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技術 ゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法

出願人 横浜ゴム株式会社
発明者 三原櫻子
出願日 2014年8月29日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-175262
公開日 2016年4月11日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-049665
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の押出成形
主要キーワード 調温水 温調条件 許容内 切開面 温調流路 正面断面 次検知 軸タイプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月11日)のものです。
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図面 (12)

課題

ゴム押出物内部温度を高精度で検知し、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物を生産性よく得られるゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法を提供する。

解決手段

スクリュー3が内設された押出機1の筒状のシリンダ2の先端に設置されたヘッド2の押出口7の周面7aと周面7aとの間に熱電対8を緊張し、熱電対8により、押出口7から押し出されるゴム押出物Rを一時的に切開しつつ、このゴム押出物Rの内部温度を逐次検知し、検知された温度データに基づいて、シリンダ1aとスクリュー3の少なくともいずれかに設置された温調流路L1、L2に供給する相対的に高温流体W1または相対的に低温の流体W2の供給を制御して、熱電対8による検知温度目標温度範囲に維持する。

概要

背景

イヤ等のゴム製品を製造する際には、押出機によって未加硫ゴム押出す押出し工程がある。このような押出し工程では、未加硫ゴムは押出機に取り付けられたダイス押出口から押し出されることにより、所定形状に型付けされたゴム押出物となる。ここで例えば、シリカ配合の未加硫ゴムを押出す場合、可塑化による温度上昇によってゴム押出物内部が発泡するなど、ゴム押出物の内部温度がゴム押出物の安定性に与える影響は大きい。押出機のスクリューによって可塑化される際に発生したゴム押出物の局部的な変形は、ゴム押出物の内部温度分布に現れるため、正確にゴム押出物の内部温度を把握することが重要である。

ゴム押出物の内部温度を検知、測定する方法は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で提案されている測定方法では、ゴム押出物の表面温度を少なくとも2箇所で測定し、この測定値とゴム押出物の厚みとに基づいてゴム押出物の内部温度を決定する。しかしながら、この方法では実際にゴム押出物の内部温度を測定しているわけではなく、予測しているので測定精度を高めるには限界がある。

ゴム押出物の内部温度を把握したとしても、その内部温度を適正な目標範囲に維持することが必要になる。例えば、押出機の温度条件を所定の範囲に保持する装置が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2で提案されている装置では、温水循環回路所定温度に調整された温水を流して押出機のシリンダ温度適温に保持する。温水の温度は加熱器および熱交換器によって調整される。この装置では、押出物の温度変化は温水の温度に大きく依存するが、温水を即座に所望の温度に変化させ、次いで、シリンダ温度を即座に所望の温度に変化させることは困難である。このように押出物の温度変化までにある程度の遅れ時間が生じるので、押出物を適正な目標範囲に精度よく維持するには不利である。

また、スクリューの回転数押出速度)を変化させることにより、ゴム押出物の温度を調整する方法も知られている。しかしながら、ゴム押出物の温度を低下させるためにスクリューの回転速度を低減させると、単位時間当たりの押出量が減少するため、生産性が低下するという問題がある。

概要

ゴム押出物の内部温度を高精度で検知し、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物を生産性よく得られるゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法を提供する。スクリュー3が内設された押出機1の筒状のシリンダ2の先端に設置されたヘッド2の押出口7の周面7aと周面7aとの間に熱電対8を緊張し、熱電対8により、押出口7から押し出されるゴム押出物Rを一時的に切開しつつ、このゴム押出物Rの内部温度を逐次検知し、検知された温度データに基づいて、シリンダ1aとスクリュー3の少なくともいずれかに設置された温調流路L1、L2に供給する相対的に高温流体W1または相対的に低温の流体W2の供給を制御して、熱電対8による検知温度目標温度範囲に維持する。

目的

本発明の目的は、押出機から押し出されるゴム押出物の内部温度を高精度で検知し、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物を高い生産性で得ることができるゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

筒状のシリンダと、このシリンダ内に配置されるスクリューと、このシリンダの先端に設置されるヘッドとを備えたゴム押出機において、前記ヘッドの先端部の押出口の周面と周面との間に緊張される熱電対と、この熱電対により検知された温度データが入力される制御部と、前記シリンダと前記スクリューの少なくともいずれかに設置された温調流路と、この温調流路に相対的に高温流体を供給する高温流体供給源および相対的に低温の流体を供給する低温流体供給源とを備え、前記温度データに基づいて前記制御部により、前記高温流体供給源および前記低温流体供給源による供給動作を制御することにより、前記熱電対による検知温度目標温度範囲に維持する構成にしたことを特徴とするゴム押出機。

請求項2

前記シリンダに、互いに独立した前記温調流路が複数本設置された請求項1に記載のゴム押出機。

請求項3

前記温調流路に前記相対的に高温の流体および前記相対的に低温の流体が選択的に供給される構成にした請求項1または2に記載のゴム押出機。

請求項4

前記温調流路として、前記相対的に高温の流体が供給される高温用温調流路と、前記相対的に低温の流体が供給される低温用温調流路とが独立別個に設けられた請求項1または2に記載のゴム押出機。

請求項5

前記温度データに基づいて前記制御部により、前記スクリューの回転も制御することにより前記熱電対による検知温度を前記目標の温度範囲に維持する構成にした請求項1〜4のいずれかに記載のゴム押出機。

請求項6

スクリューが内設された押出機の筒状のシリンダの先端に設置されたヘッドの先端部の押出口の周面と周面との間に熱電対を緊張し、この熱電対により、前記押出口から押し出されるゴム押出物を一時的に切開しつつ、このゴム押出物の内部温度を逐次検知し、この検知された温度データに基づいて、前記シリンダと前記スクリューの少なくともいずれかに設置された温調流路に供給する相対的に高温の流体または相対的に低温の流体の供給を制御して、前記熱電対による検知温度を目標の温度範囲に維持することを特徴とするゴム押出物の押出制御方法

請求項7

前記シリンダに互いに独立した前記温調流路が複数本設置され、これら複数本の温調流路に供給する相対的に高温の流体または相対的に低温の流体の供給量を制御する請求項6に記載のゴム押出物の押出制御方法。

請求項8

前記温調流路に前記相対的に高温の流体および前記相対的に低温の流体を選択的に供給する請求項6または7に記載のゴム押出物の押出制御方法。

請求項9

前記温調流路として、前記相対的に高温の流体が供給される高温用温調流路と、前記相対的に低温の流体が供給される低温用温調流路とを独立別個に設けた請求項6または7に記載のゴム押出物の押出制御方法。

請求項10

前記温度データに基づいて、前記制御部により前記スクリューの回転も制御することにより前記熱電対による検知温度を前記目標の温度範囲に維持する請求項6〜9のいずれかに記載のゴム押出物の押出制御方法。

技術分野

0001

本発明は、ゴム押出機およびゴム押出物押出制御方法に関し、さらに詳しくは、押出機から押し出されるゴム押出物の内部温度を高精度で検知し、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物を高い生産性で得ることができるゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法に関するものである。

背景技術

0002

イヤ等のゴム製品を製造する際には、押出機によって未加硫ゴム押出す押出し工程がある。このような押出し工程では、未加硫ゴムは押出機に取り付けられたダイス押出口から押し出されることにより、所定形状に型付けされたゴム押出物となる。ここで例えば、シリカ配合の未加硫ゴムを押出す場合、可塑化による温度上昇によってゴム押出物内部が発泡するなど、ゴム押出物の内部温度がゴム押出物の安定性に与える影響は大きい。押出機のスクリューによって可塑化される際に発生したゴム押出物の局部的な変形は、ゴム押出物の内部温度分布に現れるため、正確にゴム押出物の内部温度を把握することが重要である。

0003

ゴム押出物の内部温度を検知、測定する方法は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で提案されている測定方法では、ゴム押出物の表面温度を少なくとも2箇所で測定し、この測定値とゴム押出物の厚みとに基づいてゴム押出物の内部温度を決定する。しかしながら、この方法では実際にゴム押出物の内部温度を測定しているわけではなく、予測しているので測定精度を高めるには限界がある。

0004

ゴム押出物の内部温度を把握したとしても、その内部温度を適正な目標範囲に維持することが必要になる。例えば、押出機の温度条件を所定の範囲に保持する装置が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2で提案されている装置では、温水循環回路所定温度に調整された温水を流して押出機のシリンダ温度適温に保持する。温水の温度は加熱器および熱交換器によって調整される。この装置では、押出物の温度変化は温水の温度に大きく依存するが、温水を即座に所望の温度に変化させ、次いで、シリンダ温度を即座に所望の温度に変化させることは困難である。このように押出物の温度変化までにある程度の遅れ時間が生じるので、押出物を適正な目標範囲に精度よく維持するには不利である。

0005

また、スクリューの回転数押出速度)を変化させることにより、ゴム押出物の温度を調整する方法も知られている。しかしながら、ゴム押出物の温度を低下させるためにスクリューの回転速度を低減させると、単位時間当たりの押出量が減少するため、生産性が低下するという問題がある。

先行技術

0006

実開平11−151747号公報
特開平6−24927号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、押出機から押し出されるゴム押出物の内部温度を高精度で検知し、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物を高い生産性で得ることができるゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため本発明のゴム押出機は、筒状のシリンダと、このシリンダ内に配置されるスクリューと、このシリンダの先端に設置されるヘッドとを備えたゴム押出機において、前記ヘッドの先端部の押出口の周面と周面との間に緊張される熱電対と、この熱電対により検知された温度データが入力される制御部と、前記シリンダと前記スクリューの少なくともいずれかに設置された温調流路と、この温調流路に相対的に高温流体を供給する高温流体供給源および相対的に低温の流体を供給する低温流体供給源とを備え、前記温度データに基づいて前記制御部により、前記高温流体供給源および前記低温流体供給源による供給動作を制御することにより、前記熱電対による検知温度目標温度範囲に維持する構成にしたことを特徴とする。

0009

本発明のゴム押出物の押出制御方法は、スクリューが内設された押出機の筒状のシリンダの先端に設置されたヘッドの先端部の押出口の周面と周面との間に熱電対を緊張し、この熱電対により、前記押出口から押し出されるゴム押出物を一時的に切開しつつ、このゴム押出物の内部温度を逐次検知し、この検知された温度データに基づいて、前記シリンダと前記スクリューの少なくともいずれかに設置された温調流路に供給する相対的に高温の流体または相対的に低温の流体の供給を制御して、前記熱電対による検知温度を目標の温度範囲に維持することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、押出機によりゴム押出物を押出す際には、押出口に設置した熱電対によりゴム押出物の内部温度を精度よく検知することができる。そして、前記シリンダと前記スクリューの少なくともいずれかに設置された温調流路に相対的に高温の流体または相対的に低温の流体を供給する。即ち、温調流路に温度が異なる流体を機動的に供給できるようにしたので、これら流体によってシリンダとスクリューの少なくともいずれかの温度を迅速に変化させて、熱電対による検知温度を迅速に目標の温度範囲に維持することが可能になる。これにより、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物を得ることができる。また、スクリューの回転速度を低減させずに、或いは、回転速度の低減を最小限にしてゴム押出物の温度を低下させることができるので、ゴム押出物の生産性を悪化させることもない。

図面の簡単な説明

0011

本発明のゴム押出機を平面視で例示する説明図である。
図1金属線周辺を拡大して例示する平面図である。
ダイスの構成部材を正面視で例示する説明図である。
ダイスの構成部材を側面視で例示する説明図である。
温調流路の配置をゴム押出機の平面視で例示する説明図である。
金属線の拡大図である。
図7Aは図6のA−A断面図、図7Bは図6のB−B断面図である。
温調流路を異ならせたゴム押出機の別の実施形態を平面視で例示する説明図である。
金属線の変形例を示す説明図である。
ゴム押出物の圧力により保持部材押圧される状態をダイスの正面断面視で例示する説明図である。
温調水の供給によるゴム押出物の内部温度および温調水温度の経時変化を示すグラフ図である。

0012

以下、本発明のゴム押出機およびゴム押出物の押出制御方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。

0013

図1図5に例示する本発明のゴム押出機1は、筒状のシリンダ1aと、シリンダ1a内に配置されるスクリュー3と、シリンダ1aの先端に設置されるヘッド4とを備えた一軸タイプの押出機である。スクリュー3を複数本設けて、二軸タイプ等にすることもできる。押出機1のヘッド2の先端にはダイス4が取り付けられている。ダイス4に形成された押出口7の前方には引き取りコンベヤ12が配置されている。

0014

押出口7には熱電対8が設置されている。この実施形態では、熱電対8が金属線9に内設されている。金属線9の線径は例えば0.2mm以上0.5mm以下である。尚、図2ではわかり易くするため、金属線9を誇張して大きく記載している。押出口7から押し出されたゴム押出物Rは、金属線9(熱電対8)によって切開されつつ、その内部温度が熱電対8によって検知される。熱電対8により検知された温度データは制御部11に入力される。金属線9および熱電対8の詳細については後述する。

0015

シリンダ1aおよびスクリュー3にはそれぞれ、シリンダ温調流路L1、スクリュー温調流路L2が設置されている。シリンダ温調流路L1、スクリュー温調流路L2にはそれぞれ、相対的に高温の流体W1(以下、高温流体W1という)を供給する高温流体供給源13および相対的に低温の流体W2(以下、低温流体W2)を供給する低温流体供給源14を備えている。流体W1、W2としては主に水を用いる。

0016

高温流体供給源13および低温流体供給源14による供給動作(高温流体W1および低温流体W2の供給量、供給速度、供給の有無等)は、熱電対8により検知された温度データに基づいて制御部11により制御される。この制御により、熱電対8による検知温度が目標の温度範囲に維持される構成になっている。

0017

この実施形態では、熱電対8により検知された温度データに基づいて制御部11により、スクリュー3の回転も制御できる構成になっている。即ち、高温流体W1および低温流体W2の供給に加えて、スクリュー3の回転数を調整することにより、熱電対8による検知温度が目標の温度範囲に維持可能な構成になっている。

0018

ゴム押出機1には、シリンダ温調流路L1のみ、或いは、スクリュー温調流路L2のみを設けてもよく、シリンダ温調流路L1、スクリュー温調流路L2の少なくとも一方が設置される。

0019

金属線9はダイス4に固定されて押出口7の周面7aと周面7aとの間に緊張されている。金属線9は間隔をあけた位置で一対の固定部材10によって保持されている。
それぞれの固定部材10は、楔形状に形成された部分を有し、2つの部材をビス10a等の連結材により連結して一体化した構造になっている。そして、2つの部材の互いの対向面に金属線9を挟んで連結することにより、固定部材10は金属線9を保持する。この実施形態の固定部材10は、正面視で2つの楔形状を互いの細い側で接合したような形態になっている。

0020

ダイス4は2つの分割体4A、4Bにより構成されている。一方の分割体4A(大型分割体4A)は他方の分割体4B(小型分割体4B)よりもサイズが大きくなっている。小型分割体4Bが大型分割体4Aの前面に形成された取付け凹部5に嵌め込んで取り付けられて、両者が一体化する構造になっている。それぞれの分割体4A、4Bには同じ大きさおよび形状の押出口7が形成されている。

0021

大型分割体4Aの取付け凹部5には、取付け凹部5よりも更に凹ませた2つの嵌合部6が形成されている。それぞれの嵌合部6は、押出口7の上側の周面7aおよび下側の周面7aに相当する位置に形成されている。それぞれの固定部材10は、ダイス4に形成された嵌合部6に嵌合して取り付けられる。嵌合部6は正面視で2つの楔形状を互いの細い側で接合したような形状であり、固定部材10と対応する形状になっている。それぞれの固定部材10はダイス4(嵌合部6)に対して着脱自在である。

0022

金属線9を保持した一対の固定部材10をそれぞれ、対応する嵌合部6に嵌合することにより、金属線9はダイス4の内部に固定される。これにより、金属線9は、押出口7の周面7aと周面7aとの間に押出口7を縦断するように緊張される。固定部材10は実施形態で例示した構造に限らず、金属線9をダイス4の内部に固定して、押出口7の周面7aと周面7aとの間に緊張させるものであればよい。この実施形態では、金属線9は押出口7の厚さ方向(図3では上下方向)に延ばして緊張されているが、押出口7を横断するように金属線9を緊張させることもできる。

0023

金属線9としては、例えば、図6図7に例示するような複数の金属製のフィラメント9aを撚って構成された金属ワイヤ等が使用される。図6図7に例示する熱電対8は、温度検知部8aと、温度検知部8aから延びるリード線8bとにより構成されていて、撚り構造の金属線9に内設されている。この実施形態では、熱電対8(温度検知部8a)をコアにして複数のフィラメント9aが撚られて金属線9が構成されている。リード線8bは、金属線9の長手方向中途の位置から金属線9の外側に突出して延長されている。延長されたリード線8bは制御部11に接続されている。尚、筒状の金属線9を用いて、この金属線9に熱電対8を内挿した構造にすることもできる。

0024

金属線9の外周面のうち、固定部材10およびダイス4に相当する位置にある部分はフィルム状の断熱材9bにより被覆され、押出口7に相当する位置にある部分の大半は断熱材9bにより被覆されていない。即ち、金属線9の外周面と、固定部材10およびダイス4とは直接接触せずに断熱材9bが介在する構造になっている。断熱材9bとしては、例えば20℃時の熱伝導率が0.17W/(m・K)以下の樹脂等を用いる。断熱材9bの厚さは例えば0.1mm以下であり、金属線9の線径に比して非常に小さくなっている。

0025

次に、このゴム押出機1を用いたゴム押出物の押出制御方法の手順を説明する。

0026

まず事前ゴム種類毎に、目標の温度範囲となる適切な温度範囲(許容内部温度範囲Ta)を把握しておく。この把握したデータは制御部11に記憶しておく。許容内部温度範囲Taとは、ゴム押出物Rに内部発泡が生じないとともに、適切な可塑性が得られる温度範囲である。

0027

生産ラインでこの押出機1によってゴム押出物Rを押し出す際には、所定量の未加硫ゴムおよび配合剤を押出機1に投入する。これら材料は押出機1により混合、混練される。混合、混練された未加硫ゴムは、ある程度柔らかくなって(可塑化されて)押出口7から押出口7の形状に型付けされて、未加硫のゴム押出物Rとしてシート状に押し出される。押出口7の周面7aと周面7aとの間には金属線9が緊張されているので、ゴム押出物Rの幅方向中央部は、金属線9によって左右に一次的に切開される。

0028

金属線9には熱電対8が内設されているので、この熱電対8(温度検知部8a)によってゴム押出物Rの切開された部位(切開面Rf)の温度が検知される。温度検知部8aにより検知された温度データはリード線8bを通じて制御部11に入力される。切開直後のゴム押出物Rの切開面Rfの温度は、即ち、ダイス4を通過しているゴム押出物Rの内部温度Tであり、押出直後のゴム押出物Rの内部温度Tとほぼ等しいとみなせる。

0029

ここで、熱電対8により逐次検知したゴム押出物Rの内部温度Tと、予め把握している許容内部温度範囲Taとを比較して、その比較結果に基づいてシリンダ温調流路L1およびスクリュー温調流路L2に供給する高温流体W1または低温流体W2の供給を制御する。この制御により、熱電対8による検知温度Tが目標の温度範囲である許容内部温度範囲Taに維持する。許容内部温度範囲Taは例えば80℃〜120℃であり、高温流体W1の温度は例えば90℃程度、低温流体W2の温度は例えば30℃程度である。高温流体W1と低温流体W2との温度差は例えば50℃〜70℃にする。

0030

具体的には、内部温度Tが許容内部温度範囲Taの上限を超えそうな場合は、シリンダ温調流路L1およびスクリュー温調流路L2に低温流体W2を供給してゴム押出物Rの内部温度Tを低下させる。内部温度Tが許容内部温度範囲Taの下限を下回りそうな場合は、シリンダ温調流路L1およびスクリュー温調流路L2に高温流体W1を供給してゴム押出物Rの内部温度Tを上昇させる。このように、シリンダ温調流路L1およびスクリュー温調流路L2には高温流体W1と低温流体W2と選択的に供給して、熱電対8により検知されるゴム押出物Rの内部温度Tを許容内部温度範囲Taに維持する。

0031

この実施形態では、金属線9は熱電対8を内設しながらも細径(例えば線径0.2mm以上0.5mm以下)なので、押出機1から押出したゴム押出物Rを切開する際のゴム押出物Rとの接触面積は非常に小さくなり、これに伴い、接触時間も非常に短くなる。それ故、ゴム押出物Rが金属線9に接触してもゴム押出物Rの温度はほとんど変化しない。また、細径の金属線9は、押し出されたゴム押出物2の温度と直ぐに同じ温度になる。

0032

金属線9の外周面は断熱材9bにより被覆されて固定部材10およびダイス4には直接接触していないので、金属線9に伝わる固定部材10やダイス4の熱は僅かである。それ故、温度検知部8aは固定部材10やダイス4の温度の影響を排除して、ゴム押出物Rの内部温度をリアルタイムで精度よく検知することができる。

0033

このようにしてゴム押出物Rの切開面Rfの温度を、切開直後に熱電対8により検知することで、切開面Rfの温度に外部環境等による影響が生じることを抑制できる。そのため、本発明によれば、従来に比して、ゴム押出物Rの内部温度Tを高精度で検知することが可能になっている。

0034

金属線9によって切開されたゴム押出物Rは、押し出された流れのなかで、切開された後ですぐに切開面Rfどうしが自然に接合して一体化する。即ち、金属線9によって切断された未加硫ゴムのスウェル(広がろうとする性質)によって、ゴム押出物Rの切開面Rfどうしが自動的に接合する。

0035

したがって、ゴム押出物Rは金属線9により一時的に切開された後、切開面Rfどうしが接合することにより切開面Rfは消滅し、引き取りコンベヤ12によって次工程に搬送される。それ故、温度検知したゴム押出物Rはそのまま製造ラインの次工程に送って使用することができる。特に、本発明ではダイス4を通過しているゴム押出物Rを一時的に切開するだけなので、ゴム押出物Rを使用する製造ラインの次工程に影響を与えることなくゴム押出物Rの内部温度Tを検知することができる。

0036

本発明では、上述のようにゴム押出物Rの内部温度Tを精度よく検知するとともに、予め所定の温度に設定された異なる温度の高温流体W1、低温流体W2をそれぞれシリンダ温調流路L1、スクリュー温調流路L2に供給できるようにしている。ゴム押出物Rを押し出しているゴム押出機1では、シリンダ1aおよびスクリュー3の温度はそのまま自然にまかせておくと上昇する。ところが、高温流体W1、低温流体W2を供給したシリンダ1a、スクリュー3は、例えば、高温流体W1によってその温度上昇が鈍化する。低温流体W2によれば、シリンダ1a、スクリュー3の温度上昇は一段と鈍化して冷却される。そのため、シリンダ1a、スクリュー3は迅速に精度よく温度変化し、これに伴い、熱電対8が検知したゴム押出物Rの内部温度Tを、迅速に許容内部温度範囲Taに維持することが可能になる。即ち、ゴム押出物Rの内部温度Tを精度よく迅速に許容内部温度範囲Taに維持できる。

0037

この実施形態では、熱電対8の検知した温度データに基づいて、制御部11によりスクリュー3の回転も制御して、熱電対8により検知した内部温度Tを許容内部温度範囲Taに維持することもできる。具体的には内部温度Tが許容内部温度範囲Taの上限を超えそうな場合は、スクリュー3の回転数を低減させてゴム押出物Rの内部温度Tを低下させる。内部温度Tが許容内部温度範囲Taの下限を下回りそうな場合は、スクリュー3の回転数を増加させてゴム押出物Rの内部温度Tを上昇させる。

0038

このようにゴム押出物Rの内部温度Tを、高温流体W1と低温流体W2の供給による温度調整に加えて、スクリュー3の回転によっても調整できるので、ゴム押出物Rの内部温度Tを一段と迅速に変化させるには有利になる。例えば、ゴム押出物Rの内部温度Tを、高温流体W1と低温流体W2の供給による温度調整によって許容内部温度範囲Taにした後、熱電対8の検知した内部温度Tを許容内部温度範囲Taに維持するように、制御部11によりスクリュー3の回転も制御(例えば、PID制御)することもできる。

0039

それ故、発泡の発生を抑制した高品質のゴム押出物Rを得ることができる。また、スクリュー3の回転速度を低減させずに、或いは、回転速度を低減させるとしても最小限の減速でゴム押出物Rの温度を低下させることができるので、ゴム押出物Rの生産性を悪化させることもない。

0040

この実施形態では、シリンダ1aに互いに独立したシリンダ温調流路L1を、シリンダ1aの長手方向に間隔をあけて複数本設置し、これらシリンダ温調流路L1に供給する高温流体W1または低温流体W2の供給を制御する。このため、シリンダ温調流路L1の長さを短くしつつ、広い範囲にシリンダ温調流路L1を配置できるので、シリンダ1aの温度をより迅速に変化させることが可能になる。これに伴って、ゴム押出物Rの内部温度を迅速に変化させるには有利になる。尚、スクリュー3に、互いに独立したスクリュー温調流路L2を複数本設置することもできる。

0041

この実施形態のように、シリンダ温調流路L1、スクリュー温調流路L2それぞれに、高温流体W1および低温流体W2を選択的に供給して、それぞれの温調流路L1、L2を、高温流体W1と低温流体W2とを供給する兼用流路にすると、温調流路の数を削減することができる。

0042

図8に例示するように、高温流体W1が供給される高温用温調流路L1aと、低温流体W2が供給される低温用温調流路L1bとを独立別個に設けることもできる。この構成によれば、高温流体W1と低温流体W2とが切り替わる時間が不要になるので、ゴム押出物Rの内部温度Tを迅速に変化させるには有利になる。シリンダ温調流路L1だけでなく、スクリュー温調流路L2についても、高温流体W1が供給される高温用温調流路と、低温流体W2が供給される低温用温調流路とを独立別個に設けることができる。

0043

図6に例示する金属線9には熱電対8(温度検知部8a)が外部に露出することなく内設されているが、図9に例示するように温度検知部8aが金属線9の外部に露出した状態でセットすることもできる。図9に例示する金属線9は、フィラメント9aどうしが隙間をあけて撚られている。この撚り構造によって、フィラメント9aどうしの隙間から温度検知部8aが金属線9の外部に露出した状態になっている。この構造の金属線9を用いると、ゴム押出物Rに温度検知部8aを直接的に接触させることができるので、検知精度を向上させるには益々有利になる。

0044

尚、金属線9の線径が0.2mm未満であると、ゴム押出物2による押圧によって切断し易くなり、また、ゴム押出物Rに押圧された際の金属線9の振れが大きくなる。一方、金属線9の線径が0.5mm超になると、ゴム押出物Rとの接触面積が大きくなり、これに伴って、接触時間も長くなる。これにより、金属線9の温度が切開面Rfの温度に影響を及ぼし、ゴム押出物Rの内部温度Tを精度よく検知するには不利になる。

0045

金属線9はゴム押出物Rに押圧され続けるので、伸びが生じたり、緊張が緩むことがある。このような場合、ゴム押出物Rを所定位置で安定して切開することができなくなる。ところが、この実施形態では、一対の固定部材10がそれぞれ、嵌合部6に嵌合した状態では押出口7の周面7aからダイス4の外周面4aに向かって狭くなる楔形状を有している。そのため図10に例示するように、押出口7を通過するゴム押出物Rの圧力により、それぞれの固定部材10はダイス4の外周面4a側に向かって押圧される。この押圧によって、それぞれの固定部材10の嵌合部6に対する固定強力が増大するとともに、金属線9の緊張張力が増大する。それ故、ゴム押出物Rを押出すことにより自動的に金属線9を強く緊張させることができる。

0046

シリンダおよびスクリューにそれぞれ温調流路を備えたゴム押出機を用いてゴム押出物を押し出した際に、スクリュー回転数は所定の一定回転数に設定し、温調条件のみを異ならせて押出口に設置した熱電対によってゴム押出物の内部温度を検知した。その結果を図11に示す。曲線Aは、ゴム押出物の内部温度が110℃〜115℃になるように、それぞれの温調流路に高温温調水(90℃)、低温温調水(30℃)を選択的に供給し、その供給を制御した場合のゴム押出物の内部温度の経時変化を示している。曲線Bは、その際の温調流路の温調水温度の経時変化を示している。曲線Cは、それぞれの温調流路に高温調温水(90℃)のみを供給し続けた場合のゴム押出物の内部温度の経時変化を示している。直線Dはその際の温調流路の温調水温度の経時変化を示している。

実施例

0047

図11の結果から、温調流路に高温温調水(90℃)、低温温調水(30℃)を選択的に供給して、その供給を制御することで、ゴム押出物の内部温度を目標の温度範囲に維持できることが分かる。

0048

1押出機
1aシリンダ
2ヘッド
3スクリュー
4ダイス
4A、4B分割体
4a外周面
5取付け凹部
6 嵌合部
7押出口
7a 周面
8熱電対
8a温度検知部
8bリード線
9金属線
9aフィラメント
9b断熱材
10固定部材
10aビス
11 制御部
12引取りコンベヤ
13高温流体供給源
14低温流体供給源
L1 シリンダ温調流路
L1a高温用温調流路
L1b低温用温調流路
L2 スクリュー温調流路
Rゴム押出物
Rf切開面
W1 相対的に高温の流体
W2 相対的に低温の流体

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