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技術 速溶性増粘剤、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤及び咀嚼・嚥下困難者用飲食品

出願人 DSP五協フード&ケミカル株式会社
発明者 柴村歩美
出願日 2014年8月8日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2014-162668
公開日 2016年3月22日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2016-036309
状態 未査定
技術分野 ゼリ-、ジャム、シロップ 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード シュードプラスチック性 アセチル基含量 高濃度食塩水 かたさ 撹拌物 キサンタンガム粉末 スクシノグリカン クリープメーター

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図面 (1)

課題

イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高いかたさ発現しつつ、比較的早期に粘度を発現し得る速溶性増粘剤等を提供する。

解決手段

アジアキサントモナスキャンペストリス発酵由来キサンタンガムであって、アセチル基含量が2%以下となるように脱アセチル化されたキサンタンガムを含有し、濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水添加したとき、3.0分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達する速溶性増粘剤。

概要

背景

近年、高齢者の増加に伴い、飲食品咀嚼機能や嚥下機能が低下した咀嚼・嚥下困難者が増加している。このような咀嚼・嚥下困難者には、液体状の食品が提供されることが多い。しかし、かかる食品は、咀嚼機能の低下には効果的であるが、嚥下機能の低下には、誤嚥のおそれがあるため、効果的とはいい難い。そこで、液体状の食品にとろみをつけ、これによって誤嚥を防止すべく、増粘剤が用いられている。

一方、咀嚼・嚥下困難者用の増粘剤に求められる特性としては、主として2つが挙げられている。1つ目としては、かかる増粘剤は、喫食直前に飲食品に添加される場合が多いため、介護者等の負担を軽減すべく、短時間で所定の物性(たとえば、粘度や「かたさ」)を発現することが挙げられる。2つ目としては、その発現する物性値(例えば、粘度や「かたさ」)の程度が高いことが挙げられる。「かたさ」の程度が高いほど、咀嚼・嚥下困難者用の増粘剤として力価が高く、優れていることになるからである。なお、「かたさ」は、消費者によって定められた「特別用途食品のえん下困難者用食品の試験方法」(消食表第277号)によってクリープメーター測定したとき、プランジャーの接触面先にかかる圧力(Pa)として定義されている。

この種の増粘剤として、キサンタンガムが用いられている。キサンタンガムは、純粋培養された微生物キサントモナスキャンペストリス醗酵過程菌体外に産生する天然多糖類であり、グルコースマンノース及びグルクロン酸を主成分として構成されている。かかるキサンタンガムは、他の多糖類と比較して、強いシュードプラスチック性や、高い粘度や粘度発現速度懸濁安定性耐熱性及び耐塩性等を有することから、上記に記載した増粘剤として多用されている。

しかし、上記キサンタンガムは、水では増粘しやすく、短時間で所定の物性(粘度)を発現することができるが、イオンを比較的多く含有する飲食品(味噌汁ミネラルバランス飲料、牛乳オレンジジュースなど)に対しては粘度発現が極端に遅くなるという問題点があり、粘度発現速度の更なる向上が要望されている。また、飲料には濁りのないものも存在し、上記キサンタンガムを添加しても濁りのない状態を維持できるよう透明性の高いキサンタンガムも要望されている。

そこで、粘度発現速度を向上させるために、様々な提案がなされている。
例えば、キサンタンガムの粒子径を調整すること(特許文献1)、カリウム溶液キサンタンガム粉末表面に噴霧すること(特許文献2)や、キサンタンガムを水に溶解した後に真空乾燥または真空凍結乾燥すること(特許文献3)などが提案されている。
また、キサンタンガムを産生する菌株を変更すること(特許文献4)が提案されている。具体的には、アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵から得られたキサンタンガムが提案されている。

概要

イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高いかたさを発現しつつ、比較的早期に粘度を発現し得る速溶性増粘剤等を提供する。アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵由来のキサンタンガムであって、アセチル基含量が2%以下となるように脱アセチル化されたキサンタンガムを含有し、濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水に添加したとき、3.0分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達する速溶性増粘剤。 なし

目的

本発明は、上記事情に鑑み、イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高い「かたさ」を発現させつつ、比較的早期に粘度を発現させ得る速溶性増粘剤、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤及び咀嚼・嚥下困難者用飲食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アジアキサントモナスキャンペストリス発酵由来キサンタンガムであって、アセチル基含量が2重量%以下となるように脱アセチル化されたキサンタンガムを含有し、濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水添加したとき、3.0分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達する速溶性増粘剤

請求項2

濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水に添加したとき、2.5分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達する、請求項1に記載の速溶性増粘剤。

請求項3

請求項1または2に記載の速溶性増粘剤を含む咀嚼嚥下困難者用増粘剤。

請求項4

請求項3に記載の咀嚼・嚥下困難者用増粘剤が、飲食品に添加されてなる咀嚼・嚥下困難者用飲食品。

技術分野

0001

本発明は、速溶性増粘剤咀嚼嚥下困難者用増粘剤及び咀嚼・嚥下困難者用飲食品に関する。

背景技術

0002

近年、高齢者の増加に伴い、飲食品の咀嚼機能や嚥下機能が低下した咀嚼・嚥下困難者が増加している。このような咀嚼・嚥下困難者には、液体状の食品が提供されることが多い。しかし、かかる食品は、咀嚼機能の低下には効果的であるが、嚥下機能の低下には、誤嚥のおそれがあるため、効果的とはいい難い。そこで、液体状の食品にとろみをつけ、これによって誤嚥を防止すべく、増粘剤が用いられている。

0003

一方、咀嚼・嚥下困難者用の増粘剤に求められる特性としては、主として2つが挙げられている。1つ目としては、かかる増粘剤は、喫食直前に飲食品に添加される場合が多いため、介護者等の負担を軽減すべく、短時間で所定の物性(たとえば、粘度や「かたさ」)を発現することが挙げられる。2つ目としては、その発現する物性値(例えば、粘度や「かたさ」)の程度が高いことが挙げられる。「かたさ」の程度が高いほど、咀嚼・嚥下困難者用の増粘剤として力価が高く、優れていることになるからである。なお、「かたさ」は、消費者によって定められた「特別用途食品のえん下困難者用食品の試験方法」(消食表第277号)によってクリープメーター測定したとき、プランジャーの接触面先にかかる圧力(Pa)として定義されている。

0004

この種の増粘剤として、キサンタンガムが用いられている。キサンタンガムは、純粋培養された微生物キサントモナスキャンペストリス醗酵過程菌体外に産生する天然多糖類であり、グルコースマンノース及びグルクロン酸を主成分として構成されている。かかるキサンタンガムは、他の多糖類と比較して、強いシュードプラスチック性や、高い粘度や粘度発現速度懸濁安定性耐熱性及び耐塩性等を有することから、上記に記載した増粘剤として多用されている。

0005

しかし、上記キサンタンガムは、水では増粘しやすく、短時間で所定の物性(粘度)を発現することができるが、イオンを比較的多く含有する飲食品(味噌汁ミネラルバランス飲料、牛乳オレンジジュースなど)に対しては粘度発現が極端に遅くなるという問題点があり、粘度発現速度の更なる向上が要望されている。また、飲料には濁りのないものも存在し、上記キサンタンガムを添加しても濁りのない状態を維持できるよう透明性の高いキサンタンガムも要望されている。

0006

そこで、粘度発現速度を向上させるために、様々な提案がなされている。
例えば、キサンタンガムの粒子径を調整すること(特許文献1)、カリウム溶液キサンタンガム粉末表面に噴霧すること(特許文献2)や、キサンタンガムを水に溶解した後に真空乾燥または真空凍結乾燥すること(特許文献3)などが提案されている。
また、キサンタンガムを産生する菌株を変更すること(特許文献4)が提案されている。具体的には、アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵から得られたキサンタンガムが提案されている。

先行技術

0007

特開2007−006745号公報
特開2010−081943号公報
特開2012−139161号公報
特表2013−542272号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、上記特許文献では、水に溶解させたときの粘度発現速度は、ある程度改善されているものの、イオンを比較的多く含有する飲食品に溶解させたときの粘度発現速度は、未だ十分とはいえない。また、上記かたさの点でも未だ十分とはいえない。

0009

本発明は、上記事情に鑑み、イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高い「かたさ」を発現させつつ、比較的早期に粘度を発現させ得る速溶性増粘剤、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤及び咀嚼・嚥下困難者用飲食品を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するために発明者らが鋭意検討した結果、以下の知見を見出した。すなわち、上記特許文献4に記載されたアジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵から得られるキサンタンガムを、アセチル基含量2重量%以下に脱アセチル化することによって、同じ濃度で比較したとき、脱アセチル化されていないものよりも、粘度が高くなり、シュードプラスチック性が強くなり、酸性領域を含む広いpH域で高い粘度を安定に保持することができ、ガラクトマンナン類などの他の多糖類と相互作用し易くなる。そして、このような脱アセチル化キサンタンガムが、比較的高濃度食塩水で早期に粘度を発現するものであることによって、多くの飲食品において早期粘度の発現が可能となり、しかも、上記「かたさ」の程度も比較的高くし得ることを見出して、本発明を完成するに至った。

0011

すなわち、本発明に係る速溶性増粘剤は、
アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵由来のキサンタンガムであって、アセチル基含量が2重量%(質量%)以下となるように脱アセチル化されたキサンタンガムを含有し、
濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水に添加したとき、3.0分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達する。

0012

ここで、「粘度」は、1.0重量%食塩水を攪拌機で1000rpmで撹拌し、ここに10秒間かけて速溶性増粘剤を添加し、5秒間撹拌した後、速溶性増粘剤の添加開始から40秒経過後、Rapid Visco Analyzer(RVA)にセットして25℃、300rpmで測定された値であり、「最大粘度」は、当該RVAによって30分経過するまで測定したときの最大値である。

0013

かかる構成によれば、イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高い「かたさ」を発現させつつ、比較的早期に粘度を発現させ得る。

0014

上記速溶性増粘剤は、
濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水に添加したとき、2.5分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達することが好ましい。

0015

かかる構成によれば、より早期に粘度を発現させ得る。

0016

本発明に係る咀嚼・嚥下困難者用増粘剤は、前記速溶性増粘剤を含む。

0017

本発明に係る咀嚼・嚥下困難者用飲食品は、前記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤が、飲食品に添加されてなる。

発明の効果

0018

以上の通り、本発明によれば、イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高い「かたさ」を発現させつつ、比較的早期に粘度を発現させ得る速溶性増粘剤、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤及び咀嚼・嚥下困難者用飲食品が提供される。

図面の簡単な説明

0019

クリープメーターによる測定結果を示すグラフ

0020

以下、本発明に係る速溶性増粘剤、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤及び咀嚼・嚥下困難者用飲食品の実施形態について説明する。

0021

本実施形態の速溶性増粘剤は、アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵由来のキサンタンガムであって、アセチル基含量が2重量%以下となるように脱アセチル化されたキサンタンガム(以下、「脱アセチル化キサンタンガム」という。)を含有し、濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水に添加したとき、3.0分以内に粘度が最大粘度の90%以上に達する。

0022

前記脱アセチル化キサンタンガムは、アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵から得られるキサンタンガムであって、アセチル基含量2重量%以下に脱アセチル化されたものである。
脱アセチル化される前記アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵から得られるキサンタンガム(以下、「未脱アセチル化キサンタンガム」という。)は、例えば、商業的に入手することができ、入手可能な商品としては、例えばエコーガム登録商標AP(DSP五協フードケミカル株式会社製)を挙げることができる。また、かかる未脱アセチル化キサンタガムは、特表2013−542272号公報に記載された方法で得ることもできる。
前記脱アセチル化キサンタンガムは、上述した未脱アセチル化キサンタンガムを脱アセチル化することによって得ることができる。
また、前記脱アセチル化キサンタンガムは、商業的に入手することができ、入手可能な商品としては、例えばエコーガム(登録商標) LAX−T(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を挙げることができる。

0023

前記速溶性増粘剤は、濃度が1.0重量%となるように1.0重量%食塩水に添加したとき、3.0分以内に最大粘度の90%以上に達するものであり、2.5分以内に最大粘度の90%以上に達するものであることが好ましい。
上記粘度は、水を、攪拌機を用いて1000rpmで撹拌し、ここに10秒間かけて速溶性増粘剤を添加し、5秒間撹拌した後、速溶性増粘剤の添加開始から40秒経過後、Rapid Visco Analyzer(RVA)にセットして25℃、300rpmで測定された値である。
また、「最大粘度」は、RVAによって30分経過するまで測定したときの最大値である。

0024

前記速溶性増粘剤に含まれる脱アセチル化キサンタンガムのかたさは、1.0重量%食塩水に1.0重量%になるように添加して測定したとき、320Pa以上であることが好ましく、350Pa以上であることがより好ましい。

0025

前記速溶性増粘剤に含まれる脱アセチル化キサンタンガムの透過率は、脱イオン水に1.0重量%になるように添加して溶解させて測定したとき、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。

0026

本願の速溶性増粘剤には、該速溶性増粘剤を1.0重量%食塩水に添加したとき、上記のように3.0分以内に最大粘度の90%以上に達することが可能な限りにおいて、従来公知の他の増粘剤、ゲル化剤分散剤などの添加剤を含んでいても良い。
かかる添加剤としては、例えば、アラビアガムアラビノガラクタンアルギン酸およびその塩、カードランガティガムカラギーナンカラヤガムカルボキシメチルセルロースおよびその塩、寒天、キサンタンガム、グアーガムグルコマンナン酵素分解グアーガム、ジェランガム水溶性大豆多糖類スクシノグリカンゼラチンタマリンドシードガムデキストリントラガントガム難消化性デキストリンヒドロキシプロピルメチルセルロースファーセルラン、ブドウ糖プルランペクチンポリアクリル酸ナトリウムメチルセルロースローカストビーンガムなどが挙げられる。

0027

前記速溶性増粘剤には、該速溶性増粘剤を1.0重量%食塩水に添加したとき、上記のように3.0分以内に最大粘度の90%以上に達することが可能な限りにおいて、通常食品に添加し得る塩類を含んでいても良い。塩類を含むことにより、一層の増粘効果や一層のかたさの増加効果が得られる。

0028

前記速溶性増粘剤における前記脱アセチル化キサンタンガムの含有量は、該脱アセチル化キサンタンガムを含有する速溶性増粘剤を、上記のように1.0重量%食塩水に添加したとき、3.0分以内に最大粘度の90%以上に達するような含有量であれば、特に限定されるものではない。例えば、前記速溶性増粘剤における前記脱アセチル化キサンタンガムの含有量が多くなる程、より速く増粘する傾向にあり、また、「かたさ」が増加する傾向にある。従って、例えばかかる観点を考慮して、その含有量を適宜設定することができる。

0029

本実施形態の速溶性増粘剤によれば、イオンを比較的多く含有する飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高い「かたさ」を発現させつつ、比較的早期に粘度を発現させ得る。
また、高濃度の食塩水、pH3〜7の溶液、広範囲イオン含有量の飲食品、広範囲のたんぱく質含有量の飲食品、広範囲の脂質含有量の飲食品においても早期に粘度を発現し、透明性にも優れる。

0030

よって、本実施形態の速溶性増粘剤は、例えば咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に好適に用いられる。そこで、上記速溶性増粘剤を咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に用いられた例について、説明する。

0031

ここで、「かたさ」は、下記のようにして測定された値である。すなわち、試料を1.0重量%になるように溶液に添加し、1分間撹拌した後、撹拌を停止する。得られた撹拌物を、測定容器(φ40mm、高さ15mm)に移し、プランジャー(φ20mm、高さ8mm)を有するクリープメーター(株式会社山電製)にセットし、圧縮速度10mm/s、クリアランス5mmで測定を行う。そして、図1概念的に示すように、測定開始からの経過時間(秒)と圧力(Pa)との関係を示すグラフを得、最も高いピークの高さ(Hに相当)を「かたさ」とする。

0032

本実施形態の咀嚼・嚥下困難者用増粘剤は、速溶性増粘剤を含む。
咀嚼・嚥下困難者用増粘剤とは、飲食品に添加される増粘剤であって、添加されることにより咀嚼・嚥下困難者が喫食するために咀嚼・嚥下し易い物性にすることができる増粘剤である。
また、咀嚼・嚥下困難者が喫食するために咀嚼・嚥下し易い物性は、咀嚼・嚥下困難者個人によって異なる。ここで、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤の量を調節することで、個々人に合った物性にすることができるが、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に含まれる速溶性増粘剤が少量でより高い「かたさ」を発揮することが好ましい。

0033

この点に関し、本実施形態の咀嚼・嚥下困難者用増粘剤は、上記速溶性増粘剤を含んでいることによって、イオンを含有する咀嚼・嚥下困難者用の飲食品に配合された場合であっても、比較的程度の高い「かたさ」を発現させつつ、比較的早期に粘度を発現させ得る。従って、比較的少量で、比較的早期に、飲食物所望の「かたさ」を付与し易くすることができる。

0034

前記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤には、上記速溶性増粘剤の他、従来公知の他の増粘剤、ゲル化剤や分散剤などの添加剤を含有していても良い。
かかる添加剤としては、例えば、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カードラン、ガティガム、カラギーナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、寒天、キサンタンガム、グアーガム、グルコマンナン、酵素分解グアーガム、ジェランガム、水溶性大豆多糖類、スクシノグリカン、ゼラチン、タマリンドシードガム、デキストリン、トラガントガム、難消化性デキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ファーセルラン、ブドウ糖、プルラン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、ローカストビーンガムなどが挙げられる。
前記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤には、上記速溶性増粘剤の他、通常食品に添加し得る塩類を含んでいても良い。塩類を含むことにより増粘効果やかたさの増加効果が得られる。

0035

本実施形態の咀嚼・嚥下困難者用増粘剤によれば、上記速溶性増粘剤を含んでいることによって、イオンを比較的多く含有する咀嚼・嚥下困難者用の飲食品に配合されたとき、比較的早期に粘度を発現させ得る。また、比較的程度の高いかたさをも発現させ得る。

0036

そこで、上記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤が飲食品に配合された例について、説明する。

0037

本実施形態の咀嚼・嚥下困難者用飲食品は、上記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤が、飲食品に添加されてなる。

0038

前記飲食品とは、飲料または食品を意味する。飲料とは、水、ミネラルバランス飲料、乳飲料果汁飲料等に代表される飲料全般を意味する。また、食品とは、穀物類、肉・魚類野菜類果実類に代表される日常的に食べることができる食品全般を意味する。

0039

具体的には、前記咀嚼・嚥下困難者用飲食品は、かかる飲食品と、上記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤とを混合することによって調製されたものである。

0040

かかる飲食品と、上記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤との混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記手攪拌、攪拌機、ジューサーミキサーなどの撹拌によって混合する方法が挙げられる。

0041

本実施形態の咀嚼・嚥下困難者用飲食品のうち、水を含む該飲食品には、該飲食品に最初から含まれている水分を含んでいても、該飲食品とは別途添加した水分を含んでいてもよい。

0042

本実施形態の咀嚼・嚥下困難者用飲食品は、上記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤が、飲食品に添加されてなるものであることによって、イオンを含有する飲食品に配合されたとき、比較的早期に粘度を発現させ得る。さらに、これにより、咀嚼・嚥下困難者が喫食する際に咀嚼し易く、且つ、嚥下し易くなる。

0043

本実施形態の速溶性増粘剤、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤は、飲食品の増粘方法に用いることができる。この場合、かかる飲食品の増粘方法では、前記咀嚼・嚥下困難者用増粘剤を飲食品に添加する。これにより、比較的早期に粘度を発現させることができる。また、飲食品を所望の「かたさ」に設定し易くすることができる。

0044

以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に特に限定されるものではない。

0045

[使用した速溶性増粘剤]
下記のキサンタンガムを、速溶性増粘剤として使用した。

0046

・実施例1
アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵由来であって、アセチル基含量が2重量%以下に脱アセチル化された脱アセチル化キサンタンガムとして、エコーガム(登録商標)LAX−T(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を用いた。

0047

・比較例1
アジア・キサントモナス・キャンペストリスの発酵由来であって、脱アセチル化されていないキサンタンガムとして、エコーガム(登録商標)AP(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を用いた。

0048

・比較例2
一般的に用いられる菌株(キサントモナス・キャンペストリス)の発酵由来であって、脱アセチル化されていないキサンタンガムとして、エコーガム(登録商標)(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を用いた。

0049

・比較例3
一般的に用いられる(キサントモナス・キャンペストリス)の発酵由来であって、アセチル基含量が2重量%以下に脱アセチル化されたキサンタンガムとして、エコーガム(登録商標)630(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を用いた。

0050

実験例1]
容器水道水を99.0g入れ、ここに10秒間かけて各キサンタンガムを1.0g添加し、スリーワンモータ(新東科学株式会社製)によって1000rpmで5秒間攪拌した後、添加から40秒後にRapidVisco Analyzer(RVA)(Newport Scientific Pty. Ltd.社製)にセットして、経過時間による粘度変化を測定した。30分経過するまでの最大粘度を測定すると共に、測定開始から最大粘度の90%の粘度に達するまでの時間を粘度発現時間として表して、比較した。結果を表1に示す。
なお、RVAの測定条件は、25℃、300rpmとした。
また、各キサンタンガム1.0gを、スリーワンモータ(新東科学株式会社製)によって700rpmで撹拌している水道水(20℃)に添加し、1分間撹拌した後、撹拌を停止した。得られた撹拌物を、測定容器(φ40mm、高さ15mm)に移し、プランジャー(φ20mm、高さ8mm)を有するクリープメーター(株式会社山電製)にセットし、圧縮速度10mm/s、クリアランス5mmで測定を行った。そして、前述したのと同様に、測定開始からの経過時間(秒)と圧力(Pa)との関係を示すグラフを得、最も高いピークの高さ(Hに相当)を「かたさ」として表して、比較した。結果を表1に示す。

0051

0052

表1より、実施例1は粘度発現時間が速く、「かたさ」の値も高かった。しかし、比較例1は粘度発現時間が遅く、比較例2および3は「かたさ」の値が低く、実施例1のように粘度発現時間が速く、かつ「かたさ」の値が高いことを満たすのは実施例1のみだった。

0053

[実験例2]
水道水に代えて、1.0重量%食塩水(ナトリウム含量0.39重量%)を用いること以外は実験例1と同様にして、粘度発現時間、「かたさ」を測定した。結果を表2に示す。

0054

0055

表2より、実施例1は、1.0重量%食塩水に添加した際、粘度発現時間が1.6分と最も短く、3分以内に最大粘度の90%の粘度に達した。これに対し、比較例1、2および3は、粘度発現時間が遅く、3分以内に最大粘度の90%の粘度に達することはできなかった。
従って、実施例1が最も溶解速度が早く、比較例の1/2以下の時間で粘度を発現することが示された。

0056

[実験例3]
水道水に代えて、味噌汁(食塩濃度1.1重量%、ナトリウム含量0.44重量%)99.0gを用いること以外は実験例1と同様にして、粘度発現時間及び「かたさ」を測定した。結果を表3に示す。

0057

0058

表3より、実施例1及び比較例1は、一般的な菌株に由来するキサンタンガムを使用した比較例2および3と比較して、「かたさ」の値が高かった。さらに、実施例1は、比較例1、2及び3と比較して、粘度発現時間が1.8分と極めて短く、この結果、1.0重量%食塩水での粘度発現が速ければ、味噌汁での粘度発現も速くなることが確認された。
従って、比較例2および3は、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に求められる粘度発現の速さと「かたさ」の2つの性質が十分に満たしておらず、また、比較例1も、「かたさ」は満たしているものの粘度発現の速さは十分ではなかったのに対し、実施例1は、粘度発現の速さ、「かたさ」共に十分に満たしており、最も咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に最も適していることが示された。

0059

[実験例4]:高濃度食塩水における粘度発現速度
表4に示すように、各濃度の食塩水に、10秒間かけて各キサンタンガムを1.0重量%添加し、上記実験例1と同様にして、粘度発現時間を測定し、比較した。結果を表4に示す。

0060

0061

表4より、高濃度の食塩水に添加した場合でも、実施例1は、比較例1〜3よりも粘度発現時間が短く、優れていた。

0062

[実験例5]:透過率
脱イオン水に各キサンタンガム1.0gを添加し、スリーワンモーターで30分間攪拌した後に、脱気分光光度計を用いて、波長600nmで、脱イオン水の透過率を100%として測定した。結果を表5に示す。

0063

0064

表5より、高濃度の食塩水に添加した場合でも、実施例1は、比較例1よりも透過率がはるかに高く、透明性が好まれる飲食品への利用が可能となる。

0065

[実験例6]:各pH溶液における粘度発現速度
表6に示すように、各pHの溶液に、10秒間かけて各キサンタンガムを1.0重量%添加し、上記実験例1と同様にして、粘度発現時間を測定し、比較した。結果を表6に示す。

0066

0067

表6より、どのpHに添加した場合でも、実施例1は、比較例1よりも粘度発現時間が1/4以下と短く、優れていた。

0068

[実験例7]:飲料への応用
表7〜9に示すように、各種飲料に、10秒間かけて各キサンタンガムを1.0重量%添加し、上記実験例1と同様にして、粘度発現時間及び「かたさ」を測定し、比較した。結果を表7〜9に示す。

0069

0070

0071

0072

表7〜9より、実施例1および比較例1は、一般的に用いられる菌株に由来するキサンタンガムを使用した比較例2、3と比較して、各飲料において「かたさ」の値が高かった。
さらに、実施例1は、比較例と比較して、各飲料において粘度発現時間が極めて短く、よって、粘度発現が極めて短かった。
従って、比較例2、3は、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に求められる粘度発現の速さと「かたさ」の2つの性質を十分には満たしておらず、比較例1は、「かたさ」は満たしているが粘度発現の速さは十分ではなかった。一方、実施例1は粘度発現の速さ、かたさ共に十分に満たしており、上記キサンタンガムのうちでは、咀嚼・嚥下困難者用増粘剤に最も適していることが示された。

0073

[実験例8]:タンパク質脂質含量飲料における粘度発現速度
表10に示すように、タンパク質・脂質を含有する各溶液に、10秒間かけて各キサンタンガムを1.0重量%添加し、上記実験例1と同様にして、粘度発現時間を測定し、比較した。結果を表10に示す。ただし、濃厚流動食は1時間過するまでの最大粘度を測定すると共に、測定開始から最大粘度の90%の粘度に達するまでの時間を粘度発現時間として表して比較した。

0074

0075

表10より、どのタンパク・脂質含有飲料に添加した場合でも、実施例1は、比較例1〜3よりも粘度発現時間が短く、優れていた。

0076

[実験例9]:食品への応用
塩鮭」、「やきとり」または「ミックスベジタブル」と、「だし」とをそれぞれ1:1の割合で、ミキサーで1分間混合混合液を調製した。表11〜13に示すように、各食品に10秒間かけて各キサンタンガムを1.0重量%となるように添加し、実験例1と同様にして、粘度発現時間及び「かたさ」を測定し、比較した。結果を表11〜13に示す。

0077

0078

表11より粘度発現時間は、実施例1、比較例1および2はほぼ同等で比較例3より短かった。「かたさ」においては実施例1が最も値が高かった。従って、実施例1が粘度発現の速さと「かたさ」の両方において最も優れていた。

0079

0080

表12より「かたさ」は、実施例1と比較例1はほぼ同等で比較例2および3より高かった。粘度発現時間は、実施例1が最も早く、実施例1は粘度発現の速さと「かたさ」の両方において最も優れていた。

0081

0082

表13より「かたさ」は、実施例1と比較例1は比較例2および3と比較して高く、比較例1は実施例1より少し高かったが、粘度発現時間は、実施例1が比較例1に比べはるかに速かった。従って、実施例1は粘度発現が圧倒的に速く、必要な「かたさ」も有しており最も優れていた。

0083

[使用した速溶性増粘剤]
下記のキサンタンガムと、ローカストビーンガム(MEYPRODYN200、三晶株式会社)を、速溶性増粘剤として使用した。

0084

・実施例2
実施例1のキサンタンガムとローカストビーンガムを1:1で混合して用いた。

0085

・比較例4
比較例1のキサンタンガムとローカストビーンガムを1:1で混合して用いた。

0086

・比較例5
比較例2のキサンタンガムとローカストビーンガムを1:1で混合して用いた。

0087

・比較例6
比較例3のキサンタンガムとローカストビーンガムを1:1で混合して用いた。

0088

[実験例10]:多糖類と併用した場合のかたさ

0089

実施例2、比較例4〜6の各キサンタンガムとローカストビーンガムを、1:1で混合し、1.0重量%になるように水道水、または、1.0重量%食塩水に添加して1分間攪拌し、上記実験例1と同様にして、かたさを測定した。
測定されたかたさを、キサンタンガムを単体で用いた速溶性増粘剤のかたさの値と比較した。具体的には、実施例2の混合物を、実施例1のキサンタンガム単体の場合と比較した。比較例4の混合物を、比較例1のキサンタンガム単体の場合と比較した。比較例5の混合物を、比較例2のキサンタンガム単体の場合と比較した。比較例6の混合物を、比較例3のキサンタンガム単体の場合と比較した。
また、実施例1、比較例1〜3のキサンタンガムのかたさの値として、実験例1、実験例2で測定された値(表1、表2参照)を用いた。
そして、キサンタンガムとローカストビーンガムとを混合した場合のかたさを併用かたさ、キサンタンガム単体の場合のかたさを単体かたさと表し、単体かたさに対する併用かたさの変化率を、併用かたさ/単体かたさによって算出した。結果を表14に示す。

0090

実施例

0091

表14より、水道水に添加した場合には、実施例2および比較例4〜6のかたさの変化率はおよそ1.0倍で大きな変化はみられないが、1.0重量%食塩水に添加した場合には、実施例2の変化率は3.3倍になった。一方、比較例4および比較例6は1.0倍弱で大きく変化しなかった。比較例5は2.2倍になったが、実施例2ほどの増加はみられなかった。

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