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技術 硬化性マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物

出願人 日本化薬株式会社
発明者 松浦一貴江原清二中西政隆
出願日 2014年7月16日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-145802
公開日 2016年2月8日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2016-023195
状態 特許登録済
技術分野 エポキシ樹脂 Nおよび(O又はS)縮合複素環 窒素含有縮合複素環(3) 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般
主要キーワード 自己付加 炭素繊維複合材 硬化反応過程 空洞共振 レジントランスファーモールディング法 セカンダリブチル イミダゾール系触媒 マレイミド環
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

マレイミド化合物塩基性の高いアニオン重合触媒を用いて反応させることにより様々な樹脂系、特にエポキシ及びマレイミド系樹脂硬化させる上で常に有用な、耐熱性の高いマレイミドネットワーク構造を形成した優れた誘電特性を有する硬化性マレイミド樹脂を提供し、これらを使用した硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。

解決手段

一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物アニオン重合開始剤とを反応させてなるリニア構造又はマレイミド環三量体構造を含有する硬化性マレイミド樹脂。

概要

背景

近年、電気電子部品を搭載する積層板はその利用分野の拡大により、要求特性が広範かつ高度化している。例えば従来、耐熱性、寸法安定性、強度、誘電損失の観点から半導体チップは金属製のリードフレームに搭載することが主流であったが、CPUなどの高度な処理能力のある半導体チップは軽量化のために高分子材料で作られる積層板に搭載されることが多くなっている。その際、CPU等の素子高速化が進みクロック周波数が高くなるにつれ、信号伝搬遅延伝送損失が問題となるため、配線板低誘電率化低誘電正接化が求められるようになっている。同時に素子の高速化に伴い、チップ発熱が大きくなっているため耐熱性を高める必要も生じている。
現在、優れた耐熱性、低誘電正接を有するビスマレイミド樹脂組成物を用いたレジントランスファーモールディング法による成形が提案されているが、上記の要求特性は更なる向上が求められている。従来より耐熱性を付与する方法として、ベンゼン環などの剛直環状構造の導入が試まれてきたが、耐熱性の向上とは反面に結晶性の増加による粘度増加により成形性の低下が問題となる。

概要

マレイミド化合物塩基性の高いアニオン重合触媒を用いて反応させることにより様々な樹脂系、特にエポキシ及びマレイミド系樹脂硬化させる上で常に有用な、耐熱性の高いマレイミドネットワーク構造を形成した優れた誘電特性を有する硬化性マレイミド樹脂を提供し、これらを使用した硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物アニオン重合開始剤とを反応させてなるリニア構造又はマレイミド環三量体構造を含有する硬化性マレイミド樹脂。なし

目的

マレイミド樹脂にはマレイミド基が自己付加反応しマレイミドネットワークがリニアに伸びる構造および、マレイミド基が環化三量体構造を形成するものが知られているところ、これらの耐熱性、誘電特性について知られていない。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特にマレイミドが環化三量体ネットワークを形成する構造は、ネットワーク内に環状構造の割合が増加し、それに伴い、耐熱性が向上したマレイミド樹脂ネットワークになることを見出した。
即ち、本発明の目的は、マレイミド化合物に塩基性の高いアニオン重合触媒を用いて反応させることにより様々な樹脂系、特にエポキシ及びマレイミド系樹脂を硬化させる上で常に有用な、耐熱性の高いマレイミドネットワーク構造を形成した優れた誘電特性を有する硬化性マレイミド樹脂を提供し、これらを使用した硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物アニオン重合開始剤とを反応させてなるリニア構造又はマレイミド環三量体構造を含有する硬化性マレイミド樹脂

請求項2

下記一般式(1)で表されるリニア構造を含有する請求項1に記載の硬化性マレイミド樹脂。(式中R1はそれぞれ独立して2価の芳香環を含む有機基及び2価の脂肪族残基よりなる群より選ばれた置換基を表す。nは1〜10の整数を表し、0<nの平均値≦10を表す。)

請求項3

下記一般式(2)で表されるマレイミド環化三量体構造を含有する請求項1に記載の硬化性マレイミド樹脂。(式中のR2〜R4はそれぞれ独立して2価の芳香環を含む有機基及び2価の脂肪族残基よりなる群より選ばれた置換基を表す。)

請求項4

請求項1及至請求項3のいずれか一項に記載の硬化性マレイミド樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物

請求項5

請求項4に記載の硬化性樹脂組成物からなる硬化物

請求項6

一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物(A)と、一分子内に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)と、アニオン重合開始剤(C)を反応して得られることを特徴とするマレイミド環化三量体構造の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、特定の触媒を用いて高耐熱低誘電率マレイミドネットワーク構造を有する硬化性マレイミド樹脂硬化性樹脂組成物並びに硬化物に関するものである。本発明の硬化性マレイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物、硬化物によれば高温での耐久信頼性力学的性質誘電特性などに優れていて、半導体封止材プリント配線基板ビルドアップ積層板などの電気電子部品や、炭素繊維強化プラスティックガラス繊維強化プラスティックなどの軽量高強度材料に好適に使用される。

背景技術

0002

近年、電気・電子部品を搭載する積層板はその利用分野の拡大により、要求特性が広範かつ高度化している。例えば従来、耐熱性、寸法安定性、強度、誘電損失の観点から半導体チップは金属製のリードフレームに搭載することが主流であったが、CPUなどの高度な処理能力のある半導体チップは軽量化のために高分子材料で作られる積層板に搭載されることが多くなっている。その際、CPU等の素子高速化が進みクロック周波数が高くなるにつれ、信号伝搬遅延伝送損失が問題となるため、配線板低誘電率化低誘電正接化が求められるようになっている。同時に素子の高速化に伴い、チップ発熱が大きくなっているため耐熱性を高める必要も生じている。
現在、優れた耐熱性、低誘電正接を有するビスマレイミド樹脂組成物を用いたレジントランスファーモールディング法による成形が提案されているが、上記の要求特性は更なる向上が求められている。従来より耐熱性を付与する方法として、ベンゼン環などの剛直環状構造の導入が試まれてきたが、耐熱性の向上とは反面に結晶性の増加による粘度増加により成形性の低下が問題となる。

先行技術

0003

特公昭54−30440号公報
特開平3−100016号公報
特公平8−16151号公報
特開昭61−229863号公報
特開2005−264154号公報
特許第5030297号公報

発明が解決しようとする課題

0004

マレイミド樹脂にはマレイミド基自己付加反応しマレイミドネットワークリニア伸びる構造および、マレイミド基が環化三量体構造を形成するものが知られているところ、これらの耐熱性、誘電特性について知られていない。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特にマレイミドが環化三量体ネットワークを形成する構造は、ネットワーク内に環状構造の割合が増加し、それに伴い、耐熱性が向上したマレイミド樹脂ネットワークになることを見出した。
即ち、本発明の目的は、マレイミド化合物塩基性の高いアニオン重合触媒を用いて反応させることにより様々な樹脂系、特にエポキシ及びマレイミド系樹脂硬化させる上で常に有用な、耐熱性の高いマレイミドネットワーク構造を形成した優れた誘電特性を有する硬化性マレイミド樹脂を提供し、これらを使用した硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。すなわち、本発明は、
(1)
一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物アニオン重合開始剤とを反応させてなるリニア構造又はマレイミド環化三量体構造を含有する硬化性マレイミド樹脂、
(2)
下記一般式(1)で表されるリニア構造を含有する前項(1)に記載の硬化性マレイミド樹脂、



(式中R1はそれぞれ独立して2価の芳香環を含む有機基及び2価の脂肪族残基よりなる群より選ばれた置換基を表す。nは1〜10の整数を表し、0<nの平均値≦10を表す。)
(3)
下記一般式(2)で表されるマレイミド環化三量体構造を含有する前項(1)に記載の硬化性マレイミド樹脂、



(式中のR2〜R4はそれぞれ独立して2価の芳香環を含む有機基及び2価の脂肪族残基よりなる群より選ばれた置換基を表す。)
(4)
前項(1)及至前項(3)のいずれか一項に記載の硬化性マレイミド樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物、
(5)
前項(4)に記載の硬化性樹脂組成物からなる硬化物、
(6)
一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物(A)と、一分子内に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)と、アニオン重合開始剤(C)を反応して得られることを特徴とするマレイミド環化三量体構造の製造方法、
を提供するものである

発明の効果

0006

本発明の硬化性マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物はリニア構造又は環化三量体構造を含むネットワーク構造を有することから様々なマレイミド樹脂系に対して優れた誘電特性及び耐熱性を有するため、電気電子部品封止材回路基板炭素繊維複合材などに有用な材料である。

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明の硬化性マレイミド樹脂の詳細を以下に示す。
本発明の硬化性マレイミド樹脂は、マレイミド化合物とアニオン重合開始剤とを反応させて得られるリニア構造又はマレイミド環化三量体構造を有する。

0008

本発明の硬化性マレイミド樹脂は硬化過程により耐熱性の高いネットワーク構造を導入する点に特徴を有する。優れた耐熱性、誘電特性を有するマレイミド樹脂ネットワークにはマレイミド基が自己付加反応しマレイミドネットワークがリニアに伸びる構造および、マレイミド基が環化三量体構造を形成するものが知られている。特にマレイミドが環化三量体ネットワークを形成する構造は、ネットワーク内に環状構造の割合が増加し、それに伴い、耐熱性が向上したマレイミド樹脂ネットワークになる。
即ち、優れ耐熱性、誘電特性を有する硬化性マレイミド樹脂組成物及びネットワーク構造のマレイミド環化三量体構造の割合が増加する組成及び条件を提供することである。

0009

一般的にホスフィンアニオン触媒のマレイミド硬化機構として、ホスフィン系触媒内に含まれるリン非共有電子対がマレイミドの不飽和結合攻撃付加することでマレイミド環内にカルボアニオンが生成し、アニオン重合すると考えられている。
さらに、イミダゾール系アニオン触媒も、おそらく同様にマレイミド硬化機構としてイミダゾール系触媒内に含まれる窒素の非共有電子対がマレイミドの不飽和結合に攻撃付加することでマレイミド環内にカルボアニオンが生成しアニオン重合すると考えられる。塩基性が高いイミダゾール系アニオン重合触媒はホスフィンアニオン重合系と比較して硬化促進効果が高く、マレイミドの環化三量体形成しやすいものと推定される。

0010

マレイミド硬化過程によるネットワーク構造導入の測定方法としては核磁気共鳴分光法(C13-NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)が挙がられる。C13-NMR法では30、48、52、54ppm付近に環化三量体構造に起因するピーク観測される。また、FT-IR法では、硬化の進行に伴いマレイミドのカルボニル基に起因するピークが著しく減少する。環化三量体マレイミドネットワークと自己付加反応によるマレイミドネットワークはα、β不飽和カルボニルから飽和カルボニルに転移するため、カルボニル基の強度が低下することが知られている。更に環化三量体化したマレイミドネットワークは自己付加反応によるマレイミドネットワークと比較して電子密度が高いため、マレイミド中のカルボニル基が高波数側にシフトする。そのため、1700cm-1付近のカルボニル強度の著しい減少が生じる。三量体マレイミドネットワークの方が自己付加反応によるマレイミドネットワークを比較するとFT-IR法のカルボニル基の強度が低い傾向がある。

0011

本発明の硬化性マレイミド樹脂において用いられるアニオン重合開始剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類トリエチルアミントリエチレンジアミン、2−(ジメチルアミノメチルフェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等のアミン類トリフェニルホスフィントリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのホスフィン類及びオクチル酸スズオクチル酸亜鉛ジブチルスズジマレエートナフテン酸亜鉛ナフテン酸コバルトオレイン酸スズ等の有機金属塩塩化亜鉛塩化アルミニウム塩化スズなどの金属塩化物などの有機金属化合物などがあり、ベンゾイルパーオキサイドジクミルパーオキサイドメチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエートなど有機過酸化物がある。樹脂組成物に対し好ましくは0.1〜10重量%添加する。特にアニオン重合開始剤としては塩基性の高いイミダゾール系、DBU等のアミン類の方が塩基性の低いホスフィン類と比較して好ましい。

0012

本発明の硬化性マレイミド樹脂に配合し得るマレイミド化合物は、一分子中に少なくとも1個のマレイミド基を有する化合物である。前記マレイミド化合物としては従来公知のマレイミド化合物を使用することができる。前記マレイミド化合物の具体例としては、4,4´−ジフェニルメタンビスマレイミドポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2´−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシフェニルプロパン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4´−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4´−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられるが、本発明で用いられるマレイミド化合物とは、マレイミド基を少なくとも1個分子内に有するものであり、特に限定されるものではなく、公知のマレイミド化合物を示す。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。マレイミド化合物の配合量は、重量比で本発明のマレイミド樹脂の好ましくは5倍以下、より好ましくは2倍以下の範囲である。

0013

前記マレイミド化合物は、アニリンビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを反応させることにより得られる芳香族アミンと、マレイン酸またはマレイン酸無水物を反応させることにより得られるマレイミド樹脂を用いることができる。

0014

本発明の硬化性マレイミド樹脂に配合し得る酸無水物基を有する化合物としては、従来公知のいずれも使用することができる。酸無水物基を有する化合物の具体例としては1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物ピロメリット酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。

0015

本発明の硬化性マレイミド樹脂は、マレイミド化合物の硬化反応過程により耐熱性の高いネットワーク構造を主反応として導入される。優れた耐熱性、誘電特性を有するマレイミド樹脂ネットワークには下記一般式(1)に示すようなマレイミド基が自己付加反応しマレイミドネットワークがリニアに伸びる構造を含有し、または下記一般式(2)のようなマレイミド基が環化三量体構造を形成する。特にマレイミドが環化三量体ネットワークを形成する下記一般式(2)は、ネットワーク内に環状構造の割合が増加し、それに伴い、耐熱性が向上したマレイミド樹脂ネットワークが形成される。

0016

本発明の硬化性マレイミド樹脂は130℃から250℃、好ましくは170℃から220℃の間の温度にて硬化を行う。

0017

本発明の硬化性マレイミド樹脂は下記の一般式(1)で表されるリニア構造を含有する。



(式中R1はそれぞれ独立して2価の芳香環を含む有機基及び2価の脂肪族残基よりなる群より選ばれた置換基を表す。nは0〜10の整数を表し、平均値は0≦nの平均値≦10を表す。)

0018

2価の芳香環を含む有機基としては、炭素数1から30の2価の有機基が好ましく挙げられる。前記2価の有機基には、脂肪族基及び芳香族基包含される。また、脂肪族基には、鎖状又は環状の飽和もしくは不飽和の二価脂肪族炭化水素基が包含され、その炭素数は1〜30、好ましくは2〜22である。不飽和脂肪族基には、二重結合三重結合を持ったものが包含される。2価の芳香族基には、1つのベンゼン環を有する単環芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエンキシレン等)から誘導される二価炭化水素基及び2つ以上、通常2〜4個のベンゼン環を有する多環芳香族炭化水素ナフタレンビフェニルターフェニル等)から誘導される二価炭化水素基が包含される。芳香環としては、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、フルオレントリフェニルメタン、ナフタレン、アントラセンテトラセンフェナントレンクリセントリフェニレンピレンペリレンフランチオフェンピロール、イミダゾール等を挙げることができる。また、これら芳香族環の置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピルイソプロピルノルマルブチル、セカンダリブチルターシャリブチル、ペンチル、ネオペンチルヘキシルヘプチルオクチル、ノニルデシルシクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素基、ビニルアリル、プロペニル等の不飽和炭化水素基、フェニル、トリルナフチル等の芳香族炭化水素基メトキシエトキシ等のアルコキシ基等を挙げることができる。
具体例としては、クレゾール、レゾルシーノ、ビスフェノールA、ビスフェノールFレゾルシンビスヒドロキシジフェニルエーテル、ビスヒドロキシビフェニル、テトラブロムビスフェノールA、トリヒドロキシフェニルメタンテトラヒドロキシフェニルエタン等が挙げられる。

0019

2価の脂肪族残基とは、炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基であり、具体例としては、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基が好ましい。また、R5によって表されることのある炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基などの脂肪族炭化水素基;シクロヘキシル基メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、トリエチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基などの脂環式炭化水素基フェニル基トリル基キシリル基メシチル基エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基等のハロゲン原子置換されていてもよいアリール基などの、ハロゲン原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基などが挙げられる。
nは分布を持つ一般式(1)で表されるマレイミド構造の平均値であり、0〜6が好ましく、0〜3が特に好ましい。

0020

本発明の硬化性マレイミド樹脂は、下記一般式(2)で表される環化三量体構造を含むネットワーク構造を含有する。



(式中のR2〜R4はそれぞれ独立して2価の芳香環を含む有機基及び2価の脂肪族残基よりなる群より選ばれた置換基を表す。)

0021

以下において、前記一般式(1)、一般式(2)で表されるマレイミドネットワーク構造を有する硬化性マレイミド樹脂の具体例を例示する。但し、本発明において用いることができる硬化性マレイミド樹脂はこれら具体例に限定的に解釈されるべきものではない。
具体例としては、一般式(3)で表される構造を含有する硬化性マレイミド樹脂、



(式中R5は、環状構造を形成しても良い置換又は無置換のマレイミド基を表す。nは1〜10の整数を表し、0<nの平均値≦10を表す。)
または、一般式(4)で表される構造を含有する硬化性マレイミド樹脂が挙げられる。



(式中、R7 はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基またはハロゲン原子を示し、mは0、1または2を示し、nは0〜50の整数を示す。式中R6は、環状構造を形成しても良い置換又は無置換のマレイミド基を表す。)

0022

以下、本発明の硬化性樹脂組成物を説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の硬化性マレイミド樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物である。

0023

本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得るエポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂のいずれも使用することができる。エポキシ樹脂の具体例としては、フェノール類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類とケトン類との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物及びアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキシドや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4´−エポキシシクロヘキサンカルボキシラートなどを代表とする脂環式エポキシ樹脂テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)やトリグリシジル−p−アミノフェノールなどを代表とするグリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、本発明で用いられるエポキシ樹脂とはオキシラン環を少なくとも一個分子内に有するものである。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。

0024

また、フェノール類と前記のビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを縮合反応させることにより得られるフェノールアラルキル樹脂原料とし、エピクロルヒドリン脱塩酸反応させることにより得られるエポキシ樹脂は、低吸湿性難燃性、誘電特性に優れているためエポキシ樹脂として特に好ましい。

0025

上記フェノール類としては、フェノール、アルキル置換フェノール芳香族置換フェノールナフトールアルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。

0026

本発明の硬化性樹脂組成物は、無溶剤又は適当な溶剤に双方を溶解して組成物とする。また、無溶剤又は適当な溶剤に溶解して必要により触媒を用いて反応させ組成物とする。これに硬化触媒であるアニオン重合触媒及び/又は有機過酸化物を加えて混合し樹脂組成物とする。

0027

本発明の硬化性樹脂組成物に有機溶剤を添加してワニス状の組成物(以下、単にワニスという)とすることができる。用いられる溶剤としては、例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテルプロピレングリコールプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートプロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。溶剤は、得られたワニス中の溶剤を除く固形分濃度が通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%となる範囲で使用する。

0028

更に本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、エポキシ樹脂用硬化剤ポリブタジエン及びこの変性物アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテルポリスチレンポリエチレンポリイミドフッ素樹脂マレイミド系化合物シアネートエステル系化合物、シリコーンゲルシリコーンオイル、並びにシリカアルミナ炭酸カルシウム石英粉アルミニウム粉末グラファイトタルククレー酸化鉄酸化チタン窒化アルミニウムアスベストマイカガラス粉末等の無機充填材シランカップリング剤のような充填材表面処理剤離型剤カーボンブラックフタロシアニンブルーフタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。これら添加剤の配合量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して好ましくは1,000重量部以下、より好ましくは700重量部以下の範囲である。

0029

本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、各成分を均一に混合するだけでも、あるいはプレポリマー化してもよい。例えばマレイミド樹脂とシアネートエステル化合物を触媒の存在下または不存在下、溶剤の存在下または不存在下において加熱することによりプレポリマー化する。同様に、本発明の芳香族アミン樹脂および/または本発明のマレイミド樹脂と、必要によりエポキシ樹脂、アミン化合物、マレイミド系化合物、シアネートエステル化合物、フェノール樹脂酸無水物化合物及びその他添加剤を追加してプレポリマー化してもよい。各成分の混合またはプレポリマー化は溶剤の不存在下では例えば押出機ニーダロールなどを用い、溶剤の存在下では攪拌装置つきの反応釜などを使用する。

0030

以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。軟化点及び溶融粘度ガラス転移温度誘電率及び誘電正接は下記の方法で測定した。
・ 軟化点 :JIS K−7234に準じた方法で測定
・ 溶融粘度:コーンプレート法での150℃における粘度
ジフェニルアミン含量:ガスクロマトグラフィーで測定。
・ ガラス転移温度:動的粘弾性試験機により測定し、tanδが最大値のときの温度。
・ 誘電率及び誘電正接:空洞共振機 Agilent Technologies社製

0031

(合成例1)
温度計冷却管ディーンスターク共沸蒸留トラップ撹拌機を取り付けたフラスコにアニリン372部とトルエン200部を仕込み、室温で35%塩酸146部を1時間で滴下した。滴下終了後加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次いで4,4´−ビス(クロロメチル)ビフェニル125部を60〜70℃に保ちながら1時間かけて添加し、更に同温度で2時間反応を行った。反応終了後昇温をしながらトルエンを留去して系内を195〜200℃とし、この温度で15時間反応をした。その後冷却しながら30%水酸化ナトリウム水溶液330部を系内が激しく還流しないようにゆっくりと滴下し、80℃以下で昇温時に留去したトルエンを系内に戻し、70℃〜80℃で静置した。分離した下層水層を除去し、反応液水洗洗浄液中性になるまで繰り返した。次いでロータリーエバポレーター油層から加熱減圧下(200℃、0.6KPa)において過剰のアニリンとトルエンを留去することにより芳香族アミン樹脂(a1)173部を得た。芳香族アミン樹脂(a1)中のジフェニルアミンは2.0%であった。
得られた樹脂を、再びロータリーエバポレーターで加熱減圧下(200℃、4KPa)において水蒸気吹き込みの代わりに水を少量づつ滴下した。その結果、芳香族アミン樹脂(A1)166部を得た。得られた芳香族アミン樹脂(A1)の軟化点は56℃、溶融粘度は0.035Pa・s、ジフェニルアミンは0.1%以下であった。

0032

(合成例2)
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコに無水マレイン酸147部とトルエン300部を仕込み、加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次に、実施例1で得られた芳香族アミン樹脂(A1)195部をN−メチル−2−ピロリドン195部に溶解した樹脂溶液を、系内を80〜85℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で2時間反応を行い、p−トルエンスルホン酸3部を加えて、還流条件で共沸してくる縮合水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行いながら20時間反応を行った。反応終了後、トルエンを120部追加し、水洗を繰り返してp−トルエンスルホン酸及び過剰の無水マレイン酸を除去し、加熱して共沸により水を系内から除いた。次いで反応溶液濃縮して、マレイミド樹脂(M1)を70%含有する樹脂溶液を得た。

0033

(実施例1)
N-フェニルマレイミド(PMI,東京化成工業株式会社製) 100重量部に触媒として2-エチル4-メチルイミダゾール(四国化成株式会社)1.5重量部を配合し、これを120℃で5分間溶融混合行い、この混合物を175℃で1時間硬化し硬化性マレイミド樹脂を作成した。

0034

(実施例2)
実施例1において、触媒をトリフェニルホスフィン(和光純薬株式会社)に変更した以外は同様の方法により硬化性マレイミド樹脂を作成した。
実施例1及び実施例2で得た硬化性マレイミド樹脂を下記の測定を行った結果を図1に示す。
13C-NMR測定ESC-400、JEOL社製)
図1

0035

図1より、実施例1及び実施例2ともにPMIの30、48、52、54ppm付近にピークが観測されたことから、環化三量体マレイミド構造が生成していることを確認できた。また、実施例2では、PMIの40〜50ppm付近に付加重合に起因するピークが大きく観察されたことからリニア構造が生成していることを確認できた。

0036

(実施例3)
実施例1、実施例2で得た硬化性マレイミド樹脂を下記の測定を行った結果を図2に示す。
フーリエ変換赤外分光法(FTIR-8000,島津製作所)
KBr法(Aldrich社製)
図2

0037

図2より、実施例2と比較して実施例1の1496cm-1のベンゼン環を内部基準にし、カルボニル基に起因する1700cm-1のピーク強度が低いことから、実施例1の方が環化三量体の割合が多い事を示している。

0038

(実施例4)
合成例2で得たマレイミド樹脂(M1)を56.6重量部のエポキシ樹脂を24.2部で硬化剤18、2重量部、2-エチル4-メチルイミダゾール(四国化成株式会社)1.2重量部を配合しミキシングロール混練タブレット化後、トランスファー成形樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で時間、200℃で2時間、220℃で6時間硬化させた。このようにして得られた硬化物の物性を以下の項目について測定した結果を表1に示す。

0039

(比較例1)
合成例2で得たマレイミド樹脂(M1)を56.6重量部のエポキシ樹脂を24.2部で硬化剤18、2重量部、トリフェニルホスフィン(和光純薬株式会社)1.2重量部を配合しミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で時間、200℃で2時間、220℃で6時間硬化させた。



マレイミド樹脂 :M1
エポキシ樹脂 :NC-3000L(日本化薬株式会社製)
硬化剤 :KAYAHARD GPH-65日本化薬株式会社製)
触媒(実施例4):2-エチル4-メチルイミダゾール(四国化成株式会社)
触媒(比較例1):トリフェニルホスフィン(和光純薬)

0040

(実施例5、比較例2)
実施例4、比較例1で得た硬化サンプルを下記にて測定を行った。
フーリエ変換赤外分光法(FTIR-8000,島津製作所)
KBr法(Aldrich社製)
図3

0041

図3より、実施例5では比較例2に比べて、1496cm-1におけるベンゼン環を内部基準にし、カルボニル基に起因する1700cm-1のピーク強度が低くなった。これは環化三量体の割合が多い事を示している。

0042

本発明の硬化性マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物はリニア構造又は環化三量体構造を含むネットワーク構造を有することから様々なマレイミド樹脂系に対して優れた誘電特性及び耐熱性を有するため、電気電子部品の封止材や回路基板、炭素繊維複合材などに有用な材料である。

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