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技術 車両用電力供給システム

出願人 長田通商株式会社
発明者 竹花裕樹
出願日 2014年8月22日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-169398
公開日 2016年4月4日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-043804
状態 特許登録済
技術分野 車両用電気・流体回路 直流の給配電
主要キーワード センサー電源 アクセサリー機器 各電装機器 退避制御 バッテリーレス 車両電装品 燃料噴射量データ 電動スタータ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

オルタネータ小型軽量化を図ることができると共に、車両の加速性、登性等の性能向上、燃費の向上、排ガス清浄化を図ることができ、またバッテリーレス式の車両における効率的な電力供給を実現できる車両用電力供給システムの提供を課題とする。

解決手段

車載された電装機器に対して電力を供給する車両用電力供給システム1であって、各電装機器負荷状況に応じて各電装機器への電力分配量を制御部31が算出すると共に、制御部31が算出した電力分配量に基づいて、オルタネータ10が発電した電力を電力分配供給部22、23が各電装機器に分配供給する電力分配供給手段を備える車両用電力供給システムである。

概要

背景

北米欧諸国では、冬季積雪期間中の重要な交通輸送手段としてスノーモービルが広く使われている。一般道路外れて、の降り積もった丘陵地や山間部を走行する必要から、エンジン及び車体の軽量化が最優先事項とされ、エンジンは軽量高出力の2サイクルガソリンエンジンで、始動には電動スタータを用いない手動スタータリコイルスタータ)によるものが殆どである。
そしてエンジン及び車両電装品に必要な電力は、エンジンに搭載したオルタネータ交流発電機)で発電し、レギュレータにより電圧を調整し、一部は直流整流して必要機器に直接供給する方式とし、軽量化の観点からバッテリーを搭載しないバッテリーレス方式とするのが一般的であった。
近年、スノーモービルを含めた車両に搭載される電装機器負荷は増加の一途を辿る傾向にある為、各電装機器への電力供給を効率的に行うことにより、エンジンに加わる発電負荷を軽減し、燃料経済性を向上させることが重要な開発課題とされている。
このような課題を解決するための技術として、下記特許文献1、2に示すものがある。

概要

オルタネータの小型軽量化をることができると共に、車両の加速性、登性等の性能向上、燃費の向上、排ガス清浄化をることができ、またバッテリーレス式の車両における効率的な電力供給を実現できる車両用電力供給システムの提供を課題とする。車載された電装機器に対して電力を供給する車両用電力供給システム1であって、各電装機器の負荷状況に応じて各電装機器への電力分配量を制御部31が算出すると共に、制御部31が算出した電力分配量に基づいて、オルタネータ10が発電した電力を電力分配供給部22、23が各電装機器に分配供給する電力分配供給手段を備える車両用電力供給システムである。

目的

本発明は上記従来における問題点を解決し、オルタ—ネータの小型軽量化を図ることができると共に、車両の加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上、排ガスの清浄化を図ることができ、またバッテリーレス式の車両における効率的な電力供給を実現できる車両用電力供給システムの提供を課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車載された電装機器に対して電力を供給する車両用電力供給システムであって、各電装機器負荷状況に応じて各電装機器への電力分配量を制御部が算出すると共に、前記制御部が算出した電力分配量に基づいて、オルタネータ発電した電力を電力分配供給部が前記各電装機器に分配供給する電力分配供給手段を備えることを特徴とする車両用電力供給システム。

請求項2

電力分配供給部は、オルタネータに備えられた第1の巻線によって発電される電力を第1の電装機器群に供給する第1電力供給部に設けられ、制御部は、前記オルタネータに備えられた第2の巻線によって発電される電力を第2の電装機器群に供給する第2電力供給部に設けられ、且つ前記制御部及び前記電力分配供給部は、エンジン始動時には相互に連携した動作を停止すると共に、前記第1電力供給部及び前記第2電力供給部は、前記第1の巻線と前記第2の巻線とがそれぞれ発電する電力をエンジン始動に必要な電装機器に集中的に供給することを特徴とする請求項1に記載の車両用電力供給システム。

請求項3

制御部が算出する電力分配量は、運転状況に応じて算出される各電装機器の負荷に対応する分配率と、電力消費量に影響を与える因子に対応する係数とに基づいて求めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力供給システム。

請求項4

スノーモービル用のバッテリーレス式の車両用電力供給システムである請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用電力供給システム。

技術分野

0001

本発明は、車両用電力供給システムに関する。

背景技術

0002

北米欧諸国では、冬季積雪期間中の重要な交通輸送手段としてスノーモービルが広く使われている。一般道路外れて、の降り積もった丘陵地や山間部を走行する必要から、エンジン及び車体の軽量化が最優先事項とされ、エンジンは軽量高出力の2サイクルガソリンエンジンで、始動には電動スタータを用いない手動スタータリコイルスタータ)によるものが殆どである。
そしてエンジン及び車両電装品に必要な電力は、エンジンに搭載したオルタネータ交流発電機)で発電し、レギュレータにより電圧を調整し、一部は直流整流して必要機器に直接供給する方式とし、軽量化の観点からバッテリーを搭載しないバッテリーレス方式とするのが一般的であった。
近年、スノーモービルを含めた車両に搭載される電装機器負荷は増加の一途を辿る傾向にある為、各電装機器への電力供給を効率的に行うことにより、エンジンに加わる発電負荷を軽減し、燃料経済性を向上させることが重要な開発課題とされている。
このような課題を解決するための技術として、下記特許文献1、2に示すものがある。

先行技術

0003

特開平9−261887号公報
特開2006−205867号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1の技術は、車両用電源分配装置における発電制御装置に関する発明で、電源変動による電装機器の誤作動を防止できるメリットがある。
また上記特許文献2の技術は、電力供給システム及び電力供給制御方法に関する発明で、電装機器の動作停止を極力回避して、電装機器の動作停止に伴う乗員の不快感を低減させるメリットがある。
しかし上記特許文献1、2は、あくまでバッテリーとオルタネータとを備える車両用のシステムに関する発明であり、バッテリーレス式の車両には適用することできないという問題があった。

0005

そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、オルタ—ネータの小型軽量化を図ることができると共に、車両の加速性、登性等の性能向上、燃費の向上、排ガス清浄化を図ることができ、またバッテリーレス式の車両における効率的な電力供給を実現できる車両用電力供給システムの提供を課題とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を達成するため、本発明の車両用電力供給システムは、車載された電装機器に対して電力を供給する車両用電力供給システムであって、各電装機器の負荷状況に応じて各電装機器への電力分配量を制御部が算出すると共に、前記制御部が算出した電力分配量に基づいて、オルタネータが発電した電力を電力分配供給部が前記各電装機器に分配供給する電力分配供給手段を備えることを第1の特徴としている。
また本発明の車両用電力供給システムは、上記第1の特徴に加えて、電力分配供給部は、オルタネータに備えられた第1の巻線によって発電される電力を第1の電装機器群に供給する第1電力供給部に設けられ、制御部は、前記オルタネータに備えられた第2の巻線によって発電される電力を第2の電装機器群に供給する第2電力供給部に設けられ、且つ前記制御部及び前記電力分配供給部は、エンジン始動時には相互に連携した動作を停止すると共に、前記第1電力供給部及び前記第2電力供給部は、前記第1の巻線と前記第2の巻線とがそれぞれ発電する電力をエンジンの始動に必要な電装機器に集中的に供給することを第2の特徴としている。
また本発明の車両用電力供給システムは、上記第1又は第2の特徴に加えて、制御部が算出する電力分配量は、運転状況に応じて算出される各電装機器の負荷に対応する分配率と、電力消費量に影響を与える因子に対応する係数とに基づいて求めることを第3の特徴としている。
また本発明の車両用電力供給システムは、上記第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、スノーモービル用のバッテリーレス式の車両用電力供給システムであることを第4の特徴としている。

発明の効果

0007

上記第1の特徴による車両用電力供給システムによれば、車載された電装機器に対して電力を供給する車両用電力供給システムであって、各電装機器の負荷状況に応じて各電装機器への電力分配量を制御部が算出すると共に、前記制御部が算出した電力分配量に基づいて、オルタネータが発電した電力を電力分配供給部が前記各電装機器に分配供給する電力分配供給手段を備えるようにしたので、オルタネータが発電した電力を各電装機器の負荷状況に応じて無駄なく効率的に供給することができる。よって各電装機器が必要とする以上の電力を発電する必要がなくなり、オルタネータの小型軽量化を実現することができる。これによって車両の小型軽量化を実現することができ、車両の加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上を図ることができる。また排ガス、排熱を削減することができ、環境負荷を低減することができる。
また上記第2の特徴による車両用電力供給システムによれば、上記第1の特徴による作用効果に加えて、電力分配供給部は、オルタネータに備えられた第1の巻線によって発電される電力を第1の電装機器群に供給する第1電力供給部に設けられ、制御部は、前記オルタネータに備えられた第2の巻線によって発電される電力を第2の電装機器群に供給する第2電力供給部に設けられ、且つ前記制御部及び前記電力分配供給部は、エンジン始動時には相互に連携した動作を停止すると共に、前記第1電力供給部及び前記第2電力供給部は、前記第1の巻線と前記第2の巻線とがそれぞれ発電する電力をエンジンの始動に必要な電装機器に集中的に供給するようにしたので、エンジンの始動を確実且つ容易に行うことができる。

0008

また上記第3の特徴による車両用電力供給システムによれば、上記第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、制御部が算出する電力分配量は、運転状況に応じて算出される各電装機器の負荷に対応する分配率と、電力消費量に影響を与える因子に対応する係数とに基づいて求めることから、運転状況に合わせてオルタネータで発電される合計電力を効率的に最小限にとどめることができる。
また上記第4の特徴による車両電力供給システムによれば、上記第1〜第3の何れか1つの特徴による車両用電力供給システムを用いたスノーモービル用のバッテリーレス式の車両用電力供給システムであるので、バッテリーレス式の車両における効率的な電力供給を実現することができる。またスノーモービルの軽量化を実現することができ、加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上を図ることができるスノーモービルとすることができる。また排ガス、排熱を削減することができ、環境負荷を低減することができるスノーモービルとすることができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の実施形態に係る車両用電力供給システムの概略構成を示すブロック図で、エンジン始動時の状態を示す図である。
本発明の実施形態に係る車両用電力供給システムの概略構成を示すブロック図で、通常運転時の状態を示す図である。
従来の車両用電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。

実施例

0010

以下、各図面を参照して、本発明の実施形態に係る車両用電力供給システムを説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではない。

0011

先ず図1、2を参照して、本発明の実施形態に係る車両用電力供給システム1は、ガソリンエンジンを備えるスノーモービルに搭載した複数の負荷に対して電力を供給するためのシステムである。なお、以下においては本発明の主要な構成要素を詳細に説明するものとし、ガソリンエンジンを備えるスノーモービルに通常搭載されている各種機器の説明は省略するものとする。

0012

この車両用電力供給システム1は、図1図2に示すように、オルタネータ10と、第1電力供給部20と、第2電力供給部30と、第1の電装機器群40と、第2の電装機器群50とから構成される。
なお図1図2において、実線電源線破線信号線を意味するものである。ここで、信号線は説明の便宜上、本発明の実施形態における特徴的な信号線のみを示し、その他の信号線は省略することとする。

0013

前記オルタネータ10は、図示しないエンジンのクランク軸直結して駆動されて複数の電装機器に対して電力を供給するための電源である。本実施形態においては、図1図2に示すように、第1巻線11と第2巻線12との二つの巻線を備える構成としてある。

0014

前記第1電力供給部20は、オルタネータ10が発電した電力を第1の電装機器群40に供給するための、いわゆるレギュレータに該当するもので、主として調整・整流部21と、電力分配供給部22、23とで構成される。

0015

前記調整・整流部21は、交流発電機であるオルタネータ10が発電した電力を一定の値に維持すると共に、直流機器用に整流するためのものである。

0016

前記電力分配供給部22、23は、調整・整流部21よりも川下側に配置されて、後述する制御部31がエンジン始動後に算出した電力分配量に基づいて、オルタネータ10が発電した電力を所定の電装機器群に分配供給するためのものである。本実施形態においては、この電力分配供給部22、23は、いわゆるインテリジェントパワーデバイス(Intelligent Power Device)で構成されており、制御部31からの制御信号によってその動作を行う。より具体的には、エンジン始動後に制御部31が通常運転時に移行したと判断した後に発する制御信号によって、その動作を行う。つまりエンジン始動時においては、この電力分配供給部22、23は動作を停止した状態となる。なお、ここで「通常運転時」とは、エンジンの回転速度を検出するセンサー(図示しない)が900rpm(Revolution Per Minute)以上の回転速度を計測した時を意味するものとする。

0017

前記第2電力供給部30は、エンジンの駆動制御を行う、いわゆるECU(Engine Control Unit)に該当し、オルタネータ10が発電した電力を第2の電装機器群50に供給すると共に、通常運転時において第1巻線11が発電した電力を電力分配供給部22、23で効率的に分配供給するための指示を行うためのもので、本発明の実施形態で使用する主な箇所として制御部31と、調整・整流部32と、記憶部33がある。

0018

前記制御部31は、CPU(Central Processing Unit)を内蔵し、主として図示しないエンジン各部や車体各所に取り付けたセンサー(図示しない)からの情報を基に、エンジン点火時期燃料噴射時期噴射量、排気制御デバイス開度を制御すると共に、通常運転時に車体側電装品等の負荷状況を検知して、電力分配供給部22、23が供給する電力の制御を行うためのものである。

0019

本実施形態においては、エンジン始動時の制御に加えて、通常運転時の運転状況(負荷状況)において必要電力が変化する電装機器(後述するエンジン電装機器42と車体電装機器43)へ供給する電力量を制御部31が制御する構成としてある。
具体的には、運転状況に応じて算出される各電装機器(エンジン電装機器42と車体電装機器43)に対応する分配率と、電力消費量に影響を与える因子に対応する係数とに基づいて予め各電装機器(エンジン電装機器42と車体電装機器43)への電力分配率を算出し、この電力分配率をいわゆるキャリブレーションマップ(Calibration Map)として記憶部33に記憶させる。そしてキャリブレーションマップを用いて、通常運転時の各電装機器(エンジン電装機器42と車体電装機器43)に対する最適な電力分配量を制御部31が求める。その後、通常運転時に第1巻線11が発電した電力のうち、後述する燃料ポンプ41に供給する電力を差し引いた残りの電力を制御部31が求めた電力分配量で各電装機器(エンジン電装機器42と車体電装機器43)に分配供給するように、制御部31が電力分配供給部22、23に制御信号を送信する構成としてある。つまり、制御部31と電力分配供給部22、23とで本発明の電力分配供給手段が構成されている。なお本実施形態においては、エンジン始動時には制御部31と電力分配供給部22、23とは相互に連携した動作を行わず、通常運転時にのみ制御部31と電力分配供給部22、23とが相互に連携した動作を行う構成としてある。
ここで「運転状況に応じて算出される各電装機器に対応する分配率」とは、エンジン回転速度やスロットル開度等の通常運転時の車体の運転状況に応じて変化する、エンジンを駆動するために必要な電力量と車体電装機器を駆動するために必要な電力量とを用いて算出される各電装機器(エンジン電装機器42と車体電装機器43)に対する分配率のことを意味するものである。また「電力消費量に影響を与える因子」とは、気温気圧冷却水温などの環境因子のことを意味するものである。
また本実施形態においては、制御部31はオルタネータ10の二つの巻線11、12の出力電圧と第1電力供給部20の出力電圧とを常時モニターする構成としてある。

0020

前記調整・整流部32は、交流発電機であるオルタネータ10が発電した電圧を一定の値に維持すると共に、直流機器用に整流するためのものである。

0021

前記記憶部33は、予め算出された電力分配率に関するキャリブレーションマップデータや、気温、気圧、冷却水温等の各センサー情報に基づいて予め算出された燃料噴射量データ点火時期データ等の各種データを格納しておくためのものである。

0022

前記第1の電装機器群40は、オルタネータ10の第1巻線11が発電した電力が供給される複数の電装機器で、図1図2に示すように、燃料を供給するための燃料ポンプ41と、エンジン電装機器42と、車体電装機器43とで構成される。

0023

前記エンジン電装機器42は、エンジンを駆動するために必要な負荷のことで、例えばオイルポンプ、排気制御デバイス、運転計器等が含まれる。

0024

前記車体電装機器43は、運転者の利便性視認性を確保したり周囲に対して車両の挙動を知らせたりするための電装機器、例えばヘッドランプスピードメーターストップランプ等と、運転者の快適性確保のためのアクセサリー機器、例えばハンドウォーマー等が含まれる。

0025

前記第2の電装機器群50は、オルタネータ10の第2巻線12によって発電された電力が供給される複数の電装機器で、図1図2に示すように点火系統機器51と、燃料噴射系統機器52と、制御系統機器53とで構成される。

0026

前記点火系統機器51は、燃焼室内の燃料と空気の混合気に適切な時期に点火するために必要な機器のことで、例えば点火コイル等が含まれる。

0027

前記燃料噴射系統機器52は、適切な量の燃料を適切な時期に噴射するために必要な機器のことで、例えば燃料噴射ポンプ等が含まれる。

0028

前記制御系統機器53は、エンジン及び車体の制御に必要な機器のことで、例えばセンサー電源等が含まれる。

0029

次に、このような構成からなる本発明の実施形態に係る車両電力分配システム1の具体的な動作を説明する。

0030

[エンジン始動時]
まず図1を参照して、運転者が図示しないプーリー巻き付けられたロープを引いてクランクシャフトに回転を与えることによって(いわゆるリコイルスターター方式)、オルタネータ10が発電を開始する。
この際、クランク軸回転数は300rpm程度までしか上昇しないことから、オルタネータ10が発電できる電力は極めて限られた量となる。
よって本実施形態においては、第1巻線11で発電した電力は、第1電力供給部20の調整・整流部21を介して、燃料ポンプ41に集中的に供給される構成としてある。また第2巻線12で発電した電力は、第2電力供給部30における調整・整流部32を介して、点火系統機器51、燃料噴射系統機器52、制御系統機器53に供給される構成としてある。この際、既述したように制御部31と電力分配供給部22、23とが相互に連携した動作は行われない。
即ち本実施形態においては、エンジン始動時に第1巻線11と第2巻線12でそれぞれ発電した全電力を、エンジン始動用の各電装機器に集中的に供給する構成としてある。

0031

[エンジン始動後]
エンジン始動後に制御部31が通常運転に移行したと判断した後においては、既述したエンジン始動時に行われる電力供給に加えて、制御部31と電力分配供給部22、23とが相互に連携した動作が開始され、車両走行時に必要な各電装機器への給電が開始される。
具体的には図2に示すように、まず運転状況によって随時変化するエンジン回転速度、スロットル開度、冷却水温、気温、気圧等のセンサー情報に基づいて予め作成されたキャリブレーションマップを用いて、制御部31がエンジン電装機器42と車体電装機器43とのそれぞれに供給する電力の最適分配量を決定する。そして、その分配量に基づいた電力がエンジン電装機器42と車体電装機器43とに供給されるように制御部31が電力分配供給部22、23に制御信号を送信する。これによって、第1巻線11で発電され調整・整流部21に送られてきた電力の一部(燃料ポンプ41に供給される電力以外の電力)が電力分配供給部22、23でエンジン電装機器42と車体電装機器43とに分配供給される。

0032

このような構成からなる車両用電力供給システム1は以下の効果を奏する。
電力分配供給部22、23は、オルタネータ10に備えられた第1巻線11によって発電される電力を第1の電装機器群40に供給する第1電力供給部20に設けられ、制御部31は、オルタネータ10に備えられた第2巻線12によって発電される電力を第2の電装機器群50に供給する第2電力供給部30に設けられ、且つ電力分配供給部22、23及び制御部31は、エンジン始動時には相互に連携した動作を停止すると共に、第1電力供給部20及び第2電力供給部30は、第1巻線11と第2巻線12とがそれぞれ発電する電力をエンジンの始動に必要な燃料ポンプ41と第2の電装機器群50に集中的に供給する構成とすることで、いわゆるリコイルスターター方式のエンジンであっても、エンジンの始動を効率的且つ容易に行うことができる。

0033

またエンジン始動後の通常運転時には、電装機器の負荷状況に応じてエンジン電装機器42と車体電装機器43への電力分配量を制御部31が算出すると共に、制御部31が算出した電力分配量に基づいて、オルタネータ10で発電される電力を電力分配供給部22、23がエンジン電装機器42と車体電装機器43とに分配供給する構成とすることで、エンジン電装機器42と車体電装機器43に供給する電力を発電する巻線を一つの巻線に集約することができると共に、オルタネータ10(第1巻線11)が発電した電力をエンジン電装機器42、車体電装機器43の負荷状況に応じて無駄なく効率的に供給することができる。よって、エンジン電装機器42、車体電装機器43が必要とする以上の電力を発電する必要がなくなり、オルタネータ10の小型軽量化を実現することができる。これによって車両の小型軽量化を実現することができ、車両の加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上を図ることができる。また排ガス、排熱を削減することができ、環境負荷を低減することができる。

0034

また制御部31が算出する電力分配量は、運転状況に応じて算出されるエンジン電装機器42、車体電装機器43に対応する分配率と、電力消費量に影響を与える因子に対応する係数とに基づいて予め記憶部33に格納されたキャリブレーションマップを用いて求める構成とすることで、運転状況に合わせてオルタネータ10で発電される合計電力を効率的に最小限に削減することができる。

0035

また制御部31がオルタネータ10の各巻線11、12の出力電圧と第1電力供給部20の出力電圧とを常時モニターする構成とすることで、電気系統に異常が発生した場合に、不具合発生箇所の特定と必要な退避制御を迅速に実施することができる。

0036

このような構成の車両電力供給システム1をスノーモービル用のバッテリーレス式の車両用電力供給システムとして用いることで、スノーモービルの軽量化を実現することができ、加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上を図ることができるスノーモービルとすることができる。また排ガス、排熱を削減することができ、環境負荷を低減することができるスノーモービルとすることができる。

0037

つまり、従来のスノーモービル用の車両用電力供給システム2においては、図3に示すように、エンジンの運転に必要なオイルポンプを含めたエンジン電装機器7用の電力を発電する第1巻線3aと、車体側の灯火類及びハンドウォーマー等の車体電装機器8用の電力を発電する第2巻線3bと、エンジンの点火系統機器、燃料噴射系統機器とそれを制御するECU用電力等の燃料・制御電装機器9用の電力を発電する第3巻線3cとの三つの巻線をオルタネータ3に備える構成とするものが一般的であった。
このような構成の車両用電力供給システムにおいては、3種類の異なる巻線で個別に発電する構成であるために、運転状況によっては巻線に対して電装機器により要求される以上の電力を発電することが生じる。このように過剰な電力が発電された場合、第1電力供給部4、第2電力供給部5、第3電力供給部6においては、電圧上昇を防ぐために電力を消費して電圧降下を発生させる事で、電装機器に掛かる電圧が一定になるように調整する。よって消費した電力は熱となり、放熱により廃却されることとなる。これは、エンジンが発電用に消費した燃料中の熱エネルギーの一部を無駄に廃棄していることであり、燃料経済性と環境上、問題であった。

0038

また3種類の異なる巻線のそれぞれに接続された負荷の最大要求電力を巻線毎に満たす必要があることから、オルタネータ3の合計出力には十分に余裕を持たせる必要があり、オルタネータ3の寸法、重量が大きくなることで車両の軽量化を実現することができないという問題があった。またエンジンに加わる合計発電負荷が増大することから、車両走行上の加速性能登坂性能を低下させる原因となるという問題があった。

0039

よって本発明の実施形態に係る車両用電力供給システム1の構成とすることで、オルタ—ネータ10の小型軽量化を図ることができると共に、車両の加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上及びそれら向上による排ガスの削減を実現することが可能となる。

0040

なお本実施形態においては、電力分配供給部を二つ設ける構成としたが、このような構成に限るものではなく、電力分配供給部の数は二つ以上であれば適宜変更可能である。

0041

本発明によれば、オルタ—ネータの小型軽量化を図ることができると共に、車両の加速性、登坂性等の性能向上、燃費の向上及びそれら向上による排ガスの削減を実現することができ、特にスノーモービル等のバッテリーレス式の車両分野における産業上の利用性が高い。

0042

1車両用電力供給システム
2 車両用電力供給システム
3オルタネータ
3a 第1巻線
3b 第2巻線
3c 第3巻線
4 第1電力供給部
4a 調整・整流部
5 第2電力供給部
5a 調整・整流部
6 第3電力供給部
6a 調整・整流部
7エンジン電装機器
8 車体電装機器
9燃料・制御電装機器
10 オルタネータ
11 第1巻線
12 第2巻線
20 第1電力供給部
21 調整・整流部
22電力分配供給部
23 電力分配供給部
30 第2電力供給部
31 制御部
32 調整・整流部
33 記憶部
40 第1の電装機器群
41燃料ポンプ
42 エンジン電装機器
43 車体電装機器
50 第2の電装機器群
51点火系統機器
52燃料噴射系統機器
53制御系統機器

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