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技術 遮光塗料、遮光塗料セット、遮光膜、光学素子、遮光膜の製造方法及び光学素子の製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 久保田怜子寺本洋二山本修平
出願日 2014年8月8日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2014-163211
公開日 2016年3月22日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-037584
状態 特許登録済
技術分野 光学要素・レンズ エポキシ樹脂 塗料、除去剤 レンズ鏡筒
主要キーワード 磁性ボール 恒温炉 内面反射率 遮光塗料 部分剥離 遊星回転 フロスト加工 微量塗布
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年3月22日)のものです。
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図面 (7)

課題

高温高湿環境下で長期間用いた場合であっても、ガラス遮光膜の界面に発生して外観の低下の原因となる白点の発生を抑制し、かつ光学特性が良好な遮光塗料、遮光塗料セット、遮光膜、光学素子、遮光膜の製造方法及び光学素子の製造方法を提供する。

解決手段

エポキシ基を有する化合物無機微粒子着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料であって、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする遮光塗料。 0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 式(1)

概要

背景

光学素子等に用いる遮光膜とは、主にガラスの表面に形成される塗膜である。光学素子はレンズであってもプリズムであっても、その他の光学用ガラスであっても良いが、以下にレンズを例に遮光膜の説明をする。

図6に示すように、光学素子の遮光膜1は、レンズ2の任意の外周部分に形成される。入射光3のようにレンズ2のみに光が当たる場合は、透過光4として透過する。これに対して、斜めからの入射光5の光が入射した場合、遮光膜1に光は当たる。この時、遮光膜が形成されていないと(図6のレンズの下側)、レンズ2の外周に当たった光が内面反射して画像に関係のない内面反射した光6としてレンズ2の外に出て行き、フレアゴーストなどの原因となり、画像を悪化させる。遮光膜1を設けると(図6のレンズの上側)、斜めからの入射光5に対する内面反射を減らすことが可能なので、画像に悪影響を与える内面反射した光6が減少し、フレアやゴーストを防止することが可能である。

レンズの遮光膜1は、レンズの使用者レンズ鏡筒を見た際に見える位置に設けられている。従って、遮光膜1は、長期にわたって高い品位の外願が求められている。具体的には、高温高湿環境下で使用したとしても、外観が変化し難い遮光膜が求められている。

近年、光学素子用のガラスの中には、屈折率アッベ数、分散などに特徴を出すために従来のシリカ系に加えて、ランタン系、チタン系、アルミナ系、ジルコニア系、フッ素系、ニオブ系、タンタル系、ホウ素系等のガラスが多く存在する。これらのガラスに遮光膜を形成し、長時間高温高湿雰囲気下に置くと、ガラスと遮光膜界面に白点が発生し、外観が悪化することがある。

特許文献1では、エポキシ樹脂アミン系硬化剤を有する遮光塗料において、アミン系硬化剤の活性水素当量および前記エポキシ樹脂のエポキシ当量当量比等を規定した遮光塗料を硬化させた遮光膜が提案されている。特許文献1には、エポキシ樹脂の架橋密度を高くすることにより、高温高湿環境下での膜剥がれが少なく、洗浄液への耐性を有する遮光膜が提案されている。

概要

高温高湿環境下で長期間用いた場合であっても、ガラスと遮光膜の界面に発生して外観の低下の原因となる白点の発生を抑制し、かつ光学特性が良好な遮光塗料、遮光塗料セット、遮光膜、光学素子、遮光膜の製造方法及び光学素子の製造方法を提供する。エポキシ基を有する化合物無機微粒子着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料であって、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする遮光塗料。 0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 式(1)

目的

本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、高温高湿環境下でも、ガラスと遮光膜界面に発生して外観不良の原因となる白点の発生を抑制した遮光塗料、遮光膜及び光学素子を提供する

効果

実績

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請求項1

エポキシ基を有する化合物無機微粒子着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料であって、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする遮光塗料。0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45式(1)

請求項2

前記遮光塗料は、硬化触媒を有することを特徴とする請求項1に記載の遮光塗料。

請求項3

前記硬化触媒は、3級アミン又はイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項2に記載の遮光塗料。

請求項4

前記無機微粒子は、屈折率が2.2以上3.5以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遮光塗料。

請求項5

エポキシ基を有する化合物を有するユニットと、アミン系硬化剤を有するユニットとを有し、2以上のユニットを有する光学素子用の遮光塗料セットであって、前記遮光塗料セットは、いずれかのユニットに、無機微粒子及び着色剤を含有し、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たすことを特徴とする遮光塗料セット。0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45式(1)

請求項6

前記遮光塗料セットは、前記いずれかのユニットに、硬化触媒を有することを特徴とする請求項5に記載の遮光塗料セット。

請求項7

前記硬化触媒は、3級アミン又はイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項6に記載の遮光塗料セット。

請求項8

エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料から生成した遮光膜であって、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする遮光膜。0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45式(1)

請求項9

前記遮光塗料は、硬化触媒を有することを特徴とする請求項8に記載の遮光膜。

請求項10

前記硬化触媒は、3級アミン又はイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項9に記載の遮光膜。

請求項11

前記無機微粒子は、屈折率が2.2以上3.5以下であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の遮光膜。

請求項12

光学材料で形成されている基材の一部に遮光膜が設けられている光学素子であり、前記遮光膜が、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤、アミン系硬化剤及び硬化触媒を有する遮光塗料から生成された遮光膜であって、前記遮光塗料において、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たすことを特徴とする光学素子。0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45式(1)

請求項13

前記基材が、光学レンズ又はプリズムであることを特徴とする請求項12に記載の光学素子。

請求項14

基材にエポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料を塗布する工程と、前記塗布した遮光塗料を温度20℃以上200℃以下の雰囲気硬化する工程と、を有し、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45式(1)を満たすことを特徴とする遮光膜の製造方法。

請求項15

前記遮光塗料は、硬化触媒を含むことを特徴とする請求項14記載の遮光膜の製造方法。

請求項16

光学材料で形成されている基材の外周部表面に遮光膜が設けられている光学素子の製造方法であって、前記基材の外周部表面に、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料を塗布する工程と、前記塗布した塗料を温度20℃以上200℃以下の雰囲気で硬化する工程と、を有し、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たすことを特徴とする光学素子の製造方法。0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45式(1)

請求項17

前記遮光塗料は、硬化触媒を有することを特徴とする請求項16に記載の光学素子の製造方法。

請求項18

前記硬化触媒は、3級アミン又はイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項17に記載の光学素子の製造方法。

請求項19

前記無機微粒子は、屈折率が2.2以上3.5以下であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、カメラ双眼鏡顕微鏡等の光学機器に使用される遮光塗料、遮光塗料セット、遮光膜及びその製造方法、並びに光学素子及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

光学素子等に用いる遮光膜とは、主にガラスの表面に形成される塗膜である。光学素子はレンズであってもプリズムであっても、その他の光学用ガラスであっても良いが、以下にレンズを例に遮光膜の説明をする。

0003

図6に示すように、光学素子の遮光膜1は、レンズ2の任意の外周部分に形成される。入射光3のようにレンズ2のみに光が当たる場合は、透過光4として透過する。これに対して、斜めからの入射光5の光が入射した場合、遮光膜1に光は当たる。この時、遮光膜が形成されていないと(図6のレンズの下側)、レンズ2の外周に当たった光が内面反射して画像に関係のない内面反射した光6としてレンズ2の外に出て行き、フレアゴーストなどの原因となり、画像を悪化させる。遮光膜1を設けると(図6のレンズの上側)、斜めからの入射光5に対する内面反射を減らすことが可能なので、画像に悪影響を与える内面反射した光6が減少し、フレアやゴーストを防止することが可能である。

0004

レンズの遮光膜1は、レンズの使用者レンズ鏡筒を見た際に見える位置に設けられている。従って、遮光膜1は、長期にわたって高い品位の外願が求められている。具体的には、高温高湿環境下で使用したとしても、外観が変化し難い遮光膜が求められている。

0005

近年、光学素子用のガラスの中には、屈折率アッベ数、分散などに特徴を出すために従来のシリカ系に加えて、ランタン系、チタン系、アルミナ系、ジルコニア系、フッ素系、ニオブ系、タンタル系、ホウ素系等のガラスが多く存在する。これらのガラスに遮光膜を形成し、長時間高温高湿雰囲気下に置くと、ガラスと遮光膜界面に白点が発生し、外観が悪化することがある。

0006

特許文献1では、エポキシ樹脂アミン系硬化剤を有する遮光塗料において、アミン系硬化剤の活性水素当量および前記エポキシ樹脂のエポキシ当量当量比等を規定した遮光塗料を硬化させた遮光膜が提案されている。特許文献1には、エポキシ樹脂の架橋密度を高くすることにより、高温高湿環境下での膜剥がれが少なく、洗浄液への耐性を有する遮光膜が提案されている。

先行技術

0007

特開2013−170199号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1のように、遮光膜中のエポキシ樹脂の架橋密度を上げることによっては、白点の発生を含む遮光膜の膜剥がれを防止するには限界がある。

0009

本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、高温高湿環境下でも、ガラスと遮光膜界面に発生して外観不良の原因となる白点の発生を抑制した遮光塗料、遮光膜及び光学素子を提供するものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明の遮光塗料は、エポキシ基を有する化合物無機微粒子着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料であって、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 (式1)

0011

また、本発明の遮光塗料セットは、少なくとも、エポキシ基を有する化合物を有するユニットと、アミン系硬化剤を有するユニットとを有し、2以上のユニットを有する光学素子用の遮光塗料セットであって、前記遮光塗料セットは、いずれかのユニットに、無機微粒子及び染料を含有し、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45 (式1)

0012

また、本発明の遮光膜は、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料から生成した遮光膜であって、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 (式1)

0013

また、本発明の光学素子は、光学材料で形成されている基材の外周部表面に遮光膜が設けられている光学素子であり、前記遮光膜が、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤、アミン系硬化剤及び硬化触媒を有する遮光塗料から生成された遮光膜であって、前記遮光塗料において、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 (式1)

0014

また、本発明の遮光膜の製造方法は、基材にエポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料を塗布する工程と、前記塗布した遮光塗料を温度40乃至200℃の雰囲気で硬化する工程と、を有し、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45 (式1)

0015

また、本発明の光学素子の製造方法は、光学材料で形成されている基材の一部に遮光膜が設けられている光学素子の製造方法であって、前記基材の外周部表面に、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料を塗布する工程と、前記塗布した塗料を温度40乃至200℃の雰囲気で硬化する工程と、を有し、前記アミン系硬化剤の活性水素当量(A)と前記アミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45 (式1)

発明の効果

0016

本発明によれば、高温高湿環境下で長期間用いた場合であっても、ガラスと遮光膜の界面に発生して外観の低下の原因となる白点の発生を抑制し、かつ光学特性が良好な遮光塗料、遮光塗料セット、遮光膜、光学素子、遮光膜の製造方法及び光学素子の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

内面反射光の光の進行を示した模式図である。
遮光膜を形成したレンズの遮光膜とレンズの界面状態を示す断面模式図である。
遮光膜を形成したレンズを高温高湿雰囲気に放置した後のレンズと遮光膜の界面状態を示す断面模式図である
遮光膜を形成したレンズを高温高湿雰囲気に放置した後の白点の状態を示す模式図である。
内面反射の測定方法を示す模式図である。
光学素子用の遮光膜をレンズに形成した一例を示す概略図である。

0018

以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。

0019

本発明の光学素子等に用いる遮光塗料は、外観不良の原因となる白点を抑制しつつ、内面反射低減機能を併せて有する遮光膜を作製する。

0020

まず、内面反射を低減するための遮光膜の構成について説明する。次に、本発明の白点を抑制するための遮光膜の構成について説明する。その次に、それらを達成するための本発明の遮光塗料、遮光塗料セット、遮光膜、光学素子、遮光膜の製造方法及び光学素子の製造方法について説明する。

0021

[内面反射を低減するための遮光膜の構成]
まず、光学素子の内面反射の原理について図1を用いて詳しく述べる。内面反射は主に2つの界面7、8で起こる。すなわち、入射光3はレンズ2内を通り、遮光膜1との界面7で第一の反射光9となる。また、遮光膜1を透過した透過光10は遮光膜1と空気の界面8で第二の反射光11となる。

0022

第一の反射光9については、遮光膜1とレンズ2の屈折率を近づけることで低減可能である。屈折率を近づけると内面反射が少なくなる理由は、下記の式(2)に示すように、遮光膜1とレンズ2の界面の反射率Rが入射光3側のレンズ2の屈折率n0と遮光膜1の屈折率n1の差より決まり、その差が少ないほど小さくなるためである。

0023

0024

第二の反射光11については、遮光膜を透過した光10を吸収することで低減できる。塗膜内部への透過光10を効率良く吸収するために、着色剤などを遮光膜1に含ませて膜の黒色度を高めることが好ましい。

0025

[高温高湿環境下での白点の発生を抑制するための遮光膜の構成]
まず、遮光膜を高温高湿環境下で放置した場合に生ずる白点の発生原理について説明する。図2に示すように、高温高湿環境下に放置する前はレンズ2と遮光膜界面7は密着しており、遮光膜には白点はほとんど発生していない。しかし、高温高湿環境下に放置すると、図3に示すように、レンズ2と遮光膜界面7が部分的に剥離し、空気層12が出来る。空気層12とレンズ2は屈折率差が大きいため、レンズ2側から光を当てて目視で観察すると図4のように部分剥離した部分が白点13として観察されるため外観が低下する。したがって、白点の発生による外観の低下を抑制するためには、レンズ2と遮光膜界面7に部分剥離を起こさせない必要がある。目視で観察でき、外観の低下につながる白点のサイズとは、概ね直径0.02mm以上である。直径0.02mm以上の白点の発生を抑制することで、外観の低下を抑制することができる。

0026

本発明者は、高温高湿環境下に放置後の部分剥離(白点の発生)の原因を鋭意検討した結果、部分剥離の原因は水の浸透による剥離であり、水の浸透を抑制することで部分剥離を抑えることが可能であることを見出した。

0027

次に、高温高湿環境下の遮光膜の部分剥離を抑制する方法について説明する。

0028

本発明の遮光膜は少なくともエポキシ基を有する化合物とアミン系硬化剤と着色剤を硬化させて生成するが、アミン系硬化剤中の未反応のアミン基、特に1級アミン吸水性が高い。遮光膜の部分剥離を低減するためには、吸水性の高い未反応アミンの量を減らすことが必要である。本発明の未反応アミン基を減らす方法としては、単位質量当たりのエポキシ基を有する樹脂に対する単位質量当たりのアミン系硬化剤の添加量の比である当量比を減らすことにより達成される。アミン系硬化剤の屈折率は一般的に低いため、アミン系硬化剤の添加量を減らすことで内面反射率を少なくすることが出来る。また、アミン系硬化剤の添加量を減らすと遮光膜の架橋密度が下がるが、高温で硬化させる、硬化時間を長くする、硬化触媒を添加する方法のいずれかもしくはこれらの組み合わせにより改善することができる。

0029

[遮光塗料]
次に、本発明の光学素子用の遮光塗料の材料構成について説明する。以下、特に記載しない限り、遮光塗料に用いる材料の含有量については、硬化剤を含む遮光塗料に対する含有量を記載する。

0030

本発明の遮光塗料は、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びとアミン系硬化剤を有する。

0031

アミン系硬化剤の活性水素当量(A)とアミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)は、単位質量当たりの活性水素の数を示す。また、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)とエポキシ基を有する化合物の質量(E’)の比(E′/E)は、単位質量当たりのエポキシ基の数(エポキシ当量)を示す。本発明の遮光塗料は、(A′/A)/(E′/E)が式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 式(1)

0032

遮光塗料の(A′/A)/(E′/E)が0.1未満になると架橋密度が下がり耐溶剤性が悪化する。また、/A)/(E′/E)が0.45より大きくなると、高温高湿環境下で放置後の白点が増加する。

0033

以下、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量は、エポキシ当量はJIS K7236(2001)に従って測定する。また、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量は、エポキシ系のカップリング剤を用いた場合には、カップリング剤を含めた当量を示す。アミン系硬化剤の活性水素当量は、分子量を官能基数で割った数を示す。

0034

(エポキシ基を有する化合物)
本発明の遮光塗料のエポキシ基を有する化合物は、エポキシ樹脂、エポキシ系カップリング剤を用いることができる。

0035

本発明の遮光塗料のエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型ビスフェノールF型、多官能エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂グリシジルエステル型エポキシ樹脂、高分子型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂は1種類を単独で用いても複数を混合して用いてもよい。

0036

本発明の遮光塗料に含まれるエポキシ樹脂の含有量は、遮光塗料に対して5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。エポキシ樹脂の含有量が5.0質量%未満であると遮光塗料中の樹脂成分が少ないため、耐溶剤性が低下する。また、エポキシ樹脂の含有量が25.0質量%を超えると、屈折率が低下するため内面反射が大きくなる。

0037

本発明の遮光塗料のエポキシ系カップリング剤の含有量は、遮光塗料中に0.5質量%以上15.0質量%以下が好ましい。エポキシ系カップリング剤の含有量が0.5質量%より小さくなると遮光膜にしたときに基材との密着性が低下する。エポキシ系カップリング剤の含有量が15.0質量%を超えると、遮光膜にしたときに基材との密着性が低下する。エポキシ系カップリング剤としては、市販のエポキシ基を有するシランカップリング剤や、合成したシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。

0038

(無機微粒子)
本発明の遮光塗料に用いる無機微粒子は、シリカ微粒子、屈折率(nd)が2.2以上の無機微粒子のいずれかもしくはこれらの混合物であることが好ましい。無機微粒子の個数平均粒子径は、5nm以上1000nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。個数平均粒子径が5nm未満になると、遮光塗料の安定性が悪くなり、粘度が上昇しゲル化し易くなる。無機微粒子の個数平均粒子径が1000nmより大きくなると、遮光膜の白点の発生を抑制する効果が低下する。

0039

シリカ微粒子を用いると、遮光膜の表面に凹凸を形成して、表面からの反射を抑制することができる。また、シリカ微粒子は塗料のたれ止めの効果も併せ持つ。

0040

屈折率(nd)が2.2以上の無機微粒子を用いると、生成した遮光膜の屈折率を高くすることが出来るので内面反射を低減する効果がある。屈折率(nd)が2.2以上の無機微粒子としては、酸化チタン酸化ジルコニウム酸化アルミニウム酸化イットリウム酸化カドミウムダイアモンドチタン酸ストロンチウムゲルマニウム、等の微粒子を用いることができる。これらのなかで、屈折率(nd)が2.2以上3.5以下である無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の屈折率が2.2未満だと、遮光膜の屈折率の増加が少ないので、基材と遮光膜の屈折率差が大きくなり内面反射の抑制効果が低い。

0041

屈折率(nd)が2.2以上の無機微粒子の個数平均粒子径は、10nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上20nm以下がより好ましい。屈折率(nd)が2.2以上の無機微粒子の平均粒子径は、小さい方が好ましいが10nm以下に分散することは実質上困難である。無機微粒子の個数平均粒子径が100nmより大きいと、散乱が生じやすくなる。無機微粒子の平均粒子径は、遮光膜中に存在する粒子の実際の大きさとし、例えば無機微粒子の平均粒子径が凝集している場合は凝集した粒子の大きさとする。

0042

本発明の遮光塗料に含有される無機微粒子の含有量は、2.5質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上7.5質量%以下であることがより好ましい。5.0質量%未満では屈折率の増加が少なく、内面反射が大きくなる。また、20.0質量%を越えると塗膜の密着力耐久性が下がるので好ましくない。

0043

(着色剤)
本発明の遮光塗料に用いる着色剤は、染料、顔料又はこれらの混合物を用いることができる。染料としては、波長400nmから700nmの可視光を吸収し、任意の溶媒に溶解可能な材料であれば良い。染料は1種類でも良いし,黒色、赤色、黄色、青色など数種類の染料を混合しても良い。顔料としては、波長400nmから700nmの可視光を吸収する材料であれば良い。顔料としては、カーボンブラックチタンブラック酸化鉄、銅鉄マンガン複合酸化物を用いることができる。顔料の個数平均粒子径は、5nm以上200nm以下が好ましい。顔料の平均粒子径が5nm未満になると遮光塗料の安定性が低下する。また、顔料の平均粒子径が200nmより大きくなると遮光膜にした時の内面反射が大きくなる。

0044

本発明の遮光塗料に含まれる着色剤の含有量は、2.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上7.5質量%以下であることがより好ましい。

0045

(アミン系硬化剤)
本発明の遮光塗料には、遮光塗料に含まれるエポキシ基を有する化合物を硬化させるためにアミン系硬化剤が含有されている。アミン系硬化剤としては、所望の特性を満足するものであれば特に限定されるものではなく、公知の硬化剤を用いることができる。アミン系硬化剤としては、直鎖脂肪族系、ポリアミド系、脂環族、芳香族、その他ジシアンジアミドアジピン酸ジヒラジド等を用いることができる。これらは、単独で用いても構わないし、複数を混合して用いても良い。

0046

本発明の遮光塗料に含まれるアミン系硬化剤の含有量は、遮光塗料中に0.5質量以上13.0質量%以下であることが好ましい。アミン系硬化剤の含有量が0.5質量%未満になると遮光膜の硬化度が下がり、遮光膜の基材に対する密着性が低下する。また、アミン系硬化剤の含有量が13.0質量%より多い場合は光学特性が低下する。

0047

有機溶媒
本発明の遮光塗料は、有機溶媒を含有していると、粘度を調整することができるので好ましい。本発明の遮光塗料に用いる有機溶媒は、無機微粒子の分散性、エポキシ基を有する化合物、着色剤及びアミン系硬化剤の溶解性を満足する限り特に限定されない。有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンキシレントルエンイソプロピルアルコールアセトンエタノール等を用いることができる。これらの有機溶媒は、1種類を用いても複数の種類を混合して用いても良い。

0048

遮光塗料の好ましい粘度は、10mPa・s以上1000mPa・s以下である。遮光塗料の粘度が10mPa・s未満になると遮光塗料の塗工性が低下する。また、1000mPa・sより大きくなると塗布後の遮光膜の膜厚が薄くなる箇所が生じる場合がある。

0049

(硬化触媒)
本発明の遮光塗料は、遮光膜を生成したときのエポキシ基を有する化合物の架橋密度が上がり耐溶剤性が向上するため、硬化触媒を含有することが好ましい。本発明に用いる硬化触媒としては、3級アミンやイミダゾール化合物を用いることが好ましい。3級アミンとしては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、トリ−2−エチルヘキシル酸塩を用いることができる。また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダズール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチルS−トリアジンを用いることができる。

0050

本発明の遮光塗料に含まれる硬化触媒の含有量は、遮光塗料中に0.5質量%以上2.5質量%以下が好ましい。硬化触媒の含有量が0.5質量%未満になると、生成した遮光膜の耐溶剤性が低下する。また、硬化触媒の含有量が2.5質量%より大きくなると生成した遮光膜の架橋密度が上がり膜の靭性が低下することがある。

0051

添加剤
本発明の遮光塗料は、本来の目的が損なわれない範囲内で、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、防カビ剤酸化防止剤を添加することができる。

0052

本発明の遮光塗料に含まれる添加剤の含有量は、遮光塗料中に5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましい。

0053

[遮光塗料セット]
次に、本発明の遮光塗料セットについて説明する。

0054

本発明の遮光塗料セットは、エポキシ基を有する化合物を有するユニットと、アミン系硬化剤を有するユニットとを有し、2以上のユニットから構成されおり、全てのユニットを混合することにより、上記の遮光塗料になる。

0055

本発明の遮光塗料セットは、エポキシ基を有する化合物を有するユニットと、アミン系硬化剤を有するユニットが別れているので、保存性に優れている。本発明の遮光塗料セットは、いずれかの1つ又は複数のユニットに、無機微粒子及び着色剤を含有している。すなわち、無機微粒子及び着色剤は、エポキシ基を有する化合物を有するユニット、アミン系硬化剤を有するユニット又は3以上のユニットから構成される場合のこれら以外のユニットに含まれる。

0056

遮光塗料セットに含まれるアミン系硬化剤の活性水素当量(A)とアミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前ポキシ樹脂の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たす。
0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45 式(1)

0057

本発明の遮光塗料セットは、いずれかのユニットに硬化触媒を有することが好ましい。硬化触媒としては、3級アミン又はイミダゾール化合物を用いることが好ましい。

0058

本発明の遮光塗料セットの全てのユニットに含まれる材料を混合・分散することで、上記の本発明の遮光塗料を得ることが出来る。混合・分散方法としては、ボールミルビーズミル衝突分散装置遊星回転攪拌装置ホモジナイザースターラーによる撹拌等を用いることができる。

0059

[遮光膜]
次に、本発明の遮光膜について説明する。

0060

本発明の遮光膜は、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料から生成した遮光膜である。遮光塗料は、アミン系硬化剤の活性水素当量(A)とアミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)と前記エポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たす。
0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 式(1)

0061

次に、本発明の遮光膜に含まれる各成分について説明する。遮光膜に含まれる材料は、上記の遮光膜で記載した材料を用いることができる。遮光膜における各材料の含有量は、以下の通りである。

0062

(エポキシ基を有する化合物)
本発明の遮光膜中のエポキシ基を有する化合物の含有量は、5.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下であることがより好ましい。エポキシ基を有する樹脂の含有量が5.0質量%未満になると耐溶剤性が低下する。また、エポキシ基を有する化合物の含有量が60%より大きくなると内面反射が低下する。

0063

(無機微粒子)
本発明の遮光膜中の無機微粒子の含有量は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。10.0質量%未満では屈折率の増加が少なく、内面反射が大きくなる。また、40.0質量%より大きいと塗膜の密着力や耐久性が下がるので好ましくない。

0064

(着色剤)
本発明の遮光膜中の着色剤の含有量は、5.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。

0065

(アミン系硬化剤)
本発明の遮光膜中のアミン系硬化剤の含有量は、1.0質量以上25.0質量%以下であることが好ましい。アミン系硬化剤の含有量が1.0質量%未満になると遮光膜の硬化度が下がり、遮光膜の基材に対する密着性が低下する。また、アミン系硬化剤の含有量が25.0質量%より多い場合は光学特性が低下する。

0066

(硬化触媒)
本発明の遮光膜中の硬化触媒の含有量は、1.0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。硬化触媒の含有量が1.0質量%未満になると、生成した遮光膜の耐溶剤性が低下する。また、硬化触媒の含有量が5.0質量%より大きくなると生成した遮光膜の架橋密度が上がり膜の靭性が低下することがある。

0067

(添加剤)
本発明の遮光膜中の添加剤の含有量は、15.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以下であることがより好ましい。

0068

[光学素子]
次に、本発明の光学素子について説明する。

0069

本発明の光学素子は、光学材料で形成されている基材の一部(外周部表面)に遮光膜が設けられている。本発明の光学素子は、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤、アミン系硬化剤及び硬化触媒を有する遮光塗料から生成された遮光膜である。遮光塗料において、アミン系硬化剤の活性水素当量(A)とアミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)とエポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が下記式(1)を満たす。
0.1≦〔(A′/A)/(E′/E)〕≦0.45 式(1)

0070

基材は、光学レンズ又はプリズムを用いることが好ましい。光学材料と遮光膜との屈折率(nd)の差は、0.0以上0.2以下であることが内面反射を低減すため好ましい。

0071

本発明の光学素子は、カメラ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置等の光学機器に用いることができる。

0072

[遮光膜の製造方法]
次に、本発明の遮光膜の製造方法について説明する。

0073

本発明の遮光膜の製造方法は、上記の遮光塗料を硬化して製造する。本発明の遮光膜の製造方法は、基材にエポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料を塗布する工程と、塗布した遮光塗料を温度40乃至200℃の雰囲気で硬化する工程とを有する。遮光塗料は、アミン系硬化剤の活性水素当量(A)とアミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)とエポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45 式(1)

0074

遮光塗料を塗布する工程では、遮光塗料を任意の分散方法で分散してから塗布することが好ましい。分散方法としては、ボールミルやビーズミル、衝突分散装置、遊星回転式攪拌装置、ホモジナイザー、スターラーによる撹拌等を用いることができる。遮光塗料を塗布する工程では、遮光塗料を刷毛微量塗布を用いて塗布する。

0075

遮光塗料を硬化する工程では、塗布した遮光塗料を温度20℃以上200℃以下の雰囲気で硬化させるが、温度20℃以上200℃以下の雰囲気で硬化させるが好ましい。20℃未満の温度で硬化させると架橋密度が低下するため、耐溶剤性が低下する。また、本発明の遮光塗料を200℃より高い温度で硬化させると応力が増大し、遮光膜が割れやすくなる。

0076

本発明の遮光膜の製造方法で用いる遮光塗料は、上記の材料・条件等を満たすことが好ましい。

0077

[光学素子の製造方法]
次に、本発明の光学素子の製造方法について説明する。

0078

本発明の光学素子の製造方法は、光学材料で形成されている基材の外周部表面に遮光膜が設けられている光学素子を製造する方法である。本発明の光学素子の製造方法は、基材の外周部表面に、エポキシ基を有する化合物、無機微粒子、着色剤及びアミン系硬化剤を有する遮光塗料を塗布する工程と、塗布した塗料を温度20℃以上200℃以下の雰囲気で硬化する工程とを有する。用いる遮光塗料は、アミン系硬化剤の活性水素当量(A)とアミン系硬化剤の質量(A′)の比(A′/A)と、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量(E)とエポキシ基を有する化合物の質量(E′)の比(E′/E)が、下記式(1)を満たす。
0.1≦((A′/A)/(E′/E))≦0.45 式(1)

0079

光学材料で形成されている基材としては、レンズやプリズムを用いることができる。光学材料と遮光膜との屈折率(nd)の差は、0.0以上0.2以下であることが内面反射を低減すため好ましい。

0080

本発明の光学素子の製造方法は、上記の遮光膜の製造方法で記載した条件等を満たすことが好ましい。

0081

以下に、本発明における好適な実施例について説明する。

0082

実施例1から16における遮光塗料の調製、遮光膜の作製、光学特性の評価、外観の評価は下記の方法で行った。

0083

〈平均粒子径の測定〉
無機微粒子の平均粒子径は、動的光散乱装置(Zeta sizer Nano MPT−2;シスメックス)を用いて測定した。セルの中にプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈したスラリーを入れ、電圧が5mVで20回の平均を検出した。平均粒子径は、個数分布でのピーク値とした。

0084

<光学特性の評価>
〈内面反射率の測定方法〉
内面反射率は図5に示すように、分光光度計(U−4000;日立ハイテク)を用い測定を行った。測定用サンプルには三角プリズムを用いた。14はプリズムを示す。三角プリズム14は、大きさが直角を挟む1辺の長さが30mm、厚み10mmで、材質がS−LaH53(nd=1.8;オハラ製)である。

0085

図5は三角プリズム14に対する入射角bが90°の測定方法を示す模式図である。まず、図6を用いて分光光度計を用いた測定方法について説明する。分光光度計より出た光は三角プリズム14に対して、入射角b=90°で入射する。このとき、空気の屈折率と三角プリズム17の屈折率の差により、光の屈折が起こる。屈折後の入射角はc=68.13°である。入射角dに対する屈折後の角度eは下記の計算式(3)より算出した。また、屈折後のeより入射角cを算出した。
n=sin d/sin e 式(3)

0086

続いて、三角プリズム17で屈折した光は三角プリズム14の底面に当たり、反射して三角プリズム14の外に出る。この反射光の強度を波長400nmから700nmの可視光領域について検出器で検出した。尚、バックグラウンドは底面および入射面、反射面の3面が鏡面の三角プリズム14の底面に何も塗布しないサンプルとし、底面および入射面、反射面の3面が鏡面の三角プリズム14の底面に遮光膜を形成した時の内面反射率を計測した。また、内面反射率は、波長400nmから700nmの可視光の内面反射を1nm間隔で測定し、その結果の平均値を記載した。

0087

〈高温高湿環境下で放置後の白点数の評価方法
高温高湿雰囲気放置後の白点数の評価は下記のように行った。測定用のガラスには♯240でフロスト加工し、直径30mm、厚み1mm、材質がS−LAL18のものを用いた。まず、ガラスのフロスト加工面スポンジを用いて遮光塗料を厚みが5.0μmになるように塗布し、上記の遮光膜の作製方法に従って、硬化した。続いて、雰囲気温度60℃、湿度90%の炉に250時間放置し、白点評価用のサンプルを得た。白点評価用のサンプルを、顕微鏡で撮影した。撮影した6mm2の画像の中で0.02mm以上の直径を持つ白点の数をカウントした。尚、発生した白点数は、下記の基準で評価した。◎は外観が特に優れた遮光膜であり、○は外観がよい遮光膜であり、×は外観の低下が見られる遮光膜であると言える。
◎:6mm2の画像の中に直径0.02mm以上の白点が40個以下
○:6mm2の画像の中に直径0.02mm以上の白点が41〜100個
×:6mm2の画像の中に直径0.02mm以上の白点が101個以上

0088

〈耐溶剤性評価方法〉
耐溶剤性評価は下記の方法で行った。まず、各々の実施例の遮光膜の形成方法に従ってφ30mmの任意の種類のガラス上に膜厚5.0μmの遮光膜を形成した。得られた遮光膜をイソプロピルアルコール(以下、IPAと記載)溶液に10分間浸漬し、IPAの着色の有無を観察した。◎は耐溶剤性に優れている遮光膜であり、○及び△は耐溶剤性が良い遮光膜であると言え、×は耐溶剤性が悪いた遮光膜であると言える。
◎:IPAの着色なし
○:IPAがわずかに着色するが、塗膜の色味に変化なし
△:IPAが着色するが、塗膜の色味の変化はなし
×:IPAが着色し、塗膜の色味が変化

0089

(実施例1)
<遮光塗料の調製>
実施例1は、以下の方法で遮光塗料を作製した。プロピレングリコールモノメチルエーテル42.9gと分散剤、屈折率(nd)が2.2以上のチタニア微粒子14.3gをビーズミル(ウルトラアペックスミル;寿工業)、Φ50μmのビーズで分散した。そして、チタニア微粒子の個数平均粒子径が20nmのスラリー57.2gを得た。次に、ビーズミルにて得られたスラリー57.2g、エポキシ樹脂A21g、カップリング剤1g、着色剤13g、プロピレングリコールモノメチルエーテル40gをそれぞれ計量してボールミルポットの中に入れた。続いて、ボールミルポットの中に直径20mmの磁性ボールを5個入れた。屈折率(nd)が2.2以上の無機微粒子は酸化チタン(MT−05;テイカ)を用いた。エポキシ樹脂Aとしては、4,4´−イソプロピリデンジフェノールと1−クロロ−2,3−エポキシプロパン重縮合物エピコート828;三菱化学)を用いた。カップリング剤はエポキシ系シランカップリング剤KBM403;信越シリコーン)を用いた。調合した塗料および磁性ボールの入ったボールミルポットをロールコーターにセットし、66rpmで48時間攪拌し、実施例1の遮光塗料を得た。

0090

尚、有機染料については、黒色染料赤色染料黄色染料青色染料を混合して用いた。染料については、以下に挙げるもの中のいずれかを用いた。

0091

黒色染料については、VALIFASTBLACK1821(オリエント化学)、VALRFAST BLACK 3810(オリエント化学)、Oil Black HBB(オリエント化学)、Aizen Spilon BlackMHS−Liquid(保土ヶ谷化学工業)から選ばれる材料を用いた。

0092

赤色染料については、VALIFAST RED 3320(オリエント化学)、アイゼンスピロレッドBEH S−リキッド(保土ヶ谷化学工業)から選ばれる材料を用いた。

0093

黄色染料については、OILYELLOW 129、VALIFAST YELLOW 3108、Aizen Spilon Yellow RH S−Liquid(保土ヶ谷化学工業)から選ばれる材料を用いた。

0094

青色染料としてはVALIFASTBLUE1605(オリエント化学)、VALIFASTBLUE2650(オリエント化学)、VALIFASTBLUE2606(オリエント化学)、VALIFASTBLUE2620(オリエント化学)から選ばれる材料を用いた。

0095

<遮光膜の作製>
実施例1では、以下の方法で遮光膜を作製した。上記の遮光塗料132.2gにアミン系硬化剤A1.9g、硬化触媒A1gを添加し、ロールコーターで30分間攪拌を行った。脂肪族アミン系硬化剤であるアミン系硬化剤A(アデカハードナーEH6019;アデカ)、硬化触媒Aには2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノールを用いた。ロールコーターの攪拌条件は66rpmとした。エポキシ樹脂Aのエポキシ当量は190g/eq、カップリング剤のエポキシ当量は236g/eqであり、(E´/E)=0.111+0.004=0.115であった。アミン系硬化剤Aの活性水素当量は80g/eqであり、(A´/A)=0.011であった。式(1)に従って計算すると、当量比(A´/A)/(E´/E)は0.1である。

0096

得られた遮光塗料/硬化剤溶液を評価用のガラス基板もしくはレンズに所定の厚みで塗布し、室温で60分間乾燥させた。遮光塗料を乾燥させた後に、40℃の恒温炉で8時間硬化させ実施例1の遮光膜を得た。

0097

(実施例2〜16)
実施例2〜16では、表1〜4の材料・条件にする以外は実施例1と同様にして、遮光塗料及び遮光膜を作製した。

0098

0099

0100

0101

0102

〈評価結果〉
上記の測定方法により実施例1から16の遮光塗料および遮光膜の内面反射率、高温高湿雰囲気放置後の白点数、耐溶剤性を評価した結果を表5、6、7、8に示す。

0103

測定結果としては、内面反射は20%以下であることが好ましい。また、高温高湿環境下での放置後の白点数は6mm2の画像の中に0.02mm以上の白点が100個以下であることが好ましい。また、耐溶剤性はIPAに浸漬後に遮光膜の色味が変化しないレベルが望ましい。

0104

表5に示すように、当量比が0.01の実施例1の光学素子用の遮光塗料および膜の各物性を測定した。光学特性の評価結果、内面反射率は、15%であり良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAがわずかに着色した程度で良好であった。

0105

表5に、実施例1に対して当量比が0.20と多くなるようになるように硬化剤Aを添加した実施例2の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、17%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの溶出は見られず良好であった。

0106

表5に、実施例1に対して当量比が0.45と多くなるようになるように硬化剤Aを添加した実施例3の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、20%であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの着色は見られず良好であった。

0107

表5に、実施例1に対してエポキシ樹脂Aを10g、エポキシ系シランカップリング剤Aを12g、硬化剤Aを0.85g添加した、実施例4の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、13%で良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの溶出は見られたが、塗膜の色味変化は見られなかった。

0108

表6に、実施例4に対して当量比が0.2と多くなるように硬化剤Aを添加した実施例5の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、15%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAがわずかに着色した程度で良好であった。

0109

表6に、実施例4に対して当量比が0.45と多くなるように硬化剤Aを添加した実施例6の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、20%であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAへの着色は見られず良好であった。

0110

表6に、実施例5に対して硬化剤Bを2.4g添加した実施例7の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。硬化剤Bとしては、芳香族アミン系のアデカハードナーEH551CH(アデカ製)を用いた。内面反射率は、13%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAがわずかに着色した程度で良好であった。

0111

表6に、実施例5に対して硬化剤Cを1.7g添加した実施例8の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。硬化剤Cとしては、多官能アミン系のジェファーミンT−403(三井化学ファイン製)を用いた。内面反射率は、14%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAがわずかに着色した程度で良好であった。

0112

表7に、実施例5に対して硬化触媒を用いなかった実施例9の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、9%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAは着色したが、塗膜の色味の変化はなかった。

0113

表7に、実施例5に対して硬化触媒を1.0g添加した実施例10の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、17%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの着色は見られなかった。

0114

表7に、実施例5に対して硬化触媒を3.0g添加した実施例11の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、19%であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの着色は見られなかった。

0115

表7に、実施例5に対して硬化触媒を4.0g添加した実施例12の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、20%であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの着色は見られなかった。ただし、高温高湿雰囲気放置試験を1500時間行ったところ、わずかに膜の剥離が見られた。

0116

表8に、実施例5に対して硬化触媒としてベンジルジメチルアミンを用いた実施例13の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、15%で良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAがわずかに着色した程度であった。

0117

表8に、実施例5に対して無機微粒子としてジルコニアを用いた実施例14の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、20%であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAのがわずかに着色した程度であった。

0118

表8に、実施例5に対して硬化温度を20℃、硬化時間24時間で硬化させた実施例15の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、17%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は41〜100個の範囲であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAは着色したが、塗膜の色味の変化はなかった。

0119

表8に、実施例5に対して硬化温度を200℃、硬化時間0.5時間で硬化させた実施例16の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、12%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は40個以下であり良好であった。また、耐溶剤性を評価した結果、IPAの着色は見られなかった。

0120

0121

0122

0123

0124

[比較例1〜5]
比較のための遮光塗料の調製、遮光膜の作製、光学特性の評価、外観の評価を、前述の実施例1〜16と同様に行った。実施例1から16と異なる点について以下に示す。

0125

表9、10に、比較例1、2、3、4、5の遮光塗料を構成するエポキシ樹脂、カップリング剤、アミン系硬化剤、硬化触媒、着色剤、溶媒、無機微粒子の種類並びにそれらの混合比、当量比を示す。

0126

表11、12に、比較例1、2、3、4、5の遮光塗料を用いて評価した結果をそれぞれ比較例1から5に示す。

0127

表11に、実施例5に対して、当量比が0.05と少なくなるように硬化剤Aを添加した比較例1の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、12%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は101個以上であり悪かった。また、耐溶剤性試験を行った結果、IPAが着色し、塗膜が剥がれての色味が変化した。

0128

表11に、実施例5に対して、当量比が0.55と多くなるように硬化剤Aを添加した比較例2の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、23%と悪かった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は101個以上であり、悪かった。耐溶剤性試験を行った結果、IPAの着色は見られなかった。

0129

表11に、実施例1に対して、当量比が0.05と少なくなるように硬化剤Aを添加した比較例3の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、14%と良好であった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は101個以上であり悪かった。また、耐溶剤性試験を行った結果、IPAが着色し、塗膜が剥がれての色味が変化した。

0130

表11に、実施例1に対して、当量比が0.55と多くなるように硬化剤Aを添加した比較例4の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は、26%と悪かった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は101個以上であり、悪かった。耐溶剤性試験を行った結果、IPAの着色は見られなかった。

0131

表12に、実施例5に対して、当量比が1.10と多くなるように硬化剤Aを添加した比較例5の光学素子用の遮光塗料による遮光膜の各物性を示した。内面反射率は32%と悪かった。また、高温高湿雰囲気放置後の白点数を評価したところ、6mm2の画像の中の0.02mm以上の白点の個数は101個以上であり、悪かった。耐溶剤性試験を行った結果、IPAの着色は見られなかった。

0132

0133

0134

実施例

0135

0136

本発明の遮光膜は、カメラ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置等の光学機器に用いられる光学素子の遮光膜に利用することができる。本発明の遮光膜は、高温高湿雰囲気放置後に発生する外観不良である白点の発生数が少ないので、レンズやプリズム等の光学素子に利用することができる。

0137

1遮光膜
2レンズ
12空気層
13 白点

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