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技術 pH判定装置、pH判定方法およびpH判定プログラム

出願人 PHCホールディングス株式会社
発明者 佐藤勇一久保田隆志
出願日 2014年8月1日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2014-157428
公開日 2016年3月17日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2016-035390
状態 特許登録済
技術分野 化学反応による材料の光学的調査・分析 化学的手段による非生物材料の調査、分析
主要キーワード pHメータ 基台部分 マイナーチェンジ 補正値算出ステップ 各測定部位 pH測定 装置起動後 前回補正
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年3月17日)のものです。
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図面 (13)

課題

装置毎、経時的変化容器材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することが可能なpH判定装置を提供する。

解決手段

pH判定装置10は、容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理で判定する装置であって、カメラ17、マスタチャート15、記憶部19、制御部18を備える。カメラ17は、ウェルプレート20を上方から撮影し、培地部分を含む画像を取得する。マスタチャート15は、ウェルプレート20の近傍に配置され、培地のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す。記憶部19は、マスタチャート15に含まれる各色に対応する基準pH値を記憶する。制御部18は、記憶部19に記憶された基準pH値とカメラ17において取得された画像に基づいて算出されたマスタチャート15の各色の測定pH値との差から求められた補正値を用いて測定pH値を補正する。

概要

背景

従来より、細胞培養の分野において、細胞が入れられた培地のpHを測定することで、培養容器に入れられた細胞の培養が進行しているか否かを観察する方法が用いられている。
培地のpH測定は、元来、接触式のpHセンサを用いて1箇所ずつ測定されていたが、近年では、培養容器の細胞保持用の凹部(ウェル)の数が増大していることから、作業効率の向上を図るために、センサ等を用いることなく、細胞を含む培地のpHの測定を行うことが可能な測定装置が要求されている。

このようなpH測定装置では、測定対象となる細胞を含む培地にpH指示薬(例えば、フェノールレッドメチルオレンジフェノールフタレインリトマス等)を添加し、pH指示薬の色の変化を検出し、予め記憶されたpH値色相との関係を示すテーブルを参照することで、pH測定を実施することができる。
例えば、特許文献1には、非接触で測定対象物のpHを計測し、カラー画像化して表示するpH分布変化の表示方法について開示されている。

概要

装置毎、経時的変化容器材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することが可能なpH判定装置を提供する。pH判定装置10は、容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理で判定する装置であって、カメラ17、マスタチャート15、記憶部19、制御部18を備える。カメラ17は、ウェルプレート20を上方から撮影し、培地部分を含む画像を取得する。マスタチャート15は、ウェルプレート20の近傍に配置され、培地のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す。記憶部19は、マスタチャート15に含まれる各色に対応する基準pH値を記憶する。制御部18は、記憶部19に記憶された基準pH値とカメラ17において取得された画像に基づいて算出されたマスタチャート15の各色の測定pH値との差から求められた補正値を用いて測定pH値を補正する。

目的

本発明の課題は、装置ごと、経時的変化、培養容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することが可能なpH判定装置、pH判定方法およびpH判定プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理によって判定するpH判定装置であって、前記容器を上方から撮影して、前記測定対象物の部分を含む画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部によって取得される画像に前記容器とともに含まれるように前記容器の近傍に配置されており、前記測定対象物のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す基準色表示部と、前記基準色表示部に含まれる各色ごとに対応する基準pH値を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された基準pH値と、前記画像取得部において取得された画像に基づいて算出された前記基準色表示部の各色の測定pH値との差から補正値を求め、前記補正値を用いて前記測定pH値を補正する制御部と、を備えているpH判定装置。

請求項2

前記制御部は、基準となる前記画像取得部によって取得された画像を用いて算出された前記基準色表示部の各色の測定pH値と、装置ごとの測定pH値との差から補正値を求め、前記補正値を用いて、装置ごとの前記測定pH値を補正する、請求項1に記載のpH判定装置。

請求項3

前記制御部は、起動時ごとあるいは所定時間経過ごとに、前記補正値を更新し、更新後の前記補正値を用いて、前記測定pH値を補正する、請求項1に記載のpH判定装置。

請求項4

前記容器は、前記基準色表示部の特定の色に対応する色表示部を有しており、前記制御部は、基準となる前記容器の前記色表示部の色に対応する測定pH値と、容器ごとの前記色表示部の色の測定pH値との差から補正値を求め、前記補正値を用いて前記容器ごとに測定pH値を補正する、請求項1に記載のpH判定装置。

請求項5

前記容器は、細胞を含む測定対象物が入れられる複数の凹部を有しており、前記基準色表示部は、前記容器の複数の凹部が配列された間隔に対応するピッチで、各色が配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のpH判定装置。

請求項6

前記制御部は、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を用いて前記測定pH値を補正する、請求項2から4のいずれか1項に記載のpH判定装置。

請求項7

前記容器の下方に配置されており、前記容器に対して光を照射する光源部と、前記容器と前記画像取得部との間に配置されたテレセントリック性を有する光学系と、をさらに備えている、請求項1から6のいずれか1項に記載のpH判定装置。

請求項8

前記テレセントリック性を有する光学系は、前記画像取得部において前記容器と前記基準色表示部とを含む範囲の画像を取得できる位置に配置されており、その光学的な中心位置は、前記容器側にずれた位置に配置されている、請求項7に記載のpH判定装置。

請求項9

容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理によって判定するpH判定方法であって、前記容器を上方から撮影して、前記測定対象物の部分を含む画像を取得する取得ステップと、前記画像に前記容器とともに含まれるように前記容器の近傍に配置されており、前記測定対象物のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す基準色表示部に含まれる各色ごとに対応する基準pH値を記憶する記憶ステップと、前記基準pH値と、前記画像に基づいて算出された前記基準色表示部の各色の測定pH値との差から補正値を求める補正値算出ステップと、前記補正値を用いて前記測定pH値を補正する補正ステップと、を備えているpH判定方法。

請求項10

前記補正値算出ステップでは、基準となる前記画像取得部によって取得された画像を用いて算出された前記基準色表示部の各色の測定pH値と、装置ごとの測定pH値との差から補正値を求める、請求項9に記載のpH判定方法。

請求項11

前記補正値算出ステップでは、起動時ごとあるいは所定時間経過ごとに、前記補正値を更新し、前記補正ステップでは、更新後の前記補正値を用いて、前記測定pH値を補正する、請求項9に記載のpH判定方法。

請求項12

前記容器は、前記基準色表示部の特定の色に対応する色表示部を有しており、前記補正値算出ステップでは、基準となる前記容器の前記色表示部の色に対応する測定pH値と、容器ごとの前記色表示部の色の測定pH値との差から補正値を求める、請求項9に記載のpH判定方法。

請求項13

前記容器は、細胞を含む測定対象物が入れられる複数の凹部を有し、前記基準色表示部は、前記容器の複数の凹部が配列された間隔に対応するピッチで、各色が配置されており、前記補正値算出ステップでは、前記基準色表示部と前記容器とを含む画像を用いて、同じピッチで測定箇所を検出しながらpH判定を行う、請求項9から12のいずれか1項に記載のpH判定方法。

請求項14

前記制御部は、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を用いて前記測定pH値を補正する、請求項10から12のいずれか1項に記載のpH判定方法。

請求項15

容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理によって判定するpH判定方法をコンピュータに実行させるpH判定プログラムであって、前記容器を上方から撮影して、前記測定対象物の部分を含む画像を取得する取得ステップと、前記画像に前記容器とともに含まれるように前記容器の近傍に配置されており、前記測定対象物のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す基準色表示部に含まれる各色ごとに対応する基準pH値を記憶する記憶ステップと、前記基準pH値と、前記画像に基づいて算出された前記基準色表示部の各色の測定pH値との差から補正値を求める補正値算出ステップと、前記補正値を用いて前記測定pH値を補正する補正ステップと、を備えたpH判定方法をコンピュータに実行させるpH判定プログラム。

請求項16

前記補正値算出ステップでは、基準となる前記画像取得部によって取得された画像を用いて算出された前記基準色表示部の各色の測定pH値と、装置ごとの測定pH値との差から補正値を求める、請求項15に記載のpH判定プログラム。

請求項17

前記補正値算出ステップでは、起動時ごとあるいは所定時間経過ごとに、前記補正値を更新し、前記補正ステップでは、更新後の前記補正値を用いて、前記測定pH値を補正する、請求項15または16に記載のpH判定プログラム。

請求項18

前記容器は、前記基準色表示部の特定の色に対応する色表示部を有しており、前記補正値算出ステップでは、基準となる前記容器の前記色表示部の色に対応する測定pH値と、容器ごとの前記色表示部の色の測定pH値との差から補正値を求める、請求項15に記載のpH判定プログラム。

請求項19

前記容器は、細胞を含む測定対象物が入れられる複数の凹部を有し、前記基準色表示部は、前記容器の複数の凹部が配列された間隔に対応するピッチで、各色が配置されており、前記補正値算出ステップでは、前記基準色表示部と前記容器とを含む画像を用いて、同じピッチで測定箇所を検出しながらpH判定を行う、請求項15から18のいずれか1項に記載のpH判定プログラム。

請求項20

前記制御部は、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を用いて前記測定pH値を補正する、請求項16から18のいずれか1項に記載のpH判定プログラム。

技術分野

0001

本発明は、容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpH、例えば、培養された細胞を含む培地のpHを測定するためのpH判定装置、pH判定方法およびpH判定プログラムに関する。

背景技術

0002

従来より、細胞培養の分野において、細胞が入れられた培地のpHを測定することで、培養容器に入れられた細胞の培養が進行しているか否かを観察する方法が用いられている。
培地のpH測定は、元来、接触式のpHセンサを用いて1箇所ずつ測定されていたが、近年では、培養容器の細胞保持用の凹部(ウェル)の数が増大していることから、作業効率の向上を図るために、センサ等を用いることなく、細胞を含む培地のpHの測定を行うことが可能な測定装置が要求されている。

0003

このようなpH測定装置では、測定対象となる細胞を含む培地にpH指示薬(例えば、フェノールレッドメチルオレンジフェノールフタレインリトマス等)を添加し、pH指示薬の色の変化を検出し、予め記憶されたpH値色相との関係を示すテーブルを参照することで、pH測定を実施することができる。
例えば、特許文献1には、非接触で測定対象物のpHを計測し、カラー画像化して表示するpH分布変化の表示方法について開示されている。

先行技術

0004

特開2001−343328号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記従来の方法では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたpH分布変化の表示方法では、カラー画像を取得する際に用いられるカメラ光源光学部品等に起因するばらつきが生じた場合には、検出される色にもバラつきが生じ、測定精度が低下してしまうおそれがある。
また、環境温度の変化や経時的な劣化等によって、カメラや光源、光学部品等の変化に起因する測定精度の低下を招くおそれもある。

0006

さらに、細胞が入れられる培養容器について、材質が変更になったり、製造ロットや製造された日時等に差があったりすると、同じ品番であっても、光の透過量や反射量に差が生じる場合がある。この場合には、カメラによって取得されるカラー画像にも影響が及び、測定精度の低下を招来するおそれがある。
本発明の課題は、装置ごと、経時的変化、培養容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することが可能なpH判定装置、pH判定方法およびpH判定プログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

第1の発明に係るpH判定装置は、容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理によって判定するpH判定装置であって、画像取得部と、基準色表示部と、記憶部と、制御部と、を備えている。画像取得部は、容器を上方から撮影して、測定対象物の部分を含む画像を取得する。基準色表示部は、画像取得部によって取得される画像に容器とともに含まれるように容器の近傍に配置されており、測定対象物のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す。記憶部は、基準色表示部に含まれる各色ごとに対応する基準pH値を記憶する。制御部は、記憶部に記憶された基準pH値と、画像取得部において取得された画像に基づいて算出された基準色表示部の各色の測定pH値との差から補正値を求め、補正値を用いて測定pH値を補正する。

0008

ここでは、容器に入れられた細胞の生育状態に応じて変化する測定対象物のpHを、容器と基準色表示部とを含むように取得される画像の画像処理によって判定するpH判定装置において、予め記憶部に記憶された基準色表示部に示される複数の色に対応するpH値と、画像処理によって算出された測定pH値との差を求める。そして、この差に基づいて、測定pH値を補正するための補正値を算出し、測定補正値の補正を行う。

0009

ここで、上記細胞が入れられた測定対象物には、例えば、フェノールレッド、メチルオレンジ、フェノールフタレイン、リトマス等のpH指示薬が添加され、色の変化を画像処理によって判定することで、変化後の各色に対応するpH値を算出することができる。また、上記基準色表示部は、容器が載置される位置に隣接する位置に設けられており、測定対象物の段階的なpHの変化に応じて、例えば、4色から8色程度の異なる色の部分が示されている。そして、記憶部には、基準色表示部の各色に対応するpH値が対応付けられて記憶されている。

0010

これにより、容器を上方から撮影した画像中には、容器とともに、基準色表示部が写り込んでいるため、所望のタイミングで、基準色表示部の各色に対応するpH値を画像処理によって算出することができる。そして、この測定pH値を、予め記憶されている各色に対応するpH値と比較して差が生じている場合には、その差を解消するための補正値を求めることで、常に、測定pH値を補正して精度の高いpH測定が可能になる。

0011

この結果、装置ごと、経時的変化、容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することができる。
第2の発明に係るpH判定装置は、第1の発明に係るpH判定装置であって、制御部は、基準となる画像取得部によって取得された画像を用いて算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、装置ごとの測定pH値との差から補正値を求め、補正値を用いて、装置ごとの測定pH値を補正する。

0012

ここでは、装置の出荷時等に、基準となるマスタ装置の画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、他の装置の画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求めて、各装置の測定pH値を補正する。
これにより、装置側の構成(例えば、画像取得部(カメラ等)、光源等)の個体差に起因するバラつきを解消して、装置ごとの測定精度を向上させることができる。

0013

第3の発明に係るpH判定装置は、第1の発明に係るpH判定装置であって、制御部は、起動時ごとあるいは所定時間経過ごとに、補正値を更新し、更新後の補正値を用いて、測定pH値を補正する。
ここでは、装置が起動されるたび、あるいは所定時間経過ごとに、自動的に、画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、予め記憶された基準色表示部の各色のpH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求めて、測定pH値を補正する。

0014

これにより、装置の各構成の経時的変化や環境温度の変化等に起因するバラつきを解消して、測定精度を向上させることができる。
第4の発明に係るpH判定装置は、第1の発明に係るpH判定装置であって、容器は、基準色表示部の特定の色に対応する色表示部を有している。制御部は、基準となる容器の色表示部の色に対応する測定pH値と、容器ごとの色表示部の色の測定pH値との差から補正値を求め、補正値を用いて容器ごとに測定pH値を補正する。

0015

ここでは、容器の一部に、基準色表示部と同様に、所定のpH値に対応する色を表示する色表示部を設けている。そして、容器を含む画像を取得した際に、色表示部に表示された色に対応する測定pH値を算出し、予め記憶されたpH値と比較して差がある場合にはその差を解消する補正を行う。
ここで、上記色表示部とは、例えば、容器の角部分等に設けられており、基準色表示部に示された所定の位置と同じ色を示す部分であって、容器が変わっても常に一定の色を示すものである。

0016

これにより、例えば、同じ品番であっても、材質や厚み、形状等が一部変更になったことにより、画像取得された容器に保持された測定対象物の色に影響を及ぼす場合でも、容器に起因する測定のバラつきを解消することができる。よって、意図せずに、容器のマイナーチェンジがあった場合でも、測定精度が悪化することを防止することができる。
第5の発明に係るpH判定装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係るpH判定装置であって、容器は、細胞を含む測定対象物が入れられる複数の凹部を有している。基準色表示部は、容器の複数の凹部が配列された間隔に対応するピッチで、各色が配置されている。

0017

ここでは、容器が、例えば、ウェルプレート等のように細胞を入れる凹部(ウェル)が多数配列されている場合には、基準色表示部に含まれる各基準色の配列を、凹部の配列ピッチと一致するように配置している。
これにより、容器と基準色表示部とが含まれる画像を画像処理する際には、pH測定時に容器の各凹部の部分を測定するピッチと同じピッチで、基準色表示部の測定も実施することができる。よって、制御部における画像処理をできるだけ簡素化して、効率よくpH測定を実施することができる。

0018

第6の発明に係るpH判定装置は、第2から第4の発明のいずれか1つに係るpH判定装置であって、制御部は、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を用いて測定pH値を補正する。
ここでは、L*C*h表色系の色相を表すhの値を用いて、上述した測定pH値の補正を行う。

0019

これにより、輝度等の他の要因によって測定精度が低下することを防止して、より正確なpH測定を実施することができる。
第7の発明に係るpH判定装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係るpH判定装置であって、容器の下方に配置されており容器に対して光を照射する光源部と、容器と画像取得部との間に配置されたテレセントリック性を有する光学系と、をさらに備えている。

0020

ここでは、pH判定装置において、下から、光源部、容器、テレセントリック性を有する光学系、画像取得部の順に配置されている。
ここで、テレセントリック性を有する光学系には、例えば、フレネルレンズ等が含まれる。また、光源部には、例えば、白色LED等が含まれる。
これにより、例えば、容器の下から白色光を照射した状態で、容器の上面側に配置されたフレネルレンズによって、カメラ等の画像取得部に真上から見た容器の画像を取得させることができる。

0021

よって、容器の測定対象物のpH値の変化をより正確に判定することができる。
第8の発明に係るpH判定装置は、第7の発明に係るpH判定装置であって、テレセントリック性を有する光学系は、画像取得部において容器と基準色表示部とを含む範囲の画像を取得できる位置に配置されており、その光学的な中心位置は、容器側にずれた位置に配置されている。

0022

ここでは、フレネルレンズ等のテレセントリック性を有する光学系の光学的な中心位置が、容器と基準色表示部とを含む範囲の中心から容器側にずれた位置に配置されている。
これにより、画像取得部において、基準色表示部と比較して、測定精度に影響を及ぼす可能性がある容器側の歪みをできるだけ小さくした画像を取得することができる。よって、取得された画像に基づいて、容器に保持された測定対象物のpH値をより正確に判定することができる。

0023

第9の発明に係るpH判定方法は、容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理によって判定するpH判定方法であって、取得ステップと、記憶ステップと、補正値算出ステップと、補正ステップと、を備えている。取得ステップは、容器を上方から撮影して、測定対象物の部分を含む画像を取得する。記憶ステップは、画像に容器とともに含まれるように容器の近傍に配置されており、測定対象物のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す基準色表示部に含まれる各色ごとに対応する基準pH値を記憶する。補正値算出ステップは、基準pH値と、画像に基づいて算出された基準色表示部の各色の測定pH値との差から補正値を求める。補正ステップは、補正値を用いて測定pH値を補正する。

0024

ここでは、容器に入れられた細胞の生育状態に応じて変化する測定対象物のpHを、容器と基準色表示部とを含むように取得される画像の画像処理によって判定するpH判定装置において、予め記憶された基準色表示部に示される複数の色に対応するpH値と、画像処理によって算出された測定pH値との差を求める。そして、この差に基づいて、測定pH値を補正するための補正値を算出し、測定補正値の補正を行う。

0025

ここで、上記細胞が入れられた測定対象物には、例えば、フェノールレッド、メチルオレンジ、フェノールフタレイン、リトマス等のpH指示薬が添加され、色の変化を画像処理によって判定することで、変化後の各色に対応するpH値を算出することができる。また、上記基準色表示部は、容器が載置される位置に隣接する位置に設けられており、測定対象物の段階的なpHの変化に応じて、例えば、4色から8色程度の異なる色の部分が示されている。そして、基準色表示部の各色に対応するpH値が対応付けられて予め記憶されている。

0026

これにより、容器を上方から撮影した画像中には、容器とともに、基準色表示部が写り込んでいるため、所望のタイミングで、基準色表示部の各色に対応するpH値を画像処理によって算出することができる。そして、この測定pH値を、予め記憶されている各色に対応するpH値と比較して差が生じている場合には、その差を解消するための補正値を求めることで、常に、測定pH値を補正して精度の高いpH測定が可能になる。

0027

この結果、装置ごと、経時的変化、容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することができる。
第10の発明に係るpH判定方法は、第9の発明に係るpH判定方法であって、補正値算出ステップでは、基準となる画像取得部によって取得された画像を用いて算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、装置ごとの測定pH値との差から補正値を求める。

0028

ここでは、装置の出荷時等に、基準となるマスタ装置の画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、他の装置の画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求めて、各装置の測定pH値を補正する。
これにより、装置側の構成(例えば、画像取得部(カメラ等)、光源等)の個体差に起因するバラつきを解消して、装置ごとの測定精度を向上させることができる。

0029

第11の発明に係るpH判定方法は、第9の発明に係るpH判定方法であって、補正値算出ステップでは、起動時ごとあるいは所定時間経過ごとに、補正値を更新する。補正ステップでは、更新後の補正値を用いて、測定pH値を補正する。
ここでは、装置が起動されるたび、あるいは所定時間経過ごとに、自動的に、画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、予め記憶された基準色表示部の各色のpH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求めて、測定pH値を補正する。

0030

これにより、装置の各構成の経時的変化や環境温度の変化等に起因するバラつきを解消して、測定精度を向上させることができる。
第12の発明に係るpH判定方法は、第9の発明に係るpH判定方法であって、容器は、基準色表示部の特定の色に対応する色表示部を有している。補正値算出ステップでは、基準となる容器の色表示部の色に対応する測定pH値と、容器ごとの色表示部の色の測定pH値との差から補正値を求める。

0031

ここでは、容器の一部に、基準色表示部と同様に、所定のpH値に対応する色を表示する色表示部を設けている。そして、容器を含む画像を取得した際に、色表示部に表示された色に対応する測定pH値を算出し、予め記憶されたpH値と比較して差がある場合にはその差を解消する補正を行う。
ここで、上記色表示部とは、例えば、容器の角部分等に設けられており、基準色表示部に示された所定の位置と同じ色を示す部分であって、容器が変わっても常に一定の色を示すものである。

0032

これにより、例えば、同じ品番であっても、材質や厚み、形状等が一部変更になったことにより、画像取得された容器に保持された測定対象物の色に影響を及ぼす場合でも、容器に起因する測定のバラつきを解消することができる。よって、意図せずに、容器のマイナーチェンジがあった場合でも、測定精度が悪化することを防止することができる。
第13の発明に係るpH判定方法は、第9から第12の発明のいずれか1つに係るpH判定方法であって、容器は、細胞を含む測定対象物が入れられる複数の凹部を有し、基準色表示部は、容器の複数の凹部が配列された間隔に対応するピッチで、各色が配置されている。補正値算出ステップでは、基準色表示部と容器とを含む画像を用いて、同じピッチで測定箇所を検出しながらpH判定を行う。

0033

ここでは、容器が、例えば、ウェルプレート等のように細胞を入れる凹部(ウェル)が多数配列されている場合には、基準色表示部に含まれる各基準色の配列を、凹部の配列ピッチと一致するように配置している。
これにより、容器と基準色表示部とが含まれる画像を画像処理する際には、pH測定時に容器の各凹部の部分を測定するピッチと同じピッチで、基準色表示部の測定も実施することができる。よって、制御部における画像処理をできるだけ簡素化して、効率よくpH測定を実施することができる。

0034

第14の発明に係るpH判定方法は、第10から第12の発明に係るpH判定方法であって、制御部は、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を用いて測定pH値を補正する。
ここでは、L*C*h表色系の色相を表すhの値を用いて、上述した測定pH値の補正を行う。

0035

これにより、輝度等の他の要因によって測定精度が低下することを防止して、より正確なpH測定を実施することができる。
第15の発明に係るpH判定プログラムは、容器内のpH指示薬が付加された測定対象物のpHを画像処理によって判定するpH判定方法をコンピュータに実行させるpH判定プログラムであって、取得ステップと、記憶ステップと、補正値算出ステップと、補正ステップと、を備えたpH判定方法をコンピュータに実行させる。取得ステップは、容器を上方から撮影して、測定対象物の部分を含む画像を取得する。記憶ステップは、画像に容器とともに含まれるように容器の近傍に配置されており、測定対象物のpHによって変化する色の基準となる複数の色を示す基準色表示部に含まれる各色ごとに対応する基準pH値を記憶する。補正値算出ステップは、基準pH値と、画像に基づいて算出された基準色表示部の各色の測定pH値との差から補正値を求める。補正ステップは、補正値を用いて測定pH値を補正する。

0036

ここでは、容器に入れられた細胞の生育状態に応じて変化する測定対象物のpHを、容器と基準色表示部とを含むように取得される画像の画像処理によって判定するpH判定装置において、予め記憶された基準色表示部に示される複数の色に対応するpH値と、画像処理によって算出された測定pH値との差を求める。そして、この差に基づいて、測定pH値を補正するための補正値を算出し、測定補正値の補正を行う。

0037

ここで、上記細胞が入れられた測定対象物には、例えば、フェノールレッド、メチルオレンジ、フェノールフタレイン、リトマス等のpH指示薬が添加され、色の変化を画像処理によって判定することで、変化後の各色に対応するpH値を算出することができる。また、上記基準色表示部は、容器が載置される位置に隣接する位置に設けられており、測定対象物の段階的なpHの変化に応じて、例えば、4色から8色程度の異なる色の部分が示されている。そして、基準色表示部の各色に対応するpH値が対応付けられて予め記憶されている。

0038

これにより、容器を上方から撮影した画像中には、容器とともに、基準色表示部が写り込んでいるため、所望のタイミングで、基準色表示部の各色に対応するpH値を画像処理によって算出することができる。そして、この測定pH値を、予め記憶されている各色に対応するpH値と比較して差が生じている場合には、その差を解消するための補正値を求めることで、常に、測定pH値を補正して精度の高いpH測定が可能になる。

0039

この結果、装置ごと、経時的変化、容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することができる。
第16の発明に係るpH判定プログラムは、第15の発明に係るpH判定プログラムであって、補正値算出ステップでは、基準となる画像取得部によって取得された画像を用いて算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、装置ごとの測定pH値との差から補正値を求める。

0040

ここでは、装置の出荷時等に、基準となるマスタ装置の画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、他の装置の画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求めて、各装置の測定pH値を補正する。
これにより、装置側の構成(例えば、画像取得部(カメラ等)、光源等)の個体差に起因するバラつきを解消して、装置ごとの測定精度を向上させることができる。

0041

第17の発明に係るpH判定プログラムは、第15または第16の発明に係るpH判定プログラムであって、補正値算出ステップでは、起動時ごとあるいは所定時間経過ごとに、補正値を更新する。補正ステップでは、更新後の補正値を用いて、測定pH値を補正する。
ここでは、装置が起動されるたび、あるいは所定時間経過ごとに、自動的に、画像取得部(カメラ等)によって算出された基準色表示部の各色の測定pH値と、予め記憶された基準色表示部の各色のpH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求めて、測定pH値を補正する。

0042

これにより、装置の各構成の経時的変化や環境温度の変化等に起因するバラつきを解消して、測定精度を向上させることができる。
第18の発明に係るpH判定プログラムは、第15の発明に係るpH判定プログラムであって、容器は、基準色表示部の特定の色に対応する色表示部を有している。補正値算出ステップでは、基準となる容器の色表示部の色に対応する測定pH値と、容器ごとの色表示部の色の測定pH値との差から補正値を求める。

0043

ここでは、容器の一部に、基準色表示部と同様に、所定のpH値に対応する色を表示する色表示部を設けている。そして、容器を含む画像を取得した際に、色表示部に表示された色に対応する測定pH値を算出し、予め記憶されたpH値と比較して差がある場合にはその差を解消する補正を行う。
ここで、上記色表示部とは、例えば、容器の角部分等に設けられており、基準色表示部に示された所定の位置と同じ色を示す部分であって、容器が変わっても常に一定の色を示すものである。

0044

これにより、例えば、同じ品番であっても、材質や厚み、形状等が一部変更になったことにより、画像取得された容器に保持された測定対象物の色に影響を及ぼす場合でも、容器に起因する測定のバラつきを解消することができる。よって、意図せずに、容器のマイナーチェンジがあった場合でも、測定精度が悪化することを防止することができる。
第19の発明に係るpH判定プログラムは、第15から第18の発明のいずれか1つに係るpH判定プログラムであって、容器は、細胞を含む測定対象物が入れられる複数の凹部を有し、基準色表示部は、容器の複数の凹部が配列された間隔に対応するピッチで、各色が配置されている。補正値算出ステップでは、基準色表示部と容器とを含む画像を用いて、同じピッチで測定箇所を検出しながらpH判定を行う。

0045

ここでは、容器が、例えば、ウェルプレート等のように細胞を入れる凹部(ウェル)が多数配列されている場合には、基準色表示部に含まれる各基準色の配列を、凹部の配列ピッチと一致するように配置している。
これにより、容器と基準色表示部とが含まれる画像を画像処理する際には、pH測定時に容器の各凹部の部分を測定するピッチと同じピッチで、基準色表示部の測定も実施することができる。よって、制御部における画像処理をできるだけ簡素化して、効率よくpH測定を実施することができる。

0046

第20の発明に係るpH判定プログラムは、第16から第18の発明に係るpH判定プログラムであって、制御部は、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を用いて測定pH値を補正する。
ここでは、L*C*h表色系の色相を表すhの値を用いて、上述した測定pH値の補正を行う。

0047

これにより、輝度等の他の要因によって測定精度が低下することを防止して、より正確なpH測定を実施することができる。

発明の効果

0048

本発明に係るpH判定装置によれば、装置ごと、経時的変化、培養容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することができる。

図面の簡単な説明

0049

本発明の一実施形態に係るpH判定装置の構成を示す正面図。
図1のpH判定装置の主要構成を筐体部から取り出した状態を示す斜視図。
図2のpH判定装置の正面図。
図2のpH判定装置の平面図。
図1のpH判定装置にセットされた培養容器(ウェルプレート)とマスタチャートとの位置関係を示す図。
(a),(b)は、図1のpH判定装置に含まれるフレネルレンズの構成を示す平面図、側面図。
図1のpH判定装置で用いられる培養容器(ウェルプレート)の構成を示す平面図。
(a)〜(c)は、図1のpH判定装置によって、例えば、装置の出荷時等に、pH判定装置ごとの個体差を補正する工程を示す図。
(a),(b)は、図1のpH判定装置によって、経時的変化(環境温度)に伴うマスタチャートの測定pH値の誤差を補正する工程を示す図。
(a),(b)は、図1のpH判定装置によって、培養容器(ウェルプレート)の個体差に起因する誤差を補正する工程を示す図。
図1のpH判定装置によるpH判定方法の処理の流れを示すフローチャート。
(a)〜(e)は、本発明の他の実施形態に係るpH判定装置にセットされた培養容器(ウェルプレート)とマスタチャートとの位置関係を示す図。

実施例

0050

本発明の一実施形態に係るpH判定装置10について、図1図11を用いて説明すれば以下の通りである。
(pH判定装置10の構成)
本実施形態に係るpH判定装置10は、ウェルプレート(培養容器)20(図7参照)に入れられた細胞C(図7参照)の生育状態に応じて変化する培地のpH変化を培地の色の変化として画像処理によって検出する装置であって、図1および図2に示すように、筐体部11と、取付台12と、光源部13と、容器載置部14と、マスタチャート15と、フレネルレンズ16(テレセントリック性を有する光学系)と、カメラ(画像取得部)17と、制御部18(図4参照)と、記憶部19(図4参照)と、を備えている。

0051

(筐体部11)
筐体部11は、箱型形状の前面側に図示しない観音開きの2枚の扉(double doors)を有しており、2枚の扉を閉じることで、内部に暗室を形成する。また、筐体部11は、図1および図2に示すように、内部に、取付台12、光源部13、容器載置部14、マスタチャート15、フレネルレンズ16、カメラ17等の主要構成を格納する。

0052

本実施形態では、pHの測定を行う主要部を筐体部11の中に収納した状態で、pHの測定を実施する。これにより、周囲光の影響を受けることなくpH測定を実施することができるとともに、光源部13の電力省電力化することができる。さらに、暗箱内においてpH測定を実施することで、風の影響によって温度やCO2濃度が変化してしまうことを抑制することができる。

0053

なお、本実施形態のように、pH判定装置10の主要な構成を暗箱内に設置し、電源装置USBハブ等を筐体部11の下に配置した場合には、電源装置等を冷却するための冷却風がウェルプレート20の方向へ流れていかないように配置を工夫すればよい。
本実施形態では、筐体部11内に形成される暗室において、光源部13から照射される光を用いてウェルプレート20に保持された細胞Cを含む培地のpHの変化を検出することで、周囲の光の影響を受けることなく、精度の高いpH判定を実施することができる。

0054

(取付台12)
取付台12は、図2および図3に示すように、光源部13、容器載置部14、マスタチャート15、カメラ17等を取り付ける台であって、基台部12a、支持部12b、2本の支柱12c,12c、カメラ取付部12dを有している。
基台部12aは、pH判定装置10が設置される設置面上に載置され、pH判定装置10の基台部分を形成する平板状の部材であって、内部に、光源部13が配置されている。また、基台部12aにおける光源部13が配置された部分の上には、マスタチャート15とウェルプレート20とが載置される。

0055

支持部12bは、基台部12aの上面の上方に、所定の隙間を介して取り付けられた平板状の部材であって、マスタチャート15およびウェルプレート20に対向する部分に形成された貫通穴に、フレネルレンズ16が設置されている。
2本の支柱12c,12cは、図2および図4に示すように、基台部12aにおけるウェルプレート20が導入される正面側とは反対側に、略鉛直方向に沿って立設されている。また、2本の支柱12c,12cは、上端部にカメラ17が取り付けられるカメラ取付部12dが固定されている。

0056

なお、ウェルプレート20が導入される方向は、筐体11の正面だけでなく、側面からであってもよい。
カメラ取付部12dは、図2および図4に示すように、平面視において、略T字型の部材であって、2本の支柱12c,12cの上端部によって支持されている。また、カメラ取付部12dにおける略T字型の先端部分には、マスタチャート15およびウェルプレート20の方向に向かって配置されたカメラ17が取り付けられている。

0057

(光源部13)
光源部13は、白色LEDによって構成されており、基台部12aから上方に配置されたマスタチャート15およびウェルプレート20に向かって光を照射する。
なお、光源部13としては、ハロゲンランプ等の他の光源を用いてもよい。ただし、例えば、光源としてハロゲンランプを用いた場合には、発熱によって環境温度が上昇し、筐体部11内の温度も上昇してしまう。この場合、ウェルプレート20の各ウェル20aに入れられた細胞が高温環境下において死滅してしまうおそれがある。

0058

よって、光源部としては、本実施形態のように、発熱量の小さいLEDを用いることが好ましい。
(容器載置部14)
容器載置部14は、基台部12a上に設置された貫通穴を有する平板状の部材
であって、この貫通部分にウェルプレート20が載置される。容器載置部14の貫通部分は、ウェルプレート20の大きさに合わせて形成されている。

0059

これにより、容器載置部14にウェルプレート20が載置されると、ウェルプレート20は基台部12aにおける所定の場所へ位置合わせされた状態で載置される。よって、容器載置部14に隣接する位置に配置されたマスタチャート15に対するウェルプレート20の位置合わせも同時に行うことができる。
(マスタチャート15)
マスタチャート15は、図4および図5に示すように、基台部12aにおける容器載置部14の奥側(正面とは反対側)に隣接配置されている。また、マスタチャート15は、pH判定を実施する際の基準として、例えば、8段階で変化する色見15a〜15hを含むように構成されている。

0060

8色の色見15a〜15hは、接触式のpHセンサ等を用いて実際に測定された各色相に対応するpH値が、後述する記憶部19に記憶されており、色相(h値)からpH値に換算された値が0.05ずつ変化していくように設定されている。具体的には、色見15aが6.85、色見15bが6.90、色見15cが6.95、色見15dが7.00、色見15eが7.04、色見15fが7.09、色見15gが7.12、色見15hが7.15のpH値と対応する色に設定されている(図8(b)等参照)。

0061

また、マスタチャート15の8色の各色見15a〜15hは、間隔d1の同じピッチで配置されている。この間隔d1は、ウェルプレート20の各ウェル20aの間隔と同じになるように設定されている。
なお、マスタチャート15の8色の各色見15a〜15hに対応するpH値は、予め記憶部19に記憶された各色見15a〜15hに相当する色相とpH値との対応関係を示すテーブルに基づいて算出される。なお、この対応関係は、まず様々なpH値を有する溶液を準備し(例えば、培地に希釈液を加えて任意のpH値溶液にする。)、それに発色のためのpH指示薬(例えば、フェノールレッド)を添加する。次に、それらのpH値を市販のpHメータで測定すると同時に、その発色を撮影することで、色相とpH値との対応関係を決めることができる。

0062

さらに、マスタチャート15は、後述するカメラ17によってウェルプレート20を含む画像を取得する際に、ウェルプレート20とともに画像内に含まれるように、ウェルプレート20の奥側に、その中央部と端部に位置するウェルの中央部との距離が、各ウェルのピッチである距離d2の3倍の距離だけ離れた位置に近接配置されている。
以上のように、本実施形態のpH判定装置10では、マスタチャート15の配置間隔が、横方向、縦方向ともに、ウェルプレート20の各ウェル20aの間隔d1,d2を基準にして設定されている。これにより、制御部18において画像処理を行う際には、ウェルプレート20の各ウェル20aやマスタチャート15の各色見15a〜15hの部分を、同じ間隔で測定することができる。この結果、制御部18による画像処理時の処理を簡素化することができるため、処理負担を軽減することができる。

0063

ただし、後述するように、ウェルプレートのウェル数が増えた場合は、色見の種類は一定数あればよいため、各色見と各ウェルを1対1に対向させること以外の方法を取ることができる。
(フレネルレンズ16)
フレネルレンズ16は、図2および図3に示すように、上下方向において、基台部12a上に載置されたウェルプレート20とカメラ17との間に配置されており、テレセントリック性を有するレンズであって、結像するカメラ17の位置において光軸主光線とが平行とみなせる特性を有している。

0064

通常、視差によってカメラの光軸から距離が離れた位置にあるウェルほど、ウェルの側面部分の観察しかできず、肝心の中央部分が見えないことになるが、本実施形態のpH判定装置10では、フレネルレンズ16の特性を利用して、ウェルプレート20の各ウェル20aを真上から見たような画像をカメラ17において取得することができる。
また、フレネルレンズ16は、図6(a)および図6(b)に示すように、表面に複数の凹凸が形成されており、凹凸のない面から焦点距離だけ離れた位置に結像する。

0065

本実施形態では、フレネルレンズ16は、光源部13からウェルプレート20やマスタチャート15に対して上向きに照射された光を取り込んで、焦点距離だけ離れた位置に設置されたカメラ17のレンズの位置に結像させる。
さらに、本実施形態では、フレネルレンズ16は、光学的な中心Xがマスタチャート15とウェルプレート20とを含む範囲の寸法的な中心Oから、ウェルプレート20寄りにずれた位置に配置されている(フレネルレンズは略平板状のレンズであるため、そのように切り出すことが可能。)。

0066

なお、フレネルレンズ16の光学的な中心Xは、ウェルプレート20の中心に一致させることが望ましい。また、図4においては、カメラ17の光学的な中心Lは、フレネルレンズ16の寸法的な中心Oと光学的な中心Xの間に位置しているが、ウェルプレートの測定の観点からはカメラ17の光学的な中心Lはフレネルレンズ16の光学的な中心Xと一致することが望ましい。

0067

これにより、ウェルプレート20の各ウェル20aを真上から見て歪みのない画像を取得することができる。一方、フレネルレンズ16の光学的な中心Xが離れたマスタチャート15については、各色見15a〜15hの測定部位は縦長に形成されているため、多少の歪みが生じても測定にはほとんど影響はない。
(カメラ17)
カメラ17は、カラー画像を取得可能な撮像装置であって、図2から図4に示すように、上述した取付台12のカメラ取付部12dによって支持された状態で、フレネルレンズ16の上方に固定されている。

0068

また、カメラ17は、フレネルレンズ16を介して、マスタチャート15とウェルプレート20とを含む範囲を撮影可能になるように、フレネルレンズ16の上面から所定の距離だけ離れた位置に配置されている。
さらに、カメラ17は、取得したカラー画像を制御部18へと送る。
(制御部18)
制御部18は、カメラ17によって取得されたカラー画像に含まれるpH測定部位(ウェル20aおよび色見15a〜15h部分)を画像処理し、各pH測定部位の色相を数値化する。その後、制御部18は、予め記憶部19に記憶されている記憶された色相とpH値との関係を示すテーブルに基づいて、各測定部位の色相に対応するpH値を算出する。

0069

これにより、細胞Cの生育状態に応じて変化する培地のpH値を、pH指示薬(フェノールレッド)を含む培地の色相の変化によって検出することができる。
具体的には、例えば、細胞Cの生育状態が良好な場合には、培地はある範囲内で酸性側に変化する。一方、細胞Cの生育状態が芳しくない場合には、培地は酸性側に変化することなく、多くの場合、pH値の変化はない、または少ない。

0070

よって、pH判定装置10は、pH測定部位の色相を数値化し、記憶部19に格納されたテーブルを参照して、色相の数値と対応するpH値を求めることで、ウェルプレート20の各ウェル20aにおける細胞Cの生育状態を判定することができる。この結果、pH値が低くなっている場合、つまり培地が酸性化している場合には、そのウェル20aの細胞Cを他のウェル20aに分注し、再び、インキュベータ内培養空間に置くことで、細胞Cの培養を促進させることができる。

0071

一方、pH測定の結果、pH値が低くなっていない、つまり培地が酸性化していない場合には、そのウェル20aの細胞Cの生育が進んでいないことを意味している。よって、この場合には、細胞Cの生育が進まない原因として考えられる要因を排除するために、培地の交換等の作業を実施することができる。この結果、細胞Cの生育が促進されるように処理を行うことで、全てのウェル20aの細胞Cの生育が進むようにすることができる。

0072

なお、色相とは、その色の色空間における位置または範囲を表すもので、色空間として様々な表色系を使用することができるが、発明者らは本発明の補正には色相値としてL*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値を使用することが最も効果的であることを見い出した。このh値は、L*C*h表色系において、角度として示される。

0073

より具体的には、色相角度h(θ)は、以下の関係式(1)によって得ることができる。
h(θ)=tan-1(b*/a*) ・・・・・(1)
なお、a*、b*は、L*a*b*表色系の色度を示し、L*C*h表色系のC*は、以下の関係式(2)によって求められる。

0074

また、制御部18は、カメラ17から送信されたマスタチャート15とウェルプレート20とを含むカラー画像を受け取って、画像処理を実施し、画像処理によって得られた補正値を用いて測定pH値の補正を行う。
具体的には、制御部18は、カメラ17において取得されたカラー画像に含まれるマスタチャート15の各色見15a〜15hの部分の色相に関する情報をそれぞれ取得し、予め記憶部19に記憶された色相とpH値との関係を示すテーブルに基づいて、各色見15a〜15hに対応するpH値を算出する。

0075

ここで、制御部18は、測定pH値と、予め記憶部19に記憶された各色見15a〜15hに対応する実際のpH値とを比較して、差がある場合には、この差を解消するための補正値を求める。そして、制御部18は、この補正値を記憶部19に記憶させておき、実際にウェルプレート20の各ウェル20aの測定を実施した後、各ウェル20aの測定pH値を補正値によって補正する。

0076

これにより、例えば、経時的変化や環境変化等に起因する測定誤差を補正して、測定精度を向上させることができる。
なお、制御部18による補正処理については、後段にて詳述する。
(記憶部19)
記憶部19は、図4に示すように、制御部18と接続されており、予め、マスタチャート15の各色見15a〜15hに対応する基準pH値に関する情報を格納している。

0077

また、記憶部19は、上述した制御部18において算出された補正値も格納している。
なお、補正値は、例えば、カメラ17や光源部13等に起因する装置ごとの個体差や、経時的変化に起因する測定誤差、ウェルプレート20の材質変化等に起因する測定誤差等を解消するために求められるものであって、新たな補正値に更新されるまで記憶されていればよい。

0078

さらに、記憶部19は、カメラ17によって取得されたカラー画像中に含まれるウェルプレート20の各ウェル20aの色相を示す数値と、段階的に示された各色相に対応するpH値とを関連付けたテーブルを格納している。よって、制御部18は、ウェルプレート20の各ウェル20aの色相を数値化した後、テーブルを参照して、色相を示す数値に対応するpH値を算出する。

0079

(ウェルプレート20)
また、本実施形態のpH判定装置10では、図7に示すように、横8列、縦6行の計48個のウェル(凹部)20aが表面に形成されたウェルプレート20の各ウェル20aにそれぞれ細胞Cおよび培地を入れて細胞の培養を行う。
ウェルプレート20は、図示しないインキュベータ内に形成される高温多湿の培養空間において細胞Cを培養するための培養容器であって、表面に48個のウェル20aが形成されるように、樹脂射出成形によって形成されている。

0080

それぞれのウェル20aには、pH指示薬としてのフェノールレッドを含む培地とともに、細胞Cが入れられる。
また、ウェルプレート20は、図5に示すように、取付台12の基台部12aに形成された容器載置部14の貫通部分に嵌合した状態で載置される。そして、ウェルプレート20は、横方向において間隔d1で各ウェル20aが配置されているとともに、縦方向において間隔d2で各ウェル20aが配置されている。

0081

さらに、上述したように、ウェルプレート20が基台部12aの容器載置部14の貫通部分に載置されると、容器載置部14の近傍に配置されたマスタチャート15に対して位置合わせされる。
これにより、カメラ17において取得されたカラー画像に含まれるpH測定部位(ウェル20aおよび色見15a〜15h部分)を、同じピッチで検出しながら画像処理することで、各pH測定部位の測定pH値を算出することができる。よって、制御部18の処理負荷を軽減して、効率よくpH値の測定および測定pH値の補正を実施することができる。

0082

<pH判定装置10による測定pH値の補正方法
本実施形態のpH判定装置10では、上述した測定pH値を取得した後、制御部18において、以下のように、様々な要因によって生じる測定誤差を解消するための補正を実施する。
装置出荷時の装置個体差に起因する測定誤差の補正)
本実施形態のpH判定装置10では、装置ごとの個体差に起因する測定誤差を解消するために、装置を出荷する前の段階で、装置ごとの測定誤差を解消するための補正値を算出し、各装置の記憶部19内に記憶させる。

0083

ここで、装置ごとの個体差とは、白色LED等の光源部13から照射される光の輝度の差や、カメラ17の感度差、光学系等に起因する個体差が考えられる。このような装置ごとの個体差は、同じ条件で同じpH値になるべきものを測定した場合でも、測定値にバラつきが生じる要因となるため、出荷される前に解消することが望ましい。
本実施形態のpH判定装置10では、まず、図8(a)に示すマスタとなる装置のカメラ17aによって取得されたマスタチャート15に示された各色見15a〜15hに対応する基準pH値を記憶部19に記憶させている。

0084

ここで、記憶部19に記憶されている基準pH値に照合すると、上述したように、色見15aが6.85、色見15bが6.90、色見15cが6.95、色見15dが7.00、色見15eが7.04、色見15fが7.09、色見15gが7.12、色見15hが7.15である。
そして、図8(b)および図8(c)に示すように、補正対象となる別のpH判定装置10のカメラ17bによって、同じ色見15a〜15hを示すマスタチャート15の部分の画像を取得し、画像処理によって各色見部分のpH値を測定する。

0085

このとき、カメラ17bおよびカメラ17cによって取得された画像を画像処理して得られたpH値は、以下のような結果となっている。
つまり、カメラ17bによって取得された画像では、色見15aが6.88、色見15bが6.93、色見15cが6.99、色見15dが7.03、色見15eが7.07、色見15fが7.12、色見15gが7.15、色見15hが7.18である。

0086

また、カメラ17cによって取得された画像では、色見15eが6.97、色見15fが7.01、色見15gが7.09、色見15hが7.12である。
以上の結果から、カメラ17bを搭載したpH判定装置10では、マスタとなるpH判定装置10によって設定された基準pH値よりも0.03ほど高いpH値として算出されていることから、この誤差を解消するための補正値(−0.03)を算出し、記憶部19に保存させる。

0087

一方、カメラ17cを搭載したpH判定装置10では、マスタとなるpH判定装置10によって設定された基準pH値よりも0.03ほど低いpH値として算出されていることから、この誤差を解消するための補正値(+0.03)を算出し、記憶部19に保存させる。
これにより、出荷前の段階において、マスタとなるpH判定装置10によって設定された基準pH値と、各装置によって測定されたマスタチャート15の測定結果とを比較して、誤差がある場合にはこの誤差を解消するための補正値を算出し、各装置の記憶部19に持たせておくことで、装置ごとの個体差に起因する測定誤差を解消することができる。よって、従来よりも測定精度の高いpH判定装置10を得ることができる。

0088

(経時的変化に起因する測定誤差の補正)
本実施形態のpH判定装置10では、装置を繰り返し使用することによる経年劣化等、経時的変化に起因する測定誤差を解消するために、装置の起動時、あるいは所定時間経過ごとに、測定誤差を解消するための補正値を算出し、記憶部19内に記憶させる。
ここで、pH判定装置10における経時的変化としては、電源投入直後から所定時間経過した後の環境温度の上昇や、光源部13や光学系、カメラ17等の部品の経年劣化等が考えられる。

0089

このような経時的変化は、測定誤差の要因となるため、一定の期間ごとに補正によって解消されることが望ましい。
本実施形態のpH判定装置10では、まず、図9(a)に示すように、電源投入直後の環境温度25℃の状態でカメラ17によって取得されたマスタチャート15に示された各色見15a〜15hに対応する基準pH値を記憶部19に記憶させている。

0090

ここで、記憶部19に記憶されている基準pH値は、上記と同様に、色見15aが6.85、色見15bが6.90、色見15cが6.95、色見15dが7.00、色見15eが7.04、色見15fが7.09、色見15gが7.12、色見15hが7.15である。
そして、図9(b)に示すように、所定時間経過後に環境温度40℃となった状態で、カメラ17によって取得されたマスタチャート15に示された各色見15a〜15hに対応する測定pH値は、色見15aが6.82、色見15bが6.87、色見15cが6.93、色見15dが6.97、色見15eが7.01、色見15fが7.06、色見15gが7.09、色見15hが7.12である。

0091

以上の結果から、カメラ17を搭載したpH判定装置10では、予め記憶部19に保存された基準pH値よりも0.03ほど低いpH値として算出されていることから、この誤差を解消するための補正値(+0.03)を算出し、記憶部19に保存させる。
これにより、実際にウェルプレート20をセットして各ウェル20aの部分のpH値を測定した場合には、測定pH値に対して上記補正値(+0.03)を使って補正した結果を、測定pH値として算出することができる。

0092

よって、所定時間経過ごとに補正値を算出して、新たな補正値に更新していくことで、環境温度の変化や部品の経年劣化等を含む経時的変化に起因する測定誤差の発生を解消して、より精度の高い測定を実施することが可能なpH判定装置10を得ることができる。
(培養容器の材質等に起因する測定誤差の補正)
本実施形態のpH判定装置10では、細胞Cが入れられたウェルプレート20の材質等の変化に起因する測定誤差を解消するために、測定誤差を解消するための補正値を算出し、記憶部19内に記憶させる。

0093

ここで、培養容器(ウェルプレート20)ごとの材質等の変化とは、細胞培養の分野において、培養容器としての性能に影響がない場合には、同じ品番であっても材質や形状の一部が変更になっている場合がある。このため、同じ条件で測定を実施している場合でも、光源部13から照射された光の透過具合等、培養容器の個体差に起因する測定誤差が生じるおそれがある。このような培養容器ごとの個体差は、同じ条件で同じpH値になるべきものを測定した場合でも、測定値にバラつきが生じる要因となるため、培養容器のロット番号が変更されるたびに補正値を更新して解消されることが望ましい。

0094

本実施形態のpH判定装置10では、図10(a)に示すように、マスタチャート15とウェルプレート20とを含むようにカメラ17によって画像を取得する。この際、ウェルプレート20の材質等の変化に起因する測定誤差を解消するために、ウェルプレート20のコーナー部分に、マスタチャート(色表示部)20ba,20bbを設けている。
本実施形態では、マスタチャート20ba,20bbは、ともに7.00を基準とする色を示している。なお、ウェルプレート20に付されるマスタチャートは、7.00を基準とするものではなく、他の数値を基準としてもよい。

0095

よって、図10(a)に示すように、ウェルプレート20に付されたマスタチャート20baの部分を画像処理した結果、得られた測定pH値が6.98の場合には、基準となる7.00よりも0.02低い値として算出されているため、この誤差0.02を補正によって解消する必要がある。
一方、図10(b)に示すように、ウェルプレート20に付されたマスタチャート20bbの部分を画像処理した結果、得られた測定pH値が6.95の場合には、基準となる7.00よりも0.05低い値として算出されているため、この誤差0.05を補正によって解消する必要がある。

0096

これにより、ウェルプレート20の各ウェル20aの部分のpH値の測定結果に対して、各上記補正値(+0.02)、(+0.05)を使って補正した結果を、測定pH値として算出することができる。
よって、培養容器の製造ロットが変わるごと、あるいは所定時間経過ごとに補正値を算出して、新たな補正値に更新していくことで、ウェルプレート20等の培養容器の材質の変化等に起因する測定誤差の発生を解消して、より精度の高い測定を実施することが可能なpH判定装置10を得ることができる。

0097

<pH判定装置10による補正の流れ>
ここで、本実施形態のpH判定装置10による測定pH値の補正処理について、上述した経時的変化に起因する測定誤差を解消するための補正処理を実施する際の流れについて、図11に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
すなわち、本実施形態のpH判定装置10では、図11に示すように、ステップS11において、装置を起動すると、補正処理が開始される。

0098

次に、ステップS12において、装置起動後、カメラ17等の準備が出来次第、カメラ17によって、ウェルプレート20とマスタチャート15とを含むように画像を取得する。
次に、ステップS13において、ステップS12において取得された画像中に含まれるマスタチャート15の各色見15a〜15hの部分に対応する基準pH値を記憶しておく。なお、このステップS13は、このフローが開始される前の段階において、予め記憶部19に記憶されていてもよい。

0099

次に、ステップS14において、記憶部19に予め記憶された各色見15a〜15hに対応する基準pH値と、画像処理によって算出された測定pH値とを比較して、差があるか否かを確認する。ここで、差がある場合には、測定誤差があると判断し、この測定誤差を解消するための補正値を算出する。
次に、ステップS15において、実際にウェルプレート20の各ウェル20aに保持された細胞Cを含む培地のpH値を測定し、その測定結果を、ステップS14において算出された補正値を用いて補正する。

0100

これにより、環境温度やカメラ17等の各種部品の経年劣化等、経時的な変化に起因する測定誤差の発生を防止して、より高精度なpH測定が可能なpH判定装置10を提供することができる。
次に、ステップS16において、装置起動、あるいは前回補正処理から所定時間経過したか否かを判定する。ここで、所定時間が経過した場合には、再び、ステップS12〜ステップS15を繰り返すことで、最新の補正値を算出し、これを記憶部19に記憶させることで、常に、測定精度の高い状態を維持することができる。

0101

[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、pH判定装置に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した制御フロー図11参照)に従って実行されるpH判定方法をコンピュータに実行させるpH判定プログラムとして本発明を実施してもよい。
このpH判定プログラムが導入されたPC等によっても、上記pH判定装置10によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。

0102

(B)
上記実施形態では、画像処理によって得られたマスタチャート15の各色見部分の色相をpH値に変換し、pH値を基準にして補正を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、テーブルを用いてpH値に変換する前の、L*(明度)、C*(彩度)、h(色相角度)からなるL*C*h表色系のh値(色相)を用いて測定pH値を補正してもよい。あるいは、h値(色相)以外の要素によって、測定pH値を補正してもよい。

0103

(C)
上記実施形態では、細胞を入れる容器として、複数のウェル(凹部)20aを含むウェルプレート20を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。

0104

例えば、シャーレ等を培養容器として用いてもよい。
ただし、ウェルプレートのように複数のウェルに細胞を入れて細胞の成育状態を確認しながら細胞培養を行うことで、細胞の培養効率を向上させることができるという点では、上述した実施形態のように、複数箇所において細胞培養を行うことが可能な培養容器を用いることがより好ましい。

0105

(D)
上記実施形態では、ウェルプレート20の複数のウェル(凹部)20aの配置間隔(ピッチ)と、マスタチャート15の各色の配置間隔とが、縦方向、横方向ともに同じになるように配置された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、縦方向、横方向のいずれかのピッチが同じになるように配置された構成であってもよい。

0106

(E)
上記実施形態では、ウェル(凹部)20aの数が、8列×6行の計48個のウェルプレート20を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。

0107

例えば、4列×3行の計12個のウェル、40列×90行の計3600個のウェル等、より少ない数、あるいは多い数のウェルを含むウェルプレートを用いてもよい。
例えば、ウェル数が24列×16行の384個の場合で、8種類の色見を使う場合は、図5における横方向にウェルプレートの24列を対応させ、横方向のウェルピッチと同じピッチで色見を作成し、図12(a)に示すように、ウェルプレート32の左から8列に対応させて色見31aを配置してもよい。

0108

または、図12(b)および図12(c)に示すように、左から1つ飛びや2つ飛びに色見31b,31cを配置してもよい。
さらに、図12(d)および図12(e)に示す色見31d,31eのように、その幅をウェルの2ピッチや3ピッチに対応して作成し配置してもよい。
この場合でも、ウェルプレートの上方に配置されたカメラ等で画像を取得することで、ウェルの数に関わらず、効率よくpH判定を実施することができる。

0109

(F)
上記実施形態では、テレセントリック光学系のレンズとして、フレネルレンズを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、フレネルレンズの代わりに、他のテレセントリック性を有する光学系を用いてもよい。

0110

(G)
上記実施形態では、筐体部11の内部に形成される暗室内において、pH判定を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、周囲の明るさに起因する測定誤差を考慮して、明るさが一定の室内において、pH判定を行ってもよい。

0111

(H)
上記実施形態では、基準色表示部として、8色の基準色を示すマスタチャート15を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、マスタチャートが示す基準色の数は、8色に限らず、4色、6色あるいは12色等、8色より少なくても多くてもよい。

0112

(I)
上記実施形態では、pHの変化を色の変化として認識するために、細胞が入れられた培地に添加されるpH指示薬として、フェノールレッドを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、フェノールレッド以外にも、メチルオレンジ、フェノールフタレイン、リトマス等のpH指示薬を用いてもよい。

0113

本発明のpH判定装置は、装置ごと、経時的変化、培養容器の材質等のばらつきに起因して生じる測定精度の低下を防止することができるという効果を奏することから、pH測定を行う装置に対して広く適用可能である。

0114

10 pH判定装置
11筐体部
12取付台
12a基台部
12b 支持部
12c支柱
12dカメラ取付部
13光源部
14容器載置部
15マスタチャート(基準色表示部)
16フレネルレンズ(テレセントリック性を有する光学系)
17 カメラ(画像取得部)
18 制御部
20ウェルプレート(容器)
20aウェル(凹部)
20ba,20bb マスタチャート(色表示部)
31a,31b,31c,31d,31e マスタチャート
32 ウェルプレート
C細胞
O フレネルレンズの光学的な中心
X ウェルプレートの寸法的な中心
L カメラの光学的な中心

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