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技術 風味劣化が抑制された油脂

出願人 日清オイリオグループ株式会社
発明者 安藤雅崇遠藤世里子村上祥子小笠勇馬
出願日 2014年8月21日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-168350
公開日 2016年4月4日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2016-042814
状態 特許登録済
技術分野 食用油脂
主要キーワード 低温劣化 低温戻り 製パン製品 物理精製 低温保管 加熱混合溶解 バウムクーヘン シュトーレン
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

本発明の課題は、低温下での保管時におけるパーム系油脂風味劣化を抑制する方法、及び、低温保管における風味劣化が抑制されたパーム系油脂を含有する油脂を提供することである。

解決手段

構成脂肪酸炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で混合することを特徴とするパーム系油脂の風味劣化抑制方法、及び、構成脂肪酸が炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で含有することを特徴とする油脂。

概要

背景

油脂の風味や安定性等の品質の低下には様々な要素が関係しており、それぞれの要素に応じた改善方法報告されている。また、油脂中の品質の低下に伴い発生する微量成分についても多数報告されている。

油脂の品質の低下の要素としては、油脂の自動酸化による酸敗がよく知られており、酸敗による油脂の劣化を抑制するために、精製された油脂は低温化で保管される。
しかし、パーム系油脂に関しては、低温保管時において、油脂の風味の劣化を引き起こす「戻り物質」が生成することが知られている。「戻り物質」に関して詳細は知られていないものの、この物質がパーム系油脂に存在することにより、パーム系油脂の風味が精製前の状態に戻り、「戻り臭」と呼ばれる風味劣化が引き起こされる。
このような風味劣化したパーム系油脂を使用した場合、揚げ物クリーム等の品質を損なうことがあった。

このようなパーム系油脂の低温保管における風味劣化を防止することを目的として、パーム系油脂類に、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はフェルラ酸エステルを添加する方法(例えば、特許文献1)や、ポリソルベートを添加する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。しかし、これらの方法は、添加された各種の乳化剤が、パーム系油脂を使用した食品の風味や物性に悪い影響を与えることもあり、十分な解決方法ではなかった。

以上のような背景から、低温保管における風味劣化が抑制され、従来のパーム系油脂の食品用途を妨げないパーム系油脂の開発が望まれていた。

概要

本発明の課題は、低温下での保管時におけるパーム系油脂の風味劣化を抑制する方法、及び、低温保管における風味劣化が抑制されたパーム系油脂を含有する油脂を提供することである。構成脂肪酸炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で混合することを特徴とするパーム系油脂の風味劣化抑制方法、及び、構成脂肪酸が炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で含有することを特徴とする油脂。なし

目的

以上のような背景から、低温保管における風味劣化が抑制され、従来のパーム系油脂の食品用途を妨げないパーム系油脂の開発が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

構成脂肪酸炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で含有することを特徴とする油脂。

請求項2

前記中鎖脂肪酸トリグリセリドが、構成脂肪酸として炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸とを質量比で50:50〜80:20の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載の油脂。

請求項3

前記パーム系油脂が、パーム油及びパームミッドフラクションから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油脂。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の油脂を使用した食品

請求項5

構成脂肪酸が炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で混合することを特徴とするパーム系油脂の風味劣化抑制方法

技術分野

0001

本発明は、中鎖脂肪酸トリグリセリドパーム系油脂とを含み、該パーム系油脂の低温保管における風味劣化が抑制された油脂に関する。

背景技術

0002

油脂の風味や安定性等の品質の低下には様々な要素が関係しており、それぞれの要素に応じた改善方法報告されている。また、油脂中の品質の低下に伴い発生する微量成分についても多数報告されている。

0003

油脂の品質の低下の要素としては、油脂の自動酸化による酸敗がよく知られており、酸敗による油脂の劣化を抑制するために、精製された油脂は低温化で保管される。
しかし、パーム系油脂に関しては、低温保管時において、油脂の風味の劣化を引き起こす「戻り物質」が生成することが知られている。「戻り物質」に関して詳細は知られていないものの、この物質がパーム系油脂に存在することにより、パーム系油脂の風味が精製前の状態に戻り、「戻り臭」と呼ばれる風味劣化が引き起こされる。
このような風味劣化したパーム系油脂を使用した場合、揚げ物クリーム等の品質を損なうことがあった。

0004

このようなパーム系油脂の低温保管における風味劣化を防止することを目的として、パーム系油脂類に、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はフェルラ酸エステルを添加する方法(例えば、特許文献1)や、ポリソルベートを添加する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。しかし、これらの方法は、添加された各種の乳化剤が、パーム系油脂を使用した食品の風味や物性に悪い影響を与えることもあり、十分な解決方法ではなかった。

0005

以上のような背景から、低温保管における風味劣化が抑制され、従来のパーム系油脂の食品用途を妨げないパーム系油脂の開発が望まれていた。

先行技術

0006

特開2003−55687号公報
特開2005−168482号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、低温下での保管時におけるパーム系油脂の風味劣化(以下、低温戻りともいう)を抑制する方法、及び低温保管における風味劣化が抑制されたパーム系油を含有する油脂を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、パーム系油脂に特定の含有量となるように中鎖脂肪酸トリグリセリドを配合することで、低温下での保管時におけるパーム系油脂の風味劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。

0009

(1)構成脂肪酸炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で含有することを特徴とする油脂。
(2)前記中鎖脂肪酸トリグリセリドが、構成脂肪酸として炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸とを質量比で50:50〜80:20の割合で含有することを特徴とする(1)に記載の油脂。
(3)前記パーム系油脂が、パーム油及びパームミッドフラクションから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の油脂。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の油脂を使用した食品。
(5)構成脂肪酸が炭素数6〜10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと、パーム系油脂とを質量比で0.1:99.9〜10:90の割合で混合することを特徴とするパーム系油脂の風味劣化抑制方法

発明の効果

0010

本発明によれば、低温下での保管時におけるパーム系油脂の風味劣化を抑制する方法、及び、低温保管における風味劣化が抑制されたパーム系油脂を含有する油脂を提供することができる。ここで、本発明における風味劣化(低温戻り)の抑制とは、パーム系油脂の低温保管において、経時的な風味劣化を抑制するだけでなく、該風味劣化をマスキングする効果も含むものである。

0011

以下に本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。

0012

[中鎖脂肪酸トリグリセリド]
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、一般にMCT(Medium Chain Triglycerides)と称されるもので、本発明に使用する中鎖脂肪酸トリグリセリドは、ヤシ油分解脂肪酸等の炭素数6〜10、好ましくは8〜10の中鎖脂肪酸から構成されるトリグリセリドである。
炭素数6〜10の中鎖脂肪酸としては、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸n−オクタン酸、n−ノナン酸、及びn−デカン酸が挙げられるが、炭素数が偶数飽和脂肪酸が好ましく、炭素数が8及び/又は10の飽和脂肪酸(n−オクタン酸及び/又はn−デカン酸)がより好ましい。中鎖脂肪酸は、ヤシ油やパーム核油等を加水分解することにより得ることができる。

0013

本発明に使用する中鎖脂肪酸トリグリセリドは、全構成脂肪酸中の炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸との質量比(炭素数8:炭素数10)が、50:50〜80:20が好ましく、55:45〜75:25がより好ましく、55:45〜65:35が最も好ましい。炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸との質量比が前記の範囲にあると、良好な低温戻り抑制効果が得られる。
また、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドは、1分子のトリグリセリド中に炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸とを混在して含む混酸基トリグリセリドを含有することが好ましい。

0014

本発明に使用する中鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品としては、中鎖脂肪酸トリグリセリドの全構成脂肪酸中の炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸との質量比が75:25であり、かつ、炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸との混酸基トリグリセリドを含有する中鎖脂肪酸トリグリセリドである、日清オイリグループ(株)製の食用油脂商品名:ODO)、また、中鎖脂肪酸トリグリセリドの全構成脂肪酸中の炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸との質量比が60:40であり、かつ、炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸との混酸基トリグリセリドを含有する中鎖脂肪酸トリグリセリドである、日清オイリオグループ(株)製の食用油脂(商品名:スコレー64G)等が挙げられる。

0015

中鎖脂肪酸トリグリセリドの製造方法は、特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、炭素数8の中鎖脂肪酸と炭素数10の中鎖脂肪酸とを構成脂肪酸とするMCTは、ヤシ油やパーム核油由来の炭素数8の中鎖脂肪酸及び炭素数10の中鎖脂肪酸とグリセリンとをエステル化反応させることにより得ることができる。

0016

[パーム系油脂]
本発明に使用するパーム系油脂は、パーム油、パーム油の分別油及びそれらの加工油硬化エステル交換及び分別のうち1以上の処理がなされたもの)である。より具体的には、1段分別油であるパームオレインパームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)、パームステアリン(ハードステアリン)等が例示できる。また、それらの1種以上とパーム系油脂以外の油脂との混合油原料油としたエステル交換油硬化油の場合、原料油脂中のパーム系油脂含量に応じた量をパーム系油脂として扱う。パーム系油脂は、食用油脂の製造において通常行われる、脱ガム脱酸、脱色、脱臭等の精製処理を施すことにより、食用に供される。パーム核油は、パームの種子から搾油される油脂であるが、パーム油とは特性が異なり、本発明に使用するパーム系油脂にはパーム核油由来の油脂は含まない。

0017

また、本発明に使用するパーム系油脂は、RBD油を再精製したものを含んでいてもよい。パーム系油脂は、主にマレーシアインドシアなどの国で生産されており、パームの果肉から搾油した原油に、現地において物理精製(RBD: Refined Bleached Deodorized)と呼ばれる精製処理(必要に応じて分別処理)を施したRBD油が、日本等の消費国へ輸出されている。RBD油は日本などの消費国で再び、少なくとも脱臭処理、通常は、(脱酸)、脱色、脱臭の精製処理を行ってから使用される場合が多い(再精製RBD油)。一度劣化したRBD油は、再び精製を行っても低温保管中に風味劣化を起こしやすいことが経験的に知られているが、本発明においては、このような再精製RBD油を使用しても低温保管中に風味劣化を効果的に抑制できる。
なお、本発明における低温(低温保管、低温劣化等)とは、温度が−20℃〜15℃の範囲を指すものである。

0018

本発明の油脂は、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドと前記パーム系油脂とを含有し、その質量比(中鎖脂肪酸トリグリセリド:パーム系油脂)が0.1:99.9〜10:90の割合である油脂である。前記質量比は0.1:99.9〜7:93の割合が好ましく、0.3:99.7〜7:93の割合がより好ましく、0.5:99.5〜5:95の割合がさらにより好ましく、1:99〜5:95の割合が最も好ましい。前記中鎖脂肪酸トリグリセリドと前記パーム系油脂との質量比が上記範囲にあると、良好な低温戻り抑制効果が得られる。

0019

また、本発明の油脂は、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドと前記パーム系油脂とを合計で、90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことが最も好ましい。

0020

本発明の油脂は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて通常用いられる添加剤を添加することができる。前記添加剤としては、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制等を目的としたものであって、例えば、レシチングリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート等の乳化剤、トコフェロールアスコルビン酸脂肪酸エステルリグナン茶抽出物コエンザイムQオリザノール等の抗酸化剤β−カロテン等の色素香料シリコーン等が挙げられる。前記添加剤を添加する場合は、油脂に対して3質量%以下とすることが、風味の点で好ましい。
特にレシチンを好ましくは1〜100ppm、より好ましくは1〜50ppm、さらに好ましくは3〜30ppm添加含有させると、中鎖脂肪酸トリグリセリドと相乗して、低温戻り抑制効果が得られるので好ましい。

0021

本発明の油脂は、必要に応じてその他の食用油脂と混合して、従来パーム系油脂が使用されているあらゆる食品に使用できる。ここで、前記その他の食用油脂とは、具体的には、大豆油菜種油高オレイン酸菜種油、綿実油ヒマワリ種子油、高オレイン酸ヒマワリ種子油、落花生油米糠油コーン油サフラワー油、高オレイン酸サフラワー油、オリーブ油ゴマ油イリッペ脂サル脂、シア脂、パーム核油、ヤシ油、豚脂牛脂乳脂魚油等、並びに、これらに、硬化、分別、エステル交換(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換も含む)等の加工を加えた加工油脂の中から1種あるいは2種以上を選択して使用できる。

0022

本発明の油脂は、フライ油または炒め油として、素揚げ、から揚げフライフリッター天ぷら等の揚げ物や炒め物等の加熱調理に好適に使用できる。本発明の油脂を使用した加熱調理食品の具体例としては、例えば、素揚げ、から揚げ、竜田揚げカツコロッケ、フライ、ナゲット、フリッター、天ぷら、ドーナツ、せんべい、あられ、パンビスケットクラッカークッキープレッツェルコーンチップスコーンパフコーンフレークスポップコーンポテトチップスナッツバターピーナツスナック菓子等が挙げられる。

0023

本発明の油脂は、また、ショートニングマーガリン等の可塑性油脂に加工することにより、食パン菓子パンクロワッサンデニッシュ等のパン類や、クッキー・ビスケット・ケーキ・パイ等の焼き菓子類等の製菓製パン製品に、生地折り込み或は生地練り込み用として、好適に用いることができる。本発明の油脂を生地に使用した製菓製パン食品としては、例えば、パン類(食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パンフランスパンライブレッドなど)、イースト菓子シュトーレンパネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツなど)、ペストリー(デニッシュ、クロワッサン、パイなど)、ケーキ(バターケーキスポンジ、ビスケット、クッキー、ドーナツ、ブッセ、ホットケーキワッフルバウムクーヘンなど)和菓子饅頭乳菓、蒸しパン、かすてら饅頭、どら焼き、など)麺類(うどん、そば、中華めん、パスタなど)、点心餃子焼売、饅頭、ワンタン春巻きなど)などが挙げられる。

0024

本発明の油脂は、また、食用クリームに含有される油脂として好適に使用できる。具体的な好ましい態様の1つとしては、少なくとも油脂と糖類とを練り合わせた、水を配合しない、無水クリームが挙げられる。無水クリームは、そのままで、または、適宜起泡化して、例えば、コーティングクリーム、サンドクリームフィリングクリームとして使用できる。また別の好ましい態様としては、少なくとも油脂と水とを含み、乳化された含水クリームが挙げられる。含水クリームは、O/W型、W/O型複合乳化型の何れの乳化型であっても良い。O/W型含水クリームであって、起泡化して使用される所謂ホイップクリームは、糖類を配合して起泡化することにより、もしくは、予め糖類が配合された加糖ホイップクリームを起泡化することにより、例えば、コーティングクリーム、サンドクリーム、フィリングクリームとして使用できる。また、O/W型含水クリームであって、コーヒー等の飲料に添加して使用する飲料用クリーム、あるいは、ソースルウ等に添加使用する調理用クリーム、製菓製パン生地練り込んで使用するベーカリークリームアイスクリームプリン等の冷菓に練り込んで使用する冷菓練り込み用クリーム等も、食用クリームの好ましい態様の1つである。また、O/W型含水クリームであって、さらに澱粉穀物粉に含まれる澱粉も含む)を含み、澱粉を加熱糊化することによってボデーを付与した、所謂フラワーペーストも、食用クリームの好ましい態様の1つである。また、W/O型含水クリームであって、スプレッドとして、また、製菓製パン用として使用するW/O型可塑性油脂組成物、及び、W/O型可塑性油脂組成物を起泡化させて液糖等の糖類を混ぜ合わせた、もしくは、W/O型可塑性油脂組成物に液糖等の糖類を配合して起泡させたバタークリームも、食用クリームの好ましい態様の1つである。またさらに、無水の可塑性油脂組成物(所謂ショートニング)を起泡化させて液糖類を混ぜ合わせた、もしくは、無水の可塑性油脂組成物に液糖類を配合して起泡させたものも食用クリーム(バタークリーム)の好ましい態様の1つである。

0025

本発明の油脂は、また、カレーシチュー、ハヤシホワイトソース等の加工食品に用いられるルウの油脂として好適に用いることができる。一般的にルウとは、小麦粉及び油脂を加熱混合し、必要に応じてここにカレー粉等の香辛料食塩、糖類、調味料等の副原料添加混合したものである。ルウは、固形状の固形ルウ可塑性のあるルウ、或は、流動状のペーストルウや液状ルウ、いずれの形態でもよい。また、含水物であっても良く、乳化形態は、油中水型水中油型及び二重乳化型のいずれでも構わない。本発明の油脂を使用したルウは、カレー、シチュー、ハヤシ、ホワイトソース等の加工食品に用いることができる。

0026

次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。

0027

表1及び表2に記載の比率に従い、各種原料油脂(パーム系油脂及び中鎖脂肪酸トリグリセリド)を配合した油脂(実施例1〜7、比較例1〜4)を製造した。具体的には50℃でパーム系油脂を完全に融解した後、中鎖脂肪酸トリグリセリドを添加して均一に混合し、室温まで徐冷した。なお、使用した原料油脂は下記の通りである。
〔パーム系油脂〕
・パーム油:日清オイリオグループ(株)製造品
・パームミッドフラクション:日清オイリオグループ(株)製造品
〔中鎖脂肪酸トリグリセリド〕
・MCT1:構成脂肪酸中の炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸の質量比(炭素数8:炭素数10)が75:25である中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ(株)製、商品名ODO)
・MCT2:構成脂肪酸中の炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸の質量比(炭素数8:炭素数10)が60:40である中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ(株)製、商品名スコレー64G)
・MCT3:構成脂肪酸が炭素数8の脂肪酸のみからなる中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ(株)製、商品名 スコレー8)
・MCT4:構成脂肪酸が炭素数10の脂肪酸のみからなる中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ(株)製造品)
・MCT5:構成脂肪酸が炭素数12の脂肪酸のみからなる中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ(株)製造品)

0028

上記で製造した実施例1〜7及び比較例1〜4の各油脂90gを100mLのサンプル瓶充填し、5℃暗所に保管し、保管前、2、4及び6週間後の風味評価を以下の評価基準に従って、4名のパネラーにて総合的に評価した。評価は5℃保管の各油脂を50℃で完全に融解した後、40℃に保温した状態で実施した。評価結果を表1及び表2に示す。

0029

〔評価基準〕
3 :低温戻りがなく、良好である
3−:3の評価より若干劣る
2 :低温戻りが僅かに感じられるが、賞味可能である
2−:2の評価より若干劣る
1 :低温戻りが感じられるが、賞味可能である
0 :低温戻りが強く感じられ、賞味できない

0030

0031

0032

以上の結果より、構成脂肪酸が炭素数8及び/又は10である中鎖脂肪酸トリグリセリドとパーム系油脂とを質量比5:95、質量比1:99、及び質量比0.1:99.9の割合で含有する油脂(実施例1〜7)は、5℃保管、6週間後においても低温戻りが抑制されており、賞味可能であった。
中でも、構成脂肪酸中の炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸の質量比が60:40である中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂(実施例5)は、他の中鎖脂肪酸トリグリセリドを同じ割合(1:99)で含有する油脂と比べて、4週間保管までの低温戻りの抑制効果が優れるものであった。

0033

次に、低温劣化が進み、低温戻りが感じられるパーム系油脂に対して、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有させることによる、低温戻りの抑制効果(マスキング効果)を検討した。

0034

表3に記載の比率に従い、各種原料油脂を配合した油脂(実施例8〜11、比較例5)を上記と同様に製造した。なお、低温劣化が進んだパーム系油脂は、上記のパーム油を5℃保管し、上記の評価基準で「1」まで低温劣化したパーム油を使用した。
各油脂を50℃で完全に融解した後、40℃に保温した状態で、4名のパネラーにて上記の評価基準に従って総合的に評価した。評価結果を表3に示す。

0035

0036

以上の結果より、構成脂肪酸が炭素数8及び10である中鎖脂肪酸トリグリセリドと低温劣化が進んだパーム系油脂とを質量比5:95、質量比1:99、及び質量比0.1:99.9の割合で含有する油脂(実施例8〜11)は、中鎖脂肪酸トリグリセリドのマスキング効果によって、低温戻りが抑制されていた。
中でも、構成脂肪酸中の炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸の質量比が60:40である中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂(実施例8)は、構成脂肪酸中の炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸の質量比が75:25である中鎖脂肪酸トリグリセリドを同じ割合(1:99)で含有する油脂(実施例10)と比べて、低温戻りの抑制効果が優れるものであった。

0037

コーヒーホワイトナーの製造及び評価)
上記の実施例2又は比較例2の油脂を5℃で4週間保管したものを使用し、以下の製造手順1〜6により、表4に示す配合割合(質量%)のコーヒーホワイトナーを製造した。
製造手順
1.水相原料及び油相原料をそれぞれ別々の容器を用いて、70℃で加熱混合溶解した。
2.水相原料を撹拌しながら、そこに油相原料を徐々に加え予備乳化した。
3.ホモジナイザーを用いてホモジナイズした(1段目200kg/cm3、2段目50kg/cm3)。
4.湯浴を用いて、85℃で10分間殺菌した。
5.ホモジナイザーを用いてホモジナイズした(1段目150kg/cm3、2段目50kg/cm3)。
6.氷水浴を用いて30℃まで冷却して、コーヒーホワイトナーを得た。

0038

実施例

0039

インスタントコーヒー2gに熱湯100gを注ぎ、上記で製造したコーヒーホワイトナーを5g添加して撹拌した後、風味評価した。その結果、実施例2の油脂を使用して製造したコーヒーホワイトナーを添加したコーヒーの風味は、低温戻りが感じられず良好であったのに対し、比較例2の油脂を使用したものは、低温戻り様の好ましくない風味が感じられた。

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