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技術 電圧・電流間の位相遅延推定装置およびその方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 香西将樹丸山雅人鈴木康直大山孝
出願日 2014年7月31日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-156522
公開日 2016年3月10日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2016-033488
状態 特許登録済
技術分野 位相差の測定
主要キーワード 模擬電圧 整数周期 位相平均 電気工事士 電圧波形データ 電流波形データ 引込み線 工事者
関連する未来課題
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図面 (4)

課題

非接触型電圧電流センサを用いて、電圧波形電流波形との間の位相遅延推定する電圧・電流間の位相遅延推定装置およびその方法を提供すること。

解決手段

電圧・電流位相差推定装置は、定期的(例えば1分毎,3分毎など)に動作し、電圧波形測定部101で電圧を測定し、測定された電圧波形からトリガ検出部電圧のゼロクロス点を検出する。電流波形測定部103は、この電圧のゼロクロス点をトリガとして、電流波形を電源波形整数周期分だけ測定し、測定した電流波形を電流波形蓄積部104に蓄積する。位相遅延推定部105は、電流波形蓄積部104に蓄積された各電流波形の実効値、および、各電流波形と位相遅延を有する模擬電圧波形との力率を算出し、力率が最大になる位相遅延を算出する。電流波形蓄積部104に蓄積された全ての電流波形について位相遅延を算出し、平均化部153で位相遅延の平均を算出する。

概要

背景

近年、再生可能エネルギースマートグリッドなど電力受給環境が複雑になる中で、一般家庭オフィス等の電力需要家の宅内に電力センサを設置し、電力の効率的利用や電気機器遠隔制御を図るため、電力見える化システムへの需要は高まっておる。そこで、HEMS(Home Energy Management System)技術に関する検討、開発が進んでいる。一般に、HEMSは家電製品等の電気機器の各々に取り付けられた電力センサからの情報を、有線もしくは無線通信手段を用いて集約転送することにより、必要な情報を収集する方法が考えられている。

しかし、電力見える化システムは、その導入に向けて設置コストが大きな障壁となっている。機器毎にセンサを設置したりする手法では、電力見える化を実施したい機器数だけセンサが必要となり、コストが膨大となる。

一方で、電力需要家に電力を供給する電源線引込み線分電盤の位置に設置した1台のセンサで消費電力電流波形モニタし、その特徴に基づいて各電気機器種別動作状態、消費電力等を識別、把握する方法が提案されている(非特許文献1参照)。

このような方式は、必要なセンサが1台で済むことから経済性が高く、また既存の電気製品にセンサを追加したり、新しい電気製品に規格統一されたセンサを埋め込んだりしておく必要が無いことから、導入への障壁が少ない点で、実用性が高く有効な実現手段になると考えられる。

しかしながら、1台のセンサから直接的に得られる情報は家庭内全体の積算された電流や電力に限られ、個々の電気機器の電力の状態を直接把握することはできないため、何らかの方法で、積算されたデータから個々の機器のデータを推定する必要がある。そのための方法としては、あらかじめ個々の電気機器の電力消費や電流波形等のデータを様々な動作状態に於いて測定、蓄積しておき、それらのデータベース実測値とを照合して機器の種別や、動作状態を推定する方法が一般的である。

推定は主として測定した電流波形を元に行うが、この電流波形の測定にあたっては、電圧波形に対する位相遅延を正確に把握しておかなければ推定にかかる計算コストが増大する上に、精度も低下することから実用的とはなりえない。

そのため、電流と電圧を同時に測定することが望ましいが、一般に電流はCurrent Transformer(以下、CT)と呼ばれる変流器を用いて、電線導体部分に触れることなく比較的安全かつ容易に測定を行うことが可能である一方で、電圧を導体部分に触れること無く精度よく測定することは困難である。また電圧を接触で測定する場合には、工事者電気工事士資格が必要であったり、機器側に電気用品安全法への届け出が必要であったりと大きなコスト増となる。

そこで、電線とセンサ間に発生する浮遊容量を用いた非接触型の電圧・電流センサによって電流波形を電圧波形に同期して取得する方法が提案されている。図3に、従来の非接触型電圧・電流センサの構成を示す。2本の電線L1、L2をそれぞれ囲むように円筒形電極301、302を配置し、電圧測定装置305で電線間の電圧を測定する。電極301、302はそれぞれ、電極と電線とが電気的に接触せず、一定の間隔を持って電線を取り囲むように設置されている。電線L1および電極301の外側に電流測定トランス303を設置し、電流が流れるときにこの磁性体コアに発生する磁束やその変化量を検出することで、電流測定装置304で電流やその波形の測定を行う。電圧測定装置305の出力情報から得られた電圧波形から電圧のゼロクロス点などのタイミング情報を得ることが出来る。位相特性がほぼフラット周波数範囲においては、予め電流波形と電圧波形の位相差を、純抵抗負荷とした測定などによって測定、把握しておくことにより電力波形補正し、電流波形を電圧と同期した形で取得することが出来る。

概要

非接触型の電圧・電流センサを用いて、電圧波形と電流波形との間の位相遅延を推定する電圧・電流間の位相遅延推定装置およびその方法を提供すること。電圧・電流位相差推定装置は、定期的(例えば1分毎,3分毎など)に動作し、電圧波形測定部101で電圧を測定し、測定された電圧波形からトリガ検出部電圧のゼロクロス点を検出する。電流波形測定部103は、この電圧のゼロクロス点をトリガとして、電流波形を電源波形整数周期分だけ測定し、測定した電流波形を電流波形蓄積部104に蓄積する。位相遅延推定部105は、電流波形蓄積部104に蓄積された各電流波形の実効値、および、各電流波形と位相遅延を有する模擬電圧波形との力率を算出し、力率が最大になる位相遅延を算出する。電流波形蓄積部104に蓄積された全ての電流波形について位相遅延を算出し、平均化部153で位相遅延の平均を算出する。

目的

本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

測定対象の1対の電線に設置する非接触型電圧センサと、前記測定対象の1対の電線の一方に設置する非接触型電流センサと、前記非接触型電圧センサで測定された電圧波形からゼロクロス点を検出してトリガ信号を出力するトリガ検出部と、前記非接触型電流センサで測定された電流波形を、前記トリガ信号に基づき、電圧波形の整数周期分毎に記憶する電流波形蓄積部と、前記各電流波形と所定の周波数正弦波との間に一定の位相遅延があるとして、前記各電流波形と前記正弦波で表される電圧波形との力率が最大となる位相遅延を算出し、算出した複数の前記位相遅延の平均値を算出する位相遅延推定部と、を備えたことを特徴する電圧電流間の位相遅延推定装置

請求項2

前記位相遅延推定部は、前記各電流波形について電流実効値を算出し、前記電流実効値で前記位相遅延に重み付けをして前記位相遅延の平均を算出することを特徴とする請求項1記載の電圧・電流間の位相遅延推定装置。

請求項3

前記位相遅延推定部は、前記各電流波形について電流実効値を算出し、前記電流実効値が所定の値よりも小さい前記位相遅延は切り捨てて前記位相遅延の平均を算出することを特徴とする請求項1記載の電圧・電流間の位相遅延推定装置。

請求項4

前記所定の周波数の正弦波は、50Hz又は60Hzであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電圧・電流間の位相遅延推定装置。

請求項5

測定対象の1対の電線に設置された非接触型電圧センサで電圧波形を測定するステップと、測定された前記電圧波形からゼロクロス点を検出してトリガ信号を出力するステップと、前記測定対象の1対の電線の一方に設置された非接触型電流センサで電流波形を測定するステップと、測定された前記電流波形を、前記トリガ信号に基づき、電圧波形の整数周期分毎に記憶装置に記憶するステップと、前記各電流波形と所定の周波数の正弦波との間に一定の位相遅延があるとして、前記各電流波形と前記正弦波で表される電圧波形との力率が最大となる位相遅延を算出し、算出した複数の前記位相遅延の平均値を算出するステップと、を有することを特徴する電圧・電流間の位相遅延推定方法

請求項6

前記各電流波形について電流実効値を算出するステップをさらに有し、前記位相平均の平均値は、前記電流実効値で前記位相遅延に重み付けをして前記位相遅延の平均を算出したものであることを特徴とする請求項5記載の電圧・電流間の位相遅延推定方法。

請求項7

前記各電流波形について電流実効値を算出するステップをさらに有し、前記位相平均の平均値は、前記電流実効値が所定の値よりも小さい前記位相遅延は切り捨てて前記位相遅延の平均を算出したものであることを特徴とする請求項5記載の電圧・電流間の位相遅延推定方法。

請求項8

前記所定の周波数の正弦波は、50Hz又は60Hzであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の電圧・電流間の位相遅延推定方法。

技術分野

0001

本発明は、非接触型電圧電流センサを用いた電圧・電流間の位相遅延推定装置およびその方法に関する。

背景技術

0002

近年、再生可能エネルギースマートグリッドなど電力受給環境が複雑になる中で、一般家庭オフィス等の電力需要家の宅内に電力センサを設置し、電力の効率的利用や電気機器遠隔制御を図るため、電力見える化システムへの需要は高まっておる。そこで、HEMS(Home Energy Management System)技術に関する検討、開発が進んでいる。一般に、HEMSは家電製品等の電気機器の各々に取り付けられた電力センサからの情報を、有線もしくは無線通信手段を用いて集約転送することにより、必要な情報を収集する方法が考えられている。

0003

しかし、電力見える化システムは、その導入に向けて設置コストが大きな障壁となっている。機器毎にセンサを設置したりする手法では、電力見える化を実施したい機器数だけセンサが必要となり、コストが膨大となる。

0004

一方で、電力需要家に電力を供給する電源線引込み線分電盤の位置に設置した1台のセンサで消費電力電流波形モニタし、その特徴に基づいて各電気機器種別動作状態、消費電力等を識別、把握する方法が提案されている(非特許文献1参照)。

0005

このような方式は、必要なセンサが1台で済むことから経済性が高く、また既存の電気製品にセンサを追加したり、新しい電気製品に規格統一されたセンサを埋め込んだりしておく必要が無いことから、導入への障壁が少ない点で、実用性が高く有効な実現手段になると考えられる。

0006

しかしながら、1台のセンサから直接的に得られる情報は家庭内全体の積算された電流や電力に限られ、個々の電気機器の電力の状態を直接把握することはできないため、何らかの方法で、積算されたデータから個々の機器のデータを推定する必要がある。そのための方法としては、あらかじめ個々の電気機器の電力消費や電流波形等のデータを様々な動作状態に於いて測定、蓄積しておき、それらのデータベース実測値とを照合して機器の種別や、動作状態を推定する方法が一般的である。

0007

推定は主として測定した電流波形を元に行うが、この電流波形の測定にあたっては、電圧波形に対する位相遅延を正確に把握しておかなければ推定にかかる計算コストが増大する上に、精度も低下することから実用的とはなりえない。

0008

そのため、電流と電圧を同時に測定することが望ましいが、一般に電流はCurrent Transformer(以下、CT)と呼ばれる変流器を用いて、電線導体部分に触れることなく比較的安全かつ容易に測定を行うことが可能である一方で、電圧を導体部分に触れること無く精度よく測定することは困難である。また電圧を接触で測定する場合には、工事者電気工事士資格が必要であったり、機器側に電気用品安全法への届け出が必要であったりと大きなコスト増となる。

0009

そこで、電線とセンサ間に発生する浮遊容量を用いた非接触型の電圧・電流センサによって電流波形を電圧波形に同期して取得する方法が提案されている。図3に、従来の非接触型電圧・電流センサの構成を示す。2本の電線L1、L2をそれぞれ囲むように円筒形電極301、302を配置し、電圧測定装置305で電線間の電圧を測定する。電極301、302はそれぞれ、電極と電線とが電気的に接触せず、一定の間隔を持って電線を取り囲むように設置されている。電線L1および電極301の外側に電流測定トランス303を設置し、電流が流れるときにこの磁性体コアに発生する磁束やその変化量を検出することで、電流測定装置304で電流やその波形の測定を行う。電圧測定装置305の出力情報から得られた電圧波形から電圧のゼロクロス点などのタイミング情報を得ることが出来る。位相特性がほぼフラット周波数範囲においては、予め電流波形と電圧波形の位相差を、純抵抗負荷とした測定などによって測定、把握しておくことにより電力波形補正し、電流波形を電圧と同期した形で取得することが出来る。

先行技術

0010

Katsukura et al. “Life Pattern Sensor with Non-intrusive Appliance Monitoring," ICCE '09 pp.1-2, Jan.2009.

発明が解決しようとする課題

0011

本手法によって、電流波形を電圧波形に同期して測定することは可能であるが、この手法においても浮遊容量が電線の太さや材質、さらに取り付け方によって値が変わってしまい、センサ設置後の位相遅延の値は一定となるが、その値は設置環境によって異なる。そのため、電流波形を電圧波形に同期して測定することは可能であるが、それらの間の位相遅延については、環境依存性があることから、非接触の測定結果のみからは知ることは難しいという課題がある。

0012

本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、非接触型の電圧・電流センサを用いて、電圧波形と電流波形との間の位相遅延を推定する電圧・電流間の位相遅延推定装置およびその方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記の課題を解決するために、本発明は、電圧・電流間の位相遅延推定装置であって、測定対象の1対の電線に設置する非接触型電圧センサと、前記測定対象の1対の電線の一方に設置する非接触型電流センサと、前記非接触型電圧センサで測定された電圧波形からゼロクロス点を検出してトリガ信号を出力するトリガ検出部と、前記非接触型電流センサで測定された電流波形を、前記トリガ信号に基づき、電圧波形の整数周期分毎に記憶する電流波形蓄積部と、前記各電流波形と所定の周波数正弦波との間に一定の位相遅延があるとして、前記各電流波形と前記正弦波で表される電圧波形との力率が最大となる位相遅延を算出し、算出した複数の前記位相遅延の平均値を算出する位相遅延推定部と、を備えたことを特徴する。

0014

請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電圧・電流間の位相遅延推定装置において、前記位相遅延推定部は、前記各電流波形について電流実効値を算出し、前記電流実効値で前記位相遅延に重み付けをして前記位相遅延の平均を算出することを特徴とする。

0015

請求項3に記載の発明は、請求項1記載の電圧・電流間の位相遅延推定装置において、前記位相遅延推定部は、前記各電流波形について電流実効値を算出し、前記電流実効値が所定の値よりも小さい前記位相遅延は切り捨てて前記位相遅延の平均を算出することを特徴とする。

0016

請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の電圧・電流間の位相遅延推定装置において、前記所定の周波数の正弦波は、50Hz又は60Hzであることを特徴とする。

0017

請求項5に記載の発明は、電圧・電流間の位相遅延推定方法であって、測定対象の1対の電線に設置された非接触型電圧センサで電圧波形を測定するステップと、測定された前記電圧波形からゼロクロス点を検出してトリガ信号を出力するステップと、前記測定対象の1対の電線の一方に設置された非接触型電流センサで電流波形を測定するステップと、測定された前記電流波形を、前記トリガ信号に基づき、電圧波形の整数周期分毎に記憶装置に記憶するステップと、前記各電流波形と所定の周波数の正弦波との間に一定の位相遅延があるとして、前記各電流波形と前記正弦波で表される電圧波形との力率が最大となる位相遅延を算出し、算出した複数の前記位相遅延の平均値を算出するステップと、を有することを特徴する。

0018

請求項6に記載の発明は、請求項5記載の電圧・電流間の位相遅延推定方法において、前記各電流波形について電流実効値を算出するステップをさらに有し、前記位相平均の平均値は、前記電流実効値で前記位相遅延に重み付けをして前記位相遅延の平均を算出したものであることを特徴とする。

0019

請求項7に記載の発明は、請求項5記載の電圧・電流間の位相遅延推定方法において、前記各電流波形について電流実効値を算出するステップをさらに有し、
前記位相平均の平均値は、前記電流実効値が所定の値よりも小さい前記位相遅延は切り捨てて前記位相遅延の平均を算出したものであることを特徴とする。

0020

請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の電圧・電流間の位相遅延推定方法において、前記所定の周波数の正弦波は、50Hz又は60Hzであることを特徴とする。

発明の効果

0021

本発明は、資格なしに容易にシステムを導入することが出来、電力の見える化システムへの導入障壁を大きく下げる効果を奏する。

図面の簡単な説明

0022

本願発明の一実施形態に係る電圧・電流間の位相遅延推定装置の機能構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係る電圧・電流間の位相遅延推定方法の手順を示す図である。
従来の非接触型電圧・電流センサの構成を示す図である。

実施例

0023

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

0024

図1に、本願発明の一実施形態に係る電圧・電流間の位相遅延推定装置の機能構成を示す。本発明は、電圧波形測定部101、トリガ検出部102、電流波形測定部103、電流波形蓄積部104、位相遅延推定部105からなる。電圧波形測定部101、電流波形測定部103は、例えば、図3に示すような非接触型の電圧・電流センサである。トリガ検出部102、電流波形蓄積部104、位相遅延推定部105は、電子回路や、記憶装置と処理装置を含むコンピュータおよびその上で実行可能なソフトウェアから構成可能である。

0025

位相遅延推定部105は、力率・電流実効値計算部151、模擬電圧波形生成部152、平均化部153を含む。

0026

従来の浮遊容量を用いた非接触型の電圧・電流センサにあるように、電線と電極の間の容量性結合を用いて電圧を測定した場合、電圧・電流センサに発生する電位は実際に電線間に発生する電圧に比べて一定の遅延を持っている。その遅延量は電線太さや電線材料など設置する場所や、設置の仕方によって変化するが、設置後にはほぼ一定とみなすことが可能である。

0027

そのため、その電圧・電流センサにおいて測定した電圧波形から電圧のゼロクロス点をトリガに電流波形を測定した場合、電圧波形と電流波形との間には常に一定の位相遅延が発生することになる。

0028

この位相遅延の値自体は電圧を接触で測定しない限りは未知の値であるが、本発明では、測定された電流波形と位相遅延を有する電圧波形との力率を計算し、その力率が最大となる位相遅延を真値と推定する。

0029

図2に、本発明の一実施形態に係る電圧・電流間の位相遅延推定方法の手順を示す。電圧・電流位相差推定装置は、定期的(例えば1分毎,3分毎など)に動作し、電圧波形測定部101で電圧を測定し、測定された電圧波形からトリガ検出部電圧のゼロクロス点を検出する(S201)。電流波形測定部103は、この電圧のゼロクロス点をトリガとして、電流波形を電圧波形の整数周期分だけ測定し、測定した電流波形を電流波形蓄積部104に蓄積する(S202)。位相遅延推定部105は、電流波形蓄積部104に蓄積された各電流波形の実効値、および、各電流波形と位相遅延を有する模擬電圧波形との力率を算出し、力率が最大になる位相遅延を算出する(S203)。S203を繰り返すことにより、電流波形蓄積部104に蓄積された全ての電流波形について位相遅延を算出し、平均化部153で位相遅延の平均を算出する(S204)。

0030

ここで、位相遅延の算出方法について説明する。位相遅延推定部105では、電流波形蓄積部104に蓄積された電流波形データを参照し、N個の整数周期分の電流波形データの内、n番目の電流波形i(n,t)に対応する電流の実効値I_e(n)を計算する。次に、電流波形i(n,t)と模擬電圧生成部152で生成した位相遅延τを有する模擬電圧波形v(t)との巡回畳み込みh(n,τ)

0031

0032

を求める。ここで、h(n,τ)はn番目の電流波形i(n,t)が模擬電圧波形v(t)に対して位相遅延τを持っていると仮定したときの電力である。模擬電圧波形v(t)は、理想的な50Hz又は60Hzの正弦波を用いる。

0033

一般に力率が低い機器が多くなると、過剰な設備投資が必要となったり、高圧受電の場合においては割増料金が発生したりするなどデメリットが大きいことから、機器の力率は最大になるよう設計されているものと仮定する。このように機器の力率が最大である場合、電力h(n,τ)が最大となる位相遅延τを真値であると推定することができる。すなわち電力h(n,τ)がτ=τ_0のときに最大値を取る場合、τ_0を使用した電流波形・電圧波形データに対する位相遅延と推定する。

0034

このような位相遅延の推定を電流波形蓄積部104に蓄積された電流波形データ全てに対して実施することでN個の位相遅延τ_0(n)(n=1、2、・・・、N)を得る。この位相遅延τ_0(n)は電流波形データi(n,t)に対応する位相遅延である。

0035

電圧・電流センサが設置された系全体の位相遅延は、N個の位相遅延を平均化することによって推定されるが、平均化の方法としては、最も簡便な手法としては、このτ_0(n)の平均値を取ることで推定することも可能である。

0036

また、一般に電流実効値が大きいほど力率は高くなる傾向にあることから、τ_0(n)を電流の実効値I_e(n)で重み付けをしてその平均値を計算したり、電流の実効値I_e(n)が小さいところを切り捨てたトリム平均を計算したりすることで、より精度を向上させることができる。

0037

従来は電流波形を測定する際に電線に接触して測定した電圧波形から位相遅延を求めていたが、本発明では、一定期間分の複数の整数周期分の電流波形データを蓄積し、それらの力率を計算することで、非接触の電圧波形・電流波形の測定のみで位相遅延の推定を精度良く行うことが可能となる。そして、このようにして求めた位相遅延を用いて測定された電流波形の位相修正して揃えることで、データベースに蓄積された教師データとの比較の誤差を抑制し、機器の推定精度を向上することが可能になる。

0038

101電圧波形測定部
102トリガ検出部
103電流波形推定部
104 電流波形蓄積部
105位相遅延推定部
151力率・電流実効値計算部
152模擬電圧波形生成部
153 平均化部

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