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技術 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶およびフタロシアニン結晶の製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 川原正隆田中正人久野純平西田孟渡口要
出願日 2015年5月28日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2015-108668
公開日 2016年1月21日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2016-012126
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体 染料
主要キーワード プラスチック製支持体 制限スリット 溶剤分子 電位プローブ インシデント クロロガリウムフタロシアニン顔料 フォトキャリア 軸配位子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

本発明は、常温常湿環境下だけでなく、低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥を抑制した電子写真感光体、ならびに、新規フタロシアニン結晶を提供する。

解決手段

本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体の感光層が、N,N−ジメチルホルムアミド結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下である。

概要

背景

現在、電子写真分野における像露光手段としてよく用いられている半導体レーザー発振波長は、650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。

フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効である。特にオキシチタニウムフタロシアニンガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形報告されている。

ところが、フタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、優れた感度特性を有しているものの、生成したフォトキャリア感光層に残存しやすく、一種メモリーとして、ゴースト現象などの電位変動を起こしやすいという課題があった。

特許文献1には、フタロシアニン顔料のアシッドペースティング工程時に特定の有機電子アクセプターを添加することにより増感効果をもたらすことが記載されている。しかしながら、この手法では添加物(有機電子アクセプター)が化学変化することの懸念、および、所望の結晶形への変換が困難である場合があるという課題がある。

また、特許文献2には、極性有機溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が記載されている。N,N−ジメチルホルムアミドなどを変換溶剤に使用することにより、変換溶剤分子結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られることが記載されている。

概要

本発明は、常温常湿環境下だけでなく、低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥を抑制した電子写真感光体、ならびに、新規フタロシアニン結晶を提供する。本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体の感光層が、N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下である。

目的

しかしながら、近年のさらなる高画質化に対しては、様々な環境下においてゴースト現象による画質劣化の改善が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が結晶内にN,N−ジメチルホルムアミドを含有するフタロシアニン結晶を含有し、該N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、該フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体。

請求項2

前記フタロシアニン結晶が、CuKα線X線回折によるブラッグ角2θにおいて、7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、25.2°±0.2°および28.3°±0.2°にピークを有し、9.9°±0.2°に出現しているピーク強度が、9.9°±0.2°に出現しているピークの角度より2.8°広角側における強度に対して2.0倍以上であるヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項3

前記N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、前記フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.8質量%以上1.3質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ

請求項5

請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置

請求項6

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶であって、該N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、該フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とするフタロシアニン結晶。

請求項7

結晶内にN,N−ジメチルホルムアミドを含有するフタロシアニン結晶を製造するフタロシアニン結晶の製造方法であって、該N,N−ジメチルホルムアミドをフタロシアニンに加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程を有し、該ミリング処理の時間が250時間以上であることを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法。

請求項8

前記製造方法が、前記結晶変換工程の前に、アシッドペースティング法によって前記フタロシアニンを得る工程を有する請求項7に記載のフタロシアニン結晶の製造方法。

請求項9

支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、請求項7または8に記載のフタロシアニン結晶の製造方法により前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および前記フタロシアニン結晶を含有する感光層用塗布液塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該感光層を形成する工程、を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

請求項10

支持体、該支持体上に形成された電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、請求項7または8に記載のフタロシアニン結晶の製造方法により前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および前記フタロシアニン結晶を含有する電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該電荷発生層を形成する工程、を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶およびフタロシアニン結晶の製造方法に関する。

背景技術

0002

現在、電子写真分野における像露光手段としてよく用いられている半導体レーザー発振波長は、650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。

0003

フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効である。特にオキシチタニウムフタロシアニンガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形報告されている。

0004

ところが、フタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、優れた感度特性を有しているものの、生成したフォトキャリア感光層に残存しやすく、一種メモリーとして、ゴースト現象などの電位変動を起こしやすいという課題があった。

0005

特許文献1には、フタロシアニン顔料のアシッドペースティング工程時に特定の有機電子アクセプターを添加することにより増感効果をもたらすことが記載されている。しかしながら、この手法では添加物(有機電子アクセプター)が化学変化することの懸念、および、所望の結晶形への変換が困難である場合があるという課題がある。

0006

また、特許文献2には、極性有機溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が記載されている。N,N−ジメチルホルムアミドなどを変換溶剤に使用することにより、変換溶剤分子結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られることが記載されている。

先行技術

0007

特開2001−40237号公報
特開平7−331107号公報

発明が解決しようとする課題

0008

以上、電子写真感光体に関して、様々な改善が試みられている。
しかしながら、近年のさらなる高画質化に対しては、様々な環境下においてゴースト現象による画質劣化の改善が望まれている。特許文献2にはN,N−ジメチルホルムアミドを2.1重量%含有しているフタロシアニン結晶が記載されている。本発明者らの検討の結果、N,N−ジメチルホルムアミドの含有量によって、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、ゴースト現象などの電位変動を起こしやすい場合があることがわかった。そして、さらにゴースト現象を改善する余地があることがわかった。

0009

本発明の目的は、常温常湿環境下だけでなく、特に厳しい条件である低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体、その製造方法、ならびに、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、特定量のN,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶、およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明によれば、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が結晶内にN,N−ジメチルホルムアミドを含有するフタロシアニン結晶を含有し、
該N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、該フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体が提供される。

0011

また、本発明によれば、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体着脱自在であるプロセスカートリッジが提供される。

0012

また、本発明によれば、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置が提供される。

0013

また、本発明によれば、結晶内にN,N−ジメチルホルムアミドを含有するフタロシアニン結晶であって、
該N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、該フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とするフタロシアニン結晶が提供される。

0014

また、本発明によれば、結晶内にN,N−ジメチルホルムアミドを含有するフタロシアニン結晶を製造するフタロシアニン結晶の製造方法であって、
該N,N−ジメチルホルムアミドをフタロシアニンに加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程を有し、
該ミリング処理の時間が250時間以上であることを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法が提供される。

0015

また、本発明によれば、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、
上記フタロシアニン結晶の製造方法により前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および
前記フタロシアニン結晶を含有する感光層用塗布液塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該感光層を形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。

0016

また、本発明によれば、支持体、該支持体上に形成された電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、
上記フタロシアニン結晶の製造方法により前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および
前記フタロシアニン結晶を含有する電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該電荷発生層を形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。

発明の効果

0017

本発明によれば、常温常湿環境下だけでなく、特に厳しい条件である低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体、その製造方法、ならびに、プロセスカートリッジおよび電子写真装置が提供される。

0018

さらに、本発明によれば、電荷発生物質として優れた特性を有するフタロシアニン結晶、およびその製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0019

電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
実施例1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。

0020

電子写真感光体は、上記のとおり、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。本発明は、感光層が、N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする。

0021

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有しているフタロシアニン結晶を構成するフタロシアニンとしては以下のものが挙げられる。例えば、無金属フタロシアニン軸配位子を有しても良い金属フタロシアニンなどのフタロシアニンが使用でき、置換基を有しても良い。中でもオキシチタニウムフタロシアニンおよびガリウムフタロシアニンはゴーストを発生しやすいが、一方で優れた感度を有するので、特に好ましい。

0022

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有しているガリウムフタロシアニン結晶を構成するガリウムフタロシアニンとしては以下のものが挙げられる。例えば、ガリウムフタロシアニン分子ガリウム原子に軸配位子としてハロゲン原子ヒドロキシ基、または、アルコキシ基を有するものが挙げられる。また、フタロシアニン環にハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。

0023

ガリウムフタロシアニン結晶の中でも、優れた感度を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、ブロモガリウムフタロシアニン結晶、ヨードガリウムフタロシアニン結晶が、本発明の効果が有効に作用し、好ましい。中でもヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が特に好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヒドロキシ基を有するものである。ブロモガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子として臭素原子を有するものである。ヨードガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヨウ素原子を有するものである。

0024

さらに、CuKα線X線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、25.2°±0.2°および28.3°±0.2°にピークを有し、9.9°±0.2°に出現しているピーク強度が、9.9°±0.2°に出現しているピークの角度より2.8°広角側における強度に対して2.0倍以上であるヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であると、ゴースト現象による画像欠陥を抑制する効果の点でより好ましい。

0025

本発明において、N,N−ジメチルホルムアミドの含有量は、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下である。N,N−ジメチルホルムアミドの含有量が、1.5質量%より多いと、常温常湿環境下および低温低湿環境下のゴースト現象の抑制が十分ではない場合がある。N,N−ジメチルホルムアミドの含有量は、より好ましくは、0.8質量%以上1.3質量%以下である。

0026

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶の製造方法について説明する。

0027

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶は、N,N−ジメチルホルムアミドにフタロシアニン加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程で得られる。ミリング処理に用いるフタロシアニンは、アシッドペースティング法により得られたフタロシアニンであることが好ましい。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズスチールビーズアルミナボールなどの分散剤とともにサンドミルボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。
ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。また、変換溶剤としてはN,N−ジメチルホルムアミドの他に、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤クロロホルムなどのハロゲン系溶剤テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤などを併用しても良い。溶剤の使用量は、質量基準でフタロシアニンの5〜30倍が好ましい。

0028

N,N−ジメチルホルムアミドをフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下含有するフタロシアニン結晶は、ミリング処理時間を従来よりも長時間、結晶変換を行うことにより得られる。具体的には、ミリング処理の時間が250時間以上である。

0029

上記9.9°±0.2°に出現しているピーク強度が、9.9°±0.2°に出現しているピークの角度より2.8°広角側における強度に対して2.0倍以上であるヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、シェア強度の低いミリング方法を用いて結晶変換を行うと得られやすい。

0030

具体的には、ボールミルを用いて250時間以上変換を行うことにより好ましい結晶が得られる。さらには400時間以上変換を行うことがより好ましい。

0031

本発明者らは、結晶変換時間を長くしてゆくとフタロシアニン結晶に取り込まれるN,N−ジメチルホルムアミドの量が、減少してゆくことを新たに発見した。そして、本発明者らの検討の結果、特定量のN,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶が、優れたゴースト抑制効果を有することがわかった。

0032

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶は、結晶内にN,N−ジメチルホルムアミドを取込んでいることを意味する。

0033

本発明においては、得られたフタロシアニン結晶をNMR測定しデータを解析することにより、フタロシアニン結晶がN,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有しているかどうか、さらにN,N−ジメチルホルムアミドの含有量を決定する。

0034

本発明のフタロシアニン結晶のX線回折およびNMR測定は、次の条件で行った。
粉末X線回折測定
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット開放
発散制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、商品名:AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
積算回数:2000

0035

N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池センサースイッチング素子などに適用することができる。

0036

次に、N,N−ジメチルホルムアミドを結晶内に含有するフタロシアニン結晶を電子写真感光体における電荷発生物質として適用する場合について説明する。

0037

本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。感光層には、電荷発生物質および電荷輸送物質をともに含有する単一層からなる感光層(単層型感光層)や、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる感光層(積層型感光層)がある。中でも、電荷発生層、電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する積層型感光層が好ましい。

0038

支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウムアルミニウム合金、銅、亜鉛ステンレスバナジウムモリブデンクロムチタンニッケルインジウム、金および白金などの金属製、合金製の支持体を用いることができる。その他には、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム酸化スズおよび酸化インジウム−酸化スズ合金真空蒸着法によって被膜形成された層を有するプラスチック製支持体がある。また、導電性粒子結着樹脂とともにプラスチックまたは前記支持体の上に被覆した支持体がある。また、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体、導電性ポリマーを有するプラスチック製支持体などを用いることができる。導電性粒子としては、アルミニウム粒子酸化チタン粒子酸化スズ粒子酸化亜鉛粒子カーボンブラック銀粒子などが挙げられる。

0039

本発明においては、支持体および感光層の間にはバリア機能接着機能とを持つ下引き層バリア層、中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。

0040

結着樹脂としては、ポリビニルアルコールポリエチレンオキシドエチルセルロースメチルセルロースカゼインポリアミドナイロン6ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチルナイロンなど)、ポリウレタンなどが用いられる。下引き層の膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。

0041

単層型感光層を形成する場合、本発明のフタロシアニン結晶を電荷発生物質として用い、電荷輸送物質と共に結着樹脂溶液中に混合して、感光層用塗布液を調製する。この感光層用塗布液を支持体上に塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって感光層を形成することができる。

0042

積層型感光層を形成する場合、電荷発生層は、本発明のフタロシアニン結晶を結着樹脂溶液中に分散させて得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、蒸着によって電荷発生層を形成することもできる。

0043

電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。

0045

単層型感光層、電荷発生層、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。例えば、ポリエステルアクリル樹脂ポリビニルカルバゾールフェノキシ樹脂ポリカーボネートポリビニルブチラールポリスチレンポリビニルアセテートポリサルホンポリアリレート塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体ポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられる。

0046

感光層の塗布方法としては、ディッピング法スプレーコーティング法スピンナーコーティング法ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。

0047

感光層が単層型である場合、膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。

0048

感光層が積層型である場合、電荷発生層の膜厚は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。

0049

感光層が積層型である場合、電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して20〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。また、電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。

0050

感光層が単層型である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層の全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。また、電荷輸送物質の含有量は、感光層の全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。

0051

本発明のフタロシアニン結晶を電荷発生物質として用いる場合、他の電荷発生物質と混合して用いることもできる。この場合、本発明のフタロシアニン結晶の含有率は、全電荷発生物質に対して50質量%以上が好ましい。

0052

感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネートなど)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレンブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。

0053

保護層には、導電性粒子や紫外線吸収剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。

0054

図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。

0055

1は円筒状(ドラム状)の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。

0056

電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光レーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。

0057

電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性バイアス電圧印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。

0058

電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、像定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物プリントコピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。

0059

転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。

0060

本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などから、複数のものを選択し、容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成する。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9を電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。

0061

像露光光4は、電子写真装置が複写機プリンターである場合には、原稿からの反射光透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。

0062

本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。

0063

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は「質量部」を意味する。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)で求め、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。

0064

〔実施例1−1〕
特開2011−94101号公報に記載の合成例1に続いて実施例1−1と同様、以下のようにヒドロキシガリウムフタロシアニンを製造した。窒素フロー雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。次に、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン)を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン)6.6kgをハイパードライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いてマイクロ波照射を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥させた。
このようにして得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部を、直径0.8mmのガラスビーズ15部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で1000時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示し、ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。

0065

この結晶を重硫酸に溶解し、H−NMR測定を行ったところ、フタロシアニン分子由来のピークの他に、N,N−ジメチルホルムアミド由来のピークが観測された。N,N−ジメチルホルムアミドは液体であり、テトラヒドロフランに相溶することから、N,N−ジメチルホルムアミドはフタロシアニン結晶内に含有されていることが分かる。フタロシアニン結晶内へのN,N−ジメチルホルムアミドの含有量はプロトン比率から換算し、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.03質量%であった。

0066

〔実施例1−2〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から2000時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.42部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−1と同様であった。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.80質量%含有されていることが確認された。

0067

〔実施例1−3〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から500時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−1と同様であった。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.23質量%含有されていることが確認された。

0068

〔実施例1−4〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から400時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−1と同様であった。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.31質量%含有されていることが確認された。

0069

〔実施例1−5〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から300時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折チャート図3に示す。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.42質量%含有されていることが確認された。

0070

〔実施例1−6〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から250時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−5と同様であった。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.50質量%含有されていることが確認された。

0071

〔実施例1−7〕
実施例1−3において、ミリング処理に用いるヒドロキシガリウムフタロシアニンの添加量を0.5部から0.25部に変更した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.22部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−1と同様であった。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.34質量%含有されていることが確認された。

0072

〔実施例1−8〕
実施例1−5において、ミリング処理に用いるN,N−ジメチルホルムアミドの添加量を9.5部から3部に変更し、N−メチルピロリドンを6.5部加えた。それ以外は、実施例1−5と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.22部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−5と同様であった。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して0.50質量%含有されていることが確認された。

0073

〔実施例1−9〕
実施例1−1において、ミリング装置をボールミルからペイントシェーカに変更し、処理時間を24時間とした以外は実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折パターンは実施例1−1にて得たパターンよりブロードなものであった。得られた結晶の粉末X線回折チャートを図4に示す。ブラッグ角2θにおいて9.9°±0.2°に現れるピークの角度と強度、そのピークから2.8°広角側の強度、その比率を表1に示す。
NMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して1.45質量%含有されていることが確認された。

0074

0075

〔比較例1−1〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から48時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
得られた結晶のNMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して2.12質量%含有されていることが確認された。

0076

〔比較例1−2〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間から24時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
得られた結晶のNMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して2.50質量%含有されていることが確認された。

0077

〔比較例1−3〕
実施例1−1において、ミリング装置をボールミルからペイントシェーカに変更し、処理時間を4時間にした以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
得られた結晶のNMR測定によりN,N−ジメチルホルムアミドが、フタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して2.70質量%含有されていることが確認された。

0078

〔実施例2−1〕
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、
酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、
レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、
シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東シリコーン(株)製)3.6部、
を2−メトキシ1−プロパノール50部、
およびメタノール50部からなる混合溶液に20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。

0079

この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径24mm)上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。

0080

次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。

0081

この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。

0082

次に、
実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、
および、シクロヘキサノン250部を、
直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理し、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。

0083

この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。

0084

次に、下記式(1)で示される化合物(電荷輸送物質)8部、および、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。

0085

この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を1時間110℃で乾燥させることによって、膜厚が23μmの電荷輸送層を形成した。

0086

このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例2−1の電子写真感光体を作製した。

0087

〔実施例2−2〜2−9〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、実施例1−2〜1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−9の電子写真感光体を作成した。

0088

〔比較例2−1〜2−3〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、比較例1−1〜1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1〜2−3の電子写真感光体を作成した。

0089

〔実施例2−1〜2−9および比較例2−1〜2−3の評価〕
実施例2−1〜2−9および比較例2−1〜2−3の電子写真感光体について、ゴースト画像評価を行った。

0090

評価用の電子写真装置としては、日本ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)を、以下に示す改造を施して用いた。すなわち、前露光は点灯せず、帯電条件像露光量可変で作動するようにした。また、シアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着してシアンのプロセスカートリッジのステーションに取り付け、他の色用のプロセスカートリッジをプリンター本体に装着せずとも作動するようにした。

0091

画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみを本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。

0092

まず、温度23℃/湿度55%RHの常温常湿環境下で、初期暗部電位が−500V、明部電位が−100Vになるように帯電条件と像露光量を調整した。電位設定の際のドラム状電子写真感光体の表面電位の測定は、まず、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を装着する。その後、円筒状の電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。

0093

電位設定を行った後、同条件下でゴースト画像評価(初期)を行った。その後、1000枚の繰り返し通紙試験を行い、繰り返し通紙試験直後および繰り返し通紙試験15時間後でのゴースト画像評価を行った。常温常湿環境下における評価結果を表2に示す。

0094

次に、電子写真感光体を評価用の電子写真装置とともに温度15℃/湿度10%RHの低温低湿環境下で3日間放置した後、ゴースト画像評価(初期)を行った。そして、同条件下で1000枚の繰り返し通紙試験を行い、繰り返し通紙試験直後および繰り返し通紙試験15時間後でのゴースト画像評価を行った。低温低湿環境下における評価結果を表2に合わせて示す。
なお、繰り返し通紙試験は、印字率1%のE文字画像をA4サイズの普通紙にシアン単色で印字する条件で行った。

0095

また、ゴースト画像評価の方法は、以下のようにした。
ゴースト画像評価は、1枚目ベタ白画像を出力し、その後ゴーストチャートを4種類各1枚の計4枚出力する。次に、ベタ黒画像を1枚出力した後に再度ゴーストチャートを4種類各1枚の計4枚出力する。この順番画像出力を行い、計8枚のゴースト画像で評価した。ゴーストチャートは、出力画像書き出し(紙上端10mm)位置から30mmの範囲をベタ背景に25mm四方のベタ黒の正方形を等間隔、かつ、平行に4つ並べ、出力画像書き出し位置から30mm以降はハーフトーン印字パターンを4種類出力した。4種類のゴーストチャートをもとに、ランク分けを行った。

0096

4種類のゴーストチャートとは、出力画像書き出し位置から30mm以降のハーフトーンパターンのみ異なるチャートで、ハーフトーンのパターンは以下の4種類である。
(1)横*1ドット、1スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(2)横*2ドット、2スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(3)横*2ドット、3スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(4)桂馬パターンの印字(レーザー露光)パターン。(将棋の桂馬の動きのように6マスに2ドット印字するパターン)
*:横とは、電子写真感光体の表面に照射されるレーザースキャナーの走査方向(上記レーザービームプリンターにおいて出力された用紙では、用紙の出力方向に直交する方向)を指す。

0097

ゴースト画像のランク分けは以下のように行った。なお、ランク4、5、6は、本発明の効果が十分に得られていないレベルと判断した。
ランク1:いずれのゴーストチャートでもゴーストは見えない。
ランク2:特定のゴーストチャートでゴーストがうっすら見える。
ランク3:いずれのゴーストチャートでもゴーストがうっすら見える。
ランク4:特定のゴーストチャートでゴーストが見える。
ランク5:いずれのゴーストチャートでもゴーストが見える。
ランク6:特定のゴーストチャートでゴーストがはっきり見える。

実施例

0098

0099

1電子写真感光体
2 軸
3帯電手段
4像露光光
5現像手段
6転写手段
7転写材
8 像定着手段
9クリーニング手段
10前露光光
11プロセスカートリッジ
12 案内手段

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