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技術 2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法

出願人 セントラル硝子株式会社
発明者 井村英明高田直門
出願日 2015年6月4日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-113564
公開日 2016年3月10日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-033128
状態 特許登録済
技術分野 触媒 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 高温作動流体 低沸点ガス トレオ体 エリトロ体 工業プラント 断熱材用 無機塩基水溶液 水溶性有機物
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課題

2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)より、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)を選択的に製造する方法。

解決手段

水性媒体中において、相間移動触媒の存在下、234daとpKaが4.8以上の無機塩基を接触させる工程を含む、1224の製造方法。無機塩基には、pKaが10以上の無機塩基を用い、相間移動触媒にテトラブチルアンモニウムブロミドチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロライドベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびテトラエチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一つの相間移動触媒を用いることが好ましい。

概要

背景

1987年にカナダ採択されたモントリオール議定書において、オゾン層破壊の影響が強い物質として指定された特定フロンに替わり、オゾン層破壊の懸念が少ない代替フロンが種々合成され使われてきた。近年、代替フロンにおいても、さらに大気寿命が短く地球温暖化に対する影響が短いことが求められるようになってきている。

分子内に二重結合を含む2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、二重結合と大気中のOHラジカル等とが反応して速やかに大気中で分解するので、地球温暖化係数が低くオゾン層破壊の懸念が少ない。2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンには、トランス体シス体幾何異性体がある。以下、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのトランス体を1224E、シス体を1224Z、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのトランス体とシス体の混合物またはシス体トランス体を考慮しない場合を1224と呼ぶことがある。

1224Eの沸点は23℃であり、1224Zの沸点は17℃である。室温(約20℃)近傍の沸点を有する1224Eおよび1224Zは、発泡剤溶剤冷媒または作動流体等に使用できる。

1224を断熱材用発泡剤に使用する場合、冷凍庫断熱材には沸点の低い1224Zの使用が好ましく、住宅用の断熱材には、沸点の高い1224Eが取り扱いに優れ、使用するに好ましい。

また、1224は沸点が室温近傍なので、ヒ−トポンプ用の熱媒体または高温作動流体として好適に使用される。ヒートポンプ用の高温作動流体に使用する場合、僅かな沸点の違いであっても、消費電力1kwあたりの冷却・加熱能力を表した値である成績係数COP)、または冷凍サイクル等における熱輸送能力が異なる。高温作動流体として使用する場合、熱サイクルの条件により適する沸点が異なり、用途に合わせてトランス体(1224E)またはシス体(1224Z)を適宜選択することが好ましい。

1224の製造方法を開示する文献として、以下の特許文献1〜2および非特許文献1を挙げることができる。

特許文献1には、少なくともフッ化水素と2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物弱塩基と接触させる工程を含む(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物の精製方法が開示されている。

具体的には、フッ化水素と微量不純物である2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下、235daと呼ぶことがある)を含むトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(以下、1233Eと呼ぶことがある)と弱塩基を接触させることで、フッ化水素と235daを除去し精製された1224を得る方法である。

非特許文献1には、1224の具体的な合成例として、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(以下、1234と呼ぶことがある)の光塩素化によって2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(以下234daと呼ぶことがある)を合成し、234daを水酸化カリウム溶液中で脱塩化水素反応すると1224が合成できることが記載されている。234daは、CF3CHClCHClFで表されるハイドロクロロフルオロカーボンである。

また、特許文献2には、1224の原料である235daの合成方法が記載されている。

概要

2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)より、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)を選択的に製造する方法。水性媒体中において、相間移動触媒の存在下、234daとpKaが4.8以上の無機塩基を接触させる工程を含む、1224の製造方法。無機塩基には、pKaが10以上の無機塩基を用い、相間移動触媒にテトラブチルアンモニウムブロミドチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロライドベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびテトラエチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一つの相間移動触媒を用いることが好ましい。なし

目的

本発明は、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)を無機塩基と接触させることにより、副生物の生成を抑制しつつ、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)を効率的に製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

水性媒体中において、相間移動触媒の存在下、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)とpKaが4.8以上の無機塩基を接触させる工程を含む、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)の製造方法。

請求項2

無機塩基がpKa10以上の無機塩基である、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

無機塩基が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。請求項2に記載の製造方法。

請求項4

相間移動触媒が第4級アンモニウム塩である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項5

相関移動触媒炭素数8〜50の4級アンモニウム塩である、請求項4に記載の製造方法。

請求項6

相間移動触媒がテトラブチルアンモニウムブロミドメチルトリn−オクチルアンモニウムクロライドベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびテトラエチルアンモニウムクロライドより選ばれる少なくとも一つの相間移動触媒である、請求項5に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、洗浄剤冷媒もしくはヒ−トポンプ用の熱媒体、または高温作動流体等として有用である。

背景技術

0002

1987年にカナダ採択されたモントリオール議定書において、オゾン層破壊の影響が強い物質として指定された特定フロンに替わり、オゾン層破壊の懸念が少ない代替フロンが種々合成され使われてきた。近年、代替フロンにおいても、さらに大気寿命が短く地球温暖化に対する影響が短いことが求められるようになってきている。

0003

分子内に二重結合を含む2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、二重結合と大気中のOHラジカル等とが反応して速やかに大気中で分解するので、地球温暖化係数が低くオゾン層破壊の懸念が少ない。2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンには、トランス体シス体幾何異性体がある。以下、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのトランス体を1224E、シス体を1224Z、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのトランス体とシス体の混合物またはシス体トランス体を考慮しない場合を1224と呼ぶことがある。

0004

1224Eの沸点は23℃であり、1224Zの沸点は17℃である。室温(約20℃)近傍の沸点を有する1224Eおよび1224Zは、発泡剤溶剤、冷媒または作動流体等に使用できる。

0005

1224を断熱材用発泡剤に使用する場合、冷凍庫断熱材には沸点の低い1224Zの使用が好ましく、住宅用の断熱材には、沸点の高い1224Eが取り扱いに優れ、使用するに好ましい。

0006

また、1224は沸点が室温近傍なので、ヒ−トポンプ用の熱媒体または高温作動流体として好適に使用される。ヒートポンプ用の高温作動流体に使用する場合、僅かな沸点の違いであっても、消費電力1kwあたりの冷却・加熱能力を表した値である成績係数COP)、または冷凍サイクル等における熱輸送能力が異なる。高温作動流体として使用する場合、熱サイクルの条件により適する沸点が異なり、用途に合わせてトランス体(1224E)またはシス体(1224Z)を適宜選択することが好ましい。

0007

1224の製造方法を開示する文献として、以下の特許文献1〜2および非特許文献1を挙げることができる。

0008

特許文献1には、少なくともフッ化水素と2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物弱塩基と接触させる工程を含む(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物の精製方法が開示されている。

0009

具体的には、フッ化水素と微量不純物である2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下、235daと呼ぶことがある)を含むトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(以下、1233Eと呼ぶことがある)と弱塩基を接触させることで、フッ化水素と235daを除去し精製された1224を得る方法である。

0010

非特許文献1には、1224の具体的な合成例として、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(以下、1234と呼ぶことがある)の光塩素化によって2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(以下234daと呼ぶことがある)を合成し、234daを水酸化カリウム溶液中で脱塩化水素反応すると1224が合成できることが記載されている。234daは、CF3CHClCHClFで表されるハイドロクロロフルオロカーボンである。

0011

また、特許文献2には、1224の原料である235daの合成方法が記載されている。

0012

特開2013−103890号公報
米国特許第3499089号

先行技術

0013

Journal of the Chemical Society, Dalton Transactions: Inorganic Chemistry, Vol.1975, No.21, PP.2292-2294 (1975)

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)を無機塩基と接触させることにより、副生物の生成を抑制しつつ、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

下記の反応式に示すように、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)と塩基を接触させると、脱塩化水素反応が進行し、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)が合成される。

0016

非特許文献1に記載の方法では、下記の反応式に示すように、234daの脱塩化水素反応により1224、脱フッ化水素反応により1,2−ジクロロ-3,3,3−トリフルオロプロペン(CF3CCl=CHCl、以下、1223と呼ぶことがある)が生成する。非特許文献1の2294ページには、234daの脱塩化水素工程による1224の収率は69%であることが記載され、残部は1223が副生したと推測される。製造者が1224のみを所望する場合、副生成物となる1223の生成は少ないことが好ましい。

0017

0018

以上の様に、有機物である234daと水溶液中の無機塩基を接触させ1224を得る製造方法には、1223が副生し、1224のみを効率的に得られないと言う問題があった。

0019

本発明者らは鋭意検討した結果、水性媒体中において、相間移動触媒の存在下で、有機物である2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)と無機塩基を接触させることで、副生物である1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223)の生成を抑制し、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0020

尚、本発明において、水性媒体とは、水を必須の成分として含む液状の媒体であり、他の有機溶媒を含んでいてもよい。

0021

具体的には、有機物である234daを水性媒体中の無機塩基に単に接触させ、そのまま反応を行うと、234daの脱フッ化水素反応が進行し1223が副生しやすく、1224の選択率が低くなる。ところが本発明者らは、当該反応を相間移動触媒の存在下で実施すると、意外なことに1223の副生が抑制され、脱塩化水素反応による1224の選択性が増すことを見出し、本発明の1224の製造方法を完成させるに至った。

0022

即ち、本発明は、以下の発明1〜6よりなる。
[発明1]
水性媒体中において、相間移動触媒の存在下、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)とpKaが4.8以上の無機塩基を接触させる工程を含む、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)の製造方法。
[発明2]
無機塩基がpKa10以上の無機塩基である、発明1の製造方法。
[発明3]
無機塩基が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである、発明2の製造方法。
[発明4]
相間移動触媒が第4級アンモニウム塩である、発明1〜3の製造方法。
[発明5]
相間移動触媒が炭素数8〜50の4級アンモニウム塩である、発明4の製造方法。
[発明6]
相間移動触媒がテトラブチルアンモニウムブロミドメチルトリn−オクチルアンモニウムクロライドベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびテトラエチルアンモニウムクロライドからなる群より選ばれる少なくとも一つの相間移動触媒である、発明5の製造方法。

発明の効果

0023

本発明の2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)の製造方法において、水性媒体中において、有機物である2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)と無機塩基を接触させる際、相間移動触媒の存在下で接触させることによって、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223)を副生させることなく、1224のみを選択率よく得ることができる。

0024

以下、本発明について詳細に説明する。

0025

本発明の1224の製造方法は、水性媒体中において、相間移動触媒の存在下、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)とpKaが4.8以上の無機塩基を接触させる工程を含む。尚、本発明の1224の製造方法において、有機塩基とは第1〜3級アミンまたは窒素原子を含む複素環式化合物であって塩基性を示すものを言い、無機塩基とは、それ以外の塩基性の化合物を言う。
[無機塩基]
本発明の1224の製造方法に用いる無機塩基としては、リチウムナトリウムもしくはカリウム等のアルカリ金属水酸化物炭酸塩炭酸水素塩リン酸塩もしくは酢酸塩、またはカルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物を例示することができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム炭酸リチウム炭酸水素リチウムリン酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウムリン酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸水素カリウムリン酸カリウム酢酸リチウムギ酸ナトリウム酢酸ナトリウムギ酸カリウムまたは酢酸カリウムを例示することができる。

0026

尚、共役酸酸解離定数pKaが4未満(pKa<4)の無機塩基を用いると、本発明の1224の製造方法において234daから1224を得る際の反応速度が低下するが、酸解離定数が2(pKa=2)であるリン酸二水素カリウム(KH2PO4)を用いると反応は殆ど進行しない。しかしながら、pKa=4.8である酢酸カリウム(AcOK)およびpKa=7.2であるリン酸二水素カリウム(K2HPO4)を用いると反応が進行する。pKaが10以上である炭酸カリウム(K2CO3)、リン酸カリウム(K3PO4)は、高い反応速度を得ることができ、反応を完結させて1224の収率を高めることができる。特に、pKaが15以上の水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)の反応速度が高く、入手しやすく安価であることより、本発明の1224の製造方法に用いるのに好ましい化合物である。

0027

このように、本発明の1224の製造方法において用いる無機塩基は、pKaが4.8以上の無機塩基が好ましく、7以上の無機塩基がより好ましく、特に10以上の無機塩基がさらに好ましく、さらにpKa15以上が好ましい。pKa10以上の無機塩基を用いることで反応は速やかに進行する。

0028

これら無機塩基のpKaの値は、例えば、「化学便覧改訂5版 日本化学会編」等に記載されている。尚、酸解離定数(pKa)は、ブレンステッド酸プロトン供与能力を、水分子標準プロトン受容体(塩基)として比較表現した定数である。本発明の1224の製造方法において、共役酸である無機塩基のアルカリ強度を、酸解離定数(pKa)を用いて表している。

0029

本発明の1224の製造方法における無機塩基の使用量は、原料である234daの1当量に対して、好ましくは1当量以上、2当量以下、さらに好ましくは1当量以上、1.5当量以下である。無機塩基を2当量より多く用いた場合は副反応が起こることがある。1当量未満の場合は反応が完結しないことがある。

0030

通常、これらの無機塩基は固体であるので、溶媒に溶解させ使用する。無機塩基を溶解させる溶媒には、例えば、極性有機溶媒または水を例示することができる。本発明の1224の製造方法は、溶媒として無機塩基の溶解性が高い水性媒体中で行うことが好ましい。水性媒体中の無機塩基の濃度は5質量%以上、40質量%以下が好ましい。5質量%より薄いと、必要以上の無機塩基を使用することになり、生産効率が低下する。40質量%より濃いと、無機塩基または反応系において生成した塩が析出して反応中の攪拌ができなくなる、または反応後の廃液処理が煩雑になる虞がある。さらに好ましくは、10質量%以上、30質量%以下である。
[有機塩基]
本発明の1224の製造方法において、上記無機塩基に加えて、任意成分として以下の有機塩基を共存させることも妨げない。

0031

このような有機塩基としては、例えば、炭素数1〜6のカルボン酸アルカリ金属塩、または炭素数3〜18の3級アミンを例示することができる。具体的な3級アミンとして、トリメチルアミントリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリ−n−アミルアミン、トリ−イソアミルアミン、トリ−sec−アミルアミン、トリ−tert−アミルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミンテトラメチルグアニジン、N−メチルジエチルアミン、N−メチルジ−n−プロピルアミン、N−メチルジイソプロピルアミン、N−メチルジ−n−ブチルアミン、N−メチルジイソブチルアミン、N−メチルジ−tert−ブチルアミン、N,N−ジイソプロピルブチルアミン、N,N-ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミンまたはN−メチルジヘキシルアミンを例示することができる。環式のアミンとして、テトラメチルグアニジン、N,N′−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、またはビス(2−ジメチルアミノエチル)エ−テルを例示することができる。

0032

有機塩基は水に可溶であり、反応終了後排水処理において中和した後の塩に回収の必要性があることが多い。本発明の1224の製造方法は、234daから1224を製造する際に、少量の相間移動触媒を用いることで、無機塩基を用いたとしても副生物である1223を生成させることなく、1224を高い選択率で効率よく得られる。必要ない限りは、無機塩基に加え有機塩基を用いなくてもよい。用いるとしても、その量は1224の原料化合物である234daの1当量に対して、0.5当量以下とすることが好ましく、0.1当量以下であることがより好ましい。反応終了後に中和することで水溶性の塩として容易に処理および廃液処理できる無機塩基と異なり、有機塩基は生成した有機物塩を、反応系外に取り出すことが容易ではなく、大量規模生産に際しては工程に負荷がかかる。
[相間移動触媒]
本発明の1224の製造方法は、上述の通り、水性媒体中において、相間移動触媒の存在下で234daと無機塩基を接触させることで、1223を副生させることなく高い収率で1224を得ることを特徴とするものである。尚、相間移動触媒とは、水に不溶有機化合物と有機溶媒に不溶の試薬を反応させるために使用される少量の試薬のことであり、本発明において、有機物である234daと水性媒体中の無機塩基の接触を促進する化合物(少量の試薬)のことを指す。

0033

本発明の1224の製造方法に用いる相間移動触媒としては、第4級アンモニウム塩、クラウンエ−テル類、カリックスアレ−ン類、シクロファン類、シクロデキストリン類ホスホニウム化合物類、またはピリジニウム化合物類を例示できる。

0034

これらの相間移動触媒のうち、第4級アンモニウム塩が好ましく、さらに炭素数8〜50の第4級アンモニウム塩が好ましい。

0035

例えば、全炭素数が8のテトラエチルアンモニウム、全炭素数が16のテトラブチルアンモニウムまたは全炭素数25のメチルトリ−n-オクチルアンモニウムフッ化物塩、塩化物塩臭化物塩またはヨウ化物塩は、少量で副生物である1223の生成を抑制する効果が大きく入手しやすいので、本発明の1224の製造方法に用いる相間移動触媒として好ましい。これらの相間移動触媒は混合し使用してもよい。特に、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドまたはテトラエチルアンモニウムクロライドは入手しやすく少量で効果を発揮するので、本発明の1224の製造方法に用いるのに特に好ましい相間移動触媒である。

0036

相間移動触媒の添加量は、234daの全量に対して、0.01モル%以上、10モル%以下が好ましい。0.01モル%よりも添加量が少ないときは、十分な添加効果が認められないことがある。10モル%より多く添加しても、さらなる効果は期待できず、相間移動触媒が無駄となるばかりでなく反応後の反応器清掃等の煩雑な作業が増えるので、10モル%より多く添加する必要はない。

0037

234daと水性媒体中の無機塩基の接触を促進するために234daと水の両方を溶解する水溶性有機化合物を用いることもできる。水溶性有機物としては、水と容積比で1:1の比率で混合したときに分離しない有機物が好ましい。具体的にはアセトン等のケトン類エーテル類アミド類を例示することができる。しかしながら、234daと無機塩基を接触させて脱塩化水素反応させて1224を得る際、脱フッ化水素反応を抑制し1223を副生させないために水溶性有機物を用いる場合、水溶性有機物を234daに対して多量に添加する必要があり、反応後の水溶性有機化合物の回収除去作業が煩雑である。

0038

本発明の1224の製造方法によれば、安価で環境への負荷の少ない無機塩基を用いた場合であっても、系内に少量の相間移動触媒を共存させることで、高選択率で目的とする1224を得ることができる。本発明の1224の製造方法において、相間移動触媒に加え前記水溶性有機化合物を加えてもよいが、前記水溶性有機化合物を共存させる必要性は低く、むしろ共存させないで反応を実施することが好ましい。
反応条件
本発明の1224の製造方法において、234daから1224を得る反応は、水性媒体中で行われる。反応が進行するなら反応系に水以外の媒体を加えることも可能であるが、水のみで反応は進行する。

0039

相間移動触媒の存在下で234daと水性媒体中の無機塩基を接触させる際の温度は−5℃以上、100℃以下、好ましくは0℃以上、50℃以下である。−5℃未満では反応速度が遅く、十分な量の1224を得るまで時間がかかる、または水性媒体が凍結することがある。水性媒体の凍結を防ぐために有機溶媒等を添加することも可能であるが、目的化合物である2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)との分離が困難になる、または廃棄物が増える場合がある。また、100℃を超えると副反応が起こり、副生成物が生成する虞があり、好ましくない。

0040

水性媒体中において、相間移動触媒の存在下、234daと無機塩基を接触させ1224を得る反応は加圧減圧または常圧でも進行するが、常圧を採用することが、工業的規模、即ち、工業プラントにおける工業生産を簡便な装置で行うことができ好ましい。

0041

234daには幾何異性体があり、エリトロ体の沸点は70℃であり、トレオ体の沸点は74℃である。クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのシス体(1224Z)の沸点は17℃であり、トランス体(1224E)の沸点は23℃である。1224Zまたは1224Eの沸点よりも高い反応温度操業する場合は、例えば、234daと相間移動触媒を加圧反応器仕込み無機塩基水溶液定量ポンプにて添加していく加圧反応を採用する、または、1224の沸点より高く、且つ234daの沸点よりも低い温度に加熱した無機塩基の水溶液に234daを滴下して生成物蒸留により抜き出しつつ反応させる反応蒸留を採用することが好ましい。反応蒸留は操作が簡便で目的生成物の収率が高く、本発明の1224の製造方法に好適に用いることができる。具体的には、常圧における反応蒸留を用い、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)に相間移動触媒を加え、20℃以上、50℃以下に加熱した塩基性水溶液を逐次添加し、撹拌しつつ低沸点ガスとして発生する2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)を逐次抜き出すことが好ましい。

0042

また、本明細書の実施例1、2、7〜9に示すように、本発明の1224の製造方法において塩基に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを使用することで反応を完結させることが可能となる。

0043

生成物は必要に応じて水洗、乾燥、蒸留、吸着精製等の通常の工程を通して、1224をシス体(1224Z)またはトランス体(1224E)に分離することができる。

0044

本発明において、蒸留精製によって分離された目的化合物以外の留分は、原料として再利用したり、医農薬中間体またはポリマー原料として活用したり、異性化不均化反応等を行って活用してもよい。
[原料化合物234daの製造]
本発明の1224の製造方法において、1224の原料化合物である234daの製造方法は特に限定されない。例えば、非特許文献1に記載のように、234daは、マグネシウム溶解炉カバガス等として市販されている1234を光塩素化することによって合成可能であり、光塩素化法によって、234daを得ることができる。また、234daは、商業的に生産されている1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234)を光塩素化することにより容易に製造可能である。原料の1234はシス体、トランス体またはシス体およびトランス体の混合物であってもよい。1234に高圧水銀灯紫外線照射し、234daとする光塩素化法が簡便であるが、光塩素化以外の方法、例えば、ラジカル開始剤または触媒を用いる塩素化方法を行ってもよい。

0045

本明細書の調製例の[2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)の調製]の項で示した様に、−78℃でトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234)を光塩素化すると、234daが生成する。

0046

以下実施例により、本発明を具体的に示すが、本発明の実施態様はこれに限定されない。尚、有機物の組成は、別途注釈のない限り、ガスクロマトグラフィ法を用い、水素炎イオン化型検出器FID検出器)により測定し、記録された「面積%」を「GC%」と表示した。
調製例
[2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(234da)の調製]
ガス導入口を備えた容量2000mlのガラス製反応器の底部を、ドライアイスを入れた温度−78℃のアセトン浴漬けて冷やし、原料としてのトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン901.86g(7.90モル)を反応器内に仕込んだ。−78℃のアセトン浴に漬けた状態で、塩素(Cl2)を、1.70g/minの供給速度で反応器内へ吹き込み、反応を開始した。次いで、反応器の外側から高圧水銀灯による紫外光照射を行いつつ、反応器内の原料および塩素を磁気攪拌子を用い撹拌し、5時間30分攪拌後、反応を終了させた。塩素の導入量の合計は560.5g(7.90モル)であった。反応器内内容物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水洗浄し、目的生成物である234daを含む反応物(1427.0g)を得た。反応物の組成をガスクロマトグラフで測定したところ、組成は、234daが98.7GC%であり、234daの収率は96.3%であった
実施例1
ジムロート、500mL滴下ロート温度計および磁気攪拌子を備えた容量1Lの四つ口フラスコ内に、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミド(TABA)2.00g(0.006mol)、調製例において得た234da、555.14g(3.00mol)を仕込み、フラスコ底部をの入った水温0〜5℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流し、フラスコ内の内容物を還流させつつ、フラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の水酸化ナトリウム(NaOH、pKa=15以上)水溶液504.47g(3.15mol)を132分かけて徐々にフラスコ内に滴下した。同温度で1時間、フラスコ内の内容物を攪拌した後、氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した。ジムロート、滴下ロートを外し、長さ30cmヴィグリュー管を備えた単蒸留装置に組み替え蒸留回収し、1224を含む反応物424.87gを得た。反応物の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成は、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1224)が96.23GC%、ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223)が3.23GC%、未反応の234daは0.02GC%だった。
実施例2
ジムロート、100mL滴下ロート、温度および磁気攪拌子を備えた容積100mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミド(TABA)0.44g(0.0014mol)、調製例において得た234da、25.15g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を氷の入った水温0〜5℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の水酸化カリウム(KOH、pKa=15以上)水溶液33.50g(0.15mol)を60分かけて徐々に滴下した。同温度で1時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量100mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224を含む有機層19.41gを得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は、1224が95.21GC%、1223は3.12GC%、未反応の234daは0.01GC%であった。
実施例3
ジムロート、200mL滴下ロート、温度計および磁気攪拌子を備えた容量200mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミド(TABA)0.42g(0.0013mol)、調製例において得た234da、25.29g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を水温15〜20℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%のリン酸三カリウム(K3PO4、pKa=13)水溶液127.48g(0.15mol)を102分かけて徐々に滴下した。同温度で3時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量200mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224を含む有機層21.20gを得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は1224が90.52GC%、1223が3.23GC%、未反応の234daが5.01GC%であった。
実施例4
ジムロート、200mL滴下ロート、温度計および磁気攪拌子を備えた容量200mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミド(TABA)0.40g(0.0012mol)、調製例において得た234da、25.48g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を水温15〜20℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%のリン酸水素二カリウム(K2HPO4、pKa=7.2)水溶液104.68g(0.15mol)を62分かけて徐々に滴下した。同温度で2時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量200mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224を含む有機層21.51gを得た。生成物の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、測定は1224が14.06GC%、1223が0.00GC%、未反応の234daは84.35GC%であった。
実施例5
ジムロート、100mL滴下ロート、温度計および磁気攪拌子を備えた容量100mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミド(TABA)0.44g(0.0014mol)、調製例において得た234da、25.15g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を水温15〜20℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の酢酸カリウム水溶液(AcOK、pKa=4.8)58.70g(0.15モル)を60分で滴下した。同温度で1時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量200mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224含む有機層24.42gを得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は1224が8.25GC%、1223が0.01GC%、未反応の234daが89.36GC%であった。
実施例6
圧力計およびバルブを備えた容量50mlのガラスオートクレーブ内に相間移動触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミド(TABA)0.17g(0.0005mol)を加え、真空ポンプ繋ぎ減圧した後バルブを閉じ、オートクレーブ底部を氷の入った水浴に漬けて冷却した。テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと呼ぶことがある)製チューブをオートクレーブのバルブに接続しバルブを開け、調製例で得た234da、10.00g(0.05mol)次いで、濃度25質量%のリン酸水素二カリウム(K2HPO4、pKa=7.2)水溶液、43.10g(0.06mol)をオートクレーブ内に注入後、バルブを閉じ、室温(25℃)下で30分攪拌した後、オートクレーブ底部を50℃に調整したオイルバスに漬け、3時間攪拌し反応させた。反応中、圧力計は0.12MPaGを示していた。予め冷蔵庫で冷やした分析ロートに移し2層分離させ、7.98gの有機層を得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィで測定したところ、1224が66.21GC%、1223が0.05GC%、未反応の234daが32.54GC%であった。
実施例7
ジムロート、100mL滴下ロート、温度および磁気攪拌子を備えた容量100mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのメチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロライド、0.0014mol、調製例において得た234da、25.15g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を氷の入った水温0〜5℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の水酸化カリウム(KOH、pKa=15以上)水溶液33.50g(0.15mol)を60分かけて徐々に滴下した。同温度で1時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下まで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量100mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224を含む有機層を得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析したところ、1224が95.12GC%、1223が3.34GC%、未反応の234daが0.06GC%であった。
実施例8
ジムロート、100mL滴下ロート、温度および磁気攪拌子を備えた容量100mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、0.0014mol、調製例において得た234da、25.15g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を氷の入った水温0〜5℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の水酸化カリウム水溶液(KOH、pKa=15以上)33.50g(0.15mol)を60分かけて徐々に滴下した。同温度で1時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下まで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却した容量100mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224を含む有機層を得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は1224が95.09GC%、1223が3.28GC%、未反応の234daが0.08GC%であった。
実施例9
ジムロート、100mL滴下ロート、温度および磁気攪拌子を備えた容量100mLの四つ口フラスコに、相間移動触媒としてのテトラエチルアンモニウムクロライド、0.0014mol、調製例において得た234da、25.15g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を氷の入った水温0〜5℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の水酸化カリウム水溶液(KOH、pKa=15以上)33.50g(0.15mol)を60分かけて徐々に滴下した。同温度で1時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量100mLの分液ロートに移し、2層分離し、反応物として1224を含む有機層を得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は1224が94.98GC%、1223が3.09GC%、未反応の234daが0.07GC%であった。
比較例1
ジムロート、100mL滴下ロート、温度計および磁気攪拌子を備えた容量100mLの四つ口フラスコに、調製例において得た234da、25.03g(0.14mol)を仕込み、フラスコ底部を氷の入った水温0〜5℃の水浴に浸け、−15℃の冷媒をジムロートに流しフラスコ内の内容物の攪拌を開始した。滴下ロートより、濃度25質量%の水酸化カリウム(KOH、pKa=15以上)水溶液33.40g(0.15モル)を68分かけて徐々に滴下した。同温度で2時間、フラスコ内の内容物を攪拌した。氷水浴でフラスコ内の温度が5℃以下になるまで冷却した後、予め冷蔵庫で冷却しておいた容量100mLの分液ロートに移し、2層分離したところ、反応物として1224を含む有機層21.75gを得た。生成物の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は1224が68.11GC%、1223が25.39GC%、未反応の234daは5.37GC%であり、1223が25.39GC%副生した。相間移動触媒を用いなかったことで、1223が多量に副生した。
比較例2
圧力計およびバルブを備えた容量50mlのガラス製オートクレーブ内にテトラブチルアンモニウムブロミド0.13g(0.0004mol)を加え、真空ポンプを繋ぎ減圧した後バルブを閉じ、オートクレーブ底部を氷の入った水浴に漬けて冷却した。PFA製チューブをオートクレーブのバルブに接続しバルブを開け、調製例で得た234da、7.51g(0.04mol)次いで、濃度20質量%のリン酸水素二カリウム(KH2PO4、pKa=2)水溶液、42.01g(0.06mol)をオートクレーブ内に注入後、バルブを閉じ、室温(25℃)下で30分攪拌した後、オートクレーブ底部を50℃に調整したオイルバスに漬け、3時間攪拌し反応させた。反応中、圧力計は0.03MPaGを示していた。予め冷蔵庫で冷やした分析ロートに移し2層分離させ、反応物として6.81gの有機層を得た。有機層の組成をガスクロマトグラフィ分析した結果、組成比は1224が1.15GC%、1223が0.00GC%、未反応の234daが97.62GC%であった。pKaが2.0のリン酸水素二カリウム水溶液では、pKaが小さすぎて反応が進行しなかった。

0047

実施例1〜9、比較例1〜2の結果を表1に示す。

実施例

0048

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