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技術 電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液およびそれを用いて製造した電解コンデンサ。

出願人 テイカ株式会社
発明者 杉原良介廣田兄
出願日 2014年7月14日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-143806
公開日 2016年2月4日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-020414
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 電解コンデンサのセパレータ等 電解コンデンサ
主要キーワード スルホン酸系モノマー リード端子付き ステンレス鋼製容器 層密度 スルホン酸ジエステル ポリマーアニオン 非遷移金属 亜リン酸ジアルキル
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課題

ESRが低く、漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを製造するのに適した導電性高分子の分散液を提供し、かつ、それを用いて上記特性を有する電解コンデンサを提供する。

解決手段

スルホン化ポリエステルフェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンドーパントとして合成した導電性高分子と、亜リン酸ジエステルと、分散媒とを少なくとも含ませて電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液を構成し、それを用いて電解質層となる導電性高分子層を形成して電解コンデンサを製造する。

概要

背景

導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、アルミニウム電解コンデンサタンタル電解コンデンサニオブ電解コンデンサなどの電解質として用いられている。

この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などを化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られたものが用いられている。

上記チオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、主として有機スルホン酸が用いられ、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、有機スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合にあたって酸化剤兼ドーパントとして用いられている(特許文献1、特許文献2)。

しかしながら、有機スルホン酸第二鉄塩などの有機スルホン酸遷移金属塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて製造した導電性高分子を電解質として用いた電解コンデンサは、漏れ電流が多く、特に高温雰囲気中では漏れ電流が多くなるという問題があった。

そのため、酸化剤として非遷移金属系のものを用いることも提案されているが、それだけでは、漏れ電流を充分に減少させることができなかった。

また、導電性高分子の分散液に特定のリン酸ジエステルを添加し、その導電性高分子の分散液を用いて、ESRを低減し、静電容量を高めた固体電解コンデンサを作製しようとする試みがなされている(特許文献3)。

しかしながら、上記のようなリン酸ジエステルを添加した導電性高分子の分散液は、保存中に粘度が上昇するため、保存中の状態変化の少ないことが必要とされる工業的使用では、実質上、電解コンデンサの製造に適用することができないという問題があった。また、上記導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸をドーパントとして合成されているせいか、耐熱性が悪く、また、漏れ電流の減少が充分とは言えず、さらなる特性向上が必要であると考えられる。

概要

ESRが低く、漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを製造するのに適した導電性高分子の分散液を提供し、かつ、それを用いて上記特性を有する電解コンデンサを提供する。スルホン化ポリエステルフェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンをドーパントとして合成した導電性高分子と、亜リン酸ジエステルと、分散媒とを少なくとも含ませて電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液を構成し、それを用いて電解質層となる導電性高分子層を形成して電解コンデンサを製造する。 なし

目的

本発明は、上記のような事情に鑑み、ESRが低く、かつ漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを製造するのに適した導電性高分子の分散液を提供し、かつ、それを用いて上記特性を有する電解コンデンサを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性高分子と、亜リン酸ジエステルと、分散媒とを少なくとも含むことを特徴とする電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液。ただし、上記導電性高分子は、スルホン化ポリエステルフェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンドーパントとして合成されたものである。

請求項2

非スルホン酸系モノマーが、アクリル酸エスチル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液。

請求項3

亜リン酸ジエステルが、亜リン酸酸基と、炭素数1〜18のアルキル基ベンジル基およびフェニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基とで構成されている請求項1または2記載の電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液。

請求項4

亜リン酸ジエステルが、炭素数1〜8のアルキル基の亜リン酸ジアルキルエステル、亜リン酸ジベンジルおよび亜リン酸ジフェニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液。

請求項5

コンデンサ素子誘電体層上に電解質層を有する電解コンデンサであって、上記電解質層は、導電性高分子と、亜リン酸ジエステルとを少なくとも含有することを特徴とする電解コンデンサ。ただし、上記導電性高分子は、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンをドーパントとして合成されたものである。

請求項6

非スルホン酸系モノマーが、アクリル酸エスチル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の電解コンデンサ。

請求項7

亜リン酸ジエステルが、亜リン酸の酸基と、炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基およびフェニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基とで構成されている請求項5または6記載の電解コンデンサ。

請求項8

亜リン酸ジエステルが、炭素数1〜8のアルキル基の亜リン酸ジアルキルエステル、亜リン酸ジベンジルおよび亜リン酸ジフェニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5〜7のいずれかに記載の電解コンデンサ。

技術分野

0001

本発明は、特定のポリマーアニオンドーパントとして合成された導電性高分子と、亜リン酸ジエステルと、分散媒とを少なくとも含む電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液およびそれを用いて製造した電解コンデンサに関する。

背景技術

0002

導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、アルミニウム電解コンデンサタンタル電解コンデンサニオブ電解コンデンサなどの電解質として用いられている。

0003

この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などを化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られたものが用いられている。

0004

上記チオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、主として有機スルホン酸が用いられ、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、有機スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合にあたって酸化剤兼ドーパントとして用いられている(特許文献1、特許文献2)。

0005

しかしながら、有機スルホン酸第二鉄塩などの有機スルホン酸遷移金属塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて製造した導電性高分子を電解質として用いた電解コンデンサは、漏れ電流が多く、特に高温雰囲気中では漏れ電流が多くなるという問題があった。

0006

そのため、酸化剤として非遷移金属系のものを用いることも提案されているが、それだけでは、漏れ電流を充分に減少させることができなかった。

0007

また、導電性高分子の分散液に特定のリン酸ジエステルを添加し、その導電性高分子の分散液を用いて、ESRを低減し、静電容量を高めた固体電解コンデンサを作製しようとする試みがなされている(特許文献3)。

0008

しかしながら、上記のようなリン酸ジエステルを添加した導電性高分子の分散液は、保存中に粘度が上昇するため、保存中の状態変化の少ないことが必要とされる工業的使用では、実質上、電解コンデンサの製造に適用することができないという問題があった。また、上記導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸をドーパントとして合成されているせいか、耐熱性が悪く、また、漏れ電流の減少が充分とは言えず、さらなる特性向上が必要であると考えられる。

先行技術

0009

特開2003−160647号公報
特開2004−265927号公報
特開2014−41888号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上記のような事情に鑑み、ESRが低く、かつ漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを製造するのに適した導電性高分子の分散液を提供し、かつ、それを用いて上記特性を有する電解コンデンサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、上記のような課題を解決するため鋭意研究を重ね、特定のポリマーアニオンをドーパントとして合成した導電性高分子と、亜リン酸ジエステルとを、分散媒に分散させて構成した導電性高分子の分散液が、ESRが低く、かつ漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを製造するのに適していることを見出して、完成したものである。

0012

すなわち、本発明は、スルホン化ポリエステルフェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンをドーパントとして合成した導電性高分子と、亜リン酸ジエステルと、分散媒とを少なくとも含むことを特徴とする電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液に関するものである。

0013

また、本発明は、上記導電性高分子の分散液を用いて製造した電解コンデンサも、発明の対象とするものである。

0014

すなわち、本発明は、コンデンサ素子誘電体層上に電解質層を有する電解コンデンサであって、上記電解質層は、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンをドーパントとして合成した導電性高分子と、亜リン酸ジエステルとを少なくとも含むことを特徴とする電解コンデンサに関するものである。

発明の効果

0015

本発明によれば、ESRが低く、かつ漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを製造するのに適した電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液を提供することができる。また、その導電性高分子の分散液を用いて、ESRが低く、かつ漏れ電流が少なく、しかも耐熱性が優れた電解コンデンサを提供することができる。

0016

そして、本発明の電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液は、分散液の状態で導電性高分子と亜リン酸ジエステルとを共存させているが、亜リン酸ジエステルは、前記特許文献3におけるリン酸ジエステルのように、保存中に分散液の粘度を大幅に増加させることがないので、工業的使用においても、電解コンデンサの製造にあたって支障なく使用することができる。

0017

本発明において、導電性高分子は特定のポリマーアニオンをドーパントとして合成されたものを用いるので、まず、その導電性高分子を得るためのモノマーについて説明し、次いで、そのモノマーの重合時に使用されるドーパントについて説明する。

0018

モノマーとしては、チオフェンまたはその誘導体、ピロールまたはその誘導体、アニリンまたはその誘導体のいずれも用いることができるが、特にチオフェンまたはその誘導体が適している。

0019

上記チオフェンまたはその誘導体におけるチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンや、上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンなどが挙げられ、そのアルキル基やアルコキシ基炭素数は1〜16が好ましく、特に1〜4が好ましい。

0020

上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンについて詳しく説明すると、上記3,4−エチレンジオキシチオフェンやアルキル化3,4−エチレンジオキシチオフェンは、下記の一般式(1)で表される化合物に該当する。

0021

(式中、Rは水素またはアルキル基である)

0022

そして、上記一般式(1)中のRが水素の化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェンであり、これをIUPAC名称で表示すると、「2,3−ジヒドロチエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2,3−Dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、この化合物は、IUPAC名称で表示されるよりも、一般名称の「3,4−エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いので、本書では、この「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を「3,4−エチレンジオキシチオフェン」と表示している。そして、上記一般式(1)中のRがアルキル基の場合、該アルキル基としては、炭素数が1〜4のもの、つまり、メチル基エチル基プロピル基ブチル基が好ましく、それらを具体的に例示すると、一般式(1)中のRがメチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Methyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「メチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(1)中のRがエチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Ethyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「エチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(1)中のRがプロピル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−プロピル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Propyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「プロピル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。そして、一般式(1)中のRがブチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−ブチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Butyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「ブチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。また、「2−アルキル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を、以下、簡略化して「アルキル化エチレンジオキシチオフェン」で表わす。そして、これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンの中でも、メチル化エチレンジオキシチオフェン、エチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェン、ブチル化エチレンジオキシチオフェンが好ましく、特にエチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェンが好ましい。

0023

これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンは、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種類以上を併用することもできる。さらに、これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンと3,4−エチレンジオキシチオフェンとを併用することもできる。

0024

本発明の電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液の構成にあたって、その導電性高分子としては、特定のポリマーアニオン、すなわち、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンをドーパントとして合成されたものが用いられる。

0025

上記スルホン化ポリエステルは、スルホイソフタル酸エステルスルホテレフタル酸エステルなどのジカルボキシベンゼンスルホン酸ジエステルアルキレングリコールとを酸化アンチモン酸化亜鉛などの触媒の存在下で縮重合させたものであり、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が5,000〜300,000のものが好ましい。

0026

すなわち、スルホン化ポリエステルの重量平均分子量が5,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなるおそれがある。また、スルホン化ポリエステルの重量平均分子量が300,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、電解コンデンサの作製にあたって使用しにくくなるおそれがある。そして、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が上記範囲内で、10,000以上のものが好ましく、20,000以上のものがより好ましく、また、100,000以下のものが好ましく、80,000以下のものがより好ましい。

0027

また、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、例えば、次の一般式(2)



(式中のR1は水素またはメチル基である)
で表される繰り返し単位を有するものが好ましく、このようなフェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、その重量平均分子量が5,000〜500,000のものが好ましい。

0028

すなわち、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂の重量平均分子量が5,000より小さい場合は、得られる導電性高分子の導電性が低くなるおそれがある。また、上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂の重量平均分子量が500,000より大きい場合は、導電性高分子の分散液の粘度が高くなり、電解コンデンサの作製にあたって使用しにくくなるおそれがある。そして、このフェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、その重量平均分子量が上記範囲内で、10,000以上のものがより好ましく、また、400,000以下のものが好ましく、80,000以下のものがより好ましい。

0029

次に、前記のスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体について説明すると、この共重合体としては、例えば、スチレンスルホン酸と、アクリル酸エステルメタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の非スルホン酸系モノマーとの共重合体で構成されるものや、スチレンスルホン酸とアクリル酸メタクリル酸ビニルベンゼンカルボン酸ビニルトルエンなどの非スルホン酸系モノマーとの共重合体で構成されるものが挙げられ、特に、前者のスチレンスルホン酸と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の非スルホン系モノマーとの共重合体が好ましい。そして、これらのスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体は、導電性高分子中においてはポリマーアニオンとして存在し、ドーパントとして機能する。

0030

上記スチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体中、特に好ましい前者、すなわち、スチレンスルホン酸と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の非スルホン酸系モノマーとの共重合体(以下、これを「スチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体(1)」という場合がある)について詳しく説明すると、このスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体(1)を合成するにあたって、スチレンスルホン酸と共重合させる非スルホン酸系モノマーとは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるが、上記アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチルアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシルアクリル酸ステアリルアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジフェニルブチル、アクリル酸ジメチルアミノエチルアクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸スルホヘキシルナトリウムアクリル酸グリシジル、アクリル酸メチルグリシジルアクリル酸ヒドロキシアルキル、すなわち、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチルなどのアクリル酸ヒドロキシアルキルなどを用い得るが、特にアクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチルなどのアルキル基の炭素数が1〜4のアクリル酸ヒドロキシアルキルが、スチレンスルホン酸と共重合体化したときのドーパントとしての特性上から好ましい。また、アクリル酸グリシジルやアクリル酸メチルグリシジルのようにグリシジル基を含有するものは、グリシジル基が開環することによりヒドロキシル基を含有する構造になることから、グリシジル基を有するものも、アクリル酸ヒドロキシアルキルと同様にスチレンスルホン酸と共重合体化したときのドーパントとしての特性上から好ましい。

0031

また、上記メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシルメタクリル酸ステアリルメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジフェニルブチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸スルホヘキシルナトリウム、メタクリル酸グリシジルメタクリル酸メチルグリシジルメタクリル酸ヒドロキシアルキル、すなわち、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルメタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシステアリルなどのメタクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシポリオキシエチレン、メタクリル酸メトキシヒドロキシプロピル、メタクリル酸エトキシヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジヒドロキシブチルなどを用い得るが、特にメタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチルなどのアルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸ヒドロキシアルキルが、スチレンスルホン酸と共重合体化したときのドーパントとしての特性上から好ましい。また、メタクリル酸グリシジルやメタクリル酸メチルグリシジルのようにグリシジル基を含有するものは、グリシジル基が開環することによりヒドロキシル基を含有する構造になることから、グリシジル基を有するものも、メタクリル酸ヒドロキシアルキルと同様にスチレンスルホン酸と共重合体化したときのドーパントとしての特性上から好ましい。

0032

そして、上記不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランなどの不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物やそれらの加水分解物を用いることができる。この不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物の加水分解物とは、例えば、不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物が上記3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの場合は、メトキシ基加水分解されてヒドロキシル基になった構造である3−メタクリロキシプロピルトリヒドロキシシランになるか、またはシラン同士が縮合してオリゴマーを形成し、その反応に利用されていないメトキシ基がヒドロキシル基になった構造を有する化合物になる。そして、この不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが、スチレンスルホン酸と共重合体化したときのドーパントとしての特性上から好ましい。

0033

このスチレンスルホン酸と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の非スルホン酸系モノマーとの共重合体における、スチレンスルホン酸と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の非スルホン酸系モノマーとの比率としては、質量比で、1:0.01〜0.1:1であることが好ましい。

0034

そして、上記スチレンスルホン酸と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の非スルホン酸系モノマーとの共重合体は、その分子量が、重量平均分子量で5,000〜500,000程度のものが、水溶性およびドーパントとしての特性上から好ましく、重量平均分子量で40,000〜200,000程度のものがより好ましい。

0035

上記スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂、スチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体などのポリマーアニオンは、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種類以上を併用することもできる。

0036

そして、上記スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂およびスチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマーとの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーアニオンを用いてのチオフェンまたはその誘導体などのモノマーの酸化重合は、水中または水と水混和性溶剤との混合液からなる水性液中で行われる。

0037

上記水性液を構成する水混和性溶剤としては、例えば、メタノールエタノールプロパノールアセトンアセトニトリルなどが挙げられ、これらの水混和性溶剤の水との混合割合としては、水性液全体中の50質量%以下が好ましい。

0038

導電性高分子を合成するにあたっての酸化重合は、化学酸化重合、電解酸化重合のいずれも採用することができる。

0039

化学酸化重合を行うにあたっての酸化剤としては、特に特定のものに限られることはないが、非遷移金属系の酸化剤が好ましい。これは、導電性高分子の合成にあたって使用した酸化剤の種類のいかんにかかわらず、亜リン酸ジエステルの添加により、漏れ電流を減少させることができるが、導電性高分子中に漏れ電流を増加させる原因になる遷移金属塩を含まない方が、漏れ電流の減少をより効率よく行うことができるからである。

0040

そして、上記のような非水遷移金属系の酸化剤としては、例えば、過硫酸塩が用いられる。そして、この過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム過硫酸ナトリウム過硫酸カリウム過硫酸カルシウム、過硫酸バリウムなどが用いられる。

0041

化学酸化重合において、その重合時の条件は、特に限定されることはないが、化学酸化重合時の温度としては、5℃〜95℃が好ましく、10℃〜30℃がより好ましく、また、重合時間としては、1時間〜72時間が好ましく、8時間〜24時間がより好ましい。

0042

電解酸化重合は、定電流でも定電圧でも行い得るが、例えば、定電流で電解酸化重合を行う場合、電流値としては0.05mA/cm2〜10mA/cm2が好ましく、0.2mA/cm2〜4mA/cm2がより好ましく、定電圧で電解酸化重合を行う場合は、電圧としては0.5V〜10Vが好ましく、1.5V〜5Vがより好ましい。電解酸化重合時の温度としては、5℃〜95℃が好ましく、特に10℃〜30℃が好ましい。また、重合時間としては、1時間〜72時間が好ましく、8時間〜24時間がより好ましい。なお、電解酸化重合にあたっては、触媒として硫酸第一鉄または硫酸第二鉄を添加してもよい。

0043

上記のようにして得られる導電性高分子は、重合直後、水中または水性液中に分散した状態で得られ、酸化剤としての過硫酸塩や触媒として用いた硫酸鉄塩やその分解物などを含んでいる。そこで、エタノール沈殿法、限外濾過法陰イオン交換樹脂陽イオン交換樹脂などにより、分散液中に含まれている酸化剤や触媒の分解により生成したものを除去し、その導電性高分子の分散液を超音波ホモジナイザー高圧ホモジナイザー遊星ボールミルなどの分散機にかけてさらに分散度を高めることが好ましい。このときの動的光散乱法により測定した導電性高分子の粒径としては、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、また、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。その後、エタノール沈殿法、限外濾過法、陰イオン交換樹脂などにより、酸化剤や触媒の分解により生成したものを除去し、後述するように、必要に応じて、導電性向上剤バインダを添加してもよい。

0044

上記のようにして得られた導電性高分子の分散液には、前記したように、導電性向上剤を含有させてもよい。このように、導電性高分子の分散液中に導電性向上剤を含有させておくと、該導電性高分子の分散液を乾燥して得られる導電性高分子の被膜などの導電性を向上させ、該導電性高分子を電解質として用いた電解コンデンサのESRを低くすることができる。

0045

これは、電解コンデンサの製造にあたって、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し、取り出して乾燥したときに、導電性高分子の厚み方向の層密度を高くさせ、それによって、導電性高分子間の面間隔が狭くなり、導電性高分子の導電性が高くなって、該導電性高分子を電解コンデンサの電解質として用いたときに、電解コンデンサのESRを低くさせるものと考えられる。

0046

このような導電性向上剤としては、例えば、ジメチルスルホキシドγ−ブチロラクトンスルホラン、N−メチルピロリドンジメチルスルホンエチレングリコールジエチレングリコールポリエチレングリコールなどの高沸点(例えば、150℃以上の高沸点)の有機溶剤や、エリスリトールグルコースマンノースプルランなどの糖類が挙げられるが、特にジメチルスルホキシドやブタンジオールが好ましい。

0047

このような導電性向上剤の添加量としては、分散液中の導電性高分子に対して質量基準で5〜3,000%(すなわち、導電性高分子100質量部に対して導電性向上剤が5〜3,000質量部)が好ましく、特に20〜700%が好ましい。導電性向上剤の添加量が上記より少ない場合は、導電性を向上させる作用が充分に発揮されず、導電性向上剤の添加量が上記より多い場合は、分散液の乾燥に時間を要するようになり、また、かえって、導電性の低下を引き起こすおそれがある。

0048

さらに、電解コンデンサの製造にあたっては、コンデンサ素子の腐食を防止するために、上記導電性高分子の分散液にアルカリを添加してもよい。上記のようなアルカリの添加によって、導電性高分子の分散液のpHをpH2〜10、好ましくpH2.5〜5.5に調整することによって、コンデンサ素子の腐食を防止することができ、長期信頼性を向上させることができる。

0049

上記のようなアルカリとしては、特に限定されることはないが、例えば、アンモニアメチルアミンエチルアミンプロピルアミンブチルアミンエトキシプロピルアミンペンチルアミンヘキシルアミンジメチルアミンジエチルアミントリメチルアミントリエチルアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオールなどを好適なものとして用いることができる。

0050

なお、分散液中における導電性高分子の含有量は、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬し、取り出す時などの作業性に影響を与えるので、通常0.5〜15質量%程度が好ましい。つまり、導電性高分子の含有量が上記より少ない場合は、乾燥に時間を要するようになるおそれがあり、また、導電性高分子の含有量が上記より多い場合は、分散液の粘度が高くなって、電解コンデンサの作製にあたっての作業性が低下するおそれがある。

0051

このようにして得られる導電性高分子の分散液を乾燥して得られる導電性高分子は、その合成にあたってドーパントとして用いたポリマーアニオンの特性に基づき、導電性が高く、かつ耐熱性が優れているので、それを電解質として用いたときに、ESRが低く、かつ高温条件下での使用に際して信頼性が高い電解コンデンサが得られる要因になる。

0052

次に、亜リン酸ジエステルについて説明する。上記の亜リン酸ジエステルとしては、亜リン酸酸基と、炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基およびフェニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基とで構成したものが好ましい。そして、上記アルキル基としては、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜8のものがさらに好ましい。また、上記ベンジル基やフェニル基はアルキル基が結合したものであってもよい。

0053

上記亜リン酸ジエステルについて、その具体例を挙げると、例えば、亜リン酸ジメチル亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジアミル、亜リン酸ジヘキシル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸ジエチルヘキシル、亜リン酸ジデシル、亜リン酸ジラウリル、亜リン酸ジドテシル、亜リン酸ジミリスチル、亜リン酸ジパルメチル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸ジベンジル亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジヘキシルフェニルなどが挙げられる。そして、これらの亜リン酸ジエステルの中でも、特に、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジアミル、亜リン酸ジヘキシル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸ジエチルヘキシルなどのアルキル基の炭素数が1〜8の亜リン酸ジアルキルエステルや、亜リン酸ジベンジル、亜リン酸ジフェニルなどが好ましい。

0054

本発明において、電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液の構成材として、このような亜リン酸ジエステルを用いるのは、この亜リン酸ジエステルが、電解コンデンサのESRを低減させ、かつ漏れ電流を減少させて、ESRが低く、かつ漏れ電流が少ない電解コンデンサを提供するのに寄与するからである。

0055

上記導電性高分子や亜リン酸ジエステルを分散させる分散媒としては、水または水性液が適しており、その水または水性液としては、導電性高分子の合成時の水または水性液を適用することができる。

0056

上記亜リン酸ジエステルの分散液中における含有率としては、導電性高分子に対して質量基準で0.5〜500%(すなわち、導電性高分子100質量部に対して亜リン酸ジエステルが0.5〜500質量部)が好ましい。これは、亜リン酸ジエステルの導電性高分子に対する比率が上記より少ない場合は、亜リン酸ジエステルによるESRを低減させ、かつ漏れ電流を減少させる効果が充分に発現できなくなるおそれがあり、また、亜リン酸ジエステルの導電性高分子に対する比率が上記より多い場合は、分散液の粘度が高くなったり、亜リン酸ジエステルが分散しなくなるおそれがある上に、ESRが高くなるおそれがある。

0057

そして、この亜リン酸にエステルの導電性高分子に対する比率は、上記のように質量基準で、0.5〜500%という範囲内において、1%以上がより好ましく、3%以上がさらに好ましく、また、100%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。

0058

上記のような導電性高分子と、亜リン酸ジエステルとを含有する分散液には、さらに、グリシジル化合物またはシラン化合物の少なくとも1種やそれらから選ばれる1種以上を反応させた重合体などを含有させることができる。

0059

例えば、上記導電性高分子の分散液に、グリシジル化合物またはシラン化合物の少なくとも1種を含有させると、得られる電解コンデンサの耐電圧性が向上して破壊電圧が高くなることから好ましい。

0060

上記グリシジル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジル、メタクリル酸グリシジル、エポキシプロパノール(つまり、グリシドール)、メチルグリシジルエーテルエチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテルブチルグリシジルエーテルエポキシブタン(つまり、グリシジルメタン)、エポキシペンタン(つまり、グリシジルエタン)、エポキシヘキサン(つまり、グリシジルプロパン)、エポキシヘプタン(つまり、グリシジルブタン)、エポキシオクタン(つまり、グリシジルペンタン)、エポキシシクロヘキセンエチレングリコールジグリシジルエーテルプロピレングリコールジグリシジルエーテルブチレングリコールジグリシジルエーテル、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エポキシ樹脂などを用いることができる。

0061

また、シラン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルシランテトラメトキシシランテトラエトキシシランメチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランポリシロキサンなどを用いることができる。

0062

電解コンデンサの製造にあたって、コンデンサ素子としては、アルミニウムタンタルおよびニオブよりなる群から選ばれる少なくとも1種の弁金属多孔体と上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を有するものが用いられる。

0063

そして、このコンデンサ素子への導電性高分子層の形成は、コンデンサ素子に前記の導電性高分子と亜リン酸ジエステルとを少なくとも含む導電性高分子の分散液を含浸し、乾燥することによって行われる。

0064

上記コンデンサ素子への導電性高分子の分散液の含浸は、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬するか、または導電性高分子の分散液をコンデンサ素子にスプレーなどで塗布することによって行われる。

0065

本発明の電解コンデンサ製造用の導電性高分子の分散液には、前記のように、導電性高分子以外にも、少なくとも亜リン酸ジエステルを含んでいるが、上記分散液を表現する際に、それらをすべて含んで表現すると長くなるので、導電性高分子だけを代表させて、導電性高分子の分散液と表現している。

0066

コンデンサ素子を構成する弁金属は、多孔体になっているので、含浸した導電性高分子の分散液は、コンデンサ素子の表面のみならず、弁金属の多孔体の内部にも浸入し、また、セパレータを用いるタイプのコンデンサ素子では、このセパレータの空隙内にも浸入する。

0067

そして、その後、乾燥することによって得られる亜リン酸ジエステルを含む導電性高分子は電解質として使用に供されることになる。この導電性高分子はコンデンサ素子において陽極となる弁金属の表面の上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層上に設けることになる。ただし、コンデンサ素子の他の部位に導電性高分子が付着していてもよい。

0068

そして、その際、導電性高分子とコンデンサ素子の誘電体層との密着性を高めるために、導電性高分子の分散液に高分子化合物からなるバインダを添加しておくことが好ましい。そのようなバインダとしては、例えば、ポリビニルアルコールポリウレタンポリエステルアクリル樹脂ポリアミドポリイミド、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂ポリメタクリロニトリル樹脂ポリスチレン樹脂ノボラック樹脂シランカップリング剤などが挙げられ、特にポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂などが好ましい。また、スルホン化ポリアリル、スルホン化ポリビニル、スルホン化ポリスチレンのように、スルホン基が付加されていると、導電性高分子の導電性を向上させることができるので、より好ましい。

0069

そして、このコンデンサ素子への導電性高分子の含浸および乾燥を必要回数繰り返してコンデンサ素子への導電性高分子層の形成が行われる。なお、導電性高分子の含浸を、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液に浸漬することによって行った場合には、乾燥に先立って、コンデンサ素子を導電性高分子の分散液から取り出す必要がある。

0070

電解コンデンサの製造にあたって、その電解質層を構成する導電性高分子層は、上記本発明の導電性高分子の分散液を用いて形成したものが含まれていることが必要であるが、すべての電解質が、上記本発明の導電性高分子の分散液に由来するものでなくてもよく、そのような導電性高分子層は、本発明の導電性高分子の分散液以外の導電性高分子の分散液を用いて形成したものでもよいし、また、導電性高分子層の形成を電解コンデンサの製造工程中に行う、いわゆる「その場重合」によって形成したものであってもよい。

0071

上記のような本発明の導電性高分子の分散液以外の導電性高分子の分散液を調製するにあたっての導電性高分子合成時の酸化剤や「その場重合」でモノマーを重合させる場合の、酸化剤は、特に特定のものに限られることはないが、非遷移金属系のものを用いることが好ましい。

0072

そのような「その場重合」などでモノマーを重合させる場合に用いられる非遷移金属系酸化剤としては、例えば、過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素過酸化ベンゾイルなどが挙げられ、これと組み合わせて用いるドーパントとしては、例えば、ベンゼンスルホン酸ベンゼンジスルホン酸トルエンスルホン酸フェノールスルホン酸ニトロベンゼンスルホン酸、グレゾールスルホン酸ナフタレンジスルホン酸ナフタレントリスルホン酸ナフタレンスルホン酸メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などが挙げられ、これらは酸の状態、またはそれらのイミダゾール塩など、それらの非遷移金属塩の状態で用いられる。また、前記のポリマーアニオンもドーパントとして用いることができる。

0073

電解コンデンサを巻回型電解コンデンサとして製造する場合、そのコンデンサ素子としては、例えば、アルミニウム箔などのような弁金属箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行って上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔のような弁金属箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して作製したものが用いられる。これに対して、電解コンデンサをタンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサ、積層型アルミニウム電解コンデンサなどの非巻回型電解コンデンサとして製造する場合、コンデンサ素子としては、例えば、陽極となるタンタル、ニオブ、アルミニウムなどの弁金属の多孔体と、それらの弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を有するものが用いられ、例えば、タンタル電解コンデンサの場合、タンタルの多孔体としてはタンタル焼結体が用いられる。

0074

次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に例示のもののみに限定されることはない。なお、以下の実施例や比較例などにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%や純度を示す%は、特にその基準を付記しない限り質量基準による%である。また、以下の実施例において、亜リン酸ジエステルの導電性高分子に対する比率を示す%も質量基準による%である。

0075

なお、実施例は、実施例1〜17で電解コンデンサ製造用導電性高分子の分散液(以下、実施例などでは、これを簡略化して「導電性高分子の分散液」という)の実施例を示し、実施例18〜46で電解コンデンサの実施例を示す。そして、実施例1〜17の導電性高分子の分散液の特性評価は、それを用いて製造した実施例18〜46の電解コンデンサの特性を評価することによって行う。

0076

〔導電性高分子の分散液の調製〕
実施例1
2Lの攪拌機セパラブルフラスコに1Lの純水を添加し、そこにスチレンスルホン酸ナトリウム170gとアクリル酸ヒドロキシエチル30gとを添加した。そして、その溶液に酸化剤として過硫酸アンモニウムを1g添加してスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの重合反応を12時間行った。

0077

そして、その後、その反応液限外濾過装置ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離低分子成分を除去し、濃度を3%に調整してスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体の3%水溶液を得た。

0078

得られたスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体について、ゲル濾過カラムを用い、デキストラン標品として見積もった重量平均分子量は、150,000であった。

0079

そして、上記スチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体の3%水溶液600gを内容積1Lのステンレス鋼製容器に入れ、硫酸第一鉄・7水和物0.3gを添加し、その中にエチレンジオキシチオフェン(つまり、3,4−エチレンジオキシチオフェン)4mLをゆっくり滴下した。容器に陽極を取り付け、溶液中に陰極用としてステンレス鋼製の板(横3cm×長さ3cm×厚さ2mm)が溶液に浸かるように2枚取り付け、ポリテトラフルオロエチレン製攪拌翼攪拌し、1mA/cm2の定電流で18時間電解酸化重合を行った。

0080

上記電解酸化重合後、水で6倍に希釈した後、超音波ホモジナイザー(日本精機社製、US−T300)で240分間分散処理を行った。その後、オルガノ社カチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加し、1時間攪拌で攪拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンを除去した。その後、アニオン交換樹脂による処理と濾過を行うことで、余分なアニオンを取り除いた。

0081

上記イオン成分除去後の液を孔径が1μmのフィルターに通し、その通過液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去した。この液に精製水を添加して内容物の濃度を3%に調整して濃度3%の導電性高分子の分散液300gを得た。その濃度3%の導電性高分子の分散液に対して、1.2gの亜リン酸ジエチルを添加し、導電性高分子の濃度を1.8%に調整して、実施例1の導電性高分子の分散液を得た。この実施例1の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0082

また、この実施例1の導電性高分子の分散液中の導電性高分子の粒度分布を大塚電子製ELS−Zで測定したところ、平均粒径が110nmであった。

0083

実施例2
2Lの攪拌機付セパラブルフラスコに1Lの純水を添加し、そこにスチレンスルホン酸ナトリウム170gと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン30gとを添加した。そして、その溶液に酸化剤として過硫酸アンモニウムを1g添加してスチレンスルホン酸と3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの重合反応を12時間行った。

0084

そして、その後、その反応液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去し、濃度を3%に調整してスチレンスルホン酸と3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの共重合体の3%水溶液を得た。

0085

得られたスチレンスルホン酸と3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの共重合体について、ゲル濾過カラムを用い、デキストランを標品として見積もった重量平均分子量は、100,000であった。

0086

そして、前記実施例1における濃度3%のスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体の水溶液に代えて、上記スチレンスルホン酸と3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの共重合体の3%水溶液を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、濃度3%の導電性高分子の分散液300gを得た。その濃度3%の導電性高分子の分散液に対して、亜リン酸ジエチル1.2gを添加し攪拌して溶解させた後、さらに精製水を添加し、導電性高分子の濃度を2.0%に調整して、実施例2の導電性高分子の分散液を得た。この実施例2の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0087

また、この実施例2の電性高分子の分散液中の導電性高分子の粒度分布を大塚電子製ELS−Zで測定したところ、平均粒径が120nmであった。

0088

実施例3
亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、亜リン酸ジメチル2.0gを添加した以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、実施例3の導電性高分子の分散液を得た。この実施例3の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジメチルの導電性高分子に対する比率は22%であった。

0089

実施例4
亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、亜リン酸ジブチル1.2gを添加した以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、実施例4の導電性高分子の分散液を得た。この実施例4の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジブチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0090

実施例5
亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、亜リン酸ジエチルヘキシル0.9gを添加した以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、実施例5の導電性高分子の分散液を得た。この実施例5の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルヘキシルの導電性高分子に対する比率は10%であった。

0091

実施例6
亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、亜リン酸ジフェニル1.5gを添加した以外は、すべて実施例2と同様の操作を行って、実施例6の導電性高分子の分散液を得た。この実施例6の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジフェニルの導電性高分子に対する比率は17%であった。

0092

実施例7
スルホン化ポリエステル〔互応化学工業社製プラスコートZ−561(商品名)、重量平均分子量27,000〕の3%水溶液400gを内容積1Lの容器に入れ、酸化剤として過硫酸アンモニウムを2g添加した後、撹拌機撹拌して溶解した。次いで。硫酸第二鉄の40%水溶液を0.4g添加し、撹拌しながら、その中にエチレンジオキシチオフェン3mLをゆっくり滴下し、24時間かけて、エチレンジオキシチオフェンの化学酸化重合を行った。

0093

上記化学酸化重合後の反応液にオルガノ社製のカチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加し、1時間撹拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンなどのカチオン成分をすべて除去した。その液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で濃縮処理を行った。このようにして得た導電性高分子の水系分散液の105℃の条件で測定した乾燥固形分濃度は7%であった。その7%分散液100gに対し、高沸点溶剤としてジメチルスルホキシド10gとジグリセロール40gとを添加し、さらに亜リン酸ジエチル1.4gを添加し、攪拌して溶解させることによって、導電性高分子の分散液を得た。この導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は20%であった。

0094

このようにして得られたスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液と前記実施例1のスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液とを質量比1:1の割合で混合して、スチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子とスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子との混合分散液を実施例7の導電性高分子の分散液として得た。この実施例7の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は18%であった。

0095

実施例8
実施例1のスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液に代えて、実施例2のスチレンスルホン酸と3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液を用いた以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、実施例8の導電性高分子の分散液を得た。つまり、この実施例8の導電性高分子の分散液は、スチレンスルホン酸と3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの共重合体をドーパントとする導電性高分子とスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子との混合分散液であって、この実施例8の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する量は18%であった。

0096

実施例9
実施例1のスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液を添加しなかった以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、実施例9の導電性高分子の分散液を得た。つまり、この実施例9の導電性高分子の分散液は、スルホン化ポリエステルのみをドーパントとする導電性高分子の分散液であって、亜リン酸ジエチルを含有しており、その亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は20%であった。

0097

実施例10
実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液(このように、実施例7における導電性高分子の分散液というときは、亜リン酸ジエチルを添加する前のものをいう、以下同様)に添加する亜リン酸ジエステルとして、亜リン酸ジエチル1.4gに代えて、亜リン酸ジメチル2.1gを用いた以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、実施例10の導電性高分子の分散液を得た。この実施例10の導電性高分子は、スチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子とスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子との混合分散液であって、この実施例10の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は22%であり、亜リン酸ジメチルの導電性高分子に対する量は4%であり、導電性高分子に対する亜リン酸ジエチルと亜リン酸ジメチルとの合計での比率は26%だった。

0098

実施例11
実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液に添加する亜リン酸ジエステルとして、亜リン酸ジエチル1.4gに代えて、亜リン酸ジブチル1.0gを用いた以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、実施例11の導電性高分子の分散液を得た。この実施例11の導電性高分子の分散液は、スチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子とスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子との混合分散液であって、この実施例11の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は10%であり、亜リン酸ジブチルの導電性高分子に対する比率は4%であり、導電性高分子に対する亜リン酸ジエチルと亜リン酸ジブチルとの合計での比率は14%だった。

0099

実施例12
実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液に添加する亜リン酸ジエステルとして、亜リン酸ジエチル1.4gに代えて、亜リン酸ジベンジル0.7gを用いた以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、実施例12の導電性高分子の分散液を得た。この実施例12の導電性高分子の分散液は、スチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子とスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子との混合分散液であって、この実施例12の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は10%であり、亜リン酸ジベンジルの導電性高分子に対する比率は4%であり、導電性高分子に対する亜リン酸ジエチルと亜リン酸ジベンジルとの合計での比率は14%であった。

0100

実施例13
2Lの攪拌機付セパラブルフラスコに1Lの純水を添加し、そこにスチレンスルホン酸ナトリウム190gとメタクリル酸グリシジル10gとを添加した。そして、その溶液に酸化剤として過硫酸アンモニウムを1g添加してスチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの重合反応を12時間行った。

0101

そして、その後、その反応液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去し、濃度を3%に調整してスチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体の3%水溶液を得た。

0102

得られたスチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体について、ゲル濾過カラムを用い、デキストランを標品として見積もった重量平均分子量は、90,000であった。

0103

そして、前記実施例1の導電性高分子の分散液における濃度3%のスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体の水溶液に代えて、上記スチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体の3%水溶液を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、濃度3%の導電性高分子の分散液300gを得た。その導電性高分子の分散液に対して、亜リン酸ジイソプロピル1.2gを添加し攪拌して溶解させた後、さらに精製水を添加して、導電性高分子の濃度を2%に調整して、実施例13の導電性高分子の分散液を得た。この実施例13の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジイソプロピルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0104

この実施例13の導電性高分子の分散液中の導電性高分子の粒度分布を大塚電子製ELS−Zで測定したところ、平均粒径が110nmであった。

0105

実施例14
実施例1の導電性高分子の分散液に2−アミノ−1,3−プロパンジオールを添加し、pH3.0に調整することによって、実施例14の導電性高分子の分散液を得た。この実施例14の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0106

実施例15
実施例2の導電性高分子の分散液にN−ブチルジエタノールアミンを添加し、pH3.6に調整することによって、実施例15の導電性高分子の分散液を得た。この実施例15の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0107

実施例16
実施例13の導電性高分子の分散液に2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを添加し、pH3.3に調整することによって、実施例16の導電性高分子の分散液を得た。この実施例16の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジイソプロピルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0108

実施例17
2Lの攪拌機付セパラブルフラスコに1Lの純水を添加し、そこにスチレンスルホン酸ナトリウム190gとメタクリル酸グリシジル10gとを添加した。そして、その溶液に酸化剤として過硫酸アンモニウムを1g添加してスチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの重合反応を12時間行った。

0109

そして、その後、その反応液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去し、濃度を3%に調整してスチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体の3%水溶液を得た。

0110

得られたスチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体について、ゲル濾過カラムを用い、デキストランを標品として見積もった重量平均分子量は、90,000であった。

0111

上記スチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体の3%水溶液200gとフェノールスルホン酸ノボラック樹脂〔小西化学工業社製、重量平均分子量20,000で、前記式(2)におけるR1がH(水素)のもの〕の3%水溶液200gを内容積1Lの容器に入れ、酸化剤として過硫酸アンモニウムを3g添加した後、撹拌機で撹拌して溶解した。次いで硫酸第二鉄の40%水溶液を0.4g添加し、撹拌しながら、その中にエチレンジオキシチオフェン3mLをゆっくり滴下し、24時間かけて、エチレンジオキシチオフェンの化学酸化重合を行った。

0112

上記化学酸化重合後の反応液にオルガノ社製のカチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加し、1時間撹拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンなどのカチオン成分をすべて除去した。その液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で濃縮処理を行った。このようにして得た導電性高分子の水系分散液の105℃の条件で測定した乾燥固形分濃度は4%であった。この4%液100gに対し、高沸点溶剤としてエチレングリコール10gとジグリセロール40gを添加し、さらに亜リン酸ジイソプロピル1.4gを添加し、攪拌により溶解させることによって、実施例17の導電性高分子の分散液を得た。この実施例17の導電性高分子の分散液中における亜リン酸ジイソプロピルの導電性高分子に対する比率は35%であった。

0113

比較例1
亜リン酸ジエチルを添加しなかった以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例1の導電性高分子の分散液を得た。つまり、この比較例1の導電性高分子の分散液は、スチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液であって、亜リン酸ジエステルを添加していないものである。

0114

比較例2
実施例1におけるスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液(このように、実施例1における導電性高分子の分散液というときは、亜リン酸ジエチルを添加する前のものをいう、以下同様)に亜リン酸ジエチルを添加せず、実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液に亜リン酸ジエチルを添加しなかった以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、比較例2の導電性高分子の分散液を得た。

0115

比較例3
実施例1におけるスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液に対して、亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、亜リン酸1.2gを添加した以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例3の導電性高分子の分散液を得た。この比較例3の導電性高分子の分散液中における亜リン酸の導電性高分子に対する比率は13%であった。

0116

比較例4
実施例1におけるスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、亜リン酸1.2gを添加し、実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.4gに代えて、亜リン酸1.4gを添加した以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、比較例4の導電性高分子の分散液を得た。この比較例4の導電性高分子の分散液中における亜リン酸の導電性高分子に対する比率は18%であった。

0117

比較例5
実施例1におけるスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、リン酸ジエチル1.2gを添加した以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例5の導電性高分子の分散液を得た。この比較例5の導電性高分子の分散液中におけるリン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0118

比較例6
実施例1におけるスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、リン酸ジエチル1.2gを添加し、実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.4gに代えて、リン酸ジエチル1.4gを添加した以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、比較例6の導電性高分子の分散液を得た。この比較例6の導電性高分子の分散液中におけるリン酸ジエチルの導電性高分子に対する比率は18%であった。

0119

比較例7
2Lの攪拌機付セパラブルフラスコに1Lの純水を添加し、そこにスチレンスルホン酸ナトリウム200gを添加した。そして、その溶液に酸化剤として過硫酸アンモニウムを1g添加して重合反応を12時間行った。

0120

そして、その後、その反応液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去し、濃度を3%に調整してポリスチレンスルホン酸の3%水溶液を得た。

0121

得られたポリスチレンスルホン酸について、ゲル濾過カラムを用い、デキストランを標品として見積もった重量平均分子量は、200,000であった。

0122

そして、上記ポリスチレンスルホン酸の3%水溶液600gを内容積1Lのステンレス鋼製容器に入れ、硫酸第一鉄・7水和物0.3gを添加し、その中にエチレンジオキシチオフェン(つまり、3,4−エチレンジオキシチオフェン)4mLをゆっくり滴下した。容器に陽極を取り付け、溶液中に陰極用としてステンレス鋼製の板(横3cm×長さ3cm×厚さ2mm)が溶液に浸かるように2枚取り付け、ポリテトラフルオロエチレン製の攪拌翼で攪拌し、1mA/cm2の定電流で18時間電解酸化重合を行った。

0123

上記電解酸化重合後、水で6倍に希釈した後、超音波ホモジナイザー(日本精機社製、US−T300)で240分間分散処理を行った。その後、オルガノ社製カチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加し、1時間攪拌翼で攪拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンを除去した。その後、アニオン交換樹脂による処理と濾過を行うことで、余分のアニオンを取り除いた。

0124

上記イオン成分除去後の液を孔径が1μmのフィルターに通し、その通過液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去した。この液に精製水を添加して内容物の濃度を3%に調整して濃度3%の導電性高分子の分散液300gを得た。

0125

上記濃度が3%の導電性高分子の分散液に対し、リン酸ジブチル1.2gを添加し、導電性高分子の濃度を1.8%に調整して、比較例7の導電性高分子の分散液を得た。この比較例7の導電性高分子の分散液中におけるリン酸ジブチルの導電性高分子に対する比率は13%であった。

0126

また、この比較例7の導電性高分子の分散液中の導電性高分子の粒度分布を大塚電子製ELS−Zで測定したところ、平均粒径が120nmであった。

0127

比較例8
実施例1におけるスチレンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液に代えて、比較例7におけるポリスチレンスルホン酸をドーパントとする導電性高分子の分散液を用い、そのポリスチレンスルホン酸をドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.2gに代えて、リン酸ジブチル1.2gを添加し、実施例7におけるスルホン化ポリエステルをドーパントとする導電性高分子の分散液に対し、亜リン酸ジエチル1.4gに代えて、リン酸ジブチル1.4gを添加した以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、比較例8の導電性高分子の分散液を得た。この比較例8の導電性高分子の分散液におけるリン酸ジブチルの導電性高分子に対する比率は18%であった。

0128

比較例9
亜リン酸ジエチルを添加しなかった以外は、すべて実施例13と同様の操作を行って、比較例9の導電性高分子の分散液を得た。つまり、この比較例9の導電性高分子の分散液は、スチレンスルホン酸とメタクリル酸グリシジルとの共重合体をドーパントとする導電性高分子の分散液であって、亜リン酸ジエステルを添加していないものである。

0129

上記のように調製して得た実施例1〜17および比較例1〜9の導電性高分子の分散液を10℃の環境下で保存したところ、実施例1〜17の導電性高分子の分散液と比較例1〜4の導電性高分子の分散液と比較例9の導電性高分子の分散液は、3カ月経過後もゲル化が生じなかったが、比較例5〜8の導電性高分子の分散液は、1カ月経過後にはゲル化していた。工業的な使用という観点から考えると、比較例5〜8の導電性高分子の分散液のように、1カ月でゲル化を生じる導電性高分子の分散液は、工業的使用に耐え得る実用性を有していないと評価せざるを得ない。

0130

次に、電解コンデンサの実施例について説明する。

0131

タンタル固体電解コンデンサでの評価(1)〕
実施例18
タンタル焼結体を濃度が1%のリン酸水溶液に浸漬した状態で、100Vの電圧を印加することによって化成処理を行い、タンタル焼結体の表面に酸化被膜を形成して誘電体層を構成して、設定ESRが50mΩ以下で、設定静電容量が15μ以上、定格電圧が35Vで、設定漏れ電流が20μA以下のコンデンサ素子を作製した。

0132

このコンデンサ素子を前記実施例1の導電性高分子の分散液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、150℃で30分間乾燥する操作を4回繰り返して第1層目の導電性高分子層を形成した。

0133

次に、この導電性高分子層を形成したコンデンサ素子をフェノールスルホン酸ヘプチルアミンの10%溶液(すなわち、エタノールと精製水との質量比1:1の混合液にフェノールスルホン酸ヘプチルアミンを濃度が10%になるように溶解した溶液)に浸漬し、1分間放置した後、取り出し、150℃で30分間乾燥した後、上記コンデンサ素子を前記実施例7の導電性高分子の分散液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、180℃で30分間乾燥する操作を3回繰り返して、第2層目の導電性高分子層を形成した。

0134

上記のようにして、亜リン酸ジエステルを含有する本発明の導電性高分子の分散液を用いて形成した亜リン酸ジエステルを含有する導電性高分子層を電解質層とし、その電解質層をカーボンペースト銀ペーストで覆い、さらに樹脂モールドすることにより外装して、実施例18のタンタル電解コンデンサを製造した。

0135

実施例19
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例2の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例19のタンタル電解コンデンサを製造した。

0136

実施例20
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例3の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例20のタンタル電解コンデンサを製造した。

0137

実施例21
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例4の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例21のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0138

実施例22
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例5の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例22のタンタル電解コンデンサを製造した、

0139

実施例23
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例6の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18同様の操作を行って、実施例23のタンタル電解コンデンサを製造した。

0140

実施例24
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例13の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例24のタンタル電解コンデンサを製造した。

0141

実施例25
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例8の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例25のタンタル電解コンデンサを製造した。

0142

実施例26
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例9の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例26のタンタル電解コンデンサを製造した。

0143

実施例27
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例10の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例27のタンタル電解コンデンサを製造した。

0144

実施例28
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例11の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例28のタンタル電解コンデンサを製造した。

0145

実施例29
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例12の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例29のタンタル電解コンデンサを製造した。

0146

実施例30
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例17の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、実施例30のタンタル電解コンデンサを製造した。

0147

比較例10
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例1の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例2の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、比較例10のタンタル電解コンデンサを製造した。

0148

比較例11
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例3の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例4の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、比較例11のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0149

比較例12
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例5の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例6の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、比較例12のタンタル電解コンデンサを製造した。

0150

比較例13
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例7の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例8の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例18と同様の操作を行って、比較例13のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0151

上記のようにして製造した実施例18〜30および比較例10〜13のタンタル電解コンデンサ(以下、この「タンタル電解コンデンサ」を簡略化して、「コンデンサ」という場合がある)について、ESR、静電容量および漏れ電流を測定した。その結果を初期特性として表1に導電性高分子の分散液の種類と共に示す。なお、導電性高分子の分散液の種類については、スペース上の関係で、実施例番号や比較例番号で示す。そして、ESR、静電容量および漏れ電流の測定方法は次の通りである。

0152

ESR:
HELETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、100kHzで測定する。
静電容量:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、120Hzで測定する。
漏れ電流:
コンデンサに、25℃で35Vの定格電圧を60秒間印加した後、デジタルオシロスコープにて漏れ電流を測定する。

0153

上記の測定は、各試料とも、20個ずつについて行い、表1に示す数値は、その20個の平均値を求め、小数点第2位以下を四捨五入して示したものである。

0154

0155

また、上記特性測定後の実施例18〜30および比較例10〜13のコンデンサに35Vの定格電圧を印加しながら、それらのコンデンサを125℃の恒温槽中で500時間貯蔵し、その貯蔵後に、前記と同様に、ESR、静電容量および漏れ電流を測定した。その結果を表2に示す。また、その貯蔵期間中に漏れ電流が500μAを超えたものについては、ショート不良(短絡発生不良)が発生したものとした。その結果も表2に示す。ただし、ショート不良に関しては、測定に供した全コンデンサ個数分母に示し、ショート不良が発生したコンデンサ個数を分子に示す態様で表示する。

0156

0157

表1に示すように、実施例18〜30のコンデンサは、ESRが41.4〜42.6mΩであって、50mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が15.9〜16.1μFであって、15μF以上という設定静電容量を満たし、かつ、漏れ電流が8.8〜16.1μFであって、20μA以下という設定漏れ電流を満たすとともに、比較例10〜13のコンデンサに比べて、漏れ電流が少なかった。ここで比較例10〜13のコンデンサについて言及しておくと、比較例10のコンデンサは、漏れ電流が38.8μAと、実施例18〜30のコンデンサに比べて漏れ電流がはるかに多く、比較例11のコンデンサは、ESRは48.2mΩと、設定ESRを満たすものの、静電容量が設定値を満たさず、漏れ電流も設定値より多かった。比較例12〜13のコンデンサは、ESRと静電容量とが設定値を満していなかった。

0158

また、表2に示すように、実施例18〜30のコンデンサは、125℃で500時間貯蔵後においても、ESRの増加が少なく、また、静電容量の減少も少なく、漏れ電流の増加も少なく、ESRが43.2〜45.6mΩであって、50mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が15.4〜15.6μFであって、15μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が5.9〜12.1μAであって、20μA以下という設定漏れ電流を満たし、ショート不良の発生もなかった。

0159

これに対して、比較例10のコンデンサは、125℃で500時間貯蔵後には、ESRが77.5mΩと、約2倍に増加し、漏れ電流も大幅に増加し、ショート不良も発生した。比較例11のコンデンサは、上記高温での貯蔵により、ESRや漏れ電流が増加し、静電容量が減少し、ESR、静電容量および漏れ電流のいずれも設定値を満たさなくなり、ショート不良も発生した。比較例12のコンデンサも、上記高温での貯蔵によるESRの増加が認められ、比較例13のコンデンサも、上記高温での貯蔵により、ESRがかなり大幅に増加した。このように、比較例10〜13のコンデンサは、いずれも、高温貯蔵によるESRの増加が認められるなど、耐熱性が劣っていた。

0160

〔タンタル固体電解コンデンサでの評価(2)〕
実施例31
タンタル焼結体を濃度が1%のリン酸水溶液に浸漬した状態で、60Vの電圧を印加することによって化成処理を行い、タンタル焼結体の表面に酸化被膜を形成して誘電体層を構成して、設定ESRが20mΩ以下、設定静電容量が100μF以上、定格電圧が25Vで、設定漏れ電流が20μA以下のコンデンサ素子を作製した。

0161

このコンデンサ素子を前記実施例1の導電性高分子の分散液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、150℃で30分間乾燥する操作を2回繰り返して、第1層目の導電性高分子層を形成した。

0162

そして、内容積が1Lの攪拌機付きビーカーに、エチル化エチレンジオキシチオフェン100g、ナフタレントリスルホン酸2−メチルイミダゾール100gおよびエタノール60gを加え、1時間撹拌して、導電性高分子製造用モノマー液を調製し、その導電性高分子製造用モノマー液に上記コンデンサ素子を2分間浸漬し、引き出した後、50℃で5分間乾燥した。次に上記コンデンサ素子を濃度が35%の過硫酸アンモニウム水溶液に2分間浸漬し、引き出した後、室温(25℃)で10分間放置した後、50℃で30分間加熱して、重合を行った。

0163

その後、洗浄のため、純水とエタノールとの質量比1:1の混合液中に上記コンデンサ素子を30分間浸漬し、引き出した後、150℃で30分間乾燥した。この重合とそれに続く洗浄工程を2回繰り返して、コンデンサ素子に第2層目の導電性高分子層を形成した。

0164

次に、この導電性高分子層を形成したコンデンサ素子をフェノールスルホン酸ヘプチルアミンの10%溶液(すなわち、エタノールと精製水との重量比1:1の混合液にフェノールスルホン酸ヘプチルアミンを濃度が10%になるように溶解した溶液)に浸漬し、1分間放置した後、取り出し、150℃で30分間乾燥した後、上記コンデンサ素子を前記実施例9の導電性高分子の分散液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、180℃で30分間乾燥する操作を3回繰り返して、第3層目の導電性高分子層を形成した。

0165

上記のように、3層構造の導電性高分子層中の第1層目と第3層目を、亜リン酸ジエステルを含む本発明の導電性高分子の分散液を用いて形成した亜リン酸ジエステルを含む導電性高分子層で構成した3層構造の導電性高分子層を電解質層とし、その電解質層をカーボンペースト、銀ペーストで覆い、樹脂モールドすることにより外装して実施例31のタンタル電解コンデンサを製造した。

0166

実施例32
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例2の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、実施例32のタンタル電解コンデンサを製造した。

0167

実施例33
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例3の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、実施例33のタンタル電解コンデンサを製造した。

0168

実施例34
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例4の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、実施例34のタンタル電解コンデンサを製造した。

0169

実施例35
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例5の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、実施例35のタンタル電解コンデンサを製造した。

0170

実施例36
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、実施例6の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例34と同様の操作を行って、実施例36のタンタル電解コンデンサを製造した。

0171

比較例14
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例1の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例9の導電性高分子の分散液に代えて、比較例2の導電性高分子の分散液を用いて第3層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、比較例14のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0172

比較例15
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例3の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例9の導電性高分子の分散液に代えて、比較例4の導電性高分子の分散液を用いて第3層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、比較例15のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0173

比較例16
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例5の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例9の導電性高分子の分散液に代えて、比較例6の導電性高分子の分散液を用いて第3層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、比較例16のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0174

比較例17
実施例1の導電性高分子の分散液に代えて、比較例7の導電性高分子の分散液を用いて第1層目の導電性高分子層を形成し、実施例9の導電性高分子の分散液に代えて、比較例8の導電性高分子の分散液を用いて第3層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例31と同様の操作を行って、比較例17のタンタル固体電解コンデンサを製造した。

0175

上記のように製造した実施例31〜36および比較例14〜17のタンタル電解コンデンサについて、前記と同様に、ESR、静電容量および漏れ電流を測定した。ただし、これらのコンデンサの定格電圧が25Vであることから、漏れ電流の測定は、コンデンサに25Vを印加することによって行った。その結果を初期特性として表3に前記表1の場合と同様の態様で示す。

0176

0177

上記特性測定後の実施例31〜36および比較例14〜17のコンデンサに定格電圧25Vをかけながら、これらのコンデンサを125℃で500時間貯蔵し、その貯蔵後に上記と同様に、ESR、静電容量および漏れ電流を測定し、かつ、ショート不良の発生を調べた。ただし、この場合も印加電圧は25Vであった。その結果を表4に前記表2の場合と同様の態様で示す。

0178

0179

表3に示すように、実施例31〜36のコンデンサは、ESRが15.3〜15.9mΩであって、20mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が114.4〜115.4μFであって、100μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が11.4〜14.2μAであって、20μA以下という設定漏れ電流を満たし、比較例14〜17のコンデンサに比べて、漏れ電流が少なく、かつESRが低かった。

0180

そして、比較例14〜17のコンデンサについて言及しておくと、比較例14のコンデンサと比較例15のコンデンサは、ESRと漏れ電流が設定値を満たさず、比較例16のコンデンサはESRと静電容量が設定値を満たさず、比較例17のコンデンサはESRと漏れ電流が設定値を満たしていなかった。

0181

また、表4に示すように、実施例31〜36のコンデンサは、高温での貯蔵によるESRの増加や、静電容量の減少、漏れ電流の増加が少なく、125℃で500時間貯蔵後においても、ESRが19.1〜19.8mΩであって、20mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が100.0〜110.1μFであって、100μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が6.4〜8.7μAであって、20μA以下という設定漏れ電流を満たし、ショート不良の発生もなかった。

0182

これに対して、比較例14のコンデンサは、高温での貯蔵による漏れ電流の増加や、ESRの増加が大きく、実施例31〜36のコンデンサに比べて、耐熱性が劣っていた。

0183

また、比較例15〜17のコンデンサも、高温での貯蔵によるESRの増加が大きく、実施例31〜36のコンデンサに比べて、耐熱性が劣っていた。

0184

〔積層型アルミニウム電解コンデンサでの評価(1)〕
実施例37
この実施例37やそれに続く実施例38〜43では、いわゆる積層型のアルミニウム電解コンデンサを製造して、その特性を評価する。以下、この実施例37の積層型アルミニウム電解コンデンサの製造を具体的に説明する。

0185

縦10mm×横3.3mmのアルミニウムエッチド箔について、縦方向片端から5mmの部分と、他端から4mmの部分とに分けるように、上記アルミニウムエッチド箔の横方向に幅1mmでフッ素樹脂塗料を塗布し、硬化した。次に、上記箔の縦方向の片端から5mmの部分における該片端から2mmの箇所に、陽極として銀線を取り付けた。また、上記箔の縦方向の他端から4mmの部分(4mm×3.3mm)を、濃度が10%のアジピン酸アンモニウム水溶液漬け、25Vの電圧を印加することにより化成処理を行って、アルミニウムの酸化被膜からなる誘電体層を形成して、ESRが20mΩ以下、設定静電容量が30μF以上、定格電圧が12Vで、設定漏れ電流が10μF以下のコンデンサ素子を作製した。

0186

そして、内容積が1Lの攪拌機付きビーカーに、エチル化エチレンジオキシチオフェン100g、ナフタレントリスルホン酸2−メチルイミダゾール100gおよびエタノール60gを添加し、1時間撹拌して、導電性高分子製造用モノマー液を調製し、その導電性高分子製造用モノマー液に上記コンデンサ素子を2分間浸漬し、引き出した後、50℃で5分間乾燥した。次に上記コンデンサ素子を濃度が35%の過硫酸アンモニウム水溶液に2分間浸漬し、引き出した後、室温(25℃)で10分間放置した後、50℃で30分間加熱して、重合を行った。

0187

その後、洗浄のため、純水とエタノールとの質量比1:1の混合液中に上記コンデンサ素子を30分間浸漬し、引き出した後、150℃で30分間乾燥した。この重合と洗浄工程を4回繰り返して、コンデンサ素子に第1層目の導電性高分子層を形成した。

0188

次に、この導電性高分子層を形成したコンデンサ素子をフェノールスルホン酸ヘキシルアミンの10%溶液(すなわち、エタノールと精製水との質量比1:1の混合液にフェノールスルホン酸ヘキシルアミンを濃度が10%になるように溶解した溶液)に浸漬し、1分間放置した後、取り出し、150℃で30分間乾燥した後、上記コンデンサ素子を前記実施例7の導電性高分子の分散液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、180℃で30分間乾燥する操作を2回繰り返して、第2層目の導電性高分子層を形成した。

0189

上記のように2層構造の導電性高分子層中の第2層目を本発明の亜リン酸ジエステルを含む導電性高分子の分散液を用いて形成した亜リン酸ジエステルを含む導電性高分子層で構成した2層構造の導電性高分子層を電解質層とし、この電解質層をカーボンペースト、銀ペーストで覆い、樹脂で外装して、実施例37の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0190

実施例38
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例8の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、実施例38の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0191

実施例39
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例9の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、実施例39の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0192

実施例40
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例10の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、実施例40の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0193

実施例41
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例11の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、実施例41の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0194

実施例42
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例12の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、実施例42の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0195

実施例43
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、実施例17の導電性高分子の分散液を用いた以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、実施例43の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0196

比較例18
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例2の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、比較例18の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0197

比較例19
実施例7の導電性の分散液に代えて、比較例4の導電性の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、比較例19の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0198

比較例20
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例6の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、比較例20の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0199

比較例21
実施例7の導電性高分子の分散液に代えて、比較例8の導電性高分子の分散液を用いて第2層目の導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例37と同様の操作を行って、比較例21の積層型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0200

上記のように製造した実施例37〜43および比較例18〜21の積層型アルミニウム電解コンデンサ(以下、これを簡略化して「コンデンサ」という場合がある)について、前記と同様にESR、静電容量および漏れ電流を測定した。ただし、漏れ電流の測定は、これらのコンデンサの定格電圧が12Vであることから、コンデンサに12Vを印加することによって行った。その結果を初期特性として表5に前記表1の場合と同様の態様で示す。

0201

0202

また、上記特性測定後のコンデンサに定格電圧の12Vを印加しながら、それらのコンデンサを125℃で500時間貯蔵し、その貯蔵後のESR、静電容量および漏れ電流を上記と同様に測定し、かつショート不良の発生を調べた。ただし、この場合も印加電圧は12Vであった。その結果を表6に前記表2の場合と同様の態様で示す。

0203

0204

表5に示すように、実施例37〜42のコンデンサは、ESRが15.7〜16.3mΩであって、20mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が34.2〜34.6μFであって、30μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が6.5〜8.8μAであって、10μA以下という設定漏れ電流を満たし、比較例18〜21のコンデンサに比べて、ESRが低く、かつ漏れ電流が少なかった。

0205

また、表6に示すように、実施例37〜43のコンデンサは、高温での貯蔵によるESRや漏れ電流の増加が少なく、かつ静電容量の減少が少なく、125℃で500時間貯蔵後においても、ESRが18.3〜19.8mΩであって、20mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が31.1〜31.6μFであって、30μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が1.1〜4.2μAであって、10μA以下という設定漏れ電流を満たし、ショート不良の発生もなかった。

0206

これに対して、比較例18のコンデンサは、125℃で500時間貯蔵後は、ESRや漏れ電流の増加が大きく、静電容量も低下し、ショート不良も発生するなど、高温貯蔵での特性低下が大きく、耐熱性が劣っていた。

0207

また、比較例19のコンデンサも、高温での貯蔵による特性低下があり、125℃で500時間貯蔵後においては、ESRの増加や漏れ電流の増加が大きく、静電容量も低下し、ショート不良も発生するなど、耐熱性が劣っていた。

0208

そして、比較例20〜21のコンデンサも、高温での貯蔵により、ESRの増加が大きく、耐熱性が劣っていた。

0209

巻回型アルミニウム電解コンデンサでの評価(1)〕
実施例44
この実施例44やそれに続く実施例45〜46では、いわゆる巻回型のアルミニウム電解コンデンサを製造して、その特性を評価する。以下、この実施例44の巻回型アルミニウム電解コンデンサの製造を具体的に説明する。

0210

アルミニウム箔の表面をエッチング処理して多孔体化し、そのエッチング処理後のアルミニウム箔を10%アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬し、そのアジピン酸アンモニウム水溶液中のアルミニウム箔に100Vの電圧を印加してアルミニウム箔の表面に誘電体層を形成して陽極とし、その陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、設定ESRが30mΩ以下、設定静電容量が50μF以上、定格電圧が50Vで、設定漏れ電流が20μA以下の巻回型アルミニウム電解コンデンサ製造用のコンデンサ素子を作製した。

0211

このコンデンサ素子を前記のように調製した実施例14の導電性高分子の分散液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、180℃で30分間乾燥する工程を2回繰り返した後、エチレングリコールにヒドロキシ安息香酸を3%とニトロ安息香酸を1%溶解させた溶液に浸漬し、5分間放置した後、取り出し、180℃で30分間乾燥して導電性高分子層を形成した。

0212

上記のように、本発明の亜リン酸ジエステルを含む導電性高分子の分散液を用いて形成した亜リン酸ジエステルを含む導電性高分子層を電解質層とし、その電解質層を外装材で外装して実施例44の巻回型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0213

実施例45
実施例14の導電性高分子の分散液に代えて、実施例15の導電性高分子の分散液を用いて導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例44と同様の操作を行って、実施例45の巻回型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0214

実施例46
実施例14の導電性高分子の分散液に代えて、実施例16の導電性高分子の分散液を用いて導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例44と同様の操作を行って、実施例46の巻回型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0215

比較例22
実施例14の導電性高分子の分散液に代えて、比較例9の導電性高分子の分散液を用いて導電性高分子層を形成した以外は、すべて実施例44と同様の操作を行って、比較例22の巻回型アルミニウム電解コンデンサを製造した。

0216

上記のように製造した実施例44〜46および比較例22の巻回型アルミニウム電解コンデンサ(以下、これを簡略化して、単に「コンデンサ」という場合がある)について、前記と同様にESR、静電容量および漏れ電流を測定した。ただし、漏れ電流の測定は、これらのコンデンサの定格電圧が50Vであることから、コンデンサに50Vを印加することによって行った。その結果を初期特性として表7に前記表1の場合と同様の態様で示す。

0217

0218

また、上記特性測定後のコンデンサに定格電圧の50Vを印加しながら、それらのコンデンサを125℃で1500時間貯蔵し、その貯蔵後のESR、静電容量および漏れ電流を上記と同様に測定した。その結果を表8に前記表2の場合と同様の態様で示す。

0219

0220

表7に示すように、実施例44〜46のコンデンサはESRが24.5〜25.5mΩであって、30mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が56.5〜56.7μFであって、50μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が8.4〜13.5μAであって、20μA以下という設定漏れ電流を満たし、比較例22のコンデンサに比べて、漏れ電流が少なかった。

0221

また、表8に示すように、実施例44〜46のコンデンサは、高温での貯蔵によるESRの増加や、静電容量の減少、漏れ電流の増加が少なく(むしろ、減少ぎみである)、125℃で1500時間貯蔵後においてもESRが27.1〜28.2mΩであって、30mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が52.2〜52.3μFであって、50μF以上という設定静電容量を満たし、漏れ電流が0.9〜6.4μAであって、20μA以下という設定漏れ電流を満たしていた。

実施例

0222

これに対して、比較例22のコンデンサは、実施例44〜46のコンデンサに比べて、高温での貯蔵による漏れ電流の増加や、ESRの増加が大きく、125℃で1500時間貯蔵後には、ESRが30mΩ以下という設定値より大きくなり、また、漏れ電流が22.9μAと多くなって、20μA以下という設定値を満たさなくなっていた。このように比較例22のコンデンサは、実施例44〜46のコンデンサに比べて、耐熱性が劣っていた。

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