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技術 耐熱樹脂組成物

出願人 富士電機株式会社
発明者 関根伸行雁部竜也
出願日 2014年8月5日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2014-159682
公開日 2016年3月22日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2016-037514
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 エポキシ樹脂 半導体又は固体装置の封緘,被覆構造と材料
主要キーワード 熱膨張率特性 接続用プリント基板 成形構造体 使用雰囲気 耐熱樹脂組成物 チッ化ガリウム 銅ブロック ワイドバンドギャップ材料
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

絶縁破壊電圧の低下や塑性変形の起こりにくい耐熱樹脂組成物及びこれにより封止してなる半導体装置を提供する。

解決手段

少なくとも2官能脂環式エポキシ化合物と、少なくとも2官能のグリシジルエーテルと、酸無水物系硬化剤とを含んでなる耐熱樹脂組成物、及びかかる耐熱樹脂組成物で封止してなる半導体装置。

概要

背景

従来、一般的に用いられているSi(シリコン半導体素子を用いた半導体装置では、エポキシ樹脂シリコーンゲルにより、封止を行い、絶縁性を確保していた。近年、SiCやGaNのようなワイドバンドギャップ材料はSiに比べて優れた耐熱性電気的特性を有しているため研究開発が進められており、将来的にSiからワイドバンドギャップ材料に置き換わることが想定されている。ワイドバンドギャップ材料からなる半導体素子は、Siに比べて高温動作が可能であるが、半導体素子封止材料にも同様に高耐熱性が要求されている。

一般的に、高耐熱性熱硬化樹脂として、エポキシ系樹脂では脂環式エポキシ化合物硬化剤では酸無水物系が利用されている。

光半導体封止用樹脂組成物として、脂環式エポキシ化合物及び可撓性連鎖骨格に含むエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂成分、並びに、カチオン重合開始剤を含有してなる組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。当該組成物においては、ガラス転移温度(Tg)を最大でも80℃と低く抑える必要性がある。

概要

絶縁破壊電圧の低下や塑性変形の起こりにくい耐熱樹脂組成物及びこれにより封止してなる半導体装置を提供する。 少なくとも2官能の脂環式エポキシ化合物と、少なくとも2官能のグリシジルエーテルと、酸無水物系硬化剤とを含んでなる耐熱樹脂組成物、及びかかる耐熱樹脂組成物で封止してなる半導体装置。 なし

目的

本発明に係る耐熱樹脂組成物は、例えば200℃以上の動作温度においても、絶縁破壊電圧の低下や塑性変形が生じない、200℃以上のガラス転移温度を実現しうる、信頼性の高い耐熱樹脂組成物及び硬化物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも2官能脂環式エポキシ化合物と、少なくとも2官能のグリシジルエーテルと、酸無水物系硬化剤とを含んでなる耐熱樹脂組成物

請求項2

前記グリシジルエーテルに対する、前記脂環式エポキシ化合物の当量比が、0.1〜1.5である、請求項1に記載の耐熱樹脂組成物。

請求項3

前記脂環式エポキシ化合物100質量部に対し、前記グリシジルエーテルを、10〜60質量部含んでなる、請求項1または2に記載の耐熱樹脂組成物。

請求項4

前記脂環式エポキシ化合物が、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである、請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱樹脂組成物。

請求項5

前記少なくとも2官能のグリシジルエーテルが、ビスフェノールジグリシジルエーテル、またはクレゾールノボラック型ジグリシジルエーテルである、請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱樹脂組成物。

請求項6

半導体素子封止のための、請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱樹脂組成物。

請求項7

前記半導体素子が、SiC半導体素子である、請求項6に記載の耐熱樹脂組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物

請求項9

ガラス転移温度が200℃以上である、請求項8に記載の樹脂硬化物。

請求項10

半導体素子と、前記半導体素子の一方の面に接合された絶縁基板と、前記半導体素子の他方の面に接合された外部回路との接続用プリント基板とを含む部材を、封止材で封止してなる成形体を備える半導体装置であって、前記封止材が、前記半導体素子を被覆して前記半導体素子に近接する領域に設けられる第1の封止層であって、熱硬化性樹脂からなる第1の封止層と、請求項1〜7に記載の耐熱樹脂組成物からなる第2の封止層であって、前記第1の封止層を被覆し、かつ前記成形体の外表面の少なくとも一部を形成する第2の封止層とを含んでなる、半導体装置。

請求項11

前記半導体素子が、SiC半導体素子である、請求項10に記載の半導体装置。

技術分野

0001

本発明は、耐熱樹脂組成物に関する。本発明は、特には、SiC(炭化シリコン)やGaN(チッ化ガリウム)を用いた半導体素子封止材料として好適に用いられる耐熱樹脂組成物、並びにかかる耐熱樹脂組成物で封止してなる半導体装置に関する。

背景技術

0002

従来、一般的に用いられているSi(シリコン)半導体素子を用いた半導体装置では、エポキシ樹脂シリコーンゲルにより、封止を行い、絶縁性を確保していた。近年、SiCやGaNのようなワイドバンドギャップ材料はSiに比べて優れた耐熱性電気的特性を有しているため研究開発が進められており、将来的にSiからワイドバンドギャップ材料に置き換わることが想定されている。ワイドバンドギャップ材料からなる半導体素子は、Siに比べて高温動作が可能であるが、半導体素子封止材料にも同様に高耐熱性が要求されている。

0003

一般的に、高耐熱性熱硬化樹脂として、エポキシ系樹脂では脂環式エポキシ化合物硬化剤では酸無水物系が利用されている。

0004

光半導体封止用樹脂組成物として、脂環式エポキシ化合物及び可撓性連鎖骨格に含むエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂成分、並びに、カチオン重合開始剤を含有してなる組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。当該組成物においては、ガラス転移温度(Tg)を最大でも80℃と低く抑える必要性がある。

先行技術

0005

特開2006-299073号公報

発明が解決しようとする課題

0006

脂環式エポキシ化合物と酸無水物系硬化剤硬化反応は、例えば、2分子の脂環式エポキシ化合物と、1分子の2官能酸無水物系硬化剤とが反応する場合、1分子の脂環式エポキシ化合物と酸無水物系硬化剤の一方の官能基との1段目の反応工程と、残る1分子の脂環式エポキシ化合物と酸無水物系硬化剤の残る官能基との2段目の反応工程との2段階で進行すると考えられる。このとき、脂環式エポキシ化合物は立体障害が高いため、反応速度、特に2段目の反応速度が遅い。このため、硬化時間が不十分であると、一段目の反応のみが完了し、硬化物中に未反応部位が残る可能性が高い。未反応部位は、硬化物が高温に曝されると劣化反応の起点となり、劣化の進行によりクラックが発生するという問題がある。また、未反応部位が残存することは、硬化物の架橋度の低下につながり、ガラス転移温度が低下する可能性がある。すなわち、硬化物が高温に曝されると機械特性が変化し、クラックや形状変化を発生することがある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題に鑑みて、未反応部位を残存させないように、2段目の反応工程を促進することを検討し、脂環式エポキシ化合物よりも立体障害の低いグリシジルエーテルを、脂環式エポキシ化合物とともに用いることに想到し本発明を完成するに至った。

0008

本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、一実施形態によれば、耐熱樹脂組成物であって、少なくとも2官能の脂環式エポキシ化合物と、少なくとも2官能のグリシジルエーテルと、酸無水物系硬化剤とを含んでなる。

0009

前記耐熱樹脂組成物において、前記グリシジルエーテルに対する、前記脂環式エポキシ化合物の当量比が、0.1〜1.5であることが好ましい。

0010

前記耐熱樹脂組成物において、前記脂環式エポキシ化合物100質量部に対し、前記グリシジルエーテルを、10〜60質量部含んでなることが好ましい。

0011

前記耐熱樹脂組成物において、前記脂環式エポキシ化合物が、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであることが好ましい。

0012

前記耐熱樹脂組成物において、前記少なくとも2官能のグリシジルエーテルが、ビスフェノールジグリシジルエーテル、またはクレゾールノボラック型ジグリシジルエーテルであることが好ましい。

0013

前記耐熱樹脂組成物は、半導体素子の封止のために用いられることが好ましい。

0014

前記半導体素子が、SiC半導体素子であることが好ましい。

0015

本発明は、別の実施形態によれば、前述のいずれかの耐熱樹脂組成物を硬化させてなる耐熱樹脂硬化物である。
前記耐熱樹脂硬化物は、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましい。

0016

本発明は、また別の実施形態によれば、半導体装置であって、半導体素子と、前記半導体素子の一方の面に接合された絶縁基板と、前記半導体素子の他方の面に接合された外部回路との接続用プリント基板とを含む部材を、封止材で封止してなる成形体を備え、前記封止材が、前記半導体素子を被覆して前記半導体素子に近接する領域に設けられる第1の封止層であって、熱硬化性樹脂からなる第1の封止層と、前述のいずれかの耐熱樹脂組成物からなる第2の封止層であって、前記第1の封止層を被覆し、かつ前記成形体の外表面の少なくとも一部を形成する第2の封止層とを含んでなる。
前記半導体装置において、前記半導体素子が、SiC半導体素子であることが好ましい。

発明の効果

0017

本発明に係る耐熱樹脂組成物は、例えば200℃以上の動作温度においても、絶縁破壊電圧の低下や塑性変形が生じない、200℃以上のガラス転移温度を実現しうる、信頼性の高い耐熱樹脂組成物及び硬化物を提供することができる。このような耐熱樹脂組成物、半導体封止樹脂として用いた場合に特に有用であり、動作温度が高温になるSiC半導体素子あるいはGaN半導体素子の封止において、有効に使用することができる。また、本発明は、高温条件下で使用されてもクラック発生がなく信頼性の高い半導体装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明に係る耐熱樹脂組成物を用いて封止してなる、半導体モジュール成形構造体断面構造を示す概念図である。

0019

以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。

0020

[第1実施形態:樹脂組成物
本発明は、第1実施形態によれば、耐熱樹脂組成物であって、少なくとも2官能の脂環式エポキシ化合物と、少なくとも2官能のグリシジルエーテルと、酸無水物系硬化剤とを含んでなる。

0021

少なくとも2官能の脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ基を2以上、3以上、あるいは4以上備えるエポキシ化合物であればよく、1種の脂環式エポキシ化合物であってもよく、2種以上の異なる脂環式エポキシ化合物の組み合わせであってもよい。例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル基を2以上、3以上、あるいは4以上備えるエポキシ化合物であればよい。少なくとも2官能の脂環式エポキシ化合物は、好ましくは、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを挙げることができるが、これには限定されない。脂環式エポキシ化合物の硬化物は、グリシジルエーテルと比較して、特に、耐熱性、強靱性及び透明性の点で優れており、耐熱樹脂組成物において、これらの特性に寄与し得る。

0022

少なくとも2官能のグリシジルエーテルは、グリシジルエーテル基を2以上、3以上、あるいは4以上備えるエポキシ化合物であればよく、1種のグリシジルエーテルであってもよく、2種以上の異なるグリシジルエーテルの組み合わせであってもよい。一例として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型グリシジルエーテル、ナフトールノボラック型グリシジルエーテル、クレゾールノボラック型グリシジルエーテル、トリフェニルメタン型グリシジルエーテルが挙げられるが、これらには限定されない。グリシジルエーテルは、脂環式エポキシ化合物と比較して、硬化反応が速いため、架橋密度の点で優れており、耐熱樹脂組成物において、曲げ強度接着強度熱物性(高Tg)に寄与し得る。

0023

例示したグリシジルエーテルは、特には、下記の構造式(1)〜(7)を有する、低分子化合物高分子化合物、並びにそれらの異性体、変成体、誘導体であってよい。



(各式中、nは1〜30の整数を表す。)

0024

本発明においては、上記脂環式エポキシ化合物と、上記グリシジルエーテルとの当量比(脂環式エポキシ化合物のエポキシ当量/グリシジルエーテルのエポキシ当量)が、0.1〜1.5であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましく、0.9〜1.1であることが最も好ましい。脂環式エポキシ化合物と、グリシジルエーテルとの当量比が上記範囲にある化合物を用いることで、これらのエポキシ化合物と酸無水物系硬化剤との反応を制御することができる。すなわち、酸無水物系硬化剤の少なくとも1つの官能基と脂環式エポキシ化合物とを反応させ、次いで、酸無水物系硬化剤の残りの官能基とグリシジルエーテルを反応させるといった二段階の反応で、酸無水物系硬化剤と少なくとも2種のエポキシ化合物との反応を促進することができる。これにより、硬化剤及びエポキシ化合物の未反応部位を減少させることができ、かつ、脂環式エポキシ化合物と、グリシジルエーテルのそれぞれの特性の利点を最大とすることができる。

0025

本実施形態による耐熱樹脂組成物において、脂環式エポキシ化合物と、グリシジルエーテルとの質量比は、脂環式エポキシ化合物100質量部に対し、グリシジルエーテルが、例えば、100質量部以下であり、10〜60質量部であることが好ましく、25〜50質量部であることがより好ましい。脂環式エポキシ化合物特有の高Tgの特性を保つために、脂環式エポキシ化合物は、グリシジルエーテルと同じ質量か、それ以上含まれることが必要となる。

0026

酸無水物系硬化剤としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸テトラヒドロ無水フタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物水素化メチルナジック酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸無水ピロメリット酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートグリセリルビスアンヒドロトリリレート)モノアセテートおよびそれらの異性体、変成体が挙げられるが、これらには限定されない。また、酸無水物系硬化剤は、これらのうち1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を混合して用いることができる。

0027

耐熱樹脂組成物における酸無水物系硬化剤の含有量は、上記脂環式エポキシ化合物と、上記グリシジルエーテルのエポキシ当量と、酸無水物当量との比が、1.0になるように決定することができる。

0028

任意選択的な成分として、硬化促進剤を添加してもよい。硬化反応を制御するためである。硬化促進剤の具体例としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類トリフェニルフォスフィン等の芳香族フォスフィン類、三フッ化ホウ素モノエチルアミン等のルイス酸ホウ酸エステル有機金属化合物有機酸金属塩等が挙げられるが、これらには限定されない。硬化促進剤の添加量は、硬化剤を100質量部としたとき、0.01〜5質量部とすることができる。

0029

耐熱樹脂組成物は、特に半導体封止用樹脂として用いる場合には、その他に、半導体封止用樹脂に通常添加される任意成分を含んでも良い。任意成分としては、例えば、難燃剤樹脂を着色するための顔料耐クラック性を向上するための可塑剤シリコンエラストマーが挙げられるが、これらには限定されない。これらの任意成分の添加量は、用途に応じて、当業者が適宜決定することができるが、耐熱樹脂組成物全体の質量を100%とした場合に、通常10質量%以下である。

0030

また、耐熱樹脂組成物は、さらに、無機フィラーを含んでも良い。無機フィラーを含む場合、その質量は、耐熱樹脂組成物全体の質量を100%とした場合に、例えば、60〜90質量%であり、80〜90質量%であることが好ましい。無機フィラーをこのような含有量で含むことにより、Tgのさらなる向上が可能である。無機充填剤は、平均粒径が、1〜100nm、好ましくは、5〜50nmの、いわゆる、ナノフィラーを用いる。樹脂の耐熱性を高めるためである。本明細書において、平均粒径とはレーザー回折散乱法で測定した値をいうものとする。無機充填剤を構成する化合物は、SiO2、BN、Al2O3、AlN及びSi3N4からなる群から選択される1つ以上であってよいが、これらには限定されない。

0031

上記組成を備える本実施形態による耐熱樹脂組成物を、適切な硬化条件で硬化することにより、硬化物を得ることができる。例えば、100〜140℃で1〜3時間、さらに、160〜200℃で1〜3時間といった、2段階の熱硬化反応により、耐熱樹脂組成物を熱硬化させることができる。本実施形態による耐熱樹脂組成物は、上記組成の特徴を備えることで、Tgが、約200℃以上、好ましくは、約210℃以上であって、硬化後、高温条件下で使用されてもクラックが入りにくい、耐熱樹脂硬化物とすることができる。

0032

[第2実施形態]
本発明は、第2実施形態によれば、半導体装置であって、半導体素子と、前記半導体素子の一方の面に接合された絶縁基板と、前記半導体素子の他方の面に接合された外部回路との接続用プリント基板とを含む部材を、封止材で封止してなる成形体を備え、熱硬化性樹脂が、前記半導体素子に接して被覆する第1封止層を構成し、第1実施形態による耐熱樹脂組成物が、前記第1封止層を被覆し、かつ前記成形体の外表面の少なくとも一部に面して設けられる第2封止層を構成することを特徴とする。

0033

図1は、第2実施形態に係る半導体装置の一例である、半導体モジュール成形構造体100の断面構造を示す図である。半導体モジュール成形構造体100においては、絶縁層1の一方の面である下面に略直方体状の第1銅ブロック2、他方の面である上面に略直方体状の第2銅ブロック3が配置されて絶縁基板4を構成する。絶縁基板4の第2銅ブロック3側の面である上面には、導電接合層a5を介して、SiCパワー半導体素子6が複数個搭載され取り付けられている。さらにSiCパワー半導体素子6の上面には、導電接合層b7によりインプラントピン8を備えたインプラント方式プリント基板9が取り付けられている。インプラント方式プリント基板9の上面と、第2銅ブロック3の上面には、それぞれ、外部接続端子10が取り付けられ、半導体モジュール成形構造体100の外部との電気的接続が可能に構成されている。SiCパワー半導体素子6の周囲は、熱硬化性樹脂からなる第1封止層11で封止される。さらにその周囲が、本発明の第1実施形態による耐熱樹脂組成物を硬化させてなる第2封止層13で封止されて成形体となっており、半導体モジュール成形構造体100を構成している。また、第1封止層11には、半導体モジュール成形構造体100を図示しない冷却器に取り付けるためのボルト挿入孔である取り付け金具12が埋め込まれている。なお、本明細書において、上面、下面とは、説明の目的で、図中の上下を指す相対的な用語であって、半導体装置の使用態様等との関係で上下を限定するものではない。

0034

本実施形態による半導体モジュール成形構造体100において、樹脂封止部が、第1の封止層11と、第2の封止層13との二種類の樹脂により構成される。第1の封止層11は、SiCパワー半導体素子6とその近傍にある部材4、5、7、8、9、10の周囲を完全に覆って、封止部の大半を占める。図示する形態においては、第1封止層11は、半導体モジュール成形構造体100の表面に露出していない。第2封止層13は、第1封止層の表面を覆って、半導体モジュール成形構造体100の外周部を構成する。

0035

第2封止層13は、上記第1実施形態において詳述した耐熱樹脂組成物からなる。第2封止層13を耐熱樹脂組成物とすることで、半導体モジュール成形構造体100の外周部にクラックが入ることを防止することができ、かつ、外周部の形状変形などを防止し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。耐熱樹脂組成物からなる。

0036

第1封止層11を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂である。このような樹脂は、先に詳述した耐熱樹脂組成物との関係で決定することができる。すなわち、第1封止層11を構成する樹脂は、第2封止層13を構成する耐熱樹脂組成物の硬化物との熱膨張率の差が、±10ppm/℃以内のものであることが好ましい。封止後の熱応力を少なくするためである。また、第1封止層11を構成する樹脂は、第2封止層13を構成する樹脂との接着強さが、10MPa以上であることが好ましい。封止後に、第1封止層11と第2封止層13との界面に、クラックが入ることを防止するためである。これらの条件を満たすものであれば、第1封止層11を構成する樹脂の種類は問わず、半導体装置の樹脂封止に通常用いられる、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等であってよい。第1封止層11を構成する樹脂はまた、前述の熱膨張率特性接着特性の条件を満たすものであれば、第2封止層13を構成する樹脂と同様に第1実施形態による耐熱樹脂組成物であってもよい。

0037

なお、図示する第1実施形態による半導体モジュール成形構造体100は、第1銅ブロック2の絶縁層1とは反対側の面、すなわち、図中の下面が、第2封止層13と接して、第2封止層13に被覆され、外部と接触しない形態であるが、本発明はこのような形態には限定されない。第1銅ブロック2の下面の一部あるいは全体が露出していて、図示しない冷却部材等との接続が可能な状態であっても良い。また、図1は概念図であって、図示する第1封止層、第2封止層と、他の部材との位置関係は必ずしも図面の通りである必要はない。さらに、絶縁基板4やプリント基板9、インプラントピン8の構成も、図示する形態には限定されない。

0038

次に、第2実施形態による半導体モジュール成形構造体100を、その製造方法の観点から説明する。SiCパワー半導体モジュール成形構造体の製造方法は、主として、絶縁基板4、半導体素子6、並びにプリント基板9が接合された部材を組み立てる工程と、前記部材を樹脂封止する工程とから構成される。

0039

絶縁基板4、半導体素子6、並びにプリント基板9が接合された部材を組み立てる工程は、絶縁層1の両面に第1銅ブロック2と第2銅ブロック3を熱圧着してなる絶縁基板4を形成する工程と、絶縁基板4の一方の面に、導電接合層a5により1以上のSiCパワー半導体素子6を搭載する工程と、SiCパワー半導体素子6の絶縁基板4とは反対側の面に、導電接合層b7により、インプラントピン8を有するインプラント方式のプリント基板9を取り付ける工程と、前記第2銅ブロック3及び前記プリント基板9に外部接続端子10を接続する工程とを含む。このような組み立て工程及び使用する部材の仕様等については、従来技術に開示される、通常の方法に従ってよい。例えば、出願人による、特開2013-004729号公報や、特開2012-191010号公報において説明した各工程を適用することができる。

0040

樹脂封止する工程は、熱硬化性樹脂を用いて第1封止層11を形成する第1の封止工程と、第1実施形態による耐熱樹脂組成物を用いて第2封止層13を形成する第2の封止工程とを含む。

0041

第1の封止工程では、予め通常の方法で減圧脱泡した、第1封止層11となる熱硬化性樹脂1で、絶縁基板4、半導体素子6、並びにプリント基板9が接合された部材を封止する。封止は、トランスファー成形液状トランスファー成形射出成型等の成形法により、所定の形状に成形することにより実施する。その後、熱硬化性樹脂を所定の温度及び時間条件で、例えば、100〜180℃で、1〜10分、熱硬化させて第1封止層11を形成し、第1の封止工程を完了する。

0042

第2の封止工程では、予め通常の方法で減圧脱泡した、第1実施形態による耐熱樹脂組成物を、第1の封止工程で得られた成形体の外周の少なくとも一部に、塗布、成形、あるいはポッティング等の方法により所定の厚みとなるように被覆する。その後、耐熱樹脂組成物を所定の温度及び時間条件で、例えば、ポッティングならば、100〜200℃で、1〜3時間、熱硬化させて、第2封止層13を形成し、第2の封止工程を完了する。これらの工程により、二層封止構造の樹脂封止部を備える成形体を得ることができる。さらに、成形体の第1封止層11の成形時に、取り付け金具12を挿入するための孔を第1封止層に形成し、第1封止層11及び第2封止層13の硬化後に孔に取り付け金具12を挿入する工程により、半導体モジュール成形構造体100を得ることができる。

0043

第2実施形態による半導体モジュール成形構造体100及びその製造方法によれば、特には、使用雰囲気が高温、例えば、175℃以上となる半導体装置において、半導体装置の信頼性を高めると共に、コストを低減することができる。

0044

以下に、実施例により、本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の例示であって、本発明を限定するものではない。

0045

[実施例1]
脂環式エポキシ化合物100質量部に対し、グリシジルエーテルを10質量部、混合しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物に、酸無水物硬化剤を当量比が1.0となるように加えて均一に混合した後、金型流し込み、120℃、2時間、次いで180℃、2時間加熱硬化させ、硬化物を得た。DSCにより硬化物のTgを求めた。使用した化合物は、以下の通り。
脂環式エポキシ化合物:セロサイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)エポキシ当量137
グリシジルエーテル:JERエポキシ樹脂825(三菱化学株式会社製)エポキシ当量175
酸無水物:リカシッドMH−700(新日本理化株式会社製)酸無水物当量161

0046

[実施例2、3]
脂環式エポキシ化合物100質量部に対し、グリシジルエーテルを、25質量部、および50質量部加えた以外は実施例1と同様にして、実施例2、3の硬化物を得た。

0047

[実施例4〜6]
グリシジルエーテル、酸無水物として、以下の化合物を用いた以外は実施例1〜3と同様にして、実施例4〜6の硬化物を得た。
グリシジルエーテル:EPICLON N−655−EXP−S(DIC株式会社製)エポキシ当量196
酸無水物:HN−2200(日立化成工業株式会社製)酸無水物当量166

0048

[比較例1、2]
脂環式エポキシ化合物に、グリシジルエーテルを混合することなく、酸無水物硬化剤を当量比が1.0となるように加えて均一に混合した以外は、実施例1〜6と同様にして、比較例1、2の硬化物を得た。酸無水物硬化剤として、比較例1では上記のリカシッドMH−700を用い、比較例2では上記のHN−2200を用いた。

0049

結果を下記表1に示す。

実施例

0050

0051

本発明に係る樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置は、SiCやGaNといった半導体素子を用いて構成された高温動作となる半導体パワーモジュールにおいて有用である。

0052

1絶縁層
2 第1銅ブロック
3 第2銅ブロック
4絶縁基板
5導電接合層a
6SiC半導体素子
7 導電接合層b
8インプラントピン
9インプラント方式プリント基板
10外部接続端子
11 第1封止層(熱硬化性樹脂)
12取り付け金具
13 第2封止層(耐熱樹脂)
100半導体モジュール成形構造体

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