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技術 抗体薬物コンジュゲートと共に使用する安定性調節用リンカー

出願人 ファイザー・インクライナットニューロサイエンスコーポレイション
発明者 ラッセルジョージダッシンパヴェルストラップマグダレーナグラズィナドリュウォルスカルディヴィンモイネ
出願日 2015年8月26日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-166643
公開日 2016年4月11日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2016-050204
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 ペプチド又は蛋白質 非環式または炭素環式化合物含有医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 管理監督 追加構成要素 スペーサー要素 保存ディスク 相対活量 電子送信 AR値 一変形形態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月11日)のものです。
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図面 (10)

課題

定性特性が抗体薬物コンジュゲートADC)のリンカー上の調節用部分によって変更されるADCの提供。

解決手段

式(I)で表されるリンカーを用いたADC。[Mは安定性調節基;Pは1つ以上のグルタミン残基を含むペプチド配列;QはP中のグルタミン残基;Eは各々独立に−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが2以上の場合)又は−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが1以上の場合);R1はH、C1〜6直鎖/分枝アルキル、C2〜6直鎖/分枝のアルケニル又はC2〜C6直鎖/分枝のアルキニル;X及びYはアミノ酸;Zはスペーサー要素;mは0〜5;nは1〜5;pは0〜2;qは0〜10;rは0〜2;sは0〜2;q+r+s>=2;Dは細胞傷害性薬剤

概要

背景

抗体療法は、がん免疫疾患などの種々の障害を有する患者における標的治療処置を提供し、したがって、生物学的調査において重要な役割を果たしてきた。抗体薬物コンジュゲートADC)を始めとする、異なる手法の標的抗体療法が探究されている。Chari,R.V.、Miller,M.L.、およびWiddison,W.C.(2014)、Antibody−drug conjugates:an emerging concept in cancer therapy.Angewandte Chemie 53、3796〜827;Senter,P.D.およびSievers,E.L.(2012)、The discovery and development of ADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) for use in relapsed Hodgkin lymphoma and systemic anaplastic large cell lymphoma.Nature biotechnology 30、631〜7;Lambert,J.M.(2013)、Drug−conjugated antibodies for the treatment of cancer.British journal of clinical pharmacology 76、248〜62。

ADC(ある状況では免疫コンジュゲートとも呼ばれる)の場合、多くの場合細胞傷害性分子薬物部分)である低分子「ペイロード」が、薬物部分を腫瘍に標的局所送達する抗体に共有結合連結(コンジュゲート)されている。ADCの従来のコンジュゲーション法には、リシン側鎖アミン、または鎖間ジスルフィド結合還元により活性化されたシステインスルフヒドリル基のいずれかを介した化学修飾が含まれる。ブレツキシマブベドチンおよびKADCYLA(登録商標)(ado−トラスツズマブエムタンシン)は、こうした従来の方法を使用するADCの2つの例である。

ADCの作製にトランスグルタミナーゼを使用する酵素的手法も探究されている。トランスグルタミナーゼは、第1級アミンへのアシル付加を触媒する酵素ファミリーに属する。トランスグルタミナーゼを使用するコンジュゲーションでは、高い選択性、簡略化された反応手順、および穏やかな反応条件という利点が得られる。たとえば、Stropら、Chemistry&Biology、20:161〜167(2013)、およびFariasら、Bioconj.Chem.25(2):240〜250(2014)を参照されたい。US2013−0230543およびUS2013−0122020は、トランスグルタミナーゼを介する、抗体と低分子の部位特異的コンジュゲーションを記載している。

従来のADCコンジュゲーション法では、所与の生物学系で固有の安定性を有するADCが得られる。所望の部位、通常は腫瘍におけるペイロードの送達は、ペイロード、共有結合リンカー、抗体、およびADCが導入される生物学系の特性に左右される。多くの場合、たとえば血漿中で、安定性が最適に達していないADCから、かなりの量のペイロードが時期尚早に放出され、したがって、腫瘍部位におけるペイロードへの所望の暴露を実現するために、より高いADC投薬ベルが必要となる。他の状況では、過度に安定なADCが使用された結果、標的腫瘍細胞内でペイロード放出活性が最適に達しない。

p−アミノベンジルオキシカルボニル(PABC)殉死要素を用いる、タンパク分解によって切断可能なペプチド系連結は、2002年に導入されて以来、抗体薬物コンジュゲート(ADC)研究において広く使用されている(Dubowchik,G.M.ら、Bioconjugate Chem.2002、13、855〜869)。このような連結は、ADCが抗体の標的細胞内部移行し、エンドソームおよびリソソームオルガネラにおいて見られる分解性のタンパク分解環境に暴露されて切断を受けると言われている。こうしたジペプチド−PABCリンカーのシステイン連結型バリアントは、特許を取得しており(US6,214,345B2)、これらおよび他の連結の含アミバージョンが、微生物トランスグルタミナーゼによって促進される酵素的コンジュゲーションを使用するグルタミン残基への部位特異的なコンジュゲーションに適すること、ならびにこの酵素的コンジュゲーション手法を使用して十分にコンジュゲーションされる非グリコシル化抗体および改変抗体バリアントの使用が示されている(WO2012/059882A2)。

本明細書で引用するすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の各刊行物、特許、および特許出願が参照によりそのように援用されると詳細かつ個別に示されたかのごとく、一切が全体として参照により本明細書に援用される。限定はしないが、定義された用語、用語の用法、記載の技術などを含めて、援用される文献および同様の資料の1つまたは複数が本出願と異なるまたは矛盾する事象では、本出願が統制をなす。

概要

安定性特性が抗体薬物コンジュゲート(ADC)のリンカー上の調節用部分によって変更されるADCの提供。式(I)で表されるリンカーを用いたADC。[Mは安定性調節基;Pは1つ以上のグルタミン残基を含むペプチド配列;QはP中のグルタミン残基;Eは各々独立に−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが2以上の場合)又は−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが1以上の場合);R1はH、C1〜6直鎖/分枝アルキル、C2〜6直鎖/分枝のアルケニル又はC2〜C6直鎖/分枝のアルキニル;X及びYはアミノ酸;Zはスペーサー要素;mは0〜5;nは1〜5;pは0〜2;qは0〜10;rは0〜2;sは0〜2;q+r+s>=2;Dは細胞傷害性薬剤]なし

目的

本発明は、それを必要とする対象におけるがんの治療方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりの1種または複数のADCを含む有効量の医薬組成物投与することを含む方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

式(I)の化合物:または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物[式中、Mは、安定性調節基であり、Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、Qは、P中に存在する、グルタミン残基であり、各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、Dは、細胞傷害性薬剤である]。

請求項2

式(II)の化合物:または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物[式中、Mは、安定性調節基であり、Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、Dは、細胞傷害性薬剤である]。

請求項3

式(III)の化合物:または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物[式中、Mは、安定性調節基であり、各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、Dは、細胞傷害性薬剤である]。

請求項4

Mが−M1−M2であり、M1は、−NR1−C(O)−、−NR1−S(O)2−、または不在であり、M2は、置換メチル、−C2〜C20アルキル、−C1〜C20ヘテロアルキル、−C2〜C6アルケニル、−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシカルボキシ、−N(R1)2、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、および−C3〜C10カルボシクリルからなる群から選択され、M2は、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキニル、ハロ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシル、−N(R1)2、−C(O)N(R1)2、−NO2、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、−C3〜C10カルボシクリル、カルボキシ、−SH、−S(C1〜C6アルキル)、−S(C6〜C14アリール)、−S(C6〜C14ヘテロアリール)、−S(C1〜C10ヘテロシクリル)、−S(C3〜C10カルボシクリル)、−C1〜C8アルキル−C(O)−C1〜C8アルキル、−C1−C8アルキル−C(O)−H、−C1〜C8アルキル−C(O)−O−C1〜C8アルキル、−NR1−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−O−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−OH、−C1〜C8アルキル−S(O)2−C1〜C8アルキル、および−C1〜C8アルキル−S(O)−C1〜C8アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されていてもよく、但し、M1が−NH−C(O)−であり、−(C(R1)2)r−Eq−(C(R1)2)s−が直鎖C4アルキルであるとき、M2は、非置換メチルではない、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。

請求項5

Mが−M1−M2であり、M1は、−NR1−C(O)−、−NR1−S(O)2−、または不在であり、M2は、−C2〜C10アルキル、−C1〜C10ヘテロアルキル、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、および−C3〜C10カルボシクリルからなる群から選択され、M2は、−C1〜C6アルキル、ハロ、−C6〜C14アリール、および−C6〜C14ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されていてもよい、請求項4に記載の化合物。

請求項6

M2が、からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。

請求項7

細胞傷害性薬剤Dが、アントラサイクリンアウリスタチンスプリセオスタチン、CBI/CPI二量体カリチアマイシンデュオカルマイシンエンジインゲルダナマイシンメイタンシンピューロマイシンタキサンビンカアルカロイド、SN−38、ツブリシンヘミアスリンカンプトテシンコンブレタスタチンドラスタチンインドリノ−ベンゾジアゼピン二量体、ピロロベンゾジアゼピン二量体、およびプラジエノリド、ならびにこれらの立体異性体同配体類似体、または誘導体からなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。

請求項8

細胞傷害性薬剤Dが、ドレスタチン、MMAD、MMAE、MMAF、PF−06380101、PF−06463377、およびPF−06456780からなる群から選択されるアウリスタチンである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。

請求項9

Pが、Q、LQG、LLQGG(配列番号1)、LLQG(配列番号2)、LSLSQG(配列番号3)、GGGLLQGG(配列番号4)、GLLQG(配列番号5)、LLQ、GSPLAQSHGG(配列番号6)、GLLQGGG(配列番号7)、GLLQGG(配列番号8)、GLLQ(配列番号9)、LLQLLQGA(配列番号10)、LLQGA(配列番号11)、LLQYQGA(配列番号12)、LLQGSG(配列番号13)、LLQYQG(配列番号14)、LLQLLQG(配列番号15)、SLLQG(配列番号16)、LLQLQ(配列番号17)、LLQLLQ(配列番号18)、LLQGR(配列番号19)、LLQGPP(配列番号20)、LLQGPA(配列番号21)、GGLLQGPP(配列番号22)、GGLLQGA(配列番号23)、LLQGA(配列番号24)、LLQGPGK(配列番号25)、LLQGPG(配列番号26)、LLQGP(配列番号27)、LLQP(配列番号28)、LLQPGK(配列番号29)、LLQAPGK(配列番号30)、LLQGAPG(配列番号31)、LLQGAP(配列番号32)、LLQGPA(配列番号33)、LLQGPP(配列番号34)、GGLLQGPP(配列番号35)、LLQLQG(配列番号36)、およびXXQX(配列番号37)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドであり、Xは、任意のアミノ酸である、請求項1または2に記載の化合物。

請求項10

以下のもの: からなる群から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。

請求項11

以下のもの: [化合物の括弧でくくられた部分は、ペプチド配列内のグルタミン残基を表す]からなる群から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。

請求項12

前記調節基Mをもたない対応する化合物と比較して、安定性が5〜50%低下している、請求項1または2に記載の化合物。

請求項13

前記調節基Mをもたない対応する化合物と比較して、安定性が5〜50%増大している、請求項1または2に記載の化合物。

請求項14

X−Yが、Gly、β−Ala、Val−Cit、Phe−Lys、Val−Lys、Phe−Phe−Lys、Ala−Lys、Phe−Cit、Leu−Cit、Ala−Cit、Trp−Cit、Phe−Ala、Gly−Phe−Leu−Gly、Ala−Leu−Ala−Leu、Phe−N9−トシル−Arg、Phe−N9−Nitro−Arg、Val−Ala、およびAla−Ala−Asnからなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。

請求項15

Pが、モノクローナル抗体ポリクローナル抗体ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体二重特異性抗体ミニボディ、および抗体断片からなる群から選択される、請求項1または2に記載の化合物。

請求項16

前記抗体が、トラスツズマブ、トラスツズマブ変異体、オレゴボマブ、エドレコロマブセツキシマブビトロネクチン受容体(αvβ3)に対するヒト化モノクローナル抗体アレムツズマブ、抗HLADR抗体、131ILym−1、抗HLA−Dr10抗体、抗cd33抗体、抗cd22抗体、ラベツズマブ、ベバシズマブイブツモブチウキセタンオファツムマブパニツムマブリツキシマブトシツモマブ、イピリムマブ、およびゲムツズマブから選択される、請求項15に記載の化合物。

請求項17

各Qが、独立に、前記ペプチド配列Pに内在するグルタミンの残基、または前記ペプチド配列P上にある改変タグ配列に設けられたグルタミンの残基である、請求項1または2に記載の化合物。

請求項18

1つまたは複数のQが、前記ペプチド配列Pに内在するグルタミンの残基である、請求項1または2に記載の化合物。

請求項19

1つまたは複数のQが、前記ペプチド配列P上にある改変タグ配列に設けられたグルタミンの残基である、請求項1または2に記載の化合物。

請求項20

1つまたは複数のタグが、単一のアミノ酸グルタミンである、請求項19に記載の化合物。

請求項21

Zが、PABC(p−アミノベンジルカルバモイル)、PAB−OH(p−アミノカルバモイルオキシ)、からなる群から選択され、Tは、O、NH、またはSである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。

請求項22

ZがZ1−Z2であり、Z1は、p−アミノベンジル−カルバモイル(PABC)、p−アミノベンジルオキシ、o−アミノベンジル−カルバモイル、o−アミノベンジルオキシ、−NH−U−C(R1)2OCO−、および−NH−U−C(R1)2O−からなる群から選択され、Z2は、不在であるか、または−N(R1)2−(C1〜C6−アルキレン)−OCO−、−N(R1)2−(C1〜C6−アルキレン)−N(R1)2CO−、−N(R1)2−(C1〜C6−アルキレン)−SCO−、−N(R1)2−(C3〜C9−シクロアルキレン)−OCO−、−N(R1)2−(C3〜C9−シクロアルキレン)−N(R1)2CO−、および−N(R1)2−(C3〜C9−アルキレン)−SCO−からなる群から選択され、Uは、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキニル、ハロ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシル、−N(R1)2、−C(O)N(R1)2、−NO2、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、−C3〜C10カルボシクリル、カルボキシ、−SH、−S(C1〜C6アルキル)、−S(C6〜C14アリール)、−S(C6〜C14ヘテロアリール)、−S(C1〜C10ヘテロシクリル)、−S(C3〜C10カルボシクリル)、−C1〜C8アルキル−C(O)−C1〜C8アルキル、−C1〜C8アルキル−C(O)−H、−C1〜C8アルキル−C(O)−O−C1〜C8アルキル、−NR1−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−O−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−OH、−C1〜C8アルキル−S(O)2−C1〜C8アルキル、および−C1〜C8アルキル−S(O)−C1〜C8アルキルからなる群から選択される5つまでの追加の置換基で置換されていてもよいC5〜C20芳香族またはヘテロ芳香族環である、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。

請求項23

式(II)の抗体薬物コンジュゲート:[式中、Mは、安定性調節基であり、Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、Dは、細胞傷害性薬剤である]の安定性を調節する方法であって、前記化合物の細胞外での安定性を調節しうる調節基Mを選択するステップと、前記調節基Mを前記コンジュゲートに組み込むステップと、前記コンジュゲートを患者投与するステップとを含む方法。

請求項24

前記安定性がinvivo安定性である、請求項23に記載の方法。

請求項25

標的細胞内で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤の比率を増大させる、請求項24に記載の方法。

請求項26

標的細胞内で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤の比率を低下させる、請求項24に記載の方法。

請求項27

標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の内側で放出される細胞傷害性薬剤の比率を増大させる、請求項24に記載の方法。

請求項28

標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の内側で放出される細胞傷害性薬剤の比率を低下させる、請求項24に記載の方法。

請求項29

式(II)の化合物:[式中、Mは、安定性調節基であり、Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、Dは、細胞傷害性薬剤である]を合成する方法であって、ある量の、構造の第1の化合物を用意するステップと、ある量の、グルタミンが組み込まれているペプチド配列を含む第2の化合物を用意するステップと、前記ある量の第1の化合物と第2の化合物をトランスグルタミナーゼの存在下で反応させるステップとを含む方法。

技術分野

0001

本発明は、抗体薬物コンジュゲート細胞外および/または細胞内での安定性を上向きおよび下向きに調節することのできる、抗体薬物コンジュゲート(ADC)と関連して使用されるリンカーに関する。本発明はまた、臨床上有利なこのような安定性調節型抗体薬物コンジュゲートを用いる治療用途および治療計画に関する。最後に、本発明は、安定性調節用リンカーおよび安定性調節型抗体薬物コンジュゲートの作製方法に関する。

0002

配列表への言及
本出願は、EFS−Webから電子出願しており、電子送信された.txtフォーマットの配列表を含む。.txtファイルは、「PC72108A_SEQ_LISTING_ST25.txt」というタイトルの、2015年8月14日に作成され、サイズが10KBである配列表を収容する。この.txtファイルに収められた配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に援用される。

背景技術

0003

抗体療法は、がん免疫疾患などの種々の障害を有する患者における標的治療処置を提供し、したがって、生物学的調査において重要な役割を果たしてきた。抗体薬物コンジュゲート(ADC)を始めとする、異なる手法の標的抗体療法が探究されている。Chari,R.V.、Miller,M.L.、およびWiddison,W.C.(2014)、Antibody−drug conjugates:an emerging concept in cancer therapy.Angewandte Chemie 53、3796〜827;Senter,P.D.およびSievers,E.L.(2012)、The discovery and development of ADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) for use in relapsed Hodgkin lymphoma and systemic anaplastic large cell lymphoma.Nature biotechnology 30、631〜7;Lambert,J.M.(2013)、Drug−conjugated antibodies for the treatment of cancer.British journal of clinical pharmacology 76、248〜62。

0004

ADC(ある状況では免疫コンジュゲートとも呼ばれる)の場合、多くの場合細胞傷害性分子薬物部分)である低分子「ペイロード」が、薬物部分を腫瘍に標的局所送達する抗体に共有結合連結(コンジュゲート)されている。ADCの従来のコンジュゲーション法には、リシン側鎖アミン、または鎖間ジスルフィド結合還元により活性化されたシステインスルフヒドリル基のいずれかを介した化学修飾が含まれる。ブレツキシマブベドチンおよびKADCYLA(登録商標)(ado−トラスツズマブエムタンシン)は、こうした従来の方法を使用するADCの2つの例である。

0005

ADCの作製にトランスグルタミナーゼを使用する酵素的手法も探究されている。トランスグルタミナーゼは、第1級アミンへのアシル付加を触媒する酵素ファミリーに属する。トランスグルタミナーゼを使用するコンジュゲーションでは、高い選択性、簡略化された反応手順、および穏やかな反応条件という利点が得られる。たとえば、Stropら、Chemistry&Biology、20:161〜167(2013)、およびFariasら、Bioconj.Chem.25(2):240〜250(2014)を参照されたい。US2013−0230543およびUS2013−0122020は、トランスグルタミナーゼを介する、抗体と低分子の部位特異的コンジュゲーションを記載している。

0006

従来のADCコンジュゲーション法では、所与の生物学系で固有の安定性を有するADCが得られる。所望の部位、通常は腫瘍におけるペイロードの送達は、ペイロード、共有結合リンカー、抗体、およびADCが導入される生物学系の特性に左右される。多くの場合、たとえば血漿中で、安定性が最適に達していないADCから、かなりの量のペイロードが時期尚早に放出され、したがって、腫瘍部位におけるペイロードへの所望の暴露を実現するために、より高いADC投薬ベルが必要となる。他の状況では、過度に安定なADCが使用された結果、標的腫瘍細胞内でペイロード放出活性が最適に達しない。

0007

p−アミノベンジルオキシカルボニル(PABC)殉死要素を用いる、タンパク分解によって切断可能なペプチド系連結は、2002年に導入されて以来、抗体薬物コンジュゲート(ADC)研究において広く使用されている(Dubowchik,G.M.ら、Bioconjugate Chem.2002、13、855〜869)。このような連結は、ADCが抗体の標的細胞内部移行し、エンドソームおよびリソソームオルガネラにおいて見られる分解性のタンパク分解環境に暴露されて切断を受けると言われている。こうしたジペプチド−PABCリンカーのシステイン連結型バリアントは、特許を取得しており(US6,214,345B2)、これらおよび他の連結の含アミバージョンが、微生物トランスグルタミナーゼによって促進される酵素的コンジュゲーションを使用するグルタミン残基への部位特異的なコンジュゲーションに適すること、ならびにこの酵素的コンジュゲーション手法を使用して十分にコンジュゲーションされる非グリコシル化抗体および改変抗体バリアントの使用が示されている(WO2012/059882A2)。

0008

本明細書で引用するすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の各刊行物、特許、および特許出願が参照によりそのように援用されると詳細かつ個別に示されたかのごとく、一切が全体として参照により本明細書に援用される。限定はしないが、定義された用語、用語の用法、記載の技術などを含めて、援用される文献および同様の資料の1つまたは複数が本出願と異なるまたは矛盾する事象では、本出願が統制をなす。

0009

US2013−0230543
US2013−0122020
US6,214,345B2
WO2012/059882A2
米国仮特許出願61/932,118
国際特許出願PCT/IB2012/056234
US7,754,681B2
米国特許第4,816,567号
米国特許第6,737,056号
米国特許第5,500,362号
第5,821,337号
WO2015/015448
米国特許第5,663,149号
米国出願第2013/0129753号
PCT公開WO98/52976
WO00/34317
US20110021482
米国仮特許出願第62/146,843号

先行技術

0010

Chari,R.V.、Miller,M.L.、およびWiddison,W.C.(2014)、Antibody−drug conjugates:an emerging concept in cancer therapy.Angewandte Chemie 53、3796〜827
Senter,P.D.およびSievers,E.L.(2012)、The discovery and development ofADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) for use in relapsed Hodgkin lymphoma and systemic anaplastic large cell lymphoma.Nature biotechnology 30、631〜7
Lambert,J.M.(2013)、Drug−conjugated antibodies for the treatment of cancer.British journal of clinical pharmacology 76、248〜62
Stropら、Chemistry&Biology、20:161〜167(2013)
Fariasら、Bioconj.Chem.25(2):240〜250(2014)
Dubowchik,G.M.ら、Bioconjugate Chem.2002、13、855〜869
Sambrook J.&Russell D.Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(2000)
Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methodsfrom Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons,Inc.(2002)
Harlow and Lane Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州、Cold Spring Harbor(1998)
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Stropら、J.Mol.Biol.420(3):204〜219(2012)
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「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第22版(Mack Publishing Company、2012)

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、一般に、トランスグルタミナーゼを介するコンジュゲーションを用いて通常は作製される、ADCのリンカー上にある調節用部分の存在によって変更される安定性特性を有するADCに関する。発明者らは、意外にも、ADCリンカー上の特定の位置に配置されたこのような調節用部分、より詳細には、こうした調節用部分に組み込まれたある特定の化学的特徴が、ADCの安定性を望みどおりに増大または低下させる能力を有する結果、所望の作用部位においてより多いまたはより少ない割合のADCペイロードが放出されることを発見した。

課題を解決するための手段

0012

したがって、本明細書では、得られるADCのin vitro血漿安定性およびin vivo暴露に顕著な影響を及ぼしうる、多くの場合リシンのアシル化誘導体である、含アミンコンジュゲーションハンドル上での特定の置換が提供される。含アミンコンジュゲーションハンドル上に存在する置換基性質を変化させることにより、コンジュゲート安定性を調節できること、さらに、置換基を選択して、独特な各コンジュゲーション部位の安定性を最適化できることが実証されている。したがって、本発明によって、ADC安定性のin vivoでの微調整が可能になり、したがって、in vivoでの有効性および安全性に影響を及ぼすパラメーターの調節が可能になり、したがって、ADCの治療指数の最適化が可能になる。

図面の簡単な説明

0013

様々な部位において、アミノカプロイル(C6)vcAur0101細胞傷害性ペイロードとコンジュゲートされたキメラ抗Trop2抗体のin vitro細胞傷害性研究を示すグラフである。
LCQ04およびL11B部位において、実施例2、3および5のリンカー−ペイロードとコンジュゲートされたキメラ抗Trop2抗体in vitro細胞傷害性研究を示すグラフである。
Trop2抗体上のLCQ04部位を介して連結された、実施例12および14のADC化合物のin vivo安定性を示すグラフである。破線は、ペイロード濃度を表し、実線は、抗体濃度を表す。
Trop2抗体上のLCQ04部位を介して連結された、実施例16および13のADC化合物のin vivo安定性を示すグラフである。破線は、ペイロード濃度を表し、実線は、抗体濃度を表す。
Trop2抗体上のLCQ04部位を介して連結された、実施例11、18および17のADC化合物のin vivo安定性を示すグラフである。破線は、ペイロード濃度を表し、実線は、抗体濃度を表す。
マウスノックアウト系統c56/bl6 ces1c−/−、ヘテロ接合系統c56/bl6 ces1c+/−、および野生型系統c56/bl6 ces1c+/+を比較することにより、マウスカルボキシルエステラーゼ1cが、血漿中でvc−pabcリンカー切断を担う酵素であることが確認されることを示すグラフである。

0014

本発明は、一般に、安定性の度合いが設計されている抗体薬物コンジュゲート(ADC)に関する。詳細には、本発明は、式(I)の化合物を提供する。

0015

式中、
Mは、安定性調節基であり、
Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、
Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、
各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、
各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、
各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、
各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、
各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、
mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、
Dは、細胞傷害性薬剤もしくは他の治療剤であり、またはDは、画像処理剤である。

0016

本発明の実施形態は、式(II)の化合物も包含する。

0017

式中、
Mは、安定性調節基であり、
Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、
Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、
各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、
各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、
各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、
各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、
各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、
mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、
Dは、細胞傷害性薬剤もしくは他の治療剤であり、またはDは、画像処理剤である。

0018

追加の実施形態は、抗体薬物コンジュゲートの製造に有用な、式(III)の化合物を包含する。

0019

式中、
Mは、安定性調節基であり、
各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、
各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、
各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、
各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、
各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、
mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、
Dは、細胞傷害性薬剤もしくは他の治療剤であり、またはDは、画像処理剤である。

0020

本発明の実施形態は、Mが−M1−M2である、本明細書に記載のとおりの化合物を包含し、ここで、M1は、−NR1−C(O)−、−NR1−S(O)2−、または不在であり、M2は、置換メチル、−C2〜C20アルキル、−C1〜C20ヘテロアルキル、−C2〜C6アルケニル、−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシカルボキシ、−N(R1)2、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、および−C3〜C10カルボシクリルからなる群から選択され、M2は、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキニル、ハロ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシル、−N(R1)2、−C(O)N(R1)2、−NO2、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、−C3〜C10カルボシクリル、カルボキシ、−SH、−S(C1〜C6アルキル)、−S(C6〜C14アリール)、−S(C6〜C14ヘテロアリール)、−S(C1〜C10ヘテロシクリル)、−S(C3〜C10カルボシクリル)、−C1〜C8アルキル−C(O)−C1〜C8アルキル、−C1〜C8アルキル−C(O)−H、−C1〜C8アルキル−C(O)−O−C1〜C8アルキル、−NR1−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−O−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−OH、−C1〜C8アルキル−S(O)2−C1〜C8アルキル、および−C1〜C8アルキル−S(O)−C1〜C8アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されていてもよく、但し、M1が−NH−C(O)−であり、−(C(R1)2)r−Eq−(C(R1)2)s−が直鎖C4−アルキルであるとき、M2は、非置換メチルではない。

0021

本発明の実施形態は、Mが−M1−M2である、本明細書に記載のとおりの化合物を包含し、ここで、M1は、−NR1−C(O)−、−NR1−S(O)2−、または不在であり、M2は、−C2〜C10アルキル、−C1〜C10ヘテロアルキル、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、および−C3〜C10カルボシクリルからなる群から選択され、M2は、−C1〜C6アルキル、ハロ、−C6〜C14アリール、および−C6〜C14ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されていてもよい。

0022

追加の実施形態は、M2が、

0023

からなる群から選択される、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0024

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0025

である。

0026

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0027

である。

0028

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0029

である。

0030

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0031

である。

0032

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0033

である。

0034

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0035

である。

0036

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0037

である。

0038

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0039

である。

0040

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0041

である。

0042

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0043

である。

0044

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0045

である。

0046

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0047

である。

0048

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0049

である。

0050

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0051

である。

0052

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0053

である。

0054

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0055

である。

0056

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0057

である。

0058

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0059

である。

0060

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0061

である。

0062

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0063

である。

0064

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0065

である。

0066

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0067

である。

0068

一部の実施形態では、本発明のADCは、修飾アシル調節用部分を有する、リシンベースのリンカー系を含み、修飾アシル調節用部分は、

0069

である。

0070

一部の実施形態では、ADCのin vivo安定性を調節する方法であって、前記化合物の細胞外での安定性を調節しうる調節基Mを選択するステップと、前記調節基Mを前記コンジュゲートに組み込むステップと、前記コンジュゲートを患者に投与するステップとを含む方法が提供される。

0071

一部の実施形態では、安定性は、標的細胞内で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が増大するように調節される。

0072

一部の実施形態では、安定性は、標的細胞内で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が低下するように調節される。

0073

一部の実施形態では、安定性は、標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の内側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が増大するように調節される。

0074

一部の実施形態では、安定性は、標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の内側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が低下するように調節される。

0075

一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、ADCをクロマトグラフィーステップによって精製する精製ステップをさらに含む。

0076

一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼは、微生物、精製、または改変トランスグルタミナーゼである。

0077

別の態様では、本発明は、それを必要とする対象におけるがんの治療方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりの1種または複数のADCを含む有効量の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。

0078

別の態様では、本発明は、それを必要とする対象において腫瘍の成長または進行を抑制する方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりのADCを含む有効量の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。

0079

別の態様では、本発明は、がんに罹患している疑いのある対象においてがんを診断する方法であって、a)対象の試料を、ADCががん関連タンパク質と結合する条件下で、本明細書に記載のとおりのADCと接触させるステップと、b)ADCのがん関連タンパク質への結合を判定するステップとを含む方法を提供する。

0080

一部の実施形態では、本明細書に記載のとおりのADC中の抗体は、モノクローナル抗体ポリクローナル抗体ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体二重特異性抗体ミニボディダイアボディ、または抗体断片である。

0081

本発明の実施形態は、細胞傷害性薬剤Dが、アントラサイクリンアウリスタチン(auristatin)、スプリセオスタチン(spliceostatin)、CBI/CPI二量体(米国仮特許出願61/932,118に記載のとおりの、CBIおよびCPI両方の成分を含む「混合型」二量体を含める)、カリチアマイシンデュオカルマイシンエンジインゲルダナマイシンメイタンシンピューロマイシンタキサンビンカアルカロイド、SN−38、ツブリシン(tubulysin)、ヘミアスリンカンプトテシンコンブレタスタチンドラスタチンインドリノ−ベンゾジアゼピン二量体、ピロロベンゾジアゼピン二量体、およびプラジエノリド(pladienolide)、ならびにこれらの立体異性体同配体類似体、または誘導体からなる群から選択される、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。たとえば、細胞傷害性薬剤Dが、ドレスタチン(dolestatin)、MMAD、MMAE、MMAF、PF−06380101、PF−06463377、およびPF−06456780からなる群から選択されるアウリスタチンである。

0082

本発明の追加の実施形態は、たとえば、Dが、ペプチド、タンパク質、核酸成長因子抗ウイルス剤、もしくは免疫剤を含めて、治療特性を有する部分(すなわち、治療剤)である場合において、Dが、細胞傷害性薬剤以外の或るものであるもの、またはDが、蛍光体もしくは他の画像処理剤であるものを包含する。Dが細胞傷害性薬剤である場合のように、本発明は、Dが細胞傷害性薬剤以外である化合物の安定性調節を包含する。

0083

本発明の追加の実施形態は、Pが、Q、LQG、LLQGG(配列番号1)、LLQG(配列番号2)、LSLSQG(配列番号3)、GGGLLQGG(配列番号4)、GLLQG(配列番号5)、LLQ、GSPLAQSHGG(配列番号6)、GLLQGGG(配列番号7)、GLLQGG(配列番号8)、GLLQ(配列番号9)、LLQLLQGA(配列番号10)、LLQGA(配列番号11)、LLQYQGA(配列番号12)、LLQGSG(配列番号13)、LLQYQG(配列番号14)、LLQLLQG(配列番号15)、SLLQG(配列番号16)、LLQLQ(配列番号17)、LLQLLQ(配列番号18)、LLQGR(配列番号19)、LLQGPP(配列番号20)、LLQGPA(配列番号21)、GGLLQGPP(配列番号22)、GGLLQGA(配列番号23)、LLQGA(配列番号24)、LLQGPGK(配列番号25)、LLQGPG(配列番号26)、LLQGP(配列番号27)、LLQP(配列番号28)、LLQPGK(配列番号29)、LLQAPGK(配列番号30)、LLQGAPG(配列番号31)、LLQGAP(配列番号32)、LLQGPA(配列番号33)、LLQGPP(配列番号34)、GGLLQGPP(配列番号35)、およびLLQLQG(配列番号36)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドである化合物を包含する。

0084

本発明の実施形態は、Pが、アミノ酸配列XXQX(配列番号37)[Xは、任意のアミノ酸である]を含むペプチドである、本明細書に記載のとおりの化合物も包含する。

0085

本発明の実施形態は、前記調節基Mをもたない対応する化合物と比較して、安定性が、少なくとも1、5、10、25、50、75、または100分の1に低下している、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0086

本発明の実施形態は、前記調節基Mをもたない対応する化合物と比較して、安定性が、少なくとも1、5、10、25、50、75、または100倍に増大している、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0087

本発明の実施形態は、X−Yが、Gly、β−Ala、Val−Cit、Phe−Lys、Val−Lys、Phe−Phe−Lys、Ala−Lys、Phe−Cit、Leu−Cit、Ala−Cit、Trp−Cit、Phe−Ala、Gly−Phe−Leu−Gly、Ala−Leu−Ala−Leu、Phe−N9−トシル−Arg、Phe−N9−Nitro−Arg、Val−Ala、およびAla−Ala−Asnからなる群から選択される、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0088

本発明の実施形態は、Pが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、および抗体断片からなる群から選択される、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0089

本発明の実施形態は、抗体が、トラスツズマブ、トラスツズマブ変異体(たとえば、本明細書または国際特許出願PCT/IB2012/056234で開示されているトラスツズマブ変異体)、オレゴボマブ、エドレコロマブセツキシマブビトロネクチン受容体(αvβ3)に対するヒト化モノクローナル抗体アレムツズマブ非ホジキンリンパ腫治療用ヒト化HLADR抗体を始めとする抗HLA−DR抗体、131I Lym−1、非ホジキンリンパ腫治療用のマウス抗HLA−Dr10抗体を始めとする抗HLA−Dr10抗体、抗cd33抗体、ホジキン病または非ホジキンリンパ腫治療用のヒト化抗CD22 mAbを始めとする抗cd22抗体、ラベツズマブ、ベバシズマブイブツモブチウキセタンオファツムマブパニツムマブリツキシマブトシツモマブ、イピリムマブ、およびゲムツズマブから選択される、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0090

本発明の追加の実施形態は、各Qが、独立に、ペプチド配列Pに内在するグルタミンの残基、または前記ペプチド配列P上にある改変タグ配列に設けられたグルタミンの残基である(ここで、タグは、グルタミンを含んでいる複数のアミノ酸の配列でも、グルタミンのみでもよい)、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0091

本発明のさらに別の態様において、抗体は、安定性調節型切断可能リンカーを介したペイロードDの制御放出を促進する、標的送達の特色を備えたまたは備えない巨大分子担体として働く。

0092

本発明の実施形態は、各Qが、前記ペプチド配列Pに内在するグルタミンの残基である、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0093

本発明の実施形態は、各Qが、前記ペプチド配列P上にある改変タグ配列に設けられたグルタミンの残基である(再びここで、タグは、グルタミンを含んでいる複数のアミノ酸の配列でも、グルタミンのみでもよい)、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0094

本発明の別の実施形態は、式(II)の抗体薬物複合体

0095

[式中、
Mは、安定性調節基であり、
Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、
Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、
各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、
各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、
各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、
各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、
各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、
mは、0〜5であり、nは、1〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、
Dは、細胞傷害性薬剤である]
のin vivo安定性を調節する方法であって、
前記化合物の細胞外での安定性を調節しうる調節基Mを選択するステップと、
前記調節基Mを前記コンジュゲートに組み込むステップと、
前記コンジュゲートを患者に投与するステップと
を含む方法を包含する。

0096

本発明の実施形態は、標的細胞内で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が増大する、本明細書に記載のとおりの治療方法を包含する。

0097

本発明の実施形態は、標的細胞内で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が低下する、本明細書に記載のとおりの治療方法を包含する。

0098

本発明の実施形態は、標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の内側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が増大する、本明細書に記載のとおりの治療方法を包含する。

0099

本発明の実施形態は、標的細胞の外側で放出される細胞傷害性薬剤と比較した標的細胞の内側で放出される細胞傷害性薬剤の比率が低下する、本明細書に記載のとおりの方法を包含する。

0100

本発明の別の実施形態は、式(II)の化合物:

0101

[式中、
Mは、安定性調節基であり、
Pは、1つまたは複数のグルタミン残基を含むペプチド配列であり、
Qは、P中に存在する、前記グルタミン残基の1つであり、
各Eは、−C(R1)2−、−O−C(R1)2−C(R1)2−(rが少なくとも2である場合)、および−C(R1)2−C(R1)2−O−(sが少なくとも1である場合)からなる群から独立に選択され、
各R1は、H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、C2〜C6直鎖または分枝アルケニル、およびC2〜C6直鎖または分枝アルキニルからなる群から独立に選択され、
各Xは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Xは、同じまたは異なり、
各Yは、独立に、アミノ酸であり、各アミノ酸Yは、同じまたは異なり、
各Zは、独立に、スペーサー要素であり、各スペーサー要素は、同じまたは異なり、
mは、0〜5であり、nは、0〜5であり、pは、0〜2であり、qは、0〜10であり、rは、0〜2であり、sは、0〜2であり、q+r+s=2またはそれ以上であり、
Dは、細胞傷害性薬剤である]を合成する方法であって、
構造

0102

である量の第1の化合物を用意するステップと、
グルタミンが組み込まれているペプチド配列を含む一定量の第2の化合物を用意するステップと、
前記ある量の第1の化合物と第2の化合物をトランスグルタミナーゼの存在下で反応させるステップと
を含む方法を包含する。

0103

本発明の実施形態は、Zが、PABC(p−アミノベンジル−カルバモイル)、PAB−OH(p−アミノカルバモイルオキシ)、

0104

からなる群から選択され、
Tは、O、NH、またはSである、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。

0105

本発明の実施形態は、ZがZ1−Z2であり、Z1は、p−アミノベンジル−カルバモイル(PABC)、p−アミノベンジルオキシ、o−アミノベンジル−カルバモイル、o−アミノベンジルオキシ、−NH−U−C(R1)2OCO−、および−NH−U−C(R1)2O−からなる群から選択され、Z2は、不在であるか、または−N(R1)2−(C1〜C6−アルキレン)−OCO−、−N(R1)2−(C1〜C6−アルキレン)−N(R1)2CO−、−N(R1)2−(C1〜C6−アルキレン)−SCO−、−N(R1)2−(C3〜C9−シクロアルキレン)−OCO−、−N(R1)2−(C3〜C9−シクロアルキレン)−N(R1)2CO−および−N(R1)2−(C3〜C9−アルキレン)−SCO−からなる群から選択され、Uは、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルケニル、−C1〜C6アルキニル、ハロ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシル、−N(R1)2、−C(O)N(R1)2、−NO2、−C6〜C14アリール、−C6〜C14ヘテロアリール、−C1〜C10ヘテロシクリル、−C3〜C10カルボシクリル、カルボキシ、−SH、−S(C1〜C6アルキル)、−S(C6〜C14アリール)、−S(C6〜C14ヘテロアリール)、−S(C1〜C10ヘテロシクリル)、−S(C3〜C10カルボシクリル)、−C1〜C8アルキル−C(O)−C1〜C8アルキル、−C1〜C8アルキル−C(O)−H、−C1〜C8アルキル−C(O)−O−C1〜C8アルキル、−NR1−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−O−C(O)−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−N(R1)2、−C1〜C8アルキル−S(O)2−OH、−C1〜C8アルキル−S(O)2−C1〜C8アルキル、および−C1〜C8アルキル−S(O)−C1〜C8アルキルからなる群から選択される5個までの追加の置換基で置換されていてもよい、C5〜C20芳香族環またはヘテロ芳香族環である、本明細書に記載のとおりの化合物を包含する。U上の−NH−と−C(R1)2OCO−または−C(R1)2O−の置換パターンは、Y−Z結合が切断されてZ2−Dが効率的に除去可能になるように整えるべきである。たとえば、US7,754,681B2およびUS6214345B2を参照されたい。

0106

用語「アルキル」とは、それ自体で、または別の用語の一部として、示された数の炭素原子を有する、直鎖または分枝の飽和炭化水素を指す(たとえば、「C1〜C8」アルキルとは、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を指す)。炭素原子の数が示されないとき、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する。代表的な直鎖C1〜C8アルキルとしては、限定はしないが、メチルエチル、n−プロピルn−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチルが挙げられ、分枝C1〜C8アルキルとしては、限定はしないが、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、および−2−メチルブチルが挙げられ、不飽和C2〜C8アルキルとしては、限定はしないが、ビニルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、アセチニルプロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニルおよび3−メチル−1−ブチニルが挙げられる。

0107

用語「ヘテロアルキル」とは、それ自体で、または別の用語との複合語で、別段記載しない限り、記載された数の炭素原子とO、N、SiおよびSからなる群から選択される1個〜3個のヘテロ原子とからなり、窒素および硫黄原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい、完全に飽和であるまたは1〜3度の不飽和を含んでいる、安定な直鎖もしくは分枝鎖炭化水素、またはその組合せを意味する。ヘテロ原子O、N、およびSは、ヘテロアルキル基の内部のどの位置に配置されてもよい。ヘテロ原子Siは、アルキル基が分子の残部に結合している位置を含めて、ヘテロアルキル基のどの位置に配置されてもよい。最高で2個のヘテロ原子が連続してもよい。

0108

用語「アリール」とは、それ自体で、または別の用語の一部として、別段指摘しない限り、親芳香族環系の単一の炭素原子から1個の水素原子が除去されて導かれる、6〜20個、好ましくは6〜14個の炭素原子の、一価の置換または非置換炭素環芳香族炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアリール基としては、限定はしないが、ベンゼン置換ベンゼンナフタレンアントラセンビフェニルなどから導かれるラジカルが挙げられる。アリール基は、次の基:C1〜C8アルキル、−O−(C1〜C8アルキル)、−C(O)R’、−OC(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NH2、−C(O)NHR’、−C(O)N(R’)2、−NHC(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)R’、−OH、ハロゲン、−N3、−NH2、−NH(R’)、−N(R’)2、および−CNの1つまたは複数、好ましくは1〜5つで置換されている場合があり、各R’は、−H、C1〜C8アルキル、および非置換アリールから独立に選択される。用語「ヘテロシクリル」とは、それ自体で、または別の用語の一部として、別段指摘しない限り、1〜10個、好ましくは3〜8個の炭素原子(環員とも呼ばれる)と、N、O、P、またはSから独立に選択される1個〜4個のヘテロ原子環員とを有し、親環系の環原子から1個の水素原子が除去されて導かれる、一価の置換または非置換芳香族または非芳香族単環式二環式、または三環式環系を指す。ヘテロシクリル中の1個または複数のN、C、またはS原子は、酸化されている場合がある。ヘテロ原子を含む環は、芳香族でも、芳香族でなくてもよい。別段指摘しない限り、ヘテロシクリルは、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子においてその側基に結合している。C1〜C10ヘテロシクリルの代表例としては、限定はしないが、テトラヒドロフラニルオキセタニル、ピラニル、ピロリジニルピペリジニルピペラジニルベンゾフラニル、ベンゾチオフェンベンゾチアゾリルインドリル、ベンゾピラゾリルピロリル、チオフェニルチオフェン)、フラニル、チアゾリルイミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ(tetrshyhro)−キノリニルなどの部分を含めたキノリニル、ピリミジニルピリジニルピリドニル、ピラジニルピリダジニルイソチアゾリルイソオキサゾリルテトラゾリルエポキシドオキセタン、および(置換または非置換の)BODIPYが挙げられる。C1〜C10ヘテロシクリルは、限定はしないが、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、−OR’、アリール、−C(O)R’、−OC(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NH2、−C(O)NHR’、−C(O)N(R’)2、−NHC(O)R’、−S(=O)2R’、−S(O)R’、ハロゲン、−N3、−NH2、−NH(R’)、−N(R’)2および−CNを含めた7個までの基で置換されている場合があり、各R’は、−H、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、およびアリールから独立に選択される。一部の実施形態では、置換ヘテロシクリルは、−NHC(=NH)NH2、−NHCONH2、−S(=O)2R’、および−SR’の1つまたは複数を含む場合もある。

0109

用語「カルボシクリル」とは、それ自体で、または別の用語の一部として、別段指摘しない限り、親環系の環原子から1個の水素原子が除去されて導かれる、一価の置換または非置換飽和または不飽和非芳香族単環式または二環式3、4、5、6、7、または8員炭素環を指す。代表的なカルボシクリルとしては、限定はしないが、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルシクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプタトリエニルシクロオクチル、シクロオクタジエニルビシクロ(1.1.1.)ペンタン、およびビシクロ(2.2.2.)オクタンが挙げられる。カルボシクリル基は、非置換でも、または、限定はしないが、C1−C8アルキル、C1−C8ヘテロアルキル、−OR’、アリール、−C(O)R’、−OC(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NH2、−C(O)NHR’、−C(O)N(R’)2、−NHC(O)R’、−S(=O)2R’、−S(=O)R’、−OH、−ハロゲン、−N3、−NH2、−NH(R’)、−N(R’)2および−CNを含めた7個までの基で置換されていてもよく、各R’は、上で示したとおりである。

0110

用語「アルケニル」とは、別段指摘しない限り、少なくとも1つの二重結合と、好ましくは2〜10個の炭素原子とを含んでいる、直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素を指す。アルケニル基の例としては、限定はしないが、エチレンプロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、イソヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、1−オクテン2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン、1−ノネン、2−ノネン、3−ノネン、4−ノネン、1−デセン、2−デセン、3−デセン、4−デセンおよび5−デセンが挙げられる。アルケニル基は、非置換でも、置換されていてもよい。

0111

用語「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を指し、アルキルは、本明細書で定義するとおりである。例示的なアルコキシ基としては、限定はしないが、メトキシエトキシ、n−プロポキシ、1−プロポキシ、n−ブトキシ、およびt−ブトキシが挙げられる。アルコキシ基は、非置換でも、置換されていてもよい。

0112

用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの三重結合と、好ましくは2〜10個の炭素原子とを含んでいる、直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素を指す。アルキニル基の例としては、限定はしないが、アセチレンプロピン、1−ブチン、2−ブチン、イソブチン、sec−ブチン、1−ペンチン、2−ペンチン、イソペンチン、1−ヘキシン2−ヘキシン、3−ヘキシン、イソヘキシン、1−ヘプチン、2−ヘプチン、3−ヘプチン、1−オクチン、2−オクチン、3−オクチン、4−オクチン、1−ノニン、2−ノニン、3−ノニン、4−ノニン、1−デシン、2−デシン、3−デシン、4−デシンおよび5−デシンが挙げられる。アルキニル基は、非置換でも、置換されていてもよい。

0113

用語「ヘテロアリール」とは、酸素硫黄、および窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子と、通常は1〜9個の炭素原子とを含んでいる、単環式および二環式の5〜10員芳香族基を指す。単環式ヘテロアリールラジカルの例としては、限定はしないが、オキサジニル、チアジニル、ジアジニルトリアジニルチアジアゾイルテトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、フラザニル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、N−ピリジル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルが挙げられる。二環式ヘテロアリールラジカルの例としては、限定はしないが、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、キナゾリニルプリニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリルベンズチアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソインドリル、およびインダゾリルが挙げられる。ヘテロアリール基は、非置換でも、置換されていてもよい。

0114

用語「カルボキシル」とは、カルボキシル(C(O)−O−)官能基酸素原子を介して親構造に結合している基、通常は、本明細書で定義するとおりのアルキル基を指す。カルボキシル基の例としては、アセトキシプロピオノキシ、プロピルカルボキシル、およびイソペンチルカルボキシルが挙げられる。

0115

たとえば「置換アルキル」などの化学部分に関連して、「置換」とは、別段指定しない限り、1個または複数の水素原子が、それぞれ独立に、置換基と交換されている部分を意味する。典型的な置換基としては、限定はしないが、−X、−R、−O−、−OR、−SR、−S−、−NR2、−NR3、=NR、−CX3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO2、=N2、−N3、−NRC(=O)R、−C(=O)NR2、−SO3−、−SO3H、−S(=O)2R、−OS(=O)2OR、−S(=O)2NR、−S(=O)R、−OP(=O)(OR)2、−P(=O)(OR)2、−PO32−、PO3H2、−AsO2H2、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(=S)R、−CO2R、−CO2−、−C(=S)OR、−C(=O)SR、−C(=S)SR、−C(=O)NR2、−C(=S)NR2、または−C(=NR)NR2が挙げられ、各Xは、独立に、ハロゲン:−F、−Cl、−Br、または−Iであり、各Rは、独立に、−H、C1〜C20アルキル、C1〜C20ヘテロアルキル、C6〜C20アリール、C1〜C10ヘテロシクリル、保護基、またはプロドラッグ部分である。

0116

また、それを必要とする対象において、がんを治療し、腫瘍の成長もしくは進行を抑制し、がん細胞もしくは腫瘍の転移を抑制し、または腫瘍退縮を誘発する方法であって、対象に、本明細書に記載にとおりのADCを含む有効量の医薬組成物を投与することを含む方法も提供される。

0117

一般技術および定義
本明細書で別段定義しない限り、本発明に関連して使用する科学技術用語は、当業者に一般に理解されている意味を有するものとする。さらに、文脈によって別段規定されない限り、単数形の用語は、複数性を包含するものとし、複数形の用語は、単数形を包含するものとする。一般に、本明細書に記載の細胞および組織培養分子生物学免疫学微生物学遺伝学、タンパク質および核酸化学、ならびにハイブリダイゼーションと関連して使用される術語、およびその技術は、当技術分野でよく知られ、一般に使用されるものである。

0118

本発明の方法および技術は、別段指摘しない限り、一般に、当技術分野でよく知られている従来の方法に従って、また本明細書の全体を通して引用および論述されている全般的およびより詳細な種々の参考文献に記載のとおりに実施される。たとえば、Sambrook J.&Russell D.Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(2000);Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methodsfrom Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons,Inc.(2002);Harlow and Lane Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州、Cold Spring Harbor(1998);およびColiganら、Short Protocols in Protein Science、John Wiley&Sons,Inc.(2003)を参照されたい。酵素反応および精製技術は、製造者仕様書に従って、当技術分野で一般になされているとおりに、または本明細書に記載のとおりに実施される。本明細書に記載の、分子生物学、生化学、免疫学、分析化学有機合成化学、ならびに医薬品および製薬化学と関連して使用される術語、ならびにその検査手順および技術は、当技術分野でよく知られ、一般に使用されるものである。本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、単語「comprise(含む)」、または「comprises(含む)」や「comprising(含む)」などの変形語は、記載された完全体または完全体の群を包含するが、他のいずれかの完全体または完全体の群を排除しないことを含意すると理解される。

0119

本明細書で使用する用語「含グルタミンタグ」、「グルタミンタグ」、「含Qタグ」、「Qタグ」、または「トランスグルタミナーゼタグ」とは、1つまたは複数のGln残基を含んでいるポリペプチドもしくはタンパク質を指し、または単一のグルタミンもしくはグルタミン残基を指す場合もある。

0120

本明細書で使用するとき、用語「部位特異性」、「部位特異的にコンジュゲートした」、または「部位特異的に架橋した」とは、含アミン部分が、特定の部位において(たとえば、表1に示す種々の位置において)、含グルタミンタグ、内在グルタミン、および/または抗体工学もしくは改変トランスグルタミナーゼによって反応性にした内在グルタミンを介して、抗体に特異的にコンジュゲートまたは架橋することを指す。部位特異性は、限定はしないが、質量分析(たとえば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)、タンデム質量分析(MS−MS)、および飛行時間型質量分析(TOF−MS))、疎水性相互作用クロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィー部位特異的突然変異誘発蛍光標識サイズ排除クロマトグラフィー、およびX線結晶学を始めとする、種々の技術によって測定することができる。

0121

用語「負荷」または「薬物負荷」または「ペイロード負荷」とは、ADC分子中の抗体あたりのペイロード(「ペイロード」は、本明細書では「薬物」と互換的に使用する)の平均数を表す、または指す。薬物負荷は、抗体あたりl〜20の薬物の範囲でよい。この用語は、時に、DARまたは薬物対抗体比と呼ばれる。本発明のADCの薬物抗体比(DAR)は、約1〜約60である。一部の実施形態では、DARは、少なくとも約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59および60のいずれかである。抗体あたりの薬物の平均数、またはDAR値は、UV/可視分光法、質量分析、ELISAアッセイHPLCなどの従来の手段によって特徴付けることができる。定量的なDAR値も求めることができる。一部の例では、特定のDAR値を有する均質なADCの分離、精製、および特性決定を、逆相HPLCや電気泳動などの手段によって実現することができる。DARは、抗体上の結合部位の数によって限定されることもある。たとえば、本発明でのように結合がグルタミンである場合において、抗体は、それを介してリンカー単位を結合することのできる適切なグルタミン残基を1つまたはいくつかしかもたない場合もある。通常、コンジュゲーション反応の際、最大理論値より少ない薬物部分しか、抗体とコンジュゲートしない。

0122

本明細書で使用するとき、用語「反応性にした内在グルタミン(Q)」とは、抗体工学(たとえば、酵素的脱グリコシル化および/もしくはアミノ酸修飾)または改変トランスグルタミナーゼによって、トランスグルタミナーゼの存在下で含アミン部分に接触可能になり、暴露され、または反応性になっている内在グルタミンを指す。

0123

本明細書で使用するとき、用語「生体適合ポリマー」とは、レシピエントにおいて望ましくないいかなる局所または全身作用惹起することなく、レシピエント(たとえば、ヒト)における治療または医療処置に適するポリマー(たとえば、繰返しのモノマー単位または構造単位)を指す。生体適合ポリマー(合成、組換え、または自然)は、水溶性または水不溶性ポリマーでよい。生体適合ポリマーはまた、線状または分枝状のポリマーでよい。

0124

本明細書で使用するとき、用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に特異的に結合しうる、免疫グロブリン分子である。本明細書で使用するとき、文脈から別段示されない限り、この用語は、インタクトポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなどの)その断片、サメおよびラクダ科動物抗体を始めとする単鎖(ScFv)および単ドメイン抗体)、抗体部分を含む融合タンパク質多価抗体(たとえば、COVX−BODY(商標))、多重特異性抗体(たとえば、所望の生物活性を示す限り、二重特異性抗体)、および本明細書に記載のとおりの抗体断片、ならびに抗原認識部位を含む、任意の他の変更された立体配置の免疫グロブリン分子も包含するものである。抗体には、IgGIgAIgMなどの任意のクラス(またはそのサブクラス)の抗体が含まれ、抗体は、任意の特定のクラスである必要はない。免疫グロブリンは、その重鎖定常ドメインの抗体アミノ酸配列に応じて、異なるクラスに割り振ることができる。免疫グロブリンには5つの主要なクラス:IgA、IgDIgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのいくつかを、サブクラス(アイソタイプ)、たとえば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分ける場合もある。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインを、それぞれ、α、δ、ε、γ、およびμと呼ぶ。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置は、よく知られている。一態様では、免疫グロブリンは、ヒト、マウス、サル、またはウサギ免疫グロブリンである。

0125

本明細書で使用する用語「含Fabポリペプチド」とは、Fab断片、Fab’断片、または「(Fab’)2断片」を含むポリペプチドを指す。含Fabポリペプチドは、(一般に、ポリペプチドのFab部分のカルボキシル末端にある)野生型ヒンジ配列の一部または全部を含んでもよい。含Fabポリペプチドは、適切な任意の免疫グロブリンから、たとえば、種々のIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4サブタイプの少なくとも1つから、またはIgA、IgE、IgD、もしくはIgMから得られ、または導かれるものでよい。含Fabポリペプチドは、1種または複数のポリペプチドが含Fabポリペプチドに連結している含Fab融合ポリペプチドでもよい。Fab融合では、免疫グロブリンのFabポリペプチドが、一般に任意のタンパク質、ポリペプチド、または低分子でよい融合パートナーと組み合わさる。事実上任意のタンパク質または低分子をFabポリペプチドに連結させて、含Fab融合ポリペプチドを生成してもよい。含Fab融合パートナーとしては、限定はしないが、受容体、接着分子リガンド、酵素、サイトカインケモカイン、または他のいくつかのタンパク質もしくはタンパク質ドメイン標的結合領域を挙げることができる。

0126

「Fab断片」は、1本の軽鎖と、1本の重鎖のCH1および可変領域とからなる。Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することはない。

0127

「Fab’断片」は、1本の軽鎖と、VHドメインおよびCH1ドメインを含んだ、1本の重鎖の一部分と、CH1ドメインとCH2ドメインの間の領域も含んでおり、その結果、2本の重鎖の2つのFab’断片間に鎖間ジスルフィド結合が形成されて、F(ab’)2分子となる。

0128

「F(ab’)2断片」は、2本の軽鎖と、CH1ドメインとCH2ドメイン間の定常領域の一部分を含んだ2本の重鎖とを含んでいる結果、2本の重鎖間に鎖間ジスルフィド結合が形成される。したがって、F(ab’)2断片は、2本の重鎖間のジスルフィド結合によってまとめられている2つのFab’断片から構成される。

0129

本明細書で使用する「抗体断片」は、インタクトの抗体の一部分だけを含み、その部分は、インタクトの抗体の中に存在するとき、通常その部分と関連付けられる機能の少なくとも1つ、好ましくはほとんどまたはすべてを保持することが好ましい。

0130

「多重特異性抗体」とは、2種以上の抗原またはエピトープを標的とするものである。「二重特異性(bispecific)」、「二重特異性(dual−specific)」、または「二機能性」抗体とは、異なる2つの抗原結合部位を有するハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、多重特異性抗体の一種であり、限定はしないが、ハイブリドーマの融合、Fab’断片の連結、または抗体ヒンジおよびCH3ドメインにおける突然変異を始めとする様々な方法によってによって生成することができる。たとえば、SongsivilaiおよびLachmann、Clin.Exp.Immunol.79:315〜321(1990);Kostelnyら、J.Immunol.148:1547〜1553(1992);およびStropら、J.Mol.Biol.420(3):204〜219(2012)を参照されたい。二重特異性抗体の2つの結合部位は、同じまたは異なるタンパク質標的上に存在しうる異なる2種のエピトープに結合する。

0131

本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質な抗体からなる、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、軽微な量で存在することのある起こりうる自然発生突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を指す。モノクローナル抗体は、特異性が高く、単一抗原に向けられている。さらに、各モノクローナル抗体は、異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を通常は含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、抗原上の単一の決定基に向けられている。

0132

ある特定の実施形態では、本明細書におけるモノクローナル抗体には、詳細には、重鎖および/または軽鎖の一部分が、特定の種由来であるまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同であり、鎖の残部が、別の種由来であるまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である、「キメラ」抗体、ならびに、所望の生物活性を示す限り、このような抗体の断片を含めることができる(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851〜6855(1984))。

0133

「ヒト化」した形態の非ヒト(たとえば、マウス)抗体とは、非ヒト免疫グロブリン由来の配列を最低限含んでいるキメラ抗体である。大部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの高度可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有する、マウス、ラットウサギ非ヒト霊長類などの非ヒト種の高度可変領域(ドナー抗体)からの残基と交換されている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。一部の例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基と交換されている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体において見られない残基を含んでもよい。こうした修飾は、抗体性能をさらに正確にするためになされる。一般に、ヒト化抗体は、高度可変ループのすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンの高度可変ループに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のFRである、少なくとも1つ、通常は2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体は、場合により、免疫グロブリン定常領域(Fc)、通常はヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部分も含む。これ以上の細目については、Jonesら、Nature 321:522〜525(1986);Riechmannら、Nature 332:323〜329(1988);およびPresta、Curr.Op.Struct.Biol.2:593〜596(1992)を参照されたい。その中で引用されている次の総説および参考文献も参照されたい。VaswaniおよびHamilton、Ann.Allergy,Asthma&Immunol.1:105〜115(1998);Harris、Biochem.Soc.Transactions 23:1035〜1038(1995);HurleおよびGross、Curr.Op.Biotech.5:428〜433(1994)。

0134

「ヒト抗体」とは、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するもの、および/または本明細書で開示するとおりのヒト抗体作製技術のいずれかを使用して作製されたものである。ヒト抗体のこの定義は、詳細には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。

0135

本明細書で使用する、「ヒンジ領域」、「ヒンジ配列」、およびこれらの変形語は、たとえば、Janewayら、ImmunoBiology:the immune system in health and disease(Elsevier Science Ltd.、ニューヨーク州)(第4版、1999);Bloomら、Protein Science (1997)、6:407〜415;Humphreysら、J.Immunol.Methods(1997)、209:193〜202で例示されている、当技術分野で知られた意味を包含する。

0136

本明細書で使用する用語「含Fcポリペプチド」とは、免疫グロブリン重鎖のカルボキシル末端ポリペプチド配列を含むポリペプチド(たとえば、抗体またはイムノアドヘシン)を指す。含Fcポリペプチドは、未変性または変異Fc領域(すなわち、配列)を含む場合がある。免疫グロブリンのFc領域は、一般に、CH2ドメインとCH3ドメインの2つの定常ドメインを含み、場合によりCH4ドメインを含む。含Fcポリペプチドは、(一般に、含Fcポリペプチドのアミノ末端にある)野生型ヒンジ配列の一部または全部を含んでもよい。含Fcポリペプチドは、二量体でもよい。含Fcポリペプチドは、適切な任意の免疫グロブリンから、たとえば、種々のIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4サブタイプの少なくとも1つから、またはIgA、IgE、IgD、もしくはIgMから得られ、または導かれるものでよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は、様々になるかもしれないが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、たとえば、Glu216位のアミノ酸残基から、またはAla231から、そのカルボキシル末端に及ぶと定義されるのが普通である。Fc領域中の残基の番号付けは、KabatのとおりのEUインデックスの番号付けである。Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、米国国立保健研究所Public Health Service、メリーランド州ベセズダ、1991。

0137

含Fcポリペプチドは、1種または複数のポリペプチドが含Fcポリペプチドに連結している含Fc融合ポリペプチドでもよい。Fc融合では、免疫グロブリンのFcポリペプチドが、一般に任意のタンパク質、ポリペプチド、または低分子でよい融合パートナーと組み合わさる。事実上任意のタンパク質または低分子をFc領域に連結させて、含Fc融合ポリペプチドを生成してもよい。含Fc融合パートナーとしては、限定はしないが、受容体、接着分子、リガンド、酵素、サイトカイン、ケモカイン、または他のいくつかのタンパク質もしくはタンパク質ドメインの標的結合領域を挙げることができる。

0138

本明細書で使用するとき、用語「イムノアドヘシン」とは、非相同タンパク質(「アドヘシン」、たとえば、受容体、リガンド、または酵素)の「結合ドメイン」が、免疫グロブリン定常ドメイン(すなわち、Fcドメイン)のエフェクター構成要素と組み合わさっている、抗体様または免疫グロブリン様分子を意味する。イムノアドヘシンは、構造上は、抗体の抗原認識および抗原結合部位(抗原合体部位)以外である(すなわち、「非相同」である)、所望の結合特異性を有するアドヘシンアミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列の融合物を含む。イムノアドヘシン中の免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4サブタイプ、IgA、IgE、IgD、またはIgMなどの任意の免疫グロブリンから取得することができる。

0139

用語「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書では、好ましくは比較的短い、任意の長さ(たとえば、10〜100アミノ酸)のアミノ酸の鎖を指すのに互換的に使用される。鎖は、線状でも分枝でもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、かつ/または非アミノ酸によって中断されてもよい。この用語は、自然に、または介入によって修飾されているアミノ酸鎖;たとえば、ジスルフィド結合形成グリコシル化脂質付加アセチル化リン酸化、または標識成分とのコンジュゲーションなどの他の任意の操作もしくは修飾も包含する。(たとえば、非天然アミノ酸などを含めた)アミノ酸の1種または複数の類似体を含んでいるポリペプチド、ならびに当技術分野で知られている他の変更形態も、定義の範囲内に含まれる。ポリペプチドは、単鎖としてまたは連合した鎖として存在する場合があることは理解される。

0140

本明細書で使用するとき、用語「野生型アミノ酸」、「野生型IgG」、または「野生型mAb」とは、ある特定の集団(たとえば、ヒト、マウス、ラット、細胞など)内で自然発生するアミノ酸または核酸の配列を指す。

0141

本明細書で使用するとき、用語「コンジュゲーション効率」または「架橋効率」とは、本明細書に記載のとおりのADCの実験による測定量を、最大予測ADC量で割った比である。コンジュゲーション効率または架橋効率は、疎水性相互作用クロマトグラフィーなどの、当業者によく知られている種々の技術によって測定することができる。コンジュゲーション効率は、室温や37℃などの異なる温度で測定する場合もある。

0142

用語「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域に起因する生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、限定はしないが、抗体依存性細胞傷害ADCC)、Fc受容体結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、食作用、C1q結合、および細胞表面受容体(たとえば、B細胞受容体、BCR)の下向き調節が挙げられる。たとえば、米国特許第6,737,056号を参照されたい。このようなエフェクター機能には、一般に、Fc領域が結合ドメイン(たとえば、抗体可変ドメイン)と合わさる必要があり、このような抗体エフェクター機能の値を求めることが当技術分野で知られている種々のアッセイを使用して、これを評価することができる。例示的なエフェクター機能の測定は、Fcγ3および/またはC1q結合を通したものである。

0143

本明細書で使用するとき、「抗体依存性細胞傷害」または「ADCC」とは、Fc受容体(FcR)を発現させる非特異的な細胞傷害性細胞(たとえば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が、標的細胞上の結合された抗体を認識し、引き続いて、標的細胞の溶解を引き起こす、細胞によって媒介される反応を指す。目的とする分子のADCC活性は、米国特許第5,500,362号または第5,821,337号に記載のものなどの、in vitro ADCCアッセイを使用して評価することができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核球(PBMC)およびNK細胞が挙げられる。別法として、または追加として、目的とする分子のADCC活性は、in vivoで、たとえば、Clynesら、1998、PNAS(USA)、95:652〜656に記載のものなどの動物モデルで評価してもよい。

0144

「補体依存性細胞傷害」または「CDC」とは、補体存在下での標的の溶解を指す。補体活性化経路は、補体系の第1成分(C1q)が、同族抗原と複合体形成した分子(たとえば、抗体)に結合することによって開始される。補体活性化を評価するには、たとえば、Gazzano−Santoroら、J.Immunol.Methods、202:163(1996)に記載のとおりのCDCアッセイを実施することができる。

0145

本明細書で使用するとき、「Fc受容体」および「FcR」とは、抗体のFc領域に結合する受容体のことをいう。好ましいFcRは、未変性配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRとは、IgG抗体に結合するもの(γ受容体)であり、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、およびFcγRIVサブクラスの受容体が、こうした受容体の対立遺伝子バリアントおよび別の可能性としてはスプライスされた形態を含めて、これに含まれる。FcγRII受容体には、主としてその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害受容体」)が含まれる。FcRは、RavetchおよびKinet、1991、Ann.Rev.Immunol.、9:457〜92;Capelら、1994、Immunomethods、4:25〜34;de Haasら、1995、J.Lab.Clin.Med.、126:330〜41;Nimmerjahnら、2005、Immunity 23:2〜4において総説されている。「FcR」は、母性IgGの胎児への移行を担う、新生児受容体であるFcRnも包含する(Guyerら、1976、J.Immunol.、117:587;およびKimら、1994、J.Immunol.、24:249)。

0146

用語「精製する」およびその文法上の変形語は、ADCと1種または複数の不純物を含有する混合物から、少なくとも1種の不純物を、完全または部分的のいずれにせよ、除去し、それによって、(すなわち、組成物中の不純物の量(ppm)を減少させることにより)組成物中のADCの純度レベルを向上させることを意味するのに使用する。

0147

本明細書における「約」の付いた値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする実施形態を包含(および記載)する。たとえば、「約X」に言及する記述は、「X」という記述を包含する。数字の範囲は、範囲の境界となる数を含む。

0148

「個体」または「対象」は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。哺乳動物として、限定はしないが、家畜競技動物愛玩動物霊長類ウマイヌネコ、マウス、およびラットも挙げられる。

0149

本明細書において、実施形態が「含む(comprising)」という言い回しで記載される場合は必ず、「からなる(consisting of)」および/または「本質的にからなる(consisting essentially of)」の用語で記載される、他の点では類似した実施形態も提供されると理解される。

0150

本発明の態様または実施形態を、マーカッシュ群または代案の他のグループ分けの用語で記載する場合において、本発明は、まとめて列挙された群全体、個々には群の各メンバー、および主群考えうるすべての亜群だけでなく、群メンバーの1つまたは複数が存在しない主群も包含する。本発明は、請求項に係る発明における群メンバーのいずれかの1つまたは複数の明確な除外も想定する。

0151

本出願における残基の呼称は、EUの定常ドメイン番号付けスキームに基づく(Edelmanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、63(1):78〜85(1969))。

0152

別段定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。例示的な方法および材料を本明細書に記載するが、本明細書に記載のものと同様または同等な方法および材料も、本発明の実施または試験において使用することができる。本明細書で言及するすべての刊行物および他の参考文献は、その全体が参照により援用される。不一致の場合では、定義を含めて、本出願が統制をなす。いくつかの文書が本明細書に引用されているとしても、その引用は、こうした文書のいずれかが、当技術分野で共通の一般知識の一部をなすことを容認する性質ではない。本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、単語「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」や「含む(comprising)」などの変形語は、記載された完全体または完全体の群を包含するが、他のいずれかの完全体または完全体の群を排除しないことを含意すると理解される。文脈によって別段規定されない限り、単数形の用語は、複数性を包含するものとし、複数形の用語は、単数形を包含するものとする。材料、方法、および例は、実例にすぎず、限定するものでない。

0153

トランスグルタミナーゼは、通常はグルタミン残基のリシン残基でのpH依存的なアミド基転移を触媒するタンパク質−グルタミンγ−グルタミルトランスフェラーゼである。本明細書に記載する、本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、様々な供給源から取得もしくは生成し、または1つまたは複数の内在グルタミン残基の1つまたは複数のリシン残基もしくは他の含アミン部分でのアミド基転移を触媒するように操作したものでよい。一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼは、酵素立体構造を変化させ、酵素活性を可能にするのにカルシウムを必要とする、カルシウム依存性トランスグルタミナーゼである。たとえば、トランスグルタミナーゼは、モルモット肝臓から得ることも、民間供給業者(たとえば、Sigma−Aldrich(ミズーリ州セントルイス)およびMP Biomedicals(カリフォルニア州Irvine))を通して取得することもできる。一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼは、酵素立体構造を変化させ、酵素活性を可能にするのにカルシウムを必要としない、カルシウム非依存性トランスグルタミナーゼである。一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼは、微生物ゲノム由来の微生物トランスグルタミナーゼ、たとえば、ストレプトベルティシリウム(Streptoverticillium)またはストレプトミセス(Streptomyces)(たとえば、ストレプトミセス・モバレンシス(Streptomyces mobarensis)またはストレプトベルティシリウム・モバレンシス(Streptoverticillium mobarensis))からのトランスグルタミナーゼである。ACTIVA(商標)(味の素株式会社、日本)などの、市販品として入手可能なカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼは、本発明に適する。一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼは、哺乳動物タンパク質(たとえば、ヒトトランスグルタミナーゼ)、細菌タンパク質、植物タンパク質真菌タンパク質(たとえば、菌(Oomycetes)およびアクチノミセテス(Actinomicetes)トランスグルタミナーゼ)、または原核生物タンパク質である。一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼは、ミクロコッカス(Micrococcus)、クロストリジウム(Clostridium)、ツロルプシス(Turolpsis)、リゾープス(Rhizopus)、モナスカス(Monascus)、またはバチルス(Bacillus)由来である。

0154

一部の実施形態では、本明細書に記載する、本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、抗体中の1つまたは複数の内在グルタミン残基の、1つまたは複数のリシン残基または他の含アミン部分でのアミド基転移を触媒する、改変トランスグルタミナーゼである。たとえば、自然発生トランスグルタミナーゼ中の1つまたは複数の野生型アミノ酸残基を、欠失させ、または別のアミノ酸残基で交換もしくは置換して、改変トランスグルタミナーゼを作製することができる。

0155

一部の実施形態では、本明細書に記載する、本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、当業者に知られている組換え技術を使用して産生された組換えタンパク質でもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載する、本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、精製タンパク質でよい。たとえば、精製トランスグルタミナーゼは、純度が少なくとも約50%である。本明細書で使用するとき、「純粋」または「精製」タンパク質とは、他のタンパク質夾雑物を含まないタンパク質(たとえば、トランスグルタミナーゼ)を指す。一部の実施形態では、精製トランスグルタミナーゼは、純度が、少なくとも約、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜98%、または99%のいずれかである。一部の実施形態では、精製トランスグルタミナーゼは、純度が、少なくとも約、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のいずれかである。

0156

一部の実施形態では、本発明のADCは、抗体工学によって、または改変トランスグルタミナーゼによってアミド基転移反応に反応性にされた少なくとも1つの内在グルタミンを含む。一部の実施形態では、抗体工学は、抗体脱グリコシル(たとえば、酵素的脱グリコシル)、または抗体上でのアミノ酸欠失、挿入、置換、突然変異、もしくはこれらの任意の組合せを含めたアミノ酸修飾である。たとえば、抗体中の297位にある野生型アミノ酸Asn(N)が、アミノ酸Ala(A)で置換または交換される結果、297位では非グリコシル化、295位では反応性の内在グルタミン(Q)が生じる。別の例では、抗体におけるアミノ酸修飾は、トランスグルタミナーゼの存在下で、297位における非グリコシル化、295位における反応性内在Q、ならびにN297QおよびQ295と1つまたは複数の含アミン部分との、これら2つの部位における部位特異的コンジュゲーションを結果として生じる、297位におけるNからQへのアミノ酸置換である。

0157

一部の実施形態では、本発明のADCは、限定はしないが、1)軽鎖、重鎖、または軽鎖および重鎖両方のカルボキシル末端、2)軽鎖、重鎖、または軽鎖および重鎖両方のアミノ末端、および3)S60〜R61、R108、T135、S160、S168、S190〜S192、P189−S192、G200〜S202、K222〜T225、K222〜T223、T223、L251〜S254、M252〜I253、E294〜N297、E293〜N297、N297、および/またはG385を始めとする、少なくとも1つまたは複数の位置において操作された含グルタミンタグを含み、含グルタミンタグは、抗体に挿入され、または抗体中の1つまたは複数の内在アミノ酸と入れ替わる。

0158

詳細な含グルタミンタグおよびその対応する操作位置の例は、表1に示され、参照により本明細書に援用されるWO2012/059882およびWO2015/015448に記載されている。

0159

0160

0161

一部の実施形態では、ADCの抗体は、同じ位置で野生型抗体と比較して、222、340、または370位(EU番号付け)におけるアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、この修飾は、アミノ酸欠失、挿入、置換、突然変異、またはこれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、置換は、野生型アミノ酸を別のもの(たとえば、非野生型アミノ酸)と交換することを含む。一部の実施形態では、他の(たとえば、非野生型)または挿入されたアミノ酸は、Argである(たとえば、K222R、K340R、またはK370R)。一部の実施形態では、挿入は、1つまたは複数のアミノ酸を挿入(たとえば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のアミノ酸を挿入)することを含む。一部の実施形態では、他の(たとえば、非野生型)アミノ酸は、Ala、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValである。

0162

したがって、一部の実施形態では、本発明のADCは、a)N297QおよびK222R位におけるアミノ酸置換[含アミン部分は、295位にある内在グルタミンおよび297位にある置換グルタミンに部位特異的にコンジュゲートされる]、および/またはb)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグに部位特異的にコンジュゲートされる]を含む。一部の実施形態では、薬物抗体比(DAR)は、約3〜9である。一部の実施形態では、抗体の軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグは、GGLLQGA(配列番号23)である。

0163

一部の実施形態では、本発明のADCは、a)N297QおよびK222R位におけるアミノ酸置換[含アミン部分は、295位にある内在グルタミンおよび297位にある置換グルタミンに部位特異的にコンジュゲートされる]、b)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグに部位特異的にコンジュゲートされる]、および/またはc)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体中のS60〜R61、R108、T135、S160、S168、S190〜S192、P189〜S192、G200〜S202、K222〜T225、K222〜T223、T223、L251〜S254、M252〜I253、E294〜N297、E293〜N297、N297、およびG385からなる群から選択される1つまたは複数の位置にある含グルタミンタグに部位特異的にさらにコンジュゲートされる]を含み、含グルタミンタグは、抗体中に挿入され、または抗体中の1つまたは複数の内在アミノ酸と入れ替わる。一部の実施形態では、薬物抗体比は、少なくとも約6である。たとえば、一部の実施形態では、本発明のADCはまた、a)N297QおよびK222Rにおけるアミノ酸置換[含アミン部分は、295位にある内在グルタミンおよび297位にある置換グルタミンに部位特異的にコンジュゲートされる]、b)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグに部位特異的にコンジュゲートされる]、c)1つまたは複数のグルタミンタグ[含アミン部分は、抗体重鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグに部位特異的にさらにコンジュゲートされる]を含み、薬物抗体比(DAR)は、約6〜9である。一部の実施形態では、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグは、GGLLQGA(配列番号23)であり、抗体重鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグは、LLQGA(配列番号11)である。

0164

一変形形態において、本発明のADCは、a)N297QおよびK222R位におけるアミノ酸置換[含アミン部分は、295位にある内在グルタミンおよび297における置換グルタミンに部位特異的にコンジュゲートされる]、b)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグに部位特異的にコンジュゲートされる]、c)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体重鎖においてT135アミノ酸位の後に挿入された含グルタミンタグに部位特異的にさらにコンジュゲートされる]を含み、薬物抗体比(DAR)は、約6〜9である。一部の実施形態では、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグは、GGLLQGA(配列番号23)であり、抗体重鎖においてT135の後に挿入された含グルタミンタグは、LLQG(配列番号2)である。

0165

別の変形形態では、本発明のADCは、a)N297QおよびK222R位におけるアミノ酸置換[含アミン部分は、295位にある内在グルタミンおよび297位にある置換グルタミンに部位特異的にコンジュゲートされる]、b)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグに部位特異的にコンジュゲートされる]、c)1つまたは複数の含グルタミンタグ[含アミン部分は、抗体重鎖におけるG200〜S202アミノ酸位にある含グルタミンタグに部位特異的にさらにコンジュゲートされる]を含み、薬物抗体比(DAR)は、約6〜9である。一部の実施形態では、抗体軽鎖のカルボキシル末端にある含グルタミンタグは、GGLLQGA(配列番号23)であり、抗体重鎖においてT135の後に挿入された含グルタミンタグは、LLQG(配列番号2)である。

0166

一部の実施形態では、本明細書に記載のADC用の含グルタミンタグは、アミノ酸配列XXQX(配列番号37)[Xは、本明細書に記載のとおりの在来または非在来アミノ酸でよい]を含む。たとえば、一部の実施形態では、Xは、L(Leu)、A(Ala)、G(Gly)、S(Ser)、V(Val)、F(Phe)、Y(Tyr)、H(His)、R(Arg)、N(Asn)、E(Glu)、D(Asp)、C(Cys)、Q(Gln)、I(Ile)、M(Met)、P(Pro)、T(Thr)、K(Lys)、またはW(Trp)である。

0167

一部の実施形態では、含グルタミンタグは、Q、LQG、LLQGG(配列番号1)、LLQG(配列番号2)、LSLSQG(配列番号3)、GGGLLQGG(配列番号4)、GLLQG(配列番号5)、LLQ、GSPLAQSHGG(配列番号6)、GLLQGGG(配列番号7)、GLLQGG(配列番号8)、GLLQ(配列番号9)、LLQLLQGA(配列番号10)、LLQGA(配列番号11)、LLQYQGA(配列番号12)、LLQGSG(配列番号13)、LLQYQG(配列番号14)、LLQLLQG(配列番号15)、SLLQG(配列番号16)、LLQLQ(配列番号17)、LLQLLQ(配列番号18)、LLQGR(配列番号19)、LLQGPP(配列番号20)、LLQGPA(配列番号21)、GGLLQGPP(配列番号22)、GGLLQGA(配列番号23)、LLQGA(配列番号24)、LLQGPGK(配列番号25)、LLQGPG(配列番号26)、LLQGP(配列番号27)、LLQP(配列番号28)、LLQPGK(配列番号29)、LLQAPGK(配列番号30)、LLQGAPG(配列番号31)、LLQGAP(配列番号32)、LLQGPA(配列番号33)、LLQGPP(配列番号34)、GGLLQGPP(配列番号35)、およびLLQLQG(配列番号36)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。

0168

一部の実施形態では、含グルタミンタグは、アミノ酸配列LLQGA(配列番号24)、LQG、GGLLQGA(配列番号23)、LLQGPA(配列番号33)、LLQGPP(配列番号34)、GGLLQGPP(配列番号35)、LLQGSG(配列番号13)、LLQG(配列番号2)、LLQYQG(配列番号14)、LLQLLQG(配列番号15)、LLQLQG(配列番号36)、LLQLLQ(配列番号18)、LLQLQ(配列番号17)、LLQGR(配列番号19)、LLQYQGA(配列番号12)、SLLQG(配列番号16)、またはLLQLLQGA(配列番号10)を含む。

0169

一部の実施形態では、含グルタミンタグは、LGGQGGG(配列番号41)、GGGQGGL(配列番号42)、GXGQGGG(配列番号43)、GGXQGGG(配列番号44)、GGGQXGG(配列番号45)、およびGGGQGXG(配列番号46)[Xは、G、A、S、L、V、F、Y、R、N、またはEである]からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まない。例示的な他のタグは、たとえば、US2013/0230543およびUS2013/0122020にも記載されている。

0170

一部の実施形態では、本明細書に記載のとおりのADCの抗体は、同じ位置で野生型抗体と比較して、カルボキシル末端の最後のアミノ酸位におけるアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、この修飾は、アミノ酸欠失、挿入、置換、突然変異、またはこれらのいずれ任意の組合せである。一部の実施形態では、置換は、野生型アミノ酸を別のもの(たとえば、非野生型アミノ酸)と交換することを含む。一部の実施形態では、挿入は、1つまたは複数のアミノ酸を挿入(たとえば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のアミノ酸を挿入)することを含む。一部の実施形態では、他の(たとえば、非野生型)または挿入アミノ酸は、Argである。一部の実施形態では、他の(たとえば、非野生型)アミノ酸は、Ala、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValである。たとえば、一部の実施形態では、抗体(たとえば、抗体の重鎖)のカルボキシル末端の最後のアミノ酸は、欠失している場合があり、ポリペプチドのC末端に対して操作された含グルタミンタグは、アミノ酸配列LLQGA(配列番号11)またはGGLLQGA(配列番号23)を含む。

0171

一部の実施形態では、抗体は、同じ位置で野生型抗体と比較して、アミノ末端の最初のアミノ酸位におけるアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、この修飾は、アミノ酸欠失、挿入、置換、突然変異、またはこれら任意のいずれかの組合せである。一部の実施形態では、置換は、野生型アミノ酸を別のもの(たとえば、非野生型アミノ酸)と交換することを含む。一部の実施形態では、挿入は、アミノ酸を挿入することを含む。一部の実施形態では、非野生型または挿入アミノ酸は、Argである。一部の実施形態では、他の(非野生型または挿入)アミノ酸は、Ala、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValである。

0172

一部の実施形態では、本明細書に記載のADCは、全長抗体重鎖および抗体軽鎖を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、ダイアボディ、または抗体断片である。一部の実施形態では、抗体は、IgGである。一部の実施形態では、IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4からなる群から選択される。一部の実施形態では、抗体は、IgA、IgE、IgD、またはIgMである。一部の実施形態では、本明細書に記載のADCの(たとえば、Fcγ3および/またはC1q結合によって測定される)エフェクター機能は、野生型抗体と比較して、約1、2分の1、3分の1、4分の1、または5分の1のいずれか以下に低下する。一部の実施形態では、ADCの抗体は、IgGであり、IgGのエフェクター機能は、野生型IgGと比較して約2分の1以下に低下する。他の実施形態では、IgGのエフェクター機能は、野生型IgGと比較して約2分の1に低下する。他の実施形態では、IgGのエフェクター機能は、野生型IgGと比較して約2分の1未満に低下する。一部の実施形態では、ADCの抗体は、IgGであり、IgGのエフェクター機能は、野生型IgGと比較して約1分の1以下に低下する。他の実施形態では、IgGのエフェクター機能は、野生型IgGと比較して約1分の1に低下する。一部の実施形態では、IgGのエフェクター機能は、野生型IgGと比較して、約1、3分の1、4分の1、または5分の1のいずれか未満に低下する。

0173

抗体にコンジュゲートすることのできる含アミン部分剤の数は、1)抗体に連結/挿入されている含グルタミンタグの数ならびに含グルタミンタグ上のグルタミンの数、および/または2)抗体上の内在グルタミン(すなわち、操作されていない未変性グルタミン、たとえば、可変ドメイン、CDRなどにあるグルタミン)の数、および/または3)本明細書に記載のとおりの抗体工学または改変トランスグルタミナーゼによって反応性にした内在グルタミンの数に応じて決まる。たとえば、2つの含アミン部分が、2本の軽鎖のカルボキシル末端において抗体に部位特異的にコンジュゲートされる場合もあれば、4つの含アミン部分が、Q295およびN297Q位において抗体に部位特異的にコンジュゲートされる場合もある。一部の実施形態では、含アミン部分は、各コンジュゲーション位置において、同じでも異なってもよい。

0174

細胞傷害性薬剤の例としては、限定はしないが、アントラサイクリン、アウリスタチン(たとえば、ドレスタチン、MMAD、MMAE、MMAF、PF−06380101、PF−06463377、およびPF−06456780)、スプリセオスタチン、CBI/CPI二量体(米国仮特許出願61/932,118に記載のとおりの、CBIおよびCPI両方の成分を含む「混合型」二量体を含める)、カリチアマイシン、デュオカルマイシン、エンジイン、ゲルダナマイシン、メイタンシン、ピューロマイシン、タキサン、ビンカアルカロイド、SN−38、ツブリシン、ヘミアステリン、カンプトテシン、コンブレタスタチン、ドラスタチン、インドリノ−ベンゾジアゼピン二量体、ピロロベンゾジアゼピン二量体、およびプラジエノリド、ならびにこれらの立体異性体、同配体、類似体、または誘導体が挙げられる。

0175

アントラサイクリンは、ストレプトミセス(Streptomyces)細菌由来であり、白血病リンパ腫、乳、子宮卵巣、および肺がんなどの、広範ながんの治療に使用されている。例示的なアントラサイクリンとしては、限定はしないが、ダウノルビシンドキソルビシン(すなわち、アドリアマイシン)、エピルビシンイダルビシンバルルビシン、およびミトキサントロンが挙げられる。

0176

ドラスタチン、ならびにそのペプチド類似体、および誘導体であるオーリスタチンは、抗がんおよび抗真菌活性を有することが示されている、非常に強力な有糸分裂阻害剤である。たとえば、米国特許第5,663,149号およびPettitら、Antimicrob.Agents Chemother.42:2961〜2965、1998を参照されたい。例示的なドラスタチンおよびオーリスタチンとしては、限定はしないが、ドラスタチン10、オーリスタチンE、オーリスタチンEB(AEB)、オーリスタチンEFP(AEFP)、MMAD(モノメチルオーリスタチンDまたはモノメチルドラスタチン10)、MMAF(モノメチルオーリスタチンFまたはN−メチルバリン−バリン−ドライソロイン−ドラプロインフェニルアラニン)、MMAE(モノメチルオーリスタチンEまたはN−メチルバリン−バリン−ドライソロイイン−ドラプロイン−ノルエフェドリン)、5−ベンゾイル吉草酸−AEエステル(AEVB)、および(米国出願第2013/0129753号に記載のものなどの)他の新規なオーリスタチンが挙げられる。一部の実施形態では、オーリスタチンは、次の構造を有する、0101(2−メチルアラニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド)である。

0177

0178

一部の実施形態では、オーリスタチンは、次の構造を有する、3377(N,2−ジメチルアラニル−N−{(1S,2R)−4−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシル−2−フェニルエチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−2−メトキシ−1−[(1S)−1−メチルプロピル]−4−オキソブチル}−N−メチル−L−バリンアミド)である。

0179

0180

他の実施形態では、オーリスタチンは、次の構造を有する、0131(2−メチル−L−プロリ−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド)である。

0181

0182

他の実施形態では、オーリスタチンは、次の構造を有する、0121(2−メチル−L−プロリ−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−メトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド)である。

0183

0184

カンプトテシンは、酵素のトポイソメラーゼIを阻害する、細胞傷害性キノリンアルカロイドである。カンプトテシンおよびその誘導体の例としては、限定はしないが、トポテカンおよびイリノテカン、ならびにその代謝産物、たとえばSN−38が挙げられる。

0185

コンブレタスタチンは、腫瘍において血管破壊特性を有する中性フェノールである。例示的なコンブレタスタチンおよびその誘導体としては、限定はしないが、コンブレタスタチンA−4(CA−4)およびオンブラブリン(ombrabulin)が挙げられる。

0186

デュオカルマイシンおよびCC−1065は、細胞傷害性効力を有するDNAアルキル化剤である。BogerおよびJohnson、PNAS 92:3642〜3649(1995)を参照されたい。例示的なドラスタチンおよびオーリスタチンとして、限定はしないが、(+)−ドカルマシンA((+)−docarmycinA)、(+)−デュオカルマイシンSA、および(+)−CC−1065が挙げられる。

0187

エンジインは、9員および10員環または共役三重−二重−三重結合の環系の存在を特徴とする、一クラスの抗腫瘍細菌産物である。例示的なエンジインとしては、限定はしないが、カリチアマイシン、エスペラミシン、ウンシアラマイシン(uncialamicin)、ジネマイシン(dynemicin)、およびこれらの誘導体が挙げられる。

0188

ヘミアステリンおよびその類似体(たとえば、HTI−286)は、チューブリンに結合し、正常な微小管力学を崩壊させ、化学量論量で、微小管を解重合する。

0189

ゲルダナマイシンは、Hsp90(熱ショックタンパク質90)に結合するベンゾキノンアンサマイシン抗生物質であり、抗腫瘍薬物として使用されている。例示的なゲルダナマイシンとしては、限定はしないが、17−AAG(17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン)および17−DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン)が挙げられる。

0190

メイタンシンまたはその誘導体であるメイタンシノイドは、チューブリンの重合を阻害して有糸分裂の際の微小管生成を阻害することにより、細胞増殖を抑制する。Remillardら、Science 189:1002〜1005(1975)を参照されたい。例示的なメイタンシンおよびメイタンシノイドとしては、限定はしないが、メルタンシン(mertansine)(DM1)およびその誘導体、ならびにアンサミトシン(ansamitocin)が挙げられる。

0191

ピロロベンゾジアゼピン二量体(PBD)およびインドリノ−ベンゾジアゼピン二量体(IGN)は、二重鎖のDNAに結合する、1つまたは複数のイミン官能基を含んでいる抗腫瘍剤またはその同等物である。PBDおよびIGN分子は、天然産物アトラマイシンを主体とし、プリングアニン−プリン配列を選んで、配列選択的に、DNAと相互作用する。例示的なPBDおよびその類似体として、限定はしないが、SJG−136が挙げられる。

0192

スプリセオスタチンおよびプラジエノライドは、スプライシングを阻害し、スプライセオソームSF3bと相互作用する抗腫瘍化合物である。スプリセオスタチンの例としては、限定はしないが、スプリセオスタチンA、FR901464が挙げられる。プラジエノライドの例としては、限定はしないが、プラジエノライドB、プラジエノライドD、およびE7107が挙げられる。

0193

タキサンは、抗チューブリン剤または有糸分裂阻害剤として作用するジテルペンである。例示的なタキサンとしては、限定はしないが、パクリタキセル(たとえば、TAXOL(登録商標))、およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))が挙げられる。

0194

ビンカアルカロイドも、抗チューブリン剤である。例示的なビンカアルカロイドとしては、限定はしないが、ビンクリスチンビンブラスチンビンデシン、およびビノレルビンが挙げられる。

0195

一部の実施形態では、薬剤部分は、毒素ポリペプチド(または毒素タンパク質)である。毒素ポリペプチドの例としては、限定はしないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素非結合性活性断片外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、α−サルシン、アリューリ・フォディー(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ニガウリ(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サポナリアオフィシナリス(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニンミトゲリン(mitogellin)、レストクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、トリコテセン、インヒビターシスチンノット(inhibitor cystine knot)(ICK)ペプチド(たとえば、セラトキシン(ceratotoxin))、およびコノトキシン(たとえば、KIIIAまたはSmIIIa)が挙げられる。

0196

ADCをコンジュゲートする方法
抗Trop2抗体の本発明のリンカー−ペイロードとのコンジュゲーションは、抗体の量を、25mMのTris−HCl、pH8.0〜8.5を含有する緩衝液中に5mg/mLに調整することにより実施する。抗体の5〜50倍または5〜500倍モル過剰の量のリンカー−ペイロードを添加し、2%(w/v)の細菌トランスグルタミナーゼ(味の素アクティバTI、日本国)を添加して酵素反応を開始し、穏やかに振盪しながら37℃で16〜24時間インキュベートする。ADCは、0.75Mの硫酸アンモニウム、25mMのリン酸カリウム、pH7(緩衝液A)という緩衝液組成が得られるように反応混合物を調整することにより、Butyl Sepharose(商標)High Performance(Butyl HP、GE Healthcare Biosciences)を使用して精製する。材料をButyl HPにかけ、5CVの緩衝液Aで洗浄し、20CVへの線形勾配で、25mMのリン酸カリウム、pH7中に溶離させる。ADCを含有する画分をプールし、PBSに対して透析し、10kDaのAmicon Ultra遠心フィルタユニット(Millipore Corporation)を使用して濃縮し、0.2μフィルター滅菌濾過する。別法として、ADCは、MabSelect Protein A樹脂(GE Healthcare Biosciences)を標準プロトコールに従いながら使用して精製し、緩衝液をPBSに交換する。WO2012/059882に記載の方法を含めて、ADCをコンジュゲートする他の方法が知られている。

0197

本発明の抗体薬物コンジュゲートの使用方法
本発明のADCは、限定はしないが、治療処置方法および診断処置方法を始めとする、種々の用途において有用である。

0198

一態様において、本発明は、対象におけるがんの治療方法を提供する。したがって、一部の実施形態では、それを必要とする対象におけるがんの治療方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりのADCを含む有効量の組成物(たとえば、医薬組成物)を投与することを含む治療方法が提供される。本明細書で使用するとき、がんは、限定はしないが、固形がん膀胱、乳、子宮頸部絨毛癌結腸食道膠芽腫、頭頸部腎臓、肝臓、(たとえば、非小細胞肺がん(NSCLC))、口腔、卵巣、膵臓前立腺、および皮膚がんなど)、および液状がん(liquid cancer)(急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病CML)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、T細胞前リンパ球性白血病(T−PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、成人T細胞白血病多発性骨髄腫など)を包含する。

0199

一部の実施形態では、それを必要とする対象において腫瘍の成長または進行を抑制する方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりのADCを含む有効量の組成物を投与することを含む方法が提供される。他の実施形態では、それを必要とする対象において、がん細胞または腫瘍(たとえば、固形または液状腫瘍)の転移を抑制する方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりのADCを含む有効量の組成物を投与することを含む方法が提供される。他の実施形態では、それを必要とする対象において腫瘍退縮を誘発する方法であって、対象に、本明細書に記載のとおりのADCを含む有効量の組成物を投与することを含む方法が提供される。

0200

本明細書に記載のとおりのADC中の薬剤部分は、画像処理剤や酵素−基質標識などの検出可能な部分にすることができる。本明細書に記載のとおりのADCは、in vivo撮像(たとえば、PETやSPECT)などのin vivo診断アッセイに、または染色試薬にも使用することができる。

0201

一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、付加的な形の療法で対象を治療するステップをさらに含む。一部の実施形態では、付加的な形の療法は、限定はしないが、化学療法放射線手術ホルモン療法、および/または追加免疫療法を始めとする、付加的な抗がん療法である。

0202

一部の実施形態では、付加的な形の療法は、本明細書に記載のとおりのADCに加えて、1種または複数の治療剤の投与を含む。その治療剤としては、限定はしないが、第2のADC(たとえば、ブレンツキシマブベドチン(ADCETRIS(登録商標))やado−トラスツズマブエムタンシン(KADCYLA(登録商標))などの従来のADC、抗体(たとえば、抗VEGF抗体抗HER2抗体抗CD25抗体、および/または抗CD20抗体)、血管新生阻害剤、細胞傷害性薬剤(たとえば、ドセタキセル、シスプラチン、ドキソルビシン、マイトマイシンタモキシフェン、またはフルオロウラシル)、および抗炎症剤(たとえば、プレドニゾンおよびプロゲステロン)が挙げられる。

0203

医薬組成物
本発明はまた、本明細書に記載のとおりのADCを薬学的に許容できる賦形剤または担体中に含む医薬組成物を提供する。ADCは、単独で、または本発明の他の1種または複数のADCと組み合わせて、もしくは他の1種または複数の薬物と組み合わせて(またはこれらの任意の組合せとして)、投与することができる。たとえば、本発明のADCは、従来の(すなわち、安定性調節の特色をもたせて設計されていない)ADCと組み合わせて投与することができる。したがって、本発明の方法および使用は、以下で詳述するとおりの、他の活性薬剤との組合せ(共投与)の実施形態も包含する。

0204

本明細書で使用するとき、用語「共投与」、「共投与された」、または「と組み合わせて」とは、(i)治療を必要とする患者への、本明細書で開示するADCと治療剤の組合せの同時投与(このとき、こうした構成要素は、前記構成要素を前記患者に対して実質的に同時に放出する単一剤形一緒に製剤される)、(ii)治療を必要とする患者への、本明細書で開示するADCと治療剤のこうした組合せの実質的同時投与(このとき、こうした構成要素は、前記患者によって実質的に同時に服用される別個剤形に、互いに離れて製剤され、その結果、前記構成要素は、前記患者に対して実質的に同時に放出される)、(iii)治療を必要とする患者への、本明細書で開示するADCと治療剤のこのような組合せの順次投与(このとき、こうした構成要素は、前記患者によって各投与間にかなりの時間間隔を置いた連続した時期に服用される別個の剤形に、互いから離れて製剤され、その結果、前記構成要素は、前記患者に対して、実質的に異なる時期に放出される)、および(iv)治療を必要とする患者への、本明細書で開示するADCと治療剤のこうした組合せの順次投与(このとき、こうした構成要素は、前記構成要素を制御された用量で放出する単一剤形に一緒に製剤され、その結果、これら構成要素は、前記患者に対して、同時および/または異なる時期に、並行して、連続して、および/または一部重複して放出される)を意味し、またはこれらのことを指すものとし、各パートは、同じ経路または異なる経路のどちらによって投与してもよい。

0205

一般に、本明細書で開示するADCは、製剤として、薬学的に許容できる1種または複数の賦形剤と共同して投与するのに適する。用語「賦形剤」は、本明細書では、本発明の化合物以外の任意の成分を述べるのに使用する。賦形剤の選択は、特定の投与方式、賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の性質などの要因によるところが大きい。本明細書で使用するとき、「薬学的に許容できる賦形剤」は、生理学的に適合性のあるありとあらゆる溶媒分散媒コーティング剤抗菌および抗真菌剤等張剤および吸収遅延剤(isotonic and absorption delaying agents)などを包含する。薬学的に許容できる賦形剤の一部の例は、水、食塩水リン酸緩衝溶液デキストロースグリセロールエタノールなど、ならびにこれらの組合せである。一部の実施形態では、限定はしないが、糖、多価アルコール(たとえば、マンニトールソルビトール)、または塩化ナトリウムを始めとする等張剤を、医薬組成物中に含める。薬の学的に許容できる物質の追加の例として、限定はしないが、抗体の保存性(shelf life)または有効性を高める、湿潤剤、または少量の補助物質、たとえば、湿潤もしくは乳化剤保存剤緩衝剤が挙げられる。

0206

一部の実施形態では、本明細書に記載のADCは、たとえばPCT公開WO98/52976およびWO00/34317に記載のものなどの既知の技術を使用して、対象に投与されると免疫原性が低下するように脱免疫化される(deimmunized)場合がある。

0207

本発明の医薬組成物およびその調製方法は、当業者には容易に明らかとなる。このような組成物およびその調製方法は、たとえば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第22版(Mack Publishing Company、2012)で見ることができる。医薬組成物は、製造管理および品質管理に関する基準の条件下で製造することが好ましい。

0208

本発明の医薬組成物は、まとめて、単一単位用量として、または複数の単一単位用量として、調製、包装、または販売することができる。本明細書で使用するとき、「単位用量」とは、所定の量の活性成分を含む、医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与されることになる活性成分の投薬量、または、たとえば、そのような投薬量の2分の1や3分の1などの、そのような投薬量の好都合分数に等しい。ペプチド、タンパク質、または抗体を投与するための、当技術分野で受け入れられているいかなる方法も、本明細書で開示する改変ポリペプチドコンジュゲートに適切に用いることができる。

0209

本発明の医薬組成物は通常、非経口投与に適する。医薬組成物の非経口投与には、対象の組織物理的に突破し、組織における突破口を介して医薬組成物が投与され、したがって、一般に、血流中、筋肉中、または内臓に直接投与される結果となることを特徴とする、任意の投与経路が含まれる。たとえば、非経口投与としては、限定はしないが、組成物の注射、外科切開を経た組成物の適用、組織を貫通する非外科的創傷を介した組成物の適用などによる医薬組成物の投与が挙げられる。詳細には、非経口投与には、限定はしないが、皮下、腹腔内、筋肉内、胸骨内、静脈内、動脈内、くも膜下腔内脳室内尿道内、頭蓋内、滑液包内の注射または注入、および腎臓透析注入技術が含まれるものと考える。一部の実施形態では、非経口投与は、静脈内または皮下経路である。

0210

非経口投与に適する医薬組成物の製剤は、通常、滅菌水等張性滅菌食塩水などの薬学的に許容できる担体と組み合わされた活性成分を一般に含む。このような製剤は、ボーラス投与または継続的投与に適する形で、調製、包装、または販売することができる。注射用製剤は、アンプルや、保存剤を含有する多用量容器などの、単位剤形で調製、包装、または販売することができる。非経口投与用の製剤には、限定はしないが、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液乳濁液泥膏などが含まれる。このような製剤は、限定はしないが、懸濁化剤、安定剤、または分散剤を始めとする、1種または複数の追加成分をさらに含んでよい。非経口投与用製剤の一実施形態では、活性成分は、適切なビヒクル(たとえば、発熱物質なしの滅菌水)で再構成してから、再構成された組成物を非経口投与するための、乾燥(すなわち、粉末または顆粒)形態で提供される。非経口製剤には、塩、炭水化物、(好ましくは3〜9のpHにする)緩衝剤などの賦形剤を含有してよい水溶液も含まれるが、非経口製剤は、同じ用途について、非水滅菌溶液として、または発熱物質なしの滅菌水などの適切なビヒクルと共に使用される乾燥形態として、より適切に製剤することができる。例示的な非経口投与形態としては、滅菌水溶液、たとえば、プロピレングリコールまたはデキストロース水溶液中の溶液または懸濁液が挙げられる。このような剤形は、所望であれば、適切に緩衝剤処理してもよい。非経口投与可能な他の有用な製剤として、活性成分を、微結晶の形で、またはリポソーム調製物中に含むものが挙げられる。非経口投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤には、制御、遅延持続パルス、標的化、およびプログラム放出製剤が含まれる。たとえば、一態様において、注射用滅菌溶液は、改変含Fcポリペプチド、たとえば、抗体薬物コンジュゲートまたは二重特異性抗体を、必要に応じて、上で列挙した成分の1つまたは組合せと共に、適切な溶媒中に必要な量で混ぜた後、濾過滅菌することにより調製できる。一般には、基礎分散媒と、上で列挙したものからの必要な他の成分とを含有する滅菌ビヒクル中に、活性化合物を混ぜることにより、分散液を調製する。注射用滅菌溶液を調製するための滅菌粉末の場合では、好ましい調製方法は、予め滅菌濾過されたその溶液から、活性成分と所望の任意の追加成分からなる粉末が得られる、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適正な流動度は、たとえば、レシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合では必要な粒径の維持、および界面活性剤の使用によって保つことができる。注射用組成物の吸収の延長は、吸収を遅らせる薬剤、たとえば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物中に含めることにより実現できる。

0211

投薬計画は、所望の最適な応答が得られるように調整することができる。たとえば、単一のボーラスを投与してもよいし、分割されたいくつかの用量を、時間をかけて投与してもよいし、または治療状況の緊急性に合わせて用量を増減してもよい。非経口組成物を投薬量単位形態で製剤することは、投与しやすく、投薬量が一律になるので、特に有利である。本明細書で使用する、投薬量単位形態とは、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定の量の活性化合物を各単位が含有する、治療を受ける患者/対象への単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指す。本発明の投薬量単位形態の仕様は、一般に、(a)薬剤部分(たとえば、細胞傷害性薬剤などの低分子)および実現される特定の治療または予防効果の独特な特性、および(b)このような活性化合物を配合して個体の感受性を治療する分野に固有の制約によって必然的に決まり、これらに直接左右される。

0212

したがって、本明細書でなされる開示に基づき、用量および投与計画を、当治療分野でよく知られている方法に従って調整することは、当業者に正当に認識されることになる。すなわち、最大耐用量は、容易に打ち立てることができ、患者に検出可能な治療利益をもたらす有効量も求めることができ、各薬剤を投与して患者に検出可能な治療利益をもたらす時間要件を求めることもできる。したがって、ある特定の用量および投与計画を本明細書で例示するが、そうした例は、本発明を実践する際に患者に提供することのできる用量および投与計画を一切限定しない。

0213

投薬量の値は、緩和しようとする状態のタイプおよび重症度によって様々となる場合があり、単回または複数回の用量を含む場合があることを留意されたい。任意の特定の対象について、詳細な投薬計画は、個々の要求、および組成物の投与を管理監督する者の専門的な判断に従って時間と共に調整すべきであること、ならびに本明細書で示す投薬量範囲は、例示的なものにすぎず、請求項に係る組成物の範囲または実用を限定するものでないことをさらに理解されたい。さらに、本発明の組成物を用いた投薬計画は、疾患のタイプ、患者の年齢、体重、性別医学的状態、状態の重症度、投与経路、および用いる特定の抗体を含めた様々な要因に基づくものでよい。すなわち、投薬計画は、幅広く変化しうるが、標準の方法を使用して型通りに決めることができる。たとえば、用量は、薬動学的または薬力学的パラメータに基づき調整することができ、パラメータには、毒作用などの臨床作用および/または臨床検査値を含めることができる。したがって、本発明は、当業者によって決められたとおりの患者内での用量漸増を包含する。適切な投薬量および計画の決定は、関連分野でよく知られており、本明細書で開示する教示が一度提供されれば当業者によって実現されると理解される。

0214

ヒト対象への投与について、本明細書で開示するADCの合計1か月用量は、通常、当然のことながら投与方式に応じて、患者1人あたり約0.01mg〜約1200mgの範囲にある。たとえば、静脈内の1か月用量には、約1〜約1000mg/患者が必要となる場合がある。合計1か月用量は、単回または分割用量で投与することができ、医師の裁量で、本明細書で示す典型的範囲の範囲外になることもある。

0215

本明細書で開示するとおりのADCの治療または予防有効量の、例示的な非限定的な範囲は、約0.01〜約1000mg/患者/月である。ある特定の実施形態では、ADCは、約1〜約200または約1〜約150mg/患者/月で投与してよい。一部の実施形態では、患者はヒトである。

0216

キット
本発明はまた、上述の障害の治療において使用するキット(または製造品)を提供する。本発明のキットは、精製されたADCを含む1つまたは複数の容器と、コンジュゲートを疾患の治療に使用することについての使用説明書とを包含する。たとえば、使用説明書は、がん(たとえば、固形または液状がん)などの疾患を治療するためのADCの投与についての記載を含む。キットは、その個体が疾患を有するかどうか、および疾患の段階を特定することに基づき、治療に適する個体を選択することについての記載をさらに含んでもよい。

0217

ADCの使用に関する使用説明書は、一般に、目的の治療に関する投薬量、投与スケジュール、および投与経路についての情報を含む。容器は、単位用量、大量包装(たとえば、多用量包装)、または小単位用量でよい。本発明のキットの中に支給される使用説明書は、通常、ラベルまたは包装品挿入物(たとえば、キットに含められた紙シート)上での書面による使用説明書であるが、機械読み取り可能な使用説明書(たとえば、磁気または光学保存ディスクに収容された使用説明書)も許容される。

0218

本発明のキットは、適切に包装されている。適切な包装としては、限定はしないが、バイアルボトルジャーフレキシブル包装(たとえば、シールされたMylarまたはプラスチックバッグ)などが挙げられる。特殊な装置、たとえば、吸入器経鼻投与装置(たとえば、アトマイザー)、ミニポンプなどの注入装置と組み合わせて使用する包装も企図される。キットは、滅菌された接続口を有することがある(たとえば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルでよい)。容器が、滅菌された接続口を有する場合もある(たとえば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルでよい)。組成物中の少なくとも1種の活性薬剤は、より高装入量の本明細書に記載のとおりのADCである。容器は、薬学的に活性のある第2の薬剤をさらに含んでもよい。

0219

キットは、緩衝材や説明的な情報などの追加構成要素を場合により備えてもよい。通常、キットは、容器と、容器に接触または付随したラベルまたは包装品挿入物とを含む。

0220

本明細書に記載の実施例および実施形態は、例示目的のものにすぎず、またそれを踏まえた種々の変更または変化は、当業者に示唆されるところとなり、本出願の真意および範囲の内に含まれると理解される。

0221

分析に使用したHPLCおよびLC−MS条件:
分析HPLC条件:Phenomenex Luna C18(2)、150×3.0mm、5μmカラム移動相A:0.02%のトリフルオロ酢酸水溶液(v/v);移動相B:0.02%のトリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液(v/v);勾配:8.5分かけて0%〜100%のB、次いで1.5分間100%のB;流量:1.5mL/分。温度:制御せず;検出:DAD210、254nm;注入体積:10μL;計器:Agilent1100 HPLC。

0222

分析LC−MS条件:Waters Acquity UPLC HSST3、C18、2.1×50mm、1.7μm;移動相A:0.1%のギ酸水溶液(v/v);移動相B:0.1%のギ酸アセトニトリル溶液(v/v);勾配:0.1分かけて5%のB、2.5分かけて5%〜95%のB、0.35分かけて95%のB;流量:1.25mL/分。温度:60℃;検出:200〜450nm;MS(+)範囲 100〜2000ダルトン;注入体積:5μL;計器:Waters Acquity。

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