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技術 排水処理装置および排水処理方法

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 牧野新一関秀司高田孝夫宮原康文山田和矢
出願日 2014年8月28日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-174429
公開日 2016年4月11日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2016-050780
状態 特許登録済
技術分野 汚染除去及び汚染物処理
主要キーワード 成型ステップ 混練ステップ アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物 中空柱 角材状 回収弁 油脂回収 クロスフローフィルタ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月11日)のものです。
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図面 (7)

課題

排水の浄化機能を長期間にわたり高く維持できるとともに、排水の浄化で発生する放射性廃棄物自燃可能にすることができる排水処理装置および排水処理方法を提供する。

解決手段

排水処理装置10は、放射性核種および油脂成分を含む排水11に吸着剤12を添加する吸着剤添加部20と、吸着剤12および排水11の混合水11cを一定時間貯留する吸着槽13と、吸着槽13に接続されて混合水11cから浄化水14を分離して吸着剤12が濃縮された吸着剤濃縮泥15を生成する分離部16と、吸着剤濃縮泥15を融解した助燃固化剤17とともに混練して混練体18を生成する混練部19と、助燃固化剤17を固化させて混練体18を成型する成型部21と、を備える。

概要

背景

地震などの自然災害原子力発電所被災すると、被災の規模によっては炉心溶融することがありえる。
この場合、溶融した炉心の冷却には、大量の海水原子炉建屋撒布する方法がある。
この方法を用いると、機械油などの油脂成分および放射性核種を含む大量の海水が原子炉建屋の地下に溜まることになる。

このようにして原子力発電所の内部に溜まった排水を自然環境へ排出するには、これら油脂成分などの不純物および放射性核種を所定の基準値以下にする必要がある。
放射性核種を含まない排水に対する不純物の除去方法は、様々なものが提案されている。
また、放射性核種の除去については、ゼオライトなどの吸着剤充填した吸着塔汚染水通水させる方法が効果的である。

概要

排水の浄化機能を長期間にわたり高く維持できるとともに、排水の浄化で発生する放射性廃棄物自燃可能にすることができる排水処理装置および排水処理方法を提供する。排水処理装置10は、放射性核種および油脂成分を含む排水11に吸着剤12を添加する吸着剤添加部20と、吸着剤12および排水11の混合水11cを一定時間貯留する吸着槽13と、吸着槽13に接続されて混合水11cから浄化水14を分離して吸着剤12が濃縮された吸着剤濃縮泥15を生成する分離部16と、吸着剤濃縮泥15を融解した助燃固化剤17とともに混練して混練体18を生成する混練部19と、助燃固化剤17を固化させて混練体18を成型する成型部21と、を備える。

目的

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、排水の浄化機能を長期間にわたり高く維持できるとともに、排水の浄化で発生する放射性廃棄物を自燃可能にすることができる排水処理装置および排水処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

放射性核種および油脂成分を含む排水に前記放射性核種および前記油脂成分を吸着する吸着剤を添加する吸着剤添加部と、前記吸着剤および前記排水の混合水を一定時間貯留する吸着槽と、前記吸着槽に接続されて前記混合水から浄化水を分離して前記吸着剤が濃縮された吸着剤濃縮泥を生成する分離部と、前記吸着剤濃縮泥を融解した助燃固化剤とともに混練して混練体を生成する混練部と、前記助燃固化剤を固化させて前記混練体を成型する成型部と、を備えることを特徴とする排水処理装置

請求項2

前記吸着槽の供給口に接続されて油脂層および水層が形成された前記排水から前記油脂層を除去する除去部を備えることを特徴とする請求項1に記載の排水処理装置。

請求項3

前記吸着槽は、深底形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排水処理装置。

請求項4

前記吸着槽の排出口および前記混練部の供給口に接続されて前記混合水から前記吸着剤の一部を分離する予備分離部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項5

前記吸着剤は、活性炭であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項6

前記助燃固化剤は、炭素数が12〜30の直鎖脂肪族系の炭素化合物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項7

前記吸着剤濃縮泥にCa元素を含む物質投与するCa投与部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項8

前記排水に吸水剤を投与する吸水剤投与部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項9

前記助燃固化剤は、炭素数が12〜30でCa元素を含む長鎖脂肪酸であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項10

前記分離部および前記予備分離部の少なくとも一方は、ろ過器沈降分離槽クラッドセパレータフィルタプレスおよび遠心分離器から少なくとも1つ選択されるものであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項11

前記吸着槽および前記予備分離部の少なくとも一方は、前記排水に浮遊する前記吸着剤を凝集させる凝集剤を付加する凝集剤付加部を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の排水処理装置。

請求項12

放射性核種および油脂成分を含む排水に吸着剤を供給する供給ステップと、前記吸着剤および前記排水の混合水を一定時間貯留する吸着ステップと、前記混合水から浄化水を分離して前記吸着剤が濃縮された吸着剤濃縮泥を生成する分離ステップと、前記吸着剤濃縮泥を融解した助燃固化剤とともに混練して混練体を生成する混練ステップと、前記助燃固化剤を固化させて前記混練体を成型する成型ステップと、を含むことを特徴とする排水処理方法

請求項13

前記吸着ステップの後段に、前記放射性核種および前記油脂成分を吸着した前記吸着剤を沈降分離させる沈降分離ステップを含むことを特徴とする請求項12に記載の排水処理方法。

請求項14

前記供給ステップの前段に、油脂層および水層からなる前記排水から前記油脂層を除去する除去ステップを含むことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の排水処理方法。

請求項15

前記混練ステップにおいて、前記除去ステップで除去した前記油脂層を前記吸着剤濃縮泥に混合して混練することを特徴とする請求項14に記載の排水処理方法。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、原子力発電所で発生した排水を処理するための排水処理技術に関する。

背景技術

0002

地震などの自然災害に原子力発電所が被災すると、被災の規模によっては炉心溶融することがありえる。
この場合、溶融した炉心の冷却には、大量の海水原子炉建屋撒布する方法がある。
この方法を用いると、機械油などの油脂成分および放射性核種を含む大量の海水が原子炉建屋の地下に溜まることになる。

0003

このようにして原子力発電所の内部に溜まった排水を自然環境へ排出するには、これら油脂成分などの不純物および放射性核種を所定の基準値以下にする必要がある。
放射性核種を含まない排水に対する不純物の除去方法は、様々なものが提案されている。
また、放射性核種の除去については、ゼオライトなどの吸着剤充填した吸着塔汚染水通水させる方法が効果的である。

先行技術

0004

特開平05−68965号公報
特開平10−249170号公報
特開2008−110280号公報
特開2005−42202号公報
特開2005−34742号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、吸着塔に排水を通水させて放射性核種を除去する方法は、排水が油脂成分を多く含む場合、吸着塔および充填された吸着剤に油脂成分が残留するという課題があった。
吸着塔の内部に残留した油脂成分は、吸着塔の放射性核種の吸着能力を低下させる。
つまり、吸着塔に油脂成分が残留することにより、排水から放射性核種が十分に除去されず、通水後の排水の放射能を基準値以下にすることができない恐れがある。
また、残留した油脂成分は、吸着塔の放射性核種の吸着能力の低下速度を速め、吸着剤の交換までの期間をも短くする。

0006

一方で、上述した従来の技術では、吸着剤として使用された粉末活性炭などが放射性廃棄物として発生してしまうという課題もある。
放射性廃棄物となった粉末活性炭は、放射性核種を含まない一般的な活性炭と異なり、再利用や容易な処分ができない。

0007

例えば、吸着剤として使用された粉末活性炭は、放射性核種を含んだままではコークス代替とすることはできない。
また、例えば、この粉末活性炭を濃縮減容する場合も、放射線有機物劣化させてしまうため、有機物からなる中空糸膜などを用いることができない。
よって、排水から放射性核種を除去する場合、除去に用いた吸着剤などの放射性廃棄物の保存方法および処理方法についても考慮する必要がある。

0008

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、排水の浄化機能を長期間にわたり高く維持できるとともに、排水の浄化で発生する放射性廃棄物を自燃可能にすることができる排水処理装置および排水処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本実施形態にかかる排水処理装置は、放射性核種および油脂成分を含む排水に前記放射性核種および前記油脂成分を吸着する吸着剤を添加する吸着剤添加部と、前記吸着剤および前記排水の混合水を一定時間貯留する吸着槽と、前記吸着槽に接続されて前記混合水から浄化水を分離して前記吸着剤が濃縮された吸着剤濃縮泥を生成する分離部と、前記吸着剤濃縮泥を融解した助燃固化剤とともに混練して混練体を生成する混練部と、前記助燃固化剤を固化させて前記混練体を成型する成型部と、を備えることを特徴とするものである。

0010

また、本実施形態にかかる排水処理方法は、放射性核種および油脂成分を含む排水に吸着剤を供給する供給ステップと、前記吸着剤および前記排水の混合水を一定時間貯留する吸着ステップと、前記混合水から浄化水を分離して前記吸着剤が濃縮された吸着剤濃縮泥を生成する分離ステップと、前記吸着剤濃縮泥を融解した助燃固化剤とともに混練して混練体を生成する混練ステップと、前記助燃固化剤を固化させて前記混練体を成型する成型ステップと、を含むものである。

発明の効果

0011

本発明により、排水の浄化機能を長期間にわたり高く維持できるとともに、排水の浄化で発生する放射性廃棄物を自燃可能にすることができる排水処理装置および排水処理方法が提供される。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態にかかる排水処理装置の概略構成図。
クロスフローろ過器の概略断面図。
(A)はクロスフローろ過器を構成するクロスフローフィルタの一例を示す断面斜視図、(B)は(A)で示されるクロスフローフィルタの変形例を示す断面斜視図。
第2実施形態にかかる排水処理装置の概略構成図。
第1実施形態にかかる排水処理方法を示すフローチャート
実施例1の試験条件および試験結果を示す図。

0013

以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

0014

(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる排水処理装置10の概略構成図である。

0015

第1実施形態にかかる排水処理装置10は、図1に示されるように、放射性核種および油脂成分を含む排水11に吸着剤12を添加する吸着剤添加部20と、吸着剤12および排水11の混合水11c(11)を一定時間貯留する吸着槽13と、吸着槽13に接続されて混合水11cから浄化水14を分離して吸着剤12が濃縮された吸着剤濃縮泥15を生成する分離部16と、吸着剤濃縮泥15を融解した助燃固化剤17とともに混練して混練体18を生成する混練部19と、助燃固化剤17を固化させて混練体18を成型する成型部21と、を備える。
また、吸着槽13の供給口に接続されて油脂層11a(11)および水層11b(11)が形成された排水11から油脂層11aを除去する除去部22を備える。

0016

原子炉建屋の地下などに溜まった排水11は、図1に示されるように、排水収集管h0から排水処理装置10に収集される。
排水収集管h0は、排水11の流量を調整する排水収集弁V0を備えて、排水処理装置10の除去部22に接続される。

0017

排水11は、機械油などの油脂成分を多く含む場合、油脂層11aおよび水層11bに分離していることが多い。
また、排水11に界面活性剤混入しているなどで層を形成していなくても、界面活性剤などを取り除くことで容易に層にすることができる。
排水11を容易に層状にすることができる場合、除去部22において、この排水11から油脂層11aが除去される。

0018

除去部22には、例えばこの除去部22の側面にデカントライン22a(22)が接続されている。
そして、デカントライン22aは油脂保管部52に接続される。
デカントライン22aで除去部22から抜き取られた油脂層11aの油脂成分は、油脂保管部52に保管される。

0019

なお、除去部22は、図1に示されるような槽に限定されず、遠心分離器など層に分離していない排水11を層に分離させる従来知られた機器を備えてもよい。
また、デカントライン22aは、油脂層11aを抜き取るものでも水層11bを抜き取るものでもよい。

0020

また、除去部22において油脂成分が完全に除去されなくてもよい。
つまり、水層11bの油脂成分の濃度が5000ppm程度以下となれば、油脂層11aが僅かに残留し、または油脂成分が水層11bに溶け込んでいてもよい。
水層11bを排出する除去部22の排出口は、水層弁V1を備える水層管h1によって吸着槽13に接続される。

0021

そして、水層11bは、吸着槽13に排出される。
なお、油脂成分が微量なため油脂成分の容易な除去ができない場合、除去部22における油脂成分の除去作業は省略することができる。
除去作業を省略する場合、排水収集管h0は、直接吸着槽13の供給口に接続される。

0022

吸着槽13には、吸着剤12を収容する吸着剤添加部20が第1供給弁V2を備える供給管h2を介して接続されている。
水層11bが吸着槽13に供給されると、第1供給弁V2が開放されて吸着剤添加部20から吸着槽13に吸着剤12が添加される。
吸着剤12は、例えば粉末活性炭またはゼオライトなど、排水11から放射性核種および油脂成分を吸着させるものである。
特に、排水処理装置10で生成された固化体29は焼却によって最終処分されることを予定しているので、吸着剤12にはより燃焼が容易な粉末活性炭を用いるのがよい。

0023

ところで、吸着剤12の添加量が多くなると、その分放射性廃棄物の量が増加することになる。
よって、吸着剤12の添加量は、水層11bにおける吸着剤12の濃度が5000ppm以下となるようにするのが望ましい。

0024

一方、吸着剤12が粉末活性炭である場合、粉末活性炭の添加量がより多い方が分離部16のろ過比抵抗を軽減することができる。
よって、吸着剤12の添加量は水層11bにおける吸着剤12の濃度が300ppm以上であることが必要である。
これらの条件を考慮すると、吸着剤12の添加量は、水層11bにおける吸着剤12の濃度が1000ppm程度とするのが望ましい。

0025

なお、吸着剤12は、一種類のみで油脂成分および放射性核種のいずれも吸着する必要はない。
油脂成分のみを吸着するものと放射性核種のみを吸着させるものを組み合わせて吸着剤として使用してもよい。

0026

吸着剤12が添加された水層11bは、吸着槽13において、数分〜数十分程度の一定時間、貯留される。
貯留時間は、水層11bにおける油脂成分および放射性核種の濃度が5000ppm程度以下となるように設定される。
貯留時間は、吸着槽13に水層11bが供給された時点における油脂成分および放射性核種の濃度に合わせて自由に変更できる。

0027

なお、吸着槽13に撹拌部34を設けて、貯留の間撹拌してもよい。
後述する実施例1では、撹拌時間を15分とすることで、油脂成分を十分吸着されたことが確認された。
このように、吸着剤12および排水11の混合水11cを吸着槽13に一定時間貯留することで、油脂成分および放射性核種が吸着剤12に吸着される。
吸着槽13は、回収弁V3が設けられた回収管h3を介して混練部19に接続される。

0028

また、吸着槽13には、分離部16が接続されている。
分離部16には、フィルタクラッドセパレータフィルタプレス、遠心分離器またはデカンタなどが用いられる。
特に、図1で例示しているクロスフローろ過器16a(16)は、ろ過効率を長期間維持することができて好適に用いることができる。

0029

図1で例示されるように、回収管h3は、途中で分岐して往路弁V4が設けられた往路管h4となってクロスフローろ過器16aの流入口に接続される。
一方、クロスフローろ過器16aの流出口と吸着槽13とは、復路弁V5が設けられた復路管h5によって接続される。

0030

このようにクロスフローろ過器16aの流入口および流出口の両方が吸着槽13に接続されて、排水11が吸着槽13およびクロスフローろ過器16aを循環する経路が形成される。
そして、クロスフローろ過器16aは、水層11bから浄化水14を分離して吸着剤12が濃縮された吸着剤濃縮泥15を生成する。

0031

分離部16で浄化された浄化水14は、浄水弁V6を設けた浄水管h6から一時的に浄水槽24に収容される。
そして、浄水槽24において水質分析で安全性が確認されてから、放出弁V7が開放されて放出管h7から自然環境に放出される。

0032

分離部16および吸着槽13にそれぞれ残留した吸着剤濃縮泥15は、吸着槽13に回収管h3で接続された混練部19に回収される。
混練部19には、第3供給弁V9を備える第3供給管h9によって、融解した助燃固化剤17を供給する助燃剤供給部25が接続される。

0033

そして、助燃剤供給部25から、吸着剤濃縮泥15に対する助燃固化剤17の体積比が0.7〜2.0となるように助燃固化剤17が混練部19に添加される。
混練部19は、吸着剤濃縮泥15をこの融解した助燃固化剤17とともに混練して、混練体18を生成する。

0034

助燃固化剤17は、例えば、石油ワックス木蝋および白から選ばれる燃焼促進剤である。
これらの助燃固化剤17は、いずれも炭素数が12〜30の直鎖脂肪族系の炭素化合物で、65〜70℃の融点を有するものである。
よって、これらの助燃固化剤17は、加熱によって融解するとともに常温で固化する性質を有する。

0035

上記の性質を有する助燃固化剤17を添加することで、混練体18は後に固化して運搬や保管が容易な形態となる。
特に、入手容易性の観点から、助燃固化剤17として、パラフィンワックスが好適に用いられる。
なお、助燃固化剤17として、助燃作用のある助燃剤と固化作用のある固化剤とで別個のものをそれぞれ添加してもよい。

0036

また、油脂成分がリン酸エステルの場合は、ステアリン酸カルシウムなどの炭素数が12〜30でCa元素を含む長鎖脂肪酸を用いるのがよい。
リン酸エステルが吸着された吸着剤12を焼却すると、リンリン酸となって揮発して、焼却炉33の内部に拡散してしまうからである。
拡散したリン酸は、焼却炉33の内部の金属や耐火物腐食させる。
そこで、上述のCa元素を含む長鎖脂肪酸を助燃固化剤17として用い、リンとカルシウムを反応させてリンによる腐食を防止する。

0037

同様の効果は、助燃固化剤17とは別個に、消石灰などのCa含有物54を吸着剤濃縮泥15に投与しても得られる。
この場合、混練部19は、第4供給弁V12が設けられた第4供給管h12でCa投与部53に接続されて、このCa投与部53からCa含有物54の供給を受ける。

0038

また、混練部19には加熱部23および撹拌モータ35に接続された混練機28が備えられている。
吸着剤濃縮泥15および助燃固化剤17は、加熱部23で加熱されながら混練機28で混練される。
混練された吸着剤濃縮泥15および助燃固化剤17は、エマルジョン状の混練体18となる。

0039

なお、このときの混練体18の含水量が高いと、その分最終処分の際の焼却が困難となる。
そこで、必要に応じて、混練部19に吸水剤投与部26を設置して、吸着剤濃縮泥15に吸水剤27を投与する。
吸水剤27としては、例えばアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物などの高分子ポリマーが好適に使用できる。

0040

なお、吸水剤27は、シリカゲル系または石灰系乾燥剤および塩化カルシウムなど、原子力発電所での使用が認められていれば、種類は限定されない。
吸水剤27は、水分量、粒子径または混合時間など混練体18の状態に合わせて適宜選択すればよい。

0041

なお、除去部22で排水11から除去された油脂層11aも吸着剤濃縮泥15とともに混練してもよい。
吸着剤濃縮泥15と同様に、油脂層11aも最終処分が必要な放射性廃棄物であるからである。

0042

この場合、混練部19は、油脂回収弁V11を備える油脂回収管h11によって油脂保管部52に接続される。
ただし、油脂層11aは、吸着剤濃縮泥15とは別系統で独立して助燃固化剤17が添加されて、固化体29とは異なる成分の固化体にされてもよい。

0043

混練部19の下部には、例えば鋳型などの成型部21が配置される。
成型部21は、助燃固化剤17を固化させて混練体18を成型する。
エマルジョン状の混練体18は、この鋳型の成型部21に流し込まれて一定の期間常温で静置される

0044

静置された混練体18は、助燃固化剤17が固化するとともに水分が蒸発して、固化体29となる。
この固化体29は、吸水剤27によって乾燥されているとともに助燃固化剤17が混合されているので、単体での焼却が可能である。
また、この固化体29は、積み上げが可能であるので、すぐに焼却しない場合でも、例えば、ドラム缶31などに積み上げて収容して貯蔵することもできる。

0045

なお、混練体18を混練部19である程度固化させて粘土状にして、押出し成型圧縮成型をすることも可能である。
押出し成型の場合、成型部21は、例えば、混練部19に設けられる口金、口金から連続的に排出される角材状の混練体18を載せるベルトコンベアおよび混練体18を切断する切断刃などである。

0046

このように、第1実施形態にかかる排水処理装置10によれば、放射性核種を吸着した吸着剤12を取り扱いやすい形態にするとともにこの吸着剤12の単体での焼却を可能とすることができる。

0047

次に、図2図3(A)および図3(B)を用いて、排水処理装置10で好適に用いられる分離部16について詳述する。
図2は、クロスフローろ過器16aの概略断面図である。
また、図3(A)はクロスフローろ過器16aを構成するクロスフローフィルタ16a1の一例を示す断面斜視図、図3(B)は図3(A)で示されるクロスフローフィルタ16a1の変形例を示す断面斜視図である。

0048

一般に濾過器には、圧力をフィルタ表面に対して垂直に印加するデッドエンドろ過方式と、ろ過対象となる液体をフィルタ表面に沿って流動させるクロスフローろ過方式と、に大別される。
デッドエンドろ過方式では、ろ過が進むにつれてフィルタ表面に不透過成分堆積して、ろ過率が低下するとともに、フィルタの目詰まりが発生しやすい。
一方、クロスフローろ過方式では、図2に示されるように、中空柱で複数の流水路46を形成するクロスフローフィルタ16a1を備えるクロスフローろ過器16aが用いられる。

0049

クロスフローろ過方式では、不透過成分は流水路46の表面に沿って循環するので、目詰まりの発生頻度が低く、長期間高いろ過率を維持することができる。
ここで、排水処理装置10が処理する排水11は放射性核種を含むので、頻繁に排水処理装置10の近傍に立ち入ることは好ましくない。
そこで、排水処理装置10で使用する分離部16には、目詰まり、ろ過率の低下またはこれらに関する点検などの頻度を抑制することができるクロスフローろ過器16aを用いるのが好ましい。

0050

クロスフローフィルタ16a1として、図3(A)に示されるチューブラ型図3(B)に示されるモノリス型などがろ過対象などに合わせて適宜選択される。
クロスフローろ過器16aは、内部に、これらのクロスフローフィルタ16a1が数本〜数百本並置されて構成される。
クロスフローフィルタ16a1は、セラミックカーボンまたはプラスチックなどの素材からなり、数μm程度の無数微細孔を有する。

0051

また、クロスフローフィルタ16a1には、その長手方向に沿って流水路46が設けられている。
この流水路46に、吸着剤12を含む排水11を通流させて、微細粒子のみを壁面の微細孔に浸透させることで、浄化水14を外部へ湧出させる。
排水11は、ろ過ポンプ32の動力でクロスフローろ過器16aおよび吸着槽13を連続的に循環して徐々に吸着剤濃縮泥15が濃縮されていく。

0052

そして、濃縮された吸着剤濃縮泥15は、クロスフローろ過器16aおよび吸着槽13に残留する。

0053

次に、第1実施形態にかかる排水処理方法を図5のフローチャートを用いて説明する(適宜図1を参照)。

0054

まず、排水収集弁V0を開放して、排水11を除去部22に収集する(S11)。
収集した排水11は、除去部22に一定期間静置することで、油脂層11aと水層11bとに分離する。
そこで、油脂層11aと水層11bとに分離した排水11から、油脂層11aを除去する(除去ステップS12)。

0055

界面活性剤の混入などにより排水11が層を形成しない場合は、不溶性シクロデキストリンなどを添加して界面活性剤を除去するなどの工夫をする。
水層11bに残留した微量の油脂層11aおよび溶け込んだ油脂成分の全体の油脂成分の濃度は、5000ppm程度以下とするのが望ましい。

0056

油脂層11aを除去した後、水層11bを吸着槽13に貯留する。
そして、第1供給弁V2を開放して吸着剤添加部20から吸着剤12を水層11bに供給する(供給ステップS13)。
そして、油脂成分の濃度が5000ppm程度となるように算出された一定時間の間吸着槽13において貯留される(吸着ステップS14)。

0057

なお、吸着ステップS14において水層11bを攪拌することで、この一定時間を短くすることができる。
また、撹拌によって、油脂成分の濃度のムラの発生を防止することができる。

0058

このように、吸着ステップS14をバッチ処理にして一定時間の貯留を確保することで、油脂成分および放射性核種を確実に吸着させることができる。
さらに、吸着剤12の吸着機能が低下してきた場合、この低下に合わせて貯留時間を長くすることで排水11の浄化機能を長期間にわたり高く維持させることができる。

0059

次に、混合水11cから浄化水14を分離して吸着剤12が濃縮された吸着剤濃縮泥15を生成させる(分離ステップS15〜S20)。
分離ステップ(S15〜S20)では、まず、水層弁V1および第1供給弁V2を閉止し、往路弁V4および復路弁V5を開放して、ろ過ポンプ32を起動させる。
ろ過ポンプ32は、排水11を吸着槽13と分離部16とで繰り返し循環させて吸着剤濃縮泥15へと濃縮させる(S15)。

0060

ろ過によって生成された浄化水14は(S16:YES)、一度浄水槽24に回収される(S17)。
回収された浄化水14は、水質分析によって安全が確認されてから(S18)、例えば、自然環境へ放出される(S19)。

0061

一方、水層11bは(S16:NO)、水分が浄化水14となって徐々に分離されて吸着剤12からなる吸着剤濃縮泥15が生成される(S20)。
十分な吸着剤濃縮泥15が生成されたら、ろ過ポンプ32を停止させて、往路弁V4および復路弁V5を閉止する。

0062

このとき、吸着剤濃縮泥15は、吸着槽13または分離部16に残留する(S21)。
残留した吸着剤濃縮泥15は、回収管h3に設けられた回収弁V3を開放して混練部19へ流下させる。
また、油脂回収弁V11を開放して、混練部19に排水11から除去された油脂層11aの油脂成分を流下させる。

0063

さらに、第2供給管h8および第3供給管h9の第2供給弁V8および第3供給弁V9をそれぞれ開放して、混練部19に吸水剤27および助燃固化剤17を供給する。
このとき、添加される吸水剤27は、吸着剤濃縮泥15の質量に対して0.01〜0.05程度が望ましい。
また、油脂成分がリン酸エステルである場合は、Ca投与部53からCa含有物54を供給する。

0064

そして、助燃固化剤17などが添加された吸着剤濃縮泥15および油脂層11aは、エマルジョン状の混練体18になるまで混練される(混練ステップS22)。

0065

次に、混練部19の底部に接続された排出管h10に設けられた排出弁V10を開放して、混練体18を成型部21の鋳型に流し込む(S23)。
混練体18は、一定時間静置されて冷却され、固化して、固化体29となる(成型ステップS24)。
そして、固化体29は、焼却炉33で焼却されて最終処分がなされる(S25)。
なお、油脂層11aは、混練ステップS22で吸着剤濃縮泥15に供給されずに、吸着剤濃縮泥15とは別個に固化されてもよい。

0066

以上のように、第1実施形態にかかる排水処理装置10によれば、排水11の浄化機能を長期間にわたり高く維持させるとともに、排水11の浄化で発生する放射性廃棄物を自燃可能にすることができる。
また、発生した放射性廃棄物を固化体29にすることで、吸着した吸着剤12を焼却による最終処分までの間に取り扱いやすい形態にすることができる。

0067

(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかる排水処理装置10の概略構成図である。
なお、図4において図1で示したCa投与部53は省略している。

0068

第2実施形態にかかる排水処理装置10は、図4に示されるように、吸着槽13の排出口および混練部19の供給口に接続されて吸着剤12および水層11bの混合水11cから吸着剤12の一部を分離する予備分離部57を備える。
例えば、水層11bの油脂成分または放射性核種の濃度が高い場合、吸着剤12の供給量を多くする必要がある。

0069

しかし、水層11bに含まれる吸着剤12の分量が多くなると、その分だけ分離部16かかる負荷が大きくなる。
分離部16は、排水処理装置10の構成部材のうちで高価であるとともに比較的高い頻度でメンテナンスが必要となる部材である。
よって、分離部16で吸着剤12と浄化水14とを分離する前に、水層11bに含まれる吸着剤12の分量をできるだけ少なくする必要がある。

0070

そこで、分離部16の前段に予備分離部57を設けて、吸着剤12および水層11bの混合水11cから吸着剤12を分離する。
予備分離部57は、例えば、図4に示されるように、深底形状沈降分離槽57a(57)である。
吸着槽13の排出口は、移送ポンプ61を備える予備分離管h13で予備分離部57に接続される。

0071

吸着槽13における吸着が終了すると、移送ポンプ61によって水層11bが沈降分離槽57aへ移送される。
沈降分離槽57aにおいて、水層11bが所定時間静置されることで、吸着剤12が沈降分離する。
吸着剤12の沈降分離を促進するために、沈降分離槽57aに凝集剤37を付加して水層11bに浮遊する吸着剤12を凝集させる。

0072

凝集剤37は、付加管h14によって沈降分離槽57aに接続される凝集剤付加部38から付加管h14に備えられた付加弁V14が開放されて付加される。
吸着剤12の沈殿物58は、例えばデカンティングなどによって上澄水62と分離される。
吸着剤12の濃度が低い上澄水62は、第1実施形態における混合水11cと同様の手順で分離部16によって吸着剤濃縮泥15が分離される。

0073

なお、予備分離部57は、吸着槽13が兼ねることもできる。
すなわち、吸着槽13を沈降分離に十分な深底形状とするとともに、この吸着槽13に凝集剤37を付加することで吸着槽13において吸着剤12の一部を沈降分離させることができる。

0074

このように第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、分離部16の負荷を軽減することで、排水処理装置10のメンテナンスの頻度を抑制することができる。

0075

なお、分離部16による浄化水14の分離の前段で吸着剤12の一部を分離すること以外は、第2実施形態は第1実施形態と同じ構造および動作手順となるので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。

0076

以下、上記実施形態の排水処理方法を用いて行った試験結果を説明する。
(実施例1)
図6は、実施例1の試験条件および試験結果を示す図である。
実施例1では、まず、第1の水槽に油脂成分を5500ppmの濃度で含む排水を収容してよく撹拌した。

0077

撹拌の後、第1の水槽を15分間静置した。
油脂成分が浮上分離して、排水は油脂層および水層の層を形成した。
そこで、水層を第2の水槽に引き抜くことで排水から油脂層を除去した。
このとき、第2の水槽に引き抜かれた水槽成分における油脂成分の濃度は、284ppmとなった。

0078

次に、水層が収容された第2の水槽に粉末活性炭を300ppm添加し、よく撹拌した。
水層から粉末活性炭を除去後、水層の油脂成分濃度を測定した。
測定の結果、油脂成分濃度は0ppmとなり、油脂成分が完全に除去されたことが確認された。
なお、油脂成分の濃度測定には、HORIBA(登録商標)製のOCMA305を使用した。

0079

(実施例2)
粉末活性炭10gに対してパラフィンを15g添加し、混練して混練体を作製した。
作製した混練体について、JIS Z 7302−2の規定に準じて発熱量を測定した。
測定の結果、混練体の発熱量は9000kcal/kg以上となり、自燃可能な熱量となることが確認された。

0080

以上述べた少なくとも一つの実施形態の排水処理装置10によれば、排水11の浄化機能を長期間にわたり高く維持するとともに、排水11の浄化で発生する放射性廃棄物を自燃可能にすることが可能となる。

実施例

0081

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0082

10…排水処理装置、11(11a,11b)…排水(油脂層,水層)、11c(11)…混合水、12…吸着剤、13…吸着槽、14…浄化水、15…吸着剤濃縮泥、16(16a)…分離部(クロスフローろ過器)、16a1(16a)…クロスフローフィルタ、17…助燃固化剤、18…混練体、19…混練部、20…吸着剤添加部、21…成型部、22…除去部、22a…デカントライン、23…加熱部、24…浄水槽、25…助燃剤供給部、26…吸水剤投与部、27…吸水剤、28…混練機、29…固化体、31…ドラム缶、32…ろ過ポンプ、33…焼却炉、34…撹拌部、35…撹拌モータ、37…凝集剤、38…凝集剤付加部、46…流水路、52…油脂保管部、53…Ca投与部、54…Ca含有物、57…予備分離部、57a…沈降分離槽、58…沈殿物、61…移送ポンプ、62…上澄水、V0…排水収集弁、V1…水層弁、V2…第1供給弁、V3…回収弁、V4…往路弁、V5…復路弁、V6…浄水弁、V7…放出弁、V8…第2供給弁、V9…第3供給弁、V10…排出弁、V11…油脂回収弁、V12…第4供給弁、V14…付加弁、h0…排水収集管、h1…水層管、h2…供給管、h3…回収管、h4…往路管、h5…復路管、h6…浄水管、h7…放出管、h8…第2供給管、h9…第3供給管、h10…排出管、h11…油脂回収管、h12…第4供給管、h13…予備分離管、h14…付加管。

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