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技術 外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン

出願人 アイカ工業株式会社
発明者 小川佳祐石川剛史
出願日 2014年6月30日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2014-133987
公開日 2016年1月21日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-011529
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 既存建築物への作業
主要キーワード 頭部キャップ 上ぶた 頭部フランジ フランジ径 タイル片 コアカッター ローラ刷毛 チキソトロピックインデックス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

建築物コンクリート外皮貼付けられたタイル意匠性を損なうことなく、該タイルの剥落を防止することができる外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供する。

解決手段

外壁タイル3面又は目地7にアンカーピン4を打込んでアンカーピン4をコンクリート躯体1に固着し,該アンカーピン4の頭部4b及び外壁タイル3面及び目地7に、アミノ基含有アクリル樹脂エポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマー8を塗付して透明プライマー層を形成し、この上にNCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維光安定剤紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層9を形成し,この上に光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層10を形成した外壁タイル剥落防止構造20とする。

概要

背景

従来、コンクリート建築物には、コンクリート中性化の効果的防止や、意匠性の付与等を目的としてコンクリート外皮面にタイルを貼り付ける場合がある。しかし、タイルのコンクリート外皮への貼り付けはセメントモルタル主体とした貼付けモルタルを使用することが多いため、自動車通行地震、風による振動や貼付けモルタルの冷熱繰り返しや水分による経年劣化等により、タイルがコンクリート外皮より剥離して地上等に落下することがある。

これを防止するため、建築物用外壁施工方法及びその外壁が提案されている(特許文献1)。該建築物用外壁の施工方法は、基礎外壁の表面にタイルを配設した建築物用外壁において、前記タイルの浮きによる剥離のある部位の表面に下地材としてのラテックスモルタルを薄く塗布し、その後、その表面にネットを配置し、次に該ネットの上から前記基礎外壁にピン打ち込み、その頭部の周囲に広がる一枚のフランジで前記ネットを押えると共に、該ネットの面と前記ピンの頭部とを略面一にし、次いで、該ピンおよび前記ネットの上面に、該ネットおよび前記ピンがかくれるように、再度、ラテックスモルタルを塗布することを特徴とするものである。また、特許文献1のその外壁とは、基礎外壁の表面にタイルを配設した建築物用外壁において、前記タイルの表面にラテックスモルタルの薄い層を形成し、該ラテックスモルタルの上面にネットを配設すると共に、該配設したネットの複数箇所を、頭部に、周囲に広がる一枚のフランジを備えたピンによって押え、該ピンを前記基礎外壁に固定し、該ピンの頭部と前記ネットの面とを略面一に配置し、該ネットの上にラテックスモルタルの層を形成したことを特徴する建築物用外壁である。

一方、既存外装タイル壁面の持つ色調や色合いの外観を残したまま、タイル片剥落防止効果を効果的に付与し、意匠性を回復し、汚れ防止機能を付与し、防水性強化を図ることが可能な、既存外装タイル壁面の補修方法が提案されている(特許文献2)。かかる既存外装タイル壁面の補修方法は、既存外装タイル壁面に透明性プライマー塗付してプライマー層を形成し、該プライマー層に透明アクリル系樹脂エマルションを主成分とする主材塗料を複数回塗布して主材層を形成し、該主材層に透明性トップコート塗料を塗布してトップコート層を形成する既存外装タイル壁面の補修方法であって、前記主材塗料には、補強繊維が配合され、粘度が20000〜70000mPa・sであり、チキソトロピー指数が4.0〜10.0であることを特徴とする既存外装タイル壁面の補修方法である。

概要

建築物のコンクリート外皮に貼付けられたタイルの意匠性を損なうことなく、該タイルの剥落を防止することができる外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供する。外壁タイル3面又は目地7にアンカーピン4を打込んでアンカーピン4をコンクリート躯体1に固着し,該アンカーピン4の頭部4b及び外壁タイル3面及び目地7に、アミノ基含有アクリル樹脂エポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマー8を塗付して透明プライマー層を形成し、この上にNCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層9を形成し,この上に光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層10を形成した外壁タイル剥落防止構造20とする。

目的

本発明が解決しようとする課題は、建築物のコンクリート外皮に貼付けられたタイルの意匠性を損なうことなく、該タイルの剥落を防止し、施工工程数が従来より少なく、また透明補強層の初期の強度を高くすることによって、建築物の外壁面の温度が上昇したり、紫外線により透明補強層の劣化が生じた場合であっても、十分にタイルの剥落を防止することができる外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

外壁タイル面または目地アンカーピン打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し、該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地に、アミノ基含有アクリル樹脂エポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマー塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマー脂環式ポリアミン補強繊維光安定剤紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とする外壁タイル剥落防止構造

請求項2

外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し、該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とする外壁タイル剥落防止工法

請求項3

請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造。

請求項4

請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法。

請求項5

脂環式ポリアミンは式I: (式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R1及びR2は同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の外壁タイル剥落防止構造。

請求項6

脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法。

請求項7

請求項1または請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミン。

請求項8

請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミン。

技術分野

0001

本発明は、既存の建築物施工された外壁タイルが、地震等の振動接着層の経年劣化により躯体から剥離して地上等に落下することを防止する外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンに関する。

背景技術

0002

従来、コンクリート建築物には、コンクリート中性化の効果的防止や、意匠性の付与等を目的としてコンクリート外皮面にタイルを貼り付ける場合がある。しかし、タイルのコンクリート外皮への貼り付けはセメントモルタル主体とした貼付けモルタルを使用することが多いため、自動車通行や地震、風による振動や貼付けモルタルの冷熱繰り返しや水分による経年劣化等により、タイルがコンクリート外皮より剥離して地上等に落下することがある。

0003

これを防止するため、建築物用外壁施工方法及びその外壁が提案されている(特許文献1)。該建築物用外壁の施工方法は、基礎外壁の表面にタイルを配設した建築物用外壁において、前記タイルの浮きによる剥離のある部位の表面に下地材としてのラテックスモルタルを薄く塗布し、その後、その表面にネットを配置し、次に該ネットの上から前記基礎外壁にピン打ち込み、その頭部の周囲に広がる一枚のフランジで前記ネットを押えると共に、該ネットの面と前記ピンの頭部とを略面一にし、次いで、該ピンおよび前記ネットの上面に、該ネットおよび前記ピンがかくれるように、再度、ラテックスモルタルを塗布することを特徴とするものである。また、特許文献1のその外壁とは、基礎外壁の表面にタイルを配設した建築物用外壁において、前記タイルの表面にラテックスモルタルの薄い層を形成し、該ラテックスモルタルの上面にネットを配設すると共に、該配設したネットの複数箇所を、頭部に、周囲に広がる一枚のフランジを備えたピンによって押え、該ピンを前記基礎外壁に固定し、該ピンの頭部と前記ネットの面とを略面一に配置し、該ネットの上にラテックスモルタルの層を形成したことを特徴する建築物用外壁である。

0004

一方、既存外装タイル壁面の持つ色調や色合いの外観を残したまま、タイル片剥落防止効果を効果的に付与し、意匠性を回復し、汚れ防止機能を付与し、防水性強化を図ることが可能な、既存外装タイル壁面の補修方法が提案されている(特許文献2)。かかる既存外装タイル壁面の補修方法は、既存外装タイル壁面に透明性プライマー塗付してプライマー層を形成し、該プライマー層に透明アクリル系樹脂エマルションを主成分とする主材塗料を複数回塗布して主材層を形成し、該主材層に透明性トップコート塗料を塗布してトップコート層を形成する既存外装タイル壁面の補修方法であって、前記主材塗料には、補強繊維が配合され、粘度が20000〜70000mPa・sであり、チキソトロピー指数が4.0〜10.0であることを特徴とする既存外装タイル壁面の補修方法である。

0005

特公平8−14182号公報
特開2007−247279号公報

0006

しかしながら、特許文献1に示される建築物用外壁の施工方法及びその外壁は、タイル表面にラテックスモルタルを少なくとも2層塗布するため、意匠性を有するタイルがラテックスモルタルで覆われることになってタイルによって付与された意匠が損なわれるという課題があり、またネットを捩れや弛みの無いように全面に配置する必要があるため、その施工が難しい、という課題がある。

先行技術

0007

また、特許文献2に示される既存外装タイル壁面の補修方法は、透明アクリル系樹脂エマルションを主成分とする主材塗料を複数回塗布して主材層を形成するため、施工工程が多いという課題があり、また施工温度造膜させることが必要な一液型のアクリル系樹脂エマルションを塗布するため、該アクリル系樹脂ガラス転移温度Tgは低く、建物面等で直射日光が当たる部位において補修面が50℃以上となる場合は、その温度における引張強度は低いものとなり、仮に塗布厚みが薄い部分があると、その部分では剥落しようとするタイルを十分に保持する剛性不足する場合があるという課題がある。また補修面の温度上昇がない場合であっても、主材層は複数回塗布されたアクリル系樹脂エマルションが乾燥成膜した層であるため、初期の引張強度を高くすることは難しく、結果として長期間による紫外線の影響で、剥落状態にあるタイルを十分に保持する剛性が不足する場合があるという課題がある。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明が解決しようとする課題は、建築物のコンクリート外皮に貼付けられたタイルの意匠性を損なうことなく、該タイルの剥落を防止し、施工工程数が従来より少なく、また透明補強層の初期の強度を高くすることによって、建築物の外壁面の温度が上昇したり、紫外線により透明補強層の劣化が生じた場合であっても、十分にタイルの剥落を防止することができる外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

請求項1記載の発明は、外壁タイル面または目地アンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し、該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地に、アミノ基含有アクリル樹脂エポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とする外壁タイル剥落防止構造を提供する。

0010

請求項2記載の発明は、外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着し、該アンカーピンの頭部及び外壁タイル面及び目地に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とする外壁タイル剥落防止工法を提供する。

0011

請求項3記載の発明は、請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造を提供する。

0012

請求項4記載の発明は、請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法の光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法を提供する。

0013

請求項5記載の発明は、脂環式ポリアミンは式I:




(式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R1及びR2は同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の外壁タイル剥落防止構造を提供する。

0014

請求項6記載の発明は、脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法を提供する。

0015

請求項7記載の発明は、請求項1または請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミンを提供する。

0016

請求項8記載の発明は、請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミンを提供する。

発明の効果

0017

本発明の請求項1、請求項3及び請求項5記載の外壁タイル剥落防止構造は、外壁タイル面または目地にアンカーピンを打ち込んでアンカーピンをコンクリート躯体に固着するため、外壁タイルは直接アンカーピンでコンクリート躯体に固定されるか目地を介してコンクリート躯体に固定される効果がある。またアンカーピンの頭部と外壁タイル面及び目地にアミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上には透明なポリウレア樹脂塗材が塗付されて透明補強層が形成されるため、透明補強層は透明プライマー層とアンカーピン頭部とアンカーピンを介してコンクリート躯体と一体化する効果がある。特に透明補強層を形成しているポリウレア樹脂塗材は従来のアクリル系樹脂エマルションと比較してより高強度であるため、壁面の温度が上昇して透明補強層の温度が上昇しても高い剛性を保持し、確実に外壁タイルの剥落を防止する効果がある。

0018

また、透明補強層は補強繊維を含むため、無黄変イソシアネートと脂環式ポリアミンが反応して形成される塗膜を補強繊維がさらに補強する効果があり、特に透明補強層が南側壁面にある際、日射により透明補強層の温度が上昇しても強度低下が少なく、確実に外壁タイルの剥落を防止する効果があり、本発明に配合される補強繊維は繊維長が0.5〜20mmと長めであることより透明補強層には揺変性が付与され立面へ塗布してもダレが生じにくくなる効果がある。

0019

また、透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートと脂環式ポリアミンの反応により成膜し、本発明で使用する脂環式ポリアミンは超速硬化である脂肪族アミンと比較して反応が遅く、また無黄変イソシアネートはNCO重量%は5〜10重量%と低いため、夏場高温下であっても鏝等で施工できるという効果がある。また一般的に可使時間を確保するために使用され硬化反応が遅い芳香族アミンと比較して、硬化塗膜は黄変することが少ないという効果がある。

0020

また透明補強層の上にはアクリルシリコン樹脂塗材を塗布して形成された透明保護層を有し、透明補強層及び透明保護層に光安定剤及び紫外線吸収剤を含むため、当該透明保護層及びその下層の透明補強層は紫外線等の劣化を受けにくく、長期にわたって強度の低下が少ないという効果があり、上記同様に長期にわたって確実に外壁タイルの剥落を防止する効果がある。

0021

また、タイルの上に施工される透明プライマー層、透明補強層、透明保護層はすべて透明であるため、意匠性を有する外壁タイルの該意匠性を保ったまま、外壁タイルの剥落を防止することができるという効果がある。

0022

また、本発明の請求項2、請求項4及び請求項6記載の外壁タイル剥落防止工法は、上記請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造が有する効果のほか、透明プライマー層上の透明補強層を形成する塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンから成るポリウレア樹脂塗材であるため、夏場の高温下であっても鏝等で塗布可能な可使時間を有するという効果がある。

0023

また、本発明の請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造は、特に、請求項1記載の外壁タイル剥落防止構造の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることより、長期にわたって透明補強層及び透明保護層の黄変と強度低下を防止する効果がある。

0024

また、本発明の請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法は、特に、請求項2記載の外壁タイル剥落防止工法の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることより、長期にわたって透明補強層及び透明保護層の黄変と強度低下を防止する効果がある。

0025

また、本発明の請求項7記載の脂環式ポリアミンは、請求項1または請求項3記載の外壁タイル剥落防止構造に使用するものであるため、脂肪族アミンを使用した場合と比較して鏝等で塗付する際の可使時間を確保することが出来る効果があり、芳香族アミンと比較して硬化塗膜が黄変することが少ないという効果がある。

0026

また、本発明の請求項8記載の脂環式ポリアミンは、請求項2または請求項4記載の外壁タイル剥落防止工法に使用するものであるため、脂肪族アミンを使用した場合と比較して鏝等で塗付する際の可使時間を確保することが出来る効果があり、芳香族アミンと比較して硬化塗膜が黄変することが少ないという効果がある。

図面の簡単な説明

0027

本発明に係る外壁タイル剥落防止構造の断面状態図である。

0028

以下本発明について詳細に説明する。

0029

図1は、請求項1、請求項3または請求項5に記載の外壁タイル剥落防止構造20の断面状態図である。1は外壁タイルが貼り付けられているコンクリート建築物の外皮であるコンクリート躯体であり、該コンクリート躯体1には貼付モルタル2により外壁タイル3が貼り付けられている。外壁タイル3のタイル面の略中央部にはアンカーピン4が打ち込まれている。

0030

アンカーピン4は、外壁タイル3と貼付モルタル2とコンクリート躯体1に連続して穿孔されたアンカー孔5に圧入され、アンカーピン4の螺子状の足部4aが貼付モルタル2とコンクリート躯体1部分にあるアンカー孔5に配設されている。該足部4aの周囲にはエポキシ樹脂接着剤6が充填されて固化することで、アンカーピン4はコンクリート躯体1に固着されている。

0031

アンカーピン4には薄いフランジ状の頭部4bが形成され、該頭部4bのフランジ部分の裏側が外壁タイル3のタイル面と当接して外壁タイル3をコンクリート躯体1側に押さえるように固着保持している。

0032

アンカーピン4の頭部4bと足部4aとの中間部分には、足部4aの軸径より太く頭部4bのフランジ径より細い径のタイル圧入部4cが形成され、該タイル圧入部4cには、複数の小さなフランジ4dが設けられていて、アンカー孔5にアンカーピン4を圧入することで該フランジ4dが変形し潰されることで外壁タイル3にアンカーピン4が固着されるように成っている。

0033

アンカーピン4の頭部4b及び外壁タイル4のタイル面及び目地7には、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーが塗付されて透明プライマー層8が形成され、該透明プライマー層8の上には、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材が塗付されて透明補強層9が形成されている。

0034

透明補強層9の上には、光安定剤及び紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材が塗付されて透明保護層10が形成されている。

0035

請求項1、請求項3または請求項5記載の外壁タイル剥落防止構造20は上記のように形成されているが、請求項2、請求項4または請求項6記載の外壁タイル剥落防止工法は、該外壁タイル剥落防止構造20を形成するための施工方法に係る工法である。

0036

次に、請求項1、請求項3または請求項5記載の外壁タイル剥落防止構造及び請求項2、請求項4、請求項6記載の外壁タイル剥落防止工法に使用されるシリコンアクリル樹脂プライマー、ポリウレア樹脂塗材及びアクリルシリコン樹脂塗材について詳しく説明する。

0037

シリコンアクリル樹脂プライマー
本願発明に使用される透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーの、アミノ基含有アクリル樹脂としては、主鎖または側鎖の一部がアミン変性されたアクリル樹脂を使用することが好ましい。アミン変性されたアクリル樹脂の酸価は1.0〜10.0mgKOH/gであり、アミン価は10〜50mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が10mg未満では、上層にくるポリウレア樹脂塗材との付着性が不十分となり、アミン価が50mg超では硬化剤となるエポキシシランの配合量が増えてコスト高となる。なお、酸価とは、ポリマー固形分)1g中のカルボキシル基モル当量となる水酸化カリウムミリグラム数の実測値を意味し、また、アミン価とは、ポリマー(固形分)1g中のアミノ基とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数の実測値を意味する。

0038

上記したアミノ基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は、10℃以上50℃未満であることが好ましい。ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量計DSC)を用いて、JIS K 7121−1987に準拠して測定された値を意味する。このような市販樹脂としては、DIC株式会社のACRYDIC A−9521(酸価=3mgKOH/g以下、アミン価=20mgKOH/g、Tg=15℃)がある。ガラス転移温度が10℃未満では耐熱性が不十分となって透明補強層や下地タイルの温度が夏季に高温になると接着性が低下し、50℃超ではタイルとの密着性が低下する。

0039

また本願発明に使用される透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーの、アミノ基含有アクリル樹脂に併用して用いられるエポキシシランは、樹脂硬化剤として機能するものである。このようなエポキシシラン硬化剤のエポキシ当量は、固形分換算で210〜740g/eqの範囲であることが好ましい。なお、エポキシ当量とは、官能基エポキシ基)1個あたりのエポキシシランの分子量の理論値である。エポキシ当量が210未満では硬化反応が早くなって施工性が低下し、740超では耐熱性が不十分となって透明補強層や下地タイルの温度が夏季に高温になると接着性が低下する。このような市販のエポキシシランとしては、DIC株式会社のACRYDIC A−9585(エポキシ当量560g/eq)、A−9585−BA(A−9585の溶剤のみを変更した製品)、FZ−521(エポキシ当量590g/eq)、FZ−523(エポキシ当量680−740g/eq)等がある。

0040

アミノ基含有アクリル樹脂に対するエポキシシランの配合割合は、次のようにして決定する。まず、アミノ基含有アクリル樹脂1gに含まれるアミノ基の数を、上記アミン価(mg)と酸価(mg)の合計数(mg)をKOHの分子量(mg)で除して求め、次にエポキシシラン1gに含まれるエポキシ基の数を、該1gをエポキシ当量で除して求め、アミノ基数エポキシ基数の比が1:1となるようにそれぞれのおおよその配合部数を決定する。その上で、下地とするタイルやアンカーピンに対する付着性及び本シリコンアクリル樹脂プライマーと後述の透明補強層との付着性を実験的に確認した上で最適なエポキシシランの配合重量部数を決定する。本発明では求められたエポキシシランの配合重量部数の50%〜100%がアミノ基含有アクリル樹脂100重量部に対する配合部数として好ましい。

0041

ポリウレア樹脂塗材
本願発明に使用される透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含み、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーにはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´—ジフェニルメタンジイソシアネートMDI)や4,4´—メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールプレポリマー化したものを使用することができる。

0042

脂環式ポリアミンは、イソホロンジアミン等の少なくとも一つのアミノ基がシクロヘキサン環等に直接結合しているポリアミンであり、第1級アミノ基を含まない第2級アミノ基のみを有するアミンが使用される。重量平均分子量(理論値)は300〜1000が好ましい。300未満では可使時間が短くなって施工性が不良となり、1000超では反応速度が低下し、指触乾燥までの時間および塗膜強度立ち上がり遅延する。第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンを使用することによって初めて、ポリウレア樹脂塗材を鏝等で塗付することが可能な可使時間を十分に確保することができ、さらには無黄変イソシアネートプレポリマーと組み合わせて使用することにより、硬化塗膜が紫外線で黄変することが無い。

0043

脂環式ポリアミンは前記式Iで表され、X、R1、R2、mが上記のとおりの1種以上のポリアミンである。この脂環式ポリアミンはポリアスパラギン酸エステルまたはポリアスパルテートであり、mは2が好ましい。Xが炭素数6〜30の2価の炭化水素基、たとえば4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))、3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))、1−アミノー3,3,5−トリメチルー5−アミノメチルシクロヘキサンヘキサヒドロ−(少なくとも2,4−ジアミノトルエンまたは2,6−ジアミノトルエンのいずれかを含む)、異性C−モノメチルジアミノジシクロヘキシルメタン及び3(4)−アミノメチルー1−メチルシクロヘキシルアミンから1級アミノ基を除去することにより得られる基を表すポリアスパラギン酸エステルを好適に使用することができる。特にはXが4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))または3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))から1級アミノ基を除くことにより得ることができる2価の炭化水素基を表す式Iの化合物がより好ましい。

0044

式Iで表される脂環式ポリアミンはR1及びR2がメチルエチルn−ブチルまたは2−エチルヘキシルが好ましく、式X−(−NH2)mで表される1級ポリアミンを式R1OOC−CH=CH−COOR2で表されるマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと反応させることにより製造される。

0045

4,4’メチレンビスシクロヘキシルアミン1モルをマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンは、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は548(理論値)、粘度2000mP・s/23℃である。また、4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)1モルとマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとしては、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は578(理論値)、粘度;2000mP・s/23℃である。

0046

NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーには、上記のようにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´—ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´—メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。特には、ポリカプラクト変性ポリオールと1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応によって得られる無黄変イソシアネートプレポリマーが適していて、該プレポリマーとしてデュラネートE402−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:8.5%、数平均分子量1580、粘度6000mPa・s/25℃、数平均官能基数3.2、固形分90%)がある。NCO重量%が5重量%未満では塗膜強度が不十分となり、10重量%超では本材料を夏場に使用するときの可使時間が短くなる。

0047

無黄変イソシアネートプレポリマーのNCO基脂環式アミン活性水素基当量比(NCO基/活性水素基)は0.8〜1.2が好ましい。0.8未満では主剤と硬化剤を混合後の粘度上昇が速くなり可使時間が短くなる。1.2超では指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。

0048

無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンは、既に形成された透明プライマー層の上に該ポリウレア樹脂塗材を塗付する直前に十分に混合して使用する。

0049

本願発明に係るポリウレア樹脂塗材に含まれる補強繊維は、平均繊維長0.5〜20mm、繊維径10〜150μmのビニロンナイロンガラスポリエチレン製の繊維を使用することができ、無黄変イソシアネートプレポリマー及び脂環式ポリアミンの合計100重量部に対して1重量部以上20重量部以下を配合することにより、透明補強層の透明性を保持しながら該透明補強層の強度を向上させると共に透明補強層に揺変性を付与することができる。1重量部未満では透明補強層の強度向上が不十分であり、20重量部超では透明補強層の透明性が低下する。市販の補強繊維としては、ナイロン繊維としてタフバインダー5mm(商品名、平均繊維長5mm、繊維径28μm、東レ・アムテック株式会社製)が、ポリエチレン繊維としてケミベストFD380(商品名、平均繊維長0.7mm、繊維径20〜70μm、三井化学株式会社製)がある。

0050

本願発明に係るポリウレア樹脂塗材は、さらに光安定剤と紫外線吸収剤を含むことにより、長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができる。市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。

0051

アクリルシリコン樹脂塗材
本願発明に係る透明保護層を形成する際に使用されるアクリルシリコン樹脂塗材は、アルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーを主剤とし、硬化剤にスズ系硬化触媒を使用することができ、既に形成された透明補強層の上に該アクリルシリコン樹脂塗材を塗付する直前に主剤と硬化剤を均一に混合してローラ刷毛等により塗付する。主剤のアルコキシシリル基は硬化剤のスズ系の硬化触媒により架橋されて安定なシロキサン結合を形成し、優れた耐久性発現する。

0052

アルコキシシリル基の含有量は、2重量%〜30重量%が好ましい。2重量%未満では耐候性が低下し、30重量%超では粘度増加により作業性が低下する。市販のアルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーとしては、カネカゼムラックYC4383(商品名、シロキサン架橋反応性ポリマー、粘度4000mP・s/23℃、アルコキシリル基含有量;15重量%、株式会社カネカ製)がある。市販のスズ系の硬化触媒としては、BT405Z(商品名、化学名;有機錫化合物、有効錫成分;1.3%、株式会社カネカ製)がある。

0053

本願発明のアクリルシリコン樹脂塗材は、光安定剤及び紫外線吸収剤が含まれ、長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)があり、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができ、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。

0054

以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。

0055

実施例
透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーのアミノ基含有アクリル樹脂としてACRYDICA−9521を、エポキシシランとしてACRYDIC A−9585を使用して表1に示す配合にて主剤と硬化剤とした。主剤と硬化剤の重量配合比は13:1であり、主剤と硬化剤を均一に混合してシリコンアクリル樹脂プライマーとした。

0056

透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材として、無黄変イソシアネートプレポリマーにデュラネートE402−100を使用して主剤とし、脂環式ポリアミンAとして上記4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン・マレイン酸ジエチル付加物(重量平均分子量(Mw):548(理論値)、粘度2000mP・s/23℃)を、脂環式ポリアミンBとして上記4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物(重量平均分子量(Mw):578(理論値)、粘度;2000mP・s/23℃)を、補強繊維にナイロン繊維タフバインダー5mm及びポリエチレン繊維ケミベストFD380を重量比で1:1で使用し、光安定剤にTINUBIN292を、紫外線吸収剤にTINUVIN400を、その他に消泡剤としてフローレンAC−303(商品名、アクリル系消泡剤、共栄社化学株式会社製)を、補強繊維との濡れ性を上げるため湿潤剤としてSH6020(商品名、アミノシラン、東レ・ダウコーニング社製)を表1に示す所定重量部配合して硬化剤とした。該SH6020の配合により透明補強層が日射により高温度になっても塗膜強度が保持される効果がある。主剤と硬化剤の重量配合比は3:2であり、これらの主剤と硬化剤とで実施例のポリウレア樹脂塗材を得た。

0057

透明保護層を形成するアクリルシリコン樹脂塗材として、アルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーに、カネカゼムラックYC4383を使用し、光安定剤にTINUBIN292を、紫外線吸収剤にTINUVIN928を、その他に石油希釈剤としてターペンシンナー#50を、消泡剤としてBYK−066N(商品名、シリコン系消泡剤、株式会社ビックケミー社製)を表1に示す所定重量部を配合して主剤とした。また硬化触媒BT405Zを硬化剤とした。主剤と硬化剤の重量配合比は19:1であり、これらの主剤と硬化剤とで実施例のアクリルシリコン樹脂塗材を得た。

0058

0059

比較例
比較例の透明プライマー層を形成する塗材として上記実施例のシリコンアクリル樹脂プライマーを使用し、比較例の透明補強層を形成する塗材として、樹脂固形分が50%の透明アクリルエマルションブチルアクリレートメチルメタクリレート共重合体、粘度50Pa・s/20℃、T.I値(JIS A 6024チキソトロピックインデックス:5.7)、ナイロン短繊維(繊維長5mm)2重量%含有)を使用した。

0060

評価方法

0061

引張強度
23℃、RH50%条件下にて、透明補強層を形成する実施例及び比較例の塗材を厚さ2mmでシート状に塗り広げ7日間養生後JIS K 6251加硫ゴム引張試験法規定の2号ダンベル片形状に成型した。その後、同試験方法に従い引張速度500mm/分で引っ張り破断時の強度を引張強度(MPa)とした。試験は23℃及び60℃にて行なった。

0062

モルタル付着強度
23℃、RH50%下にて、70mm×70mm×20mmのモルタル試験板(JIS R 5201 10.4規定)の表面をサンディング処理し、その処理面に対し、実施例の場合は、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/m2を塗布し乾燥後ポリウレア樹脂塗材0.7kg/m2を2回塗りし、乾燥後さらにアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m2で2回塗りして、7日間養生したのちに、JIS A 6909 7.9付着強さ試験に準拠して付着強さを測定した。比較例の場合は、シリコンアクリル樹脂プライマーを0.08kg/m2で塗布し乾燥後、透明アクリルエマルションを0.5kg/m2で塗り広げ、乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げ、さらに乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げて乾燥させ、次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/m2で2回(層)塗布し7日間養生したのちに、JIS A 6909 7.9 付着強さ試験に準拠して付着強さを測定した。すべての試験体モルタル板破壊したため、その付着強さをモルタル付着強度(MPa)とした。試験は23℃にて行なった。

0063

耐紫外線性
23℃、RH50%条件下にて、実施例の場合はポリウレア樹脂塗材を厚さ2mmでシート状に塗り広げ、乾燥後さらにアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m2で2回塗りして、7日間養生する。比較例の場合は透明アクリルエマルションを厚さ2mm、0.5kg/m2で塗り広げて乾燥させ、乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げ、さらに乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げて乾燥させ、次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/m2で2回(層)塗布し7日間養生する。これらのシート状の硬化物スーパーUVテスター型式:SUV−W151、岩崎電気製照射条件水冷式メタルハライドランプ使用、温度63℃、湿度50%、照度100mW/cm2)にて180時間連続照射した後、JIS K 6251加硫ゴムの引張試験方法規定のダンベル2号片形状に成型した。その後、外観を目視にて確認すると同時に、同試験方法に従い引張速度500mm/分で引っ張り、破断時の強度を引張強度(MPa)とした。試験は23℃にて行なった。

0064

曲げ強度
JIS R 5201 10.4に規定のモルタル板(100mm×200mm×30mm)を長手方向の中心部に載荷して2分割する。その破断面をつき合わせて固定した表面をサンディング処理し、その処理面に対し、実施例の場合は、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/m2で塗布し乾燥後ポリウレア樹脂塗材0.7kg/m2を2回塗りし、乾燥後さらにアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m2で2回塗りして、7日間養生したのちに、載荷速度を1.67mm/分で、4点曲げ方式にて曲げ試験を行い曲げ強度(N)を測定した。上側の荷重スパンは50mm、下側の荷重スパンは150mmとした。比較例の場合は、シリコンアクリル樹脂プライマーを0.08kg/m2で塗布し乾燥後、透明アクリルエマルションを0.5kg/m2で塗り広げ、乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げ、さらに乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げて乾燥させ、次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/m2で2回(層)塗布し7日間養生したのちに、同様の試験を行い曲げ強度(N)を測定した。

0065

押し抜き最大荷重
JIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶたU形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±3mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れた。表面を、サンディング処理し、この処理面に対し実施例については、上記実施例記載のシリコンアクリル樹脂プライマーをローラ刷毛にて0.08kg/m2塗付し乾燥させる。次に上記実施例記載のポリウレア樹脂塗材を金鏝にて0.7kg/m2均一に塗付し、さらに上記実施例記載のポリウレア樹脂塗材を金鏝にて0.7kg/m2均一に塗付する。次に上記実施例記載のアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m2塗付し、指触乾燥後さらに上記実施例記載のアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/m2塗付する。23℃、RH50%条件下にて7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得た。その後、JHS 424−2004はく落防止の押し抜き試験方法に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(KN)とした。
比較例については、シリコンアクリル樹脂プライマーをローラ刷毛にて0.08kg/m2で塗布し乾燥後、透明アクリルエマルションを0.5kg/m2で塗り広げ、乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げ、さらに乾燥後、同一の材料を0.8kg/m2で塗り広げて乾燥させ、次にアクリルシリコン樹脂塗材を0.1kg/m2で2回(層)塗布し23℃、RH50%条件下にて7日間養生したのちに、同様の試験を行った。

0066

可使時間
実施例のポリウレア樹脂塗材について、主剤と硬化剤をそれぞれ23℃に調製し、主剤と硬化剤を混合直後B型回転粘度計7号ローター20rpmで粘度を測定して初期粘度とし、その後5分毎に粘度を測定し、初期粘度の2倍の粘度に到達するまでの時間を可使時間として算出した。

0067

アンカーピン付着性
タイル固着用アンカーピンJB−TA(商品名、SUS304製、アイカ工業株式会社製)に固着する頭部キャップ平面部(アクリルシリコン樹脂塗膜)にシリコンアクリル樹脂プライマーを0.08kg/m2で塗布し乾燥後7日間23℃にて養生後、カッターナイフの刃の先端を頭部フランジ部と硬化したシリコンアクリル樹脂プライマー層の界面に沿って入り込ませ、その際のシリコンアクリル樹脂プライマー層の剥離の状態を評価した。評価は以下によって行なった。
○:入り込ませたカッターナイフの刃の先端の周囲に剥離が生じない。
△:入り込ませたカッターナイフの刃の先端に周囲にわずかに剥離部分がある。
×:入り込ませたカッターナイフの刃の先端の周囲の全体に剥離が生じている。

0068

タイル/透明補強層の付着性
市販磁器タイルオーロラペール50・2TPL−100(商品名、95×45mm、厚さ7mm、I類(磁器質)、株式会社 Danto社製)に上記シリコンアクリル樹脂プライマー0.08?kg/m2を塗布し、乾燥後ポリウレア樹脂塗材0.7kg/m2を1回塗りし、23℃7日間乾燥後、磁器タイルとポリウレア樹脂塗材との間に皮スキを挿入して該ポリウレア樹脂塗材を強制的に分離剥離させた。剥離したポリウレア樹脂塗材と磁器タイル表面を目視で観察することにより、タイルとシリコンアクリル樹脂プライマー(プライマー層)との付着性及びシリコンアクリル樹脂プライマー(プライマー層)とポリウレア樹脂塗材(透明補強層)との付着性を判定した。付着性が良好であるものを○、それ以外を×と判断した。

0069

評価結果
評価結果を表2に示す。

実施例

0070

0071

1コンクリート躯体
2貼付モルタル
3外壁タイル
4アンカーピン
4a足部
4b 頭部
4c圧入部
4dフランジ
5アンカー孔
6エポキシ樹脂接着剤
7目地
8 透明プライマー層
9 透明補強層
10透明保護層
20 外壁タイル剥落防止構造

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