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技術 抗癌治療への応答可能性の増大した患者を同定する方法

出願人 エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
発明者 アンドレス,ヘルベルトデハース,ザンネリスベットエリオット,レベッカカール,ヨハンモン,ユイ-チュイグロリアプラウマン,グレゴリーディー.シェラー,シュテファンヴィルト,ノルベルト
出願日 2015年7月22日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-144659
公開日 2016年1月28日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2016-014670
状態 拒絶査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード シャンバー 貯蔵管 中央サンプル 能動的制 専用ライン 絶対偏差 計測不可 可視信号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月28日)のものです。
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図面 (20)

課題

VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を得る可能性のある患者を同定するための方法、抗癌治療法に対する患者の応答モニタリングするための方法、使用のためのキット及び製造品を提供する。

解決手段

患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得られたサンプル中のVEGF121のレベル基準レベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療法による治療に応答する可能性が高いことを示す方法。患者にVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を投与し、それによって癌が治療される工程を含む。

概要

背景

発明の背景
癌は、ヒトの健康に最も致命的な脅威の一つである。米国のみに於いて、癌は毎年約130万人の新規患者に影響を及ぼし、心臓病に続く死亡原因の第2位であり、死者4人に約1人を占める。固形腫瘍はこれらの死亡のほとんどに関与している。特定の癌の治療大きな進歩があったものの、全ての癌の全体的な5年生存率は過去20年間でほんの約10%向上したにすぎない。癌、又は悪性腫瘍は、転移し、制御不能様態で急速に増殖し、時宜を得た検出と治療を非常に困難にしている。

癌の種類に応じて、患者は一般的に、化学療法放射線療法及び抗体ベースの薬を含め、彼らに利用可能な幾つかの治療の選択肢を持っている。異なる治療法から臨床転帰予測するための有用な診断方法が、これらの患者の臨床管理の大きな利益となるであろう。

従って、どの患者がどの治療に応答するかを決定し、その決定を、単剤であろうが他の薬剤と併用されようが、抗癌治療によるより効果的な患者の治療レジメンに組み込むためのより効果的な手段が必要である。

発明の概要
本発明は、抗癌剤、例えばVEGF Aアンタゴニスト、例えばベバシズマブによる治療に応答する患者を同定するための方法を提供する。

本発明の一実施態様は、VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療による治療の利益を受ける可能性がある患者を同定する方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者が抗癌治療による治療の利益を受ける可能性があることを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌神経膠芽腫腎癌卵巣癌乳癌(例えば、局所進行再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血血漿血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のレベルはタンパク質のレベルである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤化学療法剤増殖阻害剤抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法エルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

本発明の更なる実施態様は、癌に罹患する患者の、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法に対する応答性を予測する方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者は抗癌治療法による治療に応答する可能性がより高いことを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

本発明の更に別の実施態様は、癌患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法からの利益を示す可能性を決定するための方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者は抗癌治療法による治療に応答する可能性がより高いことを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

本発明の更に別の実施態様は、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の治療的有効性を最適化するための方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者は抗癌治療法による治療に応答する可能性がより高いことを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

本発明の更なる実施態様は、患者の癌を治療するための方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプルが、VEGF121のレベルが(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルかそれ以上のレベルを有することを決定し、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与され、それによって癌が治療されることを含む。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

本発明の別の実施態様は、患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を受けうるかを決定するためのキットを提供し、そのキットは、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する患者の応答性を予測する少なくとも一のバイオマーカーのレベルを決定するための一組の化合物を含み、ここで、VEGF121のレベルが基準レベル(例えば基準サンプル中のVEGF121のレベル)かそれ以上のレベルであることは、患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を受け得ることを示す。幾つかの実施態様において、化合物はタンパク質である。幾つかの実施態様において、タンパク質は抗体である。

本発明の更なる実施態様は、VEGF121からなる群から選択される少なくとも一のバイオマーカーのレベルを検出するための一組の化合物を提供し、その組は、VEGF121に特異的に結合することが可能である少なくとも一化合物を含む。好ましくは、一組の化合物は、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する患者の応答性を予測するために使用される。幾つかの実施態様において、化合物はタンパク質である。幾つかの実施態様において、タンパク質は抗体である。

これら及び他の実施態様は、以下の詳細な説明によって更に記載されている。

概要

VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を得る可能性のある患者を同定するための方法、抗癌治療法に対する患者の応答をモニタリングするための方法、使用のためのキット及び製造品を提供する。患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得られたサンプル中のVEGF121のレベルが基準レベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療法による治療に応答する可能性が高いことを示す方法。患者にVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を投与し、それによって癌が治療される工程を含む。なし

目的

本発明は、抗癌剤、例えばVEGF Aアンタゴニスト、例えばベバシズマブによる治療に応答する患者を同定するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を得る可能性のある患者を同定するための方法であって、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得られたサンプル中のVEGF121のレベル基準レベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療法による治療から利益を得る可能性があることを示す方法。

請求項2

VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する癌に罹患した患者の応答性予測する方法であって、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得られたサンプル中のVEGF121のレベルが基準レベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療法による治療に応答する可能性が高いことを示す方法。

請求項3

癌患者がVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療からの利益を示す可能性を決定するための方法であって、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得られたサンプル中のVEGF121のレベルが基準レベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療法からの利益の可能性が増加していることを示す方法。

請求項4

VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の治療的有効性を最適化するための方法であって、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得られたサンプル中のVEGF121のレベルが基準レベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療法からの利益の可能性が増加していることを示す方法。

請求項5

患者の癌を治療するための方法であって、患者から得られたサンプルが、基準サンプル中のVEGF121のレベルかそれを上回るレベルのVEGF121のレベルを有することを決定し、前記患者にVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を投与し、それによって癌が治療されることを含む方法。

請求項6

癌が、結腸直腸癌神経膠芽腫腎癌卵巣癌乳癌膵臓癌胃癌及び肺癌からなる群から選択される請求項1から5の何れか一項に記載の方法。

請求項7

患者から得られたサンプルが、全血血漿血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。

請求項8

VEGF121のレベルがタンパク質レベルである、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。

請求項9

タンパク質レベルが血漿タンパク質レベルを測定することにより決定される、請求項8に記載の方法。

請求項10

患者から得られたサンプル中のVEGF121の血漿レベルが、基準サンプル中のVEGF121のレベルかそれを上回ることが、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記患者に対してVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。

請求項12

VEGF−Aアンタゴニストが抗体である、請求項11に記載の方法。

請求項13

抗体がベバシズマブである、請求項12に記載の方法。

請求項14

細胞毒性剤化学療法剤増殖阻害剤抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む、請求項11に記載の方法。

請求項15

第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される、請求項14に記載の方法。

請求項16

第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される、請求項14に記載の方法。

請求項17

細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む、請求項14に記載の方法。

請求項18

第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される、請求項17に記載の方法。

請求項19

第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される、請求項17に記載の方法。

請求項20

VEGF−Aアンタゴニストが抗体である、請求項5に記載の方法。

請求項21

抗体がベバシズマブである、請求項20に記載の方法。

請求項22

抗癌治療法が、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む、請求項5に記載の方法。

請求項23

第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される、請求項19に記載の方法。

請求項24

第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される、請求項19に記載の方法。

請求項25

抗癌治療法が、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む、請求項19に記載の方法。

請求項26

第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される、請求項25に記載の方法。

請求項27

第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される、請求項25に記載の方法。

請求項28

VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を得る可能性のある患者を決定するためのキットであって、VEGF121に特異的に結合することができる一組の化合物、及びVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する患者の応答性を予測するためのVEGF121のレベルを決定するための前記化合物を使用するための使用説明書を含み、VEGF121のレベルが基準サンプル中のVEGF121のレベルかそれ以上のレベルであることが、患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を受け得ることを示すキット。

請求項29

化合物がタンパク質である、請求項28に記載のキット。

請求項30

タンパク質が抗体である、請求項29に記載のキット。

請求項31

VEGF121のレベルを検出するための一組の化合物であって、VEGF121に特異的に結合することができる少なくとも一化合物を含む一組の化合物。

請求項32

化合物がタンパク質である、請求項31に記載の化合物の一式

請求項33

タンパク質が抗体である、請求項32に記載の化合物の一式。

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0001

関連出願
本出願は、2010年7月19日に出願されたEP10170004.5及びEP10170008.6、及び、2010年11月17日に出願された米国仮出願第61/414853号;第61/414859号;及び第61/414861号に関連し、その各の開示は、全ての目的のためにその全体が参考として援用される。

技術分野

0002

発明の分野
本発明は、どの患者が最も抗癌剤による治療の利益を受けるかを特定し、かつ、それらの感受性及び抗癌剤による治療に対する応答性監視するための方法に関する。

背景技術

0003

発明の背景
癌は、ヒトの健康に最も致命的な脅威の一つである。米国のみに於いて、癌は毎年約130万人の新規患者に影響を及ぼし、心臓病に続く死亡原因の第2位であり、死者4人に約1人を占める。固形腫瘍はこれらの死亡のほとんどに関与している。特定の癌の治療に大きな進歩があったものの、全ての癌の全体的な5年生存率は過去20年間でほんの約10%向上したにすぎない。癌、又は悪性腫瘍は、転移し、制御不能様態で急速に増殖し、時宜を得た検出と治療を非常に困難にしている。

0004

癌の種類に応じて、患者は一般的に、化学療法放射線療法及び抗体ベースの薬を含め、彼らに利用可能な幾つかの治療の選択肢を持っている。異なる治療法から臨床転帰予測するための有用な診断方法が、これらの患者の臨床管理の大きな利益となるであろう。

0005

従って、どの患者がどの治療に応答するかを決定し、その決定を、単剤であろうが他の薬剤と併用されようが、抗癌治療によるより効果的な患者の治療レジメンに組み込むためのより効果的な手段が必要である。

0006

発明の概要
本発明は、抗癌剤、例えばVEGF Aアンタゴニスト、例えばベバシズマブによる治療に応答する患者を同定するための方法を提供する。

0007

本発明の一実施態様は、VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療による治療の利益を受ける可能性がある患者を同定する方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者が抗癌治療による治療の利益を受ける可能性があることを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌神経膠芽腫腎癌卵巣癌乳癌(例えば、局所進行再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血血漿血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のレベルはタンパク質のレベルである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤化学療法剤増殖阻害剤抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法エルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

0008

本発明の更なる実施態様は、癌に罹患する患者の、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法に対する応答性を予測する方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者は抗癌治療法による治療に応答する可能性がより高いことを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

0009

本発明の更に別の実施態様は、癌患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法からの利益を示す可能性を決定するための方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者は抗癌治療法による治療に応答する可能性がより高いことを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

0010

本発明の更に別の実施態様は、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の治療的有効性を最適化するための方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者から得たサンプル中において(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルか又はそれを上回るレベルでのVEGF121のレベルは、患者は抗癌治療法による治療に応答する可能性がより高いことを示す。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与することを更に含む。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

0011

本発明の更なる実施態様は、患者の癌を治療するための方法を提供し、該方法は、患者から得られたサンプルが、VEGF121のレベルが(例えば基準サンプルと比較した場合)基準レベルかそれ以上のレベルを有することを決定し、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を前記患者に投与され、それによって癌が治療されることを含む。幾つかの実施態様において、癌は、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌からなる群から選択される。幾つかの実施態様にて、患者から得られたサンプルは、全血、血漿、血清、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたメンバーである。幾つかの実施態様にて、VEGF121のタンパク質レベルは、VEGF121の血漿タンパク質レベルを測定することによって決定される。幾つかの実施態様にて、基準レベルかまたはそれ以上であるVEGF121の血漿レベルは、患者が抗癌治療により利益を受ける可能性があり、抗癌治療法により応答する可能性がより高いか、又は抗癌治療法の利益を受ける可能性が増加していることを示す。幾つかの実施態様にて、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第二の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第二の抗癌治療法とVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様では、本方法は、細胞毒性剤、化学療法剤、増殖阻害剤、抗血管新生剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第三の抗癌治療法の有効量を投与することを更に含む。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが同時に投与される。幾つかの実施態様では、第三の抗癌治療法、第二の抗癌治療法及びVEGF−Aアンタゴニストが逐次的に投与される。幾つかの実施態様において、VEGF−Aアンタゴニストは抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、抗体はベバシズマブである。幾つかの実施態様において、癌は乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)であり及び第二の抗癌治療法はドセタキセルである。幾つかの実施態様において、癌は膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)であるり、第二の抗癌治療法は、ゲムシタビンであり、第三の抗癌療法はエルロチニブである。幾つかの実施態様において、癌は胃癌であり、第二の抗癌療法はカペシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。幾つかの実施態様において、癌は肺癌であり、第二の抗癌治療法はゲムシタビンであり、及び第三の抗癌療法はシスプラチンである。

0012

本発明の別の実施態様は、患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を受けうるかを決定するためのキットを提供し、そのキットは、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する患者の応答性を予測する少なくとも一のバイオマーカーのレベルを決定するための一組の化合物を含み、ここで、VEGF121のレベルが基準レベル(例えば基準サンプル中のVEGF121のレベル)かそれ以上のレベルであることは、患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療から利益を受け得ることを示す。幾つかの実施態様において、化合物はタンパク質である。幾つかの実施態様において、タンパク質は抗体である。

0013

本発明の更なる実施態様は、VEGF121からなる群から選択される少なくとも一のバイオマーカーのレベルを検出するための一組の化合物を提供し、その組は、VEGF121に特異的に結合することが可能である少なくとも一化合物を含む。好ましくは、一組の化合物は、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する患者の応答性を予測するために使用される。幾つかの実施態様において、化合物はタンパク質である。幾つかの実施態様において、タンパク質は抗体である。

0014

これら及び他の実施態様は、以下の詳細な説明によって更に記載されている。

図面の簡単な説明

0015

局所的進行、再発又は転移性HER−2陰性乳癌の治療を受けている患者において、ベバシズマブ(低または高用量)及びドセタキセル療法プラセボ+ドセタキセル療法に関する全バイオマーカーの集団無増悪生存についてのカプラマイヤー曲線短鎖線はプラセボ+ドセタキセルを表す。実線は低用量ベバシズマブ(7.5mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。長鎖線は高用量ベバシズマブ(15mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。
バイオマーカー(プラセボ及び低用量ベバシズマブ)による後の抗腫瘍治療開始前の無増悪生存のハザード比フォレストプロット、局所的進行、再発性又は転移性のHER−2陰性乳癌について治療される患者において、プラセボとドセタキセル治療法に対するベバシズマブ(低用量)とドセタキセル治療法について、二分分析
バイオマーカー(プラセボ及び高用量ベバシズマブ)による後の抗腫瘍治療の開始前の無増悪生存のハザード比のフォレストプロット、局所的進行、再発性又は転移性のHER−2陰性乳癌について治療される患者において、プラセボとドセタキセル治療法に対するベバシズマブ(高用量)とドセタキセル治療法について、二分分析。
局所的進行、再発性又は転移性のHER−2陰性乳癌について治療される患者において、プラセボとドセタキセル治療法に対するベバシズマブ(低又は高用量)治療法について、低発現レベル(<125pg/ml)のVEGFA図4A)及び高発現レベル(≧125pg/ml)VEGFA,(図4B)について、後の抗腫瘍治療の開始前の無増悪生存のカプランマイヤー曲線。短鎖線はプラセボ+ドセタキセルを表す。実線は低用量ベバシズマブ(7.5mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。長鎖線は高用量ベバシズマブ(15mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。
局所的進行、再発性又は転移性のHER−2陰性乳癌について治療される患者において、プラセボとドセタキセル治療法に対するベバシズマブ(低又は高用量)治療法について、低発現レベル(<11ng/ml)のVEGFR2(図5A)及び高発現レベル(≧11ng/ml)VEGFR2,(図5B)について、後の抗腫瘍治療の開始前の無増悪生存のカプランマイヤー曲線。短鎖線はプラセボ+ドセタキセルを表す。実線は低用量ベバシズマブ(7.5mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。長鎖線は高用量ベバシズマブ(15mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。
局所的進行、再発性又は転移性のHER−2陰性乳癌について治療される患者において、プラセボとドセタキセル治療法に対するベバシズマブ(低又は高用量)治療法について、VEGFAとVEGFR2の低発現レベル(式1<−0.132)の組み合わせ及び高発現レベル(式1≧−0.132)の組み合わせについて、後の抗腫瘍治療の開始前の無増悪生存のカプランマイヤー曲線。実線は、プラセボ+ドセタキセルを表す。長鎖線は低用量ベバシズマブ(7.5mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。短鎖線は高用量ベバシズマブ(15mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。
局所的進行、再発性又は転移性のHER−2陰性乳癌について治療される患者において、プラセボとドセタキセル治療法に対するベバシズマブ(低又は高用量)治療法について、VEGFAとPLGFの低発現レベル(式2<−0.006)の組み合わせ及び高発現レベル(式2≧−0.006)の組み合わせについて、後の抗腫瘍治療の開始前の無増悪生存のカプランマイヤー曲線。実線は、プラセボ+ドセタキセルを表す。長鎖線は低用量ベバシズマブ(7.5mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。短鎖線は高用量ベバシズマブ(15mg/kgを3週間毎)+ドセタキセルを示す。
列番号1、VEGFAの典型的なアミノ酸配列
配列番号2、VEGFR2の典型的なアミノ酸配列。
配列番号3、PLGFの典型的なアミノ酸配列。
IMPACTチップ上で測定されるVEGF111,VEGF121,VEGF165及びVEGF189の増加する濃度の測定。
自動化Elecsys(登録商標アナライザー上でのElecsys(登録商標)アッセイを使用して測定されるVEGF110,VEGF121,及びVEGF165の増加する濃度の測定。
手術不能な局所進行/転移性の胃食道腺癌の治療を受けている患者において、コントロールのプラセボとカペシタビン/シスプラチン治療法に対するベバシズマブとカペシタビン/シスプラチン治療法について、高(>111pg/ml)発現レベル及び低(≦111pg/ml)発現レベルの両方について、マーカーVEGFAに対する全生存図13A)及び無増悪生存(図13B)についてのカプランマイヤー曲線。
手術不能な局所進行/転移性の胃/胃食道腺癌の治療を受けているアジア太平洋地域からの患者において、コントロールのプラセボとカペシタビン/シスプラチン治療法に対するベバシズマブとカペシタビン/シスプラチン治療法について、高(>111pg/ml)発現レベル及び低(≦111pg/ml)発現レベルの両方について、マーカーpVEGFAに対する全生存(図14A)及び無増悪生存(図14B)における治療効果との関連についてのカプランマイヤー曲線。
手術不能な局所進行/転移性の胃/胃食道腺癌の治療を受けている非アジア太平洋地域からの患者において、コントロールのプラセボとカペシタビン/シスプラチン治療法に対するベバシズマブとカペシタビン/シスプラチン治療法について、高(>111pg/ml)発現レベル及び低(≦111pg/ml)発現レベルの両方について、マーカーVEGFAに対する全生存(図15A)及び無増悪生存(図15B)における治療効果との関連についてのカプランマイヤー曲線。
転移性膵癌の治療を受けている患者において、コントロールプラセボとゲムシタビン−エルロチニブ治療法に対するベバシズマブとゲムシタビン−エルロチニブ治療法について、全生存(図16A)及び無増悪生存(図16B)についてのカプランマイヤー曲線。図中、実線は、ベバシズマブ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療を表し、破線はプラセボ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療法を表す。
転移性膵癌の治療を受けている患者おいて、コントロールプラセボとゲムシタビン−エルロチニブ治療法に対するベバシズマブとゲムシタビン−エルロチニブ治療法について、マーカーVEGFAについて全生存における治療効果との関係(図17A)及びマーカーVEGFAについて無増悪生存における治療効果との関係(図17B)について、高(≧152.9pg/ml)発現レベル及び低(<152.9pg/ml)発現レベルの両方についてのカプランマイヤー曲線。図中、実線は、ベバシズマブ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療を表し、破線はプラセボ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療法を表す。
転移性膵癌の治療を受けている患者において、コントロールプラセボとゲムシタビン−エルロチニブ治療法に対するベバシズマブとゲムシタビン−エルロチニブ治療法について、マーカーVEGFAとVEGFA2(図18A)について、高(式1≧−0.1)発現レベル及び低(式1<−0.1)発現レベルの両方を組み合わせた発現レベルとして、及びVEGFAとPLGF(図18B)について、高(式2≧−0.042)発現レベル及び低(式2<−0.042)発現レベルの両方を組み合わせた発現レベルとして、全生存における治療効果との関連についてのカプランマイヤー曲線。図中、実線は、ベバシズマブ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療を表し、破線はプラセボ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療法を表す。
転移性膵臓癌の治療を受けている患者において、コントロールプラセボとゲムシタビン−エルロチニブ治療法に対するベバシズマブとゲムシタビン−エルロチニブ治療法について、マーカーVEGFA及びVEGFR2(図19A)について、高(式1≧−0.1)及び低(式1<−0.1)発現レベルの両方の混合発現レベルとして、及びVEGFA及びPLGF(図19B)について、高(式2≧−0.042)及び低(式2<−0.042)発現レベルの両方の混合発現レベルとして、無増悪生存における治療効果との関連についてのカプランマイヤー曲線。図中、実線は、ベバシズマブ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療を表し、破線はプラセボ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療法を表す。
転移性膵臓癌の治療を受けている患者において、コントロールプラセボとゲムシタビン−エルロチニブ治療法に対するベバシズマブとゲムシタビン−エルロチニブ治療法について、マーカーVEGFA、VFGFR2及びPLGF(図20A)について、高(式3≧0.837)及び低(式3<0.837)発現レベルの両方の混合発現レベルとして、全生存における治療効果との関連についてのカプランマイヤー曲線、及びVEGFA、VFGFR2及びPLGF(図20B)について、高(式3≧0.837)及び低(式3<0.837)発現レベルの両方の混合発現レベルとして、無増悪生存における治療効果との関連についてのカプランマイヤー曲線。図中、実線は、ベバシズマブ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療を表し、破線はプラセボ/ゲムシタビン−エルロチニブ治療法を表す。
IMPACTアッセイで2回測定された同一患者由来EDTAサンプルとクエン酸塩サンプルからのデータVEGFA濃度は、EDTA−クエン酸塩法比較のスピアマン相関が約0.8で、クエン酸塩よりもEDTA血漿が約40%高い。

0016

好適な実施態様の詳細な説明
I.序論

0017

本発明は、VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法への応答可能性の増大を有する患者を同定するための方法を提供する。

0018

II.定義
ある実施態様では、用語「増加」又は「上回る」は、ここに記述された方法によって検出されるVEGF121のレベルにおいて、基準サンプルからのVEGF121のレベルに比べて、基準レベルを超えたレベル又は5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、100%又はそれ以上の全体的増加を指す。ある実施態様にて、その用語は、VEGF121レベルの増加を指し、その増加が、例えば基準サンプルから予め決められたVEGF121のレベルに比べて、少なくとも約1.5、1.75、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、75、80、90、又は100倍高い。好ましい実施態様にて、用語「増加したレベル」は、基準レベルの値か又はそれを超えた値を指す。

0019

ある実施態様では、用語「減少」又は「下回る」は、ここに記述された方法によって検出されるVEGF121及びVEGF110のレベルにおいて、基準サンプルからのVEGF121のレベルに比べて、基準レベルを下回るレベル又は5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の全体的減少を指す。ある実施態様において、用語「減少」は、VEGF121のレベルの減少を指し、ここでその減少レベルは、基準サンプルからのVEGF121のレベルのたかだか約0.9倍、0.8倍、0.7倍、0.6倍、0.5倍、0.4倍、0.3倍、0.2倍、0.1倍、0.05倍、又は0.01倍である。

0020

ある実施態様では、用語「基準レベルで」とは、基準サンプルから、ここで記載の方法で検出されたVEGF121のレベルと同じであるレベルを指す。

0021

ある実施態様では、用語「基準レベル」はここでは予め決められた値を指す。当業者には理解されるように、基準レベルは予め決められており、例えば特異性及び/又は感受性の観点からその要件を満たすように設定される。これらの要件は、例えば規制機関から規制機関へと変化させることができる。アッセイの感度又は特異性が、それぞれ所定の限界、例えば、80%、90%又は95%に設定されねばならないかもしれない。これらの要件は、正又は負の予測値を単位として定義することができる。にもかかわらず、本発明に与えられた教えに基づいて、これらの要件を満たす基準レベルに到達することが常に可能となる。一実施態様にて、基準レベルは健常な個体にて決定される。一実施態様における基準レベルは、患者の属する疾患実体にて予め決められている。ある実施態様では、基準レベルは、調査される疾患実体における値の全体的分布の25%から75%の間の任意の割合に設定されることができる。他の実施態様では、基準レベルは、調査される疾患実体における値の全体的分布から決定される、中央値三分位数又は四分位数に例えば設定されることができる。一実施態様では、基準レベルは、調査される疾患実体における値の全体的分布から決定される、中央値に設定される。

0022

本発明の文脈において、「VEGF」、「VEGFA」又は「VEGF−A」は、図8(Swiss Protアクセッション番号P15692,Gene ID(NCBI):7422)に示される配列番号1に例示される血管内皮増殖因子タンパク質Aを指す。用語「VEGFA」は、配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質並びにそのホモログ及びアイソフォーム包含する。用語「VEGF−A」はまた、既知のアイソフォーム例えばVEGF−Aのスプライスアイソフォーム、例えば、VEGF121,VEGF145,VEGF165,VEGF189及びVEGF206、併せて天然に生じる対立遺伝子やそのプロセスされた形態をも包含し、Ferrara Mol. Biol. Cell 21:687 (2010)及びLeung et al. Science 246:1306 (1989), 及びHouck et al. Mol. Endocrin. 5:1806 (1991)に記載されるように、VEGF165のプラスミン開裂により生成する110アミノ酸ヒト血管内皮細胞増殖因子を含む。本発明の文脈において、用語「VEGF−A」はまた、変異体タンパク質(アイソフォームを含む)、ホモログタンパク質、及び/又は断片が、一以上のVEGF−A特異的抗体、例えば、Bender Relia Tech and R&D Systemsから入手できる抗体クローン3C5及び26503、及びKim et al., Growth Factors 7(1): 53-64 (1992に記載のA4.6.1などによって認識されることを条件として、その変異体及び/又はホモログ並びにVEGF−Aの断片をも包含する。本発明の文脈において、用語VEGFの「アイソフォーム」、VEGFA又はVEGF−Aは、スプライスアイソフォーム及び(例えばプラスミンによる)酵素開裂により生成される形態の両方を指す。

0023

本発明の文脈において、「VEGFR2」は、図9(Swiss Protアクセッション番号P35968,Gene ID(NCBI):3971)に示される配列番号2に例示される血管内皮増殖因子受容体2を指す。用語「VEGFR2」は、配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質並びにそのホモログ及びアイソフォームを包含する。本発明の文脈において、用語「VEGFR2」はまた、変異体タンパク質(アイソフォームを含む)、相同性タンパク質及び/又は断片が、R&D Systemsから入手可能な抗体クローンの89115及び89109などの一以上のVEGFR2特異的抗体により認識されることを条件として、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%の相同性を有するタンパク質、又はその変異体及び/又はホモログ並びにその配列の断片を包含する。

0024

本発明の文脈において、「PLGF」は、図10(Swiss Protアクセッション番号P49763,Gene ID(NCBI):5228)に示される配列番号3に例示される胎盤増殖因子を指す。用語「PLGF」は、配列番号3のアミノ酸配列を有するタンパク質並びにそのホモログ及びアイソフォームを包含する。本発明の文脈において、用語「PLGF」はまた、変異体タンパク質(アイソフォームを含む)、相同性タンパク質及び/又は断片が、ロシュダイアグスティックス社(Roche Diagnostics GmbH)から入手可能な抗体クローンの2D6D5及び6A11D2などの一以上のPLGF特異的抗体により認識されることを条件として、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%の相同性を有するタンパク質、又はその変異体及び/又はホモログ並びにその配列の断片を包含する。

0025

用語「VEGF」とは、非ヒト種、例えば、マウスラットまたは霊長類由来のVEGFをも指す。ときには、特定の種由来のVEGFは、ヒトVEGFに対するhVEGF、マウスVEGFに対するmVEGFなどの用語として記載される。用語「VEGF」は、165アミノ酸のヒト血管内皮細胞成長因子のアミノ酸8〜109または1〜109を含むポリペプチド切断型のことを指すためにも使用される。そのような形態のVEGFのいずれかに対する言及は、本願において例えば、「VEGF(8−109)」、「VEGF(1−109)」または「VEGF165」によって特定され得る。「切断型」天然VEGFに対するアミノ酸位置は、天然VEGF配列において示されるように番号付けされる。例えば、切断型天然VEGFにおけるアミノ酸17位(メチオニン)は、天然VEGFにおいても17位(メチオニン)である。切断型天然VEGFは、KDRおよびFlt−1レセプターに対して天然VEGFに匹敵する結合親和性を有する。好ましい実施態様において、VEGFはヒトVEGFである。

0026

「VEGFの生物学的活性」は、任意のVEGF受容体への結合、または正常な血管新生および血管形成ならびに異常な血管新生および血管形成の両方の調節等、任意のVEGFシグナル伝達活性(FerraraおよびDavis−Smyth(1997)Endocrine Rev.18:4〜25;Ferrara(1999)J.Mol.Med.77:527〜543);の血管形成および血管新生の促進(Carmelietら(1996)Nature 380:435〜439;Ferraraら(1996)Nature 380:439〜442);さらに、雌の生殖器系における、ならびに骨の成長および軟骨の形成のための周期性血管増殖の調節(Ferraraら(1998)Nature Med.4:336〜340;Gerberら(1999)Nature Med.5:623〜628)を含む。血管新生および血管形成における血管新生因子であることに加え、VEGFは、多面的な増殖因子として、内皮細胞の生存、血管透過性および血管拡張単核球走化性、ならびにカルシウムの流入等のその他の生理学的プロセスにおいて、複数の生物学的な作用を示す(FerraraおよびDavis−Smyth(1997)、上記、ならびにCebe−Suarezら Cell.Mol.Life Sci.63:601〜615(2006))。さらに、最近の研究からは、網膜色素上皮細胞膵管細胞およびシュワン細胞等のいくつかの非内皮細胞型に対するVEGFの分裂促進作用も報告されている。Guerrinら(1995)J.Cell Physiol.164:385〜394;Oberg−Welshら(1997)Mol.Cell.Endocrinol.126:125〜132;Sondellら(1999)J.Neurosci.19:5731〜5740。

0027

「VEGFアンタゴニスト」又は「VEGF特異的アンタゴニスト」は、VEGFへ結合し、VEGF発現レベルを低減させ、又は一又は複数のVEGFレセプターへの結合、VEGF媒介性の血管新生及び血管内皮細胞生存又は増殖を含むがこれに限定されないVEGFの生物学的活性を中和遮断阻害無効化、低減又は干渉することができる分子を指す。本発明の方法において有用なVEGF特異的アンタゴニストとして含まれるのは、VEGFに特異的に結合するポリペプチド、VEGFレセプターに特異的に結合するポリペプチド、抗VEGF抗体、及びその抗原結合断片、VEGFに特異的に結合しそれによって一又は複数のレセプターへの結合を隔離するレセプター分子及びその誘導体融合タンパク質(例えばVEGF−Trap(Regeneron))、及びVEGF121−ゲロニン(Peregrine)が含まれる。VEGF特異的アンタゴニストはまた、VEGFポリペプチドのアンタゴニスト変異体、VEGFに対するアンチセンス核酸塩基オリゴマー、VEGFに対する低分子RNA分子RNAアプタマーペプチボディ(peptibodies)、及びVEGFに対するリボザイムストリンジェントな条件下で、VEGF又はVEGFレセプターをコードする核酸配列ハイブリダイズする核酸(例えばRNAi)、イムノアドヘシン、抗VEGFレセプター抗体及びVEGFRチロシンキナーゼの小分子阻害剤などのVEGFレセプターアンタゴニストを含む。一つの好ましい実施態様において、VEGFアンタゴニストはVEGFに結合し、インビトロでのVEGF誘導性内皮細胞増殖を阻害する。一つの好ましい実施態様において、VEGFアンタゴニストはVEGF又はVEGFレセプターに非VEGF又は非VEGFレセプターよりも高親和性で結合する。一つの好ましい実施態様において、VEGFアンタゴニストはVEGF又はVEGFレセプターに、Kdが1uM及び1pMの間で結合する。その他の好ましい実施態様において、VEGFアンタゴニストはVEGF又はVEGFレセプターに、500nM及び1pMの間で結合する。VEGF特異的アンタゴニストには、VEGFと結合して、VEGF生物学的活性を遮断、阻害、抑制、低減又は干渉することができる非ペプチド小分子も含まれる。ゆえに、「VEGF活性」なる用語は、特にVEGFのVEGF媒介性生物学的活性を含む。ある実施態様では、VEGFアンタゴニストは、VEGFの発現レベル又は生物学的活性を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上低減又は阻害する。

0028

好ましい実施態様において、VEGFアンタゴニストは、抗体、ペプチボディ、イムノアドヘシン、小分子またはアプタマーなどのポリペプチドから選択される。好ましい実施態様において、抗体は、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))または抗VEGFR2または抗VEGFR3抗体などの抗VEGF受容体抗体などの抗VEGF抗体である。VEGFアンタゴニストの他の例は次のとおりである:VEGF−Trap,Mucagen,PTK787,SU11248,AG−013736,Bay 439006(sorafenib),ZD−6474,CP632,CP−547632,AZD−2171,CDP−171,SU−14813,CHIR−258,AEE−788,SB786034,BAY579352,CDP−791,EG−3306,GW−786034,RWJ−417975/CT6758及びKRN−633.

0029

「抗VEGF抗体」は、十分な親和性及び特異性でVEGFに結合する抗体である。ある実施態様において、選択される抗体は通常VEGFに十分な結合親和性を有し、例えば、抗体はhVEGFにKd値が100nMから1pMの間で結合しうる。抗体の親和性は、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えばPCT出願公開番号第2005/012359号に記載されてビアコアアッセイなど);酵素結合免疫吸着検定法ELISA);及び競合アッセイ(例えばRIA)により決定することができる。好ましくは、本発明の抗VEGF抗体は、VEGF活性が関与している疾患又は症状を標的とすること及び妨げることにおける治療剤として使用することができる。抗VEGF抗体は通常、VEGF−B又はVEGF−Cなどの他のVEGFホモログにも、PIGF、PDGF又はbFGFなどの他の増殖因子にも結合しないであろう。好ましい抗VEGF抗体は、ハイブリドーマATCCHB10709によって産生されるモノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体である。より好ましくは、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(BV;AVASTIN(登録商標))として知られる抗体を含むがこれに限定されない、Presta et al. (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599に従って生成される組換えヒト化抗VEGFモノクローナル抗体である。その他の実施態様において、使用可能な抗VEGF抗体は、限定されないが、国際公開第2005/012359号に開示された抗体を含む。一実施態様において、抗VEGF抗体は、国際公開第2005/012359号の図24、25、26、27、29に開示された抗体(例えば、G6 G6−23、G6−31、G6−23.1、G6−23.2、B20、B20−4及びB20.4.1)のいずれか1つの可変重鎖および可変軽領域を含む。その他の好ましい実施態様において、ラニビズマブとして知られている抗VEGF抗体は、糖尿病性神経障害及びAMDなどの眼疾患のために投与するVEGFのアンタゴニストである。

0030

ある実施態様において、本発明の抗VEGF抗体は、VEGF活性が関与している疾患又は症状を標的とすること及び妨げることにおける治療剤として使用することができる。また、抗体は、例えば治療としての有効性を評価するために、他の生物学的活性アッセイを施してもよい。このようなアッセイは、当技術分野で公知であり、標的抗原に依存し、抗体としての使用を意図している。例として、HUVEC阻害アッセイ、腫瘍細胞増殖阻害アッセイ(例えば、国際公開第89/06692号に記載);抗体依存性細胞傷害ADCC)および補体媒介性細胞傷害(CDC)アッセイ(米国特許第5500362号);及びアゴニスト活性又は造血アッセイ(国際公開第95/27062号を参照)。抗VEGF抗体は通常、VEGF−B又はVEGF−Cなどの他のVEGFホモログにも、PIGF、PDGF又はbFGFなどの他の増殖因子にも結合しないであろう。一実施態様において、抗VEGF抗体は、ハイブリドーマATCCHB10709によって産生されるモノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体である。その他の実施態様において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(BV;AVASTIN(登録商標))として知られる抗体を含むがこれに限定されない、Presta et al. (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599に従って生成される組換えヒト化抗VEGFモノクローナル抗体である。

0031

「rhuMAbVEGF」又は「アバスチン(登録商標)」としても知られる抗VEGF抗体「ベバシズマブ(BV)」は、Presta et al. (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599に従って生成される組換えヒト化抗VEGFモノクローナル抗体である。これは、ヒトVEGFのそのレセプターへの結合をブロックするマウス抗hVEGFモノクローナル抗体A4.6.1由来の抗原結合相性決定領域と変異したヒトIgGフレームワーク領域を含有する。ほとんどのフレームワーク領域を含む、ベバシズマブのおよそ93%のアミノ酸配列はヒトIgG1由来のものであり、配列のおよそ7%はマウス抗体A4.6.1由来である。ベバシズマブは、およそ149000ダルトン分子質量であり、グリコシル化される。ベバシズマブ及び他のヒト化抗VEGF抗体は米国特許第6884879号及び国際公開第2005/044853号に更に記載されている。

0032

抗VEGF抗体ラニビズマブ又はルセンティス(登録商標)抗体またはrhuFabV2は、ヒト化、親和性成熟抗ヒトVEGFFab断片である。ラニビズマブは、大腸菌発現ベクター及び細菌発酵における標準的な組換え術法によって製造される。ラニビズマブはグリコシル化されておらず、〜48000ダルトンの分子量を有する。国際公開第98/45331号及び米国特許出願公開第20030190317号を参照。

0033

2つの最も良好に特徴付けられたVEGFレセプターは、VEGFR1(別名Flt−1)およびVEGFR2(別名マウスホモログのKDRおよびFLK−1)である。各々のVEGFファミリメンバーの各々のレセプターの特異性は変化するが、VEGF−AはFlt−1およびKDRに結合する。完全長Flt−1レセプターは、7つのIgドメインを有する細胞外ドメイン膜貫通ドメイン、およびチロシンキナーゼ活性を有する細胞ドメインを含む。細胞外ドメインはVEGFの結合に関与しており、細胞内ドメインはシグナル伝達に関与している。

0034

VEGFに特異的に結合するVEGFレセプター分子又はその断片は、VEGFタンパク質に結合して隔離し、それによってシグナル伝達を妨げるVEGFインヒビターとして用いられうる。ある実施態様では、VEGFレセプター分子又はそのVEGF結合断片は、可溶型、例えばsFlt−1である。レセプターの可溶型は、VEGFに結合して標的細胞の表面上に存在する天然のレセプターへのその結合を妨げることによって、VEGFタンパク質の生物活性に対して阻害作用を及ぼす。また、VEGFレセプター融合タンパク質も包含され、その例を後述する。

0035

キメラVEGFレセプタータンパク質は、少なくとも2つの異なるタンパク質由来のアミノ酸配列を有するレセプター分子であり、そのうちの少なくとも1はVEGFレセプタータンパク質(例えばflt−1又はKDRレセプター)であり、VEGFに結合してVEGFの生物活性を阻害することができる。ある実施態様では、本発明のキメラVEGFレセプタータンパク質は、2つの異なるVEGFレセプター分子だけから得られるアミノ酸配列からなるが、flt−1及び/又はKDRレセプターの細胞外リガンド結合領域の1、2、3、4、5、6又は7つすべてのIg様ドメインを含むアミノ酸配列は、他の無関係なタンパク質、例えば免疫グロブリン配列のアミノ酸配列に連結されうる。Ig様ドメインが結合される他のアミノ酸配列は、当業者に容易に明らかであろう。キメラVEGFレセプタータンパク質の例には、限定するものではないが、可溶性Flt−1/Fc、KDR/Fc又はFLt−1/KDR/Fc(別名VEGF Trap)が含まれる。(例としてPCT出願公開番号WO97/44453を参照のこと)。

0036

可溶性VEGFレセプタータンパク質又はキメラVEGFレセプタータンパク質には、膜貫通ドメインを介して細胞の表面に固定されていないVEGFレセプタータンパク質が含まれる。また、キメラレセプタータンパク質を含むVEGFレセプターの可溶型は、VEGFに結合してVEGFを不活性化することができるが、膜貫通領域を含んでおらず、したがって一般に、この分子が発現される細胞の細胞膜に結合したものとならない。

0037

他のVEGFインヒビターは、例えば国際公開第99/24440、PCT国際出願PCT/IB99/00797号、国際公開第95/21613号、国際公開第99/61422号、米国特許第6534524号、米国特許第5834504号、国際公開第98/50356号、米国特許第5883113号、米国特許第5886020号、米国特許第5792783号、米国特許第6653308号、国際公開第99/10349号、国際公開第97/32856号、国際公開第97/22596号、国際公開第98/54093号、国際公開第98/02438号、国際公開第99/16755号、及び国際公開第98/02437号に記載されており、これらすべては出典明記によってその全体がここに援用される。

0038

ここで使用される「B20シリーズポリペプチド」なる用語は、VEGFに結合する抗体を含むポリペプチドを意味する。B20シリーズポリペプチドには、限定するものではないが、米国特許出願公開第20060280747号、米国特許出願公開第20070141065号及び/又は米国特許出願公開第20070020267号に記載されたB20抗体又はB20誘導抗体の配列に由来する抗体が含まれ、これらの特許出願の内容は出典明示により明示的にここに援用される。一実施態様では、B20シリーズポリペプチドは、米国特許出願公開第20060280747号、米国特許出願公開第20070141065号及び/又は米国特許出願公開第20070020267号に記載されたB20−4.1である。他の実施態様において、B20シリーズポリペプチドは米国特許出願番号60/991302号に記載されたB20-4.1.1であり、この開示内容の全体は出典明示により明示的にここに援用される。

0039

ここで使用される「G6シリーズポリペプチド」なる用語は、VEGFに結合する抗体を含むポリペプチドを指す。G6シリーズポリペプチドには、限定するものではないが、米国特許公開第20060280747号、米国特許公開第20070141065号及び/又は米国特許公開第20070020267号に記載されたG6抗体又はG6由来の抗体の配列から由来する抗体が含まれる。米国特許公開第20060280747号、米国特許公開第20070141065号及び/又は米国特許公開第20070020267号に記載されたG6シリーズポリペプチドには、限定するものではないが、G6-8、G6-23及びG6-31が含まれる。

0040

更なる抗体については、米国特許第7060269号、同第6582959号、同第6703020号;同第6054297号;国際公開98/45332;国際公開96/30046;国際公開94/10202;欧州特許第0666868号B1;米国特許公開2006009360、20050186208、20030206899、20030190317、20030203409及び20050112126;及びPopkov et al., Journal of Immunological Methods288:149-164 (2004)を参照のこと。ある実施態様では、他の抗体には、残基F17、M18、D19、Y21、Y25、Q89、I91、K101、E103およびC104を含むか、あるいは残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、I83およびQ89を含むヒトVEGF上の機能的エピトープに結合するものを含む。

0041

他の抗VEGF抗体もまた知られており、例えば、Liang et al., J Biol Chem 281, 951-961 (2006)に記載される。

0042

抗癌剤による治療に対する、患者の「有効な応答」又は患者の「応答性」又は「感受性」は、抗VEGF抗体などの抗癌剤による治療の結果、又は治療により、癌のリスクがあるか、又は癌に罹患している患者に付与された臨床的又は治療上の利益を言う。このような利点は、細胞性応答又は生物学的応答完全寛解、部分寛解、安定した疾患(進行又は再発なし)、又はアンタゴニストによる治療により、又は治療の結果、患者の後に再発した応答を含む。例えば、有効な応答は、腫瘍の大きさ、無増悪生存、又は全生存を縮小することができる。

0043

明細書中で使用されるアンタゴニストは、それらが結合する分子の生物学的活性を阻害又は低下させる化合物又は薬剤を言う。アンタゴニストは、VEGFに結合し、場合によっては他の分子に結合し又は融合した、合成によるペプチド又は天然配列のペプチド、イムノアドヘシン、及び小分子アンタゴニストを含む。「ブロッキング」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は阻害又はそれが結合する抗原の生物学的活性を減少させるものである。

0044

本明細書中で用いる「アゴニスト抗体」は、対象のポリペプチドの機能的な活性の少なくとも一つを部分的に又は完全に模倣する抗体である。

0045

本明細書中の「抗体」は最も広義に用いられ、具体的には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成される多特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及び所望の生物学的活性を表す限りにおける抗体断片を包含する。

0046

ある実施態様において、本明細書で与えられた方法中でVEGFアンタゴニストとして使用される抗体は、例えば2重特異性抗体などの多重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある実施態様において、結合特異性の一つはVEGFに対してであり、他は任意の他の抗原に対してである。ある実施態様において、二重特異性抗体は、VEGFの2つの異なるエピトープに結合することができる。二重特異性抗体はまたVEGFを発現する細胞に細胞傷害性薬物局在化するために用いることができる。二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片として調製することができる。

0047

多重特異性抗体を作製するための技術は、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え共発現(Milstein, C. and Cuello, A.C., Nature 305 (1983) 537-540,国際公開第93/08829号、及びTraunecker, A. et al.,EMBO J. 10 (1991) 3655-3659を参照)及び「knob−in−hole」エンジニアリング(例えば、米国特許第5731168号を参照)を含む。多重特異抗体はまた、抗体のFc−ヘテロ2量体分子を作成するための静電ステアリング効果を操作すること(国際公開第2009/089004号);2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば米国特許第4676980号、及びBrennan, M. et al., Science 229 (1985) 81-83を参照);2重特異性抗体を生成するためにロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny, S.A. et al., J. Immunol. 148 (1992) 1547-1553を参照);二重特異性抗体フラグメントを作製するため、「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Holliger, P. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 6444-6448を参照);及び単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruber, M et al., J. Immunol. 152 (1994) 5368-5374を参照);及び、例えばTutt, A. et al., J. Immunol. 147 (1991) 60-69に記載されているように、三重特異性抗体を調製することによって作成することができる。

0048

オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能性抗原結合部位を持つ改変抗体もまた本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576号を参照)。

0049

本明細書中の抗体又は断片はまた、VEGF並びにその他の異なる抗原(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号参照)に結合する抗原結合部位を含む、「2重作用(Dual Acting)FAb」又は「DAF」を含む。

0050

本明細書に与えられる方法においてVEGFアンタゴニストとして使用される抗体又は抗体断片はまた、国際公開第2009/080251号、国際公開第2009/080252号、国際公開第2009/080253号、国際公開第2009/080254号、国際公開第2010/112193号、国際公開第2010/115589号、国際公開第2010/136172号、国際公開第2010/145792、及び国際公開第2010/145793に記述される多重特異性抗体を含む。二重特異性VEGF抗体の例は、例えば国際公開第2010/040508(VEGF−ANG2)号、PCT/EP2011/054504(VEGF−ANG2)号、国際公開第2005/087812(VEGF−PDGF)号、国際公開第2009120922(VEGF−PDGFRベータ)号、国際公開第2011/039370(VEGF−DII4)に記述されている。

0051

「単離された」抗体とは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、抗体の研究、診断又は治療的な使用を妨害する物質であり、酵素ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質溶質が含まれる。幾つかの実施態様では、抗体は、(1)例えばローリー法で測定した場合、抗体の95重量%を超えるまて、及び幾つかの実施態様では99重量%を超えるまで、(2)例えばスピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに十分なほどに、又は、(3)例えばクーマシーブルー又は銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEにより均一になるまで十分なほど精製される。その自然環境の少なくとも一の成分が存在しないため、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイツでの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体又は他のポリペプチドは少なくとも一の精製工程により調製される。

0052

「天然抗体」は、通常、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなる、約150000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は一つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合しており、ジスルフィド結合の数は、異なった免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の中で変化する。また各重鎖と軽鎖は、規則的に離間した鎖間ジスルフィド結合を有している。各重鎖は、多くの定常ドメインが続く可変ドメイン(VH)を一端に有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を、他端に定常ドメインを有する;軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間のインターフェイスを形成すると考えられている。

0053

抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを意味する。重鎖の可変ドメインは「VH」と称されうる。軽鎖の可変ドメインは「VL」と称されうる。これらのドメインは一般に抗体の最も可変の部分であり、抗原結合部位を含む。

0054

「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体の中で配列が広範囲に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメインにわたって一様には分布していない。それは、軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方の高頻度可変領域(HVR)と呼ばれる3つのセグメントに集中される。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインの各々は、主としてβ-シート立体構造をとり、3つの高頻度可変領域によって連結され、β-シート構造を連結し、場合によってはその一部を形成することもある4つのFRを含む。各鎖のHVRはFRによって極く近傍に一緒に保持され、他の鎖からのHVRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)を参照)。定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接は関係しないが、例えば抗体依存性細胞傷害への抗体の関与のような様々なエフェクター機能を示す。

0055

任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパκ)及びラムダ(λ)と呼ばれる明確に区別される2つのタイプのタイプを割り当てることができる。

0056

それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、抗体(免疫グロブリン)は、異なるクラスに割り当てることができる。抗体の5つの主要なクラスがあり:IgAIgDIgE、IgG及びIgM、及びこれらのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2に、IgG3、IgG4、IGA1、及びIgA2に分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元立体配位はよく知られており、例えば、Abbas等.Cellular and Mol. Immunology, 第4版(2000)(W.B. Saunders, Co., 2000)に記述されている。抗体は、抗体と一以上の他のタンパク質又はペプチドとの共有結合性又は非共有結合性会合により形成されたより大きな融合分子の一部であり得る。

0057

「完全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、実質的にインタクトな形態の抗体を指し、以下に定義される抗体断片ではない。この用語は、特にFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。

0058

本明細書中の「ネイキッド抗体」は、細胞障害性部分にコンジュゲートしていないか又は放射性標識されていない抗体である。

0059

「抗体断片」は、好ましくは抗原結合領域を含む、インタクトな抗体の一部を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2及びFv断片;ダイアボディ;線形抗体;単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多特異性抗体が含まれる。

0060

抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab')2断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。

0061

「Fv」は、完全な抗原結合部位を含む最小抗体断片である。一実施態様において、二本鎖Fv種は、堅固な非共有結合をなした一つの重鎖及び一つの軽鎖可変ドメイン二量体からなる。一本鎖Fv(scFv)種では、柔軟なペプチドリンカーによって1の重鎖及び1の軽鎖可変ドメインは共有結合性に連結することができ、よって軽鎖及び重鎖は、二本鎖Fv種におけるものと類似の「二量体」構造に結合することができる。この配置において、各可変ドメインの3つのHVRは相互作用し、VH-VL二量体の表面に抗原結合部位を形成する。集合的に、6つのHVRが抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な3つのHVRのみを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも親和性が低くなるが、抗原を認識して結合する能力を有している。

0062

Fab断片は、重鎖及び軽鎖の可変ドメインを含み、また軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第一定常ドメイン(CH1)を有する。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端数個の残基が付加している点でFab断片とは異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が一つの遊離チオール基を担持しているFab'に対するここでの命名である。F(ab')2抗体断片は、間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として生産された。また、抗体断片の他の化学結合も知られている。抗体断片の他の化学結合も知られている。

0063

「一本鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。通常、scFvポリペプチドはVH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーを更に含み、それはscFvが抗原結合に望まれる構造を形成するのを可能にする。scFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York,頁 269-315 (1994)のPluckthunを参照のこと。

0064

「ダイアボディ」なる用語は、2つの抗原結合部位を持つ抗体断片を指し、その断片は同一のポリペプチド鎖(VH−VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に重鎖可変ドメイン(VH)が結合してなる。非常に短いために同一鎖上で2つのドメインの対形成ができないリンカーを使用して、ドメインを他の鎖の相補ドメインと強制的に対形成させ、2つの抗原結合部位を創製する。ダイアボディは二価でも二特異性であってもよい。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404097号;国際公開第1993/11161号;Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003);及びHollinger et al., PNAS USA 90: 6444-6448 (1993)に更に詳細に記載されている。トリアディ及びテトラボディもまた Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。

0065

ここで使用される「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団に含まれる個々の抗体は、少量で存在しうる可能性がある突然変異、例えば自然に生じる突然変異を除いて同一である。従って、「モノクローナル」との形容は、別々の抗体の混合物ではないという抗体の性質を示す。ある実施態様では、このようなモノクローナル抗体は、通常、標的に結合するポリペプチド配列を含む抗体を含み、この場合、標的に結合するポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列から単一の標的結合ポリペプチド配列を選択することを含むプロセスにより得られる。例えば、この選択プロセスは、雑種細胞クローン、ファージクローン又は組換えDNAクローンのプールのような複数のクローンからの、唯一のクローンの選択とすることができる。選択された標的結合配列は、例えば標的への親和性の向上、標的結合配列のヒト化、細胞培養液中におけるその産生の向上、インビボでの免疫原性の低減、多選択性抗体の生成等のために更に変化させることができ、変化させた標的結合配列を含む抗体もまた、本発明のモノクローナル抗体である。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体の調製物とは異なり、モノクローナル抗体の調製物の各モノクローナル抗体は、抗原の単一の決定基に対するものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体の調製物は、それらが他の免疫グロブリンで通常汚染されていないという点で有利である。

0066

「モノクローナル」との形容は、抗体の、実質的に均一な抗体の集団から得られたものであるという特性を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないと解釈されるべきものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は様々な技術によって作製することができ、それらの技術には、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein, Nature, 256:495-97 (1975);Hongo等, Hybridoma, 14 (3): 253-260 (1995);Harlow等, Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988);Hammerling等: Monoclonal Antibodies and T-Cell hybridomas 563-681 (Elsevier, N. Y., 1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4816567号参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson等, Nature, 352:624-628 (1991);Marks等, J. Mol. Biol. 222:581-597 (1992);Sidhu等, J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004);Lee等, J. Mol. Biol. 340(5);1073-1093 (2004);Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34):12467-12472 (2004);及びLee等, J. Immounol. Methods284(1-2): 119-132 (2004))、並びに、ヒト免疫グロブリン座位の一部又は全部、又はヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子を有する動物にヒト又はヒト様抗体を生成する技術(例えば、国際公開第1998/24893号;国際公開第1996/34096号;国際公開第1996/33735号;国際公開第1991/10741号;Jakobovits等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2551 (1993);Jakobovits等, Nature 362: 255-258 (1993);Bruggemann等, Year in Immunol. 7:33 (1993);米国特許第5545807号;同第5545806号;同第5569825号;同第5625126号;同第5633425号;同第5661016号; Marks等, Bio.Technology 10: 779-783 (1992);Lonberg等, Nature 368: 856-859 (1994);Morrison, Nature 368: 812-813 (1994);Fishwild等, Nature Biotechnol. 14: 845-851 (1996);Neuberger, Nature Biotechnol. 14: 826 (1996)及びLonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13: 65-93 (1995)参照)が含まれる。

0067

本発明のモノクローナル抗体は、具体的には「キメラ」抗体を含み、重鎖及び/又は軽鎖の一部は、特定の種由来又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体において、対応する配列と同一又は相同であり、残りの鎖は、所望の生物学的活性を表す限り、他の種由来又は他の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体、並びにそのような抗体の断片において、対応する配列と同一又は相同である(米国特許第4816567号;及びMorrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855(1984))。キメラ抗体には、抗体の抗原結合領域が例えば対象の抗原をマカクザル免疫投与することによって作製される抗体に由来する、PRIATIZED(登録商標)抗体が含まれる。

0068

非ヒト(例えばマウス)の抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。一実施態様において、ヒト化抗体は、レシピエントのHVRからの残基が、望まれる特異性、親和性、及び/又は能力を有するマウス、ラット又はウサギのようなヒト以外の種(ドナー抗体)のHVRからの残基によって置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。幾つかの例においては、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非−ヒト残基によって置き換えられる。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体にも見出されない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体の性能を更に精密化するためになされる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、超可変ループの全て又は実質的に全てが、非ヒト抗体のものに対応し、FRの全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫グリブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、任意で、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的には、ヒト免疫グロブリンのそれを含むであろう。更なる詳細については、Jones et al.,Nature,321:522-525(1986);Reichmann et al.,Nature,332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593-596(1992)を参照。また、例えば、Vaswani and Hamilton, Ann. Allergy, Asthma & Immunol. 1:105-115 (1998); Harris, Biochem. Soc. Transactions 23:1035-1038 (1995); Hurle and Gross, Curr. Op. Biotech. 5:428-433 (1994); 及び米国特許第6982321号及び第7087409号も参照。

0069

ヒト抗体」は、ヒトによって生産される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するもので、及び/又はここで開示されたヒト抗体を製造するための何れかの技術を使用して製造されたものである。ヒト抗体のこの定義は、特に非ヒト抗原結合残基を含んでなるヒト化抗体を除く。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリを含む、当該分野で知られている様々な技術を使用して生産することが可能である。Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227:381 (1991);Marks et al., J. Mol. Biol., 222:581 (1991)。また、Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, 頁77 (1985);Boerner et al., J. Immunol., 147(1): 86-95 (1991)において記述される方法は、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用できる。van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol., 5: 368-74 (2001)も参照のこと。ヒト化抗体は、抗原刺激に応答して抗体を産生するように修飾されているが、その内在性遺伝子座が無効になっているトランスジェニック動物、例えば免疫化ゼノマウスに抗原を投与することによって調製することができる(例として、XENOMOUSETM技術に関する米国特許第6075181号及び同第6150584号を参照)。例えば、ヒトのB細胞ハイブリドーマ技術によって生成されるヒト抗体に関するLi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)も参照のこと。

0070

本明細書で使用される用語「超可変領域」、「HVR」又は「HV」は、配列が超可変であるか、及び/又は構造的に定まったループを形成する抗体可変ドメインの各領域を指す。一般に、抗体は6つのHVRを含み;VHに3つ(H1、H2、H3)、VLに3つ(L1、L2、L3)である。天然の抗体では、H3及びL3は6つのHVRのうちで最も高い多様性を示し、特にH3は抗体に良好な特異性を与える際に特有役割を果たすと考えられている。例としてXu等 (2000) Immunity 13:37-45;Methodsin Molecular Biology 248:1-25 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ)のJohnson and Wu (2003)を参照。実際、重鎖のみからなる天然に生じるラクダ科の抗体は機能的であり、軽鎖が無い状態で安定である。例えば、Hamers-Casterman et al., Nature 363:446-448 (1993) 及びSheriff et al., Nature Struct. Biol. 3:733-736 (1996)を参照。

0071

多数のHVRの描写が使用され、ここに含まれる。Kabat相補性決定領域(CDR)であるHVRは配列変化に基づいており、最も一般的に使用されている(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置に言及している(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。AbM HVRは、KabatのCDR及びChothiaの構造的ループの間の折衷を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」HVRは、利用できる複合体結晶構造の分析に基づく。これらのHVRのそれぞれに由来する残基を以下に示す。

0072

0073

HVRは、次のような「拡大HVR」を含むことができる、即ち、VLの24−36又は24−34(L1)、46−56又は50−56(L2)及び89−97又は89−96(L3)と、VHの26−35(H1)、50−65又は49−65(H2)及び93−102、94−102、又は95−102(H3)である。可変ドメイン残基には、これら拡大HVRの各々を規定するために、上掲のKabat等に従って番号を付した。

0074

「フレームワーク」又は「FR」残基は、ここで定義する高頻度可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基である。

0075

「Kabatによる可変ドメイン残基番号付け」又は「Kabatに記載のアミノ酸位番号付け」なる表現及びその異なる言い回しは、上掲のKabat等の抗体の編集の軽鎖可変ドメイン又は重鎖可変ドメインに用いられる番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを用いると、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はHVRの短縮又はFR又はHVRへの挿入に対応する2、3のアミノ酸又は付加的なアミノ酸を含みうる。例えば、重鎖可変ドメインには、H2の残基52の後に単一アミノ酸の挿入(Kabatによる残基52a)、及び重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えばカバットによる残基82a、82b及び82cなど)を含んでもよい。残基のKabat番号付けは、「標準の」カバット番号付け配列による抗体の配列の相同領域アライメントすることによって与えられる抗体について決定してもよい。

0076

「親和性成熟」抗体とは、その改変を有していない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性に改良を生じせしめる、その一又は複数のHVRにおいて一又は複数の改変を持つものである。一実施態様では、親和成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル又はさらにピコモルの親和性を有する。親和成熟抗体は、当該分野において知られているある手順を用いて生産される。例えば、Marks等, Bio/Technology, 10:779-783(1992)は、VH及びVLドメインシャッフリングによる親和成熟について記載している。HVR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘導は、例としてBarbas等, Proc Nat Acad. Sci, USA 91:3809-3813(1994);Schier等, Gene, 169:147-155(1995);Yelton等, J. Immunol.155:1994-2004(1995);Jackson等, J. Immunol.154(7):3310-9(1995);及びHawkins等, J. Mol. Biol.226:889-896(1992)に記載されている。

0077

増殖阻害性」抗体は、抗体が結合する抗原を発現している細胞の増殖を妨げるか又は低減するものである。

0078

アポトーシスを誘導する」抗体とは、アネキシンVの結合、DNAの断片化、細胞の縮み小胞体拡張細胞断片化、及び/又は膜小胞の形成(アポトーシス性本体と呼ばれる)といった、標準的なアポトーシスアッセイにより決定される、プログラムされた細胞死を誘導するものである。

0079

抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に帰する生物学的活性を意味し、抗体のアイソタイプにより変わる。抗体のエフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞障害Fcレセプター結合;抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC);貪食作用細胞表面レセプター(例えば、B細胞レセプター)のダウンレギュレーション;及びB細胞活性化が含まれる。

0080

本明細書の「Fc領域」なる用語は、天然配列Fc領域及び変異体Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、通常、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226の位置のアミノ酸残基又はPro230から、Fc領域のカルボキシル末端まで伸長すると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによれば残基447)は、例えば、抗体の産生又は精製中に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え遺伝子操作することによって取り除かれてもよい。従って、インタクトな抗体の組成物は、すべてのK447残基が除去された抗体群、K447残基が除去されていない抗体群、及びK447残基を有する抗体及び有さない抗体の混合を含む抗体群を含みうる。

0081

本明細書中で特に明記しない限り、免疫グロブリン重鎖の残基の番号付けは、上掲のKabatらによるEUインデックスのそれである。「KabatによるEUインデックス」はヒトIgG1のEU抗体の残基番号付けを指す。

0082

「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクター機能」を有する。例示的な「エフェクター機能」には、C1q結合、補体依存性細胞障害作用(CDC)、Fcレセプター結合、ADCC、食作用、細胞表面レセプター(例えばB細胞レセプター;BCR)の下方制御などが含まれる。そのようなエフェクター機能は、通常、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わさることを必要とし、例えば本明細書中の定義に開示される様々なアッセイを使用して評価される。

0083

「天然配列のFc領域」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を包含する。天然配列のヒトFc領域は、天然配列のヒトIgG1Fc領域(非A-及びA-アロタイプ);天然配列のヒトIgG2Fc領域;天然配列のヒトIgG3Fc領域;及び天然配列のヒトIgG4Fc領域;並びに、これらの自然に生じる変異体が含まれる。

0084

「変異体Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾、好ましくは一又は複数のアミノ酸置換により、天然配列のFc領域とは異なるアミノ酸配列を包含するものである。好ましくは、変異体Fc領域は、天然配列のFc領域もしくは親ポリペプチドのFc領域と比較した場合、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列のFc領域又は親のポリペプチドのFC領域におよそ1からおよそ10のアミノ酸置換、好ましくはおよそ1からおよそ5のアミノ酸置換を有する。本明細書中の変異体Fc領域は、好ましくは、天然配列のFc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と、少なくともおよそ80%の同一性を有するか、最も好ましくは少なくともおよそ90%の配列同一性を、より好ましくは少なくともおよそ95%の配列又はそれ以上の同一性を有するものであろう。

0085

「Fc領域含有抗体」なる用語は、Fc領域を含む抗体を指す。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムに従うと残基447)は、例えば、抗体の精製中又は抗体をコードする核酸を組み換え操作することによって除去してもよい。従って、本発明のFc領域を有する抗体を含んでなる組成物は、K447を有する抗体、すべてのK447が除去された抗体、又はK447残基を有する抗体とK447残基を有さない抗体の混合を包含しうる。

0086

「Fcレセプター」又は「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを記載するものである。ある実施態様では、FcRは天然のヒトFcRである。ある実施態様では、FcRはIgG抗体(ガンマレセプター)と結合するもので、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスのレセプターを含み、これらのレセプターの対立遺伝子変異体、選択的にスプライシングされた形態のものも含まれる。FcγRIIレセプターには、FcγRIIA(「活性型レセプター」)及びFcγRIIB(「阻害型レセプター」)が含まれ、主としてその細胞質ドメインは異なるが、類似のアミノ酸配列を有するものである。活性型レセプターFcγRIIAは、細胞質ドメインにチロシン依存性免疫レセプター活性モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motif ;ITAM)を含んでいる。阻害型レセプターFcγRIIBは、細胞質ドメインにチロシン依存性免疫レセプター阻害性モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based inhibition motif;ITIM)を含んでいる(例としてDaeron, Annu. Rev. Immunol. 15:203-234 (1997)を参照)。FcRに関しては、例としてRavetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991);Capel等, Immunomethods4:25-34 (1994);及びde Haas等, J.Lab. Clin. Med. 126:330-41 (1995)に概説されている。将来的に同定されるものも含む他のFcRはここでの「FcR」という言葉によって包含される。

0087

「Fcレセプター」又は「FcR」なる用語もまた、母性IgGの胎児への移送(Guyer等, J. Immunol. 117:587 (1976) Kim等, J. Immunol.24:249 (1994))、及び免疫グロブリンのホメオスタシスの調節を担う新生児性レセプターFcRnも含まれる。FcRnへの結合の測定方法は公知である(例としてGhetie and Ward., Immunol. Today 18(12):592-598 (1997);Ghetie et al., Nature Biotechnology, 15(7):637-640 (1997);Hinton et al., J. Biol. Chem. 279(8):6213-6216 (2004):国際公開第2004/92219号(Hinton et al.)を参照)。

0088

インビボでのヒトFcRnへの結合とヒトFcRn高親和性結合ポリペプチド血清半減期は、例えばヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウス又は形質転換されたヒト細胞株、又は変異体Fc領域を有するポリペプチドを投与された霊長類動物においてアッセイすることができる。国際公開公報00/42072(Presta)にFcRへの結合を向上又は減弱させた抗体変異型が述べられている。例としてShields等, J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)も参照のこと。

0089

一般的に「結合親和性」は、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合的な相互作用の総合的な強度を意味する。特に明記しない限り、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば抗体と抗原)間の1:1相互作用を反映する内因性結合親和性を意味する。一般的に、分子XのそのパートナーYに対する親和性は、解離定数(Kd)として表される。親和性は、本明細書中に記載のものを含む当業者に公知の共通した方法によって測定することができる。低親和性抗体は抗原にゆっくり結合して素早く解離する傾向があるのに対し、高親和性抗体は抗原により密接により長く結合したままとなる。結合親和性の様々な測定方法が当分野で公知であり、それらの何れかを本発明のために用いることができる。以下に結合親和性を測定するための具体的な例示的実施態様を記載する。

0090

一実施態様では、本発明の「Kd」又は「Kd値」は、以下のアッセイにより説明される目的の抗体のFab型(バージョン)で実施される放射性標識した抗原結合アッセイ(RIA)で測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、段階的な力価非標識抗原の存在下で、最小濃度の(125I)-標識抗原にてFabを均衡化して、抗Fab抗体コートプレートと結合した抗原を捕獲することによって測定される(例えば、Chen et al., J. Mol. Biol. 293:865-881 (1999)を参照)。アッセイの条件を決めるために、ミクロタイタープレート(Dynex)を5μg/mlの捕獲抗Fab抗体(CappelLabs)を含む50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)にて一晩コートして、その後2%(w/v)のウシ血清アルブミンを含むPBSにて室温(およそ23℃)で2〜5時間、ブロックする。非吸着プレート(Nunc#269620)に、100pM又は26pMの[125I]抗原を段階希釈した目的のFabと混合する(例えば、Presta等, (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599の抗VEGF抗体、Fab-12の評価と一致する)。ついで目的のFabを一晩インキュベートする;しかし、インキュベーションは確実に平衡状態に達するまでに長時間(例えば65時間)かかるかもしれない。その後、混合物を捕獲プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。そして、溶液を取り除き、プレートを0.1%のTween20TM界面活性剤を含むPBSにて8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェル閃光物質(MicroScint−20TM;Packard)を加え、プレートをTopcountγ計測器(Packard)にて10分間計測する。最大結合の20%か又はそれ以下濃度のFabを選択してそれぞれ競合結合測定に用いる。

0091

他の実施態様によると、Kd又はKd値は、〜10反応単位(RU)の固定した抗原CM5チップを用いて25℃のBIAcore(登録商標)−2000又はBIAcore(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いて表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。簡単に言うと、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5,BIAcore Inc.)を、提供者指示書に従ってN-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシニミド(NHS)で活性化した。抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/ml(〜0.2μM)に希釈し、結合したタンパク質の反応単位(RU)がおよそ10になるように5μl/分の流速注入した。抗原の注入後、反応しない群をブロックするために1Mのエタノールアミンを注入した。動力学的な測定のために、2倍の段階希釈したFab(0.78nMから500nM)を25℃、およそ25μl/分の流速で0.05%TWEEN20TM界面活性剤(PBST)を含むPBSに注入した。会合及び解離のセンサーグラムを同時にフィットさせることによる単純一対一ラングミュア結合モデル(simple one−to−one Langmuir binding model)(BIAcore Evaluationソフトウェアバージョン3.2)を用いて、会合速度(kon)及び解離速度(koff)を算出した。平衡解離定数(Kd)をkoff/kon比として算出した。例えば、Chen et al., J. Mol. Biol. 293:865-881 (1999)を参照。上記の表面プラスモン共鳴アッセイによる結合速度が106M−1s−1を上回る場合、分光計、例えば、流動停止を備えた分光光度計(stop−flow equipped spectrophometer)(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM−AMINCOTM分光光度計(ThermoSpectronic)で測定される、漸増濃度の抗原の存在下にて、PBS(pH7.2)、25℃の、20nMの抗抗原抗体(Fab型)の蛍光放出強度(励起=295nm;放出=340nm、帯域通過=16nm)における増加又は減少を測定する蛍光消光技術を用いて結合速度を測定することができる。

0092

また、本発明の「結合速度」又は「会合の速度」又は「会合速度」又は「kon」は、BIACORE(登録商標)−2000又はBIACORE(登録商標)−3000システム(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いて上記のように表面プラズモン共鳴アッセイにて測定される。

0093

本明細書で用いる「実質的に類似」、「実質的に同じ」なる用語は、当業者が2つの数値(例えば、本発明の抗体に関連するもの、及び参照/比較抗体に関連する他のもの)の差異に、該値(例えばKd値)によって測定される生物学的性質上わずかに又は全く生物学的及び/又は統計学有意差がないと認められるほど、2つの数値が有意に類似していることを意味する。前記2つの値間の差異は、参照/比較抗体についての値の好ましくは約50%以下、好ましくは約40%以下、好ましくは約30%以下、好ましくは約20%以下、及び/又は好ましくは約10%以下である。

0094

本明細書で用いる「実質的に減少」、又は「実質的に異なる」というは、当業者が2つの数値(一般に、本発明の抗体に関連するもの、及び参照/比較抗体に関連する他のもの)の差異に、該値(例えばKd値)によって測定される生物学的性質上統計学的に有意であると認められるほど、2つの数値が有意に異なっていることを意味する。前記2つの値間の差異は、例えば、参照/比較抗体に対する値に応じて、約10%より大きく、約20%より大きく、約30%より大きく、約40%より大きく、及び/又は約50%より大きい。

0095

所定の実施態様において、本明細書にて有用なヒト化抗体はさらにIgGのFcにアミノ酸改変を含み、ヒト化FcRnに対して、更に野生型IgGのFcを有する抗体に対して、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、更に好ましくは少なくとも100倍、好ましくは少なくとも125倍、更により好ましくは少なくとも150倍から約170倍増加した結合親和性を示す。

0096

疾病」又は「疾患」は、本発明の物質/分子又は方法を用いた治療によって恩恵を得る任意の症状である。これには、問題とする疾患に哺乳動物がかかりやすくなる病理学的症状を含む慢性及び急性の疾病又は疾患を含む。ここで治療されるべき疾患の限定されない例として、癌(悪性及び良性の腫瘍;非白血病及びリンパ系悪性腫瘍);神経、グリアアストロサイト視床下部、及び他のマクロファージ上皮間質割腔、疾患、及び炎症、免疫学的及び他の血管新生関連の疾患を含む。

0097

細胞増殖性疾患」及び「増殖性疾患」なる用語は、ある程度の異常な細胞増殖と関係している疾患を指す。一実施態様では、細胞増殖性疾患は癌である。一実施態様では、細胞増殖性疾患は血管形成である。

0098

本明細書中の「腫瘍」とは、悪性か良性かにかかわらず、すべての腫瘍性細胞成長及び増殖と、すべての前癌性及び癌性細胞及び組織を指す。「癌」、「癌性」「細胞増殖性疾患」、「増殖性疾患」及び「腫瘍」なる用語は、本明細書に参照される場合互いに排他的でない。

0099

「癌」及び「癌性」なる用語は、一般的に調節不可能な細胞増殖に特徴がある哺乳動物の生理学的状態を指すか又は表す。癌の例には、上皮癌リンパ腫芽細胞腫肉腫及び白血病が含まれる。このような癌のより具体的な例には、扁平細胞癌、肺癌(小細胞肺癌非小細胞肺癌の腺癌、及び肺の扁平癌腫(squamous carcinoma)を含む)、腹膜癌、肝細胞癌、胃(gastric)又は腹部(stomach)癌(例えば、消化器癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、神経膠芽細胞腫子宮頸管癌、卵巣癌、肝臓癌膀胱癌尿路の癌、肝癌、乳癌(局所的進行型、再発性又は転移性HER−2陰性乳癌を含む)、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌唾液腺癌、腎臓(kidney)又は(renal)癌、肝臓癌、前立腺癌産卵口癌、甲状腺癌、肝細胞癌、及び様々なタイプの頭頸部癌、並びにB細胞リンパ腫(低悪性度濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽細胞性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小非分割細胞NHL;バルキー疾患NHL;マントル細胞リンパ腫エイズ関連リンパ腫;及びワルデンストロームマクログロブリン病を含む);慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球白血病(ALL);ヘアリー細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;及び移植リンパ増殖性疾患(PTLD)、並びに、母斑症と関係する異常な血管性増殖、浮腫(脳腫瘍と関係するものなど)、メイグス症候群が含まれる。

0100

抗新生物性組成物」、「抗癌組成物」、又は「抗癌剤」なる用語は、少なくとも一の活性な治療剤、例えば「抗癌剤」を含む癌の治療に有用な組成物を指す。治療剤(抗癌剤)の例には、限定するものではないが、例えば化学療法剤、増殖阻害剤、細胞障害性剤、放射線療法において使用する薬剤、抗血管新生剤、抗リンパ脈管新生剤、アポトーシス剤、抗チューブリン剤、毒素、及び癌を治療するための他の薬剤、例えば抗HER-2抗体、抗CD20抗体、上皮性増殖因子レセプター(EGFR)アンタゴニスト(例えば、チロシンキナーゼインヒビター)、HER1/EGFRインヒビター(例えば、エルロチニブ(TarcevaTM)、血小板由来増殖因子インヒビター(例えば、GleevecTM(メシル酸イマチニブ))COX-2インヒビター(例えば、セレコキシブ)、インターフェロンサイトカイン、ErbB2、ErbB3、ErbB4又はVEGFレセプターの一又は複数に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体)を含み、それらは以下のターゲット、ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR−beta、BlyS、APRIL、BCMAVEGF、又はVEGFレセプター、TRAIL/Apo2、及び他のバイオ活性がある有機化学的薬剤の一以上に結合する。それらの組合せも本発明に包含される。

0101

ここで使用される「治療」とは、治療される個体又は細胞の自然の経過を変化させる試みにおける臨床的介入を意味し、予防のため、又は臨床病理経過中に実施することができる。治療の所望する効果には、疾患の発症又は再発の予防、症状の緩和、疾病の任意の直接的又は間接的な病理学的結果の減少、転移の予防、疾病の進行速度の低減、病状回復又は緩和、及び寛解又は予後の改善が含まれる。ある実施態様では、本発明の抗体は、疾患又は疾病の進行を遅らせるために用いられる。

0102

「有効量」とは、所望される治療的又は予防的結果を達成するのに必要な期間、必要な用量での有効量を意味する。

0103

個体に所望する反応を引き出すために、本発明の物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの「治療的有効量」は、病状、年齢性別、個体の体重、及び、物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの能力等の要因に応じて変わり得る。また、治療的有効量とは、物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの任意の毒性又は有害な影響を、治療的に有益な効果が上回る量である。「治療的有効量」なる用語は、哺乳動物(別名患者)における疾患又は障害を「治療」するために有効な、本発明の抗体、ポリペプチド又はアンタゴニストの量を指す。癌の場合には、薬剤の治療的有効量は、癌細胞の数を減らし、腫瘍の大きさや重量を減少させ、末梢器官へのの癌細胞の浸潤を阻害し(すなわち、ある程度ゆっくりと好ましくは停止させ)、腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度ゆっくりと、好ましくは停止させ)、ある程度、腫瘍の成長を阻害し、及び/又は、ある程度癌に伴う症状の一又は複数の症状を緩和する。薬が既存の癌細胞の成長を防ぐか及び/又は死滅させることができる程度に、それは細胞増殖抑制性及び/又は細胞傷害性であり得る。一実施態様では、治療上有効な量は、増殖阻害量である。別の実施態様では、治療的有効量は患者の生存期間延長させるする量である。別の実施態様では、治療的有効量は患者の無増悪生存を改善する量である。本明細書で使用される「無増悪生存(PFS)」とは、治療の間及びその後に、治療担当医師または治験責任医師の評価によると、患者の病気は悪化しない、すなわち進行しない時間の長さを指す。

0104

「予防的有効量」は、所望する予防的結果を達成するのに必要な期間、用量で有効な量を意味する。典型的には、しかし必ずではないが、予防的用量は、疾病の前又初期の段階に患者に使用されるので、予防的有効量は治療的有効量よりも少ない。

0105

ここで用いられる「細胞障害性剤」という用語は、細胞の機能を阻害又は阻止し及び/又は細胞死又は破壊を生ずる物質を意味する。この用語は、放射性同位元素(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、及びLuの放射性同位元素)、化学治療薬、例えばメトトレキセートアドリアマイシンビンカアルカロイド類(ビンクリスチンビンブラスチンエトポシド)、ドキソルビシンメルファランマイトマイシンCクロラムブシルダウノルビシン又は他の挿入剤、酵素及びその断片、例えば核酸分解酵素抗生物質、及び毒素、例えばその断片及び/又は変異体を含む小分子毒素又は細菌、糸状菌、植物又は動物起源酵素的に活性な毒素、そして下記に開示する種々の抗腫瘍又は抗癌剤を含むように意図されている。他の細胞毒性剤を以下に記載する。殺腫瘍性剤は、腫瘍細胞の破壊を引き起こす。

0106

「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例には、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(商標登録))のようなアルキル化剤ブスルファンインプロスルファン及びピポスルファンのようなスルホン酸アルキル類;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa)のようなアジリジン類アルトレートアミン(altretamine)、トリエチレンメラミントリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethiylenethiophosphoramide)及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン類及びメチラメラミン類;アセトゲニン(特にブラシン及びブラタシノン);デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビロール、MARINOL(登録商標));β−ラパコンラパコールコルヒチンベツリン酸カンプトテシン(合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標)、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレチン、及び9−アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチンカリスタチン;CC-1065(そのアドレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシンポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;ドゥオカルマイシン(合成アナログ、KW-2189及びCB1-TM1を含む);エリュテロビンパンクラチスタチンサルコジクチンスポンジスタチン;クロランブシルクロルファジン(chlornaphazine)、チョホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチンイフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレニムスチン(prednimustine)、トロフスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタードカルムスチン、クロロゾトシン(chlorozotocin)、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトスレアス(nitrosureas);抗生物質、例えばエネジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン(calicheamicin)、特にカリケアマイシンγ1I及びカリケアマイシンωI1(例えばAngew. Chem Intl. Ed. Engl., 33: 183-186 (1994)参照);ダイネマイシン(dynemicin)Aを含むダイネマイシン;エスペラマイシン;並びにネオカルチノスタチン発色団及び関連する色素タンパクエネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン類(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリンブレオマイシンカクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン類、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorbicin)、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マーセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシンCのようなマイトマイシンマイコフェノール酸(mycophenolic acid)、ノガラマイシン(nogalamycin)、オリボマイシン(olivomycins)、ペプロマイシンポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシンケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリンストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン(zorubicin);代謝拮抗剤、例えばメトトレキセート、及び5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸アナログ、例えばデノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキセート(trimetrexate);プリンアナログ、例えばフルダラビン(fludarabine)、6-メルカプトプリンチアミプリン、チオグアニンピリミジンアナログ、例えばアンシタビンアザシチジン(azacitidine)、6-アザウリジン(azauridine)、カルモフールシタラビンジデオキシウリジンドキシフルリジンエノシタビン(enocitabine)、フロキシウリジン(floxuridine);アンドロゲン類、例えばカルステロン(calusterone)、プロピオン酸ドロモスタノロンエピチオスタノールメピチオスタンテストラクトン(testolactone);抗副腎剤、例えばアミノグルテチミドミトタントリロスタン;葉酸リプレニッシャー(replenisher)、例えばフロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸エニルウラシルアムサクリン(amsacrine);ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジコン(diaziquone);エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium);エポチロン(epothilone);エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウムヒドロキシ尿素レンチナンロニダミン(lonidainine);メイタンシノイド(maytansinoid)類、例えばメイタンシン(maytansine)及びアンサミトシン(ansamitocine);ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロンモピダモール(mopidanmol);ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;2-エチルヒドラジドプロカルバジンPSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene, OR);ラゾキサン(razoxane);リゾキシンシゾフィランスピロゲルマニウム(spirogermanium);テニュアゾン酸(tenuazonic acid);トリアジコン(triaziquone);2,2',2''-トリクロロトリエチルアミントリコテセン類(特にT-2毒素ベラクリン(verracurin)A、ロリジン(roridine)A及びアングイジン(anguidine));ウレタンビンデシン(ELIDISINE(登録商標)、FILESIN(登録商標));ダカルバジンマンノムスチン(mannomustine);ミトブロニトール;ミトラクトール(mitolactol);ピポブロマン(pipobroman);ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,シャンバーグ、イリノイ州)及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhome-Poulene Rorer, Antony, France);クロランブシル;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;プラチナアナログ、例えばシスプラチン、及びカルボプラチン;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));エトポシド(VP-16);イホスファミドマイトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、オキサリプラチンロイコボビンビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン(novantrone);エダトレキセート;ダウノマイシンアミノプテリン;イバンドロナート(ibandronate);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン(XELODA(登録商標));上述したものの薬学的に許容可能な塩類酸類又は誘導体、並びに、上記のうちの2つ以上の組み合わせ、例えば、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロン併用療法略称)、及びFOLFOX(5−FU及びロイコボリンと組み合わせたオキサリプラチン(ELOXATINTM)を用いる治療計画の略称)が含まれる。追加の化学療法剤は、メイタンシノイド(DM1など)、例えばアウリスタチン(auristatins)MMAE及びMMAF、などの抗体薬物結合体として有用な細胞傷害性薬剤が含まれる。

0107

本明細書中に定義される化学療法剤には、癌の成長を促しうるホルモンの作用を調節、低減、遮断又は阻害するように働く、「抗ホルモン剤」が含まれ、しばしば全身性の、又は全身治療の形態であってもよい。それらはそれ自体がホルモンであってよい。例として、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)を含み、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、EVISTA(登録商標)ラロキシフェン(raloxifene)、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェントリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストーン(onapristone)、及びFARESTON(登録商標)トレミフェン抗プロゲステロンエストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD);卵巣を抑制又は活動停止することに機能する薬剤、例えば、LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標)酢酸ロイプロリド、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリン及びトリプトレリン(tripterelin)などの黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、フルタミド(flutamide)、ニルタミドnilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)などの他の抗アンドロゲン;及び副腎のエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)酢酸メゲストロール、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、フォルメスニー(formestanie)、ファドロゾールRIVSOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)アナストロゾールを含む。更に、化学療法剤のその定義では、ビスフォスフォネートを含み、例えば、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)又はOSTAC(登録商標))、DIDROCAL(登録商標)エチドロネート、NE−58095、ZOMETA(登録商標)ゾレドロン酸ゾレドロネート、FOSAMAX(登録商標)アレンドロネート、AREDIA(登録商標)パミドロネートSKELID(登録商標)チルドロネート、又はACTONEL(登録商標)リセドロネート、並びにトロキサシタビン(troxacitabine)(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に接着細胞の増殖に結びつくシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えばPKC−α、Raf、H−Ras、及び上皮成長因子レセプター(EGF−R)、THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)及びVAXID(登録商標)などのワクチン、LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1インヒビター、ABARELIX(登録商標)rmRH、ラパチニブトシラート(またGW572016として知られているのErbB−2及びEGFR二重チロシンキナーゼ小分子阻害剤)、及び上記何れかの薬学的に許容可能な塩類、酸類及び誘導体類を含む。

0108

ここで用いられる際の「増殖阻害剤」は、細胞の成長及び/又は増殖を阻害する化合物又は組成物を意味する。増殖阻害剤の例は、細胞周期の進行を(S期以外の位置で)阻害する薬剤、例えばG1停止又はM期停止を誘発する薬剤を含む。古典的なM期ブロッカーは、ビンカス(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキサン類、及びトポイソメラーゼII阻害剤、例えばアントラサイクリン系抗生物質ドキソルビシン((8S-シス)-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキ-α-L-リキソ-ヘキサピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシル-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-5,12-ナフタセンジオン)、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンを含む。またG1停止させるこれらの薬剤は、S期停止にも波及し、例えば、DNAアルキル化剤、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びアラ-Cである。更なる情報は、The Molecular Basis of Cancer, Mendelsohn及びIsrael,編, 第一章,表題「Cell cycle regulation, oncogene, and antineoplastic drugs」,Murakami et al., (WB Saunders: Philadelphia, 1995)、特に13頁に見出すことができる。タキサン類(パクリタキセル及びドセタキセル)は、共にイチイに由来する抗癌剤である。ヨーロッパイチイに由来するドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、ローンプーラローラー)は、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、ブリストル−マイヤースクウィブ)の半合成類似体である。パクリタキセル及びドセタキセルは、チューブリン二量体から微小管の集合を促進し、細胞の有糸分裂を阻害する結果となる脱重合を防ぐことによって微小管を安定化にする。

0109

本明細書において使用される用語「患者」は、任意の一動物、より好ましくは哺乳動物(例えば、イヌネコウマ、ウサギ、動物園の動物、ウシブタヒツジ、及びヒト以外の霊長類いった非ヒト哺乳動物を含む)を意味する。最も好ましくは、本明細書の患者はヒトである。

0110

本明細書中における「被験体」は、血管新生疾患の1つ以上の徴候、症状又は他の指標を経験しているか又は経験した治療の資格のある患者を含む、任意の単一のヒト被験体である。被験体として含まれると意図されるのは、疾患の臨床的兆候を見せていない臨床研究臨床試験に関与している任意の被験体、又は、疫学研究に関与している被験体、又はコントロールとして一度使用された被験体である。被験体は、以前は抗癌剤で治療されたか、又はそのように治療されていない場合があり得る。被験体は、本明細書の治療が開始されるとき、使用されている追加の薬剤に対してナイーブである可能性があり、すなわち、「ベースライン」で(すなわち、本明細書中の治療における抗癌剤の最初の用量の投与前設定時点において、例えば、治療が開始される前に被験体を検診する日に)、被験体は、例えば、抗腫瘍剤、化学療法剤、増殖阻害剤、細胞傷害性薬剤で以前に治療されていない可能性がある。このような「ナイーブ」な被験者は、一般的に、追加の薬剤による治療の候補と見なされる。

0111

薬学的製剤」なる用語は、医薬の生物学的活性を有効にする形態で存在し、製剤を投与する被験体にとって許容できない毒性がある他の成分を含まない無菌の調製物を指す。

0112

「無菌の」製剤は、防腐性であるか、又は生きているすべての微生物及びそれらの胞子を含まない。

0113

パッケージ挿入物」という用語は、効能、用法、用量、投与、禁忌、そのパッケージ製品と組み合わされる他の治療製品、及び/又は治療製品又は医薬の使用に関する警告についての情報を含む、治療製品又は医薬の商業的包装慣習的に含まれた指示書を指す。

0114

「キット」は、少なくとも一の試薬、例えば、血管新生障害の治療のための医薬、又は本発明のバイオマーカー遺伝子又はタンパク質を特異的に検出するためのプローブを含む任意の製造品(例えば、パッケージ又は容器)である。製造品は、本発明の方法を行うためのユニットとして宣伝され、流通され、又は市販されることが好ましい。

0115

薬剤に対する非応答のために、一又は複数の医薬による以前又は現在の治療から「毒性の臨床的に容認できないほど高いレベル」を経験した患者は、経験豊かな臨床医により重大であると見なされたそれに関連する負の副作用又は有害事象、例えば、重篤感染症うっ血性心不全脱髄多発性硬化症につながる)、重要な過敏症神経病理学的事象、高度の自己免疫子宮内膜癌、非ホジキンリンパ腫、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌などの癌、又は黒色腫結核(TB)などを経験する。

0116

「負の副作用のリスクを軽減する」により、以前に投与した薬剤により同じ患者又は他の患者の治療に起因する観察されたリスクよりも低い程度で、本明細書のアンタゴニストによる治療に起因する副作用のリスクを減らすことを意味する。そのような副作用は、毒性に関する上述したものを含み、好ましくは感染症、癌、心不全、又は脱髄である。

0117

「相関」又は「相関する」は、任意の方法で、第一の分析又はプロトコル成績及び/又は結果を、第二の分析又はプロトコルの成績及び/又は結果と比較することを意味する。例えば、第二のプロトコルを行う際に第一の分析又はプロトコルの結果を用いてもよいし、及び/又は第一の分析又はプロトコルの結果を用いて、第二の分析又はプロトコルを行うかどうかを決定してもよい。遺伝子発現分析又はプロトコルの実施態様に関し、遺伝子発現分析又はプロトコルの結果を用いて、特定の治療投薬計画を実行するかどうかを決定してもよい。本明細書の様々な実施態様に関して、抗VEGF抗体などの抗癌剤を使用して、特定の治療計画を実行すべきかどうかを判断するために、分析アッセイの結果を用いても良い。

0118

III.方法
本発明は、VEGFアンタゴニストを含む抗癌療法による治療の利益を受ける可能性のある患者を同定するための方法であって、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対して、癌に罹患した患者の反応を予測する方法、癌患者が、VEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法からの利益を示すであろう可能性を決定するための方法、及びVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法の治療的有効性を最適化するための方法を提供する。

0119

その方法は患者由来のサンプル中のVEGF121の発現レベルを決定することを含み、患者由来のサンプル中のVEGF121のレベルが基準レベルかそれを上回るレベルは、患者がVEGFアンタゴニストを含む抗癌治療による治療からの利益を受ける可能性があり、患者が抗癌治療法から利益を受ける可能性が増大していること、又は患者が抗癌治療法による治療に応答する可能性が高くなること示す。幾つかの実施態様にて、本方法はVEGF−Aアンタゴニストを含む抗癌治療法を患者に投与することを更に含む。

0120

本発明は、患者の癌を治療するための方法を更に提供する。本方法は、患者から得られたサンプルが、基準レベルかそれを上回るレベルのVEGF121レベルを有することを決定し、前記患者にVEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法の有効量を投与し、それによって癌が治療されることを含む。幾つかの実施態様において、本方法は、患者に追加の薬剤(例えば、第二、第三、又は第四の薬剤)を投与することを更に含む。

0121

A.検出方法
開示された方法及びアッセイは、患者の治療のために適切又は効果的な治療法を評価する上で有用なデータ及び情報を入手ための便利で効率的で潜在的に費用対効果の高い手段を提供する。例えば、本発明の方法によれば、患者は、VEGFアンタゴニストを含む抗癌療法による治療前に血液サンプルを提供することができ、サンプル中のVEGF121のレベルが決定され、それぞれ基準サンプルにおけるVEGF121のレベルに対して、又は所定の基準値に対して比較することができる。VEGF121のレベルが増大した患者が、抗VEGF抗体などのVEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法に応答する可能性がある患者として同定される。本方法は、タンパク質発現を検出するアッセイ(例えば、酵素免疫測定法)及び適切な活性を検出する生化学的アッセイを含む様々なアッセイ形態で行うことができる。サンプル中のそのようなバイオマーカーの発現の定量又はその存在は、サンプルを提供する患者がVEGFアンタゴニストの生物学的影響に感受性であることを予測する。典型的には、患者から得られたサンプル中のVEGF121の発現レベルが基準レベルかそれを上回ることは、患者がVEGFアンタゴニストによる治療に応答するか又は感受性であることを示す。

0122

特に診断検査及び治療薬による治療の適用に関する医学分野の当業者は、生物学的システムには若干の多様性があり、常に完全に予想可能ではなく、従って、多くの優れた診断検査又は治療薬が時には効果が無いということを理解するであろう。従って、個々の患者の治療の最も適切な方針を、検査結果、患者の病態及び既往歴、及び彼又は彼自身の経験に基づいて決定するのは、最終的には主治医の判断次第である。例えば、診断検査からのデータ、又は他の判断基準からのデータに基づいて、特に、他の自明な治療選択肢の全て又は大半が失敗した場合に、又は別の治療とともに与えられたときにかなりの相乗効果予想される場合には、患者がVEGFアンタゴニストに特に感受性であると予測されないときでさえ、VEGFアンタゴニストで患者を治療することを選択するであろう場面さえあり得る。

0123

更なる実施態様において、本発明は、サンプル中のVEGF121のレベルを評価すること;及びVEGFアンタゴニストによる阻害に対する患者の感受性を予測することを含む、VEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対する患者の感受性を予測する方法、又はVEGFアンタゴニストを含む抗癌治療法による治療に対して有効に応答するであろうかを予測する方法を提供し、ここでVEGF121の発現レベルが基準レベルか又はそれを上回ることは、VEGFアンタゴニストによる治療に対する有効な応答に対する患者の高度な感受性と相関している。

0124

サンプルは、結腸直腸癌、神経膠芽腫、腎癌、卵巣癌、乳癌(例えば、局所進行、再発または転移性HER−2陰性乳癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、胃癌、肺癌を含む癌に罹患していることが疑われるか又は癌に罹患していると診断され、従って治療を必要とする可能性がある患者から、又は任意の疾患を有していると疑われない正常個体から採取され得る。マーカー発現の評価のために、患者のサンプル、例えば細胞を含むもの、又はこれらの細胞により産生されるタンパク質又は核酸などが本発明の方法で使用され得る。この発明の方法において、バイオマーカーのレベルは、サンプル中のマーカーの量(例えば絶対量又は濃度)を評価することにより決定され、好ましくは検出可能なレベルのバイオマーカーを含む体液又は排泄物中で評価することができる。本発明における試料として有用な体液又は分泌液は、例えば、血液、リンパ液喀痰腹水、又は任意の他の分泌液又はその誘導体を含む。血液という単語は、全血、血漿、血清、又は血液の任意の誘導体を含むことを意味する。そうした体液又は排泄物中のバイオマーカーの評価は、時には侵襲サンプリング法不適当又は不便である状況では好ましい場合がある。しかし、本明細書で検査されるサンプルは、好ましくは血液、最も好ましくは血漿である。一実施態様では、サンプルは、EDTA−血漿である。一実施態様では、サンプルは、クエン酸塩−血漿である。

0125

サンプルは凍結され、新鮮であり、固定され(例えば、ホルマリン固定)、遠心分離され、及び/又は包埋され(例えば、パラフィン包埋 )るなどであり得る。細胞試料は、サンプル中のマーカーの量を評価する前に、もちろん、よく知られている回収後の調製及び保存技術(例えば、核酸及び/又はタンパク質抽出、固定、保存、凍結、限外ろ過濃縮蒸発、遠心分離等)に供することができる。同様に、生検は、回収後の調製及び保存技術、例えば、固定化を施してもよい。

0126

A.VEGF121の検出
VEGF121タンパク質又は核酸は当該技術分野で公知の任意の方法を用いて検出することができる。例えば、哺乳動物由来の組織又はサンプルは、例えばウエスタンブロット、ELISAを使用してタンパク質について、ノーザンブロットドットブロット、又はポリメラーゼ連鎖反応PCR)分析、アレイハイブリダイゼーションRNaseプロテクションアッセイを用いて、又はDNA SNPチップマイクロアレイを用いて、目的の遺伝子バイオマーカーからmRNA又はDNAについて都合良くアッセイすることができる。例えば、定量的PCRアッセイなどのリアルタイムPCR(RT−PCR)アッセイが当該分野で周知である。本発明の例示的な実施態様では、生物学的試料中の対象の遺伝子バイオマーカーからmRNAを検出する方法は、少なくとも一のプライマーを用いて逆転写によってサンプルからcDNAを生産し;そのようにして生産されるcDNAを増幅し;増幅されたcDNAの存在を検出することを含む。また、そのような方法は、(例えばアクチンファミリーメンバーのような「ハウスキーピング」遺伝子の比較コントロールmRNA配列のレベルを同時に調べることによって)生物学的試料中のmRNAのレベルを決定することを可能にする一又は複数の工程を含みうる。場合によっては、増幅されたcDNAの配列を決定することができる。

0127

上掲技術の適用における指針を与える多くの参考文献が利用可能である(Kohler et al., Hybridoma Techniques (Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1980); Tijssen, Practice and Theory of Enzyme Immunoassays (Elsevier, Amsterdam, 1985); Campbell, Monoclonal Antibody Technology (Elsevier, Amsterdam, 1984); Hurrell, Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications (CRCPress, Boca Raton,FL, 1982); 及びZola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques,CRC Press, Inc. (1987) pp. 147-158。

0128

VEGF121の検出又はレベルに対して参照がなされる場合、これはVEGF121が測定されることを意味する。VEGF121タンパク質の検出に関して、様々なアッセイが利用可能である。例えば、サンプルは、短いVEGF−AアイソフォームであるVEGF121に優先的又は特異的に結合する抗体又は抗体の組み合わせ(例えばサンドイッチアッセイ)と接触され得る。好ましくは、長いアイソフォームと比較した場合、特にVEGF165と比較した場合、短いアイソフォームが、少なくとも3倍高い感受性で検出される。一実施態様において、VEGF165と比較した場合、VEGF121に対する少なくとも3倍高い感受性を有する抗体が使用される。そうした少なくとも3倍高い感受性は、VEGF165(SDS−PAGEにより少なくとも90%の純度及びOD280nmにより決定した濃度)とアイソフォームVEGF121(SDS−PAGEにより少なくとも90%の純度及びOD280nmにより決定した濃度)を同じ試薬を用いて比較することにより評価される。この比較において、VEGF165について得られたシグナルが、VEGF121で得られたシグナルのレベルのほんの三分の一又はそれ未満である場合、VEGF121が少なくとも3倍高い感受性で検出される。当業者は理解するように、シグナルは最大シグナルの約50%で好ましくは読み取られる。また、短いアイソフォームVEGF121に対する感受性は、長いアイソフォームと比較した場合、特にVEGF165と比較した場合、少なくとも4倍、5倍、6倍、7倍、8倍又は9倍高いことが好まれる。

0129

一実施態様において、アイソフォームVEGF121が特異的に検出される。そのような特異的検出は、もし、VEGF121のエキソン4と8を連結することにより生成する配列に結合する抗体、特にモノクローナル抗体が使用され採用される場合に例えば可能である。VEGF121において、エキソン4と8のそれぞれを連結することにより生成する配列に結合するモノクローナル抗体は、長いVEGFアイソフォーム165及び189のそれぞれに含まれるアミノ酸配列に対して、その中に他のアミノ酸が、エキソン4とエキソン7の連結,及びエキソン4とエキソン5の連結のそれぞれに起因して存在するために結合しないであろう(例えば、 Ferrara, N., Mol. Biol. of the Cell 21 (2010) 687-690)。もし使用される抗体が、エキソン4及び8を連結することにより生成する配列を含まないアイソフォーム、例えばVEGF165と10%未満の交差反応性を示す場合、上記の意味でのVEGF121への特異的結合が認識されている。また、交差反応性が、エキソン4及び8を連結することにより生成する配列を含まないVEGFアイソフォーム、例えばVEGF165について5%、4%、3%、2%及び1%未満であろうことが好まれる。

0130

短いVEGFアイソフォームのVEGF121と結合するだけの適切な特異的抗体は、標準的な手順に従って得ることができる。通常、VEGF121のアミノ酸115のC末端及びN末端のそれぞれのアミノ酸を含む、少なくとも5、6、7、8、9、10又はそれ以上のアミノ酸を表すか又は含むペプチドが合成され、必要に応じて担体に結合させ、免疫化に用いられる。好ましくは、このようなペプチドは、長さが少なくとも6個のアミノ酸であり、少なくともVEGF121のアミノ酸の115及び116を含むであろう。また、それは、VEGF121の少なくともアミノ酸114、115、116及び117を含んでなることが好ましい。当業者には理解されるように、VEGF121のアミノ酸115及び116の間のエキソンジャンクションのN末端及びC末端の例えば3、4、又はそれ以上のアミノ酸を含む長いペプチドもまたVEGF121に特異的に結合する抗体を得るために使用することができる。

0131

特異的ポリクローナル抗体は、適切な免疫吸着工程によって得ることができる。モノクローナル抗体はVEGF121との反応性及び適切な低い交差反応性について容易スクリーニングすることができる。VEGF121特異的抗体の観点における低い交差反応性は、エキソン4とエキソン7の連結、及びエキソン4とエキソン5の連結のそれぞれの際に形成されるアミノ酸配列を含むVEGFアイソフォームを用いて評価することができる。

0132

様々な測定方法が問題となっており、例えば、抗体−VEGF121複合体が形成されるのに十分な条件下で、サンプルがVEGF121に対する抗体と接触され得、その後そうした複合体の両方が検出される。VEGF121タンパク質の存在は、例えば、血漿または血清を含む広範囲の組織および試料をアッセイするための、ウェスタンブロッティング法(免疫沈降の有無にかかわらず)、2次元SDS−PAGE法、免疫沈降法、蛍光活性細胞選別法(FACS)、フローサイトメトリー法、およびELISA法などの多くの方法で検出することができる。このようなアッセイ形式を使用する広範囲のイムノアッセイ技術が利用可能であり、例えば、米国特許第4016043号、第4424279号及び第4018653号を参照。これらは、非競合型の単一部位及び二部位又は「サンドイッチ」アッセイ、並びに従来の競合結合アッセイの両方が含まれる。これらのアッセイはまた、標的バイオマーカーに対する標識抗体直接結合を含む。

0133

サンドイッチアッセイは最も便利で一般的に使用されるアッセイの一つである。サンドイッチアッセイ技術の多くの変法が存在し、全てが本発明に包含されることが意図される。簡潔には、典型的なフォワードアッセイ(forward assay)にて、非標識抗体固体基板上に固定化され、試験されるサンプルを結合分子と接触させる。この捕捉抗体の固定化は、固相への直接吸着によるか、又は例えば特異的結合対、例えばストレプトアビジンビオチン結合対を介して間接的であって良い。好ましくは、固定された抗体は、VEGF121を結合するであろう。抗体−抗原複合体の形成を可能にするのに十分な時間のインキュベーションの適切な時間後、次いで検出可能なシグナルを生成する能力のあるレポーター分子で標識された抗原に特異的な第二抗体(すなわちVEGF121)を添加し、インキュベートし、抗体−抗原標識化抗体の別の複合体の形成に十分な時間をかけた。あらゆる未反応物質が洗い流され、VEGF121の存在が、レポーター分子によって生成されたシグナルを観察することにより決定される。結果は、可視信号の単純な観察により定性的であって良く、又はバイオマーカーの既知量を含む対照サンプルと比較することにより定量され得る。代わりのセットアップにおいて、VEGF121に特異的な抗体が固定化され、必要に応じてレポーター分子を運ぶVEGF121に結合する抗体が、標的分子を検出するために用いられ得る。

0134

フォワードアッセイにおける変法には、サンプル及び標識抗体の両方が結合抗体に同時に添加される同時アッセイが含まれる。これらの技術は、任意の少数の変法を含めて、当業者に良く知られている。典型的なフォワードサンドイッチアッセイにおいて、第1の抗体は固体表面に共有結合的又は受動的に結合している。固体表面は、典型的にはガラス又はポリマーであり、最も一般的に使用されるポリマーであるセルロースポリアクリルアミドナイロンポリスチレンポリ塩化ビニル、又はポリプロピレンである。固体支持体は、チューブビーズマイクロプレートディスク、又はイムノアッセイを行うのに適した任意の他の表面の形態であってもよい。結合プロセスは、当技術分野でよく知られており、一般に架橋共有結合または物理的吸着からなり、ポリマー-抗体複合体は、試験サンプルの調製のために洗浄される。次いで試験すべきサンプルのアリコートが固相複合体に添加され、第一又は捕獲抗体とその対応する抗原の間の結合を可能にするために、十分な期間(例えば、2〜40分間又はより都合良い場合一晩)かつ適切な条件下(例えば25℃から32℃の間を含むなど例えば室温から40℃)でインキュベートされる。インキュベーション期間に続いて、第一抗体又は捕獲抗体及びそこに結合した抗原が洗浄され、抗原上の他のエピトープに結合する第二抗体又は標識化抗体とともにインキュベートした。第二の抗体はレポーター分子に連結され、それは第一抗体と目的の抗原の複合体に対する第二抗体の結合を示すために用いられる。

0135

代わりの競合法は、VEGF121を固相に固定化し、その後、固定化した標的分子をサンプルと一緒に、レポーター分子で標識されたか又はされていなくても良いVEGF121に対して特異的な抗体に曝露することを含む。標的の量とレポーター分子シグナルの強さに応じて、標的分子による競合は、このような標識抗体を介して直接検出することができる。あるいは、一次抗体に特異的な二次標識抗体が、標的−一次抗体複合体にさらされ、標的−一次抗体−二次抗体の三次複合体を形成する。複合体は、レポーター分子によって放出されるシグナルにより検出される。本明細書中で用いられる「レポーター分子」は、その化学的性質によって、抗原と結合した抗体の検出を可能とし分析的に同定可能なシグナルを提供する分子を意味する。この種のアッセイにおいて最も一般的に用いられるレポーター分子は、酵素、蛍光体又は分子を含有する放射性核種(すなわち放射性同位体)および化学発光分子である。

0136

酵素イムノアッセイの場合、一般にグルタールアルデヒド又は過ヨウ素酸塩によって、酵素を二次抗体にコンジュゲートさせる。しかしながら、容易に認識されるように、当業者に容易に利用可能である多種多様な異なるコンジュゲート技術が存在する。一般的に用いられる酵素には、とりわけ、西洋わさびペルオキシダーゼグルコースオキシダーゼガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼを含む。特定の酵素と共に用いられる基質は、一般的に、対応する酵素による加水分解の際の検出可能な色の変化の産生で選択する。適切な酵素の例として、アルカリホスファターゼ及びペルオキシダーゼを含む。また、上記の発色性基質よりむしろ蛍光性産物を産生する蛍光性基質を用いることができる。すべての例において、酵素標識抗体を一次抗体-分子マーカー複合体に加えて、結合させ、次いで過剰な試薬を洗い流す。次いで、適当な基質を含有する溶液を抗体-抗原-抗体の複合体に加える。基質は二次抗体と結合した酵素と反応して、通常は分光測定法により更に定量化され得る定性的な可視化シグナルを生じ、サンプル中に存在するVEGF121の量の指標を与える。あるいは、フルオレセイン及びローダミンなどの蛍光性化合物を、抗体の結合能を変化させることなく抗体に化学的に結合させてもよい。特定の波長の光を照射することにより活性化されると、蛍光色素標識抗体はその光エネルギーを吸収し、それによリその分子において励起状態が誘発され、続いて光学顕微鏡を用いて目視で検出可能な特徴的な色で光が放射される。EIAでは、蛍光標識抗体は、一次抗体−分子マーカー複合体に結合できる。結合していない試薬を洗い落とした後に、残りの三次複合体を適当な波長の光に曝すと、VEGF121の存在を示す蛍光発光が観察される。免疫蛍光法およびEIA技術は何れも、当該技術分野で良く確立されたものである。しかしながら、放射性同位体、化学発光性分子または生物発光性分子などの他のレポーター分子も用いられてもよい。VEGFを検出するための免疫アッセイは、例えば、米国特許第6855508号、及び第7541160号、及び米国特許出願公開第2010/0255515号に記載されている。VEGFを検出するための適切なプラットフォームは、例えば欧州特許第0939319号及び欧州特許第1610129号に記載されている。

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