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技術 灯油組成物および灯油組成物の製造方法

出願人 出光興産株式会社
発明者 高橋大介内山勉
出願日 2014年6月24日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2014-128980
公開日 2016年1月18日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2016-008245
状態 特許登録済
技術分野 液体炭素質燃料 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード 可燃性蒸気 密閉式引火点試験 付着具合 排気ガス試験 強制通気 石油ファンヒーター ボルトカラー 評価段階
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

本発明は、燃費貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物およびその灯油組成物の製造方法を提供する。

解決手段

本発明の灯油組成物は、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、ナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下である。また、灯油組成物の製造方法は、直留灯油KERO)に、接触分解軽質軽油HVN)またはオイルサンド由来灯油留分を混合した原料油を、水素化精製触媒を用いて形成された触媒床に接触させて水素化精製処理する工程を含む。

概要

背景

石油ストーブ石油ファンヒーターなどの暖房機器などに好適に使用される灯油組成物を得るために、灯油組成物には様々な改良がなされてきた。そのような改良がなされた灯油組成物として、たとえば、着火性燃焼性が良好で、燃料消費量が少ない、石油燃焼機器用燃料組成物(たとえば、特許文献1参照)、酸化安定性を改善した灯油組成物(たとえば、特許文献2参照)、貯蔵安定性に優れる灯油組成物(たとえば、特許文献3参照)、暖房機器を長期にわたって安定的に運転することが可能な低硫黄灯油(たとえば、特許文献4参照)などが従来技術として知られている。

概要

本発明は、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物およびその灯油組成物の製造方法を提供する。本発明の灯油組成物は、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、ナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下である。また、灯油組成物の製造方法は、直留灯油KERO)に、接触分解軽質軽油HVN)またはオイルサンド由来灯油留分を混合した原料油を、水素化精製触媒を用いて形成された触媒床に接触させて水素化精製処理する工程を含む。なし

目的

本発明は、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物およびその灯油組成物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、2次元ガスクロマトグラフィーにて測定したナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下である灯油組成物

請求項2

パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、2次元ガスクロマトグラフィーにて測定したナフテンの割合が19質量%以上21質量%以下であり、芳香族分の割合が19質量%以上29質量%以下である請求項1に記載の灯油組成物。

請求項3

パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、高速液体クロマトグラフィーにて測定した芳香族分における2環以上の芳香族分の割合が0.25質量%以上である請求項1または2に記載の灯油組成物。

請求項4

接触分解軽質軽油を添加した灯油留分水素化精製することにより得られた灯油基材を1容量%以上含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の灯油組成物。

請求項5

前記灯油留分における前記接触分解軽質軽油の割合が15容量%を超え25容量%以下の場合、前記灯油組成物における前記灯油基材の割合は50容量%以下であり、前記灯油留分における前記接触分解軽質軽油の割合が15容量%以下の場合、前記灯油組成物における前記灯油基材の割合は100容量%以下である請求項4に記載の灯油組成物。

請求項6

5L/Hrの流量の空気を、厚さ0.3mm、大きさ6mm四方亜鉛引き鋼板一片加えた0.2Lの前記灯油組成物に供給しながら前記灯油組成物を120℃の温度で2時間加熱した後の過酸化物価が1ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の灯油組成物。

請求項7

煙点が21mm以上25mm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の灯油組成物。

請求項8

密度が0.75g/cm3以上0.85g/cm3以下であり、沸点範囲が140℃以上300℃以下であり、95%留出温度が220℃以上270℃以下であり、硫黄分が80質量ppm以下であり、過酸化物価が1ppm以下であり、窒素分が1質量ppm以下であり、30℃における動粘度が0.9mm2/s以上1.7mm2/s以下であり、セーボルトカラーが+25以上であり、銅板腐食が1以下であり、引火点が40℃以上である請求項1〜7のいずれか1項に灯油組成物。

請求項9

直留灯油KERO)に、接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を、水素化精製触媒を用いて形成された触媒床に接触させて水素化精製処理する工程を含む灯油組成物の製造方法であって、前記直留灯油が下記(a)〜(c)の性状を、前記接触分解軽質軽油が下記(d)〜(f)の性状をそれぞれ満たし、前記水素化精製処理における前記原料油の導入口において、水素圧力を3MPa以上12MPa以下、LHSVを2h-1以上12h-1以下、反応温度を、250℃以上360℃以下、水素/原料油比を、60nL/L以上550nL/L以下とした、灯油組成物の製造方法。(a)前記直留灯油における常圧蒸留装置から留出する95%留出温度が200℃以上280℃以下であり、(b)前記直留灯油の密度が0.750g/cm3以上0.850g/cm3以下であり、(c)前記直留灯油の硫黄分が0.001質量%以上0.7質量%以下であり、(d)前記接触分解軽質軽油における接触分解装置から留出する95%留出温度が180℃以上270℃以下であり、(e)前記接触分解軽質軽油の密度が0.750g/cm3以上0.900g/cm3以下であり、(f)前記接触分解軽質軽油の硫黄分は、0.001質量%以上0.08質量%以下である。

請求項10

請求項9に記載の灯油組成物の製造方法により製造される灯油組成物。

技術分野

0001

本発明は、灯油組成物に関し、とくに石油ストーブ石油ファンヒーターなどの暖房機器などに好適に用いられる灯油組成物およびその灯油組成物の製造方法に関する。

背景技術

0002

石油ストーブや石油ファンヒーターなどの暖房機器などに好適に使用される灯油組成物を得るために、灯油組成物には様々な改良がなされてきた。そのような改良がなされた灯油組成物として、たとえば、着火性燃焼性が良好で、燃料消費量が少ない、石油燃焼機器用燃料組成物(たとえば、特許文献1参照)、酸化安定性を改善した灯油組成物(たとえば、特許文献2参照)、貯蔵安定性に優れる灯油組成物(たとえば、特許文献3参照)、暖房機器を長期にわたって安定的に運転することが可能な低硫黄灯油(たとえば、特許文献4参照)などが従来技術として知られている。

先行技術

0003

特開2011−84675号公報
特開2007−77355号公報
特開2005−290186号公報
特開2006−348186号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1〜4に記載されている灯油組成物には、それぞれ優れている点はあるものの、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性のすべての点で優れているとはいえない。そこで、本発明は、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物およびその灯油組成物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明らは、灯油組成物中ナフテンの割合、芳香族分の割合および2環以上の芳香族分の割合を所定範囲内にすることにより、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物を得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、2次元ガスクロマトグラフィーにて測定したナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下である灯油組成物。
[2]パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、2次元ガスクロマトグラフィーにて測定したナフテンの割合が19質量%以上21質量%以下であり、芳香族分の割合が19質量%以上29質量%以下である上記[1]に記載の灯油組成物。
[3]パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、高速液体クロマトグラフィーにて測定した芳香族分における2環以上の芳香族分の割合が0.25質量%以上である上記[1]または[2]に記載の灯油組成物。
[4]接触分解軽質軽油を添加した灯油留分水素化精製することにより得られた灯油基材を1容量%以上含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載の灯油組成物。
[5]灯油留分における接触分解軽質軽油の割合が15容量%を超え25容量%以下の場合、灯油組成物における灯油基材の割合は50容量%以下であり、灯油留分における接触分解軽質軽油の割合が15容量%以下の場合、灯油組成物における灯油基材の割合は100容量%以下である上記[4]に記載の灯油組成物。
[6]5L/Hrの流量の空気を、厚さ0.3mm、大きさ6mm四方亜鉛引き鋼板一片加えた0.2Lの灯油組成物に供給しながら灯油組成物を120℃の温度で2時間加熱した後の過酸化物価が1ppm以下である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の灯油組成物。
[7]煙点が21mm以上25mm以下である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の灯油組成物。
[8]密度が0.75g/cm3以上0.85g/cm3以下であり、沸点範囲が140℃以上300℃以下であり、95%留出温度が220℃以上270℃以下であり、硫黄分が80質量ppm以下であり、過酸化物価が1ppm以下であり、窒素分が1質量ppm以下であり、30℃における動粘度が0.9mm2/s以上1.7mm2/s以下であり、セーボルトカラーが+25以上であり、銅板腐食が1以下であり、引火点が40℃以上である上記[1]〜[7]のいずれかに灯油組成物。
[9]直留灯油KERO)に、接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を、水素化精製触媒を用いて形成された触媒床に接触させて水素化精製処理する工程を含む灯油組成物の製造方法であって、直留灯油が下記(a)〜(c)の性状を、接触分解軽質軽油が下記(d)〜(f)の性状をそれぞれ満たし、水素化精製処理における原料油の導入口において、水素圧力を3MPa以上12MPa以下、LHSVを2h-1以上12h-1以下、反応温度を、250℃以上360℃以下、水素/原料油比を、60nL/L以上550nL/L以下とした、灯油組成物の製造方法。
(a)直留灯油における常圧蒸留装置から留出する95%留出温度が200℃以上280℃以下であり、
(b)直留灯油の密度が0.750g/cm3以上0.850g/cm3以下であり、
(c)直留灯油の硫黄分が0.001質量%以上0.7質量%以下であり、
(d)接触分解軽質軽油における接触分解装置から留出する95%留出温度が180℃以上270℃以下であり、
(e)接触分解軽質軽油の密度が0.750g/cm3以上0.900g/cm3以下であり、
(f)接触分解軽質軽油の硫黄分は、0.001質量%以上0.08質量%以下である。
[10]上記[9]に記載の灯油組成物の製造方法により製造される灯油組成物。

発明の効果

0006

本発明によれば、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物およびその灯油組成物の製造方法を提供することができる。

0007

本発明の灯油組成物は、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、2次元ガスクロマトグラフィーにて測定したナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下であることを特徴とする。以下、本発明の灯油組成物を詳細に説明する。

0008

(飽和分および芳香族分)
飽和分はパラフィンおよびナフテンからなる。パラフィンは飽和鎖状化合物であり、パラフィンには、直鎖状分枝状とがある。ナフテンは、ナフテン環飽和環)を持つ化合物である。一方、芳香族分は、芳香族環を有する化合物である。

0009

本発明の灯油組成物において、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、ナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下であり、好ましくは、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、ナフテンの割合が19質量%以上21質量%以下であり、芳香族分の割合が19質量%以上29質量%以下である。また、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して芳香族分における2環以上の芳香族分の割合は、好ましくは0.1質量%以上0.6質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上0.6質量%以下である。

0010

パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対してナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であると、灯油組成物の長期燃焼性が良好になる。パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下であると、灯油組成物の燃費と貯蔵安定性とが良好になる。パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して2環以上の芳香族分の割合が0.1質量%以上0.6質量%以下であると、灯油組成物の貯蔵安定性が良好になる。なお、上記のナフテンの割合、芳香族分の割合、2環以上の芳香族分の割合および2環芳香族分の割合は、2次元ガスクロマトグラフィーにより測定した値である。

0011

さらには、高速液体クロマトグラフィーにより測定したパラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して2環以上の芳香族分の割合が0.25質量%以上であることが好ましい。これにより灯油組成物の貯蔵安定性が良好になる。

0012

5L/Hrの流量の空気を、厚さ0.3mm、大きさ6mm四方の亜鉛引き鋼板を一片加えた0.2Lの灯油組成物に供給しながら灯油組成物を120℃の温度で2時間加熱した後の本発明の灯油組成物の過酸化物価は、好ましくは1ppm以下であり、より好ましくは0.5ppm以下である。上記過酸化物価が1ppm以下であると、灯油組成物の貯蔵安定性が良好になる。なお、過酸化物価は、JIS K 2276に準拠して測定した値である。

0013

本発明の灯油組成物の煙点は、好ましくは21mm以上25mm以下であり、より好ましくは23mm以上24mm以下である。なお、灯油組成物の煙点は、JIS K 2537に準拠して測定された値である。煙点が21mm以上25mm以下であると、長期にわたって暖房機器の運転中に煙が発生することを抑制できる。

0014

(灯油組成物の性状)
本発明の灯油組成物は、さらに、以下の性状を有することが好ましい。
密度:0.75g/cm3以上0.85g/cm3以下
沸点範囲:140℃以上300℃以下
95%留出温度:220℃以上270℃以下
硫黄分:80質量ppm以下
過酸化物価:1ppm以下
窒素分:1質量ppm以下
30℃における動粘度:0.9mm2/s以上1.7mm2/s以下
セーボルトカラー:+25以上
銅板腐食:1以下
引火点:40℃以上

0015

密度は、JIS K 2249に準拠して測定した値である。密度が0.75g/cm3以上あると、灯油組成物の発熱量が高くなり、燃料消費率が良好になる。また、密度が0.85g/cm3以下であると燃焼性が良好となる。密度は0.77g/cm3以上0.82g/cm3以下であることがより好ましい。

0016

沸点範囲は、原油蒸留して得られる留分の沸点範囲である。沸点範囲が140℃以上300℃以下であると、灯油組成物の燃焼性が良好になる。沸点範囲は、145℃以上285℃以下であることがより好ましい。

0017

95%留出温度は、JIS K 2254に準拠して測定した値である。95%留出温度が220℃以上270℃以下であると、芯式ストーブに利用する際、芯に未燃分が残存し不具合が発生することを抑制できる。95%留出温度は225℃以上268℃以下であることがより好ましい。

0018

硫黄分は、JIS K 2541に準拠して測定した値である。硫黄分が80質量ppm以下であると、燃焼中のSOxの発生を抑制できる。硫黄分は50質量ppm以下であることがより好ましい。硫黄分は50質量ppm以下であることがより好ましい。

0019

過酸化物価は、JIS K 2276に準拠して測定した値である。過酸化物価が1ppm以下であると、灯油組成物の貯蔵安定性が良好になる。過酸化物価は0.5ppm以下であることがより好ましい。

0020

窒素分は、化学発光法で測定される値であり、ガスクロ原子発光法もしくはガスクロ−化学発光法で測定した値である。窒素分が1質量ppm以下であると、燃焼中のNOxの発生を抑制できる。窒素分は0.5質量ppm以下であることがより好ましい。

0021

30℃における動粘度は、JIS K 2283に準拠して測定した値である。30℃における動粘度が0.9mm2/s以上1.7mm2/s以下であると、常温可燃性蒸気が発生し、静電気などにより着火することを抑制できるとともに、毛細管現象にて燃料を供給する芯式ストーブの燃料に用いる場合も、燃料が安定して供給することができる。30℃における動粘度は1.0mm2/s以上1.6mm2/s以下であることがより好ましい。

0022

セーボルトカラーは、JIS K 2580に準拠して測定した値である。セーボルトカラーが+25以上であると、灯油組成物が着色して劣化灯油とみなされることを抑制できる。セーボルトカラーは+30以上であることがより好ましい。

0023

銅板腐食は、JIS K 2513に準拠して測定した値である。銅板腐食が1以下であると、灯油組成物により暖房機器が腐食することを抑制できる。

0024

引火点は、JIS K 2265(タグ密閉式引火点試験方法)に準拠して測定した値である。引火点が40℃以上であると、常温で可燃性蒸気が発生し、静電気などにより灯油組成物が着火することを抑制できる。引火点は41℃以上であることがより好ましい。

0025

(灯油組成物の原料
本発明の灯油組成物は、好ましくは、接触分解軽質軽油を添加した灯油留分を水素化精製装置で水素化精製して作製した灯油基材を、灯油組成物の容積に対して、好ましくは1容量%以上、より好ましくは1容量%以上40容量%以下、さらに好ましくは1容量%以上20容量%以下含む。このような灯油基材を使用することにより、上述のナフテンの割合、芳香族分の割合および2環以上の芳香族分の割合を有する灯油組成物を得ることができる。

0026

上記灯油留分における接触分解軽質軽油の割合が15容量%を超え25容量%以下の場合、本発明の灯油組成物における灯油基材の割合は、好ましくは50容量%以下であり、より好ましくは10容量%以上50容量%以下であり、さらに好ましくは15容量%以上45容量%以下である。本発明の灯油組成物における灯油基材の割合が50容量%以下であると、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物を得ることができる。また、上記灯油留分における接触分解軽質軽油の割合が15容量%以下の場合、本発明の灯油組成物における灯油基材の割合は、好ましくは100容量%以下であり、より好ましくは15容量%以上100容量%以下であり、さらに好ましくは25容量%以上75容量%以下である。本発明の灯油組成物における灯油基材の割合が100容量%以下であると、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物を得ることができる。

0027

(灯油組成物の製造方法)
本発明の灯油組成物は、たとえば、直留灯油(KERO)に、接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を、水素化精製触媒を用いて形成された触媒床に接触させて水素化精製処理する工程を含む灯油組成物の製造方法によって得られる。とくに、水素化精製処理により、原料油中臭気の原因となるメルカプタンおよび発煙性を高める原因となる芳香族分を減少させるとともに、原料油の腐食性および色を改善することができる。この場合、好ましくは、直留灯油における常圧蒸留装置から留出する95%留出温度は200℃以上280℃以下であり、より好ましくは220℃以上270℃以下であり、直留灯油の密度は0.750g/cm3以上0.850g/cm3以下であり、より好ましくは0.770g/cm3以上0.820g/cm3以下であり、直留灯油の硫黄分は0.001質量%以上0.7質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上0.7質量%以下である。また、接触分解軽質軽油における接触分解装置から留出する95%留出温度は180℃以上270℃以下であり、より好ましくは180℃以上250℃以下であり、接触分解軽質軽油の密度は0.750g/cm3以上0.900g/cm3以下であり、より好ましくは0.770g/cm3以上0.880g/cm3以下であり、接触分解軽質軽油の硫黄分は0.001質量%以上0.08質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.07質量%以下である。さらに、水素化精製処理における原料油の導入口において、水素圧力は3MPa以上12MPa以下であり、より好ましくは3.5MPa以上8MPa以下であり、LHSVは2h-1以上12h-1以下であり、より好ましくは3.5h-1以上13h-1以下であり、反応温度は、250℃以上360℃以下であり、より好ましくは260℃以上340℃以下であり、水素/原料油比は、60nL/L以上550nL/L以下であり、より好ましくは70nL/L以上330nL/L以下である。

0028

なお、水素化精製触媒には、たとえば、アルミナ担体上にモリブデン担持したアルミナ触媒を使用することができる。さらに、助触媒金属としてコバルトニッケルおよびモリブデンなどを使用してもよい。

0029

次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。

0030

[灯油組成物の組成分析評価方法
各実施例および比較例における組成分析および評価は以下のように行った。
(2次元ガスクロマトグラフィーによる組成分析)
2次元ガスクロマトグラフィー(ZOEX社製、型番:ZOEX KT2006)を使用して、実施例および比較例の灯油組成物中の飽和分およびに芳香族分の合計に対する、パラフィン、1環ナフテン、2環ナフテン、3環ナフテン、アルキルベンゼン類インダン類およびテトラリン類インデン類ナフタレン類およびビフェニル類の割合を測定した。なお、1環ナフテン、2環ナフテンおよび3環ナフテンの割合の合計がナフテンの割合となる。また、パラフィンおよびナフテンの割合の合計が飽和分の割合となる。さらに、アルキルベンゼン類ならびにインダン類およびテトラリン類の割合の合計が1環芳香族分の割合となる。また、インデン類、ナフタレン類およびビフェニル類の割合の合計が2環芳香族分の割合となる。さらに、1環芳香族分および2環芳香族分の割合の合計が芳香族分の割合となる。

0031

(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による組成分析)
高速液体クロマトグラフィー(アジレント社製、型番:Agilent 1260)を使用して、実施例および比較例の灯油組成物中の不飽和分および芳香族分の合計に対する、1環芳香族分、2環環芳香族分、3環環芳香族分の容量比率を測定した。なお、1環環芳香族分、2環環芳香族分および3環環芳香族分の割合の合計が芳香族分の割合となる。高速液体クロマトグラフィーは、ナフテン分の測定ができないが、試験法石油学会規格JPI−5S−49−2007(石油製品炭化水素タイプ分析方法−高速液体クロマトグラフ法))として制定され、幅広く使用されており測定が容易である。

0032

総発熱量
灯油組成物の総発熱量は、JIS K 2279に準拠して求めた。

0033

灯油組成物の燃費、貯蔵安定性および長期安定性を調べるために以下の試験を実施した。
(1)燃費
燃費は総発熱量で評価した。総発熱量が36700J/cm3以上を良好とした。

0034

(2)貯蔵安定性試験
貯蔵安定性は、5L/Hrの流量の空気を、厚さ0.3mm、大きさ6mm四方の亜鉛引き鋼板を一片加えた0.2Lの灯油組成物に供給しながら灯油組成物を120℃の温度で2時間加熱した後の過酸化物価で評価される。120℃の温度で2時間の加熱条件は、アレニウスプロット法により、約1年の長期貯蔵に相当する。過酸化物価が1ppm以下である場合、貯蔵安定性試験は良好であるとした。

0035

(3)長期燃焼性試験
灯油組成物をのべ1000時間燃焼させた芯式ストーブ((株)コロナ製、型番:SX−246、種類:芯式、放射型点火方式電池点火暖房出力:2.42kW、燃料消費量:0.235L/h、芯の種類:普通筒芯(R−28)、芯の呼び寸法:φ65×2.8mm)およびファンヒーター(ダイニチ工業(株)製、型番:FW−253NES、種類:気化式、強制通気型、強制対流型、点火方式:連続放電点火、暖房出力:2.50kW、燃料消費量:最大0.243L/h、最小0.066L/h)(以下、これらをまとめて暖房装置という場合がある)を使用して、以下の項目について試験を行い、灯油組成物の長期燃焼性を調べた。なお、上記暖房装置を1日、10時間運転させた。また、本評価においては評価試料が長期貯蔵による劣化を防止するため、酸化防止剤としてBHTを10ppm添加した。

0036

(i)排気ガス試験
排気ガス分析装置((株)堀場製作所製、型番:NEXA−7000DEGR)を使用して、点火後5分間に暖房装置から生ずる排気ガス定常燃焼になってから30分間に暖房装置から生ずる排気ガスおよび消火後5分間に暖房装置から生ずる排気ガスのCO、CO2、NOxおよびTHCの濃度を測定した。そして、測定した濃度の平均濃度を、それぞれのガスの点火時の濃度、定常燃焼時の濃度および消火時の濃度とした。定常燃焼時の排気ガスのCO/CO2およびNOxが、それぞれ0.002以下、90ppm以下、点火時のTHCの濃度が、100ppm以下である場合、排気ガス試験合格とした。なお、NOxに関しては、JIS S 3032に従い、最小燃焼時(CO2濃度15.2%)に換算した。

0037

(ii)燃料使用量試験
暖房装置の定常燃焼における1時間の燃料使用量を調べた。暖房装置の設定は、最大燃焼とした。暖房装置の定常燃焼における1時間の燃料使用量と定格の燃料消費量との差異が定格の燃料消費量の10%以内である場合、燃料使用量試験合格とした。

0038

(iii)排気ガスの臭い試験
暖房装置の点火時、燃焼時および消火時の排気ガスの臭気を5人のモニターによる官能試験で5段階評価した。
評価段階1:感じない
評価段階2:わずかに感じる
評価段階3:感じる
評価段階4:やや強く感じる
評価段階5:強く感じる
評価段階5の評価をしたモニターが2人以上いない場合、排気ガスの臭い試験合格とした。

0039

(iv)点火時間、消火時間
芯式ストーブの場合は、電熱線での火種が芯に接触してから、火が芯全周に回るまでの時間を測定し、ファンヒーターの場合は、点火スイッチを押してから火がつくまでの時間を測定し、測定した時間を点火時間とした。また、芯式ストーブの場合は、ストーブの芯を通常の消火位置にしてから芯上の炎が完全に消えるまでの時間を測定し、ファンヒーターの場合は、消火スイッチを押してから火が消えるまでの時間を測定し、測定した時間を消火時間とした。芯式ストーブでは、点火時間および消火時間が、それぞれ10秒以内および300秒以内である場合、ファンヒーターの場合は、点火時間および消火時間が、それぞれ40秒以内および20秒以内である場合、点火時間および消火時間合格とした。

0040

(v)芯式ストーブの芯およびファンヒーターのノズル劣化状況観察
芯式ストーブの芯およびファンヒーターのノズルの劣化状況を、拡大鏡を使用して観察した。そして、コークタール付着具合を調べた。芯式ストーブの芯およびファンヒーターのノズルに、著しく多くのコークタールが付着していなければ、芯式ストーブの芯およびファンヒーターのノズルの劣化状況観察合格とした。

0041

なお、上記項目の評価について、すべて合格した場合、長期燃焼試験に合格したとする。

0042

[用いた原料油の性状]
各実施例および比較例で用いた原料油の性状をまとめて表1に示す。

0043

0044

(実施例1)
直留灯油(KERO)に、11容量%の接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を水素化精製処理することによって作製した脱硫灯油(DK)を灯油基材として用いた。この灯油基材の割合が100容積%であるものが実施例1の灯油組成物である。

0045

水素化精製処理の運転条件は、圧力が5MPaであり、温度が290℃であり、LHSVは7h-1であり、水素/原料油比は70nL/Lであり、化学水素消費量は23Nm3/kLであった。

0046

(実施例2)
直留灯油(KERO)に、25容量%の接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を水素化精製処理することによって作製した脱硫灯油(DK)を灯油基材として用いた。この灯油基材と直留灯油(KERO)とをそれぞれ50容積%および50容積%の割合で混合したものが実施例2の灯油組成物である。

0047

水素化精製処理の運転条件は、圧力が5MPaであり、温度が300℃であり、LHSVは7h-1であり、水素/原料油比は90nL/Lであり、化学水素消費量は33Nm3/kLであった。

0048

(比較例1)
比較例1の灯油組成物は直留灯油(KERO)である。

0049

(比較例2)
直留灯油(KERO)に、15容量%の接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を水素化精製処理することによって作製した脱硫灯油(DK)を灯油基材として用いた。この灯油基材の割合が100容積%であるものが比較例2の灯油組成物である。

0050

水素化精製処理の運転条件は、圧力が5MPaであり、温度が295℃であり、LHSVは7h-1であり、水素/原料油比は80nL/Lであり、化学水素消費量は28Nm3/kLであった。

0051

(比較例3)
直留灯油(KERO)に、25容量%の接触分解軽質軽油(HVN)を混合した原料油を水素化精製処理することによって作製した脱硫灯油(DK)を灯油基材として用いた。この灯油基材と直留灯油(KERO)とをそれぞれ75容積%および25容積%の割合で混合したものが比較例3の灯油組成物である。

0052

水素化精製処理の運転条件は、圧力が7MPaであり、温度が300℃であり、LHSVは7h-1であり、水素/原料油比は90nL/Lであり、化学水素消費量は33Nm3/kLであった。

0053

(比較例4)
比較例4の灯油組成物は水素化分解灯油である。

0054

各実施例および比較例で得られた灯油組成物の2次元ガスクロマトグラフィーによる分析結果を表2に、また、灯油組成物の性状を表3に示す。なお、表3の組成は高速液体クロマトグラフィーによる分析結果である。また、長期燃焼性試験の各項目の試験結果を表4に示す。

0055

0056

0057

0058

各実施例および比較例で得られた灯油組成物の燃費、貯蔵安定性試験および長期燃焼性試験による評価結果を表5に示す。また、表5において、燃費、貯蔵安定性試験および長期燃焼性試験のすべての試験で良好な結果を得た灯油組成物については総合評価で合格とし、燃費、貯蔵安定性試験および長期燃焼性試験の中の少なくとも1つの試験で不良の結果を得た灯油組成物については総合評価で不合格とした。

0059

実施例

0060

表2および表5から、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、ナフテンの割合が19質量%以上43質量%以下であり、芳香族分の割合が13質量%以上29質量%以下である実施例1および実施例2の総合評価は合格であることがわかった。一方、19質量%以上43質量%以下の範囲からナフテンの割合が外れている比較例1および比較例4ならびに13質量%以上29質量%以下の範囲から芳香族分の割合が外れている比較例1〜3の総合評価は不合格であることがわかった。以上のことから、パラフィンおよびナフテンからなる飽和分ならびに芳香族分の合計に対して、ナフテンの割合を19質量%以上43質量%以下に、芳香族分の割合を13質量%以上29質量%以下にすることによって、燃費、貯蔵安定性および長期燃焼性が優れている灯油組成物を得られることがわかった。

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