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技術 撚線の製造方法及び撚線の製造装置

出願人 住友電気工業株式会社株式会社HCI
発明者 吉田竜二鈴木欣仁磯谷佑樹奥山浩司濱本彰彦
出願日 2014年9月8日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2014-182535
公開日 2016年4月21日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-056468
状態 特許登録済
技術分野 ロープ又はケーブル一般
主要キーワード 各線状体 回転角度指令 張力情報 ダンサーローラー ブレーキホイール 繰り出しボビン スキュー特性 撚り合せる
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月21日)のものです。
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図面 (3)

課題

撚線線長差の発生を抑制して、撚線のスキュー特性の低下を抑制することが可能な撚線の製造方法を提供する。

解決手段

複数本通信用線材Sを撚り合わせることによって撚線Yを形成する撚線Yの製造方法であって、線材Sを繰り出す各繰出部21から各ダンサーローラー22を経由して繰り出された各線材Sの張力を測定する測定工程と、各線材Sの張力が所定の値になるように、各ダンサーローラー22の位置をそれぞれ制御する制御工程と、各繰出部21から繰り出された各線材Sをダイス41によって集める集線工程と、ダイス41によって集められた各線材Sの走行方向の周り巻取機42を回転させることによって各線材Sを撚り合わせる撚合工程とを有する。

概要

背景

従来、複数本線材撚り合わせることによって撚線を形成する製造装置が知られている。例えば、特許文献1には、線状体送出ボビンの回転をブレーキシューによって減速させることにより、各線状体送出ボビン毎に線状体張力を調整する線状体送出装置が開示されている。

概要

撚線の線長差の発生を抑制して、撚線のスキュー特性の低下を抑制することが可能な撚線の製造方法を提供する。複数本の通信用の線材Sを撚り合わせることによって撚線Yを形成する撚線Yの製造方法であって、線材Sを繰り出す各繰出部21から各ダンサーローラー22を経由して繰り出された各線材Sの張力を測定する測定工程と、各線材Sの張力が所定の値になるように、各ダンサーローラー22の位置をそれぞれ制御する制御工程と、各繰出部21から繰り出された各線材Sをダイス41によって集める集線工程と、ダイス41によって集められた各線材Sの走行方向の周り巻取機42を回転させることによって各線材Sを撚り合わせる撚合工程とを有する。

目的

本発明は、撚線の線長差の発生を抑制して、撚線のスキュー特性の低下を抑制することが可能な撚線の製造方法及び撚線の製造装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数本通信用線材撚り合わせることによって撚線を形成する撚線の製造方法であって、線材を繰り出す各繰出部から各ダンサーローラーを経由して繰り出された各線材張力を測定する測定工程と、各線材の前記張力が所定の値になるように、前記各ダンサーローラーの位置をそれぞれ制御する制御工程と、各繰出部から繰り出された各線材をダイスによって集める集線工程と、前記ダイスによって集められた各線材の走行方向の周り巻取機を回転させることによって各線材を撚り合わせる撚合工程を有する、撚線の製造方法。

請求項2

繰りだされた前記線材を前記ダイスより上流側で掛けて、前記弓を前記巻取機の回転に同期させて回転させる、請求項1に記載の撚線の製造方法。

請求項3

前記測定工程において、各線材の張力は、前記弓の回転範囲外に設置された張力計によって測定される、請求項2に記載の撚線の製造方法。

請求項4

測定された前記線材の張力に基づいて、前記弓の回転範囲内に設置された前記ダンサーローラーの位置が制御される、請求項3に記載の撚線の製造方法。

請求項5

前記張力計で測定された前記線材の張力に関する情報を前記弓の回転範囲外に設置された無線親機蓄積し、蓄積された前記情報を、前記無線親機から前記弓の回転範囲内に設置された無線子機に所定のタイミングで送信し、前記無線子機に送信された前記情報に基づき前記ダンサーローラーの位置を制御する、請求項4に記載の撚線の製造方法。

請求項6

線材を繰り出す複数の繰出部と、各繰出部から繰り出された各線材がそれぞれ通過する複数のダンサーローラーと、繰出部から繰り出された線材の張力を測定する張力計と、各繰出部から繰り出された各線材を集めるダイスと、前記ダイスで集められた各線材を撚り合せるとともに巻き取る巻取機と、各線材の前記張力が所定の値になるように、前記各ダンサーローラーの位置をそれぞれ制御する制御部を備える、撚線の製造装置

技術分野

0001

本発明は、撚線を形成する撚線の製造方法及び撚線の製造装置に関する。

背景技術

0002

従来、複数本線材撚り合わせることによって撚線を形成する製造装置が知られている。例えば、特許文献1には、線状体送出ボビンの回転をブレーキシューによって減速させることにより、各線状体送出ボビン毎に線状体張力を調整する線状体送出装置が開示されている。

先行技術

0003

特開2004−352495号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に記載の装置では、各線材間の張力のばらつきが大きくなって、線材間の微小線長差が生じることがある。通信用の撚線において線長差が生じた場合、撚線のスキュー特性が低下してしまう。

0005

そこで、本発明は、撚線の線長差の発生を抑制して、撚線のスキュー特性の低下を抑制することが可能な撚線の製造方法及び撚線の製造装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の目的を達成するために、本発明の撚線の製造方法は、
複数本の通信用の線材を撚り合わせることによって撚線を形成する撚線の製造方法であって、
線材を繰り出す各繰出部から各ダンサーローラーを経由して繰り出された各線材の張力を測定する測定工程と、
各線材の前記張力が所定の値になるように、前記各ダンサーローラーの位置をそれぞれ制御する制御工程と、
各繰出部から繰り出された各線材をダイスによって集める集線工程と、
前記ダイスによって集められた各線材の走行方向の周り巻取機を回転させることによって各線材を撚り合わせる撚合工程と、を有している。

0007

また、本発明の撚線の製造装置は、
線材を繰り出す複数の繰出部と、
各繰出部から繰り出された各線材がそれぞれ通過する複数のダンサーローラーと、
繰出部から繰り出された線材の張力を測定する張力計と、
各繰出部から繰り出された各線材を集めるダイスと、
前記ダイスで集められた各線材を撚り合せるとともに巻き取る巻取機と、
各線材の前記張力が所定の値になるように、前記各ダンサーローラーの位置をそれぞれ制御する制御部と、を備えている。

発明の効果

0008

本発明の撚線の製造方法及び撚線の製造装置によれば、撚線のスキュー特性の低下を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の実施形態に係る撚線の製造方法を実施することができる撚線の製造装置を示す概略構成図である。
撚線の製造方法を説明するためのフローチャートである。

実施例

0010

<本発明の実施形態の概要
最初に本発明の実施形態の概要を説明する。
(1)撚線の製造方法は、
複数本の通信用の線材を撚り合わせることによって撚線を形成する撚線の製造方法であって、
線材を繰り出す各繰出部から各ダンサーローラーを経由して繰り出された各線材の張力を測定する測定工程と、
各線材の前記張力が所定の値になるように、前記各ダンサーローラーの位置をそれぞれ制御する制御工程と、
各繰出部から繰り出された各線材をダイスによって集める集線工程と、
前記ダイスによって集められた各線材の走行方向の周りに巻取機を回転させることによって各線材を撚り合わせる撚合工程と、を有する。

0011

上記の撚線の製造方法によれば、各ダンサーローラーの位置をフィードバック制御することで、各線材の張力を従来より細かく調整することができる。このため、各線材間の張力のばらつきを小さくすることができ、撚線における各線材間の線長差の発生を抑制することができるため、撚線のスキュー特性の低下を抑制することができる。

0012

(2)また、上記(1)の撚線の製造方法において、
繰りだされた前記線材を前記ダイスより上流側で掛けて、前記弓を前記巻取機の回転に同期させて回転させるようにしても良い。

0013

この撚線の製造方法によれば、弓によって各線材を巻取機の回転に同期させて回転させ、各々の線材を撚り返すことにより、巻取機の回転によって撚り合わされる撚線に捻り力が蓄積されるのを抑制することができる。

0014

(3)また、上記(2)の撚線の製造方法において、
前記測定工程において、各線材の張力は、前記弓の回転範囲外に設置された張力計によって測定されるようにしても良い。

0015

この撚線の製造方法によれば、弓の回転範囲の外部に張力計を設置することにより、弓の回転動作張力測定に与える影響を低減することができ、各線材に対して安定した状態で正確に張力を測定できる。

0016

(4)また、上記(3)の撚線の製造方法において、
測定された前記線材の張力に基づいて、前記弓の回転範囲内に設置された前記ダンサーローラーの位置が制御されるようにしても良い。

0017

この撚線の製造方法によれば、各線材毎に測定された正確な張力に基づいて各ダンサーローラーの位置を正確に制御することができ、各線材の張力を安定した範囲内に維持することができる。

0018

(5)また、上記(4)の撚線の製造方法において、
前記張力計で測定された前記線材の張力に関する情報を前記弓の回転範囲外に設置された無線親機に蓄積し、
蓄積された前記情報を、前記無線親機から前記弓の回転範囲内に設置された無線子機に所定のタイミングで送信し、
前記無線子機に送信された前記情報に基づき前記ダンサーローラーの位置を制御するようにしても良い。

0019

この撚線の製造方法によれば、線材の張力に関する情報を弓の内外間において無線を用いて送受信しているので、スリップリングを介して電気信号を弓の内外に送受信する構成と比較して、送受信される電気信号に対して弓の回転動作が与えるノイズ等を低減することができる。これにより、正確な張力に基づいてダンサーローラーの位置を精度良く制御することができる。

0020

(6)撚線の製造装置は、
線材を繰り出す複数の繰出部と、
各繰出部から繰り出された各線材がそれぞれ通過する複数のダンサーローラーと、
繰出部から繰り出された線材の張力を測定する張力計と、
各繰出部から繰り出された各線材を集めるダイスと、
前記ダイスで集められた各線材を撚り合せるとともに巻き取る巻取機と、
各線材の前記張力が所定の値になるように、前記各ダンサーローラーの位置をそれぞれ制御する制御部と、を備える。

0021

この撚線の製造装置によれば、(1)の撚線の製造方法と同様に、撚線における各線材間の線長差の発生を抑制することができるため、撚線のスキュー特性の低下を抑制することができる。

0022

<本発明の実施形態の詳細>
以下、本発明に係る撚線の製造方法及び撚線の製造装置の実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。

0023

図1は、本発明の実施形態に係る撚線の製造装置の概略構成図である。
図1に示すように、撚線の製造装置1は、線材(例えば通信用の線材)Sを送出する送出部2と、線材Sの張力を測定する測定部3と、線材Sを撚り合せる撚合部4と、から構成されている。通信用の線材Sとしては、例えば、電線光ファイバ同軸電線などを用いることができる。電線または同軸電線の場合は、例えば、外径が0.25mm〜1.8mm、中心導体断面積でいうとAWG(American Wire Gauge)がAWG26〜AWG44のものを撚り合わせる。

0024

送出部2は、撚線Yを形成するために用いられる線材Sの本数と同じ数だけ(例えば、この形態では3台)設けられている。各々の送出部2は、同じ構造を有しており、繰り出しボビン(繰出部の一例)21と、ダンサーローラー22と、ロータリーソレノイド23と、ローラ24a〜24dと、弓25と、無線子機26と、制御部27と、スリップリング28と、を備えている。
この例では3本の線材Sが撚られるが、うち2本がスキュー管理の対象であり、他の1本はスキュー管理しない線材である。

0025

繰り出しボビン21は、線材Sが巻回される部材である。繰り出しボビン21は、ボビン軸の周りに回転(例えば、図1の矢印A方向に回転)することで巻回された線材Sを繰り出す。繰り出しボビン21は、繰り出しモータ21aに連結されている。

0026

ダンサーローラー22は、繰り出しボビン21から繰り出された線材Sに所定の張力を付与する。ダンサーローラー22は、アーム22aの一方の端部に連結されており、そのアーム22aの他方の端部にはロータリーソレノイド23が連結されている。

0027

ロータリーソレノイド23は、ダンサーローラー22の位置を移動させる。ロータリーソレノイド23は、回転動作することにより、連結されているアーム22aを介して、例えば図1の矢印B又はCで示す上下方向にダンサーローラー22の位置を移動させる。

0028

ローラ24a〜24dは、繰り出しボビン21から繰り出された線材Sを走行経路に沿ってそれぞれ走行させる。

0029

弓25は、繰り出しボビン21から繰り出された線材Sを弓25に掛けて案内する。また、弓25は、繰り出しボビン21から繰り出された線材Sを回転軸25aの周りに回転させる。弓25は、図示を省略する支持体に対して回転軸25aの周りに回転可能に支持されている。

0030

無線子機26は、後述する測定部3の無線親機32と無線通信可能に構成されている。無線子機26は、情報を書き換え可能なメモリを備えており、無線通信によって無線親機32から受信した情報(例えば線材の張力情報)をメモリに蓄積する。無線子機26は、制御部27と通信可能に接続されている。

0031

制御部27は、繰り出しモータ21a、ロータリーソレノイド23、弓25などの各部と通信可能に接続され、各部の動作を制御する。制御部27は、情報を書き換え可能なメモリを備えており、各部を動作させるための各情報をメモリに蓄積する。具体的には、繰り出しボビン21から線材Sを所定の速度で繰り出すための繰り出しモータ21aの速度指令に関する情報、線材Sに掛かる張力を増加又は減少させるためのロータリーソレノイド23の回転角度指令に関する情報、弓25を所定の速度で回転させるための回転速度指令に関する情報などを蓄積する。

0032

スリップリング28は、弓25及び弓25の回転範囲の内部に配置された繰り出しモータ21a、ロータリーソレノイド23、無線子機26、制御部27等に、外部電源から電力を供給する。スリップリング28は、弓25の回転軸25aの一方の端部に設置されている。

0033

測定部3は、送出部2と同様に、撚線Yを形成するために用いられる線材Sの本数と同じ数だけ設けられている。各々の測定部3は、同じ構造を有しており、張力センサ(張力計の一例)31と、無線親機32と、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)33と、ローラ34a〜34cと、を備えている。

0034

ローラ34aは、送出部2の弓25から送出された線材Sを、弓25の下流側の経路へ案内するローラである。ローラ34b,34cは、線材Sに掛かる張力を測定するために張力センサ31が接続されたローラである。

0035

張力センサ31は、ローラ34bとローラ34cを通過する際の線材Sに掛かる張力を測定する。張力センサ31としては、例えばロードセルタイプのものが用いられる。張力センサ31は、弓25の回転範囲の外部に設置されている。

0036

無線親機32は、送出部2の無線子機26と無線通信可能に構成されている。無線親機32は、情報を書き換え可能なメモリを備えており、張力センサ31で測定された線材Sの張力に関する情報をメモリに蓄積するとともに、蓄積した情報を無線子機26に送信する。無線親機32は、弓25の回転範囲の外部に設置されている。

0037

無線親機32及び無線子機26としては、例えば汎用無線LAN(Local Area Network)などで使用される2.4GHz程度の周波数デジタル信号を無線通信可能なものを採用することができる。なお、撚線の製造装置1の内部は、回転する部品によって摩擦熱が生じるため、無線親機32及び無線子機26は、0℃から70℃の温度範囲で無線通信が可能な構成とされていることが好ましい。また、無線親機32と無線子機26との離間間隔直線距離にして2.0m以下となるように、無線親機32と無線子機26とを設置することが好ましい。このような離間間隔は、発信される信号の出力を大きくせずとも十分に通信可能な距離である。

0038

PLC33は、張力センサ31、無線親機32などの各部と通信可能に接続され、予め記憶されているプログラムを実行して各部の動作を制御する。

0039

撚合部4は、ダイス41と、巻取機42と、を備えている。
ダイス41は、各測定部3の各ローラ34bを通過した各線材Sを集めるとともに集めた状態の各線材Sを巻取機42に向けて案内する。
巻取機42は、ダイス41から案内されてきた各線材Sを撚り合せるとともに撚り合わされた撚線Yを巻き取る。

0040

次に、図2を参照して、撚線の製造装置1を用いた撚線の製造方法について説明する。
繰り出しボビン21からローラ24aを経由して繰り出された線材Sは、ローラ24bからダンサーローラー22を経由した後に再びローラ24bを通過して弓25に案内される。その後、ローラ24c,24dを経由して弓25に掛けられた線材Sは、弓25の形状に沿って送られ、弓25の端部から送出された後に、弓25の回転範囲の外部に設けられたローラ34aに案内される(ステップS1)。繰り出しボビン21から繰り出される線材Sの線速は、例えば50〜100m/分となるように設定することができる。

0041

ローラ34aを通過した線材Sは、ローラ34bからローラ34cへと案内され、ローラ34b,34cに接続されている張力センサ31によって線材Sに掛かる張力が測定される(ステップS2)。張力センサ31による張力の測定は、所定のタイミングで行われ、測定された情報は、PLC33に送信される。PLC33に送信された情報は、無線親機32に送信されて無線親機32に搭載されたメモリに蓄積される(ステップS3)。

0042

無線子機26から無線親機32に対してデータ送信の開始を要求する信号が送信されると、無線親機32は、メモリに蓄積した線材Sの張力に関する情報を無線子機26に向けて所定のタイミングで送信する(ステップS4)。

0043

無線子機26は、無線親機32から送信されてきた線材Sの張力に関する情報を受信し、受信した情報をメモリに蓄積する。制御部27は、無線子機26のメモリに蓄積された線材Sの張力に関する情報を演算処理し、その演算処理した情報に基づいてロータリーソレノイド23の動作を制御する。制御部27は、ロータリーソレノイド23を回転動作させることにより、ロータリーソレノイド23に連結されているアーム22aにトルクを付与してダンサーローラー22の位置を制御(調節)する。制御部27は、張力センサ31によって測定される線材Sに掛かる張力の値(測定値)が、予め定められた所定の値(目標値)になるように、張力センサ31で測定された張力の値に基づいてダンサーローラー22の位置をフィードバック制御する(ステップS5)。

0044

例えば、張力センサ31で測定された線材Sの張力の測定値が予め定められた張力の目標値より大きい場合、制御部27は、ダンサーローラー22の位置を図1の矢印Bに示す上方向へ移動させる。このダンサーローラー22の移動によってダンサーローラー22に掛けられた線材Sのパスラインは矢印Bに示す上方向へ縮み、線材Sに掛かる張力が減少する。これにより、張力センサ31で測定される線材Sの張力の値は小さくなる。また例えば、張力センサ31で測定された線材Sの張力の測定値が予め定められた張力の目標値より小さい場合、制御部27は、ダンサーローラー22の位置を図1の矢印Cに示す下方向へ移動させる。この移動によってダンサーローラー22に掛けられた線材Sのパスラインは矢印Cに示す下方向へ伸ばされ、線材Sに掛かる張力が増加する。これにより、張力センサ31で測定される線材Sの張力の値は大きくなる。

0045

このようにして線材Sに掛かる張力を調整された各線材Sは、各ローラ34cを通過した後にダイス41によって集められ、巻取機42へ送られる(ステップS6)。巻取機42は、集められた各線材の走行方向の周りの方向(図1の矢印Eの示す方向)へ回転することによって、各線材を撚り合わせる(ステップS7)。また、巻取機42は、例えば図1の矢印Fに示す方向へ回転することによって、撚り合わされた撚線Yを巻き取る。

0046

このとき、集められた各線材の走行方向の周りへの巻取機42の回転(矢印E方向の回転)に同期して、弓25が回転する。弓25は、例えば図1に示すように、左右方向に延びる回転軸25aの周りに矢印Dで示される方向へ回転する。巻取機42と弓25とは、例えば図1の矢印Dと矢印Eとに示すように、左右方向に延びる線材S及び回転軸25aの周りに同じ方向に回転する。弓25により各線材Sはいわゆる撚り返しがなされる。このとき、弓25の回転範囲の内部に設けられている繰り出しボビン21、ダンサーローラー22、ロータリーソレノイド23などの各部材は回転せず固定されている。

0047

このようにして、各線材Sに掛かる張力がいずれも所定の値になるように形成された撚線Yが製造される。

0048

ところで、従来の線状体送出装置では下記の技術的課題があった。特許文献1に記載されるような線状体送出装置は、ダンサーローラーの変動をバネが吸収することでブレーキシューの位置が変化し、線状体送出ボビンが有するブレーキホイールに対するブレーキシューの制動力が調整される構成であった。

0049

この従来構成は、ダンサーローラーの位置の変動を機械的構成によって受動的に張力の調整に利用する仕組みのため、ダンサーローラーが変動してからブレーキホイールが減速して張力が調整されるまでにかかる時間がかかり、張力制御応答性が低いものであった。また、従来構成では、張力の変動を吸収しきれない場合があった。このように、従来構成では張力の細かい制御ができなかった。さらに、短時間でブレーキシューの摩耗が発生し、制動力が低下して張力が変動してしまう場合があった。また、ボビン軸が強制駆動ではないため、ボビン重量による回転の慣性力や線速の影響を受けて線材にかかる張力が変動しやすかった。

0050

このように、従来の線状体送出装置では、各線材の張力にばらつきが生じて、スキューを決定する要素の一つである線長差(隣合う2芯間の長さのずれ)が規格外となり、各線材を伝わる信号間の遅延時間差が大きくなって、スキュー不良が発生してしまう場合があった。

0051

そこで、上述した実施形態の撚線の製造装置及び撚線の製造方法では、各線材S毎に各張力センサ31で測定された張力の値を用いて、各線材Sに掛かる張力がそれぞれ同じ所定の値(目標値)となるように各ダンサーローラー22の位置をフィードバック制御している。このため、本実施形態では従来よりも線材にかかる張力を直接的に調整することができるため、各線材Sに対して行われる張力制御の応答性を高くすることができる。

0052

また、本例では各張力センサ31で測定された張力の値を用いて各ダンサーローラー22の位置をフィードバック制御するため、ボビン重量による回転の慣性力や線速が張力制御に与える影響を小さくすることができる。また、ブレーキシューを用いない構成であるため、ブレーキシューの摩耗や制動力の変動の影響を受けない。

0053

このように、本例によれば、各線材Sに掛かる張力を従来よりも細かく調整することが可能となる。したがって、各線材Sに掛かる張力のばらつきを小さくすることができ、撚線Yにおける各線材S間の線長差の発生を抑制する。撚線Yのうちの差動伝送に使用される線材S間での線長差が少ないので、撚線Yのスキュー特性の低下を抑制することができる。

0054

また、張力センサ31を弓25の回転範囲の外部に設置している。このため、弓25の回転動作が線材Sの張力測定に与える影響を低減させることができ、各線材Sに対して安定した状態で正確に張力を測定することができる。また、張力センサ31の測定値の精度が向上することで、より正確にダンサーローラー22の位置を制御することができ、各線材Sの張力を安定した範囲内に維持することができる。

0055

また、高速回転する弓内外の制御部とスリップリングを介して電気信号を送受信する構成では、フィードバック制御に用いるような微弱な電気信号を安定して送受信することができない。

0056

これに対し、本例では、各張力センサ31で測定された張力の電気信号がPLC33でデジタル化され、この電気信号が線材Sの張力に関する情報として弓25の内外間にそれぞれ設置された無線子機26と無線親機32との間で無線通信される。このため、弓25の回転動作が弓25の内外に送受信される電気信号へ与えるノイズ等の影響を低減することができ、正確に情報を伝達することができる。これにより、正確な張力に基づいてダンサーローラー22の位置を精度良く制御することができる。

0057

また、弓25に掛けられた各線材Sを弓25の回転によって巻取機42の回転に同期して回転させているので、巻取機42の撚り合せに対して各々の線材Sを撚り返すことができ、巻取機42の回転によって撚り合わされる撚線Yに捻り力が蓄積されることを抑制することができる。

0058

なお、本実施形態に係る撚線の製造装置及び撚線の製造方法を用いて、例えば2〜7本の線材Sを撚り合せ撚線Yを製造することができる。スキュー管理が必要な電線は2本、4本、6本であり、スキュー管理の必要のない電線をそれと合わせて撚り合わせることがある。例えば、スキュー管理必要な電線が4本(2対)であり、スキュー管理しない電線3本を合わせて合計7本を撚り合わせることができる。本発明の製造装置および製造方法では、各線材Sに掛かる張力のばらつきを目標値±5%以内に抑えることができた。これにより、撚線Yのスキュー値を3.4ps/m以下とすることができた。一方、従来の方法で撚線を製造したところ、各線材Sに掛かる張力のばらつきは目標値±30%以内の範囲であり、撚線Yのスキュー値は10.1ps/mであった。

0059

以上のことから、本例によれば、各線材Sに掛かる張力のばらつきを小さくすることができ、撚線Yにおける各線材S間の線長差の発生を抑制して、撚線Yのスキュー特性の低下を抑制することができることが確認できた。

0060

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

0061

1:撚線の製造装置
2:送出部
3:測定部
4:撚合部
21:繰り出しボビン(繰出部の一例)
21a:繰り出しモータ
22:ダンサーローラー
22a:アーム
23:ロータリーソレノイド
24a〜24e,34a〜34c:ローラ
25:弓
25a:回転軸
26:無線子機
27:制御部
28:スリップリング
31:張力センサ(張力計の一例)
32:無線親機
33:PLC
41:ダイス
42:巻取機
S:線材
Y:撚線

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  • 芦森工業株式会社の「 ロープ」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】芯部のストランドがヤーンを撚り合せていないので強度の低下がなく、且つストランドが柔軟であってそれを容易に組み合わせることができるロープ。【解決手段】複数の繊維からなるヤーンを複数本集束し、その... 詳細

  • セーレン株式会社の「 ロープ及び保護テープ」が 公開されました。( 2020/04/02)

    【課題】耐久性に優れたロープ及びロープの保護テープの提供。【解決手段】ロープは、ロープ本体と、帯状の保護テープ30を備える。保護テープ30は、積層される第一層32及び第二層34を含む。保護テープ30は... 詳細

  • 山田実業株式会社の「 合成繊維ロープおよびその製造方法」が 公開されました。( 2020/04/02)

    【課題】撚りが乱れにくくキンクの発生が抑制され、しかも高強度合成繊維本来の強力に対する利用率が高いうえ、しなやかで扱い易い、合成繊維ロープおよびその製造方法を提供する。【解決手段】 高強度合成繊維と... 詳細

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