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技術 車両制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 猪俣亮
出願日 2014年7月11日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-143531
公開日 2016年2月4日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-020106
状態 特許登録済
技術分野 ブレーキシステム(制動力調整) 乗員・歩行者の保護
主要キーワード 型配管 実施有無 実施可否 横移動量 衝突方向 路外逸脱 展開信号 衝突位置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

衝突ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減できる車両制御装置を提供することを課題とする。

解決手段

本発明の車両制御装置は、車両と車両外部の物体との衝突を検出後であって、衝突後に車両を自動的に制動させる衝突後ブレーキ制御を実施する前に、車両における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置に基づいて、当該衝突後ブレーキ制御が実施された場合に車両に対してヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測し、予測されたヨー発生可能性が高い場合には、当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して、衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制する。

概要

背景

従来、多重事故低減等を目的として衝突後に車両制御を実施する車両制御装置報告されている。従来の車両制御装置の一例として、特許文献1には、衝突を検出した場合、自車速が無くなるまで自動で制動制御を実施する車両制御装置が開示されている。また、特許文献2には、衝突により生じるスピン量またはヨーレートが小さいと想定される領域が衝突位置となった場合、衝突後に車速を減少させる制動制御を実施し、そうでない場合は車両安定化制御を実施する車両制御装置が開示されている。

概要

衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減できる車両制御装置を提供することを課題とする。本発明の車両制御装置は、車両と車両外部の物体との衝突を検出後であって、衝突後に車両を自動的に制動させる衝突後ブレーキ制御を実施する前に、車両における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置に基づいて、当該衝突後ブレーキ制御が実施された場合に車両に対してヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測し、予測されたヨー発生可能性が高い場合には、当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して、衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制する。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減できる車両制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両が車両外部の物体衝突したことを検出する衝突検出手段と、前記衝突検出手段が衝突を検出した場合に、前記車両を自動的に制動させる衝突後ブレーキ制御を実施する制動制御手段と、前記衝突検出手段により衝突を検出後であって、前記制動制御手段によって前記衝突後ブレーキ制御を実施する前に、前記車両における前記物体の衝突方向及び衝突位置に基づいて、当該衝突後ブレーキ制御が実施された場合に前記車両に対してヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測する予測手段と、を備え、前記制動制御手段は、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が高い場合には、当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して、前記衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制することを特徴とする車両制御装置

請求項2

前記予測手段は、前記車両における前記物体の衝突方向及び衝突位置の組み合わせから、制動が効かなくなる可能性のある故障車輪を予測し、予測した故障車輪の位置に応じて、前記ヨー発生可能性の有無を予測することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。

請求項3

前記制動制御手段は、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が無い場合には、前記衝突後ブレーキ制御を実施し、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が有る場合には、前記衝突後ブレーキ制御を実施せずに禁止することを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。

請求項4

前記制動制御手段は、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が無い場合には、前記衝突後ブレーキ制御を実施し、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が有る場合には、前記衝突後ブレーキ制御により発生する制動力よりも小さい制動力を発生させて前記車両を自動的に制動させるヨー抑制ブレーキ制御を実施する請求項2に記載の車両制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、多重事故低減等を目的として衝突後に車両制御を実施する車両制御装置が報告されている。従来の車両制御装置の一例として、特許文献1には、衝突を検出した場合、自車速が無くなるまで自動で制動制御を実施する車両制御装置が開示されている。また、特許文献2には、衝突により生じるスピン量またはヨーレートが小さいと想定される領域が衝突位置となった場合、衝突後に車速を減少させる制動制御を実施し、そうでない場合は車両安定化制御を実施する車両制御装置が開示されている。

先行技術

0003

特開2007−145313号公報
特開2011−126436号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、従来の車両制御装置(特許文献1等)では、衝突によるブレーキ系故障や故障時における制動制御によるリスクを想定していない。そのため、従来の車両制御装置では、衝突位置や故障部位によっては、衝突後に車両を自動的に制動させる制動制御である衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生してしまうおそれがある。

0005

ここで、図1を参照し、ブレーキ系に故障が発生した状態でブレーキ制御が実施された場合にヨーモーメントが発生する状況の一例について説明する。例えば、図1に示すように、衝突後にブレーキ系に故障が発生した場合、衝突後ブレーキ制御が実施されるとブレーキ左右非対称な状態でかかるため、ヨーモーメントが発生する。ここで、図1(a)は、車両の側面の右前方側の位置に衝突が発生して右前輪のブレーキが効かなくなった状態を示している。この状態で衝突後ブレーキ制御が実施された場合、左前輪と右後輪左後輪の3つの車輪に対してのみブレーキが効くので、ブレーキが左右非対称な状態でかかることで反時計回りの方向へヨーが発生してしまう。また、図1(b)は、X型配管系統のブレーキ系を備えた車両の側面の左後方側の位置に衝突が発生して左後輪及び右前輪のブレーキが効かなくなった状態を示している。この状態で衝突後ブレーキ制御が実施された場合も、左前輪と右後輪の2つの車輪に対してのみブレーキが効くので、ブレーキが左右非対称な状態でかかることで反時計回りの方向へヨーが発生してしまう。

0006

また、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生した場合は、衝突後の車両の横移動量が大きくなる可能性が高くなる。更に、車両の横移動量が大きくなった場合は、車両が自車線外へはみ出す路外逸脱等による路側物対向車との2次衝突の可能性が高くなる。よって、従来の車両制御装置では、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生すると、路外逸脱等による2次衝突の危険性が高くなるため、ブレーキ制御時の安全性において改善の余地があった。

0007

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減できる車両制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の車両制御装置は、車両が車両外部の物体に衝突したことを検出する衝突検出手段と、前記衝突検出手段が衝突を検出した場合に、前記車両を自動的に制動させる衝突後ブレーキ制御を実施する制動制御手段と、前記衝突検出手段により衝突を検出後であって、前記制動制御手段によって前記衝突後ブレーキ制御を実施する前に、前記車両における前記物体の衝突方向及び衝突位置に基づいて、当該衝突後ブレーキ制御が実施された場合に前記車両に対してヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測する予測手段と、を備え、前記制動制御手段は、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が高い場合には、当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して、前記衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制することを特徴とする。

0009

上記車両制御装置において、前記予測手段は、前記車両における前記物体の衝突方向及び衝突位置の組み合わせから、制動が効かなくなる可能性のある故障車輪を予測し、予測した故障車輪の位置に応じて、前記ヨー発生可能性の有無を予測することが好ましい。

0010

上記車両制御装置において、前記制動制御手段は、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が無い場合には、前記衝突後ブレーキ制御を実施し、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が有る場合には、前記衝突後ブレーキ制御を実施せずに禁止することが好ましい。

0011

上記車両制御装置において、前記制動制御手段は、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が無い場合には、前記衝突後ブレーキ制御を実施し、前記予測手段により予測された前記ヨー発生可能性が有る場合には、前記衝突後ブレーキ制御により発生する制動力よりも小さい制動力を発生させて前記車両を自動的に制動させるヨー抑制ブレーキ制御を実施することが好ましい。

発明の効果

0012

本発明にかかる車両制御装置は、衝突後ブレーキ制御によってヨーを増大させてしまう場合に衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制するので、ヨーの増大を抑制することができる。このように、本発明にかかる車両制御装置によれば、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減できるので、車両が自車線外へはみ出す路外逸脱等による路側物や対向車との2次衝突の可能性も低減できる。その結果、ブレーキ制御時の安全性を向上させることができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

0013

図1は、ブレーキ系に故障が発生した状態でブレーキ制御が実施された場合にヨーモーメントが発生する状況の一例を示す図である。
図2は、実施形態に係る車両制御装置を表す概略構成図である。
図3は、実施形態に係る車両における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る衝突後ブレーキ制御によりヨーが発生しやすい衝突方向及び衝突位置の組み合わせの一覧を示す図表である。
図5は、実施形態に係る車両制御装置において実行される衝突後ブレーキ制御抑制処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、実施形態に係る車両制御装置において実行される衝突後ブレーキ制御抑制処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、実施形態に係る車両制御装置において実行される衝突後ブレーキ制御抑制処理の別の一例を示すフローチャートである。
図8は、実施形態に係る車両制御装置において実行される衝突後ブレーキ制御抑制処理の別の一例を示すフローチャートである。

実施例

0014

以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。

0015

〔実施形態〕
図2は、実施形態に係る車両制御装置を表す概略構成図である。図3は、実施形態に係る車両における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置の一例を示す図である。図4は、実施形態に係る衝突後ブレーキ制御によりヨーが発生しやすい衝突方向及び衝突位置の組み合わせの一覧を示す表である。図5及び図6は、実施形態に係る車両制御装置において実行される衝突後ブレーキ制御抑制処理の一例を示すフローチャートである。図7及び図8は、実施形態に係る車両制御装置において実行される衝突後ブレーキ制御抑制処理の別の一例を示すフローチャートである。

0016

図2に示す本実施形態に係る車両制御装置1は、自車両としての車両2に搭載され、当該車両2の衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測すると共に、予測したヨー発生可能性に基づいて車両2を制御するものである。本実施形態の車両制御装置1は、図2に示す構成要素を車両2に搭載することで実現させる。

0017

具体的には、本実施形態の車両制御装置1は、図2に示すように、車輪速度センサ3と、Gセンサ4と、前方認識センサ5と、ブレーキアクチュエータ6と、ブレーキECU7とを備える。

0018

車輪速度センサ3は、車両2の各車輪8(右前輪、左前輪、右後輪、左後輪)に対してそれぞれ設けられ、各車輪8の回転速度である車輪速度をそれぞれ検出するものである。各車輪速度センサ3は、ブレーキECU7と電気的に接続されており、検出した各車輪8の車輪速信号をブレーキECU7に出力する。なお、車両2の各車輪8の右前輪、左前輪、右後輪、左後輪は夫々、以下、FR輪FL輪RR輪、RL輪という場合がある。

0019

Gセンサ4は、車両2に作用する加速度(以下、「車両加速度」という場合がある。)を検出するものである。Gセンサ4は、例えば、車両2の前後方向に沿って作用する車両加速度、及び、前後方向に直交する車幅方向(以下、「左右方向」という場合がある。)に沿って作用する車両加速度を検出する。Gセンサ4は、ブレーキECU7と電気的に接続されており、検出した加速度信号をブレーキECU7に出力する。本実施形態において、Gセンサ4は、車両2が車両外部の物体に衝突したことを検出する衝突検出手段としての機能を有する。

0020

前方認識センサ5は、車両2の前方の周辺領域における状況を認識するものである。前方認識センサ5は、例えば、周辺監視CCDカメラ撮像装置)及びその画像認識装置ミリ波レーダ赤外線などを用いたレーダレーザー光を用いたレーザレーダ、UWB(Ultra Wide Band)レーダ等の近距離用レーダ、可聴域の音波又は超音波を用いたソナー等のいずれかを用いることができる。

0021

ブレーキアクチュエータ6は、車両2に搭載される制動装置を構成するものであり、車両2の各車輪8に制動力を発生させるためのアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ6は、典型的には、電子制御式ブレーキ装置(Electronically Controlled Brake)のアクチュエータであるが、例えば、パーキングブレーキエンジンブレーキによって車両2の各車輪8に制動力を発生させる装置のアクチュエータであってもよい。ブレーキアクチュエータ6は、例えば、ドライバ運転によらずにブレーキECU7の制御によって自動で制動力を発生させ車両2を減速させることができる。

0022

ブレーキECU7は、ブレーキアクチュエータ6の駆動を制御するものであり、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータ主体とする電子回路を含んで構成される。ブレーキECU7は、例えば、上述の車輪速度センサ3、Gセンサ4、前方認識センサ5等の種々のセンサ検出器類等衝突を検出が電気的に接続され、当該ブレーキアクチュエータ6に駆動信号を出力する。ブレーキECU7は、各種センサ、検出器類等から入力された各種入力信号や各種マップに基づいて、格納されている制御プログラムを実行することにより、ブレーキアクチュエータ6に駆動信号を出力しその駆動を制御する。

0023

本実施形態において、上述のブレーキアクチュエータ6及びブレーキECU7は、衝突検出手段が衝突を検出した場合に、車両2を自動的に制動させる衝突後ブレーキ制御を実施する制動制御手段としての機能を有する。ここで、衝突後ブレーキ制御とは、車両2が当該車両2の外部の物体に衝突した際に、ブレーキアクチュエータ6を制御し、自動で車両2を減速させる制御である。ブレーキECU7は、車両2の衝突を検出した際にブレーキアクチュエータ6を制御し自動で車両2を減速させる、当該衝突後ブレーキ制御を実施する。ブレーキECU7は、例えば、Gセンサ4が検出した車両加速度等に基づいて車両2が当該車両2の外部の物体に衝突したこと、すなわち、車両2の衝突を検知することができる。これにより、この車両制御装置1は、例えば、車両2において1次衝突が起こった際に当該1次衝突後のさらなる2次衝突を回避すべく車両2の運動エネルギーを低減し乗員を安全に導くことができる。

0024

ここで、衝突後にブレーキ系に故障が発生した場合、衝突位置や故障部位によっては、衝突後ブレーキ制御が実施されるとヨーモーメントが発生する場合がある。この場合、衝突後の車両2の横移動量が大きくなる可能性が高くなり、車両の横移動量が大きくなった場合は、路外逸脱等による路側物や対向車との2次衝突の可能性が高くなるおそれがある。

0025

そこで、本実施形態のブレーキECU7は、更に、衝突検出手段により衝突を検出後であって、制動制御手段によって衝突後ブレーキ制御を実施する前に、車両2における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置に基づいて、当該衝突後ブレーキ制御が実施された場合に車両2に対してヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測する予測手段としての機能を有する。具体的には、予測手段は、車両2における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置の組み合わせから、制動が効かなくなる可能性のある故障車輪を予測し、予測した故障車輪の位置に応じて、ヨー発生可能性の有無を予測する。

0026

ここで、図3及び図4を参照して、制動が効かなくなる可能性のある故障車輪の位置に応じたヨー発生可能性の有無について説明する。なお、図3及び図4に例において、車両2の操舵輪は、車両2の前後方向に沿った直進時の方向に維持されている状態を想定している。

0027

図3に示すように、例えば、本実施形態に係る車両2における車両外部の物体の衝突方向としては、大別して、車両2の前後方向と、当該前後方向に直交する左右方向と、が挙げられる。また、本実施形態に係る車両2における車両外部の物体の衝突位置としては、例えば、車両2の各車輪8(FR輪、FL輪、RR輪、RL輪)を衝突時に故障させる可能性がある位置1〜8が挙げられる。図3において、位置1及び位置2は、車両2のFR輪周辺における位置である。位置1は、車両2の前面の右側の位置であり、位置2は、車両2の側面の右前方側の位置である。位置3及び位置4は、車両2のRR輪周辺における位置である。位置3は、車両2の側面の右後方側の位置であり、位置4は、車両2の後面の右側の位置である。位置5及び衝突6は、車両2のRL輪周辺における位置である。位置5は、車両2の後面の左側の位置であり、位置6は、車両2の側面の左後方側の位置である。位置7及び位置8は、車両2のFL輪周辺における位置である。位置7は、車両2の側面の左前方側の位置であり、位置8は、車両2の前面の左側の位置である。

0028

図4は、図3において例示した衝突位置としての位置1〜8と衝突方向としての前後方向及び左右方向との組み合わせから予測手段によって予測される、衝突時に発生するブレーキ系の故障により制動が効かなくなる可能性のある故障車輪の組み合わせ、及び、それに応じて予測できる衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性の有無の一覧を示している。図4において、衝突位置が位置1であり衝突方向が前後方向の場合、FR輪が故障車輪となり得るので、この状態で衝突後ブレーキ制御が実施されると、ブレーキが左右非対称な状態でかかることで反時計回りの方向へヨーが発生する。よって、この場合は衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が有るものと予測される。また、衝突位置が位置1であり衝突方向が前後方向の場合であって、車両2がX型配管2系統のブレーキ系を備えている場合も、FR輪及びRL輪が故障車輪となり得るので、この状態で衝突後ブレーキ制御が実施されると、ブレーキが左右非対称な状態でかかることで反時計回りの方向へヨーが発生する。よって、この場合も衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が有るものと予測される。なお、衝突位置が位置1であり衝突方向が前後方向の場合であって、車両2が前後2系統のブレーキ系を備えている場合は、FR輪及びFL輪が故障車輪となり得るので、この状態で衝突後ブレーキ制御が実施されると、ブレーキが左右対称な状態でかかるのでヨーが発生しない。よって、この場合は、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性は無いものと予測される。なお、図4の一例に示された、衝突位置が位置2であり衝突方向が左右方向の場合、衝突位置が位置3であり衝突方向が左右方向の場合、衝突位置が位置4であり衝突方向が前後方向の場合、衝突位置が位置5であり衝突方向が前後方向の場合、衝突位置が位置6であり衝突方向が左右方向の場合、衝突位置が位置7であり衝突方向が左右方向の場合、及び、衝突位置が位置8であり衝突方向が前後方向の場合については、詳細な説明を省略するが、図4に示す通り、予測手段によって、衝突時に発生するブレーキ系の故障により制動が効かなくなる可能性のある故障車輪の組み合わせに応じて衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性の有無が予測される。

0029

そして、本実施形態において、上述の制動制御手段は、予測手段により予測されたヨー発生可能性が高い場合には、当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して、衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制することで、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減している。具体的には、制動制御手段は、予測手段により予測されたヨー発生可能性が無い場合には、衝突後ブレーキ制御を実施し、予測手段により予測されたヨー発生可能性が有る場合には、衝突後ブレーキ制御を実施せずに禁止する。この他、制動制御手段は、予測手段により予測されたヨー発生可能性が無い場合には、衝突後ブレーキ制御を実施し、予測手段により予測されたヨー発生可能性が有る場合には、衝突後ブレーキ制御により発生する制動力よりも小さい制動力を発生させて車両を自動的に制動させるヨー抑制ブレーキ制御を実施してもよい。ここで、ヨー抑制ブレーキ制御では、例えば、衝突後ブレーキ制御により発生する制動力よりも小さい制動力を発生させるように、ブレーキ制御時間を短縮してもよいし、時系列的複数段階にわたりブレーキ制御を行ってもよいし、実ヨーレート値に応じて当該ヨーレート値が小さくなるようにブレーキ制御を行ってもよい。

0030

続いて、図5乃至図8のフローチャートを参照して、実施形態に係る車両制御装置1において実行される処理の一例について説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数ms乃至数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される(以下同様)。

0031

まず、図5及び図6を参照して、ブレーキECU7が行う衝突後ブレーキ制御抑制処理の一例として、ヨー発生可能性が無い場合に衝突後ブレーキ制御を実施し、ヨー発生可能性が有る場合に衝突後ブレーキ制御を実施せずに禁止する処理の詳細について説明する。本実施形態において、衝突後ブレーキ制御抑制処理とは、ヨー発生可能性が高い場合には当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制する処理を意味する。

0032

図5に示すように、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであるか否かを判定する(ステップST11)。ステップST11において、ブレーキECU7は、車両2が車両外部の物体に衝突したことを検出する衝突検出手段としての機能を有するGセンサ4の値から衝突の発生有無を判定する。例えば、ブレーキECU7は、Gセンサ4が検出する車両加速度の検出値が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。そして、ブレーキECU7は、車両加速度の検出値が閾値以上である場合は衝突の発生が有ると判定して、衝突発生有無判定の結果がONであると判定する。一方、ブレーキECU7は、車両加速度の検出値が閾値未満である場合は衝突の発生は無いと判定して、衝突発生有無判定の結果がOFFであると判定する。この他、ブレーキECU7は、車両制御装置1に備えられたエアバッグ(図示せず)の展開信号等から、衝突発生有無判定を行ってもよい。この場合、エアバッグの展開信号が検出された場合は衝突の発生が有ると判定して、衝突発生有無判定の結果がONであると判定する。一方、ブレーキECU7は、エアバッグの展開信号が検出されない場合は衝突の発生は無いと判定して、衝突発生有無判定の結果がOFFであると判定する。更に、ステップST11において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであると判定した場合は、Gセンサ4が検出した車両加速度やエアバッグの展開信号等に基づいて車両2における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置を検出する。

0033

ここで、ステップST11において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであると判定した場合(ステップST11:Yes)、ステップST12の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、前方認識センサ5による車両2の前方の周辺領域における状況に関する認識結果に基づいて、車両2の前方に障害物が無いか否かを判定する(ステップST12)。一方、ステップST11において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がOFFであると判定した場合(ステップST11:No)、ステップST16の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御を行うことが許可された状態であることを示す許可フラグを立てる設定を行う(ステップST16)。その後、本処理をリターンする。

0034

ここで、ステップST12において、ブレーキECU7は、車両2の前方に障害物が無いと判定した場合(ステップST12:Yes)、ステップST13の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、ステップST11:Yes判定時に検出した衝突方向と衝突位置の関係から、衝突後ブレーキ制御によりヨーが発生する可能性を予測する(ステップST13)。例えば、ブレーキECU7は、上述の図3及び図4に示すように、車両2における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置に基づいて、当該衝突後ブレーキ制御が実施された場合に車両2に対してヨーが発生する度合であるヨー発生可能性を予測する。具体的には、ブレーキECU7は、車両2における車両外部の物体の衝突方向及び衝突位置の組み合わせから、制動が効かなくなる可能性のある故障車輪を予測し、予測した故障車輪の位置に応じて、ヨー発生可能性の有無を予測する。そして、ブレーキECU7は、ステップST13での予測結果に基づいて、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が有るか否かを判定する(ステップST14)。

0035

ここで、ステップST14において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が有ると判定した場合(ステップST14:Yes)、ステップST15の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御を行うことが禁止された状態であることを示す禁止フラグを立てる設定を行う(ステップST15)。その後、本処理をリターンする。

0036

なお、上述のステップST12において、ブレーキECU7は、車両2の前方に障害物が有ると判定した場合(ステップST12:No)と、上述のステップST14において、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が無いと判定した場合(ステップST14:No)は、ステップST11:No判定時と同様に、ステップST16の処理へ移行して、衝突後ブレーキ制御を行うことが許可された状態であることを示す許可フラグを立てる設定を行い、その後、本処理をリターンする。次に説明する図6の処理では、図5の処理により設定した許可フラグ又は禁止フラグに基づいて、衝突後ブレーキ制御許可状態であるか又は衝突後ブレーキ制御禁止状態であるかを考慮して、衝突後ブレーキ制御の実施有無を判定する。

0037

図6に示すように、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであるか否かを判定する(ステップST21)。ここで、ステップST21において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであると判定した場合(ステップST21:Yes)、ステップST22の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、図5の処理により設定したフラグの種類を判定することで、衝突後ブレーキ制御許可状態であるか否かを判定する(ステップST22)。具体的には、ステップST22において、ブレーキECU7は、図5の処理により設定したフラグの種類が、許可フラグである場合は衝突後ブレーキ制御許可状態であると判定し、禁止フラグである場合は衝突後ブレーキ制御禁止状態であると判定する。一方、ステップST21において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がOFFであると判定した場合(ステップST21:No)、本処理をリターンする。

0038

ステップST22において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御許可状態であると判定した場合(ステップST22:Yes)、ブレーキ系、すなわち、ブレーキアクチュエータ6を含む車両2の制動装置に故障が無いか否かを判定する(ステップST23)。ブレーキECU7は、種々のセンサ、検出器類等から入力される各種入力信号や当該ブレーキアクチュエータ6の動作状態等に応じてブレーキ系に故障が無いか否かを判定する。一方、ステップST22において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御許可状態ではない、すなわち、衝突後ブレーキ制御禁止状態であると判定した場合(ステップST22:No)、本処理をリターンする。

0039

ステップST23において、ブレーキ系に故障が無いと判定した場合(ステップST23:Yes)、ステップST24の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、車輪速度センサ3により検出される車輪速度に基づく車両2の車速が予め設定された所定値より大きいか否かを判定する(ステップST24)。所定値には、例えば、時速10km乃至20km程度の値が設定される。一方、ステップST23において、ブレーキECU7は、ブレーキ系に故障が有ると判定した場合(ステップST23:No)、本処理をリターンする。

0040

ステップST24において、ブレーキECU7は、車速が所定値より大きいと判定した場合(ステップST24:Yes)、衝突を検出した場合に車両2を自動的に制動させる衝突後ブレーキ制御を実施する(ステップST25)。なお、衝突後ブレーキ制御は、車速が時速0kmまで低下した場合等に解除される。一方、ステップST24において、ブレーキECU7は、車速が所定値以下であると判定した場合(ステップST24:No)、本処理をリターンする。

0041

次に、図7及び図8を参照して、ブレーキECU7が行う衝突後ブレーキ制御抑制処理の別の一例として、ヨー発生可能性が無い場合には衝突後ブレーキ制御を実施し、ヨー発生可能性が有る場合には衝突後ブレーキ制御により発生する制動力よりも小さい制動力を発生させて車両2を自動的に制動させるヨー抑制ブレーキ制御を実施する処理の詳細について説明する。

0042

図7に示すように、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであるか否かを判定する(ステップST31)。ここで、ステップST31において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がONであると判定した場合(ステップST31:Yes)、ステップST32の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、ステップST31:Yes判定時に検出した衝突方向と衝突位置の関係から、衝突後ブレーキ制御によりヨーが発生する可能性を予測する(ステップST32)。その後、本処理をリターンする。一方、ステップST31において、ブレーキECU7は、衝突発生有無判定の結果がOFFであると判定した場合(ステップST31:No)、本処理をリターンする。次に説明する図8の処理では、図7の処理により予測したヨー発生可能性等を用いて、衝突後ブレーキ制御を実施するか又はヨー抑制ブレーキ制御を実施するかを判定する。

0043

図8に示すように、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ作動判定の結果がONであるか否かを判定する(ステップST41)。ブレーキECU7は、例えば、衝突の発生有無や衝突後の車速、ブレーキ制御の実施可否等により予め設定された衝突後ブレーキ制御の作動条件を満たすか否かを判定する。そして、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御の作動条件を満たす場合に衝突後ブレーキ作動判定の結果がONであると判定し、衝突後ブレーキ制御の作動条件を満たさない場合に衝突後ブレーキ作動判定の結果がOFFであると判定する。

0044

ステップST41において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ作動判定の結果がONであると判定した場合(ステップST41:Yes)、ステップST42の処理へ移行する。そして、ブレーキECU7は、前方認識センサ5による車両2の前方の周辺領域における状況に関する認識結果に基づいて、車両2の前方に障害物が有るか否かを判定する(ステップST42)。一方、ステップST41において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ作動判定の結果がOFFであると判定した場合(ステップST41:No)、本処理をリターンする。

0045

ステップST42において、ブレーキECU7は、車両2の前方に障害物が有ると判定した場合(ステップST42:Yes)、車両2と前方障害物との衝突による被害を軽減させる制動制御を最優先させる必要があるため、衝突後ブレーキ制御を実施する(ステップST43)。ステップST43において、ブレーキECU7は、前方障害物との衝突後の車両2の運動エネルギーを低減すること、若しくは前方障害物との衝突を回避することを最優先とし、衝突後ブレーキ制御を実施する。その後、本処理をリターンする。一方、ステップST42において、ブレーキECU7は、車両2の前方に障害物が無いと判定した場合(ステップST42:No)、図7のステップST32での予測結果に基づいて、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が有るか否かを判定する(ステップST44)。

0046

ステップST44において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が無いと判定した場合(ステップST44:No)、ステップST43の処理へ移行して、衝突後ブレーキ制御を実施する。一方、ステップST44において、ブレーキECU7は、衝突後ブレーキ制御によるヨー発生可能性が有ると判定した場合(ステップST44:Yes)、衝突後ブレーキ制御により発生する制動力よりも小さい制動力を発生させて車両2を自動的に制動させるヨー抑制ブレーキ制御を実施する(ステップST45)。ステップST45において、ブレーキECU7は、前方障害物が無い場合は衝突後ブレーキ制御によるヨーの発生により路外逸脱し、2次衝突の可能性が高くなるため、ヨー抑制ブレーキ制御を実施する。例えば、ブレーキECU7は、ヨー抑制ブレーキ制御として、実ヨーレート値に応じて当該ヨーレート値が小さくなるようにブレーキ制御を行ってもよい。その後、本処理をリターンする。

0047

以上説明したように、本実施形態に係る車両制御装置1は、予測されたヨー発生可能性が高い場合には、当該ヨー発生可能性が低い場合と比較して、衝突後ブレーキ制御を実施することを抑制することができる。これにより本実施形態に係る車両制御装置1によれば、衝突後ブレーキ制御によってヨーが発生する可能性を低減できるので、車両が自車線外へはみ出す路外逸脱等による路側物や対向車との2次衝突の可能性も低減できる。その結果、ブレーキ制御時の安全性を向上させることができる。

0048

なお、上述した本発明の実施形態に係る車両制御装置1は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。

0049

1車両制御装置
2 車両
3車輪速度センサ
4Gセンサ(衝突検出手段)
5 前方認識センサ
6ブレーキアクチュエータ(制動制御手段)
7ブレーキECU(制動制御手段、予測手段)

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