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技術 流体判定装置及び流体判定方法

出願人 株式会社ミヤワキ
発明者 森幸治出本潔片岡晋也
出願日 2014年6月30日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-133948
公開日 2016年1月21日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2016-011904
状態 特許登録済
技術分野 機械的振動・音波の測定 気密性の調査・試験
主要キーワード 専用制御回路 振動プローブ 差分演算器 一次圧力 ドレン排出 所定ゲイン ゲージ圧力 流体漏れ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月21日)のものです。
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図面 (13)

課題

検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定する。

解決手段

流体判定装置1に、蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物の振動又は音響を検知する検知部20と、検知部20が出力した検知信号から、63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下の予め定められた第一周波数成分の強度と、2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であり、第一周波数よりも高い予め定められた第二周波数成分の強度と、を抽出する抽出部211と、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定する判定部311と、を備える。

概要

背景

従来から、下記特許文献1乃至4に記載されているように、流体が流れる配管等の検査対象物振動又は音響を検知し、検知した振動又は音響に含まれる所定の周波数成分の強度が所定の閾値よりも大きいか否かに応じて、流体漏れ等の検査対象物の異常の有無を判定することが知られている。また、検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合、高周波成分の強度の大きい振動又は音響が発生することが知られている。

そこで、上記知見に基づき、蒸気及び復水(ドレン)の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる配管やスチームトラップ等を検査対象物として、検査対象物の振動又は音響を検知し、検知した検査対象物の振動又は音響に含まれる所定の高周波数成分の強度が所定の閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定することが行われている。

概要

検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定する。流体判定装置1に、蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物の振動又は音響を検知する検知部20と、検知部20が出力した検知信号から、63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下の予め定められた第一周波数成分の強度と、2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であり、第一周波数よりも高い予め定められた第二周波数成分の強度と、を抽出する抽出部211と、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定する判定部311と、を備える。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定することができる流体判定装置及び流体判定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物振動又は音響を検知する検知部と、前記検知部が出力した検知信号から、63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下の予め定められた第一周波数成分の強度と、2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であり、前記第一周波数よりも高い予め定められた第二周波数成分の強度と、を抽出する抽出部と、前記第一周波数成分の強度と前記第二周波数成分の強度の差が、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、前記検査対象物内を流れる流体が前記蒸気であるか否かを判定する判定部と、を備える流体判定装置

請求項2

前記判定部は、前記差が、前記第一閾値よりも小さい第二閾値よりも大きいか否かに応じて、前記検査対象物内を流れる流体が前記蒸気と前記複水の混合流体であるか前記復水であるかを判定する請求項1に記載の流体判定装置。

請求項3

前記第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下に定められ、前記第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下に定められている請求項1又は2に記載の流体判定装置。

請求項4

前記第一周波数が1キロヘルツに定められ、前記第二周波数が10キロヘルツに定められている請求項1から3の何れか一項に記載の流体判定装置。

請求項5

蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物の振動又は音響を検知し、前記検知した振動又は音響に含まれる、63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下の予め定められた第一周波数成分の強度と、2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であり、前記第一周波数よりも高い予め定められた第二周波数成分の強度と、を抽出し、前記第一周波数成分の強度と前記第二周波数成分の強度の差が、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、前記検査対象物内を流れる流体が前記蒸気であるか否かを判定する流体判定方法

技術分野

0001

本発明は、流体判定装置及び流体判定方法に関し、特に、検査対象物内を流れる流体を判定する技術に関する。

背景技術

0002

従来から、下記特許文献1乃至4に記載されているように、流体が流れる配管等の検査対象物の振動又は音響を検知し、検知した振動又は音響に含まれる所定の周波数成分の強度が所定の閾値よりも大きいか否かに応じて、流体漏れ等の検査対象物の異常の有無を判定することが知られている。また、検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合、高周波成分の強度の大きい振動又は音響が発生することが知られている。

0003

そこで、上記知見に基づき、蒸気及び復水(ドレン)の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる配管やスチームトラップ等を検査対象物として、検査対象物の振動又は音響を検知し、検知した検査対象物の振動又は音響に含まれる所定の高周波数成分の強度が所定の閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定することが行われている。

先行技術

0004

特開平11−241945号公報
特開2002−323401号公報
特開2002−323400号公報
特開平6−207880号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、検査対象物内に大量の復水が流れた場合にも、高周波数成分の強度が大きい振動又は音響が発生することがある。したがって、検査対象物内に大量の復水が流れている場合に、上記の方法で検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定すると、所定の高周波数成分の強度が大きいことに起因して、検査対象物内を流れる流体が蒸気であると誤判定する虞があった。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定することができる流体判定装置及び流体判定方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る流体判定装置は、蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物の振動又は音響を検知する検知部と、前記検知部が出力した検知信号から、63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下の予め定められた第一周波数成分の強度と、2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であり、前記第一周波数よりも高い予め定められた第二周波数成分の強度と、を抽出する抽出部と、前記第一周波数成分の強度と前記第二周波数成分の強度の差が、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、前記検査対象物内を流れる流体が前記蒸気であるか否かを判定する判定部と、を備えるものである。

0008

また、本発明に係る流体判定方法は、蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物の振動又は音響を検知し、前記検知した振動又は音響に含まれる、63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下の予め定められた第一周波数成分の強度と、2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であり、前記第一周波数よりも高い予め定められた第二周波数成分の強度と、を抽出し、前記第一周波数成分の強度と前記第二周波数成分の強度の差が、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、前記検査対象物内を流れる流体が前記蒸気であるか否かを判定するものである。

0009

出願人は、蒸気及び復水の少なくとも何れか一方を含む流体が流れる検査対象物の振動又は音響を検知し、当該検知した振動又は音響に含まれる各周波数成分の強度を分析した。その結果、第一周波数が63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下であり、第二周波数が2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数である場合に、第一周波数成分の強度と第一周波数よりも高い第二周波数成分の強度の差が、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かによって大きく異なることを知見した。

0010

本構成は、上記知見に基づくものであり、検知した振動又は音響に含まれる、第一周波数成分の強度と第一周波数よりも高い第二周波数成分の強度の差が第一閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定するものである。

0011

つまり、本構成によれば、検査対象物内に大量の復水が流れているために、第二周波数成分の強度が大きい振動又は音響が発生している場合であっても、検知した振動又は音響に含まれる、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度との差が第一閾値以下であるときには、検査対象物内を流れる流体が蒸気ではないと適切に判定することができる。一方、検査対象物内に蒸気が流れているために、第二周波数成分の強度が大きい振動又は音響が発生している場合に、検知した振動又は音響に含まれる、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が第一閾値よりも大きいときは、検査対象物内を流れる流体が蒸気であると適切に判定することができる。

0012

このように、本構成によれば、従来から行われているように、検査対象物の振動又は音響を検知し、当該検知した振動又は音響に含まれる所定の高周波数成分の強度が所定の閾値よりも大きいか否かに応じて検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定する場合に比して、検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定することができる。

0013

また、前記判定部は、前記差が、前記第一閾値よりも小さい第二閾値よりも大きいか否かに応じて、前記検査対象物内を流れる流体が前記蒸気と前記複水の混合流体であるか前記復水であるかを判定してもよい。

0014

本構成によれば、検査対象物内に蒸気と復水の混合流体が流れているために、検知した振動又は音響に含まれる、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度との差が第二閾値よりも大きいときには、検査対象物内を流れる流体が混合流体であると判定することができる。一方、復水が検査対象物内を流れているために、検知した振動又は音響に含まれる、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度との差が第二閾値以下であるときには、検査対象物内を流れる流体が復水であると判定することができる。このように、本構成によれば、検査対象物内を流れる流体が蒸気と復水の混合流体であるか複水であるかの判別も行うことができる。

0015

また、前記第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下に定められ、前記第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下に定められていることが好ましい。

0016

出願人は、上記分析の結果、更に、第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下の周波数であり、第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数である場合に、検査対象物内を流れる流体が異なると、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が特に大きくなることを知見した。

0017

つまり、本構成によれば、第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下に定められ、第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下に定められているので、検査対象物内を流れる流体に応じて、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が顕著に異なることとなり、検査対象物内を流れる流体を判別する精度を向上することができる。

0018

また、前記第一周波数が1キロヘルツに定められ、前記第二周波数が10キロヘルツに定められていることが好ましい。

0019

出願人は、上記分析の結果、更に、第一周波数が1キロヘルツであり、第二周波数が10キロヘルツである場合、検査対象物内を流れる流体が異なると、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が最も大きく異なることを知見した。

0020

つまり、本構成によれば、第一周波数が1キロヘルツに定められ、第二周波数が10キロヘルツに定められているので、検査対象物内を流れる流体に応じて、第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差が最も顕著に異なることとなり、検査対象物内を流れる流体を判別する精度を更に向上することができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定することができる流体判定装置及び流体判定方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明に係る流体判定装置の一実施形態に係る検査装置の斜視概要図である。
前記検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
蒸気のみが流れているスチームトラップの振動に含まれる各周波数成分の振動レベルを示すヒストグラムである。
ドレンのみが流れているスチームトラップの振動に含まれる各周波数成分の振動レベルを示すヒストグラムである。
図3に示す第一周波数成分及び第二周波数成分の振動レベルと、当該第一周波数成分の振動レベルと当該第二周波数成分の振動レベルの差の一例を示す図である。
図4に示す第一周波数成分及び第二周波数成分の振動レベルと、当該第一周波数成分の振動レベルと当該第二周波数成分の振動レベルの差の一例を示す図である。
検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合とドレンである場合のそれぞれにおける第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差と、第一閾値との関係の一例を示す図である。
検査対象物内を流れる流体を判別する動作の一例を示すフローチャートである。
本発明に係る流体判定装置の第一変形実施形態に係る検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
本発明に係る流体判定装置の第二変形実施形態に係る検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合とドレンである場合のそれぞれにおける第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差と、第一閾値と、第二閾値との関係の一例を示す図である。
検査対象物内を流れる流体を判別する動作の図8とは別の一例を示すフローチャートである。

実施例

0023

以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る流体判定装置の一実施形態に係る検査装置の斜視概要図である。図1に示すように、検査装置1は、作業者が検査装置1を携帯して、蒸気及びドレン(復水)の少なくとも何れか一方を含む流体が流れるプラントの配管系各所を検査可能に構成されている。

0024

具体的には、検査装置1は、計測器2と、これにケーブルを介して接続される処理器3とを備え、流体の配管やスチームトラップ等の検査対象物の表面に計測器2を当接させて振動を検知し、得られたデータを処理器3で処理するように構成されている。

0025

図2は、検査装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、計測器2は、計測開始用スイッチ221(図1)を有する入力部22と、検査対象物の振動を検知する検知部20と、計測器2を統括的に制御する第一中央処理部21と、を備えている。

0026

検知部20は、例えば図1に示すように円錐状に形成され、計測器2の先端に突設された、検査対象物の振動検出部分となる振動プローブ201と、振動プローブ201から伝達される振動の強さに応じた電圧を発生する圧電型セラミック素子からなる振動センサ202とを備えている。また、検知部20は、振動センサ202の出力電圧に含まれるノイズを除去し、所定の周波数帯域分の信号を得るフィルタ203と、フィルタ203の出力信号所定ゲイン増幅する増幅器204と、増幅器204の出力信号をA/D(アナログデジタル)変換するA/D変換器205を備えている。つまり、検知部20は、A/D変換器205の出力信号を、検査対象物の振動レベル(振動の強度)を示す検知信号として、第一中央処理部21へ出力する。

0027

第一中央処理部21は、例えば、所定の演算処理を実行する不図示のCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM等の不図示の不揮発性メモリーと、データを一時的に記憶するための不図示のRAM(Random Access Memory)と、処理器3に備えられた後述の第二中央処理部31との間でデータを入出力するための入出力回路等の不図示の周辺回路と、を備えている。

0028

第一中央処理部21は、不揮発性メモリー等に記憶された制御プログラムをCPUに実行させることにより、検知部20及び入力部22の動作を制御する。また、第一中央処理部21は、制御プログラムをCPUに実行させることにより、検知部20が出力した検知信号を用いた各種処理を実行し、当該各種処理の実行結果を示すデータを処理器3へ出力する。

0029

第一中央処理部21は、特に、検知部20が出力した検知信号を用いた各種処理を実行するに当たり、フーリエ変換部211及び差分演算部212として動作する。

0030

フーリエ変換部211は、フーリエ変換を行うことによって、検知部20が出力した検知信号から、検査対象物の振動に含まれる各周波数成分の振動レベルを抽出する。つまり、フーリエ変換部211は、本発明に係る抽出部の一例を構成している。

0031

以下に、フーリエ変換部211が検査対象物の振動に含まれる各周波数成分の振動レベルを抽出する具体例を示す。図3は、蒸気のみが流れているスチームトラップの振動に含まれる各周波数成分(横軸)の振動レベル(縦軸)を示すヒストグラムである。例えば、スチームトラップを検査対象物とし、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPa、0.4MPa、0.7MPaである場合のそれぞれにおいて、当該スチームトラップの二次側から蒸気のみが排出され、当該スチームトラップ内に蒸気が流れていると考えられるときに、当該スチームトラップの振動を検知部20に検知させたとする。

0032

尚、スチームトラップの一次側圧力は、蒸気が流入する側の配管の圧力を示す。また、スチームトラップの一次側圧力は、スチームトラップの二次側圧力(ドレン排出側の配管の圧力)が大気圧(0MPa)であるものとして、当該二次側圧力を基準とした場合のゲージ圧力を示す。

0033

この場合、フーリエ変換部211は、フーリエ変換を行うことによって、図3に示すように、検知部20が出力した検知信号から、800ヘルツから50キロヘルツまでの1/3オクターブずつ異なる各周波数成分(横軸)の振動レベル(縦軸)を抽出する。

0034

図3において、黒塗部は、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPaの場合の各周波数成分の振動レベルを示す。網掛部は、スチームトラップの一次側圧力が0.4MPaの場合の各周波数成分の振動レベルを示す。白塗部は、スチームトラップの一次側圧力が0.7MPaの場合の各周波数成分の振動レベルを示す。

0035

図4は、ドレンのみが流れているスチームトラップの振動に含まれる各周波数成分(横軸)の振動レベル(縦軸)を示すヒストグラムである。上記とは別の具体例として、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPa、0.4MPa、0.7MPaである場合のそれぞれにおいて、当該スチームトラップの二次側からドレンのみが排出され、当該スチームトラップ内にドレンが流れていると考えられるときに、当該スチームトラップの振動を検知部20に検知させたとする。

0036

この場合も同様に、フーリエ変換部211は、フーリエ変換を行うことによって、図4に示すように、検知部20が出力した検知信号から、800ヘルツから50キロヘルツまでの1/3オクターブずつ異なる各周波数成分(横軸)の振動レベル(縦軸)を抽出する。

0037

図3と同様に、図4においても、黒塗部は、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPaの場合の各周波数成分の振動レベルを示す。網掛部は、スチームトラップの一次側圧力が0.4MPaの場合の各周波数成分の振動レベルを示す。白塗部は、スチームトラップの一次側圧力が0.7MPaの場合の各周波数成分の振動レベルを示す。

0038

尚、上記のように、CPUに制御プログラムを実行させることによって、第一中央処理部21をフーリエ変換部211として動作させる構成に代えて、フーリエ変換部211が行う上記の各周波数成分の振動レベルを抽出する処理を実行する専用制御回路ハードウェア)を構成し、当該専用制御回路を第一中央処理部21に接続してもよい。

0039

この場合、第一中央処理部21は、検知部20が出力した検知信号を、フーリエ変換部211に代わる上記の専用制御回路に入力し、当該専用制御回路は、当該入力された検知信号を用いて上記の抽出処理を行う。そして、当該専用制御回路は、抽出した各周波数成分の振動レベルを示す信号を第一中央処理部21へ出力する。

0040

図2に参照を戻す。差分演算部212は、フーリエ変換部211によって抽出された各周波数成分の振動レベルのうち、予め定められた第一周波数成分の振動レベルと、予め定められた第二周波数成分の振動レベルとの差を算出し、算出した差を表すデータを処理器3へ出力する。第一周波数及び第二周波数は、第一中央処理部21内の不揮発性メモリーに記憶されている。

0041

以下に、差分演算部212が第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差を算出する具体例を示す。例えば、フーリエ変換部211が、図3に示すように、蒸気のみが流れているスチームトラップの振動に含まれる各周波数成分の振動レベルを抽出したとする。また、第一周波数が1キロヘルツであり、第二周波数が10キロヘルツであるとする。図5は、図3に示す第一周波数成分及び第二周波数成分の振動レベルと、当該第一周波数成分の振動レベルと当該第二周波数成分の振動レベルの差ΔLの一例を示す図である。

0042

この場合、差分演算部212は、図5に示すように、スチームトラップの一次圧力が0.2MPaであるときは、図3の黒塗部に示す各周波数成分の振動レベルのうち、1キロヘルツ成分の振動レベル「−108dB」と、10キロヘルツ成分の振動レベル「−54dB」の差ΔL「54dB」を算出する。そして、差分演算部212は、当該算出した差ΔL「54dB」を示すデータを処理器3へ出力する。

0043

同様に、差分演算部212は、スチームトラップの一次圧力が0.4MPaであるときは、図3の網掛部に示す各周波数成分の振動レベルのうち、1キロヘルツ成分の振動レベル「−101dB」と、10キロヘルツ成分の振動レベル「−39dB」との差ΔL「62dB」を算出し、当該算出した差ΔL「62dB」を示すデータを処理器3へ出力する。また、差分演算部212は、スチームトラップの一次圧力が0.7MPaであるときは、図3の白塗部に示す各周波数成分の振動レベルのうち、1キロヘルツ成分の振動レベル「−89dB」と、10キロヘルツ成分の振動レベル「−27dB」との差ΔL「62dB」を算出し、当該算出した差ΔL「62dB」を示すデータを処理器3へ出力する。

0044

上記とは別の具体例として、例えば、フーリエ変換部211が、図4に示すように、ドレンのみが流れているスチームトラップの振動に含まれる各周波数成分の振動レベルを抽出したとする。また、第一周波数が1キロヘルツであり、第二周波数が10キロヘルツであるとする。図6は、図4に示す第一周波数成分及び第二周波数成分の振動レベルと、当該第一周波数成分の振動レベルと当該第二周波数成分の振動レベルの差ΔLの一例を示す図である。

0045

この場合、差分演算部212は、図6に示すように、スチームトラップの一次圧力が0.2MPaであるときは、図4の黒塗部に示す各周波数成分の振動レベルのうち、1キロヘルツ成分の振動レベル「−106dB」と、10キロヘルツ成分の振動レベル「−85dB」との差ΔL「21dB」を算出する。そして、差分演算部212は、当該算出した差ΔL「21dB」を示すデータを処理器3へ出力する。

0046

同様に、差分演算部212は、スチームトラップの一次圧力が0.4MPaであるときは、図4の網掛部に示す各周波数成分の振動レベルのうち、1キロヘルツ成分の振動レベル「−100dB」と、10キロヘルツ成分の振動レベル「−79dB」との差ΔL「21dB」を算出し、当該算出した差ΔL「21dB」を示すデータを処理器3へ出力する。また、差分演算部212は、スチームトラップの一次圧力が0.7MPaであるときは、図4の白塗部に示す各周波数成分の振動レベルのうち、1キロヘルツ成分の振動レベル「−82dB」と、10キロヘルツ成分の振動レベル「−70dB」との差ΔL「12dB」を算出し、当該算出した差ΔL「12dB」を示すデータを処理器3へ出力する。

0047

尚、上記のように、CPUに制御プログラムを実行させることによって、第一中央処理部21を差分演算部212として動作させる構成に代えて、差分演算部212が行う上記の第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLを算出する処理を実行する専用制御回路(ハードウェア)を構成し、当該専用制御回路を第一中央処理部21に接続してもよい。以下では、説明の便宜上、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLを、振動レベル差ΔLと略記することがある。

0048

この場合、第一中央処理部21は、フーリエ変換部211によって抽出された各周波数成分の振動レベルを示す信号を、差分演算部212に代わる上記の専用制御回路に入力し、当該専用制御回路は、当該入力された信号を用いて上記の算出処理を行う。そして、当該専用制御回路は、算出した振動レベル差ΔLを示す信号を第一中央処理部21へ出力する。そして、第一中央処理部21は、当該振動レベル差ΔLを示すデータを処理器3へ出力する。

0049

再び図2に参照を戻す。処理器3は、ユーザが各種情報を入力するために用いる複数のキーからなるユーザ入力部32(図1にも記載)と、各種情報を表示するための例えば液晶表示器からなる表示部33(図1にも記載)と、処理器3を統括的に制御する第二中央処理部31と、を備えている。

0050

第二中央処理部31は、例えば、所定の演算処理を実行する不図示のCPUと、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM等の不図示の不揮発性メモリーと、データを一時的に記憶するための不図示のRAMと、計測器2に備えられた第一中央処理部21との間でデータを入出力するための入出力回路等の不図示の周辺回路と、を備えている。

0051

第二中央処理部31は、不揮発性メモリー等に記憶された制御プログラムをCPUに実行させることにより、ユーザ入力部32及び表示部33の動作を制御する。また、第二中央処理部31は、制御プログラムをCPUに実行させることにより、第一中央処理部21が出力したデータを用いた各種処理を実行する。

0052

第二中央処理部31は、特に、第一中央処理部21が出力した振動レベル差ΔLを示すデータを用いた処理を行うに当たり、判定部311として動作する。

0053

判定部311は、計測器2から入力されたデータが示す振動レベル差ΔLが、予め定められた第一閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定する。第一閾値は、第二中央処理部31内の不揮発性メモリーに記憶されている。

0054

以上で説明した、第一周波数、第二周波数、及び第一閾値の設定値、並びに、判定部311の構成は、以下に示す、出願人が実験結果から得た知見に基づいて定められている。

0055

出願人は、検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合とドレンである場合のそれぞれにおいて、検査対象物の振動を検知部20に検知させ、検知された振動に含まれる各周波数成分の振動レベルをフーリエ変換部211に抽出させ、振動レベル差ΔLを差分演算部212に算出させることを、第一周波数及び第二周波数を異ならせて繰り返す実験を行った。更に、出願人は、当該実験を検査対象物を異ならせて繰り返し行った。

0056

そして、出願人は、当該実験結果を分析したところ、第一周波数が63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下であり、第二周波数が2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数である場合に、振動レベル差ΔLが、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かによって大きく異なることを知見した。

0057

以下、出願人が知見した内容を具体的に説明する。以下の説明では、具体例として、第一周波数が1キロヘルツであり、第二周波数が10キロヘルツであるとする。また、上記のように、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPa、0.4MPa、0.7MPaである場合のそれぞれにおいて、スチームトラップの二次側から蒸気のみが排出され、スチームトラップ内に蒸気が流れていると考えられるときに、スチームトラップの振動を検知部20に検知させたものとする。そして、フーリエ変換部211が、図3に示すように、各周波数成分の振動レベルを抽出し、差分演算部212が、図5に示すように、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPa、0.4MPa、0.7MPaである場合の振動レベル差ΔLを、それぞれ、「54dB」、「64dB」、「62dB」と算出したものとする。

0058

同様に、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPa、0.4MPa、0.7MPaである場合のそれぞれにおいて、スチームトラップの二次側からドレンのみが排出され、スチームトラップ内にドレンが流れていると考えられるときにも、スチームトラップの振動を検知部20に検知させたものとする。そして、フーリエ変換部211が、図4に示すように、各周波数成分の振動レベルを抽出し、差分演算部212が、図6に示すように、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPa、0.4MPa、0.7MPaである場合の振動レベル差ΔLを、それぞれ、「21dB」、「21dB」、「12dB」と算出したものとする。

0059

図7は、検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合とドレンである場合のそれぞれにおける第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLと、第一閾値Th1との関係の一例を示す図である。出願人は、図7に示すように、横軸をスチームトラップの一次側圧力とし、縦軸を振動レベル差ΔLとする二次元座標に、差分演算部212により算出された上記6つの振動レベル差ΔLをそれぞれプロットした。尚、図7において、白丸部は、スチームトラップ内に蒸気が流れているときの振動レベル差ΔLを示し、黒丸部は、スチームトラップ内にドレンが流れているときの振動レベル差ΔLを示す。

0060

出願人は、上記プロットした結果、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPaの場合、スチームトラップ内に蒸気が流れているときの振動レベル差ΔL「54dB」と、スチームトラップ内にドレンが流れているときの振動レベル差ΔL「21dB」と、の差(以下、流体差と記載する)ΔD1が「43dB」であり、流体差ΔD1が大きいことを知見した。つまり、出願人は、スチームトラップの一次側圧力が0.2MPaの場合、スチームトラップ内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが大きく異なることを知見した。

0061

同様に、出願人は、スチームトラップの一次側圧力が0.4MPaの場合、流体差ΔD2が「41dB(=62dB−21dB)」であり、スチームトラップの一次側圧力が0.7MPaの場合、流体差ΔD3が「50dB(=62dB−12dB)」であり、2つの流体差ΔD2、ΔD3が共に大きいことを知見した。つまり、出願人は、スチームトラップの一次側圧力が0.4MPa及び0.7MPaである場合も、スチームトラップ内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが大きく異なることを知見した。

0062

これにより、出願人は、第一周波数を1キロヘルツとし、第二周波数を10キロヘルツとした場合には、スチームトラップの一次側圧力によらず、スチームトラップ内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが大きく異なることを知見した。

0063

そこで、出願人は、第一周波数及び第二周波数を異なる周波数に変更し、上記と同様にして、スチームトラップ内に蒸気が流れる場合とドレンが流れる場合とのそれぞれにおける振動レベル差ΔLをプロットすることを繰り返す実験を行い、その実験結果を分析した。

0064

当該分析結果、詳細な説明は省略するが、出願人は、第一周波数が63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下であり、第二周波数が2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数である場合に、スチームトラップ内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが大きく異なることを知見した。

0065

また、出願人は、第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下であり、第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数である場合には、スチームトラップ内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが特に大きく異なることを知見した。

0066

また、出願人は、上記具体例に示したように、第一周波数が1キロヘルツであり、第二周波数が10キロヘルツである場合には、スチームトラップ内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが最も大きく異なることを知見した。

0067

そして、出願人は、更に、検査対象物を例えば蒸気が流れる配管やドレンが流れる配管等に変更して上記実験を繰り返し行い、各実験結果を分析した結果、上記と同じ知見が得られることを確信した。

0068

そこで、出願人は、上記知見に基づいて、第一周波数を63ヘルツ以上且つ10キロヘルツ以下に定め、第二周波数を2キロヘルツ以上且つ50キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数に定めることにした。そして、出願人は、このように第一周波数と第二周波数を定めた場合の実験結果に基づき、検査対象物内を流れる流体がドレンであるときの振動レベル差ΔLよりも大きく、且つ、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるときの振動レベル差ΔLよりも小さい第一閾値Th1を定めることにした。そして、出願人は、計測器2が処理器3へ出力したデータに含まれる振動レベル差ΔLが、当該第一閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定するように判定部311を構成した。

0069

つまり、例えば、第一周波数を1キロヘルツに定め、第二周波数を10キロヘルツに定め、図7に示すように、第一閾値Th1を、例えば「38dB」に定めたとする。この場合、計測器2が処理器3へ出力したデータに含まれる振動レベル差ΔLが、第一閾値Th1である「38dB」よりも大きいときは、検査対象物内を流れる流体が蒸気であると判定するように、判定部311を構成している。一方、上記振動レベル差ΔLが第一閾値Th1である「38dB」以下のときは、検査対象物内を流れる流体が蒸気ではないと判定するように、判定部311を構成している。

0070

以下では、検査対象物内の流体を判別する動作について説明する。図8は、検査対象物内を流れる流体を判別する動作の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、ユーザが振動プローブ201(図1図2)を検査対象物に当接させ、計測開始用スイッチ221(図1)を押下すると、第一中央処理部21は、検知部20に、当該検査対象物の振動レベルを示す検知信号を出力させる(S1)。

0071

検知部20が検知信号を出力すると、フーリエ変換部211は、検査対象物の振動のうちの各周波数成分の振動レベルを抽出する(S2)。差分演算部212は、第一中央処理部21内の不揮発性メモリーから、第一周波数及び第二周波数を読み出し、フーリエ変換部211によって抽出された各周波数成分の振動レベルに含まれる第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔL(振動レベル差ΔL)を算出し、算出した振動レベル差ΔLを示すデータを処理器3へ出力する(S3)。

0072

振動レベル差ΔLを示すデータが処理器3に入力されると、判定部311は、第二中央処理部31内の不揮発性メモリーから第一閾値Th1を読み出し、入力されたデータが示す振動レベル差ΔLが、当該読み出した第一閾値Th1よりも大きいか否かを判定する(S4)。

0073

判定部311は、ステップS4において、振動レベル差ΔLが第一閾値Th1よりも大きいと判定した場合(S4;YES)、検査対象物内を流れる流体が蒸気であると判定し、検査対象物内を流れる流体が蒸気である旨のメッセージを表示部33に表示する(S5)。

0074

一方、判定部311は、ステップS4において、振動レベル差ΔLが第一閾値Th1以下であると判定した場合(S4;NO)、検査対象物内を流れる流体が蒸気ではないと判定し、検査対象物内を流れる流体が蒸気ではない旨のメッセージを表示部33に表示する(S6)。

0075

つまり、上記実施形態の構成によれば、検査対象物内に大量のドレンが流れているために、第二周波数成分の振動レベルが大きい振動が発生している場合であっても、検知した振動に含まれる、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLが第一閾値Th1以下であるときには、検査対象物内を流れる流体が蒸気ではないと適切に判定することができる。一方、検査対象物内に蒸気が流れているために、第二周波数成分の振動レベルが大きい振動が発生している場合に、検知した振動に含まれる、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLが第一閾値Th1よりも大きいときは、検査対象物内を流れる流体が蒸気であると適切に判定することができる。

0076

このように、上記実施形態の構成によれば、従来から行われているように、検査対象物の振動を検知し、当該検知した振動に含まれる所定の高周波数成分の振動レベルが所定の閾値よりも大きいか否かに応じて検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを判定する場合に比して、検査対象物内に蒸気が流れているか否かを適切に判定することができる。

0077

尚、上記実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。

0078

(1)例えば、本発明に係る流体判定装置は、図9に示す検査装置1aであってもよい。図9は、本発明に係る流体判定装置の第一変形実施形態に係る検査装置1aの電気的構成を示すブロック図である。図9において、図2と同じ構成の各動作部については同符号を付し、その説明を省略する。

0079

検査装置1aは、図2に示す計測器2とは異なる計測器2aと、処理器3とを備えている。計測器2aは、図2に示す計測器2の検知部20及び第一中央処理部21とは異なる検知部20a及び第一中央処理部21aを備えている。

0080

検知部20aは、図2に示す検知部20と同じ振動プローブ201及び振動センサ202を備えている。更に、検知部20aは、振動センサ202の出力電圧に含まれるノイズを除去し、第一周波数の信号のみを得るフィルタ203aと、振動センサ202の出力電圧に含まれるノイズを除去し、第二周波数の信号のみを得るフィルタ203bと、を備えている。また、検知部20aは、フィルタ203a、203bの各出力信号を所定ゲインで増幅する増幅器204a、204bと、増幅器204a、204bの各出力信号をA/D変換するA/D変換器205a、205bを備えている。

0081

つまり、検知部20aは、A/D変換器205aの出力信号を、検査対象物の振動に含まれる第一周波数成分の振動レベルを表す検知信号として第一中央処理部21aへ出力し、A/D変換器205bの出力信号を、検査対象物の振動に含まれる第二周波数成分の振動レベルを表す検知信号として第一中央処理部21aへ出力する。

0082

第一中央処理部21aは、第一中央処理部21(図2)と同様に、CPUと、不揮発性メモリーと、RAMと、周辺回路と、を備えている。第一中央処理部21aは、CPUに制御プログラムを実行させることによって差分演算部212aとして動作する。

0083

差分演算部212aは、検知部20aによって出力された2つの検知信号がそれぞれ示す第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔL(振動レベル差ΔL)を算出し、算出した振動レベル差ΔLを表すデータを処理器3へ出力する。

0084

このように、検知部20aが、検査対象物の振動に含まれる第一周波数成分の振動レベルを表す検知信号と、検査対象物の振動に含まれる第二周波数成分の振動レベルを表す検知信号とを第一中央処理部21aへ出力するようにして、第一中央処理部21aが、フーリエ変換部211(図2)として動作しないように構成してもよい。つまり、検知部20aによって、本発明に係る検知部及び抽出部を構成してもよい。

0085

(2)または、本発明に係る流体判定装置は、図10に示す検査装置1bであってもよい。図10は、本発明に係る流体判定装置の第二変形実施形態に係る検査装置1bの電気的構成を示すブロック図である。図10において、図9と同じ構成の各動作部については同符号を付し、その説明を省略する。

0086

検査装置1bは、図9に示す計測器2aとは異なる計測器2bと、処理器3と、を備えている。計測器2bは、図9に示す計測器2aの検知部20a及び第一中央処理部21aとは異なる検知部20b及び第一中央処理部21bを備えている。

0087

検知部20bは、図9に示す検知部20aと同じ、振動プローブ201、振動センサ202、フィルタ203a、203b、及び増幅器204a、204bを備えている。また、検知部20bは、増幅器204aの出力信号のレベルと増幅器204bの出力信号のレベルの差分を示すアナログ信号を出力する差分演算器212bと、差分演算器212bの出力信号をA/D変換するA/D変換器205cを備えている。

0088

つまり、検知部20bは、A/D変換器205cの出力信号を、検査対象物の振動に含まれる第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLを表す検知信号として、第一中央処理部21bへ出力する。

0089

第一中央処理部21bは、第一中央処理部21a(図9)と同様に、CPUと、不揮発性メモリーと、RAMと、周辺回路と、を備えている。第一中央処理部21bは、CPUに制御プログラムを実行させることによって、検知部20bによって出力された検知信号を、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLを表すデータとして処理器3へ出力する。

0090

このように、検知部20bが、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLを表す検知信号を第一中央処理部21bへ出力するようにして、第一中央処理部21bが、フーリエ変換部211(図2)及び差分演算部212(図2)、212a(図9)として動作しないように構成してもよい。つまり、検知部20bによって、本発明に係る検知部及び抽出部を構成してもよい。

0091

(3)また、第一閾値Th1を、検査対象物内に蒸気のみが流れているときの振動レベル差ΔLよりもわずかに小さい値に定めてもよい。そして、当該第一閾値Th1よりも小さく、検査対象物内にドレンのみが流れているときの振動レベル差ΔLよりもわずかに大きい第二閾値を新たに定め、第二中央処理部31内の不揮発性メモリーに記憶してもよい。そして、振動レベル差ΔLが第二閾値よりも大きいか否かに応じて、検査対象物内を流れる流体が蒸気と複水の混合流体であるかドレンであるかを判定するように、判定部311を構成してもよい。

0092

以下、当該変形実施形態の構成について図11及び図12を用いて具体的に説明する。図11は、検査対象物内を流れる流体が蒸気である場合とドレンである場合のそれぞれにおける第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLと、第一閾値Th1と、第二閾値Th2との関係の一例を示す図である。図12は、検査対象物内を流れる流体を判別する動作の図8とは別の一例を示すフローチャートである。尚、図12において、図8と同じ内容のステップについては同じ符号を付し、その説明を省略する。

0093

図11は、図7と同じ6つの振動レベル差ΔLが算出され、当該6つの振動レベル差ΔLが上記の二次元座標にプロットされた結果を示している。例えば、図11に示す6つの振動レベル差ΔLに基づいて、第一閾値Th1を、検査対象物内に蒸気が流れているときの振動レベル差ΔLよりもわずかに小さい値である「50dB」に定め、第二閾値Th2を、検査対象物内にドレンが流れているときの振動レベル差ΔLよりもわずかに大きい値である「25dB」に定めてもよい。

0094

この場合、判定部311は、図12に示すように、ステップS4において、振動レベル差ΔLが第一閾値Th1以下であると判定した場合(S4;NO)、第二中央処理部31内の不揮発性メモリーから第二閾値Th2を読み出し、振動レベル差ΔLが、当該読み出した第二閾値Th2よりも大きいか否かを判定する(S7)。

0095

判定部311は、ステップS7において、振動レベル差ΔLが第二閾値Th2以下であると判定した場合(S7;NO)、検査対象物内を流れる流体がドレンであると判定し、検査対象物内を流れる流体がドレンである旨のメッセージを表示部33に表示する(S8)。

0096

一方、判定部311は、ステップS7において、振動レベル差ΔLが第二閾値Th2よりも大きいと判定した場合(S7;YES)、検査対象物内を流れる流体が、蒸気ではなく、且つ、ドレンでもないので、検査対象物内を流れる流体が蒸気とドレンの混合流体であると判定する。そして、判定部311は、検査対象物内を流れる流体が混合流体である旨のメッセージを表示部33に表示する(S9)。

0097

当該変形実施形態の構成によれば、検査対象物内に蒸気と復水の混合流体が流れているために、検知した振動に含まれる、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLが第二閾値Th2よりも大きいときには、検査対象物内を流れる流体が混合流体であると判定することができる。一方、ドレンが検査対象物内を流れているために、検知した振動に含まれる、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差が第二閾値Th2以下であるときには、検査対象物内を流れる流体がドレンであると判定することができる。このように、当該変形実施形態の構成によれば、検査対象物内を流れる流体が蒸気とドレンの混合流体であるかドレンであるかの判別も行うことができる。

0098

(4)また、第一周波数を63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下に定め、第二周波数を8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数に定めてもよい。

0099

上記のように、出願人は、第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下であり、第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下であって、第一周波数よりも高い周波数である場合には、検査対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが特に大きく異なることを知見した。

0100

つまり、本変形実施形態の構成によれば、第一周波数が63ヘルツ以上且つ2.5キロヘルツ以下に定められ、第二周波数が8キロヘルツ以上且つ20キロヘルツ以下に定められているので、検査対象物内を流れる流体に応じて、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLが顕著に異なることとなり、検査対象物内を流れる流体を判別する精度を向上することができる。

0101

(5)又は、第一周波数を1キロヘルツに定め、第二周波数を10キロヘルツに定めてもよい。

0102

上記のように、出願人は、第一周波数が1キロヘルツであり、第二周波数が10キロヘルツである場合には、スチームトラップに流れる流体が蒸気であるか否かによって、振動レベル差ΔLが最も大きく異なることを知見した。

0103

つまり、本変形実施形態の構成によれば、第一周波数が1キロヘルツに定められ、第二周波数が10キロヘルツに定められているので、検査対象物内を流れる流体に応じて、第一周波数成分の振動レベルと第二周波数成分の振動レベルの差ΔLが最も顕著に異なることとなり、検査対象物内を流れる流体を判別する精度を更に向上することができる。

0104

(6)また、検知部20(図2)、20a(図9)、20b(図10)に、振動プローブ201及び振動センサ202(図1図2図9図10)を備えることに代えて、検査対象物の音響の強さに応じた電圧を発生するマイクロフォンを備えてもよい。つまり、上記各実施形態において、検知部20、20a、20bが検査対象物の振動を検知することに代えて、検査対象物の音響を検知するようにしてもよい。そして、当該検知した音響から抽出した各周波数成分の強度に基づき、判定部311(図2)が、検査対象物内を流れる流体を判別するようにしてもよい。

0105

1、1a、1b検査装置(流体判定装置)
20 検知部
20a、20b 検知部(検知部及び抽出部)
211フーリエ変換部(抽出部)
311 判定部
ΔL振動レベル差(第一周波数成分の強度と第二周波数成分の強度の差)

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