識がない。

0011

(3)集塵効率低下を引き起こさないことを優先しており、放電スパークに伴う一時的電圧低下からできるだけ早く電圧回復させることを主眼としているため、集塵対象の着火安全性について全く考慮されていない。このため、十分な休止時間が確保されていない。したがって、このままでは着火安全性の問題が発生する。

先行技術

0012

特開2002−273267号公報

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、上記従来技術に鑑み、放電スパークの発生が検出された場合にはPWMのデューティを変更することで連続的な放電スパークの発生を防止するとともに通常運転に円滑かつ迅速に移行し得るばかりでなく、連続的な放電スパークが発生した場合でも可及的迅速に連続スパークを収束させて円滑な継続運転を確保し得る電気集塵機用高圧電源装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
負荷であるアイオナイザおよびコレクタに対する出力電圧および出力電流を検出するとともに、検出した出力電圧を表す出力電圧信号および出力電流を表す出力電流信号を制御手段に供給することにより前記制御手段で、前記負荷が接続された変換装置によるPWM制御のためのデューティ制御を行うように構成した電気集塵機用高圧電源装置であって、
前記制御手段は、前記出力電圧の低下により放電スパークの発生が検出されたとき、前記出力電圧信号または出力電流信号を取り込んで、前記PWM制御のデューティを最小にすることで前記出力電圧の出力を休止するとともに、所定の休止期間の経過後、前記出力電圧の電圧上昇速度を前記デューティの分割比と、前記出力電圧信号または出力電流信号を取り込むサンプリング速度とに基づき設定される緩やかな上昇曲線とするよう制御するものである特徴とする電気集塵機用高圧電源装置にある。

0015

本態様によれば、放電スパークの発生に伴う出力電圧の低下を検出することでデューティ制御により運転を休止するとともに所定の休止時間を挟むことで、連続放電への移行を可及的に抑制し得る。

0016

また、所定の休止期間の経過後、デューティの分割比と、出力電圧信号または出力電流信号を取り込むサンプリング速度とに基づき出力電圧の電圧上昇が緩やかな上昇曲線となるように制御しているので、再立ち上げのソフトスタートを実現し得る。

0017

本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する電気集塵機用高圧電源装置において、
前記休止時間は、前記アイオナイザまたはコレクタにおける着火安全性と、集塵効率とに基づき決定したことを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置にある。

0018

本態様によれば、トレードオフの関係にある着火安全性を確保するための要件と、集塵効率を高効率に確保するための要件との調和をとることができるので、集塵効率を高く保持した状態で着火安全性も良好に確保し得る。

0019

本発明の第3の態様は、
第1または第2の態様に記載する電気集塵機用高圧電源装置において、
前記制御手段は、所定時間内の前記放電スパークの発生回数が、所定の閾値を超える毎に定電流特性の出力電流の値を段階的に低下させることを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置にある。

0020

本態様によれば、放電スパークの発生回数が、所定の閾値を超える毎に定電流特性の出力電流の値を段階的に低下させているので、集塵効率をさほど低下させることなく、放電スパークの発生を迅速かつ適切に抑制することができる。

0021

本発明の第4の態様は、
第1または第2の態様に記載する電気集塵機用高圧電源装置において、
前記制御手段は、所定時間内の前記放電スパークの発生回数が、所定の閾値を超える毎に定電圧特性の出力電圧の値を段階的に低下させることを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置にある。

0022

本態様によれば、放電スパークの発生回数が、所定の閾値を超える毎に定電圧特性の出力電圧の値を段階的に低下させているので、放電スパークの発生を迅速かつ適切に抑制することができる。

0023

本発明の第5の態様は、
第1〜第4の態様のいずれか一つに記載する電気集塵機用高圧電源装置において、
前記制御手段は、定格よりも低い定電流・定電圧出力特性で立ち上げ絶縁部材に付着する湿気がジュール熱で乾燥された段階で定格の定電流・定電圧出力特性による運転に移行するようにPWM制御するものであることを特徴とする電気集塵機用高圧電源装置にある。

0024

本態様によれば、強い湿気により碍子支持体等に絶縁劣化を生起している場合でも、湿気により絶縁劣化を生起している部分に電流を流してやることによりジュール熱で当該部分を乾燥させることができる。すなわち、安全な乾燥専門運転を行うことで、速やかに絶縁耐力を回復させることができ、乾燥後の定格運転に問題なく迅速に移行することができる。

発明の効果

0025

本発明によれば、放電スパークの発生に伴う出力電圧の低下を検出することでデューティ制御により運転を休止するとともに所定の休止時間を挟むことで、連続放電への移行を可及的に抑制して当該電気集塵機の継続運転に資することができる。また、再立ち上げ時の出力電圧の電圧上昇が緩やかな上昇曲線となるように制御しているので、良好な継続運転を実現し得る。

0026

さらに、着火安全性を確保するための要件と、集塵効率を高効率に確保するための要件との調和をとることができるので、集塵効率を高く保持した状態で着火安全性も良好に確保し得る。

0027

また、連続する放電スパークの発生に対処するためには、例えば定電圧特性を与える出力電流を段階的に低下させることで対処しているので、可及的に連続スパークの発生を抑制し得る。

0028

すなわち、放電スパークの発生が検出された場合にはPWMのデューティを変更することで連続的な放電スパークの発生を防止するとともに通常運転に円滑かつ迅速に移行し得るばかりでなく、連続的な放電スパークが発生した場合でも可及的迅速に連続スパークを収束させて円滑な継続運転を確保し得る。

図面の簡単な説明

0029

本発明の実施の形態に係る電気集塵機用高圧電源装置を示すブロック図である。
上記実施の形態の第1の実施例に係る動作態様を示す波形図である。
上記実施の形態の第2の実施例に係る動作態様を示す波形図である。
上記実施の形態の第3の実施例に係る動作態様を示す波形図である。
上記実施の形態の第4の実施例に係る動作態様を示す波形図である。

実施例

0030

以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。

0031

図1は本発明の実施の形態に係る電気集塵機用高圧電源装置を示すブロック図である。本形態は電気集塵機のアイオナイザIおよびコレクタIIを負荷として有している。

0032

また、本形態に係る電源装置は、他励式変換装置を有している。さらに詳言すると、商用電源50/60Hzの交流から一旦直流に変換する整流平滑回路または直流電源図1に図示せず)から印加される直流電圧を、周波数20kHz〜100kHzでスイッチング動作するスイッチング素子である電界効果トランジスタTrでチョッピングして昇圧トランス1に印加する。昇圧トランス1は、所定の高電圧を得るための1次および2次巻線を有しており、その1次巻線1Aには、並列共振コンデンサC0が接続されている。また、2次巻線1Bには、2次電圧を直流に変換する整流倍圧回路2が接続してある。かくして、昇圧トランス1で昇圧され、整流倍圧回路2で整流されることにより生成される所定の直流高電圧が負荷であるアイオナイザIおよびコレクタIIに印加される。ここで、コレクタIIには、電圧分割用抵抗R1,R2を介してアイオナイザIに対する印加電圧よりも降圧した電圧が印加される。両者の定格電圧に合わせるためである。

0033

電圧検出回路3は、アイオナイザIに印加される電圧を検出し、このときの電圧値を表す電圧信号S1をオペアンプ4を介して主制御装置5に送出する。一方、電流検出回路6は、アイオナイザIおよびコレクタIIに供給される電流を検出し、このときの電流値を表す電流信号S2をオペアンプ7を介して主制御装置5に送出する。

0034

本形態における制御手段である主制御装置5は、A/D変換器8,CPU9,PWM信号生成部10を有している。ここで、A/D変換器8は、アナログ信号である電圧信号S1および電流信号S2をデジタル信号に変換してCPU9に供給する。CPU9は、電圧信号S1および電流信号S2に基づくデジタル信号を所定通りに処理してPWMのデューティを決定し、PWM信号生成部10を介して所定のデューティを有するPWM信号S3を発生させる(CPU9における信号処理に関しては後に詳述する)。スイッチング回路11は、PWM信号S3に基づき電界効果トランジスタTrを所定の間隔でON/OFF制御する。

0035

かくして、当該電源装置の電源の投入と同時に主制御装置5のCPU9が立ち上がることで初期立ち上げルーチンに入る。このとき電界効果トランジスタTrはカットオフになっており昇圧トランス1には電流は流れていない。

0036

一方、CPU9では、モニター回路を通じて得られるモニター用の電圧信号(VDD信号)S1および電流信号(IDD信号)S2に基づく電圧値および電流値を一定時間T1ごとに検出しながら、目標電圧に達していなければデューティを1デジットずつ上げていく。本形態では、T1=10msecとしている。また、1デジット上がるごとに1/400(=0.25%)ずつデューティが増加する。したがって、最小出力は、デューティが100パーセントの場合の1/400となる。

0037

上述の如き電気集塵機において放電スパークの発生が検出された場合には、次の第1〜第4の実施例に示すような制御を行う。

0038

<第1の実施例>
本例は休止時間による安全性確保を目的とする制御である。具体的には、図2に示すように、スパークが発生すると一瞬負荷短絡状態となり、スパークによる電圧低下Aが生起される。この結果、出力電圧Vはほぼゼロとなる。かかる出力電圧Vの低下により、電圧検出回路3でスパーク検知Bが行われ、休止開始Cのモードとなる。この結果、放電は一旦休止されるが、休止されたことによって負荷短絡から解放された当該電気集塵機用高圧電源装置は回復する。放電スパークの原因が取り除かれていなければ連続した放電スパークに移行しやすい。しかし放電スパークが起きても、1回であれば安全性が脅かされることはなく、運転休止の必要はないので、連続放電に移行しないように、1回でも放電スパークが発生すれば、直ちにこれを検知し、デューティを最小値(本例では出力電圧Vが100%のときの1/400)にし、放電開始電圧以下の十分低い値とすることで連続スパークに移行することを確実に防止する。具体的には、昇圧トランス1の1次巻線1A側の振幅をCPU9が直接コントロールしているので、瞬時にデューティを変化させることで実現し得る。また、一旦出力を休止し一定時間後再立ち上げすることで集塵効率の低下を最小限度に留めることができる。

0039

休止時間が短すぎれば着火安全性が確保できず、長すぎれば集塵性能が確保できない。休止期間が長すぎて再立ち上げまでの一定時間は着火安全性と集塵効率の両方から最適値を決める。具体的には、30msecでは連続放電と変わらず、3secでは休止期間が長すぎてその間の塵埃処理が問題となるので、100msec〜1000msecが好適であり、好ましくは300msec程度が最適である。

0040

再立ち上げDはサンプリング時間(プログラム巡回時間)毎にデューティを1デジットずつ増加させて緩やかな曲線を描きながら電圧上昇させ、いわゆるソフトスタートを実現する。スパーク放電の原因が取り除かれるまで、これを繰り返すが、一定時間当たりの放電スパークの回数が閾値を超えると、さらに次の実施例2の処理に移行する。

0041

<第2の実施の形態>
本例は、定電流モードによるスパーク抑制を目的とするものである。第1の実施例に記載する処理で放電スパークの発生が終息しない場合は、放電スパーク発生を抑制し、集塵機継続動作させるため、電源の出力特性切り替える。

0042

図3は定電流・定電圧運転の一例である箱型定電圧・定電流出力特性を示すグラフであり、これに初期放電特性Eおよび運転後放電特性Fを重ねたものである。最初は、動作点Gから運転を開始するが、電極の汚れ等に起因して定電流・定電圧運転を継続するには、動作点Hに移行させ、定電流特性と定電圧特性との交点を経て徐々に出力電流Iを低下させることにより、定電圧・定電流運転を継続する。

0043

ここで、動作点G,Hを含む定電流運転を行っている際に、実施例1に示す処理を行ったにも関わらず、閾値を超える放電スパークの発生が検出された場合には、定電流特性を定電流特性Jから定電流特性Kに切替える。さらに詳言すると、一般に長期運転によって、放電電圧平行移動的上昇が起き、すなわち動作点G,Hを含む定電流運転を行っている際に動作点Gから動作点Hへの動作点の上昇が発生し、これに伴い電極間に放電スパークが発生する。そこで、実施例1に示す処理を行ったにも関わらず、閾値を超える回数の放電スパークの発生が検出された場合には、定電流特性を定電流特性Jから定電流特性Kに切替える。このように、電源特性自体を変えて、定電流領域の電流値が段階的に減少するように切り替えると、動作電圧は再び当初の電圧に近づき、放電スパークが抑制される。

0044

電極汚れ極端に多い場合は、放電電圧の上昇は定電流領域から定電圧領域へのシフトアップが起きる。特に針電極を使用した場合は電圧上昇と、それに伴う放電スパークの多発が顕著である。この場合でも、電源特性自体を変えて、定電流領域の電流値を切り替えると、動作点を再び定電流領域に戻すことができる。これにより長期運転に伴うコロナ放電電圧上昇も抑えられ、放電スパークの多発も劇的に低下させることができ、集塵動作を安定に継続させることができる。定電流領域を使用すると、放電電流が確保され、集塵効率の維持が容易になり、集塵動作の継続性を良好に確保することができる。

0045

一方、継続運転の後に、放電特性が回復し、電圧上昇に伴う放電スパークが見られなくなった場合は、これを判定し、自動的に元の出力に戻す。かかる判定は、所定時間内に放電スパークの発生が検出されないことで、容易かつ適正に行うことができる。

0046

逆に、定電流動作点を切り替えた後に、実施例1の処理を行ったにも関わらず、さらに放電スパークが多発した場合は、電源出力特性の2回目の電流値切り替えを行い、定電流特性Jから定電流特性Kの切替えを行う。かくして極力集塵動作を継続する。それでも放電スパークの発生が止まらない場合は、洗浄サインとともに一定時間経過後、休止する。

0047

ここで、放電スパークの発生頻度の抑制と集塵性能確保に関する理論的根拠に関して説明しておく。長期運転に伴い放電極集塵極ゴミの付着により、放電電圧が上昇し、さらには定電流領域から定電圧領域にシフトアップし、放電スパークが多発する。定電流特性の数値を変えると、すなわちシフトダウンすると、放電電圧を元の電圧近くに戻すことができ、放電スパークのない状態で安定集塵動作することができる。集塵効率は一般に次式で表される。

0048

η=1−EXP(−Aω/Q)
ω=CmqEc/3πμDp
q=k1Ei
Ei=k2√Ii
但し、Q:風量、A:集塵面積、ω:粒子移動速度、Dp:粒径、Ec:コレクタ電界、μ:空気の粘性、q:粒子電荷量、Ei:アイオナイザ電界、Ii:アイオナイザ放電電流、Cm:カニンガム補正係数、k1、k2:係数である。

0049

ここで初期集塵効率η=98%とすると、放電電流が約半分になった時、理論集塵効率はη=93.7%である。さらに電流が1/4になった場合でもη=85.9%にしか低下しない。電流が1/4に低下したからといって、電源を止めてしまうと0%になってしまうことを考慮すると、定電流領域を使ったシフトダウン調整による継続運転方式の優位性は明らかである。これは、集塵効率を決定する粒子電荷量が放電電流の平方根に比例するため、効率低下が電流低下の割にさほど大きくないことと、放電電圧の低下によるスパーク抑制効果を利用したものである。

0050

したがって、本例の電流逐次低減方式を採用すれば、集塵効率はさほど低下させることなく、顕著な放電スパーク抑制効果を得られることが明確になった。

0051

ちなみに、従来のリンギングチョークコンバータ方式を代表とする自励式の場合、電流切り替えにリレーが必要になったり部品定数の異なるものを用意しておかなければならなかったり、一旦設定した電流値は部品交換しない限り変えられなかったり、切り替えにもかなりの制限があった。他励式の場合でも、特許文献1に代表されるように、多数の部品を必要とする。これに対し本例ではソフト上の数値を変えるだけで部品変更必要なく、ほぼ連続的変化も可能で、遠隔地より定数変更することも可能である。

0052

<第3の実施例>
上記第2の実施例では、定電流・定電流制御の電流を段階的に低減する方式に関して説明したが、同様の考えは定電圧モードによるスパーク抑制にも敷衍できる。すなわち、図4に示すように、定電流特性は変えず、定電圧特性Mを定電圧特性Nと低下させ、さらに定電圧特性Nから定電圧特性Oへと段階的に低下させることもできる。

0053

実施例1の処理を行ったにも関わらず、一定期間内で発生する放電スパークの発生回数が所定の閾値を超えた場合には、ソフト的に定電圧の数値変更を行うことで、確実に放電スパークを止めることができるが、放電電流値変化幅が大きいために、集塵効率の確保という点で第2の実施例と比較すれば劣る。そこで、放電スパークを止める要求が強ければ、定電圧値の連続的変化を選び、集塵効率確保の要求が強ければ、定電流値段階的変化を採用し、現場の集塵対象の性質によって容易に切り替えることができる。

0054

<第4の実施例>
運転中のスパーク以外にも、強い湿気による碍子等支持体の絶縁劣化により運転できない場合が発生する。この場合、集塵部の絶縁抵抗を測ると、1MΩ以下となることも珍しくない。かかる状態で、仮に定格10kvの電圧を印加したとすると、10mA以上の電流が流れる計算になり、10kv×10mA=100Wであるので、大出力が負荷抵抗体にかかり、抵抗体の急激な温度上昇とともに、燃焼に至ることが考えられる。

0055

そこで、従来は出力を休止し、電極洗浄を待つか、送風による乾燥を行って復帰させていた。しかしながら、かかる従来方法では、乾燥に時間がかかり、その間は集塵できずにいた。

0056

そこで、本例では、強い湿気による碍子等支持体の絶縁劣化を生起していても安全な乾燥専門運転を行い、速やかに絶縁劣化を復旧させるようにした。すなわち、運転を完全に止めてしまうと乾燥が期待できなくなり、逆に定格電圧を印加すると、2次災害の発生の恐れがあるので、図5に示すように、電圧、電流を、ともに定格の1/2または1/4程度に出力を絞って印加し、絶縁抵抗がある程度復帰した時点でさらに出力を上げて乾燥を加速させる。乾燥には初期状態に近ければ数秒で済、汚れがひどくなるにつれ数十秒から数百秒かかる場合もある。

0057

従来、小型電源主電源の2電源方式で、立ち上がりは小型電源を用い、低い電圧、小さい電流を流し、一定時間後に主電源に切り替える方法があったが、この方法では電源が2個必要なだけでなく、2段階しか切り替えることができず、多段階や連続無段階などは電源個数の増加の結果、実用上実現困難である。

0058

これに対し、本例では、CPU9により出力電圧Vをコントロールし、定電圧・定電流の値をプログラム上で自由に変えられるため、電源を2個用意する必要もなく、多段切り替えに限らず、連続的切り替えが簡単にできる。

0059

また、本例では碍子が乾燥しており、十分絶縁が確保されている場合には、ステップスタート機能付き高圧電源として機能する。放電スパークは電源投入時に最も発生しやすく、一段階低い電圧を一旦印加してから定格電圧を印加する2段階印加方式の高圧電源装置とすることによって、放電スパークの偶発的発生頻度を抑制することができる。

0060

本発明は電気集塵機等、高電圧の電源を使用する機器の製造販売等を行う産業分野において有効に利用することができる。

0061

V出力電圧
I出力電流
V0基準電圧
I0基準電流
I,II負荷
Tr電界効果トランジスタ
1昇圧トランス
2整流倍圧回路
3電圧検出回路
5主制御装置
6電流検出回路
9 CPU

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • カルソニックカンセイ株式会社の「 インバータ保護装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】回転機の回転中の動作異常によって発生する異常な電気エネルギーから、インバータを適切に保護する。【解決手段】推進用モータMの回転中にメインリレー3のオフ又はパワーモジュール31の動作停止が発生す... 詳細

  • TDK株式会社の「 電源装置および医療システム」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】隣り合う2つのトランスからその外方領域へ漏れ出す磁束を低減する。【解決手段】一次側コイル311,312を有する同一仕様のトランス121,122が実装されると共に一次側コイル311,312に同一... 詳細

  • 株式会社日立製作所の「 電力変換装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】短絡事故が発生した負荷を系統から切り離す負荷短絡機能を備えつつ、小型化が可能な電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置は、直流電圧を生成する第1の変換器3と、直流電圧を入力とし、任意の... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ