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技術 精製油脂用脱色剤

出願人 水澤化学工業株式会社
発明者 塚原大補太田充生
出願日 2015年5月29日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-109823
公開日 2016年3月24日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2016-040366
状態 特許登録済
技術分野 脂肪類、香料 固体収着剤及びろ過助剤
主要キーワード 水素イオン量 基本層間 脱色処理後 試験粉末 キレート滴定 積層層間 スメクタイト系粘土 スメクタイト粘土鉱物
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課題

物理的精製処理がなされた精製油脂に対して優れた脱色能を示し且つ低酸価の脱色油を得ることが可能な精製油脂用脱色剤を提供する。

解決手段

活性白土シリカマグネシア製剤との混合物からなり、酸化物換算で、活性白土由来Si成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りMg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が10〜45質量部の範囲にあり、且つオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が30〜70mmol/100gの範囲にあることを特徴とする。

概要

背景

動植物から採取した油脂(以下、「粗油」と呼ぶことがある)は、一般に、リン脂質を除去する脱ガム処理遊離脂肪酸を除去する脱酸処理石ケン分を除去する水洗処理色素を除去する脱色処理を経て、最後に有臭成分を除去する脱臭処理を経て、食用油等の用途に供される。

上記で用いる脱色剤としては、例えば、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物フラーズアース或いはブリーチングアースとも呼ばれる)を酸処理することにより比表面積等を増大して活性化した活性白土が知られている(特許文献1参照)。
また、活性白土ほどの脱色性能は有していないが、本出願人が提案したシリカマグネシア製剤も油脂に対する脱色性能を有している(特許文献2参照)。

ところで、上記のような油脂の精製にあたっては、200〜250℃の加熱下で水蒸気蒸留により、最後の脱臭処理が行われるが、この脱臭処理をより低温、短時間で行うことが望まれている。長時間かけて脱臭処理を行うと、トランス脂肪酸や3MCPD(3−モノクロロプロパンジオール)等の有害物質含有量が増加するばかりか、トコフェノールステロール等の油脂中の有効成分が減少する傾向があるためである。脱臭処理を低温、短時間で行うためには、脱色処理された脱色油酸価を低くすればよいことが知られている。

一方、最近では、物理的精製処理(フィジカル精製処理)によって精製された油脂が販売されている。物理的精製処理は、粗油を脱ガム処理、脱色処理した後に、脱臭(フィジカル脱酸)処理するというものである。即ち、アルカリ処理を行わず、蒸留による脱臭によって脱臭と共に遊離脂肪酸を除去するというものであり、水酸化ナトリウム等のアルカリを使用しないことから、安価に精製処理が行われるという利点がある。特に輸入品に、このような物理的精製処理されたものが多く、例えばこのような処理がされたパーム油は、RBD(Refined Bleached Deodorized)パーム油と呼ばれている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、上記のように物理的精製処理がなされた油脂(即ち、精製油脂)は、安価ではあるが、精製が十分に行われておらず、このため、日本国内では更に常法による精製処理が行われる場合がほとんどである。
しかるに、上記のように、一旦精製処理がなされた油脂について再度の精製処理を行う場合には、脱色を行い難いという問題がある。恐らく、油脂中に含まれる色素等が、物理的精製処理で行われる蒸留時に重合して高分子量化してしまうためではないかと考えられている。

例えば、活性白土を用いて脱色処理を行う場合、脱色を効果的に行うためには、活性がより高い活性白土を使用するか、活性白土の使用量をかなり多くする必要があり、そうすると、得られる脱色油の酸価が高くなってしまう。
また、シリカマグネシア製剤を用いた場合には、酸価の増大は抑制することができるのであるが、活性白土ほどの脱色能を得ることができない。

概要

物理的精製処理がなされた精製油脂に対して優れた脱色能を示し且つ低酸価の脱色油を得ることが可能な精製油脂用脱色剤を提供する。活性白土とシリカマグネシア製剤との混合物からなり、酸化物換算で、活性白土由来Si成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りMg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が10〜45質量部の範囲にあり、且つオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が30〜70mmol/100gの範囲にあることを特徴とする。なし

目的

ところで、上記のような油脂の精製にあたっては、200〜250℃の加熱下で水蒸気蒸留により、最後の脱臭処理が行われるが、この脱臭処理をより低温、短時間で行うことが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

活性白土シリカマグネシア製剤との混合物からなり、酸化物換算で、活性白土由来Si成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りMg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が10〜45質量部の範囲にあり、且つオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が30〜70mmol/100gの範囲にあることを特徴とする精製油脂脱色剤

請求項2

酸化物換算で、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との質量比(Al2O3/MgO)が0.10〜4.00の範囲にある請求項1に記載の精製油脂用脱色剤。

請求項3

精製パーム油の脱色に使用される、請求項1または2に記載の精製油脂用脱色剤。

技術分野

0001

本発明は、物理的精製がされた油脂についての脱色処理に適用される精製油脂脱色剤に関する。

背景技術

0002

動植物から採取した油脂(以下、「粗油」と呼ぶことがある)は、一般に、リン脂質を除去する脱ガム処理遊離脂肪酸を除去する脱酸処理石ケン分を除去する水洗処理色素を除去する脱色処理を経て、最後に有臭成分を除去する脱臭処理を経て、食用油等の用途に供される。

0003

上記で用いる脱色剤としては、例えば、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物フラーズアース或いはブリーチングアースとも呼ばれる)を酸処理することにより比表面積等を増大して活性化した活性白土が知られている(特許文献1参照)。
また、活性白土ほどの脱色性能は有していないが、本出願人が提案したシリカマグネシア製剤も油脂に対する脱色性能を有している(特許文献2参照)。

0004

ところで、上記のような油脂の精製にあたっては、200〜250℃の加熱下で水蒸気蒸留により、最後の脱臭処理が行われるが、この脱臭処理をより低温、短時間で行うことが望まれている。長時間かけて脱臭処理を行うと、トランス脂肪酸や3MCPD(3−モノクロロプロパンジオール)等の有害物質含有量が増加するばかりか、トコフェノールステロール等の油脂中の有効成分が減少する傾向があるためである。脱臭処理を低温、短時間で行うためには、脱色処理された脱色油酸価を低くすればよいことが知られている。

0005

一方、最近では、物理的精製処理(フィジカル精製処理)によって精製された油脂が販売されている。物理的精製処理は、粗油を脱ガム処理、脱色処理した後に、脱臭(フィジカル脱酸)処理するというものである。即ち、アルカリ処理を行わず、蒸留による脱臭によって脱臭と共に遊離脂肪酸を除去するというものであり、水酸化ナトリウム等のアルカリを使用しないことから、安価に精製処理が行われるという利点がある。特に輸入品に、このような物理的精製処理されたものが多く、例えばこのような処理がされたパーム油は、RBD(Refined Bleached Deodorized)パーム油と呼ばれている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、上記のように物理的精製処理がなされた油脂(即ち、精製油脂)は、安価ではあるが、精製が十分に行われておらず、このため、日本国内では更に常法による精製処理が行われる場合がほとんどである。
しかるに、上記のように、一旦精製処理がなされた油脂について再度の精製処理を行う場合には、脱色を行い難いという問題がある。恐らく、油脂中に含まれる色素等が、物理的精製処理で行われる蒸留時に重合して高分子量化してしまうためではないかと考えられている。

0006

例えば、活性白土を用いて脱色処理を行う場合、脱色を効果的に行うためには、活性がより高い活性白土を使用するか、活性白土の使用量をかなり多くする必要があり、そうすると、得られる脱色油の酸価が高くなってしまう。
また、シリカマグネシア製剤を用いた場合には、酸価の増大は抑制することができるのであるが、活性白土ほどの脱色能を得ることができない。

先行技術

0007

特開2008−31411号
特開2005−6510号
特開2011−30482号

発明が解決しようとする課題

0008

従って、本発明の目的は、物理的精製処理がなされた精製油脂に対して優れた脱色能を示し且つ低酸価の脱色油を得ることが可能な精製油脂用脱色剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、特にRBDパーム油に対して優れた脱色能と低酸価能とを有する精製油脂用脱色剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は、精製油脂に対する脱色性について多くの実験を行った結果、活性白土とシリカマグネシア製剤とを一定の割合で混合して用いた場合には、活性白土の優れた脱色能を維持したまま、低酸価の脱色油が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0010

本発明によれば、活性白土とシリカマグネシア製剤との混合物からなり、酸化物換算で、活性白土由来Si成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りMg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が10〜45質量部の範囲にあり、且つオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が30〜70mmol/100gの範囲にあることを特徴とする精製油脂用脱色剤が提供される。

0011

本発明の精製油脂用脱色剤においては、酸化物換算で、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との質量比(Al2O3/MgO)が0.10〜4.00の範囲にあることが望ましい。

発明の効果

0012

本発明の脱色剤によれば、物理的精製処理が行われた油脂の脱色を行ったとき、活性白土だけを使用した処理に比べ、酸価を低減させながら効果的に脱色を行うことができる。

0013

油脂の色調は、ロビボンド比色計を用いて測定されるY値(黄色度を示す指数)とR値赤色度を示す指数)とから算出される色調指数(Y+10R)により評価され、この値が小さくなるほど、無色に近く、脱色が効果的に行われていることを示す。
例えば、後述する実施例の実験例に示されているように、物理的精製処理が行われたRBDパーム油(色調指数68、酸価0.19)について活性白土を用いて脱色処理を行うと、得られる脱色油の色調指数は28であり、効果的に脱色が行われているものの、酸価(KOHmg/g)は、0.27であり、酸価は低くなるというよりも、むしろ増大してしまう(比較例1)。即ち、活性白土では、遊離脂肪酸の除去が行われていないことに加え、活性白土自体が固体酸を有しており、この結果、酸価が増大してしまっているものと考えられる。一方、シリカマグネシア製剤を用いて脱色処理を行った場合には、酸価が0.07とかなり低くなり、遊離脂肪酸の吸着除去が効果的に行われているのであるが、色調指数は34であり、脱色の程度は、活性白土と比較すると低い(比較例2)。
しかるに、本発明にしたがい、活性白土とシリカマグネシア製剤とを一定の割合で混合した本発明の脱色剤を用いて脱色処理を行った場合には、色調指数が28であり、活性白土を単独で用いた場合と同等に脱色処理が行われ、しかも得られた脱色油の酸価は、0.25以下と低減される(実施例1〜実施例4)。

0014

このことから理解されるように、本発明では、活性白土の優れた脱色能を維持したまま、酸価を大きく低減させることが可能となる。即ち、活性白土は、クロロフィル等の色素に対しての吸着性が高く、一方、シリカマグネシア製剤は、活性白土ほどではないが、色素に対してある程度以上の吸着性を示すと同時に、遊離脂肪酸に対する吸着性を示す。シリカマグネシア製剤中のマグネシア成分が遊離脂肪酸に対する吸着性を示すものと考えられる。この結果、活性白土の一部をシリカマグネシア製剤に置き換えることにより、活性白土に由来する酸価の増大を抑制するだけではなく、遊離脂肪酸に対する吸着性を増大させ、酸価を大きく低減させることができ、しかも、活性白土の置き換えによる色素に対する吸着性の低下が、シリカマグネシア製剤によって補われ、優れた脱色性能をも維持することが可能となる。

0015

このように本発明によれば、物理的精製処理が行われた油脂の脱色と酸価の低減を効果的に行うことができ、特に酸価を低減できることから、脱色処理後に行われる蒸留による脱臭処理をより低温、短時間で行うことができ、有害物質の増大や有効成分の減少を回避できることが期待される。
かかる本発明の精製油脂用脱色剤は、特に食用油として多く使用される安価なRBDパーム油の脱色に特に効果的に適用される。

発明が実施しようとする形態

0016

本発明の精製油脂用脱色剤は、活性白土とシリカマグネシア製剤との混合物である。

0017

1.活性白土
本発明において用いる活性白土は、それ自体公知であり、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を使用し、これを粉砕分級して所定の粒度粉末に調整、この粉末を所定の条件で酸処理することにより製造される。

0018

原料粘土として用いるジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物は、火山岩溶岩等が海水の影響下で変性したものと考えられており、SiO4四面体層−AlO6八面体層−SiO4四面体層からなり、且つこれらの四面体層と八面体層が部分的に異種金属同型置換された三層構造基本構造単位層)としており、このような三層構造の積層層間には、Ca,K,Na等の陽イオン水素イオンとそれに配位している水分子が存在している。また、基本三層構造の八面体層中のAlの一部がMgやFe(II)に置換し、四面体層中のSiの一部がAlに置換しているため、結晶格子マイナス電荷を有しており、このマイナスの電荷が基本層間に存在する金属陽イオンや水素イオンにより中和されている。このようなスメクタイト系粘土には、酸性白土ベントナイト、フラーズアースなどがあり、金属層間に存在する金属陽イオンの種類や量、及び水素イオン量などによってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、ベントナイトでは、基本層間に存在するNaイオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが高く、一般に高アルカリサイドにあり、また、水に対して高い膨潤性を示し、さらにはゲル化して固結するという性質を示す。一方、酸性白土では、基本層間に存在する水素イオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが低く、一般に酸性サイドにあり、また、水に対して膨潤性を示すものの、ベントナイトと比較すると、その膨潤性は総じて低く、ゲル化には至らない。

0019

活性白土の製造に用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、特に限定されるものではなく、上述した各種の何れをも使用することができる。また、かかる原料粘土は、粘土の成因、産地及び同じ産地でも埋蔵場所(切羽)等によっても相違するが、一般的には、酸化物換算で以下のような組成を有している。
SiO2;50〜75質量%
Al2O3;14〜25質量%
Fe2O3;2〜20質量%
MgO;3〜7質量%
CaO;0.1〜3質量%
Na2O;0.1〜3質量%
K2O;0.1〜3質量%
その他の酸化物(TiO2など);1質量%以下
Ig−loss(1050℃);5〜10質量%

0020

上記のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を酸処理するにあたっては、これに先立って、必要により石砂分離、浮力選鉱磁力選鉱水簸、風簸等の精製操作に賦した後、粒度調整し、一般に、体積換算での平均粒径(D50)が20〜30μmとなるように粒度調整して粉末とするのがよい。
酸処理は、硫酸等の鉱酸水溶液を用いてそれ自体公知の方法で行えばよい。このような微粒の粉末を酸処理に付することにより、スメクタイト中のAl成分の一部が除去され、比表面積の増大や細孔容積の増大がもたらされ、クロロフィル等の色素の吸着に好適な物性を有しており、優れた脱色性能を有する活性白土を得ることができる。

0021

酸処理の後には、得られた活性白土を、必要により、水に懸濁分散された状態で静置して水簸を行い、沈降分離によって5μm以下の微粒子分を15体積%程度となるように除き、乾燥を行うことにより、目的とする活性白土を得ることができる。

0022

かくして得られる活性白土の粉末は、原料粘土粉末と同様、体積換算での平均粒径(D50)が20〜30μmの範囲にあり、且つ5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲にあり、さらに、表面シラノール基の濃度が減少し、吸湿性、膨潤性などが低減され、さらには微粒分の除去によりろ過性も優れ、脱色処理に好適である。

0023

上述した酸処理によって得られる活性白土は、一般に、酸化物換算で、下記の化学組成を有している。
SiO2;60〜85質量%
Al2O3;6〜13質量%
Fe2O3;1〜10質量%
MgO;1〜4質量%
CaO;0.1〜2質量%
Na2O;0.1〜1質量%
K2O;0.1〜1質量%
その他の酸化物(TiO2など);1質量%以下
Ig−loss(1050℃);4〜8質量%

0024

また、かかる活性白土は、1.7〜100nmでの細孔直径における細孔容積(窒素吸着法による)が0.25〜0.50cm3/gの範囲にあり、嵩密度が0.50〜0.70g/cm3範囲にあり、BET比表面積は、一般に、150〜350m2/gの範囲にあり、このような物性により、油脂に対して優れた脱色性が発現するわけである。即ち、クロロフィル等の色素は、油脂類中に分子会合した状態で存在しており、このため、酸処理により形成された粒子表面部分の比較的大きな細孔内に吸着保持されるが、上述した活性白土は、このような大きな細孔が形成されているため、後述する実施例に示されているように、優れた脱色性を示すのである。

0025

2.シリカマグネシア製剤;
本発明において、上述した活性白土と混合するシリカマグネシア製剤は、シリカ粒子マグネシア粒子とが原子交換組み換えを伴うような化学結合を伴うことなく、混合され、複合一体化した形態を有するものである。即ち、物理的手段により分離しないように一体化されたものである。

0026

このようなシリカマグネシア製剤は、シリカ(SiO2)とマグネシア(MgO)との質量比(SiO2/MgO)が、1.3〜3.0の範囲にあり、例えば、特開2005−8676号等に記載された公知の方法によって製造される。
即ち、ゲル法或いは沈降法で得られる非晶質シリカ水性スラリーと、マグネシアまたはその水和物の水性スラリーとを、シリカとマグネシアとの量比が上記範囲内となる量で使用し、これら水性スラリーを、100℃以下、特に50〜97℃の温度で、0.5時間以上、特に1〜24時間かけて均質混合及び熟成し、冷却後、ボールミルコロイドミル等により湿式粉砕して約5μm以下の粒子を得、最後に乾燥によって水分を除去することにより、シリカ粒子とマグネシア粒子とが緊密に複合化したシリカマグネシア製剤を得ることができる。

0027

このようなシリカマグネシア製剤は、適宜、乾式粉砕、分級し、例えば5μmよりも小さな粒径微細粒子の含有量が20体積%以下であり、且つレーザー回折散乱法により測定される体積基準での平均粒径D50が20〜200μm程度の大きさの粒子として使用に供される。

0028

かかるシリカマグネシア製剤は、一般に、5%懸濁液でのpHが7〜10であり、塩基性を示し、嵩密度が0.2〜0.4g/cm3、BET比表面積が500〜800m2/g、細孔直径が1.7〜300nmの細孔容積が0.5〜1.5cm3/gの範囲にあり、活性白土ほどではないが、精製油脂に対しての脱色性能が高い。即ち、シリカマグネシア製剤は、蒸留等により生成する高分子量成分に対して、高い吸着性を示すためと考えられる。
このようなシリカマグネシア製剤は、例えば水澤化学工業株式会社より、ミズカライフの商品名で市販されている。

0029

3.精製油脂用脱色剤;
本発明においては、上述した活性白土とシリカマグネシア製剤とを乾式混合して、精製油脂用脱色剤として使用する。
即ち、活性白土単独では、精製油脂に対しては高い脱色性を発現させるために、その使用量が多量になり、多量の活性白土の使用は、得られる脱色油の酸価の増大をもたらす。しかるに、本発明では、シリカマグネシア製剤を併用することにより、脱色油の酸価を低減させるばかりか、活性白土の優れた脱色性をも維持させることができる。例えば、活性白土の一部がシリカマグネシア製剤に置き換えられているにもかかわらず、このような置き換えがされていない活性白土と同等の脱色性能を発現することができる。

0030

即ち、本発明で用いるシリカマグネシア製剤は、マグネシア成分が遊離脂肪酸等の酸に対する吸着性を示すため、脱色油の酸価を低減させることができると同時に、その細孔分布等の物性が、おそらく、精製油脂に特有高分子量不純物の吸着に有効な範囲となっており、これにより、活性白土と同等の脱色性能を確保できるのではないかと考えられる。

0031

本発明の脱色剤においては、酸化物換算で、活性白土由来のSi成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当り、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が10〜45質量部、特に20〜35質量部の範囲にあり、且つオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が30〜70mmol/100g、特に35〜50mmol/100gの範囲にあることが必須であり、このような条件を満足するように、活性白土とシリカマグネシア製剤とを混合しなければならない。

0032

即ち、活性白土は、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を酸処理することにより得られるものであるため、先に説明したように、シリカマグネシア製剤と同様、シリカ成分(SiO2)とマグネシウム成分とを含有している。シリカマグネシア製剤が有する酸価低減機能(即ち、遊離脂肪酸吸着機能)は、マグネシア(MgO)成分によるものであるため、前述した脱色性能と酸価低減機能とを発揮させるためには、この脱色剤中に適度な量のマグネシア成分が存在していることが必要であるが、シリカ成分とマグネシウム成分が共通成分として存在しているため、脱色剤中のマグネシア成分量を単純に特定することができない。しかるに、シリカマグネシア製剤は、マグネシア成分に由来してアニオン性色素(オレンジII)に対して吸着性を示すが、活性白土は、アニオン性色素に対する吸着性はほとんど示さない。活性白土中のMg成分は、結晶中(Al八面体層中)に組み込まれているため、アニオン性色素に対する吸着性を示さないからである。このため、シリカ成分の合計量に対するMg成分とAl成分(Al成分はシリカマグネシア製剤には含まれていない)との合計量の割合と、オレンジIIによるアニオン吸着能とから、活性白土とシリカマグネシア製剤との適正な混合比を規定したものである。
例えば、Mg成分とAl成分との合計量が上記範囲よりも多い場合或いはアニオン吸着能が上記範囲よりも大きい場合には、シリカマグネシア製剤の量が過剰であり、この結果、酸価低減機能は満足し得るとしても、精製油脂に対する脱色性能が低くなってしまう。また、Mg成分とAl成分との合計量が上記範囲よりも少ない場合或いはアニオン吸着能が上記範囲よりも小さい場合には、活性白土の量が過剰であり、酸価低減機能が損なわれてしまう。

0033

また、本発明の脱色剤においては、酸化物換算で、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との質量比(Al2O3/MgO)が0.10〜4.00、特に0.10〜3.00の範囲にあることが好適である。即ち、活性白土中に含まれるMg成分の量には、酸処理に供するスメクタイト粘土鉱物の産地等によってかなりのバラつきがあるため、かかる質量比(Al2O3/MgO)を上記範囲に設定することにより、優れた脱色能と酸価低減機能とをより確実に発現させることができる。

0034

このような本発明の精製油脂用脱色剤は、物理的精製が行われた油脂に対して優れた脱色性と共に、酸価低減機能を有している。従って、このような精製油脂について常法にしたがって、リン脂質を除去するための脱ガム処理(水添加による水脱ガムリン酸等の酸添加による酸脱ガム)、水酸化ナトリウム等のアルカリ添加による脱酸処理、遠心分離、石ケン分除去のための水洗処理、及び遠心分離等による脱水処理を行った後に、本発明の脱色剤を用いて脱色処理を行い、ろ過することにより、例えば酸価(KOHmg/g)が0.25以下であり、色調指数(Y+10R)が28以下の脱色油を得ることができる(実施例1〜実施例4)。
即ち、この脱色油は、酸価が低く、遊離脂肪酸量が少ないため、次に行う水蒸気蒸留による脱臭処理をより低温、短時間で行うことができる。例えば、従来は、脱臭処理を200〜250℃での加熱下で40〜90分程度の時間、水蒸気蒸留を行っていたが、この水蒸気蒸留を、より低温で且つ短時間で行って悪臭成分を除去できることが期待される。この結果、脱臭処理に起因するトランス脂肪酸や3−MCPDなどの有害物質の増大やトコフェノールやステロールなどの有効成分の減少等を有効に抑制することができる。

0035

従って、本発明の脱色剤は、特に海外から多量に輸入され、マーガリンなどの用途に多く使用されているRBDパーム油など、食用油としての用途に適用される精製油脂の脱色に極めて効果的である。

0036

本発明を次の実験例で説明する。なお、実施例における測定方法は、以下の通りである。

0037

(1)化学組成
試料の分解をアルカリ溶融で行い、SiO2は重量法、Al2O3はEDTA亜鉛逆滴定法、MgOはキレート滴定でそれぞれ測定し、各金属成分を定量した。なお、試料は110℃で3時間乾燥した物を基準とする。

0038

(2)オレンジII吸着量
本実施例におけるオレンジII吸着能は、10mmol/L濃度のオレンジII水溶液から、1gの試料が吸着できるオレンジIIのmmol数とし、下記の方法により測定し、算出した。
先ず、オレンジII(試薬特級和光純薬工業(株)製)を水に溶かし、10mmol/L濃度のオレンジII水溶液を得る。
この10mmol/L濃度のオレンジII水溶液20mlを50ml容遠沈管に取し、試験粉末0.20gを加えて振とう機(ヤマト科学(株)製SA300、振とうスピード5)により7.5時間振とうする。振とう終了後、12時間以上静置する。
次に遠心分離機((株)クボタ製 5200)により遠心加速度3000rpmで15分処理した液の上澄みを0.5mL採取し、これをイオン交換水により200倍に希釈した液の484nm波長光の吸光度分光光度計(日本分光(株)製V−630)により測定した。そして、オレンジII水溶液のオレンジII含有量と484nm波長光の吸光度の関係を示す検量線を用いて試料液のオレンジII残存量を算出した。この値を、試料へのオレンジII添加量から差し引いた値をオレンジII吸着量とする。

0039

(3)脱色試験
本実施例における脱色剤の性能は、RBDパーム油(色調指数68、酸価0.19)を減圧下にて脱色剤で処理することで得た脱色油の色調および酸価の測定値により評価した。
先ず、300mL丸底フラスコにRBDパーム油200gを採取し、各脱色剤サンプルを4g(油に対して2.0質量%)加えて攪拌機でよく混ぜる。このフラスコを40mmHgまで減圧した状態でヒーターを用いて110℃に加熱し、バキュームスターラにより20分間攪拌を行った。次に、室温下まで冷却した後に大気圧状態にし、油と脱色剤の混合懸濁液をろ過することにより各脱色油を得た。
各脱色油の色調は、ロビボンド比色計(ティントメタ−社製モデルF)を用いて測定されるY値(黄色度を示す指数)とR値(赤色度を示す指数)とから算出される色調指数(Y+10R)により評価し、この値が小さくなるほど、無色に近く、脱色が効果的に行われていることを示す。
各脱色油の酸価は、日本油化学会が制定する基準油脂分析法2.3.1−1996に準拠し測定した。この値が低いほど、遊離脂肪酸含有量が少なく、遊離脂肪酸の除去が効果的に行われていることを示す。

0040

(比較例1)
県胎内市産のスメクタイト系粘土を原料として用い、この原料を粗砕混練し5mm径造粒した。得られた造粒物の水分は37%であった。
この造粒物1500gを処理槽充填し、そこに35質量%硫酸水溶液2000mlを循環させ酸処理を行った。その時の処理温度は90℃、処理時間は7時間であった。酸処理終了後、酸処理物洗浄水を循環して水洗を行った後110℃で乾燥、粉砕、分級して活性白土粉末を得た。
得られた活性白土粉末について、各種物性測定を行い、その結果を表2に示した。

0041

(比較例2)
シリカマグネシア製剤(水澤化学工業(株)製)について、各種物性測定を行い、その結果を表2に示した。

0042

(実施例1)
比較例1で得られた活性白土粉末と、比較例2のシリカマグネシア製剤を、活性白土由来のSi成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りの、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が17になるように乾式混合し得られた粉末について各種物性測定を行い、その結果を表1に示した。

0043

(実施例2)
実施例1における活性白土由来のSi成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りの、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量を25に代えて得られた粉末について各種物性測定を行い、その結果を表1に示した。

0044

(実施例3)
実施例1における活性白土由来のSi成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りの、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量を32に代えて得られた粉末について各種物性測定を行い、その結果を表1に示した。

0045

(実施例4)
実施例1における活性白土由来のSi成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りの、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量を41に代えて得られた粉末について各種物性測定を行い、その結果を表1に示した。

0046

(比較例3)
比較例1で得られた活性白土粉末と、酸化マグネシウム(神島化学工業(株)製スターマグU)を、活性白土由来のSi成分(SiO2)とシリカマグネシア製剤由来のSi成分(SiO2)とのトータル量100質量部当りの、Mg成分(MgO)とAl成分(Al2O3)との合計量が48になるように乾式混合し得られた粉末について各種物性測定を行い、その結果を表2に示した。

0047

(比較例4)
市販の二酸化ケイ素(水澤化学工業(株)製ミズカソーブC—1)と市販の水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製水酸化カルシウム)を用い、シリカ(SiO2)とカルシウム(CaO)との質量比(SiO2/CaO)が9となり、且つ両原料のSiO2換算でのシリカ成分含有量とCaO換算でのカルシウム成分含有量の合計が150gとなるように原料を量りとる。次に、容量2Lのステンレススチールタンクに、後から加える粉末原料との合計が1150gとなるように水道水を入れ、攪拌下、あらかじめ量りとった粉末原料を少しずつ加えいれる。攪拌を続け、加熱により約15分で95℃まで昇温し、以後10時間かけて均質混合及び熟成を行う。スラリー減圧ろ過により脱水し、得られたケーキを電気乾燥機に入れ、110℃で乾燥する。最後に乾燥ケーキをサンプルミル(ハンマーミル型粉砕機)で粉砕し、ケイ酸カルシウム粉末を得た。
このケイ酸カルシウム粉末と、比較例1で得られた活性白土粉末を、活性白土:ケイ酸カルシウムで示す重量比が2:1になるように乾式混合し得られた粉末について各種物性測定を行い、その結果を表2に示した。

0048

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