図面 (/)

技術 プレパラート基板、毛髪プレパラート及び毛髪蛍光X線装置

出願人 小嶋良種
発明者 小嶋良種市村彰男
出願日 2014年8月8日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2014-162865
公開日 2016年3月22日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2016-038335
状態 特許登録済
技術分野 放射線を利用した材料分析
主要キーワード 事業実施 張設固定 信号比率 大型施設 分析機関 相互摩擦 ポリアニリン系樹脂 基準元素
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年3月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

毛髪元素分析精度を高めるため毛髪の摩擦帯電を無くし、基板からの蛍光X線を発生させないプレパラート基板と毛髪プレパラートを提供する。

解決手段

プレパラート基板1は、毛髪11の蛍光X線分析に使用されるプレパラート基板1であり、前記プレパラート基板1に毛髪11を張設する穴3を開口し、前記穴3を取り囲む周縁部5に毛髪11の両端を固定する。また、このプレパラート基板1と、前記穴3を横断するように掛け渡された毛髪11と、前記毛髪11の両端を前記穴3を取り囲む周縁部5に固定する固定手段12から構成される毛髪プレパラート10、および、この毛髪プレパラート10を配置し、毛髪プレパラート10の毛髪11に入射X線21を照射するX線源20と、前記毛髪11から放射される蛍光X線23を検出する検出器30を少なくとも有する毛髪蛍光X線装置40。

概要

背景

従来から毛髪元素分析を行って体調診断を行う各種の特許文献が知られている。従来の特許第4065734号公報(特許文献1)では、毛髪又は体毛毛根に含有されているカルシウムを検出し、検出したカルシウムの含有比率が、健常人の含有比率と比較して高い場合に精密検査指標となる体調検査方法が開示されている。

また、従来の特許第4612355号公報(特許文献2)では、被検者の毛髪又は体毛を元素分析し、前記毛髪又は体毛のCa濃度をCa不足又はCa充足にそれぞれ対応するCa濃度の高いレベル又は低いレベルと比較し、前記比較から前記被検者のカルシウム代謝異常の検出を行う毛髪又は体毛によるカルシウム代謝異常の検出方法が開示されている。

特に、特許文献1及び特許文献2の両者は、毛髪の元素分析を行うときに、SPRING−8等の放射光施設を使用し、X線領域の放射光を入射X線として毛髪に照射し、毛髪から発生する蛍光X線により毛髪に含まれる元素分布導出している。放射光は強度が極端に大きいためにサイズの小さな毛髪でも蛍光X線分析が短時間で終了し、元素分布を容易に導出できる長所を有している。
しかしながら、放射光施設は共同利用大型施設であり、施設を継続的に利用できるとしても短時間であり、多数の毛髪検査を商業的規模事業実施するには不向きであり、実態としては時間的に不可能と云わざるを得ない。

そこで、近年急速に進歩している卓上型蛍光X線分析装置を利用した毛髪の元素分析法が開発されるに至った。従来の特許第5372304号公報では、蛍光X線分析装置により、被検者由来の毛髪に含有されるミネラルの、前記毛髪に含有される硫黄に対する信号比率PXRF(S)を測定し、前記信号比率PXRF(S)から、前記毛髪に含有される前記ミネラルの元素含有率MXRFを算出する為に、この算出に使用する変換係数Fを、前記信号比率PXRF(S)と乗算する生体内元素検査方法であって、前記蛍光X線分析により、前記被検者以外から由来する毛髪である基準毛髪に含有される前記ミネラルの、前記基準毛髪に含有される前記硫黄に対する基準信号比率P0,XRF(S)を測定し、誘導結合プラズマ質量分析により、前記基準毛髪に含有される前記ミネラルの基準元素含有率M0、ICPを測定し、F=M0、ICP/P0、XRF(S)の式から、前記変換係数Fを算出する生体内元素検査方法が開示されている。

概要

毛髪の元素分析精度を高めるため毛髪の摩擦帯電を無くし、基板からの蛍光X線を発生させないプレパラート基板と毛髪プレパラートを提供する。プレパラート基板1は、毛髪11の蛍光X線分析に使用されるプレパラート基板1であり、前記プレパラート基板1に毛髪11を張設する穴3を開口し、前記穴3を取り囲む周縁部5に毛髪11の両端を固定する。また、このプレパラート基板1と、前記穴3を横断するように掛け渡された毛髪11と、前記毛髪11の両端を前記穴3を取り囲む周縁部5に固定する固定手段12から構成される毛髪プレパラート10、および、この毛髪プレパラート10を配置し、毛髪プレパラート10の毛髪11に入射X線21を照射するX線源20と、前記毛髪11から放射される蛍光X線23を検出する検出器30を少なくとも有する毛髪蛍光X線装置40。

目的

本発明の第1の目的は、毛髪とプレパラート基板との相互摩擦による摩擦帯電を無くし、しかもプレパラート基板自体からの蛍光X線も発生させないプレパラート基板を提供し、このプレパラート基板を使用した毛髪プレパラートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

毛髪蛍光X線分析に使用されるプレパラート基板であり、前記プレパラート基板に毛髪を張設する穴を開口し、前記穴を取り囲む周縁部に毛髪の両端を固定することを特徴とするプレパラート基板。

請求項2

前記プレパラート基板は樹脂基板である請求項1に記載のプレパラート基板。

請求項3

請求項1又は2に記載のプレパラート基板と、前記穴を横断するように掛け渡された毛髪と、前記毛髪の両端を前記穴を取り囲む周縁部に固定する固定手段から構成されることを特徴とする毛髪プレパラート。

請求項4

請求項3に記載の毛髪プレパラートを配置し、前記毛髪プレパラートの毛髪に入射X線照射するX線源と、前記毛髪から放出される蛍光X線を検出する検出器を少なくとも有することを特徴とする毛髪蛍光X線装置。

技術分野

0001

本発明は、蛍光X線分析により毛髪元素分布導出するときに使用されるプレパラート基板に関し、更にプレパラート基板に毛髪を固定した毛髪プレパラート及び毛髪プレパラートを配置した毛髪蛍光X線装置に関する。

背景技術

0002

従来から毛髪の元素分析を行って体調診断を行う各種の特許文献が知られている。従来の特許第4065734号公報(特許文献1)では、毛髪又は体毛毛根に含有されているカルシウムを検出し、検出したカルシウムの含有比率が、健常人の含有比率と比較して高い場合に精密検査指標となる体調検査方法が開示されている。

0003

また、従来の特許第4612355号公報(特許文献2)では、被検者の毛髪又は体毛を元素分析し、前記毛髪又は体毛のCa濃度をCa不足又はCa充足にそれぞれ対応するCa濃度の高いレベル又は低いレベルと比較し、前記比較から前記被検者のカルシウム代謝異常の検出を行う毛髪又は体毛によるカルシウム代謝異常の検出方法が開示されている。

0004

特に、特許文献1及び特許文献2の両者は、毛髪の元素分析を行うときに、SPRING−8等の放射光施設を使用し、X線領域の放射光を入射X線として毛髪に照射し、毛髪から発生する蛍光X線により毛髪に含まれる元素分布を導出している。放射光は強度が極端に大きいためにサイズの小さな毛髪でも蛍光X線分析が短時間で終了し、元素分布を容易に導出できる長所を有している。
しかしながら、放射光施設は共同利用大型施設であり、施設を継続的に利用できるとしても短時間であり、多数の毛髪検査を商業的規模事業実施するには不向きであり、実態としては時間的に不可能と云わざるを得ない。

0005

そこで、近年急速に進歩している卓上型蛍光X線分析装置を利用した毛髪の元素分析法が開発されるに至った。従来の特許第5372304号公報では、蛍光X線分析装置により、被検者由来の毛髪に含有されるミネラルの、前記毛髪に含有される硫黄に対する信号比率PXRF(S)を測定し、前記信号比率PXRF(S)から、前記毛髪に含有される前記ミネラルの元素含有率MXRFを算出する為に、この算出に使用する変換係数Fを、前記信号比率PXRF(S)と乗算する生体内元素検査方法であって、前記蛍光X線分析により、前記被検者以外から由来する毛髪である基準毛髪に含有される前記ミネラルの、前記基準毛髪に含有される前記硫黄に対する基準信号比率P0,XRF(S)を測定し、誘導結合プラズマ質量分析により、前記基準毛髪に含有される前記ミネラルの基準元素含有率M0、ICPを測定し、F=M0、ICP/P0、XRF(S)の式から、前記変換係数Fを算出する生体内元素検査方法が開示されている。

先行技術

0006

特許第4065734号公報
特許第4612355号公報
特許第5372304号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献3の技術は本願発明者等が開発した発明であり、本願発明者等は本願の図6に示す方法を用いて毛髪の蛍光X線分析を行った。
プレパラート基板101はアクリル製の樹脂基板であり、検査対象である毛髪111をプレパラート基板101の上に接触状態で配置する。次に、毛髪111の両端を粘着テープ112、112により接着し、毛髪111を緊張状態張設した毛髪プレパラート110を作成した。更に、この毛髪111にX線源120から入射X線121を低角度で照射し、入射X線121がプレパラート基板101により全反射して、反射X線125も低角度で反射して放出される。毛髪111から蛍光X線123は上方に放射され、この蛍光X線123を検出器130で検出して、毛髪111の蛍光X線分析が行われた。

0008

この研究を反復する中で、本願発明者等は、蛍光X線分析で得られる毛髪の元素分布に毛髪に元来含まれるはずが無い不純物元素混入したり、毛髪に含まれる元素であっても異常にピーク値が高くなる事実を発見するに至った。この原因を追及する中で、毛髪をアクリル製のプレパラート基板に固定するときに、毛髪とプレパラート基板が相互に摩擦しあって毛髪が帯電し、空気中に浮遊する不純物元素やプレパラート基板表面に滞留する不純物元素が毛髪に静電吸着され、それらの不純物元素が元素分布に混入する事実を確認するに至った。しかも、全反射蛍光X線分析を行っても、プレパラート基板自体からの蛍光X線も僅かに混入する結果、不純物元素が増大することが分かった。
全反射型で無い蛍光X線分析装置を用いた場合には、入射X線がプレパラート基板を透過したり、プレパラート基板に浸入して反射したりするため、プレパラート基板自体から不純物蛍光X線が大量に放射され、毛髪からの蛍光X線の中に不純物蛍光X線がかなり含まれ結果、元素分布に大量の不純物元素が混入して毛髪の正確な元素分布の判断に間違いが生じる原因となっていた。

課題を解決するための手段

0009

従って、本発明の第1の目的は、毛髪とプレパラート基板との相互摩擦による摩擦帯電を無くし、しかもプレパラート基板自体からの蛍光X線も発生させないプレパラート基板を提供し、このプレパラート基板を使用した毛髪プレパラートを提供することである。また、本発明の第2の目的は、サンプルである毛髪の高さ調整や位置調整、入射X線の入射角度調整等が容易になるプレパラート基板を提供することである。本発明の第3の目的は、前記毛髪プレパラートを蛍光X線装置内に配置して元素分析精度の高い毛髪蛍光X線装置を提供することである。

0010

本発明者等は鋭意研究した結果、不純物元素の混入を予防するために、毛髪とプレパラート基板とが相互に摩擦接触することを無くす技術を着想するに至った。理想的には、毛髪を空気中に浮遊させて、浮遊状態の毛髪にX線を照射すれば摩擦帯電は生じず、しかもプレパラート基板自体からの蛍光X線もないはずである。このような浮遊配置に近い状態を実現すればよい。即ち、プレパラート基板に穴を開け、この穴を横断するように毛髪を掛け渡し、毛髪の両端を穴の周縁部に粘着テープなどで固定すれば、毛髪とプレパラート基板とが摩擦し合うことが無くなるから、静電吸着による不純物元素のノイズは除去できる。しかも、入射X線が照射される毛髪領域には穴があいているから、入射X線はプレパラート基板には照射されない。従って、プレパラート基板自体からの蛍光X線も消失させることができる。

0011

本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、本発明の第1の形態は、毛髪の蛍光X線分析に使用されるプレパラート基板であり、前記プレパラート基板に毛髪を張設する穴を開口し、前記穴を取り囲む周縁部に毛髪の両端を固定するプレパラート基板である。

0012

本発明の第2の形態は、前記プレパラート基板が樹脂基板から構成されるプレパラート基板である。

0013

本発明の第3の形態は、第1形態又は第2形態に記載のプレパラート基板と、前記穴を横断するように掛け渡された毛髪と、前記毛髪の両端を前記穴を取り囲む周縁部に固定する固定手段から構成される毛髪プレパラートである。

0014

本発明の第4の形態は、第3形態に記載の毛髪プレパラートを配置し、前記毛髪プレパラートの毛髪に入射X線を照射するX線源と、前記毛髪から放出される蛍光X線を検出する検出器を少なくとも有する毛髪蛍光X線装置である。

発明の効果

0015

本発明の第1の形態によれば、毛髪の蛍光X線分析に使用されるプレパラート基板であり、前記プレパラート基板に毛髪を張設する穴を開口し、前記穴を取り囲む周縁部に毛髪の両端を固定するプレパラート基板を提供できる。
プレパラート基板には穴が開いているから、この穴に試料である毛髪を掛け渡して毛髪の両端を周縁部に固定すれば、毛髪と穴の間には摩擦が生じない。従って、毛髪は摩擦帯電することが無いから、空気中の不純物元素を静電吸着することが無くなり、蛍光X線分析を行っても不純物元素がノイズとして混入することが無い。また、毛髪に入射X線を照射しても、毛髪の下側には穴しかないので、プレパラート基板からの蛍光X線が発生せず、プレパラート基板からの蛍光X線がノイズとして混入することが無くなるから、毛髪の元素分布を正確に精度よく導出することが可能になる。
また、プレパラート基板に穴があるから、プレパラート基板を上から見ても下から見ても、穴を通して前方を見ることができ、プレパラート基板の上下調整が容易になる。また、毛髪が穴に掛け渡されて浮遊した状態にあるから、毛髪に照射される入射X線の入射角度調整も容易になる利点がある。総じて、X線の調整効率が良くなる。
穴の形状については、丸形四角形三角形など種々の形状を採用できるが、回転対称性が一番高い円形が最も好適である。

0016

本発明の第2の形態によれば、前記プレパラート基板が樹脂基板から構成されるプレパラート基板である。樹脂から基板を成形すると、樹脂は柔軟性を有するから、穴を開ける途中でプレパラート基板が割れたり、欠けたりする危険性が少なく、穴を安全に開け易い利点がある。
また、樹脂基板の中でも透明樹脂基板が効果的である。透明樹脂基板を介して前方や後方が透いて見えるから位置調整や入射X線の入射角度調整などが容易に行える利点を有する。透明樹脂には、ポリエチレンポリプロピレンポリエチレンテレフタレート塩化ビニールポリスチレンABS樹脂、アクリル、メタクリアポリアミドポリカポネード、四フッ化エチレンエチレン酸コポリマーフィノール樹脂メラミン不飽和ポリエステルエポキシ等があるが、これ以外の透明樹脂も利用できる。

0017

本発明の第3の形態によれば、第1形態又は第2形態に記載のプレパラート基板と、前記穴を横断するように掛け渡された毛髪と、前記毛髪の両端を前記穴を取り囲む周縁部に固定する固定手段から構成される毛髪プレパラートを提供できる。
毛髪をサンプルとして本発明のプレパラート基板に固定するには、まず毛髪の一端をプレパラート基板の穴を取り囲む周縁部に固定する。固定手段として粘着テープが有効であるが、瞬間接着剤でもよいし、周縁部に切り込まれたスリットに引っ掛けてもよいなど、種々の固定手段がある。一端を固定したら、毛髪をピン緊張させた状態(張設状態)で他端を周縁部に固定する。他端の固定も粘着テープ、瞬間接着剤、スリットに引っ掛けるなどの種々の固定手段が利用できる。
このように、本発明のプレパラート基板にサンプルである毛髪を張設した毛髪プレパラートは、蛍光X線分析に際し有効である。全国からサンプルである毛髪を郵送すると、毛髪自体微細であるため途中で消失する危険性がある。そこで、被験者が自分の毛髪をプレパラート基板に装着した毛髪プレパラートを作成し、この毛髪プレパラートを分析機関に郵送すれば、毛髪サンプルが消失する危険性は極めて低くなる。毛髪プレパラートは一定の大きさを有するから自然に消失してしまうことは極めて少ないから、安心である。しかも、分析機関では毛髪プレパラートを作成する手間が省け、送られてきた毛髪プレパラートを直ちに蛍光X線分析に掛けることができる利点がある。

0018

本発明の第4の形態によれば、第3形態に記載の毛髪プレパラートを配置し、前記毛髪プレパラートの毛髪に入射X線を照射するX線源と、前記毛髪から放出される蛍光X線を検出する検出器を少なくとも有する毛髪蛍光X線装置を提供できる。
前述したように、本発明の毛髪プレパラートでは、掛け渡された毛髪の下部には穴が開口されており、入射X線は上方から毛髪に照射されて透過X線は穴を通過してもよいし、また入射X線は下方から穴を通過して毛髪に照射され透過X線は上方へと逃げ去ってもよく、更に基板に対し極めて低角度で毛髪に照射され透過X線は反射X線として極めて低角度で反射してもよく、また更には鋭角度で毛髪に入射されてもよい等、種々の形態をとることができる。しかも、毛髪の下部は穴が開いており、この穴を視認しながら入射X線の入射角度を調整でき、プレパラート基板の高さ調整や位置調整が容易になり、蛍光X線装置として独特の利点を有するものである。

図面の簡単な説明

0019

図1は、本発明に係るプレパラート基板において各種形状の穴が開口された状態を示す斜視図である。
図2は、本発明に係るプレパラート基板の穴に毛髪を張設固定した各種の毛髪プレパラートの斜視図である。
図3は、本発明に係る毛髪プレパラートの毛髪に対し低角度で入射X線を照射して、上方へ放射される蛍光X線を検出する毛髪蛍光X線装置の概略説明図である。
図4は、本発明に係る毛髪プレパラートの毛髪に対し高角度で入射X線を照射して、高角度で上方に放射される蛍光X線を検出する毛髪蛍光X線装置の概略説明図である。
図5は、本発明に係る毛髪プレパラートの毛髪に対し下方から穴を透過して入射X線を照射して、高角度で下方に放射される蛍光X線を検出する毛髪蛍光X線装置の概略説明図である。
図6は、従来の穴無しプレパラート基板に毛髪を貼り付けて、毛髪に対し超低角度で入射X線を照射して上方へ放射される蛍光X線を検出する全反射型蛍光X線装置の概略説明図である。

実施例

0020

以下に、本発明に係るプレパラート基板、毛髪プレパラート及び毛髪蛍光X線装置の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るプレパラート基板において各種形状の穴が開口された状態を示す斜視図である。穴の形状は特に限定されないが、典型例として(1A)〜(1C)を次に示す。具体的には、(1A)は、中央に丸形の穴3を開口したプレパラート基板1の斜視図である。穴3を取り囲んで周縁部5が形成されており、この周縁部5に後述する毛髪の両端が固定される。(1B)は、中央に四角形の穴3を開口したプレパラート基板1の斜視図である。穴3を取り囲んで周縁部5が形成され、この周縁部5に後述する毛髪の両端が固定される。(1C)は、中央に三角形の穴3を開口したプレパラート基板1の斜視図である。穴3を取り囲んで周縁部5が形成され、この周縁部5に後述する毛髪の両端が固定される。

0021

プレパラート基板1の材質は特に限定されないが、穴3を開口するときにプレパラート基板が割れたり、開口した穴の周りが欠けたりしない材質が選択される。また、プレパラート基板1として、透明基板が推奨される。透明基板では、基板を透かして前方や後方の状態が確認でき、プレパラート基板の高さ調整や位置調整が容易になり、入射X線の入射方向も透かして調整できるから調整効率が良い利点がある。更に、摩擦帯電し難い/又はしない材質が望まれ、金属基板導電性樹脂基板が良い。従って、価格的に安価なのは柔軟性がある樹脂基板で、また透明樹脂基板が良く、更には導電性透明樹脂基板が最も良い。ガラスセラミック等の無機基板割れ欠けの無い開口法で穴が形成される。金属基板は穴の開口時に割れ欠けせず、しかも導電性があるが、不透明の弱点がある。

0022

樹脂基板としては、現有の全ての樹脂が利用される。特に、透明樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル、メタクリア、ポリアミド、ポリカポネード、四フッ化エチレン、エチレン酸ビコポリマー、フィノール樹脂、メラミン、不飽和ポリエステル、エポキシ等や、これ以外の透明樹脂も利用できる。導電性樹脂としては、ポリチオフェン系樹脂、ポリアセチレン系樹脂ポリアニリン系樹脂ポリピロール系樹脂が利用できる。

0023

図2は、本発明に係るプレパラート基板の穴に毛髪を張設固定した各種の毛髪プレパラートの斜視図である。
典型例として(1A)〜(1C)を次に示す。具体的には、(1A)は、中央に丸形の穴3を開口したプレパラート基板1を用いた毛髪プレパラート10を示し、毛髪11の両端が粘着テープからなる固定手段12により周縁部5、5で張設状態で固定されている。(1B)は、中央に四角形の穴3を開口したプレパラート基板1を用いた毛髪プレパラート10を示し、毛髪11の両端が瞬間接着剤からなる固定手段12により周縁部5、5で張設状態に固定されている。(1C)は、中央に三角形の穴3を開口したプレパラート基板1を用いた毛髪プレパラート10を示し、毛髪11の両端がコ字型針のステープルからなる固定手段12により周縁部5、5で張設状態で固定されている。従って、固定手段12としては種々存在し、上記以外の固定手段も本発明には包含される。
以上のように、毛髪11の両端が固定手段12により周縁部5、5で固定され、毛髪11は穴3に掛け渡された状態でピンと張設されている。従って、毛髪11は周縁部5以外ではプレパラート基板1と接触しておらず、毛髪11が擦過により摩擦帯電することは物理的に回避できる。また、穴3を通して入射X線を出し入れできるため、プレパラート基板1からの蛍光X線は遮断され、毛髪11以外の蛍光X線は遮断され、不純物元素が元素分布に含まれない為、毛髪11の正確で精密な元素分布を導出できる。

0024

図3は、本発明に係る毛髪プレパラートの毛髪に対し低角度で入射X線を照射して、上方へ放射される蛍光X線を検出する毛髪蛍光X線装置の概略説明図である。
本発明の第1形態に係る毛髪蛍光X線装置40は、装置内に配置された毛髪プレパラート10と、この毛髪11に入射X線21を照射するX線源20と、毛髪11から放射された蛍光X線23を入射させて検出する検出器30から構成されている。
特に、上記第1形態の蛍光X線装置は、一般に全反射型蛍光X線装置と呼ばれているが、穴の開いていないプレパラート基板1を用いたときに、低角度でプレパラート基板1に入射すると、入射X線21は基板1で全反射するため、プレパラート基板1からの蛍光X線は放射され難い特性を有する。しかし、毛髪11とプレパラート基板1が相互に接触するため、基板1からの蛍光X線を完全に遮断できるものではなく、プレパラート基板1から若干の蛍光X線がノイズとして混入する性質を有している。
他方、本実施形態の毛髪蛍光X線装置40は、入射X線21の入射角度は極めて低角度に設定されるが、入射X線21は毛髪11で反射して反射X線25となるか、穴3を透過するだけだからプレパラート基板1に入射せず、プレパラート基板1からの蛍光X線は全く発生しない。従って、毛髪11からの蛍光X線だけが発生し、この蛍光X線23だけが検出器30に入射するから、蛍光X線23を分析して得られる毛髪11の元素分布には不純物元素は含有されず、毛髪11内の正確な元素分布を導出することができる。
また、蛍光X線装置を初期調整するときに、穴3を透かして内部構造が確認できるから、入射X線21の入射角度の調整や毛髪プレパラート10の高さ調整と位置調整が容易に行える利点を有する。毛髪11は穴3と接触していないから、摩擦帯電は無く、毛髪11は空気中の不純物元素を静電吸着することは無い。従って、本形態の毛髪蛍光X線装置40を使用すれば、ノイズをほぼ完全に遮断した蛍光X線装置40を提供でき、毛髪11の元素分布を正確かつ精密に導出できる効果を有する。

0025

図4は、本発明に係る毛髪プレパラートの毛髪に対し高角度で入射X線を照射して、高角度で上方に放射される蛍光X線を検出する毛髪蛍光X線装置の概略説明図である。
図示される本発明の第2形態に係る毛髪蛍光X線装置40は、装置内に配置された毛髪プレパラート10と、この毛髪11に高角度で入射X線21を照射するX線源20と、毛髪11から高角度に放射された蛍光X線23を入射させて検出する検出器30から構成されている。
第2形態の装置では、穴の開いていないプレパラート基板1を用いると、高角度でプレパラート基板1に入射するから、入射X線21は基板1を透過するため、プレパラート基板1から大量の蛍光X線が放射される弱点を有する。従って、穴無しプレパラート基板からの大量の蛍光X線がノイズとして混入するため、微細サンプルである毛髪の元素分析がノイズの中に埋没する弱点を有する。
これに対し、本実施形態の毛髪蛍光X線装置40では穴有り基板を用いるから、入射X線21の入射角度が高角度に設定されて、入射X線21が毛髪11を透過しても、入射X線21は穴3を透過するだけだからプレパラート基板1に入射せず、プレパラート基板1からの蛍光X線は全く発生しない。従って、毛髪11からの蛍光X線だけが発生し、この蛍光X線23だけが検出器30に入射するから、蛍光X線23を分析して得られる毛髪11の元素分布には不純物元素は全く含有されず、毛髪11内の正確な元素分布を導出することができる。
また、第1形態と同様に、蛍光X線装置を初期調整するときに、穴3を透かして内部構造が確認できるから、入射X線21の入射角度の調整や毛髪プレパラート10の高さ調整と位置調整が容易に行える利点を有する。毛髪11は穴3と接触していないから、摩擦帯電は無く、毛髪11は空気中の不純物元素を静電吸着することは無い。従って、本形態の毛髪蛍光X線装置40を使用すれば、ノイズをほぼ完全に遮断した蛍光X線装置40を提供でき、毛髪11の元素分布を正確かつ精密に導出できる利点を有する。

0026

図5は、本発明に係る毛髪プレパラートの毛髪に対し下方から穴を透過して入射X線を照射して、高角度で下方に放射される蛍光X線を検出する毛髪蛍光X線装置の概略説明図である。
図示される本発明の第3形態に係る毛髪蛍光X線装置40は、装置内に配置された毛髪プレパラート10と、この毛髪11に下側からほぼ垂直に入射X線21を照射するX線源20と、毛髪11から下側に高角度に放射された蛍光X線23を入射させて検出する検出器30から構成されている。
第3形態の装置では、穴の開いていないプレパラート基板1を用いると、入射X線21は垂直上方へとプレパラート基板1に入射するから、入射X線21は基板1を透過するため、プレパラート基板1から大量の蛍光X線が放射される弱点がある。つまり、穴無しプレパラート基板からの大量の蛍光X線が下方にノイズとして放射されて毛髪11からの蛍光X線に混入し、微細サンプルである毛髪の元素分析がノイズの中に埋没する弱点を有する。
これに対し、本実施形態の毛髪蛍光X線装置40では穴有り基板を用いるから、入射X線21がほぼ垂直上方に入射し、毛髪11を透過しても、入射X線21は穴3を透過するだけだからプレパラート基板1には入射せず、プレパラート基板1からの蛍光X線は全く発生しない。従って、毛髪11からの蛍光X線だけが発生し、この蛍光X線23だけが検出器30に入射するから、蛍光X線23を分析して得られる毛髪11の元素分布には不純物元素は全く含有されず、毛髪11内の正確な元素分布を導出することができる。
更に、第1形態と同様に、蛍光X線装置を初期調整するときに、穴3を透かして内部構造が確認できるから、入射X線21の入射角度の調整や毛髪プレパラート10の高さ調整と位置調整が容易に行える利点を有する。毛髪11は穴3と接触していないから、摩擦帯電は無く、毛髪11は空気中の不純物元素を静電吸着することは無い。従って、本形態の毛髪蛍光X線装置40を使用すれば、ノイズをほぼ完全に遮断した蛍光X線装置40を提供でき、毛髪11の元素分布を正確かつ精密に導出できる利点を有する。

0027

本発明の穴開きプレパラート基板1を用いると、入射X線21の入射方向と蛍光X線23の放射方向がどんな配置の従来蛍光X線装置であっても、毛髪11の背面は穴3だけであり、プレパラート基板1からの蛍光X線はほぼ完全に発生せず、毛髪11からの蛍光X線だけを検出器30に入射させることができ、毛髪11の元素分布を正確且つ精密に測定できる利点を有する。

0028

本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。

0029

以上詳述したように、本発明に係る穴有りのプレパラート基板、毛髪プレパラート及び毛髪蛍光X線装置を使用すれば、毛髪の正確且つ精密な元素分布を導出することができ、従来の穴無しプレパラート基板を用いて導出した毛髪の元素分布よりも正確性と精度において格段に優れた元素分布を導出できるようになった。

0030

1プレパラート基板
3 穴
5周縁部
10毛髪プレパラート
11 毛髪
12 固定手段
20X線源
21入射X線
23蛍光X線
25反射X線
30検出器
40 毛髪蛍光X線装置
101 プレパラート基板
110 毛髪プレパラート
111 毛髪
112粘着テープ
120 X線源
121 入射X線
123 蛍光X線
125 反射X線
130 検出器

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ