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技術 チャンネルボックス

出願人 株式会社東芝
発明者 須山章子鵜飼勝内橋正幸日置秀明
出願日 2014年7月22日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-148523
公開日 2016年2月8日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-024062
状態 特許登録済
技術分野 原子炉燃料及び部品の製造 原子炉、減速部及び炉心部の構造
主要キーワード 水素爆発 発電炉 方向分割 カーボンモールド 化学気相浸透 BWR 加圧水型原子力発電プラント ブレーディング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年2月8日)のものです。
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図面 (20)

課題

水分との反応による水素の発生が抑制されるとともに、強度、破壊靭性、および破壊エネルギー高次元で両立されたチャンネルボックスを提供する

解決手段

チャンネルボックスは、筒状部を有する。筒状部の側壁部は、第1の層21、第2の層23、および中間層22を有する。第1の層21は、炭化ケイ素からなる。第2の層23は、第1の層21上に積層され、炭化ケイ素繊維複合化された炭化ケイ素からなる。中間層22は、第1の層21と第2の層23との間に配置され、固体潤滑剤を有する。

概要

背景

加圧水型原子力発電プラント(PWR)は、蒸気発生器高圧タービン低圧タービン復水器給水ポンプ給水加熱器を順次経て、再び原子炉へ戻る循環サイクルで構成されており、蒸気発生器で発生した蒸気によって高圧タービンおよび低圧タービンを駆動して発電機を作動させ、発電を行うようになっている。

沸騰水型原子力発電プラントBWR)においては、原子炉でウラン核分裂反応から発生するエネルギーを利用して冷却水沸騰させており、原子炉が蒸気発生器を兼ねている。燃料となるウランは酸化ウラン焼結体燃料ペレット)として、燃料被覆管収納されており、燃料被覆管の周囲を冷却水が流れている。複数の燃料被覆管を束ねた周囲を覆うようにチャンネルボックスが配置され、燃料被覆管の周囲に効率的に冷却水が流れる構成となっている。

一般に、チャンネルボックスには、その優れた耐食性と低い中性子吸収断面積から、ジルカロイ4と呼ばれるSn−Fe−Cr−Zr合金、ジルカロイ2と呼ばれるSn−Fe−Cr−Ni−Zr合金が使用されており、Zr−Nb合金等の使用も検討されている。
これらのジルコニウム基合金は、高温で周囲の水分と以下に示すような反応を生じる。
Zr + 2H2O → ZrO2 + 2H2 …(1)

ここで(1)式で示した反応は発熱反応であり、ジルコニウム基合金は自身の発した熱により(1)式の酸化反応を促進し、およそ900℃以上の高温になると劇的に水素の発生が増加する。原子炉内に水分が存在する環境でジルコニウム基合金がこのような高温にさらされると、短時間に多量の水素が発生し、この水素が格納容器から漏洩し、原子炉建屋内滞留して水素爆発を起こすおそれがある。このようなことから、チャンネルボックスの材料として、セラミックス材料の使用が検討されている。

概要

水分との反応による水素の発生が抑制されるとともに、強度、破壊靭性、および破壊エネルギー高次元で両立されたチャンネルボックスを提供するチャンネルボックスは、筒状部を有する。筒状部の側壁部は、第1の層21、第2の層23、および中間層22を有する。第1の層21は、炭化ケイ素からなる。第2の層23は、第1の層21上に積層され、炭化ケイ素繊維複合化された炭化ケイ素からなる。中間層22は、第1の層21と第2の層23との間に配置され、固体潤滑剤を有する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、水分との反応による水素の発生が抑制されるとともに、強度、破壊靭性、および破壊エネルギーが高次元で両立されたチャンネルボックスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

筒状部を有するチャンネルボックスであって、前記筒状部の側壁部は、炭化ケイ素からなる第1の層と、前記第1の層の一方の主面上に配置され、炭化ケイ素繊維複合化された炭化ケイ素からなる第2の層と、前記第1の層と前記第2の層との間に配置され、固体潤滑剤を有する中間層とを有するチャンネルボックス。

請求項2

前記中間層は、固体潤滑剤からなる1対の第1の中間層の間に、炭化ケイ素からなる第2の中間層が配置された構造を有する請求項1記載のチャンネルボックス。

請求項3

前記中間層における固体潤滑剤は、窒化ホウ素グラファイト、および雲母系鉱物の中から選択される少なくとも一種からなる請求項1または2記載のチャンネルボックス。

請求項4

前記第2の層における前記炭化ケイ素繊維の表面に被覆層を有する請求項1乃至3のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項5

前記被覆層は、窒化ホウ素、グラファイト、および雲母系鉱物の中から選択される少なくとも一種からなる請求項4記載のチャンネルボックス。

請求項6

前記第1の層が化学気相成長法により形成され、前記第2の層が化学気相浸透法により形成された請求項1乃至5のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項7

前記第2の層における前記炭化ケイ素繊維は、フィラメントワインディング法ブレーディング法、または、織布もしくは不織布を積層する方法により、筒状に形成されている請求項1乃至6のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項8

前記側壁部は、外側表面に、炭化ケイ素およびアルミナから選ばれる少なくとも1種を98質量%以上含有する保護層を有する請求項1乃至7のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項9

前記保護層は、平均厚みが10μm以上50μm以下である請求項8記載のチャンネルボックス。

請求項10

前記側壁部は、外側から順に、前記第1の層、前記中間層、前記第2の層を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項11

前記側壁部は、外側から順に、前記第2の層、前記中間層、前記第1の層を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項12

前記側壁部は、外側から順に、前記第1の層、前記中間層、前記第2の層、前記中間層、前記第1の層を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項13

前記側壁部は、外側から順に、前記第2の層、前記中間層、前記第1の層、前記中間層、前記第2の層を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項14

前記側壁部は、外側から順に、前記第1の層、前記中間層、前記第2の層、前記中間層、前記第1の層、前記中間層、前記第2の層を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項15

前記側壁部は、外側から順に、前記第2の層、前記中間層、前記第1の層、前記中間層、前記第2の層、前記中間層、前記第1の層を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項16

前記筒状部は、周方向に複数に分割されている請求項1乃至15のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項17

前記筒状部は、軸方向の長さが1m以上4m以下である請求項1乃至16のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項18

前記筒状部は、軸方向に複数に分割されている請求項1乃至17のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

請求項19

前記側壁部の平均厚みが2mm以上4mm以下である請求項1乃至18のいずれか1項記載のチャンネルボックス。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、チャンネルボックスに関する。

背景技術

0002

加圧水型原子力発電プラント(PWR)は、蒸気発生器高圧タービン低圧タービン復水器給水ポンプ給水加熱器を順次経て、再び原子炉へ戻る循環サイクルで構成されており、蒸気発生器で発生した蒸気によって高圧タービンおよび低圧タービンを駆動して発電機を作動させ、発電を行うようになっている。

0003

沸騰水型原子力発電プラントBWR)においては、原子炉でウラン核分裂反応から発生するエネルギーを利用して冷却水沸騰させており、原子炉が蒸気発生器を兼ねている。燃料となるウランは酸化ウラン焼結体燃料ペレット)として、燃料被覆管収納されており、燃料被覆管の周囲を冷却水が流れている。複数の燃料被覆管を束ねた周囲を覆うようにチャンネルボックスが配置され、燃料被覆管の周囲に効率的に冷却水が流れる構成となっている。

0004

一般に、チャンネルボックスには、その優れた耐食性と低い中性子吸収断面積から、ジルカロイ4と呼ばれるSn−Fe−Cr−Zr合金、ジルカロイ2と呼ばれるSn−Fe−Cr−Ni−Zr合金が使用されており、Zr−Nb合金等の使用も検討されている。
これらのジルコニウム基合金は、高温で周囲の水分と以下に示すような反応を生じる。
Zr + 2H2O → ZrO2 + 2H2 …(1)

0005

ここで(1)式で示した反応は発熱反応であり、ジルコニウム基合金は自身の発した熱により(1)式の酸化反応を促進し、およそ900℃以上の高温になると劇的に水素の発生が増加する。原子炉内に水分が存在する環境でジルコニウム基合金がこのような高温にさらされると、短時間に多量の水素が発生し、この水素が格納容器から漏洩し、原子炉建屋内滞留して水素爆発を起こすおそれがある。このようなことから、チャンネルボックスの材料として、セラミックス材料の使用が検討されている。

先行技術

0006

米国特許第6226342号明細書
米国特許出願公開第2011/0268243号明細書

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、セラミックス材料の場合、脆性破壊を示すために、破壊に対する抵抗が必ずしも大きくない。また、繊維が複合化されたセラミックス材料の場合、繊維が複合化されていないものに比べて、破壊に対する抵抗は高くなるが、機械的強度が低下する。

0008

チャンネルボックスには、津波洪水等の自然災害テロ等の人的災害等の原子炉の重大事故時、水分との反応による水素の発生が抑制されるとともに、設計基準を超えるような荷重または熱衝撃が加えられても即座に破壊しないような高い強度、破壊靭性、および破壊エネルギーを有することが求められる。

0009

本発明が解決しようとする課題は、水分との反応による水素の発生が抑制されるとともに、強度、破壊靭性、および破壊エネルギーが高次元で両立されたチャンネルボックスを提供するものである。

課題を解決するための手段

0010

実施形態のチャンネルボックスは、筒状部を有する。筒状部の側壁部は、第1の層、第2の層、および中間層を有する。第1の層は、炭化ケイ素からなる。第2の層は、第1の層上に積層され、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる。中間層は、第1の層と第2の層との間に配置され、固体潤滑剤を有する。

図面の簡単な説明

0011

第1の実施形態のチャンネルボックスを示す外観図である。
第1の実施形態における側壁部の一例を示す断面図である。
第1の実施形態における側壁部の第1の変形例を示す断面図である。
第1の実施形態における側壁部の第2の変形例を示す断面図である。
第1の実施形態における側壁部の第3の変形例を示す断面図である。
第1の実施形態における側壁部の第4の変形例を示す断面図である。
第1の実施形態における側壁部の第5の変形例を示す断面図である。
第1の実施形態のチャンネルボックスの第1の変形例(分離されていない状態)を示す図である。
第1の実施形態のチャンネルボックスの第1の変形例(分離された状態)を示す図である。
第1の実施形態のチャンネルボックスの第2の変形例(分離されていない状態)を示す図である。
第1の実施形態のチャンネルボックスの第2の変形例(分離された状態)を示す図である。
第1の実施形態のチャンネルボックスの第3の変形例(分離されていない状態)を示す図である。
第1の実施形態のチャンネルボックスの第3の変形例(分離された状態)を示す図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスを示す外観図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスの第1の変形例(分離されていない状態)を示す図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスの第1の変形例(分離された状態)を示す図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスの第2の変形例(分離されていない状態)を示す図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスの第2の変形例(分離された状態)を示す図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスの第3の変形例(分離されていない状態)を示す図である。
第2の実施形態のチャンネルボックスの第3の変形例(分離された状態)を示す図である。

0012

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

0013

図1は、第1の実施形態のチャンネルボックスを示す外観図である。
第1の実施形態のチャンネルボックス10は、円筒状の筒状部11を有する。第1の実施形態のチャンネルボックス10は、沸騰水発電炉(BWR)の燃料集合体を覆うものであり、原子炉冷却材流路の確保、制御棒ガイド燃料棒の固定と保護の機能を有する。

0014

図2は、第1の実施形態のチャンネルボックス10における筒状部11の側壁部の一例を示す断面図である。図2に示されるように、側壁部は、例えば、外側から順に、第1の層21、中間層22、および第2の層23を有する。第1の層21は、炭化ケイ素からなる。中間層22は、固体潤滑剤からなる。また、第2の層23は、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる。

0015

第1の実施形態のチャンネルボックス10においては、その構成成分が基本的に炭化ケイ素であることから、使用時の放射化が抑制される。また、第1の実施形態のチャンネルボックス10においては、その構成成分が基本的に炭化ケイ素であることから、原子炉の重大事故時、水分と接触したとしても、水分との反応による水素の発生が抑制される。

0016

さらに、第1の実施形態のチャンネルボックス10においては、炭化ケイ素からなる第1の層21と、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる第2の層23とが結合力を弱める界面となる中間層22を介して配置された構造を有することから、強度、破壊靭性、および破壊エネルギーが高次元で両立される。

0017

具体的には、炭化ケイ素からなる第1の層21により強度が確保され、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる第2の層23により破壊靭性、破壊エネルギーが確保される。特に、これら第1の層21と第2の層23とが結合力を弱める界面となる中間層22を介して配置されることにより、第1の層21と第2の層23とが機能的に分離され、それぞれの機能が有効に発現される。これにより、通常時に必要とされる強度は、炭化ケイ素からなる第1の層21により十分に確保され、原子炉の重大事故時に設計基準を超えるような荷重または熱衝撃が加えられたときには、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる第2の層23により破壊が抑制される。

0018

図3は、側壁部の第1の変形例を示す断面図である。側壁部は、外側から順に、第2の層23、中間層22、および第1の層21を有するものでもよい。このように、第1の層21、第2の層23は、いずれの層が外側に配置されてもよく、基本的に同様の効果が得られる。

0019

図4は、側壁部の第2の変形例を示す断面図であり、図5は、側壁部の第3の変形例を示す断面図である。図4図5に示されるように、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数は3層でもよい。このように第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が3層の場合についても、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が2層の場合と基本的に同様の効果が得られる。

0020

なお、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が3層の場合、第1の層21と第2の層23とは、いずれの層が外側になってもよいが、外側から順に交互に配置されることが好ましい。また、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が3層の場合、第1の層21と第2の層23との各間には中間層22が配置されることが好ましい。

0021

具体的には、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が3層の場合、図4に示されるように、外側から順に、第1の層21、中間層22、第2の層23、中間層22、第1の層21が配置されるか、図5に示されるように、外側から順に、第2の層23、中間層22、第1の層21、中間層22、第2の層23が配置されることが好ましい。

0022

図6は、側壁部の第4の変形例を示す断面図であり、図7は、側壁部の第5の変形例を示す断面図である。図6図7に示されるように、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数は4層でもよい。このように第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が4層の場合についても、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が、2層、3層の場合と基本的に同様の効果が得られる。

0023

なお、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が4層の場合、第1の層21と第2の層23とは、いずれの層が外側になってもよいが、外側から順に交互に配置されることが好ましい。また、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が4層の場合、第1の層21と第2の層23との各間には中間層22が配置されることが好ましい。

0024

具体的には、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数が4層の場合、図6に示されるように、外側から順に、第1の層21、中間層22、第2の層23、中間層22、第1の層21、中間層22、第2の層23が配置されるか、図7に示されるように、外側から順に、第2の層23、中間層22、第1の層21、中間層22、第2の層23、中間層22、第1の層21が配置されることが好ましい。

0025

ここで、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数は、必ずしも2層以上4層以下に限定されないが、生産性等の観点から、2層以上4層以下が好ましい。

0026

第1の層21の平均厚み、第2の層23の平均厚みは、積層構造に応じて以下に示される範囲が好ましい。以下に示される範囲よりも、第1の層21の平均厚みが大きくなる場合、または第2の層23の平均厚みが小さくなる場合、破壊靭性、破壊エネルギーが低下しやすくなる。反対に、以下に示される範囲よりも、第1の層21の平均厚みが小さくなる場合、または第2の層23の平均厚みが大きくなる場合、強度が低下しやすくなる。なお、本明細書における平均厚みは、X線などの非破壊検査や、切断・断面観察などの破壊検査により測定される。

0027

図2に示されるように、外側から順に、第1の層21(1層目とする。)、第2の層23(2層目とする。)を有する場合、1層目の第1の層21の平均厚み(T11)と2層目の第2の層23の平均厚み(T12)の比(T12/T11)は0.25以上1以下が好ましい。

0028

図3に示されるように、外側から順に、第2の層23(1層目とする。)、第1の層21(2層目とする。)を有する場合、1層目の第2の層23の平均厚み(T21)と2層目の第1の層21の平均厚み(T22)の比(T22/T21)は1以上4以下が好ましい。

0029

図4に示されるように、外側から順に、第1の層21(1層目とする。)、第2の層23(2層目とする。)、第1の層21(3層目とする。)を有する場合、1層目の第1の層21の平均厚み(T31)と2層目の第2の層23の平均厚み(T32)の比(T32/T31)は0.5以上、2以下が好ましく、1層目の第1の層21の平均厚み(T31)と3層目の第1の層21の平均厚み(T33)の比(T33/T31)は0.5以上、2以下が好ましい。

0030

図5に示されるように、外側から順に、第2の層23(1層目とする。)、第1の層21(2層目とする。)、第2の層23(3層目とする。)を有する場合、1層目の第2の層23の平均厚み(T41)と2層目の第1の層21の平均厚み(T42)の比(T42/T41)は1以上、4以下が好ましく、1層目の第2の層23の平均厚み(T41)と3層目の第2の層23の平均厚み(T43)の比(T43/T41)は0.5以上、2以下が好ましい。

0031

図6に示されるように、外側から順に、第1の層21(1層目とする。)、第2の層23(2層目とする。)、第1の層21(3層目とする。)、第2の層23(4層目とする。)を有する場合、1層目の第1の層21の平均厚み(T51)と2層目の第2の層23の平均厚み(T52)の比(T52/T51)は0.3以上、1以下が好ましく、1層目の第1の層21の平均厚み(T51)と3層目の第1の層21の平均厚み(T53)の比(T53/T51)は0.3以上、3以下が好ましく、1層目の第1の層21の平均厚み(T51)と4層目の第2の層23の平均厚み(T54)の比(T54/T51)は0.3以上、2以下が好ましい。

0032

図7に示されるように、外側から順に、第2の層23(1層目とする。)、第1の層21(2層目とする。)、第2の層23(3層目とする。)、第1の層21(4層目とする。)を有する場合、1層目の第2の層23の平均厚み(T61)と2層目の第1の層21の平均厚み(T62)の比(T62/T61)は1以上、3以下が好ましく、1層目の第2の層23の平均厚み(T61)と3層目の第2の層23の平均厚み(T63)の比(T63/T61)は1以上、2以下が好ましく、1層目の第2の層23の平均厚み(T61)と4層目の第1の層21の平均厚み(T64)の比(T64/T61)は1以上、2以下が好ましい。

0033

筒状部11の軸方向の長さは、通常、1m以上4m以下が好ましい。また、側壁部の平均厚みは、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数にかかわらず、2mm以上が好ましい。側壁部の平均厚みが2mm以上の場合、チャンネルボックス10の強度の確保が容易となる。また、側壁部の平均厚みは、厚いほど強度の確保が容易となるが、放射化されやすくなることから、5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましい。

0034

次に、側壁部における各層について具体的に説明する。

0035

第1の層21は、主としてチャンネルボックス10の強度を確保するために設けられる。第1の層21は、炭化ケイ素繊維が複合化されていない炭化ケイ素からなる。第1の層21が炭化ケイ素繊維が複合化されていない炭化ケイ素からなることにより、十分な強度を得ることができる。

0036

第1の層21は、水分との反応による水素の発生、放射化等が抑制され、また十分な強度が得られることから、炭化ケイ素のみからなることが好ましいが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、一部に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、ホウ素、炭素シリコンアルミチタン、鉄、クロムニッケルジルコニウムバナジウムカルシウムなどが挙げられる。他の成分の含有量は、第1の層21の全体の10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。

0037

第1の層21の平均厚みは、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数にかかわらず、50μm以上が好ましい。第1の層21の平均厚みが50μm以上の場合、チャンネルボックス10の強度を確保しやすくなる。第1の層21の平均厚みは、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数にかかわらず、100μm以上がより好ましい。

0038

第1の層21の平均厚みは、側壁部における第1の層21の層数に合わせて適宜調整されることが好ましい。基本的には、側壁部における第1の層21の層数が少なくなるほど、第1の層21の平均厚みが厚くなることが好ましい。例えば、側壁部における第1の層21の層数が1層である場合、チャンネルボックス10の強度を確保する観点から、500μm以上がより好ましく、1000μm以上がさらに好ましい。

0039

なお、第1の層21の平均厚みは、チャンネルボックス10の強度を確保する観点からは厚いほど好ましく、このような観点からは必ずしも制限されない。しかし、側壁部の平均厚みは、通常、2〜5mm程度であることから、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数、上記した第1の層21と第2の層23との各層の平均厚みの割合等を考量して、側壁部の平均厚みが2〜5mm程度となるように、第1の層21の平均厚みの上限が調整されることが好ましい。

0040

第2の層23は、津波、洪水等の自然災害、テロ等の人的災害等の原子炉の重大事故時、すなわち設計基準を超えるような荷重または熱衝撃が加えられて第1の層21が破壊するような場合、この破壊の進行を抑制して、チャンネルボックス10の全体が破壊しないようにするために設けられる。

0041

第2の層23は、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる。これにより、例えば、第2の層23が延性破壊を示すようになり、第1の層21のように脆性破壊するものと組み合わされることにより、破壊の進行を抑制できる。

0042

第2の層23は、例えば、炭化ケイ素によりマトリックスが構成され、この炭化ケイ素からなるマトリックス中に炭化ケイ素繊維が配置されている。なお、炭化ケイ素繊維どうしの間は、炭化ケイ素からなるマトリックスによって完全に埋められている必要はなく、気孔を有するものでもよい。

0043

第2の層23におけるマトリックスについても、水分との反応による水素の発生、放射化等が抑制され、また十分な強度が得られることから、炭化ケイ素のみからなることが好ましいが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、一部に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、窒化ホウ素、炭素、雲母系鉱物酸化アルミニウム、ホウ素、シリコン、アルミ、チタン、鉄、クロム、ニッケル、ジルコニウム、バナジウム、カルシウムなどが挙げられる。他の成分の含有量は、マトリックスの全体の10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。

0044

第2の層23における炭化ケイ素繊維としては、通常、繊維径が5〜150μmのものが好適に用いられる。繊維径が5μm以上の場合、炭化ケイ素繊維の複合化による特性の向上が顕著となる。また、繊維径が150μm以下の場合、マトリックスと炭化ケイ素繊維との境界面における過度応力の発生が抑制され、マトリックスの破壊が抑制される。繊維径は、5〜100μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。

0045

第2の層23における炭化ケイ素繊維は、長繊維であることが好ましい。なお、長繊維とは、連続した繊維であればよく、繊維長については必ずしも限定されない。炭化ケイ素繊維が連続している長さが長くなるほど、破壊靭性、破壊エネルギーが高くなるために好ましい。

0046

炭化ケイ素繊維は、通常、100〜10000本程度が束ねられた繊維束の状態で炭化ケイ素からなるマトリックス中に配置される。第2の層23においては、このような繊維束が連続していることが好ましい。例えば、第2の層23においては、1本の連続した繊維束により全体が構成されていることが好ましい。このような場合、特に、破壊靭性、破壊エネルギーが高くなる。

0047

なお、第2の層23に含まれる繊維としては、水分との反応による水素の発生、放射化等が抑制され、また十分な強度が得られることから、炭化ケイ素繊維のみからなることが好ましいが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、一部に他の繊維を含有してもよい。他の繊維としては、例えば、炭素、アルミナ等が挙げられる。他の繊維の含有量は、第2の層23における繊維全体の10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。

0048

炭化ケイ素繊維は、第2の層23の全体積中、20体積%以上含まれることが好ましい。ここで、第2の層23の体積には、炭化ケイ素からなるマトリックス、炭化ケイ素繊維の体積に加えて、気孔の体積も含まれる。また、後述するように、炭化ケイ素繊維の表面に潤滑層が設けられる場合、炭化ケイ素繊維の体積には潤滑層の体積が含まれるものとする。

0049

炭化ケイ素繊維の含有量が20体積%以上の場合、第2の層23の破壊の形態が延性破壊を示しやすくなるために好ましい。また、炭化ケイ素繊維の含有量は、第2の層23の全体積中、40体積%以下が好ましい。炭化ケイ素繊維の含有量が40体積%以下の場合、第2の層23自体の強度も確保しやすい。

0050

第2の層23における炭化ケイ素繊維の表面には、結合力を弱める界面となる被覆層が設けられることが好ましい。被覆層が設けられることにより、炭化ケイ素繊維とマトリックスとの間の剥離滑りが良好となり、第2の層23の破壊の形態が延性破壊を示しやすくなるために好ましい。結合力を弱める界面としては、窒化ホウ素、グラファイト、雲母系鉱物等が好ましい。これらのものから被覆層が構成される場合、特に炭化ケイ素繊維とマトリックスとの間の剥離や滑りが良好となる。

0051

被覆層の平均厚みは、100nm以上が好ましい。100nm以上の場合、マトリックスと炭化ケイ素繊維との間の滑りが良好となることから、第2の層23の破壊の形態が延性破壊を示しやすくなるために好ましい。また、被覆層の平均厚みは、1μm以下が好ましい。1μm以下の場合、第2の層23の強度の低下が抑制される。

0052

第2の層23の平均厚みは、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数にかかわらず、300μm以上が好ましい。第2の層23の平均厚みが300μm以上の場合、第1の層21が破壊するような場合にも、この破壊の進行を効果的に抑制できる。

0053

第2の層23の平均厚みは、側壁部における第2の層23の層数に合わせて適宜決定されることが好ましい。基本的には、側壁部における第2の層23の層数が少なくなるほど、第2の層23の平均厚みが厚くなることが好ましい。例えば、側壁部における第2の層23の層数が1層である場合、第2の層23の平均厚みは、破壊の進行を抑制する観点から、500μm以上がより好ましく、1000μm以上がさらに好ましい。

0054

なお、第2の層23の平均厚みは、破壊の進行を抑制する観点からは厚いほど好ましく、このような観点からは必ずしも制限されない。しかし、側壁部の平均厚みは、通常、2〜5mm程度であることから、第1の層21の層数と第2の層23の層数との合計した層数、上記した第1の層21と第2の層23との各層の平均厚みの割合等を考量して、側壁部の平均厚みが2〜5mm程度となるように、第2の層23の平均厚みの上限が調整されることが好ましい。

0055

中間層22は、第1の層21と第2の層23との間に配置され、固体潤滑剤を有する。第1の層21と第2の層23との間に中間層22が配置されることにより、第1の層21と第2の層23とが機能的に分離されて、それぞれの機能が有効に発現される。また、第1の層21と第2の層23との間に中間層22が配置されることにより、第1の層21において発生した亀裂がそのまま第2の層23に進展することが抑制される。これにより、第1の層21と第2の層23とが直接接合されている場合に比べて、強度、破壊靭性、および破壊エネルギーが高次元で両立される。

0056

中間層22における結合力を弱める界面としては、窒化ホウ素、グラファイト、雲母系鉱物等が好ましい。これらのものから中間層22が構成される場合、特に第1の層21と第2の層23とが機能的に良好に分離される。

0057

中間層22は、例えば、固体潤滑剤のみから構成される、このように中間層22が固体潤滑剤のみから構成される場合、中間層22の平均厚みは、7.5μm以上が好ましい。平均厚みが7.5μm以上の場合、第1の層21と第2の層23とが機能的に十分に分離されることから、それぞれの機能が効果的に発現される。また、中間層22が固体潤滑剤のみから構成される場合、中間層22の平均厚みは、80μm以下が好ましい。平均厚みが80μm以下の場合、側壁部における強度の低い中間層22の割合が少なくなることから、チャンネルボックス10の強度の低下が抑制される。

0058

ここで、中間層22の結合力が強すぎても弱すぎても、第1の層21および第2の層23のそれぞれの機能的は効果的に発現されない。例えば、中間層22の結合力が強すぎると、第1の層21において発生した亀裂がそのまま第2の層23に進展して、亀裂の進展が抑制されにくい。一方、中間層22の結合力が弱すぎると、第1の層21、中間層22、および第2の層23を合わせた全体の強度が低下しやすい。このようなことからも、上記したような中間層22の平均厚みが好ましい。

0059

中間層22は、上記した固体潤滑剤のみからなる単層構造を有するものに限られず、積層構造を有するものでもよい。積層構造を有するものとしては、例えば、固体潤滑剤からなる1対の第1の中間層の間に、炭化ケイ素からなる第2の中間層が配置されたものが挙げられる。このような積層構造によれば、中間層22における過度の滑りが抑制されるために好ましい。

0060

固体潤滑剤からなる第1の中間層(A)と、炭化ケイ素からなる第2の中間層(B)との積層構造としては、例えば、A/B/Aのような3層構造、A/B/A/B/Aのような5層構造が挙げられる。なお、上記したことからも明らかなように、固体潤滑剤からなる第1の中間層(A)と炭化ケイ素からなる第2の中間層(B)との積層構造の場合、両端に固体潤滑剤からなる第1の中間層(A)が配置されることが好ましい。

0061

中間層22が積層構造を有する場合、中間層22の平均厚みは、7.5μm以上が好ましい。平均厚みが7.5μm以上の場合、第1の層21と第2の層23とが機能的に分離されて、それぞれの機能が十分に発現される。また、中間層22が積層構造を有する場合、中間層22の平均厚みは、140μm以下が好ましい。平均厚みが140μm以下の場合、側壁部における強度の低い中間層22の割合が少なくなることから、チャンネルボックス10の強度の低下が抑制される。

0062

側壁部は、第1の層21、中間層22、および第2の層23から基本的に構成されるが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、他の層が設けられてもよい。

0063

他の層としては、例えば、側壁部の外側および内側から選ばれる少なくとも一方の表面に設けられる保護層が挙げられる。保護層を有する場合、さらに水分との反応による水素の発生が抑制される。

0064

保護層は、炭化ケイ素およびアルミナから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。炭化ケイ素およびアルミナから選ばれる少なくとも1種を含むことにより、さらに水分との反応による水素の発生が抑制される。特に、保護層は、炭化ケイ素およびアルミナから選ばれる少なくとも1種を98質量%以上含むことが好ましい。炭化ケイ素およびアルミナから選ばれる少なくとも1種を98質量%以上含むことにより、さらに水分との反応による水素の発生が抑制される。

0065

保護層の平均厚みは、10μm以上が好ましい。平均厚みが10μm以上の場合、水分との反応による水素の発生が抑制される効果が顕著となる。保護層の平均厚みは、50μm未満が好ましい。保護層の平均厚みは、50μm程度もあれば水分との反応による水素の発生が十分に抑制され、これ未満とすることで保護層の生産性も良好となる。

0066

次に、実施の形態のチャンネルボックス10の製造方法について説明する。

0067

チャンネルボックス10は、例えば、チャンネルボックス10の内側形状と同様の外側形状を有するモールドを用いて、この外側表面に、第1の層21、中間層22、第2の層23等を、順次、所定の順序で積層した後、モールドを引き抜くようにして取り外すことにより製造できる。なお、モールドの取り出しは、必ずしも全層の形成後である必要はなく、形状が維持できれば途中の段階で行ってもよい。

0068

第1の層21、中間層22、被覆層、保護層は、CVD法(Chemical Vapor Deposition、化学気相成長法)、PVD法(Physical Vapor Deposition、物理気相成長法)により好適に形成され、特にCVD法により好適に形成される。第2の層23は、CVI法(Chemical Vapor Infiltration、化学気相浸透法)により好適に形成される。

0069

CVI法による第2の層23の形成は、例えば、以下のように行われる。
まず、フィラメントワインディング法ブレーディング法、織布もしくは不織布を積層する方法等により、炭化ケイ素繊維が複数束ねられた繊維束を成形して、円筒状、角筒状等の筒状を有する繊維基材を製造する。

0070

フィラメントワインディング法の場合、モールド等の下地上に軸方向、周方向バイアス方向等に繊維束が巻き付けられて、筒状の繊維基材が形成される。この場合、第2の層23の全体において、繊維束が連続していることが好ましい。

0071

ブレーディング法の場合、例えば、モールド等の下地における軸方向の一方の端部から他方の端部に向かって、モールド等の下地を包み込むように筒状に組み編みされて、所定の形状の繊維基材が形成される。

0072

織布もしくは不織布を積層する方法の場合、繊維束が織物とされ、この織物がモールド等の下地上に巻き付けられるように積層されて、筒状の繊維基材が形成される。織物としては、平織朱子織等が挙げられる。

0073

筒状の繊維基材を製造した後、繊維基材の細孔空隙中CVD反応を行うことにより、マトリックス成分成長させて細孔空隙を埋める。これにより、第2の層23が形成される。

0074

次に、第1の実施形態のチャンネルボックス10の変形例について説明する。

0075

図8図9は、第1の実施形態のチャンネルボックス10の第1の変形例を示す図である。ここで、図8は、分離されていない状態を示したものであり、図9は、分離された状態を示したものである。チャンネルボックス10は、周方向に2以上の部分に分割されてもよい。例えば、図示されるように、中心軸を含む平面により第1の周方向分割体12と第2の周方向分割体13との2つの部分に分割されており、これらが組み合わされてチャンネルボックス10が構成されてもよい。また、図示しないが、チャンネルボックス10は、周方向に3以上の部分に分割されてもよい。

0076

図10図11は、第1の実施形態のチャンネルボックス10の第2の変形例を示す図である。ここで、図10、11は、軸方向に2つの部分に分割されたチャンネルボックス10を示すものであり、図10が分離されていない状態を示したものであり、図11は、分離された状態を示したものである。図10図11に示されるように、チャンネルボックス10は、第1の軸方向分割体14と第2の軸方向分割体15との2つの部分に分割されており、これらが軸方向に組み合わされて構成されてもよい。

0077

図12図13は、第1の実施形態のチャンネルボックス10の第3の変形例を示す図である。ここで、図12、13は、軸方向に3つの部分に分割されたものであり、図12が分離されていない状態を示したものであり、図13は、分離された状態を示したものである。図12図13に示されるように、チャンネルボックス10は、第1の軸方向分割体16と、第2の軸方向分割体17と、第3の軸方向分割体18との3つの部分に分割されており、これらが軸方向に組み合わされて構成されてもよい。

0078

なお、第1の実施形態のチャンネルボックス10は、軸方向に4以上の部分に分割されてもよい。また、第1の実施形態のチャンネルボックス10が軸方向に分割される場合、分割されるそれぞれの部分の軸方向の長さは、通常、1m以上が好ましい。

0079

次に、第2の実施形態のチャンネルボックス10について説明する。

0080

図14は、第2の実施形態のチャンネルボックス10を示す外観図である。
第2の実施形態のチャンネルボックス10は角筒状の筒状部31を有する。

0081

なお、第2の実施形態のチャンネルボックス10の側壁部の積層構造については、第1の実施形態のチャンネルボックス10の側壁部の積層構造を採用できることから説明を省略する。

0082

図15図16は、第2の実施形態のチャンネルボックスの第1の変形例を示す図である。ここで、図15は、分離されていない状態を示したものであり、図16は、分離された状態を示したものである。第2の実施形態のチャンネルボックス10についても、周方向に2以上の部分に分割されてもよい。例えば、図示されるように対角線を含む平面により第1の周方向分割体32と第2の周方向分割体33との2つの部分に分割されており、これらが組み合わされて構成されてもよい。また、図示しないが、チャンネルボックス10は、周方向に3以上の部分に分割されてもよい。

0083

図17図18は、第2の実施形態のチャンネルボックス10の軸方向における分割方法の一例を示した図である。ここで、図17、18は、軸方向に2つの部分に分割されたチャンネルボックス10を示すものであり、図17が分離されていない状態を示したものであり、図18は、分離された状態を示したものである。図17図18に示されるように、チャンネルボックス10は、第1の軸方向分割体34と第2の軸方向分割体35との2つの部分に分割されており、これらが軸方向に組み合わされて構成されてもよい。

0084

図19図20は、第2の実施形態のチャンネルボックス10の軸方向における分割方法の他の例を示した図である。ここで、図19、20は、軸方向に3つの部分に分割されたものであり、図19が分離されていない状態を示したものであり、図20は、分離された状態を示したものである。図19図20に示されるように、チャンネルボックス10は、第1の軸方向分割体36と、第2の軸方向分割体37と、第3の軸方向分割体38との3つの部分に分割されており、これらが軸方向に組み合わされて構成されてもよい。

0085

なお、第2の実施形態のチャンネルボックス10についても、軸方向に4以上の部分に分割されてもよい。また、第2の実施形態のチャンネルボックス10が軸方向に分割される場合、分割されるそれぞれの部分の軸方向の長さは、通常、1m以上が好ましい。

0086

(実施例1)
カーボンモールドとして、チャンネルボックスの内側形状と同様の外側形状を有するものを用意した。このカーボンモールドを炉内に配置した後、CVD法により、その側面上に平均厚みが1.2mmの炭化ケイ素からなる層(以下、SiC層と記す。)を形成した。ここで、SiC層の形成時の原料ガスとして、SiCl4およびC3H8を用いた。また、SiC層の形成時の温度は1300〜1400℃、圧力は4〜40Paとした。

0087

さらに、SiC層上に、平均厚みが10〜50μmの窒化ホウ素からなる層(以下、BN層と記す。)を形成した。BN層の形成時の原料ガスとして、BCl3およびNH3を用いた。また、BN層の形成時の温度は1750〜1850℃、圧力は50〜500Paとした。その後、炉内より、SiC層およびBN層が形成されたカーボンモールドを取り出した。

0088

別途、CVD法により表面に平均厚み1μm程度のグラファイトが形成された直径12μmの炭化ケイ素長繊維(日本カーボン製、商品名:ハイニカロンS)を用いて、8枚の朱子織のクロスを用意した。この8枚の朱子織のクロスを、上記したカーボンモールドのBN層上に積層しながら巻き付けて繊維基材とした。

0089

さらに、原料ガスとしてSiCl4およびC3H8を用い、温度1300〜1400℃、圧力4〜40Paの条件で、繊維基材の細孔空隙に炭化ケイ素を主成分とするマトリックスを形成して、平均厚みが1mmであり、炭化ケイ素繊維が複合化された炭化ケイ素からなる層(以下、SiC/SiC層と記す。)を形成した。SiC/SiC層における炭化ケイ素繊維の割合は、20〜40体積%の範囲内である。

0090

その後、カーボンモールドを取り外して、外側から順に、SiC/SiC層、BN層、SiC層が配置された筒状部を有するチャンネルボックスを製造した。ここで、SiC層が第1の層に相当し、BN層が中間層に相当し、SiC/SiC層が第2の層に相当する。また、チャンネルボックスの長さは2.3mmである。

0091

(実施例2)
実施例1のチャンネルボックスにおけるSiC/SiC層上に、CVD法により、さらに平均厚みが10〜50μmの炭化ケイ素からなる保護層を形成した。ここで、保護層の形成時の原料ガスとして、SiCl4およびC3H8を用いた。また、保護層の形成時の温度は1300〜1400℃、圧力は4〜40Paとした。

0092

(比較例1)
側壁部がジルコニウム基合金層のみからなるチャンネルボックスを製造した。なお、ジルコニウム基合金層の厚さは、2.3mmとした。

0093

(比較例2)
側壁部が、SiC層のみからなるチャンネルボックスを製造した。なお、SiC層の形成は、実施例1のチャンネルボックスにおけるSiC層の形成と同様にして行った。また、SiC層の平均厚みは、2.3mmとした。

0094

(比較例3)
側壁部が、SiC/SiC層のみからなるチャンネルボックスを製造した。なお、SiC/SiC層の形成は、実施例1のチャンネルボックスにおけるSiC/SiC層の形成と同様にして行った。また、SiC/SiC層の平均厚みは、2.3mmとした。

0095

(比較例4)
外側から順に、SiC/SiC層、SiC層が配置された筒状部を有するチャンネルボックスを製造した。なお、このチャンネルボックスは、BN層を形成しないことを除いて、実施例1のチャンネルボックスと同様にして製造した。また、SiC/SiC層、SiC層の平均厚みは、実施例1のチャンネルボックスのSiC/SiC層、SiC層の平均厚みと同一とした。

0096

次に、実施例1、2、比較例1〜4のチャンネルボックスについて、以下に示すような方法により、強度試験高温水蒸気酸化試験熱衝撃試験を行った。これらの試験結果を表1に示す。

0097

(強度試験)
実施例および比較例のチャンネルボックスについて、従来よりジルコニウム基合金製チャンネルボックスにおいて実施されている曲げ試験を実施した。表中、評価基準は、以下の通りとした。
「○」:従来の要求仕様を満たす。
「◎」:従来の要求仕様の2倍程度の強度を有する。
「△」:従来の要求仕様に満たない。
「×」:従来の要求仕様に全く満たない。

0098

(熱衝撃試験)
実施例および比較例のチャンネルボックスについて、91200℃に加熱した後、水中に投下して、形状変化を観察した。表中、評価基準は、以下の通りとした。
「○」:形状が保持されている。
「◎」:形状が完全に保持されている。
「△」:形状が部分的に保持されていない。
「×」:形状が保持されていない。

0099

(高温水蒸気酸化試験)
実施例および比較例のチャンネルボックスについて、1300℃の水蒸気雰囲気下、48時間保持して行った。表中、評価基準は、以下の通りとした。
「○」:水素の発生量が要求仕様を満たす。
「◎」:水素の発生が見られない。
「△」:水素の発生量が要求仕様に満たない。
「×」:水素の発生量が要求仕様に全く満たない。

0100

0101

表1から明らかなように、ジルコニウム基合金層のみからなる比較例1のチャンネルボックスは、水素の発生が認められる。また、SiC層のみからなる比較例2のチャンネルボックスは、熱衝撃に対する耐性が十分でない。さらに、SiC/SiC層のみからなる比較例3のチャンネルボックスは、十分な強度を有していない。また、BN層を有しないSiC層とSiC/SiC層とからなる比較例4のチャンネルボックスは、強度および熱衝撃に対する耐性が十分でない。

0102

一方、SiC/SiC層とSiC層とがBN層を介して積層された実施例1のチャンネルボックスは、水素の発生が抑制され、強度および熱衝撃に対する耐性も十分である。また、保護層を有する実施例2のチャンネルボックスは、特に水素の発生が抑制される。

0103

以上説明した実施形態によれば、水分との反応による水素の発生が抑制されるとともに、強度、破壊靭性、および破壊エネルギーが高次元で両立されたチャンネルボックスが提供される。

実施例

0104

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0105

10…チャンネルボックス、11…筒状部、12…第1の周方向分割体、13…第2の周方向分割体、14…第1の軸方向分割体、15…第2の軸方向分割体、16…第1の軸方向分割体、17…第2の軸方向分割体、18…第3の軸方向分割体、21…第1の層、22…中間層、23…第2の層、31…筒状部、32…第1の周方向分割体、33…第2の周方向分割体、34…第1の軸方向分割体、35…第2の軸方向分割体、36…第1の軸方向分割体、37…第2の軸方向分割体、38…第3の軸方向分割体。

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