図面 (/)

技術 X線コンピュータ断層撮影装置、画像再構成方法及び画像再構成プログラム

出願人 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 チュアングァンツァオシャオランワンユージョウ
出願日 2015年9月2日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2015-172580
公開日 2016年4月21日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2016-055164
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 主記憶回路 関心パラメータ 測定スペクトラム マイクロ演算 集積回路記憶装置 エネルギー帯域 動作アーチファクト 高純度ゲルマニウム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

再構成画像画質の向上。

解決手段

X線管13は、X線を発生する。光子計数検出器15は、X線管13から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器27と、X線検出器27により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路29と、を有する。再構成回路53は、X線管13と光子計数検出器15とを用いたスキャンにおける既知入射スペクトラムと光子計数検出器15の応答関数に含まれる複数のパラメータについて予め設定された複数の初期値とに基づいて、各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出する。再構成回路53は、データ収集回路29からの出力スペクトラムとモデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて、当該応答関数についての最適化された複数の係数を決定する。

概要

背景

CTシステムと方法とが特に医用イメージング診断とにおいて広く用いられている。CTシステムにおいて、X線は被写体を透過し検出器レイ毎の総減弱を符号化する。総減弱は、被写体の存在下と非存在下とにおける同一レイの比較から導出される。この概念的な定義から、適切に画像を構成するために幾つかの工程が要求される。例えば、有限サイズのX線発生装置、当該装置からの超低エネルギーX線遮蔽するフィルタ性質及び形状、当該検出器のジオメトリ及び特性の詳細、及び収集ステム能力は、全て実際の再構成がどのように実行されるかに影響する要因となる。

多くの臨床応用スペクトラルCT技術から恩恵を受け、物質分別ビームハードニング補正とにおける改善を提供される。さらに、半導体ベース光子計数検出器フォトンカウンティング検出器)は、スペクトラルCTの候補として約束されており、慣習的なスペクトラルCT技術(例えば、2管球管電圧スイッチング)に比較して良好なスペクトラル情報を提供し得る。

光子計数検出器は、X線源のスペクトラルの性質を収集する。透過X線データのスペクトラルを収集するために、光子計数検出器は、複数のエネルギー帯域(以下、エネルギービンと呼ぶ)各々におけるX線光子数を計数する。CTにおけるX線源のスペクトラルの性質の使用は、しばしばスペクトラルCTとして参照される。スペクトラルCTが2つ又はそれ以上のエネルギー・レベルにおける透過X線の検出を含むので、スペクトラルCTは、一般的に、定義上、デュアルエナジーCTを含んでいる。

スペクトラルCTにおいて使用される半導体ベースの光子計数検出器は、イベント毎入射光子を検出し、光子エネルギーを測定することができる。しかしながら、相互作用深さ(interaction depth)と弾道欠損(ballistic deficit)とに起因して、測定された光子エネルギーを入射光子エネルギーに一意的に関連づけることは困難である。さらに、高線量下においては、パルスパイルアップもまた光子計数損失を生じさせる。従って、正確な画像再構成は光子計数検出器の応答関数パラメータを効率的に推定することにより達成することができる。

概要

再構成画像画質の向上。X線管13は、X線を発生する。光子計数検出器15は、X線管13から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器27と、X線検出器27により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路29と、を有する。再構成回路53は、X線管13と光子計数検出器15とを用いたスキャンにおける既知入射スペクトラムと光子計数検出器15の応答関数に含まれる複数のパラメータについて予め設定された複数の初期値とに基づいて、各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出する。再構成回路53は、データ収集回路29からの出力スペクトラムとモデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて、当該応答関数についての最適化された複数の係数を決定する。

目的

実施形態の目的は、再構成画像の画質を向上することが可能なX線コンピュータ断層撮影装置画像再構成方法及び画像再構成プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

X線を発生するX線発生部と、前記X線管から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路と、を有するX線検出部と、前記X線発生部と前記X線検出部とを用いたスキャンにおける既知入射スペクトラムと前記X線検出部の応答関数に含まれる複数の係数について予め設定された複数の初期値とに基づいて、前記X線検出部の各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出する算出部と、前記データ収集回路からの出力スペクトラムと前記モデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて、前記応答関数についての最適化された複数の係数を決定する決定部と、を具備するX線コンピュータ断層撮影装置

請求項2

前記決定部は、前記出力スペクトラムと前記モデル化スペクトラムとのエネルギー帯域毎の差分を計算し、前記計算された各エネルギー帯域の差分の自乗重み係数により重みづけされた自乗を計算し、前記重みづけされた各エネルギー帯域の自乗を加算して根自乗平均誤差を計算し、前記根自乗平均誤差に基づいて前記最適化された複数の係数を決定する、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項3

前記算出部は、前記入射スペクトラムと前記複数の初期値と前記X線検出部によるX線の計数率とに基づいて前記モデル化スペクトラムを算出する、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項4

前記算出部は、前記入射スペクトラムの前記各エネルギー帯域の光子計数を前記複数のエネルギー帯域に亘る光子計数で除することにより、前記各エネルギー帯域の正規化されたモデル化スペクトラムを決定する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項5

前記決定部は、前記出力スペクトラムの前記各エネルギー帯域の光子計数を前記複数のエネルギー帯域に亘る光子計数で除することにより、前記各エネルギー帯域の正規化された出力スペクトラムを決定する、請求項4記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項6

前記決定部は、前記根自乗平均誤差(RMSE)を、として計算する、請求項5記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項7

前記最適化された複数の係数は、前記根自乗平均誤差の最小値を与える、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項8

前記決定部は、特定の最適化方法を用いて前記複数の係数を更新して前記最適化された複数の係数を決定する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項9

前記決定部は、ニュートン法最急降下法非線形共役勾配法及び非線形最小自乗法の何れか一つを用いて前記複数の係数を更新して前記最適化された複数の係数を決定する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項10

前記決定部は、前記根自乗平均誤差が所定の停止基準を満たす前記複数の係数を前記最適化された複数の係数に決定する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項11

前記決定部は、前記複数の係数のうちの少なくとも1つの係数を更新する毎に前記根自乗平均誤差を計算し、所定の反復回数だけ更新された後の前記複数の係数を前記最適化された複数の係数に決定する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項12

前記データ収集回路からの出力スペクトラムを前記最適化された複数の係数に基づいて補正する補正部、を更に備える請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項13

X線を発生するX線発生部と、前記X線管から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路と、を有するX線検出部と、前記X線のスペクトラムに関するデータを処理する処理回路と、を具備するX線コンピュータ断層撮影装置の画像再構成方法であって、前記処理回路により、前記X線発生部と前記X線検出部とを用いたスキャンにおける既知の入射スペクトラムと前記X線検出部の応答関数に含まれる複数の係数について予め設定された複数の初期値とに基づいて、前記X線検出部の各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出し、前記処理回路により、前記データ収集回路からの出力スペクトラムと前記モデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて前記応答関数についての最適化された複数の係数を決定する、ことを具備する画像再構成方法。

請求項14

X線を発生するX線発生部と、前記X線管から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路と、を有するX線検出部と、前記X線のスペクトラムに関するデータを処理する処理回路と、を具備するX線コンピュータ断層撮影装置のコンピュータに、前記X線発生部と前記X線検出部とを用いたスキャンにおける既知の入射スペクトラムと前記X線検出部の応答関数に含まれる複数の係数について予め設定された複数の初期値とに基づいて、前記X線検出部の各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出する機能と、前記データ収集回路からの出力スペクトラムと前記モデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて前記応答関数についての最適化された複数の係数を決定する機能と、を実現させる画像再構成プログラム

技術分野

背景技術

0002

CTシステムと方法とが特に医用イメージング診断とにおいて広く用いられている。CTシステムにおいて、X線は被写体を透過し検出器レイ毎の総減弱を符号化する。総減弱は、被写体の存在下と非存在下とにおける同一レイの比較から導出される。この概念的な定義から、適切に画像を構成するために幾つかの工程が要求される。例えば、有限サイズのX線発生装置、当該装置からの超低エネルギーX線遮蔽するフィルタ性質及び形状、当該検出器のジオメトリ及び特性の詳細、及び収集ステム能力は、全て実際の再構成がどのように実行されるかに影響する要因となる。

0003

多くの臨床応用スペクトラルCT技術から恩恵を受け、物質分別ビームハードニング補正とにおける改善を提供される。さらに、半導体ベース光子計数検出器フォトンカウンティング検出器)は、スペクトラルCTの候補として約束されており、慣習的なスペクトラルCT技術(例えば、2管球管電圧スイッチング)に比較して良好なスペクトラル情報を提供し得る。

0004

光子計数検出器は、X線源のスペクトラルの性質を収集する。透過X線データのスペクトラルを収集するために、光子計数検出器は、複数のエネルギー帯域(以下、エネルギービンと呼ぶ)各々におけるX線光子数を計数する。CTにおけるX線源のスペクトラルの性質の使用は、しばしばスペクトラルCTとして参照される。スペクトラルCTが2つ又はそれ以上のエネルギー・レベルにおける透過X線の検出を含むので、スペクトラルCTは、一般的に、定義上、デュアルエナジーCTを含んでいる。

0005

スペクトラルCTにおいて使用される半導体ベースの光子計数検出器は、イベント毎入射光子を検出し、光子エネルギーを測定することができる。しかしながら、相互作用深さ(interaction depth)と弾道欠損(ballistic deficit)とに起因して、測定された光子エネルギーを入射光子エネルギーに一意的に関連づけることは困難である。さらに、高線量下においては、パルスパイルアップもまた光子計数損失を生じさせる。従って、正確な画像再構成は光子計数検出器の応答関数パラメータを効率的に推定することにより達成することができる。

発明が解決しようとする課題

0006

実施形態の目的は、再構成画像画質を向上することが可能なX線コンピュータ断層撮影装置、画像再構成方法及び画像再構成プログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線を発生するX線発生部と、前記X線管から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路と、を有するX線検出部と、前記X線発生部と前記X線検出部とを用いたスキャンにおける既知入射スペクトラムと前記X線検出部の応答関数に含まれる複数の係数について予め設定された複数の初期値とに基づいて、前記X線検出部の各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出する算出部と、前記データ収集回路からの出力スペクトラムと前記モデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて、前記応答関数についての最適化された複数の係数を決定する決定部と、を具備する。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。
図2は、図1再構成回路による応答関数のパラメータを決定するための処理を模式的に示す図である。
図3は、図1の再構成回路により実行される処理の流れを示す図である。
図4Aは、重み係数を用いずにRMSEが計算された場合のモデル化スペクトラルと測定スペクトラムとを示す図である。
図4Bは、重み係数を用いてRMSEが計算された場合のモデル化スペクトラルと測定スペクトラムとを示す図である。
図5は、本実施形態に係る架台の他の例を示す図である。

実施例

0009

以下、図面を参照しながら本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置、画像再構成方法及び画像再構成プログラムを説明する。

0010

図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、架台装置10とコンソール50とを有する。例えば、架台装置10はCT検査室に設置され、コンソール50はCT検査室に隣接する制御室に設置される。架台装置10とコンソール50とは互いに通信可能に有線又は無線で接続されている。架台装置10は、被検体SをX線CTスキャンするための構成を有するスキャン装置である。コンソール50は、架台装置10を制御するコンピュータである。

0011

図1に示すように、架台装置10は、撮影空間(field of view)をなす開口が形成された略円筒形状の回転フレーム11を有する。図1に示すように、回転フレーム11には、開口を挟んで対向するように配置されたX線管13と光子計数検出器15とが取付けられている。回転フレーム11は、アルミ等の金属により円環形状に形成された金属枠である。X線管13と光子計数検出器15とは、例えば、回転フレーム11に形成された凹部に嵌め込まれても良いし、ネジ等の締結具により締結されても良い。より詳細には、架台装置10は、アルミ等の金属により形成されたメインフレーム(図示せず)を有する。回転フレーム11は、当該メインフレームにより中心軸Z回りに軸受等を介して回転可能に支持されている。メインフレームの回転フレーム11との接触部には環状電極(図示せず)が設けられている。メインフレームの当該接触部には環状電極に摺り接触するように導電性摺動子(図示せず)が取り付けられている。当該環状電極及び摺動子を介して、架台装置10に収容された電源装置(図示せず)からの電力が回転フレーム11に搭載された光子計数検出器15や高電圧発生器17等の各種機器に供給される。

0012

X線管13は、高電圧発生器17に接続されている。高電圧発生器17は、例えば、回転フレーム11に取付けられている。高電圧発生器17は、架台の電源装置(図示せず)から環状電極及び摺動子を介して供給された電力から、架台制御回路25による制御に従いX線管13に印加する高電圧を発生しフィラメント加熱電流を供給する。高電圧発生器17とX線管13とは高圧ケーブル(図示せず)を介して接続されている。高電圧発生器17により発生された高電圧は、高圧ケーブルを介してX線管13に印加される。また、高電圧発生器17により発生されたフィラメント加熱電流は、高圧ケーブルを介してX線管13に印加される。

0013

X線管13のX線照射窓の前方には前置コリメータ19が取付けられている。前置コリメータ19は、X線管13から放射されたX線の照射野を限定する。より詳細には、前置コリメータ19は、X線を減弱する物質により形成された絞り羽根を有する。絞り羽根により形成される開口により照射野が規定される。絞り羽根は、X線を減弱する物質であれば如何なる物質により形成されても良いが、例えば、鉛等の重金属により形成されると良い。

0014

回転フレーム11は、回転駆動装置23からの動力を受けて中心軸Z回りに一定の角速度で回転する。回転駆動装置23としてダイレクトドライブモータサーボモータ等の任意のモータが用いられる。回転駆動装置23は、例えば、架台装置10に収容されている。回転駆動装置23は、架台制御回路25からの駆動信号を受けて回転フレーム11を回転させるための動力を発生する。

0015

回転フレーム11の開口(bore)にはFOV(field of view)が設定される。回転フレーム11の開口内には寝台に支持された天板21が挿入される。天板21には被検体Sが載置される。天板21は、図示しない寝台駆動装置からの動力を受けて中心軸Z回りに一定の角速度で回転する。天板21は、被検体Sの撮像部位がFOV内に含まれるように位置決めされる。

0016

光子計数検出器15は、X線管13から発生され被検体Sを透過したX線をフォトン毎に検出する。光子計数検出器15は、X線検出器27とデータ収集回路29とを有する。

0017

X線検出器27は、X線管13から発生されたX線を検出する。具体的には、X線検出器27は、2次元湾曲面上に配列された複数のX線検出素子(図示せず)を有している。各X線検出素子は、シンチレータ光電変換素子とを有する。シンチレータは、X線を蛍光に変換する物質である。シンチレータは、入射X線を、当該入射X線の強度に応じた個数蛍光光子に変換する。光電変換素子は、蛍光を増幅して電気信号に変換する回路素子である。光電変換素子としては、例えば、光電子増倍管フォトダイオード等が用いられる。なお、X線検出素子は、上記の通りX線を光に変換してから検出する間接検出型でも良いし、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型であっても良い。直接検出型のX線検出素子としては、例えば、半導体の両端に電極が取り付けられてなる半導体ダイオードを含むタイプが適用可能である。

0018

データ収集回路29は、X線検出器27により検出されたX線の光子計数(カウント数)のデータをビュー毎に収集する。データ収集回路29は、例えば、X線検出素子の個数に応じたチャンネル数読出チャンネル並列的に実装するASIC(Application Specific IntegratedCircuit)等の半導体集積回路により実現される。各読出チャンネルは、例えば、波高弁別回路と予め設定された複数のエネルギー・ビンにそれぞれ対応する複数の計数器とを有する。波高弁別回路は、X線検出素子からの電気信号の波高値弁別する。具体的には、波高弁別回路は、X線検出素子からの電気信号の波高値を閾値処理等により特定し、当該電気信号が属するエネルギー・ビンに対応する計数器にパルス信号を供給する。各計数器は、波高弁別回路からのパルス信号の個数をビュー毎に計数する。これにより計数器は、複数のエネルギー・ビンの各々についてビュー毎の光子計数のデータを生成する。なお、光子計数のエネルギー分布はスペクトラムと呼ばれている。すなわち、光子計数検出器15は、複数のエネルギー・ビンに亘る光子計数の分布を示すスペクトラムのデータを生成するといえる。光子計数又はスペクトラムのデータは、例えば、架台装置10に収容された非接触データ伝送装置(図示せず)を介してコンソール50に供給される。

0019

なお、以下の説明においてX線検出器27のX線検出素子とデータ収集回路29の読出チャンネルとの組み合わせを検出器素子と呼ぶことにする。すなわち、光子計数検出器15は、2次元状に配列された複数の検出器素子を装備する。

0020

架台制御回路25は、コンソール50のシステム制御回路65からの撮影条件に従いスキャンを実行するために高電圧発生器17、回転駆動装置23及びデータ収集回路29を同期的に制御し、被検体SについてX線CTスキャンを行う。ハードウェア資源として、架台制御回路25は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置メモリ)とを有する。架台制御回路25は、架台装置10に設けられても良いし、コンソール50に設けられても良いし、架台装置10及びコンソール50とは別体の装置に設けられても良い。また、架台制御回路25は、特定用途向け集積回路(Application Specific IntegratedCircuit:ASIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Logic Device:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されても良い。処理装置は、記憶装置に保存されたプログラム読み出して実行することで上記機能を実現する。なお、記憶装置にプログラムを保存する代わりに、処理装置の回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、処理装置は、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記機能を実現する。

0021

図1に示すように、コンソール50は、バス(bus)を介して接続されたデータ記憶回路51、再構成回路53、画像処理回路55、表示回路57、I/F回路59、入力回路61、主記憶回路63及びシステム制御回路65を有する。データ記憶回路51、再構成回路53、画像処理回路55、表示回路57、I/F回路59、入力回路61、主記憶回路63及びシステム制御回路65間のデータ通信は、バスを介して行われる。

0022

データ記憶回路51は、HDD(hard disk drive)やSSD(solid state drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。具体的には、データ記憶回路51は、架台装置10から伝送された光子計数のデータを記憶する。

0023

再構成回路53は、架台装置10からの光子計数のデータに基づいて被検体Sに関するスペクトラルCT画像を再構成する。再構成回路53は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有しても良い。また、再構成回路53は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。当該処理装置は、当該記憶装置に保存されたプログラムを読み出して実行することでモデル化スペクトラム算出機能、パラメータ・ベクトル決定機能、測定スペクトラム補正機能及び再構成処理機能を個別に実現する。

0024

モデル化スペクトラム算出機能において再構成回路53は、既知の入射スペクトラムと光子計数検出器15の応答関数に含まれる複数の係数(パラメータ)について予め設定された複数の初期値とに基づいて、光子計数検出器15の各エネルギー・ビンのモデル化スペクトラムを算出する。入射スペクトラムは、光子計数検出器15に入射したX線のスペクトラムを意味する。入射スペクトラムは、キャリブレーションスキャン又は被検体を対象とする実スキャンにおいて光子計数検出器15により収集される。モデル化スペクトラムは、入射スペクトラムに応答関数を適用して推定される、当該入射スペクトラムを検出した場合に光子計数検出器15から出力されると推定されるスペクトラムである。本実施形態に係る応答関数は、光子計数検出器15において発生する種々の物理現象をモデル化した関数である。より詳細には、本実施形態に係る応答関数は、光子計数検出器15において発生する個別の物理現象を記述するサブの応答関数と光子計数検出器15の応答関数に対する当該サブの応答関数への寄与率を示すパラメータとを含む。本実施形態に係るサブの応答関数は、半導体において如何に電子正孔を形成し電気信号を誘起するかについて記述するポテンシャル(potential)の重みづけを記述する応答関数、検出器による全体信号の収集の損失に対応する弾道欠損を記述する応答関数、線源及び検出器の相対的配向により生じる極性効果を記述する応答関数、検出器から脱出した入射スペクトラムのエネルギー量を規定するKエスケープ現象を記述する応答関数、内部ピクセルクロストークを記述する応答関数、電子・正孔の移動率を低減する電場における空間電荷現象を記述する応答関数の少なくとも一つを含む。光子計数検出器15の応答関数に含まれるパラメータのセットをパラメータ・ベクトルと呼ぶことにする。サブの応答関数は予め決定されているものとする。

0025

パラメータ・ベクトル決定機能において再構成回路53は、データ収集回路29からの出力スペクトラムとモデル化スペクトラム算出機能において算出されたモデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて、当該応答関数の最適化された複数の係数、すなわち、パラメータ・ベクトルを決定する。

0026

測定スペクトラム補正機能において再構成回路53は、パラメータ・ベクトル決定機能において決定された複数の係数(パラメータ・ベクトル)に基づいて、データ収集回路29からの測定スペクトラムを補正する。測定スペクトラムは、実スキャンにおいて光子計数検出器15により収集されたスペクトラムを意味する。

0027

再構成処理機能において再構成回路53は、測定スペクトラム補正機能において補正された測定スペクトラムに基づいてスペクトラルCT画像を再構成する。画像再構成アルゴリズムとしては、FBP(filtered back projection)法やCBP(convolution back projection)法等の解析学的画像再構成法や、ML−EM(maximum likelihood expectation maximization)法やOS−EM(ordered subset expectation maximization)法等の統計学的画像再構成法等の既存の画像再構成アルゴリズムが用いられれば良い。

0028

なお、再構成回路53は、CPU等の処理装置がプログラムを実行することによりモデル化スペクトラム算出機能、パラメータ・ベクトル決定機能、測定スペクトラム補正機能及び再構成処理機能を実現するものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、再構成回路53は、モデル化スペクトラム算出機能のための処理回路、パラメータ・ベクトル決定機能のための処理回路、測定スペクトラム補正機能のための処理回路及び再構成処理機能のための処理回路を有していても良い。

0029

画像処理回路55は、再構成回路53により再構成されたスペクトラルCT画像に種々の画像処理を施す。例えば、画像処理回路55は、スペクトラルCT画像がボリュームデータの場合、当該スペクトラルCT画像にボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して表示画像を発生する。画像処理回路55は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、画像処理回路55は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。

0030

表示回路57は、2次元のCT画像や表示画像等の種々のデータを表示する。具体的には、表示回路57は、表示インタフェース回路と表示機器とを有する。表示インタフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ液晶ディスプレイ有機ELディスプレイLEDディスプレイプラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。

0031

I/F回路59は、コンソール30と架台装置10との間の通信のためのインタフェースである。例えば、I/F回路59は、システム制御回路65から撮影条件や撮像開始信号、撮像停止信号等を供給する。

0032

入力回路61は、ユーザからの各種指令を入力する。具体的には、入力回路61は、入力機器入力インタフェース回路とを有する。入力機器は、ユーザからの各種指令を受け付ける。入力機器としては、キーボードマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力インタフェース回路は、入力機器からの出力信号をバスを介してシステム制御回路65に供給する。なお、入力回路61は、コンソール50に設けられても良いし、架台装置10に設けられても良い。

0033

主記憶回路63は、種々の情報を記憶するHDDやSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、主記憶回路63は、CD−ROMドライブDVDドライブフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、主記憶回路63は、本実施形態に係る画像再構成プログラム等を記憶する。

0034

システム制御回路65は、ハードウェア資源として、CPUやMPU等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、システム制御回路65は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。システム制御回路65は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の中枢として機能する。具体的には、システム制御回路65は、主記憶回路63に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線コンピュータ断層撮影装置の各部を制御する。

0035

以下、本実施形態にX線コンピュータ断層撮影装置について詳細に説明する。

0036

種々の種類のアーチファクトが再構成画像を劣化させる。幾つかのアーチファクトは被写体自身により生じる。例えば、収集期間において被写体が動いた場合に生じる動作アーチファクト、金属製の歯科充填物すなわちインプラント(implant)を有する被写体に起因して生じる金属アーチファクト、及びビームハードニングとして知られる、多色エネルギーのX線を放射するX線源に起因して生じるアーチファクトがある。さらに、光子計数検出器の応答関数は、X線の入射角に応じて変化し得る。この現象は極性効果と呼ばれている。極性効果は、通常、光子入射線の非正常な入射により生じ、光子計数検出器の応答の決定を曖昧にし、医用画像システムにおける全体的な空間解像度を劣化させる。

0037

従って半導体ベースの光子計数検出器15についての正確な応答関数が正確に画像を再構成するために要求される。応答関数は、半導体において如何に電子・正孔を形成し電気信号を誘起するかについて記述するポテンシャル(potential)の重みづけ、光子計数検出器15による全体信号の収集の損失に対応する弾道欠損、X線管13及び光子計数検出器15の相対的配向により生じる極性効果、光子計数検出器15から脱出した入射スペクトラムのエネルギー量を規定するKエスケープ現象、内部ピクセル・クロストーク、電子・正孔の移動率を低減する電場における空間電荷現象等をモデル化する。

0038

従って、光子計数検出器15の応答関数を規定するパラメータは、物質弁別及びスペクトラルCT画像の再構成において用いられる測定データにおける物理効果を修正するため、正確に評価される必要がある。

0039

図2は、再構成回路53による応答関数のパラメータを決定するための処理を模式的に示す図である。図2に示すように、再構成回路53は、検出器応答モデル101とモデルパラメータ推定装置103とを含む。検出器応答モデル101はモデル化スペクトラム算出機能531を発揮する。モデルパラメータ推定装置103はパラメータ・ベクトル決定機能533を発揮する。検出器応答モデル101は、入射スペクトラムSin(E)、計数率及びパラメータ・ベクトルaを入力する。検出器応答モデル101は、入力した入射スペクトラムSin(E)、計数率及びパラメータ・ベクトルaを光子計数検出器15の応答関数に従い演算してモデル化スペクトラムSout(E)を生成する。例えば、モデル化スペクトラムは、ポアソン分布に従う単一フォトンイベントから第1成分スペクトラムS0(E)、ポアソン分布とSin(E)とに従う二重フォトンイベントから第2成分スペクトラムS1(E)、及びポアソン分布とSin(E)とに従う多重(二重より多い)フォトンイベントから第3成分スペクトラムS2(E)を時系列で計算することにより生成される。モデル化スペクトラムは、第1、第2、及び第3スペクトラムの各々の合計として計算される。

0040

なお、図及び数式においてパラメータ・ベクトルはaにアンダーバーを付して表記する。明細書においては単にパラメータ・ベクトルaと表記することにする。

0041

図2に示すように、モデルパラメータ推定装置103は、モデル化スペクトラムSout(E;a)と実際の計測スペクトラムSM(E)とを比較し、所定の条件を最小化するようにパラメータ・ベクトルaを更新する。基準の最小化に関する詳細については後述する。更新されたパラメータ・ベクトルaは、新たなモデル化スペクトラムSout(E;a)を生成するために応答関数にフィードバックされる。一実施形態において、この処理は所定の条件が満たされるまで継続される。あるいは、この処理は、所定の反復回数について又はパラメータ・ベクトルaが所定の閾値以下に収まるまで継続される。以下に示すように、モデルパラメータ推定装置103は、例えば、パラメータ・ベクトルaのための所定幅内における全数探索、又は最適パラメータ・ベクトルaを得るために非線形最小自乗法を用いている。各最適パラメータ・ベクトルaは、光子計数検出器15の各検出器素子について得られる。

0042

入射スペクトラムSin(E)は、光子計数検出器15の各検出器素子について計算(全てのベクトルは、X線管13からの出力を計算するためのモデルを有する)又は測定(高信頼性を有するスペクトル検出器、例えば、高純度ゲルマニウム分光器を用いた)により決定される。測定スペクトラムSMは各入射スペクトラムに対応する光子計数検出器15の各検出器素子から出力されたスペクトラムである。

0043

パラメータ・ベクトルaは、半導体において如何に電子・正孔を形成し電気信号を誘起するかについて記述するポテンシャルの重みづけ、全体信号の収集に失敗した検出器に対応する弾道欠損、線源及び検出器の相対的配向により生じる極性効果、検出器から脱出した入射スペクトラムのエネルギー量を規定するKエスケープ現象、内部ピクセル・クロストーク、電子・正孔の移動率を低減する電場における空間電荷現象等のためのパラメータを含み得る。

0044

上記の通り、モデルパラメータ推定装置103は、図2に示すように、モデル化スペクトラムSout(E;a)と実際の測定スペクトラムSM(E)とを比較し、所定の条件を最小化するようにパラメータ・ベクトルaを更新する。

0045

図3は、再構成回路53により実行される処理の流れを示す図である。光子計数検出器15は、全部でNのエネルギー・ビンを含む。各エネルギー・ビンについての計測された光子計数は、Ckとして表現され、ここでkはエネルギー・ビンを示す添字である。すなわち、kは1、2、3、…Nに変化する。光子計数検出器15により収集された測定スペクトラムはCTOTとして表記され、以下の(1)式に従い計算される。

0046

0047

再構成回路53により実行される方法は工程S200に始まる。まず、再構成回路53は、工程S210を実行する。工程S210において再構成回路53は、モデル化スペクトラム算出機能531を実行する。モデル化スペクトラム算出機能531において再構成回路53は、各エネルギー・ビンについて測定スペクトラムを全測定スペクトラムに関して正規化する。具体的には、各エネルギー・ビンについての正規化された測定スペクトラムは、以下の(2)式に従い計算される。

0048

0049

工程S210が行われると再構成回路53は、モデル化スペクトラム算出機能531において、パラメータ・ベクトルaに含まれる各パラメータについて探索範囲を決定する(S215)。具体的には、各パラメータの探索範囲は、光子計数検出器15の電子的特性と物理的作法とにより決定される。例えば、6つのパラメータ:ピーク時間、不感時間、DAC(digital analog converter)からkeVへのゲイン、DACからkeVへのオフセットガウシアン平滑標準偏差(Gaussian smooth standard deviation)、及びピーク・パイルアップ及びテイル・パイルアップ閾値、を含む応答関数が考慮される。この場合、ピーク時間、不感時間、及びピーク・パイルアップ及びテイル・パイルアップ閾値は、光子計数検出器15に搭載される電子部品に応じて決定される。DACからkeVへのゲイン、DACからkeVへのオフセット及びガウシアン平滑標準偏差は、電子部品と光子計数検出器15の物理的特性に応じて決定される。

0050

ピーク時間パラメータは、ユーザ入力電気回路特性とに基づいて決定される。例えば、ユーザが約40nsにピーク時間を設定した場合、応答関数についての最良のピーク時間のための探索範囲は、10から80nsに設定される。さらに、不感時間パラメータは、ピーク時間の約2倍である。従って、最良の不感時間のための探索範囲は、例えば、20から100nsに設定される。さらに、DACからkeVへのゲインパラメータは典型的には約0.1から0.2である。従って、DACからkeVへのゲインのための探索範囲は、例えば、0.1から0.3に設定される。DACからkeVへのオフセットパラメータは正値でなければならず、大きすぎることはない。従ってDACからkeVへのオフセットのための探索範囲は、例えば、0から25に設定される。ガウシアン平滑標準偏差パラメータは、約2.7である。従って、ガウシアン平滑標準偏差のための探索範囲は、例えば、1から6に設定される。ピーク・パイルアップ及びテイル・パイルアップ閾値は、ゼロから不感時間までの範囲に収まらなければならない。従って、ピーク・パイルアップ及びテイル・パイルアップのための探索範囲は、例えば、0から100nsに設定される。さらに再構成回路53は、工程S215において、入力スペクトラムSin(E)とパラメータ・ベクトルaの各パラメータとを初期値に初期化する。

0051

工程S215が行われると再構成回路53は、モデル化スペクトラム算出機能531において、各エネルギー・ビンについて、入射スペクトラムSin(E)とパラメータ・ベクトルaとに基づいてモデル化スペクトラム(Sout(E;a)k)を計算する(S220)。パラメータ・ベクトルaは、X線の計数率に応じて決定される。

0052

工程S220が行われると再構成回路53は、モデル化スペクトラム算出機能531において、各エネルギー・ビンについて計算されたモデル化スペクトラムの光子計数を、モデル化スペクトラムの全光子計数に関して正規化する(S225)。具体的には、各エネルギー・ビンについての予測計算されたモデル化スペクトラムの光子計数の正規化形式は、以下の(3)式のように計算される。

0053

0054

すなわち、再構成回路53は、各エネルギー・ビンkのモデル化スペクトラムの光子計数を全エネルギー・ビンに亘るモデル化スペクトラムの光子計数で除することにより各エネルギー・ビンkの正規化されたモデル化スペクトラムの光子計数を計算する。

0055

工程225が行われると再構成回路53は、パラメータ・ベクトル決定機能533を実行する。パラメータ・ベクトル決定機能533において再構成回路53は、まず、測定スペクトラムの正規化光子計数とモデル化スペクトラムの正規化光子計数との差分を各エネルギー・ビンについて計算する(S230)。エネルギー・ビンkの正規化光子計数間の差分は以下の(4)式のように表現される。

0056

0057

なお、再構成回路53は、工程S230の前段において、各エネルギー・ビンkの測定スペクトラムの光子計数を全エネルギー・ビンに亘る測定スペクトラムの光子計数で除することにより各エネルギー・ビンkの正規化された測定スペクトラムの光子計数を計算しているものとする。

0058

工程S230が行われると再構成回路53は、パラメータ・ベクトル決定機能533において、工程S230において計算された、測定スペクトラムの正規化光子計数とモデル化スペクトラムの正規化光子計数との差分の自乗を計算する(S235)。自乗は、各エネルギー・ビンについて計算される。再構成回路53は、各エネルギー・ビンについて計算された自乗を重み係数(φk)により重みづけする。例えば、重み係数は、特定のエネルギー・ビンの測定スペクトラムの正規化光子計数に設定される。このように、特定のエネルギー・ビンkの重みづけされた自乗は、以下の(5)式のように表現される。

0059

0060

(5)式に示すように、各エネルギー・ビンについて最小自乗方程式が得られる。ここで各エネルギー・ビンの重みは、当該エネルギー・ビンの測定スペクトラムの正規化光子計数に対応する。このように、本実施形態に係る最小自乗計算は、測定スペクトラムの正規化光子計数とモデル化スペクトラムの正規化光子計数との差分を、対応する測定スペクトラムの正規化光子計数で重みづけすることにより、高計数率を有するエネルギー・ビンをより強調する。

0061

工程S235が行われると再構成回路53は、パラメータ・ベクトル決定機能533において、各エネルギー・ビンについて差分自乗の合計を計算する。さらに再構成回路53は、根自乗平均誤差(RMSE)を得るために当該合計の根自乗を計算する(S240)。具体的には、光子計数検出器15のRMSEが以下の(6)式のように計算される。

0062

0063

工程S240が行われると再構成回路53は、パラメータ・ベクトル決定機能533において、特定の最適化方法に基づいてパラメータ・ベクトルaを更新する。例えば、全数探索アルゴリズムが用いられる場合、パラメータ・ベクトルaは、各パラメータについて決定された探索範囲内において、所定の体系的方法により更新される。あるいは、Levenberg-Marquardtのような非線形最小自乗フィッティング法が用いられても良い。あるいは、関心パラメータ・ベクトルがRMSEの最小値となるようにパラメータ・ベクトルaの単純な大域検索が実行されても良い。RMSEが最小値に達するパラメータ・ベクトルaの値を得るため、これらパラメータの全ての組合せについて繰り返すことにより、パラメータが適切に更新される。

0064

なお再構成回路53は、パラメータ・ベクトルを更新するために全数探索アルゴリズムを実行するものとしたが、ニュートン法や最急降下、非線形共役勾配法等の他の方法に従い更新しても良い。さらに再構成回路53は、測定スペクトラム及びモデル化スペクトラムの絶対光子計数に基づいてRMSEを計算しても良い。

0065

工程S245が行われると再構成回路53は、停止条件が満たされたか否かを判定する(S250)。停止条件は、RMSEが最小値であることに設定されても良い。あるいは、停止条件は、パラメータ・ベクトルaが更新されるために所定数の反復が実行されたことに設定されても良い。

0066

停止条件が満たされていないと判定した場合(S250:NO)、再構成回路53は、更新されたパラメータ・ベクトルaを応答関数にフィードバックする(S255)。具体的には、再構成回路53は、更新されたパラメータ・ベクトルaを光子計数検出器15の応答関数のパラメータ・ベクトルに設定する。そして再構成回路53は、更新されたパラメータ・ベクトルaについて再び工程S220からS250を反復する。すなわち、工程S245において更新されたパラメータ・ベクトルについて新しいモデル化スペクトラムSout(a)が計算され(S220)、各エネルギー・ビンについてモデル化スペクトラムの光子計数が正規化され(S225)、各エネルギー・ビンについて測定スペクトラムの正規化光子計数とモデル化スペクトラムの正規化光子計数との差分が計算され(S230)、当該差分の自乗を計算して当該自乗に重み係数により乗算し(S235)、重み係数が乗算された自乗に基づいて根自乗平均を計算し(S240)、パラメータ・ベクトルが更新され(S245)、停止条件が満たされたか否かが判定される(S250)。

0067

そして、工程S250において停止基準が満たされたと判定された場合(S250:YES)、再構成回路53は、停止条件が満たされた時のパラメータ・ベクトルを最適なパラメータ・ベクトルに設定する。そして再構成回路53は、最適なパラメータ・ベクトルaに基づいて測定スペクトラムを補正する(S260)。測定スペクトラムは、例えば、架台装置10により行われる患者を対象とする実スキャンにより得られ、例えば、パイルアップ成分は、更新されたパラメータ・ベクトルを用いて計算され、実スキャンから得られた測定スペクトラムを補正するために測定スペクトラムから減算される。更新されたパラメータ・ベクトルを用いた測定スペクトラムを補正するための技術の詳細な説明は、米国特許出願13/866,965により提供され、ここでその全体が参照により組み込まれる。測定スペクトラムが補正されると再構成回路53による処理は工程S265において終了する。

0068

その後、再構成回路53は、再構成処理機能537を実行し、補正された測定スペクトラムに基づいてスペクトラルCT画像を再構成する。スペクトラルCT画像は表示回路57により表示される。

0069

なお、入射スペクトラムは、予め収集されているとしたが、例えば、架台装置10によりキャリブレーションスキャン又は実スキャンを実行することにより収集されると良い。キャリブレーションスキャンにおいて架台装置10により入射スペクトラムを収集する場合、工程S245又はS250において再構成回路53により得られた最適パラメータ・ベクトルは、実スキャンにおいて収集される測定スペクトラムの補正のために主記憶回路63に記憶されると良い。なお最適パラメータ・ベクトルは、管電流等のX線条件に依存する。そのため、架台装置10は、キャリブレーションスキャンにおいては、実スキャンにおいて使用可能性のある複数の管電流値の各々についてスキャンを実行し、再構成回路53は、各管電流値によるスキャンにおいて収集された測定スペクトラムを用いて当該管電流値毎に最適パラメータ・ベクトルを決定すると良い。この場合、主記憶回路63は、管電流値毎に最適パラメータ・ベクトルを記憶することとなる。架台装置10が実スキャンを行い測定スペクトラムが収集された場合、再構成回路53は、実スキャンにおいて使用された管電流値に対応する最適パラメータ・ベクトルを主記憶回路63から読み出し、読み出された最適パラメータ・ベクトルを用いて、実スキャンにおいて収集された測定スペクトラムを補正する。そして再構成回路53は、補正された測定スペクトラムに基づいてスペクトラルCT画像を再構成する。このように、予めX線条件毎に最適パラメータ・ベクトルを記憶することにより、実スキャンに使用したX線条件に適した最適パラメータ・ベクトルを用いて測定スペクトラルを補正することができ、ひいてはスペクトラルCT画像の画質を向上することができる。

0070

図4A図4Bとは、モデル化スペクトラムと測定スペクトラムとの比較を図示するグラフを示す。図4Aは、重み係数を用いずにRMSEが計算された場合のモデル化スペクトラルと測定スペクトラムとを示す。図4Aにおいては正規化された測定スペクトラムに対応する曲線310とモデル化スペクトラムに対応する曲線320とが示されている。曲線310に対応するデータは、低線量下における光子計数検出器15の単一の検出器素子から得られる。図4Aに示すように、重み係数がRMSE計算において用いられていない場合、測定スペクトラムとモデル化スペクトラムとのピーク点300に不整合が生じている。

0071

図4Bは、重み係数を用いてRMSEが計算された場合のモデル化スペクトラルと測定スペクトラムとを示す。図4Bにおいては、正規化測定スペクトラムに対応する曲線330とモデル化スペクトラムに対応する曲線340とが示されている。図4Bに示すように、重み係数が測定スペクトラムの正規化光子計数に適用される場合、測定スペクトラムとモデル化スペクトラムとのピーク点350が一致する。従って、RMSE計算における重み係数の使用は、応答関数のパラメータ推定の精度を向上する。

0072

なお、上記の説明において光子計数検出器15は、回転フレーム11におけるX線管13に対向する位置に設けられる第3世代検出器であるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、本実施形態に係る光子計数検出器は、中心軸Z回りに互いに離間して配列された複数の第4世代検出器15‘であっても良い。あるいは、本実施形態に係る光子計数検出器は、架台が第3世代検出器15と第4世代検出器15‘との両方を搭載している場合、これら第3世代検出器15と第4世代検出器15‘との両方に用いられても良い。

0073

再構成回路53、画像処理回路55及びシステム制御回路65に含まれる各処理装置は、離散論理ゲートとして、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)としてとして実装できるCPUを含み得る。FPGA又はCPLDの実装は、VHDL、Verilog、又は他の任意のハードウェア記述言語コーディングされてよく、そのコードは、FPGA又はCPLD内の電子メモリに直接格納されてもよいし、別の電子メモリとして格納されてもよい。さらに、メモリは、ROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、又はフラッシュメモリ等の不揮発性であってよい。メモリは、スタティックRAM又はダイナミックRAM等の揮発性とすることができ、マイクロ制御装置又はマイクロ演算装置等の演算装置は、電子メモリだけでなく、FPGA又はCPLDとメモリとの間の相互関係を管理するために設けられてもよい。

0074

あるいは、再構成回路53、画像処理回路55及びシステム制御回路65の各CPUは、本明細書で説明する機能を実行する1組のコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムを実行することができ、このプログラムは、上述の一時的でない電子メモリの何れか及び/又はハードディスクドライブ、CD、DVD、フラッシュドライブ若しくは他の任意の知られている記憶媒体に格納される。さらに、コンピュータ可読命令は、米国のIntelのXeon演算装置又は米国のAMDのOpteron演算装置等の演算装置、及びMicrosoft VISTA、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple、MAC−OS等のオペレーティングシステム、及び当業者に知られているその他のオペレーティングシステムとともに実行する、ユーティリティアプリケーションバックグラウンドデーモン、又はオペレーティングシステムの構成要素、又はそれらの組み合わせとして提供されてもよい。

0075

上記の説明の通り、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線管13、光子計数検出器15及び再構成回路53を有している。X線管13は、X線を発生する。光子計数検出器15は、X線管13から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器27と、X線検出器27により検出されたX線のスペクトラムを複数のエネルギー帯域について収集するデータ収集回路29と、を有する。再構成回路53は、X線管13と光子計数検出器15とを用いたスキャンにおける既知の入射スペクトラムと光子計数検出器15の応答関数に含まれる複数のパラメータについて予め設定された複数の初期値とに基づいて、各エネルギー帯域のモデル化スペクトラムを算出する。再構成回路53は、データ収集回路29からの出力スペクトラムとモデル化スペクトラムとの比較結果に基づいて、当該応答関数についての最適化された複数の係数を決定する。

0076

上記の構成により、本実施形態に係る再構成回路53は、光子計数検出器15の応答関数自体を決定するのではなく、当該応答関数に含まれる複数のパラメータを決定する。よって応答関数自体を決定する場合に比して再構成回路53は、計算負荷を低減しつつ、正確な応答関数を得ることができる。よって、本実施形態によれば効率的に最適なパラメータを推定することができる。また、再構成回路53は、このようにして得られた最適なパラメータを含む応答関数により測定スペクトラムを補正することにより、スペクトラルCT画像の画質を向上させることができる。

0077

特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、例として提示したにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。実際には、本明細書で説明する新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化されることができる。そのうえ、本明細書で説明する方法およびシステムの形態における種々の省略、置き換え、及び変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく行うことができる。ここで記述した実施形態は、PCDの特定の応答関数に限定されない。むしろ、上記実施形態において記述された方法は、その固有の応答関数を有する如何なる光子計数検出器に応用できる。添付の特許請求の範囲およびその等価物は、本発明の範囲および趣旨に含まれるようなこのような形態または変形例を包含することを意図するものである。

0078

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0079

10…架台装置、13…X線管、15…光子計数検出器、17…高電圧発生器、19…前置コリメータ、21…回転駆動装置、23…寝台、25…架台制御回路、27…X線検出器、29…データ収集回路、50…コンソール、51…データ記憶回路、53…再構成回路、55…画像処理回路、57…表示回路、59…I/F回路、61…入力回路、63…主記憶回路、65…システム制御回路、531…モデル化スペクトラル算出機能、533…パラメータ・ベクトル決定機能、535…測定スペクトラム補正機能、537…再構成処理機能。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ