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技術 家畜用乳頭保護材料、並びに家畜の乳頭を保護する方法

出願人 株式会社トクヤマ
発明者 近藤仁志乾洋治風間秀樹
出願日 2015年8月4日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-154020
公開日 2016年3月22日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2016-036340
状態 未査定
技術分野 家畜、動物の飼育(3)(その他の飼育) 農薬・動植物の保存
主要キーワード シリコーン素材 ゴム系素材 保管形態 コロイド粘土 過硬化 練和装置 乳頭表面 混練体
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

家畜の、主として非搾乳期の乳牛乳頭乳房炎から予防するために使用される乳頭保護材料において、使用直前混練操作が容易で且つ、長期間弾性を維持し、硬化や乾燥による変形が殆どなく、糞尿が付着し難く清潔に保たれ長期間乳頭に密着して乳頭を保護する材料を提供することを目的とする。

解決手段

本発明は、家畜の乳頭に密着させる保護材料を形成するための材料であって、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を含む家畜用乳頭保護材料である。

概要

背景

乳牛の重大な疾病の一つに乳房炎がある。乳房炎は、細菌その他の微生物乳頭口から乳房内侵入し、定着・増殖することによって起こる感染病であるが、その発生機序が複雑であるので、いまだに根絶できず、酪農界に重大な経済的損失を与え続けている疾病である。乳房炎には種々のタイプや症状があるが、乳房発赤疼痛膨張発熱或いは乳汁中への乳出現等、いわゆる臨床症状をともなった乳房炎の発見は容易であり、抗生剤治療の普及につれて世界的にも減少傾向にある。しかし、これらの臨床症状を示さないが乳汁検査すると体細胞数の増加等の異常が発見される、いわゆる潜在性乳房炎については、産乳量や乳質の低下等多大な経済的損失を及ぼしているにも関わらず、その防除は遅々として進んでいない。

このような乳房炎を防除するために、現在世界的に推奨されているのは「5ポイント」と呼ばれる下記のような重点対策である。
(1)ミルカー点検整備を含めた搾乳施設等の衛生対策、
(2)乳頭の消毒
(3)臨床型乳房炎の治療、
(4)乾乳期治療(dry cow therapy,DCT)、
(5)問題淘汰(以上、非特許文献1,2,3)
上記に挙げられた対策の中でも、乳牛の乳頭消毒は、乳房炎防除の最も重要な予防対策の一つであり、英国のDoddらが1952年に乳頭消毒剤を開発、実施し、日本では昭和40年より乳質改善事業一環として使用が実施されるようになり、今日では40%の普及率となっている。

現在一般に実施されている乳頭消毒は、搾乳後に乳頭をディッピング剤(殺菌消毒剤水溶液)に浸漬する方法(所謂ポストディッピング)であり、乳頭皮膚表面に付着する乳房炎起因菌を殺菌消毒し、さらに保湿剤によりひび割れ等の乳頭皮膚の状態を改善し、乳頭表面の細菌の増殖を抑制することにより、乳房炎を予防することにあり、これまで、様々なポストディッピング剤が提案(例えば特許文献1、特許文献2)されており、市場では多数の製品が市販されている。

しかしながら、米国のthe National Institute for Research in Dairyingにより実施された試験において、ポストディッピング実施乳牛群の12カ月間での新たな感染は50%減少したものの、それは既に感染していた乳房の全体からみると僅か14%の減少でしかなかった。このことから、既存菌による亜臨床型感染が持続したことが伺えたと報告している。即ち、このポストディッピングは、伝播性の乳房炎起因菌による新たな感染の率は減少させるものの、いわゆる環境性乳房炎の起因菌に対する防除効果に関しては、思ったほど効果が期待できないということである。

つまり、搾乳後の消毒(ポストディッピング)のみでは、その効果持続期間(例えば適用後、乳頭が牛床などに接触した際に、薬液が乳頭から除かれて効果が失われるまでに、1〜2時間)が比較的短いため、次の搾乳までに殺菌効果消失してしまうため、環境性の起因菌に対しては、その効果に限界があった。

一方、乳房炎起因菌から乳牛の乳頭を守る手段として、乳牛の乳頭全体をマスキングすることにより、細菌その他の微生物が乳頭口から乳房内へ侵入するのを防止する技術が提案されている。

例えば、特許文献3は、「乳牛の乾乳期において、乳房炎に感染しやすい乾乳期の初めの約2日〜約9日程度の間、及び分娩前約2日〜約9日程度の間、乳頭を乳頭シール剤に浸漬して乳頭に乳頭口を閉塞する薄膜を形成した状態に保持しておくことにより、乳房炎起因菌の感染を物理的に阻止することを特徴とする乳牛の乳房炎予防方法。」を開示している。更に、特許文献3は、乳頭口を浸漬させる乳頭シール剤として、テトラヒドロフランアセトニトリルトリクロロエタントリクロロエチレンメチレンクロライド等のフロン代替体、トルエンキシレン等の芳香族化合物溶媒として、ウレタンゴムラテックスゴムブタジエン樹脂ポリビニルアルコール、液状ブチルゴム液状ゴム天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムクロロプレンゴム酢酸ビニルゴム等から選択されたゴム素材を5〜15%の濃度で溶解したものを記載している。しかしながら、特許文献3のゴム系素材は乳頭との密着性が不十分であるので、乳頭から剥がれ易く、乳房炎起因菌の感染を阻止する必要がある上記約2日〜約9日の期間、必ずしも乳頭口の閉塞を持続することができないという問題がある。

また、特許文献4は、「少なくとも、水、カルシウム塩およびアルギン酸塩を含み、かつ、ゲル化前の粘度が5000〜150万mPa・secである乳頭パック。」を開示しており、更に、該乳頭パック中にヨウ素などの抗菌剤を配合しておくことで、長期間乳頭を乳房炎起因菌などから保護できるとして提案されている。

しかし、特許文献4に記載されている乳頭パックでは、アルギン酸塩や硫酸カルシウム塩からなる粉末成分使用直前に、水などの溶剤と混錬して得られるペーストを乳頭に塗布して使用すると説明されている。硫酸カルシウムは水に不溶、つまり疎水性成分であり、水などの親水性溶剤中に均一に分散させることは非常に難しく、パック組成が均一ではなく、硬化性が低下し、乳頭への密着性が悪化し、乳頭から剥離し易くなり、上記約2日〜約9日の期間、必ずしも乳頭日の閉塞を持続することができないという問題を有していた。また、特許文献4に記載の乳頭パックは親水性であるため乳牛が横臥休息した際に糞尿などがパックに付着しかえって乳頭口付近汚染されるという問題を有していた。

以上のように、乳頭パックには、泥や糞尿などが付着しにくいこと、また乳頭に長期間密着し、乳頭口の閉塞を維持すること等が望まれている。

なお、本発明と用途は異なるが歯科用シリコーン素材としたシリコーン印象材が一般に用いられており、関連する技術が公知となっている(特許文献5、特許文献6)。これらの素材は強度及び弾性が高いという性質を有している。但し、これらのシリコーン印象材は材料の粘度が高く硬化後硬い(変形の小さい)材質になるものである。硬い(変形の小さい)材質は、勃起や地面への打ち付けにより大きく変形す家畜の乳頭を被覆するには適さない。またこれら歯科用のシリコーン印象材が乳頭保護材料に使用できる旨は何ら示唆されていない。

概要

家畜の、主として非搾乳期の乳牛の乳頭を乳房炎から予防するために使用される乳頭保護材料において、使用直前の混練操作が容易で且つ、長期間弾性を維持し、硬化や乾燥による変形が殆どなく、泥や糞尿が付着し難く清潔に保たれ長期間乳頭に密着して乳頭を保護する材料を提供することを目的とする。本発明は、家畜の乳頭に密着させる保護材料を形成するための材料であって、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を含む家畜用乳頭保護材料である。なし

目的

以上のように、乳頭パックには、泥や糞尿などが付着しにくいこと、また乳頭に長期間密着し、乳頭口の閉塞を維持すること等が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

家畜乳頭を保護するための材料であって、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン(C)ヒドロシリル化触媒を含む家畜用乳頭保護材料

請求項2

更に充填材を含むことを特徴とする請求項1に記載の家畜用乳頭保護材料。

請求項3

更に殺菌消毒剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の家畜用乳頭保護材料。

請求項4

更にシリコーンオイルを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の家畜用乳頭保護材料。

請求項5

保管形態が、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第1液と、(C)ヒドロシリル化触媒を含む第2液とからなり、かつ(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンが第1液あるいは第2液のいずれか一方又は双方に含まれることを特徴とする請求項1に記載の家畜用乳頭保護材料。

請求項6

コーンプレート粘度計により測定した23℃における第1液の粘度が0.5〜30dPa・sであり、第2液の粘度が0.5〜30dPa・sである請求項5に記載の家畜用乳頭保護材料。

請求項7

家畜の乳頭を保護する方法であって、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、及び(C)ヒドロシリル化触媒を含む組成物を乳頭に塗布または乳頭内に挿入し、乳頭周辺または乳頭内に乳頭保護部材を形成することを特徴とする家畜の乳頭を保護する方法。

請求項8

家畜の乳頭を保護する方法であって、請求項5に記載の家畜用乳頭保護材料の第1液及び第2液の一方を前記乳頭に塗布し、続いて他方を前記乳頭に塗布することにより乳頭周辺に乳頭保護部材を形成することを特徴とする家畜の乳頭を保護する方法。

技術分野

0001

本発明は家畜乳頭を保護する部材を形成させるための家畜用乳頭保護材料、並びに家畜の乳頭の保護方法に関する。

背景技術

0002

乳牛の重大な疾病の一つに乳房炎がある。乳房炎は、細菌その他の微生物が乳頭口から乳房内侵入し、定着・増殖することによって起こる感染病であるが、その発生機序が複雑であるので、いまだに根絶できず、酪農界に重大な経済的損失を与え続けている疾病である。乳房炎には種々のタイプや症状があるが、乳房発赤疼痛膨張発熱或いは乳汁中への乳出現等、いわゆる臨床症状をともなった乳房炎の発見は容易であり、抗生剤治療の普及につれて世界的にも減少傾向にある。しかし、これらの臨床症状を示さないが乳汁検査すると体細胞数の増加等の異常が発見される、いわゆる潜在性乳房炎については、産乳量や乳質の低下等多大な経済的損失を及ぼしているにも関わらず、その防除は遅々として進んでいない。

0003

このような乳房炎を防除するために、現在世界的に推奨されているのは「5ポイント」と呼ばれる下記のような重点対策である。
(1)ミルカー点検整備を含めた搾乳施設等の衛生対策、
(2)乳頭の消毒
(3)臨床型乳房炎の治療、
(4)乾乳期治療(dry cow therapy,DCT)、
(5)問題淘汰(以上、非特許文献1,2,3)
上記に挙げられた対策の中でも、乳牛の乳頭消毒は、乳房炎防除の最も重要な予防対策の一つであり、英国のDoddらが1952年に乳頭消毒剤を開発、実施し、日本では昭和40年より乳質改善事業一環として使用が実施されるようになり、今日では40%の普及率となっている。

0004

現在一般に実施されている乳頭消毒は、搾乳後に乳頭をディッピング剤(殺菌消毒剤水溶液)に浸漬する方法(所謂ポストディッピング)であり、乳頭皮膚表面に付着する乳房炎起因菌を殺菌消毒し、さらに保湿剤によりひび割れ等の乳頭皮膚の状態を改善し、乳頭表面の細菌の増殖を抑制することにより、乳房炎を予防することにあり、これまで、様々なポストディッピング剤が提案(例えば特許文献1、特許文献2)されており、市場では多数の製品が市販されている。

0005

しかしながら、米国のthe National Institute for Research in Dairyingにより実施された試験において、ポストディッピング実施乳牛群の12カ月間での新たな感染は50%減少したものの、それは既に感染していた乳房の全体からみると僅か14%の減少でしかなかった。このことから、既存菌による亜臨床型感染が持続したことが伺えたと報告している。即ち、このポストディッピングは、伝播性の乳房炎起因菌による新たな感染の率は減少させるものの、いわゆる環境性乳房炎の起因菌に対する防除効果に関しては、思ったほど効果が期待できないということである。

0006

つまり、搾乳後の消毒(ポストディッピング)のみでは、その効果持続期間(例えば適用後、乳頭が牛床などに接触した際に、薬液が乳頭から除かれて効果が失われるまでに、1〜2時間)が比較的短いため、次の搾乳までに殺菌効果消失してしまうため、環境性の起因菌に対しては、その効果に限界があった。

0007

一方、乳房炎起因菌から乳牛の乳頭を守る手段として、乳牛の乳頭全体をマスキングすることにより、細菌その他の微生物が乳頭口から乳房内へ侵入するのを防止する技術が提案されている。

0008

例えば、特許文献3は、「乳牛の乾乳期において、乳房炎に感染しやすい乾乳期の初めの約2日〜約9日程度の間、及び分娩前約2日〜約9日程度の間、乳頭を乳頭シール剤に浸漬して乳頭に乳頭口を閉塞する薄膜を形成した状態に保持しておくことにより、乳房炎起因菌の感染を物理的に阻止することを特徴とする乳牛の乳房炎予防方法。」を開示している。更に、特許文献3は、乳頭口を浸漬させる乳頭シール剤として、テトラヒドロフランアセトニトリルトリクロロエタントリクロロエチレンメチレンクロライド等のフロン代替体、トルエンキシレン等の芳香族化合物溶媒として、ウレタンゴムラテックスゴムブタジエン樹脂ポリビニルアルコール、液状ブチルゴム液状ゴム天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムクロロプレンゴム酢酸ビニルゴム等から選択されたゴム素材を5〜15%の濃度で溶解したものを記載している。しかしながら、特許文献3のゴム系素材は乳頭との密着性が不十分であるので、乳頭から剥がれ易く、乳房炎起因菌の感染を阻止する必要がある上記約2日〜約9日の期間、必ずしも乳頭口の閉塞を持続することができないという問題がある。

0009

また、特許文献4は、「少なくとも、水、カルシウム塩およびアルギン酸塩を含み、かつ、ゲル化前の粘度が5000〜150万mPa・secである乳頭パック。」を開示しており、更に、該乳頭パック中にヨウ素などの抗菌剤を配合しておくことで、長期間乳頭を乳房炎起因菌などから保護できるとして提案されている。

0010

しかし、特許文献4に記載されている乳頭パックでは、アルギン酸塩や硫酸カルシウム塩からなる粉末成分使用直前に、水などの溶剤と混錬して得られるペーストを乳頭に塗布して使用すると説明されている。硫酸カルシウムは水に不溶、つまり疎水性成分であり、水などの親水性溶剤中に均一に分散させることは非常に難しく、パック組成が均一ではなく、硬化性が低下し、乳頭への密着性が悪化し、乳頭から剥離し易くなり、上記約2日〜約9日の期間、必ずしも乳頭日の閉塞を持続することができないという問題を有していた。また、特許文献4に記載の乳頭パックは親水性であるため乳牛が横臥休息した際に糞尿などがパックに付着しかえって乳頭口付近汚染されるという問題を有していた。

0011

以上のように、乳頭パックには、泥や糞尿などが付着しにくいこと、また乳頭に長期間密着し、乳頭口の閉塞を維持すること等が望まれている。

0012

なお、本発明と用途は異なるが歯科用シリコーン素材としたシリコーン印象材が一般に用いられており、関連する技術が公知となっている(特許文献5、特許文献6)。これらの素材は強度及び弾性が高いという性質を有している。但し、これらのシリコーン印象材は材料の粘度が高く硬化後硬い(変形の小さい)材質になるものである。硬い(変形の小さい)材質は、勃起や地面への打ち付けにより大きく変形する家畜の乳頭を被覆するには適さない。またこれら歯科用のシリコーン印象材が乳頭保護材料に使用できる旨は何ら示唆されていない。

0013

特開平8−175989号公報
特開平11−155404号公報
特開2000−41529号公報
特開2006−50911号公報
特開平10−259111号公報
特開2003−81732号公報

先行技術

0014

畜産大事典編集委員会代表者長沢弘著、1996年2月20日、畜産大事典、株式会社養賢堂
酪農大事典生理飼育技術・環境管理、2011年3月31日、社団法人農山漁文化協会
株式会社講談社サイエンティフィック編、新編畜産ハンドブック、2006年9月10日、株式会社講談社

発明が解決しようとする課題

0015

以上の背景にあって本発明は、家畜の、主として非搾乳期の乳牛の乳頭を乳房炎から予防するために使用される乳頭保護材料において、該乳頭保護材料により形成される乳頭保護部材が泥や糞尿が付着し難く清潔に保たれ、長期間高い強度及び高い弾性を維持し、硬化や乾燥による変形が殆どなく、長期間乳頭を保護することを可能とする家畜用乳頭保護材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

上記目的に鑑み、鋭意研究の結果、本発明者等は、少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンヒドロシリル化触媒を含む家畜用乳頭保護材料(以下単に乳頭保護材料ともいう)を用いると、疎水性ゆえ泥や糞尿などで汚染されにくく清潔に保たれ、長期間高い強度及び高い弾性を維持し、硬化や乾燥による変形が殆どなく、長期間乳頭を保護する乳頭保護部材が得られることを見出した。更に乳頭保護材料を第1液、第2液と分けて保存し、かつ両者を逐次的に乳頭に塗布する方法を採用することで、容易な操作により、速やかに乳頭保護部材を形成できることを見出し、本発明に想到した。なお、乳頭保護材料は乳頭を保護する目的で種々の用途に使用する事が可能であるが、好適には、乳頭周辺に乳頭を覆うパックを形成させる家畜用乳頭パック材として使用できる。

0017

本発明は以下に記載するものである。
[1]家畜の乳頭を保護するための材料であって、
(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン
(C)ヒドロシリル化触媒
を含む家畜用乳頭保護材料。

0018

[2]更に充填材を含むことを特徴とする請求項1に記載の家畜用乳頭保護材料。

0019

[3]更に殺菌消毒剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の家畜用乳頭保護材料。

0020

[4]更にシリコーンオイルを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の家畜用乳頭保護材料。

0021

[5]保管形態が、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第1液と、(C)ヒドロシリル化触媒を含む第2液とからなり、かつ(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンが第1液あるいは第2液のいずれか一方又は双方に含まれることを特徴とする請求項1に記載の家畜用乳頭保護材料。

0022

[6]コーンプレート粘度計により測定した23℃における第1液の粘度が0.5〜30dPa・sであり、第2液の粘度が0.5〜30dPa・sである請求項5に記載の家畜用乳頭保護材料。

0023

[7]家畜の乳頭を保護する方法であって、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、及び(C)ヒドロシリル化触媒を含む組成物を乳頭に塗布または乳頭内に挿入し、乳頭周辺または乳頭内に保護部材を形成することを特徴とする家畜の乳頭を保護する方法。

0024

[8]家畜の乳頭を保護する方法であって、請求項5に記載の家畜用乳頭保護材料の第1液及び第2液の一方を前記乳頭に塗布し、続いて他方を前記乳頭に塗布することにより乳頭周辺に保護部材を形成することを特徴とする家畜の乳頭を保護する方法。

発明の効果

0025

本発明によれば、乳頭保護材料により形成させた乳頭保護部材はシリコーン製で疎水性であるため泥や糞尿で汚染されにくい。かつ、乳頭保護部材は高い強度及び高い弾性を有し、硬化や乾燥による変形が殆どない。保護部材は長期間高い強度及び高い弾性が維持される為、乳頭などに負荷押圧やこすれなど)が生じた場合であっても乳頭との密着性を維持できる為、長期にわたって乳頭を感染菌などから保護することが可能となる。更に、乳頭保護材料を第1液、第2液と分けて保存し、かつ両者を逐次的に乳頭に塗布する方法を採用することで、乳頭保護部材を形成させる際に、混練操作が不要になり、簡便な操作で速やかに乳頭保護部材を形成させることができる。本発明の乳頭保護材料を用いることにより、家畜の乳房炎を始めとする感染症の防止や、乳頭の怪我汚れの回避等を行うことができ、極めて有望である。

0026

本発明の家畜用乳頭保護材料は、家畜の乳頭を保護させるための材料であって、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を含む家畜用乳頭保護材料である。

0027

本発明の特徴の一つは保護材料シリコーン系としたことである。保護材料の素材をシリコーン系とすることにより、シリコーン素材は疎水性ゆえ、保護材料に糞尿や泥が付着しにくく、清潔な状態を長期間保つことができる。また、シリコーン系の保護材料は水分を殆ど含まないため、乾燥による保護材料の収縮が少なく、弾性を長期間保つことが出来る。このため、保護材料の乳頭への密着性を長期にわたって持続できる。

0028

更に、保護材料を第1液、第2液に分けて保存し、かつ両者を逐次的に乳頭に塗布する方法を採用することで、混練が不要になり、簡便な操作で速やかに乳頭周辺に乳頭保護部材を形成させることができる。

0029

以下、本実施形態の乳頭保護材料を構成する各成分について詳細に説明する。

0030

本発明の乳頭保護材料は、詳細は後述するが、保存時に材料を硬化させないために各成分を2つ以上に分けて保存することが好適である。

0031

また、本発明において、乳頭保護部材とは乳頭保護材料が硬化した部材であり、例えば、乳頭周辺に形成される乳頭パックや乳頭に挿入されるシーラントなどが挙げられる。

0032

なお、特に断りがなければ、本発明の各成分の配合量は、(A)、(B)、(C)成分が混合された組成物中の量として記載する。

0033

<(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン>
(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンと付加あるいは縮合反応することで材料を硬化させ、乳頭保護部材を形成させるための架橋材として作用するものである。これらは2種以上の混合物であっても良い。

0034

分子中に少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網目構造のいずれであっても良いが、一般式(1)に示すようにSiH基が主鎖に含まれている構造が好ましい。

0035

0036

式中、各Rは任意に置換された水素基アルキル基またはアリール基を示し、それぞれ互いに同じでも良く、異なっていても良い。ただし、Rの少なくとも2つ以上は、水素基である。ここで、アルキル基としてはメチル基エチル基、またアリール基としてはフェニル基を好ましい例として挙げることができる。nは2以上の整数であり、5以上2000以下が好ましく、10以上100以下がより好ましい。

0037

なお、成分(A)において、SiH基を有するシロキサン単位、すなわちアルキル又はアリールハイドロジェンシロキサン単位は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中において全体の10mol%以上含むのが好ましく、全体の20mol%以上含むのがより好ましい。

0038

より好ましい化合物の一般式を以下に記載する。

0039

0040

なお、一般式(2)において、0.1≦L/(L+M)となるのが好ましく、0.2≦L/(L+M)となるのがより好ましい。
更に、好ましい化合物の例を以下に示すと

0041

0042

などが挙げられる。

0043

乳頭保護材料中における、成分(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基の含有量は、成分(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン中のSiH基と反応することのできる官能基1molに対して1〜4molの範囲であることが好ましい。成分(A)少なくとも2つのSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの含有量が上記範囲の下限以上となると、乳頭保護材料の硬化を十分に行うことができ、一方、上記範囲の上限以下であると、乳頭保護材料が硬質となり難く、表面のクラックを生じる可能性を低減できる。

0044

<(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン>
(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンは、結合する官能基の少なくとも2つがSiH基と反応することができるオルガノポリシロキサンである。これらは2種以上の混合物であっても良い。SiH基と反応することができる官能基は、例えば、ヒドロキシル基炭素炭素二重結合や炭素−炭素三重結合を含む官能基が挙げられ、炭素−炭素二重結合を含む官能基としては、ビニル基アリル基、1−ブテニル基等のアルケニル基等が例示され、炭素−炭素三重結合を含む官能基としてはエチニル基等が例示される。これらの官能基はオルガノポリシロキサンのモノマー単位のいずれかに位置し、保護材料の弾性を高めるためにオルガノポリシロキサンのポリマー鎖末端モノマー単位上に、または末端モノマー単位の少なくとも付近に位置することが好ましい。更に、SiH基と反応することができる官能基が、αあるいはω位すなわちポリマー鎖の末端に位置することがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いると、三次元網目構造を形成し易く、高いゴム強度発現する。SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンは、通常(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して800〜7000質量部含まれているのが好ましく、1000〜5000質量部含まれているのがより好ましい。(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンの量が、(A)少なくとも2つのSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して800質量部未満となると得られる乳頭保護部材が硬質となり、表面に多数のクラックを生じる可能性を有する。一方で、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンの量が、(A)少なくとも2つのSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して、7000質量部を超えると、乳頭保護材料が十分に硬化しない可能性がある。

0045

なお、SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網目構造のいずれであっても良いが、例えば一般式(5)に示すような直鎖状の構造のものが挙げられる。

0046

0047

ここで、式中の各Rは任意に置換されたアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルケニル基、エチニル基から選ばれ、それぞれ互いに同じでも良く、異なっていても良い。各モノマー単位中のRは、同じでも良く、異なっていても良い。またRは、モノマー単位ごとに同じでも良く、異なっていても良い。但し、Rのうち少なくとも2つ以上はヒドロキシル基、アルケニル基、あるいはエチニル基である。ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、またアリール基としてはフェニル基を好ましい例として挙げることができる。合成のし易さから、ケイ素原子に結合したビニル基が好ましい。nは2以上の整数である。nは50以上1000以下であることが好ましい。

0048

好ましい化合物としては、ビニル両末端のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。

0049

好ましい化合物の例を以下に示すと

0050

0051

などのビニル基を両末端に有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。また、ビニル基を両末端に有するポリジフェニルシロキサンも好適に用いることができる。

0052

<(C)ヒドロシリル化触媒>
ヒドロシリル化触媒は、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンにおいてSiH基と反応することのできる官能基としてアルケニル基を含む場合に、(A)少なくとも2つのSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンとがヒドロシリル化付加反応するのを促進するための触媒である。本明細書におけるヒドロシリル化触媒の種類は特に制限されないが、白金黒塩化第2白金塩化白金酸、そのアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金触媒の他に、パラジウム系触媒ロジウム系触媒などの白金族金属触媒を含むものが好ましい。これらのヒドロシリル化触媒は単独で用いても良いし、複数組み合わせて用いても良い。

0053

ヒドロシリル化触媒の配合量は特に制限されるものではないが組成物中に0.1〜10000ppm配合されるようにヒドロシリル化触媒を配合することが好ましい。

0054

組成物中のヒドロシリル化触媒の配合量が0.1ppmに満たない場合、得られる乳頭保護部材が充分に硬化しない可能性があり、組成物中のヒドロシリル化触媒の配合量が10000ppmを超える場合には、架橋制御が困難になり過硬化が起こり得られる乳頭保護部材が硬くなりすぎ表面に多数のクラックを生じる可能性を有する。

0055

添加剤
本発明の家畜用乳頭保護材料には、以上に説明した各成分以外にも、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、充填材、殺菌消毒剤、シリコーンオイル、増粘剤無機フッ素化合物アミノ酸化合物不飽和カルボン酸重合体香料着色料防腐剤等が挙げられる。

0056

[充填材]
乳頭保護材料の物性を調整するために充填材を用いるのが好ましい。充填材としては、シリカ石英アルミナ二酸化チタン等の金属または半金属酸化物珪藻土タルク等の粘土鉱物が挙げられる。使用する充填材の種類は特に制限されず、これらは二種以上の混合物であっても良いが、シリカ、石英、アルミナ、二酸化チタン等の金属または半金属の酸化物を用いるのが好ましい。充填材の配合量は特に制限されるものではないが、組成物中に0.1〜50質量%の範囲で含まれているのが好ましく、0.2〜30質量%の範囲で含まれているのがより好ましい。

0057

[殺菌消毒剤]
得られる乳頭保護部材に抗菌作用を持たせるために、本発明の家畜用乳頭保護材料は殺菌消毒剤を含むのが好ましい。殺菌消毒剤の種類はパックの硬化を阻害するものでない限り、特に制限されるものではないが、例えば、クエン酸リンゴ酸フマル酸酒石酸乳酸グルコン酸コハク酸ギ酸酢酸プロピオン酸酪酸などのカルボン酸及びカルボン酸のナトリウム塩カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩アンモニウム塩鉄塩コバルト塩セリウム塩などのカルボン酸塩、銀、銅、亜鉛チタン等の金属塩塩化ベンザルコニウムカプリル酸モノグリセリドカプリン酸モノグリセリド、などの脂肪酸エステルトリクロサンイソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウムレゾルシントリクロロカルバニド、ハロカルバン、クロルヘキシジン塩酸クロルヘキシジングルコン酸クロルヘキシジンアクリノール次亜塩素酸ソーダ過酸化水素茶葉粉末ヒノキ粉末キトサンを好ましい例として挙げることができ、金属塩、塩化ベンザルコニウムがより好ましい。

0058

殺菌消毒剤は、1種類のみを採用してもよいし、2種類以上を採用しても良い。

0059

殺菌消毒剤の配合量は、特に制限されるものではないが、通常組成物中に0.01〜10質量%含まれているのが好ましい。特に金属塩の場合、1〜10質量%含まれているのが好ましい。

0060

[シリコーンオイル]
組成物(混練体)の粘度を調整し、操作性を向上させるためにシリコーンオイルを添加するのが好ましい。シリコーンオイルは下記の構造式のように示される。なお、ここで規定するシリコーンオイルは、前記(A)、(B)に該当する構造は含まない。

0061

0062

ここで、式中の各Rは任意に置換されたアルキル基、アリール基から選ばれ、それぞれ互いに同じでも良く、異なっていても良い。ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、またアリール基としてはフェニル基を好ましい例として挙げることができる。nは5以上の整数であり、10以上10000以下が好ましく、50以上2000以下がより好ましい。各モノマー単位中のRは、同じでも良く、異なっていても良い。またRは、モノマー単位ごとに同じでも良く、異なっていても良い。

0063

シリコーンオイルの配合量は特に制限されるものではないが、通常組成物中に1〜80質量%含まれているのが好ましく、3〜70質量%含まれているのがより好ましい。

0064

[増粘剤]
組成物(混練体)の粘度を調整するために、増粘剤を用いるのが好ましい。増粘剤は、下記に示す無機増粘剤、合成の石油ベースとする増粘剤のいずれかあるいは組み合わせて用いても良い。

0065

無機増粘剤は、概して、コロイドケイ酸マグネシウムアルミニウムコロイド粘土のような化合物であり、これらはヒューム処理するか、あるいは沈澱させて、大きい表面−サイズ比を有する粒子にされたものである。

0066

合成の石油をベースとする水溶性ポリマーは、適当なモノマーの直接的重合により製造される。このモノマーの代表例は、ビニルアルコールビニルピロリドンビニルメチルエーテルアクリル酸およびメタクリル酸アクリルアミドエチレンオキシド、およびエチレンイミンである。

0067

また、無機フッ素化合物、アミノ酸化合物、不飽和カルボン酸重合体、香料、着色料、防腐剤等から選択されるいずれか1種または複数種の添加剤を必要に応じて配合することができる。

0068

保管方法
本発明の乳頭保護材料は、保管中の硬化を防ぐために、下記の1から4に示す形態で保管することが好ましい。
1.(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B−1)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンを含む第1液と(B−2)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を含む第2液を別々に保管
2.(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンを含む第1液と(C)ヒドロシリル化触媒を含む第2液を別々に保管
3.(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第1液と(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を含む第2液を別々に保管
4.(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第1液、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンを含む第2液、(C)ヒドロシリル化触媒を含む第3液を別々に保管
なお、上記の1から3の保管方法において、(C)ヒドロシリル化触媒を含む方を第2液、他方を第1液と称している。上記の内、1の保管方法は、混練する第1液と第2液の質量に極端な差がなく、均一な組成の組成物を調製し易いためより好ましい。

0069

調製方法及び使用方法
(1)調製方法
本発明の乳頭保護材料の使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば、下記のようにすることができる。すなわち、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B−1)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンを主構成成分とする第1液に(B−2)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を主構成成分とする第2液を加え組成物を得て、該組成物を混練し、乳頭に塗布または乳頭内に挿入し、該組成物を硬化させることにより乳頭保護部材を形成させる使用方法を採用できる。このような乳頭保護材料は、通常、第1液および第2液の双方が、アルミパックなどの包装容器密封保存された形態で、酪農家などの利用者に提供される。ここで、練和作業に際しては、例えば、第1液の包装容器の開口部を練和装置の第1液注入口に連結し、かつ、第2液の包装容器の開口部を練和装置の第2液注入口に連結する。そしてこの状態で、各々の包装容器から練和装置内へと供給された第1液と第2液が、練和装置内で自動的に練和され、組成物(練和物)とされた後、組成物(練和物)が、練和装置外へと排出される。これにより、利用者は、組成物(練和物)を得ることができる。

0070

また、乳頭に対して第1液、第2液を逐次的に浸漬する手法も好適に適用できる。例えば、乳頭を第1液に浸漬させた後、続いて第2液に浸漬させることで乳頭に保護部材を形成させることも出来る。この方法だと、混練操作が不要であり簡便に乳頭に保護部材を形成させることができる。

0071

第1液中における(B−1)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンの配合量は、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して、800質量部〜7000質量部が好ましく、1000質量部〜5000質量部がより好ましい。また、第2液中における(C)ヒドロシリル化触媒の配合量は、(B−2)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン4000質量部に対して、0.1質量部〜40質量部が好ましく、0.2質量部〜20質量部がより好ましい。なお、上記において第1液と第2液を混練する際には、組成物を乳頭へ装着する時間に余裕を持たせるため(B−2)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン4000質量部に対しての(C)ヒドロシリル化触媒の量は0.1質量部〜5質量部の範囲にするのが好ましく、第1液、第2液の順に乳頭に付着させる場合には、速やかに保護材料を乳頭周辺に形成させるために(B−2)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン4000質量部に対しての(C)ヒドロシリル化触媒の量は5質量部〜40質量部の範囲にするのが好ましい。組成物を混練する際は組成物中の(C)ヒドロシリル化触媒の量が0.1〜10000ppmとなるように(C)ヒドロシリル化触媒を配合するのが好ましい。また、第1液や第2液には、必要に応じて前述したような、その他の添加剤を添加することもできる。

0072

ここで、第2液に対する第1液の混合比率Rm(第1液の使用量/第2液の使用量〔質量部/質量部〕)は特に制限されるものではないが、通常は、0.2〜5の範囲内であることが好ましい。ここで、混合比率Rmについては、混合比率情報表示媒体に表示することができる。この混合比率情報表示媒体としては、i)段ボール箱等からなる製品パッケージ、ii)紙媒体および/または電子データとして提供される製品の使用説明書、iii)第1液を密封状態で保管する収納部材容器包装袋等)、iv)第2液を密封状態で保管する収納部材(容器、包装袋等)、v)紙媒体および/または電子データとして提供される製品カタログ、vi)製品とは別に電子メールや郵便物等により製品利用者に送付される通信文が利用できる。また、混合比率Rmは、上記i)〜vi)に示す以外の態様により製品利用者が認知しうる態様で、製品利用者に提供されても良い。ここで、第1液を含む収納部材および第2液を含む収納部材のセット、あるいは、第1液または第2液のいずれかを含む収納部材を製品利用者に提供する場合、これら部材に対して、必要に応じて製品パッケージおよび/または紙媒体による使用説明書が付加される。

0073

上記した第1液及び第2液の製造方法は、特に制限されるものではないが、以下に挙げる公知の攪拌混合機を用いて製造することが出来る。攪拌混合機として、例えばボールミルのような回転容器型混合混錬機、リボンミキサーコニーダーインターナルミキサースクリューニーダーヘンシェルミキサー万能ミキサー、レーディゲミキサー、バタフライミキサー、などの水平軸または垂直軸を有する固定容器型の混合混錬機、及び各種攪拌翼を備えた可搬型攪拌機、同堅型攪拌機、同側面攪拌機、管路攪拌機等を用いることができる。更に、第1液及び第2液の製造に際しては、上述した各種の混合混練機を2種類以上組み合わせて利用することもできる。

0074

本発明の家畜用乳頭保護材料は、家畜の乳頭を覆う乳頭パックを形成させるための家畜用乳頭パック材料として利用でき、また家畜の乳頭の乳管に挿入するシーラントを形成させるための家畜用乳頭シーラント材料としても利用できる。

0075

(2)家畜用乳頭保護材料の使用方法
本発明の家畜用乳頭保護材料は前記したように(A)少なくとも2つのSiH基を含むハイドロジェンオルガノポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン及び(C)ヒドロシリル化触媒が含まれ、(C)ヒドロキシル化触媒によって促進される(A)成分と(B)成分の反応によって硬化し乳頭保護部材となる。

0076

家畜用乳頭保護部材は、例えば、(A)少なくとも2つのSiH基を含むハイドロジェンオルガノポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を混練し組成物とし、該組成物(混練体)に乳頭を付着または該組成物(混練体)を乳頭内に挿入することにより生成させることができる。また、一つの乳頭保護部材の生成方法としては、(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B−1)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサンを主構成成分とする第1液に乳頭を浸漬させた後、(B−2)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を主構成成分とする第2液に乳頭を浸漬させることにより乳頭保護部材を形成させる方法もある。

0077

被覆方法付着方法)としては、浸漬法はけ塗り法、噴霧法などが挙げられるが、特に制限されない。好ましくは浸漬法である。浸漬法を用いる場合の混練体の粘度は、各溶液中に乳頭が容易に浸漬するように適宜選択すれば良い。浸漬法を用いる場合の第1液の粘度(23℃)は、操作性の観点から、コーンプレート型粘度計により測定した値で、0.5dPa・s以上30dPa・s以下であるのが好ましい。他方、第2液の粘度(23℃)は、同様の理由で0.5dPa・s以上30dPa・s以下であるのが好ましい。

0078

浸漬法を用いる場合、例えばカップ状の容器に(A)少なくとも2つのSiH基を含むハイドロジェンオルガノポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を入れ混練し、組成物(混練体)を家畜の乳頭を収容可能な筒状又はカップ状の容器に入れる。続いて、組成物(混練体)を入れた容器を乳頭の付け根方向に移動させ(引き上げ)、容器中の組成物(混練体)に乳頭を浸漬した後、容器を乳頭先端方向に移動させる(引き下げる)操作を行う。浸漬は、乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の10%以上が組成物(混練体)に浸されるように行えばよい。浸漬時間は、乳頭に十分に付着させるため2秒以上が好ましい。

0079

容器は清潔なものである限り、その材質は制限されず、金属、セラミックプラスチック、紙などいずれでも使用できる。また、容器は乳頭保護材料を混練することにより得られる組成物の無駄を少なくするために、組成物(混練体)を乳頭に付着させるために必要な最低限の内容積を有していればよい。円筒状又はカップ状容器の場合、内径が約4cm〜約6cmで、高さが約2cm〜約10cmのものを使用することが出来る。乳頭を組成物(混練体)に均一に付着させるために、浸漬後に容器を乳頭先端方向に移動させる速度(引き下げる速度)は10〜100mm/秒とするのが好ましく、20〜50mm/秒とするのがより好ましい。

0080

均一な乳頭保護部材を形成するために、硬化に要する時間は、10分以内が好ましく、8分以内がより好ましい。第1液、第2液の順に乳頭を浸漬させて速やかに膜を形成させる場合は硬化に要する時間は2分以内が好ましい。

0081

硬化に要する時間は、第1液と第2液の混合比、第1液への(A)少なくとも2つのSiH基を含むハイドロジェンオルガノポリシロキサンの配合量、第2液への(C)ヒドロシリル化触媒の配合量、及び練和時の撹拌力の選択などにより調整できる。

0082

(3)家畜用乳頭保護部材
家畜用乳頭保護部材は、(A)少なくとも2つのSiH基を含むハイドロジェンオルガノポリシロキサン、(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒を含む材料から、上記(2)のようにして、家畜の乳頭に形成される。家畜用乳頭保護部材は、乳頭に対する密着性や耐久性に優れるため、乳用家畜の乳頭の保護に用いることができる。家畜用乳頭保護部材としては、例えば、家畜の乳頭を覆う乳頭パック、家畜の乳頭の乳管に挿入するシーラントが挙げられる。これらにより、伝染性乳房炎からの保護、環境性乳房炎からの保護、汚れその他の外的環境因子からの保護が可能となる。本発明において、乳用家畜とは、特に搾乳用家畜であり、例えば乳牛、山羊、その他搾乳が行われる家畜である。

0083

以下、実施例1〜実施例49、及び実施例の効果などを検証するための比較例1〜比較例7を挙げて、本発明によるシリコーン系素材の乳頭保護材料及び該材料による家畜の乳頭保護方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。

0084

実施例1〜実施例49、及び比較例1〜比較例7において乳頭パック生成に用いた原料略号及び「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価方法は以下の通りである。

0085

<原料>
(A)少なくとも2つのSiH基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン
OHS1:下記の構造式(9)に示されるメチルハイドロジェンシロキサン単位を50モル%含有し、残り50モル%がジメチルシロキサン単位であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子量約3000)

0086

0087

OHS2:下記の構造式(10)に示されるメチルハイドロジェンシロキサン単位を30モル%含有し、残り70モル%がジメチルシロキサン単位であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子量約3000)

0088

0089

OHS3:下記の構造式(11)に示されるメチルハイドロジェンシロキサン単位を80モル%含有し、残り20モル%がジメチルシロキサン単位であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子量約3000)

0090

0091

OHS4:下記の構造式(12)に示されるメチルハイドロジェンシロキサン単位を100モル%含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子量約3000)

0092

0093

(B)SiH基と反応することのできる少なくとも2つの官能基を含むオルガノポリシロキサン
DVS1:ビニル両末端ポリジメチルシロキサン(分子量約20000)
DVS2:ビニル両末端ポリジメチルシロキサン(分子量約30000)
DVPS:ビニル両末端ポリジフェニルシロキサン(分子量約20000)
(C)ヒドロシリル化触媒
PtV2:ビニルシロキサン白金錯体触媒
<その他成分>
充填材
レオシールMT−30:粒径0.007μmの非晶質シリカメチルトリクロロシラン処理物表面疎水化処理、表中ではレオロシールと記載)
シリコーンオイル
ジメチルシリコーンオイル(粘度0.5dPa・s)
ゴム系高分子有機溶媒とから構成される家畜用乳頭パック材料(表5)
a:溶質ポリウレタンゴム12質量部を、88質量部の溶媒テトラヒドロフランに溶解したもの。
b:溶質酢酸ビニル12質量部を、88質量部の溶媒キシレンに溶解したもの。
c:溶質ブチルゴム9質量部を、91質量部の溶媒トルエンに溶解したもの。
d:溶質ブタジエンゴム9質量部を、91質量部の溶媒トルエンに溶解したもの。

0094

<評価方法>
(1)「密着性」の評価方法
乳牛の乳頭の形状(内径3cmφ、長さ4cm)をした型の中に、歯科用親水性シリコーン印象材GC社製「フュージョンII」)を入れ、印象材が硬化後、型から取り出し、疑似乳頭を作製した。

0095

実施例1〜実施例30及び比較例1〜3においては、各乳頭パック材料を混練用カップの中に量りとり、混練用ヘラを用いて均一になるまで混練し、得られた組成物(混練体)をカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。比較例4〜比較例7においては、各乳頭パック材料をカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。次に、上記疑似乳頭の上端を持ち、カップ中の組成物(混練体)あるいは乳頭パック材料に接触させた状態から、ゆっくり力を加えていき、乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の30%が隠れるまで差し込んだ。その後、直ちに乳頭を引き抜く事で疑似乳頭周辺にパックを生成させた。

0096

実施例31〜実施例49においては、第1液、第2液のそれぞれをカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。続いて、疑似乳頭を第1液に浸漬させた後、直ちに第2液に浸漬させることにより疑似乳頭周辺にパックを生成させた。なお、第1液、第2液それぞれに乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の30%が隠れるまで差し込んだ。第1液と第2液の疑似乳頭への付着量が出来る限り同じになるようにした。

0097

各パックを温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で放置し、1時間後、1日後、2日後、3日後、4日後に各パック(疑似乳頭周辺に生成させたパック)の状態を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて「密着性」を評価した。

0098

密着性評価基準:
○:パックが完全に疑似乳頭に密着しており、パックと疑似乳頭との間に隙間は認められない。
△:パック周辺には隙間が認められるものの乳頭口付近は密着している。
×:パックが浮き上がって乳頭口付近も剥離している。

0099

(2)「耐久性」の評価方法
乳牛の乳頭の形状(内径3cmφ、長さ4cm)をした型の中に、歯科用親水性シリコーン印象材(GC社製「フュージョンII」)を入れ、印象材が硬化後、型から取り出し、疑似乳頭を作製した。

0100

実施例1〜実施例30及び比較例1〜3においては、各乳頭パック材を混練用カップの中に量りとり、混練用ヘラを用いて均一になるまで混練し、得られた組成物(混練体)をカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。比較例4〜比較例7においては、各乳頭パック材料をカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。次に、上記疑似乳頭の上端を持ち、カップ中の組成物(混錬体)あるいは乳頭パック材料に接触させた状態から、ゆっくり力を加えていき、乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の30%が隠れるまで差し込んだ。その後、直ちに乳頭を引き抜く事で疑似乳頭周辺にパックを生成させた。

0101

実施例31〜実施例49においては、第1液、第2液のそれぞれをカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。続いて、疑似乳頭を第1液に浸漬させた後、直ちに第2液に浸漬させることにより疑似乳頭周辺にパックを生成させた。なお、第1液、第2液それぞれに乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の30%が隠れるまで差し込んだ。第1液と第2液の疑似乳頭への付着量が出来る限り同じになるようにした。

0102

パックを温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で5分、15分、1時間、1日間、2日間、3日間、4日間それぞれ放置した。その各々のパックに対して下記に示す耐久試験を実施した。

0103

疑似乳頭の中心軸方向から荷重が加わるように、疲労試験機インストロン社製、E3000)にセットし、1〜5kgf/cm2の荷重を加えた。なお、3kgf/cm2を荷重の中央値とし、振幅を2kgf/cm2とした。また、周波数を1Hz、サイクル数を100とした。

0104

耐久試験を実施した後、パックの状態を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて「耐久性」を評価した。

0105

耐久性評価基準:
○:パックの破損や浮き上がりは認められない。
△:パックが一部破損しているものの、乳頭口付近は被覆されている。
×:全体が破損、あるいは剥離している。

0106

(3)「耐摩耗性」の評価方法
乳牛の乳頭の形状(内径3cmφ、長さ4cm)をした型の中に、歯科用親水性シリコーン印象材(GC社製「フュージョンII」)を入れ、印象材が硬化後、型から取り出し、疑似乳頭を作製した。

0107

実施例1〜実施例30及び比較例1〜3においては、各乳頭パック材を混練用カップの中に量りとり、混練用ヘラを用いて均一になるまで混練し、得られた組成物(混練体)をカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。比較例4〜比較例7においては、各乳頭パック材料をカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。次に、上記疑似乳頭の上端を持ち、カップ中の組成物(混錬体)あるいは乳頭パック材料に接触させた状態から、ゆっくり力を加えていき、乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の30%が隠れるまで差し込んだ。その後、直ちに乳頭を引き抜く事で疑似乳頭周辺にパックを生成させた。

0108

実施例31〜実施例49においては、第1液、第2液のそれぞれをカップ(内径6cmφ、長さ8cmの筒状容器)に満たした。続いて、疑似乳頭を第1液に浸漬させた後、直ちに第2液に浸漬させることにより疑似乳頭周辺にパックを生成させた。なお、第1液、第2液それぞれに乳頭長を100%として、長さ基準で、乳頭の30%が隠れるまで差し込んだ。第1液と第2液の疑似乳頭への付着量が出来る限り同じになるようにした。

0109

パックを温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で5分、15分、1時間、1日間、2日間、3日間、4日間それぞれ放置した。その各々のパックに対して下記に示す摩耗試験を実施した。

0110

疑似乳頭を、乳頭口を上にして治具で固定し動かないようにしてからに乗せ、ブラシ(毛の長さ25mm、毛の材質:ナイロン製)により乳頭口付近を水平方向に50往復こすった。その際、振幅は約5cm、荷重は約1kgfとした。摩耗試験を実施した後、パックの状態を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて「耐摩耗性」を評価した。

0111

耐摩耗性評価基準
○:乳頭口付近の露出は認められない。
△:乳頭口の一部が露出している。
×:乳頭口が完全に露出している。

0112

実施例1
(A)OHS1を10g、(B−1)DVS1を400g量りとり、均一な液体となるまで攪拌し第1液を得た。次に、(B−2)DVS1を400g、(C)PtV2を0.05g量りとり、均一な液体となるまで攪拌し第2液を得た。得られた第1液及び第2液を混練用カップに入れ、ヘラを用いて均一なペースト状になるまで、気泡が入らないように混練し、乳頭パック用組成物を調製した。得られた乳頭パック用組成物を用いて、「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価を行った。

0113

実施例2〜実施例30及び比較例1〜比較例3
第1液及び第2液の組成を表1〜表3に示す内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、乳頭パック用組成物を調製した。得られた乳頭パック用組成物を用いて、「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価を行った。

0114

実施例31〜実施例49
第1液及び第2液の組成を表4に示す内容に変更した。また、疑似乳頭を第1液、第2液の順に浸漬させることによりパックを形成した。その際、第1液と第2液の疑似乳頭への付着量は出来る限り同じになるようにした。このパックの「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価を行った。

0115

比較例4
ウレタンゴムを12g、テトラヒドロフランを88g量りとり、均一な溶液となるまで攪拌し、乳頭パック材料を調製した。得られた乳頭パック材料を用いて、「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価を行った。

0116

比較例5〜比較例7
材料の組成を表5に示す内容に変更した以外は、比較例4と同様にして、乳頭パック材料を調製した。得られた乳頭パック材料を用いて、「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価を行った。

0117

実施例1〜実施例49及び比較例1〜比較例3の家畜用乳頭パック組成物の組成を表1〜表5に示す。また、実施例1〜実施例49、及び比較例4〜7における、「密着性」、「耐久性」、及び「耐摩耗性」の評価結果を表6〜表8に示す。なお、表中の各成分の数値は質量部を表す。実施例31〜実施例49においては、第1液、第2液の付着量が1:1とした場合のヒドロシリル触媒の含有量を示している。

0118

0119

0120

0121

0122

0123

0124

0125

0126

実施例1〜実施例49は、本発明の要件全てを満足するように調製したものであるが、いずれの場合においても、いずれも乳頭に密着し、弾性を長期にわたり保ち、耐久性及び耐摩耗性が高いとの結果が得られた。疑似乳頭にパックした後、少なくとも4日以上、乳頭口を保護できることが分かった。すなわち、パックの素材をシリコーン系とすることにより、弾性が高く、耐久性及び耐摩耗性の高いパックが調製され、長期間乳頭へ密着しうることが示された。特に実施例31〜実施例49は、第1液、第2液の順に疑似乳頭を浸漬させた例であるが、速やかにパックが形成されたため、5分後においても耐久性及び耐摩耗性のあるパックを形成出来た。

0127

これに対して、比較例1〜比較例3は、必須成分を配合していない例であるが、硬化が起こらないためパックが形成されず、各種評価を行うことが出来なかった。

実施例

0128

比較例4〜比較例7はゴム系素材(高分子化合物有機溶媒溶液)を用いた例であるが、密着性、耐久性共に低く、耐摩耗性は殆どなかった。

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