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図面 (16)

課題

高濃度亜硝酸を効率良く生成する。

解決手段

本開示の一態様に係る亜硝酸生成装置1は、内部空間を備えた処理槽70と、内部空間に酸素及び窒素を含む気体を供給し、内部空間内の液体80中に気泡21を形成させる気体供給装置20と、第1電極110と、第2電極120と、第1電極110と第2電極120との間に電圧印加する電源部140と、を含み、気泡21内にプラズマ22を生成させることにより内部空間内の液体80中に少なくとも一酸化窒素及び二酸化窒素を含む窒素酸化物を発生させるプラズマ生成装置10と、処理槽70に接続され、処理槽70から導かれた窒素酸化物及び液体80を通過させることにより、窒素酸化物を液体80に溶け込ませる気液接触部材40と、気液接触部材40を通過する窒素酸化物及び液体80を冷却する冷却装置30と、を備える亜硝酸生成装置である。

概要

背景

従来、亜硝酸などの酸性水を生成し、生成した酸性水を洗浄水として利用する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。

特許文献1に開示された技術では、空気中で放電することにより、一酸化窒素二酸化窒素を含む窒素酸化物ガスを生成する。そして、空気中に生成した窒素酸化物を液体中に気泡として混入して、窒素酸化物を液体中に溶解させている。

概要

高濃度の亜硝酸を効率良く生成する。本開示の一態様に係る亜硝酸生成装置1は、内部空間を備えた処理槽70と、内部空間に酸素及び窒素を含む気体を供給し、内部空間内の液体80中に気泡21を形成させる気体供給装置20と、第1電極110と、第2電極120と、第1電極110と第2電極120との間に電圧印加する電源部140と、を含み、気泡21内にプラズマ22を生成させることにより内部空間内の液体80中に少なくとも一酸化窒素及び二酸化窒素を含む窒素酸化物を発生させるプラズマ生成装置10と、処理槽70に接続され、処理槽70から導かれた窒素酸化物及び液体80を通過させることにより、窒素酸化物を液体80に溶け込ませる気液接触部材40と、気液接触部材40を通過する窒素酸化物及び液体80を冷却する冷却装置30と、を備える亜硝酸生成装置である。

目的

そこで、本開示は、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる亜硝酸生成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

内部空間を備えた処理槽と、前記内部空間に酸素及び窒素を含む気体を供給し、前記内部空間内の液体中に気泡を形成させる気体供給装置と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧印加する電源と、を含み、前記気泡内にプラズマを生成させることにより前記内部空間内の前記液体中に少なくとも一酸化窒素及び二酸化窒素を含む窒素酸化物を発生させるプラズマ生成装置と、前記処理槽に接続され、前記処理槽から導かれた前記窒素酸化物及び前記液体を通過させることにより、前記窒素酸化物を前記液体に溶け込ませる気液接触部材と、前記気液接触部材を通過する前記窒素酸化物及び前記液体を冷却する冷却装置と、を備える亜硝酸生成装置

請求項2

前記気液接触部材は、中空の管であり、前記管の内径に対する前記管の長さの比が50以上である、請求項1に記載の亜硝酸生成装置。

請求項3

前記気液接触部材は、前記窒素酸化物と前記液体との接触面積を増加させるフィルタ又は多孔質膜を含む、請求項1に記載の亜硝酸生成装置。

請求項4

前記窒素酸化物及び前記液体を、前記処理槽から前記気液接触部材に移動させるためのポンプをさらに備える、請求項1に記載の亜硝酸生成装置。

請求項5

前記気体供給装置は、前記気液接触部材を通過した後に前記液体に溶けずに残った前記窒素酸化物の少なくとも一部を回収し、回収した前記窒素酸化物を前記気体とともに供給する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の亜硝酸生成装置。

請求項6

前記気液接触部材を通過した後の前記液体の少なくとも一部は、前記処理槽に戻される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の亜硝酸生成装置。

技術分野

0001

本開示は、亜硝酸生成装置に関する。

背景技術

0002

従来、亜硝酸などの酸性水を生成し、生成した酸性水を洗浄水として利用する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。

0003

特許文献1に開示された技術では、空気中で放電することにより、一酸化窒素二酸化窒素を含む窒素酸化物ガスを生成する。そして、空気中に生成した窒素酸化物を液体中に気泡として混入して、窒素酸化物を液体中に溶解させている。

先行技術

0004

特開2007−77666号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載の技術では、空気中に生成した窒素酸化物を空気とともに液体中に気泡として混入させているため、気泡中に含まれる窒素酸化物の濃度が低くなる。このため、窒素酸化物が液体へ溶け込む効率が悪くなるので、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができない。

0006

そこで、本開示は、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる亜硝酸生成装置を提供する。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため、本開示の一態様に係る亜硝酸生成装置は、内部空間を備えた処理槽と、前記内部空間に酸素及び窒素を含む気体を供給し、前記内部空間内の液体中に気泡を形成させる気体供給装置と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧印加する電源と、を含み、前記気泡内にプラズマを生成させることにより前記内部空間内の前記液体中に少なくとも一酸化窒素及び二酸化窒素を含む窒素酸化物を発生させるプラズマ生成装置と、前記処理槽に接続され、前記処理槽から導かれた前記窒素酸化物及び前記液体を通過させることにより、前記窒素酸化物を前記液体に溶け込ませる気液接触部材と、前記気液接触部材を通過する前記窒素酸化物及び前記液体を冷却する冷却装置と、を備える亜硝酸生成装置である。

発明の効果

0008

本開示によれば、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる。

図面の簡単な説明

0009

実施の形態に係る亜硝酸生成装置の構成を示す図である。
実施の形態に係るプラズマ生成装置の構成を示す図である。
実施の形態に係るプラズマ生成装置の第2電極及び絶縁体を示す斜視図である。
実施の形態に係るプラズマ生成装置の第2電極及び絶縁体を示す断面図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、プラズマ処理時間と、発生した亜硝酸イオンの濃度との関係を示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、亜硝酸イオン濃度と、分解した過酸化水素の量との関係を示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、発生した亜硝酸イオンとの関係を示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、発生した硝酸イオンとの関係を示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、発生した過酸化水素との関係を示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、分解した過酸化水素の量との関係を示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、液体中に溶けずに残った一酸化窒素の濃度を、気液接触部材に接触する前と後とで示す図である。
実施の形態に係る亜硝酸生成装置において、液体中に溶けずに残った二酸化窒素の濃度を、気液接触部材に接触する前と後とで示す図である。
実施の形態の変形例1に係る亜硝酸生成装置の構成を示す図である。
実施の形態の変形例2に係るプラズマ生成装置の電極の構成を示す図である。

実施例

0010

(本開示の概要
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る亜硝酸生成装置は、内部空間を備えた処理槽と、前記内部空間に酸素及び窒素を含む気体を供給し、前記内部空間内の液体中に気泡を形成させる気体供給装置と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電源と、を含み、前記気泡内にプラズマを生成させることにより前記内部空間内の前記液体中に少なくとも一酸化窒素及び二酸化窒素を含む窒素酸化物を発生させるプラズマ生成装置と、前記処理槽に接続され、前記処理槽から導かれた前記窒素酸化物及び前記液体を通過させることにより、前記窒素酸化物を前記液体に溶け込ませる気液接触部材と、前記気液接触部材を通過する前記窒素酸化物及び前記液体を冷却する冷却装置と、を備える。

0011

これにより、液体中に形成した気泡内にプラズマを生成するので、液体中に窒素酸化物を気泡として発生させることができる。液体中に発生した窒素酸化物は、周囲を液体によって囲まれている。このため、周囲を取り囲む液体の圧力によって、発生する窒素酸化物の濃度を高めることができ、窒素酸化物を効率良く液体に溶け込ませることができる。さらに、本態様では、気液接触部材を用いることで、窒素酸化物をより効率良く液体に溶け込ませることができる。

0012

液体に窒素酸化物が溶け込むことで亜硝酸イオンが生成されるが、亜硝酸イオンは、高温になると硝酸イオンに変化しやすい。このため、本態様では、冷却装置によって亜硝酸イオンが硝酸イオンに変化するのを抑制することができる。したがって、本態様によれば、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる。

0013

また、前記気液接触部材は、中空の管であり、前記管の内径に対する前記管の長さの比が50以上であってもよい。

0014

これにより、より多くの窒素酸化物を液体に溶け込ませることができる。

0015

また、前記気液接触部材は、前記窒素酸化物と前記液体との接触面積を増加させるフィルタ又は多孔質膜を含んでもよい。

0016

これにより、より多くの窒素酸化物を液体に溶け込ませることができる。

0017

また、前記窒素酸化物及び前記液体を、前記処理槽から前記気液接触部材に移動させるためのポンプをさらに備えてもよい。

0018

また、例えば、前記気液接触部材を通過した後の前記液体は、亜硝酸イオンを含んでもよい。

0019

これにより、気液接触部材によって窒素酸化物を液体に溶け込ませて亜硝酸イオンを含む亜硝酸水溶液を生成することができる。

0020

また、例えば、前記気体供給装置は、前記気液接触部材を通過した後に前記液体に溶けずに残った前記窒素酸化物の少なくとも一部を回収し、回収した前記窒素酸化物を前記気体とともに供給してもよい。

0021

これにより、溶け残った窒素酸化物を液体中に再び供給するので、より多くの窒素酸化物を液体に溶け込ませることができる。したがって、本態様によれば、高濃度の亜硝酸をより効率良く生成することができる。

0022

また、例えば、前記気液接触部材を通過した後の前記液体の少なくとも一部は、前記処理槽に戻されてもよい。

0023

これにより、液体の少なくとも一部は、プラズマ生成装置が設けられた処理槽と気液接触部材との間を循環するので、より多くの窒素酸化物を液体に溶け込ませることができる。したがって、本態様によれば、高濃度の亜硝酸をより効率良く生成することができる。

0024

また、例えば、本開示の一態様に係る亜硝酸生成方法は、液体中に酸素及び窒素を含む気体を供給することで、気泡を形成し、前記気泡内にプラズマを生成することで、前記液体中に窒素酸化物を発生させ、前記液体を冷却し、前記液体中に発生した窒素酸化物を前記液体に溶け込ませる。

0025

これにより、上述した亜硝酸生成装置と同様に、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる。

0026

以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。

0027

なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

0028

(実施の形態)
[1.亜硝酸生成装置]
まず、実施の形態に係る亜硝酸生成装置の構成について、図1図3Bを用いて説明する。

0029

図1は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1の構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置10の構成を示す図である。図3A及び図3Bはそれぞれ、本実施の形態に係るプラズマ生成装置10の第2電極120及び絶縁体130を示す斜視図及び断面図である。

0030

本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1は、液体中の気泡内でプラズマを生成することで、少なくとも一酸化窒素(NO)及び二酸化窒素(NO2)を含む窒素酸化物を発生させる。亜硝酸生成装置1は、発生させた上記窒素酸化物を液体に溶け込ませることで、亜硝酸(HNO2)を生成する。

0031

図1及び図2に示すように、亜硝酸生成装置1は、プラズマ生成装置10と、気体供給装置20と、冷却装置30と、気液接触部材40と、配管50及び51と、気体供給管60と、気体排出管61と、処理槽70とを備える。なお、図1及び図2において、実線の矢印は、液体80が流れる向きを示し、破線の矢印は、気体(又は、気泡21)が流れる向きを示している。

0032

以下では、各構成部材について、その詳細を説明する。

0033

[1−1.プラズマ生成装置]
プラズマ生成装置10は、気体供給装置20によって形成された気泡21内にプラズマ22を生成することで、液体80中に窒素酸化物を発生させる。具体的には、図2に示すように、プラズマ生成装置10は、処理槽70に入れられた液体80中に形成された気泡21内でプラズマ22を生成する。また、プラズマ生成装置10は、プラズマ22を生成することで、OHラジカルなどの活性種も発生させて、液体80中に発生したOHラジカルなどを供給する。

0034

図2に示すように、プラズマ生成装置10は、第1電極110と、第2電極120と、絶縁体130と、電源部140と、保持ブロック150とを備える。

0035

[1−1−1.第1電極]
第1電極110は、プラズマ生成装置10が備える一対の電極の一方である。第1電極110は、電源部140に接続されている。

0036

第1電極110は、例えば、棒状の電極である。具体的には、第1電極110は、円柱体である。例えば、第1電極110は、装置の小型化を実現するため、その直径が所定値以下である。例えば、第1電極110の直径は、2mm以下である。

0037

本実施の形態では、第1電極110は、少なくとも一部が処理槽70内に配置される。具体的には、第1電極110は、液体80に接触するように配置されている。図2に示す例では、第1電極110は、第1電極110の先端と第2電極120の先端とが対向するように配置されているが、これに限らない。例えば、第1電極110は、第2電極120と並んで配置されてもよい。

0038

第1電極110としては、導電性金属材料を利用することができる。第1電極110は、例えば、タングステン、銅、アルミニウム又は鉄などから構成される。

0039

なお、第1電極110は、角柱体でもよい。また、第1電極110は、柱体でなくてもよく、筒体又は平板でもよい。また、第1電極110は、処理槽70の壁面に固定されてもよく、あるいは、着脱可能に固定されてもよい。

0040

[1−1−2.第2電極]
第2電極120は、プラズマ生成装置10が備える一対の電極の他方であり、中空部121を有する筒状の電極である。第2電極120は、電源部140に接続されている。

0041

本実施の形態では、第2電極120は、図3Aに示すように、円筒体である。具体的には、第2電極120は、装置の小型化を実現するため、その外径図3Bのr1)が所定の値以下である。例えば、第2電極120の外径r1は、2mm以下であり、一例として2mmである。

0042

第2電極120は、絶縁体130に囲まれている。このとき、第2電極120と絶縁体130との間には、空隙131が形成される。また、第2電極120は、保持ブロック150に保持される。

0043

第2電極120は、一方の端部(先端)が液体80に接触するように配置され、他方の端部(根元)が気体供給装置20に気体供給管60を介して接続されている。気体供給装置20から供給される気体は、第2電極120の中空部121を通って第2電極120の先端から放出されて空隙131に入り込み、第2電極120を覆う。さらに、供給された気体は、絶縁体130の開口部132を通って、液体80中に気泡21として放出される。なお、気体が供給されない場合には、第2電極120の先端は液体80に覆われ、気体が供給された場合には、第2電極120の先端は気泡21に覆われて液体80には接触しない。

0044

第2電極120は、反応電極として用いられ、周囲にプラズマ22が生成される。生成したプラズマ22は、気泡21内に存在する。プラズマ22が生成されることで、窒素酸化物及びOHラジカルなどが気泡21内に発生する。発生した窒素酸化物は、一部が液体80に溶け込みながら、処理槽70から配管50を通って気液接触部材40に液体80とともに供給される。

0045

第2電極120としては、導電性の金属材料を利用することができ、例えば、耐プラズマ性の金属材料を利用することができる。具体的には、第2電極120は、タングステンから構成される。なお、第2電極120としては、他の耐プラズマ性の金属材料を用いてもよく、あるいは、耐久性は悪化するものの、銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金を用いてもよい。

0046

さらに、第2電極120の表面の一部に、導電性物質を添加した酸化イットリウム溶射を行なってもよい。導電性物質としては、例えばイットリウム金属を用いることができ、導電性物質を添加することによって、1〜30Ωcmの導電性を付与することができる。この酸化イットリウムの溶射により、電極寿命が長くなるという効果が得られる。

0047

中空部121は、第2電極120を軸方向に貫通する貫通孔である。中空部121の直径(第2電極120の内径(図3Bのr2))は、例えば、0.9mm以下であり、一例として、0.3mmである。なお、中空部121には、第2電極120の側面を貫通する1以上の貫通孔が別途設けられていてもよい。

0048

なお、第2電極120は、角筒体でもよい。また、中空部121の断面(管軸方向に垂直な断面)は、円形に限らず、楕円形又は矩形などでもよい。

0049

[1−1−3.絶縁体]
絶縁体130は、第2電極120を囲むように配置され、第2電極120との間に空隙131を形成する。空隙131は、中空部121と連通している。さらに、絶縁体130は、絶縁体130の外側の空間と空隙131とを連通する開口部132を有する。

0050

絶縁体130は、液体80から電気的に第2電極120を絶縁するために設けられている。なお、実際には、開口部132を介して絶縁体130内に液体80が流入するので、第2電極120は液体80と接触している。気体供給装置20から気体が供給された場合に、開口部132を気体が塞ぐことにより、第2電極120は、液体80と電気的に絶縁される。

0051

絶縁体130は、例えば、図3Aに示すように、円筒体である。例えば、第2電極120の軸方向と絶縁体130の軸方向とが平行になるように、絶縁体130の筒内に第2電極120が配置されている。具体的には、第2電極120の軸と絶縁体130の軸とが一致するように、絶縁体130と第2電極120とが配置されている。

0052

絶縁体130の内径(開口部132の直径、図3BのR)は、例えば、3mm以下であり、一例として、2mmである。絶縁体130の厚みは、特に限定されないが、小型化を実現するためには、例えば、1mm以下である。

0053

絶縁体130は、例えば、アルミナセラミックから構成される。あるいは、絶縁体130は、マグネシア石英又は酸化イットリウムなどから構成されてもよい。

0054

空隙131は、いわゆるマイクロギャップである。空隙131のギャップ図3Bのd1)は、例えば、プラズマの電子温度及び換算電界と、気体の媒質密度とに基づいて決定される長さである。例えば、ギャップd1は、0.5mm以下である。

0055

このとき、第2電極120の先端は、絶縁体130の端面よりも所定の距離(図3Bのd2)だけ後退した位置に配置される。距離d2は、例えば、7mm未満であり、望ましくは、3mm以上5mm以下である。

0056

第2電極120の先端が絶縁体130の端面よりも内側に位置することにより、中空部121の先端から放出される気体は、開口部132から処理槽70内に放出されるだけでなく、空隙131にも入りやすくなる。空隙131に気体が充填されることで、電圧が印加された場合に、空隙131内での放電を起こすことができる。

0057

なお、絶縁体130は、円筒体に限らず、角筒体でもよい。また、絶縁体130は、保持ブロック150に保持されているが、処理槽70の壁面に固定されていてもよく、着脱可能に固定されてもよい。

0058

[1−1−4.電源部]
電源部140は、一対の電極間に所定の電圧を印加する。本実施の形態では、電源部140は、第1電極110と第2電極120との間に、パルス電圧又は交流電圧を印加する。

0059

例えば、所定の電圧は、2kV〜50kV/cm、1Hz〜100kHzの負極性高電圧パルスである。電圧波形は、例えば、パルス状、正弦半波形及び正弦波状のいずれでもよい。また、一対の電極間に流れる電流値は、例えば、1mA〜3Aである。具体的には、電源部140は、ピーク電圧が4kV、パルス幅が1μs、周波数が30kHzのパルス電圧を印加する。例えば、電源部140による入力電力は、30Wである。

0060

[1−1−5.保持ブロック]
保持ブロック150は、第2電極120及び絶縁体130を保持する。保持ブロック150は、例えば、処理槽70に固定されている。なお、保持ブロック150は、処理槽70と一体に形成されてもよく、あるいは、別体で設けられてもよい。

0061

[1−2.気体供給装置]
気体供給装置20は、液体80中に酸素(O2)及び窒素(N2)を含む気体を供給することで、気泡21を形成する。本実施の形態では、気体供給装置20は、第2電極120の近傍に気体を供給する。具体的には、気体供給装置20は、中空部121に気体を供給し、空隙131及び開口部132を介して液体80中に気体を供給することで、気泡21を形成する。例えば、気体供給装置20は、ポンプである。

0062

酸素及び窒素を含む気体は、例えば、空気(大気)である。つまり、気体供給装置20は、例えば、周囲の空気を取り込んで液体80中に供給する。

0063

供給された気体は、絶縁体130の開口部132を塞ぐ。つまり、気泡21が、いわゆる「気体壁」を形成する。これにより、第1電極110と第2電極120との間で、液体80を介した電流経路が形成されない。このため、第1電極110と第2電極120との間に電圧を印加したとき、気泡21内で放電し、プラズマ22が生成される。

0064

[1−3.冷却装置]
冷却装置30は、気液接触部材40を通過する液体80を冷却する。本実施の形態では、冷却装置30は、気液接触部材40を冷やすことで、気液接触部材40を通過する液体80を冷却する。冷却装置30は、例えば、5〜20℃の温度に液体80を冷却する。一例として、冷却装置30は、液体80を冷却することで、液体80の温度を10℃に保つ。冷却装置30は、空冷式及び水冷式のいずれでもよい。

0065

液体80に溶け込んだ亜硝酸イオン(NO2−)は、液体80の温度が高くなると硝酸イオン(NO3−)に変化する。冷却装置30は、液体80の温度を低くすることで、亜硝酸イオンが硝酸イオンに変化するのを抑制する。

0066

なお、冷却装置30は、プラズマ生成装置10が設けられる処理槽70を冷やしてもよい。あるいは、冷却装置30は、液体80が循環する配管50及び51を冷やしてもよい。つまり、冷却装置30は、処理槽70、配管50及び51並びに気液接触部材40の少なくとも1つを冷やせばよい。

0067

[1−4.気液接触部材]
気液接触部材40は、プラズマ22が生成された後の液体80を通過させて、液体80中に発生した窒素酸化物を液体80に溶け込ませるための部材である。具体的には、気液接触部材40は、液体80中に発生した窒素酸化物と、液体80との接触面積又は接触時間を増やす部材である。

0068

例えば、気液接触部材40は、気液接触部材40を通過する直前一酸化炭素及び二酸化炭素の合計の体積の13%以上を液体80に溶解して排出する。

0069

例えば、気液接触部材40は、ホース又はパイプなどの中空の長い管(チューブ)である。具体的には、気液接触部材40は、ロール状に巻かれたホースである。気液接触部材40(ホース)内を液体80が通過中に窒素酸化物を液体80に溶け込ませることができる。つまり、ホースによって液体80と窒素酸化物とが接触する時間を長くすることができ、より多くの窒素酸化物を液体80に溶け込ませることができる。管の内径に対する管の長さの比は、例えば50以上である。この比を50以上とすることにより、窒素酸化物のガスが液体80と接触する時間を増加させることができる。これにより、十分な量の亜硝酸を生成することができる。

0070

あるいは、気液接触部材40は、窒素酸化物と液体80との接触面積を増やすためのフィルタでもよい。例えば、気液接触部材40は、多孔質膜などでもよい。フィルタ、多孔質膜などを通過することにより、窒素酸化物のガスが細かくなり液体80との接触面積を増加させることができる。これにより、十分な量の亜硝酸を生成することができる。

0071

気液接触部材40は、配管50及び51によってプラズマ生成装置10が設けられた処理槽70に接続されている。本実施の形態では、図1及び図2に示すように、気液接触部材40は、処理槽70との間で液体80の循環経路が形成されるように、配管50及び51によって処理槽70に接続されている。

0072

具体的には、気液接触部材40の一方の端部は、配管50によって、処理槽70の排水口72に接続される。気液接触部材40の他方の端部は、配管51によって、処理槽70の給水口71に接続される。これにより、液体80は、処理槽70、配管50、気液接触部材40及び配管51の順に循環する。

0073

なお、液体80に窒素酸化物が溶けることで、亜硝酸が生成される。すなわち、液体80は酸性になる。このため、気液接触部材40は、例えば、耐酸性材料から構成されることが望ましい。例えば、気液接触部材40は、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料ステンレスなどの金属材料、又は、セラミックなどから構成される。

0074

[1−5.配管]
配管50及び51は、液体80の循環経路を形成する。

0075

配管50は、処理槽70の排水口72と気液接触部材40の一方の端部とを接続している。配管50は、プラズマ生成装置10によってプラズマ22が生成された液体80を気液接触部材40に供給する。また、配管50には、プラズマ生成装置10によって発生した窒素酸化物を含む気泡21が、液体80とともに流れている。

0076

配管51は、処理槽70の給水口71と気液接触部材40の他方の端部とを接続している。配管51は、気液接触部材40を通過した後の液体80の少なくとも一部を処理槽70に戻す。配管51には、気液接触部材40を通過した後の液体80、具体的には、窒素酸化物が溶け込んで亜硝酸イオンを多く含む液体80が流れている。

0077

配管50及び51は、耐酸性の強い材料から構成される。例えば、配管50及び51は、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料、ステンレスなどの金属材料、又は、セラミックなどから構成される。

0078

なお、図示しないが、配管50及び51には、液体80を循環させるためのポンプなどの送液装置が設けられる。

0079

[1−6.気体供給管及び気体排出管]
気体供給管60は、酸素及び窒素を含む気体を流す。気体供給管60は、気体供給装置20とプラズマ生成装置10とを接続している。これにより、気体供給装置20から気体供給管60を介して、酸素及び窒素を含む気体を、プラズマ生成装置10の第2電極120の近傍に供給することができる。

0080

気体排出管61は、気液接触部材40を通過した後に液体80に溶けずに残った窒素酸化物を排出する。

0081

気体供給管60及び気体排出管61は、酸素及び窒素に対して不活性な材料から構成される。なお、気体排出管61は、さらに、窒素酸化物に対して不活性な材料から構成される。気体供給管60及び気体排出管61としては、例えば、配管50及び51などと同じ材料を用いることができる。

0082

[1−7.処理槽]
処理槽70は、液体80が入れられる容器であり、大きさ及び形状はいかなるものでもよい。図2には、処理槽70がタンクである例を示したが、これに限らず、例えば、処理槽70は、配管の一部などの細い管でもよい。

0083

処理槽70には、給水口71及び排水口72が設けられている。処理槽70は、耐酸性の強い材料から構成される。例えば、処理槽70としては、配管50及び51と同じ材料を用いることができる。

0084

なお、液体80は、例えば、水(純水又は水道水)であるが、これに限らない。

0085

[2.動作]
続いて、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1の動作について、図4を用いて説明する。

0086

図4は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1の動作を示すフローチャートである。

0087

まず、図4に示すように、気体供給装置20は、酸素及び窒素を含む気体を液体80中に供給する(S10)。具体的には、気体供給装置20は、気体を処理槽70内の液体80中に供給する。より具体的には、気体供給装置20は、プラズマ生成装置10の第2電極120を覆うように、気体を液体80中に供給する。これにより、図1に示すように、液体80中に気泡21が形成される。

0088

次に、プラズマ生成装置10は、液体80中に形成された気泡21内にプラズマ22を生成する(S20)。具体的には、電源部140が第1電極110と第2電極120との間に所定の電圧を印加することで、気泡21内で放電させてプラズマ22を生成する。

0089

次に、冷却装置30は、液体80を冷却する(S30)。具体的には、冷却装置30は、気液接触部材40を冷却することで、処理槽70から配管50を通って気液接触部材40を通過する液体80を冷却する。

0090

次に、気液接触部材40は、プラズマ22によって発生した窒素酸化物を液体80に溶け込ませる(S40)。具体的には、溶けずに残っている窒素酸化物を含む液体80を気液接触部材40に通過させることで、通過中に窒素酸化物を液体80に溶け込ませる。

0091

本実施の形態では、気液接触部材40を通過した液体80の少なくとも一部を、処理槽70に戻す。これにより、より高濃度の亜硝酸を生成することができる。

0092

なお、図4に示す各ステップの順序は一例であって、これに限らない。例えば、気体の供給(S10)及びプラズマの生成(S20)の前に、冷却装置30は、処理槽70内の液体80を冷却してもよい。また、例えば、冷却装置30は、循環される液体80を常に冷却していてもよい。

0093

[3.実験結果]
以下では、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1を用いた実験結果について、図5図9Bを用いて説明する。

0094

なお、以下に説明する各実験では、各実験に共通する条件として、プラズマ生成装置10の入力電力は30Wである。また、液体80として純水300mlを用いた。

0095

[3−1.プラズマ処理と亜硝酸との関係]
まず、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1を用いたプラズマ処理により、窒素酸化物が発生すること、すなわち、亜硝酸イオンが生成されることについて、図5を用いて説明する。

0096

図5は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、プラズマ処理時間と、発生した亜硝酸イオンの量との関係を示す図である。図5において、横軸は、プラズマ処理時間、具体的には、第1電極110と第2電極120との間に電圧を印加した時間を示している。縦軸は、亜硝酸イオン濃度、具体的には、液体80内に発生した亜硝酸イオン濃度を示している。なお、亜硝酸イオン濃度は、イオンクロマトグラフィーによって測定した。

0097

また、図5における「実施例」は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1を用いた実験結果を示している。処理槽から排出される酸化窒素及び液体を通過させる管は、内径が4mm、長さが20cmのもの(管の内径に対する管の長さの比が50のもの)を使用した。「比較例」は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、冷却装置30及び気液接触部材40を備えない構成による実験結果を示している。いずれの場合も、プラズマ生成装置の構成など、上述したような共通の条件を満たしている。

0098

図5に示すように、実施例及び比較例のいずれの場合も、プラズマ処理時間が増加するにつれて、亜硝酸イオン濃度が増加している。また、実施例では、比較例の約8倍の量の亜硝酸イオンが生成されている。

0099

以上のことから、本実施の形態によれば、高濃度の亜硝酸が効率良く生成できていることが分かる。

0100

[3−2.亜硝酸と過酸化水素との関係]
次に、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1によって生成した亜硝酸が過酸化水素(H2O2)を分解することを、図6を用いて説明する。

0101

図6は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、亜硝酸イオン濃度と、分解した過酸化水素の量との関係を示す図である。図6において、横軸は、亜硝酸イオン濃度を示し、縦軸は、過酸化水素の分解量を示している。

0102

ここでは、気液接触部材40を通過した後の液体80を一部取り出し、過酸化水素水に接触させた。接触前と接触後との過酸化水素の濃度を測定することで、過酸化水素の分解量を測定した。亜硝酸イオンの濃度は、イオンクロマトグラフィーによって測定し、過酸化水素の濃度は、過マンガン酸カリウム(KMnO4)を用いた滴定によって測定した。

0103

図6に示すように、亜硝酸イオンの濃度が増加するにつれて、過酸化水素の分解量が増加している。具体的には、分解された過酸化水素と、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1により生成した亜硝酸との比は、約1:1.4である。

0104

以上のことから、亜硝酸によって過酸化水素を分解することができることが分かる。したがって、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1を用いて、短時間で効率良く過酸化水素を分解することができる。

0105

[3−3.供給する気体と発生する物質
次に、気体供給装置20が供給する気体の種別と、それによって発生する物質との関係について、図7A図7Cを用いて説明する。

0106

図7Aは、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、液体80中に供給する異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、発生した亜硝酸イオン濃度との関係を示す図である。図7Bは、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、液体80中に供給する異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、発生した硝酸イオン濃度との関係を示す図である。図7Cは、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、液体80中に供給する異なる3種の気体の各々に対応する、放電時間と、発生した過酸化水素濃度との関係を示す図である。

0107

図7A図7Cにおいて、横軸は、放電時間(すなわち、プラズマ処理時間)を示している。縦軸は、それぞれ亜硝酸イオン、硝酸イオン及び過酸化水素の濃度を示している。これらの濃度は、RQフレックス法によって測定した。

0108

ここでは、気体供給装置20は、各プラズマ生成装置10のそれぞれの第2電極120の近傍に、0.2L/minの流量で、異なる3種類の気体のそれぞれを供給した。また、配管50及び51内を0.5L/minの流量で液体80を流した。また、気体供給装置20が供給する気体は、大気(空気であり、酸素と窒素とを含む)、酸素、又は、窒素である。

0109

図7Aに示すように、気体供給装置20が酸素又は窒素を供給した場合は、亜硝酸イオンはほとんど発生しなかった。一方で、気体供給装置20が大気(空気)を供給した場合は、亜硝酸イオンが発生した。なお、発生する亜硝酸イオンの量は、放電時間に対して飽和する傾向が見られた。

0110

同様に、図7Bに示すように、気体供給装置20が酸素又は窒素を供給した場合は、硝酸イオンはほとんど発生しなかった。一方で、気体供給装置20が大気を供給した場合は、硝酸イオンが発生した。

0111

また、図7Cに示すように、気体供給装置20が大気を供給した場合は、過酸化水素はほとんど発生しなかった。一方で、気体供給装置20が酸素を供給した場合は、過酸化水素が多く発生し、窒素を供給した場合にも、過酸化水素が発生した。

0112

以上のことから、亜硝酸イオンを発生させるためには、大気、すなわち、窒素と酸素との両方を含む気体を供給する必要があることが分かる。このとき、同時に硝酸イオンも発生するので、硝酸イオンの発生を抑制することで、亜硝酸イオンの発生量をより増加させることが期待できる。本実施の形態では、例えば、冷却装置30が液体80を冷却することで、亜硝酸イオンの発生量をより増加させることができる。

0113

[3−4.供給する気体と分解した過酸化水素の量]
次に、気体供給装置20が供給する気体の種類と、分解した過酸化水素の量との関係について、図8を用いて説明する。

0114

図8は、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、液体80中に供給する気体と、分解した過酸化水素の量との関係を示す図である。図8において、横軸は放電時間を示し、縦軸は、過酸化水素の分解量を示している。なお、縦軸の分解量が負であることは、過酸化水素が新たに発生したことを示している。

0115

なお、過酸化水素の分解量の測定方法は、図6の場合と同じである。また、気体供給装置20による気体の供給条件は、図7A図7Cの場合と同じである。

0116

図8に示すように、気体供給装置20が酸素又は窒素を供給した場合は、過酸化水素は分解されずに、新たに発生したことが分かる。このとき、酸素を供給した場合の方が、窒素を供給した場合よりも、過酸化水素の発生量が大きくなった。これは、図7Cに示す実験結果とも一致している。

0117

一方で、気体供給装置20が大気を供給した場合は、過酸化水素が分解された。これにより、図7Aの結果と合わせて、大量に発生した亜硝酸イオンが過酸化水素を分解したことが分かる。また、その分解速度も十分に大きい。

0118

[3−5.気液接触部材の前後における一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度]
次に、液体80が気液接触部材40に接触する前と後とで、液体80中に溶けずに残っている一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度を測定した結果について、図9A及び図9Bを用いて説明する。

0119

図9Aは、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、液体80中に溶けずに残っている一酸化窒素の濃度を示す図である。図9Bは、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1において、液体80中に溶けずに残っている二酸化窒素の濃度を示す図である。いずれも、気体供給装置20が供給する大気の気流量は、0.5L/minとして測定している。図9A及び図9Bにおいて、横軸は、プラズマ生成装置10による放電時間、すなわち、プラズマ処理時間を示している。縦軸は、液体80中に溶けずに残っている一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度を示している。

0120

ここでは、気液接触部材40に接触する前、具体的には、配管50内を流れる液体80を取得し、溶けずに残っている一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度を赤外線吸収分析法によって測定した。また、気液接触部材40に接触した後、具体的には、配管51内を流れる液体80を取得し、溶けずに残っている一酸化窒素及び二酸化窒素の濃度を赤外線吸収分析法によって測定した。

0121

図9Aに示すように、一酸化窒素の濃度は、例えば放電時間が1時間の場合、接触前が545ppmであり、接触後が461ppmである。つまり、84ppmの一酸化窒素が液体80に溶け込んだことが分かる。したがって、接触前の一酸化窒素の15%以上が液体80に溶け込んでいることが分かる。

0122

図9Bに示すように、二酸化窒素の濃度は、例えば放電時間が1時間の場合、接触前が115ppmであり、接触後が110ppmである。つまり、5ppmの二酸化窒素が液体80に溶け込んだことが分かる。したがって、接触前の二酸化窒素の4%以上が液体80に溶け込んでいることが分かる。

0123

このように、気液接触部材40により、一酸化窒素及び二酸化窒素の13%以上が液体80に溶け込んだことが分かる。

0124

以上のことから、気液接触部材40を設けることで、効率良く一酸化窒素及び二酸化窒素を液体80に溶け込ませることができることが分かる。したがって、気液接触部材40を設けることで、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる。

0125

[4.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係る亜硝酸生成装置1では、液体80中に酸素及び窒素を含む気体を供給することで、気泡21を形成する気体供給装置20と、気体供給装置20によって形成された気泡21内にプラズマ22を生成することで、液体80中に少なくとも一酸化窒素及び二酸化窒素を含む窒素酸化物を発生させるプラズマ生成装置10と、プラズマ22が生成された後の液体80を通過させて、液体80中に発生した窒素酸化物を液体80に溶け込ませるための気液接触部材40と、気液接触部材40を通過する液体80を冷却する冷却装置30とを備える。

0126

これにより、液体80中に形成した気泡21内にプラズマ22を生成するので、液体80中に窒素酸化物を気泡として発生させることができる。液体80中に発生した窒素酸化物は、周囲を液体80によって囲まれている。このため、周囲を取り囲む液体80の圧力によって、発生する窒素酸化物の濃度を高めることができ、窒素酸化物を効率良く液体80に溶け込ませることができる。さらに、本実施の形態では、気液接触部材40を用いることで、窒素酸化物をより効率良く液体80に溶け込ませることができる。

0127

液体80に窒素酸化物が溶け込むことで亜硝酸イオンが生成されるが、亜硝酸イオンは、高温になると硝酸イオンに変化しやすい。このため、本実施の形態では、冷却装置30によって亜硝酸イオンが硝酸イオンに変化するのを抑制することができる。したがって、本実施の形態によれば、高濃度の亜硝酸を効率良く生成することができる。

0128

(変形例1)
以下では、上記の実施の形態の変形例1に係る亜硝酸生成装置について、図10を用いて説明する。図10は、本変形例に係る亜硝酸生成装置2の構成を示す図である。

0129

図10に示すように、本変形例に係る亜硝酸生成装置2は、実施の形態に係る図1に示す亜硝酸生成装置1と比較して、気体排出管61の代わりに、気体回収管62を備える点が異なっている。以下では、上記の実施の形態と異なる点を中心に説明する。

0130

気体回収管62は、気液接触部材40を通過した液体80に溶けずに残った窒素酸化物を回収して、気体供給装置20に戻すための管である。気体回収管62は、気液接触部材40と気体供給装置20とを接続している。気体回収管62を通って気体供給装置20に戻された窒素酸化物は、酸素及び窒素とともに、気体供給管60を通って再び液体80中に供給される。気体回収管62としては、例えば、気体排出管61と同じ材料を用いることができる。

0131

以上のように、本変形例に係る亜硝酸生成装置2では、気体供給装置20は、気液接触部材40を通過した後に液体80に溶けずに残った窒素酸化物を回収し、回収した窒素酸化物を気体とともに液体80に供給する。

0132

これにより、溶けずに残った窒素酸化物が回収されて、気体供給装置20によって再び液体80に供給される。窒素酸化物が液体80に溶け込む機会が増えるので、高濃度の亜硝酸をより効率良く生成することができる。

0133

(変形例2)
以下では、上記の実施の形態の変形例2に係る亜硝酸生成装置について、図11を用いて説明する。図11は、本変形例に係るプラズマ生成装置10の電極の構成を示す図である。

0134

本変形例では、実施の形態に係る亜硝酸生成装置1と比較して、プラズマ生成装置10の電極の構成が異なっている。具体的には、図11に示すように、本変形例に係るプラズマ生成装置は、図2に示す第2電極120の代わりに、第2電極220を備える点が異なっている。以下では、上記の実施の形態と異なる点を中心に説明する。

0135

第2電極220は、金属電極部220aと、金属ネジ部220bとを備える。

0136

金属電極部220aは、例えば、円柱状の金属電極である。例えば、金属電極部220aの直径は、2mm以下であり、一例として、0.95mmである。

0137

金属電極部220aは、絶縁体130に囲まれている。金属電極部220aと絶縁体130との間には、空隙131が形成される。

0138

金属電極部220aは、一方の端部(先端)が液体80に接触するように配置され、他方の端部(根元)が金属ネジ部220bに圧入されている。なお、金属電極部220aは、絶縁体130の開口部132より外方に突出しないように設けられている。

0139

金属電極部220aは、反応電極として用いられ、周囲にプラズマ22が生成される。金属電極部220aとしては、例えば、第2電極120と同じ材料を利用することができる。

0140

金属ネジ部220bは、例えば、棒状部材である。具体的には、金属ネジ部220bは、円柱体である。例えば、金属ネジ部220bは、その直径が金属電極部220aより大きく、一例として、3mmである。

0141

金属ネジ部220bは、例えば、鉄から構成される。なお、金属ネジ部220bとしては、一般的なネジに用いられる材料である、銅、亜鉛、アルミニウム、スズ及び真鍮などを用いてもよい。なお、金属ネジ部220bと金属電極部220aとは、同一の材料、及び、同一のサイズで構成されてもよい。すなわち、第2電極220は、1本の柱体でもよい。

0142

金属ネジ部220bには、貫通孔221が形成されて、気体供給装置20に接続されている。貫通孔221は、金属ネジ部220bを軸方向に貫通する。

0143

貫通孔221は、空隙131と連通している。気体供給装置20から供給される気体は、貫通孔221を通って空隙131に供給される。そして、空隙131に供給された気体は、開口部132を介して放出される。貫通孔221は、例えば、直径が0.3mmである。

0144

なお、金属ネジ部220bの外周には、ネジ部が設けられていてもよい。例えば、ネジ部は、雄ネジであり、保持ブロック150に設けられたネジ部に螺合する。

0145

なお、本変形例において、絶縁体130及び保持ブロック150は、上記の実施の形態と略同じであるが、その形状が異なっていてもよい。例えば、本変形例に係る絶縁体130は、金属電極部220aの径に応じた形状でもよい。例えば、金属電極部220aの径が上記の実施の形態に係る第2電極120の径より小さい場合に、空隙131の空隙長が上記の実施の形態と同じになるように絶縁体130の形状を変更してもよい。

0146

(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る亜硝酸生成装置及び亜硝酸生成方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。

0147

例えば、上記の実施の形態では、液体80を循環させなくてもよい。具体的には、処理槽70の給水口には配管51が接続されていなくてもよい。つまり、気液接触部材40を通過した液体80を処理槽70に戻すことなく、例えば、過酸化水素の分解などに利用してもよい。

0148

また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。

0149

本開示は、高濃度で効率良く亜硝酸を生成することができる亜硝酸生成装置及び亜硝酸生成方法として利用でき、例えば、過酸化水素の分解などに利用することができる。

0150

1、2亜硝酸生成装置
10プラズマ生成装置
20気体供給装置
21気泡
22プラズマ
30冷却装置
40気液接触部材
50、51配管
60気体供給管
61気体排出管
62気体回収管
70処理槽
71 給水口
72 排水口
80液体
110 第1電極
120、220 第2電極
121中空部
130絶縁体
131 空隙
132 開口部
140電源部
150保持ブロック
220a金属電極部
220b金属ネジ部
221 貫通孔

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