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技術 プログラム及び運転曲線作成装置

出願人 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者 小川知行佐藤圭介
出願日 2014年9月2日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2014-177669
公開日 2016年4月11日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-049924
状態 特許登録済
技術分野 鉄道交通の監視、制御、保安
主要キーワード 部分曲線 運転曲線 時分データ 最短走行 ブレーキ時間 速度ゼロ 本運転 曲線データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

演算効率を向上させた新たな運転曲線の作成手法を実現すること。

解決手段

運転曲線作成装置1は、運転曲線に含まれる惰行化候補を暫定的に惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を満たさない場合に、当該惰行化候補と所定の位置関係条件を満たす他の惰行化候補を、惰行化候補から除外する。すなわち、力行惰行化候補を暫定的に惰行化した場合には、当該力行惰行化候補から外方直近ブレーキ曲線部分までの間の力行惰行化候補を惰行化候補から除外し、ブレーキ惰行化候補を暫定的に惰行化した場合には、当該ブレーキ惰行化候補から内方直近の力行曲線部分までの間のブレーキ惰行化候補を、惰行化候補から除外する。

概要

背景

従来から、効率的な列車運行計画を作成するための運転曲線を、コンピュータを用いて作成する装置が知られている。運転曲線は、速度制限守りつつ列車の能力の範囲内で走行時分が最短となるように作成されるのが一般的である。また近年では、このように作成された運転曲線を変更して新たな運転曲線を作成する装置も知られている。例えば、特許文献1には、惰行を追加することで、変更前の運転曲線より走行時分を長くした新たな運転曲線を作成する装置が開示されている。

概要

演算効率を向上させた新たな運転曲線の作成手法を実現すること。運転曲線作成装置1は、運転曲線に含まれる惰行化候補を暫定的に惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を満たさない場合に、当該惰行化候補と所定の位置関係条件を満たす他の惰行化候補を、惰行化候補から除外する。すなわち、力行惰行化候補を暫定的に惰行化した場合には、当該力行惰行化候補から外方直近ブレーキ曲線部分までの間の力行惰行化候補を惰行化候補から除外し、ブレーキ惰行化候補を暫定的に惰行化した場合には、当該ブレーキ惰行化候補から内方直近の力行曲線部分までの間のブレーキ惰行化候補を、惰行化候補から除外する。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演算効率を向上させた新たな運転曲線の作成手法を実現することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コンピュータに、所与運転曲線を変更させるためのプログラムであって、前記運転曲線に含まれる惰行に変更し得る曲線部分の候補である惰行化候補のうちから、惰行化候補を選択して暫定的に惰行に変更する暫定惰行化手段、暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が所定の許容走行時分内である場合には当該暫定的な惰行を確定して運転曲線を更新し、前記許容走行時分内でない場合には当該暫定的な惰行をキャンセルすることと、新たな惰行化候補の選択及び暫定的な惰行への変更を前記暫定惰行化手段に行わせることとを繰り返し実行する部分曲線変更制御手段、暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が前記許容走行時分内でない場合に、当該暫定的な惰行の曲線部分と所定の位置関係条件を満たす惰行化候補を、前記暫定惰行化手段の選択候補から除外する除外手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

請求項2

前記暫定惰行化手段は、前記惰行化候補として力行曲線部分(以下、「力行惰行化候補」という)を選択し、当該力行惰行化候補から順引き惰行曲線を設定することで前記暫定的な変更を実施する力行暫定惰行化手段を有し、前記除外手段は、前記選択された力行惰行化候補から外方直近ブレーキ曲線部分までの間の力行曲線部分を、選択候補から除外する力行惰行化除外手段を有する、請求項1に記載のプログラム。

請求項3

前記暫定惰行化手段は、前記惰行化候補としてブレーキ曲線部分(以下、「ブレーキ惰行化候補」という)を選択し、当該ブレーキ惰行化候補から逆引き惰行曲線を設定することで前記暫定的な変更を実施するブレーキ暫定惰行化手段を有し、前記除外手段は、前記選択されたブレーキ惰行化候補から内方直近の力行曲線部分までの間のブレーキ曲線部分を、選択候補から除外するブレーキ惰行化除外手段を有する、請求項1又は2に記載のプログラム。

請求項4

所与の運転曲線を変更して新たな運転曲線を作成させるための運転曲線作成装置であって、前記運転曲線に含まれる惰行に変更し得る曲線部分の候補である惰行化候補のうちから、惰行化候補を選択して暫定的に惰行に変更する暫定惰行化手段と、暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が所定の許容走行時分内である場合には当該暫定的な惰行を確定して運転曲線を更新し、前記許容走行時分内でない場合には当該暫定的な惰行をキャンセルすることと、新たな惰行化候補の選択及び暫定的な惰行への変更を前記暫定惰行化手段に行わせることとを繰り返し実行する部分曲線変更制御手段と、暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が前記許容走行時分内でない場合に、当該暫定的な惰行の曲線部分と所定の位置関係条件を満たす惰行化候補を、前記暫定惰行化手段の選択候補から除外する除外手段と、を備えた運転曲線作成装置。

技術分野

0001

本発明は、所与運転曲線を変更して新たな運転曲線を作成する運転曲線作成装置等に関する。

背景技術

0002

従来から、効率的な列車運行計画を作成するための運転曲線を、コンピュータを用いて作成する装置が知られている。運転曲線は、速度制限守りつつ列車の能力の範囲内で走行時分が最短となるように作成されるのが一般的である。また近年では、このように作成された運転曲線を変更して新たな運転曲線を作成する装置も知られている。例えば、特許文献1には、惰行を追加することで、変更前の運転曲線より走行時分を長くした新たな運転曲線を作成する装置が開示されている。

先行技術

0003

特開2004−155314号公報

発明が解決しようとする課題

0004

惰行を追加することで運転曲線を変更する場合、つまり運転曲線に含まれる力行ブレーキを惰行に変更する場合には、変更対象となる運転曲線部分を選択して運転曲線を仮変更し、仮変更した運転曲線が所定条件を満たさなければ仮変更を取り消すといった演算を繰り返し実行する。従って、変更対象の候補となる運転曲線部分が多くなればなるほど、演算量が指数関数的に増加する。

0005

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演算効率を向上させた新たな運転曲線の作成手法を実現することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータに、所与の運転曲線を変更させるためのプログラムであって、
前記運転曲線に含まれる惰行に変更し得る曲線部分の候補である惰行化候補のうちから、惰行化候補を選択して暫定的に惰行に変更する暫定惰行化手段、
暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が所定の許容走行時分内である場合には当該暫定的な惰行を確定して運転曲線を更新し、前記許容走行時分内でない場合には当該暫定的な惰行をキャンセルすることと、新たな惰行化候補の選択及び暫定的な惰行への変更を前記暫定惰行化手段に行わせることとを繰り返し実行する部分曲線変更制御手段、
暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が前記許容走行時分内でない場合に、当該暫定的な惰行の曲線部分と所定の位置関係条件を満たす惰行化候補を、前記暫定惰行化手段の選択候補から除外する除外手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。

0007

また、他の発明として、
所与の運転曲線を変更して新たな運転曲線を作成させるための運転曲線作成装置であって、
前記運転曲線に含まれる惰行に変更し得る曲線部分の候補である惰行化候補のうちから、惰行化候補を選択して暫定的に惰行に変更する暫定惰行化手段と、
暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が所定の許容走行時分内である場合には当該暫定的な惰行を確定して運転曲線を更新し、前記許容走行時分内でない場合には当該暫定的な惰行をキャンセルすることと、新たな惰行化候補の選択及び暫定的な惰行への変更を前記暫定惰行化手段に行わせることとを繰り返し実行する部分曲線変更制御手段と、
暫定的に惰行に変更された運転曲線全体の走行時分が前記許容走行時分内でない場合に、当該暫定的な惰行の曲線部分と所定の位置関係条件を満たす惰行化候補を、前記暫定惰行化手段の選択候補から除外する除外手段と、
を備えた運転曲線作成装置を構成しても良い。

0008

この第1の発明等によれば、所与の運転曲線に含まれる惰行化候補を選択して暫定的に惰行に変更した運転曲線全体の走行時分が許容走行時分内でない場合に、この暫定的な惰行の曲線部分と所定の位置関係条件を満たす惰行化候補が、暫定的な惰行へ変更する選択候補から除外される。これにより、演算効率を向上させた新たな運転曲線の作成手法を実現できる。

0009

第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記暫定惰行化手段は、前記惰行化候補として力行曲線部分(以下、「力行惰行化候補」という)を選択し、当該力行惰行化候補から順引き惰行曲線を設定することで前記暫定的な変更を実施する力行暫定惰行化手段を有し、
前記除外手段は、前記選択された力行惰行化候補から外方直近ブレーキ曲線部分までの間の力行曲線部分を、選択候補から除外する力行惰行化除外手段を有する、
プログラムを構成しても良い。

0010

この第2の発明によれば、力行曲線部分を惰行化候補として選択し、力行惰行化候補を暫定的に惰行に変更した運転曲線全体の走行時分が所定の許容走行時分内でない場合には、この力行惰行化候補から外方直近のブレーキ曲線までの間の力行曲線部分が、暫定的な惰行へ変更する選択候補から除外される。これは、力行惰行化候補から順引き惰行曲線を設定することで、力行惰行化候補の暫定的な惰行への変更を行っているためである。つまり、順引き惰行曲線は、力行惰行化候補の内方延長するように設定される。このため、選択した惰行化候補の外方の力行曲線部分について同様に惰行化する場合には、選択した惰行化候補を惰行化するよりも走行時分が長くなるためである。

0011

第3の発明として、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記暫定惰行化手段は、前記惰行化候補としてブレーキ曲線部分(以下、「ブレーキ惰行化候補」という)を選択し、当該ブレーキ惰行化候補から逆引き惰行曲線を設定することで前記暫定的な変更を実施するブレーキ暫定惰行化手段を有し、
前記除外手段は、前記選択されたブレーキ惰行化候補から内方直近の力行曲線部分までの間のブレーキ曲線部分を、選択候補から除外するブレーキ惰行化除外手段を有する、
プログラムを構成しても良い。

0012

この第3の発明によれば、ブレーキ曲線部分を惰行化候補として選択し、ブレーキ惰行化候補を暫定的に惰行に変更した運転曲線全体の走行時分が所定の許容走行時分内でない場合には、このブレーキ惰行化候補から内方直近の力行曲線部分までの間のブレーキ曲線部分が、暫定的な惰行へ変更する選択候補から除外される。これは、ブレーキ惰行化候補から逆引き曲線を設定することで、ブレーキ惰行化候補の惰行化を行っているためである。つまり、逆引き惰行曲線は、ブレーキ惰行化候補の外方に延長するように設定される。このため、選択したブレーキ惰行化候補の内方のブレーキ曲線部分について同様に惰行化する場合には、選択したブレーキ惰行化候補を惰行化するよりも走行時分が長くなるためである。

図面の簡単な説明

0013

運転曲線の一例。
力行の惰行化の説明図。
ブレーキの惰行化の説明図。
力行惰行化候補の除外の説明図。
ブレーキ惰行化候補の除外の説明図。
運転曲線作成装置の機能構成図。
運転曲線作成処理フローチャート
途中ブレーキ惰行化処理のフローチャート。
再力行惰行化処理のフローチャート。

実施例

0014

概要
本実施形態の運転曲線作成装置は、所与の運転曲線を変更して、新たな運転曲線を生成する装置である。

0015

(A)運転曲線
図1は、運転曲線の一例である。図1に示すように、運転曲線は、駅間を単位として生成され、横軸を走行位置(キロ程で表現される距離)、縦軸を走行速度として、列車の位置に対する速度変化を示すグラフとして表現される。運転曲線は、定められた制限速度を守りつつ、列車性能を最大に発揮して、駅間を最短で走行するように作成されるのが一般的である。このように作成される運転曲線を、以下、「基本運転曲線」という。本実施形態では、この基本運転曲線を変更して、走行時分が許容走行時分に近く、許容走行時分以下となる運転曲線(以下、「標準運転曲線」という)を生成する。許容走行時分は、基本運転曲線での走行時分である最短走行時分より長く定められ、列車運用上の余裕を加味して定められる。

0016

(B)運転曲線の変更
図1に示すように、運転曲線は、力行曲線部分12、惰行曲線部分14及びブレーキ曲線部分16の3種類の曲線部分を組み合わせて構成される。本実施形態では、基本運転曲線の力行曲線部分12及びブレーキ曲線部分16を惰行に変更(惰行化)して標準運転曲線を生成する。

0017

(B−1)力行の惰行化
図2は、力行の惰行化を説明する図である。図2では、力行を含む運転曲線の一部を示している。なお、惰行化の対象とする力行は、発駅出発時の力行以外の力行(以下、「再力行」という)とする。

0018

力行の惰行化は、順引き惰行によって実現する。すなわち、図2(1)に示すように、力行12aの開始点13aから、列車の進行方向(着駅に向かう方向。図2では、右方向)に向かって惰行で走行した場合の順引き惰行曲線18aを生成する。そして、図2(2)に示すように、力行12aの開始点13aから、この順引き惰行曲線18aと運転曲線との交点19aまでの区間について、順引き惰行曲線18aに沿って走行するように、運転曲線を変更する。なお、力行12aの開始点13a以前の区間、及び、交点19a以降の区間については、そのままとする。なお、順引き惰行曲線が速度ゼロに交差した場合には、惰行化は不可能、すなわち惰行化しようとした力行は惰行化できないと判断する。

0019

(B−2)ブレーキの惰行化
図3は、ブレーキの惰行化を説明する図である。図3では、ブレーキを含む運転曲線の一部を示している。なお、惰行化の対象とするブレーキは、着駅への到着時のブレーキ以外のブレーキ(以下、「途中ブレーキ」という)とする。

0020

ブレーキの惰行化は、逆引き惰行によって実現する。すなわち、図3(1)に示すように、ブレーキ16bの終了点17bから、列車の進行方向の逆方向(発駅に向かう方向。図3では、左方向)に向かって、惰行で走行した場合にブレーキ16bの終了点17bを通過する逆引き惰行曲線18bを生成する。そして、図3(2)に示すように、この逆引き惰行曲線18bと運転曲線との交点19bから、ブレーキ16bの終了点17bまでの区間について、逆引き惰行曲線18bに沿って走行するように、運転曲線を変更する。なお、交点19b以前の区間、及び、ブレーキ16bの終了点17b以降の区間については、そのままとする。なお、逆引き惰行曲線が速度ゼロに交差した場合には、惰行化は不可能、すなわち惰行化しようとしたブレーキは惰行化できないと判断する。

0021

(C)惰行化候補の除外
新たな運転曲線の作成は、基本運転曲線に対して、複数の惰行化候補を一つずつ選択して惰行に変更(惰行化)してゆくことで実現している。惰行化候補は、運転曲線に含まれる惰行に変更し得る曲線部分の候補であり、再力行の曲線部分、及び、途中ブレーキの曲線部分である。惰行化候補を一つ選択すると、選択した惰行化候補を暫定的に惰行に変更した運転曲線である暫定運転曲線を生成し、暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超えていないならば、暫定的な惰行化を確定し、許容走行時分を超えているならば、暫定的な惰行化をキャンセルする。これを惰行化候補一つずつ繰り返す。

0022

本実施形態の特徴として、惰行化候補を暫定的に惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を満たさない場合に、当該惰行化候補と所定の位置関係条件を満たす他の惰行化候補を、惰行化候補から除外する。惰行化候補には、力行曲線部分(力行惰行化候補)と、ブレーキ曲線部分(ブレーキ惰行化候補)とがある。それぞれの場合について説明する。

0023

(C−1)力行惰行化候補の除外
図4は、力行惰行化候補の除外を説明する図である。図4では、複数の力行を含む運転曲線の一部を示している。図4(1)に示すように、この運転曲線には、4つの再力行12c〜12fが含まれており、ブレーキ16cとブレーキ16dの間において、惰行と再力行12d〜12fとが繰り返す形態となっている。そして、再力行12c〜12fが、惰行化候補(力行惰行化候補)である。

0024

このような運転曲線に対して、ある力行惰行化候補を惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超える場合、この力行惰行化候補の惰行化はキャンセル(取り消し)される。このような場合、この力行惰行化候補との位置関係条件として、その外方(進行方向と逆方向。図4では、左方向)の直近のブレーキ曲線部分までの間の力行惰行化候補が、惰行化候補から除外される。すなわち、図4(2)に示すように、進行方向に数えて3つ目の力行惰行化候補12eを惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超える場合、この力行惰行化候補12eの惰行化がキャンセルされるとともに、この力行惰行化候補12eから外方直近のブレーキ16cまでの間の力行惰行化候補12dが、惰行化候補から除外される。

0025

これは、力行の惰行化が順引き惰行によってなされるからである。つまり、順引き惰行では、力行惰行化候補の力行開始点から、順方向(進行方向。図4では、右方向)に延長した順引き惰行曲線を生成し、この順引き惰行曲線と運転曲線との交点、すなわち内方直近のブレーキ曲線部分との交点までの区間について、運転曲線を惰行に変更する。このため、この力行惰行化候補の外方直近のブレーキ曲線部分との間にある力行については、当該力行を惰行化する場合、全て、順引き惰行曲線が交差するブレーキ曲線は同じとなるか、或いは、順引き惰行曲線が速度ゼロに交差する。すなわち、惰行化した場合には運転曲線の走行時分が更に長くなる。よって、力行惰行化候補の惰行化をキャンセルする場合、その力行惰行化候補と所定の位置関係条件を満たす力行惰行化候補は、惰行化可能な条件(許容走行時分以下という条件)を満たさないため、惰行化候補から除外する。これにより、運転曲線の作成に係る以降の演算量を低減する。

0026

(C−2)ブレーキの惰行化候補の除外
図5は、ブレーキの惰行化候補の除外を説明する図である。図5では、複数の途中ブレーキを含む運転曲線の一部を示している。図5(1)に示すように、この運転曲線には、5つの途中ブレーキ16g〜16kが含まれており、途中ブレーキ16gと途中ブレーキ16jの間が下り勾配となっていて、この区間において、惰行とブレーキ16g〜16jとが繰り返す形態となっている。そして、ブレーキ16g〜16kが、惰行化候補(ブレーキ惰行化候補)である。

0027

このような運転曲線に対して、あるブレーキ惰行化候補を惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超える場合、このブレーキ惰行化候補の惰行化はキャンセルされる。このような場合、このブレーキ惰行化候補との位置関係条件として、その内方(進行方向。図5では、右方向)の直近の力行との間のブレーキ惰行化候補が、惰行化候補から除外される。すなわち、図5(2)に示すように、進行方向に数えて1つ目のブレーキ惰行化候補16gを惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超える場合、このブレーキ惰行化候補16gの惰行化がキャンセルされるとともに、このブレーキ惰行化候補16gから内方直近の力行12iまでの間のブレーキ惰行化候補16h〜16jが、惰行化候補から除外される。

0028

これは、ブレーキの惰行化が、逆引き惰行によってなされるからである。つまり、逆引き惰行では、ブレーキ惰行化候補の惰行化終了点から、進行方向と逆方向に延長した逆引き惰行曲線を生成し、この逆引き惰行曲線と運転曲線の交点、すなわち外方直近の力行曲線部分との交点までの区間について、運転曲線を惰行に変更する。このため、このブレーキ惰行化候補の内方直近の力行曲線部分との間に有るブレーキについては、当該ブレーキを惰行化する場合、全て、逆引き惰行曲線が交差する力行曲線部分は同じとなるか、或いは、逆引き惰行曲線が速度ゼロに交差する。すなわち、惰行化した場合には運転曲線の走行時分が更に長くなる。よって、ブレーキ惰行化候補の惰行化をキャンセルする場合、そのブレーキ惰行化候補と所定の位置関係条件を満たすブレーキ惰行化候補は、惰行化可能な条件(許容走行時分以下という条件)を満たさないため、惰行化候補から除外する。これにより、運転曲線の作成に係る以降の演算量を低減する。

0029

[機能構成]
図6は、運転曲線作成装置1の機能構成図である。図6によれば、運転曲線作成装置1は、操作部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される一種コンピュータシステムである。

0030

操作部110は、例えばキーボードマウスタッチパネル、各種スイッチ等で構成される入力装置であり、ユーザの操作入力に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部120は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等で構成される表示装置であり、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部130は、例えばスピーカ等で構成される音出力装置であり、処理部200からの音信号に基づく各種音出力を行う。通信部140は、例えば無線通信モジュールルータモデム有線用の通信ケーブルジャック制御回路等で構成される通信装置であり、外部装置との間でデータ通信を行う。

0031

処理部200は、例えばCPU等の演算装置で構成され、記憶部に記憶されたプログラムやデータ、操作部110からの入力データ等に基づいて各種演算処理を行うとともに、運転曲線作成装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行う。また、処理部200は、途中ブレーキ惰行化部210と、ブレーキ曲線部分変更制御部220と、途中ブレーキ候補除外部230と、再力行惰行化部240と、力行曲線部分変更制御部250と、再力行候補除外部260とを有し、運転曲線作成プログラム310に従った運転曲線作成処理(図7参照)を行う。

0032

途中ブレーキ惰行化部210は、運転曲線に対して、暫定的にブレーキ惰行化候補を惰行に変更した(惰行化した)暫定運転曲線を生成する。すなわち、ブレーキ惰行化候補のブレーキ終了点から逆引き惰行曲線を設定し、ブレーキ終了点からこの逆引き惰行曲線と運転曲線との交点までの区間を、逆引き惰行曲線に沿って惰行に変更する(図3参照)。

0033

ブレーキ曲線部分変更制御部220は、運転曲線に対するブレーキ曲線部分の変更を制御する。すなわち、運転曲線から、惰行化候補とする途中ブレーキ曲線部分を抽出してブレーキ惰行化候補とする。そして、ブレーキ惰行化候補それぞれを、所定順序(例えば、ブレーキ時間が短い順)で、途中ブレーキ惰行化部210に、当該ブレーキ惰行化候補を惰行化した暫定運転曲線を生成させ、生成された暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超えない場合には、当該ブレーキ惰行化候補の惰行化を確定し、走行時分が許容走行時分を超える場合には、当該ブレーキ惰行化候補の惰行化をキャンセルすることを繰り返す。

0034

途中ブレーキ候補除外部230は、途中ブレーキ惰行化部210によって生成された暫定運転曲線の走行時分が走行運転時分を超える場合に、惰行化されたブレーキ惰行化候補の内方直近の力行曲線部分との間の途中ブレーキを、惰行化候補から除外する(図5参照)。

0035

再力行惰行化部240は、運転曲線に対して、暫定的に力行惰行化候補を惰行に変更した(惰行化した)暫定運転曲線を生成する。すなわち、力行惰行化候補の力行開始点から順引き惰行曲線を設定し、力行開始点からこの順引き惰行曲線と運転曲線との交点までの区間を、順引き惰行曲線に沿って惰行に変更する(図2参照)。

0036

力行曲線部分変更制御部250は、運転曲線に対する力行曲線部分の変更を制御する。すなわち、運転曲線から、惰行化候補とする再力行曲線部分を抽出して力行惰行化候補とする。そして、力行惰行化候補それぞれを、所定順序(例えば、力行時間が短い順)で、再力行惰行化部240に、当該力行惰行化候補を惰行化した暫定運転曲線を生成させ、生成された暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超えない場合には、当該力行惰行化候補の惰行化を確定し、走行時分が許容走行時分を超える場合には、当該力行惰行化候補の惰行化をキャンセルすることを繰り返す。

0037

再力行候補除外部260は、再力行惰行化部240によって生成された暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超える場合に、惰行化された力行惰行化候補の外方直近のブレーキ曲線部分との間の再力行を、惰行化候補から除外する(図4参照)。

0038

記憶部300は、処理部200が運転曲線作成装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためにシステムプログラムや、本実施形態を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作部110からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、運転曲線作成プログラム310と、基本運転曲線データ320と、標準運転曲線データ330と、許容走行時分データ340と、ブレーキ惰行化候補データ350、力行惰行化候補データ360と、が記憶される。

0039

基本運転曲線データ320は、変更対象となる基本運転曲線のデータである。標準運転曲線データ330は、基本運転曲線を変更して生成された運転曲線のデータである。許容走行時分データ340は、基本運転曲線に対する惰行化候補の惰行化の確定/キャンセルの判定基準となる許容走行時分のデータであり、基本運転曲線の走行時分の他、着発駅間の線路環境踏切の数やトンネルの数など)や制限速度の多少などに応じて定められる。

0040

ブレーキ惰行化候補データ350は、ブレーキ曲線部分変更制御部220によって基本運転曲線から抽出されたブレーキ惰行化候補のデータである。これらのブレーキ惰行化候補は、途中ブレーキ候補除外部230によって惰行化候補から除外され得る。力行惰行化候補データ360は、力行曲線部分変更制御部250によって基本運転曲線から抽出された力行惰行化候補のデータである。これらの力行惰行化候補は、再力行候補除外部260によって惰行化候補から除外され得る。

0041

[処理の流れ]
図7は、運転曲線作成処理を説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が、運転曲線作成プログラム310を実行することで実現される。

0042

図7によれば、処理部200は、先ず、変更対象の運転曲線を取得する(ステップA1)。次いで、変更対象として取得した運転曲線に対する許容走行時分を設定する(ステップA3)。ここで、変更対象とする運転曲線は、基本運転曲線としても良いし、その他の運転曲線としても良く、外部入力によって取得することができる。

0043

その後、途中ブレーキ惰行化処理(図8参照)を行って、途中ブレーキ曲線部分を惰行化することで運転曲線を変更する(ステップA5)。途中ブレーキ惰行化処理が終了すると、続いて、再力行惰行化処理(図9参照)を行って、再力行曲線部分を惰行化することで運転曲線を変更する(ステップA7)。再力行惰行化処理が終了すると、変更後の運転曲線を、新たに作成された運転曲線(標準運転曲線)として、例えば表示部120に表示出力する(ステップA9)。以上の処理を行うと、運転曲線作成処理を終了する。

0044

図8は、途中ブレーキ惰行化処理を説明するフローチャートである。図8によれば、ブレーキ曲線部分変更制御部220が、運転曲線から全ての途中ブレーキ曲線部分を惰行化候補として抽出する(ステップB1)。次いで、抽出した惰行化候補それぞれを、ブレーキ時間が短い順に処理対象としたループAの処理を行う。

0045

ループAでは、対象のブレーキ惰行化候補を逆引き惰行によって惰行化して、運転曲線を変更した暫定運転曲線を生成する(ステップB3)。次いで、生成した暫定運転曲線の走行時分を算出し(ステップB5)、算出した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分以下ならば(ステップB7:YES)、暫定惰行化を確定し、暫定運転曲線を新たな運転曲線に変更する(ステップB9)。その後、ステップB3に戻り、次のブレーキ惰行化候補を対象として同様の処理を行う。

0046

一方、暫定運転曲線の走行時分が許容走行時間を超えるならば(ステップB7:NO)、対象のブレーキ惰行化候補の暫定惰行化をキャンセルし(ステップB11)、途中ブレーキ候補除外部230が、対象のブレーキ惰行化候補から、その内方直近の力行曲線部分までの間の途中ブレーキを、惰行化候補から除外した後(ステップB13)、ループAを終了する。ループAの処理を終了すると、途中ブレーキ惰行化処理を終了する。

0047

図9は、再力行惰行化処理を説明するフローチャートである。図9によれば、力行曲線部分変更制御部250が、運転曲線から、全ての再力行曲線部分を惰行化候補として抽出する(ステップC1)。次いで、抽出した力行惰行化候補それぞれを、力行時間が短い順に処理対象としたループBの処理を行う。

0048

ループBでは、対象の力行惰行化候補を順引き惰行化によって惰行化して、運転曲線を変更した暫定運転曲線を生成する(ステップC3)。次いで、生成した暫定運転曲線の走行時分を算出し(ステップC5)、算出した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分以下ならば(ステップC7:YES)、暫定惰行化を確定し、暫定運転曲線を新たな運転曲線に変更する(ステップC9)。その後、ステップC3に戻り、次の力行惰行化候補を対象として同様の処理を行う。

0049

一方、暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超えるならば(ステップC7:NO)、対象の力行惰行化候補の暫定惰行化をキャンセルし(ステップC11)、再力行候補除外部260が、対象の力行惰行化候補から、その外方直近のブレーキ曲線部分までの間の再力行を、惰行化候補から除外した後(ステップC13)、ループBを終了する。ループBの処理を終了すると、再力行惰行化処理を終了する。

0050

作用効果
本実施形態の運転曲線作成装置1によれば、運転曲線に含まれる惰行化候補それぞれについて、惰行化候補を暫定的に惰行に変更した暫定運転曲線を生成し、暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を超えていないならば暫定的な惰行化を確定し、許容走行時分を超えているならば暫定的な惰行化をキャンセルする、ことを繰り返して新たな運転曲線を作成する。また、惰行化候補を暫定的に惰行化した暫定運転曲線の走行時分が許容走行時分を満たさない場合には、当該惰行化候補と所定の位置関係条件を満たす他の惰行化候補を、惰行化候補から除外する。

0051

すなわち、力行惰行化候補を暫定的に惰行化した場合には、当該力行惰行化候補から外方直近のブレーキ曲線部分までの間の力行惰行化候補を惰行化候補から除外し、ブレーキ惰行化候補を暫定的に惰行化した場合には、当該ブレーキ惰行化候補から内方直近の力行曲線部分までの間のブレーキ惰行化候補を、惰行化候補から除外する。これにより、演算効率を向上させた新たな運転曲線の作成手法が実現される。

0052

[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。

0053

(A)力行/ブレーキの惰行化
上述の実施形態では、力行及びブレーキの惰行化として、その曲線部分全体を惰行化することとしたが、その曲線部分の一部分を惰行化することとしても良い。例えば、ある再力行の開始点から終了点までの曲線部分全体を惰行化候補とすることとして説明したが、その曲線部分を前後半に分けて、別々の惰行化候補とすることとしてもよい。また、前後半の2分割でなく、3分割や4分割としてもよい。ブレーキ曲線部分についても同様である。

0054

1運転曲線作成装置
110 操作部、120 表示部、130音出力部、140通信部
200 処理部
210 途中ブレーキ惰行化部、220 ブレーキ部分曲線変更制御部
230 途中ブレーキ候補除外部、240 再力行惰行化部
250 力行部分曲線変更制御部、260 再力行候補除外部
300 記憶部
310運転曲線作成プログラム、320 基本運転曲線データ
330標準運転曲線データ、340許容走行時分データ
350 ブレーキ惰行化候補データ、360 力行惰行化候補データ

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