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技術 仮想現実提示システム、仮想現実提示装置、仮想現実提示方法

出願人 岩井泰章
発明者 岩井泰章
出願日 2014年9月18日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2014-189503
公開日 2016年4月25日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2016-062277
状態 特許登録済
技術分野 イメージ処理・作成
主要キーワード 作用反作用 開発テーマ マジョリティ オブジェクトパターン 脳波情報 注意喚起用 開発メーカー 周辺カメラ
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特許:約8,000万件, クラウドファンディング:約100万年件, 科研費・グラントデータ:約500万件, 発明者・研究者情報:約600万人

この項目の情報は公開日時点(2016年4月25日)のものです。
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図面 (20)

課題

仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へもたらすことを防止する仮想現実提示システム、仮想現実提示方法が求められていた。

解決手段

本発明の仮想現実提示システムは、ユーザに対して人工的に作られる仮想現実世界を提示するシステムであって、仮想現実オブジェクト映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成手段と、生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示手段と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出手段と、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起手段と、を具備する。

概要

背景

近年、映像を表示するための装置として、テレビなど従来の据え置き型ディスプレイに加えて様々な電子デバイスが開発されており、携帯電話端末タブレット端末ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Human Mounted Display)と言った電子デバイスが既に開発されている。

先行文献1には、現実風景CG(Computer Graphics)を重ねてHMDで表示するための仮想現実提示装置が開示されている。

概要

仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へもたらすことを防止する仮想現実提示システム、仮想現実提示方法が求められていた。本発明の仮想現実提示システムは、ユーザに対して人工的に作られる仮想現実世界を提示するシステムであって、仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成手段と、生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示手段と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出手段と、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起手段と、を具備する。

目的

上記課題を鑑み、本発明は、仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へもたらすことを防止する仮想現実提示システム、仮想現実提示方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

仮想現実オブジェクト映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成手段と、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示手段と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出手段と、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起手段と、を具備する仮想現実提示システム

請求項2

前記注意喚起手段は、前記仮想現実オブジェクトに対して所定の行動が行われた場合に、前記所定の行動に関連付けられた注意喚起を前記ユーザに対して行う、請求項1に記載の仮想現実提示システム。

請求項3

前記検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御手段を更に具備し、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御が前記仮想現実オブジェクト挙動制御手段によって行われた場合に、前記注意喚起手段は前記ユーザに対して注意喚起を行う、請求項1又は2に記載の仮想現実提示システム。

請求項4

前記仮想現実オブジェクト挙動制御手段は、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成し、注意喚起に係る判定値を記憶する注意喚起判定値記憶手段と、注意喚起に係る基準値を記憶する注意喚起基準値記憶手段と、前記仮想現実オブジェクト挙動制御手段が生成する前記所定の数値に基づいて前記判定値を更新する処理を行う判定値更新処理手段と、前記更新された判定値と前記基準値とを比較する処理を行う比較処理手段と、を更に具備し、前記注意喚起処理手段は、前記比較処理手段における比較処理の結果、前記判定値が前記基準値を超えている場合に、前記ユーザに対して注意喚起を行う、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の仮想現実提示システム。

請求項5

ユーザの状態を検知するユーザ状態検知手段と、前記ユーザの状態に基づいて、前記仮想現実オブジェクトが配置されている仮想現実世界への没入度を算出する没入度算出手段と、を更に具備し、前記注意喚起手段は、前記没入度が所定の基準値を超えている状態で、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記ユーザに対して注意喚起を行う、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の仮想現実提示システム。

請求項6

仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成手段と、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示手段と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出手段と、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う中断制御手段と、を具備する仮想現実提示システム。

請求項7

前記検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御手段を更に具備し、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御が前記仮想現実オブジェクト挙動制御手段によって行われた場合に、前記中断制御手段は前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う、請求項6に記載の仮想現実提示システム。

請求項8

前記仮想現実オブジェクト挙動制御手段は、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成し、中断制御に係る判定値を記憶する中断制御判定値記憶手段と、中断制御に係る基準値を記憶する中断制御基準値記憶手段と、前記仮想現実オブジェクト挙動制御手段が生成する前記所定の数値に基づいて前記判定値を更新する処理を行う判定値更新処理手段と、前記更新された判定値と前記基準値とを比較する処理を行う比較処理手段と、を更に具備し、前記中断制御処理手段は、前記比較処理手段における比較処理の結果、前記判定値が前記基準値を超えている場合に、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う、請求項6又は7に記載の仮想現実提示システム。

請求項9

ユーザの状態を検知するユーザ状態検知手段と、前記ユーザの状態に基づいて、前記仮想現実オブジェクトが配置されている仮想現実世界への没入度を算出する没入度算出手段と、を更に具備し、前記中断制御手段は、前記没入度が所定の基準値を超えている状態で、前記仮想現実オブジェクトに対して所定の行動が行われた場合に、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の仮想現実提示システム。

請求項10

仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成ステップと、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示ステップと、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出ステップと、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起ステップと、を有する仮想現実提示方法

請求項11

前記注意喚起ステップは、前記仮想現実オブジェクトに対して所定の行動が行われた場合に、前記所定の行動に関連付けられた注意喚起を前記ユーザに対して行う、請求項10に記載の仮想現実提示方法。

請求項12

前記ユーザ行動検出ステップと前記前記注意喚起ステップの間に、前記検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御ステップを更に有し、前記注意喚起ステップは、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御が前記仮想現実オブジェクト挙動制御ステップによって行われた場合に、前記ユーザに対して注意喚起を行う、請求項10又は11に記載の仮想現実提示方法。

請求項13

前記仮想現実オブジェクト挙動制御ステップは、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成し、注意喚起に係る判定値を記憶する注意喚起判定値記憶ステップと、注意喚起に係る基準値を記憶する注意喚起基準値記憶ステップと、前記仮想現実オブジェクト挙動制御ステップが生成する前記所定の数値に基づいて前記判定値を更新する処理を行う判定値更新処理ステップと、前記更新された判定値と前記基準値とを比較する処理を行う比較処理ステップと、を更に有し、前記注意喚起処理ステップは、前記比較処理ステップにおける比較処理の結果、前記判定値が前記基準値を超えている場合に、前記ユーザに対して注意喚起を行う、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の仮想現実提示方法。

請求項14

ユーザの状態を検知するユーザ状態検知ステップと、前記ユーザの状態に基づいて、前記仮想現実オブジェクトが配置されている仮想現実世界への没入度を算出する没入度算出ステップと、を更に有し、前記注意喚起ステップは、前記没入度が所定の基準値を超えている状態で、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記ユーザに対して注意喚起を行う、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の仮想現実提示方法。

請求項15

仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成ステップと、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示ステップと、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出ステップと、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う中断制御ステップと、を有する仮想現実提示方法。

請求項16

前記ユーザ行動検出ステップと前記中断制御ステップの間に、前記検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御ステップを更に有し、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御が前記仮想現実オブジェクト挙動制御ステップによって行われた場合に、前記中断制御ステップは前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う、請求項15に記載の仮想現実提示方法。

請求項17

前記仮想現実オブジェクト挙動制御ステップは、前記検出されたユーザの行動に基づいて前記仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成し、中断制御に係る判定値を記憶する中断制御判定値記憶ステップと、中断制御に係る基準値を記憶する中断制御基準値記憶ステップと、前記仮想現実オブジェクト挙動制御ステップが生成する前記所定の数値に基づいて前記判定値を更新する処理を行う判定値更新処理ステップと、前記更新された判定値と前記基準値とを比較する処理を行う比較処理ステップと、を更に有し、前記中断制御処理ステップは、前記比較処理ステップにおける比較処理の結果、前記判定値が前記基準値を超えている場合に、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う、請求項15又は16に記載の仮想現実提示方法。

請求項18

ユーザの状態を検知するユーザ状態検知ステップと、前記ユーザの状態に基づいて、前記仮想現実オブジェクトが配置されている仮想現実世界への没入度を算出する没入度算出ステップと、を更に有し、前記中断制御ステップは、前記没入度が所定の基準値を超えている状態で、前記仮想現実オブジェクトに対して所定の行動が行われた場合に、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う、請求項15乃至17のいずれか1項に記載の仮想現実提示方法。

技術分野

背景技術

0002

近年、映像を表示するための装置として、テレビなど従来の据え置き型ディスプレイに加えて様々な電子デバイスが開発されており、携帯電話端末タブレット端末ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Human Mounted Display)と言った電子デバイスが既に開発されている。

0003

先行文献1には、現実風景CG(Computer Graphics)を重ねてHMDで表示するための仮想現実提示装置が開示されている。

先行技術

0004

特開2006−338163号公報

発明が解決しようとする課題

0005

私達人間が創り出す道具や装置は所定の機能を有することが期待されており、そこには評価軸が存在する。例えばテレビであれば映像を表示するという機能が期待され、映像が高精細である程良いテレビと評価される。同様に、掃除機であれば吸引力が高いことが、洗濯機であれば洗浄力が高いことがそれぞれ良い掃除機、洗濯機として評価される。

0006

このことを鑑みた場合、仮想現実の世界をユーザに提示する仮想現実提示装置に期待される機能は、仮想現実の世界と現実の世界の間に存在する境界消失である。提示される仮想現実の世界と現実の世界との差をユーザが区別できない程、性能が良い仮想現実提示装置として高く評価されることになる。したがって、仮想現実提示装置の開発メーカーはこの評価軸に従い、感覚器官を介して体感している世界が仮想現実の世界であると認識できず、現実の世界として認識してしまうほどユーザが没入できるようにすることを開発テーマに据えて、仮想現実提示装置の開発が今後進められていくものと考えられる。

0007

しかし、現実と仮想現実の境界が仮想現実提示装置によって消失すればするほど、新たな問題が発生する可能性がある。この問題を正しく理解するには深い人間の心理考察が必要であるため、少し長くなるが丁寧に説明する。ここでは、近年問題になった暴力的・性的表現を伴うアニメ漫画、ゲームに関する規制を事例に説明する。以下では、この暴力的・性的表現を伴うアニメ等のことを暴力アニメと称することがある。

0008

図1に示すように「暴力アニメを見る・見ない」と「犯罪犯す・犯さない」の2軸で分類した場合、私達はタイプA(暴力アニメを見ない&犯罪を犯さない)、タイプB(暴力アニメを見る&犯罪を犯さない)、タイプC(暴力アニメを見ない&犯罪を犯す)、タイプD(暴力アニメを見る&犯罪を犯す)の4タイプのいずれかに分類される。

0009

アニメ規制の話題が上がるのは、逮捕された犯人が暴力アニメを見る人であった場合、すなわちタイプDであった場合である。暴力アニメを見ていたために犯罪を犯したとして、ここに因果関係があると言う論拠が張られることになる。

0010

これは、図2でいうタイプA→タイプDの遷移が生じたと主張していることになる。すなわち、暴力アニメも見ず、犯罪も犯さないタイプAだった人が、暴力アニメを見ることにより犯罪を犯すタイプDへ遷移したという主張である。つまり、暴力アニメをみることで人は犯罪者になるという因果関係を張っている。

0011

しかしながら、タイプDへの遷移としてはこの他にもタイプC→タイプDとタイプB→タイプDの2ルートが存在する。仮にタイプC→タイプDであった場合、暴力アニメを見る見ないに係らず犯罪を犯している訳であるから、暴力アニメと犯罪との間には因果関係は存在しないことになる。同様に、タイプB→タイプDについても、もともと暴力アニメを見る人だった訳であるから、その人を犯罪に走らせた原因は別のところにあることになる。

0012

ここで、仮に暴力アニメが禁止された場合に何が起きるかを考察する。暴力アニメが見られなくなった訳だから、これまで暴力アニメを見ていたタイプBとタイプDの人は、それぞれタイプAかタイプCへ強制的に移動させられることになる。

0013

タイプDがタイプCへ、タイプBがタイプAに遷移するのは当該規制が議論の対象とするポイントではない。当該規制を推進する人々の主張は、図3に示すように、タイプAの人がアニメを見ることでタイプDへ遷移するのだから、アニメを規制すればタイプDの人はタイプAへ戻ることになる、と言うものである。この遷移人数を“X”と置くならば、既存の犯罪者/犯罪者の割合である(タイプC+タイプD)/(タイプA+タイプB)は、暴力アニメ規制により(タイプC+タイプD − X)/(タイプA+タイプB +X)となり、犯罪率が下がるという主張である。

0014

しかしながら、この議論には1点見落としている点がある。それは、暴力アニメを規制することにより、タイプBからタイプCへ遷移する人達の存在である。この遷移人数を“ Y ”と置くことにする。仮にX関係式が成り立つならば、暴力アニメの規制により犯罪者/非犯罪者の割合は、(タイプC+タイプD −X + Y)/(タイプA+タイプB + X − Y)となり、かえって犯罪率を向上させることになる。この関係性が本明細書で取り上げる問題と密接に関係してくることになる。以下、更に詳細に説明する。

0015

私達人間は、様々な制約の下で生きている。この制約を大きく分けると3つに分類される。第1の制約は「自然法則」である。この宇宙に生きる全ての者は、この物理的な法則に逆らうことはできない。したがって、を持たぬ人間は生身の体で空を自由に飛び回ることは適わない。このように私達は物理法則に従った範囲でしか生きられないと言う制約を課せられている。

0016

第2の制約は「法律」である。法治国家で生きる国民は皆、法の遵守義務づけられている。例えば、現行法では高速道路を時速200km/hで走行することは法律違反であり、せられることになる。したがって、法治国家で生きる私達国民は、制定された法律にしたがって生きなければならないという制約が課せられている。

0017

第3の制約は「道徳」である。道徳には、社会通念として共有される道徳と、個人的な美意識に基づく道徳へ更に細かく分類することが可能であるが、ここでは纏めて道徳として説明する。仮に法律で規定されておらず公的に罰せられることがないとしても、電車内で立っている老人見かけたら席を譲るといった道徳や、例え小さな虫であっても無益な殺生はしないといった道徳などを私達成熟した人間は持ち合わせている。誰から強制的に縛られているわけではないが、私達は各々が抱える道徳に従って行動する。これは、別の観点から見れば、私達は道徳という制約を自ら課していることになる。法律と言う明文で規定されるハードな制約で私達の行動の全てを束縛しようとするとかえって身動きが取れなくなるため、道徳と言うソフトな制約で行動の自由度をソフトに縛っているのである。

0018

このように、現実の世界では、私達は上述の3つの制約下で生きることになる。しかしながら、私達の脳内で閉じる処理に関してはこの制約は課せられない。例えば、対人関係で非常に腹が立った場合、頭の中でその人を殴ることで溜飲を下げると言う経験をしている人は少なくないと思われる。対人関係で生じるストレスをこのように脳内に擬似的な世界を創り出し、そこで制約を取り外した行動をとることでストレスを発散させているわけである。

0019

自然界の動物は、本能に従うまま生きている。一方、私達人間は動物と同様に本能的には暴力的・性的な欲求を有しているにも関わらず、「法律」という「社会的制約」と「道徳」という「個人的制約」を課しているため、欲求に従った行動を取ることができず、ストレスが溜まることになる。このような場合に、私達はこれらの「制約」に支配されない架空の世界を脳内に創り出し、そこで擬似的に自由に振る舞うことで「制約」によって生じるストレスを発散させている。これは、法律や道徳という制約が人類の繁栄を育むための秩序を齎した人知の結晶であるのと同様に、脳内に架空世界を創り出す能力もまた、制約から生じる弊害を解消するために私達が獲得した人知の結晶であると言える。

0020

このように、私達人間は動物と比較して「物理的制約」の他にも2つの制約を課せられているため、意識的・無意識的にストレスがかかっている。この制約には人類の繁栄を齎したというプラス作用がある一方で、私達にストレスがかかると言うマイナス作用も存在する。そこで、このマイナス作用を取り除くため私達は脳内ではこれらの制約を外した行動を取れる、すなわちそのような架空世界を想起することで、脳を擬似的に騙すことによりストレスを取り除く術を獲得している。過去に「インターネットの中では威勢が良い」と煽られた若者現実世界で犯罪を起こしたケースがあったがこの煽りは酷くナンセンスである。現実世界で威勢良く振る舞えないから脳内やインターネットの中といった架空の世界で威勢良く振る舞うのは何ら恥じることではない。AVによって擬似的に性体験を行うことやスポーツ観戦によって自分を仮想的に選手一体化させ、勝者の気分を擬似的に味わうことも全て現実の世界では満足に性体験を行うことも勝者になることも出来ない人が架空の世界の中で擬似体験を行うことで、欲望に従うまま行動出来ないことから来るストレスを取り除いていると言える。

0021

ここまでくると問題の一端が見えてくる。私達が暴力的・性的なアニメやゲーム、映像といったコンテンツ消費する時、そこには欲望の捌け口としての架空の世界を脳内に創り出すための手掛かりを求めていると言える。想像力が非常に豊かな人は、このような手掛かりが無くても自由にそのような架空の世界を生き生きと想起できるが、そうでない人はこのようなコンテンツを手掛かりとして架空の世界を脳内に創り出すことになる。このことを鑑みれば、暴力アニメを規制した場合に、図4のタイプB→タイプCの遷移が起きることは十分考えられる。これまで暴力アニメを見ることで、暴力的・性的衝動を架空世界の中で解消していた人が、そのような架空世界を創り出すことが出来なくなった場合に、欲望の捌け口が現実世界へ向かう可能性は高い。現に、性風俗や暴力コンテンツを厳しく規制している国の方が現実世界における犯罪率が高い事例も散見される。

0022

以上の点を鑑みれば、暴力アニメを規制するかしないかは犯罪防止の論点としてズレていることがわかる。暴力アニメを見ても犯罪を犯さない人がいるのは、その暴力アニメでの描写は架空の世界での出来事であり、現実世界では起きてはならないことをその人達は適切に認識出来ているためである。現実世界と架空世界の区別を付けられる人にとっては、暴力アニメは脳内でのストレス解消の手掛かりとして正常に機能するため、犯罪防止の観点でむしろプラスに作用することになる。

0023

それでは、この暴力アニメの問題は本来どのような議論がなされるべきか。答えは次の通りである。第1に、図1に示すような「アニメを見る・見ない」、「犯罪を犯す・犯さない」の2軸ではなく図5に示すような「法律で罰せられることを知っている・知らない」と「善悪の判断がつく・つかない」という制約による2軸で人を分類する。これは上述したように社会の中で私達人間の行動に制限を加えるものは「法律」と「道徳(善悪)」だからである。法律を知っていて善悪の判断もつくタイプE、法律は知らないが善悪の判断はつくタイプF、法律は知っているが善悪の判断がつかないタイプG、法律も知らず善悪の判断もつかないタイプHの4タイプに分類することが出来る。

0024

この中で犯罪を侵すのは2つの制約を突破してしまうタイプHである。タイプHの国民が現れないように国家は法律教育と道徳教育を行うことで2重の制約を国民に課し、犯罪を防止している。したがって教育を受けた国民のマジョリティはタイプEに属している。殺人が法律違反であることを知っているし、それ以前に殺される人の立場に自分を置き換えて道徳的に殺人がいけないことを殆どの国民は知っている。少年法により子供が犯した犯罪に救済が与えられる理由は、これら法律と道徳の2軸は教育によって培われるものであり、この2軸を獲得する前にタイプHになってしまうことは過失であるためと言えよう。殺人が法律違反になることはテレビなど様々な情報源からも流れ込んでくるため成長の早い段階で習得出来るが、殺人が悪であることを教育が失敗した場合には、いわゆるサイコパス型の人間に成長してしまうことになる。サイコパス型の人間は、一般人が虫を殺すことを悪とは感じないのと同様、「本当に」なぜ人を殺すことが悪なのか理解出来ないため、このようなサイコパス型人間が犯罪を犯さないようにするには、法律とそれに付随する刑罰の存在を叩き込むことでしか成功し得ない。すなわち、「道徳」の制約が機能し得ないため、「法律」という1つの制約で厳しく縛れるように法律教育を徹底することのみが有効に働く。虫一匹殺すことも不道徳とするインドジャイナ教徒が、を叩き殺す私達日本人を不道徳だと責めたところで、私達日本人がそのことを「心の底」から不道徳な行為であると思えるようにはならないのと同じである。

0025

しかしながら、このようなサイコパス型人間は極少数イレギュラーであり、普通に生きていれば殺人が法律違反であることは当然知りえるし、道徳的にも悪であることは知っているためどちらかの制約で犯罪が防止されるはずである。しかしながら、殺人を始めとする凶悪犯罪は無くならない。すなわち、法律も知っており、道徳的判断もつくという2重の制約下で生きているタイプEの人も場合によって犯罪を犯してしまうケースがあるということである。

0026

この点を適切に理解するためには、「法律」と「道徳」の2軸とは別に図6に示す「現実と架空の区別を付けられる・付けられない」と「暴力的・性的な衝動を持つ・持たない」の2軸で再分類する必要がある。現実と架空の区別が付けられ、暴力的・性的衝動を持たないタイプI、現実と架空の区別が付けられないが暴力的・性的衝動を持たないタイプJ、現実と架空の区別が付けられるが、暴力的・性的衝動を持つタイプK、現実と架空の区別が付けられず、暴力的・性的衝動を持つタイプLの4タイプに分類される。

0027

タイプIは、ある意味悟りを開いた仙人や高僧のような人物であり、極少数であり問題にならない。タイプJは赤子などが属し、こちらも衝動を持たないので問題にはならない。国民のマジョリティはタイプKに属する。通常は、異性に対する性的欲求を持つし腹が立って暴力的な感情芽生えることもある。しかし、現実と架空の区別がつくため、脳内で創り出す架空世界の中では魅力的な異性に抱きついたり、嫌いな他人に暴力を奮ったりしても現実世界ではそのようなことをしない。暴力的・性的衝動を覚えても脳内に創り出す架空世界の中で擬似的に欲望を果たすことで衝動を抑える術を身につけているため、現実世界へ波及することはない。問題となるのはタイプLである。一般人同様、暴力的・性的衝動を持っていながら現実と架空の区別が付けられない人間は、脳内で創り出す架空世界での暴力や性的行動をそのまま現実世界へと持ち込んでしまうことになる。

0028

ここまでの考察を経て、最初に取り上げた犯罪を犯した暴力アニメを見る人をどのように分析すべきかの題材が全て出そろったことになる。この人物が図5に示すように法律も知らず、善悪の判断も付かないタイプG、タイプHの人物であったならば、それは犯罪の原因は「道徳教育の失敗」である。アニメ規制うんぬんではなくどこで道徳教育を失敗したかを議論しなければならない。タイプFであったならばそれは法律教育の失敗であり、凶悪犯罪を犯した場合にどのような刑罰が与えられ、自分がどのような苦しい思いをすることになるかの教育を徹底すべきとなる。この人物がタイプEであった場合、図6に示すマトリクスを用いて分析を行う必要がある。

0029

タイプIとタイプJは暴力的衝動を持たず犯罪予備ではないので、この人物がタイプKかタイプLのどちらであったかを分析する必要がある。タイプKであったならば、暴力的・性的な欲望をストレスとして内部に溜め過ぎており、何らかのきっかけによって暴発してしまい法律・道徳という理性的な枷を突破して衝動的に犯行に及んでしまった可能性が高い。したがって、タイプKの犯罪者には、図7に示すように「暴力的・性的な欲求を適度に逃がし、欲求を溜め過ぎないようコンサルティングする」という解決手法や、「暴力的・性的な欲求の解消の手掛かりとできるコンテンツの紹介をする」という解決手法を取ることで、欲求を適切に仮想世界へ逃がすようにすることが適切な対処方法となる。図1分類法でタイプCに属する人には、むしろ暴力アニメなどを紹介するなどして架空世界で欲求を逃がす手掛かりとなる素材を与えた方が返って犯罪率を減少させることが可能になるのである。

0030

一方、タイプLであった場合には、「現実世界と架空世界を区別するトレーニングを行う」ことによりタイプK側の人間へ遷移させることが第1の対処方法である。タイプK側に遷移させ、欲求を仮想世界へ適切に逃がすことができるようになれば、衝動が「法律」と「道徳」の枷を突き破ることを防ぐことができる。それも適わない場合は、最終的な方法として「暴力的・性的な衝動・欲求を抑える根幹治療」を行う必要が出てくる。これは薬物投与ホルモン剤投与などになる。

0031

図2のタイプA→タイプDの遷移が起きる可能性があるのは、図6での分類でタイプJとタイプLに属する人である。タイプJとタイプLに属する人には暴力アニメは見せないように規制することは適切である。一方、現実世界と架空世界を区別出来るマジョリティであるタイプKにはむしろ暴力アニメを見られるようにする方が欲求の捌け口を与えることができるので適切となる。

0032

以上の議論を繋ぎ合わせると、犯罪を減らすためには、次の3段階を経て対応することが適切な対処方法となる。(1:道徳教育と法律教育を徹底する。2:現実世界と架空世界を区別できるようにするトレーニングを行う。これは架空世界を脳内に構築するための想像力を養うことに等しい。3:現実世界と架空世界の区別を適切に行うことができる人には暴力アニメを鑑賞する機会を与える。一方、現実世界と架空世界の区別を適切に行うことができない人には暴力アニメの鑑賞を規制する。)

0033

長くなったが、この一連の議論を経ることによって初めて本発明が解決しようとする課題を浮かび上がらせることが可能になる。暴力アニメの場合、問題となるタイプA→タイプDの遷移を起こす可能性があるのは現実世界と架空世界の区別が付かないタイプJとタイプLに属する人達であり、マジョリティであるタイプKに属する人には暴力アニメは問題にならない。しかしながら、消費するコンテンツが仮想現実コンテンツである場合、図8に示すように現実世界と架空世界の区別が付けられるタイプKの人も犯罪を犯さないタイプMから犯罪を犯すタイプPへ遷移してしまう可能性がある。

0034

現在、巷に溢れている暴力アニメや暴力的なゲームを消費しているタイプKに属する人はそれが架空世界での出来事であると認識している。如何にCG技術が優れていて現実を模倣していたとしても、それはテレビを通じて見せられる映像の中でのみ起きていることであると認識している。したがって、例え暴力ゲームの中で銃器を用いて敵を殺したとしても、それは自分が現実で殺人の罪を犯したのではなく、道徳や法律の制約がかからない架空世界の中での殺人なので、架空世界の中で閉じている分には何ら問題が無いと言うことを適切に認識している。

0035

しかしながら、仮想現実提示装置は、その目的が人工的に提示される仮想現実世界(架空世界)と現実世界の境界を消失させる方向にあるため、図6のタイプL、タイプKの人間をタイプJ、タイプLへ遷移させる方向に作用する可能性がある。例えば、仮想現実提示装置のユーザが、現実の世界と区別が殆ど付かない仮想現実の世界に配置される仮想現実オブジェクトである人物オブジェクトに暴力を振っても罰せられない擬似体験をした場合に、暴力をふるうことは問題ないことであると錯覚・誤解し、現実世界の中でも罪の意識がないまま暴力をふるってしまい結果として傷害罪に問われてしまう事態が起きる可能性がある。以下の説明では、このように現実世界と仮想現実世界の区別を付けられなくなってしまう症状のことを仮想現実中毒と称する。上述の特許文献1に開示されている発明では、制約が比較的緩い仮想現実世界での行う行動をユーザがそのまま現実世界に持ち込んでしまい、現実世界で問題が生じる可能性について考慮がされていなかった。

0036

上記課題を鑑み、本発明は、仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へもたらすことを防止する仮想現実提示システム、仮想現実提示方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0037

本発明の一態様である仮想現実提示システムは、仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成手段と、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示手段と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出手段と、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起手段と、を具備する。

0038

また、本発明の別の一態様である仮想現実提示方法は、仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成ステップと、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示ステップと、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出ステップと、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起ステップと、を有する。

0039

また、本発明の一態様である仮想現実提示システムは、仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成手段と、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示手段と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出手段と、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う中断制御手段と、を具備する。

0040

また、本発明の別の一態様である仮想現実提示方法は、仮想現実オブジェクトの映像を生成する仮想現実オブジェクト映像生成ステップと、前記生成された仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示ステップと、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出ステップと、前記仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、前記仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う中断制御ステップと、を有する。

発明の効果

0041

本発明によれば、仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へもたらすことを軽減することを可能とする仮想現実提示装置、仮想現実提示システム、仮想現実提示方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0042

第1の分類法による分類を説明する図。
第1の分類法によるユーザの遷移を説明する図。
第1の分類法によるユーザの遷移を説明する図。
第1の分類法によるユーザの遷移を説明する図。
第2の分類法によるユーザの遷移を説明する図。
第3の分類法によるユーザの遷移を説明する図。
第3の分類法によるユーザへの問題対処法を説明する図。
第1の分類法によるユーザの遷移の可能性を説明する図。
実施形態1に係る仮想現実提示システムの構成を説明するための概念図。
実施形態1に係る仮想現実提示システムの構成を示すブロック図。
提供可能仮想現実コンテンツ管理部1100が記憶する管理テーブルの一例。
実施形態1に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
実施形態1に係る仮想現実提示装置の構成を示すブロック図。
実施形態1に係る仮想現実提示装置の外観斜視図。
実施形態1に係るユーザの仮想現実コンテンツへの制限情報を含むユーザ管理テーブルの一例。
実施形態1に係る仮想現実コンテンツ管理テーブルの一例。
実施形態1に係る仮想現実提示システムの処理の流れを示すフローチャート図。
現実世界で許される行動範囲と仮想現実世界で許される行動範囲の差を説明する図。
実施形態2に係る仮想現実提示システムの構成を説明するための概念図。
実施形態2に係る仮想現実提示システムの構成を説明するための概念図。
実施形態2に係る仮想現実提示システムの構成を示すブロック図。
実施形態2に係る仮想現実提示装置の構成を示すブロック図。
実施形態2に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
ユーザと当該ユーザに設定されている注意喚起基準情報との対応関係を示すユーザ管理テーブルの一例。
仮想現実オブジェクトを生成するクラスファイルソースコードの一例。
注意喚起指示情報パケット)の一例。
問題行動管理テーブルの一例。
実施形態2に係る注意喚起処理の流れを示すフローチャート図。
注意喚起の具体例を示す図。
実施形態2に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
実施形態2に係る仮想現実提示装置の変形例の構成を示すブロック図。
ユーザ状態情報と注意喚起基準との関係を記憶したユーザ管理テーブルの一例である。
ユーザの周囲状況と注意喚起基準との関係を記憶したユーザ管理テーブルの一例である。
実施形態3に係る仮想現実提示システムの構成を示すブロック図。
ユーザと当該ユーザに設定されている基準値の対応関係を纏めた管理テーブルの一例。
ユーザと当該ユーザが取得した判定値との対応関係を纏めた管理テーブルの一例。
実施形態3に係る注意喚起処理の流れを示すフローチャート図。
更新処理後の判定値を示す管理テーブル。
実施形態4に係る仮想現実提示システムの構成を示すブロック図。
実施形態4に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
実施形態5に係る仮想現実提示システムの構成を示すブロック図。
実施形態5に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
実施形態5に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
実施形態5に係る仮想現実提示中断制御の流れを示すフローチャート図。
実施形態5に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
実施形態5に係る仮想現実提示システムの変形例の構成を示すブロック図。
ユーザと当該ユーザの没入度算出パラメータの対応関係を纏めたユーザ管理ファイルの一例。
没入度を下げる効果のある処理や制御を纏めた図。

実施例

0043

以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において同一の符号が付された部分は実質的に同一の機能を有している。また、発明の明確化のため重複部分は適宜説明が省略されている。また、本明細書においてユーザとは仮想現実サービスの提供を受ける消費者のことを指し、ユーザは本発明の仮想現実提示システムによって提示される仮想現実世界を感知しながら行動を行う。また、本明細書において、仮想現実サービスとは仮想現実コンテンツを提供するサービスのことを言う。したがって、本明細書において仮想現実サービス提供システムのことを仮想現実コンテンツ提供システムと称することがある。

0044

<実施形態1>
本実施形態1の具体的形態を説明する前に、本発明を適切に理解するための導線となる概念の説明を行う。図9は本発明の実施形態1に係る仮想現実提示システムの構成を説明するための概念図である。私達が生きるこの世界を情報処理の観点からモデル化した場合、この世界はアナログ情報空間10と、デジタル情報空間20と、インタフェース空間30の3つの空間に分解することができる。

0045

情報は実体を持たない抽象的な概念である。情報は単体では存在することができず、何らかの媒体に保持されることで存在することができる。情報を保持する媒体としては、書物写真、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などがある。人間の脳も情報を保持する媒体である。

0046

情報は、情報処理機構を通して加工することができる。すなわち、入力された情報は、情報処理機構によって加工され、異なった情報として出力される。かつてこの世界で情報処理機構として機能していたのは生物の脳だけであった。しかし、現代ではこの脳に加えて人間が創り出したCPU(Central Processing Unit)などの情報処理装置を用いることで情報の処理・加工が可能になっている。情報処理装置はプログラム協働することにより情報処理機構として機能する。このように、現代の世界には生物進化過程を経て淘汰的に創り上げられた脳と、人間が人工的に創り上げた情報処理装置の2種類の情報処理機構が存在していることになる。

0047

自然淘汰帰結として存在する脳が情報処理機構として機能する情報空間がアナログ情報空間10である。生物は目やなどの感覚器官を入力インタフェース12として外界よりアナログ情報を入力し、当該入力されたアナログ情報を脳11が処理する。脳11による処理結果は、口(声帯)や四肢出力インタフェース13として発話身振り手振りによってアナログ情報として外界へ出力される。ある生物の脳で情報処理されて出力されるアナログ情報が他の生物の脳に入力されることで情報が伝播していく。アナログ情報空間10では、情報は脳の他、紙やキャンパスフィルム大理石など様々な媒体に書物や絵画、写真、彫刻などの形態で保持される。

0048

一方、人間が創り出した情報処理装置が情報処理機構として機能する情報処理空間がデジタル情報空間20である。入力ポートを入力インタフェース22として外部よりデジタル情報を入力し、当該入力されたデジタル情報を所定のプログラムと協働する情報処理装置21が処理し、出力ポートを出力インタフェース23として処理結果であるデジタル情報を外部へ出力する。かつては出力されたデジタル情報を一旦ポータブル情報記憶媒体に保持し、当該デジタル情報が記憶された情報記憶媒体を人間が運び、他の情報処理装置の入力ポートに接続することで情報の伝播が行われていた。しかし、インターネット網整備によってある情報処理装置の出力ポートと別の情報処理装置の入力ポートが接続されたことで人間を介すこと無く情報が伝播するようになっている。デジタル情報空間20では、情報はRAM(Random Access Memory)の他、HDDやSSDなどの情報記憶媒体に保持される。

0049

インタフェース空間30は、アナログ情報空間10とデジタル情報空間20の接点となる空間であり、複数のインタフェース装置31を含む。インタフェース装置31は、アナログ情報空間で生成されるアナログ情報をデジタル情報に変換したり、デジタル情報空間で生成されるデジタル情報をアナログ情報に変換したりする。

0050

情報処理の観点から見たアナログ情報空間10は、脳が情報処理機構として機能する空間であり、これは私達人間が認識するこの現実世界そのものとみることができる。したがって、以下の説明ではアナログ情報空間を現実世界と称することがある。同様に、デジタル情報空間20は、情報処理装置21が情報処理機構として機能する空間であり、インタフェース空間30を介して現実世界10と連動することにより抽象的な仮想現実世界が創り出される。したがって、以下の説明では、ユーザの行動に連動する形で情報処理が実行され、現実世界と同様に振る舞うデジタル情報空間を仮想現実世界又は単に仮想現実と称することがある。

0051

図10は本発明の実施形態1に係る仮想現実コンテンツ提供システム1000の構成を示すブロック図である。仮想現実提供システム1000は、提供可能仮想現実コンテンツ管理部1100と、仮想現実コンテンツ記憶部1200と、仮想現実コンテンツ提供処理部1300と、を具備する。

0052

提供可能仮想現実コンテンツ管理部1100は、ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザに提供可能な仮想現実コンテンツとを管理する。図11は、提供可能仮想現実コンテンツ管理部1100が記憶する管理テーブルの一例を示している。ユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザID)と、当該ユーザに提供可能な仮想現実コンテンツを識別する仮想現実コンテンツ識別情報(仮想現実コンテンツID)が関連付けられた状態で記憶されている。

0053

仮想現実コンテンツ記憶部1200は、複数の仮想現実コンテンツを記憶する。ここで、仮想現実コンテンツとは仮想現実世界を創り出す元となるコンテンツであり、具体的には仮想現実空間に配置される仮想現実オブジェクトやその仮想現実オブジェクトを生成するためのデータやプログラムなどが含まれる。

0054

仮想現実コンテンツ提供処理部1300は、ユーザに提供可能な仮想現実コンテンツの中から当該ユーザに対して仮想現実コンテンツを提供する処理を行う。仮想現実コンテンツ記憶部1200には複数の仮想現実コンテンツが記憶されているものの、仮想現実コンテンツの提供対象となるユーザに対してその全ての仮想現実コンテンツが提供可能なわけではない。仮想現実コンテンツ提供処理部1300は、提供可能仮想現実コンテンツ管理部1100で記憶されている管理テーブルを参照し、仮想現実コンテンツの提供対象となるユーザに提供可能な仮想現実コンテンツとして登録されている仮想現実コンテンツの中から選択した仮想現実コンテンツを提供する処理を行う。

0055

以上のように本実施形態1にかかる仮想現実コンテンツ提供システムによれば、予めユーザと、当該ユーザに提供可能な仮想現実コンテンツ、すなわち当該ユーザが消費可能な仮想現実コンテンツを関連付けた状態で記憶しておくため、提供する仮想現実コンテンツをユーザ単位で柔軟に制御することが出来る。したがって、現実世界と仮想現実世界の区別がつけ難いユーザに対しては、現実世界へ悪影響をもたらす可能性がある仮想現実コンテンツの提供を制限することにより、仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へもたらすことを軽減することを可能とする。

0056

なお、本実施形態1の仮想現実コンテンツ提供システムは図12のように構成されていても良い。図12に示す仮想現実コンテンツ提供システムにおいて、提供可能仮想現実コンテンツ管理部1100は、ユーザ情報管理部1110と、仮想現実コンテンツ管理部1120を備える。また、仮想現実コンテンツ提供処理部1300は、通信処理部1310と、ユーザ認証処理部1320と、仮想現実コンテンツ選択処理部1330とを備える。

0057

図12において仮想現実コンテンツ提供システムは仮想現実提示装置100と通信を行う。仮想現実提示装置100は、ユーザがいる現実世界と仮想現実コンテンツ提供システム1000が創り出す仮想現実世界とを繋ぐインタフェース機能を少なくとも有する装置であり、通常はユーザが頭部に装着した状態で使用する形態を取る。

0058

図13図12に示す仮想現実提示装置100の具体的構成の一例を示すブロック図である。仮想現実提示装置100は、ユーザ状態検知部110と、周囲状況検知部120と、音声入力部130と、仮想現実コンテンツ映像生成処理部141と、表示制御部142と、表示部150と、仮想現実コンテンツ音声生成処理部161と、音声再生制御部162と、音声出力部170と、仮想現実提示制御部180と、通信処理部190と、を具備する。

0059

ユーザ状態検知部110は、ユーザの状態を検知し、当該ユーザの状態を示すユーザ状態情報を生成する。図13では、ユーザ状態検知部110は、ユーザ頭部の傾きを検知する傾きセンサ111、ユーザ頭部の加速度を検知する加速度センサ112、ユーザの眼球撮影することでユーザの眼球の動き瞬きの状態を検知する眼球センサ113などで構成される。これらの各種センサで検知されるユーザの状態はユーザ状態情報として仮想現実コンテンツ映像生成処理部141や仮想現実コンテンツ音声生成処理部161へ出力される。また、必要に応じて通信処理部190より仮想現実コンテンツ提供システム1000側へ送信される。

0060

周囲状況検知部120は、ユーザの周囲の状況を検知し、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報を生成する。図13では、周囲状況検知部120は、ユーザの視線方向を撮影する視線カメラ121と、ユーザの両側や後方などユーザの周囲を撮影する周囲カメラ122などで構成される。これらの各種カメラで撮影される周囲の状況を写した画像は、周囲状況情報として所定の画像解析処理が行われた後に、仮想現実コンテンツ映像生成処理部141や仮想現実コンテンツ音声生成処理部161へ出力される。また、必要に応じて通信処理部190より仮想現実コンテンツ提供システム1000側へ送信される。

0061

ユーザ状態検知部110がユーザを検知対象として所定の物理量の測定を行うのに対し、周囲状況検知部120はユーザの周囲に存在するユーザ以外のオブジェクトを検知対象として所定の物理量の測定を行う。したがって、周囲状況検知部120の検知対象としては、カメラによる撮影以外にも温度計による外気温の測定や湿度の測定などにより外気温や湿度を検知する構成としても良い。

0062

音声入力部130は、音声を入力し、A/D変換処理サンプリング処理、音声富豪か処理など所定の処理を行うことで音声情報を生成する。図13では、音声入力部130は、ユーザが発する音声を主に集音するユーザマイク131と、ユーザの周囲で発生している音声を主に集音する周囲マイク132を備える。音声入力部130で生成される音声情報は、所定の音声解析処理が行われた後に必要に応じて音声再生制御部162における音声レベル処理や、ユーザ認証処理部1320におけるユーザ認証処理に用いられる。

0063

仮想現実コンテンツ映像生成処理部141は、ユーザに提供される仮想現実コンテンツに係る映像を生成する処理を行う。具体的には、3次元方向の一定の広がりを持つ抽象的な空間である仮想現実空間に配置された仮想現実オブジェクトを所定の視点から描画する処理を継続して行うことで2次元の仮想現実オブジェクト映像を生成する。仮想現実オブジェクトは仮想現実コンテンツの一部を構成するデータやメソッド(プログラム)をメンバーに持ち、仮想現実空間に配置されるオブジェクトである。

0064

表示制御部142は、仮想現実コンテンツ映像生成処理部142で生成される仮想現実コンテンツに係る映像を表示部150に表示する制御を行う。

0065

表示部150は、表示制御部142からの表示制御に従い、仮想現実コンテンツの映像を表示する。表示部150は、ユーザの右目用の仮想現実コンテンツに係る映像を表示するライトパネル151aと、ユーザの左目用の仮想現実コンテンツに係る映像を表示するレフトパネル151bと有する。上述の仮想現実コンテンツ映像生成処理部141は、当該ライトパネル151a用とレフトパネル151b用に所定の視差を持つ2系統の映像を生成する。

0066

仮想現実コンテンツ音声生成処理部161は、ユーザに提供される仮想現実コンテンツに係る音声を生成する処理を行う。具体的には、仮想現実空間に配置された仮想現実オブジェクトと関連付けられた状態で記憶されている音声データを読み出し、当該仮想現実オブジェクトの位置から発せられるように音声データを各スピーカ系統へ振り分ける処理を行う。

0067

音声再生制御部162は、仮想現実コンテンツ音声生成処理部161で生成される仮想現実コンテンツに係る音声にレベル調整処理やD/A変換処理など各種音声再生処理を行う。

0068

音声出力部170は、音声再生制御部162における音声再生処理によってアナログ音声信号空気振動に変換して外部へ出力する。音声出力部170は、ユーザの右耳用のライトスピーカ171aと左耳用のレフトスピーカ171bを備える。

0069

仮想現実提示制御部180は、ユーザに仮想現実世界を提示するための各種制御を行う。例えば、仮想現実提示制御部180は、ユーザ状態検知部110で検知されるユーザの頭部の傾きや加速度に基づいてユーザの眼球位置座標や耳の位置座標を算出し、当該位置座標を仮想現実コンテンツ映像生成処理部141や仮想現実コンテンツ音声生成処理部161へ出力することで仮想現実コンテンツの映像や音声がユーザの頭部の動きと連動するように制御する。

0070

通信処理部190は、仮想現実コンテンツ提供システム1000側と通信を行う。具体的には、通信処理部190は、仮想現実コンテンツ提供システム1000より提供する仮想現実コンテンツを受信する受信処理を行ったり、当該仮想現実提示装置100を使用しているユーザを識別するユーザ識別情報や認証用パスワードを仮想現実コンテンツ提供システム1000へ送信する送信処理を行ったりする。

0071

図14は、当該仮想現実提示装置100の外観図の一例である。図14に示す例において仮想現実提示装置100はユーザが頭部に装着するHMD(Head Mount Display)装置の形態を取る。仮想現実提示装置100は、両耳に引っ掛けライトフレーム101aとレフトフレーム101bと、当該両フレームを前方で結合し、右目用のライト表示パネル151aと左目用のレフト表示パネル151bを保持するセンターフレーム101cを備える。また、各ライトフレーム101aとレフトフレーム101bの後端の内側にはライトスピーカ171a、レフトスピーカ171bが、外側には周囲マイク132a、132bがそれぞれ配置され、両サイドにはユーザの右左をそれぞれ撮影する周囲カメラ122a、122bが配置されている。センターフレーム101cの外側(前方)にはユーザの視線方向を撮影する視線カメラ121a、121bが配置され、センターフレームの内側にはユーザの左右の眼球を撮影する眼球カメラ113a、113bがそれぞれ配置されている。なお、視線カメラ121a、視線カメラ121bは、前方を向いているユーザの左右の目で見える景色と同様の範囲の景色を撮影するカメラである。また各フレームには、傾きを検知する傾きセンサ111a〜111eと、加速度を検知する加速度センサ112a〜112eがそれぞれ配置されている。

0072

図12戻り、ユーザ情報管理部1110は、ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザが消費可能な仮想現実コンテンツの制限情報とを関連付けた状態で管理する。図15は、当該ユーザ情報管理部1110が記憶・更新するユーザ情報管理テーブルの一例である。図15に示すユーザ情報管理テーブルでは、ユーザを識別するユーザ識別情報と当該ユーザが消費可能な仮想現実コンテンツの制限情報とが関連付けられた状態で記憶されている。また、図15に示すユーザ情報管理テーブルでは、認証処理用のパスワードもユーザ識別情報と関連付けられた状態で記憶されている。ここで、制限情報とはユーザに対する仮想現実コンテンツの提供を制限する処理に用いられる情報である。

0073

仮想現実コンテンツ管理部1120は、仮想現実コンテンツを識別する仮想現実コンテンツ識別情報と当該仮想現実コンテンツに割り当てられた制限情報とを関連付けた状態で管理する。図16は、仮想現実コンテンツ管理部1120が記憶する仮想現実コンテンツ管理テーブルの一例である。図16に示す仮想現実コンテンツ管理テーブルでは、仮想現実コンテンツを識別する仮想現実コンテンツ識別情報と当該仮想現実コンテンツに割り当てられた制限情報とが関連付けられた状態で記憶されている。

0074

通信処理部1310は、仮想現実コンテンツの提供対象であるユーザが装着している仮想現実提示装置100と通信を行う。通信処理部1310は、当該提供対象となるユーザを識別するユーザ識別情報と認証処理用のパスワードを仮想現実提示装置100より受信する。また、通信処理部1310は、当該ユーザに提供される仮想現実コンテンツに係る情報を仮想現実提示装置100へ送信する。

0075

ユーザ認証処理部1320は、通信処理部1310で受信されたユーザ識別情報とパスワードの組み合わせが、ユーザ情報管理部1110で管理されているユーザ識別情報とパスワードの組み合わせと一致しているかを確認するユーザ認証処理を行う。

0076

仮想現実コンテンツ選択処理部1330は、ユーザ認証処理部1320で認証処理に成功したユーザに関連付けられている制限情報に基づいて、仮想現実コンテンツ記憶部1200に記憶されている仮想現実コンテンツの中から、提供可能な仮想現実コンテンツを選択して前記ユーザに提供する処理を行う。

0077

図17は、当該仮想現実コンテンツ選択処理部1330の処理の流れの一例である。図17では、ユーザが提供を希望する仮想現実コンテンツを識別する識別情報が合わせて通信処理部1310で受信される場合における流れを示している。

0078

仮想現実コンテンツ選択処理部1330は、仮想現実コンテンツの提供に係るユーザを識別するユーザ識別情報を取得する(ステップS101)。仮想現実コンテンツ選択処理部1330は、ステップS101で取得したユーザ識別情報に基づいて、当該ユーザに提供可能な仮想現実コンテンツに関する制限情報をユーザ情報管理部1110に記憶されているユーザ情報管理テーブルを参照して取得する(ステップS102)。仮想現実コンテンツ選択処理部1330は、ユーザより提供を要求されている仮想現実コンテンツが、ステップS102で取得した制限情報に基づいて提供可能かどうかを仮想現実コンテンツ管理部1120で記憶されている仮想現実コンテンツ管理テーブルを参照して判定する(ステップS103)。ステップS103で提供可能と判定された場合は、仮想現実コンテンツ選択処理部1330は、当該要求されている仮想現実コンテンツを仮想現実コンテンツ記憶部1200より読み出し、通信処理部1310を介して仮想現実提示装置100へ送信することにより仮想現実コンテンツを提供する処理を行う(ステップS104)。一方、ステップS103で提供不可能と判定された場合は、要求されている仮想現実コンテンツを提供すること無く処理を終了する。

0079

以上に説明したように制限情報を媒介してユーザと当該ユーザに提供可能な仮想現実コンテンツとを管理することにより、仮想現実コンテンツの提供制限を柔軟に変更することが可能になる。

0080

なお上述した仮想現実提示装置100におけるUI以外の各種機能は仮想現実コンテンツ提供システム1000側に配置されていても良いし、仮想現実コンテンツ1000に含まれる各種機能は仮想現実提示装置100に取込まれる形で構成されていても良い。

0081

また、図14で例示した仮想現実提示装置100は、表示パネルとして投下型表示パネルが配置され、現実世界と仮想現実世界を融合する複合現実(MR:Mixed Reality)や現実世界を拡張する拡張現実(AR:Agumentede Reality)にも応用出来る場合について説明した。しかし、仮想現実提示装置100の表示パネルを非透過型パネルとし、ユーザに提示される映像の全てが仮想現実コンテンツ映像生成処理部で生成される仮想現実世界の映像とする構成としても良い。

0082

<実施形態2>
従来の暴力アニメや暴力ゲームの場合であれば、図6においてタイプJに多く属すると思われる子供が架空世界と現実世界の区別する能力が十分に備わっていないにもかかわらずこれらのコンテンツを消費することで道徳教育が上手く機能しなくなる可能性がある。したがって、これらの暴力コンテンツに早い段階で接することで子供達が図5のタイプGやタイプHの人間へ成長してしまい、最終的にタイプDの人間となってしてしまうことを防ぐため、一律に年齢による暴力アニメ等への制限を加えることは適切な対処方法と言える。しかしながら、仮想現実コンテンツの場合は、通常であれば架空世界と現実世界の区別をつけられる人であっても現在自分が感知している世界が現実世界なのか仮想現実世界であるのかの区別が付けられないため、現行の年齢制限によるコンテンツへのアクセス制限方法では対処できないことになる。

0083

このような課題に対して実施形態1に係る仮想現実コンテンツ提供システムによれば、ユーザ単位で提供可能な仮想現実コンテンツの制限及び制限の変更が可能である。したがって、現実世界と連動しない従来コンテンツで用いられていた年齢による一律制限と比較して、コンテンツ消費に伴う悪影響が現実世界へ及ぶことを軽減することが可能となる。

0084

しかしながら、コンテンツのサプライヤー側からユーザ側へ一方的に提示される従来コンテンツとは異なり、仮想現実コンテンツにおいて悪影響が現実世界へ波及する場合というのは、現実世界と比較して制約の緩い仮想現実世界の中でユーザが取った行動をそのまま現実世界に持ち込んで行動してしまう場合である。

0085

すなわち図18に示すように、現実世界でユーザが行える行動よりも、仮想現実世界でユーザが行える行動の方が一般的に広い。これは、仮想現実世界は、現実世界よりも「物理的制約」、「法律的制約」、「道徳的制約」のいずれかが緩和されているためである。図18において、斜線範囲は、現実世界と仮想現実世界との差異を表しており、現実世界では禁止されているものの仮想現実世界では許容される行動の範囲を示している。ユーザが仮想現実世界において当該斜線範囲で行動を行った後に、その行動が現実世界でも許容されると錯覚して現実世界で同様の行動を取ってしまった場合、仮想現実コンテンツを消費したことによる悪影響が現実世界へ波及したことになる。

0086

このように、一方通行型の従来コンテンツにおいて悪影響が現実世界へ波及する場合とは異なり、仮想現実コンテンツにおいて悪影響が現実世界へ波及する場合というのは、仮想現実世界内でユーザが行う行動に起因している。それにもかかわらず仮想現実コンテンツ単位で提供規制を行うことは課題解決方法としては大雑把過ぎるものであり、ユーザが仮想現実世界を堪能する機会を奪っていることになる。

0087

本実施形態2に係る仮想現実コンテンツ提供システムは、上記課題を鑑み、ユーザへの仮想現実コンテンツの提供機会を過度に損なうこと無く、ユーザが仮想現実コンテンツを消費することにおける悪影響が現実世界へ波及することを軽減することを目的としている。

0088

本実施形態2の具体的形態を説明する前に、本実施形態を適切に理解するための導線となる概念の説明を行う。図19、20は本実施形態2に係る仮想現実提示システムの構成を説明するための概念図である。図9で説明したように私達が生きるこの世界を情報処理の観点からモデル化した場合、この世界はアナログ情報空間10と、デジタル情報空間20と、インタフェース空間30の3つの空間に分解することができる。

0089

実施形態1で説明した仮想現実コンテンツ提供システム1000は、仮想現実世界を生成するための情報処理を行うシステムであり、したがってデジタル情報空間20に位置している。一方、仮想現実提示装置100は、インタフェース装置31の機能を取込みつつ仮想現実世界を創り出す機能を有しているため、インタフェース空間30とデジタル情報空間20に跨がる場所に位置していると言える。

0090

実施形態1では、仮想現実提示装置100が有するインタフェース機能を入力系機能部32と出力系機能部33という入出力の観点で分類している。入力系機能部32はアナログ情報空間10からデジタル情報空間20へ向かう情報の変換を行う機能部であり、図13の例ではユーザ状態検知部110、周囲状況検知部120、音声入力部130などが該当する。一方、出力系機能部33は、デジタル情報空間20からアナログ情報空間10へ向かう情報の変換を行う機能部であり、図13の例では表示制御部142、表示部150、音声再生制御部162、音声出力部170などが該当する。

0091

しかしながら、実施形態1における入力系機能部32は、出力系機能部33における出力を補助するために用いられている。例えば、実施形態1においてユーザ状態検知部110は、ユーザの眼球位置座標や耳の位置座標を求めるために配置されている。これらの位置座標情報は、表示部150や音声出力部170でユーザに提示される仮想現実オブジェクトの映像や音声を生成する際に用いられる。

0092

図20は、オブジェクト指向の観点でこの世界を再構築した場合の概念図である。現実世界10に生きる私達は、様々なオブジェクト(モノ)と相互作用を繰り返しながら生きている。例えばオブジェクトであるドアを開ける場合は、ドアを押すという作用を行い、当該作用に応じる形でドアが開くと共にその作用の結果が反作用という形で私達へ返還される。このオブジェクトの観点から世界を再構築すると他人もオブジェクトであり、私達自身もまたオブジェクトである。現実世界では自然界を規定する物理法則(重力電磁気力、弱い力、強い力など)に従ってオブジェクト同士が相互作用を繰り返している。私達は、感覚器官を介してオブジェクトの状態を入力し、記号化処理を行うことでこの世界を脳内で再構築している。

0093

一方、仮想現実世界20には現実世界の一部を模倣した状態で仮想現実オブジェクトが配置される。現実世界10においてユーザは何らかの行動を行うことで周囲のオブジェクトに作用を与え、感覚器官を介してその作用の結果である反作用を入力し、当該入力した情報を脳内で処理している。仮想現実世界20を感知しているユーザの脳内で起こる情報処理が現実世界10を感知しているユーザの脳内で起こる情報処理と同じよう行われることが、ユーザにとって仮想現実世界20と現実世界10との境界を喪失させることになり、より良い仮想現実世界20を作り出すことになる。そうであるならば、インタフェース装置30は、図20のようにユーザが外部のオブジェクトへ行う作用を検出する作用検出機能部34と、当該作用の結果としての反作用をユーザへ返還する反作用返還機能部35というようにユーザ視点作用反作用の軸で分類することが好ましいことになる。作用検出機能部34は、ユーザの行動を検出する機能部とも言えるため以下の説明では行動検出機能部34と称することがある。また、反作用返還機能部35は、ユーザが行った行動によって引き起こされる結果をユーザに提示する機能部とも言えるため以下の説明では行動結果提示機能部35と称することがある。

0094

図21は、本実施形態2に係る仮想現実提示システム20000の全体構成を示すブロック図である。仮想現実提示システム20000は、仮想現実提示装置200と、仮想現実コンテンツ提供システム2000と、を含んで構成される。

0095

仮想現実提示装置200は、仮想現実オブジェクトの映像を表示する仮想現実オブジェクト映像表示部250と、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出部280と、を具備する。また、仮想現実コンテンツ提供システム2000は、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310と、オブジェクト挙動制御部2320と、注意喚起処理部2330と、を具備する。

0096

仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310は、仮想現実オブジェクトの映像を生成する。ここで、仮想現実オブジェクト映像は、実施形態1で説明した仮想現実コンテンツ映像の一種であり、少なくとも仮想現実オブジェクトを含む2次元の映像である。例えば、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310は、仮想現実空間に配置されている仮想現実オブジェクトを、後述するユーザ位置座標更新処理部2350が更新する仮想現実空間におけるユーザの眼球位置座標と視線方向に基づいて描画する処理を行うことで2次元の仮想現実オブジェクト映像を生成する。仮想現実空間における視点位置座標や視線方向は、現実世界におけるユーザの眼球位置や視線方向とリンクしているため、ユーザの眼球位置や視線方向が変化すると、描画処理に用いられる眼球位置座標や視線方向も連動して変化する。したがって、仮想現実空間で仮想現実オブジェクトの位置が変化していなくても、2次元の仮想現実オブジェクト映像に含まれる仮想現実オブジェクトの位置は変化することになる。

0097

仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。例えば、ユーザが人型の仮想現実オブジェクトを殴る行動を行った場合、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は当該仮想現実オブジェクトが倒れるといった挙動をとるように仮想現実ブジクトを制御する。一方、仮想現実オブジェクトの頭を撫でる行動を行った場合、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は当該仮想現実オブジェクトが喜ぶといった挙動をとるように仮想現実オブジェクトを制御する。これらの仮想現実オブジェクトの「倒れる」や「喜ぶ」といった挙動は予め当該仮想現実オブジェクトに設定されている。ユーザ行動に基づいて予め当該仮想現実オブジェクトに設定されている挙動プログラムであるメソッドの中から当該ユーザ行動に対応するメソッドが呼び出されて実行されることにより、仮想現実オブジェクトは対応する挙動を示すことになる。

0098

ここで、頭を撫でる行動は現実世界でも特に問題とはならないが、殴る行動は現実世界では問題がある。そこで、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザからの殴るという行動が検出されて仮想現実オブジェクトに倒れるといった挙動を取るように制御する場合に、合わせて問題行動情報を生成して注意喚起処理部2330に出力する。

0099

注意喚起処理部2330は、仮想現実オブジェクトに対してユーザより行われた所定の行動に基づいて、当該ユーザに対して注意喚起するための注意喚起処理を実行する。例えば、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が行う仮想現実オブジェクトの挙動制御処理に伴って上記問題行動情報が生成された場合に、注意喚起処理部2330は、注意喚起画面をユーザに対して表示したり注意喚起音をユーザに対して出力したりするための注意喚起指示情報を仮想現実提示装置200へ送信する。例えば、仮想現実提示装置200において、仮想現実オブジェクト映像表示部250は、注意喚起処理部2330における当該注意喚起処理に基づいて注意喚起指示情報が出された場合に、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310で生成された仮想現実オブジェクト映像と注意喚起用映像を多重した映像を表示することにより、注意喚起を行う。

0100

以上の構成によれば、仮想現実世界にある仮想現実オブジェクトを現実世界にあるオブジェクトと仮定した場合に、問題となる行動が当該仮想現実オブジェクトに対してユーザより行われた場合にユーザに対して注意喚起を行う。当該構成とすることで、仮想現実コンテンツ単位で制限を加えるのではなく、現実世界へ悪影響を波及する恐れがある行動をユーザが仮想現実世界で行った場合に注意喚起することで、自らとった行動は現実の世界では問題となることをユーザが適切に認識することができる。したがって、本実施形態2にかかる仮想現実提示システムによれば、ユーザへの仮想現実コンテンツの提供機会を過度に損なうこと無く、仮想現実コンテンツを消費することにおける悪影響が現実世界へ波及することを軽減することができる。

0101

なお、仮想現実提示装置200は、図22に示す構成としてもよい。図22に示す仮想現実提示装置200は、ユーザ状態検知部110と、周囲状況検知部120と、音声入力部130と、仮想現実オブジェクト映像表示部250と、仮想現実オブジェクト音声出力部270と、仮想現実提示制御部180と、通信処理部190と、注意喚起映像記憶部290を具備する。

0102

既に上述したようにユーザ状態検知部110は、ユーザの状態を検知する。ユーザ状態検知部110は、細分化すると仮想現実オブジェクト映像や仮想現実オブジェクト音声を生成する際の位置座標を算出するためなどに用いられる出力制御用ユーザ状態検知部210−1と、ユーザの行動を検出するためなどに用いられる行動検出用ユーザ状態検知部210−2に分けることができる。出力制御用ユーザ状態検知部210−1は、実施形態1で説明したユーザ状態検知部と同様の構成であり、ユーザの頭部の傾きを検出する傾きセンサ111−1、ユーザの頭部の加速度を検出する加速度センサ112−1、ユーザの眼球を撮影する眼球センサ113などで構成される。一方、行動検出用ユーザ状態検知部210−2は、ユーザの手足などに取り付けられる傾きセンサ111−2や加速度センサ112−2や、ユーザからの行動を受け付ける複数のボタンが配置されているコントローラ114などで構成される。これらのセンサやコントローラは有線で通信可能な状態で装置本体と接続されていても良いし、無線通信可能な状態で接続されていても良い。ユーザ状態検知部110は検知されたユーザ状態を示すユーザ状態情報を生成する処理を行う。

0103

周囲状況検知部120はユーザの周囲の状況を検知する。具体的には、ユーザの頭部の方向である前方方向を撮影する視線カメラ121やユーザの左右や後方などユーザの視界に入らない領域を撮影する周囲カメラ122などで構成される。以下の説明では周囲状況検知部120を、ユーザの周囲の景色を撮影する周囲撮影部120と称することがある。周囲状況検知部120は、ユーザの周囲の状況を撮影した画像データを含む周囲状況情報を生成する。

0104

音声入力部130は音声を入力する。音声入力部130は、ユーザが発する音声を主に集音するユーザマイク131と、ユーザの周囲で発生する音声を主に集音する周囲マイク132などで構成される。音声入力部130は、入力した音声に所定の音声変換処理を行うことで入力音声情報を生成する。

0105

仮想現実オブジェクト映像表示部250は、仮想現実オブジェクトの映像を表示する。具体的には、仮想現実オブジェクト映像表示部250は、実施形態1で説明した表示制御部142と表示部150の機能を持つ機能ブロックであり、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310で生成された仮想現実オブジェクト映像を表示する。なお、注意喚起処理部2330で注意喚起処理が行われた場合、すなわち注意喚起指示が出された場合、所定の注意喚起映像を仮想現実オブジェクト映像に多重して表示することで注意喚起を行う。

0106

仮想現実オブジェクト音声出力部270は、仮想現実オブジェクトの音声を出力する。具体的には、仮想現実オブジェクト音声出力部270は、実施形態1で説明した音声再生制御部162と音声出力部170の機能を持つ機能ブロックであり、後述する仮想現実オブジェクト音声生成処理部2380で生成された仮想現実オブジェクト音声をスピーカより出力する。

0107

仮想現実提示制御部180は、仮想現実オブジェクト映像表示部250や仮想現実オブジェクト音声出力部270を介してユーザに仮想現実世界を提示するための各種制御を行う。ユーザ行動検出処理部280は、仮想現実提示制御部180が有する機能の一つであり、行動検出用ユーザ状態検知部110−2で検知されたユーザの状態に基づいてユーザの行動を検出しユーザ行動情報を生成する処理を行う。すなわち、行動検出用ユーザ状態検知部110−2で検出されるデータは各種センサで得られる情報であり、これだけではユーザの行動とリンクしない。したがって、ユーザ行動検出処理部280は、行動検出用ユーザ状態検知部110−2を構成する各種センサで取得されるデータに対して所定の解析処理を行い、各種センサで取得されるデータに基づいてユーザの行動を検出し、当該ユーザの行動を示すユーザ行動情報を生成する。

0108

仮想現実オブジェクト映像表示部250において仮想現実オブジェクト映像が表示されている場合、ユーザは現実世界の景色ではなく、当該人工的に作られた仮想現実世界の景色を見ていることになる。したがって、仮想現実オブジェクト映像を見ているユーザは仮想現実世界にいると捉えることが出来る。表示されている仮想現実オブジェクトを触ったり殴ったりするユーザの行動は、仮想現実世界で行われているユーザの行動と捉えることが出来る。ユーザ行動検出部280は、仮想現実提示装置200を使用しているユーザに対して仮想現実オブジェクト映像が表示されることにより仮想現実世界にいるユーザついて、当該ユーザの当該仮想現実世界内における行動を検出する処理を行う。

0109

仮想現実オブジェクトは仮想現実空間(仮想現実世界)に配置された実体のないオブジェクトであるため、ユーザが当該仮想現実オブジェクトを触ったり殴ったりする行動を行ったとしても、実際に触ることはできずユーザの触覚刺激されない。しかし、本明細書では、ユーザに見えている仮想現実オブジェクトを触ろうとする行動や殴ろうとする行動は、仮想現実世界において仮想現実オブジェクトを触ったり殴ったりする行動であると捉える。ユーザ行動検出部280は、このようなユーザの行動をユーザ状態検知部110において検知されるユーザ状態に基づいて検出する処理を行う。

0110

通信処理部190は、ユーザ状態検知部110で生成されるユーザの状態を示すユーザ状態情報、周囲状況検知部120で生成されるユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報、ユーザが発する音声や及び周囲で発生する音声のデジタル信号を含む入力音声情報、ユーザ状態情報に基づいてユーザ行動検出処理部280で生成されるユーザ行動情報などをインターネットなどの通信ネットワーク網を介して仮想現実コンテンツ提供システム2000へ送信する処理を行う。また、通信処理部190は、仮想現実コンテンツ提供システム2000側に配置されている注意喚起処理部2330において注意喚起処理が行われた場合に送信される注意喚起指示情報を受信する。

0111

注意喚起映像記憶部290は、注意喚起用の映像を記憶する。仮想現実オブジェクト表示部250は、通信処理部190で注意喚起指示情報が受信された場合に、仮想現実提示制御部180からの制御に基づいて注意喚起映像記憶部290で記憶されている注意喚起映像の中から当該注意喚起指示情報で示される注意喚起に対応する注意喚起映像を読み出し、仮想現実オブジェクト映像に多重して当該多重した映像を表示する。

0112

また、仮想現実コンテンツ提供システム2000は、図23に示すように構成してもよい。図23に示す仮想現実コンテンツ提供システム2000は、ユーザの情報を記憶・管理するユーザ情報管理部2100と、仮想現実コンテンツを記憶する仮想現実コンテンツ記憶部2200と、仮想現実コンテンツをユーザに提供する各種処理を行う仮想現実コンテンツ提供処理部2300とを含む。

0113

図24はユーザ情報管理部2100に記憶される注意喚起用のユーザ管理テーブルの一例を示している。ユーザ管理テーブルは、ユーザを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザに対して注意喚起を行う種類を示す注意喚起種別情報と、注意喚起を行う基準を示す注意喚起基準情報とが関連付けられた状態で記憶されている。例えばユーザIDがU0001のユーザに対しては暴力行動(Violence)に関する注意喚起と性的行動(Sexual)に関する注意喚起が行われるように設定されている。また、それぞれの行動に対して注意喚起を行う基準はそれぞれレベル1、レベル4に設定されている。

0114

仮想現実コンテンツ記憶部2200は仮想現実コンテンツを記憶する。仮想現実コンテンツとしては、提供に係る仮想現実コンテンツの実行ファイル2201や仮想現実オブジェクトを定義するクラスファイル2202、当該クラスファイルに基づいて生成される仮想現実オブジェクトのインスタンス2203、仮想現実オブジェクトに関連付けられている仮想現実オブジェクト音声データ2204、などが含まれる。

0115

図25は、「市民」の仮想現実オブジェクトのクラスファイルに関するソースコードの一例である。当該市民クラスは人型クラスを継承しており、当該クラスに基づいて仮想現実オブジェクトを生成するためのコンストラクタや、当該仮想現実オブジェクトに作用する挙動制御用の各種メソッドが記述されている。

0116

仮想現実コンテンツ提供処理部2300は、通信処理部1310と、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310と、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320と、注意喚起処理部2330と、周囲状況特定処理部2340と、ユーザ位置座標更新処理部2350と、仮想現実空間設定処理部2360と、仮想現実オブジェクト配置処理部2370と、仮想現実オブジェクト音声生成処理部2380と、問題行動管理テーブル記憶部2390とを具備する。仮想現実コンテンツ提供処理部2300における各種機能はネットワーク上に配置されている情報処理サーバにおけるソフトウェアハードウェアの恊働によって実現される。したがって、以下の説明では仮想現実コンテンツ提供処理部を仮想現実コンテンツ提供処理サーバと称することがある。なお、上述したユーザ情報管理部2100や仮想現実コンテンツ記憶部2200の機能は当該仮想現実コンテンツ提供処理サーバに取込まれていても良い。

0117

通信処理部1310は、仮想現実提示装置200と通信を行う。通信処理部1310は、仮想現実提示装置200より送信されるユーザ状態情報、周囲状況情報、入力音声情報、ユーザ行動情報などを受信する処理を行う。また、通信処理部1310は、注意喚起処理部2330で生成される注意喚起指示情報や、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310で生成される仮想現実オブジェクト映像、仮想現実オブジェクト音声生成処理部2380で生成される仮想現実オブジェクト音声、などの各種情報を仮想現実提示装置200へ送信する処理を行う。

0118

図26は、上記仮想現実提示装置200へ送信される注意喚起指示情報のパケットの一例を示している。注意喚起指示情報には、宛先である仮想現実提示装置200のネットワーク上のアドレスを示す宛先アドレス情報送信元である仮想現実コンテンツ提供処理サーバ2300のアドレスを示す送信元アドレス、当該パケットが注意喚起指示情報であることを示すパケット種別情報、注意喚起の種類を示す注意喚起種別情報、注意喚起のレベルを示す注意喚起レベル情報、注意喚起の方法を示す注意喚起方法情報、注意喚起を行う時間を示す注意喚起時間情報などが含まれる。

0119

仮想現実提示制御部180は、通信処理部190で受信されたパケットに含まれるパケット識別情報を確認し、当該パケットが注意喚起指示情報であった場合に、注意喚起制御を行う。第1に仮想現実提示制御部180は、当該注意喚起指示情報に含まれる注意喚起方法情報に基づいて注意喚起を行う方法を特定する。ここで注意喚起を行う方法としては注意喚起映像を用いた視覚による注意喚起方法や、注意喚起音声を用いた聴覚による注意喚起方法の他、必要に応じて仮想現実提示装置200の本体内部に配置されている振動子を所定の注意喚起パターンに従って振動させる制御を行うことで触覚による注意喚起を行う注意喚起方法などがある。ここでは、注意喚起方法情報では視覚による注意喚起を行うことが指定されているものとして説明する。

0120

仮想現実提示装置200において仮想現実提示制御部180は、注意喚起種別情報と注意喚起レベル情報に基づいて、対応する注意喚起用映像を注意喚起映像記憶部290より読み出し、仮想現実オブジェクト映像表示部250において仮想現実オブジェクト映像に当該注意喚起用映像を多重し、注意喚起時間情報で指定されている時間の間注意喚起映像を表示する制御を行う。

0121

仮想現実空間設定処理部2360は、通信処理部1310を介してユーザより仮想現実コンテンツの提供開始指示を受けつけた場合などに、当該指示されている仮想現実コンテンツの実行ファイルを仮想現実コンテンツ記憶部2200より読み出して実行する処理を行う。仮想現実空間設定処理部2360は当該処理を行うことで、当該仮想現実コンテンツ提供用メモリー領域を確保したり、位置座標の範囲を設定したりすることにより仮想現実空間を設定する。

0122

周囲状況特定部2340は、通信処理部1310で受信された周囲状況情報を解析することでユーザの周囲の状況を特定する処理を行う。具体的には、周囲状況情報に含まれる画像と予め記憶しているオブジェクトパターンとのマッチング処理を行うことでユーザの周囲に存在するオブジェクトの種類を特定する処理や、当該オブジェクトをモデリングするモデリング処理を行うことで仮想現実オブジェクトを配置可能な場所を探索する処理などを行う。

0123

ユーザ位置座標更新処理部2350は、ユーザ状態情報に基づいてユーザの現実世界におけるユーザの目の位置や視線方向に対応する仮想現実空間での眼球位置座標や視線方向を更新する処理を行う。また、ユーザ位置座標更新処理部2350は、必要に応じて現実世界におけるユーザの耳の位置に対応する仮想現実空間での耳位置座標を更新する処理を行う。

0124

仮想現実オブジェクト配置処理部2370は、仮想現実空間に仮想現実オブジェクトを配置する処理を行う。例えば、仮想現実オブジェクト配置処理部2370は、当該仮想現実オブジェクトのコンストラクタを実行して当該仮想現実オブジェクトのインスタンスを生成し、当該仮想現実オブジェクトの仮想現実空間内での位置座標を示すフィールド値を設定することで仮想現実空間に仮想現実オブジェクトを配置する処理を行う。図25に示すクラスファイルのソースコードでは、仮想現実空間における当該生成する仮想現実オブジェクトの位置座標を引数とするコンストラクタが設定されている。仮想現実オブジェクト配置処理部2370は、周囲状況特定処理部2340で特定される仮想現実オブジェクトの配置可能領域の中であってユーザ位置座標更新処理部2350で更新されているユーザの位置座標と所定の位置ベクトル離れた位置座標を仮想現実空間における仮想現実オブジェクトの配置位置座標として決定し、当該コンストラクタの引数にセットして仮想現実オブジェクトを生成する処理を行うことで仮想現実オブジェクトを仮想現実空間に配置する。

0125

仮想現実オブジェクト音声生成処理部2380は、仮想現実コンテンツ記憶部2200より仮想現実オブジェクト音声データを読み出し、ユーザ位置座標更新処理部2350によって更新される仮想現実空間におけるユーザの耳の位置座標に基づいて、仮想現実オブジェクト音声出力部270に含まれる複数のスピーカ171の系列で出力される音声のレベル調整を行うことで仮想現実オブジェクト音声を生成する。

0126

仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、仮想現実オブジェクト配置処理部2370によって生成され、仮想現実空間に配置されている仮想現実オブジェクトについて、通信処理部1310で受信されるユーザ行動情報に基づいて挙動を制御する処理を行う。図25に示すように、仮想現実オブジェクトには挙動制御に関する様々なメソッドが定義されており、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動情報に基づいて対応するメソッドを実行することにより仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。

0127

ここで、図25に示すようにユーザからの撫でる行動に基づいて実行されるtatch28のメソッドには戻り値が設定されていないが、ユーザからの殴る行動に基づいて実行されるfallDown34のメソッドには戻り値が設定されている。ここでは当該戻り値は注意喚起処理部2330における注意喚起処理のトリガーとなる情報であり、ユーザが行った問題行動の種類を示している。

0128

図27は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320によって実行される仮想現実オブジェクトの挙動制御に伴って生成される戻り値と対応する問題行動を纏めた管理テーブルの一例である。問題行動管理テーブル記憶部2390は、挙動制御に伴って生成される情報と対応する問題行動に関する情報を纏めた当該管理テーブルを記憶する。

0129

例えば、ユーザが仮想現実オブジェクトを殴る行動を取ることによって仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が仮想現実オブジェクトの挙動を制御する場合に、実行される挙動制御のメソッドの戻り値としては傷害罪に対応する0001や0002が設定される。例えば上述のfallDown34のメソッドの戻り値には0001が設定されており、ユーザ行動情報で示される内容が仮想現実オブジェクトを殴る行動であった場合に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、当該fallDown34のメソッドを実行することによりオブジェクトの挙動を制御するとともに、当該0001の戻り値を生成して注意喚起処理部2330へ渡す処理を行う。

0130

また、図27に例示する問題行動に関する管理テーブルでは仮想現実オブジェクト挙動制御部2320で実行される仮想現実オブジェクト挙動制御のメソッドの戻り値には、対応する問題行動の内容に加えて注意喚起処理用のレベル情報が設定されている。

0131

注意喚起処理部2330は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320においてユーザの問題行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する処理が行われた場合、注意喚起処理を実行する。例えば、注意喚起処理部2330は、ユーザの問題行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320において仮想現実オブジェクトの挙動を制御する処理を実行する際に生成された戻り値と、図27に示す管理テーブルとを用いて対応する問題行動の種類と問題行動のレベルを取得する。当該取得したレベルがユーザ情報管理部2100で管理されている当該問題行動を行ったユーザに設定されている注意喚起基準情報で示されるレベルを超えている場合に、当該問題行動に対応する注意喚起情報を生成する処理を行う。

0132

図28は、一連の注意喚起処理の流れを示すフローチャート図である。注意喚起処理はユーザの行動によって引き起こされる。まず、ユーザ行動検出処理部280は、ユーザ状態検知部110において検知されるユーザ状態に基づいてユーザの行動を検出する処理を行う(ステップS201)。当該ユーザ行動検出処理部280における検出結果であるユーザ行動情報は仮想現実オブジェクト挙動制御部2320へ送られる。

0133

ここで、ユーザ状態検知部110はセンサ等で構成されるため、ユーザ行動検出処理部280は各センサで取得されている情報に基づいてユーザ行動を検出する。ユーザ行動とは、「殴る」、「撫でる」、「触る」、「寝転ぶ」、「笑う」、「泣く」、「喋る」、「蹴る」、「歩く」、「走る」、「キスをする」、「押し倒す」、「あくびをする」、「コントローラのAボタンを押す」、「コントローラの十字キーを押す」など、ユーザが外部に向けて意図的に行う作用のことを言う。ユーザ行動検出処理部280は、ユーザ状態検知部110で検知されるユーザの状態に基づいて、当該ユーザ状態とユーザ行動との対応を纏めた対応テーブルを参照して変換処理等を実行することにより、上記検知されたユーザ状態に対応するユーザ行動を検出し、検出内容をユーザ行動情報として生成する。例えば、ユーザ行動が「殴る」という行動であった場合、ユーザ行動検出部280は、「殴る」という行動内容を示す情報の他、殴る拳の位置座標と殴る方向、殴る速度などの情報を合わせてユーザ行動情報として生成する。

0134

仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、当該ユーザ行動検出処理部280において検出されたユーザ行動を示すユーザ行動情報に基づいて、当該ユーザ行動に対応する仮想現実オブジェクト挙動制御処理を実行する(ステップS202)。

0135

例えば、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動情報で示される行動内容と、当該行動が行われている位置座標に基づいて、仮想現実空間に配置されている仮想現実オブジェクトに対する行動であるかを判定する。当該判定の結果仮想現実オブジェクトに対するユーザからの行動である場合は、当該仮想現実オブジェクトに設定されている挙動制御に関するメソッドであって、当該ユーザ行動に応じたメソッドを呼び出して実行する。当該処理を実行することにより、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、検出されたユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。

0136

ステップS202で実行された挙動制御処理が、注意喚起処理を伴う挙動制御処理でなかった場合(ステップS203でNo)、ステップS201で検出されたユーザ行動に基づく注意喚起処理は行われず処理を終了する。一方、ステップS202で実行された挙動制御処理が、注意喚起処理を伴う挙動制御処理であった場合(ステップS203でYes)、注意喚起処理部2330は、当該挙動制御処理に対応付けられている問題行動の種類とレベルに関する情報を取得する(ステップS204)。

0137

例えば、注意喚起処理部2330は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御処理において注意喚起処理のトリガーとなる戻り値が返された場合、図27に例示する管理テーブルを参照して当該戻り値に対応する問題行動の種類とレベルに関する情報を取得する。

0138

ここでは、ステップS201で検出されたユーザIDがU0001であるユーザの行動が仮想現実オブジェクトを殴る行動であったものとし、当該仮想現実オブジェクトに設定されている図25に例示するfallDown34のメソッドが実行されて戻り値0001が返された場合について説明する。この場合、注意喚起処理部2330は、図27に示す管理テーブルを参照し、問題行動の内容が034で示される傷害罪に関連する問題行動であり、問題行動のレベルが2であるとして、当該034と2の値をそれぞれ変数代入することで当該戻り値に対応する問題行動の種類とレベルに関する情報を取得する。

0139

続いて、注意喚起処理部2330は、当該取得した問題行動の種類に対して、当該問題行動を行ったユーザに設定されている注意喚起基準情報を取得する(ステップS205)。ステップS204で取得された問題行動の内容は034で示される傷害罪であったため、注意喚起処理部2330は、図24に例示する管理テーブルを参照し、当該ユーザIDがU0001であるユーザの傷害罪に対応する注意喚起基準情報を取得する。図24の管理テーブルでは傷害罪や殺人罪はすべてViolenceに包含される形で設定されているため、注意喚起処理部2330は、034で示される問題行動内容である傷害罪と対応するViolenceと関連付けられている注意喚起基準情報を取得する。注意喚起処理部2330は、当該注意喚起基準情報で示される1の値を変数に代入することで注意喚起基準情報を取得する。

0140

次に、注意喚起処理部2330は、ステップS204で取得した問題行動のレベルと、ステップS205で取得した注意喚起基準のレベルとを比較する処理を行う(ステップS206)。当該比較処理の結果、当該ユーザが行った問題行動のレベルが当該ユーザに設定されている注意喚起基準を下回っている場合(ステップS206でNo)、注意喚起を行う必要は無いとして処理を終了する。一方、当該比較処理の結果、当該ユーザが行った問題行動のレベルが当該ユーザに設定されている注意喚起基準を上回っている場合(ステップS206でYes)、注意喚起を行う必要があるとして当該問題行動に対応する注意喚起の実行を指示する注意喚起指示情報を生成する処理を行う(ステップS207)。

0141

上述の例の場合、問題行動に設定されているレベルが2であり、注意喚起基準として設定されているレベルが1であるため、注意喚起処理部2330は注意喚起を行う必要があるとして図26に例示した注意喚起指示情報を生成する処理を行う。

0142

ステップS207で生成された注意喚起指示情報を受け取った場合、仮想現実提示装置200において、仮想現実提示制御部180は、注意喚起指示情報に含まれる注意喚起方法にしたがってユーザに注意喚起を行うための制御を実行する(ステップS208)。当該制御に従い、指定されている注意喚起方法にしたがってユーザに注意喚起が行われる。例えば、注意喚起映像を用いた注意喚起方法が指定されている場合、仮想現実オブジェクト映像表示部250は、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310で生成された仮想現実オブジェクト映像に当該注意喚起映像を多重して表示することにより注意喚起を行う。

0143

以上説明したように、本実施形態2に示す仮想現実提示システムによれば、仮想現実コンテンツ単位で消費制限を行うのではなく、仮想現実世界でユーザが問題行動として設定されている行動を行った場合に注意喚起を行う構成を取る。したがって、問題行動を起こさない限りユーザは仮想現実コンテンツが創り出す仮想現実世界を堪能することができる。

0144

図29は、注意喚起の具体例を示す図である。仮想現実提示装置200の表示パネル151が透過型パネルである場合に説明する。図29に示す景色2001は、透過型パネルを通してユーザに見える現実世界の景色を示している。仮想現実空間設定処理部2360が生成する仮想現実空間には仮想現実オブジェクト配置処理部2370によって「」の仮想現実オブジェクトが配置されている。ユーザ状態検知部110によって検知されるユーザ状態に基づいてユーザ位置座標更新処理部2350が仮想現実空間内におけるユーザの眼球位置座標を更新する処理を行い、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310は、当該ユーザの眼球位置座標から仮想現実空間を描画する処理を実行することで、2003に示す仮想現実オブジェクト映像を生成する。仮想現実オブジェクト映像表示部250が当該生成された仮想現実オブジェクト映像を表示することにより、ユーザには現実世界の景色と仮想現実オブジェクト映像が重なった2004のような現実世界とは異なる景色が見えることになる。

0145

この状態でユーザが当該仮想現実オブジェクト2003を叩く行動を取ったとする。具体的には仮想現実オブジェクトの位置に腕を振り下ろす動作がユーザ状態検知部110で検知された場合、ユーザ行動検出処理部280は、仮想現実オブジェクト2003を叩く行動が行われたと判定する。ユーザ行動検出処理部280は、「叩く」という行動内容や、ユーザの手の位置座標や叩く強さなどに関する情報を含むユーザ行動情報を生成する。仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は当該ユーザ行動情報に基づいて、当該仮想現実オブジェクト2003に設定されている当該ユーザ行動情報で示される内容に対応する挙動を行うように仮想現実オブジェクトを制御する。具体的には、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、当該仮想現実オブジェクトに設定されているメソッドであって当該ユーザ行動情報で示される内容に対応するメソッドを実行する。ここでは、仮想現実オブジェクト2003には「叩く」行動に対して「震える」という挙動を行うメソッドが設定されているため、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、当該「震える」のメソッドを読み出して実行する。仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310は、当該震える挙動を行っている仮想現実オブジェクト2003の映像を生成する。

0146

当該「震える」のメソッドには戻り値が設定されており、注意喚起処理部2330は、当該仮想現実オブジェクトの挙動制御処理に伴って生成される戻り値に基づいて注意喚起を行うかを判定する。ここでは仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御処理によって戻り値として0004が生成されるとし、注意喚起処理部2330は、図27に示す管理テーブルを参照して当該戻り値0004に対応する問題行動の内容の285、問題行動のレベルの4を取得し、変数に代入して一時的に保持する。続いて、注意喚起処理部2330は、当該問題行動を起こしたユーザについて当該問題行動の内容を示す285に対応するViolenceに対応付けられている注意喚起基準情報を取得する。ここでは当該ユーザはユーザIDがU0003のユーザであるとし、図24の管理テーブルを参照して注意喚起基準情報である3の値を取得し、変数に代入して一時的に保持する。注意喚起処理部2330は、一連の処理で取得した問題行動レベルの値「4」と、注意喚起基準情報の値「3」とを比較する処理を行い、問題行動レベルの値が上回っているため、注意喚起を行うと決定して注意喚起指示情報を生成する。仮想現実提示制御部180は、当該注意喚起指示情報にしたがい、当該注意喚起指示情報に含まれる注意喚起内容に基づいて対応する注意喚起映像2005を注意喚起映像記憶部290より読み出す制御を行う。仮想現実オブジェクト映像表示部250は、当該注意喚起映像2005と仮想現実オブジェクト映像2003を多重して表示することにより、ユーザには2006に示す景色が見えることになる。この景色が見えることにより、仮想現実世界では許容される当該行動について、現実世界で行った場合には問題になることを把握することが出来るため、仮想現実世界を体験することによる悪影響を現実世界へ引き摺ることを軽減することができる。

0147

なお、上記説明ではユーザ行動検出処理部280が仮想現実提示装置200側に配置される場合について説明したが、これに限定するものでは無く図30に示すように仮想現実コンテンツ提供サーバ2300側に配置されていても良い。同様に、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320、注意喚起処理部2330などの各種機能が仮想現実提示装置200側に配置される構成であっても良い。

0148

また、上記説明では注意喚起処理部2330は、所定のユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320において所定の仮想現実オブジェクト挙動制御処理が実行された場合に注意喚起処理を行う場合について説明したが、これ以外の場合に注意喚起を行う構成としても良い。例えば、ユーザが仮想現実世界に没入し過ぎている場合に、注意喚起を行う構成としても良い。

0149

この場合、ユーザ状態検知部110は、図31に示すようにユーザの体温血圧心拍数脳波などユーザの生体情報を検知する生体センサを備える。体温センサ115はユーザの体温を検知し体温情報を生成する。血圧センサ116はユーザの血圧を検知し血圧情報を生成する。心拍数センサ117はユーザの心拍数を検知し、心拍数情報を生成する。脳波センサ118はユーザの脳波を検知し脳波情報を生成する。これらの体温情報、血圧情報、心拍数情報、脳波情報はユーザ状態情報として注意喚起処理部2330へ送られる。

0150

注意喚起処理部2330は、ユーザ状態に基づいて注意喚起処理を行う。例えば、注意喚起処理部2330は、ユーザ情報管理部2100が記憶・管理する図32に例示するユーザ状態に応じた注意喚起の基準を纏めた管理テーブルを参照し、ユーザ状態検知部110で検知されたユーザ状態と比較することで注意喚起を行うかどうかを判定し、当該判定結果に基づいて注意喚起指示情報を生成する。例えば、ユーザIDがU0001のユーザについて心拍数センサ117で検知されるユーザの心拍数が130回/秒であった場合、注意喚起を行う基準として設定されている120回/秒よりも多いため注意喚起処理部2330は、心拍数が上がり過ぎていることを示す注意喚起指示情報を生成する。仮想現実提示制御部180は、注意喚起映像記憶部290より当該心拍数が上がり過ぎていることを示す注意喚起映像を読み出し、仮想現実オブジェクト映像表示部150で仮想現実オブジェクト映像と多重して表示する制御を行う。

0151

このように、注意喚起処理部2330は、ユーザ情報管理部2100で記憶・管理されているユーザ状態に関する注意喚起基準を参照し、ユーザ状態検知部110で検知されるユーザ状態が当該注意喚起基準を超えている場合に注意喚起指示を行う。当該注意喚起指示に基づいて仮想現実提示制御部180において注意喚起のための制御が行われ、仮想現実オブジェクト映像表示部250等において注意喚起が実行される。

0152

なお、注意喚起処理部2330は、ユーザの周囲状況に応じて注意喚起処理を行う構成としても良い。周囲状況検知部120はユーザの周囲の状況を検知する。周囲状況特定処理部2340は、周囲状況検知部120で検知された周囲状況に基づいて周囲状況を特定する処理を行う。具体的には、周囲状況特定処理部2340は、周囲状況検知部120で撮影されたユーザの周囲の景色の画像データに対して所定の画像解析処理を行うことにより、ユーザの進行方向に障害物はないかやユーザに向かってくる物体はないかなどユーザの周囲の状況を特定する処理を行う。

0153

注意喚起処理部2330は、ユーザ情報管理部2100が記憶・管理する図33に例示する周囲状況の注意喚起の基準を纏めた管理テーブルを参照し、周囲状況特定処理部部2340で特定された周囲状況と比較することで注意喚起を行うかどうかを判定し、当該判定結果に基づいて注意喚起指示情報を生成する。例えば、ユーザIDがU0003のユーザについて周囲状況特定処理部2340で特定された周囲の状況として時速35km/hで接近する物体が検出された場合、注意喚起を行う基準として設定されている30km/hよりも速いため注意喚起処理部2330は、移動物体が近づいていることを示す注意喚起指示情報を生成する。仮想現実提示制御部180は、注意喚起映像記憶部290より当該移動物体が接近していることを示す注意喚起映像を読み出し、仮想現実オブジェクト映像表示部150で仮想現実オブジェクト映像と多重して表示する制御を行う。

0154

このように、注意喚起処理部2330は、ユーザ情報管理部2100で記憶・管理されている周囲状況に関する注意喚起基準を参照し、周囲状況検知部120で検知されて周囲状況特定処理部2340で特定された周囲の状況が当該注意喚起基準を超えている場合に注意喚起指示を行う。当該注意喚起指示に基づいて仮想現実提示制御部180において注意喚起のための制御が行われ、仮想現実オブジェクト映像表示部250等において注意喚起が実行される。

0155

なお、上記説明では注意喚起用映像を表示することで注意喚起を行う場合について説明したが注意喚起の方法としてはこれに限定するものではない。例えば、仮想現実オブジェクトに注意喚起用の挙動を行わせることで注意喚起を行う構成としても良い。注意喚起処理部2330は注意喚起を行うと判定した場合に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320に注意喚起用の挙動制御を仮想現実オブジェクトに対して行うよう注意喚起指示する。仮想現実オブジェクト挙動制御部2330は当該注意喚起指示に基づいて、予め設定されている注意喚起用の挙動制御メソッドを読み出して実行することにより、仮想現実オブジェクトに注意喚起用の挙動を取るよう制御する。例えば、ユーザが仮想現実オブジェクトを殴る行動を行い、当該行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320において仮想現実オブジェクトの挙動制御が行われ、注意喚起処理部2330で当該挙動制御に基づいて注意喚起を行うと判定された場合に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は注意喚起用のメソッドを実行し、仮想現実オブジェクトに注意喚起用の挙動を行うように制御する。また、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、当該注意喚起指示に対応する注意喚起用の仮想現実オブジェクト音声データを読み出し、仮想現実オブジェクト音声生成処理部2380において注意喚起用の仮想現実オブジェクト音声が生成される。当該注意喚起用の仮想現実オブジェクト音声では、例えば仮想現実オブジェクトに「暴力を行うことは現実の世界では傷害罪に問われます。注意して下さい。」と言った内容の音声を喋らせることで仮想現実オブジェクトを利用した注意喚起を行う。

0156

注意喚起用映像はユーザの視点移動に伴って表示位置が変化する仮想現実オブジェクトではないため、当該注意喚起用映像を見たユーザは、自身が見ている景色が現実世界の映像ではなく仮想現実世界の景色であることを認識することができる。このことは、ユーザの意識が仮想現実世界から離れることを意味する。一方、仮想現実オブジェクトを用いた注意喚起を行うことで、ユーザの意識を仮想現実世界に留めたまま注意喚起を行うことが出来る。

0157

注意喚起機能としては、仮想現実世界で行う注意喚起よりも現実世界で行う注意喚起の方が効果は大きい。したがって、注意喚起を行うことが望ましいユーザ行動については仮想現実オブジェクトを用いた注意喚起方法により注意喚起を行うことにより、ユーザの意識を仮想現実世界に留めた状態で注意喚起を行う。一方、ユーザ行動が現実世界で行われた場合に大きな問題になる場合は、注意喚起用映像を用いる注意喚起方法により注意喚起を行うことでユーザの意識を仮想現実世界から現実世界へ戻した注意喚起を行う。このように、ユーザ行動に応じて異なる注意喚起方法を取ることにより、ユーザのストレスを軽減した注意喚起を行うことができる。

0158

なお、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320で実行される処理は、仮想現実コンテンツに含まれる処理であるのに対し、注意喚起処理部2330で行われる注意喚起処理は、仮想現実コンテンツに依存しない処理である。したがって、注意喚起処理部2330における注意喚起処理は、OS(Operating System)又はミドルウェアの一機能として実装され、仮想現実オブジェクト挙動制御処理は、当該OS又はミドルウェア上で実行される仮想現実コンテンツのプログラムの一機能として実装される構成とすることが好ましい。

0159

また上記説明では挙動制御処理に伴って戻り値が返される場合について説明したがこれに限定するものではない。例えば当該挙動制御に係るメソッド内に問題行動用の変数に問題行動を示す値を代入する処理を付け加える構成など、さまざまな構成を取ることが可能である。

0160

以上説明したように、本実施形態2にかかる仮想現実提示システムでは、ユーザの行動を検出するユーザ行動検出部280と、当該検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動を制御する仮想現実オブジェクト挙動制御部2320と、当該仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、当該ユーザに対して注意喚起を行う注意喚起処理部2330と、を具備する。すなわち、本実施形態2にかかる仮想現実提示システムにおいて、注意喚起処理部2330は、検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御処理が行われた場合に、当該ユーザに対して注意喚起を行う。当該構成とすることで仮想現実コンテンツの提供制限を抑えつつ、現実世界へ悪影響が及ぶことを軽減することができる。

0161

また、注意喚起処理部2330は、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、当該所定の行動に関連付けられた注意喚起をユーザに対して行う構成とすると更に良好である。すなわち、単に注意喚起を行うだけでなく、その注意喚起の原因となった行動内容をユーザに示唆できる構成とすることで、当該行動を現実世界でユーザが行ってしまう可能性を軽減することができる。

0162

また、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、当該検出されたユーザの行動に対応する挙動を仮想現実オブジェクトに対して行わせる処理を実行する。ここで、注意喚起処理部2330は、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、注意喚起用の挙動を当該仮想現実オブジェクトに対して行わせる処理を実行するよう仮想現実オブジェクト挙動制御部2320に命令する構成とすると更に良好である。当該構成とすることで注意喚起処理部2330は、ユーザの意識を仮想現実世界に留めながら注意喚起を行うことが出来るため、ユーザのストレスを抑えた注意喚起が可能となる。

0163

また、上記説明では仮想現実オブジェクト映像に注意喚起映像を多重して表示することで注意喚起が行われる場合について説明したが、これに限定するものではなく、仮想現実オブジェクト映像に代えて注意喚起映像を表示することで注意喚起を行う構成としても良い。

0164

<実施形態3>
実施形態2にかかる仮想現実提示システムでは、ユーザ行動に基づいて注意喚起を行うことにより、仮想現実世界での体験による悪影響を現実世界へ持ち込んでしまうことを可能としている。一方、仮想現実提示システムはユーザの日常生活から離れた世界をユーザに提示することでユーザに仮想現実世界を体験させることを可能とする。そうすると、仮想現実コンテンツの中には「戦場戦う」と言ったコンセプトの仮想現実コンテンツが制作される。ここで、ユーザが敵となる仮想現実オブジェクトをで撃つ度に注意喚起が行われていたのではユーザは仮想現実世界にいつまでたっても没入することができずストレスが溜まることになる。本実施形態3にかかる仮想現実提示システムでは仮想現実コンテンツに応じて柔軟に注意喚起を行うことを可能とする点を特徴とする。以下、図面を参照して説明する。ただし、仮想現実提示システムに含まれる仮想現実提示装置の構成は図31を援用して説明する。また、これまで説明した実施形態と同様、既に説明している機能については発明の明確化のため適宜説明を省略している。

0165

図34は、本実施形態3にかかる仮想現実コンテンツ提供システム2000の構成を示すブロック図である。本実施形態3において仮想現実コンテンツ提供処理部2300が有する注意喚起処理部2330は、判定値記憶部3331と、判定値更新処理部3332と、比較処理部3333と、注意喚起指示情報生成処理部3334を具備する。また、ユーザ情報管理部2100は、比較処理部3333における比較処理で用いられる注意喚起に係る基準値を記憶する。したがって、本明細書ではユーザ情報管理部2100を基準値記憶部と称することがある。

0166

図35は、ユーザと当該ユーザに設定されている基準値の対応関係を纏めた管理テーブルの一例である。図35に示すように各ユーザを識別するユーザ識別情報と、問題行動の種類を表す問題行動種別と、問題行動種別毎に注意喚起に関する基準値が対応付けられた状態で記憶されている。ユーザ情報管理部2100は、ユーザと当該ユーザに設定されている注意喚起に関する基準値とを対応付けた状態で記憶する。

0167

判定値記憶部3331は、後述する比較処理部3333で行われる比較処理に用いられる注意喚起にかかる判定値を記憶する。図36は、判定値記憶部3331が記憶するユーザと当該ユーザが取得した判定値との対応関係を纏めた管理テーブルの一例である。図35で例示した基準値管理テーブルと同様、図36に示す判定値管理テーブルは、各ユーザを識別するユーザ識別情報と、問題行動の種類を表す問題行動種別と、問題行動種別毎に注意喚起に関する判定値が対応付けられた状態で記憶されている。

0168

判定値更新処理部3332は、判定値記憶部3331で記憶されている注意喚起にかかる判定値を更新する処理を行う。本実施形態3において仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成する処理を行う。当該数値の生成は、戻り値と言う形で変数に代入されても良いし、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が挙動制御にかかる仮想現実オブジェクトに対して実行する挙動制御メソッドの中に当該数値生成命令が追加されていても良い。仮想現実オブジェクト挙動制御部2320がどのような数値を生成するかは、実行される挙動制御処理に応じて定数が設定されていても良いし、所定のアルゴリズムに基づいて算出する構成としても良い。例えば、仮想現実オブジェクトを殴る行動が検出された場合に、殴る強さに応じて当該所定の数値を算出する構成としても良いし、当該行動に対応付けられている挙動制御メソッドが実行される場合に、当該挙動制御メソッドに設定されている定数が呼び出される構成としても良い。

0169

判定値更新処理部3332は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が生成する所定の数値に基づいて判定値記憶部3331で記憶されている判定値を更新する処理を行う。判定値更新処理部3332は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320で生成された数値を記憶されている判定値に加算することで判定値を更新しても良いし、所定の更新アルゴリズムにしたがって判定値を更新しても良い。

0170

比較処理部3333は、更新処理部3332で更新された注意喚起にかかる判定値と、ユーザ情報管理部2100で記憶されている注意喚起にかかる基準値とを比較する処理を行う。

0171

注意喚起指示情報生成処理部3334は、比較処理部3333における比較処理の結果、判定値が基準値を上回っている場合に、注意喚起指示情報を生成する。当該注意喚起指示情報は、通信処理部1310を介して仮想現実提示装置200の仮想現実提示制御部180へ送られ、当該仮想現実提示制御部180は、実施形態2で説明した場合と同様、注意喚起指示情報に含まれる内容にしたがってユーザに対して注意喚起を行う。なお、当該注意喚起指示情報が生成された場合は、判定値更新処理部3332は、該当する判定値を初期化する処理を行う構成とすると良い。

0172

図37は、本実施形態3にかかる一連の処理の一例を示している。ユーザ情報管理部2100は、図35に例示したように注意喚起にかかる基準値を記憶する(ステップS301)。ユーザ情報管理部2100は、仮想現実コンテンツの提供に関わらず、ユーザ毎に当該基準値を設定して記憶しておく構成とすると良い。

0173

仮想現実コンテンツの提供が開始される場合に、判定値記憶部3331は当該仮想現実コンテンツの提供にかかるユーザの判定値を記憶する(ステップS302)。例えば、判定値記憶部3331は、仮想現実コンテンツの提供が開始される場合に、当該仮想現実コンテンツの提供にかかるユーザの判定値の記憶領域を確保し、当該判定値を初期化する構成とすると良い。ここでは判定値は0に初期化されるものとして説明する。

0174

仮想現実コンテンツの提供が開始されると、仮想現実オブジェクト配置処理部2370は、仮想現実オブジェクトを生成して仮想現実空間に配置し、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310は、当該仮想現実空間に配置されている仮想現実オブジェクトを描画する処理を行うことで仮想現実オブジェクト映像を生成する(ステップS303)。当該生成された仮想現実オブジェクト映像は必要に応じて圧縮符号化処理等が行われ、通信部1310を介して仮想現実提示装置200に送られ、仮想現実オブジェクト映像表示部250は、必要に応じて復号処理を行った上で当該生成された仮想現実オブジェクト映像を表示する(ステップS304)。以後、ユーザは仮想現実オブジェクト映像を見ることで仮想現実世界を体験することができる。

0175

ユーザに対して仮想現実オブジェクト映像の表示が開始された後、ユーザ行動検出部280は、仮想現実オブジェクトに対するユーザの行動を検出する処理を行う(ステップS305)。仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動に対応する挙動を仮想現実オブジェクトに行わせる制御を行う(ステップS306)。具体的には、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動にかかる仮想現実オブジェクトに設定されているメソッドであって、当該ユーザ行動に対応するメソッドを実行することで仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。

0176

仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ステップS305における挙動制御に伴って注意喚起にかかる数値を生成する処理を行う(ステップS307)。なお、当該生成処理は、ステップS306の挙動制御処理の中に組み込まれていても良い。なお、ステップS305で検出されたユーザ行動に基づいて実行された挙動制御によっては上記数値が生成されなくても良い。殴られた場合に転倒する挙動など、仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行った場合に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、所定のアルゴリズムにしたがって上記数値を一次保持用の変数に代入することで当該数値を生成する。ここでは、検出されたユーザ行動が仮想現実オブジェクトを殴るという行動であったとし、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、仮想現実オブジェクトを倒す挙動制御を行うと共に、傷害罪にかかるカテゴリーに2という数値を生成するものとして説明する。

0177

判定値更新処理部3332は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が生成する数値に基づいて判定値を更新する処理を行う(ステップS308)。例えば、判定値更新処理部3332は、判定値記憶部3331で記憶されている判定値に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が生成する数値を加算することで注意喚起にかかる判定値を更新する。
ステップS307において、ユーザIDがU0001であるユーザからの殴ると言う行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が傷害罪のカテゴリーに2という数値を生成したため、図36に示される該当する判定値である7という数値は、図38に示される9という判定値へ更新される。

0178

判定値更新処理部3332において判定値の更新処理が行われた場合、比較処理部3333は、注意喚起にかかる基準値と更新された判定値とを比較する処理を行う(ステップS309)。比較処理部3333は、更新にかかるカテゴリーであるユーザIDがU0001のユーザの傷害罪に設定されている基準値を読み込み、更新された判定値と比較する。比較処理の結果、基準値が判定値を上回っている場合(ステップS309でNo)、注意喚起は行わないものとしてステップS305へ戻る。比較処理の結果、判定値が基準値を上回っている場合(ステップS309でYes)、ステップS310の注意喚起指示情報生成処理へ移る。今回のケースでは基準値が8であり、更新後の判定値は9であるため、ステップS310へ進む。

0179

注意喚起指示情報生成処理部3334は、比較処理部3333における比較処理の結果、判定値が基準値を超えている場合に、ステップS305で当該行動が検出されたユーザに対して注意喚起の実行を指示する注意喚起指示情報を生成する処理を行う(ステップS310)。仮想現実提示制御部180は、当該注意喚起指示情報に基づいて注意喚起を行う(ステップS311)。

0180

以上説明したように、本実施形態3にかかる仮想現実提示システムにおいて、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成し、判定値更新処理部3332は、当該生成される数値に基づいて注意喚起にかかる判定値を更新する処理を行う。仮想現実世界でユーザが問題となる行動を起こすことで更新されていく判定値と予め設定されている基準値とを比較する処理が行われ、新たに判定値が更新された結果基準値を上回った時点で注意喚起を行うよう構成される。当該構成とすることで、注意喚起処理部の機能をOSに搭載し、仮想現実コンテンツの製作者は問題となりそうな行動について所定の数値を生成するコードを追加するだけで対応することが可能となる。

0181

<実施形態4>
本発明では仮想現実世界と現実世界で区別が付かない状態でユーザが仮想現実世界で問題行動を行った場合に、当該行動がその後現実世界へ持ち込まれてしまうことを軽減することを目的としている。しかし、ユーザが仮想現実世界を体験している場合でも、自身が感知している世界が現実の世界ではなく仮想現実世界であることをユーザが認識していれば、このような問題は起こらないため注意喚起を行う必要は無いといえる。それにもかかわらず、実施形態1〜3では仮想現実世界において問題行動が所定の基準量上行われた場合に一律に注意喚起が行われる構成になっており柔軟性にかけていた。本実施形態4ではこの新たな課題を解決する手段を追加している点を特徴とする。

0182

図39は、本実施形態4にかかる仮想現実コンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。図23に示す仮想現実コンテンツ提供システムと比較して、仮想現実コンテンツ提供処理部2300は、基準没入度記憶部4310と、没入度算出処理部4320と、没入度比較処理部4330とを具備する。

0183

基準没入度記憶部4310は、判定処理の基準となる没入度を記憶する。没入度とは仮想現実オブジェクト映像や仮想現実オブジェクト音声の表示や出力がユーザに対して行われることで仮想現実世界を体験しているユーザが、当該仮想現実世界に入り込んでいる度合いを示す。

0184

例えば、没入度は0〜100の間の値が設定され、没入度0は自身が感知している世界が作られた仮想現実世界であると完全に認識している状態であり、没入度100は、自身が感知している世界が現実世界であると完全に認識している状態である。基準没入度記憶部4310は、これらの数値の中から判定処理の基準となる没入度を記憶する。基準没入度はユーザ毎に設定されていても良いし、一律に所定の値が設定されていても良い。

0185

没入度は、仮想現実世界を現実世界であると錯覚している度合いとも言えるため、以下の説明では錯覚度と称することがある。

0186

没入度算出処理部4320は、ユーザ状態検知部110で検知されるユーザ状態に基づいて、仮想現実世界への没入度を算出する。仮想現実世界へユーザが没入していると没入していない場合では、脳の活動領域が異なるため脳波パターンが異なることになる。仮想現実世界であることを認識している場合、ユーザの脳内では、目などの感覚器官を通じて入力される情報を処理する領域とは別に、本来の現実世界の状態を別の領域で想起しているため、当該領域も活発化することになる。一方、没入度が高く、自身が感知している世界が現実世界であると錯覚している場合は、感覚器官を介して入力される情報の処理が活発化することになる。また、没入度が高い場合には、ユーザが興奮することで血圧の上昇、心拍数の上昇、体温の上昇が検知される傾向がある。ユーザ状態検知部110は、これらのユーザの生体情報を検知し、没入度算出処理部4320は、当該検知された生体情報に基づいて没入度を算出する。没入度の算出アルゴリズムは、基準没入度をどの値に設定するかや、どの生体情報を用いるかや、ユーザ毎に算出アルゴリズムを変化させるかなど、様々なアルゴリズムがとりえる。没入度算出処理部4320で算出される定量的な没入度と、ユーザが仮想現実世界を現実世界と錯覚する度合いとが線形関係になるような算出アルゴリズムを用いて当該没入度を算出する構成とすることが好ましい。

0187

没入度比較処理部4330は、基準没入度記憶部4310で記憶される基準没入度と算出された没入度とを比較する処理を行う。注意喚起処理部2330は、算出された没入度が基準没入度を超えていると判定されている状態で、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、ユーザに対して注意喚起を行う。例えば、算出されたユーザの没入度が基準没入度を超えていると判定されている状態で、仮想現実オブジェクトに対する所定のユーザ行動が検出された場合や、当該検出されたユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御が行われた場合に、注意喚起処理部2330は、注意喚起指示情報を生成し、仮想現実提示制御部180を介してユーザに対して注意喚起を行う。

0188

以上説明したように、本実施形態4にかかる仮想現実提示システムでは、ユーザの没入度に応じて注意喚起を行う。例え仮想現実世界でユーザが仮想現実オブジェクトを殴る行動を行っていても、それが現実世界のオブジェクトではなく仮想現実オブジェクトであるとユーザが適切に認識しているのであれば現実世界へ悪影響が持ち込まれる心配は少ない。一方、ユーザが仮想現実世界に没入しており、仮想現実世界と現実世界の区別がつかない状態で仮想現実世界において問題行動を行っているとすれば、その問題行動は現実世界でも引き起こされる可能性が残る。このような観点から、没入度に応じて注意喚起処理が制御されることにより、より適切な注意喚起を行うことが可能となる。

0189

なお、注意喚起処理部2330が図34に示す構成をとる場合、判定更新処理部3332は、ユーザ状態検知部110で検知されたユーザ状態に基づいて算出された没入度が基準没入度を超えている場合であって、ユーザ行動検出処理部280で検出されるユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御に伴って所定の数値が生成された場合に、判定値を更新する処理を行う構成とすると良い。この場合、ユーザ行動検出処理部280で検出されるユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御に伴って所定の数値が生成された場合であっても、ユーザ状態検知部110で検知されたユーザ状態に基づいて算出された没入度が基準没入度を超えていない場合は、判定値を更新する処理を行わない。

0190

また、上記説明では算出される没入度が基準没入度を超えている場合に注意喚起処理が行われる構成について説明したがこれに限定するものではない。例えば、没入度算出処理部4320で算出される没入度が高い場合は、低い場合と比較して注意喚起が行われやすくなるように注意喚起処理部3330は注意喚起処理を行う構成とすることも可能である。

0191

また、仮想現実提示システムは図40に示す構成とすることも可能である。図40において、判定更新処理部3332は、ユーザ行動検出処理部280で検出されるユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御に伴って生成される数値と没入度算出処理部4320で算出される没入度に基づいて判定値の更新量を算出し、判定値を更新する処理を行う構成とすることも可能である。この場合、没入度が高い状態でユーザの問題行動により仮想現実オブジェクト挙動制御部2320で所定の数値が生成された場合、没入度が低い状態で同一の数値が生成される場合よりも判定値が大きく更新されることになる。

0192

また、上記説明では、注意喚起処理部3330は、没入度が所定の基準値を超えている場合であって、所定の問題行動が行われた場合や当該問題行動に基づいて仮想現実オブジェクトに所定の挙動制御が行われた場合に注意喚起が行われる場合について説明した。しかし、注意喚起処理部3330は、没入度算出処理部4320で算出される没入度が所定の基準値を超えている場合に、注意喚起処理を行う構成としても良い。

0193

<実施形態5>
上述の実施形態では問題となる所定の行動がユーザより行われた場合に、ユーザに対して注意喚起する構成をとる。一方、問題となる所定の行動がユーザより行われた場合に、ユーザを仮想現実世界から現実世界へ完全に引き戻した方がよい場合が考えられる。本実施形態5では、このような問題に対処している。

0194

図41は本実施形態5にかかる仮想現実提示システムの構成を示すブロック図である。図21で示した仮想現実提示システムと比較して、注意喚起処理部2330が仮想現実提示中断制御部5330へ置き換わっている点を特徴とする。

0195

仮想現実提示中断制御部5330は、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、当該仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う。例えば、仮想現実提示中断制御部5330は、仮想現実オブジェクトに対して所定の行動が行われた場合に、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310へ仮想現実オブジェクト映像生成中断指示を出すか、仮想現実オブジェクト映像表示部250へ仮想現実オブジェクト映像の表示中断指示を出すことにより、仮想現実オブジェクトの映像の生成または表示を中断する制御を行う。

0196

当該中断制御が行われた場合、それまでユーザに対して行われていた仮想現実オブジェクト映像の表示が中断されるため、ユーザの意識は仮想現実世界から現実世界へ戻ることになる。当該変化により、ユーザは自らが仮想現実世界の中で問題となる行動をとったことを認識することができるため、仮想現実世界での悪影響が現実世界へ持ち込まれることを軽減することができる。

0197

また、仮想現実提示システムの構成は図42に示す構成としても良い。図23で示した構成における注意喚起処理部2330と同様、仮想現実提示中断制御部5330は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が仮想現実オブジェクトの挙動を制御する場合に生成される値と、対応する問題行動レベル情報とを比較する処理を行う。当該比較処理の結果、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が仮想現実オブジェクトの挙動を制御する場合に生成される値が対応する問題行動レベル情報を超えている場合は、仮想現実コンテンツの提供を中断する必要があると判断し、仮想現実オブジェクト映像の生成又は表示を中断する制御を行う。

0198

また、仮想現実提示システムの構成は図42に示す構成としても良い。図42において仮想現実提示中断制御部5330は、判定値記憶部5331と、判定値更新処理部5332と、比較処理部5333と、注意喚起指示情報生成処理部5334を具備する。また、ユーザ情報管理部2100は、比較処理部5333における比較処理で用いられる仮想現実提示中断制御に係る基準値を記憶する。

0199

判定値記憶部5331は、後述する比較処理部5333で行われる比較処理に用いられる仮想現実提示中断制御にかかる判定値を記憶する。

0200

判定値更新処理部5332は、判定値記憶部5331で記憶されている仮想現実提示中断制御にかかる判定値を更新する処理を行う。本実施形態5において仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動に基づいて仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行う場合に所定の数値を生成する処理を行う。当該数値の生成は、戻り値と言う形で変数に代入されても良いし、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が挙動制御にかかる仮想現実オブジェクトに対して実行する挙動制御メソッドの中に当該数値生成命令が含まれていても良い。仮想現実オブジェクト挙動制御部2320がどのような数値を生成するかは、実行される挙動制御処理に応じて定数が設定されていても良いし、所定のアルゴリズムに基づいて算出する構成としても良い。例えば、仮想現実オブジェクトを殴る行動が検出された場合に、殴る強さに応じて当該所定の数値を算出する構成としても良いし、当該行動に対応付けられている挙動制御メソッドが実行される場合に、当該挙動制御メソッドに設定されている定数が呼び出される構成としても良い。

0201

判定値更新処理部5332は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が生成する所定の数値に基づいて判定値記憶部5331で記憶されている判定値を更新する処理を行う。判定値更新処理部5332は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320で生成された数値を記憶されている判定値に加算することで判定値を更新しても良いし、所定の更新アルゴリズムにしたがって判定値を更新しても良い。

0202

比較処理部5333は、判定値更新処理部5332で更新された仮想現実提示中断制御にかかる判定値と、ユーザ情報管理部2100で記憶されている仮想現実提示中断制御にかかる基準値とを比較する処理を行う。

0203

仮想現実提示中断指示情報生成処理部5334は、比較処理部5333における比較処理の結果、判定値が基準値を上回っている場合に、仮想現実提示中断指示情報を生成する。当該仮想現実提示中断指示情報は、通信処理部1310を介して仮想現実提示装置200の仮想現実提示制御部180へ送られ、当該仮想現実提示制御部180は、当該仮想現実提示中断指示情報に基づいて仮想現実オブジェクト映像表示部250での仮想現実オブジェクト映像の表示を中断する制御を行う。なお、当該仮想現実提示中断指示情報が生成された場合は、判定値更新処理部5332は、該当する判定値を初期化する処理を行う構成とすると良い。

0204

図44は、本実施形態5にかかる一連の処理の一例を示している。ユーザ情報管理部2100は、仮想現実提示中断制御にかかる基準値を記憶する(ステップS501)。ユーザ情報管理部2100は、仮想現実コンテンツの提供に関わらず、ユーザ毎に当該基準値を設定して記憶しておく構成とすると良い。

0205

仮想現実コンテンツの提供が開始される場合に、判定値記憶部5331は当該仮想現実コンテンツの提供にかかるユーザの判定値を記憶する(ステップS502)。例えば、判定値記憶部5331は、仮想現実コンテンツの提供が開始される場合に、当該仮想現実コンテンツの提供にかかるユーザの判定値の記憶領域を確保し、当該判定値を初期化する構成とすると良い。ここでは判定値は0に初期化されるものとして説明する。

0206

仮想現実コンテンツの提供が開始されると、仮想現実オブジェクト配置処理部2370は、仮想現実オブジェクトを生成して仮想現実空間に配置し、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310は、当該仮想現実空間に配置されている仮想現実オブジェクトを描画する処理を行うことで仮想現実オブジェクト映像を生成する(ステップS503)。当該生成された仮想現実オブジェクト映像は必要に応じて圧縮符号化処理等が行われ、通信部1310を介して仮想現実提示装置200に送られ、仮想現実オブジェクト映像表示部250は、必要に応じて復号処理を行った上で当該生成された仮想現実オブジェクト映像を表示する(ステップS504)。以後、ユーザは仮想現実オブジェクト映像を見ることで仮想現実世界を体験することができる。

0207

ユーザに対して仮想現実オブジェクト映像の表示が開始された後、ユーザ行動検出部280は、仮想現実オブジェクトに対するユーザの行動を検出する処理を行う(ステップS505)。仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動に対応する挙動を仮想現実オブジェクトに行わせる制御を行う(ステップS506)。具体的には、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ユーザ行動検出部280で検出されたユーザの行動にかかる仮想現実オブジェクトに設定されているメソッドであって、当該ユーザ行動に対応するメソッドを呼び出して実行することで仮想現実オブジェクトの挙動を制御する。

0208

仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、ステップS505における挙動制御に伴って仮想現実提示中断制御にかかる数値を生成する処理を行う(ステップS507)。なお、当該生成処理は、ステップS506の挙動制御処理の中に組み込まれていても良い。なお、ステップS505で検出されたユーザ行動に基づいて実行された挙動制御によっては上記数値が生成されなくても良い。殴られた場合に転倒する挙動など、仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御を行った場合に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320は、所定のアルゴリズムにしたがって上記数値を一次保持用の変数に代入することで当該数値を生成する。

0209

判定値更新処理部5332は、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が生成する数値に基づいて判定値を更新する処理を行う(ステップS508)。例えば、判定値更新処理部5332は、判定値記憶部5331で記憶されている判定値に、仮想現実オブジェクト挙動制御部2320が生成する数値を加算することで注意喚起にかかる判定値を更新する。

0210

判定値更新処理部5332において判定値の更新処理が行われた場合、比較処理部5333は、仮想現実提示中断制御にかかる基準値と更新された判定値とを比較する処理を行う(ステップS509)。比較処理部5333は、更新にかかるカテゴリーであるユーザIDがU0001のユーザの傷害罪に設定されている基準値を読み込み、更新された判定値と比較する。比較処理の結果、基準値が判定値を上回っている場合(ステップS509でNo)、仮想現実提示中断制御は行わないものとしてステップS505へ戻る。比較処理の結果、判定値が基準値を上回っている場合(ステップS509でYes)、ステップS510の仮想現実提示中断指示情報生成処理へ移る。

0211

仮想現実提示中断指示情報生成処理部5334は、比較処理部5333における比較処理の結果、判定値が基準値を超えている場合に、ステップS505で当該行動が検出されたユーザに対して仮想現実提示の中断制御の実行を指示する仮想現実提示中断指示情報を生成する処理を行う(ステップS510)。当該仮想現実提示中断指示情報に基づいて、仮想現実提示制御部180が仮想現実オブジェクト映像の表示を中断する制御を行うか、仮想現実オブジェクト映像生成処理部2310が仮想現実オブジェクト映像の生成を中断する制御を行う(ステップS511)。

0212

また、仮想現実コンテンツ提供システムは、図45に示す構成とすることも可能である。図45に示す仮想現実コンテンツ提供システムにおいて、仮想現実提示中断制御部5330は、算出された没入度が仮想現実提示中断制御用の基準没入度を超えていると判定されている状態で、仮想現実オブジェクトに対して行われた所定の行動に基づいて、仮想現実提示中断制御を行う。例えば、算出されたユーザの没入度が基準没入度を超えていると判定されている状態で、仮想現実オブジェクトに対する所定のユーザ行動が検出された場合や、当該検出されたユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクトに対する所定の挙動制御が行われた場合に、仮想現実提示中断制御部5330は、仮想現実提示中断指示情報を生成することで、仮想現実オブジェクト映像の生成や表示を中断する制御を行う。

0213

なお、仮想現実提示中断制御部5330が図43に示す構成をとる場合、判定更新処理部5332は、ユーザ状態検知部110で検知されたユーザ状態に基づいて算出された没入度が仮想現実提示中断制御用の基準没入度を超えている場合であって、ユーザ行動検出処理部280で検出されるユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御に伴って所定の数値が生成された場合に、判定値を更新する処理を行う構成とすると良い。この場合、ユーザ行動検出処理部280で検出されるユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御に伴って所定の数値が生成された場合であっても、ユーザ状態検知部110で検知されたユーザ状態に基づいて算出された没入度が基準没入度を超えていない場合は、判定値を更新する処理を行わない。

0214

上記説明では算出される没入度が基準没入度を超えている場合に仮想現実提示中断制御が行われる構成について説明したがこれに限定するものではない。例えば、没入度算出処理部4320で算出される没入度が高い場合は、低い場合と比較して仮想現実提示中断が行われやすくなるように仮想現実提示中断制御部5330は仮想現実提示中断制御を行う構成とすることも可能である。

0215

また、仮想現実コンテンツ提供システムは、図46に示す構成とすることも可能である。図46において、判定更新処理部5332は、ユーザ行動検出処理部280で検出されるユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクト挙動制御部2320における挙動制御に伴って生成される数値と没入度算出処理部4320で算出される没入度に基づいて判定値の更新量を算出し、判定値を更新する処理を行う構成とすることも可能である。この場合、没入度が高い状態でユーザの問題行動により仮想現実オブジェクト挙動制御部2320で所定の数値が生成された場合、没入度が低い状態で同一の数値が生成される場合よりも判定値が大きく更新されることになる。

0216

また、上記説明では、仮想現実提示中断制御部5330は、没入度が所定の基準値を超えている場合であって、所定の問題行動が行われた場合や当該問題行動に基づいて仮想現実オブジェクトに所定の挙動制御が行われた場合に仮想現実提示中断制御が行われる場合について説明した。しかし、仮想現実提示中断制御部5330は、没入度算出処理部4320で算出される没入度が所定の基準値を超えている場合に、仮想現実提示中断制御を行う構成としても良い。

0217

また、没入度算出処理部4320における没入度算出処理は、図47に例示するユーザ毎の没入度算出パラメータを用いて算出する構成とすると更に良好である。仮想現実世界と現実世界とを錯覚している定性的な度合いと、ユーザ状態検知部110における脳波センサ118、脈拍センサ117、血圧センサ116、体温センサ115などでそれぞれ検知される脳波パターンや脳波強度、心拍数、血圧、体温などの生体情報にはユーザ毎に個別差がある。そこで、ユーザ情報管理部2100は、図47に示すような情報をユーザ情報として記憶・管理し、没入度算出処理部4320は、当該記憶されるパラメータを用いてユーザ状態検知部110で検知される上記生体情報に基づいて没入度を算出する。

0218

なお、上記説明では注意喚起処理部2330が仮想現実提示中断制御部5330に置き換わる場合について説明したが、注意喚起処理と仮想現実提示中断制御の両方の機能を備える構成とすることも可能である。

0219

図48に示すように、仮想現実世界への没入度を下げる効果は、仮想現実提示の中断が一番高く、続いて視覚による注意喚起、聴覚による注意喚起、触覚による注意喚起、仮想現実オブジェクトを用いた仮想現実世界の中での注意喚起の順に下がってくることになる。したがって、注意喚起用に小さい基準値を、仮想現実提示中断制御用に大きい基準値を設定しておき、所定のユーザ行動に基づいて仮想現実オブジェクトの挙動制御が行われる場合に生成される数値や当該数値に基づいて更新される判定値を当該複数の基準値と比較し、当該比較処理に基づいて注意喚起処理や仮想現実提示中断制御が行われる構成とすると良い。

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