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技術 有限減速機

出願人 THK株式会社
発明者 斉藤秀生谷口繁
出願日 2014年7月24日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2014-150924
公開日 2016年2月8日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-023793
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置
主要キーワード リード比 リード差 巻き角度 大リード エンドピース 側ベアリング 無負荷通路 中心径
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

有限減速機に必要な特性に沿った入力側ナット及び出力側ナットを得ることができる有限減速機を提供する。

解決手段

軸方向に移動可能で回転不可能な軸部材1に、第一の転動体転走溝11aを形成すると共に、第一の転動体転走溝11aよりもリードが大きく、かつ条数が多い第二の転動体転走溝11bを形成する。軸部材1の第一の転動体転走溝11aに第一の転動体4aを介して入力側ナット2を螺合させる。軸部材1の第二の転動体転走溝11bに第二の転動体4bを介して出力側ナット3を螺合させる。入力側ナット2は、軸部材1の第一の転動体転走溝1aに対向する第一の負荷転動体転走溝21aを有すると共に、一条の第一の負荷転動体転走溝21aに対して複数の第一の転動体循環回路23を有する。

概要

背景

例えば、ロボット膝部、腕部の関節に配置される減速機には、出力軸には360度以上の回転は必要とされないから、出力軸の回転が有限である有限減速機が使用される。有限減速機という総称は、平歯車減速機遊星歯車減速機等の、出力軸の回転が無限である無限減速機に対比して使用される。

特許文献1には、この種の有限減速機として、二つのねじを組み合わせたものが開示されている。この有限減速機では、軸方向に移動可能で回転不可能な軸部材に互いにリードの異なる第一のねじと第二のねじを形成し、軸方向に移動不可能で回転駆動可能な入力側ナットを第一のねじに螺合し、軸方向に移動不可能で回転のみ自在な出力側ナットを第二のねじに螺合させている。

そして、入力側ナットを回転駆動させると、ねじの作用によって軸部材が軸方向に移動する。軸部材が軸方向に移動すると、ねじの作用によって出力側ナットが回転する。出力側ナットが往復運動する角度範囲は、軸部材の軸方向のストロークによって決定される。減速比(=出力側ナットの回転数/入力側ナットの回転数)は、出力側ナットのリード及び入力側ナットのリードによって決定される。特許文献1には、ボールねじを用いることで、高精度で剛性の高い有限減速機が得られることが記載されている。

概要

有限減速機に必要な特性に沿った入力側ナット及び出力側ナットを得ることができる有限減速機を提供する。軸方向に移動可能で回転不可能な軸部材1に、第一の転動体転走溝11aを形成すると共に、第一の転動体転走溝11aよりもリードが大きく、かつ条数が多い第二の転動体転走溝11bを形成する。軸部材1の第一の転動体転走溝11aに第一の転動体4aを介して入力側ナット2を螺合させる。軸部材1の第二の転動体転走溝11bに第二の転動体4bを介して出力側ナット3を螺合させる。入力側ナット2は、軸部材1の第一の転動体転走溝1aに対向する第一の負荷転動体転走溝21aを有すると共に、一条の第一の負荷転動体転走溝21aに対して複数の第一の転動体循環回路23を有する。

目的

本発明は、有限減速機に必要な特性に沿った入力側ナット及び出力側ナットを得ることができる有限減速機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第一の転動体転走溝を有すると共に、前記第一の転動体転走溝よりもリードが大きく、かつ条数が多い第二の転動体転走溝を有し、軸方向に移動可能で回転不可能な軸部材と、前記軸部材の前記第一の転動体転走溝に第一の転動体を介して螺合し、軸方向に移動不可能で駆動手段によって回転駆動される入力側ナットと、前記軸部材の前記第二の転動体転走溝に第二の転動体を介して螺合し、軸方向に移動不可能で回転自在な出力側ナットと、を備え、前記入力側ナットは、前記軸部材の前記第一の転動体転走溝に対向する第一の負荷転動体転走溝を有すると共に、一条の前記第一の負荷転動体転走溝に対して複数の第一の転動体循環回路を有する有限減速機

請求項2

前記軸部材の前記第二の転動体転走溝が形成される部分の直径は、前記軸部材の前記第一の転動体転走溝が形成される部分の直径よりも大きく、前記第二の転動体の直径は、前記第一の転動体の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有限減速機。

請求項3

前記出力側ナットは、前記軸部材の複数条の前記第二の転動体転走溝に対向する複数条の第二の負荷転動体転走溝を有すると共に、前記第二の転動体転走溝の条数と同数の第二の転動体循環回路を有し、前記出力側ナットの前記第二の負荷転動体転走溝は、前記出力側ナットの内周を一周していないことを特徴とする請求項1又は2に記載の有限減速機。

請求項4

前記入力側ナットは、一周未満の前記第一の負荷転動体転走溝の一端と他端を接続する複数の第一の偏向部を備え、前記出力側ナットは、前記出力側ナットに一体又は別体で軸方向に設けられる無負荷通路に接続される一対の第二の偏向部を条数に応じて備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の有限減速機。

請求項5

前記駆動手段は、前記入力側ナットの外周を囲むように設けられ、前記入力側ナットは、入力側ナット本体と、前記入力側ナット本体から延設される回転支持部と、を備え、前記回転支持部は、前記入力側ナット本体と前記出力側ナットとの間で、ハウジングに対して前記入力側ナットを回転可能に支持することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有限減速機。

技術分野

0001

本発明は、出力軸の回転が有限である有限減速機に関する。

背景技術

0002

例えば、ロボット膝部、腕部の関節に配置される減速機には、出力軸には360度以上の回転は必要とされないから、出力軸の回転が有限である有限減速機が使用される。有限減速機という総称は、平歯車減速機遊星歯車減速機等の、出力軸の回転が無限である無限減速機に対比して使用される。

0003

特許文献1には、この種の有限減速機として、二つのねじを組み合わせたものが開示されている。この有限減速機では、軸方向に移動可能で回転不可能な軸部材に互いにリードの異なる第一のねじと第二のねじを形成し、軸方向に移動不可能で回転駆動可能な入力側ナットを第一のねじに螺合し、軸方向に移動不可能で回転のみ自在な出力側ナットを第二のねじに螺合させている。

0004

そして、入力側ナットを回転駆動させると、ねじの作用によって軸部材が軸方向に移動する。軸部材が軸方向に移動すると、ねじの作用によって出力側ナットが回転する。出力側ナットが往復運動する角度範囲は、軸部材の軸方向のストロークによって決定される。減速比(=出力側ナットの回転数/入力側ナットの回転数)は、出力側ナットのリード及び入力側ナットのリードによって決定される。特許文献1には、ボールねじを用いることで、高精度で剛性の高い有限減速機が得られることが記載されている。

先行技術

0005

特開昭63−312562号公報

発明が解決しようとする課題

0006

たしかに、入力側ナット及び出力側ナットと軸部材との間にボール等の転動体を介在させれば、バックラッシュのない有限減速機が得られる。しかし、従来の有限減速機は転動体が循環するものでないので、減速比に比例して大きくなる軸部材のストロークを確保できない。

0007

また、有限減速機は、入力側ナットの回転を軸部材の直線運動に変換し、軸部材の直線運動を出力側ナットの回転運動に変換するという作動原理を利用している。このため、出力側ナットからのトルクによって、入力側ナットのボール及び出力側ナットのボールには大きな軸力が作用する。減速比を確保しようとすると、入力側ナットのリードと出力側ナットのリード差を大きくする必要があるので、入力側ナットには小リードで高負荷容量であること、出力側ナットには大リードで高負荷容量であることが要求される。しかし、小リードの入力側ナットに大きな軸力を作用させると、ボールが詰まるおそれがあるし、出力側ナットを大リードにすると、負荷を受けられるボールの数が減少するので、出力側ナットを高負荷容量にできなくなる。

0008

そこで本発明は、有限減速機に必要な特性に沿った入力側ナット及び出力側ナットを得ることができる有限減速機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第一の転動体転走溝を有すると共に、前記第一の転動体転走溝よりもリードが大きく、かつ条数が多い第二の転動体転走溝を有し、軸方向に移動可能で回転不可能な軸部材と、前記軸部材の前記第一の転動体転走溝に第一の転動体を介して螺合し、軸方向に移動不可能で駆動手段によって回転駆動される入力側ナットと、前記軸部材の前記第二の転動体転走溝に第二の転動体を介して螺合し、軸方向に移動不可能で回転自在な出力側ナットと、を備え、前記入力側ナットは、前記軸部材の前記第一の転動体転走溝に対向する第一の負荷転動体転走溝を有すると共に、一条の前記第一の負荷転動体転走溝に対して複数の第一の転動体循環回路を有する有限減速機である。

発明の効果

0010

本発明によれば、第一及び第二の転動体循環回路を設け、第一及び第二の転動体を循環させることで、軸部材のストロークを大きくすることができ、減速比に比例して大きくなる軸部材のストロークを確保することができる。また、リードの小さい入力側ナットに、一条の第一の負荷転動体転走溝に対して複数の第一の転動体循環回路を設けるので、負荷能力を確保できると共に、第一の転動体が詰まるのを防止できる。一つの第一の転動体循環回路当たりの第一の転動体の数を減らすことができるからである。さらに、リードの大きい出力側ナットの第二の負荷転動体転走溝を複数条にするので、第二の負荷転動体転走溝のリードを大きくした上で負荷能力を確保できる。したがって、有限減速機に必要な特性に沿った入力側ナット及び出力側ナットを得ることができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態の有限減速機の主要部の外観斜視図である。
上記有限減速機の主要部の分解斜視図である。
入力側ナット及び出力側ナットの分解斜視図である。
出力側ナットの詳細図である(図4(a)は出力側ナットの正面図を示し、図4(b)は図4(a)のb−b線断面図を示す)。
本発明の一実施形態の有限減速機の断面図である。
図6(a)はリード角と正効率との関係を示すグラフであり、図6(b)はリード角と逆効率との関係を示すグラフである。

0012

以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態の有限減速機を詳細に説明する。図1は、本実施形態の有限減速機の主要部を示す。図5は、有限減速機を示す。まず、図1ないし図3を参照して、有限減速機の主要部の構造を説明する。

0013

図1は、有限減速機の主要部の外観斜視図を示す。有限減速機は、軸部材としてのねじ軸1と、ねじ軸1に第一の転動体としての第一のボール4a(図5参照)を介して螺合する小径の入力側ナット2と、ねじ軸1に第二の転動体としての第二のボール4b(図5参照)を介して螺合する大径の出力側ナット3と、を備える。言い換えれば、有限減速機は、ねじ軸1と入力側ナット2とから構成される入力側ボールねじと、ねじ軸1と出力側ナット3とから構成される出力側ボールねじと、を組み合わせてなる。入力側ナット2は、入力側ベアリング6によって回転のみ可能に支持される。出力側ナット3は、出力側ベアリング7によって回転のみ可能に支持される。ねじ軸1は、回り止め部9(図5参照)によって、軸方向に移動可能にかつ回転不可能に支持される。

0014

入力側ナット2を回転駆動させると、ねじ軸1が軸方向に移動する。ねじ軸1が軸方向に移動すると、大径の出力側ナット3が回転する。減速比(=出力側ナット3の回転数/入力側ナット2の回転数)は、リード比(=入力側ナット2のリード/出力側ナット3のリード)に等しい。出力側ナット3が往復運動する角度範囲は、ねじ軸1のストロークによって決定される。

0015

図2は、ねじ軸1、入力側ナット2、出力側ナット3の分解斜視図を示す。ねじ軸1は、小径部1aと、小径部1aと一体の大径部1bとを有する。ねじ軸1の小径部1aには、所定のリードの第一の転動体転走溝としての第一のボール転走溝11aが形成される。第一のボール転走溝11aの条数は一条である。ねじ軸1の大径部1bには、第二の転動体転走溝としての第二のボール転走溝11bが形成される。第一のボール4a(図5参照)は、第一のボール転走溝11aを転がる。第二のボール4b(図5参照)は、第二のボール転走溝11bを転がる。第二のボール4bの直径は、第一のボール4aの直径よりも大きい。

0016

第二のボール転走溝11bのリードは第一のボール転走溝11aのリードよりも大きい。第二のボール転走溝11bの条数は、第一のボール転走溝11aの条数よりも多く、例えば四条である。減速比を大きくするためには、第二のボール転走溝11bのリードと第一のボール転走溝11aのリードとの差を、大きくする必要がある。しかし、第二のボール転走溝11bのリードを大きくすると、負荷を受けられる第二のボール4bの数が減少する。第二のボール転走溝11bを多条にし、第二のボール循環回路の数を多くすることで、負荷能力を確保することができる。

0017

図3は、入力側ナット2及び出力側ナット3の分解斜視図を示す。入力側ナット2は、内周にねじ軸1の第一のボール転走溝11aに対向する第一の負荷ボール転走溝21a(図5参照)が形成される入力側ナット本体21を備える。第一の負荷ボール転走溝21aのリード及び条数は、第一のボール転走溝11aのそれと等しい。

0018

入力側ナット本体21の外周には、一条の第一の負荷ボール転走溝21aに対して複数の第一のボール循環回路23を構成するように、第一の偏向部としての複数のデフレクタ22が埋め込まれる。入力側ナット本体21の外周には、第一の負荷ボール転走溝21aに沿って円周方向に一定間隔を空けて複数のデフレクタ収容穴21bが開けられる。デフレクタ22は、デフレクタ収容穴21bに埋め込まれる。一つのデフレクタ22が一つのボール循環回路を構成する。この実施形態では、15個のデフレクタ22が設けられているので、一条の負荷ボール転走溝21aに対して合計15個の第一のボール循環回路23が存在する。デフレクタ22には、一周未満の第一の負荷ボール転走溝21aの一端と他端とを接続する戻し溝22a(図5参照)が形成される。そして、デフレクタ22は、第一の負荷ボール転走溝21aの一端まで転がったボールをねじ軸1のねじ山乗り越えさせて、一巻き手前の第一の負荷ボール転走溝21aに戻す。第一のボール循環回路23は、一周未満の第一の負荷ボール転走溝21aと、デフレクタ22の戻し溝22aと、によって構成される。戻し溝22aは、切削等の機械加工鍛造または射出成形等の型成形によって入力側ナット本体21に一体に成形されても良い。

0019

図3に示すように、入力側ナット本体21の軸方向の一端部には、ハウジング5(図5参照)に回転可能に支持される回転支持部62aが延設される。回転支持部62aは、入力側ナット本体21のデフレクタ22が配置される部分よりも大径の筒形に形成される。図5に示すように、回転支持部62aは、中空モータ8と出力側ナット3との間に延設される。回転支持部62aには、軸部材1の大径部1bが進退可能な収容凹部62bが設けられる。図3に示すように、入力側ナット2は、入力側ナット2を回転可能に支持する入力側ベアリング6の内輪と一体である。すなわち、入力側ナット2の回転支持部62aの外周面には、入力側ベアリング6の転動体61a,61bが転がり運動するリング形レースウェイが形成される。入力側ベアリング6の転動体61a,61bは、保持器63a,63bに回転・摺動自在に保持される。入力側ベアリング6の外輪64a,64bは軸方向に二分割される。

0020

出力側ナット3は、内周にねじ軸1の第二のボール転走溝11bに対向する第二の負荷ボール転走溝31a(図5参照)が形成される出力側ナット本体31を備える。第二の負荷ボール転走溝31aのリード及び条数は、第二のボール転走溝11bのそれと等しい。第二の負荷ボール転走溝31aは、出力側ナット3の内周面を一周していない。言い換えれば、出力側ナット3の軸方向から見たとき、第二の負荷ボール転走溝31aの巻き角度は、360度未満である。出力側ナット3の軸方向の長さ、及び出力側ナット3に螺合するねじ軸1の大径部1bの軸方向の長さを短くするためである。

0021

出力側ナット3は、複数条の第二の負荷ボール転走溝31aそれぞれに対応する第二のボール循環回路33を有する。この実施形態では、第二の負荷ボール転走溝31aの条数が四条なので、出力側ナット3は合計四つの第二のボール循環回路33を有する。

0022

図4は、出力側ナット本体31の詳細図を示す。図4(a)は出力側ナット本体31の正面図であり、図4(b)は図4(a)のb−b線断面図である。上記のように、出力側ナット本体31の内周面には、第二の負荷ボール転走溝31aが形成される。また、出力側ナット本体31には、軸方向に設けられる無負荷通路としての貫通孔31bが形成される。貫通孔31bの個数は、第二の負荷ボール転走溝31aの条数に等しい。無負荷通路は、出力側ナット3と一体の貫通孔31bから構成されてもよいし、出力側ナット3と別体のパイプ状の樹脂部品から構成されてもよい。出力側ナット本体31の軸方向の両端面には、一対の凹部31cが形成される。一対の凹部31cには、第二の偏向部としての一対のエンドピース32(図3参照)が、各条の第二の負荷ボール転走溝31aに応じて装着される。エンドピース32には、第二の負荷ボール転走溝31aと貫通孔31bとを接続する方向転換路が形成される。図4(a)の一点鎖線L1は、第二の負荷ボール転走溝31aを転がる第二のボール4bの中心径BCD; BallCircle Diameter)を示す。一点鎖線L2は、方向転換路の中心線を示す。方向転換路の中心線L2は、円形の一点鎖線L1の接線方向に配置される。方向転換路34(図5参照)は、第二の負荷ボール転走溝31aを移動する第二のボール4bを接線方向に掬い上げ、貫通孔31bに導く。第二のボール循環回路33は、第二の負荷ボール転走溝31aと、貫通孔31bと、一対のエンドピース32の方向転換路34と、によって構成される。

0023

上記のように、第二の負荷ボール転走溝31aは出力側ナット3の内周を一周していない。このため、一つの第二のボール循環回路33だけでは、ねじ軸1をバランスよく支持することができない。ねじ軸1の周囲に四つの第二のボール循環回路33を配置することで、ねじ軸1をバランスよく支持することができる。

0024

図3に示すように、出力側ナット3には、ハウジング5(図5参照)に回転可能に支持される回転支持部72が設けられる。出力側ナット3は、出力側ナット3を回転可能に支持する出力側ベアリング7の内輪と一体である。すなわち、出力側ナット3の回転支持部72の外周面には、出力側ベアリング7の転動体71a,71bが転がり運動するリング形のレースウェイが形成される。出力側ベアリング7の転動体71a,71bは、保持器73a,73bに回転・摺動自在に保持される。出力側ベアリング7の外輪74a,74bは軸方向に二分割される。

0025

図5は、本実施形態の有限減速機を示す。有限減速機は、ハウジング5に収容される。ハウジング5には、入力側ベアリング6を介して入力側ナット2が回転のみ可能に支持され、出力側ベアリング7を介して出力側ナット3が回転のみ可能に支持される。ハウジング5には、中空のねじ軸1に挿入されるスプライン軸91が結合される。スプライン軸91には、軸方向に移動可能にかつ回転不可能にスプラインナット92が嵌められる。スプラインナット92は、ねじ軸1の内側に結合される。スプライン軸91及びスプラインナット92は、回り止め部9を構成する。回り止め部9は、ねじ軸1の軸方向の移動を許容すると共に、ねじ軸1の回転を不可能にする。

0026

入力側ナット2の外周には、駆動手段としての中空モータ8が配置される。中空モータ8は、例えばコイルを有する固定子82と、例えば永久磁石を有する回転子81と、を備える。固定子82は、ハウジング5に結合される。回転子81は、入力側ナット3に結合される。中空モータ8は、入力側ナット2を回転駆動させる。中空モータ8が入力側ナット2を回転駆動させると、ねじの作用によって軸部材1が軸方向に移動する。軸部材1が軸方向に移動すると、ねじの作用によって出力側ナット3が回転する。減速比(=出力側ナット3の回転数/入力側ナット2の回転数)は、出力側ナット3のリード及び入力側ナット2のリードによって決定される。

0027

以上に本実施形態の有限減速機の構成を詳細に説明した。本実施形態の有限減速機によれば、以下の効果を奏する。

0028

第一及び第二のボール循環回路23,33を設け、第一及び第二のボール4a,4bを循環させることで、ねじ軸1のストロークを大きくすることができ、減速比に比例して大きくなるねじ軸1のストロークを確保することができる。また、リードの小さい入力側ナット2に、一条の第一の負荷ボール転走溝21aに対して複数の第一のボール循環回路23を設けるので、負荷能力を確保できると共に、第一のボール4aが詰まるのを防止できる。一つの第一のボール循環回路23当たりの第一のボール4aの数を減らすことができるからである。さらに、リードの大きい出力側ナット3の第二の負荷ボール転走溝31aを複数条にするので、出力側ナット3の第二の負荷ボール転走溝31aのリードを大きくした上で負荷能力を確保できる。したがって、有限減速機に必要な特性に沿った入力側ナット2及び出力側ナット3を得ることができる。

0029

ねじ軸1の第二のボール転走溝11bが形成される部分(大径部1b)を、ねじ軸1の第一のボール転走溝11aが形成される部分(小径部1a)より大径にし、かつ第二のボール4bの直径を第一のボール4aよりも大きくするので、入力側ボールねじのリード角を大きくし、出力側ボールねじのリード角を小さくすることができる。実施例の欄で後述するように、有限減速機の全体の効率は、回転を直線運動に変換するときの正効率と直線運動を回転に変換するときの逆効率との積によって表される。正効率及び逆効率は、リード角と摩擦係数によって決まる。入力側ボールねじのリード角を大きくすることで、正効率を向上させることができる。また、出力側ボールねじのリード角が小さくなっても、逆効率の低下は最小限である。したがって、有限減速機の全体の効率を向上させることができる。

0030

出力側ナット3の複数条の第二の負荷ボール転走溝31aが出力側ナット3の内周を一周していないので、出力側ナット3の軸方向の長さ、ひいては出力側ナット3に螺合するねじ軸1の大径部1bの軸方向の長さを短くすることができ、コンパクト化が図れる。

0031

入力側ナット本体21に、複数の第一のボール循環回路23を構成する複数のデフレクタ22を埋め込むので、入力側ナット2の直径を最小にすることができる。このため、入力側ナット2の周囲に中空モータ8を配置しても、コンパクトな減速機にすることができる。また、出力側ナット3に無負荷通路に接続される一対のエンドピース32を条数に応じて設けるので、多条の第二の負荷ボール転走溝31aそれぞれに第二のボール循環回路33を設けることが可能になるし、出力側ナット3の直径を小さくすることができる。

0032

入力側ナット2の回転支持部62aが中空モータ8と出力側ナット3との間に延設されるので、入力側ナット2の外周に駆動手段を設けても、有限減速機のコンパクト化が図れる。

0033

入力側ナット2の回転支持部62aに軸部材1の大径部1bが進退可能な収容凹部62bを設けるので、軸部材1のストロークを確保することができる。

0034

ねじ軸1の内側にスプライン軸91、スプラインナット92から構成される回り止め部9を配置するので、コンパクト化が図れる。

0035

入力側ナット2と入力側ベアリング6の内輪とを一体にし、出力側ナット3と出力側ベアリング7の内輪とを一体にするので、コンパクト化が図れる。

0036

入力側ボールねじ、出力側ボールねじ、BCD、リード角を表1のように設定した。

0037

そして、図6(a)のグラフ、図6(b)のグラフから正効率及び逆効率を求めた。正効率は、入力側ナット2を回転させ、ねじ軸1を軸方向に直線運動させるときの効率である。逆効率は、ねじ軸1を軸方向に移動させ、出力側ナット3を回転させるときの効率である。正効率及び逆効率は、リード角と摩擦係数によって決定される。

0038

表1に示すとおり、入力側ナット2のリード角を1.79度、摩擦係数を0.005としたとき、正効率は86.2%であった。また、出力側ナット3のリード角を24.45度、摩擦係数を0.005としたとき、逆効率は、98.9%であった。有限減速機の全体の効率は、正効率と逆効率との積で表され、86.2×98.9=85.2%であった。

0039

入力側ナット2のボールねじのリードが一定であり、出力側ナット3のボールねじのリードが一定であっても、ねじ軸1の第二のボール転走溝11bが形成される部分(大径部1b)を、ねじ軸1の第一のボール転走溝11aが形成される部分(小径部1a)より大径にし、かつ第二のボール4bの直径を第一のボール4aよりも大きくすることで、入力側ボールねじのリード角を大きくし、出力側ボールねじのリード角を小さくすることができる。図6(a)に示すように、入力側ボールねじのリード角を大きくすることで、正効率を向上させることができる。また、図6(b)に示すように、出力側ボールねじのリード角が小さくなっても、逆効率の低下は最小限である。したがって、有限減速機の全体の効率を向上させることができる。

0040

なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまな実施形態に具現化可能である。

0041

上記実施形態では、入力側ナットの第一の負荷ボール転走溝の条数を一条にし、出力側ナットの第二の負荷ボール転走溝の条数を四条に設定しているが、第二の負荷ボール転走溝の条数は、第一の負荷ボール転走溝の条数よりも大きければ、これらに限定されるものではない。例えば、第二の負荷ボール転走溝の条数を三条にし、第一の負荷ボール転走溝の条数を二条とすることもできる。

0042

上記実施形態では、入力側ナットの第一のボール循環回路を、一周未満の第一の負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するデフレクタから構成しているが、一周以上の第一の負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するリターンパイプから構成することもできる。

0043

上記実施形態では、出力側ナットの第二のボール循環回路を、出力側ナット本体の貫通孔と、出力側ナットの端面の一対のエンドピースと、から構成しているが、第二の負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するリターンパイプから構成することもできる。

実施例

0044

上記実施形態では、転動体としてボールを用いているが、転動体としてローラを用いることもできる。

0045

1…ねじ軸(軸部材)、1a…ねじ軸の小径部、1b…ねじ軸の大径部、2…入力側ナット、3…出力側ナット、4a…第一のボール(第一の転動体)、4b…第二のボール(第二の転動体)、6…入力側ベアリング、7…出力側ベアリング、8…中空モータ(駆動手段)、9…回り止め部、11a…第一のボール転走溝(第一の転動体転走溝)、11b…第二のボール転走溝(第二の転動体転走溝)、21…入力側ナット本体、21a…第一の負荷ボール転走溝(第一の負荷転動体転走溝)、22…デフレクタ(第一の偏向部)、23…第一のボール循環回路(第一の転動体循環回路)、31…出力側ナット本体、31a…第二の負荷ボール転走溝(第二の負荷転動体転走溝)、31b…貫通孔、32…エンドピース(第二の偏向部)、33…第二のボール循環回路(第二の転動体循環回路)、91…スプライン軸(回り止め部)、92…スプラインナット(回り止め部)

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