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技術 インプリントモールド用基材及びインプリントモールド

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 吉田幸司
出願日 2014年6月24日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2014-129148
公開日 2016年1月18日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-009750
状態 特許登録済
技術分野 半導体の露光(電子、イオン線露光を除く) 曲げ・直線化成形、管端部の成形、表面成形
主要キーワード 有限要素法解析ソフト 凹凸体 固定円板 基準体積 製品種 許容変形量 凹部体 ポリエチレン基板
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月18日)のものです。
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図面 (9)

課題

微細凹凸パターン倍率が所望とする範囲を超えてしまうのを防止し得るインプリントモールド基材及び当該インプリントモールド用基材を用いて得られるインプリントモールドを提供する。

解決手段

インプリントモールド用基材1は、第1の面2a及び当該第1の面2aに対向する第2の面2bを有する基部2を備え、第2の面2b側の平面視略中央に窪み部4が形成されており、第2の面2b側における窪み部4の周囲の領域内に、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しない。

概要

背景

微細加工技術としてのナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材インプリントモールド)を用い、当該微細凹凸パターンをインプリント樹脂等の被加工物転写することで微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1参照)。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化の進行等に伴い、半導体デバイスの製造プロセス等においてナノインプリント技術が益々注目されている。

ナノインプリント技術において用いられる微細凹凸パターンを有するインプリントモールドとしては、従来、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されてなるものが知られている(非特許文献1参照)。具体的には、電子線描画装置を用いてモールド用基板の一方の面上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとしてモールド用基板をドライエッチング処理に付することによりインプリントモールドが作製される。このようにして作製されるインプリントモールドは、その作製工程において電子線描画装置により極小スポットビーム走査させる必要があることで作製に膨大な時間を要し、作製コストの非常に高いものとなる。また、所定回数の転写工程に使用されると、被転写材料インプリント樹脂等)に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったり、インプリントモールドの微細凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。

このようにして被転写材料に形成される微細凹凸パターンの欠陥やインプリントモールドの微細凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、その都度、電子線(EB)リソグラフィーにより作製された新たなインプリントモールドに交換するとなると、ナノインプリント技術を経て製造される半導体デバイス等の製品の多大なるコストアップにつながってしまう。

そのため、産業規模でナノインプリント技術を実施する際には、一般に、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されたインプリントモールドをマスターモールドとし、当該マスターモールドを用いてマスターモールドの微細凹凸パターンを反転させた微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを多数作製し、そのレプリカモールドをナノインプリント技術におけるインプリントモールドとして用いるのが通常である(特許文献1参照)。

このようにして得られるレプリカモールドは、低コストでの大量生産が可能である。そのため、それらをナノインプリント技術におけるインプリントモールドとして用いることで、仮に当該インプリントモールドが損傷してしまったり、当該インプリントモールドにより被転写材料に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったりしても、次々と新しいインプリントモールドに交換しながらナノインプリント技術を実施することができ、半導体デバイス等の製品の製造コストを低減することができる。また、多数のレプリカモールドを作製しておくことで、複数のインプリント装置のそれぞれにレプリカモールドをセットして同時に使用することができ、半導体デバイス等の製品の生産性を向上させることができる。

概要

微細凹凸パターンの倍率が所望とする範囲を超えてしまうのを防止し得るインプリントモールド用基材及び当該インプリントモールド用基材を用いて得られるインプリントモールドを提供する。インプリントモールド用基材1は、第1の面2a及び当該第1の面2aに対向する第2の面2bを有する基部2を備え、第2の面2b側の平面視略中央に窪み部4が形成されており、第2の面2b側における窪み部4の周囲の領域内に、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しない。

目的

本発明は、微細凹凸パターンの位置精度が低下するのを防止し得るインプリントモールド用基材及び当該インプリントモールド用基材を用いて得られるインプリントモールドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

第1の面及び当該第1の面に対向する第2の面を有する基部を備え、前記第2の面側の平面視略中央に窪み部が形成されており、前記第2の面側における前記窪み部の周囲の領域内に、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しないことを特徴とするインプリントモールド基材

請求項2

前記凹凸体積は、前記第2の面の面形状に基づいて算出される体積であることを特徴とする請求項1に記載のインプリントモールド用基材。

請求項3

前記第2の面の面形状は、前記第2の面側から前記インプリントモールド用基材を真空吸着したときの前記第1の面の面形状であることを特徴とする請求項2に記載のインプリントモールド用基材。

請求項4

前記凹凸体積は、前記第2の面側から前記インプリントモールド用基材を真空吸着したときの前記第1の面の面形状を回転楕円体近似し、前記回転楕円体で近似された前記第1の面の面形状に基づいて算出される体積であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインプリントモールド用基材。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載のインプリントモールド用基材の前記第1の面側に微細凹凸パターンが形成されてなることを特徴とするインプリントモールド。

技術分野

0001

本発明は、インプリントモールド基材及びインプリントモールドに関する。

背景技術

0002

微細加工技術としてのナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材(インプリントモールド)を用い、当該微細凹凸パターンをインプリント樹脂等の被加工物転写することで微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1参照)。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化の進行等に伴い、半導体デバイスの製造プロセス等においてナノインプリント技術が益々注目されている。

0003

ナノインプリント技術において用いられる微細凹凸パターンを有するインプリントモールドとしては、従来、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されてなるものが知られている(非特許文献1参照)。具体的には、電子線描画装置を用いてモールド用基板の一方の面上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとしてモールド用基板をドライエッチング処理に付することによりインプリントモールドが作製される。このようにして作製されるインプリントモールドは、その作製工程において電子線描画装置により極小スポットビーム走査させる必要があることで作製に膨大な時間を要し、作製コストの非常に高いものとなる。また、所定回数の転写工程に使用されると、被転写材料インプリント樹脂等)に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったり、インプリントモールドの微細凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。

0004

このようにして被転写材料に形成される微細凹凸パターンの欠陥やインプリントモールドの微細凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、その都度、電子線(EB)リソグラフィーにより作製された新たなインプリントモールドに交換するとなると、ナノインプリント技術を経て製造される半導体デバイス等の製品の多大なるコストアップにつながってしまう。

0005

そのため、産業規模でナノインプリント技術を実施する際には、一般に、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されたインプリントモールドをマスターモールドとし、当該マスターモールドを用いてマスターモールドの微細凹凸パターンを反転させた微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを多数作製し、そのレプリカモールドをナノインプリント技術におけるインプリントモールドとして用いるのが通常である(特許文献1参照)。

0006

このようにして得られるレプリカモールドは、低コストでの大量生産が可能である。そのため、それらをナノインプリント技術におけるインプリントモールドとして用いることで、仮に当該インプリントモールドが損傷してしまったり、当該インプリントモールドにより被転写材料に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったりしても、次々と新しいインプリントモールドに交換しながらナノインプリント技術を実施することができ、半導体デバイス等の製品の製造コストを低減することができる。また、多数のレプリカモールドを作製しておくことで、複数のインプリント装置のそれぞれにレプリカモールドをセットして同時に使用することができ、半導体デバイス等の製品の生産性を向上させることができる。

0007

特開2010−282995号公報

先行技術

0008

谷口淳著,「はじめてのナノインプリント技術」,P180,2005年,工業調査会刊

発明が解決しようとする課題

0009

一般に、レプリカモールドにおいては、その用途等に応じ、所望とする位置精度で微細凹凸パターンが形成されていることが要求される。特に、半導体デバイス等の製品を製造するために用いられるレプリカモールドにおいては、極めて厳しい位置精度での微細凹凸パターンの形成が要求されており、半導体デバイス等のさらなる微細化の進行等に伴い、さらに厳しい位置精度での微細凹凸パターンの形成が要求されることが予想される。なお、「位置精度」とは、設計値座標値)に対する微細凹凸パターンの位置ずれ量(nm)を意味するものとする。

0010

このような要求を満足するために、レプリカモールド用基板における微細凹凸パターンの形成される面(主面)には、極めて高い平坦度が要求されている現状がある。当該主面の平坦度が低いと、マスターモールドの微細凹凸パターンを高精度に転写することができず、レプリカモールドにおいて微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまうためである。

0011

しかしながら、主面の平坦度が極めて高いレプリカモールド用基板を用いても、製造されるレプリカモールドにおいて微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまうことがある。この原因を本発明者らが鋭意検討した結果、レプリカモールド用基板の主面に対向する対向面(裏面)の面形状が、レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度に影響を与えていることが判明した。

0012

すなわち、マスターモールドを用いたインプリント処理によりレプリカモールド用基板の主面に微細凹凸パターンを形成する場合、通常、レプリカモールド用基板は、インプリント装置の基板ステージ上に載置され、真空吸着される。このとき、レプリカモールド用基板の裏面の面形状に応じ、真空吸着されたレプリカモールド用基板の主面に歪みが生じる。歪みが生じている状態で、レプリカモールド用基板の主面上の被転写材料(インプリント樹脂等)に微細凹凸パターンが形成された後、レプリカモールド用基板の真空吸着の解除に伴い歪みが解消することで、被転写材料に形成された微細凹凸パターンは伸長又は収縮する。

0013

このレプリカモールド用基板の主面側の平面視における一方向(X方向)及びその直交方向(他方向,Y方向)における各歪み量に依拠して、レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまうという問題が生じる。また、一般に、多数のレプリカモールド用基板を用いて多数のレプリカモールドを作製するが、レプリカモールド用基板ごとに歪み量にバラツキがあることで、所望とする位置精度の微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを安定的に製造することが困難であるという問題も生じ得る。

0014

また、レプリカモールドを作製するために用いられるマスターモールドは、インプリント装置のモールドホルダに真空吸着されてインプリント処理に供される。そのため、マスターモールドの裏面の面形状に応じ、真空吸着されたマスターモールドの主面(微細凹凸パターンが形成されている面)側に歪みが生じると、真空吸着されたマスターモールドの微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまう。その結果、低下した位置精度がレプリカモールド用基板にそのまま転写され、レプリカモールドの微細凹凸パターンの位置精度がより低下してしまうという問題が生じる。

0015

上記課題に鑑みて、本発明は、微細凹凸パターンの位置精度が低下するのを防止し得るインプリントモールド用基材及び当該インプリントモールド用基材を用いて得られるインプリントモールドを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

上記課題を解決するために、本発明は、第1の面及び当該第1の面に対向する第2の面を有する基部を備え、前記第2の面側の平面視略中央に窪み部が形成されており、前記第2の面側における前記窪み部の周囲の領域内に、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しないことを特徴とするインプリントモールド用基材を提供する(発明1)。

0017

本発明者が鋭意研究した結果、インプリントモールド用基材の基部の第2の面側における窪み部の周囲の領域内に基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在すると、第1の面側に形成される微細凹凸パターンの位置精度が低下してしまうことが判明した。そこで、上記発明(発明1)によれば、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しないため、当該インプリントモールド用基材を用いることで、所望とする位置精度で微細凹凸パターンの形成が可能となる。

0018

本発明において「基準体積」とは、インプリントモールド用基材から製造されるインプリントモールドの微細凹凸パターンが所望とする位置精度で形成されるために許容される、インプリントモールド用基材の第2の面に存在する凹部の体積を意味する。

0019

上記発明(発明1)において、前記凹凸体積は、前記第2の面の面形状に基づいて算出される体積であるのが好ましく(発明2)、前記第2の面の面形状は、前記第2の面側から前記インプリントモールド用基材を真空吸着したときの前記第1の面の面形状であるのが好ましい(発明3)。

0020

上記発明(発明1〜3)において、前記凹凸体積は、前記第2の面側から前記インプリントモールド用基材を真空吸着したときの前記第1の面の面形状を回転楕円体近似し、前記回転楕円体で近似された前記第1の面の面形状に基づいて算出される体積であるのが好ましい(発明4)。

0021

また、本発明は、上記発明(発明1〜4)に係るインプリントモールド用基材の前記第1の面側に微細凹凸パターンが形成されてなることを特徴とするインプリントモールドを提供する(発明5)。

発明の効果

0022

本発明によれば、微細凹凸パターンの位置精度が低下するのを防止し得るインプリントモールド用基材及び当該インプリントモールド用基材を用いて得られるインプリントモールドを提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

図1は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用基材の構成を概略的に示す切断端面図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用基材の他の構成例を概略的に示す切断端面図である。
図3(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用基材を示す平面図である。
図4(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用基材の第2の面に凹部が存在する場合に、当該インプリントモールド用基材の真空吸着により第1の面側に歪みが生じる態様を概略的に示す切断端面図である。
図5は、本発明の一実施形態において算出され得る最大たわみ量と凹部の半径との関係を示すグラフである。
図6は、本発明の一実施形態において算出されうる変形量と凹部の半径との関係を示すグラフである。
図7は、本発明の一実施形態において基準体積を求めるために用いられるグラフである。
図8は、本発明の一実施形態におけるインプリントモールドの構成を概略的に示す切断他面図である。

0024

本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るインプリントモールド用基材の構成を概略的に示す切断端面図であり、図2は、本実施形態に係るインプリントモールド用基材の他の構成例を概略的に示す切断端面図であり、図3(A)及び(B)は、本実施形態に係るインプリントモールド用基材を示す平面図である。

0025

図1に示すように、本実施形態に係るインプリントモールド用基材1は、第1の面2a及び第2の面2bを有する基部2を備え、第1の面2a側から凸構造部3が突出し、第2の面2b側には窪み部4が形成されている。

0026

基部2を構成する材料としては、本実施形態に係るインプリントモールド用基材1を用いて製造され得るインプリントモールドの用途(光インプリント用、熱インプリント用等の用途)に応じて適宜選択され得るものである。例えば、当該基部2は、インプリントモールドを製造する際に一般的に用いられている基板(例えば、石英ガラスソーダガラス蛍石フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板アクリルガラス等のガラス基板ポリカーボネート基板ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板チタン基板アルミニウム基板等の金属基板シリコン基板窒化ガリウム基板等の半導体基板等)により構成され得る。

0027

基部2の厚さは、強度や取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。なお、本実施形態において「透明」とは、波長300〜450nmの光線透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。

0028

本実施形態に係るインプリントモールド用基材1は、第1の面2aの略中央から凸構造部3が突出し、第2の面2bの略中央に窪み部4が形成されているが、このような態様に限定されるものではない。例えば、インプリントモールド用基材1’は、上記凸構造部3を有しないもの、すなわち第1の面2aが平坦面により構成されるものであってもよい(図2参照)。

0029

本実施形態に係るインプリントモールド用基材1においては、凸構造部3の上面3aが、インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの形成されるパターン領域PAである。また、凸構造部を有しないインプリントモールド用基材1’においては、当該基材1’の第1の面2a’の所定の領域がパターン領域PA’として設定され得る(図2参照)。

0030

本実施形態において、窪み部4は、当該窪み部4の外形を第1の面2a側に投影した投影領域4aが、平面視における凸構造部3(パターン領域PA)の外形を物理的に包含するように、第2の面2b側に形成されている(図3(A)参照)。凸構造部を有しないインプリントモールド用基材1’(図2参照)においては、上記投影領域4aが平面視におけるパターン領域PA’の外形を物理的に包含するように、窪み部4が第2の面2b側に形成されている(図3(B)参照)。このような窪み部3を有するインプリントモールド用基材1,1’を用いて製造されるインプリントモールドによれば、インプリント処理時、特に離型時に当該インプリントモールドを湾曲させることができ、インプリントモールドの離型を容易に行うことができる。

0031

本実施形態に係るインプリントモールド用基材1は、第2の面2b(第2の面2b側からの平面視における窪み部4の周囲の領域)内に、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しない、という条件を具備する。当該凹部の凹凸体積が基準体積未満であることで、インプリントモールド用基材1の第1の面2a(パターン領域PA)に所望とする位置精度で微細凹凸パターンを形成することができる。

0032

本実施形態において「基準体積」とは、インプリントモールド用基材1から製造されるインプリントモールドの微細凹凸パターンが所望とする位置精度で形成されるために許容される、インプリントモールド用基材1の第2の面2bの凹部の体積を意味する。

0033

本実施形態における「基準体積」を求める方法を、以下に説明する。
まず、インプリントモールド用基材1の第2の面2bに存在し得る凹部の半径Rと最大たわみ量WMAX(m)との関係を求める。具体的には、図4(A)に示すように、第2の面2bに存在し得る凹部21上(インプリントモールド用基材1の厚さ方向)の部分22を周辺固定円板仮定して、当該凹部21の半径Rと、最大たわみ量WMAX(m)との関係を下記数式(1)及び(2)により求める。

0034

0035

上記数式(1)〜(2)中、pは「真空吸着によりインプリントモールド用基材1に印加される圧力(Pa)」、Rは「凹部の半径(mm)」、tは「インプリントモールド用基材1の厚さ(mm)」、vは「ポアゾン比」、Eは「ヤング率(Pa)」、Dは「たわみ剛性」を表す。

0036

そして、凹部の半径Rを変動させて、上記数式(1)及び(2)により最大たわみ量WMAXを算出し、凹部の半径Rと最大たわみ量WMAXとの関係を示すグラフ(図5参照)を作成する。

0037

上述のようにして算出された最大たわみ量WMAXは、半径Rの凹部21がインプリントモールド用基材1の第2の面2bに存在する場合に、インプリントモールド用基材1の真空吸着により当該凹部21上の部分22における第1の面2a上に生じ得る最大たわみ量の最大値である。具体的には、図4(B)に示すように、インプリントモールド用基材1の真空吸着により、第2の面2bが平坦面になると仮定すると、凹部21に対向する第1の面2a上に凹み23が生じ得る。この凹み23の最大深さ(凹み23の平面視中央における深さ)が最大たわみ量WMAXとして算出される。

0038

上述のようにして算出した凹部の半径Rと最大たわみ量WMAXとの関係から、凹部の半径Rと、インプリントモールド用基材1の第1の面11の凸構造部3の上面3aにおける変形量(nm)との関係を示すグラフ(図6参照)を作成する。なお、凸構造部3の上面3aにおける変形量(nm)は、凸構造部3の上面3aの外縁部近傍における変形量(nm)である。当該変形量(nm)は、上記数式(1)及び(2)にて算出される最大たわみ量WMAXに基づく第1の面2a上の歪みが窪み部4の近傍において生じた(凹部21が窪み部4の近傍に存在した)という条件の下、例えば、汎用有限要素法解析ソフト(Abaqus,Dassault Systems Simulia社製)等のシミュレーションソフトを用いたシミュレーションによって算出され得る。

0039

そして、インプリントモールド用基材1の第2の面2bに存在し得る凹部を円錐状とし、凹部の半径Rに対応する上記変形量(nm)を円錐の高さと仮定して、当該円錐の体積(m3)を算出し、当該円錐の体積(m3)と、上記変形量(nm)との関係を示すグラフ(図7参照)を作成する。このグラフ(図7参照)から、許容される変形量(許容変形量,nm)に応じた体積が、基準体積Vb(インプリントモールド用基材1から製造されるインプリントモールドの微細凹凸パターンが所望とする位置精度で形成されるために許容される、インプリントモールド用基材1の第2の面2bに存在する凹部の体積)として算出される。なお、許容変形量(nm)は、本実施形態に係るインプリントモールド用基材1から作製されるインプリントモールドの用途(当該インプリントモールドを用いて製造される製品種)に応じて許容される変形量(nm)である。例えば、インプリントモールドを用いて製造される製品が半導体製品等であれば、半導体技術ロードマップ(ITRS)等で要求されるパターンの位置精度等に応じて、上記許容変形量(nm)は定められ得る。

0040

次に、インプリントモールド用基材1の第2の面2bに存在する凹部の体積(凹凸体積)を求める方法の一例を説明する。

0041

まず、インプリントモールド用基材1を真空吸着可能な基板ステージ等に載置して、当該インプリントモールド用基材1を真空吸着する。そして、レーザー変位計(例えば、LK−G5000,キーエンス社製)等を用いて、基板ステージ上に真空吸着されたインプリントモールド用基材1の第1の面2aの高さ分布計測し、当該高さ分布データから第1の面2aの面形状を取得する。

0042

当該第1の面2a側における高さ分布の計測領域としては、少なくともパターン領域PAを包含し、かつパターン領域PAの外周縁から外側の所定の領域であればよいが、好ましくは第1の面2a側の全面である。また、上記計測領域が第1の面2aの一部の領域である場合、当該計測領域の形状は、円形であってもよいし、矩形であってもよい。本実施形態のように、インプリントモールド用基材1の第1の面2a側に凸構造部3が設けられている場合、当該凸構造部3の外側に位置する所定の領域の高さ分布を計測するのが好ましい。当該所定の領域は、上記許容変形量に基づいた求めた半径Rに応じて適宜設定され得る。具体的には、インプリントモールド用基材1の平面視において、パターン領域PA(凸構造部3を有する場合には当該凸構造部3の上面3a)の外周縁から外側に向かって、少なくとも半径R以上等方的に拡げた領域を、上記所定の領域として設定することができる。

0043

なお、インプリントモールド用基材1の第1の面2a側は、通常、極めて平坦度(平面度)が高いため、インプリントモールド用基材1を基板ステージに真空吸着させたとき、インプリントモールド用基材1の第2の面2bの面形状が、第1の面2a側に実質的に現われる。よって、基板ステージに真空吸着させたインプリントモールド用基材1の第1の面2aの高さ分布から得られる第1の面2aの表面形状を、第2の面2bの面形状として推定することができる。

0044

次に、上述のようにして取得した第1の面2aの面形状に対して回転楕円体によるフィッティング処理最小二乗法によるフィッティング処理)を行い、上記第1の面2aの高さ分布と、フィッティング処理により求めた回転楕円体面の高さとの差分を算出する。このようにして算出された差分を積分することで、真空吸着により第1の面2aに表われた、第2の面2bに存在する凹部の体積(凹凸体積)を求めることができる。

0045

この差分を積分するときの範囲(積分範囲)は、例えば、凹部の半径Rと、インプリントモールド用基材1の第1の面11の凸構造部3の上面3aにおける変形量(nm)との関係を示すグラフ(図6参照)から、上記許容変形量(nm)に応じた凹部の半径Rを求め、当該半径Rの円が外接円となる正方形状の範囲に設定され得る。そして、この積分範囲を所定の距離ずつスライドさせながら、上記差分を積分することにより、上記基準体積との対比の対象となり得る上記凹凸体積を求めることができる。

0046

本実施形態に係るインプリントモールド用基材1においては、上述のようにして求められる凹凸体積であって、基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が、第2の面2bに存在しない。そのため、当該インプリントモールド用基材1が真空吸着されたとしても、当該インプリントモールド用基材1から製造されるインプリントモールドの微細凹凸パターンの倍率に影響を与える程度の歪みを、インプリントモールド用基材1のパターン領域PAに生じさせることがない。よって、当該インプリントモールド用基材1からインプリントモールドを製造したときに、当該インプリントモールドの微細凹凸パターンの位置精度の低下を防止することができる。

0047

〔インプリントモールド〕
本実施形態におけるインプリントモールド10は、図8に示すように、上述した本実施形態に係るインプリントモールド用基材1の第1の面2a側、すなわち凸構造部3の上面3a(パターン領域PA)に微細凹凸パターン11が形成されてなる。

0048

本実施形態におけるインプリントモールド10は、上述した本実施形態に係るインプリントモールド用基材1を用いて作製されるものであるため、インプリントモールド10の第2の面2bに基準体積以上の凹凸体積を有する凹部が存在しない。よって、位置精度に優れた微細凹凸パターン11を有するため、当該インプリントモールド10を用いたインプリント処理により、位置精度の優れた転写パターンを形成することができる。

0049

以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0050

以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。

0051

〔実施例1〕
インプリントモールド用基材1として平面視正方形状石英ガラス基板(152mm×152mm)を準備し、上記数式(1)及び(2)により最大たわみ量WMAXを算出し、図5〜7に示すようなグラフを作成した(ヤング率E:7.26967×1010Pa,ポアゾン比v:0.18,インプリントモールド用基材1の厚さt:6.35mm,真空吸着によりインプリントモールド用基材1に印加される圧力:101300Pa)。そして、当該グラフから、基準体積Vbを算出した。その結果、基準体積Vbは、5.7×10-11(m3)であった。なお、許容変形量は、ITRSのロードマップにおけるX方向及びY方向の位置精度の要求に従い、3.4nm(3σ)とした。

0052

次に、上記インプリントモールド用基材1をインプリント装置の基板ステージ50上に載置し、そのインプリントモールド用基材1の第1の面2a側の高さ分布を、レーザー変位計(LK−G5000,キーエンス社製)を用いて計測し、当該高さ分布データからインプリントモールド用基材1の第1の面2a側の面形状(高さ分布)を求めた。

0053

続いて、インプリントモールド用基材1の第1の面2a側の面形状に、回転楕円体を最小二乗法によりフィッティングし、第1の面2aの高さ分布と、フィッティング処理により求めた回転楕円体面の高さとの差分を算出した。そして、当該差分を積分し、上記面形状を求めた領域内の最大凹部体積(当該領域内に存在する凹部の体積のうちの最大値)を算出した。その結果、最大凹部体積は、5.61×10-11(m3)であり、基準体積未満であった。

0054

上記インプリントモールド用基材1の凸構造部3の上面3aに、インクジェット装置を用いて、光硬化性のインプリント樹脂を供給し、マスターモールドを用いたインプリント処理を行い、レジストパターンを形成した。

0055

そして、上述のようにして形成されたレジストパターンの位置精度を、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製,IPRO Series)を用いて計測・評価した。その結果、位置精度(3σ)は、X方向が3.2nm、Y方向が3.4nmであり、所望とする位置精度で微細凹凸パターンを形成可能であることが確認された。

0056

〔比較例1〕
実施例1と同様にして、インプリントモールド用基材1を基板ステージ50上に載置し、真空吸着した状態で、第1の面2a側の面形状を計測して最大凹部体積を算出した。その結果、最大凹部体積は、7.74×10-11(m3)であり、基準体積Vb以上であった。

0057

上記インプリントモールド用基材1の凸構造部3の上面3aに、実施例1と同様にして、レジストパターンを形成した。そして、このようにして形成されたレジストパターンの位置精度を、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製,IPRO Series)を用いて計測・評価した。その結果、位置精度(3σ)は、X方向が3.7nm、Y方向が4.5nmであり、位置精度が低下してしまうことが確認された。

実施例

0058

上述した実施例1及び比較例1の結果から明らかなように、実施例1のインプリントモールド用基材1においては、その第2の面2bに基準体積以上の凹部体積を有する凹部が存在していないため、当該インプリントモールド用基材1を用いることで、位置精度の優れた微細凹凸パターン11を有するインプリントモールド10を作製可能であることが確認された。

0059

本発明は、半導体デバイスの製造過程において半導体基板等に微細凹凸パターンを形成するためのナノインプリント工程にて用いられるインプリントモールドを製造する方法や、半導体デバイス等を製造する方法として有用である。

0060

1,1’…インプリントモールド用基材
2…基部
2a…第1の面
2b…第2の面
3…凸構造部
4…窪み部
10…インプリントモールド
11…微細凹凸パターン

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