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課題

インプリントモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターン位置精度推定する方法及び当該転写パターンの位置精度を保証する方法を提供する。

解決手段

第1の面2a及びそれに対向する第2の面2bを有する基部を備え、第1の面側に微細凹凸パターンが形成され、第2の面2b側の平面視略中央に窪み部4が形成されているインプリントモールドを用いて形成される転写パターンにおいて、第2の面2bの面形状から、窪み部4の周囲の領域内に存在する凹凸部の凹凸体積を算出し、その凹凸体積から、インプリントモールドの微細凹凸パターン5の変形に関する情報を求め、その変形に関する情報及び微細凹凸パターン5の位置情報から求められる、インプリント処理時におけるインプリントモールドの微細凹凸パターン5の位置情報より、転写パターンの位置精度を推定する。

概要

背景

微細加工技術としてのナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材インプリントモールド)を用い、当該微細凹凸パターンをインプリント樹脂等の被加工物に等倍転写するパターン形成技術である。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化の進行等に伴い、半導体デバイスの製造プロセス等においてナノインプリント技術が益々注目されている。

ナノインプリント技術において用いられる微細凹凸パターンを有するインプリントモールドとしては、従来、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されてなるものが知られている(非特許文献1参照)。具体的には、電子線描画装置を用いてモールド用基板の一方の面上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとしてモールド用基板をドライエッチング処理に付することによりインプリントモールドが作製される。このようにして作製されるインプリントモールドは、その作製工程において電子線描画装置により極小スポットビーム走査させる必要があることで作製に膨大な時間を要し、作製コストの非常に高いものとなる。また、所定回数の転写工程に使用されると、被転写材料インプリント樹脂等)に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったり、インプリントモールドの微細凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。

このようにして被転写材料に形成される微細凹凸パターンの欠陥やインプリントモールドの微細凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、その都度、電子線(EB)リソグラフィーにより作製された新たなインプリントモールドに交換するとなると、ナノインプリント処理を経て製造される半導体デバイス等の製品の多大なるコストアップにつながってしまう。

そのため、産業規模でナノインプリント処理を実施する際には、一般に、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されたインプリントモールドをマスターモールドとし、当該マスターモールドを用いてマスターモールドの微細凹凸パターンを反転させた微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを多数作製し、そのレプリカモールドをナノインプリント処理におけるインプリントモールドとして用いるのが通常である(特許文献1参照)。

このようにして得られるレプリカモールドは、低コストでの大量生産が可能なものである。そのため、多数のレプリカモールドをナノインプリント処理におけるインプリントモールドとして用いることで、仮に当該レプリカモールドが損傷してしまったり、当該レプリカモールドにより被転写材料に転写・形成される微細凹凸パターン(転写パターン)に欠陥が生じてしまったりしても、次々と新しいレプリカモールドに交換しながらナノインプリント処理を実施することができ、半導体デバイス等の製品の製造コストを低減することができる。また、多数のレプリカモールドを作製することで、複数のインプリント装置のそれぞれにレプリカモールドをセットして同時に使用することができ、半導体デバイス等の製品の生産性を向上させることができる。

概要

インプリントモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度推定する方法及び当該転写パターンの位置精度を保証する方法を提供する。第1の面2a及びそれに対向する第2の面2bを有する基部を備え、第1の面側に微細凹凸パターンが形成され、第2の面2b側の平面視略中央に窪み部4が形成されているインプリントモールドを用いて形成される転写パターンにおいて、第2の面2bの面形状から、窪み部4の周囲の領域内に存在する凹凸部の凹凸体積を算出し、その凹凸体積から、インプリントモールドの微細凹凸パターン5の変形に関する情報を求め、その変形に関する情報及び微細凹凸パターン5の位置情報から求められる、インプリント処理時におけるインプリントモールドの微細凹凸パターン5の位置情報より、転写パターンの位置精度を推定する。

目的

本発明は、インプリントモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を推定する方法及び当該転写パターンの位置精度を保証する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

第1の面及び当該第1の面に対向する第2の面を有する基部を備え、前記第1の面側に微細凹凸パターンが形成され、前記第2の面側の平面視略中央に窪み部が形成されているインプリントモールドを用いたインプリント処理により前記微細凹凸パターンが転写され形成される転写パターン位置精度推定する方法であって、前記インプリントモールドの前記第2の面の面形状を測定する工程と、前記第2の面の面形状に基づいて、前記第2の面側における前記窪み部の周囲の領域内に存在する凹凸部の凹凸体積を算出する工程と、前記凹凸部の存在に起因して生じる、前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの変形に関する情報を、前記凹凸体積に基づいて取得する工程と、前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの位置情報及び前記微細凹凸パターンの変形に関する情報に基づき、前記インプリント処理時における前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの位置情報を算出する工程とを有し、前記インプリント処理時における前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの位置情報から、前記転写パターンの位置精度を推定することを特徴とする転写パターンの位置精度推定方法。

請求項2

前記第2の面側から前記インプリントモールドを真空吸着したときの前記第1の面の面形状を前記第2の面の面形状と仮定して、当該第1の面の面形状を測定し、測定された前記第1の面の面形状に基づいて、前記凹凸体積を算出することを特徴とする請求項1に記載の転写パターンの位置精度推定方法。

請求項3

前記第2の面側から前記インプリントモールドを真空吸着したときの前記第1の面の面形状を前記第2の面の面形状と仮定して、当該第1の面の面形状を測定し、測定された前記第1の面の面形状を回転楕円体近似し、前記回転楕円体で近似された前記第1の面の面形状に基づいて、前記凹凸体積を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の転写パターンの位置精度推定方法。

請求項4

前記第2の面側における前記窪み部の周囲の領域を複数の領域に区分し、前記微細凹凸パターンの変形に関する情報としての当該各領域における変形量及び変形方向を、前記凹凸体積に基づいて求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転写パターンの位置精度推定方法。

請求項5

第1の面及び当該第1の面に対向する第2の面を有する基部を備え、前記第1の面側に微細凹凸パターンが形成され、前記第2の面側の平面視略中央に窪み部が形成されているインプリントモールドを用いたインプリント処理により前記微細凹凸パターンが転写され形成される転写パターンの位置精度を保証する方法であって、請求項1〜4のいずれかに記載の転写パターンの位置精度推定方法により取得した前記インプリント処理時における前記微細凹凸パターンの位置情報が、前記インプリントモールドの納品先における当該インプリントモールドの前記微細凹凸パターンに対する要求位置精度の範囲内である場合に、前記インプリント処理時における前記微細凹凸パターンの位置情報を、前記転写パターンの位置精度を保証するための保証情報として取得することを特徴とする転写パターンの位置精度保証方法

技術分野

0001

本発明は、インプリントモールドを用いて転写・形成される転写パターン位置精度推定する方法及び当該転写パターンの位置精度を保証する方法に関する。

背景技術

0002

微細加工技術としてのナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材(インプリントモールド)を用い、当該微細凹凸パターンをインプリント樹脂等の被加工物に等倍転写するパターン形成技術である。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化の進行等に伴い、半導体デバイスの製造プロセス等においてナノインプリント技術が益々注目されている。

0003

ナノインプリント技術において用いられる微細凹凸パターンを有するインプリントモールドとしては、従来、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されてなるものが知られている(非特許文献1参照)。具体的には、電子線描画装置を用いてモールド用基板の一方の面上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとしてモールド用基板をドライエッチング処理に付することによりインプリントモールドが作製される。このようにして作製されるインプリントモールドは、その作製工程において電子線描画装置により極小スポットビーム走査させる必要があることで作製に膨大な時間を要し、作製コストの非常に高いものとなる。また、所定回数の転写工程に使用されると、被転写材料インプリント樹脂等)に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったり、インプリントモールドの微細凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。

0004

このようにして被転写材料に形成される微細凹凸パターンの欠陥やインプリントモールドの微細凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、その都度、電子線(EB)リソグラフィーにより作製された新たなインプリントモールドに交換するとなると、ナノインプリント処理を経て製造される半導体デバイス等の製品の多大なるコストアップにつながってしまう。

0005

そのため、産業規模でナノインプリント処理を実施する際には、一般に、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されたインプリントモールドをマスターモールドとし、当該マスターモールドを用いてマスターモールドの微細凹凸パターンを反転させた微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを多数作製し、そのレプリカモールドをナノインプリント処理におけるインプリントモールドとして用いるのが通常である(特許文献1参照)。

0006

このようにして得られるレプリカモールドは、低コストでの大量生産が可能なものである。そのため、多数のレプリカモールドをナノインプリント処理におけるインプリントモールドとして用いることで、仮に当該レプリカモールドが損傷してしまったり、当該レプリカモールドにより被転写材料に転写・形成される微細凹凸パターン(転写パターン)に欠陥が生じてしまったりしても、次々と新しいレプリカモールドに交換しながらナノインプリント処理を実施することができ、半導体デバイス等の製品の製造コストを低減することができる。また、多数のレプリカモールドを作製することで、複数のインプリント装置のそれぞれにレプリカモールドをセットして同時に使用することができ、半導体デバイス等の製品の生産性を向上させることができる。

0007

特開2010−282995号公報

先行技術

0008

谷口淳著,「はじめてのナノインプリント技術」,P180,2005年,工業調査会刊

発明が解決しようとする課題

0009

一般に、レプリカモールドにおいては、その用途等に応じ、所望とする位置精度で微細凹凸パターンが形成されていることが要求される。レプリカモールドにおける微細凹凸パターンが所望とする位置精度で形成されていることで、当該微細凹凸パターンに対応する転写パターンも所望とする位置精度で転写・形成されるからである。特に、半導体デバイス等の製品を製造するために用いられるレプリカモールドにおいては、極めて厳しい位置精度での微細凹凸パターンの形成が要求されており、半導体デバイス等のさらなる微細化の進行等に伴い、さらに厳しい位置精度での微細凹凸パターンの形成が要求されることが予想される。なお、本明細書において「位置精度」には、設計値座標値)に対するパターン(マスターモールドやレプリカモールドにおいてはそれらの微細凹凸パターン、被転写基板においては転写パターン)の位置ずれ量の3σ(nm)が概念的に含まれる。

0010

このような要求を満足するために、現状、レプリカモールドにおける微細凹凸パターンの形成されている面(主面)、すなわち、レプリカモールドを作製するために用いられるレプリカモールド用基板における被転写面には、極めて高い平坦度が要求されている。当該被転写面の平坦度が低いと、レプリカモールド作製時に、マスターモールドの微細凹凸パターンをレプリカモールド用基板に高精度に転写することができず、レプリカモールド用基板に転写・形成された転写パターンの位置精度が低下してしまうためである。

0011

しかしながら、被転写面の平坦度が極めて高いレプリカモールド用基板を用いて上記転写処理を行っても、レプリカモールド用基板の被転写面に転写・形成された転写パターンの位置精度が低下し、レプリカモールドの主面に形成された微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまうことがある。この原因を本発明者らが鋭意検討した結果、レプリカモールド用基板の被転写面に対向する対向面(裏面)の面形状が、レプリカモールド用基板に転写・形成された転写パターンの位置精度に影響を与えていることが判明した。

0012

すなわち、マスターモールドを用いたインプリント処理によりレプリカモールド用基板の被転写面に微細凹凸パターンを形成する場合、通常、レプリカモールド用基板は、インプリント装置の基板ステージ上に載置され、真空吸着される。このとき、レプリカモールド用基板の裏面の面形状に応じ、真空吸着されたレプリカモールド用基板の被転写面に歪みが生じる。歪みが生じている状態で、レプリカモールド用基板の被転写面上の被転写材料(インプリント樹脂等)に微細凹凸パターンが形成された後、レプリカモールド用基板の真空吸着の解除に伴い歪みが解消することで、被転写材料に形成された微細凹凸パターンは伸長又は収縮する。

0013

このレプリカモールド用基板の被転写面側の平面視における一方向(X方向)及びその直交方向(他方向,Y方向)における各歪み量に依拠して、レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまうという問題が生じる。また、一般に、多数のレプリカモールド用基板を用いて多数のレプリカモールドを作製するが、レプリカモールド用基板ごとに歪み量にバラツキがあることで、所望とする位置精度の微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを安定的に製造することが困難であるという問題も生じ得る。

0014

一方、レプリカモールドを用いたインプリント処理により被転写基板に転写パターンを形成する場合、通常、レプリカモールドは、インプリント装置のモールドホルダに真空吸着により保持される。このとき、レプリカモールドの裏面に所定の凹凸部が存在すると、真空吸着されたレプリカモールドの主面に歪みが生じ、当該主面が伸長及び/又は収縮するように変形する。この変形は、マスターモールドを用いたインプリント処理によりレプリカモールド用基板の被転写面に微細凹凸パターンを形成する時、すなわち、レプリカモールド用基板が基板ステージに真空吸着される時に当該レプリカモールド用基板に生じる変形に近似しているものと予想される。その結果、レプリカモールドを用いたインプリント処理時に、当該レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度は、マスターモールドの微細凹凸パターンの位置精度に近い状態になるものと予想される。したがって、レプリカモールドの真空吸着によって位置精度が変化し、それに基づいて求められる補正量の情報は、転写パターンを高い位置精度で形成するために有用な情報であると言える。

0015

他方、レプリカモールドの作製時に、レプリカモールドの主面の上記のような変形を想定することなく、真空吸着されていない状態でのレプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度が所望とする範囲となるように、マスターモールド及び/又はレプリカモールド用基板を変形させる等の調整をしてしまうと、当該主面の変形により、インプリント処理時(真空吸着時)におけるレプリカモールドの微細凹凸パターンの位置ずれが生じ、結果的に転写パターンの位置精度を低下させる。特に、レプリカモールドの主面がその面内方向に不均一に変形する場合、当該レプリカモールドの主面に歪みが生じている状態で被転写基板上の被転写材料(インプリント樹脂等)に転写パターンを転写・形成すると、当該転写パターンの位置精度がより低下することになる。

0016

また、一般に、多数のレプリカモールド用基板を用いて多数のレプリカモールドが作製されるが、レプリカモールド用基板ごとに対向面(裏面)の面形状にバラツキがあるため、所望とする位置精度で安定的にレプリカモールドを製造することが困難である。そのため、多数のレプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度にバラツキがあったとしても、それらを顧客に納品するにあたっては、各レプリカモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を精確に推定し、保証することが重要となる。

0017

上記課題に鑑みて、本発明は、インプリントモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を推定する方法及び当該転写パターンの位置精度を保証する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0018

上記課題を解決するために、本発明は、第1の面及び当該第1の面に対向する第2の面を有する基部を備え、前記第1の面側に微細凹凸パターンが形成され、前記第2の面側の平面視略中央に窪み部が形成されているインプリントモールドを用いたインプリント処理により前記微細凹凸パターンが転写され形成される転写パターンの位置精度を推定する方法であって、前記インプリントモールドの前記第2の面の面形状を測定する工程と、前記第2の面の面形状に基づいて、前記第2の面側における前記窪み部の周囲の領域内に存在する凹凸部の凹凸体積を算出する工程と、前記凹凸部の存在に起因して生じる、前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの変形に関する情報を、前記凹凸体積に基づいて取得する工程と、前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの位置情報及び前記微細凹凸パターンの変形に関する情報に基づき、前記インプリント処理時における前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの位置情報を算出する工程とを有し、前記インプリント処理時における前記インプリントモールドの前記微細凹凸パターンの位置情報から、前記転写パターンの位置精度を推定することを特徴とする転写パターンの位置精度推定方法を提供する(発明1)。

0019

インプリントモールドの第2の面に所定の凹凸体積を有する凹凸部が存在していることで、インプリント処理時に、第1の面に形成されている微細凹凸パターンが変形し、インプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度に影響を与え得る。しかしながら、上記発明(発明1)によれば、第2の面の面形状から、第2の面に存在する凹凸部の凹凸体積を算出し、その凹凸部の存在に起因して生じる微細凹凸パターンの変形に関する情報に基づいて、インプリント処理時における微細凹凸パターンの位置情報を取得することができるため、当該インプリントモールドを用いたインプリント処理により形成される転写パターンの位置精度を推定することができる。

0020

上記発明(発明1)においては、前記第2の面側から前記インプリントモールドを真空吸着したときの前記第1の面の面形状を前記第2の面の面形状と仮定して、当該第1の面の面形状を測定し、測定された前記第1の面の面形状に基づいて、前記凹凸体積を算出するのが好ましい(発明2)。

0021

上記発明(発明1,2)においては、前記第2の面側から前記インプリントモールドを真空吸着したときの前記第1の面の面形状を前記第2の面の面形状と仮定して、当該第1の面の面形状を測定し、測定された前記第1の面の面形状を回転楕円体で近似し、前記回転楕円体で近似された前記第1の面の面形状に基づいて、前記凹凸体積を算出するのが好ましい(発明3)。

0022

上記発明(発明1〜3)においては、前記第2の面側における前記窪み部の周囲の領域を複数の領域に区分し、前記微細凹凸パターンの変形量に関する情報としての当該各領域における傾き成分を、前記凹凸体積に基づいて求めるのが好ましい(発明4)。

0023

また、本発明は、第1の面及び当該第1の面に対向する第2の面を有する基部を備え、前記第1の面側に微細凹凸パターンが形成され、前記第2の面側の平面視略中央に窪み部が形成されているインプリントモールドを用いたインプリント処理により前記微細凹凸パターンが転写され形成される転写パターンの位置精度を保証する方法であって、上記発明(発明1〜4)に係る転写パターンの位置精度推定方法により取得した前記インプリント処理時における前記微細凹凸パターンの位置情報が、前記インプリントモールドの納品先における当該インプリントモールドの前記微細凹凸パターンに対する要求位置精度の範囲内である場合に、前記インプリント処理時における前記微細凹凸パターンの位置情報を、前記転写パターンの位置精度を保証するための保証情報として取得することを特徴とする転写パターンの位置精度保証方法を提供する(発明5)。

発明の効果

0024

本発明によれば、インプリントモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を推定する方法及び当該転写パターンの位置精度を保証する方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0025

図1は、本発明の一実施形態に係る転写パターンの位置精度推定方法の各工程を示すフローチャートである。
図2は、本発明の一実施形態における保証対象としてのレプリカモールドの概略構成を示す側面図である。
図3は、本発明の一実施形態においてレプリカモールドを作製する工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
図4(A)及び(B)は、本発明の一実施形態におけるレプリカモールドの第2の面に凹部が存在する場合に、当該レプリカモールドの真空吸着により第1の面側に歪みが生じる態様を概略的に示す切断端面図である。
図5は、本発明の一実施形態において求められる凸構造部の周囲及び凸構造部の上面における変形量及び変形方向をしめす平面図である。

0026

本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る転写パターンの位置精度推定方法を示すフローチャートであり、図2は、本実施形態におけるレプリカモールドの概略構成を示す側面図であり、図3は、本実施形態においてレプリカモールドを作製する工程を切断端面にて示す工程フロー図である。

0027

<レプリカモールドの構成>
本実施形態に係る転写パターンの位置精度推定方法を説明するにあたり、まずは、本実施形態におけるレプリカモールドの具体的構成の一例を、以下に説明する。

0028

本実施形態におけるレプリカモールド1は、図2に示すように、第1の面2a及び第1の面2aに対向する第2の面2bを有する基部2を備え、第1の面2a側から凸構造部3が突出し、第2の面2b側には窪み部4が形成されている。第1の面2a側の凸構造部3上には微細凹凸パターン5が形成されている。なお、本実施形態において、レプリカモールド1としては、第1の面2aの略中央から凸構造部3が突出し、第2の面2bの略中央に窪み部4が形成されているものを例に挙げるが、このような態様に限定されるものではない。例えば、レプリカモールド1は、上記凸構造部3を有しないもの、すなわち第1の面2aが平坦面により構成されるものであってもよいし、第2の面2bに窪み部4が形成されていないものであってもよい。

0029

基部2を構成する材料としては、本実施形態に係るレプリカモールド1の用途(光インプリント用、熱インプリント用等の用途)に応じて適宜選択され得るものである。例えば、当該基部2は、レプリカモールドを製造する際に一般的に用いられている基板(例えば、石英ガラスソーダガラス蛍石フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板アクリルガラス等のガラス基板ポリカーボネート基板ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板チタン基板アルミニウム基板等の金属基板シリコン基板窒化ガリウム基板等の半導体基板等)により構成され得る。

0030

基部2の厚さは、強度や取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。なお、本実施形態において「透明」とは、波長300〜450nmの光線透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。

0031

本実施形態において、窪み部4は、当該窪み部4の外形を第1の面2a側に投影した投影領域4aが、平面視における凸構造部3の外形を物理的に包含するように、第2の面2b側に形成されている。このような窪み部4を有するレプリカモールド1によれば、インプリント処理時、特に離型時に当該レプリカモールド1を湾曲させることができ、レプリカモールド1の離型を容易に行うことができる。

0032

<レプリカモールドの作製方法
続いて、上述したような構成を有するレプリカモールド1を作製する方法を説明する。
まず、第1の面2a側から突出する凸構造部3の上面3aにハードマスク層20が形成され、第2の面2b側に窪み部4が形成されているレプリカモールド用基材10を準備し、当該レプリカモールド用基材10をインプリント装置(図示せず)の基板ステージ50上に載置する(図3(a)参照)。

0033

ハードマスク層20を構成する材料としては、例えば、クロムチタンタンタル珪素アルミニウム等の金属;窒化クロム酸化クロム酸窒化クロム等のクロム系化合物酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物窒化チタン窒化珪素酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。

0034

ハードマスク層20は、後述する工程(図3(e)参照)にてパターニングされ、それにより形成されたハードマスクパターン21は、レプリカモールド用基材10をエッチングする際のマスクとして用いられる。そのため、レプリカモールド用基材10の種類に応じたエッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層20の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、レプリカモールド用基材10が石英ガラスである場合、ハードマスク層20として金属クロム膜等が好適に選択され得る。

0035

なお、ハードマスク層20の厚さは、レプリカモールド用基材10の種類に応じたエッチング選択比等を考慮して適宜設定される。例えば、レプリカモールド用基材10が石英ガラスであって、ハードマスク層20が金属クロム膜である場合、ハードマスク層20の厚さは、3〜10nm程度である。

0036

基板ステージ50には、基板ステージ50に載置されたレプリカモールド用基材10の窪み部4の外側に位置するように吸着孔51が設けられている。この吸着孔51を介して基板ステージ50上に載置されたレプリカモールド用基材10が真空吸着され、基板ステージ50上に固定される(図3(b)参照)。

0037

そして、レプリカモールド用基材10のハードマスク層20上にインプリント樹脂を、例えばインクジェット法等により塗布し、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5に対応する微細凹凸パターン31を有するマスターモールド30を用いてレプリカモールド用基材10に対してインプリント処理を行い(図3(c)参照)、レプリカモールド用基材10のハードマスク層20上にレジストパターン40を形成する(図3(d)参照)。

0038

なお、本実施形態におけるマスターモールド30は、転写されるべき微細凹凸パターン31の他、位置合わせ用アライメントマーク(図示せず)や、位置精度を評価するために用いられる計測用マーク(図示せず)等を有する。マスターモールド30を用いたインプリント処理により、レプリカモールド用基材10の凸構造部3の上面3aに、マスターモールド30の計測用マークに対応する計測パターンが形成される。

0039

続いて、レジストパターン40が形成されたレプリカモールド用基材10をエッチング処理に付し、レプリカモールド用基材10の凸構造部3上のハードマスク層20をエッチングし、ハードマスクパターン21を形成する(図3(e)参照)。そして、ハードマスクパターン21をマスクとしてレプリカモールド用基材10をエッチングして凸構造部3上に微細凹凸パターン5を形成し、最後に、ハードマスクパターン21を除去することで、レプリカモールド1を作製することができる(図2参照)。

0040

上述したレプリカモールド1の作製方法において、レプリカモールド用基材10の凸構造部3上に、マスターモールド30を用いたインプリント処理によりレジストパターン40を形成する際、レプリカモールド用基材10が基板ステージ50に真空吸着される。そのため、レプリカモールド用基材10の第2の面2bの面形状によっては、凸構造部3の上面3aが変形した状態で、マスターモールド30の微細凹凸パターン31が転写され、レジストパターン40が形成される。そして、レジストパターン40をマスクとしたエッチング処理により、凸構造部3の上面3aに微細凹凸パターン5が形成されてなるレプリカモールド1が作製され得る。

0041

上述したレプリカモールド1の作製方法において、レプリカモールド用基材10の凸構造部3の上面3aにレジストパターン40が形成されたのち、当該レプリカモールド用基材10の真空吸着が解除される。この真空吸着の解除により、凸構造部3の上面3aが、レプリカモールド用基材10を基板ステージ50に真空吸着する前の状態に戻るように変形する。そして、凸構造部3の上面3aに形成されているレジストパターン40もまた、凸構造部3の上面3aの変形に追従するようにして変形してしまう。このようにして変形したレジストパターン40をマスクとしたエッチング処理により、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5が形成される。そのため、真空吸着されていない状態におけるレプリカモールド1の微細凹凸パターン5は、位置精度の低下したものとなっている。

0042

しかしながら、レプリカモールド1を用いてインプリント処理を行うときには、レプリカモールド1がインプリント装置のモールドホルダに真空吸着され、それにより微細凹凸パターン5が変形する。このときの変形は、レプリカモールド1を作製する工程においてレプリカモールド用基材10が基板ステージ50に真空吸着された時の変形に近似しているということができる。そのため、当該レプリカモールド1を用いた転写パターンの形成時において、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5は良好な位置精度(マスターモールド30の微細凹凸パターン31と同等の位置精度)であるということができる。

0043

したがって、レプリカモールド用基材10の第2の面2bの面形状に応じて、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度(真空吸着されていない状態での位置精度)が低下していたとしても、所望とする位置精度で転写パターンが形成されることになる。よって、上述のようにして作製されたレプリカモールド1を用いて形成される転写パターンの位置精度を、後述のようにして推定することができる。

0044

<転写パターンの位置精度推定方法>
本実施形態に係る転写パターンの位置精度推定方法においては、図1に示すように、上述のようにして作製したレプリカモールド1を真空吸着可能な基板ステージ(例えば、インプリント装置における基板ステージ等)等に載置して、当該レプリカモールド1を真空吸着する(S101)。そして、レーザー変位計(例えば、LK−G5000,キーエンス社製)等を用いて、基板ステージ上に真空吸着されたレプリカモールド1の第1の面2aの高さ分布計測し、当該高さ分布データから第1の面2aの面形状を取得する(S102)。

0045

当該第1の面2a側における高さ分布の計測領域としては、少なくとも凸構造部3の上面3a(微細凹凸パターン5の形成されている面)を包含し、かつ凸構造部3の上面3aの外周縁から外側の所定の領域であればよいが、好ましくは第1の面2a側の全面である。また、上記計測領域が第1の面2aの一部の領域である場合、当該計測領域の形状は、円形であってもよいし、矩形であってもよい。本実施形態のように、レプリカモールド1の第1の面2a側に凸構造部3が設けられている場合、当該凸構造部3の外側に位置する所定の領域の高さ分布を計測するのが好ましい。

0046

なお、レプリカモールド1の第1の面2a側は、通常、極めて平坦度(平面度)が高いため、レプリカモールド1を基板ステージに真空吸着させたとき、レプリカモールド1の第2の面2bの面形状が、第1の面2a側に実質的に現われる。よって、基板ステージに真空吸着させたレプリカモールド1の第1の面2aの高さ分布から得られる第1の面2aの表面形状を、第2の面2bの面形状として仮定することができる。

0047

次に、上述のようにして取得した第1の面2aの面形状に対して回転楕円体によるフィッティング処理最小二乗法によるフィッティング処理)を行い(S103)、上記第1の面2aの高さ分布と、フィッティング処理により求めた回転楕円体面の高さとの差分を算出する(S104)。そして、このようにして算出された差分を積分して、真空吸着により第1の面2aに表われた、第2の面2bに存在する凹凸部の体積(凹凸体積)を算出する(S105)。

0048

上記凹凸体積を算出する際に、例えば、凸構造部3の周囲の領域(第1の面2a上の領域)を複数の小領域(例えば、5mm四方程度の矩形領域)に区分し、各小領域の凹凸体積を算出するようにしてもよい。この小領域のサイズを小さくする(小領域の数を増やす)と、より精確に転写パターンの位置精度を推定することができるようになるというメリットがある一方、データ処理量が増大するため、転写パターンの位置精度を推定するのに膨大な時間がかかってしまうというデメリットもある。

0049

図4(A)及び(B)に示すように、レプリカモールド1の第2の面2bに凹凸部2cが存在すると、レプリカモールド1の第2の面2b側からの真空吸着により、第2の面2bが実質的に平坦面となるように変形する。このとき、レプリカモールド1の厚さ方向における凹凸部2cの上方(第1の面2a上)には、第2の面2bの凹凸部2cに対応する凹凸部2dが形成される。この変形により、レプリカモールド1の凸構造部3の上面3aの微細凹凸パターン5が伸縮するようにして変形することになるが、当該微細凹凸パターン5の変形量や変形方向は、後述するように、凹凸体積に基づいて推定され得る。

0050

レプリカモールド1を真空吸着したときの、凸構造部3の上面3aの微細凹凸パターン5の変形量は、本質的には、第2の面2bに存在する凹部の大きさ及び深さ(すなわち凹凸体積)に依存する。そのため、当該変形量を算出するにあたり、第2の面2bに存在する凹部の凹凸体積を直接的に求めることも考えられる。

0051

この点に関し、当該凹部の平面視における大きさが十分に大きければ、真空吸着されたレプリカモールド1の第2の面2bが実質的に平坦面となるように変形する。しかし、凹部の平面視における大きさが小さく、かつ深い場合、真空吸着されてレプリカモールド1の第2の面2bが実質的に平坦面になるまで変形するとは限らない。すなわち、第2の面2bに存在する凹部の凹凸体積をそのまま、レプリカモールド1を真空吸着したときの、凸構造部3の上面3aの微細凹凸パターン5の変形量に換算することができるわけではない。

0052

したがって、第2の面2bに存在する凹凸部2cの凹凸体積を、真空吸着されたレプリカモールド1の第1の面2aに表われた高さ分布と、フィッティング処理により求めた回転楕円体面の高さとの差分を積分して算出することにより、真空吸着による微細凹凸パターン5の変形に寄与する凹凸形状の分布(変形ポテンシャル分布(変形の可能性の大きさを示す分布))を得ることができる。

0053

続いて、上記凹凸体積に基づいて、レプリカモールド1を真空吸着したときの凸構造部3の上面3aの変形量(第1方向(X方向)及び第1方向に直交する第2方向(Y方向)のそれぞれにおける変形量)を求め、当該変形量からパターン変形関連情報を生成し、取得する(S106)。

0054

具体的には、上記のようにして算出された凹凸体積を、X方向の成分及びY方向の成分のそれぞれで偏微分して、X方向及びY方向の傾きをそれぞれ求める。上述の通り、上記のようにして算出された凹凸体積は、変形ポテンシャル分布ということができるため、凹凸体積の偏微分により求められる傾きから、変形量及び変形方向を近似的に求めることができる。そして、求められたX方向の傾き及びY方向の傾きを合成し、凸構造部3の周囲における第1の面2aの変形量及び変形方向を求めることができる。例えば、図5(a)に示すように、凸構造部3の周囲における各小領域の変形量及び変形方向は、ベクトル表示図5(a)に示す矢印)で求められ得る。このように算出された変形量及び変形方向は、同一の算出方法で求められたものであるため、矢印の長さで表されるベクトルの大小は、相対的に、変形量の大小と考えることができる。そして、当該凸構造部3の周囲における各小領域の変形量及び変形方向に基づき、凸構造部3の上面3aにおける変形量及び変形方向を求める。例えば、図5(b)に示すように、凸構造部3の上面3aにおける変形量及び変形方向は、ベクトル表示で求められ得る。

0055

この凸構造部3の上面3aにおける変形量及び変形方向(それらを表すベクトル表示)から、凸構造部3の上面3aの微細凹凸パターン5の補正量(真空吸着されていないレプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度から、真空吸着されたレプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度への補正量)として、例えば直交誤差(μrad)等を求めることができる。このようにして求められた変形量及び変形方向(それらを表すベクトル表示)、所望によりそれらに加えて微細凹凸パターン5の直交誤差を、上記パターン変形関連情報として取得する(S106)。微細凹凸パターン5の直交誤差とは、微細凹凸パターン5がせん断状に変形している場合において、レプリカモールド1の真空吸着による微細凹凸パターン5の変形量及び変形方向を角度(μrad)で表したものである。

0056

なお、凸構造部3の上面3aにおける具体的な変形量は、以下のようにして算出することができる。

0057

例えば、第2の面2bにおける窪み部4の近傍に凹凸部が存在すると仮定したときの当該凹凸部の上方の第1の面2aにおける変形量と、凸構造部3の上面3aにおける変形量との相関関係を、例えば、汎用有限要素法解析ソフト(Abaqus、Dassault Systems Simulia社製)等のシミュレーションソフトを用いたシミュレーションにより予め求めておき、当該相関関係に基づいて、凸構造部3の上面3aにおける変形量を算出することができる。

0058

上記のようにして求めたパターン変形関連情報(変形量及び変形方向、補正量(直交誤差)等)と、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度(レプリカモールド1が第2の面2b側から真空吸着されていない状態での位置精度(X方向及びY方向のそれぞれにおける位置ずれ量の3σ))とを合算して、インプリント処理時、すなわちレプリカモールド1がインプリント装置のモールドホルダに真空吸着された状態における微細凹凸パターン5の位置精度(X方向及びY方向のそれぞれにおける位置ずれ量の3σ)を算出する。このようにして算出された微細凹凸パターン5の位置精度を、インプリント処理時の微細凹凸パターン5の位置情報として取得する(S107)。

0059

例えば、上記パターン変形関連情報としての補正量(直交誤差)が、0.26μRadであり、直交誤差の補正を加えていない場合のレプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度(レプリカモールド1が第2の面2b側から真空吸着されていない状態での位置精度(位置ずれ量の3σ))、が、X方向で4.40nm、Y方向で6.71nmであるとする。この場合、補正量(直交誤差)と位置精度との合算後、すなわち、インプリント処理時のレプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度(位置ずれ量の3σ)は、X方向で3.67nm、Y方向で4.83nmと求められ得る。

0060

上記レプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度(レプリカモールド1が第2の面2b側から真空吸着されていない状態での位置精度)は、例えば、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製,IPRO Series)等を用い、作製されたレプリカモールド1の計測用マークの座標測定により求められ得る。

0061

このようにして取得されたインプリント処理時の微細凹凸パターン5の位置情報は、当該レプリカモールド1を用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を示す情報であるため、当該インプリント処理時の微細凹凸パターン5の位置情報をもって、転写パターンの位置精度を推定することができる。

0062

上述したように、本実施形態に係る転写パターンの推定方法においては、インプリント処理時、すなわちインプリント装置のモールドホルダにより真空吸着された状態におけるレプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置情報を精確に取得することができる。そして、当該インプリント時の微細凹凸パターン5の位置情報が、インプリントにより転写・形成される転写パターンの位置情報に相当する。そのため、当該インプリント時の微細凹凸パターン5の位置情報をもって、転写パターンの位置精度を精確に推定することができる。

0063

上述した本実施形態に係る転写パターンの位置精度推定方法は、転写パターンの位置精度を精確に推定することができるため、上述のようにして取得したインプリント処理時の微細凹凸パターン5の位置情報を、当該インプリントモールドを用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を保証するための情報(保証情報)として用いることができる。すなわち、本実施形態に係る転写パターンの位置精度推定方法により取得したインプリント処理時の微細凹凸パターン5の位置情報が、当該微細凹凸パターン5の位置精度の許容範囲内であれば、当該インプリント処理時の微細凹凸パターン5の位置情報を、転写パターンの位置精度を保証するための保証情報として顧客に提供することで、転写パターンの保証方法とすることができる。

0064

以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0065

以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら制限されるものではない。

0066

〔実施例1〕
平面視正方形状石英ガラス基板(152mm×152mm)の第1の面2aから凸構造部3(33mm×26mm)が突出するとともに、当該凸構造部3の上面3aにラインアンドスペース状の微細凹凸パターン5(短手方向寸法:40nm)が形成され、第2の面2bに窪み部4(半径:32mm)が形成されているレプリカモールド1を準備した。

0067

次に、上記レプリカモールド1をインプリント装置の基板ステージ50上に載置し、そのインプリントモールド用基材1の第1の面2a側の高さ分布を、レーザー変位計(LK−G5000,キーエンス社製)を用いて計測し、当該高さ分布データからレプリカモールド1の第1の面2a側の面形状(高さ分布)を求めた。

0068

続いて、レプリカモールド1の第1の面2a側の面形状に、回転楕円体を最小二乗法によりフィッティングし、第1の面2aの高さ分布と、フィッティング処理により求めた回転楕円体面の高さとの差分を算出した。そして、上記面形状を求めた領域(凸構造部3の周囲の領域)内を5mm角正方形の小領域に区分し、各小領域において当該差分を積分して凹凸体積を算出した。

0069

そして、各小領域における凹凸体積を、X方向成分及びY方向成分のそれぞれにて偏微分してX方向及びY方向の傾きをそれぞれ算出してそれらを合成し、凸構造部3の周囲近傍における変形量及び変形方向を求めた。続いて、汎用有限要素法解析ソフト(Abaqus、Dassault Systems Simulia社製)を用いたシミュレーションにより予め求めておいた、第2の面2bにおける窪み部4の近傍に凹凸部が存在すると仮定したときの当該凹凸部の上方の第1の面2aにおける変形量と、凸構造部3の上面3aにおける変形量との相関関係に基づき、凸構造部3の周囲近傍における変形量及び変形方向から凸構造部3の上面3aにおける変形量及び変形方向を算出し、当該変形量及び変形方向から微細凹凸パターン5の直交誤差(μrad)を求めた。このようにして求めた微細凹凸パターン5の直交誤差は、0.250μradであった。

0070

一方で、上記レプリカモールド1の微細凹凸パターン5の直交誤差を、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製,IPRO Series)を用いて計測した。その結果、微細凹凸パターン5の直交誤差は、0.326μradであった。

0071

〔実施例2〕
平面視正方形状の石英ガラス基板(152mm×152mm)の第1の面2aから凸構造部3(33mm×26mm)が突出するとともに、当該凸構造部3の上面3aにラインアンドスペース状の微細凹凸パターン5(短手方向寸法:40nm)が形成され、第2の面2bに窪み部4(半径:32mm)が形成されているレプリカモールド1(実施例1とは別個のレプリカモールド1)を準備した。

0072

そして、実施例1と同様にして微細凹凸パターン5の直交誤差(μrad)を求めたところ、凹凸体積から求めた微細凹凸パターン5の直交誤差は0.255μradであり、座標測定装置を用いて求めた微細凹凸パターン5の直交誤差は0.247μradであった。

実施例

0073

上記実施例1及び実施例2から明らかなように、レプリカモールド1を真空吸着して求めた凹凸体積から算出された微細凹凸パターン5の直交誤差と、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5の直交誤差の測定値とがほぼ一致していた。このことから、上記凹凸体積の算出結果から、レプリカモールド1の微細凹凸パターン5の位置精度、すなわち当該レプリカモールド1を用いたインプリント処理により転写・形成される転写パターンの位置精度を精確に推定可能であることが確認された。

0074

本発明は、半導体デバイスの製造過程において、インプリントモールドを用いて半導体基板等に形成される微細凹凸パターンの位置精度を推定し、保証する方法として有用である。

0075

1…レプリカモールド(インプリントモールド)
2…基部
2a…第1の面
2b…第2の面
3…凸構造部
4…窪み部
5…微細凹凸パターン

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