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技術 溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置及び抵抗溶接制御装置

出願人 株式会社アマダミヤチ
発明者 並木三夫矢野貴洋
出願日 2014年9月8日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2014-182277
公開日 2016年4月21日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-055306
状態 特許登録済
技術分野 スポット溶接 衝撃電圧、衝撃電流の発生他
主要キーワード 監視結果情報 商用交流周波数 現場作業員 監視値 ディジタル演算処理 交流インバータ 三相交流電源電圧 ロゴスキーコイル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

溶接電流に関する電流測定値監視機能制御機能の精度および信頼性を向上させること。

解決手段

抵抗溶接監視装置32は、1次および2次電流センサ34,36、1次電流測定回路38、波形復元回路40、2次電流測定回路42および主演算処理部44を備えている。当該抵抗溶接機10において被溶接材Wに対する抵抗溶接が行われるときは、積分回路演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38)より得られる1次電流測定値MI1をトランス巻数比換算して得られる2次電流測定値を溶接電流測定値として表示部48の画面上に出力する。さらに、抵抗溶接の本通電とは別に、溶接トランス16の巻数比を求めるためのテスト通電においても動作し、溶接トランス16の巻数比を求めるための所要信号処理および演算処理を行う。

概要

背景

抵抗溶接加工やヒュージング加工において、溶接電流は最も重要な溶接条件であり、溶接電流の測定、監視または制御は正確でなければならない。従来より、抵抗溶接機またはヒュージング加工機において、溶接電流の測定、監視または制御を行う場合は、電流センサトロイダルコイル(“ロゴスキーコイル”とも称される。)が多く用いられている。トロイダルコイルは、溶接トランス2次側回路の一部(2次導体)に装着され、磁気飽和することなく通常10kA以上の溶接電流を正確に検出することができる。

ただし、トロイダルコイルより出力される信号は、溶接電流の微分波形を表すものであり、そのままでは電流測定値演算には適さない。そこで、演算増幅器オペアンプ)からなる積分回路によりトロイダルコイルの出力信号を時間積分して、溶接電流の波形を表す積分値信号または電流復元波形信号を生成し、この電流復元波形信号を信号処理または演算回路に通して溶接電流の測定値実効値ピーク値等)を求めるようにしている。

概要

溶接電流に関する電流測定値、監視機能制御機能の精度および信頼性を向上させること。抵抗溶接監視装置32は、1次および2次電流センサ34,36、1次電流測定回路38、波形復元回路40、2次電流測定回路42および主演算処理部44を備えている。当該抵抗溶接機10において被溶接材Wに対する抵抗溶接が行われるときは、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38)より得られる1次電流測定値MI1をトランス巻数比換算して得られる2次電流測定値を溶接電流測定値として表示部48の画面上に出力する。さらに、抵抗溶接の本通電とは別に、溶接トランス16の巻数比を求めるためのテスト通電においても動作し、溶接トランス16の巻数比を求めるための所要の信号処理および演算処理を行う。 A

目的

本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、溶接電流に関する電流測定値、監視機能、制御機能の精度および信頼性を向上させる溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置を提供する。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

溶接電源より溶接トランスを介して被溶接材に供給される溶接電流電流値を測定する溶接電流測定装置であって、前記溶接トランスの1次側回路に設けられる一次電流センサを有し、前記一次電流センサの出力信号に基づいて前記1次側回路を流れる1次電流電流測定値を求める1次電流測定部と、前記溶接トランスの2次側回路に設けられる2次電流センサを有し、前記2次電流センサの出力信号に基づいて前記2次側回路を流れる2次電流の電流測定値を求める2次電流測定部と、テスト通電において、前記1次電流測定部および前記2次電流測定部よりそれぞれ得られる前記1次電流および前記2次電流の電流測定値から前記溶接トランスの巻数比を算出する巻数比演算部と、前記被溶接材を抵抗溶接するための本通電において、前記1次電流測定部により得られる前記1次電流の電流測定値を前記巻数比演算部により算出された前記巻数比を用いて前記2次電流の電流測定値に換算し、換算した前記2次電流の電流測定値を前記溶接電流の電流測定値として出力する電流換算部とを具備する溶接電流測定装置。

請求項2

前記一次電流センサは、前記1次電流の電流波形を表す信号を出力する、請求項1に記載の溶接電流測定装置。

請求項3

前記2次電流センサは、前記2次電流の電流微分波形を表す信号を出力する、請求項1または請求項2に記載の溶接電流測定装置。

請求項4

前記2次電流測定部は、前記2次電流センサの出力信号を時間積分して、前記2次電流の電流波形を表す信号を出力する積分回路を有する、請求項3に記載の溶接電流測定装置。

請求項5

前記1次電流測定部は、前記一次電流の電流測定値の演算を開始するタイミングに、前記2次電流センサの出力信号を用いる、請求項4に記載の溶接電流測定装置。

請求項6

前記テスト通電において、通電時間は0.5〜1.5秒であり、前記1次電流測定部および前記2次電流測定部よりそれぞれ得られる前記1次電流および前記2次電流の電流測定値は前記通電時間の一部または全部の期間にわたる前記1次電流および前記2次電流の相加平均実効値である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶接電流測定装置。

請求項7

請求項1〜6のいずれか一項に記載の溶接電流測定装置と、前記溶接電流の電流値について所望の監視値を設定する監視値設定部と、前記本通電において、前記電流換算部より得られた前記溶接電流の電流測定値を前記監視値と比較して、監視結果を出力する判定部とを有する抵抗溶接監視装置

請求項8

請求項1〜6のいずれか一項に記載の溶接電流測定装置と、前記溶接トランスの1次側回路または2次側回路に設けられる電流制御素子と、前記溶接電流の電流値について所望の基準値を設定する基準値設定部と、前記本通電において、前記電流換算部より所定のサイクル毎に得られる前記溶接電流の電流測定値が前記基準値に一致または近似するように、前記電流制御素子を制御する制御部とを有する抵抗溶接制御装置

技術分野

0001

本発明は、抵抗溶接加工やヒュージング加工において溶接電流の測定、監視および制御に用いられる溶接電流測定装置抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置に関する。

背景技術

0002

抵抗溶接加工やヒュージング加工において、溶接電流は最も重要な溶接条件であり、溶接電流の測定、監視または制御は正確でなければならない。従来より、抵抗溶接機またはヒュージング加工機において、溶接電流の測定、監視または制御を行う場合は、電流センサトロイダルコイル(“ロゴスキーコイル”とも称される。)が多く用いられている。トロイダルコイルは、溶接トランス2次側回路の一部(2次導体)に装着され、磁気飽和することなく通常10kA以上の溶接電流を正確に検出することができる。

0003

ただし、トロイダルコイルより出力される信号は、溶接電流の微分波形を表すものであり、そのままでは電流測定値演算には適さない。そこで、演算増幅器オペアンプ)からなる積分回路によりトロイダルコイルの出力信号を時間積分して、溶接電流の波形を表す積分値信号または電流復元波形信号を生成し、この電流復元波形信号を信号処理または演算回路に通して溶接電流の測定値実効値ピーク値等)を求めるようにしている。

先行技術

0004

特許第2562691号

発明が解決しようとする課題

0005

上記のように、溶接電流の測定にトロイダルコイルを用いる場合は、トロイダルコイルより出力された電流微分波形信号を積分回路に通して、溶接電流の波形を復元するようにしている。しかしながら、実際には、積分回路を構成する演算増幅器におけるオフセット電圧の影響により、積分値信号(電流復元波形信号)の基準値またはゼロ点ベル正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。その結果、電流復元波形信号に対してなされる後段のA/D変換や実効値演算等の信号処理にも誤差が生じて、溶接電流測定値の精度が低下し、ひいては溶接電流の監視や制御においても信頼性が低下し、このことが従来技術の問題となっている。

0006

本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、溶接電流に関する電流測定値、監視機能制御機能の精度および信頼性を向上させる溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明の溶接電流測定装置は、溶接電源より溶接トランスを介して被溶接材に供給される溶接電流の電流値を測定する溶接電流測定装置であって、前記溶接トランスの1次側回路に設けられる1次電流センサを有し、前記1次電流センサより得られる電流検出信号に基づいて前記1次側回路を流れる1次電流の電流測定値を求める1次電流測定部と、前記溶接トランスの2次側回路に設けられる2次電流センサを有し、前記2次電流センサより得られる電流検出信号に基づいて前記2次側回路を流れる2次電流の電流測定値を求める2次電流測定部と、テスト通電において、前記1次電流測定部および前記2次電流測定部よりそれぞれ得られる前記1次電流および前記2次電流の電流測定値から前記溶接トランスの巻数比を算出する巻数比演算部と、前記被溶接材を抵抗溶接するための本通電において、前記1次電流測定部により得られる前記1次電流の電流測定値を前記巻数比演算部により算出された前記巻数比を用いて前記2次電流の電流測定値に換算し、換算した前記2次電流の電流測定値を前記溶接電流の電流測定値として出力する電流換算部とを有する。

0008

上記構成の溶接電流測定装置においては、抵抗溶接の本通電とは別途にテスト通電を行い、溶接トランスの1次側回路で流れた1次電流を1次電流センサおよび1次電流測定部により測定すると同時に、2次側回路で流れた2次電流を2次電流センサおよび2次電流測定部により測定し、1次電流および2次電流の電流測定値から溶接トランスの巻数比を算出する。以後、抵抗溶接の本通電が行われるときは、2次電流測定部を使わずに、1次電流測定部より得られる1次電流の電流測定値を上記テスト通電で求めた巻数比を用いて2次電流の電流測定値に換算したものを溶接電流の電流測定値とする。

0009

通常、1次電流の電流値は2次電流の電流値より桁違いに小さいため、1次電流センサには1次電流の電流波形を表す信号を出力する(つまり、波形復元のための積分回路を不要とする)タイプの電流センサを使える。このことにより、本通電の通電時間を任意に長く設定しても、電流波形信号のゼロ点レベルが変動せずに一定に保たれるので、1次電流測定部より精度の高い電流測定値が得られる。しかも、テスト通電によって求めた溶接トランスの巻数比を用いて、1次電流の電流値を2次電流の電流値(溶接電流の電流測定値)に換算するので、現場作業員の誤った設定入力等の人為的なミスが入る可能性は絶対になく、溶接トランスの交換、変更またはタップ切換等があってもテスト通電によって自動的に対応できるため、溶接電流測定の精度、安定性および信頼性を向上させることができる。

0010

本発明の抵抗溶接監視装置は、上記溶接電流測定装置と、前記溶接電流の電流値について所望の監視値を設定する監視値設定部と、前記本通電において、前記電流換算部より得られた前記溶接電流の電流測定値を前記監視値と比較して、監視結果の情報を出力する判定部とを有する。

0011

上記構成の抵抗溶接監視装置においては、上記溶接電流測定装置より得られる電流測定値に基づいて溶接電流の監視を行うので、監視機能の精度、安定性および品質管理の信頼性を向上させることができる。

0012

また、本発明の抵抗溶接制御装置は、上記溶接電流測定装置と、前記溶接トランスの1次側回路または2次側回路に設けられる電流制御素子と、前記溶接電流の電流値について所望の基準値を設定する基準値設定部と、前記本通電において、前記電流換算部より所定のサイクル毎に得られる前記溶接電流の電流測定値が前記基準値に一致または近似するように、前記電流制御素子を制御する制御部とを有する。

0013

上記構成の抵抗溶接制御装置においては、上記溶接電流測定装置より得られる電流測定値に基づいて溶接電流に対するフィードバック制御を行うので、定電流制御の精度、安定性および信頼性を向上させることができる。

発明の効果

0014

本発明の溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置によれば、上記のような構成および作用により、溶接電流測定値の精度、安定性および信頼性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0015

単相交流式抵抗溶接機に適用した本発明の一実施例における溶接電流監視装置の構成を示すブロック図である。
上記抵抗溶接監視装置における主演算処理部の機能的な構成を示すブロック図である。
図1Aの抵抗溶接監視装置における第1および第2の電流センサおよび波形復元回路の出力の波形を示す波形図である。
直流インバータ式抵抗溶接機に適用した本発明の一実施例における抵抗溶接監視装置の構成を示すブロック図である。
図3の抵抗溶接監視装置における第1および第2の電流センサおよび波形復元回路の出力の波形を示す波形図である。
図4Aの一部を拡大して示す部分拡大波形図である。
交流インバータ式抵抗溶接機に適用した本発明の一実施例における抵抗溶接制御装置の構成を示すブロック図である。
図5の抵抗溶接制御装置における第1および第2の電流センサおよび波形復元回路の出力の波形を示す波形図である。
図6Aの一部を拡大して示す部分拡大波形図である。

実施例

0016

以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。

〔単相交流式抵抗溶接機における抵抗溶接監視装置の実施例〕

0017

図1A図1Bおよび図2を参照して、単相交流式抵抗溶接機に使用可能な抵抗溶接監視装置に本発明を適用した一実施例(第1の実施例)について説明する。

0018

図1Aにおいて、単相交流式抵抗溶接機10の入力端子P,Qには、たとえば工場内の主電源装置(図示せず)より電源ラインを介して商用周波数交流電源電圧E0が入力される。抵抗溶接が行われるときは、この交流電源電圧E0が一対のサイリスタ12,14からなるコンタクタを介して溶接トランス16の1次コイル印加され、電磁誘導により2次コイルの両端間に得られる2次電圧加圧機構付きの溶接ヘッド(図示せず)に取り付けられた一対の溶接電極18,20を介して被溶接材W(22,24)に印加される。これにより、溶接トランス16の2次側回路を溶接電流Iw が流れ、被溶接材W(22,24)の溶接継手部がジュール熱により溶け冶金的に接合する。溶接電流制御部26は、商用周波数の各半サイクル毎に溶接電流Iw の電流値(実効値)が溶接電流設定部28より与えられる設定値に一致または近似するように、点弧パルス発生回路30を通じてサイリスタ12,14の点弧角を制御する。

0019

この単相交流式抵抗溶接機10では、抵抗溶接の品質管理を図るために抵抗溶接監視装置32を用いる。この抵抗溶接監視装置32は、溶接通電において溶接トランス16の2次側回路を流れた溶接電流Iwの電流値を測定して溶接電流測定値を表示出力するとともに、溶接電流測定値が予め設定した監視値の範囲内に収まっているか否かを監視して監視結果を表示出力するように構成されている。

0020

図1Aに示すように、抵抗溶接監視装置32は、溶接トランス16の1次側回路に設けられる1次電流センサ34と、2次側回路に設けられる2次電流センサ36とを有している。

0021

1次電流センサ34は、溶接トランス16の1次側回路を流れる1次電流I1の電流波形を表す信号(電流波形信号)SI1を出力するタイプの電流センサたとえばホールCTで構成される。ホールCTの場合、1次電流センサ34は、1次側回路の一部(1次導体)を取り囲むリング状の磁気コアと、この磁気コアのギャップに取り付けられるホール素子とを有している。このホール素子により、1次電流I1によって発生した磁界を検出して電圧信号SI1に変換するようになっている。

0022

2次電流センサ36は、溶接トランス16の2次側回路を流れる2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を微分した波形を表す信号(電流微分波形信号)DI2を出力するタイプの電流センサたとえばトロイダルコイルで構成される。トロイダルコイルの場合、2次電流センサ36は、2次側回路の一部(2次導体)を取り囲むように巻架される。2次電流I2によって発生した磁界がトロイダルコイルのコイルに鎖交すると、電磁誘導により2次電流I2の時間変化率(微分)に比例した電圧がコイルに生成される。この電圧を出力信号DI2として取り出すようにしている。

0023

抵抗溶接監視装置32は、上記1次および2次電流センサ34,36の他に、1次電流測定回路38、波形復元回路40、2次電流測定回路42、主演算処理部44、入力部46および表示部48を備えている。

0024

溶接トランス16の1次側において、1次電流測定回路38は、1次電流センサ34より出力されるアナログの電流波形信号SI1をA/D変換器によりディジタル信号に変換して、1次電流I1の電流測定値(各半サイクル毎の実効値、通電時間の一部または全期間にわたる相加平均実効値、ピーク値等)MI1をディジタル演算処理によって求めるように構成されている。なお、1次電流測定回路38は、2次電流センサ36の出力信号(電流微分波形信号)を演算開始のタイミングに用いるようにしている。

0025

溶接トランス16の2次側において、波形復元回路40は、演算増幅器(オペアンプ)を含む積分回路からなり、2次電流センサ36より出力されるアナログの電流微分波形信号DI2を時間積分して、2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を表す電流復元波形信号SI2を出力する。2次電流測定回路42は、波形復元回路40より出力されるアナログの電流復元波形信号SI2をA/D変換器によりディジタル信号に変換して、2次電流I2の電流測定値(各半サイクル毎の実効値、通電時間の一部または全期間にわたる相加平均実効値、ピーク値、通電時間等)MI2をディジタル演算処理によって求めるように構成されている。

0026

主演算処理部44は、1次電流測定回路38、2次電流測定回路42および入力部46よりそれぞれ1次電流測定値、2次電流測定値および各種設定値(あるいは制御信号指令等)を入力し、入力信号または入力データについて所要の演算処理を行い、演算結果を表示部48の画面上に表示出力するように構成されている。

0027

この抵抗溶接監視装置32は、当該抵抗溶接機10において被溶接材Wに対する抵抗溶接が行われるときは、上記のようにその抵抗溶接のための通電(本通電)で2次側回路を流れた溶接電流IWの電流値を測定および監視して、測定結果および監視結果を表示部48の画面上に出力するようになっている。さらに、この実施形態では、抵抗溶接の本通電とは別に、溶接トランス16の巻数比を求めるための後述するテスト通電が随時または定期的に行われるようになっている。抵抗溶接監視装置32は、テスト通電においても動作し、溶接トランス16の巻数比nを求めるための所要の信号処理および演算処理を行うようになっている。

0028

図1Bに、この実施形態の抵抗溶接監視装置32における主演算処理部44の機能的な構成を示す。主演算処理部44は、マイクロコンピュータを含み、機能的な構成として、巻数比演算部50、巻数比記憶部52、電流換算部54、監視値設定部56および判定部58を有している。

0029

巻数比演算部50は、テスト通電が行われるときに機能し、1次電流測定回路38および2次電流測定回路42でそれぞれ得られた1次電流測定値MI1および2次電流測定値MI2を取り込んで、両電流測定値の比MI2/MI1を溶接トランス16の巻数比nとして算出する。巻数比演算部50で得られた巻数比nの値(データ)は、巻数比記憶部52に格納(保存)される。

0030

なお、巻数比nの演算に用いられる1次電流測定値MI1および2次電流測定値MI2は、交流周波数半サイクル毎に得られる1次電流I1および2次電流I2の実効値を通電時間の一部の期間または全期間にわたって平均した値(相加平均実効値)である。また、巻数比nは、整数の値に限らず、小数点以下の詳しい値まで算出される。

0031

電流換算部54は、抵抗溶接のための本通電が行われるときに機能し、1次電流測定回路38で得られた1次電流測定値(相加平均実効値、ピーク値)MI1を取り込むとともに、巻数比記憶部52より巻数比nの値(データ)を読み出し、1次電流測定値MI1に巻数比nを乗じて2次電流測定値(相加平均実効値、ピーク値)MI2を求める。この2次電流測定値MI2は、溶接電流IWの電流測定値MIWとして監視値設定部56および表示部48に与えられる。

0032

監視値設定部56には、溶接電流IWの電流値について入力部46より入力された監視値たとえば上限値および/または下限値が設定される。判定部58は、抵抗溶接の本通電が行われるときに機能し、電流換算部54で1次電流測定値MI1から換算された2次電流測定値MI2つまり溶接電流測定値MIWが監視値の範囲内に収まっているか否かを検査して、判定(監視)結果を表示部48に与える。表示部48は、抵抗溶接の本通電では溶接電流測定値MIWおよび判定結果を表示するとともに、テスト通電では巻数比演算部50で得られたトランス巻数比nの値を表示する。

0033

この実施例におけるテスト通電は、当該抵抗溶接機10に組み込まれている溶接トランス16の巻数比を抵抗溶接監視装置32における信号処理および演算処理により求めるために、抵抗溶接時の通電とは別途に随時または定期的に行われる。たとえば、当該抵抗溶接機10において、溶接トランス16の取付または交換が行われたときや、二次側コイルのタップが切り替えられたとき、あるいは抵抗溶接監視装置32の使用を開始するときに、テスト通電を実施してよい。

0034

テスト通電では、抵抗溶接の本通電と同様に、溶接電流制御部26によりサイリスタ12,14の点弧制御が行われ、当該抵抗溶接機10の1次側回路および2次側回路で1次電流I1および2次電流I2がそれぞれ流れる。ただし、テスト通電の通電時間は、1次電流I1および2次電流I2について信頼できる電流測定値を得るのに必要な最小限の時間よりは長く、波形復元回路40内の信号処理(時間積分)において演算増幅器のオフセットの影響が出始める時間よりも短い時間(たとえば0.5〜1.5秒)に設定される。また、フィードバック方式の定電流制御を行わない場合、サイリスタ12,14の点弧角または点弧位相は通電時間を通じて一定値に保持される。好ましくは、当該抵抗溶接機10において2次電流I2の電流値が最大になる点弧位相が設定される。

0035

図2に、テスト通電において得られる1次および2次電流センサ34、36の出力波形および波形復元回路40の出力波形の一例を示す。1次および2次電流センサ34、36の出力信号SI1,DI2の波形は本通電のときと同じである。1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1は1次電流I1の電流波形を表し、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2は2次電流I2の電流微分波形を表し、波形復元回路40の出力信号SI2は2次電流センサ36の出力DI2を時間積分した波形、つまり2次電流I2の電流波形を表す。

0036

図示のように、1次電流I1の通電角と2次電流I1の通電角とは一致している。商用交流周波数の各半サイクルにおいて、通電(点弧)を開始する際に、1次電流I1および2次電流I2の立ち上がり正弦波のように比較的緩やかである(このため起動のタイミングが判別しにくい)のに対して、2次電流センサ36の出力信号DI2の立ち上がりはパルスのように急峻である(このため起動のタイミングが判別しやすい)。また、波形復元回路40は時間積分の信号処理に演算増幅器を有しているため、通電時間がある臨界点(通常2秒前後)を超えると、波形復元回路40の出力信号SI2においてはゼロ点レベルZL0が図中の点線ZL+もしくはZL-のように正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。

0037

この実施形態では、このように商用周波数の各半サイクルにおいて通電(点弧)開始時に2次電流センサ36の出力信号(電流微分波形信号)DI2がパルス状に急峻に立ち上がる特性を、2次電流測定回路42のみならず1次電流測定回路38も実効値演算処理の開始のタイミングに利用する。具体的には、1次電流測定回路38は、テスト通電開始直後の最初の半サイクルにおいてのみ、2次電流センサ36の出力信号DI2が立ち上がるタイミングを実効値演算処理の開始のタイミングに用いる。後続の各半サイクルでは、商用周波数に応じたクロックまたはタイマによる一定周期のタイミングで実効値演算処理を繰り返し行う。

0038

上記のように、1次電流測定回路38は、1次電流センサ34の出力信号SI1に基づいて、各半サイクル毎に1次電流I1の実効値を演算するとともに、テスト通電の通電時間の一部の期間または全期間にわたる1次電流I1の相加平均実効値MI1を演算する。一方、2次電流測定回路42は、波形復元回路40の出力信号(電流復元波形信号)SI2に基づいて、各半サイクル毎に2次電流I2の実効値を演算するとともに、テスト通電の通電時間の一部の期間または全期間にわたる2次電流Iの相加平均実効値MI2を演算する。たとえば、テスト通電の通電時間を1秒に設定し、通電時間の全期間を測定時間とする場合は、各半サイクル分の実効値を100個算術平均した値つまり相加平均実効値MI1,MI2が演算される。

0039

テスト通電によって得られた溶接トランス16の巻数比nの値は、表示部48の画面上に表示されるとともに、巻数比記憶部52に保存される。この場合、今回のテスト通電で取得された巻数比nの値がそれまで保存されていた巻数比nの値と異なる場合は、巻数比記憶部52において巻数比nの更新新旧交代)を行ってよい。表示部48上で表示された巻数比nの値は、ユーザを通じて溶接電流制御部26における1次側および2次側間の設定値や制御値等の換算に用いられる。

0040

抵抗溶接のための本通電では、被溶接材Wの材質や溶接継手の形態等に応じて任意の通電時間が設定される。したがって、通電時間が数秒以上に及ぶことがある。

0041

本通電においても、1次電流センサ(ホールCT)34は、溶接トランス16の1次側回路を流れる1次電流I1の電流波形を表す信号SI1を出力する。そして、1次電流測定回路38は、1次電流センサ34の出力信号SI1に基づいて、各半サイクル毎に1次電流I1の実効値を演算するとともに、本通電の通電時間の一部の期間または全期間にわたる1次電流I1の相加平均実効値MI1を演算する。また、電流測定値MI1の他の態様として1次電流I1のピーク値や通電時間等を求めることもある。その際、1次電流測定回路38は、本通電の開始直後に、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2の立ち上がりに応動して実効値演算処理を開始する。

0042

一方、波形復元回路40および2次電流測定回路42は、本通電では機能せずに休止状態に保持される。主演算処理部44においては、電流換算部54が、1次電流測定回路38より1次電流測定値MI1を取り込むとともに、巻数比記憶部52より巻数比nの値を読み出し、1次電流測定値MI1に巻数比nを乗じて1次電流測定値MI1を2次電流測定値[MI2]に換算する。そして、判定部58が、電流換算部54からの2次電流測定値[MI2]つまり溶接電流測定値MIWを監視値と比較して、判定(監視)結果を出力する。表示部48は、2次電流測定値[MI2]および判定(監視)結果を表示出力する。

0043

このように、抵抗溶接のための本通電では、2次側の波形復元回路40および2次電流測定回路42を休止状態に保ち、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38)より得られる1次電流測定値MI1をトランス巻数比nを用いて2次電流測定値[MI2]に換算し、換算によって得られた2次電流測定値[MI2]を溶接電流測定値MIWとして出力するので、本通電の通電時間が任意に長くても、1次電流測定値MI1は安定しており、溶接電流測定値MIWも安定している。

0044

また、電流換算部54で1次電流測定値MI1から2次電流測定値[MI2]への換算に用いられる巻数比nは、現在使用されている溶接トランス16について上記のようなテスト通電により求められたものであり、現場作業員の違いや誤入力等の人為的なミスが入る可能性は絶対になく、溶接トランスの交換、変更またはタップ切換等があっても自動的に更新されている。このため、この抵抗溶接監視装置32がユーザに提供する溶接電流測定値MIWおよび監視結果情報の精度および信頼性が大きく向上する。

0045

なお、この実施例では、1次電流測定回路38および2次電流測定回路42が、1次電流I1および2次電流I2について各半サイクル毎の実効値を演算するだけでなく、相加平均実効値の演算も行うようになっている。一変形例として、1次電流測定回路38および2次電流測定回路42は各半サイクル毎の電流実効値のみを演算し、主演算処理部44において相加平均実効値の演算を行う構成とすることも可能である。

〔直流インバータ式抵抗溶接機における抵抗溶接監視装置の実施例〕

0046

図3および図4に、直流インバータ式抵抗溶接機に使用可能な抵抗溶接監視装置に本発明を適用した一実施例(第2の実施例)について説明する。図中、上述した第1の実施例(図1A図1B)のものと同一または同様の構成または機能を有する部分には同一または同様の参照符合を付している。

0047

図3に示す直流インバータ式抵抗溶接機60において、三相商用交流電源端子(R,S,T)より商用周波数の三相交流電源電圧を入力する整流回路62の出力端子には直流の電圧が得られる。この直流電圧は、コイル64とコンデンサ66とからなる平滑回路68で平滑されてからインバータ回路70に入力される。インバータ回路70は、たとえば4個のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)TR1,TR2,TR3,TR4をスイッチング素子とし、入力した直流を高周波スイッチング動作によってパルス状(矩形波)の高周波交流(たとえば1〜10kHz)に変換する。インバータ回路70のスイッチング動作ひいてはその高周波交流出力パルス幅は、溶接電流制御部26'からの制御信号fa、fbによって制御される。より詳細には、溶接電流制御部26'は、インバータ駆動回路72を介して、第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)には第1相の制御信号faを供給し、第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)には第2相(第1相とは逆相)の制御信号fbを供給する。

0048

インバータ回路70より生成される高周波の交流電圧は溶接トランス16の一次コイルに印加され、溶接トランス16の二次コイルには1/n倍(nは巻数比)に降圧された高周波の交流電圧が得られる。この高周波の交流は一対のダイオードD1,D2からなる整流回路により直流に変換され、直流の2次電流I2(溶接電流IW)が溶接電極18,20を介して被溶接材W(22,24)に供給される。この時、1次側回路では、つまりインバータ回路70と溶接トランス16の一次コイルとの間では、2次電流I2と同位相で1/n倍の電流値を有する1次電流I1が流れる。

0049

この直流インバータ式抵抗溶接機60に用いられる抵抗溶接監視装置32は、1次電流センサ34、2次電流センサ36、波形復元回路40、1次電流測定回路38'、2次電流測定回路42'、主演算処理部44'、入力部46および表示部48を有している。

0050

1次電流センサ(ホールCT)34は、1次側回路においてインバータ回路70の出力端子OUT0、OUT1と溶接トランス16の一次コイルとの間の1次導体に取り付けられ、インバータ回路70より出力される高周波の1次電流I1の電流波形を表す信号(電流波形信号)SI1を出力する。一方、2次電流センサ36(トロイダルコイル)は、2次側回路において整流回路(D1,D2)と溶接電極(18,20)との間の2次導体に取り付けられ、2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を微分した波形を表す信号(電流微分波形信号)DI2を出力する。

0051

1次電流測定回路38'および2次電流測定回路42'は、インバータ回路70のスイッチング周波数に同期したクロックに基づいて動作する点を除いては、上記単相交流式抵抗溶接機(図1A)用の1次電流測定回路38および2次電流測定回路42とそれぞれ同様の構成および機能を有する。

0052

この実施例においても、当該抵抗溶接機60に組み込まれている溶接トランス16の巻数比を抵抗溶接監視装置32における信号処理および演算処理により求めるために、抵抗溶接時の通電とは別途にテスト通電が随時または定期的に行われる。1次側回路および2次側回路をそれぞれ流れる一次電流I1および2次電流I2の周波数および波形が異なる点を除いて、テスト通電における抵抗溶接監視装置32内の各部の動作は上記単相交流式抵抗溶接機(図1A)の場合と同じである。

0053

図4Aおよび図4Bに、テスト通電において得られる1次および2次電流センサ34、36の出力波形および波形復元回路40の出力波形の一例を示す。1次および2次電流センサ34、36の出力信号SI1,DI2の波形は本通電のときと同じである。1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1は1次電流I1の電流波形を表し、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2は2次電流I2の電流微分波形を表し、波形復元回路40の出力信号SI2は2次電流センサ36の出力DI2を時間積分した波形、つまり2次電流I2の電流波形を表す。各信号SI1,DI2,SI2の周期THは、インバータ周波数の1サイクルに相当する。

0054

図示のように、通電の開始時に、波形復元回路40の出力信号SI2のみならず1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1の立ち上がりもはっきりしない(このため起動のタイミングが判別しにくい)のに対して、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2の立ち上がりは急峻ではっきりしている(このため起動のタイミングが判別しやすい)。また、波形復元回路40は時間積分の信号処理に演算増幅器を有しているため、通電時間がある臨界点(通常2秒前後)を超えると、波形復元回路40の出力信号DI2においてはゼロ点レベルZL0が図4Aの点線ZL+もしくはZL-のように正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。

0055

このことから、この実施例においても、1次電流測定回路38'は、通電開始時または直後に2次電流センサ36の出力信号DI2が立ち上がるタイミングを実効値演算処理の開始のタイミングに用いる。また、テスト通電の通電時間は、1次電流I1および2次電流I2について信頼できる電流測定値を得るのに必要な最小限の時間よりは長く、波形復元回路40内の信号処理(時間積分)において演算増幅器のオフセットの影響が出始める時間よりも短い時間(たとえば0.5〜1.5秒)に設定される。そして、抵抗溶接のための本通電では、2次側の波形復元回路40および2次電流測定回路42'を休止させて、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38')より得られる1次電流測定値MI1をトランス巻数比nを用いて2次電流測定値[MI2]に換算したものを溶接電流測定値MIWとする。

0056

これにより、本通電の通電時間が任意に長くても、あるいは現場作業員が溶接トランス16の巻数比については何も知らず何の設定もしなくても、抵抗溶接監視装置32は信頼性の高い溶接電流測定値MIWおよび監視情報を提供することができる。

[交流インバータ式抵抗溶接機における抵抗溶接制御装置の実施例]

0057

図5および図6に、交流インバータ式抵抗溶接機に使用可能な抵抗溶接制御装置に本発明を適用した一実施例(第3の実施例)について説明する。図中、上述した第1または第2の実施例(図1A図1B図3)のものと同一または同様の構成または機能を有する部分には同一または同様の参照符合を付してある。

0058

図5に示す交流インバータ式抵抗溶接機80においては、溶接トランス16の2次側に整流回路(D1,D2)は設けられず、2次コイルと溶接電極(18,20)とは2次導体によって短絡的に接続される。これにより、被溶接材Wには交流の溶接電流IWが供給される。

0059

この実施例において、溶接電流制御部26"は、インバータ駆動回路72を介して、第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)には第1相の制御信号fa、第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)には第2相の制御信号fbをそれぞれ供給して、2次側の交流溶接電流IWについて設定される周期TW の半周期TW /2に相当する通電期間TA 毎に交互に選択的に高周波スイッチングする。つまり、交流溶接電流IWの正極の半周期に対応する通電期間TAでは第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)をオフ状態に保持して第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)を高周波数たとえば1〜10kHzでスイッチングし、交流溶接電流の負極の半周期に対応する通電期間TAでは第1組のスイッチング素子(TR1,TR3)をオフ状態に保持して第2組のスイッチング素子(TR2,TR4)を同じ高周波数でスイッチングする。

0060

この実施例において、1次電流センサ34、2次電流センサ36、波形復元回路40、1次電流測定回路38"、2次電流測定回路42"および主演算処理部44"は、抵抗溶接の本通電において電流フィードバック制御に用いられる溶接電流測定部82を構成する。

0061

この溶接電流測定部82において、1次電流センサ(ホールCT)34は、インバータ回路70より出力される高周波の1次電流I1の電流波形を表す信号(電流波形信号)SI1を出力する。一方、2次電流センサ36(トロイダルコイル)は、2次電流I2(溶接電流IW)の電流波形を微分した波形を表す信号(電流微分波形信号)DI2を出力する。1次電流測定回路38"および2次電流測定回路42"は、インバータ回路70のスイッチング周波数に同期したクロックに基づいて動作し、インバータ周波数の各サイクル毎に1次電流I1および2次電流I2の実効値をそれぞれ演算する。この実施例における1次電流測定回路38"および2次電流測定回路42"は、テスト通電では通電時間の一部または全期間にわたる相加平均実効値まで演算するが、抵抗溶接の本通電では通電時間を通じて各サイクル毎に実効値をリアルタイムに出力する。

0062

主演算処理部44"は、機能的には上記第1の実施例における主演算処理部44(図1B)と同様の構成および機能を有する。より詳細には、巻数比演算部50は、テスト通電が行われるときに機能し、1次電流測定回路38"および2次電流測定回路42"でそれぞれ得られた1次電流測定値MI1および2次電流測定値MI2を取り込んで、両電流測定値の比MI2/MI1を溶接トランス16の巻数比nとして算出する。巻数比演算部50で得られた巻数比nの値(データ)は、巻数比記憶部52に格納(保存)される。しかし、電流換算部54は、抵抗溶接のための本通電において、インバータ周波数の各サイクル毎に1次電流測定回路38"で得られた1次電流測定値(実効値)を巻数比nを用いて1次電流測定値(実効値)に換算したものをフィードバック信号として出力する。この主演算処理部44"は監視値設定部(56)および判定部(58)を含まない。

0063

図6Aおよび図6Bに、テスト通電において得られる1次および2次電流センサ34、36の出力波形および波形復元回路40の出力波形の一例を示す。1次および2次電流センサ34、36の出力波形SI1,DI2は本通電のときと同じである。1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1は1次電流I1の電流波形を表し、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2は2次電流I2の電流微分波形を表し、波形復元回路40の出力信号SI2は2次電流センサ36の出力DI2を時間積分した波形、つまり2次電流I2の電流波形を表す。各信号SI1,DI2,SI2の周期THは、インバータ周波数の1サイクルに相当する。

0064

図示のように、通電の開始時に、波形復元回路40の出力信号SI2のみならず1次電流センサ(ホールCT)34の出力信号SI1の立ち上がりもはっきりしない(このため起動のタイミングが判別しにくい)のに対して、2次電流センサ(トロイダルコイル)36の出力信号DI2の立ち上がりは急峻ではっきりしている(このため起動のタイミングが判別しやすい)。また、波形復元回路40は時間積分の信号処理に演算増幅器を有しているため、通電時間がある臨界点(通常2秒前後)を超えると、波形復元回路40の出力信号DI2においてはゼロ点レベルZL0が図6Aの点線ZL+もしくはZL-のように正方向もしくは負方向にオフセットし、時間の経過とともにオフセット量が増大する。

0065

このことから、この実施例においても、1次電流測定回路38"は、通電開始時または直後に2次電流センサ36の出力信号DI2が立ち上がるタイミングを実効値演算処理の開始のタイミングに用いる。また、テスト通電の通電時間は、1次電流I1および2次電流I2について信頼できる電流測定値を得るのに必要な最小限の時間よりは長く、波形復元回路40内の信号処理(時間積分)において演算増幅器のオフセットの影響が出始める時間よりも短い時間(たとえば0.5〜1.5秒)に設定される。

0066

そして、抵抗溶接のための本通電では、2次側の波形復元回路40および2次電流測定回路42"を休止させて、積分回路(演算増幅器)を含まない1次電流測定部(34,38")よりインバータ周波数の各サイクル毎に得られる1次電流測定値(実効値)MI1をトランス巻数比nを用いて2次電流測定値[MI2]に換算したものを溶接電流測定値MIWとする。

0067

これにより、本通電の通電時間が任意に長くても、あるいは現場作業員が溶接トランス16の巻数比については何も知らず何の設定もしなくても、溶接電流測定部82および溶接電流制御部28の働きにより、誤差や変動の少ない安定した電流フィードバック制御を行い、信頼性の高い溶接品質を得ることができる。

[他の実施形態又は変形例]

0068

本発明は、交流インバータ式抵抗溶接機に使用される溶接電流測定装置ないし抵抗溶接監視装置にも適用可能であり、単相交流式抵抗溶接機または直流インバータ式抵抗溶接機に使用される溶接電流測定装置ないし抵抗溶接制御装置にも適用可能である。

0069

また、本発明の溶接電流測定装置、抵抗溶接監視装置および抵抗溶接制御装置は、ヒュージング熱かしめ加工機にも上述した実施形態と同様に適用可能である。

0070

10単相交流式抵抗溶接機
16溶接トランス
26,26',26"溶接電流制御部
34 1次電流センサ(ホールCT)
36 2次電流センサ(トロイダルコイル)
38,38',38" 1次電流測定回路
40波形復元回路
42,42',42" 2次電流測定回路
44,44',44" 主演算処理部
50巻数比演算部
54電流換算部
60直流インバータ式抵抗溶接機
70 インバータ回路

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