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技術 有機電界発光素子

出願人 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
発明者 上田季子小川淳也甲斐孝弘多田匡志
出願日 2014年6月26日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2014-131233
公開日 2016年1月18日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2016-009824
状態 特許登録済
技術分野 発光性組成物 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 周辺層 遅延発光 エネルギー流 連結様式 スズ錯体 技術的価値 フェノセレナジン 電荷注入量
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図面 (2)

課題

低電圧でありながら高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子を提供する。

解決手段

対向する陽極陰極の間に発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が2種以上のホスト化合物を含むホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有し、該ホスト材料はインドロカルバゾール環を1つ又は2つ有するインドロカルバゾール化合物から選ばれる第一のホスト化合物と、カルボラン環を3つ以上有するカルボラン化合物から選ばれる第二のホスト化合物を含む。

概要

背景

一般に、有機EL素子は、その最も簡単な構造としては発光層及び該層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。すなわち、有機EL素子では、両電極間電界印加されると、陰極から電子注入され、陽極から正孔が注入され、これらが発光層において再結合される際にエネルギーとして光を放出する現象を利用する。

近年、有機薄膜を用いた有機EL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンからなる正孔輸送層8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq3)からなる発光層兼電子輸送層とを電極間薄膜として設けた素子の開発により、従来のアントラセン等の単結晶を用いた素子と比較して大幅な発光効率の改善がなされた。そこで、自発光高速応答性といった特徴を持つ高性能フラットパネルへの実用化を目指して開発が進められてきた。

素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光発光材料ではなく燐光発光材料を用いることも検討されている。上記の芳香族ジアミンからなる正孔輸送層とAlq3からなる発光層とを設けた素子をはじめとした多くの素子が蛍光発光を利用したものであったが、燐光発光を用いる、すなわち、三重項励起状態からの発光を利用することにより、従来の蛍光一重項)を用いた素子と比べて、3〜4倍程度の効率向上が期待される。この目的のためにクマリン誘導体ベンゾフェノン誘導体を発光層とすることが検討されてきたが、極めて低い輝度しか得られなかった。その後、三重項状態を利用する試みとして、ユーロピウム錯体を用いることが検討されてきたが、これも高効率の発光には至らなかった。この燐光発光を利用した研究は、燐光発光ドーパントとしては、特許文献1に挙げられるようなイリジウム錯体等の有機金属錯体を中心に研究が多数行われており、高効率に発光するものも見出されてきている。

WO01/041512 A1
WO2008/056746 A1
特開2005-162709号公報
特開2005-166574号公報
US2012/0319088 A1
WO2013/094834 A1
US2009/0167162 A1
WO2009/136596 A1
WO2010/098246 A1

特許文献2は、インドロカルバゾール化合物ホスト材料として使用することを開示している。特許文献3〜7は、カルボラン化合物をホスト材料として使用することを開示している。また、特許文献8、9は、2種類のインドロカルバゾール化合物を混合したホスト材料を開示している。

しかし、特定のインドロカルバゾール化合物と、カルボラン化合物を混合してホスト材料とすることを教えるものはない。

概要

低電圧でありながら高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子を提供する。対向する陽極と陰極の間に発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が2種以上のホスト化合物を含むホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有し、該ホスト材料はインドロカルバゾール環を1つ又は2つ有するインドロカルバゾール化合物から選ばれる第一のホスト化合物と、カルボラン環を3つ以上有するカルボラン化合物から選ばれる第二のホスト化合物を含む。

目的

有機EL素子をフラットパネルディスプレイ等の表示素子に応用するためには、素子の発光効率を改善すると同時に駆動時の安定性を十分に確保する必要がある。本発明は、上記現状に鑑み、低電圧でありながら高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

対向する陽極陰極の間に、1つ以上の発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が、少なくとも2種の化合物を含むホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有し、該ホスト材料が、(i)下記一般式(1)又は(2)で表される化合物と、(ii)下記一般式(3)で表される化合物を含むものであることを特徴とする有機電界発光素子。(ここで、環a、環c、環c’は独立に、2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(a1)で表される芳香環を示し、X1はC−R又はNを示し、環b、環d、環d’は独立に、は2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(b1)で表される複素環を示し、Ar1は独立に、p+1価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、p+1価の炭素数3〜16の芳香族複素環基を示し、Zは2価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、2価の炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜10連結してなる2価の連結芳香族基を示し、L1は独立に、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜10連結してなる連結芳香族基を示し、pは独立に、置換数であり、0〜7の整数を示し、R、R1〜R7は独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜18の芳香族複素環基を示し、R1、R2、R4〜R7がフェニル基の場合、フェニル基が置換する芳香環と縮環を形成してもよく、Ar1、Z、L1、R、R1〜R7が水素以外の基である場合は、それぞれの基は置換基を有してもよい。)(ここで、環Aは独立に、式(3a)又は式(3b)で表されるC2B10H8の4価のカルボラン基を示し、sは繰り返し数で、2〜6の整数を示し、L2は独立に、単結合、2価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、2価の炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される2価の連結芳香族基を示すが、L2の全てが単結合であることはない。L3は独立に、水素、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を示し、L4は独立に、水素、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を示し、L2、L3、L4が、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基である場合は、置換基を有してもよい。)

請求項2

一般式(1)及び(2)中、X1がC−Rである請求項1に記載の有機電界発光素子。

請求項3

一般式(1)の少なくとも一つのAr1、又は一般式(2)のZが、炭素数3〜16の芳香族複素環基である請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。

請求項4

一般式(3)中、環Aが独立に、式(4a)又は式(4b)で表されるC2B10H8の4価のカルボラン基である請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料

請求項5

一般式(3)で表される化合物が、一般式(5)、又は(6)のいずれかで表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料。(ここで、L2、L3、L4、及びsは一般式(3)と同意である。)

請求項6

一般式(5)、(6)中、L2が各々独立に、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数3〜17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜5つ連結して構成される連結芳香族基である請求項5記載の有機電界発光素子用材料。

請求項7

一般式(5)、(6)中、L3が各々独立に、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜17の芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が2〜5つ連結して構成される連結芳香族基である請求項5又は6に記載の有機電界発光素子用材料。

請求項8

ホスト材料が、(i)一般式(1)で表される化合物及び(ii)一般式(3)で表される化合物を含むものである請求項1〜7のいずれかに記載の有機電界発光素子。

請求項9

発光性ドーパントが、ルテニウムロジウムパラジウム、銀、レニウムオスミウムイリジウム白金及び金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。

技術分野

0001

本発明は有機電界発光素子(以下、有機EL素子という)に関するものであり、詳しくは、複数の化合物からなるホスト材料を含む発光層を有する有機EL素子に関するものである。

背景技術

0002

一般に、有機EL素子は、その最も簡単な構造としては発光層及び該層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。すなわち、有機EL素子では、両電極間電界印加されると、陰極から電子注入され、陽極から正孔が注入され、これらが発光層において再結合される際にエネルギーとして光を放出する現象を利用する。

0003

近年、有機薄膜を用いた有機EL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンからなる正孔輸送層8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq3)からなる発光層兼電子輸送層とを電極間薄膜として設けた素子の開発により、従来のアントラセン等の単結晶を用いた素子と比較して大幅な発光効率の改善がなされた。そこで、自発光高速応答性といった特徴を持つ高性能フラットパネルへの実用化を目指して開発が進められてきた。

0004

素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光発光材料ではなく燐光発光材料を用いることも検討されている。上記の芳香族ジアミンからなる正孔輸送層とAlq3からなる発光層とを設けた素子をはじめとした多くの素子が蛍光発光を利用したものであったが、燐光発光を用いる、すなわち、三重項励起状態からの発光を利用することにより、従来の蛍光一重項)を用いた素子と比べて、3〜4倍程度の効率向上が期待される。この目的のためにクマリン誘導体ベンゾフェノン誘導体を発光層とすることが検討されてきたが、極めて低い輝度しか得られなかった。その後、三重項状態を利用する試みとして、ユーロピウム錯体を用いることが検討されてきたが、これも高効率の発光には至らなかった。この燐光発光を利用した研究は、燐光発光ドーパントとしては、特許文献1に挙げられるようなイリジウム錯体等の有機金属錯体を中心に研究が多数行われており、高効率に発光するものも見出されてきている。

0005

WO01/041512 A1
WO2008/056746 A1
特開2005-162709号公報
特開2005-166574号公報
US2012/0319088 A1
WO2013/094834 A1
US2009/0167162 A1
WO2009/136596 A1
WO2010/098246 A1

0006

特許文献2は、インドロカルバゾール化合物をホスト材料として使用することを開示している。特許文献3〜7は、カルボラン化合物をホスト材料として使用することを開示している。また、特許文献8、9は、2種類のインドロカルバゾール化合物を混合したホスト材料を開示している。

0007

しかし、特定のインドロカルバゾール化合物と、カルボラン化合物を混合してホスト材料とすることを教えるものはない。

発明が解決しようとする課題

0008

有機EL素子をフラットパネルディスプレイ等の表示素子に応用するためには、素子の発光効率を改善すると同時に駆動時の安定性を十分に確保する必要がある。本発明は、上記現状に鑑み、低電圧でありながら高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、対向する陽極と陰極の間に、1つ以上の発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が、少なくとも2種のホスト化合物を含むホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有し、該ホスト材料が、(i)下記一般式(1)又は(2)で表される化合物と、(ii)下記一般式(3)で表される化合物を含むものであることを特徴とする有機電界発光素子に関する。

0010

ここで、環a、環c、環c’は独立に、2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(a1)で表される芳香環を示し、X1はC−R又はNを示し、
環b、環d、環d’は独立に、は2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(b1)で表される複素環を示し、
Ar1は独立に、p+1価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又はp+1価の炭素数3〜16の芳香族複素環基を示し、
Zは2価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、2価の炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結してなる連結芳香族基を示し、
L1は独立に、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結された連結芳香族基を示し、
pは置換数であり、独立に、0〜7の整数を示し、
R、R1〜R7は独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜18の芳香族複素環基を示し、R1、R2、R4〜R7がフェニル基の場合、フェニル基が置換する芳香環と縮環を形成してもよく、更にAr1、Z、L1、R、R1〜R7が、水素以外の基である場合は、置換基を有してもよい。

0011

0012

ここで、環Aは独立に、式(3a)又は式(3b)で表されるC2B10H8の4価のカルボラン基を示し、sは繰り返し数で、2〜6の整数を表す。
L2は独立に、単結合、2価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、2価の炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される2価の連結芳香族基を表す。但し、L2の全てが単結合であることはない。
L3は独立に、水素、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を表す。
L4は独立に、水素、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を表す。
L2、L3、L4が、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基である場合は、置換基を有してもよい。

0013

上記一般式(1)、(2)及び(3)において、Z、L1、L2、L3及びL4が連結芳香族基の場合、連結する芳香族環は同一であっても異なっていてもよい。

0014

一般式(1)及び(2)において、X1がC−Rであること、Ar1の少なくとも一つが炭素数3〜16の芳香族複素環基であること、又はZが炭素数3〜16の芳香族複素環基であることは、好ましい態様である。

0015

一般式(3)において、環Aが下記式(4a)又は式(4b)で表される4価のカルボラン基であることは、好ましい態様である。

0016

一般式(3)で表される化合物としては、下記一般式(5)、又は(6)で表される化合物がある。



(ここで、L2、L3、L4、及びsは一般式(3)と同意である。)

0017

一般式(5)、(6)において、L2が各々独立に、置換若しくは未置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜5つ連結して構成される連結芳香族基であること、又はL3が各々独立に、置換若しくは未置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は置換若しくは未置換の炭素数3〜17の芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が2〜5つ連結して構成される連結芳香族基であることは好ましい態様である。

0018

また、ホスト材料が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物を含むものであることが望ましい。更に、発光性ドーパントが、ルテニウムロジウムパラジウム、銀、レニウムオスミウムイリジウム白金及び金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体であることが望ましい。

発明の効果

0019

素子特性向上のためには、周辺層への励起子および電荷漏れを抑えることが重要である。電荷/励起子の漏れ抑制には発光層中における発光領域の偏りの改善が有効で、そのためには両電荷(電子/正孔)注入量を好ましい範囲に制御することが必要である。
ここで、インドロカルバゾール化合物は、骨格の安定性が高く、異性体や置換基によって電子/正孔注入輸送性をある程度制御することができる。しかし、インドロカルバゾール化合物単独では、上述のように両電荷注入量を好ましい範囲に制御するのは難しい。一方で、一般式(3)に代表される特定のカルボラン化合物は、電子注入輸送性に影響を与える最低空軌道(LUMO)が分子全体に広く分布していることから素子の電子注入輸送性が高いレベルで制御でき、加えてインドロカルバゾール化合物と同様に骨格安定性が高い。そのため、カルボラン化合物とインドロカルバゾール化合物を混合ホストとして用いることで、発光層への両電荷注入量を精密に制御することができ、それらを単独で用いたときよりもさらに好ましい範囲に制御できる。更に、燐光発光ELの場合にあっては、ドーパント最低三重項励起エネルギー(T1エネルギー)を閉じ込めるのに十分高いT1エネルギーを有していることから、発光層内からのエネルギー流出がない。

0020

本発明の有機EL素子は、特定の化合物を混合ホストとして用いることで、低電圧を達成できる。また燐光発光EL素子の場合にあっては、最低励起三重項エネルギーを閉じ込めるのに十分高い最低励起三重項エネルギーを有していることから、発光層内からのエネルギー流出がなく、高効率かつ長寿命を達成できる。本発明の有機EL素子は、フラットパネルディスプレイ(携帯電話表示素子、車載表示素子、OAコンピュータ表示素子やテレビ等)、面発光体としての特徴を生かした光源照明複写機の光源、液晶ディスプレイ計器類バックライト光源)、表示板標識灯等への応用において、その技術的価値は大きいものである。

図面の簡単な説明

0021

有機EL素子の一例を示した模式断面図。

0022

本発明の有機電界発光素子は、対向する陽極と陰極の間に、少なくとも2種のホスト化合物を含むホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有する少なくとも1つの発光層を有する。この発光層に含まれるホスト材料は、ホスト化合物として上記一般式(1)〜(2)のいずれかで表される化合物から選ばれる第一のホスト化合物と、上記一般式(3)で表される化合物から選ばれる第二のホスト化合物を含む混合物である。なお、第1のホスト化合物と第二のホスト化合物は、2種以上の化合物からなる混合物であってもよい。

0023

上記一般式(1)、(2)において、環a、環c、環c’は2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(a1)で表される芳香環(芳香族炭化水素環、複素環又は両者を意味する。)を示す。ここで、式(a1)において、X1はC−R又はNを示すが、C−Rであることが好ましい。

0024

環b、環d、環d’は2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(b1)で表される複素環を示す。
ここで、環cと環c’、環dと環d’は同一であっても異なっていても良い。

0025

一般式(1)または(2)で表される化合物において、式(a1)で表される芳香環は、2つの隣接環と任意の位置で縮合することができるが、構造的に縮合できない位置がある。式(a1)で表される芳香環は、6つの辺を有するが、隣接する2つの辺で2つの隣接環と縮合することはない。また、一般式(1)、(2)において、式(b1)で表される複素環は2つの隣接環と任意の位置で縮合することができるが、構造的に縮合できない位置がある。すなわち、この複素環は、5つの辺を有するが、隣接する2つの辺で2つの隣接環と縮合することはなく、また、窒素原子を含む辺で隣接環と縮合することはない。したがって、一般式(1)、(2)で表される化合物の異性体の骨格の種類は限られる。

0026

一般式(1)及び(2)において、Ar1は独立に、p+1価の芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基である。芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜30であり、好ましくは6〜22であり、より好ましくは6〜18である。芳香族複素環基の炭素数は、3〜16であることが好ましい。これらの芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基は置換基を有してもよい。

0027

Ar1の具体例としては、ベンゼンペンタレンインデンナフタレンアズレンヘプタレンオクタレン、インダセンアセナフチレンフェナレンフェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレンピレンクリセンテトラフェンテトラセンプレイアデン、ピセンペリレンペンタフェン、ペンタセンテトラフェニレンコラントリレン、ヘリセンヘキサフェン、ルビセンコロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フランベンゾフランイソベンゾフランキサンテンオキサトレン、ジベンゾフランペリキサンテノキサンテンチオフェンチオキサンテンチアントレンフェノキサチインチオナフテンイソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェンピロールピラゾールテルラゾール、セレナゾールチアゾールイソチアゾールオキサゾールフラザンピリジンピラジンピリミジンピリダジントリアジンインドリジンインドールイソインドールインダゾールプリンキノリジンイソキノリンカルバゾールイミダゾールナフチリジンフタラジンキナゾリンベンゾジアゼピンキノキサリンシンノリンキノリンプテリジンフェナントリジンアクリジンペリジンフェナントロリンフェナジンカルボリンフェノテルラジン、フェノセレナジンフェノチアジンフェノキサジンアンチリジンベンゾチアゾールベンゾイミダゾールベンゾオキサゾールベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール等の芳香族化合物からp+1個の水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、又はナフチリジンからp+1個の水素を除いて生じる基である。

0028

L1は、それぞれ独立に炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらの芳香族環が2〜10連結してなる連結芳香族基を示し、これらの基は置換基を有してもよい。好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらの芳香族環が2〜7連結してなる連結芳香族基である。

0029

L1の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール等の芳香族化合物、又はこれら芳香族化合物の芳香環が複数連結された芳香族化合物から1個の水素を除いて生じる連結芳香族基が挙げられる。

0030

本明細書でいう連結芳香族基は、単環又は縮合環構造の芳香族化合物の芳香族環(芳香族炭化水素環、芳香族複素環、又は両者をいう。)が複数連結された基である。芳香族環が連結するとは、芳香族基の芳香環が直接結合で結合して連結することを意味する。芳香族環が置換の芳香族環である場合、置換基が芳香族環であることはない。
連結芳香族基は直鎖状であっても分岐状であってもよく、連結する芳香族環は同一であっても異なっていてもよく、芳香族炭化水素環と芳香族複素環の一方又は両方を有してもよく、置換基を有してもよい。

0031

連結芳香族基が1価の基である場合、例えば下記で示すような連結様式が挙げられる。

0032

連結芳香族基が2価の基である場合、例えば下記で示すような連結様式が挙げられる。3価以上の基である場合は、上記から理解される。

0033

0034

式(14)〜(19)中、Ar12〜Ar16、Ar21〜Ar26は置換または未置換の芳香族環(芳香族基)を示し、芳香族環の環構成原子が直接結合で結合する。また、結合手は芳香族環の環構成原子から出る。芳香族環(芳香族基)は芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を意味し、1価以上の基であることができる。
式(14)〜(19)では、結合手はAr11、Ar21、又はAr23から出ているが、それ以外の芳香族環から出ることも可能である。また、2価以上の基である場合、1つの芳香族環から2以上の結合手が出てもよい。

0035

連結芳香族基の具体例としては、例えばビフェニルターフェニルビピリジンビピリミジン、ビトリアジン、ターピリジンフェニルターフェニル、ビナフタレンフェニルピリジンジフェニルピリジン、フェニルピリミジンジフェニルピリミジン、フェニルトリアジン、ジフェニルトリアジン、フェニルナフタレン、ジフェニルナフタレン、カルバゾリルベンゼン、ビスカルバゾリルベンゼン、ビスカルバゾリルトリアジン、ジベンゾフラニルベンゼン、ビスジベンゾフラニルベンゼン、ジベンゾチオフェニルベンゼン、ビスジベンゾチオフェニルベンゼン等の芳香族化合物から1又は1以上の水素を除いて生じる基が挙げられる。

0036

上記の連結芳香族基に関する説明は、一般式(1)、(2)及び(3)における説明で現れる連結芳香族基に共通する。

0037

一般式(2)中、Zは2価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結してなる連結芳香族基を示す。好ましくは、2価の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜7連結してなる連結芳香族基であり、各々の芳香環は独立に置換基を有してもよい。

0038

Zの具体例としては、L1の説明で例示した芳香族化合物、又はこれらが複数連結された芳香族化合物等から2個の水素を除いて生じる2価の基が挙げられる。

0039

一般式(1)、式(b1)において、pは置換数であり、独立に0〜7の整数を示す。好ましくは0〜5であり、より好ましくは0〜3である。式(b1)を一般式(1)、(2)に組み込むと、一般式(1)には(L1)pが2つあり、一般式(2)にはそれが1つあることになる。pが0であるときは、L1は存在しないことになるが、一般式(1)にあっては、1つのpが0であるときは、他方のpは1以上であることが好ましい。

0040

Ar1、Z、およびL1は上記のような芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基を示すが、これらの基は置換基を有することができる。この場合、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜20のアルキルスルホニル基等が好ましく挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜24のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は炭素数12〜36のジアリールアミノ基である。なお、置換基の数は0〜5、好ましくは0〜2である。
本明細書において、炭素数の計算は置換基の炭素数を含まないと理解される。しかし、置換基の炭素数を含む総炭素数が、上記炭素数の範囲にあることが好ましいと言える。連結芳香族基の炭素数は、連結する芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が有する炭素数の合計と理解される。

0041

上記置換基の具体例としては、メチルエチルプロピルブチルペンチル、ヘキシルヘプチルオクチル、ノニルデシルウンデシルドデシルトリデシルテトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、フェニルメチルフェニルエチル、フェニルイコシル、ナフチルメチルアントラニルメチル、フェナンスニルメチル、ピレニルメチル、ビニルプロペニルブテニルペンテニル、デセニル、イコセニル、エチニルプロパルギルブチニルペンチニルデシニル、イコシニル、ジメチルアミノエチルメチルアミノジエチルアミノジプロピルアミノジブチルアミノジペンチニルアミノ、ジデシルアミノ、ジイコシルアミノ、ジフェニルアミノナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ、ジピレニルアミノ、ジフェニルメチルアミノ、ジフェニルエチルアミノ、フェニルメチルフェニルエチルアミノ、ジナフチルメチルアミノ、ジアントラニルメチルアミノ、ジフェナンスレニルメチルアミノ、アセチルプロピオニルブチリル、バレリル、ベンゾイルアセチルオキシプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオキシ、ベンゾイルオキシ、RO-で表されるアルコキシ(ここで、RはC1〜C20のアルキルである。)、メトキシカルボニルエトキシカルボニルプロポキシカルボニルブトキシカルボニルペントキシカルボニル、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシブトキシカルボニルオキシ、ペントキシカルボニルオキシ、メチルスルホニルエチルスルホニルプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル等が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等のC1〜12のアルキル基、フェニルメチル、フェニルエチル、ナフチルメチル、アントラニルメチル、フェナンスレニルメチル、ピレニルメチル等のC7〜20のアラルキル基、メトキシエトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノニロキシデカニロキシ等のC1〜10のアルコキシ基、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ等のC6〜15の芳香族炭化水素基を2つ有するジアリールアミノ基が挙げられる。

0042

一般式(1)、一般式(2)において、R、R1〜R7は独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18の芳香族複素環基である。好ましくは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜24のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数12〜36のジアリールアミノ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜16の芳香族複素環基であり、より好ましくは、水素、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜16の芳香族複素環基である。
なお、水素以外の基である場合は、それぞれの基は置換基を有してもよい。また、R1〜R2,及びR4〜R7はフェニル基である場合、置換する芳香環と縮環を形成してもよい。

0043

R、R1〜R7が、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基である場合の具体例としては、上記Ar1、Z、およびL1が芳香族基である場合であって、置換基を有するときの置換基で説明したと同様な基が挙げられる。

0044

R、R1〜R7が、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18の芳香族複素環基である場合の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、インドロカルバゾール、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール等の芳香族化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、イソインドール、インダゾール、プリン、イソキノリン、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、インドール、カルバゾール、ジベンゾフラン、又はジベンゾチオフェンから水素を除いて生じる基が挙げられる。

0045

R、R1〜R7が水素以外の基である場合は、置換基を有しても良く、その置換基は、上記Ar1、Z、およびL1が芳香族炭化水素基等である場合であって、置換基を有するときの置換基で説明したと同様な基が挙げられる。なお、置換基の数はR、R1〜R7の1つ当たり、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましい。

0046

一般式(1)及び(2)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。

0047

0048

0049

0050

0051

0052

0053

0054

0055

次に、一般式(3)で表される化合物(カルボラン化合物)について、説明する。
環Aは式(3a)又は式(3b)で表されるC2B10H8の4価のカルボラン基を示し、分子内の複数の環Aは同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは全部の環Aが式(3a)で表されるカルボラン基である。

0056

sは繰り返し数であり、2〜6の整数を表し、好ましくはs=2である。

0057

L2は独立に、単結合、又は2価の基を表す。ここで、2価の基は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基から選ばれる芳香族基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基である。但し、L2の全てが単結合であることはなく、少なくとも1つは該2価の基である。

0058

L3は独立に、水素、又は1価の基を表す。ここで、1価の基は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基から選ばれる芳香族基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基である。

0059

L4は独立に、水素、又は1価の基を表す。ここで、1価の基は炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜30の芳香族複素環基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基から選ばれる芳香族基の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を表す。

0060

L2〜L4において、これらが1価又は2価の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、又は連結芳香族基である場合、これらは未置換であってもよく、置換基を有してもよい。

0061

未置換の芳香族炭化水素基の具体例としてはベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、フルオレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン等の芳香族炭化水素化合物、又はこれらが複数連結した連結芳香族炭化水素化合物から水素を除いて生じる芳香族炭化水素基又は連結芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、又はトリフェニレンから水素を除いて生じる基である。

0062

未置換の芳香族複素環基の具体例としてはフラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、アゼピン、ベンゾジアゼピン、トリベンゾアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール、ジベンゾホスホールジベンゾボロール等の芳香族複素環化合物、又はこれらが複数連結した芳香族複素環化合物から水素を除いて生じる芳香族複素環基又は連結芳香族基が挙げられ、好ましくはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、又はカルバゾールから水素を除いて生じる基である。

0063

連結芳香族基の場合は、連結される芳香族環は同一でも異なっていてもよく、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基の両者が含まれてもよい。上記連結芳香族基の具体例としては、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナフタレン、ジフェニルナフタレン、フェニルアントラセンジフェニルアントラセン、ジフェニルフルオレン、ビピリジン、ビピリミジン、ビトリアジン、ビスカルバゾール、ビスジベンゾフラン、ビスジベンゾチオフェン、ビスフルオレン、フェニルピリジン、フェニルピリミジン、フェニルトリアジン、フェニルカルバゾール、フェニルジベンゾフラン、フェニルジベンゾチオフェン、ジフェニルピリジン、ジフェニルトリアジン、ビスカルバゾリルベンゼン、ビスジベンゾフラニルベンゼン、ビスジベンゾチオフェニルベンゼン、ピリジルカルバゾール等から水素を除いて生じる基が挙げられる。

0064

L4が炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基の場合、鎖状の炭化水素基の他に、シクロ炭化水素基やテルペン類等から生じる環状炭化水素基を含む。具体的には、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、エテニル基、プロぺニル基ブテニル基等のアルケニル基、エチニル基プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等の直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げられる。

0065

L2〜L4が芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基である場合は、置換基を有することができる。この置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又はアセチル基等が好ましく、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基、又はアセチル基である。

0066

ここで、アルキル基、アルコキシ基は直鎖状、分岐状、環状であってもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等の環状アルキル基が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、これらのアルキル基から導かれるメトキシ基エトキシ基イソプロポキシ基、シクロペントキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。

0067

一般式(3)中の環Aは独立に、上記式(4a)もしくは(4b)で表されるカルボラン基化合物であることが好ましい。一般式(3)で表される化合物としては、上記一般式(5)もしくは式(6)で表される化合物であることが好ましい。

0068

一般式(5)、(6)中、L2は各々独立に、置換若しくは未置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜17の芳香族複素環基、又はこれらが2〜5つ連結して構成される連結芳香族基であることが好ましい。L3は各々独立に、置換若しくは未置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は置換若しくは未置換の炭素数3〜17の芳香族複素環基又はこれらが2〜5つ連結して構成される連結芳香族基であることが好ましい。

0069

前記一般式(3)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。

0070

0071

0072

0073

本発明の有機電界発光素子は、対向する陽極と陰極の間に、少なくとも1つの発光層を有する。この発光層の少なくとも1つは、第一のホスト化合物と第二のホスト化合物を含むホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有する。ここで、第一のホスト化合物は、上記一般式(1)〜(2)のいずれかで表される化合物から選ばれ、第二のホスト化合物は上記一般式(3)で表される化合物から選ばれる。

0074

第一のホスト化合物と第二のホスト化合物は、素子を作成する前に混合して1つの蒸着源を用いて蒸着してもよく、複数の蒸着源を用いた共蒸着等の操作により素子を作成する時点で混合してもよい。第一のホスト化合物と第二のホスト化合物の混合比(重量比)について、特に制限はないが、95:5〜5:95の範囲が好ましく、より好ましくは90:10〜10:90の範囲である。

0075

本発明の有機EL素子の発光は主に発光層で生じ、発光層では発光性ドーパントが主に発光し、ホストはその発光を助ける。発光層中に含有される発光性ドーパントの量は、0.01〜50重量%であることがよく、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.01〜20重量%である。

0076

次に、本発明の有機EL素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明
の有機EL素子の構造は何ら図示のものに限定されるものではない。

0077

(1)有機EL素子の構成
図1は一般的な有機EL素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は電子注入層、8は陰極を各々示す。本発明の有機EL素子では、陽極、発光層及び陰極を必須の層として有するが、必要により他の層を設けてもよい。他の層とは、例えば電子輸送層、正孔注入輸送層電子阻止層及び正孔阻止層が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、正孔注入輸送層は、正孔注入層と正孔輸送層のいずれか又は両者を意味する。

0078

(2)基板
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英ガラスの板、金属板金属箔プラスチックフィルムシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステルポリメタクリレートポリカーボネートポリスルホンなどの平滑で透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。

0079

(3)陽極
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極は正孔輸送層への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物、インジウム及び/又は亜鉛の酸化物などの金属酸化物ヨウ化銅などのハロゲン化金属カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロールポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極の形成は通常、スパッタリング法真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。更に、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。陽極は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常、5〜1000nm、好ましくは10〜500nm程度である。不透明でよい場合には、陽極は基板と同一でもよい。また、更には上記の陽極の上に異なる導電材料を積層することも可能である。

0080

(4)正孔輸送層
陽極2の上に正孔輸送層4が設けられる。両者の間には、正孔注入層3を設けることもできる。正孔輸送層の材料に要求される条件としては、陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層からの発光を消光したり、発光層との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には更に耐熱性が要求される。従って、Tgとして85℃以上の値を有する材料が望ましい。

0081

正孔輸送材料としては、従来この層に用いられている公知の化合物を用いることができる。例えば、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5-234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体からなる芳香族アミン化合物(Chem.Commun., 2175頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよい。
また、上記の化合物以外に、正孔輸送層の材料として、ポリビニルカルバゾールポリビニルトリフェニルアミン(特開平7-53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。

0082

正孔輸送層を塗布法で形成する場合は、正孔輸送材料を1種又は2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極上に塗布し、乾燥して正孔輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好ましい。

0083

真空蒸着法で形成する場合は、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、陽極が形成された基板上に正孔輸送層を形成させる。正孔輸送層の膜厚は、通常、1〜300nm、好ましくは 5〜100nmである。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。

0084

(5)正孔注入層
正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、正孔輸送層4と陽極2との間に正孔注入層3を挿入することも行われている。正孔注入層を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果がある。正孔注入層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、ガラス転移温度が高く、ガラス転移温度としては100℃以上が要求される。更に、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。

0085

この目的のために、これまでに銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials, 9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタカーボン膜(Synth. Met., 91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物ルテニウム酸化物モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物NTCDA)やヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(HAT)などのP型有機物(WO2005-109542号公報)が報告されている。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、混合して用いてもよい。正孔注入層の場合も、正孔輸送層と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、更に、スパッタ法電子ビーム蒸着法プラズマCVD法が用いられる。以上の様にして形成される正孔注入層の膜厚は、通常、1〜300nm、好ましくは 5〜100nmである。

0086

(6)発光層
正孔輸送層4の上に発光層5が設けられる。発光層は、単一の発光層から形成されていてもよいし、複数の発光層を直接接するように積層して構成されていてもよい。発光層は、少なくとも2つのホスト化合物と発光性ドーパントを含む。発光性ドーパントは、蛍光性発光材料又は燐光性発光材料として機能する。複数のホスト化合物は、第一のホスト化合物と第二のホスト化合物を含み、第一のホスト化合物は一般式(1)又は(2)の化合物から選ばれ、第二のホスト化合物は一般式(3)の化合物のから選ばれる。第一のホスト化合物と第二のホスト化合物は、各々が混合物であってもよい。また、ホスト材料は、第一のホスト化合物と第二のホスト化合物に加えて、更に他のホスト化合物を含んでいてもよい。

0087

他のホスト材料の具体例としては、特に限定されるものではないが、インドール誘導体カルバゾール誘導体トリアゾール誘導体オキサゾール誘導体オキサジアゾール誘導体イミダゾール誘導体ポリアリールアルカン誘導体ピラゾリン誘導体ピラゾロン誘導体フェニレンジアミン誘導体アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体スチリルアントラセン誘導体フルオレノン誘導体ヒドラゾン誘導体スチルベン誘導体シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物フタロシアニン誘導体、8—キノリノール誘導体金属錯体メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体チオフェンオリゴマーポリチオフェン誘導体ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。

0088

発光性ドーパントとしては、蛍光発光材料、遅延蛍光発光材料及び燐光発光材料の場合がある。本発明の有機EL素子の発光は主に発光層で生じ、発光層では発光性ドーパントが主に発光し、ホストはその発光を助ける。

0089

蛍光発光有機EL素子の場合、ホスト材料に添加する蛍光性発光材料としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、ルブレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。

0090

前記蛍光発光材料を蛍光発光ドーパントとして使用し、蛍光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲にあることがよい。

0091

遅延蛍光発光有機EL素子の場合、発光層における遅延蛍光発光材料としては、例えば、カルボラン誘導体、スズ錯体、インドロカルバゾール誘導体、銅錯体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。具体的には、以下の非特許文献、特許文献に記載されている化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。

0092

1)Adv. Mater. 2009, 21, 4802-4806、2)Appl. Phys. Lett. 98, 083302 (2011)、3)特開2011-213643号公報、4)J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 14706-14709。

0093

遅延発光材料の具体的な例を示すが、下記の化合物に限定されるものではない。

0094

0095

前記遅延蛍光発光材料を遅延蛍光発光ドーパントとして使用し、ホスト材料を含む場合、遅延蛍光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲にあることがよい。

0096

燐光発光有機EL素子の場合、燐光性発光性ドーパントとしては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金などから選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体を含有するものがよい。具体的には以下の特許公報に記載されている化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されない。

0097

WO2009-073245号公報、WO2009-046266号公報、WO2007-095118号公報、WO2008-156879号公報、WO2008-140657号公報、US2008-261076号公報、特表2008-542203号公報、WO2008-054584号公報、特表2008-505925号公報、特表2007-522126号公報、特表2004-506305号公報、特表2006-513278号公報、特表2006-50596号公報、WO2006-046980号公報、WO2005-113704号公報、US2005-260449号公報、US2005-2260448号公報、US2005-214576号公報、WO2005-076380号公報等。

0098

好ましい燐光発光ドーパントとしては、Ir等の貴金属元素中心金属として有するIr(ppy)3等の錯体類、Ir(bt)2・acac3等の錯体類、PtOEt3等の錯体類が挙げられる。これらの錯体類の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されない。

0099

0100

前記燐光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、0.01〜40重量%、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.01〜20重量%の範囲にあることがよい。

0101

発光層の膜厚については特に制限はないが、通常、1〜300nm、好ましくは5〜100nmであり、正孔輸送層と同様の方法にて薄膜形成される。

0102

(7)電子輸送層
素子の発光効率を更に向上させることを目的として、発光層5と陰極8の間に、電子輸送層6が設けられる。電子輸送層としては、陰極からスムーズに電子を注入できる電子輸送性材料が好ましく、一般的に使用される任意の材料を用いることができる。このような条件を満たす電子輸送材料としては、Alq3などの金属錯体(JP 59-194393A)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(USP 5,645,948)、キノキサリン化合物(JP6-207169A)、フェナントロリン誘導体(JP5-331459A)、2−t−ブチル−9,10−N,N'−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。

0103

電子輸送層の膜厚は、通常、1〜300nm、好ましくは5〜100 nmである。電子輸送層は、正孔輸送層と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により発光層上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。

0104

(8)陰極
陰極8は、電子輸送層6に電子を注入する役割を果たす。陰極として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極の膜厚は通常、陽極と同様である。低仕事関数金属からなる陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
更に、電子注入層7として、陰極8と電子輸送層6の間にLiF 、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも素子の効率を向上させる有効な方法である。

0105

なお、図1とは逆の構造、すなわち、基板1上に陰極8、電子注入層7、電子輸送層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機EL素子を設けることも可能である。この場合も、必要により層を追加したり、省略したりすることが可能である。

0106

本発明の有機EL素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれでもあることができる。本発明の有機EL素子によれば、発光層を2つのホスト材料からなる混合ホストとし、そのホスト材料の内少なくとも一つに特定の化合物を用いることで、低い電圧であっても発光効率が高くかつ駆動安定性においても大きく改善された素子が得られ、フルカラーあるいはマルチカラーパネルへの応用において優れた性能を発揮できる。

0107

以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を越えない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能である。なお、第一ホストは一般式(1)、又は(2)で表される化合物を意味し、第二ホストは一般式(3)で表される化合物を意味し、ゲストはドーパントである。

0108

実施例1
膜厚150nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10−4Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層として銅フタロシアニン(CuPc)を20nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層として4,4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を20nmの厚さに形成した。次に発光層として、第一ホストとして化合物1−8を、第二ホストとして化合物3−1を、発光層ゲストとしてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(PPy)3)をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さに形成した。この時、第一ホストと第二ホストとIr(PPy)3の蒸着速度比(wt比)を47:47:6として共蒸着した。次に、正孔阻止層としてアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノラート(BAlq)を10nmの厚さに形成した。次に、電子輸送層としてトリス−(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(III)(Alq3)を40nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を0.5nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を100nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、極大波長517nmの発光スペクトル観測され、Ir(PPy)3からの発光が得られていることがわかった。表1に作製した有機EL素子の特性(輝度、電圧、外部量子効率及び輝度半減時間)を示す。

0109

実施例2〜7
実施例1において、発光層の第二ホストとして表1に記載した化合物を用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。

0110

実施例8〜14
発光層の第一ホストとして化合物1−27を、第二ホストとして表1に記載した化合物を用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。

0111

比較例1〜9
実施例1において、発光層ホストとして表1に記載した化合物を単独で用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。なお、ホスト量は、実施例1における第1ホストと第2ホストの合計と同じ量とし、ゲスト量は実施例1と同様とした。

0112

実施例及び比較例で得られた有機EL素子に電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)3からの発光が得られていることがわかった。

0113

表1に作製した有機EL素子の特性を示す。表1において、輝度、電圧、及び発光効率は、駆動電流20mA/cm2時での値であり、輝度半減時間は、初期輝度1000cd/m2のときの値である。化合物No.は上記化学式に付した番号である。

0114

0115

表1において、実施例1〜14を比較例1〜9と比較すると、実施例1〜14は輝度及び寿命特性が向上し、良好な特性を示すことが分かる。

0116

実施例15
膜厚150nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10−4Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層としてCuPcを20nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPBを20nmの厚さに形成した。次に発光層として、第一ホストとして化合物2−35を、第二ホストとして化合物3−1を、発光層ゲストとしてIr(PPy)3をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さに形成した。この時、第一ホストと第二ホストとIr(PPy)3の蒸着速度比は、47:47:6であった。次に、正孔阻止層としてBAlqを10nmの厚さに形成した。次に、電子輸送層としてAlq3を40nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を0.5nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を100nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)3からの発光が得られていることがわかった。

0117

実施例16〜21
実施例15において、発光層第二ホストとして表2に記載した化合物を用いた以外は実施例15と同様にして有機EL素子を作製した。

0118

実施例22〜28
発光層の第一ホストとして化合物2−29を、第二ホストとして表1に記載した化合物を用いた以外は実施例15と同様にして有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)3からの発光が得られていることがわかった。

0119

比較例10〜11
実施例15において、発光層ホストとして表2に記載した化合物を単独で用いた以外は実施例15と同様にして有機EL素子を作製した。なお、ホスト量は、実施例15における第1ホストと2ホストの合計と同じ量とした。

0120

実施例16〜28、比較例10〜11で得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)3からの発光が得られていることがわかった。

0121

表2に作製した有機EL素子の輝度、外部量子効率及び輝度半減寿命を示す。輝度及び外部量子効率は、駆動電流20mA/cm2時での値であり、輝度半減時間は、初期輝度1000cd/m2のときの値である。

実施例

0122

表2において、二つのホスト化合物を使用した実施例15〜28は、比較例10〜11及び比較例1〜9に比べ、輝度及び寿命特性が向上し、良好な特性を示すことが分かる。

0123

1基板
2陽極
3正孔注入層
4正孔輸送層
5発光層
6電子輸送層
7電子注入層
8 陰極

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