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課題
解決手段
概要
背景
従来の擬似増毛毛材が粉末若しくは直線状の繊維であり、頭部散布するだけであるので頭部の薄毛部分の隠蔽のためには嵩高ボリューム感に欠けバルキー性が劣るものであった。次に、擬似増毛材は粉末等で保存中に細菌が繁殖し易く、さらに頭部頭髪の薄くなった部分を隠蔽の擬似増毛材を被着する場合、ふけの発生や頭皮分泌物、整髪剤の付着等により細菌増殖や汚れ等の臭気で非衛生は避けられない問題があった。また、毛髪の欠損した個所を目立たなくし視覚的に増毛させたように嵩高ボリューム性の向上と併せ、頭髪を豊かに見せる為に擬似増毛材の手段で付与する場合、頭皮とのなじみよく、かつ違和感のない快適な使用感が望まれる。また、従来トルマリン等の効果で人体の健康促進作用で快適性が得られていた。しかしながら、その発生するとされるマイナスイオンは、極微弱な為に測定器で検出できない難点があった。また,最近の研究等で、マイナスイオンを利用した抗菌作用の効果及び消臭作用の効果が知られるようになっているが、マイナスイオンの発生が極微弱であるため、抗菌作用及び消臭作用の効果が少ないことが課題となっていた。本発明は、このような事情にかんがみ、頭部の薄毛部分の隠蔽の為に嵩高ボリューム感に優れたバルギー性の向上の改善を図ると共に、保存中での雑菌の繁殖防止、また、マイナスイオン放出の持続維持並びに同時に放射する遠赤外線の利用で抗菌作用及び消臭作用を図り、併せて上記マイナスイオン放出と遠赤外線放射の作用で、頭部皮膚となじみ易く、かつ快適な使用感ガ得られる頭髪擬似増毛材を提供することを目的とする。即ち、本発明は上記のような目的を達成するために、撒布した残存頭髪部分等での立体状捲縮脈絡絡み構造を有する擬似頭髪増毛材の構成からなり、かつマイナスイオンの放出の持続性維持並びに同時に放射する遠赤外線の利用を図った多機能性擬似頭髪増毛材を提供する。
概要
セルローズ系繊維と、予め捲縮加工を施した同種又は異種繊維の組合わせとし、嵩高性の向上と共に、稀有元素類鉱物等を添加配合した多機能性擬似頭髪増毛材である。セルローズ系繊維と同種又は異種繊維より選ばれ、予め捲縮加工後、切断した短繊維と混合し、乾熱収縮処理、絡み交錯状接点の接着固定により構造体とし、また、第三物質の押し込み保持で嵩高性の向上をる。さらに稀有元素類鉱物等を添加する。
目的
頭部頭髪の薄くなった部分を隠蔽する擬似毛髪や擬毛増毛材として、各種繊維素材の種々の加工と共に、それに機能性を付与する提案がみられるようになっている。例えば、特開平5−71003号公報では、頭髪にふりかけたり、スプレーによって吹き付けたりなどして頭髪に固着させる化粧用の微髪毛で、分離性向上剤が付与されている。また、特開平6−57505号公報では、ポリエステル等の熱溶融短繊維を素材とする残存に簡潔に固着できて脱落なき保持を頭髪の簡易擬毛材が提案されている。さらに、繊維素材の切断又は粉砕に関しては、特開平9−119063号公報には、繊維軸方向に太細変化を有し異なった断面積の分布を有する繊維を切断又は粉砕してなる立毛用短繊維フロック及びそのフロックを用いた立毛構造体が提案されている。また、特開2004−332147号公報では、長さが一定でなく不規則に曲がった第1短繊維を混合し、バルキー性が高く少量でボリューム感が得られ、第2短繊維に抗菌性糸を用いる人工毛髪繊維および人工毛髪繊維の製造方法が記載されている。
また、近年の日用品用途での抗菌消臭の拡がりと共に、特許第3035279号には、静電気に帯電しにくい高分子化合物、並びに稀有元素類を含む鉱物、及び少なくともトルマリン若しくは遠赤外線放射セラミックのいずれか一方を含むマイナスイオンを放出すると同時に遠赤外線を放射する樹脂組成物、また、非特許文献として、光触媒機能材料について、光触媒といわれる数〜数百nmの酸化チタンが、太陽光の紫外線に当たる光電効果が電子で励起、電子と正孔が発生し、電子は、空気中の酸素を還元しスーパーオキサイドイオンに、正孔は、表面の水分を酸化して水酸化ラジカルに変える。このスーパーオキサイドイオンと水酸化ラジカルは、強い酸化力を示し、この状態でチタニア表面に有機物が付着すると、スーパーオキサイドイオンが有機物の炭素を、水酸化ラジカルが水素を奪って分解する。こうした自浄作用が、抗菌作用及び消臭作用となるメカニズムとなっている。擬似毛髪にも機能性付与する提案がみられるようになっており、特開平9−119063号公報には、キトサンを含有する湿式紡糸法により製造される抗菌性微髪毛が記載されている。さらに、特開2003−119608号公報には、放射性稀土類元素を含む天然鉱石を微粉化し、人工毛髪用原料中に混合して、微細フィラメント化し分断した短繊維と、噴霧用接着剤との組合わせよりなる増毛材が提案されている。
出願人は、色相の異なる二種以上の着色繊維を混合して得られる擬似毛髮(特開2001−200415号公報)では、セルローズ系繊維100重量部に対して染料が0.01〜45重量部となるようにして染色してなる擬似毛髮、及び色相の異なる二種以上の着色繊を混合して得られる頭髪になじみ、頭部の薄毛隠し用に適した擬似毛髮(特開2001−254216号公報)、さらに特許第4822086号公報では、分散性の向上を図った多機能性擬似毛髮材、また、特開2012−26070号公報には、多機能性擬似頭髪増毛材の提案があるが、その4件共に繊維長さはいずれも0.1〜5mm、繊維径0.50〜30デニールの数値限定範囲であるところ、本発明では、等しくセルローズ系繊維を主軸繊維とする点では共通するが、その主軸繊維の繊維長において、少なくとも繊維長が上記の先行出願でのいずれも上限数値では、5.00mmであるところ、本発明では、その繊維長の数値は、少なくとも1.00mmを超えない低数値域の限定であって(繊維径は0.5〜30デニールと変わらず)、かつその解決課題は、擬似頭髪増毛材での嵩高性ボリューム感の向上を図った改善に係る発明である。
上記の如き提案には、熱溶融短繊維ポリエステル等を簡潔に固着でき保持を頭髪の簡易擬毛材、さらに、繊維素材の切断又は粉砕に関しては、立毛用短繊維フロック及びその立毛構造体としてポリエステル捲縮加工糸等の提案である。そこでは、レーヨンは製品が重く湿摩擦染色堅牢度が低く熱安定性に劣り、セルローズ系繊維での用途展開には限界があると記載されている。また、長さが一定で直線形の第2繊維に長さが一定でなく不規則に曲がった第1短繊維を混合した人工繊維では、その組み合わせ形態から率爾に高いバルキー性、少量でボリューム感が得られると迄はいえない。さらに、抗菌性についても保管中での雑菌の繁殖防止に限られた記載がされているが、擬似頭髪増毛材を頭皮の薄毛部分に使用時て、後のシャンプーのし易さと併せ、洗い流す前迄の頭皮分泌物、整髪剤等の付着で細菌増殖、汚れ等の臭気で不衛生の為、持続的な抗菌消臭機能の維持が望まれる。また、その機能性は抗菌消臭の如き機能を付与できる範囲に止まらず、頭部薄毛部分での清淨感ムードとしても、マイナスイオン放出や遠赤外線放射等の雰囲気及び環境要因を含め、その機能性をさらに付与、発揮できる領域も取り組まなければならない希求の課題である。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
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請求項1
セルローズ系繊維を主軸とし、該セルローズ系繊維が繊維長さ1.00mmを超えない範囲であって、繊維径0.5〜30デニールで長さが略一定の短繊維に対し、前記セルローズ系繊維と少なくとも同種又は異種繊維の中から選ばれ、該繊維には予め所望の捲縮変形前処理が施されており、かつその繊維軸方向の長さを前記セルローズ系繊維の60〜80%以下に切断粉砕した微小短繊維を所望の比率で混合された擬似頭髪増毛材組成物からなり、前記組成物では各繊維の残留収縮を利用した乾熱収縮処理が施されており、かつ水系接着剤を使用した交錯接点の接着により繊維交錯構造体を構成してなることを特徴とする多機能性擬似頭髪増毛材。
請求項2
請求項3
前記捲縮変形前処理を施す異種繊維が、熱溶融繊維から選ばれたポリアミド繊維であって、捲縮率11.5%以上に捲縮前処理してなり、かつ該微小繊維を少なくとも15重量%以上混合してなる請求項1記載の多機能性擬似頭髪増毛材。
請求項4
前記捲縮変形前処理を施す異種繊維が、熱溶融繊維から選ばれたポリエステル繊維であって、捲縮率12%以上に捲縮前処理してなり、かつ該微小繊維を少なくとも15重量%以上混合してなる請求項1記載の多機能性擬似頭髪増毛材。
請求項5
前記擬似頭髪増毛材組成物での該主軸繊維と微少短繊維が絡み交錯状よりなる繊維交錯構造体において、微細動物毛又はウレタンパウダー、マイクロカプセルの中より選ばれたいずれか1種よりなる第三物質を該繊維交錯構造体に押し込み保持及び/又は付着した構成からなる請求項1記載の多機能性擬似頭髪増毛材。
請求項6
前記頭髪擬似増毛材組成物に、稀有元素類を含む鉱物、トルマリン若しくは遠赤外線セラミックスの少なくともいずれか一方を含む混合物を、少なくとも3重量%以上、粉体混合叉は塗布のいずれかにより展着担持してなる請求項1〜5の何れかに記載の多機能性擬似頭髪増毛材。
請求項7
前記頭髪擬似増毛材組成物に、アナターゼ型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン、アパタイト被覆酸化チタン、無機セラミック包含二酸化チタンから選ばれた光触媒材料を添加し、抗菌性並びに消臭性を向上せしめた請求項1〜6の何れかに記載の多機能性擬似頭髪増毛材。
請求項8
セノローズ系繊維を主軸とする擬似頭髪増毛材組成物において、前記組成物での該セルローズ系繊維が繊維長さ1.00mmを超えない範囲であって、繊維径0.5〜30デニールで長さが略一定の短繊維に対し、前記セルローズ系繊維と少なくとも同種又は異種繊維の中から選ばれ、該繊維には予め所望の捲縮変形前処理を施すと共に、かつその繊維軸方向の長さを前記セルローズ系繊維の60〜80%以下に切断粉砕した微小繊維を所望の比率で混合された擬似頭髪増毛材を製造するに際し、まず第1工程では、前記各繊維を選別、染色、分散選別処理、所定繊維の配合を経て、次に第2工程では、該主軸繊維並びに微小短繊維のそれぞれの潜在的特性を発現させる繊維の残留収縮を利用した乾熱収縮処理を施し、さらに攪拌分散後、気流式乾燥機を用いて、粘着性水系接着剤をコーティングした主軸繊維の周面に微少短繊維を撒布エアにより吹き付けて交錯接点の接着処理を施し、繊維の相互間で互いに脈絡状の繊維交錯構造体を構成してなることを特徴とする多機能性擬似頭髪増毛材の製造方法。
技術分野
0001
本発明は、多機能性を備えた擬似頭髪増毛材に関し、人の頭髪に良好に調和し、頭部の薄毛部分の隠蔽に好ましく用いることができ、撒布した残存頭髪部分等での嵩高性を有し、頭髪薄毛部分での不足を補う嵩高ボリューム感の向上と共に、マイナスイオン放出及び遠赤外線放射と併せ、抗菌・消臭作用並びに頭皮血行促進やリラックス効果を図った頭髪擬似増毛材及びその製造方法に関する。
背景技術
0002
従来の擬似増毛毛材が粉末若しくは直線状の繊維であり、頭部散布するだけであるので頭部の薄毛部分の隠蔽のためには嵩高ボリューム感に欠けバルキー性が劣るものであった。次に、擬似増毛材は粉末等で保存中に細菌が繁殖し易く、さらに頭部頭髪の薄くなった部分を隠蔽の擬似増毛材を被着する場合、ふけの発生や頭皮分泌物、整髪剤の付着等により細菌増殖や汚れ等の臭気で非衛生は避けられない問題があった。また、毛髪の欠損した個所を目立たなくし視覚的に増毛させたように嵩高ボリューム性の向上と併せ、頭髪を豊かに見せる為に擬似増毛材の手段で付与する場合、頭皮とのなじみよく、かつ違和感のない快適な使用感が望まれる。また、従来トルマリン等の効果で人体の健康促進作用で快適性が得られていた。しかしながら、その発生するとされるマイナスイオンは、極微弱な為に測定器で検出できない難点があった。また,最近の研究等で、マイナスイオンを利用した抗菌作用の効果及び消臭作用の効果が知られるようになっているが、マイナスイオンの発生が極微弱であるため、抗菌作用及び消臭作用の効果が少ないことが課題となっていた。本発明は、このような事情にかんがみ、頭部の薄毛部分の隠蔽の為に嵩高ボリューム感に優れたバルギー性の向上の改善を図ると共に、保存中での雑菌の繁殖防止、また、マイナスイオン放出の持続維持並びに同時に放射する遠赤外線の利用で抗菌作用及び消臭作用を図り、併せて上記マイナスイオン放出と遠赤外線放射の作用で、頭部皮膚となじみ易く、かつ快適な使用感ガ得られる頭髪擬似増毛材を提供することを目的とする。即ち、本発明は上記のような目的を達成するために、撒布した残存頭髪部分等での立体状捲縮脈絡絡み構造を有する擬似頭髪増毛材の構成からなり、かつマイナスイオンの放出の持続性維持並びに同時に放射する遠赤外線の利用を図った多機能性擬似頭髪増毛材を提供する。
発明が解決しようとする課題
0003
頭部頭髪の薄くなった部分を隠蔽する擬似毛髪や擬毛増毛材として、各種繊維素材の種々の加工と共に、それに機能性を付与する提案がみられるようになっている。例えば、特開平5−71003号公報では、頭髪にふりかけたり、スプレーによって吹き付けたりなどして頭髪に固着させる化粧用の微髪毛で、分離性向上剤が付与されている。また、特開平6−57505号公報では、ポリエステル等の熱溶融短繊維を素材とする残存に簡潔に固着できて脱落なき保持を頭髪の簡易擬毛材が提案されている。さらに、繊維素材の切断又は粉砕に関しては、特開平9−119063号公報には、繊維軸方向に太細変化を有し異なった断面積の分布を有する繊維を切断又は粉砕してなる立毛用短繊維フロック及びそのフロックを用いた立毛構造体が提案されている。また、特開2004−332147号公報では、長さが一定でなく不規則に曲がった第1短繊維を混合し、バルキー性が高く少量でボリューム感が得られ、第2短繊維に抗菌性糸を用いる人工毛髪繊維および人工毛髪繊維の製造方法が記載されている。
また、近年の日用品用途での抗菌消臭の拡がりと共に、特許第3035279号には、静電気に帯電しにくい高分子化合物、並びに稀有元素類を含む鉱物、及び少なくともトルマリン若しくは遠赤外線放射セラミックのいずれか一方を含むマイナスイオンを放出すると同時に遠赤外線を放射する樹脂組成物、また、非特許文献として、光触媒機能材料について、光触媒といわれる数〜数百nmの酸化チタンが、太陽光の紫外線に当たる光電効果が電子で励起、電子と正孔が発生し、電子は、空気中の酸素を還元しスーパーオキサイドイオンに、正孔は、表面の水分を酸化して水酸化ラジカルに変える。このスーパーオキサイドイオンと水酸化ラジカルは、強い酸化力を示し、この状態でチタニア表面に有機物が付着すると、スーパーオキサイドイオンが有機物の炭素を、水酸化ラジカルが水素を奪って分解する。こうした自浄作用が、抗菌作用及び消臭作用となるメカニズムとなっている。擬似毛髪にも機能性付与する提案がみられるようになっており、特開平9−119063号公報には、キトサンを含有する湿式紡糸法により製造される抗菌性微髪毛が記載されている。さらに、特開2003−119608号公報には、放射性稀土類元素を含む天然鉱石を微粉化し、人工毛髪用原料中に混合して、微細フィラメント化し分断した短繊維と、噴霧用接着剤との組合わせよりなる増毛材が提案されている。
出願人は、色相の異なる二種以上の着色繊維を混合して得られる擬似毛髮(特開2001−200415号公報)では、セルローズ系繊維100重量部に対して染料が0.01〜45重量部となるようにして染色してなる擬似毛髮、及び色相の異なる二種以上の着色繊を混合して得られる頭髪になじみ、頭部の薄毛隠し用に適した擬似毛髮(特開2001−254216号公報)、さらに特許第4822086号公報では、分散性の向上を図った多機能性擬似毛髮材、また、特開2012−26070号公報には、多機能性擬似頭髪増毛材の提案があるが、その4件共に繊維長さはいずれも0.1〜5mm、繊維径0.50〜30デニールの数値限定範囲であるところ、本発明では、等しくセルローズ系繊維を主軸繊維とする点では共通するが、その主軸繊維の繊維長において、少なくとも繊維長が上記の先行出願でのいずれも上限数値では、5.00mmであるところ、本発明では、その繊維長の数値は、少なくとも1.00mmを超えない低数値域の限定であって(繊維径は0.5〜30デニールと変わらず)、かつその解決課題は、擬似頭髪増毛材での嵩高性ボリューム感の向上を図った改善に係る発明である。
上記の如き提案には、熱溶融短繊維ポリエステル等を簡潔に固着でき保持を頭髪の簡易擬毛材、さらに、繊維素材の切断又は粉砕に関しては、立毛用短繊維フロック及びその立毛構造体としてポリエステル捲縮加工糸等の提案である。そこでは、レーヨンは製品が重く湿摩擦染色堅牢度が低く熱安定性に劣り、セルローズ系繊維での用途展開には限界があると記載されている。また、長さが一定で直線形の第2繊維に長さが一定でなく不規則に曲がった第1短繊維を混合した人工繊維では、その組み合わせ形態から率爾に高いバルキー性、少量でボリューム感が得られると迄はいえない。さらに、抗菌性についても保管中での雑菌の繁殖防止に限られた記載がされているが、擬似頭髪増毛材を頭皮の薄毛部分に使用時て、後のシャンプーのし易さと併せ、洗い流す前迄の頭皮分泌物、整髪剤等の付着で細菌増殖、汚れ等の臭気で不衛生の為、持続的な抗菌消臭機能の維持が望まれる。また、その機能性は抗菌消臭の如き機能を付与できる範囲に止まらず、頭部薄毛部分での清淨感ムードとしても、マイナスイオン放出や遠赤外線放射等の雰囲気及び環境要因を含め、その機能性をさらに付与、発揮できる領域も取り組まなければならない希求の課題である。
課題を解決するための手段
0004
本発明の目的は、上記の如き課題を解決しようとするものであって、まず(1)本発明は上記のような目的を達成するために、撒布した残存頭髪部分等での立体状捲縮脈絡み構造を有する嵩高性が向上された頭髪増毛材の構成からなり、かつマイナスイオンの放出の持続性維持、並びに同時に放射する遠赤外線の利用を図った擬似頭髪増毛材を提供する。
(2)また、本発明の構成では、従前より擬似頭髪材として使用されてきているセルローズ系繊維の持つ、繊維中の水溶性物質が少量で、吸湿・吸水にも優れた特性を有効に活用し、人の頭部毛髪に調和する色彩及び艶を有する様に染色することができ、光線の透過によって白髪に見えることなく、人の頭部毛髪に自然な艶感をもって調和し、かつ頭部の薄毛部分の隠蔽性に優れた天然繊維の属性を発揮し得るものの中から選ばれたセルローズ系繊維を擬似頭髪増毛材組成物の主要構成部分とし、特に頭部の薄毛部分の隠蔽用に適する嵩高性が向上した擬似頭髪増毛材を、簡易且つ効果的に製造することができる。とりもなおさず本発明では、その主軸繊維としてセルローズ系繊維の持つ、繊維中の水溶性物質が少量で、吸湿・吸水に優れた特性を有効に活用し、また人の肌にやさしく親しまれてきているセルローズ系繊維を主軸繊維とすることを特徴とする。(2)次の解決課題は、人の頭部はふけの発生や頭皮分泌物、整髪剤の付着で細菌増殖や汚れ等の臭気で非衛生になり易く、また、保管中の雑菌の繁殖防止のための抗菌性及び消臭性の機能付与と共に、さらに、頭部薄毛箇所にスプレー又はふりかけにより、その還元作用に因んで頭皮での育毛又は養毛促進に有利な血行促進が図られ、健康に望ましく頭皮箇所でのマイナスイオン放出環境及び/又は光触媒抗菌消臭作用のさらなる励起現象をも奏するといわれる遠赤外線放射作用の相乗効果によって、頭部での雰囲気環境を良好としリラックスせしめる薄毛部分の隠蔽用に適する擬似頭髪増毛材を得ることができる。また、本発明では、嵩高性の改善において、熱風気流式乾燥機を用い、その周面に粘着性を有する水性バインダーを、コーティングした主軸繊維に撒布エアにより微小短繊維を略傾斜状に吹き付け相互間で互いに絡み脈絡交錯状に繊維交錯立体構造を形成した構成であり、その相互間での接点は接着固定されて架橋状或いは脈絡交錯状の形態により、その構成での空隙の存在は空気の流通に機能するように働き、嵩高性と併せた相乗効果を奏する。
上記の通り本発明では、撒布した残存頭髪部分等での捲縮変形要因に基づく脈絡絡み構造を形成する頭髪増毛材の構成からなる嵩高性の向上であり、かつマイナスイオン放出の持続性維持並びに同時放射する遠赤外線の利用を図った擬似頭髪増毛材を提供する。即ち、頭部の薄毛部分の隠蔽の為に嵩高ボリューム感に優れたバルキー性の向上を図ると共に、保存中での雑菌の繁殖防止、また上記マイナスイオン放出と同時に放射する遠赤外線の利用で抗菌及び消臭作用を図り、併せてマイナスイオン放出と遠赤外線放射の作用により、頭部皮膚となじみ易く、かつ快適な使用感が得られる。また、上記無機微粒子の分散配合は、艶消し微粒子としても働くと共に、傷んだ頭髪薄毛部分の毛髪に調和した重質感を与え、直射日光下での光沢感でもより自然毛に近いものになる重複した作用効果を奏する擬似頭髪増毛材を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような目的を達成する為に、セルローズ系繊維を主軸とし、該セルローズ系繊維が繊維長さ1.00mmを超えない範囲であって、繊維径0.5〜30デニールで長さが略一定の短繊維に対し、前記セルローズ系繊維と少なくとも同種又は異種繊維の中から選ばれ、該繊維には予め所望の捲縮変形前処理が施されており、かつその繊維軸方向の長さを前記セルローズ系繊維の60%以下に切断粉砕した微小短繊維を所望の比率で混合された擬似頭髪増毛材組成物からなり、まず、その前段工程では嵩高性の為の該主軸繊維並びに微小短繊維それぞれの潜在的特性を発現させる繊維の残留収縮を利用した嵩高性を向上させる為の乾熱収縮処理が施されており、次に、その後段工程では、該主軸繊維と微少短繊維との混合絡み接点の接着処理では、合成樹脂エマルジョンをベースとした柔軟成分を含む水系接着剤を使用し、熱風気流によりエア搬送される通路において、該主軸繊維の周面に前記水系接着剤をコーティングした加熱粘着状接着層に、撒布エアにより該微少短繊維を略傾斜の角度で吹き付け絡み交錯状とした交差接点の接着固定による相互間で互いに絡み交錯状の繊維立体三次元構造の構成からなり、前段での繊維残留収縮の利用による乾熱収縮と併せ、嵩高性の向上を図り得る多機能性擬似頭髪増毛材の構成である。
発明の効果
0005
本発明によれば、吸湿・吸水に優れた特性を有するセルローズ系繊維を主軸繊維とし、その第1工程では、繊維を裁断、選別、篩分け後、人の毛髪に調和する色彩及び艶感を有するように染色でき、第2工程では、繊維残留収縮の利用による乾熱収縮処理では、付与された捲縮の歪みを固定し繊維相互間の平行線を乱すことによって嵩高性が得られるように働くと共に、熱風乾燥機を用いた該主軸繊維の周面でのバインダー粘着性樹脂層に、微小短繊維を撒布エアにより略傾斜状に吹き付け絡み交錯状とした交差接点の接着による繊維立体三次元構造を形成する脈絡交錯形態、また、微砕動物毛等の第三物質の押し込み保持は、主軸繊維との相互間の中心距離が拡がることからも、嵩高性ボリューム感に優れたバルキー性の向上での改善を図り得る効果を奏する。さらに前記脈絡交錯形態では、空気通路の存在と共に、抗菌、消臭性付与の為の稀有元素類を含む鉱物によるマイナスイオン及び遠赤外線放射物質等の無機微粒子の粉体配合は、別途傷んだ毛髪部扮に重質感を与え、かつ艶のよりきめの細かい調整ができ、頭髪との違和感を少なくする効果を奏する。
発明を実施するための最良の形態
0006
本発明は、頭髪薄毛部分等にスプレー又はふりかける擬似毛髪増毛材として、セルローズ系繊維を主たる擬似頭髪増毛材の基軸とし、これに同種セルローズ系繊維又は異種繊維、例えばポリエステル、ポリアミド等であり、かつこれらの繊維には、予め所望の繊維変形膜縮前処理を施し、さらにこれら破砕繊維を所望の占有比率で該基軸繊維と混合してなる擬似頭髪増毛材組成物の構成によって嵩高性の向上を図ることができ、さらに、本発明では、前記組成物では嵩高性の為の該主軸繊維並びに微小短繊維それぞれの潜在的特性を発現させる繊維の残留収縮を利用した嵩高性を向上させる為の乾熱収縮処理が施された構成であり、それに加えて該主軸繊維と微少短繊維との混合絡み接点の接着処理では、合成樹脂エマルジョンをベースとした柔軟成分を含む水系接着剤を使用し、熱風気流が搬送される通路において、該主軸繊維の周面に前記水系接着剤をコーティングした加熱粘着状接着層に、撒布エアにより該微小短繊維を略傾斜の角度で吹き付け絡み交錯状とした交差接点での接着により相互間で互いに絡み脈絡交錯状の繊維交錯立体三次元構造体の構成からなり、各繊維の残留収縮の利用による乾熱収縮と併せ、嵩高性の向上の改善を図り得る多機能性擬似頭髪増毛材組成物の構成である。また、上記絡み脈絡交錯状の繊維交錯構造体での交錯接点の接着処理では、接着の為必要な可及的少量限度の接着剤として、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンをベースとした柔軟成分を含む水系接着剤を使用し、接着後での嵩高性の妨げとなる樹脂硬化、並びに繊維反発弾性の低下を抑制し、接点接着を充足する可及的少量限度の接着剤により主軸繊維と微小短繊維との相互間で互いに絡み混合交錯の立体三次元構造の繊維交錯構造体を形成することが適当である。
ところで、一般に繊維加工で嵩高性を付与する加工は、例えば合繊を主体とした化学繊維の糸に対し、羊毛に代表されるような天然繊維状の捲縮形態をもたせて、化学繊維の風合いを改良し嵩高性を付与する嵩高加工が行われる。即ち、嵩高加工は、糸に二次元または三次元的な捲縮を付与し、この歪みを固定し繊維相互間の平行性を乱すことによって嵩高性を与え、熱可塑性合成繊維の旋回性かさ高加工は代表的な加工方法である。しかしながら、微小繊維である擬似頭髪増毛材では、まず、例えば捲縮変形処理を施した短繊維同士では、嵩高性を解決課題とする場合、その形態からも絡みや毛玉が発生し分散性の点でも決定的な阻害要因があることが判った。一般に加工糸での嵩高加工は慣用手段としても知られ当業者周知であっても、これを擬似頭髪増毛材に適用しようとする場合には、別途繊維同士の絡み等が不可避でこの解決が前提となる。
この為、本発明では、まず第1の課題は、主軸となる予め捲縮処理しないストレートのセルローズ系繊維に対し、一方の繊維では、これと同長、同径は避け、また、該配合繊維には予め所望の捲縮加工を施し、かつその垂直軸方向の繊維長を所望の好ましい比率、例えば60%以下に制御のうえ切断破砕し、これらを混合した擬似毛髪増毛材組成物とすること、さらに第2の課題は、該捲縮破砕繊維を配合する割合を、所望の比率、例えば捲縮加工が施されたレーヨンでは、配合比20重量%以下の範囲とする。また、捲縮加工が施されたポリアミド、ポリエステルの合繊では、その属性にも起因し、配合比15重量%以下とし、これら二つの条件を充足したものを組み合わせにより、即ち第1の課題の、例えば少なくとも未捲縮加工ストレートの主軸繊維と、一方の捲縮処理済繊維との絡み、染色むら等の阻害誘因の克服と併せ、第2の課題である予め捲縮変形処理された特異な形態は、粉砕時での回転刃の衝撃力並びに水平方向の剪断力による、コイル状や折れ曲がり、カール、コイル状等も含む配合繊維の混合割合も、嵩高性の課題解決の為に、混合を量的に限定した臨界的意義がある。このように本発明では、バルキー性の向上を解決課題とし、第1に変形加工の手段として採用の捲縮加工の配合繊維は、繊維長でも主軸レーヨン繊維とは差別化した所望の繊維長に制御し切断粉砕、第2には捲縮加工の短繊維の配合比率も、好ましい所望の配合量比によって、嵩高性の向上を図るように働くこと、また、本発明では、セルローズ系繊維を主軸とし、同種又は異種の微小短繊維との混合に際して、それぞれの繊維で異なった固有の物性で少なくとも嵩高性に寄与する要素を探索のところ、各繊維では乾熱収縮率の存在とその数値域に差異のあること、さらに例えば繊維長で格差のある二種の繊維の混合形態でもそれなりの嵩高性がみられるが、その絡み架橋状或いは交錯状でのこれら繊維の接点を接着固定により、該繊維立体三次元構造体での骨格ないし支柱要素として働く嵩高性の改善と共に、併せて該構造体での空気が流通する空気通路の空間形成にも寄与するように働くことを見い出し、本発明に到達した。
本発明は、撒布した残存頭髪部分等でのセルローズ系繊維を主軸とし、捲縮前処理を施した微小短繊維との混合からなり、まず、それぞれの潜在的特性を発現させる繊維の残留収縮を利用した嵩高性のための乾熱収縮処理が施され、次に、熱風乾燥機を用いた該主軸繊維の周面での粘着性樹脂層に微少短繊維を吹き付け絡み交錯状とした交差接点の接着による繊維三次元立体構造を形成する絡み脈絡交錯形態を形成した頭髪増毛材の構成からなる嵩高性の改善並びに向上を図った構成であり、かつ該繊維立体三次元構造体には空気通路の存在がある為尚更のこと、マイナスイオン放出の持続性維持並びに同時放射する遠赤外線の利用を図るのに好適な擬似頭髪増毛材の構造である。
本発明は、頭部の薄毛部分の隠蔽のために嵩高ボリューム感に優れたバルキー性の向上を図った擬似頭髪増毛材であり、繊維の残留収縮を利用した嵩高性の為の乾熱収縮処理に続いて、該主軸繊維と微小短繊維を絡み交錯状とした交差接点の接着固定では熱風乾燥機を用い、該主軸繊維の周面でのバインダー粘着性樹脂層に微小短繊維を略傾斜状に吹き付け絡み交錯状とした交差接点の接着固定には、気流式乾燥機を用いて行うことができ、繊維三次元立体構造の脈絡形態を形成した繊維交錯構造体の頭髪増毛材組成物の構成である。本発明では、まずセルローズ系繊維を主軸とする擬似頭髪増毛材組成物は、該セルローズ系繊維が、繊維長さ1.00mmを超えない範囲であって、繊維径0.5〜30デニールで長さが略一定の短繊維に対し、前記セルローズ系繊維と少なくとも同種又は異種繊維の中から選ばれ、該繊維には予め所望の捲縮変形前処理を施すと共に、かつその繊維軸方向の長さを前記セルローズ系繊維の60〜80%以下に切断粉砕した微小繊維を所望の比率で混合された擬似頭髪増毛材の構造である。該組成物を製造するに際し、第1工程では、素材原糸入荷、所定長さに裁断、選別・篩分け、染色加工、分散処理、脱水を行い、必要により、ここで熱風乾燥後、製品検査・出荷の工程順であるが、本発明においては、その解決課題のさらなる嵩高性の向上の為、上記の如き熱風乾燥後、製品検査・出荷の製品化を行わず、第1工程での分散処理・脱水後、第2工程の前段に直接に繋げるもので、その第2工程の前段では、熱風乾燥、予備風乾処理(攪拌・分散)、乾熱収縮処理を経て、後段では、主軸繊維と微小短繊維との絡み脈絡状の交錯接点での接着固定を行い、前段工程での乾熱収縮処理による捲縮付与での歪みの固定と共に、主軸繊維と微小短繊維との相互間の混合絡みで乱れた脈絡状の並行性を固定することによって三次元構造の形態を形成した繊維交錯構造体の構成とするものである。さらに、嵩高性の向上での改善には、必要により微破砕動物毛、微小ウレタンパウダー、マイクロカプセルの中から選ばれた少なくとも1種の第三物質を、押し込み保持の噴霧接着処理を行い、次に稀有元素類鉱物粉粒体を配合し、熱風乾燥、製品検査・出荷の工程順である。
まず、第2工程の前段での乾熱収縮処理については、該主軸繊維のセルローズ系繊維と、微小短繊維は同類であるが、ポリアミド、ポリエステル系繊維は異質繊維であって、前段での乾熱収縮捲縮では、これら繊維間で残留収縮の利用による乾熱収縮では格差がみられるが、絡み脈絡状の繊維交錯構造体の構成では、捲縮の不均一は、嵩高性を向上の要因として作用するように働くとみられ、後段で攪拌分散を経て、該主軸繊維と微小短繊維との絡み脈絡状での交錯接点の接着固定処理により、微小短繊維を略傾斜の角度で吹き付け絡み交錯状とした交錯接点での接着では、各繊維の相互間での絡み脈絡状の交錯形態で乱れた平行性を固定し、繊維相互間で互いに絡み脈絡状の繊維交錯構造体を形成した構成と併せ、各繊維の残留収縮の利用による乾熱収縮は嵩高性の向上を図り得るように働く。
第2工程の前段の乾熱収縮処理については、まず本発明での主軸繊維であるセルローズ系繊維、ビスコースレーヨンについてみると、本発明での実施例1〜4でも採択のダイワボウレーヨン株式会社での試験結果では、レーヨンの熱収縮の擧動とし、試験方法、JIS 1015,715Iに試験繊維長20mm、25mm、50mmによる方法があり、試験繊維長が短かすぎて誤差が大きいとし、50cmのトウを精錬した後、サンプルとし、カセトメーター読み取りの試験長15mmで測定を実施した。その結果、レーヨンでも乾熱収縮が認められるが、湿潤である方がより収縮し易いという結果であり、乾熱150℃×20minの条件下で、乾熱収縮率は、2.11%であった。ただし一度収縮した繊維については、その構造上から安定してしまい熱変動の安定した繊維になると考えられる。また、レーヨン以外の合成繊維では、アクリル繊維についてみると、乾熱収縮処理では、乾熱100℃における収縮率を意味し、具体的には1デシテックス当たり10mg/デシテックス荷重下の試長(LW)を測定し、収縮は対流型オーブン中で乾100℃、30分処理で収縮させた後、室温に戻し100mg/デシテックス荷重下の試長(L`W)を測定し、下記式により収縮率を求める。
乾熱収縮率(%)=((LWーL`W)/)×100
また、乾熱収縮率の処理温度は、乾熱80℃下で1%以上、乾熱90℃下で2%以上、乾熱110℃下では、10%以上となり、処理温度により収縮率は変化していく。例えばアクリルを、30重量%含有するアクリル系重合体からなる繊維ででは、100℃、30分処理における乾熱収縮率が5%以上との数値の記載例がみられる。
第2工程の後段では、攪拌分散を経て、該主軸繊維と微小短繊維との絡み交錯状での接点の接着処理では、接着のため必要な可及的少量限度の接着剤として、合成樹脂エマルジョンでは、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、アクリル酸エステル重合樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン等の群から選ばれた少なくとも1種より選ぶことができるが、本発明では、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを使用し、その使用量は該主軸繊維と微小短繊維との絡み脈絡状の交錯接点の接着固定である為、硬化促進剤を配合し、その可及的少量の接着剤を使用した接点接着が適当である。接着剤の塗布量は、本発明では微小短繊維の繊維長が低く、また樹脂成分粒径との対比等で異なるが、接着剤の塗布量は、樹脂固形分として、8〜10g/m2、好ましくは5〜7g/m2、さらに好ましくは3〜5g/m2である。
本発明の実施形態として使用される気流式乾燥機(株式会社クメタ製ACD型)は、図1に示すものである。気流式乾燥機本体8は、熱風発生装置9から搬送エアで連通し、主軸繊維2を供給する第1ホッパーa10、次に撒布エアにより吹き付け微小短繊維3を吐出する第2ホッパーb11、及び前記ホッパーa10及び乾燥管17で連通し、稍離れて取り付けられた微細動物毛等の第三物質4を供給する第3ホッパーc12と、乾燥管17を介して連通し配設された排気ファン18と繋がるサイクロン19とを主体として構成されている。上記の第1ホッパーa10では、該主軸繊維2の周面に予め粘着性アクリル酸エステル共重合エマルジョンがコーティングされた接着層を形成し、かつ熱風乾燥気流が搬送される僅かの時間差を設けた位置に取り付けられたホッパーb11には、該主軸繊維2の周面に形成した接着層に微小短繊維3を稍傾斜状に吹き付け接着させる為、該ホッパーb11にはエアコンプレッサー16が設けられている。また、第3ホッパーc12は、上記のとおり微細動物毛、微細ウレタンパウダー、マイクロカプセルの中から選ばれた1種の第三物質4を供給するホッパーであるが、前記の主軸繊維2と微小短繊維3との絡み脈絡状の繊維交錯構造体に、第三物質を押し込み保持させる為に、必要により撒布エアの噴霧機構を配設した構成とすることができる。さらに、本発明での稀有元素類鉱物粉粒体5の混合では、第3ホッパーc12を使用し、上記第三物質4の撒布エアによる押し込み保持と同時に投入を行なうこともできる。13はロータリーバルブa、14はロータリバルブb、15はロータリバルブc、20はロータリバルブd、21は吐出口である。
次に、図2は、上記図1での本発明の実施形態として使用される気流式乾燥機において、本発明での繊維交錯構造体を製造するための該主軸繊維2と微小短繊維3との絡み脈絡状の交錯接点7での接着状態での推移を示す説明図である。図2において、主軸繊維2の周面には予め粘着性アクリル酸共重合体エマルジョンからなる接着剤がコーティングされており、乾燥管17には気流式乾燥機本体8での熱風発生装置9より熱風気流が搬送されており、まず第1ロータリバルブa13より周面が粘着状態の主軸繊維2が吐出供給されるが、若干の時間差を設けて少なくとも該主軸繊維2の周面の粘着性が維持されている段階において、搬送エアで送られ乾燥状態の微小短繊維3を、望ましくは撒布噴霧手段により両者を絡ませた交錯状態、つまりその絡み脈絡状での相互関の平行線が乱れた状態での交錯接点7の接着固定により繊維交錯構造体1aを形成する工程での相互での交錯接点7での接着固定の段階を示すものである。また、図2での下段は、上記のとおり粘着性アクリル樹脂共重体エマルジョンをコーティングした主軸繊維2に、粘着性未加工の微小短繊維3を第1ロータリバルブa13より、望ましくは噴射吹き付けにより絡ませ交錯状態とするが、それに続き、望ましくは該粘着性接着剤がなお粘着性維持の段階で、微小動物毛、ウレタンパウダー、マイクロカプセルの中より選択された少なくとも1種である第三物質4を、望ましくは噴射押し込みにより保持した絡み脈絡状の立体三次元構造の繊維交錯構造体1bとすることができる。
図中、本発明での繊維交錯構造体1a(第三物質の押し込み保持無し)は、主軸繊維2と微小短繊維3との混合のみからなり、これに稀有元素類鉱物粉粒体5が混合された繊維交錯構造体1aであり、また、繊維交錯構造体1b(第三物質の押し込み保持有り)では、主軸繊維2と微小短繊維3と、さらに微細動物毛等から選ばれた第三物質が混合され、さらに、稀有元素類鉱物粉粒体5が混合された繊維交錯構造体の構造であり、6は空隙、7は交錯接点である。
本発明において、脈絡状の繊維相互の交錯接点の接着固定に接着剤を使用するが、その接着剤の使用で、解決手段の前提として使用量の限定を免れない実施形態が存在している。本発明では、接着剤として、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンをベースとした粘着性樹脂接着剤を使用し、熱風気流によりエア搬送される通路において、該主軸繊維の周面に前記水系接着剤をコーティングした加熱粘着状接着層に、撒布エアにより微小短繊維を略傾斜の角度で吹き付け絡み交錯状とした接点の接着固定により相互間で互いに絡み交錯状の繊維立体三次元構造を形成した構成であるが、本発明での水溶性樹脂をベースとした水系接着剤において、該接着剤の使用でのその限定的な解決手段、すなわち該主軸繊維2と微小短繊維3との混合において、まず予め該主軸繊維2の周面に上記水系接着剤をコーティングした粘着性接着層に、熱風搬送エアにより該微小短繊維3を突き刺さり状又は架橋状での交錯接点7での接着固定が達成されるが、両繊維の絡み脈絡形態の全体を覆うが如き樹脂コーティングでなく、交錯接点7での相互の繊維の接着固定が達成されればよく、限定的な部分接着での解決手段である。この為、その交錯接点7の接着固定でも使用量を多くした場合、該繊維交錯構造体1a、1bの立体三次元構造での空隙6の存在を覆う虞れもあり、その使用量を低く抑制すると共に、該水系接着剤が少量としても、例えば予め硬化促進剤を配合し、交錯接点7での接着固定を進めることが好ましい。この為に、本発明では、該接着剤の使用量の抑制につき、少量の水系接着剤でもその硬化を進行させ該交錯接点7の接着固定を達成する構成とし、その接着剤に予め硬化促進剤を配合した構成とし、接着剤の使用量の抑制に対して補完的にも機能するように働く構成とした。
接着剤の技術では、硬化とは熱硬化を意味し、接着剤に架橋反応が起こって、繊維立体三次元構造体を構成し、不溶、不融の状態になることであり、また接着は、二個の被着体を接合し、かつ相当の引き離し力に耐えられる程度に密着させることで、接着剤を用いる方法では、接合部の固定反応は、接着剤層での固定と接着剤と被着体との接触界面での固定とに分けて考えることができ、硬化はその接着剤層での固定に関し使われる用語で、接着剤層での固定は流動性の接着剤が物理的反応や化学的反応によって固化することである。
例えば、ポリメチールメタアクリレートは熱可塑性樹脂であり、ジメチルアニリン促進剤は、接着剤のポリメチールメタアクリレートに混合されているベンゾイルパーオキサイドの分解促進剤であり、架橋反応によって硬化することができる水溶性アクリル樹脂は熱可塑性樹脂であり、硬化剤により架橋反応を生じ硬化している。そして、硬化剤は、接着剤の硬化を惹起するものや、硬化を促進するものの総称であるから、ジメチルアニリン促進剤が硬化剤の範疇に入るものであり、本発明ては、少量での接着剤の使用で、予め接着剤の硬化剤を混合しておいて硬化を促進するものである。
本発明では、頭髪残存部及び/又は薄毛部において、セルローズ系短繊維からなる主軸繊維と、一方の微小短繊維は同種又は異種の繊維から選ばれ、これら繊維には変形処理の手段の中から選ばれた定型的で品質管理上も反復再現性のある捲縮加工を予め施し、かつその繊維長を所望の長さに差別化し制御範囲で切断粉砕され、次に、該前処理が施された繊維は所望の配合比率で混合し、嵩高性が向上された擬似頭髪増毛材の構成である。本発明において、その構成は、まず、セルローズ系繊維を主軸成分とする繊維で、その属性のうち擬似頭髪増毛材として好適な性能を発揮させる点、次に、それとの組み合わせで同種繊維には、予め変形の為の捲縮処理を施し、その嵩高性の向上が解決課題であり、主軸繊維2でのレーヨンの選択と共に、これに同種又は異種繊維素材の中から選ばれた繊維素材には、まず、繊維長を主軸繊維以下に制御した所望の長さに切断粉砕し、予め捲縮変形加工を施した微小短繊維3を、所望の量比率で配合した擬似頭髪増毛材組成物の構成の場合、所望の長さ、並びにその配合量比と、これらの組み合わせについては臨界的意義がある。
0018
また、上記の如く本発明では、主軸繊維にビスコースレーヨンに代表されるセルローズ系繊維を使用する構成であるが、該繊維は植毛メーカーでの取扱い主流てあって永年に亘る技術ノウハウの蓄積があり、主軸繊維とその同系繊維からなる粉砕繊維との組み合わせであっても、配合物質の僅かの差異でも頭髪に調和する艶感や質感或いは薄毛部分の隠蔽性を目的とした染色処理においてその技術ノウハウの活用に適している。また、本発明での主軸繊維の染色は、人間の頭髪に良好に調和し、艶感及び堅牢性に優れ頭部の薄毛部分に隠蔽用に適した敵した染料組成物としては、反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料から選ばれる染料を含むものから選ばれるが、出願人は、特開2001−200415号公報(擬似毛髮)、及び特開2001−254216号公報(擬似毛髮)では、頭髪になじみ易く薄毛隠し用に適した擬似毛髮として、色相の異なる二種以上の着色繊維を混合して得られる擬似毛髮他、数多い染色例を開示している。また、上記の如く本発明では、主軸繊維にビスコースレーヨンに代表されるセルローズ系繊維を使用する構成であるが、該繊維は植毛メーカーでの取扱い主流てあって永年に亘る技術ノウハウの蓄積があり、主軸繊維とその同系繊維からなる粉砕繊維との組み合わせであっても、配合物質の僅かの差異でも頭髪に調和する艶感や質感、或いは薄毛部分の隠蔽性を目的とした染色処理において、その技術ノウハウの活用に適している。また、本発明での該主軸繊維の染色は、人間の頭髪に良好に調和し、艶感及び堅牢性に優れ頭部の薄毛部分に隠蔽用に適した染料組成物としては、反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料から選ばれる染料を含むものから選ばれるが、出願人は先に特開2001−200415号公報(擬似毛髮)及び特開2001−254216号公報(擬似毛髮)では、頭髪になじみ易く薄毛隠し用に適した擬似毛髮として、色相の異なる二種以上の着色繊維を混合して得られる擬似毛髮の他、数多い染料及び染色例を開示している。その染色は人間の頭髪に良好に調和し艶感及び堅牢性に優れ、頭部の薄毛部分に隠蔽用に適した適した染料組成物としては、反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料から選ばれる染料を含むものから選ばれるが、本発明での主軸繊維セルローズ系繊維の染色では、各種の反応性染料の中、特に好ましくはビニルスルフォニル系の染料を用い、特に色彩及び艶が人の毛髪に似た褐色や、色移りの特に生じ難い擬似頭髪材の構成部分として機能するように働く。以下に反応性染料の例を示す。
・レマゾールブラックB(黒系染料)・シバクロンレッドG−E(赤系染料)
・シバクロンイエローR−A(黄系染料)・シバクロンブルーTGR−F(青系染料)・シバクロンブラウン5R−E(茶系染料)
本発明においては、上記のとおり抗菌・消臭性等の機能性付与の為、稀有元素類を含む鉱物粉粒体、並びにトルマリン又は遠赤外線セラミックスのいずれか一方を含む混合物を添加混合し、マイナスイオン放出と、遠赤外線放射による抗菌・消臭性、並びに血行促進やリラックス効果と併せ、頭髪薄毛部分での育毛又は養毛に有利に働く効果が期待される。ここで、本発明では、次の如き更なる効果が期待される。即ち、人の頭髪は、個人差があるとはいえ特に薄毛部分での頭髪に調和した質感や艶感が望まれる。まず、本発明では、主軸繊維2をセルローズ系繊維とした構成であり、予め捲縮加工処理して組み合わせる同種系又は異種の粉砕繊維は、それぞれ配合量比でも較差があり、また、染色工程は一浴または二浴の何れかにより染色することができる。
ところで、本発明で、上記稀有元素類を含む鉱物粉粒体(無機鉱物)及び遠赤外線放射物質(セラミック)の添加混合は微量で所望の効果が得られ質感や物性を損なうレペルではなく、また、頭髪に調和した質感や艶感を求める染色工程でも、阻害要因とはならない。一方、本発明では、上記の稀有元素類を含む鉱物及び遠赤外線放射物質、即ち、前者の無機鉱物粉粒体及び後者のセラミックスは共に無機微粒子であって、これを分散配合した擬似毛髪増毛材組成物では、傷んだ毛髪薄毛部分での毛髪に重質感を与え、かつ艶をよりきめ細かに 調整できる。一般にレーヨンやポリアミド繊維は、比較的透明度が高く染色していても光線の透過によって、スプレーやふりかけ後の頭髪が白髪に見え易く、かつ頭髪と質的な違和感が少なくない難点がある。また、頭髪をふわりとより豊かに見せたいとの希求は常に変らない。この点からも、本願発明で、稀有元素類を含む鉱物(無機鉱物)及び遠赤外線放射物質(セラミック)の添加混合は、マイナスイオン放出と遠赤外線放射の効果に止まらず、擬似毛髪増毛材の解決課題に関し、別途の作用効果を奏する構成てあることが特長である。ここで、稀有元素類を含む鉱物の安全性については、極微弱な放射線を放射し、人体等に悪影響を及ぼさないとされる1.0ミューSv/hr以下の放射線を放射し、本発明での擬似頭髪増毛材の使用は、放射線の発生レベルからも問題なく、安全である。そこで、本発明では、薄毛部分での頭髪に調和した質感や艶感を与え、傷んだ毛髪薄毛部分での毛髪に重質感を与え、かつ艶をよりきめ細かに調整する為に寄与することから、上記稀有元素類を含む鉱物(無機鉱物)及び遠赤外線放射物質(セラミック)の他に、次のような無機微粒子を1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%を混合した擬似頭髪毛増毛材組成物とすることができる。このような無機微粒子としては、従来、擬似毛髪で白色艶消し微粒子としての使用の例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、亞鉛華、珪素酸化物、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化錫、シリカ、酸化チタン、マグネシウム、硫酸バリウム等から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。
また、上記主軸繊維2であるセルローズ系繊維に対し、予め所望の捲縮加工の繊維変形加工前処理を施す同種の繊維素材としては、木綿、麻、レーヨン等の繊維を使用することができる。特殊な繊維としては、合成繊維、或いはレーヨン、ビニロンに、光触媒二酸化チタン、アパタイト被覆二酸化チタン、無機セラミック含包二酸化チタンを含有した繊維を使用することができる。最も好ましくは、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、塩化ビニール、ポリオレフィン、アラミド、ウレタン、ポリアクリロニトリル等のいずれかより選ばれた合成繊維の方が、剛性が高く、バルキー性向上には有益である。
本発明において、稀有元素類を含む鉱物としては、フェルグソン石、モナズ石、ゼノタイム、コルンブ石、ベタホ石、サマルスキー石、ユークセン石、タンタル石、閃ウラン鉱、方トリウム石、ゴム石、カルノー石、ガドリン石等がある。これらの鉱石のうち、極微弱な放射線を放射し、人体に悪影響を及ぼさないとされているもの、及びマイナスイオン放出を励起している鉱物として、最も好ましくはモナズ石を使用することができる。上記天然鉱石の粒径として0.1ミクロンから1mmに粉砕したものを使用することができる。最も好ましくは平均粒径が10ミクロン以下に粉砕したもの粉末の方が、混合及び塗布仕上げが良く有益である。上記配合部数として、遠赤外線放射物質に対し、50:50重量部が、マイナスイオンをより放出するかえで有益である。本発明において、トルマリンとして、ショールトルマリン、リチウムトルマリン、ドラバイトトルマリン、ルベライトトルマリン、ピンクトルマリン、インデコライト、バライバトルマリン、ウォーターメロン等を使用することができる。上記トルマリンの粒径として 、0.1ミクロンから1mmに粉砕したものを使用することができる。最も好ましくは、平均粒径10ミクロン以下である。配合部数としては、稀有元素類鉱物に対し、50:50重量部が、遠赤外線を放射するうえで有益である。
本発明において、遠赤外線セラミックとして、2〜50ミクロンの波長をもつ遠赤外線を放射率50%以上放射している遠赤外線セラミックを使用することができる。遠赤外線セラミックの成分として、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化鉄等を2種以上含む混合物を使用することができる。前記市販品として、商品名セラジット、OKトレーディング製があり、マイナスイオンを増幅し遠赤外線を高放射するうえで適当である。上記の配合部数としては、稀有元素類鉱物に対し、50:50重量部が、遠赤外線を放射するうえで有益である。
本発明において、光触媒機能材料として、アナターゼ型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン、アパタイト被覆酸化チタン、無機セラミック包含二酸化チタン等をいずれも使用することができる。アナターゼ型二酸化チタン及びブルッカイト型二酸化チタンの粒径として、5〜200nmに粉砕されたものを使用することができる。最も好ましくは、6〜30nmの方が電子を励起するうえで有益である。
0008
アパタイト被覆二酸化チタンとして、上記二酸化チタンをアパタイト、すなわちリン酸カルシウムで被覆したものを使用することができる。市販品としては、例えば、商品名アパタイト被覆酸化チタンNSP−100ナノウェーブ製を使用することができる。無機セラミック包含二酸化チタンとして、無機セラミックの成分が、シリカ、アルミナ、酸化クロム、酸化ジルコニウム、ジルコニア、酸化イットリウム等の1種の合成セラミック或いは2種以上含む合成セラミックであり、また上記成分を含む天然鉱物である。上記の粒径として、平均30ミクロン以下のものを使用することができる。市販品として、例えば商品名ライオナイトライオン製を使用することができる。前記配合部数として、上記稀有元素類鉱物並びに遠赤外線法主物質に対し、30重量部数以下がマイナスイオンの生成を減少させないうえで有益である。
本発明は、セルローズ系繊維を主軸とし、これと予め捲縮加工を施した同系の粉砕繊維を混合した擬似毛髪増毛材の構成であり、人の毛髪に調和の色彩及び艶感を有するように染色でき、特に製造工程並びに使用時での分散性の改善を図ると共に、窮極は嵩高ボリューム感並びに隠蔽性に優れたバルキー性の向上である。この爲、主軸繊維が地毛又は垂直状ないし傾斜状に対し、交差状、直角状、架橋絡み状、コイル状の他、粉砕時での反復生ずる回転刃の衝撃力並びに水平方向の剪断応力によって、変形又は破砕した折れ曲がり、カール、縮れ等に、連結交錯した三次元立体構造が形成され、嵩高ボリューム感並びに隠蔽性に優れた形態となるように働く。
本発明では、上記のような三次元構造の繊維交錯構造体の構造と併せ、擬似毛髪増毛材組成物に、発泡剤を添加配合し、嵩高ボリューム感並びに隠蔽性の向上に寄与するように働く。発泡体にする発泡剤として、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4.4オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、パラトルエンスルホニルヒドラジド、重曹、ガス充填マイクロカプセル等があり、これらのいずれでも使用することができる。発泡剤の配合部数としては、擬似毛髪増毛材組成物100重量部に対して、発泡剤0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。本発明では、接着剤として接着性、耐水性、柔軟性もよいが、引火性と毒性もある溶剤型でなく、エマルジョン型を含む水溶液型接着剤を採用し引火性と毒性もないが、単独では接着力が十分でないので架橋剤を併用するが、柔軟性、接着性の点でアクリル系で反応性基をもつモノマーを共重合させた反応型、自己架橋型の接着剤であり、粘度が十分に調節できアルカリ増粘型として、メラミン系架橋剤の併用により接着力の増強を図っている。
0030
次に、後段処理での、該主軸繊維2と微小短繊維3との混合絡み脈絡状の交錯接点7の接着処理では、水溶性樹脂をベースとした水系接着剤として、アクリル酸エステル共重合樹脂系エマルジョンを主成分とし、該交差状箇所での接着処理に必要な接着剤は少なくて済み、後段部での該主軸繊維2に脈絡絡み状から形成される三次元構造の繊維交錯構造体の交錯接点7で接着剤の果たす役割は、その交錯接点箇所での接着で足り、それ以上の接着剤の層着では、該構造体での通気の為の空間を遮るのみならず、ひいては該構造体を被覆固化の要因となりかねず好ましくない。該主軸繊維2の周面に熱風処理によりコーティングの該粘着性接着剤の使用量は、微小短繊維3を熱風搬送エアにより該主軸繊維の周面にコーティングの粘着性接着剤層に傾斜状の突き刺さりで両繊維の絡み脈絡状の交錯接点での接着形態が達成されれば足り、少なくとも0.5g/cm2以下の塗布量であることが好ましい。本発明において、粘着性接着剤の使用は、該主軸繊維2の周面にコーティングした接着層に搬送エアにより吹き付ける微小短繊維3の被覆処理でなく、該微小短繊維3をそのコーティング接着層に突き刺さり接着形態とすればよく、該接着剤の塗布量は可及的少量で、かつ短時間での硬化が望ましい。この為、該水系接着剤には、硬化促進剤を該エマルジョンに配合した構成とし、その粘着性水系接着剤での熱風処理による硬化促進の作用は、水系接着剤の使用量を逓減できるように働き、硬化促進剤を配合してなる水系接着剤の構成とした。
また、本発明は嵩高性の向上が課題であり、主軸繊維2のセルローズ系繊維に対して、予め所望の捲縮加工の前処理加工を施す同種又は異種の繊維素材としては、木綿、麻、レーヨン、ポリステル、ポリアミド、ビニロン、蛋白、羊毛、アクリル、塩化ビニール、ウレタン、ポリエチレン、ポリオレフィ、アラミド、ポリアクリロニトリル等の繊維を使用することができる。また、特殊な繊維として、合成繊維或いはレーヨン、ビニロンに、光触媒二酸化チタン、アパタイト被覆二酸チタン、無機セラミック含包二酸化チタンを含有した繊維を使用することができる。最も好ましくは、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、塩化ビニール、ポリオレフィン、アラミド、ウレタン、ポリアクリロニトリル等のいずれかより選ばれた合成繊維の方が、剛性が高く嵩高性の向上には有益である。
0031
図3は、本発明の繊維交錯体の製造工程での要部説明図であり、主軸繊維2と微小短繊維3との混合から稀有元素類鉱物粉粒体5の添加を経て、第三物質4のいずれかを押し込み保持を施さない繊維交錯構造体1aと、上記稀有元素類鉱物粉粒体5の添加を経て、第三物質のいずれかにより押し込み保持を施した繊維交錯構造体1bの工程順を示している。上記図3の下欄での繊維交錯構造体1a及び1bにおいて、4は第三物質、5は稀有元素類鉱物粉粒体、6は空隙、7は交錯接点である。
0032
0033
以下、本発明の一実施例について説明する。
以下、本発明の一実施例について説明する。
(1)本発明において、その主軸繊維は、合成繊維の範疇ではなく肌に優しい植物繊維素 材のセルローズ系繊維(ビスコースレーヨン)である点を特徴とし、図4の製造工程フローチャートに示すように、第1工程では、素材原料入荷、所定の長さに裁断カット、選別、篩分け、染色加工、分散処理及び粘着処理脱水を施し、該主軸繊維2と配合する切断粉砕した同種又は異種短繊維の微小短繊維3との混合からなる擬似頭髪増毛材組成物の構成であり、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨン、オーミケンシ社製)、繊維径15デニール×繊維長0.8mmを繊維主軸2とし、選別・所定繊維の配合から同種繊維の捲縮処理にて、その捲縮率8%の同径同長のレーヨンより繊維長を垂直軸方向に、60%カットの0.48mmとし、切断粉砕した短繊維を用い、その配合比でも、該短繊維3が少なくとも20重量%が含まれるように混合し、分散処理を行った後、図4に示すように熱風処理を経て選別・所定の繊維の配合を行い、擬似頭髪増毛材組成物を得ることができる。しかしながら、本発明では、上記の分散処理を経た後、通常の製品化に至る工程を選択せず、図4の製造工程フローチャートに示す第2工程の前段工程に繋がる工程に転移する工程順となっている。そして、その前段では予備風処理(攪拌・分散)を経て、乾熱収縮処理を行い、次に第三物質の噴霧接着処理、次いで熱風乾燥(接着硬化)、製品検査・出荷の工程となっているが、嵩高性の向上を解決課題とする為、乾熱収縮処理を施す必要性から、第1工程では製品検査・出荷に至る前の段階、つまり第1工程では、選別・所定繊維の配合工程迄であり、その次は、第2工程の前段に直接に繋がる工程順となっいる。すなわち、本発明では、嵩高性の向上並びに改善との解決課題から、通常の第一工程での分散処理を経て選別・所定繊維の配合より製品化の工程を辿らず、途中、直接に次の第二工程の前段処理に直結した工程転移を行い、第2工程の前段で、本発明での解決課題である嵩高性に係わり、その捲縮付与での歪みを固定し繊維相互間の平行性を乱すことに作用し嵩高性を向上するように働く乾熱収縮処理を行った。
(2)第2工程では、気流式乾燥機ACD(クメタ製作所製)8を用いて、その前段処理では、予備風処理(攪拌・分散)の後、嵩高性の為の該主軸繊維2及び微小短繊維3のそれぞれの乾熱風乾処理を行い、後段では、該主軸繊維2と微小短繊維3との混合絡み脈絡状の交錯接点7の接着固定の処理を行い、接着硬化後、製品検査・出荷の工程順である。
(3)後段での該主軸繊維2と微小短繊維3との混合絡み脈絡状の交錯接点7の接着処理では、水溶性樹脂をベースとした水系接着剤として、アクリル酸エステル共重合樹脂系エマルジョンを主成分とし、該交錯接点7での接着処理を達成するのに必要な少量の接着剤の使用でその課題を達成し、該主軸繊維2と混合し絡み脈絡状から形成される三次元構造の繊維交錯構造体1a又は1bでの各繊維の交錯接点7での接着固定は、両繊維での捲縮付与による歪みを固定し繊維相互間の平行性を乱すこと、また、三次元立体構造の繊維交錯構造体1a又は1bでは、さらに第三物質の押し込み保持は尚更のこと、主軸繊維2との相互間の中心距離が拡がるように働くことからも、単なるカット長の異なる繊維の積み重ねとは違って、その交錯接点7の接着固定は構築組み立ての骨組みの役割であり、このことは交錯接点7の接着固定よりで達成することができる。従って、本発明での該交錯接点7の接着固定は、その接着固定のそれ以上はなく、そこでの接着剤の使用は、たとえば該繊維交錯構造体1a又は1bでの通気の為の空間を遮り、ひいては該構造体を被覆の要因ともなりかねず好ましくない。
(4)本発明において、主軸繊維2の周面に熱風処理によりコーティングの粘着性接着剤の使用量は、微小短繊維3を熱風搬送エアにより該主軸繊維2の周面にコーティングした粘着性接着剤層に傾斜状の突き刺さりで接着固定の形態が達成されれば足り、固形分5〜8g/m2以下、好ましくは3〜5g/m2以下の少量の塗布量であることが好ましい。また、実施例1での粘着性接着剤の使用は、該主軸繊維2の周面にコーティングした接着層に搬送エアにより吹き付ける微小短繊維3の被覆処理でなく、該微小短繊維3を、そのコーティング接着層に略傾斜状に突き刺さり互いに絡み交錯状の形態とすればよく、該接着剤の塗布量は可及的少量で、かつ短時間での硬化が望ましい。この為実施例1の上記水系接着剤には、硬化促進剤を予め該エマルジョンに配合してなる構成とし、その粘着性水系接着剤での熱風処理硬化促進の作用は、水系接着剤の使用量を逓減できるように働き、該アクリル樹脂エマルジンを主成分とする配合は下記の通りである。
・自己架橋型アクリル樹脂エマルジョン 100部
(商品名リカボンドET−111 中央理化工業)
・メラミン樹脂1〜5部
(商品名 UNIKA RESIN 380Kユニオン化学工業)
・硬化促進剤 0,4〜0.8部
(商品名 UNIKACATALYST A−35)
・粘着付与剤5〜10部
(商品名ボンコート,W−26 大日本インキ)
・アンモニア水適量
触媒0.2〜1.0部
(商品名 UNIKA,CATALYST A−35)
上記の主軸繊維2に対し微小短繊維3との交錯部7での接着で絡ませ交錯する構成では、まず主軸繊維2の周面に加熱粘着状接着剤層をコーティング層着した主軸繊維2を、ホッパーa10より投入供給し、乾燥管17での加熱状態下で搬送エアにより暫時の時差を設けて微小短繊維3は撒布エアによる吹き付けにより、搬送されてくる周面に粘着性接着剤をコーティングした主軸繊維2に略傾斜状の角度で絡み状及び/又は架橋状での交錯接点7を接着固定により、該主軸繊維2と該微小短繊維3との混合からなる絡み脈絡状の形態で繊維交錯構造体1aを構成した。このように本発明における接着剤の使用は、浸漬処理または被覆の如き類型でなく、両繊維の混合絡みでの交錯接点7の部分的な接着固定であり、粘着性水系接着剤の使用は少量で、また、それが少量であれば撒布エアによる吹き付けでは該水系接着剤の硬化を早める作用が期待され、かつ硬化促進剤の配合は、該微小短繊維3の撒布エアによる吹き付け処理後の硬化を早めるように働く効果を奏する。
(5)実施例1での嵩高性は、上記の第1工程のみの場合、レーヨン系主軸繊維2は、収縮率8%、繊維長60%切断、配合比20%で、その嵩高性は、5.8cm3であった。即ち、その嵩高性では、第1工程での主軸繊維2と微小短繊維3との混合のみからなる嵩高性に対し、第2工程の乾熱収縮処理での各繊維の残留収縮の利用による乾熱収縮、並びに繊維交錯構造体1aの交錯接点7の接着固定により、嵩高性は、6.5cm3と向上を図りうる結果を得た。
(6)さらに、実施例1では、(1)希有元素類を含む天然鉱物、遠赤外線放射物質10ミュー・トルマリン粉体を50;50に対し、(2)光触媒二酸化チタン50を添加配合した擬似頭髪増毛材組成物を得た。その結果、稀有元素類を含む鉱物でのマイナスイオン放出、並びに遠赤外線放射での抗菌・消臭効果は、さらに光触媒二酸化チタンの如き光触媒機能材料により、前記抗菌・消臭性の励起作用を奏する。
上記の繊維交錯構造体1aに対し、3重量%を粉体混合し擬似毛髪材を得た。その結果、抗菌・消臭性付与の効果と共に、本発明での立体三次元構造を求める構成は、また別の面でも、レーヨン繊維を主軸とする擬似頭髪基材の相互間には連通する複数の空隙が設けられており、稀有元素類を含む鉱物のマイナスイオン放出、並びに遠赤外線放射でも該空間部の存在は作用上もその効果を発揮することができる。また、上記のように、稀有を含む天然鉱物は無機鉱物粉末、及び遠赤外線放射物質共に無機微粒子であって、傷んだ薄毛頭髪部分での毛髪に重質感を与え、かつ艶をよりきめ細かに調整できるように働く。
(7)次に、本発明における抗菌・消臭性付与については、繊維交錯構造体1aに、稀有元素類を含む天然鉱物(マイナスイオン放出物質)10ミュー・モナズ石粉体と、遠赤外線放射物質10ミュー・トルマリン粉体を、50;50、(2)前記10ミュー・モナズ石粉体と、遠赤外線放射物質セラジットAL−F9を、50;50とした混合物を使用して、該繊維交錯構造体1aに対し3重量%を粉体混合し擬似毛髪材を得た。その結果、抗菌・消臭性付与の効果と共に、本発明での繊維三次元立体構造体を求める構成は、また別の面でも、レーヨン繊維を主軸とする擬似頭髪基材の相互間には連通する複数の空隙6が設けられており、稀有元素類を含む鉱物のマイナスイオン放出、並びに遠赤外線放射でも該空隙6の存在は、該繊維交錯構造体1aの繊維内空間と外氣が微細なスリットで連通している為、吸水性の作用上もその効果を発揮することができる。また、上記のように、稀有元素類を含む天然鉱物は無機鉱物粉末及び遠赤外線放射物質共に無機微粒子であって、傷んだ薄毛頭髪部分での毛髮に重質感を与え、かつ艶をよりきめ細かに調整ができると共に、直射日光での光沢感でもより自然毛に近いものとなるように働く。
(1)第1工程での主軸繊維2は、実施例1と同様、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨンであり、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨン、オーミケンシ社製)、繊維径7デニール×繊維長0.5mmを繊維主軸とし、選別・所定繊維の配合からポリアミド繊維の捲縮前処理にて捲縮む率11.5%の同長同径のポリアミド繊維より繊維長を、垂直軸方向に、60%カットの0.3とし切断粉砕した短繊維を用い、その配合比でも、該短繊維が少なくとも20重量%が含まれるように混合し、実施例1と同様に、図4の製造工程フローチャートに示す如く、嵩高性の向上並びに改善との解決課題から、通常の第1工程での分散処理を経て選別・所定繊維の配合より製品化の工程を辿らず、途中、直接に次の第2工程の前段処理に直結した工程転移を行い、嵩高性に係わる捲縮付与で、その歪みを固定し繊維相互間の平行性を乱すことに作用する嵩高性向上に働く乾熱収縮処理を行った。
(2)次に 実施例2では、さらに嵩高性を向上の為に、該主軸繊維2と微小短繊維3との絡み脈絡状の交錯接点7での接着固定によって形成された繊維交錯構造体1bでの空隙6に、エアゾール型スプレー接着剤を用いて、押し込み保持せしめる第三物質として、実施例2では、微細動物毛を押し込み保持せしめる構成であり、その平均長径は、30μm以下が好ましく、さらにその配合量は、0.1〜20重量%の範囲が好ましい。さらにその配合では、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、増粘材等の通常頭髪化粧料に用いられる成分を適宜配合することができる。なお、実施例2での、第三物質である微細動物毛の染色は、分級処理後に行なうのが好ましいが、その染色は人間の頭髪に良好に調和し艶感及び堅牢性に優れ、頭部の薄毛部分に隠蔽用に適した染料組成物を含むものから選ばれるが、実施例2での第三物質の染色では、好ましくは含クロムアゾ系酸性染料を用い、特に色彩及び艶が人の毛髪に似た褐色や色移りの特に生じ難い擬似頭髪材の構成部分として機能するように働く。以下に含クロムアゾ系酸性染料の例を示す。
・カヤカランイエローGL143 (黄系染料)
・カヤカランレッドBL(赤系染料)
・カヤカラングレーBL167 (青系染料)
・カヤカランブラウンGL (茶系染料)
・カヤカランブラックBGL (黒系染料)
その染色は、微細獣毛粉末100重量に対し、上記染料が0.01〜45重量部、好ましくは1〜40重量部でとなるようにして行なう。染料の配合割合が、0.01重量部未満であると、染色の程度が不十分となり易く、また45重量部超であると、染色は十分行なわれるが、反応浴に余剰の染料が残留し製造コストが増大する。
(3)次に第2工程では、その前段処理で、実施例1と同様に、気流式乾燥機(クメタ製作所製、ACD型)8を用い、まず熱風乾燥(未粘着処理)を経て、熱風乾燥(部分粘着処理)後、実施例1と同様に、ホッパーa10より粘着性接着剤を周面にコーティングした主軸繊維1を投入供給し、稍時間差をおいて、ホッパーb11より微小短繊維2を撒布エアで略傾斜状に吹き付け、主軸繊維1との交錯接点7での接着固定により絡み脈絡状の繊維交錯構造体1bとする。上記の粘着性接着剤は、実施例1と同様に、自己架橋型アクリル樹脂エマルジョンをベースとした接着剤を使用した。これによって、頭髪擬似増毛材を頭髪の欠損個所又は薄毛部分に吹きつけ又はふりかけた際、主軸繊維1を擬毛基材とする立体構造が形成され、嵩高ボリューム感の向上を図ることができ、また、隠蔽効果を奏する。また、繊維主軸の擬毛基材相互間には、連通する複数の空隙6が設けられており、稀有元素類を含む鉱物でのマイナスイオン放出、並びに遠赤外線放射でも該空隙6の存在は作用上もその効果を発揮することができる。このように、実施例2の第三物質として、人間の毛髪を含めた動物毛微粉末を、第1工程で主軸繊維1と微小短繊維2を混合し、第2工程で熱風による乾熱収縮処理の後に、動物毛微粉末をエアゾール噴霧方式により、その繊維交錯構造体1bの空隙6に押し込み状又は該構造体1bのいずれかの交錯部分に保持せしめることにより、該主軸繊維1との相互間の中心距離が拡がることから、その嵩高性の向上に機能するように働く構成である。これによって、その嵩高性では、第1工程での主軸繊維1と微小短繊維2との混合のみからなる場合、嵩高性は5.5cm3に比し、第2工程の前段における乾熱収縮処理と、後段での交錯接点の接着固定により、嵩高性は6.3cm3と向上を図りうる結果を得た。
(1)第1工程での主軸繊維1は、実施例1と同様、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨンであり、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨン、オーミケンシ社製)、繊維径3デニール×繊維長0.5mmを繊維主軸1とし、選別・所定繊維の配合からポリエステル繊維捲縮前処理にて 捲縮率12%の同長同径のポリエステル繊維より繊維長を垂直軸方向に、80%カットの0.4mmとし、切断粉砕した短繊維を用い、その配合比でも該短繊維2が少なくとも20重量%が含まれるように混合し、実施例1と同様に、図4の製造工程フローチャートに示す如く、嵩高性の向上並びに改善の解決課題から、通常の第一工程での分散処理を経て選別・所定繊維の配合より製品化の工程を辿らず、途中、直接に次の第2工程の前段に直結した工程転移を行い、嵩高性に係わる捲縮付与で、その歪みを固定し繊維相互間の平行性を乱すことに作用する嵩高性の向上に働く乾熱収縮処理を行った。
(2)次に、第2工程では、その前段で、実施例1と同様に、気流式乾燥機(クメタ製作所製、ACD型)8を用い、まず熱風乾燥(未粘着処理)を経て、熱風乾燥(部分粘着処理)後に、ホッパーa10より粘着性接着剤を周面にコーティングした主軸繊維1を投入供給し、稍時間差をおいてホッパーb11より、微小短繊維2を撒布エアで略傾斜状に吹き付けて主軸繊維1との交錯接点7の接着固定により絡み脈絡状三次元構造の繊維交錯構造体1bの構造とする。上記の粘着性接着剤は、実施例1と同様に、自己架橋型アクリル樹脂エマルジョンをベースとした接着剤を使用した。
(3)次に、実施例3でも、さらに嵩高性を向上の為に、該主軸繊維1と微小短繊維2との混合絡み交錯によって形成された繊維交錯構造体1bでの空隙6に押し込み又は保持では、実施例3は、第三物質としてウレタン・パウダーをー保持せしめる構成であり、その平均長径は30μm以下とした微粉末が好ましく、さらに、その配合量は0.1 〜20重量%の範囲が好ましい。さらに、その配合では該ウレタン・パウダー微粉末の成分に、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、増粘材等の通常頭髪化粧料に用いられる成分を適宜配合することができる。このように、実施例3での第三物質として、ウレタン・パウダー微粉末を、まず第1工程で該主軸繊維1と微小短繊維2を混合し、第2工程で熱風による乾熱着収縮処理の後、エアゾール噴霧方式により、その繊維交錯構造体1bの空隙6に押し込み状又は該構造体1bに保持せしめることにより主軸繊維1との相互間の中心距離が拡がり、前段での乾熱収縮処理で、その歪みを固定し繊維相互間での平行性を乱すことによって嵩高性が得られる作用と併せ、その嵩高性の向上に機能するよう働く構成である。これによって、その嵩高性では、第1工程での主軸繊維1と微小短繊維2との混合のみからなる場合、嵩高性5.2cm3に比し、第2工程での前段での乾熱収縮並びに後段での交錯接点7の接着固定により、嵩高性は5.9cm3と向上を図りうる結果を得た。
(1)第1工程での主軸繊維1は、実施例1と同様、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨンであり、セルローズ系繊維(ビスコースレーヨン、オーミケンシ社製)、繊維径3デニール×繊維長0.3mmを主軸繊維とし、選別・所定繊維の配合からポリエステル繊維の捲縮前処理にて捲縮率11.5%の同長同径のポリエステル繊維より、繊維長を垂直軸方向に80%カットの0.24mmとし、切断粉砕した短繊維を用い、その配合比でも、該短繊維が少なくとも20重量%が含まれるように混合し、実施例1と同様、図4の製造工程フローチャートに示す如く、嵩高性の向上並びに改善の解決課題から、通常の第1工程の分散処理を経て、選別・所定繊維の配合より製品化の工程を辿らず、途中直接に次の第二工程の前段に直結した工程転移を行い、嵩高性に係わる捲縮付与で、その歪みを固定し、繊維相互間の平行性を乱すことに作用する嵩高性向上に働く乾熱収縮処理を行った。
(2)次に第2工程では、その前段処理で、実施例1と同様に、気流式乾燥機(クメタ製作所製、ACD型)8を用い、まず熱風乾燥(未粘着処理)を経て、さらに熱風乾燥(部分粘着処理)後、実施例1と同様に、ホッパーa10より粘着性接着剤を周面にコーティングした主軸繊維1を投入供給し、稍時間差をおいてホッパーb11より微小短繊維2を撒布エアで略傾斜状に吹き付け該主軸繊維1と交錯接点7での接着固定により絡み脈絡状の繊維交錯構造体1bを形成した。上記の粘着性接着剤は、実施例1と同様に、自己架橋型アクリル樹脂エマルジョンをベースとした接着剤を使用した。
(3)次に、実施例4では、さらに嵩高性を向上の為に、該主軸繊維1と微小短繊維2との混合絡み交錯によって形成された繊維交錯構造体1bの空隙6に、押し込み保持する第三物質として、マイクロカプセルを保持せしめる構成である。その平均長径は、30μm以下とした微細状マイクロカプセルが好ましく、さらに、その配合量は、0.1〜20重量%の範囲が好ましい。さらに、その配合では、該微細状マイクロカプセルの成分に、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、増粘材等の通常頭髪化粧料に用いられる成分を適宜配合することができる。このように、実施例4での第三物質4として、微細状マイクロカプセルを、まず、第1工程で、該主軸繊維1と微小短繊維2を混合し、第2工程で熱風による乾熱収縮処理の後に、該微細状マイクロカプセル並びにその他の成分の混合物と共に、エアゾール噴霧方式により、その繊維交錯構造体1bの空隙6に押し込み、又は該構造体1bのいずれかの交錯部分に保持せしめることにより、該主軸繊維1との相互間の中心距離が拡がること、また、上記のように乾熱収縮での捲縮付与はその歪みを固定し、繊維相互間の平行性を乱すことから、その嵩高性の向上に機能するように働く構成である。これによって、その嵩高性では、第1工程での主軸繊維1と微小短繊維2との混合のみからなる場合、その嵩高性は4.8cm3に比し、第2工程での前段での残留収縮の利用による乾熱収縮で得られる嵩高性、及び後段処理により嵩高性は5.6cm3と嵩高性の向上を図りうる結果を得た。
0034
表1は、本発明における実施例1−4の対比表であり、各主軸繊維及び微小短繊維の繊維長、繊維径、並びに微小短繊維の捲縮率等の物性数値、次に第三物質、結合方式と共に、各実施例1−4での嵩高性の試験結果を記載している。
0035
図面の簡単な説明
0036
本発明の擬似頭髪増毛材に使用する装置の一実施例を示す概要図である。本発明の繊維交錯構造体を製造する加工状態を示す要部説明図である。本発明の繊維交錯構造体の製造工程での要部を示す概略図である。本発明の繊維交錯構造体の製造工程の概要を示すフローチャートである。
表1
本発明の実施例1−4での嵩高性の試験結果を示す対比表である。
0037
1a 繊維交錯構造体
1b 繊維交錯構造体
2主軸繊維
3微小短繊維
4 第三物質
5稀有元素類鉱物粉粒体
6 空隙
7 交錯接点
8気流式乾燥機本体
9熱風発生装置
10ホッパーa
11 ホッパーb
12 ホッパーc
13ロータリーバルブa
14 ロータリーバルブb
15 ロータリーバルブc
16エアコンプレッサー
17乾燥管
18排気ファン
19サイクロン
20 ロータリーバルブd
21吐出口