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技術 非水電解質二次電池の製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 池田博昭
出願日 2014年7月3日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-137643
公開日 2016年1月28日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2016-015280
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 被膜状態 常温領域 形成形態 電流ムラ 多孔質樹脂シート ステップ電圧 休止期間中 抵抗測定値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

初期充電時間の短縮と、良質なSEI被膜の形成との両立が可能な非水電解質二次電池の製造方法を提供する。

解決手段

本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、正極と負極と非水電解質とが電池ケースに収容された電池組立体を用意すること、電池組立体に対して1.4C以上6C以下の充電レートで初期充電を行うこと、を含む。初期充電においては、負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で30秒以上1分30秒以下のあいだ充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含む。

概要

背景

リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べて軽量でエネルギー密度も高いことから、車両搭載用の高出力電源等に好ましく利用されている。
この種の電池の製造においては、典型的には正極と負極と非水電解質を用いて電池組立体構築し、この電池組立体に対して初期充電コンディショニング)等を行うことで、電池特性活性化したり、負極の表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)被膜を形成したりするようにしている(例えば、特許文献1〜4等参照)。

例えば、特許文献1には、負極活物質として珪素珪素酸化物系複合体を用いた非水電解質二次電池の初期充電において、定電圧充電の後、例えば2時間以上充電休止し、その後充電を再開することを、1〜3回程度繰り返すことが開示されている。これにより、この二次電池サイクル特性を確実に向上できるという効果が得られる。また特許文献2には、SEI被膜の形成に状況に応じて定電圧充電の充電電位を、ステップ電圧値(ΔV0)ずつ多段階の充電を行うことが開示されている。これにより、電池の状態によらず安定なSEI被膜を成形できるとされている。

概要

初期充電時間の短縮と、良質なSEI被膜の形成との両立が可能な非水電解質二次電池の製造方法を提供する。本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、正極と負極と非水電解質とが電池ケースに収容された電池組立体を用意すること、電池組立体に対して1.4C以上6C以下の充電レートで初期充電を行うこと、を含む。初期充電においては、負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で30秒以上1分30秒以下のあいだ充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含む。

目的

しかしながら、非水電解液二次電池組み立て後の処理については、上記の初期充電の他に、電池特性の向上を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

正極と負極と非水電解質とが電池ケースに収容された電池組立体を用意すること、前記電池組立体に対して1.4C以上6C以下の充電レート初期充電を行うこと、を包含し、前記初期充電においては、前記負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で30秒以上1分30秒以下のあいだ充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含む、非水電解質二次電池の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、非水電解質を備える非水電解質二次電池の製造方法に関する。

背景技術

0002

リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べて軽量でエネルギー密度も高いことから、車両搭載用の高出力電源等に好ましく利用されている。
この種の電池の製造においては、典型的には正極と負極と非水電解質を用いて電池組立体構築し、この電池組立体に対して初期充電コンディショニング)等を行うことで、電池特性活性化したり、負極の表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)被膜を形成したりするようにしている(例えば、特許文献1〜4等参照)。

0003

例えば、特許文献1には、負極活物質として珪素珪素酸化物系複合体を用いた非水電解質二次電池の初期充電において、定電圧充電の後、例えば2時間以上充電休止し、その後充電を再開することを、1〜3回程度繰り返すことが開示されている。これにより、この二次電池サイクル特性を確実に向上できるという効果が得られる。また特許文献2には、SEI被膜の形成に状況に応じて定電圧充電の充電電位を、ステップ電圧値(ΔV0)ずつ多段階の充電を行うことが開示されている。これにより、電池の状態によらず安定なSEI被膜を成形できるとされている。

先行技術

0004

特開2013−045590号公報
特開2011−108550号公報
特開2005−071697号公報
特開2012−227035号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上記の初期充電処理において、比較的大電流(例えば、1.4C以上)での充電を行うと、初期充電に要する時間を短縮することができるが、電池抵抗が高くなるという背反があった。そのため、初期充電処理における充電電流充電レート)は、概ね1C以下程度に抑える方が、より良好なSEI被膜を形成できて好ましいことが知られている。
しかしながら、非水電解液二次電池組み立て後の処理については、上記の初期充電の他に、電池特性の向上を目的とした高温環境下での保持(エージング)や、品質検査(例えばIV抵抗自己放電特性検査)等が行われてもいる。これらの充放電処理を全て行うには、さらに長時間が必要とされる。そのため、初期充電については、より短時間で適切に活性化処理を行ったり、良質なSEI被膜を形成したりすることが求められている。
本発明はかかる状況を鑑みて創出されたものであり、その目的は、初期充電時間の短縮と、良質なSEI被膜の形成との両立が可能な非水電解質二次電池の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するものとして、本発明により、非水電解質二次電池の製造方法が提供される。この製造方法は、正極と負極と非水電解質とが電池ケースに収容された電池組立体を用意すること、上記電池組立体に対して1.4C以上6C以下の充電レートで初期充電を行うこと、を包含している。そして、上記初期充電においては、上記負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で30秒以上1分30秒以下のあいだ充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含むこと、により特徴づけられている。

0007

このように、ここに開示される技術においては、1.4C以上6C以下という比較的大電流(ハイレート)で初期充電を行うようにしている。これにより、初期充電の時間を短縮することができる。また、初期充電において、負極の表面に被膜が形成されている途中で、上記の微小休止期間を設けるようにしている。これにより、大電流での充電であっても被膜の形成形態を良好に整えることができ、良質なSEI被膜を形成することができる。延いては、電池抵抗を高めることなく非水電解液二次電池を製造することができる。かかるSEI被膜によると、例えば、電池の高温保存特性やサイクル特性の向上が図られ、また、意図しない電解液の分解が抑制される等、二次電池の特性が向上され得る。

図面の簡単な説明

0008

従来の微小休止期間を含まない初期充電における充電レートと電池抵抗との関係を例示するグラフである。
初期充電において2.8Vで微小休止期間を設けたときの、充電レートと電池抵抗との関係を例示するグラフである。
初期充電において3.0Vで微小休止期間を設けたときの、充電レートと電池抵抗との関係を例示するグラフである。
初期充電において3.8Vで微小休止期間を設けたときの、充電レートと電池抵抗との関係を例示するグラフである。
初期充電において4.0Vで微小休止期間を設けたときの、充電レートと電池抵抗との関係を例示するグラフである。

実施例

0009

以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄(例えば二次電池の具体的な構成材料組み立て方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。

0010

ここに開示される製造方法は、(a)正極と負極と非水電解質とが電池ケースに収容された電池組立体を用意することと、(b)この電池組み立て体に対して1.4C以上6C以下の充電レートで初期充電を行うこと、とを含んでいる。そして、この初期充電においては、負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で、30秒以上1分30秒以下のあいだ充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含むようにしている。以下、各工程について、順に説明する。

0011

(a)電池組立体の構築工程
ここでは、正極と負極と非水電解質とが電池ケースに収容された電池組立体を構築する。より具体的には、正極および負極を(典型的には樹脂製のセパレータを介して)対向させてなる電極体と、非水電解質と、を所定の電池ケース内に収容する。電池ケースとしては特に制限されないが、例えばアルミニウム等の軽量な金属材料からなるものを好適に用いることができる。

0012

正極は、例えば、正極活物質導電材バインダ等とともに正極集電体上に結着させることで、この正極集電体の表面に正極活物質層を形成したものを用いることができる。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム又はその合金)からなる導電性部材を好適に用いることができる。正極活物質としては、層状岩塩型スピネル型等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO2、LiCoO2、LiFeO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Mn1.5O4,LiCrMnO4等)等を好適に用いることができる。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)や黒鉛等の炭素材料を好適に用いることができる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデンPVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等を好適に用いることができる。

0013

これらの材料の配合は、正極活物質層の全体に占める正極活物質の割合をおよそ60質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)とすることが適当であり、通常はおよそ70質量%〜95質量%であることが好ましい。また、導電材は、正極活物質層全体に占める導電材の割合が、例えばおよそ1質量%〜20質量%とすることができ、通常はおよそ2質量%〜10質量%とすることが好ましい。また、バインダを使用する場合、正極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。

0014

負極は、例えば、負極活物質をバインダ等とともに負極集電体上に結着させることで、この負極集電体の表面に負極活物質層を形成したものを用いることができる。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅又はその合金)からなる導電性材料を好適に用いることができる。負極活物質としては、特に制限されるものではないが、黒鉛(グラファイト)系の炭素材料を好適に用いることができ、特には黒鉛粒子の表面にアモルファスカーボンがコートされた形態のアモルファスコートグラファイトが好適である。バインダとしては、スチレンブタジエンゴムSBR)、カルボキシメチルセルロースCMC)、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)等を好適に用いることができる。

0015

負極活物質層全体に占める負極活物質の割合は、およそ50質量%以上とすることが適当であり、通常は90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)とすることが好ましい。これにより、高エネルギー密度を実現することができる。バインダを使用する場合、負極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ0.5質量%〜5質量%とすることが好ましい。これにより、負極活物質層の機械的強度形状保持性)を好適に確保することができ、良好な耐久性を実現することができる。増粘剤を使用する場合、負極活物質層全体に占める増粘剤の割合は、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ0.5質量%〜5質量%とすることが好ましい。

0016

セパレータとしては、正極と負極とを絶縁するとともに、電荷担体の移動(通過)や保持を可能とするものを用いることができる。さらには、所定の温度で軟化溶融し、電荷担体の移動を停止するシャットダウン機能を有するものを好ましく用いることができる。一好適例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルセルロースポリアミド等の樹脂から成る多孔質樹脂シートフィルム)が挙げられる。

0017

非水電解質(典型的には非水電解液)は、例えば非水溶媒中支持塩を含有させることで調製し得る。支持塩としては、リチウム塩ナトリウム塩マグネシウム塩等を用いることができ、なかでもLiPF6、LiBF4等のリチウム塩が好適である。非水溶媒としては、カーボネート類エステル類エーテル類ニトリル類スルホン類ラクトン類等の非プロトン性溶媒を考慮することができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネートDMC)、エチルメチルカーボネートEMC)等を好適に用いることができる。
なお、本明細書において「電池組立体」とは、電極体と非水電解質とを用いて初期充電工程に先立った段階にまで組み立てられているもの全般をいい、電池の種類や構成等は特に限定されない。電池組立体は、例えば電池ケースが封口前の状態であってもよいし封口後の状態であってもよい。

0018

(b)初期充電
次いで、上記で構築した電池組立体に対して1.4C以上6C以下の充電レートで初期充電処理を施す。ここで、負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で30秒以上1分30秒以下のあいだ充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含むようにしている。かかる初期充電は、典型的には、上記電池組立体の正極と負極の間に外部電源を接続し、所定の充電レートで、二次電池の駆動電圧領域(例えば、2.7〜4.1V)を含む範囲で充電を行うことで実施することができる。特に限定されるものではないが、この初期充電は、電池組立体のSOC(State of Charge:充電状態)が65%以上(典型的には80%以上、例えば80〜105%)となるまで充電することにより実施することができる。

0019

ここに開示する方法においては、充電レートを1.4C以上6C以下、好ましくは1.5C以上5C以下)程度の比較的ハイレートとしている。これにより、初期充電をより急速に実施することができ、初期充電に要する時間を短縮することができる。充電レートが1.4C未満であると、初期充電の短縮効果が大きく得られないこと、また、形成される被膜の形態がさほど悪化されておらず本技術の特長が効果的に発現されないこと、から好ましくない。充電レートが6Cを超過すると、被膜の形成速度が急速すぎて、後述の微小休止期間の効果が得られなくなるために好ましくない。
なお、ここで「1C」とは、定格容量公称容量)(Ah)を1時間で放電するために必要な電流値を意味する。

0020

充電方式は、上記の充電レートを実現できるものであれば特に限定されず、例えば、定電流で放電する方式(CC放電)や定電圧で放電する方式(CV放電)で行ってもよく、あるいは所定の電圧に到達するまで定電流で放電した後に定電圧で放電する方式(CCCV放電)により行ってもよい。

0021

なお、初期充電を1.4C以上の大電流で行うと、一般には例えば、図1に示されるように、得られる二次電池の抵抗が増大してしまう。これは、大電流充電においては、負極の表面の電流が流れやすいところと流れにくいところとで電流ムラが発生しやすく、さらに、比較的急速に被膜が形成されることから、被膜形態が乱れがちとなることによると考えられる。これに対し、ここで開示される技術においては、初期充電のうち、負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲で、充電を行わない微小休止期間を少なくとも一回含むようにしている。つまり、被膜形成の途中で充電を停止し、ゆっくりと被膜を形成する時間を設けることで、ムラのない被膜を形成し、被膜状態の悪化(延いては電池抵抗上昇)を緩和させるようにしている。なお、この微小休止期間において、正負極間での電子の流れは停止するが、大電流による急速な充電であるために電荷担体の移動および被膜の形成はゆっくりと行われるものと考えられる。

0022

微小休止期間は、30秒以上1分30秒以下とすることができる。微小休止期間が30秒間よりも短いと、充電休止の効果が明瞭に得られないために好ましくない。SEI被膜のムラ抑制を効果的に実現するためには、微小休止期間は30秒間以上、より好ましくは35秒以上とすることが好ましい。また、充電中は負極(負極活物質)にLiが挿入されて負極活物質層が膨張するために正負極間の圧力が増大し、初期充電で発生するガスは電極体から排出されやすい。しかしながら、微小休止期間中には負極は膨張せず、微小休止期間が長すぎると逆にクリープで正負極間の圧力が抜けるためガス咬みが発生し得る。したがって、微小休止期間は1分30秒以下の間とすることが好ましく、より好ましくは1分20秒以下とすることができる。

0023

なお、このように微小休止期間は被膜の形成状態を整える作用を有する。したがって、負極に被膜が形成されている間であれば、2回以上(例えば、2回、3回、4回など)微小休止期間を設けるようにしてもよい。この場合は、必ずしも厳密に規定されるものではないが、全ての微小休止期間の和が上記の30秒以上1分30秒以下の間となるようにするのが好ましい。

0024

微小休止期間においては、充電を行わないことから、電流は本質的に0(ゼロ)であると考えることができる。しかしながら、ここに開示される技術においては、上記のとおり1.4C以上の大電流での充電を基本としていることから、この微小休止期間においては、1.4C以上6C以下の所定の充電電流に対して実質的に0(ゼロ)とみなせる微弱電流が流れることは許容される。かかる微弱電流としては、例えば上記所定の充電電流の1/300以下(例えば、0.0001C〜0.003C)程度を目安とすることができる。

0025

なお、負極の表面にSEI被膜が形成される電圧範囲は、電池構成(典型的には、正極および負極の活物質、並びに非水電解質の組み合わせ等)により変化し得るために、対象とする二次電池について適宜設定することができる。例えば、負極活物質として黒鉛径材料を用いる構成の二次電池においては、典型的には、SEI被膜が形成される電圧範囲として、3.0V以上3.8V以下の範囲を考慮すればよい。

0026

このような初期充電は、常温領域(15℃〜30℃、典型的には25℃)で行うことができる。これにより、抵抗の増大を抑制して、初期充電を大電流で短時間に行うことができる。電池の構成(例えば、定格容量等)や充電レート等にもよるため一概には言えないが、この初期充電における全体の所要時間は、10分間〜5時間程度をおおよその目安とすることができる。

0027

なお、以上の初期充電に引き続き、例えば、常温高温でのエージングや、自己放電検査等を行うことができる。エージングは、これに制限されるものではないが、例えば、初期充電後の電池組立体を40℃以上(例えば40〜80℃、好ましくは50〜70℃、より好ましくは55〜65℃)の高温域で、数時間(例えば昇温開始からの合計時間が1〜100時間、好ましくは10〜48時間となるまで)保持(放置)することで実施することができる。また、自己放電検査は、所定の充電状態にある電池組立体を、所定の温度において静置した際に自然に放電される放電量を測定し、このときの放電量を基に当該電池の内部短絡の有無を判断して良品不良品判別するものである。

0028

以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。

0029

本発明者らは以下の構成の電池組立体を構築し、微小短絡検出感度と、dV/dQに影響を与える条件について検討を行った。
正極活物質としての正極活物質:Li1.14Ni0.335Co0.335Mn0.33O2−δと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比率が90:8:2となるように混合し調製した組成物を、アルミニウム箔(正極集電体)に塗布して正極活物質層を形成した。得られた正極を乾燥、プレスし、シート状の正極(正極シート)を作製した。

0030

また、負極活物質としてのアモルファスコートグラファイトと、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)および増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、質量比率が98:1:1となるように混合し調製した組成物を、銅箔(負極集電体)に塗布して負極活物質層を形成した。得られた負極を乾燥、プレスし、シート状の負極(負極シート)を作製した。
用意した正極シートと負極シートとを、樹脂製のセパレータ(ここでは、ポリエチレン(PE)層の両面にポリプロピレン(PP)層が積層された三層構造のもの)を介して重ね合わせ、扁平形状に捲回した。この電極体を電池ケースに収容し、非水電解質を注入した。なお、非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比率で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPF6を凡そ1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。そして、電池ケースの開口部に蓋体を装着し、溶接して接合することによって電池組立体(容量比(CN/CP)は1.85、定格容量は4Ah。)を構築した。

0031

(休止なし)
上記のとおり構築した電池組立体に対し、充電レートを0.5C,1C,1.2C,1.4C,3C,6C,7Cとする7通りの定電流で、正負極端子間電圧が4.1Vに到達するまで定電流充電を行った。このようにして初期充電による活性化処理が施された二次電池を3.72V(SOC60%)に調整した後、100Aで10秒間放電させたときの、放電前後の電圧変化量から抵抗値(IV抵抗)を算出し、その結果を図1に示した。

0032

(2.8V休止)
上記の「休止なし」において、正負極端子間電圧が2.8Vに達したときに、15秒、30秒、1分30秒、3分のあいだ充電を停止する微小休止期間を設け、その他の条件は同様にして、初期充電を行った。このようにして初期充電による活性化処理が施された二次電池に対し、IV抵抗を測定し、その結果を図2に示した。

0033

(3.0V休止)
上記の「休止なし」において、正負極端子間電圧が3.0Vに達したときに、15秒、30秒、1分30秒、3分のあいだ充電を停止する微小休止期間を設け、その他の条件は同様にして、初期充電を行った。このようにして初期充電による活性化処理が施された二次電池に対し、IV抵抗を測定し、その結果を図3に示した。

0034

(3.8V休止)
上記の「休止なし」において、正負極端子間電圧が3.8Vに達したときに、15秒、30秒、1分30秒、3分のあいだ充電を停止する微小休止期間を設け、その他の条件は同様にして、初期充電を行った。このようにして初期充電による活性化処理が施された二次電池に対し、IV抵抗を測定し、その結果を図4に示した。

0035

(4.0V休止)
上記の「休止なし」において、正負極端子間電圧が4.0Vに達したときに、15秒、30秒、1分30秒、3分のあいだ充電を停止する微小休止期間を設け、その他の条件は同様にして、初期充電を行った。このようにして初期充電による活性化処理が施された二次電池に対し、IV抵抗を測定し、その結果を図5に示した。

0036

なお、図2〜5には、参考のため、微小休止期間を設けなかったときの抵抗測定値を併せて示した。
図1からわかるように、初期充電に要する時間を短縮するために充電レートを1.4C以上とすると、調整後の二次電池の電池抵抗が急激に高まることが分かった。
また、図2は、正負端子間電圧が2.8Vと、SEI被膜が形成される電位よりも低い電位で微小休止期間を設けた例である。図2からわかるように、初期充電の途中で微小休止期間を設けても、電池抵抗を低下させることはできず、かえって抵抗を高める結果となった。

0037

しかしながら、図3に示すように、正負端子間電圧を3.0Vと、SEI被膜が形成されはじめる電位に微小休止期間を設けた場合、微小休止時間を30秒以上1分30秒以下の範囲で、抵抗がほとんど上昇されないことが確認された。特に3Cから6Cの大電流で充電した場合において、電池抵抗の増大が大幅に抑制されている点は特すべきである。しかしながら、微小休止時間が短かすぎたり、長すぎたりした場合は、電池抵抗が増大することも確認された。同様の傾向は、図4に示すように、正負端子間電圧を3.8Vと、SEI被膜の形成が終了に近くなる電位に微小休止期間を設けた場合についてもみられた。

0038

図5からわかるように、正負端子間電圧が4.0Vと、SEI被膜の形成が完全に終了している電位に微小休止期間を設けた場合は、2.8Vの例と同様、電池抵抗を低下させることはできず、かえって抵抗を高める結果となった。

0039

以上の測定結果に基づく発明者の検討によると、SEI被膜は非水電解質の成分が電池反応により分解されてより低電位の負極表面に堆積したものであるが、1.4C以上の急速な充電を行うと、負極の表面に形成(堆積)されるSEI被膜の形成速度も急速化され、膜の厚みや堆積態様等に基づく「質」にムラが発生してしまうものと考えられる。かかるSEI被膜の質の低下が電池抵抗の増大に結びついていると考えられる。

0040

これに対し、SEI被膜の形成途中に一旦充電を停止させることで、非水電解液中を負極に向かって移動する被膜形成成分濃度ムラが緩和され、また、堆積速度が緩和されて堆積態様も良好となり、結果として質の良いSEI被膜が形成されたものと考えられる。しかしながら、充電を停止する微小休止期間の長さは、30秒以下では短すぎて十分な効果が得られない。また、1分30秒を超過すると、今度はガス咬み等の他の問題が発生して電池抵抗が低下してしまうと考えられた。

0041

ここに開示される非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン電池)の製造方法は、電池性能を低下させることなく製造時間を短縮することができ、コストの低減に寄与する。したがって各種用途の電池の製造に好適に適用することができる。なかでも、比較的広いSOC範囲を使用する用途向けの電池、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車EV)等の車両に搭載されるモーター電動機)の動力源駆動用電源)として好適に用いることができる。

0042

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

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