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課題

β−アミロイドペプチドプロトフィブリル体に特異的なヒト化抗体、および該抗体のアルツハイマー病の分野における使用の提供。

解決手段

抗体が、老人斑中で凝集したA−βペプチドには結合するが、Aβペプチドのびまん性沈着物には結合しないことを特徴とし、該抗体のペプチドAβのプロトフィブリル体に対する親和性が、該抗体のこのペプチドの他の形態に対する親和性よりも少なくとも100倍の大きさであることを特徴とする抗体。更に、該抗体をコードする核酸を含む、組換えベクター、及び該ベクターを含有する宿主細胞に関する。

概要

背景

アルツハイマー病(AD)は、高い割合で高齢者に影響を及ぼす進行性神経変性疾患である。この疾患は、記憶力低下および認知機能衰えにより臨床的特徴付けられ、神経病理学的には、細胞神経原線維沈着物およびアミロイド斑を形成するβ−アミロイドペプチド(A−β)の細胞外沈着物が、脳内にあることにより特徴付けられる。(Yanker et al.Nature Med.Vol.2 No.8(1996))。これらの兆候に加えて、酸化ストレスの増加、アポトーシス機構活性化および最終的には細胞死をもたらす、免疫系および炎症系の低下ならびにミトコンドリアの機能の低下などの多くの他の異常な変化が存在する。

アミロイド斑は、主に40または42残基を有するA−βペプチドから構成され、これらはβ−アミロイドペプチド前駆体(APP)タンパク質タンパク質分解工程の間に産生される。A−βペプチドの細胞外沈着物は、家族型FAD)を含めたADの全ての型の、不変初期の特徴を示す。FADは比較的初期(40から60の間)に現れ、6つの一重または二重のミスセンス変異を有するFADの症例のうち5%(>20家族)においてAPPの遺伝子の変異に起因し、今日までに同定された80超の異なる変異を有するFADの50から70%の症例(>200家族)においてプレセニリン1(PS1)の遺伝子における変異に起因し、8家族において特徴付けられた2つのミスセンス変異を有するFADのより少ない症例において、プレセニリン2(PS2)の遺伝子における変異に起因する。これらの3つの遺伝子における変異は、A−βの過剰産生をもたらし、ADの散発性形態の病態および症候と同様の病態および症候の早期の発現をもたらす、APPのタンパク質分解の変化を誘導することが示されてきた。

アミロイド斑の神経毒性は、最初は可溶性であり(プロトフィブリル体とも呼ばれる。)次いでアミロイド斑に配合された不溶性形態に転換されるフィブリル体中の可溶性A−βペプチドの凝集により形成される高分子量のフィブリルに存在し得る。つまり、可溶性A−βペプチドは、次第に凝集して高分子量(>200kDa)のフィブリル体(即ち、これは、ペプチド/タンパク質のβシート三次構造を認識するコンゴレッドまたはチオフラビンSなどの試薬で標識することができる。)になるが、なお可溶性であることがインビトロで示された。この形態は可溶性なので、しばしばプロトフィブリル体と呼ばれるが、より大きな凝集から生じるフィブリルは、可溶性の損失をもたらす。プロトフィブリルの一時的な形態は、アミロイド線維の前駆体であり、アルツハイマー病およびタンパク質の凝集に関連する他の疾患における細胞の機能異常および神経の損失に関与し得ると通常考えられている。

老人性アミロイド斑(即ち、凝集物であり、成熟とも呼ばれる。)は、非罹患者においても広く存在するA−βペプチドのびまん性沈着物とは対照的に、アルツハイマー病患者認知状態相関することが示されてきた。(Duyckaerts et al.,Neurobiol.Aging 1997;18:33−42およびJellinger et al.,1998;54:77−95)。特にこれらの老人性アミロイド斑を標的とすることにより、アルツハイマー病をより具体的で効率的に治療することが可能である。

A−βペプチドの形成を防止するために、例えば、APPのタンパク質分解工程の阻害剤などの非常に多くの治療が試みられてきた。
斑の大きさおよび密度を低減するため、抗A−β抗体の投与アミロイド沈着物を低減するため)またはA−βペプチドの抗原での免疫付与液性応答反応を促進するため)などの免疫療法戦略試験されてきた。

例えば、A−βペプチドをコードする領域においてアークティック変異を示すプロトフィブリルに対して指向された抗体を投与することからなる、アルツハイマー病に対する治療方法が記載されている(US7179463)。
抗体の例は実際には記載されていない。さらに、これらのペプチドの分子量の関数としての、抗体のペプチドへの親和性の比較は行われていない。他の特許(US6761888およびUS6750324)は、ペプチドA−β42のアミノ酸配列に沿って種々のエピトープを認識する抗体に言及している。国際出願(WO2007/108756)は、プロトフィブリルに特異的な抗体に関して出願されたが、記載されている抗体は、高分子量A−βペプチドおよび中程度の重量のオリゴマーの両方を認識する。さらに、びまん性斑への抗体の親和性に対する、成熟斑への抗体の親和性についての言及はない。

概要

β−アミロイドペプチドのプロトフィブリル体に特異的なヒト化抗体、および該抗体のアルツハイマー病の分野における使用の提供。抗体が、老人斑中で凝集したA−βペプチドには結合するが、Aβペプチドのびまん性沈着物には結合しないことを特徴とし、該抗体のペプチドAβのプロトフィブリル体に対する親和性が、該抗体のこのペプチドの他の形態に対する親和性よりも少なくとも100倍の大きさであることを特徴とする抗体。更に、該抗体をコードする核酸を含む、組換えベクター、及び該ベクターを含有する宿主細胞に関する。A

目的

本出願に記載されるような、ヒト化され、A−βペプチドのプロトフィブリル体に特異的な抗体は、この課題を解決することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

請求項2

抗体が、老人斑中で凝集したA−βペプチドには結合するが、A−βペプチドのびまん性沈着物には結合しないことを特徴とする、請求項1に記載の抗体。

請求項3

抗体が、配列番号9、11、13、15、17および19の配列の1つと同一の配列を有するヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1から2の一項に記載の抗体。

請求項4

抗体が、配列番号10、12、14、16、18および20の1つに同一な配列を有するCDRを少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の抗体。

請求項5

抗体が、配列番号10、12、14、16、18および20の1つに対して1から2アミノ酸異なる配列を有するCDRを少なくとも1つ含むが、該抗体の結合特異性を維持することを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の抗体。

請求項6

抗体が、配列番号9、11、13、15、17および19のヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを含むことを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の抗体。

請求項7

抗体が、配列番号10、12、14、16、18および20の配列のCDRを含むことを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の抗体。

請求項8

抗体が、配列番号9、11、13、31、17および19のヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを含むことを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の抗体。

請求項9

抗体が、配列番号10、12、14、32、18および20の配列のCDRを含むことを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の抗体。

請求項10

抗体が、配列番号9、11、29、31、17および19のヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを含むことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の抗体。

請求項11

抗体が、配列番号10、12、30、32、18および20の配列のCDRを含むことを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の抗体。

請求項12

抗体の重鎖可変部分が、配列番号5および配列番号27の配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列によりコードされることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の抗体。

請求項13

抗体の重鎖の可変部分が、配列番号6および配列番号28の配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列を含むことを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の抗体。

請求項14

抗体の軽鎖の可変部分が、配列番号7および配列番号23の配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列によりコードされることを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の抗体。

請求項15

抗体の軽鎖の可変部分が、配列番号8および配列番号24の配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列を含むことを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の抗体。

請求項16

抗体が、配列番号5および配列番号27のヌクレオチド配列の1つによりコードされる可変部分を含む重鎖を含むことを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の抗体。

請求項17

抗体が、配列番号6または配列番号28のポリペプチド配列の可変部分を含む重鎖を含むことを特徴とする、請求項1から16の一項に記載の抗体。

請求項18

抗体が、配列番号7および配列番号23のヌクレオチド配列の1つによりコードされる可変部分を含む軽鎖を含むことを特徴とする、請求項1から17の一項に記載の抗体。

請求項19

抗体が、配列番号8または配列番号24のポリペプチド配列の可変部分を含む軽鎖を含むことを特徴とする、請求項1から18の一項に記載の抗体。

請求項20

抗体が、配列番号5および7のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含むことを特徴とする、請求項1から19の一項に記載の抗体。

請求項21

抗体の配列が、配列番号6および8のポリペプチド配列を含むことを特徴とする、請求項1から20の一項に記載の抗体。

請求項22

抗体が、配列番号1および配列番号25のヌクレオチド配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列によりコードされる重鎖を含むことを特徴とする、請求項1から21の一項に記載の抗体。

請求項23

抗体が、配列番号2および配列番号26のポリペプチド配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する重鎖を含むことを特徴とする、請求項1から22の一項に記載の抗体。

請求項24

抗体が、配列番号3および配列番号21のヌクレオチド配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列によりコードされる軽鎖を含むことを特徴とする、請求項1から23の一項に記載の抗体。

請求項25

抗体が、配列番号4および配列番号22のポリペプチド配列の1つと少なくとも80%の同一性を有する軽鎖配列を含むことを特徴とする、請求項1から24の一項に記載の抗体。

請求項26

抗体が、配列番号1および3のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含むことを特徴とする、請求項1から25の一項に記載の抗体。

請求項27

抗体の配列が、配列番号2および4のポリペプチド配列を含むことを特徴とする、請求項1から26の一項に記載の抗体。

請求項28

抗体が、配列番号5および23のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含むことを特徴とする、請求項1から27の一項に記載の抗体。

請求項29

抗体の配列が、配列番号6および24のポリペプチド配列を含むことを特徴とする、請求項1から28の一項に記載の抗体。

請求項30

抗体が、配列番号27および23のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含むことを特徴とする、請求項1から29の一項に記載の抗体。

請求項31

抗体の配列が、配列番号28および24のポリペプチド配列を含むことを特徴とする、請求項1から30の一項に記載の抗体。

請求項32

抗体が、アミロイド斑の低減を誘導することを特徴とする、請求項1から31のいずれか一項に記載の抗体。

請求項33

抗体のペプチドAβのプロトフィブリル体に対する親和性が、該抗体のこのペプチドの他の形態に対する親和性よりも少なくとも100倍の大きさであることを特徴とする、請求項1から32のいずれか一項に記載の抗体。

請求項34

神経変性障害に関連する疾患の治療における、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体の使用。

請求項35

アルツハイマー病の治療における、請求項1から34のいずれか一項に記載の抗体の使用。

請求項36

請求項1から34のいずれか一項に記載の抗体および賦形剤を含む、医薬組成物

請求項37

請求項1から34のいずれか一項に記載の抗体を患者投与することを含むことを特徴とする、アルツハイマー病の治療方法

請求項38

請求項1から34の抗体を産生する、細胞

請求項39

請求項38に記載の細胞を培養することを含むことを特徴とする、請求項1から34のいずれか一項に記載の抗体の製造方法。

請求項40

請求項1から34のいずれか一項に記載の抗体を含む、医薬品。

請求項41

配列番号2、4、6、8、22、24、26または28の1つと少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド

請求項42

配列番号1、3、5、7、21、23、25または27の1つと少なくとも80%の同一性を有する配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。

請求項43

請求項41および42のいずれか一項に記載の核酸を含む、組換えベクター

請求項44

請求項43に記載のベクターを含む、宿主細胞

技術分野

0001

本発明は、β−アミロイドペプチドプロトフィブリル体に特異的なヒト化抗体に関する。また、本発明は特に、神経変性障害および/またはアミロイド斑沈着に関する疾患、ならびにとりわけアルツハイマー病誘導および進行に関連する、これらの治療診断および/または抗体の予防上の使用に関する。

背景技術

0002

アルツハイマー病(AD)は、高い割合で高齢者に影響を及ぼす進行性神経変性疾患である。この疾患は、記憶力低下および認知機能衰えにより臨床的特徴付けられ、神経病理学的には、細胞神経原線維沈着物およびアミロイド斑を形成するβ−アミロイドペプチド(A−β)の細胞外沈着物が、脳内にあることにより特徴付けられる。(Yanker et al.Nature Med.Vol.2 No.8(1996))。これらの兆候に加えて、酸化ストレスの増加、アポトーシス機構活性化および最終的には細胞死をもたらす、免疫系および炎症系の低下ならびにミトコンドリアの機能の低下などの多くの他の異常な変化が存在する。

0003

アミロイド斑は、主に40または42残基を有するA−βペプチドから構成され、これらはβ−アミロイドペプチド前駆体(APP)タンパク質タンパク質分解工程の間に産生される。A−βペプチドの細胞外沈着物は、家族型FAD)を含めたADの全ての型の、不変初期の特徴を示す。FADは比較的初期(40から60の間)に現れ、6つの一重または二重のミスセンス変異を有するFADの症例のうち5%(>20家族)においてAPPの遺伝子の変異に起因し、今日までに同定された80超の異なる変異を有するFADの50から70%の症例(>200家族)においてプレセニリン1(PS1)の遺伝子における変異に起因し、8家族において特徴付けられた2つのミスセンス変異を有するFADのより少ない症例において、プレセニリン2(PS2)の遺伝子における変異に起因する。これらの3つの遺伝子における変異は、A−βの過剰産生をもたらし、ADの散発性形態の病態および症候と同様の病態および症候の早期の発現をもたらす、APPのタンパク質分解の変化を誘導することが示されてきた。

0004

アミロイド斑の神経毒性は、最初は可溶性であり(プロトフィブリル体とも呼ばれる。)次いでアミロイド斑に配合された不溶性形態に転換されるフィブリル体中の可溶性A−βペプチドの凝集により形成される高分子量のフィブリルに存在し得る。つまり、可溶性A−βペプチドは、次第に凝集して高分子量(>200kDa)のフィブリル体(即ち、これは、ペプチド/タンパク質のβシート三次構造を認識するコンゴレッドまたはチオフラビンSなどの試薬で標識することができる。)になるが、なお可溶性であることがインビトロで示された。この形態は可溶性なので、しばしばプロトフィブリル体と呼ばれるが、より大きな凝集から生じるフィブリルは、可溶性の損失をもたらす。プロトフィブリルの一時的な形態は、アミロイド線維の前駆体であり、アルツハイマー病およびタンパク質の凝集に関連する他の疾患における細胞の機能異常および神経の損失に関与し得ると通常考えられている。

0005

老人性アミロイド斑(即ち、凝集物であり、成熟とも呼ばれる。)は、非罹患者においても広く存在するA−βペプチドのびまん性沈着物とは対照的に、アルツハイマー病患者認知状態相関することが示されてきた。(Duyckaerts et al.,Neurobiol.Aging 1997;18:33−42およびJellinger et al.,1998;54:77−95)。特にこれらの老人性アミロイド斑を標的とすることにより、アルツハイマー病をより具体的で効率的に治療することが可能である。

0006

A−βペプチドの形成を防止するために、例えば、APPのタンパク質分解工程の阻害剤などの非常に多くの治療が試みられてきた。
斑の大きさおよび密度を低減するため、抗A−β抗体の投与アミロイド沈着物を低減するため)またはA−βペプチドの抗原での免疫付与液性応答反応を促進するため)などの免疫療法戦略試験されてきた。

0007

例えば、A−βペプチドをコードする領域においてアークティック変異を示すプロトフィブリルに対して指向された抗体を投与することからなる、アルツハイマー病に対する治療方法が記載されている(US7179463)。
抗体の例は実際には記載されていない。さらに、これらのペプチドの分子量の関数としての、抗体のペプチドへの親和性の比較は行われていない。他の特許(US6761888およびUS6750324)は、ペプチドA−β42のアミノ酸配列に沿って種々のエピトープを認識する抗体に言及している。国際出願(WO2007/108756)は、プロトフィブリルに特異的な抗体に関して出願されたが、記載されている抗体は、高分子量A−βペプチドおよび中程度の重量のオリゴマーの両方を認識する。さらに、びまん性斑への抗体の親和性に対する、成熟斑への抗体の親和性についての言及はない。

0008

米国特許第7,179,463号明細書
米国特許第6,761,888号明細書
米国特許第6,750,324号明細書
国際公開第2007/108756号

先行技術

0009

Yanker et al.Nature Med.Vol.2 No.8(1996)
Duyckaerts et al.,Neurobiol.Aging 1997;18:33−42
Jellinger et al.,1998;54:77−95

発明が解決しようとする課題

0010

アルツハイマー病に関する知識の現在の発展にもかかわらず、二次的な影響を最大限に制限する、この病態を治療および/または予防する組成物および方法がなお必要とされている。本出願に記載されるような、ヒト化され、A−βペプチドのプロトフィブリル体に特異的な抗体は、この課題を解決することを目的とする。本発明の抗体は、老人性アミロイド斑の認識を許容するがびまん性斑の認識は許容しないので、主にびまん性沈着物に結合するか、またはモノマーもしくは低分子量のA−βペプチドの可溶性形態に結合するAbetaの全ての形態を認識する抗体よりも、ずっと効率的に病理学的斑を認識する。

0011

さらに、A−βペプチドのプロトフィブリル体のみが認識され、アルツハイマー病に関連しない他のタンパク質のプロトフィブリル体は認識されないという事実は、この疾患に対して有効な抗体の濃度を低減し得る不要な結合を回避する。

0012

本出願全体を通して、ヒト化されたマウス抗体を、抗体13C3と呼ぶ。
本発明のヒト化抗体をコードまたは構成することができる配列を、表2に示す。

0013

本発明は、A−βペプチド、即ち、高分子量ペプチドのプロトフィブリル体に特異的に結合するヒト化抗体に関する。
より有利な実施形態では、抗体は、200、300、400または500kDaより大きい分子量を有するA−βペプチドに結合する。
1つの実施形態では、本発明の抗体は、老人斑中に凝集したA−βペプチドには結合するが、A−βペプチドのびまん性沈着物には結合しない。
有利な実施形態では、本発明の抗体は、A−βペプチドのプロトフィブリル体に特異的に結合するが、アミロイド構造の他のタンパク質(例えば、IAPP(膵島アミロイドポリペプチド))には特異的に結合しない。
本発明はまた、微小出血および血管原性浮腫の発生などの悪影響を制限することを可能にする、低減されたエフェクター機能を有するヒト化抗体に関する。
有利な実施形態では、本発明の抗体は、もはやエフェクター機能を有しない。

0014

さらにより有利な実施形態では、抗体は、半分子の産生を低減する、Fcドメインが変異を受けた免疫グロブリンG4である。
さらにより有利な実施形態では、抗体は、エフェクター活性を低減する、Fcドメインが変異を受けた免疫グロブリンG4である。

0015

本発明は、配列番号9、11、13、15、17および19の配列の1つと同一の配列を有するヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを少なくとも1つ含む、ヒト化抗体に関する。

0016

本発明はまた、配列番号10、12、14、16、18および20の1つに同一な配列を有するCDRを少なくとも1つ含むヒト化抗体に関する。

0017

別の実施形態では、本発明の抗体は、配列番号10、12、14、16、18、20および32の1つに対して1から2アミノ酸異なる配列を有するCDRを少なくとも1つ含むが、前記抗体は、前記抗体の結合特異性を維持する。

0018

有利な実施形態では、抗体は、配列番号9、11、13、15、17および19のヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを含む。

0019

他の有利な実施形態では、抗体は、配列番号10、12、14、16、18および20の配列のCDRを含む。

0020

本発明の抗体はまた、配列番号9、11、13、31、17および19のヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを含むことができる。
有利な実施形態では、本発明の抗体は、配列番号10、12、14、32、18および20の配列のCDRを含む。

0021

本発明の1つの目的は、配列番号9、11、29、31、17および19のヌクレオチド配列により、またはこれらの配列とそれぞれ1、2、3、4もしくは5ヌクレオチド異なる配列によりコードされるCDRを含む、ヒト化抗体である。

0022

本発明はまた、配列番号10、12、30、32、18および20の配列のCDRを含むヒト化抗体に関する。

0023

有利な実施形態では、本発明の抗体は、配列番号5の配列または配列番号27の配列と少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列によりコードされる前記抗体の重鎖(VH)の可変部分を含む。

0024

有利な実施形態では、本発明の抗体は、配列番号6の配列または配列番号28の配列と少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含む前記抗体の重鎖(VH)の可変部分を含む。

0025

有利な実施形態では、本発明の抗体は、配列番号7の配列または配列番号23の配列と少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列によりコードされる前記抗体の軽鎖(VL)の可変部分を含む。

0026

有利な実施形態では、本発明の抗体は、配列番号8の配列または配列番号24の配列と少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含む前記抗体の軽鎖(VL)の可変部分を含む。

0027

さらにより有利な実施形態では、抗体は、配列番号5および配列番号27のヌクレオチド配列の1つによりコードされる可変部分(VH)を含む重鎖を含む。

0028

さらにより有利な実施形態では、抗体は、配列番号6または配列番号28のポリペプチド配列の可変部分(VH)を含む重鎖を含む。

0029

別の実施形態では、抗体は、配列番号7および配列番号23のヌクレオチド配列の1つによりコードされる可変部分(VL)を含む軽鎖を含む。

0030

他の実施形態では、抗体は、配列番号8または配列番号24のポリペプチド配列の可変部分(VL)を含む軽鎖を含む。

0031

有利な実施形態では、抗体は、配列番号5および配列番号7のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含む。
有利な実施形態では、抗体は、配列番号6および8のポリペプチド配列を含む。

0032

別の実施形態では、抗体は、配列番号5および23のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含む。
他の実施形態では、抗体は、配列番号6および24のポリペプチド配列を含む。

0033

別の実施形態では、抗体は、配列番号27および23のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含む。
別の実施形態では、抗体は、配列番号28および24のポリペプチド配列を含む。

0034

本発明はまた、配列番号1および配列番号25のヌクレオチド配列の1つと少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列によりコードされる重鎖を含む抗体に関する。

0035

本発明はまた、配列番号2のポリペプチド配列または配列番号26のポリペプチド配列と少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する重鎖を含む抗体に関する。

0036

有利な実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3および配列番号21のヌクレオチド配列の1つと少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列によりコードされる軽鎖を含む。
別の実施形態では、抗体は、配列番号4および配列番号22のポリペプチド配列の1つと少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含む軽鎖を含む。

0037

本発明の1つの目的は、配列番号1および3のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含む抗体である。
本発明の他の目的は、抗体の配列が配列番号2および4のポリペプチド配列を含む、抗体である。

0038

本発明の1つの目的は、配列番号1および21のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含む抗体である。
本発明の他の目的は、抗体の配列が配列番号2および22のポリペプチド配列を含む、抗体である。

0039

本発明の1つの目的は、配列番号25および21のヌクレオチド配列によりコードされる配列を含む抗体である。
本発明の他の目的は、抗体の配列が配列番号26および22のポリペプチド配列を含む、抗体である。

0040

本発明の他の目的は、ヒト化抗ペプチドAβ抗体であって、ペプチドAβのプロトフィブリル体に対する親和性が、前記抗体のこのペプチドの他の形態に対する親和性よりも少なくとも100倍大きい、抗体である。
本発明の他の目的は、抗体であって、前記抗体が、アミロイド斑の低減を誘導することを特徴とする、抗体である。

0041

本発明の他の目的は、神経変性障害に関連する疾患の治療、特にアルツハイマー病の治療における、ヒト化抗ペプチドAβ抗体の使用である。
本発明の他の目的は、ヒト化抗ペプチドAβ抗体および賦形剤を含む、医薬組成物である。
本発明の他の目的は、ヒト化抗ペプチドAβ抗体を患者に投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法である。

0042

本発明の他の目的は、ヒト化抗ペプチドAβ抗体を産生する細胞、およびこれらの細胞を培養することを含む、この抗体の製造方法である。前記細胞は、有利には、1つの細胞株由来する。

0043

本発明の1つの目的は、ヒト化抗ペプチドAβ抗体を含む、医薬品である。

0044

本発明の1つの目的は、配列番号2、4、6、8、22、24、26または28の1つと少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
本発明の他の目的は、配列番号1、3、5、7、21、23、25または27の1つと少なくとも80%、85%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を有するポリヌクレオチドである。
本発明の他の目的は、配列番号1、3、5、7、21、23、25または27の配列の1つを有する核酸を含む組換えベクター、およびこのベクターを含む宿主細胞である。

0045

定義
特異的結合とは、1つの受容体への結合の強度と他の受容体への結合の強度との間の、本明細書ではA−βペプチドのプロトフィブリル体への結合の強度とペプチドの他の形態への結合の強度との間の、少なくとも約10、20、30、40、50または100の係数差異であると理解される。

0046

「エピトープ」とは、抗体が結合する、抗原の部位を意味する。抗原がタンパク質または多糖などのポリマーである場合、エピトープは、連続したまたは非連続の残基により形成することができる。本明細書では、エピトープは、立体配座的である、即ち、プロトフィブリルA−βペプチドの三次元構造に関連する。

0047

「プロトフィブリル体」とは、インビトロで可溶性であり、200kDa、300kDa、400kDaまたは500kDaより大きい分子量の実体として単離することができ、チオフラビンSまたはコンゴレッドなどの試薬を固定することができる、A−βペプチドのオリゴマー体を意味する。

0048

「老人斑」とは、変性神経突起およびグリア細胞の反応に囲まれたアミロイドコア(チオフラビンSまたはコンゴレッドを固定する。)から構成される斑を意味する。ずっと多数であるがアルツハイマー病とは関連しないびまん性のアミロイド沈着物(チオフラビンSまたはコンゴレッドを固定しない。)とは対照的に、老人斑は、アルツハイマー病を有する患者において特に見出される。

0049

免疫グロブリンとも呼ばれる抗体は、ジスルフィド架橋接合された2つの同一の重鎖(「CH」)および2つの同一の軽鎖(「CL」)から構成される。各鎖は、定常領域および可変領域を含む。各可変領域は、「相補性決定領域」(「CDR」)または「超可変領域」と呼ばれる3つのセグメントを含み、これらは主に抗原のエピトープへの結合に関与する。

0050

用語「VH」は、抗体の免疫グロブリンの重鎖の可変領域を指し、フラグメントFv、scFv、dsFv、Fab、Fab’またはF(ab)’の重鎖を含む。

0051

用語「VL」は、抗体の免疫グロブリンの軽鎖の可変領域を指し、フラグメントFv、scFv、dsFv、Fab、Fab’またはF(ab)’の軽鎖を含む。

0052

「抗体」はまた、抗体の任意の機能的フラグメントを意味する:Fab(フラグメント抗原結合)、Fv、scFv(単鎖Fv)、Fc(フラグメント、結晶化可能)。好ましくは、これらの機能的フラグメントは、Fv、scFv、Fab、F(ab’)2、Fab’、scFv−Fc型のフラグメント、二重特異性抗体多重特異性抗体(とりわけ二重特異性である。)、1つ以上のCDRの配列を含む合成ポリペプチドであり、これらは、通常、これらが由来するヒト化抗体と同様の固定化の特異性を有する。本発明によれば、本発明の抗体のフラグメントは、ペプシンもしくはパパインなどの酵素による消化により、および/または化学的還元によるジスルフィド架橋の切断により、ヒト化抗体から得ることができる。
ナノ抗体もまた、この定義に含まれる。

0053

「CDR」は、Kabat et al.により定義される、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域を表す。(Kabat et al.,Sequences of proteins of immunological interest,5th Ed.,U.S.Department of Health and Human Services,NIH,1991,and later editions)。3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRが存在する。CDR(単数または複数)の用語は、本明細書中では、必要に応じて、抗体の前記抗体が認識する抗原またはエピトープへの親和性結合に関与するアミノ酸残基の大部分を含むこれらの領域の1つ以上または全てを表すのに用いられる。可変ドメインの最も保存された領域は、「フレームワーク領域」であるため、FR領域または配列と呼ばれる。

0054

本発明は、ヒト化抗体に関する。

0055

「ヒト化抗体」とは、主にヒト免疫グロブリン配列を含む抗体を意味する。この用語は、通常、ヒト配列またはヒト配列において見出される残基を組み込むことにより修飾された非ヒト免疫グロブリンを意味する。

0056

一般に、ヒト化抗体は、CDR領域の全てもしくは一部が非ヒト親配列由来の部分に対応するかまたはFR領域の全てもしくは一部がヒト免疫グロブリン配列に由来する可変ドメインを、1つもしくは代表的には2つ含む。従って、ヒト化抗体は、免疫グロブリン(Fc)の定常領域の少なくとも1つの部分、特に、選択された参照ヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも1つの部分を含むことができる。
従って、本発明者らは、ヒトにおいて最も免疫原性が小さい抗体を得ることを試みる。従って、抗体の高分子量のA−βペプチドへの結合特異性を実質的に低減することなく、1つ以上のCDRの1つまたは2つのアミノ酸を、ヒト宿主に対する免疫原性が小さいアミノ酸により修飾することが可能である。さらに、フレームワーク領域の残基はヒトである必要はなく、前記残基は抗体の免疫原性潜在性に寄与しないので、修飾されないことも可能である。

0057

非ヒト患者抗体をヒトにおいてより免疫原性が低い抗体へと修飾するためのヒト化の幾つかの方法が、当業者に公知である。配列のヒト抗体との完全な同一性は、必須ではない。つまり、完全な配列同一性は、必ずしも、低減された免疫原性の予測指標ではなく、限られた数の残基の修飾は、ヒトにおいて非常に弱められた免疫原性潜在性を示すヒト化抗体をもたらすことができる(Molecular Immunology(2007)44,1986−1998)。

0058

幾つかの方法は、例えば、CDRの配合(グラフト化)(EPO0239400;WO91/09967;ならびにU.S.Pat.Nos.5,530,101および5,585,089)、再舗装(resurfacing)(EPO0592106;EPO0519596;Padlan,1991,Molec Imm 28(4/5):489−498;Studnicka et al.,1994,Prot Eng 7(6):805−814;およびRoguska et al.,1994,PNAS 91:969−973)または鎖混合(U.S.Pat.No.5,565,332)である。

0059

本発明は、特に、ヒト化抗体であって、前記抗体の可変部分が国際特許出願WO2009/032661に説明された技術により修飾される、ヒト化抗体に関する。
この技術は、抗体の三次元モデルに基づく動的分子シミュレーションを多く用い、前記モデルは、ホモロジーにより構築されている。

0060

本発明はまた、免疫系の受容体への親和性を低減するFcドメインの変異を有する免疫グロブリン、またはナノ抗体などの、減少したエフェクター機能を有する任意の形態の抗体に関する。

0061

「エフェクター機能」とは、免疫応答を誘導する受容体またはタンパク質への、抗体のFcドメインの任意の固定を意味する。これらのエフェクター機能を低減することにより、微小出血の誘導などの悪影響を減少させることが可能になる(Racke et al.J Neurosci 2005,25:629)。

0062

親和性は、当業者に公知の任意の技術により測定することができる。親和性は、有利には、Ratkovsk DAおよびReedy TJ(Biometrics,1986,42,575−82)により記載されたアルゴリズムに基づいて開発されたBiostat Speed技術により測定される。

0063

本発明の抗体の重鎖および/または軽鎖の発現を許容するために、前記鎖をコードするポリヌクレオチドが発現ベクター中に挿入される。これらの発現ベクターは、プラスミド、YAC、コスミドレトロウイルスEBV由来のエピソーム、および当業者が前記鎖の発現に適切であると判断し得る全てのベクターであることができる。

0064

これらのベクターは、有利には1つの細胞株に由来する形質転換細胞に用いることができる。前記細胞株は、さらにより有利には、哺乳動物に由来する。
この細胞株は、有利には、CHO株もしくはこの株に由来する株、またはHEK293株もしくはこの株に由来する株である。

0065

細胞の形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための当業者に公知の任意の方法により行うことができる。前記方法は、デキストランによる形質転換、リン酸カルシウムによる沈殿ポリブレンによる形質移入原形質体融合エレクトロポレーションリポソーム中へのポリヌクレオチドの封入遺伝子銃注入およびDNAの核への直接マイクロインジェクションであることができる。

0066

本発明の抗体は、局所、経口、非経口内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内または他の経路による投与を目的として、医薬組成物中に配合することができる。好ましくは、医薬組成物は、注射用製剤用の医薬的に許容されるビヒクルを含む。これらは、特に、無菌等張性生理食塩水溶液リン酸一ナトリウムもしくは二ナトリウムナトリウムカリウムカルシウムもしくはマグネシウム、または前記塩の混合物)、または乾燥組成物であることができ、乾燥組成物は、とりわけ、凍結乾燥され、必要に応じて無菌水または生理学血清を添加することにより注射用溶質を構成することが可能である。
例として、医薬組成物は、(1)場合により1mg/mlから25mg/mlのヒト血清アルブミンを含む、Dulbeccoリン酸緩衝液(pH約7.4)(2)0.9%w/vの塩化ナトリウム(NaCl)、および(3)5%(w/v)のデキストロースを含む。医薬組成物はまた、トリプタミンなどの酸化防止剤およびTween20などの安定化剤を含むことができる。

0067

問題とする病態は、アミロイド斑の沈着に関連するあらゆる疾患であることができる。特に、問題とする病態は、アルツハイマー病である。

0068

投与量は、所望される効果、治療の期間および用いる投与経路に依存するが、通常、成人1人につき1日当たり抗体5mgおよび1000mgである。通常、医師は、疾患の段階、患者の年齢および体重、または任意の他の考慮すべき患者関連因子に関連して、適切な投与量を決定する。

0069

本発明は、以下に示す実施例により例示されるが、これらにより限定されない。

図面の簡単な説明

0070

Abeta抗体13C3−VH1VL1の軽鎖LC1の発現を許容するプラスミドpXL4973のマップ
抗Abeta抗体13C3−VH1VL1の重鎖HC1の発現を許容するプラスミドpXL4979のマップ。
Superdex75でのゲル濾過によるプロトフィブリルおよび低分子量オリゴマーの分離(t=0)。
Superdex75でのゲル濾過によるプロトフィブリルおよび低分子量オリゴマーの分離(t=16h)。
プロトフィブリルの分子量の決定。
プロトフィブリルへのヒト化抗体(抗体LP09027(4A))の親和性の決定(3実験平均値±標準誤差)。
プロトフィブリルへのヒト化抗体(抗体LP09026(4B))の親和性の決定(3実験の平均値±標準誤差)。
プロトフィブリルへのヒト化抗体(抗体LP09028(4C))の親和性の決定(3実験の平均値±標準誤差)。
ヒト化抗体LP09027のAβのフィブリルに対する特異性。
ヒト化抗体(LP09027)のマウス前頭皮質(6A)の成熟老人斑への特異性。矢印は、老人斑を示す。
ヒト化抗体(LP09027)のマウスの海馬(6B)の成熟老人斑への特異性。矢印は、老人斑を示す。

0071

(実施例)

0072

ヒト化抗体の取得
マウス抗体13C3をヒト化した。

0073

本実施例は、ヒト化抗ペプチドAβ抗体VH1VL1(LP09027)の配列および前記抗体のFreeStyle 293−Fと命名された哺乳動物株HEK293における一過性の発現による産生による産生を記載する。

0074

ヒト可変鎖VL1およびVH1をコードするcDNAを、ヒト定常領域CkappaおよびIgG4をそれぞれコードするcDNAと融合させる。半分子の産生(Angla et al.,1993,Mol.Immunol.,30:105−108)およびエフェクター機能(WO97/09351)の顕著な低減のため、定常領域IgG4の配列は、Kabatの命名法におけるS241PおよびL248Eの置換を有する変異体の配列である。

0075

CH1(配列番号1)およびCL1(配列番号3)をコードする核酸配列を独立に発現ベクター中でクローン化して、プラスミドpXL4973(図1A)およびpXL4979(図1B)をそれぞれ産生した。

0076

抗体のバッチを、プラスミドpXL4973およびpXL4979のInvitrogenに記載されるプロトコルカタログ参照番号K9000−01)に従った同時形質移入の後の、株FreeStyle 293−F(Invitrogen)内での一過性の発現による産生により、産生する。次いで、バッチ(LP09027)をMabSelectゲル(Amersham)のカラム上でのアフィニティクロマトグラフィーにより、供給元推奨に従って精製し、次いで、PBS緩衝液(参照番号Dulbecco14190−094)中に配合し、無菌濾過(0.2μm)に供する。1Lの培養物から開始して、変性条件におけるSDS−PAGEおよび立体排除クロマトグラフィーにより、33mgの抗体を97%の純度で得る。変性条件におけるSDS−PAGEおよびLC/MSで得られた質量は、主要なアミノ酸配列およびFcドメイン上のN−グリカンの存在と一致する(即ち、G0F体中のN−グリカンを考慮して、LC1について23969DaおよびHC1について49650Daの質量)。非変性条件におけるSDS−PAGEおよびサイズ排除クロマトグラフィーにより得られる質量は、150kDaの抗体のヘテロ四量体構造と一致する(図4A)。

0077

同様の方法により、ヒト化抗体LP09026およびLP09028のバッチを、LP09026については配列番号25および配列番号21のヌクレオチド配列から(図4B)ならびにLP09028については配列番号1および配列番号21のヌクレオチド配列から(図4C出発して産生した。

0078

ペプチドAβ(1−42)からのプロトフィブリルの調製
Johansson et al.(FEBS,2006,2618−2630)に記載の方法に従って、合成ペプチドAβ(1−42)からプロトフィブリルを調製した。凍結乾燥ペプチド(Anaspec参照番号24224)を、100μMの濃度で10mM NaOH中に溶解し、次いで、1分間攪拌し、上で10分間インキュベートする。次いで、ペプチドの溶液を100mMリン酸ナトリウム、200mM NaCl(pH=7.4)の緩衝液中で50μMの濃度に希釈し、次いで、1分間攪拌する。プロトフィブリルの形成のために、調製物を37℃で一晩インキュベートし、次いで、17900gで15分間、16℃で遠心分離して、不溶性の凝集物を除去する。低分子量のAβのオリゴマー体からプロトフィブリルを分離するため、上清を、50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH=8.5)中で平衡化したSuperdex 75ゲル濾過カラム上に装填する。プロトフィブリルに対応する画分および低分子量オリゴマーに対応する画分を回収し、4℃で保存する。図2は、プロトフィブリルの分離の代表的なプロファイルを示す。プロトフィブリルの分子量は、Bioradキャリブレーションキット(参照番号150−1901)を分子量のマーカーとして用いるSuperdex200ゲル濾過により決定する。図3は、プロトフィブリルの分子量が200kDaより大きいことを示す。

0079

ヒト化抗体のプロトフィブリルに対する特異性および親和性
PBS(Gibco、参照番号70011)中の50μlのプロトフィブリルおよび1μg/mlの濃度の低分子量オリゴマーを、ELISAプレート(Nunc、参照番号442404)のウェルに配置し、4℃で一晩インキュベートする。過剰な抗原を除去した後、200μlの緩衝液PBS+5%粉乳(重量/容積)を、各ウェルに配置して、非特異性吸着物を除去し、室温で2時間インキュベートする。次いで、ウェルを、300μlの緩衝液PBS Tween 0.02%で4回洗浄する。50μlの一次抗体溶液(オリゴマーについては100μg/mlの濃度から、プロトフィブリルについては25μg/mlの濃度から出発して、PBS Tween中で3対3の希釈物)を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートする。ウェルを、300μlの緩衝液PBS Tweenで4回洗浄する。緩衝液PBS Tween中で1/10000に希釈したペルオキシダーゼ複合体化ヤギ抗ヒトIgG(Fc)ペルオキシダーゼ、Pierce、参照番号31413)に結合させた二次抗Fcヒト抗体を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートする。300μlのPBS Tweenで4回洗浄した後、100μlのTMB(Interchim、参照番号UP664782)を各ウェルに添加し、約10分間インキュベートし、次いで、反応を1M HClの溶液(Interchim、参照番号UPS29590)で停止し、プレートを、450nmの波長で測定したODにおいて読み取る。EC50値を、BioStat Speedにより決定する。得られた結果を表1および図4に示すが、これらは、低分子量オリゴマー(184の係数)に対する、抗体のプロトフィブリルへの非常に高い特異性を示す。

0080

0081

凍結乾燥ペプチドAβ1−42(Anaspec参照番号24224)を、供給元の推奨に従って溶解する。即ち、40μlの1%NH4OHを500μgのAβ1−42に添加する。完全な溶解の後、460μlのPBSを添加して、1mg/mlの濃度を得る。10μlのアリコートを調製し、−80℃で保存する。
炭酸緩衝液(NaHCO3 0.025 M(Acros Organics、参照番号217120010)、Na2CO3 0.025 M(Acros Organics、参照番号207810010)中1μg/mlの濃度のペプチドAβ1−42の溶液50μl(pH 9.7)を、ELISAプレートのウェルに配置し、室温で一晩インキュベートする。前述のように、ウェルを緩衝液PBS Tweenで洗浄し、緩衝液PBS+5%粉乳(重量/容積)の存在下でインキュベートし、緩衝液PBS Tweenで洗浄する。0.02μg/mlの濃度のヒト化抗体を、前述のように調製したペプチドAβ1−28(Bachem、参照番号H7865)、Aβ1−16(Anaspec、参照番号24225)、Aβ25−35(Anaspec、参照番号24227)、低分子量オリゴマーまたはプロトフィブリルの濃度範囲(1μg/mlから出発)で、1時間、室温でインキュベートする。次いで、抗体/抗原混合物を各ウェルに配置し、マイクロタイトレーションプレートを室温で1時間インキュベートする。遊離の未複合体化抗体を、前述したのと同様のELISAプロトコルに従って決定する。これらの競合実験は、低分子量オリゴマーよりもずっと高い親和性を有するプロトフィブリルのみが、ヒト化抗体がペプチドAβ1−42と相互作用することを防ぐことによりヒト化抗体を中和することが可能であり、どのペプチドも抗体を中和できないことを示す。

0082

ヒト化抗体LP09027のAβ1−42のフィブリルに対する特異性
ペプチドAβ1−42(Anaspec、20276)を、200μlの10mM NaOHに溶解し、5mg/mlの濃度にする。ペプチドIAPP(Anaspec、60804)を200μlの50%DMSO中で希釈して、5mg/mlの濃度にする。100μlの各調製物を、400μlのPBS1.25X中で希釈する。ペプチドの最終濃度は、500μl中1mg/mlである。試料を72時間、37℃でインキュベートする。インキュベーション後、試料を17900gで30分間、4℃で遠心分離する。上清を除去し、ペレットをPBS 1Xで3回洗浄する。最終の洗浄後、フィブリルのペレットを150μlのPBS中に取る。アミロイド型のフィブリルの存在を確認するため、チオフラビンT蛍光試験(Anaspec、88306)を行う。20μlのチオフラビンT(最終20μM)、10μlの試料および70μlのPBS 1X(最終容積100μl)を黒色プレート(Corning、3792)のウェル中で混合する。アミロイド型の構造の存在下、チオフラビンTを450nmで励起させると、482nmで蛍光を発する。50μlの1μg/mlのAβ1−42のフィブリルおよび0.5μg/mlのIAPPを、マイクロタイトレーションプレートの各ウェルに配置する。ELISAプロトコルを、10μg/mlから出発するヒト化抗体の連続希釈を用いて適用する。図5は、ヒト化抗体LP09027が、Aβ1−42のフィブリルを特異的に認識するがIAPPのフィブリルは特異的に認識しないことを示す。

0083

ヒト化抗体LP09027の、成熟老人斑に対するがびまん性斑に対するものではない特異性
ジゴキシゲニン(ジゴキシゲニン−3−O−メチルカルボニル−ε−アミノカプロン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル:Roche 11333054001;11418165001)と複合体化したヒト化抗体(LP09027)を、マウスAPP PS1(Schmitz C.et al.,Am.J.Pathol,2004,164,1495−1502により記載されるアルツハイマーモデル)由来の脳切片およびアルツハイマー病患者由来のヒト脳切片(大脳皮質)における免疫組織化学(Ventana Robot)に用いた。事前に、試料をホルマリン中で定着させ、パラフィン中に埋め込んだ。
マウスにおいて得られた結果(図6Aおよび6B)は、ヒト化抗体が、高密度な成熟老人斑のみを認識するが、ペプチドAβのびまん性沈着物は認識しないことを明らかに示す。

0084

これらのデータは、この抗体がプロトフィブリルAbeta型に特異的であるので、このペプチドの可溶性のモノマーまたはオリゴマー体を認識しないというこの抗体の性質と相関する。

0085

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