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図面 (5)

課題

圧縮に対してへたりにくい製の詰用綿およびその製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

アルカリ処理によりクリンプ発現した麻繊維を90重量%以上含む詰用綿であって、前記麻繊維は、平均繊維長が30〜60mmであり、繊維長が150mm以上の繊維Aを5〜15重量%含み、繊維Aの平均見掛繊度dAが8〜15dtexであり、dAに対する、前記麻繊維中の繊維長40〜80mmの繊維Bの平均見掛繊度dBの比率(dB/dA)が0.5〜0.8である詰用綿である。

概要

背景

製の詰用綿は麻の吸湿性冷感がもたらす清涼感を有しており、とくに物の布団綿などに好んで用いられている。

従来の麻製の詰用綿の製造方法としては、麻トップアルカリ処理して繊維にクリンプを与えたのち、あるいは処理前に所定の繊維長になるように所定の間隔でカットし、カード機製綿する製造方法が開示されている(例えば特許文献1,2参照)。

麻繊維精錬デガミング)後麻トップ工程を経ずして製綿する製造方法もある。例えば、麻繊維を精錬後、紡績工程に順じて回転シリンダでくしけずり開繊ラップとなし、この開繊ラップを切綿機でカットし、次いでカード機で製綿する製造方法が行われる(例えば非特許文献1参照)。開繊ラップはその製造プロセスからわかるように繊維がほぼ一方向に配列しており、切綿機ではラップの切断方向は繊維の配向方向と直交する。

麻製の詰用綿は、麻繊維自体の曲げ変形に関する歪み回復性が一般の合成繊維に比べて低いこともあって、圧縮に対してへたりやすい傾向にある。

圧縮に対してへたりにくい、麻製の詰用綿が求められている。

概要

圧縮に対してへたりにくい麻製の詰用綿およびその製造方法を提供する。アルカリ処理によりクリンプが発現した麻繊維を90重量%以上含む詰用綿であって、前記麻繊維は、平均繊維長が30〜60mmであり、繊維長が150mm以上の繊維Aを5〜15重量%含み、繊維Aの平均見掛繊度dAが8〜15dtexであり、dAに対する、前記麻繊維中の繊維長40〜80mmの繊維Bの平均見掛繊度dBの比率(dB/dA)が0.5〜0.8である詰用綿である。

目的

本発明は、圧縮に対してへたりにくい、麻製の詰用綿およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

アルカリ処理によりクリンプ発現した麻繊維を90重量%以上含む詰用綿であって、前記麻繊維は、平均繊維長が30〜60mmであり、繊維長が150mm以上の繊維Aを5〜15重量%含み、繊維Aの平均見掛繊度dAが8〜15dtexであり、dAに対する、前記麻繊維中の繊維長40〜80mmの繊維Bの平均見掛繊度dBの比率(dB/dA)が0.5〜0.8である詰用綿。

請求項2

請求項1に記載の詰用綿の製造方法であって、複数の麻繊維束を主成分とする麻シートを準備する麻シート準備工程、該麻シートを、70〜120mmの間隔で切断して繊維集合体となす切断工程、該繊維集合体をアルカリ処理して麻繊維にクリンプを発現させるアルカリ処理工程、アルカリ処理された該繊維集合体を反毛する反毛工程、反毛された該繊維集合体をカーディングして繊維を積層する製綿工程を含み、前記麻シート中の前記麻繊維束の面方向配向度が0.2以下で、かつ、前記麻シートは一端と他端との距離が長さの70%以下であるように湾曲した状態の前記麻繊維束を50重量%以上含み、各前記麻繊維束は、一本の植物精錬されてなり、該麻繊維束中で該植物麻中の繊維の集合状態がほぼ保たれているものである詰用綿の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、詰用綿及びその製造方法に関する。特には、圧縮に対する反撥性に優れた製の詰用綿に関する。

背景技術

0002

麻製の詰用綿は麻の吸湿性冷感がもたらす清涼感を有しており、とくに物の布団綿などに好んで用いられている。

0003

従来の麻製の詰用綿の製造方法としては、麻トップアルカリ処理して繊維にクリンプを与えたのち、あるいは処理前に所定の繊維長になるように所定の間隔でカットし、カード機製綿する製造方法が開示されている(例えば特許文献1,2参照)。

0004

麻繊維精錬デガミング)後麻トップ工程を経ずして製綿する製造方法もある。例えば、麻繊維を精錬後、紡績工程に順じて回転シリンダでくしけずり開繊ラップとなし、この開繊ラップを切綿機でカットし、次いでカード機で製綿する製造方法が行われる(例えば非特許文献1参照)。開繊ラップはその製造プロセスからわかるように繊維がほぼ一方向に配列しており、切綿機ではラップの切断方向は繊維の配向方向と直交する。

0005

麻製の詰用綿は、麻繊維自体の曲げ変形に関する歪み回復性が一般の合成繊維に比べて低いこともあって、圧縮に対してへたりやすい傾向にある。

0006

圧縮に対してへたりにくい、麻製の詰用綿が求められている。

0007

特開昭52−74464号公報
特開2010−189800号公報

先行技術

0008

内田豊作著、「紡績と製織」、初版、三省堂、昭和33年8月、p.322,327−328

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、圧縮に対してへたりにくい、麻製の詰用綿およびその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記の目的を達成するため、本発明に係る詰用綿は、アルカリ処理によりクリンプが発現した麻繊維を90重量%以上含む詰用綿であって、前記麻繊維は、平均繊維長が30〜60mmであり、繊維長が150mm以上の繊維Aを5〜15重量%含み、繊維Aの平均見掛繊度dAが8〜15dtexであり、dAに対する、前記麻繊維中の繊維長40〜80mmの繊維Bの平均見掛繊度dBの比率(dB/dA)が0.5〜0.8である詰用綿であることを特徴とする。

0011

また、上記の目的を達成するために、本発明に係る詰用綿の製造方法は、前記詰用綿の製造方法であって、複数の麻繊維束を主成分とする麻シートを準備する麻シート準備工程、該麻シートを70〜120mmの間隔で切断して繊維集合体となす切断工程、該繊維集合体をアルカリ処理して麻繊維にクリンプを発現させるアルカリ処理工程、アルカリ処理された該繊維集合体を反毛する反毛工程、反毛された該繊維集合体をカーディングして繊維を積層する製綿工程を含み、前記麻シート中の前記麻繊維束の面方向配向度が0.2以下で、かつ、前記麻シートは一端と他端との距離が長さの70%以下であるように湾曲した状態の前記麻繊維束を50重量%以上含み、各前記麻繊維束は、一本の植物麻が精錬されてなり、該麻繊維束中で該植物麻中の繊維の集合状態がほぼ保たれているものであることを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明により、圧縮に対してへたりにくい、麻製の詰用綿およびその製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0013

麻繊維束の湾曲の状態を説明する説明図。
実施例で得られた詰用綿のステープルダイアグラム
比較例1で得られた詰用綿のステープルダイアグラム。
比較例2で得られた詰用綿のステープルダイアグラム。

実施例

0014

本発明は、麻(ラミー)製の詰用綿及びその製造方法に関する。特には、圧縮に対する回復性に優れた、麻製の詰用綿に関する。詰用綿は、布団キルティング布などに中綿として用いられるクッション材としての綿である。

0015

麻製の詰用綿は、麻繊維自体の曲げ変形に関する歪み回復性が一般の合成繊維に比べて低いこともあって圧縮に対してへたりやすいという問題があった。本発明者は、この点について鋭意検討した結果、詰用綿を構成する麻繊維の繊度繊維長分布を所定の範囲に調整することによりこの問題が解決されることを見出した。

0016

一般に、麻繊維の原料の麻原草は夾雑物を含み、麻繊維が平行な束状に互いに膠着状態収束しているので、発酵処理などによりこの夾雑物を除去し、かつ、製綿のためのカード機により製綿できるように繊維を適度な繊維長になるように切断するとともに、繊維同士を分繊することが必要であった。

0017

このためには、植物麻のを精錬、漂白、軟繊して得られたデガム繊維塊麻紡績に用いられるように加工された市販の麻トップをアルカリ処理してクリンプを発現させたのち、カード機に適した所定の長さに切断して製綿することが、製綿業者としては製綿の手間がかからず容易であるとして行われることがあった。

0018

しかし、麻トップは繊維長を揃えるために繊維塊を構成する麻繊維束を一方向に引き揃えて牽切したり、コーミングしたりドラフトしたりして紡績糸の製造に適したスライバとしたものであるため、この牽切やコーミングやドラフトによる作用により繊維が分繊し、結果として構成繊維の繊度が比較的小さく、このような方法で得られた詰用綿を構成する繊維は、繊維長が比較的長いものであっても繊度が小さいので、詰用綿中での繊維同士の接触点が多く、綿の変形時に繊維同士で摩擦が多く生じて圧縮回復性が低いという問題がある。本発明者らは、詰用綿を構成する麻繊維の繊度、繊維長分布を所定の範囲に調整する詰用綿の製造方法と、その製造方法によりこの問題が解決されることを見出した。

0019

本発明の詰用綿の製造方法においては、植物麻の茎を集めて精錬、漂白、軟繊(総称して精錬ともいう)して得られたデガムド繊維塊が用いられる。デガムド繊維塊は一本の植物麻中のセルロース繊維の集合状態をほぼ保った状態の麻繊維束、すなわち長くて未分繊の太い麻繊維束を主体に構成されている。換言すれば、各麻繊維束は、一本の植物麻に由来し、その植物麻が精錬されてなり、該麻繊維束中で該植物麻中の繊維の集合状態がほぼ保たれているものである。麻繊維束の長さは、通常、精錬前の植物麻の茎の長さにほぼ等しい。単位長さ当たり重量は、精錬前の植物麻の茎に存在する対応のセルロース繊維束の単位長さ当たり重量にほぼ等しい。デガムド繊維塊中には繊維束から分繊した単繊維も存在する。

0020

本発明の詰用綿の製造方法においては、この繊維束を主体とする麻繊維がシート状に並べられた麻シートを用いる。この麻シートは、例えばデガムド繊維塊を構成する繊維をシート状に再集合させることにより得ることができる。あるいは、デガムド繊維塊から選別した麻繊維束をシート状に集合させることにより得ることができる。(麻シート準備工程)

0021

本発明の詰用綿の製造方法においては、麻繊維束の向きが一定方向になっていないように麻繊維束をシート状に集合させた麻シートを用いる。すなわち、ほとんどすべての麻繊維束が面方向にほとんど無秩序に存在した状態にある麻シートを用いる。例えば、デガムド繊維塊を構成する繊維を無作為に並べてシート状に再集合させた麻シートが用いられる。麻シート中の麻繊維束の大半は、繊維塊中で不規則に湾曲している。麻繊維束を意識的に引き延ばしたり特定の方向に向けるような操作を加えることなく無作為にシート状に集合させることにより、ほとんどすべての麻繊維束が面方向にほとんど無秩序に存在した状態にある麻シートが得られる。なお、麻シートは麻繊維束を主成分として構成されているが、麻シートには精錬、漂白、軟繊工程で麻繊維束から分繊した単繊維の存在も不可避である。

0022

また、本発明の詰用綿の製造方法において用いられる麻シート中には、図1に示すように、麻繊維束2の一端Yと他端Zとの距離Dが、麻繊維束2の長さL(真っ直ぐに延ばされた状態を想定した場合の麻繊維束2の長さ)の5〜70%であるように湾曲した状態となっている麻繊維束が麻シートの50重量%以上を占めている。

0023

麻繊維束をシート状に並べるための操作は手作業で行なってもよいが、デガムド繊維塊を機械装置により受け面上に面方向に順次堆積させる装置などにより機械的にデガムド繊維塊をシート化することにより行なってもよい。

0024

本発明の詰用綿の製造方法においては、麻シート中の麻繊維束の面方向配向度が0.2以下であることが好ましい。面方向配向度(ヘルマンの配向度)は、次式fで定義される値である。

f=(3<COS2θ>−1)/2

ここで、θは麻シートの面方向の基準線と麻繊維束とのなす角度を示し、<COS2θ>は測定した全ての麻繊維束に関するCOS2θの平均値を示す。

0025

なお、すべての麻繊維束が基準方向に配向した場合、ヘルマンの配向度fの値は1に、すべての麻繊維束が基準方向に関して完全無秩序に存在した状態にある場合、ヘルマンの配向度fの値は0となる。本発明においては、麻シートの面方向に設定したある基準線に関して、fが0.2以下であるような基準線が存在する場合は、ほとんどすべての麻繊維束が麻シートの面方向に関して無秩序に存在した状態にあるといえる。

0026

ついで、この麻シートを、70〜120mmの間隔で切断して繊維集合体となす(切断工程)。

0027

次いで、この繊維集合体をアルカリ処理液で処理(アルカリ処理)して麻繊維にクリンプを発現させる(アルカリ処理工程)。

0028

次いで、アルカリ処理された繊維集合体を、打綿機開綿機反毛機を用いほぐす(反毛工程)。

0029

麻以外の繊維を含む詰用綿を得る場合は、この反毛工程でこの繊維集合体に麻以外の繊維を混綿することができる。

0030

次いで、反毛された繊維集合体をカーディングして繊維を積層する(製綿工程)。

0031

これらの工程で構成される本発明の詰用綿の製造方法はトップメーキングなどのスライバ化の工程が不要であり、生産効率的にも優れた製造方法である。本発明の詰用綿はこれらの工程を含む製造方法により製造されることが最も好ましい。

0032

本発明の詰用綿は以下の構成を有する。すなわち、本発明の詰用綿は、アルカリ処理によりクリンプが発現した麻繊維からなり、この麻繊維は、平均繊維長が30〜60mmであり、繊維長が150mm以上の繊維Aを5〜15重量%含み、繊維Aの平均見掛繊度dAが8〜15dtexであり、dAに対する、前記麻繊維中の繊維長40〜80mmの繊維Bの平均見掛繊度dBの比率(dB/dA)が0.5〜0.8である。あるいは、本発明の詰用綿はこの構成を有する麻繊維を90重量%以上含む詰用綿であってもよい。この構成を有する麻繊維を95重量%以上含む詰用綿であることが、へたりが少なく、かつ麻繊維特有の吸湿性や冷感がもたらす清涼感のうえでさらに好ましい。この構成を有する麻繊維を98重量%以上含む詰用綿であることが、へたりが少なく、かつ麻繊維特有の吸湿性や冷感がもたらす清涼感のうえで最も好ましい。

0033

ここで、平均繊維長は、JIS L 1015に準拠して求められるステープルダイアグラムからJIS L 1015に準拠して求められる平均繊維長であり、繊維Aの平均見掛繊度は、詰用綿に含まれる繊維長が150mm以上の麻繊維からサンプリングされた繊維群の見掛繊度の平均値であり、見掛繊度はJIS L 1015に準拠して測定される。繊維Bの平均見掛繊度は、詰用綿に含まれる繊維長が40〜80mmの麻繊維からサンプリングされた繊維群の見掛繊度の平均値である。

0034

本発明の詰用綿は平均繊維長が30〜60mmであるが、平均繊維長がこの範囲を超えて長いと、製綿工程でカードシリンダ巻きつきやすいというトラブルが発生しやすいので、製造しにくい。平均繊維長がこの範囲を超えて短いと、詰用綿がかさだか性に劣り、圧縮率が低く柔軟なクッション性に劣り、また、圧縮回復性も不良となる。

0035

本発明の詰用綿は、太くて長い繊維長の繊維Aと、それより細くて短い繊維長の繊維との組合せを有することにより、かさだかでかつ圧縮回復性が良好であるという効果が得られる。すなわち、本発明の詰用綿は繊維長が150mm以上という長い繊維長の繊維Aを麻繊維全体に対して5〜15重量%含み、かつ、繊維Aの平均見掛繊度dAが8〜15dtexであるが、このように、通常の麻繊維に比べて太くて長い繊維長の繊維Aを従来の詰用綿に比べてはるかに大きい所定の割合で含み、かつ繊維長40〜80mmで繊維Aより平均的に細繊度の繊維Bを上述の割合で含有する。これにより、かさだかでかつ圧縮回復性の良好な詰用綿が得られる。

0036

詰用綿中の繊維Aの含有比率が5重量%未満であると、詰用綿の圧縮率が低くなる。繊維Aの含有比率が15重量%を越える詰用綿は、圧縮率が高いものの圧縮回復性が不良であり、また、工業的な製造がきわめて難しい。

0037

繊維Aを5〜15重量%の割合で含む詰用綿は、繊維が湾曲し、ほとんどすべての繊維が面方向に完全無秩序に存在した状態にあるすなわち面方向配向度が小さい麻シートを、所定の間隔で切断して繊維集合体となすという前述の切断工程を採用することにより得られる。

0038

つまり、麻シート中の麻繊維束の面方向配向度が小さく、また麻繊維束が湾曲しているため、この麻シートを所定の間隔で切断して得られた略長方形状のあるいは略短冊状のシートのなかには、切断の間隔より長い繊維長の繊維がかなりの比率で存在することになる。この比率は、麻シート中で麻繊維束がまっすぐな状態で切断方向と直交して面方向に配向しているケースと比較して大きいばかりでなく、麻シート中で麻繊維束がまっすぐな状態で配向の向きが面方向にランダムであるケースにくらべても大きい。本発明においては、切断後の繊維の繊維長分布は、切断の間隔に依存するが、間隔を70〜120mmの範囲とすることにより、麻シート中の繊維Aの比率が5〜15重量%である詰用綿が得られる。互いに隣り合う切断線の間の間隙が切断線の長手方向で、最大値最小値の差が1cm以内で、異なっていてもよいが、互いに隣り合う切断線が平行であること、および麻シートが長尺で切断線の方向が麻シートの幅方向と略同じであることが切断を機械化するうえで好ましい。また、麻シートが長尺で麻シートの幅が切断の間隔以上であることがシート化操作を容易にするうえで、また生産効率のうえで好ましい。

0039

麻繊維束には、太繊度の麻繊維が多く含まれているので、短冊状のシートのなかには、長くてかつ太繊度の麻繊維が多く含まれる。従って、本発明の詰用綿には、繊維長が150mm以上と長く、繊度が8〜15dtexと太い繊維Aを5〜15重量%という高い比率で含ませることができる。

0040

なお、麻繊維束中の繊維の一部は反毛工程や製綿工程における機械的アクションにより切断や分繊されるので、詰用綿における繊維A、繊維Bの含有比率は、最終的には製綿工程で定まる。

0041

また、本発明においては、反毛工程、製綿工程が通常の合成繊維綿の加工と同様の条件でなされた場合、シリンダへの繊維の巻きつきや、落綿等の機械的トラブルが発生しやすいので、従来の麻綿製造条件に準じて、シリンダの回転数を通常の合成繊維綿の製綿条件にくらべて1/2〜2/3にして製綿することが生産効率や製品収率のうえで好ましい。さらに、反毛工程も、反毛する機械の1回通しではなく、通常の合成繊維綿の製綿時よりも弱い打綿条件で2回通しを行うことが生産効率や製品収率のうえで好ましい。

0042

本発明の詰用綿においては、dAが8dtex未満であると、かさだかでかつ圧縮回復性の良好な詰用綿が得られない。また、反毛工程や製綿工程での機械的アクションにより繊維が分繊あるいは切断して細繊化や短繊維化がある程度生ずるので、dAが15dtex以上の詰用綿は、生産性が劣り効率的な製造が難しい。

0043

本発明の詰用綿は、繊維Bの繊維長分布が比較的直線的で他の繊維Bより長い繊維長の部分に比べるとフラットであり、重量平均では、繊維Bの平均繊維長が詰用綿全体の平均繊維長に近く、繊維Bは繊維長について詰用綿を代表する繊維群とみなすことができる。繊維Bの含有比率は、切断工程だけでなく軟繊工程や、反毛工程や、製綿工程における繊維に対する機械的アクションにも影響される。すなわち、これらの機械的アクションにより上述のように繊維が分繊あるいは切断して細繊化や短繊維化が起こり、繊維A、繊維Bの含有比率がそのような機械的アクションに影響されて定まる。これにより、詰用綿中の繊維Aの含有比率は5〜15重量%となり、このような含有比率であることが詰用綿の良好な圧縮回復性のうえで好ましく作用する。

0044

例えば、デガムド繊維塊の麻繊維束を手作業で一方向に引き揃えて繊維の配向方向と直交する方向に例えば40〜80mmの切断幅間隔で切断して繊維長40〜80mmの繊維を主体とする繊維群を得て、同様にアルカリ処理し、極めて弱い機械的アクションにより反毛し、上述の本発明の製造方法における反毛工程で得られた反毛と混合して製綿すれば、dB/dAが0.8を超える詰用綿を得ることができるが、このような詰用綿は、繊維Aをほとんど含有せず、短くて太繊度の繊維を必要以上に多く含有するので圧縮率が低く柔軟なクッション性に劣り、また、圧縮回復性も不良となる。

0045

dB/dAが0.5未満の詰用綿も実験室的には得ることはできるが工業的に得ることが困難であり、また、このような詰用綿は柔軟なクッション性に劣り圧縮回復性も不良である。

0046

また、例えば、デガムド繊維塊の麻繊維束を強い機械的アクションを加えることなく手作業で一方向に引き揃えて繊維の配向方向と直交する方向に150mmを超える切断幅間隔で切断して繊維長150mm以上の繊維を多く含む繊維群を得て、同様にアルカリ処理し、極めて弱い機械的アクションにより反毛と製綿を行えば、dAが8dtex以上の詰用綿を得ることが不可能ではないが、このような繊維群は、繊維長150mm以上の繊維の含有比率が15重量%を越えて過大なためカードでのトラブルが多いので極めて生産性が悪く、また、繊維長150mm以上の繊維を過大に含む詰用綿は圧縮率が低く柔軟なクッション性に劣り、また、圧縮回復性も不良となる。

0047

さらに、例えば、デガムド繊維塊の麻繊維束を一方向に引き揃えてスライバ状にして、例えばパーロックマシンのような牽切機で比較的長い牽切ゲージで牽切すれば、繊維長150mm以上の繊維を適度に含む繊維群を得ることができるが、このような従来方式では牽切により繊維が繊維軸方向割れ現象が生じて全体的に細繊度化する傾向にある。あるいは、牽切により繊維の端部が繊維軸方向に割れ目が生じてその後の反毛工程における機械的アクションや、製綿工程におけるカーディングにおける機械的アクションによりこの割れ目から繊維の割れが進行して細繊度化する傾向にある。このため、dAが8dtex以上である詰用綿を得ることが難しい。

0048

また、本発明の詰用綿は、平均繊維長が30mm未満であると、かさだか性に劣り、圧縮率が低く柔軟なクッション性に劣り、また、圧縮回復性も不良となる。また、詰用綿の平均繊維長が60mmを超えて繊維Aの比率が5〜15重量%である詰用綿を得ることは、極めて弱い機械的アクションにより反毛と製綿を行う工程を伴なうので、生産性が低く実用的でない。

0049

[実施例1]
原料の植物麻の茎を通常の精錬、漂白、軟繊工程により加工して得られたデガムド繊維塊を、麻繊維束を意識的に引き延ばしたり特定の方向に向けるような操作を加えることなく、手作業で無作為に並べて、麻繊維束の面方向配向度が小さく、みかけ厚さ2cm、幅15cmの長尺帯状の麻シートを得た。麻シートは、90重量%以上の麻繊維束と、その他の麻繊維からなるものであった。その他の麻繊維は、精錬、漂白、軟繊工程で麻繊維束から分離して繊維塊中に存在している繊維である。麻シート中の麻繊維束の面方向配向度は、0.05であった。

0050

面方向配向度は、以下の手順で測定した。
(1)麻シートの上面において麻シートの幅方向に基準線を設定した。
(2)基準線を横切る目視できる麻繊維束すべてについて麻繊維束と基準方向とのなす角度θを測定した。
(3)面方向配向度f(ヘルマンの配向度)を次式で求めた。

f=(3<COS2θ>−1)/2

ここで、<COS2θ>は測定した全ての麻繊維束に関するCOS2θの平均値を示す。

0051

また、麻シートからランダムに選択した20個の麻繊維束(総重量は9.0g)中の18個(総重量は8.5g)は、一端と他端との距離が長さの10%以上かつ60%以下であるように湾曲していた。

0052

この麻シートを、幅方向に平行な切断線で間隔90mmで順次切断して繊維集合体を得た。この繊維集合体をボーメ度29度のアルカリ処理液で処理して麻繊維にクリンプを発現させた。次いで、アルカリ処理液で処理された繊維集合体を、反毛機で反毛し開綿(開繊)した。反毛条件は通常のコットン綿の反毛条件より弱くし、回転刃部の回転数を通常のコットン綿の反毛の場合の70%として反毛機を2回通しした。次いで、反毛された繊維集合体を通常のローラーカード製綿機でカーディングして繊維を積層し、詰用綿を得た。製綿機のシリンダ回転数は300rpmとした。

0053

[比較例1]
デガムド繊維塊を原料とし、通常の麻紡績工程で練条、コーミングして得られた麻紡績用の麻トップを実施例と同じ条件でアルカリ処理してクリンプを発現させたのち、切断長90mmに設定した切断機で切断して実施例と同様に製綿機でカーディングして繊維を積層し、詰用綿を得た。

0054

[比較例2]
デガムド繊維塊を原料とし、通常の麻紡績工程で練条、コーミングして得られた麻紡績用の麻トップを実施例と同じ条件でアルカリ処理してクリンプを発現させたのち、実施例と同様に製綿機でカーディングして繊維を積層し、詰用綿を得た。

0055

[実施例1、比較例1,2で得られた詰用綿の比較]
実施例1、比較例1,2で得られた詰用綿の繊維長分布をそれぞれ図2,3,4のステープルダイアグラム(ソータ法)で示す。図の縦軸は繊維長(mm)、横軸はステープルダイアグラムの作成手順に従って長さ順に配列された繊維列における、当該長さの繊維の、最長繊維が位置する繊維列の左端からの距離の相対値を示す。

0056

実施例1、比較例1,2で得られた詰用綿の平均繊維長、繊維Aの比率、繊維Aの平均見掛繊度dA、繊維Bの平均見掛繊度dB、dAに対するdBの比率(dB/dA)を表1に示す。平均繊維長、JIS L 1015に準拠して測定した。平均繊維長はステープルダイアグラムから求めた。平均見掛繊度は、ステープルダイアグラム作成手順に従って配列した繊維列からサンプリングして見掛繊度を測定して求めた。見掛繊度はJIS L 1015に準拠して測定した。

0057

0058

[実施例2]
実施例1で得られた、アルカリ処理液で処理された繊維集合体95重量部と、ポリエステルファイバー(7.8dtex×51mm)5重量部とを混合し実施例1と同様にして反毛機で反毛し、実施例1と同様にカーディングして繊維を積層し、詰用綿を得た。

0059

[実施例1,2、比較例1,2で得られた詰用綿の比較]
実施例1,2、比較例1,2で得られた詰用綿の比容積かさ高性)、圧縮率、回復率圧縮回復率)を表2に示す。これらの測定はJIS L 2001 綿ふとん綿試験方法に準拠し、20℃、65%RHで実施した。

0060

0061

表2から明らかなように、実施例1,2の詰用綿は比較例1,2の詰用綿に比べて、比容積と圧縮率はほぼ同等であり、圧縮に対する回復率が良好である。すなわち、詰用綿として良好な圧縮回復性を有する。

0062

本発明の詰用綿は、中綿として用いられるクッション材として、寝具類家具類インテリア用材、衣料の分野に広く適用される。

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  • 東レ株式会社の「 シート状物」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】本発明は、高分子弾性体と、平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体とからなるシート状物であって、前記極細繊維は黒色顔料(a... 詳細

  • 株式会社プラッツの「 マットレスカバー及びマットレス」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題】ベッドの長さに応じてマットレスの長さを調節可能とすること。【解決手段】本発明では、マットレスカバー(2)にマットレス本体(3)を収容したマットレス(1)において、マットレスカバー(2)を、袋状... 詳細

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