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技術 微生物燃料電池

出願人 シャープ株式会社
発明者 志摩秀和都甲真
出願日 2014年9月3日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-179189
公開日 2016年4月14日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-054053
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体) 無消耗性電極
主要キーワード 筒状保持体 星型形状 先鋭形 酸素吸着性 所望距離 絶縁被膜付き フレキシブル材料 有機物含有液
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月14日)のものです。
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図面 (16)

課題

嫌気性電流生菌が存在する土やなどに筒状保持体を埋め込むだけで容易に構成でき、かつ自然の生態系(電流発生菌の代謝およびその入れ替わり)に対してオープンであり、半永久的に起電力を得ることのできる微生物燃料電池を提供する。

解決手段

少なくとも一部に第1の開口部を有する第1の筒状保持体と、前記第1の筒状保持体の少なくとも外表面に設けられる負極と、前記第1の筒状保持体の内部に設けられる正極とを有し、前記負極と前記正極とは前記第1の開口部とイオン伝導体を介して接続されており、少なくとも前記負極表面には嫌気性の電流発生菌が定着している、微生物燃料電池。

概要

背景

従来、嫌気性電流生菌の働きを利用した微生物燃料電池が知られている。これは電流発生菌が有機物を分解する過程で発生する電子を負極側で回収し、その際発生するH+イオンプロトン)は正極側へと移動し、正極側は酸素と反応することにより発電するものである。このような微生物燃料電池が開示された文献として、たとえば特開2013−84541号公報(特許文献1)には、筒状の保持体に負極と正極を設け、負極は層に、正極は水層に配置されるように設置することで起電力を得る微生物燃料電池が開示されている。また特開2011−65875号公報(特許文献2)には、ケーシング内に筒状の正極材を複数設け、それぞれの周りイオン伝導性膜で覆い、それらをケーシング内の負極材で覆った構成の微生物燃料電池が開示されている。

概要

嫌気性の電流発生菌が存在する土や泥などに筒状保持体を埋め込むだけで容易に構成でき、かつ自然の生態系(電流発生菌の代謝およびその入れ替わり)に対してオープンであり、半永久的に起電力を得ることのできる微生物燃料電池を提供する。少なくとも一部に第1の開口部を有する第1の筒状保持体と、前記第1の筒状保持体の少なくとも外表面に設けられる負極と、前記第1の筒状保持体の内部に設けられる正極とを有し、前記負極と前記正極とは前記第1の開口部とイオン伝導体を介して接続されており、少なくとも前記負極表面には嫌気性の電流発生菌が定着している、微生物燃料電池。

目的

特開2013−84541号公報
特開2011−65875号公報






しかしながら上述した特許文献1、2に開示されている技術では、嫌気性の電流発生菌を含む土や泥に突き立てるだけで容易に設置ができ、かつ自然の生態系から半永久的に起電力を得ることのできる微生物燃料電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

少なくとも一部に第1の開口部を有する第1の筒状保持体と、前記第1の筒状保持体の少なくとも外表面に設けられる負極と、前記第1の筒状保持体の内部に設けられる正極とを有し、前記負極と前記正極とは前記第1の開口部とイオン伝導体を介して接続されており、少なくとも前記負極表面には嫌気性電流生菌定着している、微生物燃料電池

請求項2

前記負極と前記正極とは、少なくとも一部が互いに対向していることを特徴とする、請求項1に記載の微生物燃料電池。

請求項3

前記第1の筒状保持体の内部に、少なくとも一部に第2の開口部を有する第2の筒状保持体をさらに有し、前記第2の筒状保持体の内部は酸素を含む媒体に曝されており、前記正極は前記第2の筒状保持体の外表面および内表面から選ばれる少なくともいずれかに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の微生物燃料電池。

請求項4

前記第1の筒状保持体の少なくとも一方の先端は先鋭形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微生物燃料電池。

請求項5

前記第1の筒状保持体の少なくとも一部は可撓性を有するか、もしくは湾曲していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物燃料電池。

技術分野

0001

本発明は、嫌気性電流生菌による微生物燃料電池に関する。

背景技術

0002

従来、嫌気性の電流発生菌の働きを利用した微生物燃料電池が知られている。これは電流発生菌が有機物を分解する過程で発生する電子を負極側で回収し、その際発生するH+イオンプロトン)は正極側へと移動し、正極側は酸素と反応することにより発電するものである。このような微生物燃料電池が開示された文献として、たとえば特開2013−84541号公報(特許文献1)には、筒状の保持体に負極と正極を設け、負極は層に、正極は水層に配置されるように設置することで起電力を得る微生物燃料電池が開示されている。また特開2011−65875号公報(特許文献2)には、ケーシング内に筒状の正極材を複数設け、それぞれの周りイオン伝導性膜で覆い、それらをケーシング内の負極材で覆った構成の微生物燃料電池が開示されている。

先行技術

0003

特開2013−84541号公報
特開2011−65875号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら上述した特許文献1、2に開示されている技術では、嫌気性の電流発生菌を含む土や泥に突き立てるだけで容易に設置ができ、かつ自然の生態系から半永久的に起電力を得ることのできる微生物燃料電池を提供することはできなかった。

0005

具体的には、特許文献1に開示された微生物燃料電池では、負極と正極をそれぞれ所望の位置に配置するための設置工程が必要な構成であった。すなわち、筒状の保持体の埋め込み量を調整する必要があり、容易に設置することができなかった。

0006

特許文献2に開示された微生物燃料電池では、ケーシング内は閉じた空間であるため微生物の働きには寿命があり、負極材を通してケーシング内に有機物含有液通液させる必要があった。このため通液手段のない環境においては、自然の生態系から半永久的に起電力を得ることは困難であった。

0007

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、嫌気性の電流発生菌が存在する土や泥などに筒状保持体を埋め込むだけで容易に構成でき、かつ自然の生態系(電流発生菌の代謝およびその入れ替わり)に対してオープンであり、半永久的に起電力を得ることのできる微生物燃料電池を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の微生物燃料電池は、少なくとも一部に第1の開口部を有する第1の筒状保持体と、前記第1の筒状保持体の少なくとも外表面に設けられる負極と、前記第1の筒状保持体の内部に設けられる正極とを有し、前記負極と前記正極とは前記第1の開口部とイオン伝導体を介して接続されており、少なくとも前記負極表面には嫌気性の電流発生菌が定着していることを特徴とする。

0009

本発明の微生物燃料電池は、前記負極と前記正極とは、少なくとも一部が互いに対向していることが好ましい。

0010

本発明の微生物燃料電池は、前記第1の筒状保持体の内部に、少なくとも一部に第2の開口部を有する第2の筒状保持体をさらに有し、前記第2の筒状保持体の内部は酸素を含む媒体に曝されており、前記正極は前記第2の筒状保持体の外表面および内表面から選ばれる少なくともいずれかに設けられていることが好ましい。

0011

本発明の微生物燃料電池における前記第1の筒状保持体の少なくとも一方の先端は先鋭形状であることが好ましい。

0012

本発明の微生物燃料電池は、前記第1の筒状保持体の少なくとも一部が可撓性を有するか、もしくは湾曲していることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明によれば、嫌気性の電流発生菌が存在する土や泥などに筒状保持体を埋め込むだけで容易に構成できる微生物燃料電池を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施の形態1の微生物燃料電池1を模式的に示す断面図である。
図1に示した微生物燃料電池1の動作原理を模式的に示す図である。
本発明の微生物燃料電池における第1の筒状保持体の長手方向に対する様々な断面形状を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態2の微生物燃料電池21を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態3の微生物燃料電池31を模式的に示す断面図である。
図5に示した微生物燃料電池31の動作原理を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態4の微生物燃料電池41を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態5の微生物燃料電池51を模式的に示す断面図である。
図8に示す微生物燃料電池51の動作原理を模式的に示す図である。
図10(a)は、図8に示す微生物燃料電池51の斜視図、図10(b)は図8に示す微生物燃料電池51の分解斜視図である。
本発明の実施の形態6の微生物燃料電池71を模式的に示す斜視図である。
本発明の実施の形態7の微生物燃料電池81を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態8の微生物燃料電池91を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態9の微生物燃料電池101を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態10の微生物燃料電池111を模式的に示す断面図である。

実施例

0015

<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1の微生物燃料電池1を模式的に示す断面図であり、図2は、図1に示した微生物燃料電池1の動作原理を模式的に示す図である。以下、図1および図2を参照して、本発明の実施の形態1の微生物燃料電池1について説明する。

0016

図1に示す例の微生物燃料電池1は、少なくとも一部に第1の開口部を有する第1の筒状保持体2と、当該第1の筒状保持体2の外表面に設けられた負極3を有し、イオン伝導体4が負極3によって底面側が封止された第1の筒状保持体2内に充填され、その上に正極5が当接する構成を備える。図1に示す例において、第1の筒状保持体2は、その上方および底面の一部に、第1の開口部6,7をそれぞれ有する。また図1に示す例において、負極3は、第1の筒状保持体2の底面となる外表面に設けられる。

0017

本発明の微生物燃料電池1において、正極5と負極3とは、第1の開口部(図1に示す例においては、第1の筒状保持体2の底面となる外表面に設けられた第1の開口部7)とイオン伝導体4を介して接続(イオン的接続)されている。ここで、「イオン的接続」とは、正極5と負極3との間でイオンが移動可能なように構成されていることを指し、たとえば図1に示す例のように正極5と負極3とが共通の膜状のイオン伝導体(イオン伝導性膜)4に接触している場合の他、正極5と負極3とが共通の水溶液に接触している場合、正極5と負極3とが共通のハイドロゲルに接触している場合、正極5と負極3とが共通の溶融塩に接触している場合などによって実現することができる。さらに、イオン伝導性酸素透過性を便宜に調整するために、イオン伝導体4は異種材料による複数層の積層で形成されていてもよく、この場合には正極5と負極3は必ずしも同種共通の材料に接触していなくても構わない。このように本発明におけるイオン伝導体4は、イオン伝導性膜、電解質溶液ゲルなどを含む。

0018

本発明の微生物燃料電池1において、正極5および負極3は、その材料としては当分野において従来より用いられている適宜のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、耐腐食性の高いカーボン材料が望ましく、たとえばカーボンフェルトを用いることができる。また金属基材カーボンコーティングしたものであっても構わない。金属基材はたとえば材質SUSで表面積の大きなメッシュを用いるのが望ましい。カーボンコーティング方法としては、溶融塩による炭素めっき、不織布吹き付け、炭素含有塗装スパッタリングなどを用いることができる。

0019

また従来、酵素や微生物を電極触媒として使用して効率を向上させる方法が知られており、上記材料などで構成される正極5または負極3あるいはその両方は、酵素や微生物を含む媒体でコーティングされていてもよい。この場合には正極5または負極3あるいはその両方は、上記のコーティング層を介して先述のイオン伝導体とそれぞれ接触しているのが望ましい。

0020

本発明の微生物燃料電池1において、負極3表面には、嫌気性の電流発生菌が定着している。電流発生菌は、たとえばShewanella菌、Geobacter属細菌、Rhodoferax ferrireducens、Desulfobulbus propionicusなど従来公知の適宜の嫌気性の電流発生菌が挙げられ、中でも、幅広土壌中に豊富に含まれ、アノード電極との電子授受が容易である、Shewanella菌が好適である。

0021

図1に示す例の微生物燃料電池1において、負極3および正極5には負極配線8および正極配線9がそれぞれ電気的に接続されている。負極配線8と正極配線9の材質は耐腐食性の高いSUSなどが望ましく、また絶縁樹脂などで被覆されているのが望ましい。

0022

本発明の微生物燃料電池1における第1の筒状保持体2は、少なくとも負極3と正極5の通電を防止する絶縁体あるいは絶縁処理された材料であることが好ましく、このような第1の筒状保持体の好適な形成材料としては、たとえば一般的な樹脂(あるいはゴム)材料、フッ素系樹脂(あるいはゴム)材料、絶縁被膜付き金属材料セラミック材料などを挙げることができる。中でも、低コストで耐腐食性が高いという理由からは、フッ素系樹脂(あるいはゴム)材料で形成された第1の筒状保持体2を用いることが好ましい。

0023

ここで、図3は、微生物燃料電池における第1の筒状保持体の、長手方向に対し垂直な方向における種々の断面を模式的に示す図であり、図3(a)は円形図3(b)は多角形図3(b)の例では四角形)、図3(c)は星型である場合をそれぞれ示している。このように、本発明における第1の筒状保持体は、用途に応じて様々な断面形状を有するものを用いることができる。特に、図3(c)に示す星型形状を採用すれば、同じ断面積で比較して第1の筒状保持体の表面積を広げることができ、すなわちそれに沿って負極を設けた場合には負極の表面積を広げることが可能になる。これは、筒状の保持体を用いた本発明の微生物燃料電池において共通して奏される効果である。

0024

本発明の微生物燃料電池1におけるイオン伝導体4は、たとえばイオン伝導性を有する膜状物(イオン伝導性膜)であり、たとえば寒天塩化カリウム塩化ナトリウムなどの塩を混入させることで形成することができる。またイオン伝導体4はデュポン社製ナフィオン登録商標)などを使用することができる。

0025

図2には、図1に示した微生物燃料電池1を、土層11に埋め込んだ状態を示している。土層11は、嫌気性の電流発生菌を豊富に含む土壌であることが望ましく、たとえば腐葉土が望ましい。また土層11は含水率の高い、いわゆる泥状態であっても構わない。土層11に含まれる嫌気性の電流発生菌としてはたとえば上述したようなShewanella菌などが知られている。土層11と境界を形成する高酸素層12は、たとえば空気であるが、空気を多く含んだ水であっても構わない。

0026

図2に示すように、負極3側では電流発生菌の代謝(有機化合物の分解)による反応R1が発生する。この有機化合物としては、たとえばグルコース酢酸乳酸などが挙げられる。反応R1で生じたプロトンは、第1の開口部(第1の筒状保持体2の底面となる外表面に設けられた第1の開口部7)を通ってイオン伝導体4内を正極5へ向かって移動する。また正極5では、高酸素層12の酸素を用いて反応R2が発生する。反応R1、R2を以下に示す。

0027

(有機物)+2H2O→CO2+H++e− ……(R1)
O2+4H++4e−→2H2O ……(R2)
上記の反応サイクルにより負極配線8と正極配線9の間には起電力が生まれる。

0028

本発明においては、少なくとも負極3が土層11の表面L2よりも下に埋め込めば起電力を得ることができる。正極5には第1の筒状保持体11の上方に設けられた開口6を介して上方より酸素が供給されるため、正極5の表面L1は土層11の表面L2より深くても構わない。すなわち、本発明の微生物燃料電池は、埋め込み量を調整する必要がなく、容易に設置することが可能になる。また、嫌気性の電流発生菌の代謝を活発にするためにも負極3はできるだけ深くまで埋め込むことが望ましいが、本構成であれば、埋め込む深さによらず正極5への酸素供給が可能になる。

0029

本発明の微生物燃料電池において、負極3は、第1の筒状保持体2の外表面に設置されているため、制限なく土層11に面しており、土層11に含まれる発電に寄与する嫌気性の電流発生菌が自然の生態系の中で入れ替わり、負極3の表面に定着し続けることができる。したがって、本発明の微生物燃料電池1では、電極材料配線材料劣化のない限り、半永久的に発電を行うことができる。たとえば電力供給のない山間部などで本発明の微生物燃料電池1を用いることにより、照明センサ類などの動力源を長期間に渡り提供することが可能になる。

0030

<実施の形態2>
図4は、本発明の実施の形態2の微生物燃料電池21を模式的に示す断面図である。図4に示す微生物燃料電池21は、一部を除いては図1に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図4に示す微生物燃料電池21は、負極3とイオン伝導体4との間に機能層22が予め封入されている点において、図1に示した例の微生物燃料電池と相違する。この機能層22としては、たとえば嫌気性の電流発生菌を含む土などが好適に用いられる。このような機能層22を有することで、負極3の発電に寄与する表面積を大きくすることができるという利点がある。またこの場合、負極3は微細貫通孔を有しており、機能層22と土層11の間を嫌気性の電流発生菌が移動可能なように構成されていることが望ましい。同様にして、正極5とイオン伝導体4との間に機能層22を設けてもよい。この場合には、機能層22には、例えば酵素や微生物を含む媒体を好適に用いることができ、これによって酸素を強制的に還元する機能を付加し、発電効率を向上させることができる。同様にして、正極5とイオン伝導体4との間に機能層22を設けてもよい。この場合には、機能層22には、例えば酵素や微生物を含む媒体を好適に用いることができ、これによって酸素を強制的に還元する機能を付加し、発電効率を向上させることができる。

0031

<実施の形態3>
図5は、本発明の実施の形態3の微生物燃料電池31を模式的に示す断面図であり、図6は、図5に示した微生物燃料電池31の動作原理を模式的に示す図である。以下、図5および図6を参照して、本発明の実施の形態3の微生物燃料電池31について説明する。図5および図6に示す微生物燃料電池31は、一部を除いては図1図2に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0032

図5に示す例の微生物燃料電池31は、第1の筒状保持体32の側面および底面の一部にそれぞれ第1の開口部(図4に示す例では、側面に複数設けられた第1の開口部33および底面に複数設けられた第1の開口部34)が設けられ、これら第1の開口部33,34を覆うように負極35が設けられている。

0033

図6に示すように、図5に示したような微生物燃料電池31を用いることで、負極35の底面および側面に表面積を広くすることができ、負極35に接触する土層11に含まれる嫌気性の電流発生菌の総量が大きくなり、図1に示したような微生物燃料電池と比較して、より大きな電流を回収することが可能となる。なお、プロトンは負極35から、第1の筒状保持体11の側面および底面の開口部33,34からイオン伝導体4を介して正極5へ移動する。

0034

<実施の形態4>
図7は、本発明の実施の形態4の微生物燃料電池41を模式的に示す断面図である。図7に示す微生物燃料電池41は、一部を除いては図1図4図5に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。本発明の微生物燃料電池は、第1の筒状保持体の少なくとも一方の先端は先鋭形状であってもよい。図7には、その一方側に先鋭形状に形成された先端部43を有する第1の筒状保持体42を備える例が示されている。これにより土層11に対して、第1の筒状保持体42をのように打ち込むことができ、設置施工をより容易にすることができる。なお、図7に示す例では、第1の筒状保持体42は、先端部43以外の部分の側面に第1の開口部44を複数有し、これら第1の開口部44を負極45で覆うように構成されている。

0035

<実施の形態5>
ここで、図8は、本発明の実施の形態5の微生物燃料電池51を模式的に示す断面図であり、図9は、図8に示す微生物燃料電池51の動作原理を模式的に示す図であり、図10(a)は、図8に示す微生物燃料電池51の斜視図、図10(b)は分解斜視図である。以下、図8図10を参照して、本発明の実施の形態5の微生物燃料電池51について説明する。図8図10に示す微生物燃料電池51は、一部を除いては図1図2図4図7に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0036

図8図10に示す例の微生物燃料電池51は、第1の筒状保持体(外筒)52の内部に、少なくとも一部に第2の開口部を有する第2の筒状保持体(内筒)53をさらに備える。図8図10に示す例では、第1の筒状保持体(外筒)52の側面に第1の開口部54が複数設けられると共に、第2の筒状保持体(内筒)53の側面にも第2の開口部55が複数設けられる。図8図10に示す例の微生物燃料電池51において、第1の筒状保持体(外筒)52の外表面には負極56が設けられ、第2の筒状保持体(内筒)53の外表面に正極57が設けられている(すなわち、第2の筒状保持体(内筒)53が正極57によって覆われている)。

0037

第1の筒状保持体(外筒)52と第2の筒状保持体(内筒)53との間には、イオン伝導体58が収容され、負極56と正極57とを、第1の筒状保持体(外筒)52の第1の開口とイオン伝導体58を介してイオン的接続がとられるように構成されている。また、第2の筒状保持体(内筒)53は、その上方にも第2の開口部59を有し、当該第2の開口部59を介して、第2の筒状保持体(内筒)53の内部が酸素を含む媒体(好適には空気)に曝されるように構成されている。また、図8図10に示す例において、第1の筒状保持体(外筒)52は、図7に示した例と同様に、その一方側に先鋭形状に形成された先端部60を有する。また、負極56および正極57には、図1図2図4図7に示した例の微生物燃料電池と同様に、負極配線61および正極配線62がそれぞれ電気的に接続されている。

0038

図9には、図8図10に示した微生物燃料電池51を、土層11に埋め込んだ状態を示している。図9には、第1の筒状保持体(外筒)52の外表面は土層11に、第2の筒状保持体(内筒)53の内部は高酸素層(上述のように、たとえば空気)12にそれぞれ曝されている。これにより、負極56は土層11と上述した反応R1を進行し、正極57は第2の筒状保持体(内筒)53から第2の開口部55を介して高酸素層12と上述した反応R2を進行する。

0039

図9に示す場合、負極56はできるだけ深く埋め込むのが望ましいが、埋め込み深さによらず正極57には酸素を供給することが可能になる。さらに隣接する負極56と正極57の距離を一定に制御し、かつ近付けることが可能になるため、プロトン伝導効率を向上させることができる。またイオン伝導体58は第2の筒状保持体(内筒)53の内部から供給される酸素を遮断する役割も兼ね備える。イオン伝導体58にはさらに酸素吸収材を添加しても構わない。酸素吸収材は、たとえば酸素還元能を有する酵素など(具体的には、グルコースオキシダーゼラッカーゼビリルビンオキシダーゼなど)の有機物や、酸素吸着性を有する無機物(具体的には、鉄化合物など)などである。

0040

正極57は、第2の開口部55を介して、第2の筒状保持体(内筒)53の内部の酸素と反応する。負極56は、最外表面に位置し、土層11に埋め込んだ場合には、土層11と直接に接触する。負極56は第1の筒状保持体(外筒)52の第1の開口部54およびイオン伝導体58を介して、正極57にイオン的接続がなされている。第1の開口部54および第2の開口部55は、その形状は特に制限されず、図10に示す例のように丸状の穴が複数配列されることで形成されていてもよいが、メッシュ状など他の形状であっても勿論よい。

0041

また、負極56と第1の開口部54とが、および/または、正極57と第2の開口部55とが、一体化していてもよい。すなわち、電極材料が接触するイオン伝導体58を第1の筒状保持体(外筒)52の内側に留め、かつ第2の筒状保持体(内筒)53の内部には侵入しない構成もしくは電極材料の選定があれば、本構成と同等の効果を得ることができる。

0042

<実施の形態6>
図11は、本発明の実施の形態6の微生物燃料電池71を模式的に示す斜視図である。なお、図11には、一部断面を示しており、この断面は、図8に示した構成における領域Dに対応する部分を示している。図11に示す微生物燃料電池71は、一部を除いては図1図2図4図10に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0043

図11に示す例の微生物燃料電池71は、第1の筒状保持体(外筒)72およびその内部に位置する第2の筒状保持体(内筒)73は、それぞれチューブ状であり、螺旋形状に形成されている。本発明の微生物燃料電池は、第1の筒状保持体の少なくとも一部は可撓性を有するか、もしくは湾曲しているように実現されてもよい。図11には、第1の筒状保持体および第2の筒状保持体の全体が可撓性を有する(フレキシブル)に実現された例が示されている。図11に示す例の微生物燃料電池71における第1の筒状保持体72も、図7図10に示した例と同様、その一方側が先鋭形状を有する先端部74を有する。

0044

図11に示す例の微生物燃料電池71も、第1の筒状保持体(外筒)72は負極75で覆われており、第2の筒状保持体(内筒)73は正極76で覆われている。第1の筒状保持体(外筒)72および第2の筒状保持体(内筒)73には、それぞれ、上述した実施の形態の微生物燃料電池と同様に、第1の開口部、第2の開口部がそれぞれ設けられており(図示せず)、また、負極75と正極76とは、第1の筒状保持体(外筒)72の第1の開口を介して、イオン伝導体77によりイオン的接続がなされている。

0045

図11に示すような微生物燃料電池71とすることで、第1の筒状保持体(外筒)72および第2の筒状保持体(内筒)73が螺旋状のチューブであるので、螺旋状の部分の長さを長くすることによって、体積あたりの発電に寄与する電極表面積を容易に大きくすることが可能となる。また土層に埋め込む場合には、本構成を用いれば回転によって容易に深くまでねじ込むことが可能になる。また、螺旋状のチューブである第1の筒状保持体(外筒)72および第2の筒状保持体(内筒)73は、ゴムホースのようにフレキシブル材料であってもよく、この場合には、螺旋状に限らず、様々な形状をとることができ、上述と同様に発電に寄与する電極表面積を大きくする効果を得る。地中に埋め込む深さを深くした場合でも正極76は第2の筒状保持体(内筒)73内の酸素と反応することが可能なため、埋め込む深さによらず、微生物燃料電池としての効果を得ることができる。

0046

図11に示すような微生物燃料電池71は特に、地中に埋めて使用することを意図しており、表面上には見えない地中の体積を有効に使用することにより発電量を高め、地上に突出する部分は小さくすることができる。これにより特に従来の太陽電池などでは発電の困難であった日当たりの悪い山間部などにおいて電源として好適に使用することが可能であり、地上の必要面積を小さくしてかつ照明や各種センサなどのデバイス用電源を供給することが可能になる。またその設置施工を非常に容易にすることが可能になる。

0047

<実施の形態7>
図12は、本発明の実施の形態7の微生物燃料電池81を模式的に示す図であり、図12(a)は斜視図、図12(b)は断面図である。なお、図12(b)は、図12(a)の切断面線B−Bにおける断面であり、図8に示した構成における領域Dに対応する部分を示している。図12に示す微生物燃料電池81は、一部を除いては図1図2図4図11に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0048

図12(a)に示す例の微生物燃料電池81は、外形スクリュー形状である。図12(b)に示されるように、第1の筒状保持体(外筒)82がスクリュー形状の外形を有しており、その外表面の少なくとも一部が負極83で覆われている。また、第1の筒状保持体(外筒)82の内部には、直線状の第2の筒状保持体(内筒)84を有し、その外表面は正極85によって覆われている。上述してきた構成の微生物燃料電池と同様に、負極83と正極84とは、第1の筒状保持体(外筒)の第1の開口(図示せず)を介し、たとえば共通するイオン伝導体86に接触することによりイオン的接続がなされている。

0049

図12に示す例の微生物燃料電池81の場合、第1の筒状保持体(外筒)82の外形がスクリュー形状であるため、固い地面であっても回転によって容易に埋め込むことが可能になる。またスクリュー形状で表面積が大きくなった分、発電に寄与する電極表面積を大きくすることが可能になる。したがって、埋め込んだ体積当たりの発電量を大きくすることが可能になる。

0050

また第2の筒状保持体(内筒)も第1の筒状保持体(外筒)82の内表面と所望距離オフセットしたスクリュー形状であっても構わない。たとえばスクリュー形状の第1の筒状保持体(外筒)82にイオン伝導体を充填した後、スペーサなどを隔てて、外形をスクリュー形状とした第2の筒状保持体(内筒)を挿入することで、製造することができる。この際、イオン伝導体はある条件下で固化軟化する材料(たとえば、寒天、ゼラチンアガーなど)を用いるのが望ましい。

0051

<実施の形態8>
図13は、本発明の実施の形態8の微生物燃料電池91を模式的に示す断面図である。図13に示す微生物燃料電池91は、一部を除いては図1に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0052

図13に示す例の微生物燃料電池91は、正極5と負極3とが対向して、第1の筒状保持体92の内表面に当接するように構成される。図13に示す例でも、第1の筒状保持体92には、第1の筒状保持体92の底面となる外表面に第1の開口部93が設けられ、この第1の開口部93にイオン伝導体94が充填され、正極5および負極3が第1の開口部93およびイオン伝導体94を介してイオン的接続がされている。本発明は、図13に示す例のように正極と負極とは、少なくともその一部が互いに対向していることが、好ましい。図13に示す微生物燃料電池91によれば、正極5が安定的に第1の筒状保持体92に固定されると共に、イオン伝導体94が最小限の量で済む、という利点がある。さらに、イオン伝導体94が所定の厚みを有するように、第1の筒状保持体92自体がスペーサの役割も兼ねる。

0053

<実施の形態9>
図14は、本発明の実施の形態9の微生物燃料電池101を模式的に示す断面図である。図14に示す微生物燃料電池101は、一部を除いては図8に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0054

図14に示す例の微生物燃料電池101は、正極102が第2の筒状保持体(内筒)の内表面に当接するように設けられている点を除いて、図8に示した例の微生物燃料電池51と同様である。このような構成とすることで、正極102の空気に露出された部分の面積を増大させることができ、正極102側の反応を促進させることができるという利点がある。

0055

<実施の形態10>
図15は、本発明の実施の形態10の微生物燃料電池111を模式的に示す断面図である。図15に示す微生物燃料電池111は、一部を除いては図1図2図4図14に示した例の微生物燃料電池と同様の構成を備えるものであり、同様の構成を備える部分については同一の参照符を付して説明を省略する。

0056

図15に示す例の微生物燃料電池111は、図7に示したのと同様の第1の筒状保持体112を用い、その内表面側と外表面側とを貫通する第1の開口部113,114を有し、当該第1の開口部113,114にイオン伝導体115が充填され、第1の開口部113,114およびイオン伝導体115を介して、第1の筒状保持体112の外表面に当接して設けられた負極116と、第1の筒状保持体112の内表面に当接して設けられた正極117とが、互いに対向して、イオン的接続がなされている。これにより、微生物燃料電池を構成する部品数を減らすことができ、かつ、イオン伝導体115が最小の量で済むという利点がある。さらに、イオン伝導体115が所定の厚みを有するように、第1の筒状保持体112自体がスペーサの役割も兼ねる。

0057

以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

0058

1微生物燃料電池、2 第1の筒状保持体、3 負極、4イオン伝導体、5 正極、6 第1の開口部、7 第1の開口部、8負極配線、9 正極配線、11土層、12高酸素層、21 微生物燃料電池、22機能層、31 微生物燃料電池、32 第1の筒状保持体、33 第1の開口部、34 第1の開口部、35 負極、41 微生物燃料電池、42 第1の筒状保持体、43 先端部、44 第1の開口部、45 負極、51 微生物燃料電池、52 第1の筒状保持体(外筒)、53 第2の筒状保持体(内筒)、54 第1の開口部、55 第2の開口部、56 負極、57 正極、58 イオン伝導体、59 第2の開口部、60 先端部、61 負極配線、62 正極配線、71 微生物燃料電池、72 第1の筒状保持体(外筒)、73 第2の筒状保持体(内筒)、74 先端部、75 負極、76 正極、77 イオン伝導体、81 微生物燃料電池、82 第1の筒状保持体(外筒)、83 負極、84 第2の筒状保持体(内筒)、85 正極、86 イオン伝導体、91 微生物燃料電池、92 第1の筒状保持体、93 第1の開口部、94 イオン伝導体、101 微生物燃料電池、102 正極、111 微生物燃料電池、112 第1の筒状保持体、113 第1の開口部、114 第2の開口部、115 イオン伝導体、116 負極、117 正極。

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