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技術 制御システム、中継装置、及び制御方法

出願人 ルネサスエレクトロニクス株式会社
発明者 山越康広坪井幸利井学豊
出願日 2014年8月27日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-172433
公開日 2016年4月7日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-048819
状態 特許登録済
技術分野 小規模ネットワーク(3)ループ,バス以外 車両用電気・流体回路
主要キーワード 制御指示装置 判断結果データ 各制御対象装置 計測距離データ 自動車自身 切り具 機能安全 フレームキャプチャ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月7日)のものです。
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図面 (20)

課題

簡易に機能をアップデートすること。

解決手段

本発明に係る制御システム9は、移動体に搭載される。制御システム9は、移動体の周辺観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する観測装置92と、観測装置92から送信された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する第1の制御指示装置91と、移動体の移動を制御する移動制御装置93と、第1の制御指示装置91から送信された第1の制御データを移動制御装置93に中継する中継装置95を備える。観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置94が制御システム9に備えられた場合、中継装置95は、第1の制御データに代えて第2の制御データを移動制御装置93に送信する。

概要

背景

近年、交通事故の削減、渋滞の解消・緩和ドライバー快適性の向上などが望まれているという社会的背景をもとに、自動運転に向けた運転支援ネットワークシステムが急速に広まってきている。統計データによれば、自動車自身買い替えサイクルは、約10年以上と非常に長いサイクルになっている。それに対して、運転支援系のアプリケーションプログラムは、交通事故削減に向けて、各自動車メーカーは非常に力を入れており、自動車の買い替えサイクルより非常に短いサイクルで新たなものが開発され、その時点における最新の自動車に適用されている。

運転支援ネットワークシステム(車載システム)は、車載ネットワークを介して、各ドメイン各車載機能単位のブロック)同士あるいはECU(Electronic Control Unit)同士が連携して動作している。ここで、アクチュエータ制御系のドメイン/ECUは、一般的に開発スパンが非常に長く、5年、10年単位である。一方で、運転支援系のドメイン/ECUの開発スパンは年単位である。そのため、運転支援ネットワークシステムの機能アップデートを目的として、新たな運転支援系のECUを追加可能とするためには、他のドメイン/ECUに対して、新たな運転支援系のECUの追加を想定した仕組みを事前に搭載しておく必要があるが、それは非常に困難である。

このような問題を解決するための技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の通信ステムは、特定のECUのみを送信先とする個別データを、グローバル変更要求に応じて全ECUを送信先とするグローバルデータに変更する仕組みを事前に各ECUに搭載することで、ECUの追加を可能としている。

概要

簡易に機能をアップデートすること。本発明に係る制御システム9は、移動体に搭載される。制御システム9は、移動体の周辺観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する観測装置92と、観測装置92から送信された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する第1の制御指示装置91と、移動体の移動を制御する移動制御装置93と、第1の制御指示装置91から送信された第1の制御データを移動制御装置93に中継する中継装置95を備える。観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置94が制御システム9に備えられた場合、中継装置95は、第1の制御データに代えて第2の制御データを移動制御装置93に送信する。

目的

近年、交通事故の削減、渋滞の解消・緩和、ドライバーの快適性の向上などが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

動体に搭載された制御システムであって、前記移動体の周辺観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する観測装置と、前記観測装置から送信された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する第1の制御指示装置と、前記移動体の移動を制御する移動制御装置と、前記第1の制御指示装置から送信された第1の制御データを前記移動制御装置に中継する中継装置と、を備え、前記観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が前記制御システムに備えられた場合、前記中継装置は、前記第1の制御データに代えて前記第2の制御データを前記移動制御装置に送信する、制御システム。

請求項2

前記第2の制御指示装置は、前記第1の制御指示装置が有さない追加機能によって前記第2の制御データを生成した場合、前記追加機能で生成したことを通知する通知データを前記第2の制御データに含め、前記中継装置は、前記第2の制御データに前記通知データが含まれていない場合、前記第1の制御データと前記第2の制御データを比較し、前記第1の制御データと前記第2の制御データが不一致である場合は異常と判断する、請求項1に記載の制御システム。

請求項3

前記制御システムは、さらに、前記観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第3の制御データを送信する第3の制御指示装置を備え、前記第3の制御指示装置は、前記第2の制御指示装置が有する追加機能を有し、前記中継装置は、前記第2の制御データに前記通知データが含まれている場合、前記第2の制御データと前記第3の制御データを比較し、前記第2の制御データと前記第3の制御データが不一致である場合は異常と判断する、請求項2に記載の制御システム。

請求項4

前記中継装置は、前記第2の制御データに前記通知データが含まれていない場合において前記異常と判断したときは、前記第1の制御データ、前記第2の制御データ、及び前記第3の制御データのうち、多数決で正常と判断した制御データを前記移動制御装置に送信する、請求項3に記載の制御システム。

請求項5

前記第1の制御指示装置及び前記第2の制御指示装置は、自身の異常を診断して、異常を検出した場合には、前記異常を通知する異常通知データを前記中継装置に送信し、前記中継装置は、前記第2の制御指示装置から異常通知データを受信した場合、前記第2の制御指示装置が前記制御システムに備えられた場合であっても、前記第1の制御データを前記移動制御装置に送信する、請求項1に記載の制御システム。

請求項6

前記制御システムは、さらに、前記中継装置を有するセントラルゲートウェイを備え、前記観測装置は、前記セントラルゲートウェイを介さずに、前記第1の制御指示装置及び前記第2の制御指示装置に観測結果データを送信する、請求項1に記載の制御システム。

請求項7

前記第1の制御データ及び前記第2の制御データは、CANプロトコルに従ったデータフレームであり、前記中継装置は、前記第2の制御データのデータフレームのフレームIDを、前記第2の制御データのフレームIDから、前記第1の制御データのフレームIDに変更する、請求項1に記載の制御システム。

請求項8

前記中継装置は、前記フレームIDの変更後のデータフレームに基づいてCRC値を算出し、算出したCRC値を前記フレームIDの変更後のデータフレームに設定する、請求項7に記載の制御システム。

請求項9

前記移動体は、自動車であり、前記第1の制御指示装置及び前記第2の制御指示装置は、前記自動車の周辺に存在する障害部を回避するように、前記制御内容を決定する、請求項1に記載の制御システム。

請求項10

移動体内送受信されるデータを中継する中継装置であって、前記移動体の周辺の観測結果を示す観測結果データを観測装置から受信し、前記観測結果データに基づいて前記移動体の制御内容を決定する第1の制御指示装置に中継する第1の中継部と、前記移動体の制御内容を示す第1の制御データを前記第1の制御指示装置から受信し、前記移動体の移動を制御する移動制御装置に中継する第2の中継部と、を備え、前記中継された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が前記移動体に備えられた場合、前記第2の中継部は、前記第1の制御データに代えて前記第2の制御データを前記移動制御装置に送信する、中継装置。

請求項11

移動体内で実施される制御方法であって、観測装置が、前記移動体の周辺を観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する第1の送信ステップと、第1の制御指示装置が、前記送信された観測結果データに基づいて前記移動体の制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する第2の送信ステップと、前記第1の制御指示装置から送信された第1の制御データを移動制御装置に中継する中継ステップと、前記移動制御装置が、前記送信された制御データに基づいて、前記移動体の移動を制御する制御ステップと、を備え、前記中継ステップでは、前記観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が前記移動体に備えられた場合、前記第1の制御データに代えて前記第2の制御データを前記移動制御装置に送信する、制御方法。

技術分野

0001

本発明は、制御システム中継装置、及び制御方法に関し、例えば複数の装置間でデータを送受信して制御を行う技術に関する。

背景技術

0002

近年、交通事故の削減、渋滞の解消・緩和ドライバー快適性の向上などが望まれているという社会的背景をもとに、自動運転に向けた運転支援ネットワークシステムが急速に広まってきている。統計データによれば、自動車自身買い替えサイクルは、約10年以上と非常に長いサイクルになっている。それに対して、運転支援系のアプリケーションプログラムは、交通事故削減に向けて、各自動車メーカーは非常に力を入れており、自動車の買い替えサイクルより非常に短いサイクルで新たなものが開発され、その時点における最新の自動車に適用されている。

0003

運転支援ネットワークシステム(車載システム)は、車載ネットワークを介して、各ドメイン各車載機能単位のブロック)同士あるいはECU(Electronic Control Unit)同士が連携して動作している。ここで、アクチュエータ制御系のドメイン/ECUは、一般的に開発スパンが非常に長く、5年、10年単位である。一方で、運転支援系のドメイン/ECUの開発スパンは年単位である。そのため、運転支援ネットワークシステムの機能アップデートを目的として、新たな運転支援系のECUを追加可能とするためには、他のドメイン/ECUに対して、新たな運転支援系のECUの追加を想定した仕組みを事前に搭載しておく必要があるが、それは非常に困難である。

0004

このような問題を解決するための技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の通信システムは、特定のECUのみを送信先とする個別データを、グローバル変更要求に応じて全ECUを送信先とするグローバルデータに変更する仕組みを事前に各ECUに搭載することで、ECUの追加を可能としている。

先行技術

0005

特開2002−314558号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に開示の技術は、事前に全てのECUに上述の仕組みを組み込む必要がある。そのため、特許文献1に開示の技術は、システムに対する非常に多くの変更量を伴い、簡易に実施することができないという問題がある。

0007

その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0008

一実施の形態によれば、制御システムは、観測装置からの観測結果データに基づいて第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が制御システムに備えられた場合、中継装置が、観測装置からの観測結果データに基づいて第1の制御指示装置が送信する第1の制御データに代えて第2の制御データを移動制御装置に送信するものである。

発明の効果

0009

前記一実施の形態によれば、簡易に機能をアップデートすることができる。

図面の簡単な説明

0010

実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステムの構成を示す図である。
実施の形態1に係るセントラルゲートウェイを介して伝送されるデータのフォーマットの一例を示す図である。
実施の形態1に係るフィルタリングコントローラの構成を示す図である。
実施の形態1に係るフィルタリングコントローラのROMのデータを示す図である。
実施の形態1に係るフィルタリングコントローラの処理を示すフローチャートである。
実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャートである。
実施の形態1に係る運転支援ECUの運転支援機能の一例を説明するための図である。
実施の形態1に係るアドオンECUの運転支援機能の一例を説明するための図である。
実施の形態1に係るセントラルゲートウェイを介して伝送されるデータのフォーマットの他の例を示す図である。
実施の形態2に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャートである。
実施の形態3に係るフィルタリングコントローラの構成を示す図である。
実施の形態3に係るフィルタリングコントローラの処理を示すフローチャートである。
実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャート(1/2)である。
実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャート(2/2)である。
実施の形態4に係る運転支援ネットワークシステムの構成を示す図である。
実施の形態5に係る知能型ロボットの構成を示す図である。
実施の形態6に係る増量警報システムの構成を示す図である。
実施の形態7に係るフィルタリングコントローラの構成を示す図である。
実施の形態7に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャートである。
実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステムの構成を示す図である。
実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャート(1/2)である。
実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステムの処理を示すフローチャート(2/2)である。
実施の形態9に係る運転支援ネットワークシステムの構成を示す図である。
実施の形態10に係る制御システムの構成を示す図である。

実施例

0011

以下に図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。以下の実施形態に示す具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、それに限定されるものではない。また、以下の記載及び図面では、説明の明確化のため、当業者にとって自明な事項等については、適宜、省略及び簡略化がなされている。

0012

<実施の形態1>
(運転支援ネットワークシステム1の構成)
以下、実施の形態1について説明する。図1を参照して、本実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の構成について説明する。図1に示すように、運転支援ネットワークシステム1は、セントラルゲートウェイ2と、運転支援ECU10と、センサー系ドメイン20と、パワートレイン系ドメイン30と、シャーシ系ドメイン40と、アドオンECU60とを有する。また、セントラルゲートウェイ2は、フィルタリングコントローラ50を有する。本実施の形態1では、運転支援ネットワークシステム1が自動車に搭載された例について説明する。

0013

各ECU/ドメイン10、20、30、40、60は、ECU単位もしくはドメイン単位バスで、CAN(Controller Area Network)、Ethernet(登録商標)、FlexRay等の各種規格通信プロトコル)のうち、任意の規格を採用することができる。よって、センサー系ドメイン20内の各ECU201、202と、シャーシ系ドメイン40内の各ECU401、402と、パワートレイン系ドメイン30内のECU301と、運転支援ECU10及びアドオンECU60は、それぞれ、異なるプロトコルによってセントラルゲートウェイ2と接続されていてもよい。セントラルゲートウェイ2は、各ECU/ドメイン10、20、30、40、60のそれぞれにおけるバスを相互に接続し、必要に応じてプロトコル変換をすることで、各ECU/ドメイン10、20、30、40、60の間でデータの転送を可能とする。

0014

運転支援ECU10は、自車周辺観測結果に基づいて自車の制御内容を決定し、決定した制御内容に従って自車を制御する。具体的には、運転支援ECU10は、センサー系ドメイン20における観測結果に基づいて自車の制御内容を決定し、決定した制御内容で自車を制御するようにパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に指示をする。これにより、運転支援ECU10は、例えば、自車の前方に障害物を認識した場合には、その障害物を回避するように自車を制御して、運転者自身による運転支援する。なお、運転支援ECU10は、このようなプリクラッシュセーフティシステムとしての制御に限られず、各種自動運転における制御を実施するようにしてもよい。

0015

センサー系ドメイン20は、フロントカメラECU201と、レーダーECU202とを有する。フロントカメラECU201は、フロントカメラ211と接続される。レーダーECU202は、レーダー221と接続されている。

0016

フロントカメラECU201は、フロントカメラ211による撮像結果に基づいて自車の周辺の障害物を検出し、その検出結果を運転支援ECU10に通知する。具体的には、フロントカメラECU201は、フロントカメラ211から受信した画像データに基づいて、自車の周辺の障害物を検出し、検出した障害物を示すオブジェクトデータを生成する。すなわち、フロントカメラECU201は、画像データ(RAWデータ)に対して一次処理を施して、より簡易かつ少ないデータ量で障害物を示すオブジェクトデータに加工する。例えば、このオブジェクトデータは、検出した障害物の位置、大きさ、及び種別(車・歩行者自転車など)などを、検出した障害物毎に一覧で示すデータとしてもよい。フロントカメラECU201は、生成したオブジェクトデータを、セントラルゲートウェイ2を介して運転支援ECU10にセンサーデータとして送信する。

0017

フロントカメラ211は、自車の周辺を撮像する。フロントカメラ211は、この撮像動作により、自車の周辺の画像を示す画像データを生成し、フロントカメラECU201に送信する。フロントカメラ211は、典型的には、自車の前方を向くように自車に設置されている。

0018

レーダーECU202は、レーダー221による自車の周辺の障害物までの距離計測データに基づいて算出距離データを算出し、その算出距離データを運転支援ECU10に通知する。具体的には、レーダーECU202は、レーダー221から受信した計測距離データに基づいて、自車から障害物までの距離を算出し、算出した障害物までの距離を示す算出距離データを生成する。すなわち、レーダーECU202は、計測距離データ(RAWデータ)に対して一次処理を施して、より簡易かつ少ないデータ量で障害物までの距離を示す算出距離データを生成する。

0019

例えば、この算出距離データは、距離計測データよりも大きい粒度で障害物までの距離を示すポイントクラウドデータ(障害物を3次元点群で示すデータ)としてもよい。レーダーECU202は、例えば、ポイントクラウドデータにおいて、歩行者のように小さな障害物については小さな粒度の点群で示すが、自動車のようにそれよりも大きな障害物についてはそれよりも大きな粒度の点群で示す。よって、運転支援EUC10は、例えば、小さな粒度の点群で示された物体は歩行者とし、大きな粒度の点群で示された物体は自動車として、ポイントクラウドデータにおいて障害物を示す点群の粒度に応じて、障害物の種別を識別するようにしてもよい。また、ポイントクラウドデータは、障害物の各点までの距離として、その障害物の表面形状を特定することができる。よって、運転支援EUC10は、ポイントクラウドデータデータに基づいて特定される障害物の表面形状に基づいて障害物の種別を識別するようにしてもよい。

0020

また、例えば、この算出距離データは、自車の前方の自動車までの距離のみを示した車間距離データとしてもよい。車間距離データは、計測距離データから自車の前方の自動車が存在し得る範囲を切り出したデータとしてもよく、レーダーECU202がフロントカメラECU201からオブジェクトデータを取得するようにして、オブジェクトデータが示す自車の前方の自動車(障害物)までの距離のみを示すデータとしてもよい。レーダーECU202は、生成した算出距離データを、セントラルゲートウェイ2を介して運転支援ECU10にセンサーデータとして送信する。

0021

レーダー221は、例えば光波(赤外線を含む)および電波ミリ波を含む)などの電磁波によって、自車の周辺の障害物までの距離を計測する。レーダー221は、計測した障害物までの距離を示す計測距離データを生成し、レーダーECU202に送信する。レーダー221は、典型的には、前方を向くように自車に設置されている。

0022

運転支援ECU10は、センサー系ドメイン20における観測結果として、これらのセンサーデータを受信し、自車の制御内容を決定する。そして、運転支援ECU10は、決定した自車の制御内容を示す制御データを生成し、セントラルゲートウェイ2を介してパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に送信する。

0023

パワートレイン系ドメイン30は、エンジン系制御ECU301を有する。エンジン系制御ECU301は、エンジン311と接続されている。パワートレイン系ドメイン30は、運転支援ECU10から受信した制御データをエンジン系制御ECU301に送信する。

0024

エンジン系制御ECU301は、パワートレイン系ドメイン30からの制御データに応じて、エンジン311を制御する。具体的には、エンジン系制御ECU301は、例えば、運転支援ECU10から受信した制御データに基づいて、エンジン311の燃料噴射量、点火時期制御可変バルブイミング等を制御する。

0025

シャーシ系ドメイン40は、ステアリング系制御ECU401と、アクセル系制御ECU402とを有する。ステアリング系制御ECU401は、ステアリング411と接続されている。アクセル系制御ECU402は、アクセル421及びブレーキ422と接続されている。シャーシ系ドメイン40は、運転支援ECU10から受信した制御データをステアリング系制御ECU401とアクセル制御系ECU402に送信する。

0026

ステアリング系制御ECU401は、シャーシ系ドメイン40からの制御データに応じて、ステアリング411を制御する。具体的には、ステアリング系制御ECU401は、例えば、運転支援ECU10から受信した制御データに基づいて、ステアリング411の切れ角を制御する。

0027

アクセル系制御ECU402は、シャーシ系ドメイン40からの制御データに応じて、アクセル421及びブレーキ422を制御する。具体的には、アクセル系制御ECU402は、例えば、運転支援ECU10から受信した制御データに基づいて、ブレーキ422のブレーキ油圧を制御する。また、アクセス系制御ECU402は、例えば、運転支援ECU10から受信した制御データに基づいて、アクセル421のスロットル弁を制御する。すなわち、本実施の形態1では、アクセル421が電子スロットルである例について説明する。

0028

セントラルゲートウェイ2は、フィルタリングコントローラ50を有する。フィルタリングコントローラ50は、センサー系ドメイン20から運転支援ECU10に送信されるセンサーデータを中継する。また、フィルタリングコントローラ50は、運転支援ECU10からパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に送信される制御データを中継する役割を果たす。

0029

アドオンECU60は、運転支援ECU10に対して機能追加機能拡張)がされた運転支援ECUに相当する。よって、アドオンECU60も、運転支援ECU10と同様に、センサー系ドメイン20から送信されたセンサーデータに基づいて制御データを生成し、生成した制御データをパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に送信することで、自車を制御することが可能である。

0030

ここで、アドオンECU60は、運転支援ネットワークシステム1に追加で実装される。運転支援ネットワークシステム1は、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装された場合、運転支援ECU10に代えてアドオンECU60を利用して自車の制御を実行する。言い換えると、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装された場合、運転支援ECU10が無効化され、アドオンECU60が有効化される。これにより、運転支援ネットワークシステム1に対してアドオンECU60を追加で実装することで、運転支援ネットワークシステム1の運転支援機能をアップデートすることを可能としている。

0031

また、運転支援ECU10に代替したアドオンECU60による自車の制御は、フィルタリングコントローラ50によるデータの転送制御によって実現される。具体的には、運転支援ECU10とアドオンECU60のうち、アドオンECU60から送信された制御データのみをパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に伝送する。すなわち、フィルタリングコントローラ50は、運転支援ECU10から送信された制御データを破棄することで、その制御データに代えてアドオンECU60から送信された制御データをパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に送信する。これによれば、制御データによる自車の制御がアドオンECU60のみから実施されることになる。以下、パワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40を、総じて「制御系ドメイン30、40」とも言う。

0032

データフレームフレームフォーマット
続いて、図2を参照して、本実施の形態1に係るセントラルゲートウェイ2内を伝送されるデータ(センサーデータ及び制御データ等)のフォーマットについて説明する。こここで、本実施の形態1では、セントラルゲートウェイ2内でフィルタリングコントローラ50が中継するデータが、CANプロトコルに従ったデータフレームである例について説明する。このデータフレームは、図2に示すフレームフォーマットとなる。なお、このCANプロトコルにおけるフレームフォーマットは、一般的であるため、データフレームのうち、本実施の形態の処理に関連するフィールドについて説明し、他のフィールドについては説明を省略する。

0033

データフレームは、図2に示すように、IDフィールドと、コントロールフィールドと、データフィールドと、CRCフィールドとを含んでいる。

0034

IDフィールドは、データフレームにおいて、フレームIDを示すデータが含まれる部分である。フレームIDは、データの種類毎もしくはECU毎に一意に決定された情報である。CANプロトコルでは、各ECUは、他の全てのECUに対してデータフレームをブロードキャストで送信する。各ECUは、受信したデータフレームに含まれるフレームIDが、自身が処理対象とするフレームIDである場合、そのデータフレームに基づいて処理を実行する。

0035

例えば、センサー系ドメイン20の各ECU201、202は、センサーデータのフレームIDをIDフィールドに含め、かつセンサーデータをデータフィールドに含めたデータフレームを送信する。なお、厳密には、フロントカメラECU201が送信するオブジェクトデータと、レーダーECU202が送信する算出距離データとで、異なるフレームIDが設定される。運転支援ECU10及びアドオンECU60は、センサーデータのフレームIDを、自身が処理対象とするデータフレームのフレームIDとして予め認識している。よって、運転支援ECU10及びアドオンECU60は、受信したデータフレームのフレームIDが、センサーデータのフレームIDである場合、そのデータフレームに含まれるセンサーデータに基づいて、自車の制御内容を決定する処理を実行する。一方で、制御系ドメイン30、40は、センサーデータのフレームIDを、自身が処理対象とするデータフレームのフレームIDとして認識していない。よって、制御系ドメイン30、40は、受信したデータフレームのフレームIDが、センサーデータのフレームIDである場合、そのデータフレームを無視し、センサーデータに基づいた処理は実行しない。

0036

また、例えば、運転支援ECU10及びアドオンECU60は、制御データのフレームIDをIDフィールドに含め、かつ制御データをデータフィールドに含めたデータフレームを送信する。なお、厳密には、運転支援ECU10が送信する制御データと、アドオンECU60が送信する制御データとで、異なるフレームIDが設定される。すなわち、同一種類のデータであっても送信元のECUが異なる場合には、異なるECUから送信されたことを区別可能とするために、異なるフレームIDを付与するようにしてもよい。よって、本実施の形態1では、フレームIDが、データを送信するECUとそのデータの種類と組み合わせ毎に異なる場合について説明する。制御系ドメイン30、40の各ECU301、401、402は、運転支援ECU10からの制御データのフレームIDを、自身が処理対象とするデータフレームのフレームIDとして予め認識している。よって、制御系ドメイン30、40の各ECU301、401、402は、受信したデータフレームのフレームIDが、運転支援ECU10からの制御データのフレームIDである場合、そのデータフレームに含まれる制御データに基づいて、自車を制御する処理を実行する。一方で、センサー系ドメイン20の各ECU201、202は、受信したデータフレームのフレームIDが、制御データのフレームIDである場合、そのデータフレームに含まれる制御データに基づいた処理は実行しない。

0037

上述の通り、各ECUは、自身が処理対象とすべきデータを識別し、そのデータに基づいて処理を実行することができる。ここで、上述したように、制御系ドメイン30、40の各ECU301、401、402は、運転支援ECU10からの制御データのフレームIDは、自身が処理対象とするデータフレームのフレームIDとして認識しているが、後から実装されるアドオンECU60からの制御データのフレームIDは、自身が処理対象とするデータフレームのフレームIDとして認識していない。

0038

しかしながら、上述したように、制御系ドメイン30、40の各ECU301、401、402において、後々のアドオンECU60の追加を想定した仕組みを搭載しておくことは非常に困難である。これに対して、本実施の形態1では、後述のフィルタリングコントローラ50における仕組みによって、データフレームを制御することで、運転支援ECU10の無効化と、アドオンECU60の有効化を実現する。

0039

コントロールフィールドは、次に続くデータフィールドの長さを示すデータが含まれる部分である。

0040

CRCフィールドは、データフレームにおいて、誤り検出を行うためのCRC(Cyclic Redundancy Check)値が含まれる部分である。CRC値は、データフレームを送信するECUによって、IDフィールドとデータフィールドとを含む複数のフィールドのデータに基づいて算出・設定される。これにより、データフレームを受信したECUにおいて、そのデータフレームからCRC値を算出し、データフレームに含まれるCRC値と比較することで、データのエラーを検出可能としている。

0041

(フィルタリングコントローラ50の構成)
続いて、図3を参照して、本実施の形態1に係るフィルタリングコントローラ50の構成について説明する。図3に示すようにフィルタリングコントローラ50は、フレームキャプチャー501と、フレームID再設定部502と、CRCエンコーダ503と、CPU(Central Processing Unit)504と、ROM(Read Only Memory)510とを有する。

0042

フレームキャプチャー501は、セントラルゲートウェイ2内を伝送されるデータフレームのうち、所望のフレームIDを含むデータフレームを取得してフレームID再設定部502に渡す、もしくは破棄する。フレームキャプチャー501は、それ以外のデータフレームは、フレームID再設定部502、CRCエンコーダ503を経由させずに送信先に向けてそのまま伝送する。

0043

フレームID再設定部502は、フレームキャプチャー501から渡されたデータフレームのフレームIDを変更する。

0044

CRCエンコーダ503は、フレームID再設定部502によってフレームIDを変更したデータフレームに基づいて、CRC値を算出する。CRCエンコーダ503は、データフレームに含まれるCRC値を、算出したCRC値に変更する。そして、CRC値を変更いたデータフレームを送信先に向けて伝送する。これにより、フレームID変更後のデータフレームに応じたCRC値がデータフレームに設定される。これにより、フレームIDが変更されることによるデータエラーの誤検出を防止することができる。

0045

CPU504は、フィルタリングコントローラ50における各部501〜503を統括的に制御する。例えば、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装されている場合、CPU504は、セントラルゲートウェイ2内を伝送されるデータフレームのうち、取得するデータフレームのフレームIDをフレームキャプチャー501に通知する。また、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装されている場合、CPU504は、データフレームに再設定するフレームIDをフレームID再設定部502に通知する。

0046

ROM510は、CPU504が通知するフレームIDを示すフレームIDデータが予め格納される。このフレームIDデータは、運転支援ネットワークシステム1の運用開始前にROM510に格納するようにしてもよく、アドオンECU60の追加実装時にROM510に書き込むようにしてもよい。また、このフレームIDデータは、アドオンECU60の追加実装時又は運転支援ネットワークシステム1の起動時(例えば自車のイグニッション電源投入時)に、CPU504がアドオンECU60から読み取ってROM510に格納するようにしてもよい。この場合、好ましくは、このフレームIDデータは、暗号化されてアドオンECU60からフィルタリングコントローラ50のCPU504に送信されるようにするとよい。そのようにすることで、セキュリティを向上することができる。

0047

続いて、図4を参照して、上述のROM510に格納されるフレームIDデータについて説明する。図4に示すように、ROM510は、フレームIDデータ511〜513が格納される。

0048

フレームIDデータ511は、フィルタリングコントローラ50でフレームIDを再設定するために取得するデータフレームのフレームIDを示すデータである。図4に示すように、フレームIDデータ511は、アドオンECU60から送信される制御データのフレームIDを示している。CPU504は、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装されている場合には、フレームIDデータ511をROM510から取得し、フレームキャプチャー501に送信する。これにより、フレームキャプチャー501は、CPU504から送信されたフレームIDデータ511が示すフレームIDを、取得してフレームID再設定部502に渡すデータフレームのフレームIDとして認識する。

0049

フレームIDデータ512は、フィルタリングコントローラ50で破棄するために取得するデータフレームのフレームIDを示すデータである。図4に示すように、フレームIDデータ512は、運転支援ECU10から送信される制御データのフレームIDを示している。CPU504は、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装されている場合には、フレームIDデータ512をROM510から取得し、フレームキャプチャー501に送信する。これにより、フレームキャプチャー501は、CPU504から送信されたフレームIDデータ512が示すフレームIDを、取得して破棄するデータフレームのフレームIDとして認識する。

0050

フレームIDデータ513は、フィルタリングコントローラ50でフレームIDを再設定する際に、データフレームに新たに設定するフレームIDを示すデータである。図4に示すように、フレームIDデータ513は、運転支援ECU10から送信される制御データのフレームIDを示している。CPU504は、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装されている場合には、フレームIDデータ513をROM510から取得し、フレームID再設定部502に送信する。これにより、フレームID再設定部502は、CPU504から送信されたフレームIDデータ513が示すフレームIDを、フレームキャプチャー501によって取得されたデータフレームに対して新たに設定するフレームIDとして認識する。

0051

なお、これら以外のデータフレームは、フィルタリングコントローラ50からそのまま送信先に向けて出力する。ここで、CPU504は、例えば運転支援ネットワークシステム1の起動時に、フレームIDデータ511〜513をROM510から取得し、フレームキャプチャー501及びフレームID再設定部502に送信する。

0052

ここで、上述したように、フレームIDは、データの種類に異なる値となるが、以下、説明の簡略化のため、運転支援ECU10から送信される制御データのフレームIDを「運転支援ECU10のフレームID」とも呼び、アドオンECU60から送信される制御データのフレームIDを「アドオンECU60のフレームID」とも呼ぶ。

0053

(フィルタリングコントローラ50の処理)
続いて、図5を参照して、実施の形態1に係るフィルタリングコントローラ50の処理について説明する。

0054

フレームキャプチャー501は、セントラルゲートウェイ2を流れるデータフレームのうち、フレームID再設定対象のデータフレームのフレームIDを含むデータフレームを取得する(S1)。すなわち、フレームキャプチャー501は、CPU504から送信されたフレームIDデータ511が示すフレームIDを示すデータフレームを取得する。言い換えると、フレームキャプチャー501は、アドオンECU60のフレームIDを示すデータフレームを取得する。そして、フレームキャプチャー501は、そのデータフレームを、フレームID再設定部502に送信する。

0055

なお、フレームキャプチャー501は、セントラルゲートウェイ2を流れるデータフレームのうち、破棄対象のデータフレームのフレームIDを含むデータフレームも取得する。すなわち、フレームキャプチャー501は、CPU504から送信されたフレームIDデータ512が示すフレームIDを示すデータフレームを取得する(S1)。言い換えると、フレームキャプチャー501は、運転支援ECU10のフレームIDを示すデータフレームを取得する。そして、フレームキャプチャー501は、そのデータフレームは破棄する。

0056

フレームID再設定部502は、フレームキャプチャー501から送信されたデータフレームのフレームIDを再設定する(S2)。すなわち、フレームID再設定部502は、CPU504から送信されたフレームIDデータ513が示すフレームIDを、データフレームに設定する。言い換えると、フレームID再設定部502は、データフレームに含まれるフレームIDを、アドオンECU60のフレームIDから、運転支援ECU10のフレームIDに変更する。CRCエンコーダ503は、フレームID再設定部502がフレームIDを再設定したデータフレームのCRC値を算出し、そのデータフレームに設定する(S3)。

0057

これによれば、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装された場合には、運転支援ECU10から送信される制御データに代えて、アドオンECU60から送信される制御データを制御系ドメイン30、40に伝送することができる。また、その制御データのデータフレームにおいて、フレームIDを運転支援ECU10からのフレームIDに変更しているため、制御系ドメイン30、40に対してアドオンECU60からの制御データを、擬似的に運転支援ECU10からの制御データと認識させて処理対象とさせることができる。すなわち、これによれば、運転支援ネットワークシステム1に対して、アドオンECU60を追加実装するのみで、運転支援ECU10の無効化と、アドオンECU60の有効化を実現することができる。

0058

(運転支援ネットワークシステム1の処理)
続いて、図6を参照して、実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の処理について説明する。

0059

フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60がネットワークゲートウェイ2に接続されているか否かを判断する(S11)。ここでの判断は、単純にアドオンECU60がネットワークゲートウェイ2に物理的に接続されているか否かだけを判断するようにしてもよいが、これに限られない。それに加えて、フィルタリングコントローラ50が、アドオンECU60から認証情報を受信することで認証を行い、アドオンECU60の正当性が確認できた場合に接続されたと判断するようにしてもよい。

0060

例えば、フィルタリングコントローラ50が有するROM510に、アドオンECU60の認証情報の期待値を予め格納しておく。この期待値は、運転支援ネットワークシステム1の運用開始前にROM510に格納するようにしてもよく、アドオンECU60の追加実装時にROM510に書き込むようにしてもよい。この認証情報は、例えば、各ECUに一意に割り当てられた識別子(ID)を示す情報である。フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60から送信された認証情報と、ROM510に格納された期待値とを比較する。フィルタリングコントローラ50は、認証情報と期待値とが一致する場合は、アドオンECU60が正当であると判断し、認証情報と期待値とが不一致である場合には、アドオンECU60が正当でないと判断する。

0061

アドオンECU60がネットワークゲートウェイ2に接続されていないと判断した場合(S11:No)、フィルタリングコントローラ50は、センサー系ドメイン20から送信されたセンサーデータを運転支援ECU10に送信する(S12)。運転支援ECU10は、センサー系ドメイン20からフィルタリングコントローラ50を介して送信されたセンサーデータに基づいて制御データを算出する(S13)。運転支援ECU10は、生成した制御データを制御系ドメイン30、40に送信する(S14)。この制御データは、フィルタリングコントローラ50を中継されるが、フィルタリングコントローラ50は、制御データをそのまま制御系ドメイン30、40に送信する。

0062

アドオンECU60がフィルタリングコントローラ50に接続されていると判断した場合(S11:Yes)、フィルタリングコントローラ50は、センサー系ドメイン20から送信されたセンサーデータを運転支援ECU10とアドオンECU60の両方に送信する(S15)。アドオンECU60は、センサー系ドメイン20からフィルタリングコントローラ50を介して送信されたセンサーデータに基づいて制御データを算出する(S16)。運転支援ECU10も、ステップS13と同様に、センサー系ドメイン20からフィルタリングコントローラ50を介して送信されたセンサーデータに基づいて制御データを算出する(S17)。

0063

運転支援ECU10及びアドオンECU60は、算出した制御データをフィルタリングコントローラ50に送信する(S18)。フィルタリングコントローラ50は、運転支援ECU10から送信された制御データは破棄し、アドオンECU60からの制御データを運転支援ECU10からの制御データとして、制御系ドメイン30、40に送信する(S19)。

0064

以上に説明した処理によれば、アドオンECU60を接続するだけで、運転支援ECU10の運転支援機能に代えて、機能拡張されたアドオンECU60の運転支援機能により自車を制御することが可能となる。

0065

(運転支援機能の一例)
続いて、図7及び図8を参照して、運転支援ECU10の運転支援機能とアドオンECU60の運転支援機能の一例について説明する。以下、運転支援ECU10は、その運転支援機能として、自車が一定速度以下の場合に作動する衝突予知緊急自動ブレーキシステムを搭載し、アドオンECU60が、運転支援機能として、自車が一定速度以下の場合に作動する衝突予知緊急自動ブレーキシステムに加え、ステアリング操作も自動で行う機能を搭載している例について説明する。

0066

まず、図7を参照して、運転支援ECU10の運転支援機能の一例について説明する。運転支援ECU10は、センサーデータに基づいて、自車が走行を継続すると、自車の前方の障害物(図7の例では自車の前方を走行する自動車)に衝突する可能性があるか否かを判断する。具体的には、運転支援ECU10は、自車と障害物との距離が閾値以下である場合は衝突の可能性があると判断し、自車と障害物との距離が閾値よりも大きい場合は衝突の可能性がないと判断する。この閾値は、予め任意に定めた値である。運転支援ECU10は、衝突の可能性がないと判断した場合、手動運転モードでの運転者の操作による自車の制御を維持する。一方、運転支援ECU10は、衝突の可能性があると判断した場合、自動運転モードに切り替える。すなわち、自車の制御権を運転者から運転支援ネットワークシステム1に移す。そして、運転支援ECU10は、自車の制御内容として緊急ブレーキを決定する。すなわち、運転支援ECU10は、緊急ブレーキをかける制御内容を示す制御データを生成し、制御系ドメイン30、40に送信する。

0067

次に、図8を参照して、アドオンECU60の運転支援機能の一例について説明する。アドオンECU60も、センサーデータに基づいて、自車が走行を継続すると、自車の前方の障害物(図8の例では、自車の前方を走行する自動車、及び自車の前方を横断する自転車)に衝突する可能性があるか否かを判断する。この判断については、図7を参照して上述した通りであるため、詳細な説明は省略する。すなわち、アドオンECU60は、運転支援ECU10に機能拡張がなされており、衝突の可能性があるか否かに応じて、運転支援ECU10と同様に自動運転モードに切り替える機能を備えているため、図7に示す事例でも同様に緊急ブレーキをかけて障害物との衝突を回避することが可能である。

0068

ここで、アドオンECU60は、さらに、追加機能として、ステアリング操作の要否も判断する。この機能により、例えば、図8に示すように、自車との距離が閾値以下の障害物のうち、自車の進行方向右側に存在する障害物がある場合、アドオンECU60は、ステアリング操作が必要と判断し、自車の制御内容として左側への迂回を決定する。すなわち、アドオンECU60は、自車の進行方向を基準として、障害物が存在する側とは反対側への自車の迂回を決定することができる。よって、アドオンECU60は、ステアリングを左に切りながら緊急ブレーキをかける制御内容を示す制御データを生成し、制御系ドメイン30、40に送信する。

0069

なお、自車の制御内容を決定するパラメータとして、(1)自車と障害物との距離と、(2)自車の進行方向を基準とした障害物の位置とを利用する例について説明したが、これに限られない。自車の制御内容を決定するパラメータとして、この他に、(3)障害物数、(4)自車の速度、及び(5)障害物の移動方向などを利用するようにしてもよい。すなわち、上記(1)〜(5)のパラメータのうち、任意の1以上を利用するようにしてもよい。

0070

例えば、(3)を利用する場合には、自車との距離が閾値以下である障害物数が所定数以上である場合に自動運転モードに切り替えて緊急ブレーキ等を実施し、自車との距離が閾値以下である障害物数が所定数未満である場合には手動運転モードを維持するようにしてもよい。

0071

また、例えば、(4)を利用する場合には、自車と障害物の距離と、自車の速度に基づいて、自車が障害物に到達するまでの時間を算出し、その時間が閾値以下である場合に自動運転モードに切り替えて緊急ブレーキ等を実施し、その時間が閾値よりも大きい場合には手動運転モードを維持するようにしてもよい。

0072

また、例えば、(5)を利用する場合には、障害物が自車に近づいている場合に自動運転モードに切り替えて緊急ブレーキ等を実施し、障害物が自車から遠ざかっている場合には手動運転モードを維持するようにしてもよい。また、この場合には、さらに、障害物の速度も利用して、自車と障害物の距離と、自車および障害物の速度に基づいて、自車が障害物に到達するまでの時間を算出し、その時間が閾値以下である場合に自動運転モードに切り替えて緊急ブレーキ等を実施し、その時間が閾値よりも大きい場合には手動運転モードを維持するようにしてもよい。

0073

また、障害物を回避する度合い(例えばブレーキの加減又はステアリングの切り具合)は、段階的に変更するようにしてもよい。例えば、自車と障害物の距離と、ブレーキの加減とを対応付けたテーブルを運転支援ECU10及びアドオンECU60が有するROMに予め格納しておく。このテーブルは、自車と障害物の距離が短くなるに従って、より強いブレーキの加減を示す情報である。そして、運転支援ECU10及びアドオンECU60は、そのテーブルに基づいて、自車と障害物の距離からブレーキの加減を決定する。

0074

(実施の形態1の変形例)
以上の説明では、セントラルゲートウェイ2内のデータの伝送に用いられる通信プロトコルとして、CANプロトコルを採用した場合について説明したが、通信プロトコルは、これに限られない。例えば、セントラルゲートウェイ2内でデータがフィルタリングコントローラ50を中継される際の通信プロトコルとして、TCP/IPプロトコルを採用するようにしてよい。この場合、データフレームは、図9に示すフレームフォーマットとなる。なお、このTCP/IPプロトコルにおけるフレームフォーマットは、一般的であるため、データフレームのうち、本実施の形態の処理に関連するフィールドについて説明し、他のフィールドについては説明を省略する。

0075

この場合、データフレームは、図9に示すように、宛先アドレスフィールドと、送信元アドレスフィールドと、データフィールドと、FCS(Frame Check Sequence)フィールドとを含んでいる。

0076

この場合、フィルタリングコントローラ50のROM510には、取得するデータフレームに含まれる制御データのフレームIDデータに代えて、取得するデータフレームの送信元アドレスを示すアドレスデータが格納されることになる。すなわち、上述のROM510には、破棄するために取得するデータフレームの送信元アドレスとして、運転支援ECU10のアドレスデータが予め格納され、フレームIDを再設定するために取得するデータフレームの送信元アドレスとして、アドオンECU60のアドレスデータが予め格納される。そして、CPU504は、これらのアドレスデータをROM510から取得してフレームキャプチャー501に送信する。これにより、フレームキャプチャー501は、運転支援ECU10からの制御データを含むデータフレームは破棄し、アドオンECU60からの制御データを含むデータフレームをフレームID再設定部502に送信する。

0077

また、上述のROM510には、データフレームに再設定するフレームIDを示すフレームIDデータに代えて、データフレームに再設定する送信元アドレスを示すアドレスデータが格納されることになる。そして、CPU504は、このアドレスデータをフレームID再設定部502に送信する。これにより、フレームID再設定部502は、アドオンECU60から送信された制御データを含むデータフレームの送信元アドレスを、擬似的にアドオンECU60のアドレスから運転支援ECU10のアドレスに変更する。よって、この場合は、フレームID再設定部502は、アドレス再設定部として動作する。

0078

なお、センサー系ドメイン20からのセンサーデータのデータフレームの宛先アドレスは運転支援ECU10を示すものとなっているが、アドオンECU60は自らに対するデータフレームであると読み替えて取得することが可能である。また、このセンサー系ドメイン20からのセンサーデータは、アドオンECU60に送信されるものについては、フィルタリングコントローラ50が、そのデータフレームの宛先アドレスを、アドオンECU60を示すように再設定するようにしてもよい。この宛先アドレスのアドオンECU60のアドレスへの再設定は、実施の形態2で後述する方法と同様に実施するようにすればよい。

0079

また、CRCエンコーダ503は、送信元アドレスを変更したデータフレームに基づいて、CRC値を算出する。CRCエンコーダ503は、データフレームのFCSフィールドに設定されるCRC値を、新たに算出したCRC値に変更する。なお、CRC値は、宛先アドレスフィールド、送信元アドレスフィールド、及びデータフィールドを含む複数のフィールドのデータに基づいて算出される。

0080

上述の通り、本実施の形態1によれば、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60を搭載するのみで、アドオンECU60に搭載される高度な運転支援機能を提供することができる。また、セントラルゲートウェイ2の内部に搭載するフィルタリングコントローラ50により、あたかも既存の運転支援ECU10が指示を発行しているかのように制御を行うことにより、他のドメイン20、30、40、他のECU201、301、401、402、パワートレイン系及びシャーシ系の各制御対象装置(エンジン311、ステアリング411、アクセル421、及びブレーキ422等)に対する変更を極力抑え、既存システムに多大な影響を与えることなく動作させることができる。

0081

<実施の形態2>
続いて、実施の形態2について説明する。以下、実施の形態1と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。

0082

実施の形態1では、運転支援ECU10を無効化するとともにアドオンECU60を有効化する方法として、運転支援ECU10とアドオンECU60の両方にセンサーデータを送信し、アドオンECU60のみのデータを制御系ドメイン30、40に送信する方法について説明したが、これに限られない。

0083

本実施の形態2では、運転支援ECU10を無効化するとともにアドオンECU60を有効化する他の方法として、アドオンECU60のみにセンサーデータを送信する方法について説明する。

0084

(実施の形態2に係る運転支援ネットワークシステム1の構成)
本実施の形態2に係る運転支援ネットワークシステム1の構成は、図1を参照して説明した実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の構成と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施の形態2でも、セントラルゲートウェイ2内の伝送が、CANプロトコルによって行われるものとして説明する。

0085

(実施の形態2に係るフィルタリングコントローラ50の構成)
本実施の形態2に係るフィルタリングコントローラ50の構成は、図3を参照して説明した実施の形態1に係るフィルタリングコントローラ50の構成と同様である。しかしながら、実施の形態2に係るフィルタリングコントローラ50は、以下の点で、実施の形態1に係るフィルタリングコントローラ50とその動作が異なる。

0086

フレームキャプチャー501は、センサー系ドメイン20から送信されたセンサーデータを含むデータフレームを取得する。そして、フレームキャプチャー501は、取得したデータフレームを、運転支援ECU10には送信せず、運転支援ECU10に代えてアドオンECU60に送信する。このため、本実施の形態2では、センサーデータに関しては、図1に示したようにフィルタリングコントローラ50の出力は個別に(運転支援ECU10とアドオンECU60とに)分かれることになる。これによれば、センサーデータに基づいた制御データの算出がアドオンECU60のみで実施されることになる。そのため、自車の制御がアドオンECU60のみから実施されることになる。

0087

よって、CPU504は、センサー系ドメイン20からのセンサーデータのフレームIDも、運転支援ECU10への送信を抑止するために取得するデータフレームのフレームIDとして、フレームキャプチャー501に通知する。すなわち、フィルタリングコントローラ50が有するROM510には、運転支援ECU10には送信せず、アドオンECU60に送信するために取得するデータフレームのフレームIDとして、センサー系ドメイン20からのセンサーデータであることを示すフレームIDデータが予め格納される。ここで、センサーデータのフレームIDとしては、フロントカメラECU201からのオブジェクトデータのフレームIDと、レーダーECU202からの算出距離データのフレームIDの2種類がある。これにより、フレームキャプチャー501が、CPU504によってROM510から取得されて送信されたフレームIDデータに基づいて、センサー系ドメイン20からのセンサーデータを、運転支援ECU10には送信せず、アドオンECU60に送信することとなる。

0088

また、これによれば、センサーデータに基づいた制御データは、運転支援ECU10からは送信されなくなるため、フレームキャプチャー501が、運転支援ECU10から取得した制御データを破棄する処理が不要となる。実施の形態2の変形例として、CPU504が、運転支援ECU10のフレームIDを、破棄するデータフレームのフレームIDとしてフレームキャプチャー501に通知しないようにしてもよい。

0089

これによれば、運転支援ネットワークシステム1にアドオンECU60が実装されている場合には、センサー系ドメイン20から送信されるセンサーデータを、運転支援ECU10に代えて、アドオンECU60に伝送することができる。よって、運転支援ECU10を無効化し、アドオンECU60を有効化して、アドオンECU60のみから送信される制御データを制御系ドメイン30、40に伝送することができる。

0090

(実施の形態2に係る運転支援ネットワークシステム1の処理)
続いて、図10を参照して、実施の形態2に係る運転支援ネットワークシステム1の処理について説明する。

0091

図10に示す処理は、図6を参照して説明した実施の形態1における処理と比較して、ステップS11でYesの場合に、ステップS15に代えてステップS21を有する点、ステップS17を有さない点、ステップS18、S19に代えてステップS22、S23を有する点が異なる。

0092

アドオンECU60がフィルタリングコントローラ50に接続されていると判断した場合(S11:Yes)、フィルタリングコントローラ50は、センサー系ドメイン20から送信されたセンサーデータを運転支援ECU10には送信せず、アドオンECU60に送信する(S21)。

0093

ステップS16の実行後、アドオンECU60は、算出した制御データをフィルタリングコントローラ50に送信する(S22)。すなわち、実施の形態1におけるステップS18と比較して、運転支援ECU10が制御データを送信しない点が異なる。フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60からの制御データを運転支援ECU10からの制御データとして、制御系ドメイン30、40に送信する(S23)。すなわち、実施の形態1におけるステップS19と比較して、運転支援ECU10から制御データが送信されないため、フィルタリングコントローラ50が運転支援ECU10から送信された制御データを取得して破棄しない点が異なる。

0094

なお、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、セントラルゲートウェイ2内のデータの伝送に用いられる通信プロトコルとして、CANプロトコル以外のものを採用してもよい。

0095

例えば、TCP/IPプロトコルを採用した場合には、上述のROM510には、取得して運転支援ECU10への送信を抑止するデータフレームの送信元アドレスとして、センサー系ドメイン20の各ECU201、202のアドレスデータも予め格納される。そして、CPU504は、これらのアドレスデータをフレームキャプチャー501に送信する。これにより、フレームキャプチャー501は、CPU504から送信されたアドレスデータに基づいて、センサー系ドメイン20の各ECU201、202のセンサーデータを取得する。

0096

また、上述のROM510には、センサーデータのデータフレームに再設定する宛先アドレスを示すアドレスデータも格納されることになる。この宛先アドレスは、アドオンECU60のアドレスとなる。そして、CPU504は、このアドレスデータをフレームID再設定部502に送信する。これにより、フレームID再設定部502は、フレームキャプチャー501が取得したセンサーデータのデータフレームにおいて宛先アドレスを、運転支援ECU10のアドレスから、アドオンECU60のアドレスに変更する。これによれば、センサーデータは、運転支援ECU10へは送信されず、アドオンECU60のみに送信される。よって、この場合は、フレームID再設定部502は、アドレス再設定部として動作する。

0097

以上に説明したように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、運転支援ネットワークシステム1全体の変更量を極力低減することができ、かつ高度な運転支援機能へのアップデートを実現することができる。

0098

<実施の形態3>
続いて、実施の形態3について説明する。以下、実施の形態1と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。

0099

実施の形態1では、運転支援ECU10からの制御データを単に破棄し、アドオンECU60のみのデータを制御系ドメイン30、40に送信するようにしていたが、本実施の形態3では、運転支援ECU10からの制御データを有効活用することで、より安全性を向上したシステムを実現する。具体的には、本実施の形態3では、運転支援ECU10とアドオンECU60の組み合わせを冗長システム構成として捉え、故障診断を実施する。

0100

(実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1の構成)
本実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1の構成は、図1を参照して説明した実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の構成と同様である。しかしながら、本実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1は、以下の点で、実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1とその動作が異なる。なお、本実施の形態3でも、セントラルゲートウェイ2内の伝送が、CANプロトコルによって行われるものとして説明する。

0101

アドオンECU60は、センサーデータに基づいて自車の制御内容を決定するときに、そのセンサーデータに基づいて、既存機能で対応するか、既存機能では対応することができず追加機能で対応するか判断する。ここで、既存機能は、運転支援ECU10の運転支援機能とアドオンECU60の運転支援機能に組み込まれている機能である。一方、追加機能は、アドオンECU60の運転支援機能のみに組み込まれており、運転支援ECU10の運転支援機能には組み込まれていない機能である。

0102

ここで、運転支援ECU10の運転支援機能も、アドオンECU60の運転支援機能も、図7及び図8を参照して説明した実施の形態1におけるものと同様であるものとする。この場合、アドオンECU60は、図7に示す例では、自車の制御内容として緊急ブレーキを決定し、図8に示す例では、自車の制御内容としてステアリングをきりながらの緊急ブレーキを決定する。一方で、運転支援ECU10は、その運転支援機能において、アドオンECU60のように、追加機能であるステアリングの制御はサポートしていない。そのため、運転支援ECU10は、図7に示す例でも、図8に示す例でも、自車の制御内容として緊急ブレーキを決定する。すなわち、運転支援ECU10とアドオンECU60とで、図7に示す例では、決定する自車の制御内容は一致するが、図8に示す例では、決定する自車の制御内容は不一致となる。

0103

よって、例えば、アドオンECU60は、決定した自車の制御内容においてステアリング操作がなくブレーキ操作のみがある場合は、既存機能で対応すると判断し、決定した自車の制御内容においてステアリング操作がありブレーキ操作もある場合は、既存機能で対応することができず追加機能で対応すると判断する。そして、アドオンECU60は、その判断結果として、既存機能で対応するか、追加機能で対応するかを示す判断結果データを、制御データを含むデータフレームのデータフィールドに設定する。これによって、フィルタリングコントローラ50において、既存機能で対応するか、追加機能で対応するかを認識可能としている。

0104

本実施の形態3では、これにより、既存機能で対応すると判断された場合に、フィルタリングコントローラ50において、運転支援ECU10からの制御データと、アドオンECU60からの制御データを比較することで、その正当性を確認することを可能としている。この場合は、それらの制御データが一致することが期待されるからである。

0105

(実施の形態3に係るフィルタリングコントローラ50の構成)
続いて、図11を参照して、本実施の形態3に係るフィルタリングコントローラ50の構成について説明する。図11に示すように、フィルタリングコントローラ50は、図3を参照して説明した実施の形態1に係るフィルタリングコントローラ50と比較して、さらに、フレームルーティング部505と、故障診断モジュール506とを有する。

0106

フレームキャプチャー501は、運転支援ECU10からの制御データを含むデータフレームと、アドオンECU60からの制御データを含むデータフレームとを取得するが、本実施の形態3では、運転支援ECU10からのデータフレームを破棄せず、それらのデータフレームの両方をフレームルーティング部505に送信する。よって、本実施の形態3では、運転支援ECU10からの制御データのフレームIDを示すフレームIDデータを、破棄せずに比較に利用するフレームIDとして、フィルタリングコントローラ50のROM510に格納する。

0107

フレームルーティング部505は、既存機能で対応する(アドオンECU60からの制御データが既存機能で算出された制御データである)か、追加機能で対応する(アドオンECU60からの制御データが追加機能で算出された制御データである)かを判断する。既存機能で対応すると判断した場合、フレームルーティング部505は、運転支援ECU10からのデータフレームと、アドオンECU60からのデータフレームの両方を故障診断モジュール506に送信する。

0108

具体的には、フレームルーティング部505は、上述したように制御データとともにデータフレームに含まれる判断結果データに基づいて判断することができる。上述したように、アドオンECU60は、既存機能で対応するか、追加機能で対応するかを判断し、どちらの機能で制御データを算出したかを、判断結果データに設定している。ここで、アドオンECU60は、センサー系ドメイン20から得られたセンサーデータに基づいて、制御データを算出するタイミングで、既存機能で対応するか追加機能で対応するかの判断を行い、その判断結果を判断結果データに設定する。そして、フレームルーティング部505は、その判断結果データを読み取ることで、既存機能で対応するか、追加機能で対応するかの判断を行うことができる。

0109

故障診断モジュール506は、フレームルーティング部505から送信されたデータフレームに含まれる制御データを比較し、その制御内容に差異がないかどうかを判断する。よって、運転支援ECU10によって既存機能で算出された制御データと、アドオンECU60によって既存機能で算出された制御データとが比較されることになる。そのため、運転支援ECU10及びアドオンECU60に故障などが無く、両者の制御データが正常である場合には、両者の制御データが一致することになる。

0110

ここで、比較すべき制御データの特定は、例えば、制御データがコマンドベースのデータである場合には、同一種類のコマンドを示す制御データを比較すべき制御データとして特定することで実施することができる。この場合、制御データは、コマンドのパラメータとして、例えば、ブレーキ422のブレーキ油圧の制御トルク量、又はステアリング411の切れ角等を示す。よって、この場合、故障診断モジュール506は、制御データの比較として、コマンドのパラメータを比較することになる。

0111

(フィルタリングコントローラ50の処理)
続いて、図12を参照して、実施の形態3に係るフィルタリングコントローラ50の処理について説明する。

0112

図12に示す処理は、図5を参照して説明した実施の形態1における処理と比較して、ステップS1に代えてステップS4を有する点、ステップS4の後に、さらに、ステップS5、S6を有する点が異なる。

0113

ステップS4の処理は、実施の形態1に係るステップS1の処理と比較して、さらに、運転支援ECU10からの制御データのフレームIDも、破棄しない取得対象のデータフレームのフレームIDとして定義されている点が異なる。よって、フレームキャプチャー501は、運転支援ECU10からの制御データと、アドオンECU60からの制御データについて、そのデータフレームを取得して、フレームルーティング部505に出力する。

0114

フレームルーティング部505は、既存機能で対応するか、追加機能で対応するかを判断する(S5)。追加機能で対応する場合(S5:No)、フレームルーティング部505は、アドオンECU60からのデータフレーム(運転支援ECU10からのデータフレームも)を故障診断モジュール506には出力せず、アドオンECU60からのデータフレームをフレームID再設定部502に出力する。以降は、実施の形態1と同様に、アドオンECU60からの制御データは、フレームIDとCRC値が変更されて、運転支援ECU10からの制御データとして制御系ドメイン30、40に送信される。

0115

一方、既存機能で対応する場合(S5:Yes)、フレームルーティング部505は、運転支援ECU10からのデータフレームと、アドオンECU60からのデータフレームの両方を故障診断モジュール506に出力する。

0116

故障診断モジュール506は、フレームルーティング部505から出力されたデータフレームに含まれる制御データを比較することで故障診断を実施する(S6)。故障診断モジュール506は、フレームルーティング部505から送信された制御データを比較し、その制御内容に差異がないかどうかを判断する。なお、厳密には、データフレームのデータフィールドに含まれる制御データが比較される。運転支援ECU10によって既存機能で算出された制御データと、アドオンECU60によって既存機能で算出された制御データとが比較されることになる。そのため、運転支援ECU10及びアドオンECU60に故障などが無く、両者の制御データが正常である場合には、両者の制御データが一致することになる。

0117

制御データが一致すると判断した場合、故障診断モジュール506は、アドオンECU60からのデータフレームをフレームID再設定部502に出力する。以降は、実施の形態1と同様に、アドオンECU60からのデータフレームは、フレームIDとCRC値が変更されて、運転支援ECU10からの制御データとして制御系ドメイン30、40に送信される。

0118

一方、制御データが一致しない場合、運転支援ECU10の故障、アドオンECU60の故障、又は故障診断モジュール506までの伝送経路の故障が発生しており、少なくとも一方の制御データが異常になっていると考えられる。そのため、この場合は、どちらの制御データが正しいか特定することができないため、フィルタリングコントローラ50は、運転者にエラーを通知し、運転支援ネットワークシステム1に故障が発生していることを知らせるとともに、自車の制御権を運転者に移す。

0119

ここで、運転者へのエラーの通知(出力)は、任意の出力装置によって行うようにしてよい。出力装置は、例えば、表示装置音声出力装置、又はそれらの組み合わせである。表示装置は、例えば、エラー通知内容を示す画像を表示する表示パネルであってもよく、エラー通知に対応するLED(Light Emitting Diode)であってもよい。音声出力装置は、例えば、エラー通知の音声又は警告音などを出力するスピーカーである。フィルタリングコントローラ50は、制御データが一致しない場合、出力装置によってエラーを出力する。

0120

(実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1の処理)
続いて、図13及び図14を参照して、実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1の処理について説明する。

0121

図13に示す処理は、図6を参照して説明した実施の形態1における処理と比較して、ステップS15の後に、ステップS16に代えてステップS31〜S34を有する点、ステップS18の後に、さらに、ステップS35〜S37を有する点が異なる。

0122

ステップS15の後、アドオンECU60は、既存機能で対応するか、追加機能で対応するを判断する(S31)。追加機能で対応する場合(S31:Yes)、アドオンECU60は、センサー系ドメイン20からフィルタリングコントローラ50を介して送信されたセンサーデータに基づいて、追加機能により制御データを算出するとともに、そのデータフレームのデータフィールドに、追加機能で対応することを示す判断結果データを設定する(S32、S33)。一方、既存機能で対応すると判断した場合(S31:No)、アドオンECU60は、センサー系ドメイン20からフィルタリングコントローラ50を介して送信されたセンサーデータに基づいて、既存機能により制御データを算出する(S34)。なお、ステップS32、S34における制御データの算出の処理を区別して記載しているが、両ステップは、実質的に、実施の形態1におけるステップS16と同様となる。

0123

ステップS18の後、フィルタリングコントローラ50は、既存機能で対応するか、追加機能で対応するを判断する(S35)。すなわち、フィルタリングコントローラ50は、制御データのデータフレームに含まれる判断結果データが、追加機能で対応することを示している場合は、追加機能で対応すると判断し、そうでない場合は、既存機能で対応すると判断する。

0124

既存機能で対応すると判断した場合(S35:No)、フィルタリングコントローラ50は、運転支援ECU10及びアドオンECU60のいずれかが故障しているか否かを判断する(S36)。すなわち、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60からの制御データと、運転支援ECU10からの制御データを比較し、それらの制御データが一致しない場合には、運転支援ECU10及びアドオンECU60のいずれかの故障が発生していると判断する。運転支援ECU10及びアドオンECU60のいずれかの故障が発生していると判断した場合(S36:Yes)、フィルタリングコントローラ50は、運転者に対してエラーを通知するデータを外部の出力装置に送信する(S37)。

0125

一方、追加機能で対応すると判断した場合(S35:Yes)、及び、運転支援ECU10及びアドオンECU60のいずれの故障も発生していないと判断した場合(S36:No)、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60からの制御データを運転支援ECU10からの制御データとして、制御系ドメイン30、40に送信する(S19)。

0126

以上に説明したように、本実施の形態3では、運転支援ネットワークシステム1のフィルタリングコントローラ50にさらにフレームルーティング部505及び故障診断モジュール506を設け、運転支援系のECUを冗長化することで、それらの出力比較による故障診断を実現している。これによれば、運転支援系のECUの故障検出を可能とし、運転者にエラーを通知することができるため、システムレベルでの機能安全性を向上させることができる。

0127

<実施の形態4>
続いて、実施の形態4について図15を用いて説明する。以下、実施の形態1と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。なお、本実施の形態4は、実施の形態1に基づいて構築したものとして説明するが、それに限らず、実施の形態3に基づいて構築することも可能である。

0128

実施の形態1は、センサーデータをセントラルゲートウェイ2を介して運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信するようにしていたが、実施の形態4では、センサーデータをセントラルゲートウェイ2を介さずに運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信する。ここで、センサーデータをRAWデータのままセントラルゲートウェイ2を介して送信してしまうと、そのデータ量が膨大であるため、セントラルゲートウェイ2内のトラフィックを増大させ、バス帯域破綻を引き起こしてしまう。そのため、一次処理を施したセンサーデータ(や算出距離データ)をセントラルゲートウェイ2を介して送信するようにするものの、一定のバス帯域を占有してしまうことは避けられない。それに対して、このようにセンサーデータをセントラルゲートウェイ2を介さずに直接的に運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信するようにすることで、そのような事態を回避することができる。

0129

(実施の形態4に係る運転支援ネットワークシステム1の構成)
図15を参照して、本実施の形態4に係る運転支援ネットワークシステム1の構成について説明する。図15に示すように、本実施の形態4に係る運転支援ネットワークシステム1は、図1を参照して説明した実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1と比較して、センサー系ドメイン20(フロントカメラECU201及びレーダーECU202)に代えて、フロントカメラモジュール210及びレーダーモジュール220を有している。

0130

フロントカメラモジュール210と、運転支援ECU10及びアドオンECU60のそれぞれとは、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)又はEthernet(登録商標) AVB等の通信規格に従って接続される。レーダーモジュール220と、運転支援ECU10及びアドオンECU60のそれぞれとは、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)等の通信規格に従って接続される。

0131

フロントカメラモジュール210は、フロントカメラ211が生成した画像データを運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信する。レーダーモジュール220は、レーダー221が生成した計測距離データを運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信する。すなわち、本実施の形態4では、センサーデータとして、RAWデータが運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信される。

0132

運転支援ECU10及びアドオンECU60は、フロントカメラモジュール210及びレーダーモジュール220から送信されたRAWデータに基づいて、自車の制御内容を決定する。

0133

(実施の形態4に係る運転支援ネットワークシステム1の処理)
なお、本実施の形態4に係る運転支援ネットワークシステム1の処理については、図6を参照して説明した実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の処理と同様であるため、説明を省略する。

0134

昨今、画像認識アルゴリズム及びセンサーFusion技術は、日進月歩の進化を遂げているため、アドオンECU60において、より新しい画像認識アルゴリズム及びセンサーFusion技術を採用することで、高度な運転支援機能を提供することができる。

0135

上述の本実施の形態4によれば、画像認識アルゴリズム及びセンサーFusion技術の進化に追従しやすいシステムを構築することができる。例えば、実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1のように、フロントカメラECU201及びレーダーECU202を搭載して一次処理を施した場合、画像認識アルゴリズム及びセンサーFusion技術の進化に応じて、運転支援ECU10及びアドオンECU60のみならず、フロントカメラECU201及びレーダーECU202の一次処理も変更する必要がある。それに対して、本実施の形態4によれば、より新しい画像認識アルゴリズム及びセンサーFusion技術を採用したアドオンECU60を実装するのみで、画像認識アルゴリズム及びセンサーFusion技術の進化に対応することができる。

0136

(実施の形態4の変形例)
以上の説明では、フロントカメラモジュール210及びレーダーモジュール220からRAWデータを運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信する場合について説明したが、これに限られない。例えば、フロントカメラモジュール210及びレーダーモジュール220は、フロントカメラECU201及びレーダーECU202と同様に、画像データ及び計測距離データに対して一次処理を施し、オブジェクトデータ及び算出距離データを運転支援ECU10及びアドオンECU60に送信するようにしてもよい。

0137

また、この場合であっても、フロントカメラモジュール210及びレーダーモジュール220は、フロントカメラECU201及びレーダーECU202と全く同様のオブジェクトデータ及び算出距離データを生成することには限られない。フロントカメラモジュール210及びレーダーモジュール220は、オブジェクトデータ及び算出距離データとして、それよりもRAWデータに近い中間的なデータを生成するようにしてもよい。例えば、画像データとオブジェクトデータの中間データとして、ステレオカメラから得られる視差データ、又はフローベクトル情報オプティカルフロー)などを生成するようにしてもよい。

0138

<実施の形態5>
続いて、実施の形態5について説明する。以下、実施の形態1と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。なお、本実施の形態5は、実施の形態1に基づいて構築したものとして説明するが、それに限らず、実施の形態2〜4のいずれかに基づいて構築することも可能である。

0139

これまでの実施の形態1〜4で説明した内容は、セントラルゲートウェイ構成、かつ、「認知、判断、制御」が基本動作となっているシステムであれば、車載システム以外にも適用することが可能である。本実施の形態5では、一つ目の適用例として、上述の内容を知能型ロボット3に対して適用した場合について説明する。知能型ロボット3の基本構成は、「認知、判断、制御」の構成となり、車載向けの運転支援ネットワークシステム1の基本構成と同じである。

0140

(実施の形態5に係る知能型ロボット3の構成)
図16を参照して、本実施の形態5に係る知能型ロボット3の構成について説明する。図16に示すように、本実施の形態5に係る知能型ロボット3は、セントラルゲートウェイ2と、行動制御ECU11と、センサー部21と、アクチュエータ制御部31と、フィルタリングコントローラ50と、アドオンECU61とを有する。

0141

行動制御ECU11は、実施の形態1に係る運転支援ECU10と比較して、センサーデータに基づいて自動車の制御データを算出するのではなく、知能型ロボット3の各アクチュエータ321〜323の制御内容を示す制御データを算出する点が異なる。行動制御ECU11は、生成した制御データを、セントラルゲートウェイ2(フィルタリングコントローラ50)を介してアクチュエータ制御部31に送信する。

0142

センサー部21は、カメラ231と、マイクロフォン(以下、「マイク」とも言う)232と、各種センサー233とを有する。センサー部21は、カメラ231、マイク232、及び各種センサー233から送信されたデータに一次処理を施して、セントラルゲートウェイ2(フィルタリングコントローラ50)を介して行動制御ECU11及びアドオンECU61にセンサーデータとして送信する。

0143

カメラ231は、知能型ロボット3の周辺を撮像する。カメラ231は、知能型ロボット3の周辺を撮像することで、知能型ロボット3の周辺の画像を示す画像データを生成し、センサー部21に送信する。

0144

マイク232は、知能型ロボット3の周辺の音声の入力を受ける。マイク232は、入力された音声を示す音声データを生成し、センサー部21に送信する。

0145

各種センサー233は、その他の知能型ロボット3に対する内容を検出する。すなわち、画像及び音声以外の任意の内容を検出する少なくとも1つのセンサーを知能型ロボット3に備えるようにしてよい。例えば、各種センサー233として、知能型ロボット3の周辺の障害物との距離を計測するレーダーを知能型ロボット3に備えるようにしてもよく、知能型ロボット3の各アクチュエータ321〜323の回転角度を検出するロータリーエンコーダを知能型ロボット3に備えるようにしてもよい。各種センサー233は、検出した内容を示すデータを生成し、センサー部21に送信する。

0146

アクチュエータ制御部31は、頭部アクチュエータ321と、腕部アクチュエータ322と、脚部アクチュエータ323とを有する。アクチュエータ制御部31は、行動制御ECU11及びアドオンECU61から送信された制御データに基づいて、各アクチュエータ321〜323を制御する。

0147

頭部アクチュエータ321は、知能型ロボット3の頭部に備えられたアクチュエータである。アクチュエータ制御部31が頭部アクチュエータ321を駆動することで、知能型ロボット3の頭部の向きを変更する。

0148

腕部アクチュエータ322は、知能型ロボット3の腕部に備えられたアクチュエータである。アクチュエータ制御部31が腕部アクチュエータ322を駆動することで、知能型ロボット3の腕部が動作する。これにより、例えば、知能型ロボット3が周辺の物体を把持持ち運び可能とする。知能型ロボット3は、例えば、腕部アクチュエータ322を、腕部の関節毎に備える。

0149

脚部アクチュエータ323は、知能型ロボット3の脚部に備えられたアクチュエータである。アクチュエータ制御部31が脚部アクチュエータ323を駆動することで、知能型ロボット3が歩行する。知能型ロボット3は、例えば、脚部アクチュエータ323を、脚部の関節毎に備える。また、脚部アクチュエータ323は、これに限られない。例えば、知能型ロボット3は、歩行ロボットではなく、車輪によって走行するロボットであってもよい。この場合、脚部アクチュエータ323は、その車輪を回転駆動するアクチュエータとなる。

0150

アドオンECU61は、実施の形態1に係るアドオンECU60と比較して、センサーデータに基づいて自動車の制御データを算出するのではなく、知能型ロボット3の各アクチュエータ321〜323の制御内容を示す制御データを算出する点が異なる。アドオンECU61は、生成した制御データを、セントラルゲートウェイ2(フィルタリングコントローラ50)を介してアクチュエータ制御部31に送信する。

0151

(実施の形態5に係る知能型ロボット3の処理)
なお、本実施の形態5に係る知能型ロボット3の処理については、図6を参照して説明した実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の処理と同様であるため、説明を省略する。すなわち、実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の処理において、運転支援ECU10は行動制御ECU11に置き換えられ、アドオンECU60はアドオンECU61に置き換えられる。

0152

行動制御ECU11は、人間で言うところの脳の部分に相当し、非常に高い演算性能を備えるようにしておくことで、より高度な制御を行うことが可能である。この演算性能は、半導体のプロセスの進化、周波数高速化に比例するため、非常に進化が早い。しかしながら、センサー部21及びアクチュエータ制御部31は、行動制御ECU11と比較して、その進化スピードが遅い。このような背景から、最初に作成した知能型ロボット3に対して、より高度な動作をさせるためには、高い演算性能を有する行動制御ECU11が必要となる。

0153

それに対して、以上に説明した本実施の形態5によれば、アドオン型の行動制御ECUであるアドオンECU61として、高い演算性能を有し、新機能を搭載した行動制御ECUを追加的に搭載することで、他のブロックの制御内容を変更せずに、既存の行動制御ECU11に代えてアドオンECU61によって知能型ロボット3を制御することができる。したがって、知能型ロボット3の機能向上を実現することができる。

0154

このように、実施の形態1〜4に係るシステム1の適用対象は、自動車のみに限られず、例えば自動車、ロボット、及び倒立二輪車等のように、システム1からの制御に応じて移動する移動体に適用することができる。

0155

<実施の形態6>
続いて、実施の形態6について説明する。以下、実施の形態1と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。なお、本実施の形態6は、実施の形態1に基づいて構築したものとして説明するが、それに限らず、実施の形態2〜4のいずれかに基づいて構築することも可能である。

0156

本実施の形態6では、車載システム以外への二つ目の適用例として、クラウドビジネスにおける「Internet of Things」に対して適用した場合について説明する。「Internet of Things」も、「認知、判断、制御」が基本動作となっているからである。また、本実施の形態6では、「Internet of Things」の具体例として、川の増量警報システム4について説明する。

0157

ゲリラ豪雨などで山間部に大量の雨が降った場合、山間部からの雨が集まり川に流れ込み、川の水位が急激に上昇することで、川の河口付近で遊んでいる人たちに危険がおよぶことがある。増量警報システム4は、この急激な川の水位上昇及び雨量を、山間部及び川に設置されたセンサーのデータから判断して、川の水位を予測する。もし、危険な水位上昇が見込まれる場合は、河口付近に設置されている警報装置を作動させる。これにより、河口付近にいる人たちが安全に避難することができる。

0158

(実施の形態6に係る増量警報システム4の構成)
図17を参照して、本実施の形態6に係る増量警報システム4の構成について説明する。図17に示すように、本実施の形態6に係る増量警報システム4は、ゲートウェイ5と、既存警報予測判断装置12と、センサー22と、水位増量警報装置32と、アドオン警報予測判断装置62とを有する。

0159

ゲートウェイ5は、フィルタリングコントローラ50を有しており、実施の形態1に係るセントラルゲートウェイ2と同様に動作する。ただし、本実施の形態6では、センサー22及び水位増量警報装置32が接続される第1のネットワークと、既存警報予測判断装置12及びアドオン警報予測判断装置62が接続される第2のネットワークとの間で送受信されるデータを中継するゲートウェイが該当する。例えば、第1のネットワークはインターネットであり、第2のネットワークはLAN(Local Area Network)である。

0160

既存警報予測判断装置12は、実施の形態1に係る運転支援ECU10と比較して、センサーデータに基づいて自動車の制御データを算出するのではなく、センサー22からのセンサーデータに基づいて水位増量警報装置32の制御内容を示す制御データを算出する点が異なる。既存警報予測判断装置12は、生成した制御データを、ゲートウェイ5(フィルタリングコントローラ50)を介して水位増量警報装置32に送信する。既存警報予測判断装置12は、例えば、サーバ又はスーパーコンピュータである。

0161

センサー22は、雨量を計測する雨量センサー又は川の水位を計測する水位センサーである。センサー22は、計測した雨量を示す雨量データ又は計測した川の水位を示す水位データを生成し、センサーデータとしてゲートウェイ5(フィルタリングコントローラ50)を介して既存警報予測判断装置12及びアドオン警報予測判断装置62に送信する。

0162

水位増量警報装置32は、既存警報予測判断装置12及びアドオン警報予測判断装置62から送信された制御データに基づいて、河川利用者に対して危険を通知する。水位増量警報装置32は、例えば、サイレン電光掲示板、及び回転灯の少なくとも1つを有し、それによって河川の利用者に対して危険を通知する。水位増量警報装置32がサイレンを有する場合、制御データは、サイレンの鳴動作動を指示するデータとなる。水位増量警報装置32が電光掲示板を有する場合、制御データは、電光掲示板への表示を指示するデータとなる。この場合、制御データには、電光掲示版に表示する文字のデータを含んでいてもよい。水位増量警報装置32が回転灯を有する場合、制御データは、回転灯の作動を指示するデータとなる。

0163

アドオン警報予測判断装置62は、実施の形態1に係るアドオンECU60と比較して、センサーデータに基づいて自動車の制御データを算出するのではなく、センサー22からのセンサーデータに基づいて水位増量警報装置32の制御内容を示す制御データを算出する点が異なる。アドオン警報予測判断装置62は、生成した制御データを、ゲートウェイ5(フィルタリングコントローラ50)を介して水位増量警報装置32に送信する。アドオン警報予測判断装置62は、例えば、サーバ又はスーパーコンピュータである。

0164

(実施の形態6に係る増量警報システム4の処理)
なお、本実施の形態6に係る増量警報システム4の処理については、図6を参照して説明した実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の処理と同様であるため、説明を省略する。すなわち、実施の形態1に係る運転支援ネットワークシステム1の処理において、運転支援ECU10は既存警報予測判断装置12に置き換えられ、アドオンECU60は、アドオン警報予測判断装置62に置き換えられる。

0165

増量警報システム4では、センサーデータをモデル化し、解析・学習を行いながら、次に発生する現象を予測・判断して、制御を行う形態とすることもできる。この場合、増量警報システム4において、解析、学習、予測、判断を行う部分は、重要な機能となり、非常に高度な演算能力が求められる。それに対して、本実施の形態6によれば、高度な演算性能を搭載した最新のサーバ又はスーパーコンピュータをアドオン警報予測判断装置62として追加することで、既存部分データ収集命令、制御を実施する部分)の変更を伴わず、増量警報システム4の機能向上を実現することができる。

0166

例えば、既存警報予測判断装置12のハードウェアの制限から、新たな水位予測判断アルゴリズム考案しても、演算処理が間に合わず迅速に処理をすることができない場合であっても、既存警報予測判断装置12よりも高い演算処理能力を有するアドオン警報予測判断装置62を追加することにより、既存部分に影響を与えることなく、機能のアップグレードが可能となる。

0167

また、本実施の形態6では、アドオン警報予測判断装置62が自身の故障を検出した場合、故障をフィルタリングコントローラ50に通知するようにしてもよい。そして、フィルタリングコントローラ50は、アドオン警報予測判断装置62から故障が通知された場合、アドオン警報予測判断装置62を無効化して、既存警報予測判断装置12を有効化するようにしてもよい。このように、フィルタリングコントローラ50がアドオン警報予測判断装置62の故障状態モニターするようにしてもよい。

0168

なお、上述の説明では、既存警報予測判断装置12及びアドオン警報予測判断装置62がLANに設置されたものとして説明したが、これに限られない。例えば、既存警報予測判断装置12及びアドオン警報予測判断装置62のそれぞれは、個々の筐体ではなく、ブレードサーバに組み込まれたブレードボード型サーバ)としてもよい。また、ゲートウェイ5と別筐体とすることにも限られず、ゲートウェイ5に組み込まれたブレード(ボード型サーバ)としてもよい。

0169

<実施の形態7>
続いて、実施の形態7について説明する。以下、実施の形態3と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。なお、本実施の形態7は、実施の形態3に基づいて構築したものとして説明するが、それに限らず、実施の形態4〜6のいずれかに基づいて構築することも可能である。

0170

本実施の形態7では、運転支援ECU10及びアドオンECU60にOBD(On-Board-Diagnostics)が搭載されている場合に、その機能を有効利用する形態について説明する。実施の形態3では、フィルタリングコントローラ50が制御データを比較することで故障を検出し、それに応じた処理を実施するようにしていたが、本実施の形態6では、運転支援ECU10及びアドオンECU60からのOBDの結果に応じて処理を実施する。

0171

(実施の形態7に係る運転支援ネットワークシステム1の構成)
本実施の形態7に係る運転支援ネットワークシステム1の構成は、実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1の構成と同様である。しかしながら、本実施の形態7に係る運転支援ネットワークシステム1は、以下の点で、実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1とその動作が異なる。

0172

運転支援ECU10及びアドオンECU60は、それぞれ、OBD機能を有する。すなわち、運転支援ECU10及びアドオンECU60は、自己故障診断機能を有しており、自身の故障診断を行う。なお、この故障診断は、運転支援ECU10及びアドオンECU60における故障を検出することができるのであれば、どのような項目診断するようにしてもよい。例えば、運転支援ECU10及びアドオンECU60は、電圧異常及びクロック異常などの各種異常のうち、どのような異常を検出するようにしてもよい。運転支援ECU10及びアドオンECU60は、自身の故障を検出した場合、自身の故障を通知する故障通知データをフィルタリングコントローラ50に送信する。

0173

(実施の形態7に係るフィルタリングコントローラ50の構成)
続いて、図18を参照して、本実施の形態7に係るフィルタリングコントローラ50の構成について説明する。図18に示すように、フィルタリングコントローラ50は、図11を参照して説明した実施の形態3に係るフィルタリングコントローラ50と比較して、故障診断モジュール506を有していない。

0174

フレームキャプチャー501は、運転支援ECU10及びアドオンECU60から送信された故障通知データを取得する。フレームルーティング部505は、フレームキャプチャー501によって故障通知データが取得された場合、その故障通知データを送信した運転支援ECU10又はアドオンECU60からの制御データの伝送を抑止するとともに、運転者にエラーを通知する。エラーの通知方法については、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。

0175

(実施の形態7に係る運転支援ネットワークシステム1の処理)
続いて、図19を参照して、実施の形態7に係る運転支援ネットワークシステム1の処理について説明する。

0176

図19に示す処理は、図13および図14を参照して説明した実施の形態3における処理と比較して、ステップS15の後に、ステップS31〜34に代えてステップS16を有する点、ステップS18の後に、さらに、ステップS35、36に代えてステップS41〜S43を有する点が異なる。

0177

ステップS18の後、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60から故障通知データを受信しているか否かを判断する(S41)。アドオンECU60から故障通知データを受信していない場合(S41:No)、ステップS19が実行される。一方、アドオンECU60から故障通知データを受信している場合(S41:Yes)、フィルタリングコントローラ50は、運転支援ECU10から故障通知データを受信しているか否かを判断する(S42)。

0178

運転支援ECU10から故障通知データを受信していない場合(S42:No)、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60からの制御データを破棄し、運転支援ECU10からの制御データを、制御系ドメイン30、40に送信する(S43)。この場合、フレームID再設定部502によるフレームIDの再設定は、実施してもデータフレームのフレームIDは変わらないため問題ないが、好ましくは、余分な処理の実行を無くすため実施しないようにするとよい。運転支援ECU10から故障通知データを受信している場合(S42:Yes)、ステップS37が実行される。なお、ステップS43において運転支援ECU10からの制御データを制御系ドメイン30、40に送信する場合も、運転支援ECU10により制御は継続可能であるが、アドオンECU60からは故障が通知されているため、ステップS37と同様にエラーを通知するようにしてもよい。

0179

以上に説明したように、本実施の形態7では、OBDの結果に基づいて、どのECUが故障したかを特定することができるため、最低限の継続動作を実現することができる。

0180

<実施の形態8>
続いて、実施の形態8について説明する。以下、実施の形態3と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。なお、本実施の形態8は、実施の形態3に基づいて構築したものとして説明するが、それに限らず、実施の形態4〜6のいずれかに基づいて構築することも可能である。

0181

実施の形態3では、運転支援ネットワークシステム1がアドオンECUを1つだけ備える例について説明したが、複数のアドオンECUを有するようにしてもよい。本実施の形態8では、複数のアドオンECUを有する例について説明する。

0182

(実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステム1の構成)
図20を参照して、本実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステム1の構成について説明する。図20に示すように、本実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1は、実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1と比較して、さらに、アドオンECU70を有している。アドオンECU70は、その構成及び動作がアドオンECU60と全く同一の運転支援ECUである。

0183

よって、本実施の形態8では、センサー系ドメイン20からのセンサーデータは、運転支援ECU10とアドオンECU60に加えて、アドオンECU70にも送信される。アドオンECU70は、センサーデータに基づいて生成した制御データを、フィルタリングコントローラ50を介してパワートレイン系ドメイン30及びシャーシ系ドメイン40に送信する。

0184

(実施の形態8に係るフィルタリングコントローラ50の構成)
本実施の形態8に係るフィルタリングコントローラ50の構成は、実施の形態3に係るフィルタリングコントローラ50の構成と同様である。しかしながら、実施の形態8に係るフィルタリングコントローラ50は、以下の点で、実施の形態3に係るフィルタリングコントローラ50とその動作が異なる。

0185

フレームキャプチャー501は、実施の形態3に係るフレームキャプチャー501と比較して、運転支援ECU10からの制御データを含むデータフレームと、アドオンECU60からの制御データを含むデータフレームとに加えて、さらに、アドオンECU70からの制御データを含むデータフレームも取得し、フレームルーティング部505に送信する。

0186

よって、CPU504は、故障診断におけるデータ比較に利用するために取得するデータフレームのフレームIDとして、アドオンECU70からの制御データのフレームIDも、フレームキャプチャー501に通知する。すなわち、フィルタリングコントローラ50が有するROM510には、アドオンECU70からの制御データであることを示すフレームIDデータも、比較に利用するデータフレームのフレームIDとして、予め格納される。これにより、フレームキャプチャー501は、CPU504によってROM510から取得されて送信されたフレームIDデータに基づいて、アドオンECU70からのデータフレームも取得して、フレームルーティング部505に送信する。

0187

フレームルーティング部505は、アドオンECU60、70からのデータフレームに含まれる判断結果データによって、追加機能で対応すると判断した場合、アドオンECU60からのデータフレームと、アドオンECU70からのデータフレームを故障診断モジュール506に送信する。一方、アドオンECU60、70からのデータフレームに含まれる判断結果データによって、既存機能で対応すると判断した場合、フレームルーティング部505は、運転支援ECU10からのデータフレームと、アドオンECU60からのデータフレームと、アドオンECU70からのデータフレームの全てを故障診断モジュール506に送信する。なお、フレームルーティング部505は、アドオンECU60、70からのデータフレームのうち、いずれか一方に含まれる判断結果データのみを参照して、追加機能で対応するか、既存機能で対応するかを判断するようにしてもよい。

0188

故障診断モジュール506は、フレームルーティング部505から送信されたデータフレームに含まれる制御データを比較する。よって、アドオンECU60、70からの制御データが、追加機能で算出された制御データである場合、故障診断モジュール506は、アドオンECU60からの制御データと、アドオンECU70からの制御データの比較を実施する。制御データが一致する場合、故障診断モジュール506は、アドオンECU60からのデータフレームと、アドオンECU70からのデータフレームのうち、いずれか一方をフレームID再設定部502に送信する。制御データが一致しない場合、運転者にエラーを通知する。エラーの通知方法については、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。

0189

一方、アドオンECU60、70からの制御データが、既存機能で決定された制御データである場合、故障診断モジュール506は、運転支援ECU10からの制御データと、アドオンECU60からの制御データと、アドオンECU70からの制御データの三者比較を実施する。制御データが一致する場合、故障診断モジュール506は、アドオンECU60からのデータフレームと、アドオンECU70からのデータフレームのうち、いずれかをフレームID再設定部502に送信する。制御データのいずれか二者に不一致がある場合、故障診断モジュール506は、三者比較によって故障していないと特定した二者のデータフレームのうち、いずれか一方をフレームID再設定部502に送信する。すなわち、これにより、多数決によって正常であると判断された制御データが送信先に送信されることになる。

0190

(実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステム1の処理)
続いて、図21及び図22を参照して、実施の形態8に係る運転支援ネットワークシステム1の処理について説明する。

0191

図21及び図22に示す処理は、図13及び図14を参照して説明した実施の形態3における処理と比較して、ステップS35の後に、ステップS19、S36〜S37に代えてステップS19、S37、S51〜S53を有する点が異なる。

0192

追加機能で対応すると判断した場合(S35:Yes)、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60及びアドオンECU70のいずれかの故障が発生しているか否かを判断する(S51)。すなわち、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60からの制御データと、アドオンECU70からの制御データを比較し、それらの制御データが一致しない場合には、アドオンECU60及びアドオンECU70のいずれかの故障が発生していると判断する。アドオンECU60及びアドオンECU70のいずれかの故障が発生していると判断した場合(S51:Yes)、フィルタリングコントローラ50は、運転者に対してエラーを通知する(S37)。

0193

既存機能で対応すると判断した場合(S35:No)、フィルタリングコントローラ50は、運転支援ECU10、アドオンECU60、及びアドオンECU70のいずれかが故障しているか否かを判断する(S52)。すなわち、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60からの制御データと、アドオンECU70からの制御データと、運転支援ECU10からの制御データを比較し、いずれか2つの制御データが一致しない場合には、故障が発生していると判断する。故障が発生していると判断した場合(S52:Yes)、三者比較によって故障していないと特定した二つの制御データのうち、いずれか一方を制御系ドメイン30、40に送信する。

0194

一方、故障が発生していないと判断した場合(S51:No、S52:No)、フィルタリングコントローラ50は、アドオンECU60、70のいずれか一方からの制御データを運転支援ECU10からの制御データとして、制御系ドメイン30、40に送信する(S19)。

0195

以上に説明したように、本実施の形態8によれば、運転支援ECU10とアドオンECU60、70全てに実装された既存機能だけでなく、アドオンECU60、70だけに実装された追加機能に関しても、運転支援機能の冗長化を実現することで、それらの出力比較による故障診断を実現している。これによれば、システムレベルでの機能安全性を、より向上させることができる。

0196

<実施の形態9>
続いて、実施の形態9について説明する。以下、実施の形態3と同様の内容については、同一の符号を付す等して、適宜省略しながら説明する。なお、本実施の形態9は、実施の形態3に基づいて構築したものとして説明するが、それに限らず、実施の形態4〜8のいずれかに基づいて構築することも可能である。

0197

これまでに説明した実施の形態では、セントラルゲートウェイ2がフィルタリングコントローラ50の機能を全て有する例について説明したが、その一部をアドオンECU60が有するようにしてもよい。本実施の形態9では、その形態について説明する。

0198

(実施の形態9に係る運転支援ネットワークシステム1の構成)
図23を参照して、本実施の形態9に係る運転支援ネットワークシステム1の構成について説明する。図23に示すように、本実施の形態9に係る運転支援ネットワークシステム1は、図1と同様の実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1と比較して、セントラルゲートウェイ2が、フィルタリングコントローラ50全体は有しておらず、そのうちのフレームキャプチャー501を有している点が異なる。また、アドオンECU60が、フレームID再設定部502、CRCエンコーダ503、CPU504、フレームルーティング部505、故障診断モジュール506、ROM510、及びアドオン機能部601を有している点が異なる。

0199

フレームキャプチャー501は、実施の形態3に係るフレームキャプチャー501と比較して、アドオンECU60から送信された制御データを含むデータフレームは取得せず、運転支援ECU10から送信された制御データを含むデータフレームを取得し、フレームルーティング部505に送信する。これは、例えば、実施の形態3と同様に、セントラルゲートウェイ2が、運転支援ECU10のフレームIDを示すフレームIDデータが格納されたROM(図示せず)と、CPU(図示せず)とを有するようにし、CPUが運転支援ECU10のフレームIDをフレームキャプチャー501に通知して、フレームキャプチャー501が運転支援ECU10からの制御データを取得可能とすればよい。なお、フレームキャプチャー501は、アドオンECU60がセントラルゲートウェイ2(フレームキャプチャー501)に接続されていない場合は、運転支援ECU10からのデータフレームは取得せず、そのまま送信先に伝送する。

0200

また、図23では、アドオンECU60がセンサーデータに基づいて制御データを生成する部分として、アドオン機能部601を明示している。アドオン機能部601は、生成した制御データを含むデータフレームをフレームルーティング部505に送信する。フレームルーティング部505以降の処理については、実施の形態3と同様となる。よって、本実施の形態9では、アドオンECU60から送信されたデータフレームは、フレームキャプチャー501を経由しないため、フレームキャプチャー501は、アドオンECU60からのデータフレームを取得する必要がない。また、ROM510には、フレームIDデータ511〜512のうち、データフレームに新たに設定するフレームIDを示すフレームIDデータ513のみが格納されるようにしてもよい。

0201

(実施の形態9に係る運転支援ネットワークシステム1の処理)
なお、本実施の形態9に係る運転支援ネットワークシステム1の処理については、図13及び図14を参照して説明した実施の形態3に係る運転支援ネットワークシステム1の処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS18において、運転支援ECU10とアドオンECU60(アドオン機能部601)からの制御データが、フィルタリングコントローラ50ではなく、フレームルーティング部505に送信される点が異なる。

0202

以上に説明したように、本実施の形態9によれば、フィルタリングコントローラ50に必要な構成要素の多くをアドオンECU60で実現している。これによれば、既存のセントラルゲートウェイの変更量を抑えることができる。

0203

<実施の形態10>
ここで、図24を参照して、上述の実施の形態1〜9から抽出される一実施の形態について実施の形態10として説明する。図24に示すように、実施の形態10に係る制御システム9は、第1の制御指示装置91と、観測装置92と、移動制御装置93と、第2の制御指示装置94と、中継装置95とを有する。制御システム9は、移動体に搭載されたシステムである。

0204

第1の制御指示装置91は、観測装置から送信された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する。第1の制御指示装置91は、運転支援ECU10、行動制御ECU11、及び既存警報予測判断装置12に対応する。

0205

観測装置92は、移動体の周辺を観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する。観測装置92は、センサー系ドメイン20(フロントカメラECU201及びレーダーECU202)、フロントカメラモジュール210、レーダーモジュール220、センサー部21(カメラ231、マイク232、各種センサー233)、及びセンサー22に対応する。

0206

移動制御装置93は、移動体の移動を制御する。移動制御装置93は、パワートレイン系ドメイン30(エンジン系制御ECU301)、シャーシ系ドメイン40(ステアリング系制御ECU401及びアクセル系制御ECU402)、アクチュエータ制御部31(頭部アクチュエータ321、腕部アクチュエータ322、脚部アクチュエータ323)、及び水位増量警報装置32に対応する。

0207

第2の制御指示装置94は、観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する。第2の制御指示装置94は、アドオンECU60、アドオンECU61、アドオン警報予測判断装置62、及びアドオンECU70に対応する。

0208

第1の態様として、中継装置95は、第1の制御指示装置91から送信された第1の制御データを移動制御装置93に中継する。そして、中継装置95は、第2の制御指示装置94が制御システム9に備えられた場合、第1の制御データに代えて第2の制御データを移動制御装置93に送信する。中継装置95は、フィルタリングコントローラ50に対応する。

0209

第2の態様として、中継装置95は、観測装置92から送信された観測結果データを第1の制御指示装置91に中継する。そして、中継装置95は、第2の制御指示装置94が制御システム9に備えられた場合、第1の制御指示装置91に代えて第2の制御指示装置94に前記観測結果データを送信する。中継装置95は、フィルタリングコントローラ50に対応する。

0210

以上に説明した実施の形態によれば、観測装置92及び移動制御装置93に第2の制御指示装置94の追加を想定した仕組みを事前に作りこむ必要なく、制御システム9に第2の制御指示装置94を追加するのみで、第1の制御指示装置91に代えて第2の制御指示装置94による制御を実施することができる。よって、事前に各周辺装置92、93を変更することなく、第1の制御指示装置91に機能追加された第2の制御指示装置94を制御システム9に実装することができるため、簡易に機能をアップデートすることができる。

0211

以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。

0212

フィルタリングコントローラ50において、フレームIDデータ又はアドレスデータが格納される記憶部は、上述したROM510に限られない。例えば、記憶部は、上述のROM510(例えばフラッシュROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、及びハードディスク等の不揮発性記憶装置のうち、任意のものを含んで構成されるようにしてもよい。

0213

また、実施の形態3では、ステップS36において、運転支援ECU10からの制御データと、アドオンECU60からの制御データが一致した場合、アドオンECU60からの制御データを送信先に送信するようにしているが、これに限られない。例えば、運転支援ECU10からの制御データを送信先に送信するようにしてよい。これは、実施の形態8のステップS52において、全ての制御データが一致する場合も同様である。

0214

また、実施の形態1〜9では、フロントカメラ211及びレーダー221が前方に向けて1つだけ設置される場合について説明したが、これに限られない。さらに、フロントカメラ211及びレーダー221を、自動車又はロボット3の側方及び後方に向けて設置するようにしてもよい。

0215

上記実施の形態1〜9の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得る。

0216

(付記1)
移動体に搭載された制御システムであって、
前記移動体の周辺を観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する観測装置と、
前記観測装置から送信された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する第1の制御指示装置と、
前記移動体の移動を制御する移動制御装置と、
前記観測装置から送信された観測結果データを前記第1の制御指示装置に中継する中継装置と、を備え、
前記観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が前記制御システムに備えられた場合、前記中継装置は、前記第1の制御指示装置に代えて前記第2の制御指示装置に前記観測結果データを送信する、
制御システム。

0217

(付記2)
前記第1の制御データ及び前記第2の制御データは、CANプロトコルに従ったデータフレームであり、
前記中継装置は、さらに、前記第2の制御指示装置から送信された第2の制御データを前記移動制御装置に中継するとともに、前記第2の制御データのデータフレームのフレームIDを、前記第2の制御データのフレームIDから、前記第1の制御データのフレームIDに変更する、
付記1に記載の制御システム。

0218

(付記3)
前記中継装置は、前記フレームIDの変更後のデータフレームに基づいてCRC値を算出し、算出したCRC値を前記フレームIDの変更後のデータフレームに設定する、
付記2に記載の制御システム。

0219

(付記4)
前記移動体は、自動車であり、
前記第1の制御指示装置及び前記第2の制御指示装置は、前記自動車の周辺に存在する障害部を回避するように、前記制御内容を決定する、
付記3に記載の制御システム。

0220

(付記5)
移動体内で送受信されるデータを中継する中継装置であって、
前記移動体の周辺の観測結果を示す観測結果データを観測装置から受信し、前記観測結果データに基づいて前記移動体の制御内容を決定する第1の制御指示装置に中継する第1の中継部と、
前記移動体の制御内容を示す第1の制御データを前記第1の制御指示装置から受信し、前記移動体の移動を制御する移動制御装置に中継する第2の中継部と、を備え、
前記中継された観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が前記移動体に備えられた場合、前記第1の中継部は、前記第1の制御指示装置に代えて前記第2の制御指示装置に前記観測結果データを送信する、
中継装置。

0221

(付記6)
移動体内で実施される制御方法であって、
観測装置が、前記移動体の周辺を観測し、観測結果を示す観測結果データを送信する第1の送信ステップと、
前記観測装置から送信された観測結果データを第1の制御指示装置に中継する中継ステップと、
前記第1の制御指示装置が、前記送信された観測結果データに基づいて前記移動体の制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第1の制御データを送信する第2の送信ステップと、
移動制御装置が、前記送信された制御データに基づいて、前記移動体の移動を制御する制御ステップと、を備え、
前記中継ステップでは、前記観測結果データに基づいて制御内容を決定し、決定した制御内容を示す第2の制御データを送信する第2の制御指示装置が前記移動体に備えられた場合、前記第1の制御指示装置に代えて前記第2の制御指示装置に前記観測結果データを送信する、
制御方法。

0222

1運転支援ネットワークシステム
2セントラルゲートウェイ
3知能型ロボット
4 増量警報システム
5 ゲートウェイ
9 制御システム
10 運転支援ECU
11行動制御ECU
12 既存警報予測判断装置
20センサー系ドメイン
21センサー部
22 センサー
30パワートレイン系ドメイン
31アクチュエータ制御部
32水位増量警報装置
40シャーシ系ドメイン
50フィルタリングコントローラ
60、61、70アドオンECU
62 アドオン警報予測判断装置
91 第1の制御指示装置
92観測装置
93移動制御装置
94 第2の制御指示装置
95中継装置
201フロントカメラECU
202レーダーECU
210 フロントカメラモジュール
211 フロントカメラ
220レーダーモジュール
221 レーダー
231カメラ
232マイク
233 各種センサー
301エンジン系制御ECU
311エンジン
321頭部アクチュエータ
322腕部アクチュエータ
323脚部アクチュエータ
401ステアリング系制御ECU
402アクセル系制御ECU
411ステアリング
421アクセル
422ブレーキ
501フレームキャプチャー
502フレームID再設定部
503CRCエンコーダ
504 CPU
505 フレームルーティング部
506故障診断モジュール
510 ROM
511、512、513 フレームIDデータ
601 アドオン機能部

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