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技術 空間多重光伝送システム

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 小林孝行中川匡夫宮本裕佐野明秀高良秀彦水野隆之
出願日 2014年7月28日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-153279
公開日 2016年3月7日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2016-032178
状態 特許登録済
技術分野 光通信システム
主要キーワード モードコンバータ 適応信号 オーバーサンプリングレート 時間ウインドウ 回路単位 コヒーレント方式 偏波多重光 コア数
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2016年3月7日)のものです。
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図面 (5)

課題

適応信号処理収束性や安定性を向上し、高品質伝送の実現することができる空間多重光伝送システムを提供する。

解決手段

光マルチキャリア信号を送信する複数の送信部と、信号光を受信する複数の受信部と、信号光を伝送する複数の空間多重パスをもつ光伝送路と、送信部からのそれぞれの信号光を光伝送路のそれぞれの空間多重パスに結合する第1の結合部と、光伝送路のそれぞれのパスから出力された信号光をそれぞれ受信部へ結合する第2の結合部と、受信された光マルチキャリア信号に対して、第1の結合部及び空間多重パス内で生じたクロストークサブキャリアごとに補償する並列適応信号分離・等化処理部とを備え、光マルチキャリア信号のサブキャリアのボーレートを、空間多重パス間で生じる遅延量が適応信号分離・等化処理部のタップ数時間ウインドウ内に収まるように設定する。

概要

背景

光伝送システム大容量化を目指して、シングルコア光ファイバを用いた光伝送システムが研究されているのみならず、マルチコアマルチモード光ファイバを用いた空間多重光伝送システムが研究されている(例えば、非特許文献1参照)。空間多重伝送ステムでは、コア伝送モードを用いることで、周波数利用効率を向上させることができるが、コア間やモード間でのクロストークにより信号品質が低下する。そのため、伝送媒体に応じて伝搬方向インターリーブ技術(例えば、非特許文献2参照)やMIMO(Multi-in Multi-output)信号処理技術(例えば、非特許文献3、4参照)を併せて用いることで、高品質な空間多重光伝送が実現できる。

しかしながら、MIMO信号処理技術を用いた空間多重光伝送方式には以下の課題がある。すなわち、空間チャネル間には群速度遅延が存在し、伝搬距離に応じて累積する。空間チャネル間のクロストークの時間的な広がり遅延量に応じて広がるため、MIMO処理を行うために必要なフィルタタップ数が遅延量に応じて増加する。マルチコアファイバを用いた伝送システムでは、信号が伝搬する各コアが空間チャネルに該当し、コア間の伝搬定数差に起因した群速度遅延が存在する。

また、マルチモードファイバを用いた伝送システムでは、励起されたモードが空間チャネルに該当し、モード間の伝搬定数差に起因したDMGD(Differential Mode Group Delay)が存在する。伝搬距離やマルチモードファイバの構造にもよるが、その遅延量は数十nsオーダーの大きさになる。

従来のシングルモードファイバにおける100Gb/sシングルキャリアデジタルコヒーレント伝送方式では、遅延量が大きくほぼ静的な波長分散(〜数万ps/nm)は、周波数領域等化FDE:Frequency domain Equalization)を行う。また、動的な変動を伴う偏波モード分散(PMD:polarization mode dispersion)に対しては(〜100ps)、10〜20tap程度のFIR(Finite impulse response)フィルタを適応的に動かすことにより時間領域等化(TDE:Time Domain Equalization)を行う。このようにすることで、光ファイバ中で生じる伝搬チャネルの変動に追随している(例えば、非特許文献5参照)。

従来のシングルキャリアデジタルコヒーレント方式を空間多重光伝送システムに拡張すると、100Gb/s級の速度で動作する1000tap程度の動的なTDEが必要になるが、タップ数が大きくなると適応信号処理収束性および安定性が低下し、その回路規模も増大する。

一方、動的変動を適応的な周波数領域等化で処理するOFDM方式の研究も行われており、シングルキャリアのTDE方式に比べて、大きな遅延量に対する演算コストの面ではすぐれているが、伝送路の変動に対する追随性は低い(例えば、非特許文献6参照)。

概要

適応信号処理の収束性や安定性を向上し、高品質な伝送の実現することができる空間多重光伝送システムを提供する。光マルチキャリア信号を送信する複数の送信部と、信号光を受信する複数の受信部と、信号光を伝送する複数の空間多重パスをもつ光伝送路と、送信部からのそれぞれの信号光を光伝送路のそれぞれの空間多重パスに結合する第1の結合部と、光伝送路のそれぞれのパスから出力された信号光をそれぞれ受信部へ結合する第2の結合部と、受信された光マルチキャリア信号に対して、第1の結合部及び空間多重パス内で生じたクロストークをサブキャリアごとに補償する並列適応信号分離・等化処理部とを備え、光マルチキャリア信号のサブキャリアのボーレートを、空間多重パス間で生じる遅延量が適応信号分離・等化処理部のタップ数の時間ウインドウ内に収まるように設定する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、適応信号処理の収束性や安定性を向上し、高品質な伝送の実現することができる空間多重光伝送システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

光マルチキャリア信号を送信する複数の送信部と、信号光を受信する複数の受信部と、前記信号光を伝送する複数の空間多重パスをもつ光伝送路と、前記送信部からのそれぞれの信号光を前記光伝送路のそれぞれの空間多重パスに結合する第1の結合部と、前記光伝送路のそれぞれのパスから出力された信号光をそれぞれ前記受信部へ結合する第2の結合部と、受信された前記光マルチキャリア信号に対して、前記第1の結合部及び前記空間多重パス内で生じたクロストークサブキャリアごとに補償する並列適応信号分離・等化処理部とを備え、前記光マルチキャリア信号のサブキャリアのボーレートを、前記空間多重パス間で生じる遅延量が前記適応信号分離・等化処理部のタップ数時間ウインドウ内に収まるように設定することを特徴とする空間多重光伝送システム

請求項2

前記光伝送路は、マルチモード光ファイバであることを特徴とする請求項1に記載の空間多重光伝送システム。

請求項3

前記光伝送路は、マルチコア光ファイバであることを特徴とする請求項1に記載の空間多重光伝送システム。

請求項4

前記光伝送路は、マルチコア・マルチモード光ファイバであることを特徴とする請求項1に記載の空間多重光伝送システム。

請求項5

前記送信部は、サブキャリアごとに時間的な位置が異なる既知信号を挿入する既知信号挿入部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の空間多重光伝送システム。

請求項6

前記受信部は、前記光マルチキャリア信号を一括受信し、受信した光マルチキャリア信号に対して波長分散補償を一括して行う波長分散補償部と、前記波長分散補償部から出力された信号を各サブキャリアに分離するサブキャリア分離部とをさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の空間多重光伝送システム。

技術分野

0001

本発明は、光ファイバを用いた空間多重光伝送システムに関する。

背景技術

0002

光伝送システムの大容量化を目指して、シングルコア光ファイバを用いた光伝送システムが研究されているのみならず、マルチコアマルチモード光ファイバを用いた空間多重光伝送システムが研究されている(例えば、非特許文献1参照)。空間多重伝送ステムでは、コア伝送モードを用いることで、周波数利用効率を向上させることができるが、コア間やモード間でのクロストークにより信号品質が低下する。そのため、伝送媒体に応じて伝搬方向インターリーブ技術(例えば、非特許文献2参照)やMIMO(Multi-in Multi-output)信号処理技術(例えば、非特許文献3、4参照)を併せて用いることで、高品質な空間多重光伝送が実現できる。

0003

しかしながら、MIMO信号処理技術を用いた空間多重光伝送方式には以下の課題がある。すなわち、空間チャネル間には群速度遅延が存在し、伝搬距離に応じて累積する。空間チャネル間のクロストークの時間的な広がり遅延量に応じて広がるため、MIMO処理を行うために必要なフィルタタップ数が遅延量に応じて増加する。マルチコアファイバを用いた伝送システムでは、信号が伝搬する各コアが空間チャネルに該当し、コア間の伝搬定数差に起因した群速度遅延が存在する。

0004

また、マルチモードファイバを用いた伝送システムでは、励起されたモードが空間チャネルに該当し、モード間の伝搬定数差に起因したDMGD(Differential Mode Group Delay)が存在する。伝搬距離やマルチモードファイバの構造にもよるが、その遅延量は数十nsオーダーの大きさになる。

0005

従来のシングルモードファイバにおける100Gb/sシングルキャリアデジタルコヒーレント伝送方式では、遅延量が大きくほぼ静的な波長分散(〜数万ps/nm)は、周波数領域等化FDE:Frequency domain Equalization)を行う。また、動的な変動を伴う偏波モード分散(PMD:polarization mode dispersion)に対しては(〜100ps)、10〜20tap程度のFIR(Finite impulse response)フィルタを適応的に動かすことにより時間領域等化(TDE:Time Domain Equalization)を行う。このようにすることで、光ファイバ中で生じる伝搬チャネルの変動に追随している(例えば、非特許文献5参照)。

0006

従来のシングルキャリアデジタルコヒーレント方式を空間多重光伝送システムに拡張すると、100Gb/s級の速度で動作する1000tap程度の動的なTDEが必要になるが、タップ数が大きくなると適応信号処理収束性および安定性が低下し、その回路規模も増大する。

0007

一方、動的変動を適応的な周波数領域等化で処理するOFDM方式の研究も行われており、シングルキャリアのTDE方式に比べて、大きな遅延量に対する演算コストの面ではすぐれているが、伝送路の変動に対する追随性は低い(例えば、非特許文献6参照)。

先行技術

0008

T. Morioka, "New generation optical infrastructure technologies: "EXAT initiative" towards2020 and beyond," OECC2009, FT-4, 2009.
A. Sano et al., "409-Tb/s + 409-Tb/s crosstalk suppressed bidirectional MCF transmission over 450 km using propagation-direction interleaving," Opt. Express, Vol. 21, No.14, pp. 16777-16783 (2013).
R. Ryf et al., "23 Tbit/s Transmission over 17-km Conventional 50-μm Graded-Index Multimode Fiber," Proc. OFC2014, Th5B.1, 2014
R. Ryf et al., "MIMO-Based Crosstalk Suppression in Spatially Multiplexed 3×56-Gb/s PDM-QPSKSignals for Strongly Coupled Three-Core Fiber," Photonics Technology Letters,IEEE , vol.23, no.20, pp.1469,1471, Oct.15, 2011
E. Yamazaki et al., "Fast optical channel recovery in field demonstration of 100-Gbit/s Ethernet over OTN using real-time DSP," Opt. Express, Vol. 19, No.14, pp. 13179-13184 (2011)
島ら, "MIMO処理技術を用いた偏波多重光伝送方式における偏波変動追従速度高速化に関する検討,"電子情報通信学会論文誌B,IEICE, vol. J96-B, No.3, pp.274-282, 2013

発明が解決しようとする課題

0009

前述したように、従来技術による空間多重光伝送システムにあっては、適応信号処理の収束性や安定性が低く、高品質の伝送を実現することができないという問題がある。

0010

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、適応信号処理の収束性や安定性を向上し、高品質な伝送の実現することができる空間多重光伝送システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、光マルチキャリア信号を送信する複数の送信部と、信号光を受信する複数の受信部と、前記信号光を伝送する複数の空間多重パスをもつ光伝送路と、前記送信部からのそれぞれの信号光を前記光伝送路のそれぞれの空間多重パスに結合する第1の結合部と、前記光伝送路のそれぞれのパスから出力された信号光をそれぞれ前記受信部へ結合する第2の結合部と、受信された前記光マルチキャリア信号に対して、前記第1の結合部及び前記空間多重パス内で生じたクロストークをサブキャリアごとに補償する並列適応信号分離・等化処理部とを備え、前記光マルチキャリア信号のサブキャリアのボーレートを、前記空間多重パス間で生じる遅延量が前記適応信号分離・等化処理部のタップ数の時間ウインドウ内に収まるように設定することを特徴とする。

0012

本発明は、前記光伝送路は、マルチモード光ファイバであることを特徴とする。

0013

本発明は、前記光伝送路は、マルチコア光ファイバであることを特徴とする。

0014

本発明は、前記光伝送路は、マルチコア・マルチモード光ファイバであることを特徴とする。

0015

本発明は、前記送信部は、サブキャリアごとに時間的な位置が異なる既知信号を挿入する既知信号挿入部を備えることを特徴とする。

0016

本発明は、前記受信部は、前記光マルチキャリア信号を一括受信し、受信した光マルチキャリア信号に対して波長分散補償を一括して行う波長分散補償部と、前記波長分散補償部から出力された信号を各サブキャリアに分離するサブキャリア分離部とをさらに備えることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、光マルチキャリア信号と独立かつ並列な時間領域の適応MIMO等化処理を行うことで、少数タップでの等化処理が可能になり、適応信号処理の収束性や安定性を向上し、高品質な伝送が実現できるという効果が得られる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
送信信号光スペクトルを示す図である。
本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
送信信号の光スペクトルを示す図である

実施例

0019

<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態による空間多重光伝送システムを説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号11、12、13は、所定のキャリア数マルチキャリア信号を生成して送信するマルチキャリア送信機である。マルチキャリア送信機11、12、13のそれぞれから信号1、2、3が送信される。

0020

符号2は、モード変換及び結合を行うモードコンバータ結合器である。符号3は、伝送媒体であるマルチモードファイバである。符号4は、分波及びモード変換を行う分波器・モードコンバータである。符号51、52、53は、マルチキャリア送信機11、12、13が送信した信号1、2、3をマルチモードファイバ3を介して受信する受信機である。

0021

符号6は、受信機51、52、53からそれぞれ出力した信号の波長分散を補償する波長分散補償部である。符号7は、波長分散補償部6から出力する信号からサブキャリアを抽出して周波数変換を行うサブキャリア抽出・周波数変換部である。

0022

符号81は、サブキャリア抽出・周波数変換部7から出力するサブキャリア毎信号処理を行うSC#1(第1のサブキャリア)処理部である。SC#n(nは1からサブキャリアの数と同数まで)処理部は、サブキャリアと同数だけ設けられる。図1においては、SC#1処理部81、SC#2処理部82、SC#20処理部83のみを図示したが実際には、20個(ここでは、サブキャリア数が20)の処理部が設けられる。

0023

符号811は、信号分離・等化処理を行うMIMO等化処理部である。符号8121、8122、8123は、受信信号毎に位相周波数オフセットを補償する位相・周波数オフセット補償部である。

0024

符号8131、8132、8133は、位相・周波数オフセット補償部8121、8122、8123それぞれから出力する信号に対して判定を行って信号1、2、3を復調する判定部である。SC#1処理部81の判定部8131、8132、8133からはそれぞれ信号1SC(サブキャリア)1、信号2SC2、信号3SC1が出力されることになる。他のSC#n処理部からも同様に信号が出力される。

0025

次に、図1を参照して、図1に示す空間多重光伝送システムの動作を説明する。本実施形態では、空間多重の伝送媒体としてマルチモードファイバ3を利用し、使用するモード数空間多重数)は3、マルチモードファイバの最大DMGDを21ns、2オーバーサンプルのシステムで実装可能なMIMO等化処理回路規模を3×3×60タップとする。

0026

21nsのDMGDの存在下でクロストークを含む波形劣化を60tapの適応フィルタで等化するためには、DMGDの正負も考慮すると、サブキャリアのボーレートは714.28Mbaud(=1/(21ns×2/60tap/2oversample))以下であることが望ましい。例えば、12.5GHzのWDMスロットを考えると、サブキャリア間ガードバンド40MHzで525Mbaudの20キャリアの信号が収容可能である(図2参照)。これはシングルキャリア信号換算すると10.5Gbaudに相当する。図2は、送信信号の光スペクトルを示す図である。

0027

まず、マルチキャリア送信機11、12、13は、設計値に応じたキャリア数のマルチキャリア信号を生成し(ここでは20キャリア)、各サブキャリアの3つの伝送モードに対して互いに異なるデータが重畳された信号が、モードコンバータ・結合器2を通してマルチモードファイバ3に入力する。

0028

本実施形態では、60(3mode×20キャリア)の異なる信号が重畳可能である。重畳する信号は、高速な信号を分割したものでもよいし、低速な信号をそれぞれのキャリアの伝搬モード割り当ててもよい。図1においては、各伝送モードに割り当てる20キャリアのマルチキャリア信号群を、それぞれ信号1、信号2、信号3と表している。

0029

次に、マルチモードファイバ3を伝送した信号は分波器・モードコンバータ4を通してシングルモードに変換され、それぞれの受信信号に対応した受信機51、52、53で受信する。受信機51、52、53のそれぞれでは、マルチキャリア信号を一括して受信し、量子化標本化する。そして、波長分散補償部6は、マルチキャリア信号一括で波長分散を補償する。

0030

次に、サブキャリア抽出・周波数変換部7は、サブキャリア抽出を行い、それぞれのサブキャリアをベースバンド信号に周波数変換する。この受信信号は、モードコンバータ・結合器2、分波器・モードコンバータ4やマルチモードファイバ上で生じるクロストークおよびDMGDの影響を受けて、お互いに混ざり合っているため、サブキャリアごとに実装されるMIMO等化処理部811は、信号分離・等化処理を行う。

0031

次に、位相・周波数オフセット補償部8121、8122、8123は、受信信号毎に位相リカバリと周波数オフセット補償を行う。そして、判定部8131、8132、8133は判定を行い、データを復調して出力する。この適応信号処理の収束は、送信側でサブキャリアごとに挿入された既知信号を用いたMMS規範を用いて行われるが、ゼロフォーシング規範を用いてもよいし、マルチユーザーCMAのようなブラインド信号処理アルゴリズムを用いてもよい。

0032

ここでは、525Mbaudのクロックで3×3×60タップの信号処理を20並列で独立に行えばよく、MIMO等化処理回路単位で考えれば、合計のボーレートが等しい10.5Gbaudのシングルキャリア方式に比べて、タップ数の削減にともなう、適応信号処理の回路規模の削減や収束性・安定性が向上することは明らかである。

0033

なお、本実形態では、単一偏波信号の例を説明したが、送信信号が偏波多重信号の場合は、MIMO処理回路を6×6×60tapとすることによって対応すればよい。

0034

また、前述した説明においては、光マルチキャリア信号を一括受信する例を説明したが、光マルチキャリア信号の受信は必ずしも一括でなく個別に受信する構成であってもよい。

0035

<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態による空間多重光伝送システムを説明する。第1実施形態では伝送モード数が3の時について説明したが、第2実施形態では、N個の伝送モードを使用する場合の空間多重光伝送システムについて説明する。システム構成は、図1に示す構成と同等であり、異なる点はマルチキャリア送信機の数とMIMO等化処理部の後段に接続されている回路の並列数がN個になっているという点である。

0036

OSをオーバーサンプリングレート、伝送路の最大DMGDがT(ns)でN×N×PタップのMIMO等化処理回路が実装可能と仮定すると、マルチキャリア信号のボーレートの上限値が(1)式より決定する。
P×OS/(2T)[Baud] ・・・(1)

0037

これよりWDMスロットの帯域幅からボーレートとガードバンドを考慮して、キャリア数を決定しシステムを設計することで、Nモード伝送の場合でもシングルキャリア方式に比べ、適応信号処理の回路規模の削減や収束性・安定性の向上が得られる。

0038

<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態による空間多重光伝送システムを説明する。第1、第2実施形態では、マルチモードファイバ3を伝送媒体として用いた場合を説明したが、第3実施形態では、空間多重の伝送媒体としてマルチコアファイバを用いる。図3は、第3実施形態による空間多重光伝送システムの構成を示す図である。この図において、図1に示すシステムと同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡単に行う。

0039

図3において、符号11、12、13は、所定のキャリア数のマルチキャリア信号を生成して送信するマルチキャリア送信機である。マルチキャリア送信機11、12、13のそれぞれから信号1、2、3が送信される。

0040

符号9は、結合を行う結合部である。符号10は、伝送媒体であるマルチコアファイバである。符号11は、結合を行う結合部である。符号51、52、53は、マルチキャリア送信機11、12、13が送信した信号1、2、3をマルチコアファイバ10を介して受信する受信機である。

0041

符号6は、受信機51、52、53からそれぞれ出力した信号の波長分散を補償する波長分散補償部である。符号7は、波長分散補償部6から出力する信号からサブキャリアを抽出して周波数変換を行うサブキャリア抽出・周波数変換部である。

0042

符号81は、サブキャリア抽出・周波数変換部7から出力するサブキャリア毎に信号処理を行うSC#1(第1のサブキャリア)処理部である。SC#n(nは1からサブキャリアの数と同数まで)処理部は、サブキャリアと同数だけ設けられる。

0043

符号811は、信号分離・等化処理を行うMIMO等化処理部である。符号8121、8122、8123は、受信信号毎に位相と周波数オフセットを補償する位相・周波数オフセット補償部である。

0044

符号8131、8132、8133は、位相・周波数オフセット補償部8121、8122、8123それぞれから出力する信号に対して判定を行って信号1、2、3を復調する判定部である。SC#1処理部81の判定部8131、8132、8133からはそれぞれ信号1SC(サブキャリア)1、信号2SC2、信号3SC1が出力されることになる。他のSC#n処理部からも同様に信号が出力される。

0045

このように、基本的な構成はマルチモードファイバ3を用いる場合と同様である。異なる点は、空間多重信号が、異なるコアに入力される点と、伝送する信号が受ける信号劣化要因がコア間のクロストークであることと、コアごとの伝搬定数βが製造上の理由等から異なるため、コア間で群遅延差が生じることである。

0046

したがって、第1、第2実施形態で説明したDMGDをこのコア間の群遅延差に置き換えれば、(1)式を用いて、マルチモードファイバ使用時と同様のマルチキャリア信号の設計手法が適用可能になる。

0047

前述した説明では、3コアファイバの例(図4参照)を説明したが、3より大きなコア数を持つファイバにも適用可能である。図4は、送信信号の光スペクトルを示す図である。したがって、マルチコアファイバ10を用いる場合でも、MIMO等化処理回路単位で考えれば、合計のボーレートが等しいシングルキャリア方式に比べて、タップ数の削減に伴い、適応信号処理の回路規模の削減や収束性・安定性の向上が得られるのは明らかである。

0048

なお、図1に示すシステム構成と、図3に示すシステム構成とを組み合わせ、伝送媒体としてマルチコア・マルチモード光ファイバを用いるようにしてもよい。

0049

以上説明したように、光マルチキャリア信号と独立かつ並列な時間領域の適応MIMO等化処理を行うことで、少数タップでの等化処理により、空間多重光伝送システムにおいて適応信号処理の収束性や安定性を向上し、高品質な伝送が実現できる。

0050

以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行ってもよい。

0051

空間多重光伝送システムにおいて、適応信号処理の収束性や安定性を向上し、高品質な伝送の実現することが不可欠な用途に適用できる。

0052

11、12、13・・・マルチキャリア送信機、2・・・モードコンバータ・結合器、3・・・マルチモードファイバ、4・・・分波器・モードコンバータ、51、52、53・・・受信機、6・・・波長分散補償部、7・・・サブキャリア抽出・周波数変換部、81・・・SC#1処理部、82・・・SC#2処理部、83・・・SC#20処理部、811・・・MIMO等化処理部、8121、8122、8123・・・位相・周波数オフセット補償部、8131、8132、8233・・・判定部、9・・・結合部、10・・・マルチコアファイバ、11・・・結合部

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