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技術 シアノフィシンジペプチドのバイオテクノロジー的製造

出願人 ヴェストフェリッシェウェルヘルムスウニベルジテートミュンスター
発明者 サラーム,アーメッドステインブーチェル,アレキサンダー
出願日 2015年7月23日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-145684
公開日 2016年2月25日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-028024
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 飼料(2)(一般) 食品の着色及び栄養改善 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 中央タンク 回収粉末 消泡剤溶液 プロセス効果 ブラスト機 データ収集ソフトウェア 共線性 残留化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

アスパラギン酸アルギニンリシングルタミン酸シトルリンオルニチンおよびカナバニンの2種から構成される1種または複数種のβ−ジペプチド単位を本質的に含むペプチド構造であるシアノフィシンCGP)またはCGP様ポリマーから、酵素タンパク質分解によって得られた単離β−ジペプチドまたは単離β−ジペプチド混合物を含む、ジペプチド組成物の提供。

解決手段

シアノフィシン(CGP)またはCGP様ポリマー調製品からの、CGPaseを用いたポリマー調製品の分解によるジペプチド組成物の酵素的製造方法。β−アスパラギン酸−アルギニン及びβ−アスパラギン酸−リジンを含むジペプチド組成物。

概要

背景

3種の異なるポリアミノ酸):ポリ(ε−L−リシン)(ε−PL)、ポリ(γ−グ
ルタミン酸)(γ−PGA)およびシアノフィシンCGP)が天然に存在することが公
知である。ポリ(アミノ酸)は、さまざまな環境に存在し、生物生産においてさまざま
な機能を果たしている(Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:
1166〜1176(2004年))。例えば、シアノフィシン顆粒ポリペプチド(CG
P)として公知であり、100年以上前シアノバクテリアにおいて発見された(Bor
zi,A.、Malpighia 1:28〜74(1887年))シアノフィシン(マ
ルチ−L−アルギニル−ポリ−[L−アスパラギン酸])は、生物に窒素炭素およびエ
ネルギーを提供する。シアノフィシンは、個々のビルディングブロックに5個の窒素原子
を含有し、その結果理想的な細胞内窒素貯蔵となっている(Mackerras,A.H
.ら、J.Gen.Microbiol.136:2057〜2065(1990年))
。ポリ(アミノ酸)の生体適合性および完全な生分解性は、生体臨床医学農業農芸
学、パーソナルケアおよび薬学の分野において人生のさまざまな利用にとって理想的な候
補にする(Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:1166〜1
176(2004年))。

藍藻スピルリナを含むシアノバクテリアのいくつかの種は、ヒトおよび動物にとって
栄養源として奨励されてきた(Kihlberg,R.、A.Rev.Microbi
ol.26:427〜466(1972年))。CGPそれ自体は、シアノバクテリアに
おいて1887年に発見された。シアノバクテリアの大部分の属は、機能性のシアフィ
シン合成酵素遺伝子(cphA)を有し、CGPを合成する(Mackerras,A.
H.ら、J.Gen.Microbiol.136:2057〜2065(1990年)
)。CphAをコードする遺伝子は、従属栄養細菌においても同定されている(Kreh
enbrink,M.ら、Arch.Microbiol.177:371〜380(2
002年);Fuser,G.ら、Macromol.Biosci.7:278〜29
6(2007年))。分岐ポリマーは、細胞質において、膜のない不溶性細胞内顆粒とし
て存在する(Allen,M.M.ら、J.Bacteriol.154:1480〜1
484(1983年))。分岐ポリマーは、個々のアスパラギン酸のβ−カルボキシル基
に、そのα−アミノ基により連結したアルギニン部分を有する、ポリ(アスパラギン酸)
(PAA)骨格の形態で配列された、当モル量のアルギニンおよびアスパラギン酸からな
る(Simon,R.D.ら、Biochim.Biophys.Acta 420:1
65〜176(1976年))。大規模製造のために、シアノバクテリアのcphA遺伝
子は、大腸菌(Escherichia coil)、コリネバクテリウムグルタミク
ム(Corynebacterium glutamicum)、ラルストニア・ユート
ファ(Ralstonia eutropha)およびシュードモナスプチダ(Ps
eudomonas putida)に、異種的にクローニングされた。組換え細菌由来
のCGPは少量のリシンを含有する(Voss、I.ら、Metabol.Eng.8:
66〜78(2006年))。CGPはさまざまな自然の生息環境広範囲に広がってお
り、細胞内また細胞外のCGPase(それぞれ、CphB、CphE)により分解さ
れる。CphEを保有する細菌は、さまざまな生息環境において発見され、CphEPa
およびCphEBmがそれぞれ、シュードモナス・アンギリセプチカ(P.angull
iseptica)BIおよび巨大菌(B.megaterium)BAC19から単離
され、特徴付けられた(Obst,M.ら、J.Biol.Chem.277:2509
6〜25105(2002年);Obst,M.ら、Biomacromolecule
s 5:153〜161(2004年))。CGPの分解は、偏性嫌気性菌または通性
気性菌、例えばそれぞれ、セディメンチバクター・ホンコンエンシス(Sediment
ibacter hongkongensis)KIまたはシュードモナス・アルカリ
ェネス(P.alcaligenes)DIP1により、嫌気性の生息環境においても起
こる(Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:36
42〜3652(2005年);Sallam,A.ら、公開用提出(2008年))
。公知のすべてのCGPaseは、CGP由来の水溶性β−ジペプチドを産生し、これら
はその後細胞に輸送され、さらに分解される(Sallam,A.ら、公開用に提出(2
008))。

タンパク質の分解および輸送は、生命にとって不可欠である。例えば反芻動物において
食物タンパク質の大部分は第1細菌叢により、アミノ酸およびペプチドに分解され
る。アミノ酸は、微生物タンパク質に組み込まれるか、または消化管の次の部分へ通過す
るか、または胃壁を通過し直接血液に吸収されるかである(Faix,S.ら、Acta
Vet.Brno.70:243〜246(2001年))。しかし、トリペプチド
よびジペプチドは、遊離のアミノ酸より効率的に利用され、より優れた栄養価を有し、よ
り多く吸収され(遊離のアミノ酸より最大185%)(Adibi,S.A.、J.Cl
in.Invest.50:2266〜2275(1971年))、体重増加強化に寄
与する完全なタンパク質より多くの窒素を保有する(Dock,D.B.ら、Bioce
ll 28:143〜150(2004年))。特定のアミノ酸の輸送に遺伝的な損傷を
有する患者における吸収の研究により、ジペプチドとして投与した場合、これらのアミノ
酸の正常な吸収が示された。このことは、ジペプチドに関する特殊化された、有効な輸送
系の存在を示した(Adibi,S.A.、Gastroenterology 113
:332〜340(1997年))。したがって、加水分解タンパク質食は、飼料添加物
として頻繁に適用され、栄養失調の症例を回復させる(Dock,D.B.ら、Bioc
ell 28:143〜150(2004年))。

必須アミノ酸のアルギニンは、細胞生理においていくつかの極めて重要な役割を果た
し、したがって多くの心臓血管泌尿生殖器胃腸または免疫の障害のための治療計画
適用される(総説には、(Appleton,J.、Altern.Med.Rev.7
:512〜522(2002年)を参照されたい)。必須アミノ酸のリシンは人および動
物の食品添加物として公知であり、単純ヘルペスウィルスに対する抗ウィルス活性を有し
小腸におけるカルシウムの吸収を改善し、したがって骨粗しょう症に対して作用する(
Cynober,L.A.、Metabolic and therapeutic a
spects of amino acidsin clinical nutrit
ion、第2版、CRCPressLLC、Boca Raton、USA(200
3年))。非必須アミノ酸のアスパラギン酸は、特に、エネルギー代謝のためにL−アル
ギニンの前駆体として機能し(Voet,D.ら、Biochemistry.第3版J
ohn Wiley and Sons Inc.、New York(2004年))
陽イオンまたは他のアミノ酸の薬剤送達に使用される(Cynober,L.A.、M
etabolic and therapeutic aspects of amin
o acids in clinical nutrition.第2版、CRC Pr
ess LLC、Boca Raton、USA(2003年))。アミノ酸は、ジペプ
チド形態でより高い生体利用効率を有するので、ジペプチドとしてのそれらの投与は臨床
的に承認されており、市販の製品利用可能である(Duruy,A.ら、Vie.Me
d.Int.9:1589(1965年);Duruy,A.、Med.Int.1:2
03(1966年);Sellier,J.,Rev.Med.Toulouse 5:
879(1979年);De−Aloysio,D.ら、Acta Eur.Ferti
l.13:133〜167(1982年);Rohdewald,P.、Int.J.C
lin.Pharmacol.Ther.40:158〜168(2002年);Lam
m,S.ら、Eur.Bull.Drug Res.11:29〜37(2003年))

現在までに、CGPそれ自体の直接適用は知られていない。CGPについての先行する
研究は、生分解性PAAの潜在的供給源としてのCGPにより動機付けられていた(Mo
oibroek,H.ら、Appi.Microbiol.Biotechnol.77
:257〜267(2007年))。後者は、透析膜人工皮膚および整形外科用イン
ラントにおける成分として、または薬剤担体として、多くの適用可能性を有する(Ob
st,M.ら、Biomacromolecules5:1166〜1176(2004
年))。PAAもまた、非生分解性ポリアクリル酸塩の代わりにでき、そのための多くの
工業的応用が記載されている。これは、哺乳動物鳥類および魚類腸管内菌叢によるC
GPの生分解、ならびにその後の栄養添加物および/または治療添加物としてのCGPお
よびそのジペプチドの適用可能性についての最初の研究である。

哺乳動物、鳥類および魚類の腸管内菌叢のいくつかのサンプルは、シアノフィシンの分
解に関して調査された。すべてのサンプルは、37℃において12〜48時間のインキュ
ベーションにわたって、嫌気的にCGPを完全に分解した。CGP分解性細菌は、すべて
のサンプルにおいて発見され、ウサギおよびヒツジ由来の盲腸菌叢ならびにコイの消化管
菌叢において高度に濃縮されていた。総計62の純粋培養が、単離され、嫌気的にCGP
を分解し、そのうちの46は、24時間から7日間に及ぶ期間のインキュベーションを通
したCGPの嫌気的分解も行った。HPLC分析により、すべての単離株がCGPをその
構成要素となるジペプチドに分解したことが明らかになった。8株が16S rDNA配
列決定により同定され、バチルス(Bacillus)、ブレビバチルス(Brevib
acillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ストレプトマイセス
Streptomyces)およびミクロモノスポラ(Micromonospora)
の各属に関連付けられた。CGPは、0.06〜0.15%(wt/wt)のCGPを含
有する、3種の異なるスピルリナ・プラテンシス(Spirulina platens
is)の市販の製品において見出すことができる。CGPが細胞外のCGP分解で分解で
きること、消化管におけるCGPの生分解性についての最初の証拠、続いて、CGPおよ
びそのジペプチドの、アルギニン、リシン、アスパラギン酸および他のアミノ酸候補の生
物学的に高度に利用可能な供給源として、栄養および治療における適用の可能性が現在見
出されている。

対数増殖期から定常期移行期の間に、シアノバクテリア中にCGPが蓄積する(Ma
ckerras,A.H.ら、J.Gen.Microbiol.136:2057〜2
065(1990年);Sherman,D.M.ら、J.Phycol.36:932
〜941(2000年))。シアノバクテリアの大部分の属は、機能性シアノフィシン合
酵素遺伝子(cphA)を有し、CGPを合成する(Simon,R.D.1987年
。Inclusion bodies in the cyanobacteria:c
yanophychin,polyphosphate,polyhedral bod
ies,199〜225。P.FayおよびC.van Baalen(編)、The
Cyanobacteria,Elsevier、Amsterdam、The Net
herlands;Allen,M.M.ら、Methods Enzymol.167
:207〜213(1988年);Mackerras,A.H.ら、J.Gen.Mi
crobiol.136:2057〜2065(1990年);Liotenberg,
S.ら、Microbiology 142:611〜622(1996年);Wing
ard,L.L.ら、Appl.Environ.Microbiol.68:1772
〜1777(2002年))。cphA遺伝子は、さらに従属栄養細菌においても同定さ
れた(Krehenbrink,M.ら、Arch.Microbiol.177:37
1〜380(2002年);Ziegler,K.ら、Naturforsch.57c
:522〜529(2002年))。ポリマーは、細胞質において細胞内膜のない顆粒と
して存在し、中性pHおよび生理的イオン強度において不溶性である(Allen,M.
M.ら、J.Bacteriol.141:687〜693(1980年))。CGPは
低温、低光度、リンまたはイオウの制限を含む制限条件下で蓄積される(Stepha
nら、Z.Naturforsch.55:927〜942(2000年))。シアノバ
クテリアにおいて、ポリマー鎖分子量は、25から100kDaに及び(Simon,
R.D.、Biochim.Biophys.Acta422:407〜418(197
6年))、一方組換え鎖由来のポリマーは、低い範囲(25から30kDa)および多分
散性を示す。さらに、組換え鎖由来のポリマーが、さらなるアミノ酸成分としてリシンを
含有したことが発見された(Ziegler,K.ら、Eur.J.Biochem.2
54:154〜159(1998年);Aboulmagd,E.ら、Biomacro
molecules2:1338〜1342(2001年))。CGPは、一時的な窒素
エネルギーおよびおそらく炭素の貯蔵として機能する(Li,H.ら、Arch.Mi
crobiol.176:9〜18(2001年);Elbahloul,Y.ら、Ap
pl.Environ.Microbiol.71:7759〜7767(2005年)
)。CGPは5個の窒素原子を個々のビルディングブロックに含有するので、完全な細胞
内窒素貯蔵としての基準を満たしている(Simon,R.D.1987.Inclus
ion bodies in the cyanobacteria:cyanophy
chin,polyphosphate,polyhedral bodies、199
〜225ページ。P.FayおよびC.van Baalen(編)、The Cyan
obacteria、Elsevier、Amsterdam、The Netherl
ands)。

CGPの細胞内分解は、細胞質に存在する高度に特異的なシアノフィシナーゼ(Cph
B)により触媒され、β−ジペプチドの形成をもたらすα−切断機構を介して進行する(
Richter,R.ら、Eur.J.Biochem.263:163〜169(19
99年))。CGPは、CGPを蓄積できない細菌に対しても有益な基質となっている(
Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜
3652(2005年);Sallam,A.およびA.Steinbuchel.20
07a)。湖沼堆積物から単離された新規中温性タンパク質分解性細菌である新種
ロストリジウム・スルフォティデュセンス(Clostridium sulfati
reducens)は、チオ硫酸塩、イオウを還元でき、一時的に硫酸塩を還元でき、こ
のような細菌の多くはCGPをその利用可能なジペプチドに分解する、細胞外シアノフィ
シナーゼの保有を示し、これらのジペプチドは細胞に輸送され、さらに利用される得る(
Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2007b。Anaerobi
c and aerobic degradation of cyanophycin
by the denitrifying bacterium Pseudomon
as alcaligenes strainDIP1−Role ofother
three co−isolates in the mixed bacteria
l consortium.公開用に提出。)。グラム陰性細菌のシュードモナス・アン
ギリセプチカ(Pseudomonas angulliseptica)、BI株由来
のCphEPaなど、これらの酵素のいくつかの例が単離され、特徴付けられた。この細
外酵素は、CphBと同様にCGP分解のためのα−切断機構を示す(Obst,M.
ら、J.Biol.Chem.277:25096〜25105(2002年))。

細胞外CphEBmが巨大菌BAC19株から単離された時、さらにグラム陽性細菌
またCGPaseを分泌することが発見され(Obst,M.ら、Biomacromo
lecules 5:153〜161(2004年))、CphEPaおよびCphEB
mは双方ともセリン型の加水分解酵素として同定された。最近の研究により、細胞外CG
Pの分解は偏性嫌気性細菌および通性嫌気性細菌(例えば、それぞれセディメンチバクタ
ー・ホンコンエンシス(Sedimentibacter hongkongensis
)、KI株(Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71
:3642〜3652(2005年))およびシュードモナス・アルカリジェネス(Ps
eudomonas alcaligenes)、DIP1株など)由来のCGPase
により触媒されうることが明らかになった(Sallam,A.およびA.Steinb
uchel.2007b。Anaerobic and aerobic degrad
ation of cyanophycin by the denitrifying
bacterium Pseudomonas alcaligenes strai
n DIP1−Role ofotherthree co−isolates i
n the mixed bacterial consortium.公開用に提出。
)。すべての調査されたCGPaseは、切断産物としてβ−Asp−Argジペプチド
をもたらしたが、CphEBmの場合(Asp−Arg)2テトラペプチドもさらに検出
された(Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:153〜161
(2004年))。

最近まで、CGPそれ自体またはジペプチドそれら自体に関する実用的応用は知られて
いなかった。対照的に、CGPの構造要素である(ポリマー骨格)であるポリ(アスパラ
ギン酸)(PAA)に関しては、非生分解性ポリアクリル酸塩の代替として経済的に重要
な応用が確立されている、(Schwamborn,M.,Polym.Degrad.
Stab.59:39〜45(1998年))。PAAは、製紙産業塗料産業および石
油産業を含む多くの分野において、さらに用いることができる(Joentgen,W.
ら、2003年。Polyaspartic acids.175〜199ページ。:S
.R.FahnestockおよびA.Steinbuchel(編)、Biopoly
mers、7巻。Wiley、Weinheimによる総説)。PAAに関する生物医学
的応用もまた記載されている(Leopold,C.S.ら、J.Pharmacoki
net.Biopharm.4:397〜406(1995年);Yokoyama,M
.ら、Cancer Res.6:1693〜1700(1990年))。つい最近、C
GPジペプチドに関する生物医学的応用およびCGPそれ自体の可能性が明らかにされ、
これらの応用は、第1に、多数の調査された哺乳動物、鳥類および魚類の菌叢における驚
くほど広範囲なCGP分解細菌に依存しており、このことは、それぞれの消化管内におい
てCGPがおそらく分解可能であろうことを示し、一方、ジペプチドまたはトリペプチド
の形態で投与された場合、アミノ酸の生体利用効率が上昇することは周知の理論であり、
いくつかの治療分野において有効に応用されている。したがって、CGPおよび/または
そのβ−ジペプチドは、近い将来天然の食品添加物および/または治療添加物候補として
考えることができる(Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2007
c。Potential of cyanophycin and its β−dip
eptides as possible additives in therapy
,food and feed industries)。

準工業的な量でのCGPの製造および効率的な単離は、わずか最近数年の間に確立され
た。大腸菌、ラルストニア・ユートロファ、シュードモナス・プチダおよびアシネトバク
ター・ベイリー(Acinetobacter baylyi)ADP1株のいくつかの
細菌株を用い、後者は、約46%(wt/wt)の最大CGP収率を示した(Obst,
M.ら、167〜194ページ。J.M.Shively(編)、Inclusions
in Prokaryotes、1巻、Springer−Verlag、Berli
n、Heidelberg(2006年))。しかし、所要の基質および培養条件は、経
済的に適切なCGP産生を選択するための重要な因子でもある。

純粋なCGP−ジペプチドは、CGP含有バイオマスから出発し、純粋なCGP−ジペ
プチドで終わる経済的な大規模方法で調製できる。なぜならば、シュードモナス・アルカ
リジェネスDIP1株は、単純な発育要求で高度の酵素生産性を示すことができるからで
ある。この株は、このような工業的方法にとって理想的であることが見出された。

シアノフィシンは個々のビルディングブロックに5個の窒素原子を含有し、したがって
、完全な動的細胞内窒素貯蔵の基準を、確実に達成する(Simon,R.D.1987
.Inclusion bodies in the cyanobacteria:c
yanophycin,polyphosphate,polyhedral bodi
es、199〜225ページ。P.FayおよびC.van Baalen(編)、Th
e Cyanobacteria、Elsevier、Amsterdam、 The
Netherlands);その量的変動は、細胞の要求に従う(Carr,N.G.1
988年。Nitrogen reserves and dynamic reser
voirs in cyanobacteria、13〜21。L.J.Rogersお
よびJ.R.Gallon(編)、Biochemistry of the alga
e and cyanobacteria、Annual Proceedings o
f the Phytochemical Society of Europe、Cl
arendon、Oxford.)。ポリマーは、タンパク質合成が、対数増殖期から定
常期へと移行する間に自然に減少する時(Simon,R.D.、Arch.Micro
biol.92:115〜122(1973a))またはタンパク質生合成阻害剤(例
えばクロラムフェニコール)の添加により減少する時のどちらかにおいて、(Ingra
m,L.O.ら、Arch.Microbiol.81:1〜12(1972年);Si
mon,R.D.,J.Bacteriol.114:1213〜1216(1973b
))シアノバクテリア中に蓄積され、ポリマーは、バランスの取れた成長再開する時消
失する(Mackerras,A.H.ら、J.Gen.Microbiol.136:
2057〜2065(1990年))。CGPの蓄積は、リンの制限(Stephanら
、Z.Naturforsch.55:927〜942(2000年))、イオウの制限
(Arino,X.ら、Arch.Microbiol.163:447〜453(19
95年))、低温、低光度またはこれらの因子の組み合わせによってもさらに促進される
(Obst,M.ら、Biomacromolecules5:1166〜1176(2
004年))。

精製されたCGPまたはその細胞内含有量のどちらかの決定および定量化に関する異な
る方法が開発された。CGPのアルギニン含有量は、加水分解ポリマーまたは非加水分解
ポリマーのどちらかにおいて、Sakagushi試薬により比色分析的に定量化された
(Simon,R.D.、J.Bacteriol.114:1213〜1216(19
73b))。精製シアノフィシンのアミノ酸成分は、HPLCにより決定できた(Abo
ulmagd,E.ら、Arch.Microbiol.174:297〜306(20
00年))。シアノフィシンの高速かつ高感度な決定のために1H核磁気共鳴(NMR
に基づく方法が開発された(Erickson,N.A.ら、Biochim.Biop
hys.Acta.1536:5〜9(2001年))。

CGP分解(細胞内または細胞外)は、その利用可能なジペプチドの放出を主にもたら
し、その後これらは細胞内で、細胞代謝に携わるその構成アミノ酸に分割される。シアノ
フィシンの細胞内分解は、シアノフィシナーゼ(CphB)により触媒される。第1のシ
アノフィシナーゼは、Gupta,M.ら、J.Gen.Microbiol.125:
17〜23(1981年)により、アナベナ・シンドリカ(Anabaena cyli
ndrica)の異質細胞および栄養細胞中にあることが記載された。この酵素は、単量
体29.4kDa、セリン型であり、シアノフィシン特異的エクソペプチダーゼであり、
その主要分解産物は、α−切断機構を介したアスパラギン酸・アルギニン・ジペプチドで
あった(Richter,R.ら、Eur.J.Biochem.263:163〜16
9(1999年))。最近数年で、細胞外シアノフィシナーゼ(CphE)によりシアノ
フィシンを分解できる好気性菌および嫌気性菌が単離された(Obst,M.ら、J.B
iol.Chem.277:25096〜25105(2002年));Obst,M.
ら、Biomacromolecules5:153〜161(2004年);Obst
,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜3652
(2005年);Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2007b。
Anaerobic and aerobic degradation of cya
nophycin by the denitrifying bacterium P
seudomonas alcaligenes strainDIP1−Role
ofotherthree co−isolates in the mixed
bacterial consortium.公開用に提出。)。CphBと同様に、す
でに細胞外CGPaseと特徴付けられた、それぞれシュードモナス・アンギリセプチカ
(Pseudomonas anguilliseptica)B1株および巨大菌BA
C19株に由来するCphEPaおよびCphEBmが、セリン型のシアノフィシン特異
的酵素として同定され、CGP−ジペプチドを分解産物として産生するが、CphEBm
の場合、(Asp−Arg)2テトラペプチドがさらに検出される。CphEPa標識研
究により、この酵素はカルボキシル末端においてCGPを加水分解し、分解されたポリマ
ー鎖の末端からβ−Asp−Argジペプチドを連続的に放出することが示された(総説
には、Obst,Mら、Biomacromolecules5:1166〜1176(
2004年)を参照されたい)。さらに、シュードモナス・アルカリジェネスDIP1由
来の第3の細胞外シアノフィシナーゼ(CphEal)は、近年、CGP−ジペプチドの
工業的製造のために粗形態で用いられた(Sallam,A.およびA.Steinbu
chel.2008b。Biotechnological process for
the technical production of β−dipeptides
from cyanophycin。準備中)。

準工業的な量でのCGPの製造および効率的な単離は、わずか最近数年の間に確立され
た。大腸菌、ラルストニア・ユートロファ、シュードモナス・プチダおよびアシネトバク
ター・ベイリーのいくつかの細菌株を用いることに成功した(Obst,M.ら、Bio
macromolecules5:1166〜1176(2004年))。しかし、CG
Pのバイオテクノロジー関連は、工業的応用[例えば水処理;製紙工業および皮革工業
分散剤として(Roweton,S.ら、J.Environ.Polym.Degra
d.5:175〜181(1997年);Mooibroek,H.ら、Appl.Mi
crobiol.Biotechnol.77:257〜267(2007年))または
ポリアクリル酸塩の生分解性代替として(Schwamborn,M.、Polym.D
egrad.Stab.59:39〜45(1998年))の高い可能性を有するポリ(
アスパラギン酸)の供給源であることに理論的に基づいている。PAAは、透析膜、人工
皮膚、整形外科用インプラントの成分として、または薬剤の担体として、生物医学的応用
可能性をさらに有する(Leopold,C.S.ら、J.Pharmacokinet
.Biopharm.4:397〜406(1995年))。

上に説明したように、CGP−ジペプチドの生物医学的応用およびCGPそれ自体の可
能性が明らかになり、このことは、哺乳動物および魚類の消化管内においてCGPがおそ
らく分解可能であろうことを示し、ポリマーおよびそれらのジペプチドは、近い将来天然
の食品添加物および/または治療添加物の候補であることを表した。したがって、シュー
ドモナス・アルカリジェネスDIP1株由来の粗CphEalを使用する、CGPからジ
ペプチドを製造する大規模な方法が最近構築された。この独自の方法は、3相;第I相:
CGPの大規模抽出および精製、第II相:粗CphEalの粉末の大規模製造、第II
I相:CGPのそのジペプチドへの分解を含み、前記のように構成された。この独自の方
法の、後期の2つの相は将来の応用のために大きく最適化することができることが、現在
発見されている。さらに、CphEalは、粗粉末から工業的に精製され、その生化学
特徴が明らかにされた。

概要

アスパラギン酸、アルギニン、リシン、グルタミン酸シトルリンオルニチンおよびカナバニンの2種から構成される1種または複数種のβ−ジペプチド単位を本質的に含むペプチド構造であるシアノフィシン(CGP)またはCGP様ポリマーから、酵素性タンパク質分解によって得られた単離β−ジペプチドまたは単離β−ジペプチド混合物を含む、ジペプチド組成物の提供。シアノフィシン(CGP)またはCGP様ポリマー調製品からの、CGPaseを用いたポリマー調製品の分解によるジペプチド組成物の酵素的製造方法。β−アスパラギン酸−アルギニン及びβ−アスパラギン酸−リジンを含むジペプチド組成物。なし

目的

例えば、シアノフィシン顆粒ポリペプチド(CG
P)として公知であり、100年以上前にシアノバクテリアにおいて発見された(Bor
zi,A.、Malpighia 1:28〜74(1887年))シアノフィシン(マ
ルチ−L−アルギニル−ポリ−[L−アスパラギン酸])は、生物に窒素、炭素およびエ
ネルギーを提供する

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請求項1

アスパラギン酸アルギニンリシングルタミン酸シトルリンオルニチンおよびカナバニンの2種から構成される1種または複数種のβ−ジペプチド単位を本質的に含むペプチド構造であるシアノフィシンCGP)またはCGP様ポリマーから、酵素タンパク質分解によって得られた単離β−ジペプチドまたは単離β−ジペプチド混合物を含む、ジペプチド組成物であって、前記組成物は、CGPをβ−Asp−Argにしてβ−ジペプチドに分解するシュードモナスアルカリジェネス由来の、分子量45kDa、至適温度50℃および至適pH範囲7から8.5のCGPaseで、前記CGPもしくはCGP様ポリマーの調製品を分解することにより得られる、組成物。

請求項2

β−アスパラギン酸−アルギニンおよびβ−アスパラギン酸−リシンを含む、請求項1に記載のジペプチド組成物。

請求項3

栄養療法に用いられる、請求項1または2に記載のジペプチド組成物を含む医薬品。

請求項4

請求項1または2に記載のジペプチド組成物を含む医薬組成物

請求項5

請求項1または2に記載のジペプチド組成物を含む食品補助剤もしくは飼料補助剤

技術分野

0001

本発明は、シアノフィシンCGP)またはCGP様ポリマー調製品からの、CGPa
seを用いたポリマー調製品の分解によるジペプチド組成物酵素的製造方法、本方法に
特に適合したCGPase、およびシアノフィシン(CGP)もしくはCGP様ポリマー
またはそれらの断片、とりわけ、上に定義された方法により得られるジペプチド組成物の
医薬組成物医薬品または食品もしくは代用食品としての使用に関する。

背景技術

0002

3種の異なるポリアミノ酸):ポリ(ε−L−リシン)(ε−PL)、ポリ(γ−グ
ルタミン酸)(γ−PGA)およびシアノフィシン(CGP)が天然に存在することが公
知である。ポリ(アミノ酸)は、さまざまな環境に存在し、生物生産においてさまざま
な機能を果たしている(Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:
1166〜1176(2004年))。例えば、シアノフィシン顆粒ポリペプチド(CG
P)として公知であり、100年以上前シアノバクテリアにおいて発見された(Bor
zi,A.、Malpighia 1:28〜74(1887年))シアノフィシン(マ
ルチ−L−アルギニル−ポリ−[L−アスパラギン酸])は、生物に窒素炭素およびエ
ネルギーを提供する。シアノフィシンは、個々のビルディングブロックに5個の窒素原子
を含有し、その結果理想的な細胞内窒素貯蔵となっている(Mackerras,A.H
.ら、J.Gen.Microbiol.136:2057〜2065(1990年))
。ポリ(アミノ酸)の生体適合性および完全な生分解性は、生体臨床医学農業農芸
学、パーソナルケアおよび薬学の分野において人生のさまざまな利用にとって理想的な候
補にする(Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:1166〜1
176(2004年))。

0003

藍藻スピルリナを含むシアノバクテリアのいくつかの種は、ヒトおよび動物にとって
栄養源として奨励されてきた(Kihlberg,R.、A.Rev.Microbi
ol.26:427〜466(1972年))。CGPそれ自体は、シアノバクテリアに
おいて1887年に発見された。シアノバクテリアの大部分の属は、機能性のシアフィ
シン合成酵素遺伝子(cphA)を有し、CGPを合成する(Mackerras,A.
H.ら、J.Gen.Microbiol.136:2057〜2065(1990年)
)。CphAをコードする遺伝子は、従属栄養細菌においても同定されている(Kreh
enbrink,M.ら、Arch.Microbiol.177:371〜380(2
002年);Fuser,G.ら、Macromol.Biosci.7:278〜29
6(2007年))。分岐ポリマーは、細胞質において、膜のない不溶性細胞内顆粒とし
て存在する(Allen,M.M.ら、J.Bacteriol.154:1480〜1
484(1983年))。分岐ポリマーは、個々のアスパラギン酸のβ−カルボキシル基
に、そのα−アミノ基により連結したアルギニン部分を有する、ポリ(アスパラギン酸)
(PAA)骨格の形態で配列された、当モル量のアルギニンおよびアスパラギン酸からな
る(Simon,R.D.ら、Biochim.Biophys.Acta 420:1
65〜176(1976年))。大規模製造のために、シアノバクテリアのcphA遺伝
子は、大腸菌(Escherichia coil)、コリネバクテリウムグルタミク
ム(Corynebacterium glutamicum)、ラルストニア・ユート
ファ(Ralstonia eutropha)およびシュードモナスプチダ(Ps
eudomonas putida)に、異種的にクローニングされた。組換え細菌由来
のCGPは少量のリシンを含有する(Voss、I.ら、Metabol.Eng.8:
66〜78(2006年))。CGPはさまざまな自然の生息環境広範囲に広がってお
り、細胞内また細胞外のCGPase(それぞれ、CphB、CphE)により分解さ
れる。CphEを保有する細菌は、さまざまな生息環境において発見され、CphEPa
およびCphEBmがそれぞれ、シュードモナス・アンギリセプチカ(P.angull
iseptica)BIおよび巨大菌(B.megaterium)BAC19から単離
され、特徴付けられた(Obst,M.ら、J.Biol.Chem.277:2509
6〜25105(2002年);Obst,M.ら、Biomacromolecule
s 5:153〜161(2004年))。CGPの分解は、偏性嫌気性菌または通性
気性菌、例えばそれぞれ、セディメンチバクター・ホンコンエンシス(Sediment
ibacter hongkongensis)KIまたはシュードモナス・アルカリ
ェネス(P.alcaligenes)DIP1により、嫌気性の生息環境においても起
こる(Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:36
42〜3652(2005年);Sallam,A.ら、公開用提出(2008年))
。公知のすべてのCGPaseは、CGP由来の水溶性β−ジペプチドを産生し、これら
はその後細胞に輸送され、さらに分解される(Sallam,A.ら、公開用に提出(2
008))。

0004

タンパク質の分解および輸送は、生命にとって不可欠である。例えば反芻動物において
食物タンパク質の大部分は第1細菌叢により、アミノ酸およびペプチドに分解され
る。アミノ酸は、微生物タンパク質に組み込まれるか、または消化管の次の部分へ通過す
るか、または胃壁を通過し直接血液に吸収されるかである(Faix,S.ら、Acta
Vet.Brno.70:243〜246(2001年))。しかし、トリペプチド
よびジペプチドは、遊離のアミノ酸より効率的に利用され、より優れた栄養価を有し、よ
り多く吸収され(遊離のアミノ酸より最大185%)(Adibi,S.A.、J.Cl
in.Invest.50:2266〜2275(1971年))、体重増加強化に寄
与する完全なタンパク質より多くの窒素を保有する(Dock,D.B.ら、Bioce
ll 28:143〜150(2004年))。特定のアミノ酸の輸送に遺伝的な損傷を
有する患者における吸収の研究により、ジペプチドとして投与した場合、これらのアミノ
酸の正常な吸収が示された。このことは、ジペプチドに関する特殊化された、有効な輸送
系の存在を示した(Adibi,S.A.、Gastroenterology 113
:332〜340(1997年))。したがって、加水分解タンパク質食は、飼料添加物
として頻繁に適用され、栄養失調の症例を回復させる(Dock,D.B.ら、Bioc
ell 28:143〜150(2004年))。

0005

必須アミノ酸のアルギニンは、細胞生理においていくつかの極めて重要な役割を果た
し、したがって多くの心臓血管泌尿生殖器胃腸または免疫の障害のための治療計画
適用される(総説には、(Appleton,J.、Altern.Med.Rev.7
:512〜522(2002年)を参照されたい)。必須アミノ酸のリシンは人および動
物の食品添加物として公知であり、単純ヘルペスウィルスに対する抗ウィルス活性を有し
小腸におけるカルシウムの吸収を改善し、したがって骨粗しょう症に対して作用する(
Cynober,L.A.、Metabolic and therapeutic a
spects of amino acidsin clinical nutrit
ion、第2版、CRCPressLLC、Boca Raton、USA(200
3年))。非必須アミノ酸のアスパラギン酸は、特に、エネルギー代謝のためにL−アル
ギニンの前駆体として機能し(Voet,D.ら、Biochemistry.第3版J
ohn Wiley and Sons Inc.、New York(2004年))
陽イオンまたは他のアミノ酸の薬剤送達に使用される(Cynober,L.A.、M
etabolic and therapeutic aspects of amin
o acids in clinical nutrition.第2版、CRC Pr
ess LLC、Boca Raton、USA(2003年))。アミノ酸は、ジペプ
チド形態でより高い生体利用効率を有するので、ジペプチドとしてのそれらの投与は臨床
的に承認されており、市販の製品利用可能である(Duruy,A.ら、Vie.Me
d.Int.9:1589(1965年);Duruy,A.、Med.Int.1:2
03(1966年);Sellier,J.,Rev.Med.Toulouse 5:
879(1979年);De−Aloysio,D.ら、Acta Eur.Ferti
l.13:133〜167(1982年);Rohdewald,P.、Int.J.C
lin.Pharmacol.Ther.40:158〜168(2002年);Lam
m,S.ら、Eur.Bull.Drug Res.11:29〜37(2003年))

0006

現在までに、CGPそれ自体の直接適用は知られていない。CGPについての先行する
研究は、生分解性PAAの潜在的供給源としてのCGPにより動機付けられていた(Mo
oibroek,H.ら、Appi.Microbiol.Biotechnol.77
:257〜267(2007年))。後者は、透析膜人工皮膚および整形外科用イン
ラントにおける成分として、または薬剤担体として、多くの適用可能性を有する(Ob
st,M.ら、Biomacromolecules5:1166〜1176(2004
年))。PAAもまた、非生分解性ポリアクリル酸塩の代わりにでき、そのための多くの
工業的応用が記載されている。これは、哺乳動物鳥類および魚類腸管内菌叢によるC
GPの生分解、ならびにその後の栄養添加物および/または治療添加物としてのCGPお
よびそのジペプチドの適用可能性についての最初の研究である。

0007

哺乳動物、鳥類および魚類の腸管内菌叢のいくつかのサンプルは、シアノフィシンの分
解に関して調査された。すべてのサンプルは、37℃において12〜48時間のインキュ
ベーションにわたって、嫌気的にCGPを完全に分解した。CGP分解性細菌は、すべて
のサンプルにおいて発見され、ウサギおよびヒツジ由来の盲腸菌叢ならびにコイの消化管
菌叢において高度に濃縮されていた。総計62の純粋培養が、単離され、嫌気的にCGP
を分解し、そのうちの46は、24時間から7日間に及ぶ期間のインキュベーションを通
したCGPの嫌気的分解も行った。HPLC分析により、すべての単離株がCGPをその
構成要素となるジペプチドに分解したことが明らかになった。8株が16S rDNA配
列決定により同定され、バチルス(Bacillus)、ブレビバチルス(Brevib
acillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ストレプトマイセス
Streptomyces)およびミクロモノスポラ(Micromonospora)
の各属に関連付けられた。CGPは、0.06〜0.15%(wt/wt)のCGPを含
有する、3種の異なるスピルリナ・プラテンシス(Spirulina platens
is)の市販の製品において見出すことができる。CGPが細胞外のCGP分解で分解で
きること、消化管におけるCGPの生分解性についての最初の証拠、続いて、CGPおよ
びそのジペプチドの、アルギニン、リシン、アスパラギン酸および他のアミノ酸候補の生
物学的に高度に利用可能な供給源として、栄養および治療における適用の可能性が現在見
出されている。

0008

対数増殖期から定常期移行期の間に、シアノバクテリア中にCGPが蓄積する(Ma
ckerras,A.H.ら、J.Gen.Microbiol.136:2057〜2
065(1990年);Sherman,D.M.ら、J.Phycol.36:932
〜941(2000年))。シアノバクテリアの大部分の属は、機能性シアノフィシン合
酵素遺伝子(cphA)を有し、CGPを合成する(Simon,R.D.1987年
。Inclusion bodies in the cyanobacteria:c
yanophychin,polyphosphate,polyhedral bod
ies,199〜225。P.FayおよびC.van Baalen(編)、The
Cyanobacteria,Elsevier、Amsterdam、The Net
herlands;Allen,M.M.ら、Methods Enzymol.167
:207〜213(1988年);Mackerras,A.H.ら、J.Gen.Mi
crobiol.136:2057〜2065(1990年);Liotenberg,
S.ら、Microbiology 142:611〜622(1996年);Wing
ard,L.L.ら、Appl.Environ.Microbiol.68:1772
〜1777(2002年))。cphA遺伝子は、さらに従属栄養細菌においても同定さ
れた(Krehenbrink,M.ら、Arch.Microbiol.177:37
1〜380(2002年);Ziegler,K.ら、Naturforsch.57c
:522〜529(2002年))。ポリマーは、細胞質において細胞内膜のない顆粒と
して存在し、中性pHおよび生理的イオン強度において不溶性である(Allen,M.
M.ら、J.Bacteriol.141:687〜693(1980年))。CGPは
低温、低光度、リンまたはイオウの制限を含む制限条件下で蓄積される(Stepha
nら、Z.Naturforsch.55:927〜942(2000年))。シアノバ
クテリアにおいて、ポリマー鎖分子量は、25から100kDaに及び(Simon,
R.D.、Biochim.Biophys.Acta422:407〜418(197
6年))、一方組換え鎖由来のポリマーは、低い範囲(25から30kDa)および多分
散性を示す。さらに、組換え鎖由来のポリマーが、さらなるアミノ酸成分としてリシンを
含有したことが発見された(Ziegler,K.ら、Eur.J.Biochem.2
54:154〜159(1998年);Aboulmagd,E.ら、Biomacro
molecules2:1338〜1342(2001年))。CGPは、一時的な窒素
エネルギーおよびおそらく炭素の貯蔵として機能する(Li,H.ら、Arch.Mi
crobiol.176:9〜18(2001年);Elbahloul,Y.ら、Ap
pl.Environ.Microbiol.71:7759〜7767(2005年)
)。CGPは5個の窒素原子を個々のビルディングブロックに含有するので、完全な細胞
内窒素貯蔵としての基準を満たしている(Simon,R.D.1987.Inclus
ion bodies in the cyanobacteria:cyanophy
chin,polyphosphate,polyhedral bodies、199
〜225ページ。P.FayおよびC.van Baalen(編)、The Cyan
obacteria、Elsevier、Amsterdam、The Netherl
ands)。

0009

CGPの細胞内分解は、細胞質に存在する高度に特異的なシアノフィシナーゼ(Cph
B)により触媒され、β−ジペプチドの形成をもたらすα−切断機構を介して進行する(
Richter,R.ら、Eur.J.Biochem.263:163〜169(19
99年))。CGPは、CGPを蓄積できない細菌に対しても有益な基質となっている(
Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜
3652(2005年);Sallam,A.およびA.Steinbuchel.20
07a)。湖沼堆積物から単離された新規中温性タンパク質分解性細菌である新種
ロストリジウム・スルフォティデュセンス(Clostridium sulfati
reducens)は、チオ硫酸塩、イオウを還元でき、一時的に硫酸塩を還元でき、こ
のような細菌の多くはCGPをその利用可能なジペプチドに分解する、細胞外シアノフィ
シナーゼの保有を示し、これらのジペプチドは細胞に輸送され、さらに利用される得る(
Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2007b。Anaerobi
c and aerobic degradation of cyanophycin
by the denitrifying bacterium Pseudomon
as alcaligenes strainDIP1−Role ofother
three co−isolates in the mixed bacteria
l consortium.公開用に提出。)。グラム陰性細菌のシュードモナス・アン
ギリセプチカ(Pseudomonas angulliseptica)、BI株由来
のCphEPaなど、これらの酵素のいくつかの例が単離され、特徴付けられた。この細
外酵素は、CphBと同様にCGP分解のためのα−切断機構を示す(Obst,M.
ら、J.Biol.Chem.277:25096〜25105(2002年))。

0010

細胞外CphEBmが巨大菌BAC19株から単離された時、さらにグラム陽性細菌
またCGPaseを分泌することが発見され(Obst,M.ら、Biomacromo
lecules 5:153〜161(2004年))、CphEPaおよびCphEB
mは双方ともセリン型の加水分解酵素として同定された。最近の研究により、細胞外CG
Pの分解は偏性嫌気性細菌および通性嫌気性細菌(例えば、それぞれセディメンチバクタ
ー・ホンコンエンシス(Sedimentibacter hongkongensis
)、KI株(Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71
:3642〜3652(2005年))およびシュードモナス・アルカリジェネス(Ps
eudomonas alcaligenes)、DIP1株など)由来のCGPase
により触媒されうることが明らかになった(Sallam,A.およびA.Steinb
uchel.2007b。Anaerobic and aerobic degrad
ation of cyanophycin by the denitrifying
bacterium Pseudomonas alcaligenes strai
n DIP1−Role ofotherthree co−isolates i
n the mixed bacterial consortium.公開用に提出。
)。すべての調査されたCGPaseは、切断産物としてβ−Asp−Argジペプチド
をもたらしたが、CphEBmの場合(Asp−Arg)2テトラペプチドもさらに検出
された(Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:153〜161
(2004年))。

0011

最近まで、CGPそれ自体またはジペプチドそれら自体に関する実用的応用は知られて
いなかった。対照的に、CGPの構造要素である(ポリマー骨格)であるポリ(アスパラ
ギン酸)(PAA)に関しては、非生分解性ポリアクリル酸塩の代替として経済的に重要
な応用が確立されている、(Schwamborn,M.,Polym.Degrad.
Stab.59:39〜45(1998年))。PAAは、製紙産業塗料産業および石
油産業を含む多くの分野において、さらに用いることができる(Joentgen,W.
ら、2003年。Polyaspartic acids.175〜199ページ。:S
.R.FahnestockおよびA.Steinbuchel(編)、Biopoly
mers、7巻。Wiley、Weinheimによる総説)。PAAに関する生物医学
的応用もまた記載されている(Leopold,C.S.ら、J.Pharmacoki
net.Biopharm.4:397〜406(1995年);Yokoyama,M
.ら、Cancer Res.6:1693〜1700(1990年))。つい最近、C
GPジペプチドに関する生物医学的応用およびCGPそれ自体の可能性が明らかにされ、
これらの応用は、第1に、多数の調査された哺乳動物、鳥類および魚類の菌叢における驚
くほど広範囲なCGP分解細菌に依存しており、このことは、それぞれの消化管内におい
てCGPがおそらく分解可能であろうことを示し、一方、ジペプチドまたはトリペプチド
の形態で投与された場合、アミノ酸の生体利用効率が上昇することは周知の理論であり、
いくつかの治療分野において有効に応用されている。したがって、CGPおよび/または
そのβ−ジペプチドは、近い将来天然の食品添加物および/または治療添加物候補として
考えることができる(Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2007
c。Potential of cyanophycin and its β−dip
eptides as possible additives in therapy
,food and feed industries)。

0012

準工業的な量でのCGPの製造および効率的な単離は、わずか最近数年の間に確立され
た。大腸菌、ラルストニア・ユートロファ、シュードモナス・プチダおよびアシネトバク
ター・ベイリー(Acinetobacter baylyi)ADP1株のいくつかの
細菌株を用い、後者は、約46%(wt/wt)の最大CGP収率を示した(Obst,
M.ら、167〜194ページ。J.M.Shively(編)、Inclusions
in Prokaryotes、1巻、Springer−Verlag、Berli
n、Heidelberg(2006年))。しかし、所要の基質および培養条件は、経
済的に適切なCGP産生を選択するための重要な因子でもある。

0013

純粋なCGP−ジペプチドは、CGP含有バイオマスから出発し、純粋なCGP−ジペ
プチドで終わる経済的な大規模方法で調製できる。なぜならば、シュードモナス・アルカ
リジェネスDIP1株は、単純な発育要求で高度の酵素生産性を示すことができるからで
ある。この株は、このような工業的方法にとって理想的であることが見出された。

0014

シアノフィシンは個々のビルディングブロックに5個の窒素原子を含有し、したがって
、完全な動的細胞内窒素貯蔵の基準を、確実に達成する(Simon,R.D.1987
.Inclusion bodies in the cyanobacteria:c
yanophycin,polyphosphate,polyhedral bodi
es、199〜225ページ。P.FayおよびC.van Baalen(編)、Th
e Cyanobacteria、Elsevier、Amsterdam、 The
Netherlands);その量的変動は、細胞の要求に従う(Carr,N.G.1
988年。Nitrogen reserves and dynamic reser
voirs in cyanobacteria、13〜21。L.J.Rogersお
よびJ.R.Gallon(編)、Biochemistry of the alga
e and cyanobacteria、Annual Proceedings o
f the Phytochemical Society of Europe、Cl
arendon、Oxford.)。ポリマーは、タンパク質合成が、対数増殖期から定
常期へと移行する間に自然に減少する時(Simon,R.D.、Arch.Micro
biol.92:115〜122(1973a))またはタンパク質生合成阻害剤(例
えばクロラムフェニコール)の添加により減少する時のどちらかにおいて、(Ingra
m,L.O.ら、Arch.Microbiol.81:1〜12(1972年);Si
mon,R.D.,J.Bacteriol.114:1213〜1216(1973b
))シアノバクテリア中に蓄積され、ポリマーは、バランスの取れた成長再開する時消
失する(Mackerras,A.H.ら、J.Gen.Microbiol.136:
2057〜2065(1990年))。CGPの蓄積は、リンの制限(Stephanら
、Z.Naturforsch.55:927〜942(2000年))、イオウの制限
(Arino,X.ら、Arch.Microbiol.163:447〜453(19
95年))、低温、低光度またはこれらの因子の組み合わせによってもさらに促進される
(Obst,M.ら、Biomacromolecules5:1166〜1176(2
004年))。

0015

精製されたCGPまたはその細胞内含有量のどちらかの決定および定量化に関する異な
る方法が開発された。CGPのアルギニン含有量は、加水分解ポリマーまたは非加水分解
ポリマーのどちらかにおいて、Sakagushi試薬により比色分析的に定量化された
(Simon,R.D.、J.Bacteriol.114:1213〜1216(19
73b))。精製シアノフィシンのアミノ酸成分は、HPLCにより決定できた(Abo
ulmagd,E.ら、Arch.Microbiol.174:297〜306(20
00年))。シアノフィシンの高速かつ高感度な決定のために1H核磁気共鳴(NMR
に基づく方法が開発された(Erickson,N.A.ら、Biochim.Biop
hys.Acta.1536:5〜9(2001年))。

0016

CGP分解(細胞内または細胞外)は、その利用可能なジペプチドの放出を主にもたら
し、その後これらは細胞内で、細胞代謝に携わるその構成アミノ酸に分割される。シアノ
フィシンの細胞内分解は、シアノフィシナーゼ(CphB)により触媒される。第1のシ
アノフィシナーゼは、Gupta,M.ら、J.Gen.Microbiol.125:
17〜23(1981年)により、アナベナ・シンドリカ(Anabaena cyli
ndrica)の異質細胞および栄養細胞中にあることが記載された。この酵素は、単量
体29.4kDa、セリン型であり、シアノフィシン特異的エクソペプチダーゼであり、
その主要分解産物は、α−切断機構を介したアスパラギン酸・アルギニン・ジペプチドで
あった(Richter,R.ら、Eur.J.Biochem.263:163〜16
9(1999年))。最近数年で、細胞外シアノフィシナーゼ(CphE)によりシアノ
フィシンを分解できる好気性菌および嫌気性菌が単離された(Obst,M.ら、J.B
iol.Chem.277:25096〜25105(2002年));Obst,M.
ら、Biomacromolecules5:153〜161(2004年);Obst
,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜3652
(2005年);Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2007b。
Anaerobic and aerobic degradation of cya
nophycin by the denitrifying bacterium P
seudomonas alcaligenes strainDIP1−Role
ofotherthree co−isolates in the mixed
bacterial consortium.公開用に提出。)。CphBと同様に、す
でに細胞外CGPaseと特徴付けられた、それぞれシュードモナス・アンギリセプチカ
(Pseudomonas anguilliseptica)B1株および巨大菌BA
C19株に由来するCphEPaおよびCphEBmが、セリン型のシアノフィシン特異
的酵素として同定され、CGP−ジペプチドを分解産物として産生するが、CphEBm
の場合、(Asp−Arg)2テトラペプチドがさらに検出される。CphEPa標識研
究により、この酵素はカルボキシル末端においてCGPを加水分解し、分解されたポリマ
ー鎖の末端からβ−Asp−Argジペプチドを連続的に放出することが示された(総説
には、Obst,Mら、Biomacromolecules5:1166〜1176(
2004年)を参照されたい)。さらに、シュードモナス・アルカリジェネスDIP1由
来の第3の細胞外シアノフィシナーゼ(CphEal)は、近年、CGP−ジペプチドの
工業的製造のために粗形態で用いられた(Sallam,A.およびA.Steinbu
chel.2008b。Biotechnological process for
the technical production of β−dipeptides
from cyanophycin。準備中)。

0017

準工業的な量でのCGPの製造および効率的な単離は、わずか最近数年の間に確立され
た。大腸菌、ラルストニア・ユートロファ、シュードモナス・プチダおよびアシネトバク
ター・ベイリーのいくつかの細菌株を用いることに成功した(Obst,M.ら、Bio
macromolecules5:1166〜1176(2004年))。しかし、CG
Pのバイオテクノロジー関連は、工業的応用[例えば水処理;製紙工業および皮革工業
分散剤として(Roweton,S.ら、J.Environ.Polym.Degra
d.5:175〜181(1997年);Mooibroek,H.ら、Appl.Mi
crobiol.Biotechnol.77:257〜267(2007年))または
ポリアクリル酸塩の生分解性代替として(Schwamborn,M.、Polym.D
egrad.Stab.59:39〜45(1998年))の高い可能性を有するポリ(
アスパラギン酸)の供給源であることに理論的に基づいている。PAAは、透析膜、人工
皮膚、整形外科用インプラントの成分として、または薬剤の担体として、生物医学的応用
可能性をさらに有する(Leopold,C.S.ら、J.Pharmacokinet
.Biopharm.4:397〜406(1995年))。

0018

上に説明したように、CGP−ジペプチドの生物医学的応用およびCGPそれ自体の可
能性が明らかになり、このことは、哺乳動物および魚類の消化管内においてCGPがおそ
らく分解可能であろうことを示し、ポリマーおよびそれらのジペプチドは、近い将来天然
の食品添加物および/または治療添加物の候補であることを表した。したがって、シュー
ドモナス・アルカリジェネスDIP1株由来の粗CphEalを使用する、CGPからジ
ペプチドを製造する大規模な方法が最近構築された。この独自の方法は、3相;第I相:
CGPの大規模抽出および精製、第II相:粗CphEalの粉末の大規模製造、第II
I相:CGPのそのジペプチドへの分解を含み、前記のように構成された。この独自の方
法の、後期の2つの相は将来の応用のために大きく最適化することができることが、現在
発見されている。さらに、CphEalは、粗粉末から工業的に精製され、その生化学
特徴が明らかにされた。

課題を解決するための手段

0019

したがって、本発明は、
(1)CGPaseを用いたポリマー調製品の分解を含む、シアノフィシン(CGP)ま
たはCGP様ポリマー調製品からのジペプチド組成物の酵素的製造の方法、
(2)上記(1)の方法の好ましい実施形態であって、CGPaseが、
(i)分子量45kDa、至適温度50°C、至適pH範囲7〜8.5であり、CGPを
β−Asp−Argに分解する、および/または
(ii)DSM21533としてDSMZに寄託されたシュードモナス・アルカリジェネ
スDIP1株のCGPaseのCphEal、またはCGpまたはCGP様ポリマーをジ
ペプチドに切断できるそれらの突然変異体誘導体もしくは断片である実施形態、
(3)上記の(2)に定義されたCGPase、ならびに
(4)シアノフィシン(CGP)またはCGP様ポリマーまたはそれらの断片を含む、組
成物、医薬組成物、医薬品、食品補助剤または飼料補助剤
(5)栄養療法のための医薬品を調製するため、または食品補助剤もしくは飼料補助剤と
しての、シアノフィシン(CGP)またはCGP様ポリマーまたはそれらの断片の使用、
(6)治療を必要とする患者の栄養療法のための方法であって、適切な量のシアノフィシ
ン(CGP)もしくはCGP様ポリマーまたはそれらの断片を含む組成物を患者に投与す
るステップを含む方法、
(7)組成物、医薬組成物、医薬品、食品補助剤または飼料補助剤が、CGPもしくはC
GP様ポリマーが、酵素的タンパク質分解により生じるジペプチドまたはジペプチド混合
物を含む、好ましくはこのジペプチド混合物が、β−アスパラギン酸−アルギニンおよび
β−アスパラギン酸−リシンから構成される、および/または上記の(1)または(2)
の方法により得ることができる、上記の(4)から(6)の好ましい実施形態
を提供する。

図面の簡単な説明

0020

16S rDNA配列に基づく近隣結合系統樹が、すでに単離された、およびこの研究の期間に単離されたCGP分解細菌中に確立された系統関係を示す図である。太字の株は本研究期間中に単離された。下線を引いた株はCGP分解に関してすでに調査されていた。(Obst,M.ら、J.Biol.Chem.277:25096〜25105(2002年);Obst,M.ら、Biomacromolecules5:153〜161(2004年);Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜3652(2005年);Sallam,A.ら、公開のために出版(2008年))。大腸菌K12は、外集団として使用した。受託番号を括弧に入れて示す。ブートストラップ値を、100反復のパーセントとして示す。バーは2%配列分岐である。
16S rDNA配列に基づく近隣結合系統樹が、すでに単離された、およびこの研究の期間に単離されたCGP分解細菌中に確立された系統関係を示す図である。太字の株は本研究期間中に単離された。下線を引いた株はCGP分解に関してすでに調査されていた。(Obst,M.ら、J.Biol.Chem.277:25096〜25105(2002年);Obst,M.ら、Biomacromolecules5:153〜161(2004年);Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜3652(2005年);Sallam,A.ら、公開のために出版(2008年))。大腸菌K12は、外集団として使用した。受託番号を括弧に入れて示す。ブートストラップ値を、100反復のパーセントとして示す。バーは2%配列分岐である。
シュードモナス・アルカリジェネスDIP1株由来の細胞外CGPaseにより、CGP重層寒天プレート上に発生した分解ハローの図である。CphE:分解相(第III相)前の粗粉末、CphE R:分解相後の回収粉末
異なる基質についてのシュードモナス・アルカリジェネスDIP1株の成長の図である。100mlのバッフル付きKlettフラスコにおいて培養を行った;個々のフラスコは、10mlのSM培地および1gl−1の被検基質を含有した。実験は、同じ試験条件下で成長した前培養から接種し、二重に実施した。成長は、30℃において24時間インキュベート後、OD578nmの増加によって観察した。
さまざまな粗CphE濃度(1〜10g/l)の触媒効果の下での、さまざまなCGP濃度(10〜50g/l)の完全な分解のための所要インキュベーション期間の図である。反応チューブを、30℃で、回転速度3rpmのチューブローテーターにおいてインキュベートした。最も高いCGPの被検濃度(50g/l)は、2g/lの粗CphE粉末の存在下で10時間以内に分解できた。
420lのSM培地およびg/lのクエン酸ナトリウムを含有し、4%(vol/vol)の前培養を接種した、Biostat D650攪拌タンク型反応器におけるシュードモナス・アルカリジェネスDIP1のバッチ醗酵の図である。前培養は、1lの同じ培地を含有する2lのバッフル付きフラスコにおいて培養し、30℃において12時間インキュベートした。BiostatD650反応器の醗酵パラメーターおよび培養条件は、pH6.9〜7.5、温度30℃および0.2vvmにおける通気であった。pO2は最小40%に設定し、攪拌を100rpmに維持する以外は攪拌することによって自動的に調製した。矢印は、誘導時間を示す。*600nmにおける吸光度(OD600)、◆)。*pH、⊥)。*攪拌速度(rpm)、▲)。*pO2(飽和の%)、−)。*気流(l 分−1)、・)。
シュードモナス・アルカリジェネスDIP1株の醗酵上清におけるタンパク質の取得、濃縮および脱塩に関する連続系の図である(第II相)。取得には、CEPA Z41連続遠心分離機を使用して細胞を分離し、上清を中央の100lタンク回収した。濃縮には、30kDaのカセットを有するクロスフローユニット中央タンクに連結し、ろ過液を直接廃棄しながら、濃縮された残留物をタンクに再度ポンプ注入した。クロスフローの流速は、タンクに50lだけ保持するように調整した。最終濃縮の5lを5倍のベッドボリュームのH2Oを用いて脱塩し、−30℃において凍結し、凍結乾燥した。
製造したCGP−ジペプチドの品質管理のためのTLCプレートの図である。I:標準アミノ酸および被検ろ過系の後に採取した直接ジペプチドサンプル;1:30kDa.−COP.クロスフローカセット。2:ろ過膜(10kDa.−COP)。3:ろ過膜(5kDa.−COP)。4:ろ過膜(1kDa.−COP)。5:ろ過膜(0.5kDa.−COP)。6:CGP−ジペプチド(クロスフローおよび凍結乾燥後の最終チャージ)。II:標準アミノ酸および加水分解サンプル;a:CGP−ジペプチド(クロスフローおよび凍結乾燥後の最終チャージ)。b:Asp−Argジペプチド。c:Asp−Lysジペプチド。(b、c;Sigma Aldrich、Deisenhofen、Deutschland)。すべての直接サンプルに関して1つのスポットだけを示し(I)、一方加水分解サンプルは、標準アミノ酸のアルパラギン酸、アルギニンおよびリシンに関して典型的なスポットを示した(II)。
400lの7%(vol/vol)プロタミラス(protamylase)培地および100mg l−1のアンピシリンを含有する、Biostat D650攪拌式タンク型反応器における大腸菌DH1(pMa/c5−914::cphApcc6803)のバッチ醗酵の図である。前培養(4%、vol/vol)を、個々に1lの醗酵用の培地と同じ培地を含有する2lフラスコに調製し、30℃において20時間インキュベートした。BiostatD650反応器の醗酵パラメーターおよび培養条件は、pH7.5、0.17vvmにおける通気、pO2は20%に一定に保ち、攪拌することによって自動的に調製した。醗酵を15時間、最初の6時間は30℃、その後37℃で実施し、CGP合成酵素の発現誘導した。濁度(OD850)(◆)、pO2(飽和の%)(▼)、通気(l/min)(▲)、攪拌速度(rpm)( ・)、温度(℃)(■)。
7%(vol/vol)のプロタミラス(protamylasse)培地でBiostat D650反応器において15時間醗酵させた、大腸菌DH1(pMA/c5.914::cphApcc6803)の細胞の位相差顕微鏡写真の図である。CGPのグラナが細胞内に光を反射する蓄積として現れている。バー;10μm。
CGPに対する特異的結合を介した、シュードモナス・アルカリジェネスDIP1株由来のCphEalの精製ステップのSDS−PAGEの図である。ゲルA:硝酸銀法により染色したSDS−PAGE;M:分子量標準タンパク質、C:粗CphEalの対照、S1:CGPおよび粗CphEalを一緒に混合した直後の上清サンプル、S2:6分の結合時間後の上清サンプル、S2’:10倍濃縮後のS1と同じ、W1、W2:双方の洗浄ステップ後の上清サンプル。ゲルB:A中の精製CphEalを3倍量用い、硝酸銀でより長く染色したSDS−PAGE。45kDaにおけるCphEalの他には、低濃縮タンパク質バンドはほとんど観察できない。

0021

本発明の態様(1)の方法において、ジペプチド組成物は、単一のジペプチドまたはジ
ペプチドの混合物で構成されていてよい。しかし、ジペプチドは、アスパラギン酸、アル
ギニン、リシンおよびCGP様ポリマー中に存在する他のアミノ酸残基から選択されるア
ミノ酸残基を含むことが好ましい。ジペプチドが、β−アスパラギン酸−アルギニンおよ
びβ−アスパラギン酸−リシンから選択されることが特に好ましい。

0022

本発明に従った「CGP」および「CGP様ポリマー」は、基本的に1つまたは複数の
ジペプチド単位で構成されるペプチド構造であり、前記ジペプチド単位が、以下のアミノ
酸残基、アスパラギン酸、アルギニン、リシン、グルタミン酸シトルリンオルニチン
、カネバニン(canevanine)などのうちの2つから構成されることが好ましい。

0023

当分野において公知の非常に種類豊富なCGPaseが、CGP分解のために利用でき
る(表2および4を参照されたい)。しかし、CGPaseは、シュードモナス・アルカ
リジェネス由来のCGPase、特にシュードモナス・アルカリジェネスDIP1株由来
のCGPaseであることが好ましい。本発明の態様(2)に従って、CGPaseは、
(i)分子量45kDa、至適温度50°Cおよび至適pH範囲7〜8.5であり、CG
Pをβ−Asp−Argに分解する;および/または(ii)DSM21533としてD
SMZに寄託されたシュードモナス・アルカリジェネスDIP1株のCGPaseのCp
hEal、またはCGPまたはCGP様ポリマーをジペプチドに切断できるそれらの突然
変異体、誘導体もしくは断片である。前述の天然のCGPaseの突然変異体、誘導体も
しくは断片は、(天然配列の少なくとも50の連続したアミノ酸残基、好ましくは最大5
0、最大30または最大10の末端アミノ酸残基が除去された、Nおよび/またはC末端
の切断産物を有する)断片、誘導体(特に、分泌ペプチドリーダー配列などの機能性タ
ンパク質およびペプチドを有する融合産物およびPEG、アルコールアミンなどの化学
的部分を有する反応産物)および突然変異体(特に、アミノ酸ベース天然酵素と、少な
くとも80%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同
一性を有する付加、置換反転および欠失した突然変異体、または1から20、好ましく
は1から10の、連続した、または個別のアミノ酸残基が、付加、置換、反転および/ま
たは欠失された突然変異体、置換突然変異体に関しては、保存的置換が特に好ましい)を
含むが、前記修飾CGPaseは、天然CGPaseの酵素活性を有する。

0024

本発明の態様(1)および(2)の方法は、原核性または真核性産生細胞系を培養す
ることによってCGPまたはCGP様ポリマー調製品を調製するステップをさらに含むこ
とができる。産生細胞系は、CGPまたはCGP様ポリマーを産生できる任意の細胞系で
あってよい。産生細胞系が、大腸菌、ラルストニア・ユートロファ、アシネトバクター
ベイリー、コリネバクテリウム・グルタミクム、シュードモナス・プチダ、酵母株および
植物バイオマスから選択されることが好ましい。特に好ましい産生細胞系は、ラルストニ
ア・ユートロファH16−PHB−4−Δeda(pBBR1MCS−2::cphA6
308/edaH16)および大腸菌DH1(pMa/c5−914::cphAPC
6803)である。

0025

上記の方法は、産生細胞系を培養することによって得られるCGP産物を単離、精製お
よび/または化学的修飾するステップをさらに含むことができる。このような単離、精製
および化学的修飾分離は、当分野において十分確立された方法によって得ることができる

0026

しかし、産生細胞系を培養することによって得られるCGP産物を直接、すなわち、単
離または精製せずにCGPaseによる分解に供することが、態様(1)および(2)の
方法にとって好ましい。

0027

別の好ましい実施形態において、態様(1)および(2)の方法は、分解産物を精製ま
たは分離するステップおよび/または分解産物を化学的修飾するステップをさらに含む。
先と同様に、このような精製、分離または化学的修飾は、当分野において十分確立された
方法によって得ることができる。

0028

本発明の態様(3)は、
(i)分子量45kDa、至適温度50°C、至適pH範囲7〜8.5であり、CGPを
β−Asp−Argに分解する、および/または
(ii)DSM21533としてDSMZに寄託されたシュードモナス・アルカリジェネ
スDIP1のCGPaseのCphEal、またはCGpまたはCGP様ポリマーをジペ
プチドに切断できるそれらの突然変異体、誘導体もしくは断片である、
CGPaseに関する。突然変異体、誘導体および断片に関しては、上記の定義で言及し
ている。

0029

本発明の態様(4)、(5)および(6)に従った医薬組成物、医薬品、食品補助剤ま
たは飼料補助剤は、医薬としてまたは食物として許容可能な適切な担体、結合剤などを、
さらに含有できる。それらは、それぞれの医薬的目的のための、さらなる活性化合物をさ
らに含有することができる。

0030

この医薬組成物は、栄養療法に特に適している。栄養療法の型は、下記から明らかにな
るように、当然ながら組成物/医薬品内に存在するアミノ酸に依存する。重病患者の栄養
療法における最近の進歩は、病気の期間の組織タンパク質恒常性を維持するための、特
定のアミノ酸の必要性の十分な理解を提供する(Witte,M.B.およびBarbu
l A.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(2003年))。すで
に、アミノ酸は、非必須(可欠)または必須(不可欠)のどちらかとして分類されていた
。しかし、アミノ酸に関するインビボ生理学のより優れた理解により、特定のアミノ酸の
要求は条件つきで不可欠であるとして再定義する、代替の分類が提唱された(Laidl
aw,S.A.およびKopple,J.D.、Am.J.Clin.Nutr.46:
593〜605(1987年))。このことは、このようなアミノ酸の使用を、単独また
は完全な栄養計画の一部として魅力的にし、栄養転帰免疫応答および組織回復を改善す
る。以下の項において、いずれもCGPを構築する3種のアミノ酸の生理および作用機構
に関する発見を論じる。これらのアミノ酸は、非必須のL−アスパラギン酸、半必須のL
−アルギニンおよび必須アミノ酸のL−リシンである。その生理作用の多さから、アルギ
ニンに特に重点が置かれる。

0031

L−アスパラギン酸:非必須のL−アスパラギン酸は、分子量133.10g/モル
有し、ジカルボン酸アミノ酸である。大部分のL−アスパラギン酸は、タンパク質中に発
見することができ、一方、それらの少量は体液および植物中に遊離の形態で発見すること
ができる(Barrett,G.C.およびElmore D.T.Amino Aci
dsand Peptides.Cambridge University Pre
ss、Cambridge、UK(1998年))。L−アスパラギン酸は、天然バイオ
ポリマーのCGPおよび合成甘味料アスパルテームの成分である。アスパラギン酸は、
水に溶けにくく、塩の形態でより水溶性である。食物アスパラギン酸は、能動輸送により
小腸で吸収され脈循環進入し、その後、その大部分がタンパク質、プリンピリミジン
プラントに代謝される肝臓に輸送される(Barrett,G.C.およびElmore
D.T.Amino Acids and Peptides.Cambridge
University Press、Cambridge、UK(1998年))。L−
アスパラギン酸は、クエン酸サイクル中のエネルギー供給源として機能でき、したがって
疲労に対して有効であることが推定される(さらに以下を参照されたい:Asp−Arg
)。アスパラギン酸は、Mg2+、K+、Ca2+、Zn2+などの陽イオンまたはそれ
らの生体利用効率の増加のための他のアミノ酸の薬剤送達に使用される(Cynober
,L.A.Metabolic and therapeutic aspects o
f amino acids in clinical nutrition.第2版。
CRCPressLLC、Boca Raton、USA(2003年))。

0032

L−アルギニン:L−アルギニンは、分子量174.2g/molの強塩基性アミノ酸
であり、大部分のタンパク質中に発見される。L−アルギニンは、分子あたり4個の窒素
原子を含有し、したがってヒトおよび動物において、最も豊富な窒素担体である(App
leton,J.、Altern.Med.Rev.7:512〜522(2002年)
)。アルギニンは、にとって必須であるが(Ahmed,I.およびKhan,M.A
.、Aquacult.Nutr.10:217〜225(2004年))、一方で哺乳
動物において、アルギニンは栄養摂取を介して、または新たな合成(内因性)を介して補
われ得るので、半必須であると考えられる。腎臓において、大部分の内因性アルギニンは
、腸または肝臓におけるグルタミン代謝の副産物であるシトルリンに由来する。しかし、
アルギニンの生合成は、喪失または不適切な供給の補正を強化しないので、食物摂取(平
均的なヒトにとって、およそ5〜6g/日、Witte,M.B.およびBarbul.
A.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(2003年))は依然とし
血漿アルギニンレベルの主要な決定因子のままである。

0033

摂取したアルギニンの約50%は小腸において直接利用され、一方残りは門脈循環に放
出される。一般的に、摂取アルギニンの約半分は、主に酵素のアルギナーゼにより急速に
オルニチンに転換される(Modolell,M.ら、Eur.J.Immunol.2
5:1101〜1104(1995年);Witte,M.B.およびBarbul.A
.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(2003年))。オルニチン
は、順にグルタミン酸塩およびプロリンに、または酵素のオルニチンデカルボキシラーゼ
を介してポリアミンに代謝され得る(Boutard,V.ら、J.Immunol.1
55:2077〜2084(1995年))。残りのアルギニンは、4種の他の酵素:一
酸化窒素合成酵素一酸化窒素になる)、アルギニン:グリシンアミジノトランスフェラ
ーゼ(クレアチンになる)、アルギニンデカルボキシラーゼアグマチンになる)または
アルギニル−tRNAシンテターゼ(タンパク質合成のための前駆体であるアルギニル−
tRNAになる)のうちの1種により処理される(Vodovotz,Y.ら、J.Ex
p.Med.178:605〜613(1993年))。

0034

アルギニンは、ヒトおよび動物において内分泌機能、特に副腎および下垂体分泌機能
に関して有意な効果を有する。しかし、アルギニンがこれらの効果を発揮する正確な機序
についてはほとんど知られていない。アルギニンは、心臓血管系においてさまざまな内皮
依存性生理効果関与する内因性メッセンジャー分子である、一酸化窒素(NO)の生物
前駆体である。(Witte,M.B.およびBarbul.A.、Wound Rep
.Reg.11:419〜423(2003年))。したがって、アルギニンの臨床効果
の多くは、内皮由来弛緩因子についてのその効果を仲介すると考えられる。NO合成酵素
は2種の変異体;構造的(cNOS)およびそのアイソフォームのeNOS(血管内皮
膜中)とnNOS(ニューロン中)ならびにマクロファージ白血球繊維芽細胞、内皮
細胞およびケラチノサイトにおいて見出される誘導性変異体(iNOS)を有する(Ro
hdewald,P.およびFerrari V.、特許出願 US200413708
1(2004年)。NOの機能は、その細胞供給源とは異なることがあり、繊維芽細胞N
Oはコラーゲン合成を支持し、一方、内皮NOは血管形成に影響を及ぼし、マクロファー
ジNOは細菌に対して細胞増殖抑制性である(Rohdewald,P.およびFerr
ari V.、特許出願 US2004137081(2004年)。他方、アルギナー
ゼは、NOSの天然基質、すなわちL−アルギニンを共有競合する。それぞれNO経路
中間産物および最終産物であるL−ヒドロキシアルギニンおよび亜硝酸塩は、双方との
強力なアルギナーゼ阻害剤である(Hrabak,A.ら、FEBSLett.390
:203〜206(1996年))。反対に、アルギナーゼ活性の最終産物である尿素
、NOの形成およびNO依存性の過程阻害する(Witte,M.B.およびBarb
ul.A.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(2003年))。

0035

心臓血管病態におけるアルギニン:アルギニンは、多くの臨床検査において、心臓血管
病態を有する患者に投与する場合、有益であることが証明された(Appleton,J
.、Altern.Med.Rev.7:512〜522(2002年)により総説され
た)。例えば、経口によるアルギニン補給は、狭心症の患者の運動能力および耐性を劇的
に改善し(Bednarz,B.ら、Int.J.Cardiol.75:205〜21
0(2000年))、うっ血性心不全(CHF)の症例において、彼らの血流動脈コン
プライアンスおよび腎機能を有意に改善した(Watanabe,G.H.ら、J.Hy
pertens.18:229〜234(2000年))。動物の研究により、血管拡張
の改善、プラーク形成の阻害、大動脈内膜の肥厚化の減少および高コレステロール血症
ヒト成人血小板凝集の正常化を含む、補足アルギニンの抗動脈硬化作用が示された(N
akaki,T.およびKato R.、Jpn J.Pharmacol.66:16
7〜171(1994年))。さらに、アルギニンの早期供給はラットおよびヒトにおい
高血圧を改善し、腎不全を予防し(Sanders,P.W.、Am.J.Kidne
y Dis.28:775〜782(1996年))、エナラプリルなどの医薬品に対す
高血圧患者応答を強化した(Pezza,V.ら、Am.J.Hypertens.
11:1267〜1270(1998年))。その上、アルギニンは、間欠性跛行(Bo
ger,R.H.ら、J.Am.Coll.Cardiol.32:1336〜1344
(1998年))および子癇前症(Roberts,J.M.,Am.J.Kidney
Dis.33:992〜997(1999年))の症状を、有意に改善した。

0036

成長ホルモンGH)の分泌および運動能力におけるアルギニン:成長ホルモンは、筋
肉の成長、脂肪燃焼および免疫系の維持に関与するが、その分泌は、ヒト体内において、
30から下降し始める(Dean,W.およびPryor,K.、Growth ho
rmone:amino achidsas GH secretagoguesによ
り総説された−文献総説。Vit.Res.News;www.vrp.comにおいて
利用可能(2001年))。この機序は十分理解されていないが、アルギニンがGHの分
泌を強化することは公知である。さらに、臨床医は、アルギニン注入試験日常的に使用
し、ヒトにおいてGH放出に対する下垂体の反応性を決定する(Penny,R.ら、J
.Clin.Endocrinol.29:1499〜1501(1969年))。アル
ギニンの低用量の静脈内(IV)注入は、血清中アルギニンを52%上昇させ、血清中G
Hレベルを有意に増大させる。他方、IVアルギニンとは異なり、経口アルギニンは、G
H分泌の強化の効果の無い方法であることを示唆した(Marcell,T.J.ら、J
.Gerontol.54:395〜399(1999年))、一方、高用量の経口アル
ギニン・アスパラギン酸は、夜においてのみ、成長ホルモン分泌促進剤として作用するこ
とを示唆する(Besset,A.ら、Acta Endocrinol.99:18〜
23(1982年))。魚類において、アルギニンは必須アミノ酸であり、したがって、
食物アルギニンは、最適な成長および有効な飼料利用に必須であり、その欠乏成長率
減少、免疫応答の低下および死亡率の増加を起こす(Ahmed,I.およびKhan,
M.A.、Aquacult.Nutr.10:217〜225(2004年))。

0037

創傷火傷重篤外傷および老年性認知症におけるアルギニン:アルギニンは、一酸
化窒素の製造を介した細胞のシグナル伝達およびアルギニンのオルニチンと他のポリアミ
ンとへの代謝を介した細胞増殖に密接に関与するので、多くの研究により、アルギニンの
補給が治癒にとって必須であることが示された。この効果は、投与経路に依存せず、コラ
ゲン、NO、オルニチンおよびポリアミンの合成経路と関係があると推定されている(
Witte,M.B.およびBarbul.A.、Wound Rep.Reg.11:
419〜423(2003年))。

0038

コラーゲンの合成は瘢痕形成にとって必須であり、瘢痕形成は大部分の哺乳動物の治癒
にとって基盤である。ラットにアルギニン非含有食餌を与えることにより、創傷治癒が低
下し、一方、ヒトおよび動物にアルギニンに富んだ食餌を与えることにより、コラーゲン
沈着および創傷破壊強度が改善されたことが示された(Barbul,A.ら、Sur
gery108:331〜336(1990年))。iNOS阻害剤はコラーゲン沈着を
減少させ、切開創傷の治癒を遅らせるのに対してアルギニン補給後の創傷液中には高レベ
ルのNO代謝産物が発見されるので、コラーゲン合成についてのアルギニンの効果は一部
NO合成を介して仲介されることが推定される(Murrell,G.A.C.ら、In
flamm.Res.46:19〜27(1997年);Schaffer,M.R.ら
、Eur.J.Surg.165:262〜267(1999年))。創傷治癒について
のNOの効果は、:1)アルギニン非含有栄養が、創傷部位だけでなくいくつかの臓器
おいてNO合成の誘導を阻害する;2)NOは、炎症誘導性浮腫を仲介し、細胞が肉芽腫
浸潤することを阻害する;3)創傷治癒についてのNOの効果は、eNOSノックアウ
マウスもまた治癒障害を示すので、iNOS仲介性だけではない;および4)iNOS
阻害剤は高濃度において高致死率を有するので、全身に仲介されることがさらに示唆され
る(Witte,M.B.およびBarbul.A.、Wound Rep.Reg.1
1:419〜423(2003年))。さらに、創傷縮小開放創閉合に大きく寄与す
ると同時に、切除創の閉合はiNOSの阻害により遅れ(Stallmeyer,B.ら
、J.Invest.Dermatol.113:1090〜1098(1999年))
、iNOSノックアウトマウスは、iNOS−cDNAを用いた形質移入により回復可能
な切除創の閉合の遅れを示す(Yamasaki,K.ら、J.Clin.Invest
.101:967〜971(1998年))。このデータはすべて、NOSを介したアル
ギニンの代謝が、治癒についてのアルギニンの陽性効果にとって必須であることの信憑性
をもたらす(Shi,H.P.ら、Surgery128:374〜378(2000年
))。

0039

ポリアミンの生合成において第1のステップを意味する、アルギナーゼの誘導または過
剰発現が、内皮細胞の増殖を強化する(Wei,L.H.ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA98:9260〜9264(2001年);Witte,M.B.
およびBarbul.A.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(20
03年))。アルギニンは、宿主および創傷T細胞の応答を刺激し、その後線維芽細胞
応答を増加することによって創傷治癒を強化することが公知である(Barbul,A.
ら、Surgery108:331〜336(1990年))。健康なヒトにおいて、ア
ルギニンは末梢血リンパ球マイトジェン活性を強化し、リンパ球芽球化において外傷
機能障害を大きく減少する(Daly,J.M.ら、Ann.Surg.208:51
2〜23(1988年))。アルギニンは、骨髄リンパ球の分化にとって重要であること
が示されている。T−リンパ球は正常な創傷治癒にとって必須であるので、T細胞欠損
ウスおよびラットは、創傷治癒が有意に低下する。他の研究により、創傷治癒についての
補給アルギニンの有益な効果は、傷付いた動物または火傷した子供にGHを投与する効果
と同様であることが示され(Jorgensen,P.HおよびAndreassen,
T.T.、Acta Chir.Scand.154:623〜626(1988年);
Herndon,D.N.ら、Ann.Surg.212:424〜9(1990年))
、このことは、下垂体およびについてのアルギニンの周知の高い分泌促進活性による
。このことは、アルギニンが創傷治癒に影響を及ぼさなかった、下垂体摘出動物に関する
試験により確認された(Wei,L.H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA98:9260〜9264(2001年);Witte,M.B.およびBarb
ul.A.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(2003年))。

0040

Seifter,E.ら、Surgery84:224〜230(1978年)は、ア
ルギニンが外傷後の状況において必須であることを示し、軽度の外傷を受けたアルギニン
欠乏ラットは体重減少および死亡率が有意に多かったことを示した。火傷もまた、その回
復においてアルギニンの酸化および変動を有意に増加する。しばしば使用される完全静脈
栄養(TPN)は、アルギニンのオルニチンへの転換を増加し、不可逆なアルギニンの酸
化を比例的に増加する。新たな合成に限定して、アルギニン酸化の上昇は、TPNを受け
ている重篤な火傷の患者において、アルギニンを条件付で必須にする(Yu,Y.M.ら
、Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.280:E509〜
E517(2001年))。いくつかの他の研究は、アルギニンが、火傷および外傷の患
者の入院の長さ、後天性感染、免疫障害(Appleton,J.、Altern.Me
d.Rev.7:512〜522(2002年))ならびに老年性認知症の高齢患者の脂
過酸化反応(Ohtsuka,Y.およびNakayaJ.、Am.J.Med.1:
108〜439(2000年))を減らすことを実証した。相対的な安全性を加味して、
これらの多数の観察により、アルギニンの使用は、外傷、火傷または重篤な病気の患者の
世話にとって非常に魅力的となる(Witte,M.B.およびBarbul.A.、W
ound Rep.Reg.11:419〜423(2003年))。

0041

免疫調節およびがんにおけるアルギニン:アルギニンは、強力な免疫調節因子であり、
異化作用状態、例えば敗血症および術後のストレスにおいて有益な効果を有することが示
された(Evoy,D.ら、Nutrition14:611〜617(1998年);
Appleton,J.、Altern.Med.Rev.7:512〜522(200
2年))。アルギニンは、HIVAIDSの個体においてもまた有益であり得る。グル
タミン、アルギニンおよびHMB(ヒドロキシメチル酪酸)の組み合わせは、AIDSの
個体において除脂肪体重の減少を防ぐ(Swanson,B.、Nutrition18
:688〜690(2002年))。動物およびヒトの試験は、大用量のアルギニンが腫
瘍の誘導を妨げることができ、大用量のアルギニンの短期補給が化学療法期間の免疫機能
の維持を支援することを示した(Appleton,J.、Altern.Med.Re
v.7:512〜522(2002年))。糖尿病およびインスリン耐性におけるアルギ
ニン:血漿中アルギニンレベルの低下および内皮依存性弛緩の障害が、糖尿病(DM)の
ヒトおよび動物において観察される。内皮のNO欠乏は、このことのありそうな理由であ
ると推定された。したがって、アルギニン補給は、これらの病態を改善することが示唆さ
れる;IVアルギニンは、1型DMの患者において血圧および血小板凝集を低下させ(
Giugliano,D.ら、Am.J.Physiol.273:E606〜E612
(1997年))、一方、低用量のIVアルギニンは、肥満および2型DMの患者ならび
に健康な対象においてインスリン感受性を改善した(Wascher,T.C.ら、Eu
r.J.Clin.Invest.27:690〜695(1997年))。アルギニン
はさらに脂質過酸化反応を無効にし、その結果DMの微小血管症長期合併症を減少し得
る。さらに、二重盲検により、経口アルギニン補給が、2型DM患者の末梢および肝臓の
インスリン感受性を有意に改善することが示された(Appleton,J.、Alte
rn.Med.Rev.7:512〜522(2002年))。

0042

胃腸の病態におけるアルギニン:その充血、血管形成および成長促進の効果を発揮する
、NO、ガストリンおよびポリアミンに関するアルギニンの作用は、予備研究期間の潰瘍
治癒の加速に関与する(Brzozowski,T.、J.Gastroenterol
.32:442〜452(1997年))。加えて、NOは、胃腸の運動の制御において
重要な役割を果たす。経口アルギニン補給は、食道運動障害の患者において疼痛発作
頻度および強度を有意に減少させる(Appleton,J.、Altern.Med
.Rev.7:512〜522(2002年))。同様に、L−アルギニン−NO経路は
胆嚢運動の制御に関与し、L−アルギニンの摂取は、空腹および残留胆嚢の体積を増加す
る(Luiking,Y.C.ら、Am.J.Physiol.274:984〜991
(1998年))。

0043

泌尿生殖器の病態におけるアルギニン:米国で実施された調査(1999年)は、18
から59歳の男性の31%および女性の43%が、多かれ少なかれ性機能障害を有してい
ることを示した(Christianson,D.W.、Acc.Chem.Res.3
8:191〜201(2005年))。この問題は、生理的もしくは精神的な理由または
双方を有しうる。男性において、性機能障害は勃起障害インポテンスまたはED)とし
て簡単に記載されるが、一方、女性において性機能障害は、4種の主要なカテゴリー:性
欲求低下、オルガスムス障害、性交痛障害および性的興奮障害に分類される(Bass
on,R.ら、J.Urol.163:888〜893(2000年))。陰核勃起およ
生殖器の充血を含む、十分な性的興奮の達成または維持の不能として定義される後者は
、生殖器の血液循環の欠乏により起こるという点で男性のEDと類似している。このこと
は、双方の性別において、勃起したペニスまたは陰核内の血液で拡張可能な組織の筋肉
チャンバーである海綿体の中への血流および外への血流を管理する酵素触媒反応における
生理的欠陥からもたらされ得る(Christianson,D.W.、Acc.Che
m.Res.38:191〜201(2005年))。

0044

特にペニス勃起は、中枢または末梢の性的刺激に従った動脈血流入の増加および静脈血
流出の制限に関与する血行動態過程である(Musicki,B.ら、Biol.Rep
rod.70:282〜289(2004年))。内皮性NO合成酵素(eNOS)およ
びニューロン性ペニスNO合成酵素(PnNOS)の双方により発生するNOの関与は、
ペニス勃起の主要メディエーターとして十分立証されている。NOはグアニリルサイクラ
ーゼを刺激する、隣接する標的の平滑筋組織拡散し、海綿体の弛緩をもたらす環状グア
ノシン一リン酸cGMP)を発生する(Ferrini,M.ら、Biol.Repr
od.64:974〜982(2001年))。反対に、勃起は、cGMP−特異的ホス
ジエステラーゼ(PDE)がcGMPを、平滑筋収縮をもたらす5’−GMP加水
分解した時に終了する(Firoozi,F.ら、Br.J.Urol.Int.96:
164〜168(2005年))。したがって、L−アルギニンおよびL−アルギニン−
NO経路に作用する薬剤は、EDの治療薬として魅力的である。さらに、cGMPの分解
を阻害し、その結果勃起を延長するクエン酸シルディナフィル(Sildenafil
citrate)(バイアグラ(Viagra)(登録商標))のような、PDEの選択
的阻害剤が広く用いられている。しかしシルディナフィルは、頭痛から出発する、広範囲
副作用をもたらす全身の血管拡張および降圧効果を有し、さらに死に達することもあり
得る(Cohen,J.S.、Ann.Pharmaco.Ther.35:337〜3
42(2001年))。

0045

L−アルギニンの「栄養食品補助剤」は、男性および女性の性的興奮のための治療薬と
して多くの場合調査される。例えば、食物L−アルギニンの超生理学的用量を長期または
補給することにより、ラット(Moodyら、1997年)および男性において、それぞ
陰茎海綿体圧および勃起機能が強化された。長期L−アルギニン補給は、一酸化窒素代
謝が異常な男性においてEDを改善し(ZorgniottiおよびLizza 199
4年)、一方、女性に関する別の研究において、L−アルギニンの栄養補助剤は、被検対
象の73.5%において性生活全体の満足が改善された(Ito,T.Y.ら、J.Se
x Marital Ther.27:541〜549(2001年))。他方NOSは
、ペニスの勃起に影響を及ぼすたった1つの酵素ではなく、アルギナーゼはその唯一の基
質のアルギニンを共有し、男性および女性の生殖器において平滑筋組織でNOSと同時発
現する。したがってアルギナーゼの阻害は、性的興奮に必要なNO依存性の生理的過程
強化することができる。多くのアルギナーゼ阻害剤が、全身の動脈圧に明らかな効果を有
さないので、性機能障害治療のための別の潜在的標的になった(Christianso
n,D.W.、Acc.Chem.Res.38:191〜201(2005年))。

0046

不妊および妊娠におけるアルギニン:アルギニンは、男性において正常な精子形成にと
って必要である(Appleton,J.、Altern.Med.Rev.7:512
〜522(2002年))。50年以上前、研究者は、成人男性にアルギニン欠乏食を9
日間与えたところ、精子数が90%減少し、非運動性精子のパーセントがおよそ10倍に
増加したことを発見した(Holt,L.E.Jr.およびAlbanese,A.A.
、Trans.Assoc.Am.Physicians 58:143〜156(19
44年))。0.5gアルギニン−HCl/日を不妊男性に数週間経口投与すると、被検
患者の過半数において精子数および運動性が著しく増加し、妊娠の成功をもたらした(T
animura,J.、Bull.Osaka Med.School 13:84〜8
9(1967年))。精子減少症および受胎率(Tanimura,J.、Bull.O
saka Med.School 13:84〜89(1967年);De−Aloys
io,D.ら、Acta Eur.Fertil.13:133〜167(1982年)
)ならびに不妊の改善に関して同様の効果が、他の予備試験において報告されている。し
かし、精子数のベースラインが1000万/ml未満であった場合、アルギニン補給は役
に立たなかった(Mroueh,A.、Fertil.Steril.21:217〜2
19(1970年);Appleton,J.、Altern.Med.Rev.7:5
12〜522(2002年))。

0047

一研究において、インビトロ受精にほとんど応答しない女性に対する経口アルギニン
補給は、卵巣の反応、子宮内膜受容性および妊娠率を改善した(Battaglia,
C.ら、Hum.Reprod.14:1690〜1697(1999年))。加えて、
子宮収縮の早すぎる女性に対する静脈内アルギニン注入(30分にわたって30g)は、
一時的に子宮収縮を減少した(Facchinetti,F.ら、J.Perinat
Med.24:283〜285(1996年))。さらに、ヒトおよび動物の研究からの
証拠は、一酸化窒素が妊娠中に子宮収縮を阻害し、その結果早期陣痛および早産に対して
役に立ち、作用することができることを示した(Appleton,J.、Altern
.Med.Rev.7:512〜522(2002年))。

0048

間質性膀胱炎(IC)の患者において、6ヶ月にわたる経口アルギニンは、排尿不快感
腹痛および尿道の痛みを有意に減少した。昼夜頻尿もまた有意に減少した(Sm
ith,S.D.ら、J.Urol.158:703〜708(1997年);Appl
eton,J.、Altern.Med.Rev.7:512〜522(2002年))

0049

L−リシン:L−リシンは、必須の塩基性アミノ酸であり、分子量146.19g/モ
ルを有し、生理的pHにおいて正電荷担持する。リシンのD−立体異性体は生物学的に
活性でないが、一方L−リシンは、ヒトおよび動物にとって公知の食品添加物である(C
ynober,L.A.Metabolic and therapeutic asp
ects of amino acidsin clinical nutritio
n.第2版。CRCPressLLC、Boca Raton、USA(2003年
))。摂取されたL−リシンは、能動輸送により小腸の内腔から腸細胞に吸収される。そ
の一部は腸細胞内で代謝され、残りは門脈循環を介して肝臓に輸送され、タンパク質の生
合成に加わる、またはL−α−アミノアジピン酸セミアルデヒドに代謝され、これがさら
アセトアセチル−CoAに代謝される。肝臓において代謝されないL−リシンは、身体
のさまざまな組織に輸送される(Cynober,L.A.Metabolic and
therapeutic aspects of amino acids in c
linical nutrition。第2版。CRC Press LLC、Boca
Raton、USA(2003年))。

0050

リシンは多くの機能を有する。リシンは、グリコーゲングルコースおよび脂質の前駆
体として機能し、またはリシンはエネルギー生産のために直接機能する。リシンは筋肉に
おい濃縮され、骨の成長を促進し、コラーゲンの形成を強化する(Voet,D.および
Voet,J.G.、Biochemistry。第3版。John Wiley an
d Sons Inc.,New York(2004年))。コラーゲンは、結合組織
(前を参照されたい)、皮膚、軟骨および骨の基礎となるマトリックスである。リシンの
欠乏は、成長および免疫力の低下、精子の健康の損傷ならびに尿中カルシウムの増加に寄
与し得る。この最後の事実は、適切なリシンが、より多くのカルシウムの吸収および沈着
を介して骨粗しょう症の予防に役立ち得ることを示唆した(Flodin,N.W.、J
.Am.Coll.Nutr.16:7〜21(1997年))。いくつかの研究が、L
−リシンが、単純ヘルペス感染の再発率を減少させ、成長ホルモン分泌を刺激できること
を示してから、L−リシンは栄養食品補助剤として普及した(下記を参照されたい)。

0051

推奨用量、副作用および禁忌:上で論じたアミノ酸の補給用量は、治療される病態に依
存して大きく変化しうる。しかし、平均的なヒトのための必須アミノ酸のリシンの正常な
食物の必要量は、欠乏の問題を避けるために0.75〜1g/日であると推定される。臨
床研究に使用するアルギニンの用量は、精子減少症のために0.5g/日のような少量か
ら、がん、子癇前症および早すぎる子宮収縮のための30g/日のような大量まで大幅に
変化する。有意な悪影響は、この論文を通して述べたアミノ酸の補給に関して報告されて
いない。しかし、言及した臨床応用の多くは、より調節された、長期の研究により確認さ
れる必要がある。この論文はこれらのアミノ酸の効果についての、肯定的な報告だけを要
約したが、これらの効果の多くが確認されなかった、反対の報告もまた存在する(完全な
総説のために、Flodin,N.W.、J.Am.Coll.Nutr.16:7〜2
1(1997年);Appleton,J.、Altern.Med.Rev.7:51
2〜522(2002年);ならびにDean,W.およびPryor,K.、Grow
th hormone:amino acidsasGHsecretagogu
es文献の総説。Vit.Res.News;www.vrp.comで利用可能(20
01年)を参照されたい)。

0052

臨床治療におけるアスパラギン酸、アルギニンおよびリシンのジペプチドならびに混合
物:アスパラギン酸およびアルギニンは、ジペプチドまたは混合物として好んで一緒に投
与され、アミノ酸双方のより高い生体利用効率を提供し、その結果低用量におけるそれら
の有効性を増加する。双方のアミノ酸の投与は、さまざまな生理的障害の治療のためのい
くつかの研究において調査された。一般的に、双方のアミノ酸は、遊離のアミノ酸に関す
る上記すべての応用のために、ジペプチド形態で投与することができる。以下の項は、併
投与形態について具体的に報告された調査結果を要約する。これらの報告は、創傷治療
、GH分泌障害および運動能力の強化としての内分泌の病態または勃起障害ならびに男性
および女性の不妊を含む泌尿生殖器の病態に関する研究から明らかになった。

0053

アルギニン−アスパラギン酸は、身体的および精神的無力症に対して、1965年に初
めて臨床的に試験され(Duruy,A.およびBaujat,J.P.,Vie.Me
d.Int.9:1589(1965年))、陽性効果が後に確認された(Duruy,
A.、Med.Int.1:203(1966年))。他の研究は、アルギニン−アス
ラギン酸の長期投与が、好気的エネルギー代謝および能力を改善することを示した(Se
llier,J.、Rev.Med.Toulouse5:879(1979年);Sc
hmid,P.ら、Leistungssport 10:486〜495(1980年
))。アルギニン−アスパラギン酸の補給は、創傷治癒およびT細胞の免疫機能を強化し
た(Barbul,A.ら、Surgery108:331〜336(1990年))。
運動能力についての他の陽性効果も報告されており、例えば脂質代謝に関してわずか2週
間のアルギニンの取り込みが、総コレステロール濃度の低下を起こした(Hurson,
M.ら、J.Parenter.Enteral Nutr.19:227〜230(1
995年))。したがって、L−アルギニン−L−アスパラギン酸(Sargenor(
登録商標))は、運動選手および患者により広く使用され、トレーニング効果および運動
耐容能を増加する。この分野において運動の持続に関する印象的な効果が、L−アルギニ
ン−L−アスパラギン酸の長期にわたる取り込みの後に報告されており、最大下運動にお
ける血中乳酸濃度および心拍の低下ならびに作業負荷の増大による酸素摂取量の増加を起
こす(Schmid,P.ら、Leistungssport 10:486〜495(
1980年);Sellier,J.、Rev.Med.Toulouse 5:879
(1979年);Burtscher,M.ら、J.Sports.Sci.Med.4
:314〜322(2005年))。

0054

健康な高齢ボランティアに、2週間、30g/日のアルギニン・アスパラギン酸を食
物補給すると、創傷のコラーゲン蓄積が有意に強化された(Witte,M.B.および
Barbul.A.、Wound Rep.Reg.11:419〜423(2003年
))。250mg/kg/日の経口アルギニン・アスパラギン酸を、20から35歳の5
例の健康な対象に7日間投与した場合、徐波睡眠中にGHの60%の上昇が起こった(B
esset,A.ら、Acta Endocrinol.99:18〜23(1982年
))。別のグループの研究者は、12例の正常な成人を、経口アルギニン・アスパラギン
酸の単回の大用量(37.5g)を用いて処理した後で、血清hGHの少量だが有意な放
出を起こす、期待できる結果を得た(Elsair 1987年)。このことは、アルギ
ニン・アスパラギン酸を、hGHの同化作用を巧みに利用したいボディビルダーにとって
興味深いものとした(Macintyre,J.G.、Sports Med.4:12
9〜142(1987年))。

0055

経口投与されたL−アルギニン−L−アスパラギン酸は、がんの一部の型の治療におい
て陽性効果を誘導することも報告された。例えば、経口投与されたL−アルギニン−L−
アスパラギン酸は、マウスにおいて唾液腺腺様嚢胞癌に対して、肺の転移巣形成の阻害
および生存期間の延長を伴う抗転移効果を誘導した。さらに、インビトロおよびインビボ
実験において、これらの結果は確認された(Li,F.ら、Chin.J.Stomat
ol.36:464〜466(2001年);Li,F.ら、Chin.J.Stoma
tol.37:87〜89(2002年);Appleton,J.、Altern.M
ed.Rev.7:512〜522(2002年))。

0056

歯科衛生の分野において、歯の表面に密に付着するスポンジ状の有機材料であるプラー
クが、そのマトリックス内に特定のサイズおよび形状のペプチドを受容することが発見さ
れた。さらに、1つまたは複数がアルギニンである2−4アミノ酸単位のペプチドは、希
釈から保護されてプラーク内に保存され、口内pHを非齲蝕レベル(6.1またはそれ以
上)に有効に回復することが示された。さらに、これらのオリゴマーは、糖質と同時に提
供された場合でさえ、有効である。このことは、歯磨きペーストおよびチューイングガム
などの一般的なデンタルケア製品中へのこのようなペプチドの包含を示唆した(Klei
nberg,I.、特許出願 US4225579(1980年))。

0057

L−アルギニン−L−アスパラギン酸は、さらに泌尿生殖器の障害の治療にも用いられ
た。EDは、中程度の勃起障害を有する45から70歳の男性の25%および重篤な勃起
障害の10%において一般的である(Kernohan,A.F.B.ら、Br.J.C
lin.Pharmacol.59:85〜93(2004年))。近年、「L−アルギ
ニルアスパラギン酸」が、男性のEDの治療用のいくつかの医薬品、例えばPrelox
(登録商標)の成分として使用された(Lamm,S.ら、Eur.Bull.Drug
Res.11:29〜37(2003年))。Prelox(登録商標)の成分に関す
臨床研究は、1gの「L−アルギニルアスパラギン酸」(Sargenor(登録商標
))を単独で、またはPycnogenol(登録商標)(NOSの分泌を刺激する)と
一緒に、3回の投与後(毎日1.7gのアルギニン)、それぞれEDの40例の男性の5
%および92%が勃起機能を改善したことを示した(Stanislavov,R.およ
びNikolova,V.、J.Sex Marit.Ther.29:207〜213
(2003年))。長期研究の期間、EDを有し、精液の量が低下し、精子の運動性が減
少し、精子の形態異常を有する、45から60歳の50例の男性を、まずSargeno
r(登録商標)単独で1ヶ月治療した。これらの男性の10%が正常な勃起を経験した。
2ヶ月の治療にPycnogenol(登録商標)を加えた後で、正常に勃起した男性の
パーセントは80%に上昇した。治療を1年の間継続し、その間精子の質が有意に改善さ
れ、カップルの42%が妊娠を達成した(Stanislavov,R.およびNiko
lova,V.、Int.J.Impot.Res.14(4):S65(2002年)
;Lamm,S.ら、Eur.Bull.Drug Res.11:29〜37(200
3年))。その後の観察により、アルギニン−アスパラギン酸の使用に関する、数ヶ月の
補給により精子の数および質が上がる(Tanimura,J.、Bull.Osaka
Med.School 13:84〜89(1967年);Schellen,T.M
.およびDeclerq,J.A.、Dermatol.Monatsschr,164
:578〜80(1978年);De−Aloysio,D.ら、Acta Eur.F
ertil.13:133〜167(1982年))ならびに不妊が改善される(Sch
acter,A.ら、J.Urol.110:311〜13(1973年);Schac
ter,A.ら、Int.J.Gynaecol.Obstet.11:206〜209
(1973年))という先行する研究が確認された。

0058

アスパラギン酸およびリシンからなるジペプチドに関する臨床報告は、このジペプチド
が大量に利用できないためほとんど存在しない。しかし、リシンのこのジペプチド形態は
、遊離のリシンもしくはその塩に関して公知の応用分野(前を参照されたい)において、ま
たは単に遊離のリシンより高い生体利用効率のヒトおよび動物用の食品添加物として、遺
伝的にリシン輸送体が欠乏したヒトにおいて有効であり得る。

0059

アルギニンおよびリシンは、成長ホルモン(GH)の放出のために相乗的に作用し(S
uminski,R.R.ら、Int.J.Sport Nutr.7:48〜60(1
997年))、ヒトおよび動物の栄養においてそれらの濃度は非常に重要である(Ahm
ed,I.およびKhan,M.A.、Aquacult.Nutr.10:217〜2
25(2004年))。リシン:アルギニン比が低いと、コレステロール低下効果を有し
(Sanchez,A.ら、Nutr.38:229〜238(1998年))、したが
って特許は、心臓血管疾患を有する患者に使用するタンパク質混合物のArg:Lys比
が少なくとも5.5:1で実施された(Radha,C.ら、特許出願 7091001
(2006年))。対照的に、単純ヘルペスウィルスのタンパク質はL−アルギニンに富
んでいるので、食物中でアルギニンに対するリシンの比が高いと、ウィルスの複製、治癒
時間および発生期間細胞病原性の低下に役立つことが公知である(Griffith,
R.S.ら、Dermatologica 156(5):257〜267(1978年
))。したがって、ヘルペスの予防および治療において、アルギニンに富んだ食品を避け
、リシンに富んだ食品をより多く食べることが役立つことが示唆される。

0060

近年の調査は、hGHの刺激およびその結果の筋肉の構築、体重増加および免疫の支援
の改善において、L−リシンおよびL−アルギニンを一緒に使用する療法が有用であり、
おそらくアルギニン/オルニチンの併用よりもさらに優れていることを示唆している。1
5例の15から20歳の健康な男性対象において、1.2gのアルギニンピログルタミン
酸とL−リシン塩酸塩との併用は、アミノ酸混合物消費後、GHレベルが2から8倍、
有意に上昇した(Isidori,A.ら、Curr.Med.Res.Opin.7:
475〜481(1981年))。別の研究は、静止状態下で摂取した1.5gのアルギ
ニンおよび1.5gのリシンの摂取が、GHの分泌の急激な増加を起こすことを示した(
Suminski,R.R.ら、Int.J.Sport Nutr.7:48〜60(
1997年))。

0061

消化管内部の自然状態を刺激するために、調製された腸「液」を、CGPを含有する嫌
気性フンゲート(Hungate)チューブ中の接種材料としておよび栄養食品補助剤と
して使用した。すべてのチューブにおいてCGPが完全に分解されたことは、CGPが消
化管の嫌気性環境のような、このような嫌気性環境において容易に分解され得ることを示
す。このことは、偏性嫌気性および通性嫌気性のCGP分解細菌に関する先に観察された
短期分解期間に類似した短期分解期間によってもさらに確認された(Obst,M.ら、
Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜3652(2005
年);Sallam,A.ら、公開用に提出(2008年))。

0062

本研究の期間中に、動物、鳥類および魚類の消化管においてCGP分解細菌が広範囲に
分布していることが、初めて実証された(表1、2)。精製手順において観察されたCG
P分解コロニー間、およびその後得られた純粋培養間の形態的多様性もまた、環境サンプ
ルについての先行研究により示され、これにより原核生物中のCGP分解菌の広範囲の分
布が示された(表2)。他方、CGPを分解する能力は、特定の属の種においてより多く
分布しているように思われ、;今日までの細胞外CGP分解についての調査は、CGP分
解菌が、シュードモナス属およびバチルス属に広範囲に分布していることを示す(Obs
t,M.ら、J.Biol.Chem.277:25096〜25105(2002年)
;Obst,M.ら、Biomacromolecules 5:153〜161(20
04年);Sallam,A.ら、公開用に提出(2008年)、本研究)。しかし、こ
のことは、これらの細菌に有利にされた、用いられた実験室条件に関係する、または単純
に自然におけるこれらの細菌属優勢のためと思われる。加えて、シュードモナス属およ
びバチルス属の菌株とは異なる多くのCGP分解細菌は、CGP分解能を損なうことなく
純粋培養することが非常に難しく(Obst,M.ら、Appl.Environ.Mi
crobiol.71:3642〜3652(2005年);Krug,A.、Dipl
om thesis、Institut fur Molekulare Mikrob
iologie and Biotechnologie,Westfalische
Wilhelms−Universitat、Munster、Germany(200
1年))、普通は無視される。

0063

部分的CGP分解は、嫌気条件下の純粋培養に関して、嫌気的にCGPを分解した46
株のうち8株のみに観察された。このことに関する妥当な理由は、それらの天然環境にお
けるようなこれらの菌株と他の菌株との間の、それぞれ、多くの場合制限されたまたは必
要な物質の蓄積または枯渇をもたらす天然の相互作用欠落である。このことは、成長お
よびCGP利用がその同時単離されたシトロバクター・アマロナティクスCitrob
acter amalonaticus)G株の存在下で大幅に強化された、偏性嫌気性
芽胞形成菌のセディメンチバクター・ホンコンエンシスKI株に関する先行する観察に一
致する(Obst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3
642〜3652(2005年))。

0064

同定された8種の単離株のうち、いくつかの菌株は嫌気的CGP分解能を示したが、そ
れらはバチルスまたはシュードモナスなどの、好気性であることが公知の属に属する。し
かし、枯草菌(B.subtilis)および巨大菌(B.megaterium)の菌
株は、嫌気的に成長することが公知であり、一部は硝酸塩を還元することが公知である(
Glaser,P.ら、J.Bacteriol.177:1112〜1115(199
5年))。同様に、シュードモナス属のメンバーの嫌気的成長および硝酸塩還元も十分調
査されている(Sallam,A.ら、Submitted for publicat
ion(2008年))。ミクロモノスポラ(Micromonospora)、ストレ
プトマイセス(Streptomyces)およびブレビバチルス(Brevibaci
llus)の種もまた通性嫌気性であることが公知である(Cochrane,V.W.
、Annu.Rev.Microbiol.15:1〜26(1961年);Borod
ina,I.ら、Genome Res.15:820〜829(2005年);Bae
k,S.H.ら、Int.J.Syst.Evol.Microbiol.56:266
5〜2669(2006年))。一般的に、CGP分解に関する最近の調査は、通性嫌気
性菌の中にCGP分解細菌が広範囲に分布していることを指摘している。

0065

CGPおよびそのジペプチドは、天然起源の単純なタンパク質性物質であるが、臨床研
究は、これらの物質を市場にもたらすことを要求される。本研究において試験した個々の
哺乳動物、鳥類または魚類の腸内細菌叢のおけるCGP分解細菌の広範囲な分布は、経口
投与されたCGPが少なくとも微生物的に高速で容易に分解されるであろうという第1の
証拠を提供する。さまざまな動物および鳥類の下部消化管に由来するこのような細菌(表
1)の単離は、CGPの分解が上部消化管で完了しなかった場合、下部において継続され
る可能性があることを示す。

0066

HPLC分析により、ジペプチドが、62種すべての単離菌によるCGPの分解産物で
あったことが明らかになった。(β−Asp−Arg)2テトラペプチドなどの高次のジ
ペプチドオリゴマーは、CGPから作製されなかった。このことは、シュードモナス・ア
ンギリセプチカBI株(Obst,M.ら、J.Biol.Chem.277:2509
6〜25105(2002年))、セディメンチバクター・ホンコンエンシスKI株(O
bst,M.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:3642〜3
652(2005年))およびシュードモナス・アルカリジェネスDIP1株(Sall
am,A.ら、公開用に提出(2008年))由来のCGPaseの効果と一致する。巨
大菌BAC19株の場合だけ、高次のこのようなオリゴマーが検出された(Obst,M
.ら、Biomacromolecules 5:153〜161(2004年))。ス
ピルリナは、何世紀にもわたってその栄養効果および治療効果が公知であり、今日まで、
多くの国において食品として消費されている。スピルリナのタンパク質含有量は、60%
以上に達することが公知である(Narasimha,D.L.R.ら、J.Sci.F
ood Agric.33:456〜460(1982年))。スピルリナ・プラテン
ス(Spirulina platensis)の市販の製品中のCGPの存在は、CG
Pが、スピルリナの定期的な消費のウェルビーイング効果に加わることができることを示
す。しかし、分析されたサンプル中の決定されたCGP含有量は、大きく変動し、相対的
に低かった。このことは、シアノバクテリアにおけるCGPの蓄積についての先行する研
究と一致し、CGPの蓄積が多くの因子により影響され、したがって変動することは公知
である(Elbahloul,Y.ら、Appl.Environ.Microbiol
.71:7759〜7767(2005年))。さらに、市販のスピルリナ製品は、商業
化が許可される前に、多くの臨床試験および毒性試験を確実に通過してきた。このことは
、抽出されたCGPおよびCGP−ジペプチドが、経口摂取した場合毒性効果を誘導しな
いことを示す。さらに、CGPジペプチドは、細菌において成長のために普通に取り込ま
れ、利用され、標的調査の間に静菌効果または殺菌効果を全く示さなかった(データ非掲
載)。一般的に、スピルリナの公知の効果および応用はアルギニンに関して証明された効
果および応用と非常に類似しており、このことは、実際にこれらの効果の一部が、CGP
の含有量を含む、そのアルギニン含有量(約6%)によると思われることを示唆している

0067

細菌は3種のペプチド輸送系を保有しており、2種がABC(ATP結合カセット)輸
送体の大型のファミリーに属するオリゴペプチド透過酵素(Opp)およびジペプチド透
過酵素(Dpp)、ならびにPTR(Peptide TRansporter)ファミ
リーに属するジペプチドおよびトリペプチドのための輸送体である。最後の系だけが、酵
母から出発する高等真核生物において保存されている(Daniel,H.ら、Phys
iology 21:93〜102(2006年))。哺乳動物において、ジペプチドお
よびトリペプチドPEPT(SLC15ファミリー)のための輸送系は2種の変異体:腸
内PEPT1(SLC15A1)および腎性イソ型PEPT2(SLC15A2)を含む
。それらは、L−αアミノ酸およびそれらの誘導体を優先する立体選択的手段で、ほぼす
べての可能なジペプチドおよびトリペプチドを輸送する。D−アミノ酸だけ、または4個
以上のアミノ酸を含むペプチドは受容されない。PEPT1は、小腸を通し、その高い輸
送能力により優勢な発現を有するので、PEPT1のすべての薬剤基質は優れた経口利用
の可能性を有し、したがってPEPT1は薬剤送達の第1の標的となっている(Dani
el,H.ら、Physiology 21:93〜102(2006年))。CGPジ
ペプチドの構成L−アミノ酸である、Asp−ArgおよびAsp−Lys(組換えCG
P)は、α−βペプチド結合を介して連結される。この型の結合およびCGPジペプチド
立体構造は、PEPT系の基質として作用し、摂取された場合、哺乳動物の腸内腔から
輸送され得ることが、強く想定される。したがって、CGPおよび/またはそのジペプチ
ドの使用は、治療薬および/または栄養剤としての構成アミノ酸の経口投与にとって理想
的な取り組みであると思われる。

0068

CGPを構成するアミノ酸、例えばアスパラギン酸、アルギニンおよびリシンならびに
その構造にさらに統合することが可能な、シトルリン、オルニチン、カナバニンまたはグ
ルタミン酸塩などのアミノ酸を含むアミノ酸の栄養的価値および臨床的価値は、何世紀に
もわたって公知である。これらのアミノ酸の合成オリゴマーの組み合わせは、遊離のアミ
ノ酸より高い生体利用効率を有することが証明されており、したがって、頻繁に調査され
、栄養および治療に用いられていた(前を参照されたい)。CGPは、遊離の形態のその
構成アミノ酸より低用量でより有効であることが期待できる、このようなオリゴマーの理
想的な天然供給源を表す。したがって、CGPおよびそのジペプチドの吸収、安全性およ
び効果は、現在調査中である。さらに、CGPに統合する他のアミノ酸に関する研究によ
り、期待できる結果が示された(データ非掲載)。得られたジペプチドは、いくつかの治
療分野、例えばアスパラギン酸−オルニチンを肝臓疾患の治療において用いることができ
る(Kircheis,G.ら、Hepatology 25:1351〜1360(1
997年))。その結果として、CGP構造における任意の将来の改変が、CGPジペプ
チドの範囲を広げ、その後、治療薬および/または栄養食品補助剤などのそれらの応用範
囲を拡大すると思われる。

0069

三相性の方法が、シアノフィシン(CGP)からのβ−ジペプチドの大規模製造のため
に確立された。第I相は、バイオマスからCGPを工業的に単離するための、最適化され
た酸抽出方法に基づき、総計704gの純粋CGPを得、アスパラギン酸、アルギニンお
よび少量のリシンが構造的に含有された。第II相は、細胞外CGPase(CphE)
の醗酵性製造を表し、シュードモナス・アルカリジェネスDIP1株から、500l規模
で、単一基質として1g/lのクエン酸塩を使用して酵素を生産し、17.5gの粗タン
パク質粉末を得、CGPに対して高い分解活性を示した。第III相は、CphEを介し
たCGPの分解を含み、250gのCGPを、99%以上の純度TLC、HPLC)の
β−アスパラギン酸−アルギニンおよびβ−アスパラギン酸−リシンのジペプチドに分解
した。第III相の全体の効率は、91%であり、使用したCphE粉末の78%(wt
/wt)が回収され、CGPに対する持続性の活性を示した。確立された方法は、工業基
準の材料および設備に依存し、あらゆる所望の規模に適用可能である。

0070

DIP1株を含むシュードモナス・アルカリジェネスの菌株は、広範囲の基質において
成長し、それらの最小量を必要とすることが公知である。このような菌株の高い酵素産生
力も、細胞外リパーゼの醗酵性製造にそれらを用いる主な理由である(WO95/307
44;Gerritse、G.ら、Appl.Environ.Microbiol.6
4:2644〜2651(1998年);Moore,E.R.B.ら、Mai1999
年。Pseudomonas:Nonmedical.Mooreら、(編)、The
Prokaryotes:An Evolving Electronic Resou
rce for the Microbiological Community、第3
版、release 3.0、Springer−Verlag、New York))
。DIP1株由来のCGPaseの高い安定性および活性(Sallam,A.およびA
.Steinbuchel.2007b。Anaerobic and aerobic
degradation of cyanophycin by the denit
rifying bacterium Pseudomonas alcaligene
s strain DIP1−Role ofotherthree co−iso
lates in the mixed bacterial consortium。
公開用に提出。)に加えて、これらの特徴は、この菌株を設計した工業的方法にとって理
想的であると考える主要な因子であった。

0071

最終的な三相性方法を創製する前に、CGPに対して直接DIP1株を培養することに
よって、同じ目標を達成するためにいくつかの試験を実施したが、その戦略は成長細胞に
よってCGP−ジペプチドが急速に消費されるためあまり有効ではなく、この問題を、D
IP1株の細胞を排除して定義した三相性方法の手順において避けた。さらに、直接培養
により得られたジペプチド溶液は大量であり、したがって、操作が非常に困難であり、さ
らに得られたジペプチド溶液中の少量のタンパク質および塩の存在が、その戦略の別の欠
点を表した。対照的に、三相方法によるCGPの分解濃度および分解時間は完全に調節可
能である。その結果、得られたジペプチド溶液は少量に制限され容量を操作しやすい。最
も高い試験濃度(50g/l)は、将来の応用のためにさらに最適化でき、本方法を経済
的により有効にする態様の1つである。

0072

経済的因子は、一般的に工業的方法にとって非常に重要であり、したがって、培地の最
適化および基質利用において得られた結果は満足のいくものであり、工業的な量において
安価な基質であり、単一基質として、用いられる菌株にとって理想的であったクエン酸塩
は、細胞外リパーゼの醗酵性製造にすでに用いられていた(Gerritse,G.ら、
Appl.Environ.Microbiol.64:2644〜2651(1998
年))、しかし、粗CphE(第II相)の製造相のために最適化された培地の必要が、
醗酵期間、特に誘導および分解相の期間の濁度グレードの正確なモニタリングの必要を介
して浮上する。実験的CGP分解による先の経験により、不透明な培地および細胞の力強
い成長は誤解を招く恐れがあり得、加えて、細胞のより望ましい成長は細胞外CGPas
eのより多い製造を本質的に意味しなかった(非公開データ)ことを示した。

0073

先行する研究において適用に成功した、Frey,K.M.ら、Appl.Envir
on.Microbiol.68:3377〜3384(2002年)のCGP酸抽出方
法は、バイオマスの任意の工業的な量から純粋なCGPを単離するために適切になるよう
に最適化された。もともとの方法の最も有効な変化は、溶解したCGPの滅菌ろ過ステッ
プであり、この手順は、希HClに溶解しないいかなる細胞デブリも完全に除去すること
保証した。対照的に、希釈酸および水を用いる増加した精製ステップは、CGPの損失
を不必要に増加する恐れがあり、このことは、得られたCGPと抽出量との差を説明する
。CGPの損失およびその抽出に必要な時間は、CGPを4℃に静置する代わりに、CG
Pを遠心分離機にかけることによって最小化できる。

0074

または、この抽出方法の全体の生産力は、有効な機器、例えばクロスフローを用いた場
合、大幅に増加でき、この場合、単離するCGPの分子サイズより、一方は大きく他方は
小さい、2つの異なるCOPを備えた2つのカセットが必要であり、この2つのカセット
は、それぞれ、溶解状態および沈殿状態のCGPにおいてCGPの交互のろ過に用いるこ
とができる。しかし、このような限外ろ過カセットの比較的高い価格およびさらに限られ
寿命により、それらの適用はコストの問題となる。

0075

粗CphEの醗酵性製造(第II相)の期間中、CGPによる誘導は、CphEの最大
の製造を保証し、濁度変化と培地中のCGP量とを排他的に参照するために定常期に用い
る。

0076

培地のpHは、許容範囲(pH6.9〜7.5)を超えて上昇し、HClの添加により
調節したが、これは、シュードモナス・アルカリジェネスDIP1株の細胞によるアンモ
ニアの放出のためである可能性が最も高い。この菌株に関する類似の生理的挙動が、CG
P分解についての先行調査に記録されていた(Sallam,A.およびA.Stein
buchel.2007b。Anaerobic and aerobic degra
dation of cyanophycin by the denitrifyin
g bacterium Pseudomonas alcaligenes stra
in DIP1−Role ofotherthree co−isolates
in the mixed bacterial consortium.公開用に提出
。)。

0077

さまざまな被検ろ過系の前後に得られたCGP−ジペプチドの理想的な純度は、明らか
に、もともとのジペプチド溶液中の不純物の最初の欠乏による。このことは、細菌細胞
用いた直接培養戦略と比較した、定義された酵素的方法の適用に関する別の有利性を表す
。他方、ろ過によるジペプチドの量的損失が予想され、不運なことに避けられない;ろ過
材料、カットオフ点、および/またはろ過する物質それ自体の特徴を含む、いくつかの一
般因子がこのような損失を起こすことが公知である。このことは、分解相期間(第III
相)のCGPの9%および粗CphEの22%の損失も説明する。その上、新しいろ過膜
(0.5−10kDa、COP)だけを試験し、その結果CGP−ジペプチドの損失量は
、飽和まで膜表面に付着する可能性が最も高い。

0078

91%のプロセス効果は極めて高いにもかかわらず、いくつかの態様は、さらに改善可
能であり、したがって最適化の途中であり、これらの態様は、粗CphEのより高い生産
力、CphEの工業的精製戦略の可能性および分解相のより有効な条件を含む(非公開
ータ)。CGP−ジペプチドの商業的価値は、CGPそれ自体の製造コスト直接関係
るが、この数年にわたって、CGPの製造は、いくつかの細菌株を使用して重点的に調査
され、最適化され、その結果、CGP含有量の増大が、新規のより適した経済的な基質を
使用して達成され、これらの進歩は商業的CGP製造の方向に移動したと思われ(上を参
照されたい)、この方法はさらに、他の公知な細菌性ポリ(アミノ酸)例えばポリ(グル
タミン酸)およびポリ(ε−リシン)により、技術および食品応用のために商業化される
ことが必要であった(Oppermann−Sanio F.B.ら、Naturwis
senschaften 89:11〜22(2002年);Obst,M.ら、Bio
macromolecules 5:1166〜1176(2004年)により総説され
た)。その時まで、CGP−ジペプチドの生物医学的価値は、CGPの実際の製造コスト
とのバランスの取れた関係を実際に提供できるであろう。したがって、CGP−ジペプチ
ドの生物医学的効果は現在調査中であるSallam,A.およびA.Steinbuc
hel.2007c。Potential of cyanophycin and i
ts β−dipeptides as possible additives in
therapy,food and feed industries)。

0079

シアノフィシン(CGP)からのβ−ジペプチドの大規模製造のための以前に適用され
たバイオテクノロジー的方法を最適化した;もともとの方法は、3相:第I相:バイオマ
スからの純粋CGPの大規模抽出;第II相:シュードモナス・アルカリジェネスDIP
1株からの粗シアノフィシナーゼ(CphEal)の大規模製造、第III相:CGPの
そのジペプチドへの分解からなった。最適な培養条件は、第II相のために決定した;2
g l−1のクエン酸塩、pH6.5および培養温度37℃。CphEalのインデュー
サーとしてのCGPの最適濃度は50g l−1であり、これは以前に適用した濃度の1
/5を表す。最大酵素濃度は誘導5時間後に得た。CGP−ジペプチドの同じ濃度は、わ
ずか3時間後に同様の誘導効率を示した。さらに、最適条件の4g l−1のL−アスパ
ラギン酸はCphEalを誘導したが、CGPと比較して1/3の効率であった。Cph
Ealは、CGPに対する基質特異的結合を介して精製した。精製された酵素を特徴付け
、50℃およびpH7〜8.5において最大活性を有するセリンプロテアーゼであるとい
う結果になった。もともとの方法の第III相の条件(CGP分解);50g l−1の
CGP、10g l−1の粗CphEalおよびインキュベーションは30℃において1
0時間を、100g l−1のCGP、10g l−1の粗CphEalおよびインキュ
ベーションは50℃においてわずか4時間に最適化できた。CGPは、純度99%以上(
HPLC)のβ−アスパラギン酸−アルギニンおよびβ−アスパラギン酸−リシンジペプ
チドに分解された。これらの最適化により、コスト、時間および労力がより有効な工業的
方法が得られた。

0080

500l規模の醗酵におけるプロタミラスでのCGPの製造に先立って、プロタミラス
の利用可能なチャージについての予備試験により、CGP製造にとって7%(vol/v
ol)が最適であることが明らかになったが、プロタミラスの前のチャージについてのE
lbahloul,Y.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:7
759〜7767(2005年)の先行する研究において、最適濃度が6%(vol/v
ol)であることが見出された。このことは、工業的デンプン製造の残留化合物であるプ
ロタミラスは、チャージごとに変動しうる組成物を含む複合培地であり、したがって培養
培地として適用前に調整されなければならない。

0081

醗酵期間中および最初の6時間の後、温度感受性λ−リプレッサー(cI857)を不
活性化するために温度を37℃に上昇させ、その結果CGP−シンテターゼ(CphA)
遺伝子の誘導を可能にした。この時点で、組換え大腸菌株の細胞は、すでに2時間対数
殖期であった。この醗酵経過が、CGP−シンテターゼの誘導およびCGPの最大の細胞
内蓄積に最適であることが証明された(Frey,K.M.ら、Appl.Enviro
n.Microbiol.68:3377〜3384(2002年))。

0082

さらに醗酵の6時間後、培地の濁度が、自動調節攪拌の増加と平行して急上昇を示した
。このことは、37℃への温度上昇に加えて強力な細胞成長のための培地中の酸素の減少
により説明できる。明らかに、培地中の酸素含有量はあらかじめ調整した最小値より低下
し、攪拌の自動増加を起こし、これが順に泡および気泡の高度の形成をもたらし、その後
OD850nm値不正確になった。消泡剤手動の添加は、濁度の急速な低下を起こし
、正常なレベルに達した。

0083

CGPが細胞内に最大に蓄積したことが顕微鏡的に予測された時(15時間後)に、醗
酵を終了させた。しかし、醗酵サンプルの後の分析により、より良い取得時間が13時間
のインキュベーション後であったことが示された。その時点において、CGP含有量は約
13%(CDMのwt/wt)であり、一方15時間後に10%(CDMのwt/wt)
に下降した。この損失は、明らかに、CGP含有量の、醗酵期間中に唯一可能な方法であ
った顕微鏡予測の不正確さのためであった。さらに、CGP含有量の減少は、インキュベ
ーション中の時間に発生するプラスミドの損失の可能性が最も高い(Elbahloul
,Y.ら、Appl.Environ.Microbiol.71:7759〜7767
(2005年))。ポリマーの抽出および精製後、HPLC分析により、CGPの高純度
および3種のアミノ酸:アスパラギン酸(47.7mol%)、アルギニン(45.6m
ol%)およびリシン(6.8mol%)からなることが明らかになった。SDS−PA
GEにより、CGPが25〜30kDaの分子サイズを有することが示された。これらの
特徴は、いくつかの培地上の同じ菌株により以前に産生されたCGPの特徴と非常に一致
する(Frey,K.M.ら、Appl.Environ.Microbiol.68:
3377〜3384(2002年);Elbahloul,Y.ら、Appl.Envi
ron.Microbiol.71:7759〜7767(2005年))。

0084

近年、1g l−1のクエン酸塩を含む単純な無機塩培地(SM−培地)が、シュード
モナス・アルカリジェネスDIP1株からの、CphEalの大規模製造に適用された。
この培地は、その単純でコストのかからない組成物のため、ならびに使用する菌株に対し
て適切であるため好ましい(Sallam,A.およびA.Steinbuchel.2
008b。Biotechnological process for the te
chnical production of β−dipeptides from
cyanophycin。準備中)。しかし本研究の期間中、成長に最適なクエン酸塩濃
度は6g l−1にもかかわらず、このような培養においてCphEalは産生されなか
った。CphEalの最大の製造は2g l−1のクエン酸塩で成長する培養において起
こった;このことは、この酵素が基質の制限下においてのみ誘導されることを示した。温
度およびpHの最適条件に関する他の実験は、37℃および5.5〜7.5のpH範囲
示し、DIP1株およびCphEalの製造にとって最適な最適条件は6.5であった。
これは、はじめに1g l−1のクエン酸塩、pH7.5およびインキュベーション温度
30℃を適用した製造方法の効率を強化した(Sallam,A.およびA.Stein
buchel.2008b。Biotechnological process fo
r the technical production of β−dipeptid
es from cyanophycin。準備中)。

0085

CphEalの誘導についての延長調査は、以前に用いられたCGP濃度(250mg
l−1)のわずか1/5(50mg l−1)が、同じ効果をもたらすために十分であ
ったことを明らかにした。さらに、CGP−ジペプチドは、同じ効率でCphEalを誘
導するためには同じ濃度(50mg l−1)で十分であった。しかし、ジペプチドによ
り誘導される培養液を取得するまでに必要な短時間のインキュベーション期間(3時間)
は、CGP−ジペプチドが、CphEalの実際のインデューサーであり、CGPそれ自
体ではないことを示す。加えて、アスパラギン酸は、CGP−ジペプチド以外のCphE
alの良好なインデューサーであり、4g l−1の濃度および5時間のさらなるインキ
ュベーション期間がCphEalの最大の製造に必要であり、これは、CGPまたはその
ジペプチドの製造効率のわずか1/3のCphEalの製造効率であったことを表した。
したがって、将来の適用におけるインデューサーの選択は、依然として状況およびコスト
依存性のままである。

0086

もともとの方法の第III相(粗CphEalを介したCGPの大規模分解)は、30
℃の代わりに50℃においてより有効であることが見出された。この最適化は、30℃に
おいて1/4の分解時間で容易に分解可能にするために、CGP濃度をはるかに高くする
(最大100g l−1)。このことは、温度が10ケルビン(10℃)上昇すると反応
速度が2倍になるというVan’t Hoffの方程式に一致する。さらに、分解混合物
の体積および分解混合物の汚染の危険性がこのような温度上昇において最小化される。イ
ンキュベーション温度30℃および50℃の双方において、分解時間は、粗CphEal
濃度の減少およびCGP濃度の増加と共線性増加を示した。したがって、得られた式は、
将来の方法適用において最適な分解パラメーターの適用に役立ち得る。分解相の効率は5
0℃において非常に高いので、式は50℃における適用に関して計算し、その結果、最大
100g l−1のCGP濃度に適している。

0087

有機溶媒または硫酸アンモニウムによる沈殿により、弱い精製効果および低い酵素回復
率が提供された。逆に、CGPに対する特異的結合による開発された手順は、高度に有効
であることが証明され、単一の基質(CGP)を使用する粗溶液中の他のタンパク質から
、CphEalを分離する有利性を有する。精製方法は、CGPマトリックスをそのジペ
プチドに分解することで終了し、これらは同時にこの方法の価値のある最終産物であり、
したがってさらに主要な製造流に向かうことができる(材料の損失はない)。精製方法は
、容易に規模を拡大でき、所望であれば将来の方法の適用に統合される。

0088

もともとの方法(粗CphEalの大規模製造)の第II相の効率およびその精製の可
能性を上げるために、2つの式を作り出した。第1の式(s.a.)は、CphEalの
測光分析に基づき、粗上清中のCphEal含有量の高速決定を可能にする。CphEa
lの決定された濃度は、その後第2の式に統合することができ、結合するCGPの必要量
を評価し、その結果純度、上清中のCphEalの完全な含有量を評価する。このスキー
ムは、それらのタンパク質組成が大きく異なり得る粗CphEalの将来の製造チャージ
のための信頼できる道具を提供する。

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