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技術 荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法

出願人 株式会社クボタ
発明者 島田好昭竹中昌英大崎真治
出願日 2014年9月8日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2014-181820
公開日 2016年4月21日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-057097
状態 特許登録済
技術分野 重量測定装置
主要キーワード 固定支持枠 長時間負荷 金属板状体 微量調整 調整寸法 大荷重用 負荷対象 支点台
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

高精度を維持できながら、例えば50tを超えるような大荷重負荷させることが可能な槓桿式の荷重試験機などの荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法を提供する。

解決手段

重点に負荷された既知質量おもりの負荷を増幅させて力点から出力するおもり倍力槓桿3と、おもり倍力槓桿3の力点に負荷された力を分けて伝達する分力手段4と、この分力手段4により分けられた分力がそれぞれ重点に負荷され、前記分力を増幅させて力点から出力する対となった複数の分力倍力槓桿5(5A、5B)と、これらの複数の分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点から出力された力を合わせる合力環6と、合力環6により合わされた力を荷重負荷対象物に伝達して負荷させる合力伝達負荷手段8と、を備えた。

概要

背景

大荷重測定可能ロードセルなどの荷重測定器荷重負荷して試験する荷重試験機としては、大別して、対応する荷重のおもり分銅)を実際に載せて試験するいわゆる実荷重試験機と、槓桿(てこ)や油圧により荷重を増幅させて負荷する、いわゆる倍力機構を備えた荷重増幅式の荷重試験機と、すでに荷重を負荷した際のデータがわかっている既知のロードセル(いわゆるマスターロードセル)と試験対象で荷重を負荷した際のデータがまだ測定されていない未知のロードセルなどとを直接つないで比較する、いわゆる比較方式ビルドアップ方式)の荷重試験機と、がある。

なお、荷重試験機は力を測定する試験機であるため、力の単位であるN(ニュートン)やkN、MNで表現するべきであるが、本発明の荷重試験機は、取引証明用の計量装置に使用する特定計量器で用いるロードセルが主な被試験物であるため、質量単位であるt(トン)を用いる。

前記実荷重試験機は、例えば最大荷重が1t(トン)の荷重試験機では10−5(10万分の1)の極めて高い精度で試験することができるものがあり、既に高精度のものが実現されている。しかし、荷重が数十t単位になると、実荷重試験機自体が極めて大型化してしまう(例えば、高さが約10m、またはそれ以上となる)。したがって、このような実荷重試験機を、例えば特定計量器で用いるロードセルの荷重試験機として用いる場合には、試験対象となるロードセルを出し入れする箇所を、操作性が良い、床面から90cmや1m程度の高さに設定しようとすると、極めて深いピットを設けなければならない等、建設費用が極めて高額となるとともに、保守点検にも多くの手間や時間を要してしまう。

また、比較方式(ビルドアップ方式)の荷重試験機では、既知のロードセル(いわゆるマスターロードセル)を用いるため、前記既知のロードセルが有している誤差が含まれ、その結果、測定精度落ちてしまう(例えば、測定精度が2000分の1となる)短所がある。

これに対して、槓桿や油圧により荷重を増幅させて負荷する荷重増幅式の荷重試験機では、荷重を増幅させることで、同じ荷重を試験する実荷重試験機の場合よりも小さい荷重のおもりで済ますことができ、実荷重試験機の場合よりも小型化することが可能となる。また、既知のロードセルなどを用いないため、実荷重試験機よりは劣るものの、比較的良好な測定精度を維持可能である。

但し、荷重増幅式の荷重試験機は、何れも荷重を増幅させて被試験物に作用させるため、油圧式の荷重試験機では、荷重試験機が設けられている環境において温度変化があった場合に、長さに対応する熱膨張係数の2乗となるピストン面積比率増幅率が変動し、その結果、増幅率の変動が大きくなる恐れがある。

これに対して、槓桿により荷重を増幅させる荷重試験機(槓桿式荷重試験機とも称す)では、支点からの力点重点作用点とも称される)との距離の比で増幅率が決まるため、温度変動がある場合には、熱膨張係数そのもので増幅率が変動し、油圧式のような熱膨張係数の2乗となるピストンの面積比率で増幅率が変動するものと比べて、増幅率自体の変動する値が小さい。また、槓桿全体を同じ材質で構成すれば、同じ割合で槓桿の長さが変動するため、温度が安定すれば増幅率は元の増幅率と同一となる。また、温度が変動する過程においても、同じ割合で槓桿の長さが変動した場合には増幅率も変動しないことになる。このように、槓桿を用いた荷重試験機では、温度変動がある場合でも、増幅率の変動が極めて少ないため、精度の高い状態を維持できる長所を有する。

なお、槓桿式荷重試験機は、例えば、特許文献1等に開示されており、単一の槓桿と分銅などのおもりとを備えた構成とされている。この槓桿式荷重試験機によっても10−4(1万分の1)を十分に超える高い精度を得ることができ、また、分銅などのおもりも実荷重試験機と比べると小さい質量のもので済ますことができて、実荷重試験機の場合よりも小型化することが可能となる。

概要

高精度を維持できながら、例えば50tを超えるような大荷重を負荷させることが可能な槓桿式の荷重試験機などの荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法を提供する。重点に負荷された既知質量のおもりの負荷を増幅させて力点から出力するおもり倍力槓桿3と、おもり倍力槓桿3の力点に負荷された力を分けて伝達する分力手段4と、この分力手段4により分けられた分力がそれぞれ重点に負荷され、前記分力を増幅させて力点から出力する対となった複数の分力倍力槓桿5(5A、5B)と、これらの複数の分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点から出力された力を合わせる合力環6と、合力環6により合わされた力を荷重負荷対象物に伝達して負荷させる合力伝達負荷手段8と、を備えた。

目的

本発明は上記課題を解決するもので、高精度を維持できながら、例えば50tを超えるような大荷重を負荷させることが可能な槓桿式の荷重試験機などの荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

重点負荷された既知質量おもりの負荷を増幅させて力点から出力するおもり倍力槓桿と、前記おもり倍力槓桿の力点に負荷された力を分けて伝達する分力手段と、この分力手段により分けられた分力がそれぞれ重点に負荷され、前記分力を増幅させて力点から出力する対となった複数の分力倍力槓桿と、これらの複数の分力倍力槓桿の力点から出力された力を合わせる合力手段と、前記合力手段により合わされた力を荷重負荷対象物に伝達して負荷させる合力伝達負荷手段と、を備えたことを特徴とする荷重増幅負荷装置

請求項2

各分力倍力槓桿は、少なくともその支点、力点に刃と刃受けとが設けられて力が受けられていることを特徴とする請求項1に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項3

荷重負荷対象物が、荷重を測定する荷重測定装置であることを特徴とする請求項1または2に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項4

対となった前記分力倍力槓桿の力点に対して前記合力手段が連結され、前記合力手段が、ロバーバル機構を介して昇降自在に支持されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項5

前記おもり倍力槓桿の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段と、この傾斜状態検出手段により検出した傾斜状態に対応して、荷重負荷対象物に負荷する荷重を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項6

前記おもり倍力槓桿が水平となるように制御する水平制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項7

荷重負荷対象物に負荷させるおもり以外の負荷をキャンセル可能な無駄目消し槓桿が設けられ、前記無駄目消し槓桿に、荷重負荷対象物に作用するおもり以外の負荷をキャンセルするためのバランスウエイトとは別に、おもりを載せることが可能な載せ台を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項8

前記おもり倍力槓桿には、おもりからの負荷を一時的に受ける休み装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項9

前記分力手段は、入力した力を2分割して伝達する、分力槓桿であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項10

前記合力手段は、2か所から入力した力を合わせて伝達する、合力環であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の荷重増幅負荷装置。

請求項11

おもりの負荷をおもり倍力槓桿により増幅させた後、この増幅させた力を複数に分け、この分けた分力を、並列された複数の分力倍力槓桿によりそれぞれ増幅させ、この増幅させた力を合わせて荷重負荷対象物に負荷することを特徴とする荷重増幅負荷方法

請求項12

おもり倍力槓桿の重点に既知質量のおもりの負荷を作用させ、一次てこ、または三次てこの単一槓桿からなる1つまたは複数直列接続したおもり倍力槓桿によって荷重を増幅させ、この増幅された荷重を分ける分力手段として、二次てこの単一槓桿からなる分力槓桿を、2n−1個(なお、nは1以上の正の整数)配設し、分けられた2n個の荷重を、2n個の大荷重用の分力倍力槓桿の重点に作用させ、増幅された荷重は、分力倍力槓桿に使用する刃と刃受けの接触荷重の制限によって定まる荷重の最大値以下に設定され、隣接する一次てこ、または三次てこの単一槓桿からなる2個の分力倍力槓桿の各力点刃の荷重を合力手段としての合力環に伝達させ、合力環で負荷を合わせて大荷重を得て、荷重負荷対象物に負荷することを特徴とする荷重増幅負荷方法。

請求項13

荷重が負荷されることによって生じる槓桿の傾斜を最小にするために、最大荷重が負荷される荷重負荷対象物のロードセルまたは計量装置の固定部あるいは荷重伝達部、または大荷重が作用する分力倍力槓桿の複数の支点台とこの支点台を保持するフレームとの間に、油圧シリンダあるいは電動ジャッキからなる大荷重でかつ微小変位可能な大荷重微小量調整手段と、この変位量を制御する変位量制御手段を設け、荷重負荷時に最も大きな変位を生じるおもり倍力槓桿の変位を検出し、このおもり倍力槓桿が水平に戻るように、大荷重微小量調整手段を制御して、各負荷の荷重試験時に槓桿系を水平に保持することを特徴とする請求項11または12に記載の荷重増幅負荷方法。

技術分野

0001

本発明は荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法に関し、特に大荷重を高精度で負荷することが可能な荷重試験機などの荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法に関する。

背景技術

0002

大荷重を測定可能ロードセルなどの荷重測定器に荷重を負荷して試験する荷重試験機としては、大別して、対応する荷重のおもり分銅)を実際に載せて試験するいわゆる実荷重試験機と、槓桿(てこ)や油圧により荷重を増幅させて負荷する、いわゆる倍力機構を備えた荷重増幅式の荷重試験機と、すでに荷重を負荷した際のデータがわかっている既知のロードセル(いわゆるマスターロードセル)と試験対象で荷重を負荷した際のデータがまだ測定されていない未知のロードセルなどとを直接つないで比較する、いわゆる比較方式ビルドアップ方式)の荷重試験機と、がある。

0003

なお、荷重試験機は力を測定する試験機であるため、力の単位であるN(ニュートン)やkN、MNで表現するべきであるが、本発明の荷重試験機は、取引証明用の計量装置に使用する特定計量器で用いるロードセルが主な被試験物であるため、質量単位であるt(トン)を用いる。

0004

前記実荷重試験機は、例えば最大荷重が1t(トン)の荷重試験機では10−5(10万分の1)の極めて高い精度で試験することができるものがあり、既に高精度のものが実現されている。しかし、荷重が数十t単位になると、実荷重試験機自体が極めて大型化してしまう(例えば、高さが約10m、またはそれ以上となる)。したがって、このような実荷重試験機を、例えば特定計量器で用いるロードセルの荷重試験機として用いる場合には、試験対象となるロードセルを出し入れする箇所を、操作性が良い、床面から90cmや1m程度の高さに設定しようとすると、極めて深いピットを設けなければならない等、建設費用が極めて高額となるとともに、保守点検にも多くの手間や時間を要してしまう。

0005

また、比較方式(ビルドアップ方式)の荷重試験機では、既知のロードセル(いわゆるマスターロードセル)を用いるため、前記既知のロードセルが有している誤差が含まれ、その結果、測定精度落ちてしまう(例えば、測定精度が2000分の1となる)短所がある。

0006

これに対して、槓桿や油圧により荷重を増幅させて負荷する荷重増幅式の荷重試験機では、荷重を増幅させることで、同じ荷重を試験する実荷重試験機の場合よりも小さい荷重のおもりで済ますことができ、実荷重試験機の場合よりも小型化することが可能となる。また、既知のロードセルなどを用いないため、実荷重試験機よりは劣るものの、比較的良好な測定精度を維持可能である。

0007

但し、荷重増幅式の荷重試験機は、何れも荷重を増幅させて被試験物に作用させるため、油圧式の荷重試験機では、荷重試験機が設けられている環境において温度変化があった場合に、長さに対応する熱膨張係数の2乗となるピストン面積比率増幅率が変動し、その結果、増幅率の変動が大きくなる恐れがある。

0008

これに対して、槓桿により荷重を増幅させる荷重試験機(槓桿式荷重試験機とも称す)では、支点からの力点重点作用点とも称される)との距離の比で増幅率が決まるため、温度変動がある場合には、熱膨張係数そのもので増幅率が変動し、油圧式のような熱膨張係数の2乗となるピストンの面積比率で増幅率が変動するものと比べて、増幅率自体の変動する値が小さい。また、槓桿全体を同じ材質で構成すれば、同じ割合で槓桿の長さが変動するため、温度が安定すれば増幅率は元の増幅率と同一となる。また、温度が変動する過程においても、同じ割合で槓桿の長さが変動した場合には増幅率も変動しないことになる。このように、槓桿を用いた荷重試験機では、温度変動がある場合でも、増幅率の変動が極めて少ないため、精度の高い状態を維持できる長所を有する。

0009

なお、槓桿式荷重試験機は、例えば、特許文献1等に開示されており、単一の槓桿と分銅などのおもりとを備えた構成とされている。この槓桿式荷重試験機によっても10−4(1万分の1)を十分に超える高い精度を得ることができ、また、分銅などのおもりも実荷重試験機と比べると小さい質量のもので済ますことができて、実荷重試験機の場合よりも小型化することが可能となる。

先行技術

0010

特公昭61−44254号公報

発明が解決しようとする課題

0011

上記したように槓桿式荷重試験機は、他の方式の荷重試験機と比較して優れた点がいくつも存在する。しかし、このような大荷重に対応できる槓桿は、槓桿の支点、重点、力点において刃と刃受けとで互いに接触する構造(炭素工具鋼などが用いられる)であり、刃と刃受けとの接触荷重が、刃の長さ当たり最大1.0〜1.2t/cm程度が、精度が維持できる値と考えられている。例えば、負荷容量が50tである場合には、この負荷容量を作用させるための槓桿の刃および刃受けの長さが40数cm必要となり、これは高精度を維持できる実用化可能な最大長さである。これに対して、負荷容量が100tであると、槓桿の刃および刃受けの長さとして80数cm必要となり、実用化することが著しく困難となる。また、例え、このような長さの刃や刃受けを製造できたとしても、刃や刃受けの一部の接触圧が多大となって欠損する可能性があり、この場合には接触位置が不正確となって精度が低下してしまう。また、最終段において1つの槓桿で増幅すると、その槓桿自体が非常に大型化してしまい、前記刃の長さも含めて現実味に乏しい。

0012

本発明は上記課題を解決するもので、高精度を維持できながら、例えば50tを超えるような大荷重を負荷させることが可能な槓桿式の荷重試験機などの荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために本発明の荷重増幅負荷装置は、重点に負荷された既知質量のおもりの負荷を増幅させて力点から出力するおもり倍力槓桿と、前記おもり倍力槓桿の力点に負荷された力を分けて伝達する分力手段と、この分力手段により分けられた分力がそれぞれ重点に負荷され、前記分力を増幅させて力点から出力する対となった複数の分力倍力槓桿と、これらの複数の分力倍力槓桿の力点から出力された力を合わせる合力手段と、前記合力手段により合わされた力を荷重負荷対象物に伝達して負荷させる合力伝達負荷手段と、を備えたことを特徴とする。

0014

なお、各槓桿は、その支点、重点、力点(少なくともその支点、力点)に刃と刃受けとが設けられて力が受けられていることが好ましく、荷重負荷対象物が、荷重を測定する荷重測定装置である場合が好ましいが、これに限るものではない。また、前記分力手段は、入力した力を2分割して伝達する、分力槓桿であることが好ましく、前記合力手段は、2か所から入力した力を合わせて伝達する、合力環であることが好ましい。

0015

この構成により、既知質量のおもりをおもり倍力槓桿の重点に作用させると、既知質量のおもりの負荷がおもり倍力槓桿により増幅され、この増幅された力が分力手段により分けられて、各分力倍力槓桿の重点に作用する。そして、各分力倍力槓桿により分力が増幅されて各分力倍力槓桿の力点から出力され、各分力倍力槓桿で増幅された力が合力手段で合わされて荷重負荷対象物に負荷される。

0016

また、本発明の荷重増幅負荷方法は、おもりの負荷を増幅させた力を分け、この分けた力を、複数の分力倍力槓桿によりそれぞれ増幅させ、この増幅させた力を合わせて荷重負荷対象物に負荷することを特徴とする。

0017

この荷重増幅負荷装置や荷重増幅負荷方法によれば、力が分力手段により分けられて、各分力倍力槓桿の重点に作用されて増幅されるため、各分力倍力槓桿の力点などには、一旦分けられて増幅された力しか作用せず、各分力倍力槓桿で増幅する荷重を小さくすることができる。これにより、例えば、100tなどの大荷重を荷重負荷対象物に負荷させる場合でも、各分力倍力槓桿の力点には、50tまたはこれ以下の荷重しか作用せず、槓桿の支点、重点、力点において、刃と刃受けとで互いに接触して、刃の長さ当たり最大1.0〜1.2t/cm以下とすることができる実用可能な長さの構造の分力倍力槓桿を採用でき、高精度な状態を維持できる。

0018

また、本発明の荷重増幅負荷装置は、対となった前記分力倍力槓桿の力点に対して前記合力手段が連結され、前記合力手段が、ロバーバル機構を介して昇降自在に支持されていることを特徴とする。この構成により、前記合力手段により連結された各分力倍力槓桿の力点の高さ方向の位置、すなわち分力倍力槓桿同士の姿勢を、合力手段を介して、互いに一致させることができて、両方の分力倍力槓桿を水平姿勢に安定させ易くなり、高精度な状態を維持し易くなる。また、合力手段により力を合わせる際に、重力以外のノイズとなるような力やモーメントが作用した場合でもこのような力やモーメントをロバーバル機構により除去することができ、合力手段で合わされて上下方向に負荷された力だけを負荷対象物に負荷させることができ、さらに精度を向上できる。

0019

また、本発明の荷重増幅負荷装置は、前記おもり倍力槓桿の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段と、この傾斜状態検出手段により検出した傾斜状態に対応して、荷重負荷対象物に負荷する荷重を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。この構成により、おもり倍力槓桿が傾斜した場合でも、荷重負荷対象物に実際に負荷している荷重に近づくように補正することができて、これによっても精度を向上させることができる。

0020

また、本発明の荷重増幅負荷装置は、前記おもり倍力槓桿が水平となるように制御する水平制御手段を備えたことを特徴とする。この構成によれば、前記おもり倍力槓桿が水平となるように制御されるため、傾斜すること自体を最小限に抑えることができ、ひいては、精度を向上させることができる。

0021

また、本発明の荷重増幅負荷装置は、荷重負荷対象物に負荷させるおもり以外の負荷をキャンセル可能な無駄目消し槓桿が設けられ、前記無駄目消し槓桿に、荷重負荷対象物に作用するおもり以外の負荷をキャンセルするためのバランスウエイトとは別に、おもりを載せることが可能な載せ台を設けたことを特徴とする。

0022

この構成により、荷重負荷対象物に作用するおもり以外の負荷をキャンセルまたは調整することができるだけでなく、載せ台におもりをのせることで、荷重負荷対象物に作用させる負荷を細かく調整することも可能となる。

0023

また、本発明の荷重増幅負荷装置は、前記おもり倍力槓桿に、おもりからの負荷を一時的に受ける休み装置が設けられていることを特徴とする。この構成によれば、例えば、荷重負荷対象物が、荷重を測定する荷重測定装置である場合に、一気に荷重測定装置に大荷重を負荷するなどして、クリープ試験を良好に行うことが可能となる。

0024

また、本発明の荷重増幅負荷方法は、おもり倍力槓桿の重点に既知質量のおもりの負荷を作用させ、一次てこ、または三次てこの単一槓桿からなる1つまたは複数直列接続したおもり倍力槓桿によって荷重を増幅させ、この増幅された荷重を分ける分力手段として、二次てこの単一槓桿からなる分力槓桿を2n−1個(なお、nは1以上の正の整数)配設し、分けられた2n個の荷重を、2n個の大荷重用の分力倍力槓桿の重点に作用させ、増幅された荷重は、分力倍力槓桿に使用する刃と刃受けの接触荷重の制限によって定まる荷重の最大値以下に設定され、隣接する2個の分力倍力槓桿の各力点刃の荷重を合力手段としての合力環に伝達させ、合力環で負荷を合わせて大荷重を得て、荷重負荷対象物に負荷することを特徴とする。

0025

また、本発明の荷重増幅負荷方法は、荷重が負荷されることによって生じる槓桿の傾斜を最小にするために、最大荷重が負荷される被試験物のロードセルまたは計量装置の固定部あるいは荷重伝達部、または大荷重が作用する分力倍力槓桿の複数の支点台とこの支点台を保持するフレームとの間に、油圧シリンダあるいは電動ジャッキからなる大荷重でかつ微小変位可能な大荷重微小量調整手段と、この変位量を制御する変位量制御手段を設け、荷重負荷時に最も大きな変位を生じるおもり倍力槓桿の変位を検出し、このおもり倍力槓桿が水平に戻るように、大荷重微小量調整手段を制御して、各負荷の荷重試験時に槓桿系を水平に保持することを特徴とする。

発明の効果

0026

本発明によれば、既知質量のおもりの負荷をおもり倍力槓桿により増幅させた後、この力を分力手段により分け、この分力を複数設けられた各分力倍力槓桿により増幅し、これらの増幅された力を合わせて荷重負荷対象物に負荷させているので、例えば、100tなどの大荷重を荷重負荷対象物に負荷させ、各分力倍力槓桿の力点において実現可能な長さの刃と刃受けとで互いに接触する構造を採用した場合でも、刃の長さ当たり最大1.0〜1.2t/cm以下とすることができて、高精度な状態を維持できる。この結果、大荷重でかつ高精度に荷重を負荷させることができ、例えば、荷重負荷対象物が、荷重を測定する荷重測定装置(ロードセルやはかり)などであった場合でも、高精度で大荷重を負荷することができて、荷重測定装置を大荷重かつ高精度で試験することができる。

0027

また、対となった前記分力倍力槓桿の力点に対して前記合力手段を連結させ、前記合力手段を、ロバーバル機構を介して昇降自在に支持することにより、分力倍力槓桿同士の姿勢を互いに一致させることができて、両方の分力倍力槓桿を水平姿勢に安定させ易くなり、高精度な状態を維持し易くなって信頼性が向上する。また、前記合力手段により力を合わせる際に、重力以外のノイズとなるような力やモーメントが作用した場合でもこのような力やモーメントをロバーバル機構により除去することができ、精度をさらに向上させることができる。

0028

また、前記おもり倍力槓桿の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段を設けて、傾斜状態に対応して補正することにより、おもり倍力槓桿が傾斜した場合でも、荷重負荷対象物に実際に負荷している荷重に近づくように補正することができて、これによっても精度を向上させることができる。

0029

また、前記おもり倍力槓桿が水平となるように制御する水平制御手段を備えることにより前記おもり倍力槓桿が傾斜すること自体を最小限に抑えることができ、ひいては、精度を向上させることができる。

0030

また、荷重負荷対象物に負荷させるおもり以外の負荷をキャンセル可能な無駄目消し槓桿が設けられ、前記無駄目消し槓桿に、荷重負荷対象物に作用するおもり以外の負荷をキャンセルするためのバランスウエイトとは別に、おもりを載せることが可能な載せ台を設けることにより、荷重負荷対象物に作用させる負荷を細かく調整することも可能となる。

0031

また、前記おもり倍力槓桿に、おもりからの負荷を一時的に受ける休み装置を設けることにより、例えば、荷重負荷対象物が、荷重を測定する荷重測定装置である場合に、一気に荷重測定装置に大荷重を負荷するなどして、クリープ試験を良好に行うことが可能となる。

0032

また、本発明の荷重増幅負荷方法は、おもり倍力槓桿の重点に既知質量のおもりの負荷を作用させ、一次てこ、または三次てこの単一槓桿からなる1つまたは複数直列接続したおもり倍力槓桿によって荷重を増幅させ、この増幅された荷重を分ける分力手段として、二次てこの単一槓桿からなる分力槓桿を2n−1個(なお、nは1以上の正の整数)配設し、分けられた2n個の荷重を、2n個の大荷重用の分力倍力槓桿の重点に作用させ、増幅された荷重は、分力倍力槓桿に使用する刃と刃受けの接触荷重の制限によって定まる荷重の最大値以下に設定され、隣接する2個の分力倍力槓桿の各力点刃の荷重を合力手段としての合力環に伝達させ、合力環で負荷を合わせて大荷重を得て、荷重負荷対象物に負荷することを特徴とする。これにより、刃と刃受けの接触荷重の制限を超えた大荷重を精度よく荷重負荷対象物に負荷することができる。

0033

また、本発明の荷重増幅負荷方法は、荷重が負荷されることによって生じる槓桿の傾斜を最小にするために、最大荷重が負荷される被試験物のロードセルまた計量装置の固定部あるいは荷重伝達部、または大荷重が作用する分力倍力槓桿の複数の支点台とこの支点台を保持するフレームとの間に、油圧シリンダあるいは電動ジャッキからなる大荷重でかつ微小量変位可能な大荷重微小量調整手段と、この変位量を制御する変位量制御手段を設け、荷重負荷時に最も大きな変位を生じるおもり倍力槓桿の変位を検出し、このおもり倍力槓桿が水平に戻るように、大荷重微小量調整手段を制御して、各負荷の荷重試験時に槓桿系を水平に保持することを特徴とする。これにより、おもり倍力槓桿などを良好に水平に制御することができて、精度をさらに向上させることができる。

図面の簡単な説明

0034

本発明の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置(荷重試験機)の全体図である。
同荷重増幅負荷装置のおもり、おもり倍力槓桿、分力槓桿などを示す図である。
同荷重増幅負荷装置のおもりを示す断面図である。
同荷重増幅負荷装置の分力倍力槓桿、合力環、荷重負荷対象物(被試験物)、合力伝達枠、無駄目消し槓桿などを示す図である。
同荷重増幅負荷装置のおもり、おもり倍力槓桿、分力槓桿、分力倍力槓桿、合力環、荷重負荷対象物、合力伝達枠などを示す斜視図である。
同荷重増幅負荷装置の分力倍力槓桿、合力環などを示す部分切欠斜視図である。
同荷重増幅負荷装置の合力環の要部拡大切欠斜視図である。
同荷重増幅負荷装置の分力倍力槓桿、合力環、合力伝達枠などを示す図である。
本発明の他の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置を簡略的に示す図である。
本発明のその他の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置を簡略的に示す図である。
荷重負荷対象物(被試験物)としてのはかり(計量装置)などを簡略的に示す斜視図である。
本発明のさらに他の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置を簡略的に示す図である。

実施例

0035

以下、本発明の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置を図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置(詳しくは荷重増幅負荷装置の一例である荷重試験機)の全体構成を示す全体構成図である。但し、図1における分力倍力槓桿などの一部の構成要素についてはその配設方向を変更した状態で簡略的に示している。

0036

図1に示すように、本発明の実施の形態に係る荷重増幅負荷装置(荷重試験機)1は、その重点(おもりの負荷が作用している箇所であり、荷重を作用させる点)3bに負荷された既知質量のおもり2の負荷を増幅させて力点(重点荷重を釣り合わせるために力を作用させる点)3cから出力するおもり倍力槓桿(おもり倍力てこ)3と、おもり倍力槓桿3の力点に負荷された力を分けて伝達する分力手段としての分力槓桿(分力てこ)4と、この分力手段としての分力槓桿4により二分された分力がそれぞれ重点に負荷され、前記分力を増幅させて力点から出力する1対の分力倍力槓桿(分力倍力てこ)5(5A、5B)と、これらの分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点から出力された力を合わせる合力手段としての合力環6と、この合力手段としての合力環6により合わされた力を荷重負荷対象物(被試験物)7に伝達して負荷させる合力伝達負荷手段としての合力伝達枠8と、などを備えている。なお、図1におけるFは床面(フロア面)を示しており、分力倍力槓桿5(5A、5B)と合力環6とは床面Fから下方に掘られたピットP内に配設されている。

0037

図1図3に示すように、おもり2は、順次吊り下げ可能な既知質量の複数種類の分銅2a〜2fを連結・分離可能ないわゆる連鎖分銅からなる。この実施の形態では、おもり2として、例えば、100kgの分銅2aが3つ、200kgの分銅2bが1つ、250kgの分銅2cが1つ、500kgの分銅2dが1つ、750kgの分銅2eが1つ、1t(1000kg)の分銅2fが3つ設けられている。各分銅2a〜2fは、図3に簡略的に示すように、分銅2a〜2fを上下に係合可能な連結具11などを介して上下に分離・連結可能な状態で取り付けられている。そして、おもり倍力槓桿3の重点から吊り下げられた吊り下げ体12により、おもり倍力槓桿3の重点3bにおもり2(分銅2a〜2f)の荷重が段階的に負荷可能とされている。図1図2に示すように、最も下方に配置されている分銅2fの下方には昇降台用のスクリュジャッキ13により昇降自在の昇降台14が配設され、スクリュジャッキ13により昇降台14を上限位置まで上昇させることで、分銅2a〜2fの荷重が吊り下げ体12に作用しないよう構成されている。また、昇降台14を下限位置まで下降させることで、おもり2(分銅2a〜2f)の全荷重(合計5t)を吊り下げ体12に作用させる(負荷させる)ことができる。また、昇降台14を上限位置と下限位置との間の位置とすることで、おもり2(分銅2a〜2f)の荷重を段階的に吊り下げ体12に作用させる(負荷させる)ことができる。なお、昇降台14の上下方向の位置を検出する位置検出器15や、昇降台14が上限位置や下限位置に達したことを検知する上限位置センサ16や下限位置センサ17も設けられている。

0038

図1図2に示すように、おもり倍力槓桿3は、重点3bと力点3cとの間に支点3aがある一次てこからなる単一槓桿である。その支点3aとなる箇所に配設された刃20が、第1支持基台21から立設する第1立設枠22に固定された刃受け23により下方から受けられている。吊り下げ体12が吊り下げられるおもり倍力槓桿3の重点3bは、おもり倍力槓桿3の一端部側における支点3aから比較的離れた箇所に配設され、この重点3bの近傍箇所には、おもり倍力槓桿3の一端部側を下方から保持可能な休み装置としてのスクリュジャッキ24およびジャッキ駆動用モータ25も設けられている。なお、図示しないが、おもり倍力槓桿3の重点3bも刃と刃受けで接触するように構成され、吊り下げ体12の上端部に組み付けられた刃受けが、倍力槓桿3側に設けられた刃で受けられている。

0039

おもり倍力槓桿3は、他端側の支点3aから比較的近い位置に刃が取り付けられた力点3cが配設されて、この力点3cに、刃受けが組み付けられた連結環27が係止されている。この実施の形態では、重点3bと支点3aとの間の距離が、力点3cと支点3aとの間の距離の4倍とされ、重点3bに作用する負荷が、4倍に増幅されて力点3cから出力される。また、おもり倍力槓桿3の他端部には、おもり2の荷重が全く負荷されていない状態で、おもり倍力槓桿3がほぼ水平姿勢となるように、バランスウエイト28が取り付けられている。

0040

また、おもり倍力槓桿3の一端部近傍箇所には、おもり倍力槓桿3の振動を抑制するためのダンパー26や、おもり倍力槓桿3の傾斜状態を検出する差動トランスなどからなる傾斜状態検出センサ(傾斜状態検出手段)29が設けられているとともに、この傾斜状態検出センサ29により検出した傾斜状態に対応して、荷重負荷対象物7に負荷されている荷重の値が実際に負荷されている荷重値に近づくように補正する補正手段が荷重増幅負荷装置1に設けられた制御演算部(図示せず)内に設けられている。また、荷重増幅負荷装置1に設けられた制御演算部内には、傾斜状態検出センサ29により検出した傾斜状態に対応して、後述するようにおもり倍力槓桿3が水平となるように油圧シリンダ40へ注入する油量を制御するなどする水平制御手段(図示せず)が設けられている。

0041

おもり倍力槓桿3の力点3cに係止された連結環27には下方に延びる力伝達体30を介して、分力手段としての分力槓桿(分力てこ)4が連結されている。力伝達体30の下端部には刃受け30aが配設されている。この刃受け30aに接触するように刃先が下方を向いた刃4aが分力槓桿(分力てこ)4に取り付けられている。

0042

分力槓桿4は、力伝達体30と係合される箇所を上下に通るラインを中心として両側方に同様な寸法で延びる線対称な形状とされ、一端部と他端部に、刃4cと刃受け31aとによって、下方に力を伝達する分力伝達体31(31A、31B)がそれぞれ係止されている。したがって、分力伝達体31は力伝達体30と係合される点(重点4b)を中心として、線対称となる位置で分力伝達体31(31A、31B)と連結されている。すなわち、分力手段としての分力槓桿4は、一方の分力伝達体31との係止位置を支点4a(または4a’)とし、力伝達体30との係合点を重点4bとし、他方の分力伝達体31との係止位置が力点4a’(または4a)となる二次てこからなる単一槓桿である。したがって、力伝達体30を介しておもり倍力槓桿3の力点3cから伝達された負荷が、1/2ずつに分けられて、分力伝達体31(31A、31B)に伝達される。

0043

図1図4図5に示すように、各分力伝達体31の下端部にも、それぞれ連結環32が取り付けられ、各連結環32に組み付けられた刃受け32aに、各分力倍力槓桿(分力倍力てこ)5(5A、5B)の刃5eが重点5bで上方から接触するように配設されている。各分力倍力槓桿5(5A、5B)は、ピットP内に配設された第2支持枠33に取り付けられた下向きの刃受け34に、分力倍力槓桿5に組み付けられた支点となる刃5dが接触されて、この接触点を支点5aとして、分力倍力槓桿5(5A、5B)が揺動可能な状態で配設される。また、これらの分力倍力槓桿5(5A、5B)は、同じ構造のものが用いられ、重点5bと力点5cとの間に支点5aがある一次てこの単一槓桿である。したがって、分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点5cは、支点5aを中心として重点5bとは逆方向に設けられている。また、この実施の形態では、重点5bと支点5aとの間の距離が、力点5cと支点5aとの間の距離の5倍とされ、重点5bに作用する負荷が、5倍に増幅されて力点5cから出力される分力倍力槓桿5(5A、5B)が用いられている。また、図4図6に示すように、分力倍力槓桿5(5A、5B)における力点5cの箇所には、十分な強度および長さを有する刃35が組み付けられ、この分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点5cに設けられている刃35は、分力倍力槓桿5(5A、5B)により増幅された増幅分力を伝達する増幅分力伝達体36の下端部に組み付けられた刃受け36aに上方から接触された状態で受けられている。

0044

なお、この実施の形態においては、図6図7に示すように、刃受け36aは、下方側が二股状となった2枚の金属板状体36cの下部の間に刃受け支持部36bが挟持されて下方から受けられる状態で配設されている増幅分力伝達体36の刃受け支持部36bに固定されている。また、分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点に設けられる刃35を組み付ける箇所(力点刃取付部5d)は、2枚の金属板状体36bの間で隙間を有する状態で分力倍力槓桿5の両側方(分力倍力槓桿5の幅方向)に大きく延ばされている。そして、この力点刃取付部5dの幅方向中央部を除く下面2箇所にそれぞれ刃35が組み付けられており、刃35や刃受け36aの長さが比較的長さの短いもの(例えば、それぞれの刃35や刃受け36aの長さが20数cmのもので、各分力倍力槓桿5(5A、5B)では、合わせて40数cmのもの)が用いられているがこれに限るものではない。

0045

各増幅分力伝達体36の上端部は、合力手段としての合力環6に設けられた厚肉金属板からなる本体部6aの上部左右に回転自在に挿入された丸棒形状の分力伝達ピン6bに連結されている。合力手段としての合力環6は、本体部6aと、この本体部6aの中央下部に固定している合力伝達ピン6cに嵌合し、本体部6aを挟むように加工され、上部で一体化された合力出力部6dとから成っている。また、当該合力環6の合力出力部6dには上方に延びる姿勢で合力伝達ロッド37が連結されている。そして、合力環6では、分力倍力槓桿5(5A、5B)により増幅された分力が分力伝達ピン6bを介して合力環6の本体部6aに伝達され、合わされた力が、合力伝達ピン6cや合力出力部6dから合力伝達ロッド37側に伝達される。

0046

このような構造により、合力環6には、分力倍力槓桿5(5A、5B)により増幅された分力が合わされるが、ここで、図6図7に示すように、この合力環6は、ロバーバル機構45により昇降自在に支持されている。この実施の形態では、所定箇所で上下に延びる固定縦枠46に取り付けられた固定用ブラケット47に平行リンク45a、45bおよび連結ピン45c〜45fを介して、合力環6の本体部6aの中央部で昇降自在に支持されている。すなわち、ロバーバル機構45が設けられていないと、合力環6は、合力伝達軸6cを中心として揺動可能な姿勢で配置されるが、合力環6(詳しくは合力環6の合力出力部6dや本体部6a)がロバーバル機構45により支持されていることで、本体部6aが揺動せず、これにより、分力倍力槓桿5A、5B同士の姿勢が同じように保持され、両方の分力倍力槓桿5(5A、5B)が水平姿勢を維持できるよう構成されている。また、合力環6がロバーバル機構45により支持されていることで、偏荷重によるモーメントなどが除去された状態で、各分力倍力槓桿5(5A、5B)からの真下への荷重のみが良好に合わされて、合力伝達ロッド37に伝達されるようになっている。

0047

図1図4図5に示すように、合力伝達ロッド37の上端部は、側面視略矩形状とされた合力伝達枠8の下辺部中央に結合されており、合力伝達枠8の近傍には、この合力伝達枠8の上部側領域を外側から囲むような姿勢で、さらに上方に延びる合力伝達外枠39が配設されている。そして、荷重負荷対象物(被試験物)7は、合力伝達枠8の上辺部と、合力伝達外枠39の下辺部との間に挟持される状態で配設され、合力伝達外枠39の上辺部は、油圧シリンダ装置40により昇降自在に支持される。この実施の形態では、荷重負荷対象物(被試験物)7は、荷重を測定する荷重測定装置であり、取引業務上使用されて特定計量器として用いられるロードセルである。

0048

油圧シリンダ40は、地上面とほぼ同じ高さの床面Fよりも上方の2階床面に相当する第3固定支持枠(高部固定支持枠)41に載せられた状態で本体部分が固定されている。一方、荷重負荷対象物7が配設される箇所は、床面F上に設けられた恒温室42内の空間とされ、この恒温室42内は任意の温度に維持させたり、温度を上昇または下降させたりすることが制御可能に構成されている。油圧シリンダ40は隣接して配設されている油圧ポンプ43によりピストンロッド40aを昇降可能とされ、ピストンロッド40aにより、合力伝達外枠39の上辺部を介して、合力伝達外枠39およびこの合力伝達外枠39に取り付けられた荷重負荷対象物7を昇降自在である。なお、図示しないが、ピストンロッド40aにより昇降される合力伝達外枠39の昇降位置を検知する複数の位置検知センサや、上限位置や下限位置に達したこと検知する位置センサが別途設けられている。なお、油圧ポンプ43は油圧シリンダ40に対して油圧をパルス駆動により微小に制御可能とされている。

0049

また、第3固定支持枠41の上方箇所には、荷重負荷対象物7に作用するおもり2以外の負荷(分力倍力槓桿5自体の重量の一部や、合力環6や合力伝達枠8自体の重量など)をキャンセルまたは調整するために無駄目消し槓桿50が設けられている。この無駄目消し槓桿50は、第3固定支持枠41よりもさらに上方に設けられた第4固定支持枠51に取り付けられた刃受け53により、無駄目消し槓桿50の支点50aとなる箇所に刃50dが取り付けられており、無駄目消し槓桿50の一端側(図4における左側)には、おもり2以外の負荷をキャンセルまたは調整するためのバランスウエイト52が取り付けられている。

0050

また、無駄目消し槓桿50の他端側(重点)50bには刃先が上を向いた刃54が取り付けられ、刃54に上方から接触する刃受け58には、下方に延びる引き上げ力伝達材55A、55Bが取り付けられている。また、油圧シリンダ40のピストンロッド40aには軸心方向に沿って貫通する貫通孔が形成されており、引き上げ力伝達材55Bはこの貫通孔や油圧シリンダ40を支持する支持台に形成された貫通孔などを通って合力伝達枠8の上辺部下面にその下端部55bが取り付けられている。そして、バランスウエイト52の荷重を、引き上げ力伝達材55Bを介して、合力伝達枠8に引き上げ力として作用できる。また、おもり2の荷重を作用させていない状態において、バランスウエイト52からの荷重(引き上げ力)を作用させた状態で、油圧シリンダ40のピストンロッド40aを下げることで、図8に示すように、荷重負荷対象物7の配置空間H(すなわち、合力伝達枠8の上辺部と合力伝達外枠39との間の空間)を広げることができ、これにより、荷重負荷対象物7を容易に配設したり交換したりすることが可能に構成されている。また、無駄目消し槓桿50の他端部には、無駄目消し槓桿50の振動を抑制するダンパー56や、無駄目消し槓桿50の姿勢(傾斜状態)を検知する傾斜状態検知センサ57が設けられている。急きょ100t負荷された際に、迅速に槓桿の姿勢を水平に制御できるように、油圧ポンプ43を複数台設けてもよい。

0051

上記構成において、荷重負荷対象物(被試験物)7を装着する(セットする)際には、おもり倍力槓桿3の他端部に、おもり2の荷重を負荷させていない状態で、油圧シリンダ40のピストンロッド40aを下降させることで、合力伝達外枠39を下方向に移動させる。これにより、図8に示すように、合力伝達枠8の上辺部と合力伝達外枠39の下辺部との間に、荷重負荷対象物7を装着可能な空間Hを形成することができる。

0052

この後、合力伝達枠8の上辺部と合力伝達外枠39の下辺部との間に、荷重負荷対象物7(この実施の形態では被試験物であるロードセル)を装着する(セットする)。そして、油圧シリンダ40のピストンロッド40aを上昇させて、荷重負荷対象物7に合力伝達枠8の上辺部が当接して、荷重負荷対象物7に初期荷重が作用するようにする。

0053

また、おもり倍力槓桿3の他端部にはおもり2の荷重が負荷しない状態を維持しながら、おもり倍力槓桿3および分力倍力槓桿5(5A、5B)が水平となるように、油圧シリンダ40の油圧を調整してピストンロッド40aの高さを調整する。なお、予め、おもり倍力槓桿3が水平姿勢となった場合に、分力倍力槓桿5(5A、5B)が水平となるように配置しておく。この実施の形態では、おもり2の荷重が、おもり倍力槓桿3により4倍増幅され、分力槓桿4によって1/2倍に減少し、さらに分力倍力槓桿5(5A、5B)により5倍増幅される構成である。一方、変位としては、例えば、油圧シリンダ40の油圧を調整してピストンロッド40aを1mm上昇させると、合力伝達外枠39、荷重負荷対象物7、合力伝達外枠39、合力環6および各分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点5cは、同じく1mm上昇し、各分力倍力槓桿5(5A、5B)の重点5b、分力槓桿4、おもり倍力槓桿3の力点3cは5mm下降し、おもり倍力槓桿3の重点3bは20mm上昇する。すなわち、ピストンロッド40aの高さ調整寸法の20倍の寸法がおもり倍力槓桿3の重点3bで変化するため、おもり倍力槓桿3の重点3bが設けられているおもり倍力槓桿3の一端部近傍箇所の位置を傾斜状態検出センサ29により検出し、おもり倍力槓桿3が水平姿勢を維持できるように、油圧シリンダ40の油圧が調整される。したがって、このおもり倍力槓桿3の姿勢を調整する場合には、油圧シリンダ40に油を送る油圧ポンプ43をパルス駆動などして微量調整してもよい。なお、このように、おもり倍力槓桿3が水平となった状態で、無駄目消し槓桿50も水平姿勢となるように、予め調整しておく。

0054

この状態から、おもり2を載せている昇降台14を徐々に下降させることで、おもり2(分銅2a〜2f)の荷重をおもり倍力槓桿3の重点3bに段階的に負荷させる。なお、おもり2の荷重を順次負荷させている各過程においては、おもり2の荷重が増加することで、力を伝える各構成要素の力伝達部分が延びることなどにより、おもり倍力槓桿3や分力倍力槓桿5(5A、5B)の姿勢が若干変動するが、この際には、おもり倍力槓桿3の姿勢が検出されて、おもり倍力槓桿3や分力倍力槓桿5(5A、5B)が水平になるように油圧シリンダ40のピストンロッド40aの高さが随時調整される。また、大きな負荷を長時間負荷し続けさせた場合(例えば、クリープ試験の実施時)のように、おもり倍力槓桿3や分力倍力槓桿5(5A、5B)の水平姿勢が油圧シリンダ40や油圧機器の微小な油漏れによって維持できない場合には、おもり倍力槓桿3の傾斜姿勢に基づいて、荷重負荷対象物7に対して実際に負荷されている荷重に近づくように補正される。

0055

おもり2の荷重は、おもり倍力槓桿3により増幅される(この実施の形態では4倍に増幅される)が、この後、増幅された荷重は、分力槓桿4により1/2ずつに分けられて、各分力倍力槓桿5(5A、5B)の重点5bに負荷される。そして、1/2ずつに分けられた負荷が、各分力倍力槓桿5(5A、5B)によってそれぞれ増幅される(この実施の形態ではさらに5倍に増幅される)。この後、各分力倍力槓桿5(5A、5B)によってそれぞれ増幅された負荷が、合力環6により合わされ、合力伝達枠8を介して荷重負荷対象物7に負荷される。したがって、この実施の形態において、全ての分銅2a〜2fのおもり2の荷重を負荷した際には、5t(5000kg)の荷重がおもり倍力槓桿3の重点3bに負荷され、荷重負荷対象物7には100tの荷重が負荷される。

0056

この荷重増幅負荷装置や荷重増幅負荷方法によれば、力が分力手段としての分力槓桿4により分けられて、各分力倍力槓桿5(5A、5B)の重点5bに作用されて増幅されるため、各分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点5cには、一旦分けられて増幅された力しか作用せず、各分力倍力槓桿5(5A、5B)で増幅する荷重自体を小さくすることができる。これにより、例えば、上記実施の形態のように、100tなどの大荷重をロードセルなどの荷重負荷対象物7に負荷させる場合でも、各分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点5cには、50tの荷重しか作用しない。したがって、上記のように、おもり倍力槓桿3、分力槓桿4、分力倍力槓桿5(5A、5B)の各支点、重点、力点において、刃と刃受けとで互いに接触する構成を採用した場合でも、最も大きな荷重が負荷される分力倍力槓桿5(5A、5B)の力点5cにおいて例えば40数cmの刃および刃受けを用いることで、刃の長さ当たり最大1.0〜1.2t/cm以下とすることができる。これにより、大荷重を負荷できながら、実用可能な長さの構造の分力倍力槓桿5(5A、5B)を採用でき、上記のように、荷重負荷対象物7が、荷重を極めて高精度に測定するロードセル(荷重測定装置)である場合でも、高精度で大荷重を負荷することができて、ロードセル(荷重測定装置)を大荷重かつ高精度で試験することができる。

0057

また、上記のように、合力環6がロバーバル機構45を介して昇降自在に支持されているので、合力環6に連結された各分力倍力槓桿5A、5Bの力点の高さ方向の位置、すなわち分力倍力槓桿5A、5B同士の姿勢を、合力環6を介して、互いに一致させることができる。これにより、両方の分力倍力槓桿5A、5Bを水平姿勢に安定させ易くなり、高精度な状態を維持し易くなって信頼性が向上する。また、合力手段としての合力環6が、ロバーバル機構45を介して昇降自在に支持されているので、合力環6により力を合わせる際に、重力以外のノイズとなるような力やモーメントが作用した場合でもこのような力やモーメントをロバーバル機構45により除去することができ、合力環6で合わされて上下方向に負荷された力だけを負荷対象物7に負荷させることができ、さらに精度を向上させることが可能となる。

0058

また、上記構成によれば、おもり倍力槓桿3が傾斜した場合でも、この傾斜状態が傾斜状態検出センサ(傾斜状態検出手段)29により検出され、傾斜状態検出センサ29により検出した傾斜状態に対応して、荷重負荷対象物7に負荷されている荷重の値が実際に負荷されている荷重値に近づくように補正される。これによっても精度を向上させることができる。

0059

また、上記構成によれば、おもり倍力槓桿3が傾斜すると、この傾斜状態が傾斜状態検出センサ(傾斜状態検出手段)29により検出され、おもり倍力槓桿3が水平となるように、前記水平制御手段により油圧シリンダ40への油量が調整されて、油圧シリンダ40のピストンロッド40aの位置が調整される。これにより、おもり倍力槓桿3が傾斜した場合でも、水平姿勢となるように制御されるため、おもり倍力槓桿3や分力倍力槓桿5(5A、5B)が傾斜すること自体を最小限に抑えることができ、ひいては、精度を向上させることができる。

0060

また、上記構成では、おもり倍力槓桿3に、おもり2からの負荷を一時的に受ける休み装置としてのスクリュジャッキ24およびジャッキ駆動用モータ25を設けている。これにより、例えば、荷重負荷対象物7であるロードセルに対して、大荷重を一気に(60秒以内などの短時間で一度に)負荷するクリープ試験を行う場合には、おもり2が負荷されているおもり倍力槓桿3の一端部側を一時的にスクリュジャッキ24により保持し、この状態で、おもり2を載せている昇降台14を下限位置まで下降させる。そして、この後、ジャッキ駆動用モータ25を駆動してスクリュジャッキ24を下降させることで、大荷重を一気におもり倍力槓桿3に負荷させることができる。また、スクリュジャッキ24を下降させた状態から、上昇させて、おもり倍力槓桿3の一端部側を支持させる。これにより、大荷重を一気に荷重負荷対象物7であるロードセルに負荷させたり、除荷させたりすることができ、大荷重を一度に負荷させてその後の挙動を観察するなどするクリープ試験を良好に行うことが可能となる。なお、このクリープ試験を行う際にも、おもり倍力槓桿3や分力倍力槓桿5(5A、5B)を水平に維持するように油圧シリンダ40により合力伝達外枠39の位置を迅速に調整しなければならないが、この際に素早く合力伝達外枠39の位置を調整できるように、油圧シリンダ40や油圧ポンプ43を複数台設けて短時間に大量の油量を供給させてもよい。

0061

また、例え、刃や刃受けが大荷重に耐えることができる(長さ)ものが、実現可能となったとしても、荷重を分割せずに、槓桿を直列に接続する構造だけを用いた場合には、最終的には、今回の分力槓桿の2倍の力に増幅できる槓桿を用いなければならない。したがって、大きな曲げモーメントに対応可能とするために、強度的には槓桿の断面係数を大きくしなければならず、少なくとも、幅方向に2倍、高さ方向に21/2倍(ルート2倍)のものを用いなければならない。さらに実際問題としては槓桿の長さを大きくする必要性が生じることも多く、これに伴う曲げモーメントの増加や槓桿の撓みも考慮しなければならないため、少なくとも、幅方向に2倍、高さ方向に21/2倍(ルート2倍)以上の寸法の槓桿を製作しなければならない。そのために製作費用は非常に高価なものとなるから、全体として例えば、上記のように、それぞれ1/2の力を増幅する1対の分力槓桿5を設ける場合よりも、多大な費用や設備スペースが必要となる。すなわち、このように、負荷可能な荷重が大きくなるほど、上記のように、分割した力を増幅する分力倍力槓桿を並列させて設けることで、複数の槓桿を直列に接続して増幅させる場合よりも、コンパクト化を図ることができるとともに、製造コストの増加を最小限に抑えることができる。

0062

ところで、この荷重増幅負荷装置としての荷重増幅負荷装置1も含めて、一般に、槓桿を用いた荷重試験機や実荷重試験機では、荷重負荷対象物7への負荷値は、小荷重範囲においては比較的細かく荷重を段階的に変更しながら作用させることができるが、大荷重範囲においては粗く(大きく)荷重を変更させる構成である。上記実施の形態における荷重増幅負荷装置1では、小荷重範囲においては、最も小さい100kgの分銅2a同士を連結させて、荷重負荷対象物7に対して100kgの20倍である2t単位で段階的に負荷できる。一方で、大荷重範囲においては、最も大きな1tの分銅2fを連結することにより、一挙に20t単位で大まかに負荷できるに過ぎない。したがって、大荷重領域においては、すなわち、細かな荷重(重量)間隔で荷重負荷対象物7に負荷させて試験することはできなかった。

0063

この点を改良したものが、図9に示す荷重増幅負荷装置(荷重試験機)60である。この実施の形態に係る荷重増幅負荷装置60では、図9に簡略的に示すように、無駄目消し槓桿50の一端側(力点)に、おもり2以外の負荷をキャンセルまたは調整するためのバランスウエイト52に加えて、手載せ用の分銅61aなどの比較的小さな既知質量のおもり61を載せることが可能な載せ台62を設けて、この載せ台62を、吊り輪63などを介して、無駄目消し槓桿50の一端側(力点)から吊り下げるように構成している。なお、この載せ台62などが追加されている構成以外は、上記実施の形態と同様な構成とされており、同機能の構成要素には同じ符号を付している。

0064

このように構成することにより、無駄目消し槓桿50における載せ台62の支点からの距離に対応して、小質量のおもり61の荷重が増幅された力分だけ、合力伝達枠8を引き上げる力として伝達され、その分だけ、荷重負荷対象物7としてのロードセル(荷重測定装置)に負荷される荷重が減少することになる。したがって、例えば、無駄目消し槓桿50の載せ台62が取り付けられている箇所を力点とした場合の重点での増幅率が5倍である場合に、載せ台62に20kgの分銅61aを載せることで、無駄目消し槓桿50の重点には100kgの引き上げ力が作用するため、載せ台62にこの分銅61aを段階的に載せることで、大荷重でも100kgの細かい範囲で段階的に変化させながら、ロードセルなどの荷重負荷対象物7に荷重を負荷することが可能となり、大荷重でのロードセルなどの荷重負荷対象物7の性能を良好に試験したり検査したりすることができる。また、大荷重での荷重増幅負荷装置60の挙動の確認(刃と刃受けとの接触が良好な状態であることの確認など)を行うことも可能となり、荷重増幅負荷装置60の信頼性を良好に確認することもできる。

0065

また、上記実施の形態では、1つの分力槓桿4と、1対の分力倍力槓桿5(5A、5B)と、1つの合力環(合力手段)6とを備えて、おもり倍力槓桿3からの力を2つに分けて増幅させ、この後、力を合わせる構成とした場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、図10に簡略的に示すように、この荷重増幅負荷装置(荷重試験機)70では、おもり倍力槓桿3側からの力を2つに分ける分力槓桿(第1の分力槓桿)4の下流に、分力槓桿(第1の分力槓桿)4で分けられた力をさらに2つに分ける2つの第2の分力槓桿71を接続し、これらの4つに分けられた力を4つ(すなわち2対)設けられた分力倍力槓桿5(5A〜5D)によりそれぞれ増幅する。そして、対となった分力倍力槓桿5(5A、5B)と分力倍力槓桿5(5C、5D)で増幅された力を合わせる2つの第2の合力環73を設け、これらの力を、さらに合力環(第1の合力環)6により合わせて、荷重負荷対象物7に負荷させる。

0066

この構成によれば、最終的に4つに分けられた力を2対(すなわち4つ)の分力倍力槓桿5(5A〜5D)によりそれぞれ増幅する構成であるため、これらの第2の分力倍力槓桿5(5A〜5D)においても、上記実施の形態の分力倍力槓桿5と同様の強さや長さを有する刃、刃受け構造を採用することで、荷重負荷対象物7に作用させる最大負荷が2倍、すなわち、200tを負荷可能な荷重増幅負荷装置(荷重試験機)70を実現することができる。

0067

また、さらに、上記構成において第2の分力槓桿71により4つに分けられた力をさらに2分する4つの第3の分力槓桿と、この第3の分力槓桿により分けられた力を増幅する4対の分力倍力槓桿と、を設けて、各分力倍力槓桿で増幅された力を4つの第3の合流環で合わせて、さらにこの力を2つの第2の合流環で合わせ、この合わせた力を1つの第1の合流環で合わせるように構成してもよい(図示せず)。これにより、荷重負荷対象物に作用させる最大負荷がさらに2倍、すなわち、400tを負荷可能な荷重増幅負荷装置(荷重試験機)を実現することが可能となる。

0068

上記実施の形態では何れの場合も、おもり2の荷重を1つのおもり倍力槓桿3により増幅した構成である場合を述べたが、これに限るものではない。つまり、複数のおもり倍力槓桿を直列に接続して連結し、最下流に接続したおもり倍力槓桿により増幅した力を分力槓桿により分けて、分力倍力槓桿により増幅してもよい。また、上記実施の形態では、おもり倍力槓桿3が一次てこからなる単一槓桿で構成されていた場合を述べたが、これに限るものではなく、おもり倍力槓桿3が三次てこ(力点が重点と支点との間にあるてこ)からなる単一槓桿で構成してもよい。また、上記実施の形態では、おもり2として連鎖分銅を用いた場合を述べたが、これに限るものではなく、ロバーバル機構により昇降可能な載せ台上に既知質量の分銅を載せて、この負荷をおもり倍力槓桿3の重点に作用させるよう構成してもよい。また、おもり倍力槓桿3などを水平にするための油圧シリンダ40のような大荷重で微小量変位を調整可能な大荷重微小量調整手段として、油圧シリンダ40に代えて電動ジャッキを設けてもよい。

0069

また、上記の実施の形態では、荷重負荷対象物(被試験物)7が、大荷重を精度よく測定可能であり、取引業務上使用されて特定計量器として用いられるロードセルである場合を述べた。しかし、これに限るものではなく、荷重負荷対象物(被試験物)が、大荷重を測定可能な荷重測定装置、いわゆる載せ台を備えた計量装置80であってもよい。この荷重負荷対象物としての計量装置80は、図11に簡略的に示すように、圧延製造された直径約2mのロール形状鋼板からなる被計量物81の荷重を測定するもので、上面部に設けられた載せ台82上に被計量物81が載せられて計量される。例えば、載せ台82の大きさは、平面視した状態での寸法で、長さ4m、幅1.5mとされ、計量装置80の量は例えば100tとされている。

0070

このような、載せ台82の面積が比較的小さいにも関わらず、大荷重が負荷される計量装置80については、特定計量器として用いられるため検査させる際には、載せ台82の上に、載せ台82よりも大きな鋼板などを載置し、この鋼板上に、大荷重の分銅などを載せることが考えられる。しかしながら、このような状況は、非常に危険であるため、計量法においては、検査しなくてもよい除外物として挙げられている。しかし、このような計量装置80についても、大荷重を精度よく負荷して、試験したり検査したりすることが望まれる。

0071

本実施の形態に係る荷重増幅負荷装置100は、このような計量装置80についても、荷重負荷対象物(被試験物)として荷重を負荷できる構成である。この荷重増幅負荷装置100は、図12に簡略的に示すように、ロバーバル機構101により昇降可能な状態で支持され、既知質量の分銅103を多数載せることが可能な大きな面積を有する載せ台102と、この載せ台102からの荷重が重点に負荷され、力点から増幅されて出力されるおもり倍力槓桿104と、このおもり倍力槓桿104からの力を2分割する分力手段としての分力槓桿105と、この分力槓桿105に分力伝達材107を介して連結され、分力槓桿105により分けられた力を増幅する1対の分力倍力槓桿106(106A、106B)と、各分力倍力槓桿106(106A、106B)により増幅されて力点106cから出力された力を合わせる合力手段としての合力環108と、この合力環108が上端部に組み付けられ、この合力環108により合わされた力を、荷重負荷対象物(被試験物)としての計量装置80に伝達して負荷させる合力伝達負荷手段としての合力伝達負荷材109とを備えている。なお、分力倍力槓桿106(106A、106B)は、図12紙面における、合力伝達負荷材109の上部の手前側と奥側とに設けられており、互いに同様な構造であり、2つの分力伝達材107同士も同様な構造および長さである。また、図示しないが、おもり倍力槓桿104や分力倍力槓桿106(106A、106B)の力点、支点、重点にも、刃および刃受け構造が用いられている。

0072

なお、載せ台102は、ロバーバル機構101により昇降可能な状態で支持された支持軸111により、昇降自在に支持されており、支持軸111の下端部に連結されたおもり伝達材112がおもり倍力槓桿104の重点104bに接続されている。そして、ロバーバル機構101によって、載せ台102に負荷された荷重以外の力は除去され、載せ台102からの荷重(下向き荷重)だけがおもり倍力槓桿104の重点104bに良好に負荷されるよう構成されている。また、おもり倍力槓桿104は、力点104cが重点104bと支点104aとの間にある三次てこからなる単一槓桿で構成されており、重点104bに負荷された下方への荷重が増幅されて、力点104cから下方への荷重として出力される。

0073

分力槓桿105は、おもり倍力槓桿104の力点104cに連結された力伝達部材113を介して荷重が下方に負荷されており、上記実施の形態の分力槓桿4とは、力の作用する方向は上下に逆方向であるが、おもり倍力槓桿104の力点104cからの力を2分して、各分力倍力槓桿106(106A、106B)に伝達する点は同様であり、二次てこからなる単一槓桿である。

0074

分力倍力槓桿106(106A、106B)では、分力槓桿105で分けられた力がそれぞれ増幅されて、分力倍力槓桿106(106A、106B)の力点106cから出力され、これらの増幅された負荷が合力環108で合わされて合力伝達負荷材109を通して、荷重負荷対象物(被試験物)としての計量装置80に負荷される。ここで、この実施の形態では、合力伝達負荷材109もロバーバル機構110により昇降自在に支持されており、これにより、合力伝達負荷材109から荷重負荷対象物(被試験物)としての計量装置80には、上下方向の荷重のみが負荷され、合力伝達負荷材109に負荷された荷重以外の力やモーメントは除去される。

0075

この荷重増幅負荷装置100によっても、大荷重を高精度で、かつ、安全に、計量装置80(計量装置80の載せ台81)に負荷させることができる。

0076

すなわち、本発明に係る荷重増幅負荷装置および荷重増幅負荷方法は、内容をまとめると以下の通りである。
連鎖分銅2a〜2fあるいはロバーバル機構101を備えた載せ台102上に分銅を積載するなどの方法により、おもり倍力槓桿3、104の重点に既知質量のおもり2の負荷を作用させ、一次てこ、または三次てこの単一槓桿からなる1つまたは複数直列接続したおもり倍力槓桿3、104によって荷重を増幅させる。そして、この増幅された荷重を分ける分力手段として、二次てこの単一槓桿からなる分力槓桿4、105を2n−1個(なお、nは1以上の正の整数)配設する。分けられた2n個の荷重を、2n個の同一寸法の大荷重用槓桿からなる分力倍力槓桿5、106の重点に作用させる。ここで、分力倍力槓桿5、106は、一次てこ、または三次てこの単一槓桿から構成される。これらの2n個の大荷重用の分力倍力槓桿5、106は、適当な間隔で並列的に配設されている。ここで、増幅された荷重は、分力倍力槓桿5、106に使用する刃と刃受けの接触荷重の制限によって定まる荷重の最大値(Wmax)以下に設定されている。

0077

2n個の大荷重用の分力倍力槓桿5、106のうち、隣接する2個の分力倍力槓桿5、106の各力点刃の荷重は合力手段としての合力環6、108に伝達される。分力倍力槓桿5、106が1対である場合には、合力環6で力(負荷)が合わせられ、最大値が2Wmaxの大荷重を得ることが可能となる。また、隣接する分力倍力槓桿5が4個(2対)である場合には、これらの分力を増幅した力を合わせる合力環73がさらに2箇所あるので、これらの合力環73同士の荷重を合わせるための2段目の合力環6を設けて、最大値が4Wmaxの大荷重を得ることが可能となる。同様な方法で2n個の大荷重用の分力倍力槓桿を設置することで、Wmax×2nの最大荷重を得ることができる。

0078

このように、分力倍力槓桿に使用する刃と刃受けとの接触荷重の制限によって定まる力点荷重の最大値(Wmax)の2、4、8、・・・倍の最大荷重を得るために、基準荷重となる分銅の荷重を高精度に増幅するために設けられた、1個または直列連結のおもり倍力槓桿の一部に、分力槓桿からなる分力手段を2n−1個設けて、荷重を分割した上で、(Wmax)の力点荷重を有する2n個の並列配置された大荷重用の分力倍力槓桿に連結し、2n個の(Wmax)を得た後、2n−1個の合力環73、および2n−2個の2段目の合力環、順次同様に3段目の合力環、4段目の合力環、・・・によって(Wmax)×2nの最大荷重を得ることができる。これにより、刃と刃受けの接触荷重の制限を大きく超えた大荷重を精度よく荷重負荷対象物に負荷することができる。

0079

また、荷重が負荷されることによって生じる槓桿の撓みや荷重伝達を担う各連結部材伸びなどによって、槓桿(詳しくは槓桿の刃線)が傾斜するが、この傾斜を最小にするために、最大荷重が負荷される被試験物のロードセルまたはかり(計量装置)の固定部あるいは荷重伝達部に、または大荷重が作用する分力倍力槓桿の複数の支点台とこの支点台を保持するフレームとの間に、油圧シリンダあるいは電動ジャッキのような大荷重で微小量変位を調整可能な大荷重微小量調整手段と、この変位量を制御する変位量制御手段とを設け、荷重負荷時に最も大きな変位を生じる槓桿系(通常、分銅を負荷されるおもり倍力槓桿)の変位を検出し、その変位量を0、つまり当該槓桿が水平に戻るように、油圧シリンダ等の大荷重微小量調整手段を制御して、各負荷の荷重試験時に槓桿系が水平に保持されて、実質的に零位法による荷重試験を可能にしている。これにより、おもり倍力槓桿などを良好に水平に制御することができて、精度をさらに向上させることができる。

0080

上記実施の形態では、荷重増幅負荷装置として、50tもの大荷重を接触荷重として耐えられる刃と刃受けとを分力倍力槓桿5、106が備えている場合を述べた。しかし、荷重増幅負荷装置の設置場所や使用する環境に起因する制約により、例えば、金属が腐食しやすい設置場所や使用環境では、錆びやすい高炭素鋼からなる刃や刃受けを使用することができず、この場合には、刃や刃受けの材料としては、ステンレス鋼非鉄金属セラミックなど)などを使用しなればならず、接触荷重は大幅に減少(例えば1/10ほど)してしまうが、このような場合でも、従来のステンレス鋼や非鉄金属(セラミックなど)などを使用せざるをえないために、最大負荷荷重が5tほどであった場合でも、刃や刃受けの材料以外は本発明と同様の構造を採用することで、従来よりも大荷重で精度の高い荷重増幅負荷装置や荷重増幅負荷方法を実現可能である。

0081

また、上記実施の形態では、荷重負荷対象物がロードセルやはかり(計量装置)などの荷重測定装置であり、当該荷重増幅負荷装置が、これらの荷重測定装置を被試験物として試験する荷重試験機である場合を述べたが、これに限るものではなく、荷重負荷対象物としては、大荷重が精度よく作用させる対象物であれば、荷重測定装置以外のものでもよいことはもちろんである。

0082

1荷重増幅負荷装置(荷重試験機)
2おもり
3 おもり倍力槓桿(おもり倍力てこ)
4分力槓桿(分力てこ)
5、5A〜5D 分力倍力槓桿(分力倍力てこ)
6合力環(合力手段)
7荷重負荷対象物(被試験物)
8 合力伝達枠(合力伝達負荷手段)
24スクリュジャッキ(休み装置)
29傾斜状態検出センサ(傾斜状態検出手段)
40油圧シリンダ(大荷重微小量調整手段)
43油圧ポンプ
45ロバーバル機構
50 無駄目消し槓桿
70 荷重増幅負荷装置(荷重試験機)
71 分力槓桿(第2の分力槓桿)
73 第2の合力環(合力手段)
80計量装置(はかり)(荷重負荷対象物)
100 荷重増幅負荷装置
101 ロバーバル機構
102 載せ台
104 おもり倍力槓桿
105 分力槓桿
106、106A、106B 分力倍力槓桿
108 合力環
109 合力伝達負荷材

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