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技術 給電導体の埋設構造

出願人 大成建設株式会社国立大学法人豊橋技術科学大学
発明者 遠藤哲夫藤岡友美陣内浩大澤和也大平孝坂井尚貴鈴木良輝鳥井俊宏
出願日 2014年9月19日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2014-191178
公開日 2016年4月25日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-063684
状態 特許登録済
技術分野 電車への給配電 電磁波による給配電方式 鉄道軌道 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 有能電力 埋設構造 走行路表面 空洞層 送電路 建築床 受電側装置 アスファルト材料
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この項目の情報は公開日時点(2016年4月25日)のものです。
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図面 (6)

課題

給電効率の低下を抑制することの可能な給電導体埋設構造を提供する。

解決手段

絶縁性素材からなる基体側部材13と、所定間隔で左右に並べて配置される第一導体14及び第二導体15と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、第一導体14及び第二導体15は、基体側部材13及び表面部材16のいずれか一方又は両方に亙って埋設され、基体側部材13又は表面部材16により周囲が覆われている。そのため、電流リークに伴う効率低下が抑制され、高い効率でのワイヤレス給電を行うことができる。

概要

背景

従来、電気自動車電動カートAGV(Automated Guided Vehicle)等、電気エネルギー動力に用いる車両に対して電力給電する給電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1記載の給電装置は、以下のように構成されている。
車両側は、電気エネルギーを動力とするモーター整流回路、及び車輪等を有する車両システム、又は、電気エネルギーを動力とするモーター、バッテリ、整流回路、及び車輪等を有する車両システムである。車輪側は、路面側に敷設された導体から電力を受電する。

例えば、車輪と近接する車体側には電極が配設されている。また、タイヤの内部には、タイヤ内導体としてのスチールベルトが設けられている。そして、路面側に敷設された導体と車輪側に設けられたスチールベルトとの間、また、車輪側に設けられたスチルベルトと車体側に配設された電極との間に静電容量が形成されることにより、結果的に車体側に配設された電極と路面側に敷設された導体との間に静電容量が形成され、この静電容量を介して路面側に敷設された導体から車体側に配設された電極に高周波電力伝送させるようになっている。

路面側は、金属平板等からなる電極すなわち導体が連続的に路面上に配列、または埋設して配列され、この導体に高周波電力を給電する電源装置が接続されている。
ところで、例えば路面側に敷設される導体を路面上に連続的に配列した場合、これはすなわち電車線路と同等の形態となる。そのため、人が敷設されている2つの導体を同時に触れないようにするため、2つの導体の配置位置や配置方法制約を受けることになる。

また、一般的に道路アスファルト等で構成されているため、金属平板を導体として路面上に敷設すると、金属性の路面はスリップが生じる可能性があり、また、メンテナンスコスト等、数々の点で不利である。
また、一般的な建築床は、コンクリートカーペット長尺シート塗装等様々であり、建物としての機能性や意匠性によって決定される。そのため、床上に電極を連続的に配列することは、建物としての機能性、意匠性を損なう要因となる。

概要

給電効率の低下を抑制することの可能な給電導体埋設構造を提供する。絶縁性素材からなる基体側部材13と、所定間隔で左右に並べて配置される第一導体14及び第二導体15と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、第一導体14及び第二導体15は、基体側部材13及び表面部材16のいずれか一方又は両方に亙って埋設され、基体側部材13又は表面部材16により周囲が覆われている。そのため、電流リークに伴う効率低下が抑制され、高い効率でのワイヤレス給電を行うことができる。

目的

この発明は上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、給電効率の低下を抑制することの可能な給電導体の埋設構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基体上に所定間隔で左右に並べて配置される第一給電導体及び第二給電導体と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、前記第一給電導体及び前記第二給電導体の少なくとも上面は、前記表面部材により覆われており、前記表面部材の、平面視で前記第一給電導体を含む領域と前記第二給電導体を含む領域との間に、絶縁物からなる目地材を配置したこと又は隙間を設けたことを特徴とする給電導体の埋設構造

請求項2

所定間隔で左右に並べて配置される第一給電導体及び第二給電導体と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、基体と前記表面部材との間に空洞層を有する二重床構造をなし、前記第一給電導体及び前記第二給電導体は、少なくとも前記第一給電導体及び前記第二給電導体の上面が前記表面部材により覆われるように前記表面部材に設けられており、前記表面部材の、平面視で前記第一給電導体を含む領域と前記第二給電導体を含む領域との間に、絶縁物からなる目地材を配置したこと又は隙間を設けたことを特徴とする給電導体の埋設構造。

請求項3

基体上に配置され、絶縁性の素材からなる基体側部材と、所定間隔で左右に並べて配置される第一給電導体及び第二給電導体と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、前記第一給電導体及び前記第二給電導体は、前記基体側部材及び前記表面部材のいずれか一方又は両方に亙って埋設され、前記基体側部材又は前記表面部材により周囲が覆われていることを特徴とする給電導体の埋設構造。

請求項4

前記基体と前記基体側部材との間に金属部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の給電導体の埋設構造。

請求項5

前記金属部材は、金属板金属シート又は金属メッシュであることを特徴とする請求項4記載の給電導体の埋設構造。

請求項6

前記基体側部材は、プラスチック、木、発泡スチロールアスファルト材料コンクリート材料石材粘土、及びこれらいずれかの素材に導電性の低い物質混入電気抵抗を増加させた素材のいずれかからなる部材、又はこれら素材を複層若しくは複合したものからなる部材であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の給電導体の埋設構造。

請求項7

前記基体側部材及び前記表面部材のいずれか一方の、平面視で前記第一給電導体を含む領域と前記第二給電導体を含む領域との間に、絶縁物からなる目地材を配置したこと又は隙間を設けたことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の給電導体の埋設構造。

請求項8

前記目地材は、固体及び液体のいずれか又はこれらの混合体であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項7に記載の給電導体の埋設構造。

請求項9

前記第一給電導体及び前記第二給電導体は、板形状、シート形状、又はメッシュ形状であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の給電導体の埋設構造。

請求項10

前記表面部材は、プラスチック、木、発泡スチロール、アスファルト材料、コンクリート材料、及び導電性の高い物質をコンクリートに混入し電気抵抗を低下させた素材のいずれかからなる部材又はこれら素材を複層又は複合したものからなる部材であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の給電導体の埋設構造。

請求項11

前記表面部材の上面が車両の走行路面となることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の給電導体の埋設構造。

技術分野

0001

本発明は、車両に対して、給電導体からワイヤレス給電を行うようにした給電装置における、給電導体の埋設構造に関する。

背景技術

0002

従来、電気自動車電動カートAGV(Automated Guided Vehicle)等、電気エネルギー動力に用いる車両に対して電力を給電する給電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1記載の給電装置は、以下のように構成されている。
車両側は、電気エネルギーを動力とするモーター整流回路、及び車輪等を有する車両システム、又は、電気エネルギーを動力とするモーター、バッテリ、整流回路、及び車輪等を有する車両システムである。車輪側は、路面側に敷設された導体から電力を受電する。

0003

例えば、車輪と近接する車体側には電極が配設されている。また、タイヤの内部には、タイヤ内導体としてのスチールベルトが設けられている。そして、路面側に敷設された導体と車輪側に設けられたスチールベルトとの間、また、車輪側に設けられたスチルベルトと車体側に配設された電極との間に静電容量が形成されることにより、結果的に車体側に配設された電極と路面側に敷設された導体との間に静電容量が形成され、この静電容量を介して路面側に敷設された導体から車体側に配設された電極に高周波電力伝送させるようになっている。

0004

路面側は、金属平板等からなる電極すなわち導体が連続的に路面上に配列、または埋設して配列され、この導体に高周波電力を給電する電源装置が接続されている。
ところで、例えば路面側に敷設される導体を路面上に連続的に配列した場合、これはすなわち電車線路と同等の形態となる。そのため、人が敷設されている2つの導体を同時に触れないようにするため、2つの導体の配置位置や配置方法制約を受けることになる。

0005

また、一般的に道路アスファルト等で構成されているため、金属平板を導体として路面上に敷設すると、金属性の路面はスリップが生じる可能性があり、また、メンテナンスコスト等、数々の点で不利である。
また、一般的な建築床は、コンクリートカーペット長尺シート塗装等様々であり、建物としての機能性や意匠性によって決定される。そのため、床上に電極を連続的に配列することは、建物としての機能性、意匠性を損なう要因となる。

先行技術

0006

特開2012−175869号公報

発明が解決しようとする課題

0007

電極としての導体を道路側に敷設する方法として、路面に埋設することも考えられる。しかしながら、導体が埋設される部材の材質によって、給電効率に影響が及ぶ可能性があるため、単に、導体を埋設すればよいというわけにはいかない。例えば、2つの導体が埋設される部材が電気抵抗を有する場合、2つの導体間で電流がリークし効率低下の要因となる。また、2つの導体が埋設される部材が厚いと、導体は路面表面からより深い位置に存在することになり効率低下の要因となる。そのため、2つの導体が埋設される部材は、車両の重量や走行時の振動に耐え得る強度を持ち、且つ薄い素材であることが望ましい。
そこで、この発明は上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、給電効率の低下を抑制することの可能な給電導体の埋設構造を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様によれば、基体上に所定間隔で左右に並べて配置される第一給電導体及び第二給電導体と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、第一給電導体及び第二給電導体の少なくとも上面は、表面部材により覆われており、表面部材の、平面視で第一給電導体を含む領域と第二給電導体を含む領域との間に、絶縁物からなる目地材を配置したこと又は隙間を設けたことを特徴とする給電導体の埋設構造、が提供される。

0009

本発明の他の態様によれば、所定間隔で左右に並べて配置される第一給電導体及び第二給電導体と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、基体と前記表面部材との間に空洞層を有する二重床構造をなし、前記第一給電導体及び前記第二給電導体は、少なくとも前記第一給電導体及び前記第二給電導体の上面が前記表面部材により覆われるように前記表面部材に設けられており、前記表面部材の、平面視で前記第一給電導体を含む領域と前記第二給電導体を含む領域との間に、絶縁物からなる目地材を配置したこと又は隙間を設けたことを特徴とする給電導体の埋設構造、が提供される。

0010

また、本発明の他の態様によれば、基体上に配置され、絶縁性の素材からなる基体側部材と、所定間隔で左右に並べて配置される第一給電導体及び第二給電導体と、電界損失の少ない素材からなる表面部材と、を備え、第一給電導体及び第二給電導体は、基体側部材及び表面部材のいずれか一方又は両方に亙って埋設され、基体側部材又は表面部材により周囲が覆われている給電導体の埋設構造、が提供される。

発明の効果

0011

本発明の各態様によれば、給電効率の低下を抑制し、高い効率でワイヤレス給電を行うことができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明を適用した給電装置の一例を示す概略構成図である。
基体側部材として気体を用いる場合の配置方法を説明するための図である。
表面部材及び目地材を設けることの効果を検証するための説明図である。
金属部材を設けることの効果を検証するための説明図である。
本発明を適用した給電装置の変形例を示す概略構成図である。

実施例

0013

以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した給電装置の一例を示す概略構成図であり、電動カート等の車両に対して給電を行う給電装置の一例である。
給電装置は、車両側に設けられる受電側装置と、走行路側に設けられる給電側装置とを含む。

0014

受電側装置は、受電用の第一電極1及び第二電極2と、第一電極1及び第二電極2間に接続される整流回路3と、整流回路3に接続される負荷4と、を備える。負荷4としては、バッテリ及びモーターを設置するか、又はモーターのみを設置する。
給電には、電動カート等の車両の有する車輪のうち2つの車輪が選択される。例えば、右後輪が第一車輪5、左後輪が第二車輪6として選択される。

0015

図示しない車体の、第一車輪5の上方となる位置には、第一車輪5の外周と対向するように、第一電極1が配置され、同様に車体の、第二車輪6の上方となる位置には、第二車輪6の外周と対向するように、第二電極2が配置されている。例えば、車両のフェンダーから車輪の外周面に向けて突出させたロッドの先端に、第一電極1、第二電極2として平板状の電極を設ければよい。或いはフェンダーの内面に、車輪の外周に対面するように平板状の電極を設けてもよい。また、タイヤの内部には、タイヤ内導体としてのスチールベルトが設けられている。そして、後述の路面側に敷設された第一導体14、第二導体15と車輪側に設けられたスチールベルトとの間、また、車輪側に設けられたスチ—ルベルトと車体側に配設された第一電極1、第二電極2との間に静電容量が形成されることにより、結果的に車体側に配設された第一電極1と路面側に敷設された第一導体14との間、また、第二電極2と第二導体15との間に静電容量が形成され、この静電容量を介して路面側に敷設された第一、第二導体14、15から車体側に配設された第一、第二電極1、2に高周波電力が伝送される。

0016

走行路側の給電側装置は、建物スラブ11上に積層される金属部材12と、金属部材12上に積層される基体側部材13と、基体側部材13の上に所定間隔で左右に配置される、給電用の連続した第一導体14及び第二導体15と、第一導体14及び第二導体15を覆うように基体側部材13上に配置される表面部材16と、表面部材16及び基体側部材13の、平面視で第一導体14及び第二導体15間の領域に設けられた目地材17と、を備える。表面部材16の、第一導体14及び第二導体15とは逆側の面が電動カート等の車両の走行路面となる。

0017

第一給電導体としての第一導体14及び第二給電導体としての第二導体15は、板形状、シート形状、又はメッシュ形状に形成され、所定間隔を空けて左右に並べて配置される。第一導体14及び第二導体15は、高周波電力給電用の電源装置18に接続される。この高周波電力給電用の電源装置18は、走行電動カート等の車両の走行の邪魔にならない場所に配置される。第一導体14及び第二導体15は、走行路において、第一車輪5及び第二車輪6が、平面視で第一導体14及び第二導体15上を走行し得る幅と、間隔で設ければよい。

0018

金属部材12は、例えば、金属板金属シート金属メッシュ等で構成される。金属板、金属シートは、高周波電力のスキンデプスを十分満足する厚みを有する金属からなり、例えば、鉄、アルミニウムステンレス等からなる。金属メッシュは、高周波電力の波長に比べて十分に格子間隔が狭く配置された金属部材からなる。金属部材12は、この金属部材12を積層する建物スラブ11が鉄筋コンクリート等、高周波電界の損失を伴う誘電体である場合に、その影響を抑制する目的で敷設される。

0019

金属部材12は、平面視で、第一導体14と第二導体15と一致する領域、及び第一導体14と第二導体15との間の領域と一致する領域に配置される。なお、平面視で、第一導体14と第二導体15と一致する領域、及び第一導体14と第二導体15との間の領域と一致する領域を含む、さらに広い領域に配置してもよい。
基体側部材13は、平面視で、第一導体14と重なる領域を含む第一基体側部材13aと、第二導体15と重なる領域を含む第二基体側部材13bと、を備える。

0020

基体側部材13は絶縁性の素材からなると共に、電界損失が少ない素材からなり、第一導体14と第二導体15との間の絶縁を図ると共に、第一導体14、第二導体15と金属部材12との間に発生する電界損失を少なくする。基体側部材13としては、例えば、セラミック材料プラスチック、木、発泡スチロールアスファルト材料コンクリート材料石材粘土、及びこれらいずれかの素材に導電性の低い物質混入し電気抵抗を増加させた素材のいずれかからなる部材、又は空気等の、給電中強電界になった場合にも、電界を損失しない材料であることが好ましい。また、基体側部材13は、単一の素材で構成されているだけでなく、いくつかの素材を複層したもの、又は複合したものであってもよい。

0021

基体側部材13として空気を用いる場合とは、いわゆるフリーアクセスフロアと言われる二重床構造を用いて、基体側部材13を実現したものである。すなわち、図2に示すように、表面部材16を支えるための支柱21を建物スラブ11上に複数配置する。この支柱21の高さは、基体側部材13の所望の高さ相当である。また、表面部材16の建物スラブ11側の面に、第一導体14、第二導体15を、所定間隔で平行に配置する。

0022

これにより、建物スラブ11と、第一、第二導体14、15が配置された表面部材16との間に空洞層が形成され、空気(気体)からなる基体側部材13が形成されたことと同等となる。なお、建物スラブ11上に金属部材12が配置されている場合には、金属部材12上に支柱21を配置すればよい。
図2において、支柱21は、金属又はプラスチック等の絶縁性の素材からなる。支柱21の上部には、表面部材16を固定するための固定部21aが形成され、固定部21aはゴム、プラスチック等の絶縁性の素材で形成され、表面部材16と建物スラブ11、又は、金属部材12が配置されている場合には、表面部材16と金属部材12との間を絶縁する。

0023

なお、図2において、16aは第一表面部材、16bは第二表面部材であり、これら第一、第二表面部材16a、16bについては後述する。
給電用の第一導体14及び第二導体15は、ワイヤレス給電を行うための電力の送電路であり、例えば板形状に形成される。第一導体14及び第二導体15は、高周波電力のスキンデプスを十分満足する厚みを有する、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属製のシート部材からなる。前述のように、第一導体14及び第二導体15は、高周波電力給電用の電源装置18から供給される高周波電力の波長に比べて、十分に格子間隔が狭く配置された金属メッシュであってもよく、また、シート形状であってもよい。これら第一導体14及び第二導体15は、基体側部材13に埋設されていてもよく、逆に表面部材16に埋設されていてもよい。また、基体側部材13と表面部材16とに亙ってこれら間に埋設されていてもよく、表面部材16の走行路面となる面が平坦となるように、基体側部材13と、第一導体14及び第二導体15と、表面部材16と、が積層されていればよい。

0024

表面部材16は、第一導体14及び第二導体15の保護層となる部材であり、また、路面表層や、建築床の仕上げ材としての機能を持つ。
表面部材16は、平面視で、基体側部材13の第一基体側部材13a及び第一導体14と重なる第一表面部材16aと、第二基体側部材13bと重なる第二表面部材16bと、を備える。

0025

表面部材16は、電界損失の少ない素材からなり、例えば、アスファルト材料、コンクリート材料、セラミック材料、プラスチック、木、発泡スチロール等で構成される。表面部材16は、単一の素材で構成されているだけでなく、複数の素材を、複層したもの、あるいは複合したものであってもよい。また、金属繊維など導電性が高い物質をコンクリート等に混入し、電気抵抗を低くした部材からなるものであってもよい。

0026

なお、表面部材16は、車両の重量や走行時の振動に耐え得る強度を持ち、且つ、効率低下の点から比較的薄い素材であることが好ましい。
目地材17は、目地材17aと目地材17bとを備える。目地材17aは、基体側部材13の第一基体側部材13aと第二基体側部材13bとの間に設けられ、第一、第二基体側部材13a、13bと目地材17aとからなる層の上面が平坦となるように形成される。目地材17bは、表面部材16の第一表面部材16aと第二表面部材16bとの間に設けられ、第一、第二表面部材16a、16bと目地材17bとからなる層の上面が平坦となるように形成される。なお、目地材17a、17bは、必ずしも両方を設ける必要はなく、いずれか一方にのみ配置してもよい。

0027

目地材17は、第一導体14と第二導体15とを電気的に分離する目的で敷設される。つまり、第一導体14と第二導体15とは異なる極性の電極であり、第一及び第二基体側部材13a、13bと、第一及び第二表面部材16a、16bとが誘電体である場合、第一導体14と第二導体15との間で電流がリークする可能性がある。電流のリークは効率低下の要因となるため、目地材17を設けることで、第一導体14と第二導体15とを電気的に分離している。

0028

目地材17は、発泡ウレタンなど、複素誘電率実部が「1」、虚部が「0」に近い素材であることが好ましい。また、目地材17は、固体である必要はなく、液体や空気などの気体、または固体と液体と気体との混合体であってもよく、この場合も、複素誘電率の実部が「1」、虚部が「0」に近い素材であることが好ましい。例えば、第一基体側部材13aと第二基体側部材13bとの間、又は第一表面部材16a、第二表面部材16bとの間に隙間を設けたものであってよい。また、目地材17として液体や気体、また、固体と液体と気体との混合体を用いる場合には、これらを、例えば発泡ウレタンなどの複素誘電率の実部が「1」、虚部が「0」に近い素材からなる収納容器収納し、これを第一基体側部材13aと第二基体側部材13bとの間、又は第一表面部材16a、第二表面部材16bとの間に配置すればよい。

0029

また、目地材17の幅、すなわち、第一表面部材16aと第二表面部材16bとの間隔、及び第一基体側部材13aと第二基体側部材13bとの間隔は、第一導体14と第二導体15との間での電流リークを防止することの可能な間隔であればよい。
また、目地材17a及び17bは一体に形成してもよく、また、目地材17aの上に目地材17bを積層してもよい。

0030

なお、図2に示すように、二重床構造を用いて基体側部材13を実現した場合には、第一表面部材16aと第二表面部材16bとの間に目地材17を設ければよく、図2に示すように、第一表面部材16aと第二表面部材16bとの間に隙間を設けてもよく、上述の目地材17bを設けてもよい。
基体側部材13がプラスチック、木、発泡スチロール等の、複素誘電率の実部が「1」、虚部が「0」に近い部材である場合には、目地材17は必ずしも設けなくてもよい。アスファルト材料、コンクリート材料などの誘電体の場合には、目地材17を設けることが好ましい。

0031

基体側部材13または表面部材16が発泡スチロール等の、複素誘電率の実部が「1」、虚部が「0」である部材である場合には、目地材17は必ずしも設けなくてもよい。
そして、金属部材12、基体側部材13、第一及び第二導体14、15、及び表面部材16の積層構造の幅は、図1に示すように、基体側部材13、表面部材16及び金属部材12により、第一導体14及び第二導体15間の電流リークを低減することの可能な幅に形成されている。

0032

また、表面部材16は、第一導体14及び第二導体15が敷設される走行路面とのコントラストが高くなるような色調に形成される。つまり、第一導体14及び第二導体15が埋設されている場合、車両のドライバは、走行路のどこに第一、第二導体14、15が埋設されているかを認識しにくい。表面部材16の色調を、走行路面とのコントラストが高くなるように設定することにより、ドライバは、第一、第二導体14、15が埋設された表面部材16の領域を容易に認識することができる。そのため、第一、第二導体14、15を埋設したとしても、第一、第二車輪5、6が、第一、第二導体14、15上を走行するように仕向けることができる。その結果、車両への給電を的確に行うことができる。

0033

また、表面部材16に目地材17bを設ける場合には、目地材17bの色調を表面部材16とのコントラストが高くなるように設定することによって、車両のドライバは、目地材17bの位置すなわち、第一導体14、第二導体15間の中央線を認識することができる。したがって、目地材17bが第一、第二導体14、15間の中央に配置されているものとすると、この目地材17bが第一車輪5、第二車輪6間の幅方向中央にくるように操舵することによって、第一、第二導体14、15を埋設したとしても、第一、第二車輪5、6が、第一、第二導体14、15上を走行するように仕向けることができる。

0034

以上のようにして形成される給電装置について、ワイヤレス給電の効率を定量的に比較検討するため、最大有能電力効率ηmaxを求めた。
この最大有能電力効率ηmaxは、Sパラメータを用いて、次式(1)から演算することができる。
ηmax=(|S21|/|S12|)×{K−(K2−1)1/2}
K=(1−|S11|2−|S22|2+|S11×S22−S12×S21|2)/(2×|S12×S21|)
……(1)
ここでは、高周波電力の周波数を13.56MHzとした場合の、最大有能電力効率ηmaxを示す。

0035

<比較1>
初めに、表面部材16を設けること、及び第一、第二表面部材16a、16b間に目地材17bを設けることによる効果について検討した。なお、第一導体14及び第二導体15間の距離は一定とした。また、基体側部材13に目地材17aを設けていない。また、図3及び図4は、車両として電動カートに適用した場合を示している。
(1)表面部材16を設けないか、又は、表面部材16を、コンクリート等に金属繊維等を混入して金属板に近い素材で形成し、第一表面部材16aと第二表面部材16bとの間に目地材17bを設けた場合の、給電装置の最大有能電力効率ηmaxは、84%程度であった。
(2)表面部材16をアスファルトとし、第一、第二表面部材16a、16b間に目地材17bを設けない場合(図3(A))の、給電装置の最大有能電力効率ηmaxは、63%程度であった。

0036

(3)表面部材16をアスファルトとし、第一、第二表面部材16a、16b間に目地材17b(例えば気体)を設けた場合(図3(B))の、給電装置の最大有能電力効率ηmaxは、76%程度であった。
以上(1)〜(3)の比較結果から表面部材16の材質を金属に近い材質とすること、また、第一、第二表面部材16a、16b間に目地材17bを設けることで高い効率でのワイヤレス給電が可能であることが確認できた。

0037

また、表面部材16がアスファルトなど一般的に用いられる部材である場合には、目地材17bを設けることで、目地材17bを設けない場合に比較して高い効率でのワイヤレス給電が可能であることが確認できた。
また、コンクリート等に金属繊維等を混入し、金属板に近い素材として構成した表面部材16に目地材17bを設けた構造とすることで高い効率でのワイヤレス給電が実現できることが確認できた。

0038

<比較2>
次に、金属部材12を設けることによる効果について検討した。
金属部材12を設けない場合(図4(A))と、金属部材12を設けた場合(図4(B))とで、最大有能電力効率ηmaxを演算したところ、約5%の差異が生じることが確認された。
金属部材12を設けることで、金属部材12の下層の材料、すなわち建物スラブ11等の影響を排除することが可能となる。これは路面や建物スラブ11上に、給電側装置を配置する場合、金属部材12の下層の材料が誘電体であると、ワイヤレス給電時の電界に影響を及ぼし、最大有能電力効率ηmaxが低下することを防止する効果を持つことを意味している。

0039

以上説明したように、本実施形態においては、給電用の第一、第二導体14、15を走行路に埋設する際に、電界の損失が少ない素材からなる基体側部材13又は電界の損失が少ない素材からなる表面部材16に第一導体14及び第二導体15を埋設するか、又は第一導体14及び第二導体15を、基体側部材13及び表面部材16に亙って埋設することで、第一導体14及び第二導体15の表面を、基体側部材13又は表面部材16により覆うようにしたため、第一導体14及び第二導体15間の電流のリークを抑制し、この電流のリークに起因する効率低下を抑制することができ、高い効率でのワイヤレス給電を実現することができる。

0040

また、給電用の第一、第二導体14、15を走行路側に埋設したため、感電を回避するための配置位置等の制約や、意匠性の低下等を伴うことなく実現することができる。
なお、上記実施形態においては、建物スラブ11上に、第一、第二導体14、15を配置する場合について説明したが、これに限らず、例えば、基体としての道路に配置することも可能である。この場合、例えば、アスファルト舗装を行う前に、地面等の上に基体側部材13から順に積層し、走行路表面をアスファルト舗装する際に表面部材16としてのアスファルトも同時に積層することで、道路に第一、第二導体14、15を埋設するようにしてもよい。

0041

また、上記実施形態においては、第一、第二導体14、15により、単一の高周波電力を伝送する場合について説明したが、高周波電力に限らず、他の周波数の交流電力を伝送するようにしてもよい。
また、給電用の第一、第二導体14、15から、周波数の異なる複数の交流電力を伝送するようにしてもよい。このようにすることによって、例えば、複数の異なる車両に対して、各車両で固有の周波数を用いて交流電力を伝送することができる。

0042

また、上記実施形態においては、第一導体14及び第二導体15の表面を、基体側部材13又は表面部材16により覆うようにした場合について説明したが、例えば、図5に示すように、基体側部材13を設けずに、建物スラブ11の上に直接第一導体14、第二導体15を配置し、その上に第一表面部材16a及び第二表面部材16bと、これら間に設けられる目地材17bとを配置するようにしてもよい。例えば、基体としての車両の走行路に配置する場合には、走行路上に、第一導体14及び第二導体15と、第一表面部材16a、第二表面部材16b及びこれら間に設けられる目地材17bと、をこの順に積層すればよい。

0043

或いは、走行路に、第一導体14及び第二導体15を埋め込むための凹部を形成し、第一導体14、第二導体15を埋め込んだ後、第一導体14、第二導体15の上に、第一表面部材16a及び第二表面部材16bと、これら間に設けられる目地材17bとを配置するようにしてもよい。また、目地材17bの変わりに、第一表面部材16aと第二表面部材16bとの間に隙間を設けてもよい。

0044

また、上記実施形態においては、電動カートに適用したが、電気自動車、AGV等の車両に適用することも可能である。
また、上記実施形態において、図1では、基体側部材13と表面部材16とが平面視で一致して重なる場合について説明したが、図3に示すように、基体側部材13と表面部材16とは必ずしも同一の大きさでなくてもよく、基体側部材13と表面部材16とが、平面視で第一導体14及び第二導体15と一致する領域を含んでいればよい。

0045

なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。
さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。

0046

1 第一電極
2 第二電極
整流器
4負荷
11建物スラブ
12金属部材
13基体側部材
14 第一導体
15 第二導体
16表面部材
17目地材
21 支柱

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