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図面 (7)

課題

細菌感染の予防又は治療に有用な窒素含有化合物を提供すること。

解決手段

式(I)の化合物、その調製、及び細菌感染の予防又は治療方法

概要

背景

既知抗菌剤に対する細菌耐性出現は、細菌感染治療における主な課題となっている。細菌感染、特に耐性菌に起因する細菌感染の治療を促進するための一つの方法は、細菌耐性を克服することができる、新規な抗菌剤を開発することである。Coatesら(Br.J.Pharmacol.2007;152(8),1147-1154)は、新たな抗生物質を開発するための新規なアプローチ概説している。しかしながら、新規な抗菌剤の開発は、挑戦的な課題である。例えば、Gwynnら(Annals of the New York Academy of Sciences,2010,1213:5-19)は、抗菌剤の発見における課題について概説している。

既知の抗菌剤に対する細菌耐性を克服するための他のアプローチは、耐性を獲得して維持する細菌のメカニズムを標的とすることである。例えば、ある種の細菌は、典型的なβラクタム抗菌剤中のβラクタム環を加水分解する酵素βラクタマーゼ酵素)を産生することが知られている。一度βラクタム環が加水分解されると、抗菌剤はそれら細菌に対して不活性になる。細菌は、いくつかの種類のβラクタマーゼ酵素を産生することが知られている。βラクタマーゼ酵素は、アミノ酸配列相同性に応じて、大まかに4つのクラス(A、B、C、及びD)に分類される(Ambler R. P., Phil. Trans. R. Soc. Lon., B289, 321−331, 1980)。クラスA、C及びDに属するβラクタマーゼ酵素は、触媒作用を促進させる活性部位としてセリンを用いるのに対し、クラスBに属するものは、βラクタムの開裂を促進するため、活性部位に、1以上の金属イオン(例えば亜鉛イオン)を含んでいる。

一般的にβラクタマーゼ阻害薬として知られるある種の化合物は、1以上のβラクタマーゼ酵素の活性を阻害し、それによって従来のβラクタム抗菌剤の効能回復する能力を有している。βラクタマーゼ阻害薬の典型的な例としては、スルバクタムタゾバクタム及びクラブラン酸が挙げられる。Drawzら(Clinical Microbiology Reviews, Jan. 2010, Volume 23(1), p. 160-201)は、βラクタマーゼ阻害の主体を概説した。米国特許No.7,112,592は、いくつかの複素環化合物及び抗菌剤としてのその使用を開示している。

本発明者らは、驚いたことに、細菌感染の予防又は治療に有用な窒素含有化合物を発見した。

概要

細菌感染の予防又は治療に有用な窒素含有化合物を提供すること。式(I)の化合物、その調製、及び細菌感染の予防又は治療方法

目的

細菌感染、特に耐性菌に起因する細菌感染の治療を促進するための一つの方法は、細菌耐性を克服することができる、新規な抗菌剤を開発することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩。(式中、Mはカチオンである)

請求項2

請求項1に記載された化合物であって、Mは、水素ナトリウム、又はカリウムである化合物。

請求項3

請求項1又は2に記載された化合物を含む、医薬組成物

請求項4

請求項1又は2に記載された化合物を含む、対象内の細菌感染の予防又は治療のための医薬組成物。

請求項5

対象内の細菌感染の予防又は治療のための医薬組成物であって、前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、前記医薬組成物は、請求項1又は2に記載された化合物、を含む医薬組成物。

請求項6

対象内の細菌感染の予防又は治療のための医薬組成物を調製するための、請求項1又は2に記載された化合物の使用。

請求項7

対象内の細菌感染の予防又は治療のための医薬組成物を調製するための、請求項1又は2に記載された化合物の使用であって、前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものである使用。

請求項8

請求項3に記載された医薬組成物であって、更に、少なくとも1の抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。

請求項9

対象内の細菌感染の予防又は治療のための医薬組成物であって、(a)請求項1に記載された式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と、(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩と、を含む医薬組成物。

請求項10

対象内の細菌感染の予防又は治療のための医薬組成物であって、前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、前記医薬組成物は、(a)請求項1に記載された式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と、(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩と、を含む医薬組成物。

請求項11

対象内で抗菌剤の抗菌効果を増大させるための医薬組成物であって、請求項1に記載された式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を含み、前記式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩は、前記抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩と同時投与される医薬組成物。

請求項12

抗菌剤がβラクタム抗菌剤である、請求項8乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。

請求項13

前記抗菌剤は、ペニシリンペネム、カルバペネムセファロスポリン、及びモノバクタムからなる群から選ばれる、請求項8乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。

請求項14

抗菌剤が、セファロチンセファロリジンセファクロルセファドロキシルセファマンドールセファゾリンセファレキシンセフラジンセフチゾキシムセフォキシチンセファセトリルセフォチアムセフォタキシムセフスロジンセフォペラゾン、セフチゾキシム、セフメノキシムセフメタゾールセファログリシン、セフォニシド、セフォジジムセフピロムセフタジジムセフトリアキソン(ceifriaxone)、セフピラミドセフブペラゾンセフォゾプランセフェピム、セフォセリス、セフルプレナムセフゾナムセフピミゾール、セフクリジン(cefclidin)、セフィキシムセフチブテンセフジニルセフポドキシムアキセチル(cefpodoximeaxetil)、セフポドキシムプロキセチルセフテラムピボキシル、セフェタメトピボキシルセフカペンピボキシルまたはセフジトレンピボキシルセフロキシムセフロキシムアキセチル、ロラカルバセフ(loracarbacef)、セフタロリン、セフトロザン、ラタモキセフピペラシリンエルタペネムドリペネム、メロペネムイミペネム、及びビアペネムからなる群から選ばれる、請求項8乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、窒素含有化合物、その製造方法、及び細菌感染の予防又は治療のためのその使用に関する。

背景技術

0002

既知抗菌剤に対する細菌耐性出現は、細菌感染の治療における主な課題となっている。細菌感染、特に耐性菌に起因する細菌感染の治療を促進するための一つの方法は、細菌耐性を克服することができる、新規な抗菌剤を開発することである。Coatesら(Br.J.Pharmacol.2007;152(8),1147-1154)は、新たな抗生物質を開発するための新規なアプローチ概説している。しかしながら、新規な抗菌剤の開発は、挑戦的な課題である。例えば、Gwynnら(Annals of the New York Academy of Sciences,2010,1213:5-19)は、抗菌剤の発見における課題について概説している。

0003

既知の抗菌剤に対する細菌耐性を克服するための他のアプローチは、耐性を獲得して維持する細菌のメカニズムを標的とすることである。例えば、ある種の細菌は、典型的なβラクタム抗菌剤中のβラクタム環を加水分解する酵素βラクタマーゼ酵素)を産生することが知られている。一度βラクタム環が加水分解されると、抗菌剤はそれら細菌に対して不活性になる。細菌は、いくつかの種類のβラクタマーゼ酵素を産生することが知られている。βラクタマーゼ酵素は、アミノ酸配列相同性に応じて、大まかに4つのクラス(A、B、C、及びD)に分類される(Ambler R. P., Phil. Trans. R. Soc. Lon., B289, 321−331, 1980)。クラスA、C及びDに属するβラクタマーゼ酵素は、触媒作用を促進させる活性部位としてセリンを用いるのに対し、クラスBに属するものは、βラクタムの開裂を促進するため、活性部位に、1以上の金属イオン(例えば亜鉛イオン)を含んでいる。

0004

一般的にβラクタマーゼ阻害薬として知られるある種の化合物は、1以上のβラクタマーゼ酵素の活性を阻害し、それによって従来のβラクタム抗菌剤の効能回復する能力を有している。βラクタマーゼ阻害薬の典型的な例としては、スルバクタムタゾバクタム及びクラブラン酸が挙げられる。Drawzら(Clinical Microbiology Reviews, Jan. 2010, Volume 23(1), p. 160-201)は、βラクタマーゼ阻害の主体を概説した。米国特許No.7,112,592は、いくつかの複素環化合物及び抗菌剤としてのその使用を開示している。

0005

本発明者らは、驚いたことに、細菌感染の予防又は治療に有用な窒素含有化合物を発見した。

0006

これによって、窒素含有化合物、これら化合物の製造方法、これら化合物を含有する医薬組成物、及びこれら化合物を用いて対象の細菌感染を予防又は治療する方法が提供される。

0007

一般的な1態様では、式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩が提供される。



(式中、Mはカチオンである)
他の一般的な1態様では、式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を含有する医薬組成物が提供される。
他の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、ここで、前記方法は、前記対象に薬学的に有効な量の式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
他の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記感染は1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、前記方法は、前記対象に薬学的に有効な量の式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
他の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、ここで、前記方法は、前記対象に、式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を含む、薬学的に有効な量の医薬組成物を投与することを含む。
更に他の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記感染は1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、この方法は、式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を含む、薬学的に有効な量の医薬組成物を前記対象に投与することを含む。
他の一般的な1態様では、(a)式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩、及び(b)少なくとも1つの抗菌剤又はそれらの薬学的に許容可能な塩を含有する、医薬組成物が提供される。
他の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の、(a)式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩、及び(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩、を投与することを含む。
更に他の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の、(a)式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩、及び(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩、を投与することを含む。
他の一般的な1態様では、対象において抗菌剤による抗菌効果を増加させる方法が提供され、前記方法は、前記抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に有効な量の式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と同時投与することを含む。

0008

本発明の1以上の実施態様の詳細は、以下の発明の詳細な説明において明らかとされる。本発明の他の特徴、目的及び利点は、請求の範囲を含め以下の発明の詳細な説明から明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0009

図1は、アセトンから結晶化させたトランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルナトリウム塩多形体IのX線粉末解析パターンである。
図2は、エタノールから結晶化させたトランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルのナトリウム塩の多形体IIのX線粉末解析パターンである。
図3は、水から結晶化させたトランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルのナトリウム塩の多形体IIIのX線粉末解析パターンである。
図4は、アセトニトリルから結晶化させたトランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルのナトリウム塩の多形体IVのX線粉末解析パターンである。
図5は、トルエンから結晶化させたトランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルのナトリウム塩の多形体VのX線粉末解析パターンである。
図6は、テトラヒドロフランから結晶化させたトランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルのナトリウム塩の多形体VIのX線粉末解析パターンである。

実施例

0010

以下、典型的な実施態様を説明し、実施態様を説明するために具体的な用語が使用される。しかしながら、それによって発明の範囲を限定する意図はないことが、理解されるべきである。本明細書に接した関連技術分野における当業者ならばするであろう、本明細書で例示された発明の特徴の変更又は更なる改良、及び本明細書に例示される発明原理の追加の適用は、本発明の範囲内にあると捉えられるべきである。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形である、“ある(a)”、“ある(an),”、及び“その(the)”は、その内容が明確にそうでないことを示していない限り、指し示すものが複数であることを含むものであることに留意されたい。本明細書で挙げられた特許、特許出願、及び文献を含むすべての参照文献は、その全体が、参照により、本明細書に明確に取り込まれる。

0011

本発明者らは、驚いたことに、抗菌作用を有する新規な窒素含有化合物を発見した。
本明細書で用いられる用語「光学異性体(stereoisomer)」は、同一の化学組成を有するが、それらの原子又は基の空間配置が異なる化合物を示す。式(I)の化合物は、不斉(asymmetric)又はキラル中心を含んでいてもよく、それゆえ、異なる光学異性体の形式で存在していてもよい。特にそうでないと特定される場合を除き、式(I)の化合物についての全ての光学異性体は、ラセミ混合物を含む混合物と同様に、本発明の一部を構成する。加えて、本発明は、全ての幾何異性体包含し、位置異性体(シス及びトランス形式を含む)も、それらの混合物と同様に、本願発明の範囲に包含される。一般的には、ある化合物についての言及は、その光学異性体及び様々な光学異性体の混合物を含むことを意図している。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容可能な塩」は、遊離化合物による所望の薬学的活性を有し、生物学的にもその他の意味でも望ましくないものでない、対象化合物の1以上の塩を意味する。一般には、「薬学的に許容可能な塩」は、過度の毒性、刺激アレルギー反応等なくヒト及び動物組織に接触させて使用するのに適しており、合理的な効果/リスク比に相応する塩を意味する。薬学的に許容可能な塩は、周知である。例えば、本明細書にその全体が参照により取り込まれる、S. M. Bergeら(J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1−19, 1977)は、様々な薬学的に許容可能な塩を詳細に開示している。

0012

一般には、本発明の化合物は、酸部分(例えば、Mが水素である式(I)の化合物)だけでなく、塩基部分(例えば、窒素原子)を含む。当業者であれば、それゆえ、そのような化合物が、塩基性塩無機及び/又は有機塩基によって形成される)のみならず、酸性塩(無機及び/又は有機酸によって形成される)を形成できることを認識するであろう。そのような塩は、公知の手法によって調製できる。例えば、塩基性部分は、化合物を適切な量の酸によって処理することにより、その塩に転換できる。そのような好適な酸の典型的、非限定的な例としては、塩酸トリフルオロ酢酸メタンスルホン酸等が挙げられる。若しくは、酸部分は、適切な塩基によって処理することにより、その塩に転換されてもよい。そのような塩基の典型的な非限定的な例としては、炭酸ナトリウム重炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸水素カリウム等が挙げられる。化合物が、塩に転換可能な1以上の官能基を含む場合、そのような官能基は独立に塩に変換されてもよい。例えば、化合物が2つの塩基性窒素原子を含む場合、1つの塩基性窒素が1つの酸によって塩を形成し、他の塩基性窒素が他の酸と塩を形成してもよい。本発明の化合物のうちのいくつかは、塩基性部分だけでなく酸性部分の両方を含み、それによって内塩又は対応する両性イオンを形成することができる。一般に、酸付加塩、塩基付加塩、両性イオン等を含む、本発明の式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩の全ての形態は、本発明の範囲内に含まれるものと考えられ、薬学的に許容可能な塩として包括的に呼ばれる。

0013

本明細書で使用される、用語「感染」又は「細菌感染」は、対象内又は対象上に、その成長が阻害されたならば対象の利益になるであろう細菌が存在することを含む。つまり、用語「感染」は、細菌の存在を示すことに加えて、望ましくない通常のフローラ(flora)をも示す。“感染”という用語は、細菌に起因する感染を含む。
本明細書で使用される、「治療(treat)」、「治療すること(treating)」、又は「処置(treatment)」という用語は、医薬組成物又は1以上の薬学的な有効成分を含む薬剤を、予防及び/又は治療目的で投与することを示す。用語「予防処置(prophylactic treatment)」は、未だ感染していないが、感染しやすいか、さもなければ感染のリスクがある対象を治療すること(細菌感染を予防すること)、を示す。「治療処置」という用語は、すでに感染に苦しんでいる対象に対する投薬処置を示す。本明細書で使用される、「治療」、「治療すること」、又は「処置」という用語は、また、本明細書で述べられる組成物又は1以上の薬学的な有効成分を、追加の薬学的に活性な又は不活性な成分と共に又はそれらを加えること無く:(i)細菌感染又は細菌感染による1以上の症状を減少させるため又は取り除くため、(ii)細菌感染又は細菌感染による1以上の症状の進行を抑制するため、(iii)細菌感染又は細菌感染による1以上の症状の重症度を減少させるため、(iv)細菌感染の臨床症状を抑制するため、又は(v)細菌感染の副作用の症状を抑制するために、投与することを示す。

0014

明細書中で使用される、「薬学的に有効な量」、「治療的に有効な量」又は「有効量」は、治療効果を有する量又は対象内で治療効果を生むのに必要な量を示す。例えば、治療的に又は薬学的に有効な抗菌剤又は医薬組成物の量は、臨床試験結果モデル動物感染実験、及び/又はインビトロ実験(例えば、寒天中、又は培養液媒体中)によって判断され得るような、所望する治療効果を得るのに必要な抗菌剤又は医薬組成物の量を意味する。薬学的に有効な量は、限定されるものではないが、関与している微生物(例えば、細菌)、対象の特徴(例えば、身長、体重、性別年齢、及び治療履歴)、感染の重症度及び使用している抗菌剤の具体的な種類を含む、様々な要因に依存する。予防処置として治療的に又は予防的に有効な量は、微生物(例えば細菌)感染の予防に有効であろう量である。
「投与」又は「投与すること」という用語は、例えば、組成物、その有効成分、又は他の薬学的な有効成分を感染部位に供給することに寄与する、あらゆる適当な方法によって、組成物又は1以上の薬学的な有効成分を対象に与えることを含む。投与の方法は、例えば、医薬組成物の成分又は薬学的に活性若しくは不活性な成分の種類/性質、潜在的な又は実際の感染部位、関与している微生物、感染の重症度、対象の年齢及び健康状態などの様々な要因に応じて変更されてもよい。本発明における、組成物又は薬学的な有効成分の対象への投与方法の非限定的ないくつかの例としては、経口、静脈内、局所的、呼吸内(intrarespiratory)、腹腔内、筋肉内、非経口下、経皮鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、内、遺伝子銃皮膚パッチ点眼、点又はマウスウォッシュが挙げられる。1つより多い成分(活性の又は不活性の)を含む医薬組成物の場合、そのような組成物を投与する方法の1つは、成分を混合し(例えば、錠剤カプセル薬液粉薬などの適切な単位投薬剤形の形態で)、その後、その剤形を投与することである。若しくは、組成物が全体として相乗効果及び/又は所望の効果を発揮するような、有益な治療レベルに達するのであれば、成分はまた、別々に(同時に又は順番に)投与されてもよい。

0015

本明細書で使用される「成長(growth)」という用語は、1以上の微生物の成長を示し、微生物(例えば、細菌)の生殖又は個体群の拡大を含む。その用語は、また、進行中の微生物の代謝プロセスが維持されることを含み、微生物の生存を維持するプロセスを含む。
本明細書で使用される「効果(effectiveness)」という用語は、治療、組成物又は1以上の薬学的な有効成分が、対象において所望の生物学的な効果を生み出す能力をいう。例えば、組成物又は抗菌剤の「抗菌効果」とは、組成物又は抗菌剤が、対象の微生物(例えば、細菌)感染を予防又は治療する能力を意味する。
本明細書で使用される「相乗的な」又は「相乗」という用語は、組み合わせによる効果が個々の効果よりも大きくなるような、2以上の薬剤の相互作用を意味する。
本明細書で使用される、「抗菌剤」という用語は:(i)細菌の成長を阻害、減少、又は予防する能力、(ii)細菌が対象内で感染症を引き起こす能力を阻害するか又は減少させる能力、又は(iii)環境内で細菌が増殖するか又は感染力を維持する能力を、阻害するか又は減少させる能力、を有する、あらゆる物質、化合物、物質の組み合わせ、又は化合物の組み合わせを意味する。「抗菌剤」という用語は、また、細菌の感染力又は毒性を減少させることができる化合物を意味する。
本明細書で使用される、「βラクタム抗菌剤」という用語は、抗菌性を有し、その分子構造内にβラクタム核を含む化合物を意味する。
本明細書で使用される「βラクタマーゼ」という用語は、βラクタム環を分解する、あらゆる酵素、タンパク質又はあらゆるその他の物質を意味する。「βラクタマーゼ」という用語は、細菌により産生され、βラクタム化合物中のβラクタム環を部分的に又は完全に加水分解する能力を有する酵素を含む。
本明細書で使用される、「βラクタマーゼ阻害薬」という用語は、1以上のβラクタマーゼ酵素の活性を、部分的に又は完全に阻害する能力を有する化合物を意味する。

0016

「薬学的に不活性な成分」、「媒体(carrier)」又は「賦形剤(excipient)」という用語は、化合物の投与を促進するため、例えば、化合物の溶解性を高めるために用いられる化合物又は物質を意味する。固形媒体としては、例えば、デンプンラクトースリン酸二カルシウムスクロース、及びカオリンが挙げられる。液体媒体としては、例えば、滅菌水生理食塩水緩衝剤非イオン性界面活性剤食用油(油、ピーナッツ油、及びゴマ油など)が挙げられる。加えて、当該技術分野で一般に用いられる種々の補助剤(adjuvants)が含まれてもよい。これら、及び他のそのような化合物は、文献(例えば、Merck Index, Merck & Company, Rahway, N.J)に記載されている。様々な成分を医薬組成物に含ませることについての考察が、例えば、Gilman et al. (Eds.) (1990); Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed., Pergamon Press.に記載されている。

0017

本明細書で使用される「対象(subject)」という用語は、哺乳類を含む、脊椎動物又は無脊髄動物を意味する。用語「対象」は、ヒト、動物、トリ、又は両生類を含む。典型的には、「対象」の非限定的な例として、ヒト、ネコイヌウマヒツジウシ(bovine cows)、ブタ子ヒツジラットマウスおよびモルモットが挙げられる。

0018

本明細書で使用される用語「セフトロザン(Ceftolozane)」は、CXA−101(CAS登録番号No.:689293−68−3;化学名:(6R,7R)−3−[(5−アミノ−4−{[(2−アミノエチルカルバモイル]アミノ}−1−メチル−1H−ピラゾール−2−イウム−2−イル)メチル]−7−({(2Z)−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2−[(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノアセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボキシレート)としても知られる化合物を意味する。セフトロザンへの言及は、その薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ代謝物エステルエーテル水和物、多形体、溶媒和物複合体、光学異性体、付加物、及びその全ての他の薬学的に許容可能な誘導体を含むことを意図している。

0019

一般的な1態様においては、式(I)の化合物、



光学異性体、又はその薬学的に許容可能な塩が提供され、ここでMはカチオンである。

0020

一般に、本発明の化合物は、スキーム1乃至3に示される一般的な手順に従って調製される。当業者であれば、記載された方法は、所望する関連化合物を得るため、更に変更又は最適化されてもよいことを理解できるだろう。以下の手順において、全ての変化形は先に定義されたとおりである。

0021

別の一般的な1態様では、式(I)の化合物、光学異性体、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。
別の一般的な1態様では、対象の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の式(I)の化合物、光学異性体、又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
別の一般的な態様では、対象内の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記感染は1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、その方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の式(I)の化合物、光学異性体又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
別の一般的な1態様では、対象内の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記方法は、前記対象に、式(I)の化合物、光学異性体又はその薬学的に許容可能な塩を含む、薬学的に有効な量の医薬組成物を投与することを含む。
更に別の一般的な1態様においては、対象内の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、その方法は、前記対象に、式(I)の化合物、光学異性体又はその薬学的に許容可能な塩を含む、薬学的に有効な量の医薬組成物を投与することを含む。

0022

スキーム1



a:塩基、水、室温;b:Boc無水物、TEA、DMAP、DCM、室温;c:LiOH、アセトン;d:塩化ピバロイル、TEA;e:アンモニア(g);f:トリフルオロ酢酸無水物、TEA、DCM;g:TFA、DCM;h:トリホスゲン、TEA、DMAP、DCM;i:H2、Pd/C;j:SO3−DMF;k:テトラブチルアンモニウムアセテート、DCM;l:Dowex 50WX8 200 Na+レジン

0023

スキーム2



a:水、還流、24時間;b:1−ヒドロキシベンゾトリアゾールアンモニウム塩、DCC、DMF;c:Boc無水物、TEA、DMAP、DCM、室温;d:トリフルオロ酢酸無水物、TEA、DCM;e:TMSOI、NaH、DMSO、THF、−10℃、1時間;f:O−ベンジルヒドロキシルアミン、HCl、EtOAc 60℃、2.5時間;g:メタンスルホン酸、エチルアセテート、40℃;h:KHCO3、水、55℃;i:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、STABH、H2SO4;j:トリホスゲン、TEA、DMAP、DCM;スキーム−1:スキーム−1により表される追加工程

0024

スキーム3



a:水、還流、24時間;b:1−ヒドロキシベンゾトリアゾールアンモニウム塩、DCC、DMF;c:BoC無水物、TEA、DMAP、DCM、室温;d:TMSOI、NaH、DMSO、THF、−10℃、1時間;e:O−ベンジルヒドロキシルアミン、HCl、EtOAc 60℃、2.5時間;f:メタンスルホン酸、エチルアセテート、40℃;g:KHCO3、水、55℃;g:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、STABH、H2SO4;h:トリホスゲン、TEA、DMAP、DCM;i:トリフルオロ酢酸無水物、TEA、DCM;スキーム−1:スキーム−1により表される追加工程

0025

いくつかの実施態様では、式(I)の化合物(ここでMはナトリウム)は、スキーム1に示される一般的な手順を用いて調製された。典型的には、(S)−5−(ベンジルオキシアミノ)−ピペリジン−2−カルボン酸ベンジルエステルシュウ酸塩(II)を、室温で適切な塩基により処理することによって遊離塩基に転換し、化合物(IIa)を得た。これを、DMAP等の適切な塩基性の触媒の存在下で、−5℃から40℃の温度範囲で、BoC無水物と反応させることにより、化合物(IIb)を得た。この化合物を、水酸化リチウムなどの塩基によって、−5℃から25℃の温度で加水分解することにより、トランス−5−ベンジルオキシアミノ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル化合物(III)を得た。

0026

化合物(III)を、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン又はクロロホルムなどの溶媒中、N−メチルモルホリントリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどのような適当な塩基の存在下、−5℃から35℃の温度で、約1時間から2時間、塩化ピバロイルなどの酸塩化物と反応させ、無水物(IV)を得た。
続いて、無水物(IV)を、−50℃から5℃の温度で、約0.5時間から2時間、アンモニアガスにより処理し、アミド中間体化合物(V)を得た。
中間体化合物(V)を、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、またはジクロロメタンなどの溶媒中、−5℃から35℃の温度で、約1時間から24時間、トリフルオロ酢酸無水物により処理することにより、中間体化合物(V)の脱水を行い、ニトリル中間体化合物(VI)を得た。
中間体化合物(VI)を、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、または水などの溶媒中、−25℃から50℃の温度で、約1時間から24時間、トリフルオロ酢酸又は塩酸などの脱保護剤を用いて脱保護化し、中間体化合物(VII)を得た。中間体化合物(VII)を、トルエン、クロロホルム、アセトニトリルなどの溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、−5℃から50℃の温度で、約1時間から24時間、ホスゲン溶液ジホスゲンまたはトリホスゲンなどの試薬を用いて処理することにより、中間体化合物VIIを環化し、環化中間体化合物(VIII)を得た。

0027

環化中間体化合物(VIII)を、メタノール、エタノール、メタノール−ジクロロメタン混合物、又はN、N−ジメチルホルムアミド−ジクロロメタン混合物などの溶媒中、水素ガスギ酸アンモニウムギ酸又はシクロヘキセンのような水素源の存在下、25℃から60℃の温度で、約1時間から24時間、5%又は10%のパラジウム炭素又は20%パラジウム水酸化物炭素(palladium hydroxide on carbon)などの触媒を用いて、水素化分解処理し、N−ヒドロキシ中間体化合物(IX)を得た。
中間体化合物(IX)を、ピリジン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンまたはそれらの混合物などの溶媒中、−5℃から50℃の温度で、約0.5時間から24時間、ピリジン三酸化硫黄コンプレックス、又はN、N−ジメチルホルムアミド三酸化硫黄コンプレックス(N,N−dimethyl formamide sulfur trioxide complex)などのスルホン化試薬と反応させることにより、スルホン化し、スルホン酸のピリジン塩(X)を得、続いて、テトラブチルアンモニウムアセテートによって処理し、スルホン酸のテトラブチルアンモニウム塩中間体化合物(XI)を得た。
中間体化合物(XI)を水性テトラヒドロフラン中で、Dowex 50WX8 200レジンナトリウム形に通し、次いで、減圧下で溶媒分を蒸発させ、本発明の化合物をナトリウム塩として単離し、化合物I(ここでMはナトリウム)を得た。

0028

若しくは、この化合物は、化合物(XI)を、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、エタノール、イソプロパノールなどの溶媒中で、室温から80℃の温度で、エチルヘキサン酸ナトリウム(ethyl sodium hexanoate)によって処理することにより(MがNaの場合)、得ることもできる。

0029

これらの化合物(MがNa)の様々な多形体が調製された。

0030

別の一般的な1態様では、(a)式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩、及び(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩、を含む医薬組成物が提供される。
別の一般的な1態様では、対象内の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、この方法は、薬学的に有効な量の、(a)式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩、及び(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩、を対象に投与することを含む。
更に別の一般的な1態様では、対象内の細菌感染の予防又は治療方法が提供され、前記感染は1つ以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、前記方法は、薬学的に有効な量の、(a)式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩、及び(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩、を前記対象に投与することを含む。
別の一般的な1態様では、対象における抗菌剤の抗菌効果を増大させる方法が提供され、前記方法は、前記抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に有効な量の式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と、同時投与することを含む。
いくつかの実施態様において、本発明に係る組成物及び方法は、式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩を、少なくとも1つの抗菌剤と組み合わせて使用する。多種の抗菌剤が使用可能である。典型的には、抗菌剤の非限定的な例として、アミノグリコシドアンサマイシンカルバセフェムセファロスポリンセファマイシンリンコサミド、リポペプチドマクロライドモノバクタムニトロフランペニシリンポリペプチドキノロンスルホンアミドテトラサイクリンオキサゾリジノン等に一般的に分類される1つ以上の抗菌化合物が挙げられる。

0031

典型的には、アミノグリコシド抗菌剤の非限定的な例として、アミカシンゲンタマイシンカナマイシンネオマイシンネチルマイシントブラマイシンパロモマイシンアルベカシンストレプトマイシン、アプラマシン等が挙げられる。
典型的には、アンサマイシン抗菌剤の非限定的な例として、ゲルダナマイシンハービマイシン等が挙げられる。
典型的には、カルバセフェム抗菌剤の非限定的な例として、ロラカルベフ等が挙げられる。
典型的には、カルバペネム抗菌剤の非限定的な例として、エルタペネムドリペネム、イミペネムメロペネムなどが挙げられる。

0032

典型的には、セファロスポリン及びセファマイシン抗菌剤の非限定的な例として、セファゾリンセファセトリルセファドロキシルセファレキシンセファログリシン、セファロニウム、セファロリジンセファロチンセファピリンセファトリジン、セファゼドン、セファザフル、セフラジンセフロキサジンセフテゾールセファクロルセファマンドールセフミノクス、セフォニシド、セフォラニド、セフォチアムセフプロジルセフブペラゾンセフロキシムセフゾナム、セファマイシン、セフォキシチンセフォテタンセフメタゾール、カルバセフェム、セフィキシムセフタジジムセフトリアキソン、セフカペン、セフダロキシム(Cefdaloxime)、セフジニルセフジトレン、セフェタメトセフメノキシムセフォジジムセフォペラゾンセフォタキシムセフピミゾールセフピラミドセフポドキシムセフスロジンセフテラムセフチブテン、セフチレン(Ceftiolene)、セフチゾキシムオキサセフェム、セフェピムセフォゾプランセフピロムセフキノムセフトビプロールセフチオフル、セフキノム、セフォベシン、CXA−101、セフタロリン、セフトビプロールなどが挙げられる。

0033

典型的には、リンコサミド抗菌剤の非限定的な例として、クリンダマイシンリンコマイシンなどが挙げられる。
典型的には、マクロライド抗菌剤の非限定的な例として、アジスロマイシンクラリスロマイシン、ジリスマイシン、エリスロマイシンロキシスロマイシントロレアンドマイシンテリスロマイシンスペクチノマイシンなどが挙げられる。
典型的には、モノバクタム抗菌剤の非限定的な例として、アズトレオナム等が挙げられる。
典型的には、ニトロフラン抗菌剤の非限定的な例として、フラゾリドンニトロフラントインなどが挙げられる。
典型的には、ペニシリン抗菌剤の非限定的な例として、アモキシシリンアンピシリン、アズロシリン、カルベニシリンクロキサシリンジクロキサシリンフルクロキサシリンメズロシリンメチシリンナフシリンオキサシリンペニシリンGペニシリンVピペラシリン、テモシリン、チカルシリンなどが挙げられる。
典型的には、ポリペプチド抗菌剤の非限定的な例として、バシトラシンコリスチンポリミキシンB等が挙げられる。
典型的には、キノロン抗菌剤の非限定的な例として、シプロフロキサシンエノキサシンガチフロキサシンレボフロキサシンロメフロキサシンモキシフロキサシンナリジクス酸ノルフロキサシンオフロキサシントロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシンなどが挙げられる。
典型的には、スルホンアミド抗菌剤の非限定的な例としては、マフェニド、スルホンアミドクリソイジン(Sulfonamidochrysoidine)、スルファセタミドスルファジアジンスルファメチゾールスルファメトキサゾールスルファサラジンスルフイソキサゾールトリメトプリムなどが挙げられる。
典型的には、テトラサイクリン抗菌剤の非限定的な例として、デメクロサイクリンドキシサイクリンミノサイクリンオキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、チゲサイクリンなどが挙げられる。
典型的には、オキサゾリジノン抗菌剤の非限定的な例として、リネゾリドランベゾリド、トレゾリド、ラデゾリド等が挙げられる。

0034

本発明に係る医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤等を含んでいてもよく、そのような担体又は賦形剤の典型的な非限定的な例としては、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムサッカリンナトリウムタルカンセルロースクロスカルメロースナトリウムグルコースゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウム湿潤剤乳化剤可溶化剤、pH緩衝剤、潤滑剤、安定化剤結着剤等が挙げられる。

0035

本発明に係る医薬組成物は、様々な形態で存在し得る。いくつかの実施態様では、医薬組成物は、粉薬又は溶液の形態である。他のいくつかの実施態様では、本発明に係る医薬組成物は、非経口投与に先立ち、相溶性がある再構成希釈剤の添加により再構成することができる、粉薬の形態である。そのような相溶性がある再構成希釈剤の非限定的な例としては、水が挙げられる。
いくつかの他の実施態様では、本発明に係る医薬組成物は、非経口投与に先立ち、相溶性がある希釈剤により希釈することができる、冷凍組成物の形態である。
いくつかの他の実施態様では、本発明に係る医薬組成物は、すぐに非経口投与に使用することができる形態である。

0036

本発明の方法において、本明細書で開示される医薬組成物及び/又は他の薬学的な有効成分は、組成物、その構成成分又は有効成分を所望の部位に到達させることに寄与する、あらゆる適当な方法で投与され得る。投与方法は、例えば、医薬組成物の成分、有効成分の性質、潜在的な又は実際の感染部位、関与している微生物(例えば細菌)、感染の重症度、対象の年齢及び健康状態などの様々な要因に応じて変更されてもよい。本発明における、組成物の対象への投与方法の非限定的な例としては、経口、静脈内、局所的、呼吸内(intrarespiratory)、腹腔内、筋肉内、非経口、舌下、経皮、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳又はマウスウォッシュが挙げられる。

0037

本発明の組成物は、様々な剤形に調製され得、ここで、有効成分及び/又は賦形剤は一緒に(例えば混合物として)存在していてもよく、別々の成分として存在していてもよい。組成物における種々の成分が混合物として調製される場合、そのような組成物は、そのような混合物の投与により、与えられ得る。成分が混合物ではなく、別々である組成物又は剤形の場合、そのような組成物/剤形は、いくつかの手法により投与され得る。ある可能な方法では、成分が所望される比率で混合され、その後、混合物が必要に応じて投与される。もしくは、成分(components)又は(活性又は不活性)成分(ingredients)は、等価な混合物を投与した場合と同一又は等価な治療レベル又は効果が達成されるように、適切な比率で別々に(同時に又は順番に)投与されてもよい。

0038

同様に、本発明に係る方法において、本明細書で開示される有効成分は、対象に対し、必要に応じていくつかの方法で投与されてよい。いくつかの実施態様では、有効成分は、適切な量で混合され、その後、混合物が対象に投与される。他のいくつかの実施態様では、有効成分は、別々に投与される。本発明では有効成分剤が別々に投与されてもよいことが考慮されていることから、本発明によれば、更に、別々の医薬組成物のキット形態による組み合わせが提供される。キットは、それぞれが1以上の有効成分を含む、1以上の別々の医薬組成物を含んでいてもよい。そのような別々の組成物の各々は、例えば、ボトルバイアル注射器、箱、袋などの別々の容器内に存在していてもよい。典型的には、キットは、別々の成分を投与するための指示を含んでいる。キット形態は、別々の成分が、好ましくは異なる剤形(例えば経口及び非経口)で投与されるか、又は、異なる投与間隔で投与される場合に、特に有効である。有効成分が別々に投与される場合、それらは同時に投与されても順番に投与されてもよい。
本発明に係る医薬組成物又は有効成分は、種々の剤形に調製され得る。典型的には、剤形の非限定的な例として、固形、半固形、液体及びエアロゾル剤形;例えば錠剤、カプセル、粉薬、溶液、懸濁液、坐剤、エアロゾル剤、顆粒剤乳剤シロップ剤エリキシル剤などが挙げられる。

0039

一般に、本明細書で開示される医薬組成物及び方法は、細菌感染の予防又は治療に有用である。有利には、本明細書で開示される組成物及び方法は、1以上の既知の抗菌剤又はそれらの既知の組成物に対して影響を受けにくいか又は受けないと考えられる細菌に起因する感染症の予防又は治療にもまた、有効である。種々の抗菌剤に対して進化した耐性を有することが知られているそのような細菌のいくつかの非限定的な例としては、アシネトバクター大腸菌緑膿菌黄色ブドウ球菌エンテロバクタークレブシエラ、及びシトロバクターなどが挙げられる。本発明の組成物及び/又は方法を用いて予防又は治療される感染症の他の非限定的な例としては:皮膚及び軟部組織感染、発熱性好中球減少症尿路感染症、腹腔内感染症、気道感染症肺炎(院内)、髄膜炎菌血症(bacteremia meningitis)、外科感染症などが挙げられる。
驚いたことに、本発明に係る化合物、組成物及び方法は、また、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する細菌感染の予防又は治療にも効果的である。本発明に係る組成物及び方法が、典型的なβラクタム抗生物質と共に、そのような耐性菌を処置する能力は、当技術分野における重要な進歩を表している。

0040

一般には、本発明に係る式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩は、また、対象内の抗菌剤による抗菌作用の増大に有用である。1以上の抗菌剤の抗菌効果は、例えば、前記抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に有効な量の本発明に係る式(I)の化合物、又は光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と同時投与することにより、増大され得る。
本発明の範囲及び精神を逸脱しない範囲内で、本明細書で開示された発明に対して種々の代替及び変更がなされてもよいことは、当業者にとって自明であろう。例えば、当業者は、記載された一般的な記述の範囲内で、本発明が様々な異なる化合物を用いて実施されてもよいことを認識するであろう。

0041

(実施例)
以下の実施例は、現在のところ最もよく知られている本発明の実施態様を例示するものである。しかしながら、以下は、本発明の原理の応用についての単なる例示又は説明であることが、理解されるべきである。多くの変更及び代替組成物、方法並びに系が、本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲内で、当業者により工夫されてもよい。添付の特許請求の範囲は、そのような変更及びアレンジカバーすることを意図したものである。すなわち、本発明は上記において具体的に説明されてきたが、下記実施例は、現在のところ最も実用的であり好ましい本発明の実施態様であると思われるものについて、更なる詳細を加えるものである。

0042

トランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルのナトリウム塩Iの調製
テップ1:遊離塩基の調製及び−BoC保護



シュウ酸塩II(30g、0.0697モル)を水(300ml)−酢酸エチル(300ml)に分液し、次いで、重炭酸ナトリウム(11.7グラム,0.139モル)を攪拌しながら添加した。1時間後、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(150ml)により抽出した。混合有機層を水(150ml)、次いでブライン(150ml)により洗浄し、乾燥し(Na2SO4上)、溶媒を減圧下で蒸発させ、24グラムの遊離塩基IIaを得た。
冷却(5〜10℃)した遊離塩基(24g,0.0705モル)のDCM(240ml)溶液に、トリエチルアミン(19.68ml,0.141モル)及びBoc無水物(17.8ml,0.0775モル)を攪拌しつつ加えた。30分後、DMAP(0.86グラム,0.00705モル)を加え、得られた溶液を室温にまで加温し、更に16時間攪拌した。反応混合物を、飽和塩アンモニウム水溶液(10ml)により希釈し、十分に攪拌し、DCM層を分離し、水(10ml)及び最終的にブライン(10ml)により洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、シリカゲル(60−120メッシュ)のカラムを用いて残留物クロマトグラフ処理した。酢酸エチル:ヘキサン25−50%の混合物を用いて溶出処理を行い、混合成分濃縮し、25グラムの無色油状生成物を得た(収率:80%)。
MS:439[M+];MF:C26H33NO5;MW:439.

0043

ステップ2:ベンジルエステルの加水分解



化合物IIb(25グラム,0.0567モル)のアセトン(500ml)溶液に、0℃で、水酸化リチウム溶液(3.81グラム,228.6mlの水と76.2mlのアセトンとの混合液中で0.0908モル)を、よく攪拌しながら滴下した。反応混合物を室温にまで加温し、更に5時間攪拌を続けた。得られた混合物を0℃に冷却し、2N HCl(〜10ml)により、pHを8から8.5に調整した。反応混合物を、ブライン(75ml)及びトルエン(250ml)により攪拌下で希釈し、10分後に有機層を分離した。水層を、トルエン(2×120ml)により再抽出した。水層を、2N HClを用いてpH3〜4に酸性化し、溶液を酢酸エチル(3×200ml)を用いて抽出した。混合有機層を水(200ml)及びブライン(200ml)により洗浄し、乾燥(Na2SO4上)し、溶媒を減圧下で蒸発させ、濃い油状の生成物21gを得た(定量的収率)。
MS:349(M+);MF:C19H27NO5;MW:349

0044

ステップ3:酸のアミドへの転化



攪拌した化合物III(21グラム,0.06モル)のDCM(210ml)溶液に、0℃で、TEA(25.12ml,0.18モル)を加え、次いで、塩化ピバロイル(11.07ml,0.09モル)をゆっくりと添加した。得られた混合物を、更に1.5時間、攪拌した。反応混合物を−40℃に冷却し、ドライアンモニアガスで30分間、反応混合物をバブリングした。反応混合物を室温にまで加温し、懸濁した白色固形分をろ過により除去した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲル(60−120メッシュ)のカラムでクロマトグラフ処理した。アセトン:ヘキサン(1:4)混合系により溶出処理を行い、混合溶媒を濃縮し、濃い油状の生成物を、10.2グラム得た(収率:49%)。
MS:348[M+];MF:C19H28N2O4;MW:348.

0045

ステップ4:アミドのシアノへの転化



冷却(0℃)及び攪拌した化合物V(10.2グラム,0.0286モル)のDCM溶液(306ml)に、トリエチルアミン(17.99ml,1.289モル)を加え、続いて、トリフルオロ酢酸無水物(12.08グラム,0.0573モル)をゆっくりと添加した。得られた溶液を室温にまで加温し、更に6時間攪拌した。反応混合物を水(3×100ml)、飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)、及びブライン(100ml)により、洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲル(60−120メッシュ)のカラムを用いて、アセトン:ヘキサン(1:19)の混合物でクロマトグラフ処理した。混合成分を濃縮し、白色固体状の生成物を、9.7グラム得た(収率−定量的)。
MS:331(M+);MF:C18H25N3O3;MW:331

0046

ステップ5:シアノの脱保護



冷却(−15℃)及び攪拌した化合物VI(6mg)のDCM(150ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(12ml)を加え、混合物を室温に加温した。反応混合物を更に4時間攪拌した。溶媒を減圧下、40±5℃で蒸発させ、残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(aqueous sat. sodium bicarbonate solution)60mlにより希釈し、混合物をDCM(2×60ml)で抽出した。混合抽出物を水(60ml)により洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム上)、減圧下、35±5℃で蒸発させ、4.2グラムの化合物VIIを得た。

0047

ステップ6:2環化合物の調製



冷却(0〜5℃)及び攪拌した化合物VII(4.2グラム)のアセトニトリル(63ml)溶液に、トリエチルアミン(5.28ml)を添加し、次いで、トリホスゲン(1.9グラム)のアセトニトリル(16.8ml)溶液をゆっくりと加えた。攪拌を更に30分続け、次いで、ジメチルアミノピリジン(0.178グラム)を加えた。反応混合物を室温にまで加温し、更に16時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(33.6ml)を反応混合物に加え、得られた混合物を30分攪拌した。混合物を、減圧下で、1/3の体積にまで濃縮した。残留物を水(42ml)で希釈し、得られた混合物をDCM(2×42ml)で抽出した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲル(60〜120メッシュ)のカラムで精製した。アセトン:ヘキサンの1:4混合物により溶出処理を行い、混合成分を濃縮し、白色固形状の生成物を、2.3g得た(収率:48%)。
MS:314(M+);MF;C16H18N4O3;MW;314

0048

ステップ7:TBA硫酸塩の合成



ベンジル化合物VIII(6グラム,0.0233モル)の1:1DCM(30ml)及びDMF(30ml)混合溶媒溶液に、1.5グラムのドライ10%パラジウム炭を加え、混合物を3kgの水素圧力下で、3時間、25〜30℃で水素化した。混合反応物をミクロンフィルターを通じてろ過して触媒を除去し、ろ過液を減圧下で濃縮し、脱ベンジル化化合物IXを得た。
脱ベンジル化化合物(IX)をアルゴン雰囲気下でN,N’−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。DMF:SO3(4.26グラム,0.0278モル)を冷却溶液に加え、更に30分間、0℃で撹拌を続けた。次いで混合物を室温に加温し、1時間攪拌した。TLCは、N−ヒドロキシ化合物が生成物Xに完全に転化したことを示した。
硫酸塩(X)を含む溶液を0℃に再冷却し、テトラブチルアンモニアアセテート溶液(9グラム,0.0301モル、水30mlに溶解したもの)を加えた。反応混合物を25℃に加温し、1時間攪拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、残留物を50mlキシレン(×2)と共に蒸発させ、残存N,N’−ジメチルホルムアミドを除去した。残留物を水とジクロロメタンの1:1混合物(120ml)で分配した。水層を、ジクロロメタン(30ml)により再抽出した。混合有機抽出物を水(2×30ml)、ブライン(30ml)によって洗浄した。Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗TBA硫酸塩(5.2グラム)を得た。粗化合物をヘキサン(2×30ml)で粉砕し(triturated)、4mmHg圧力下でロータリーエバポレーター(rotavapor)により乾燥し、TBA塩(XI)を得た(5.0g、収率44%)。
Mass:246(M−H)硫酸塩 M.W: 488,M.F:C23H44N4O5S.

0049

ステップ8:トランス−7−オキソ−6−(スルホキシ)−1,6−ジアザビシクロ[3.2.1]−オクタン−2−カルボニトリルIのナトリウム塩の合成



TBA硫酸塩(4.4g,0.009モル)を5%THF水(2ml)に溶解し、溶液を、Dowex 50WX8 200 Na+レジンが充填されたカラム(長さ45cm、直径2.0cm)に通した。カラムを5%THF−水混合溶液(100ml)で溶離処理した。混合成分を減圧下(4mmHg)で蒸発させ、白色半固形状の生成物1.5グラムを、収率:62%で得た。
MS:246 (M−H)硫酸塩; M.W.:269;M.F.:C7H8N3O5SNa,
1H NMR(DMSO):4.54(d,1H),4.06(s,1H),3.22(m,2H),1.96(m,2H),1.84(m,2H).

0050

異なる溶媒で結晶化させた場合における、この化合物の種々の多形体のX線粉末解析パターンが、図1から6に示されている。

0051

生物活性データ
本発明の代表的な化合物について、様々な菌種に対する生物活性(他の抗菌剤との組み合わせによる)を調査した。典型的な実験では、オーバーナイトで成長させた細菌培養液を適当に希釈し、抗生物質の2倍希釈物を含む寒天培地接種した。35±2°C、循環空気中で培養し、16時間から20時間後、成長の有無を観察した。全体的な手順は、米国臨床検査標準協議会(CLSI:Clinical and Laboratory StandardsInstitute)の推奨(米国臨床検査標準協議会(CLSI),抗菌薬感受性試験のための性能基準、第20情報提供、M100-S20、第30巻、No.1、2010年;Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI), performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing, 20th Informational Supplement, M 100 - S20, Volume 30, No. 1, 2010)に従った。
これら実験結果を、表1及び2にまとめた。表1は、本発明の代表的な化合物(式(I)の化合物で、Mがナトリウム)と組み合わせた時のセフタジジムについて、クラスA、C及びDのβラクタマーゼ酵素を産生する様々なMDR(Multi Drug Resistant)グラム陰性菌に対する効力を、詳細に示している。活性は、MICs(mcg/ml)として表現されている。比較のため、クラブラン酸、タゾバクタム、MK−7655及びNXL−104などの様々な他の公知のβラクタマーゼ阻害薬の活性もまた、示されている。見ての通り、本発明の化合物を使用することにより、抗菌剤(例えば、この場合はセフタジジム)のMIC値が顕著に減少した。この結果はまた、抗菌剤が薬学的に有効な量の式(I)の化合物、光学異性体、又はその薬学的に許容可能な塩と同時投与された場合に、抗菌剤の抗生効果を増加させることを示唆している。

0052

表1。セフタジジムと組み合わせによる式(I)の化合物(Mはナトリウム)のクラスA、クラスC、クラスDESBL生菌に対する相対的活性



全ての阻害剤は、それらが自身単独では抗菌活性を示さない、4mcg/mlで試験された。

0053

表2は、クラスDESBL産生菌に対する、メロペネムの式(I)の化合物(Mはナトリウム)との組合せに対応するデータを詳細に示している。カルバペネムに対して高い耐性を与えるクラスD ESBL産生病原菌は、それに対処することができる治療オプション極端に制限するため、臨床現場における治療上の問題である。見ての通り、本発明の化合物を使用することにより、抗菌剤(この場合はメロペネム)のMIC値が顕著に減少した。この結果はまた、抗菌剤が薬学的に有効な量の式(I)の化合物、光学異性体又はその薬学的に許容可能な塩と同時投与された場合に、本発明の化合物が抗菌剤の抗菌効果を増大させることを示唆するものである。

0054

表2。メロペネムとの組み合わせによるWCK4234の、クラスDESBL産生菌に対する相対的活性



全ての阻害剤は、それらが自身単独では抗菌活性を示さない、4mcg/mlで試験された。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩。

(式中、Mはカチオンである)
〔2〕前記〔1〕に記載された化合物であって、
Mは、水素、ナトリウム、又はカリウムである
化合物。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載された化合物を含む、医薬組成物。
〔4〕薬学的に有効な量の前記〔1〕又は〔2〕に記載された化合物を対象に投与すること、を含む、
対象内の細菌感染の予防又は治療方法。
〔5〕対象内の細菌感染の予防又は治療方法であって、
前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、
前記方法は、薬学的に有効な量の前記〔1〕又は〔2〕に記載された化合物を前記対象に投与すること、を含む
方法。
〔6〕対象内の細菌感染の予防又は治療方法であって、
前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の前記〔3〕に記載された医薬組成物を投与すること、を含む、
方法。
〔7〕対象内の細菌感染の予防又は治療方法であって、
前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、
前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の前記〔3〕に記載された医薬組成物を投与すること、を含む
方法。
〔8〕前記〔3〕に記載された医薬組成物であって、
更に、
少なくとも1の抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩を含む、
医薬組成物。
〔9〕対象内の細菌感染の予防又は治療方法であって、
前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の、
(a)前記〔1〕に記載された式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と、
(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩と、
を投与することを含む
方法。
〔10〕対象内の細菌感染の予防又は治療方法であって、
前記感染は、1以上のβラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因するものであり、
前記方法は、前記対象に、薬学的に有効な量の、
(a)前記〔1〕に記載された式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と、
(b)少なくとも1つの抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩と、
を投与することを含む
方法。
〔11〕対象内で抗菌剤の抗菌効果を増大させる方法であって、
前記方法は、前記抗菌剤又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に有効な量の前記〔1〕に記載された式(I)の化合物、又はその光学異性体又は薬学的に許容可能な塩と同時投与すること、を含む
方法。
〔12〕抗菌剤がβラクタム抗菌剤である、
前記〔8〕に記載された医薬組成物、又は、前記〔9〕乃至〔11〕のいずれかに記載された方法。
〔13〕前記抗菌剤は、ペニシリン、ペネム、カルバペネム、セファロスポリン、及びモノバクタムからなる群から選ばれる、
前記〔8〕に記載された医薬組成物、又は、前記〔9〕乃至〔11〕のいずれかに記載された方法。
〔14〕抗菌剤が、セファロチン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セファレキシン、セフラジン、セフチゾキシム、セフォキシチン、セファセトリル、セフォチアム、セフォタキシム、セフスロジン、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セファログリシン、セフォニシド、セフォジジム、セフピロム、セフタジジム、セフトリアキソン(ceifriaxone)、セフピラミド、セフブペラゾン、セフォゾプラン、セフェピム、セフォセリス、セフルプレナム、セフゾナム、セフピミゾール、セフクリジン(cefclidin)、セフィキシム、セフチブテン、セフジニル、セフポドキシムアキセチル(cefpodoxime axetil)、セフポドキシムプロキセチルセフテラムピボキシル、セフェタメトピボキシルセフカペンピボキシルまたはセフジトレンピボキシル、セフロキシム、セフロキシムアキセチル、ロラカルバセフ(loracarbacef)、セフタロリン、セフトロザン、及びラタモキセフからなる群から選ばれるセファロスポリン抗生物質である、前記〔8〕に記載された医薬組成物、又は、前記〔9〕乃至〔11〕のいずれかに記載された方法。
〔15〕抗菌剤が、セフタジジム、セフェピム、セフピロム、ピペラシリン、エルタペネム、ドリペネム、メロペネム、イミペネム、セフタロリン及びセフトロザンからなる群から選ばれる、前記〔8〕に記載された医薬組成物、又は、前記〔9〕乃至〔11〕のいずれかに記載された方法。

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