図面 (/)

技術 ホウ素供給用組成物

出願人 雪印種苗株式会社
発明者 副島洋広瀬慶多大沼文夫篠田英史
出願日 2014年6月26日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2014-131027
公開日 2016年1月18日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-008162
状態 特許登録済
技術分野 肥料
主要キーワード 加圧分解容器 内部障害 枝枯れ 糖料作物 栄養診断 農園芸用組成物 作物体 チップバー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

ダイコン黒芯症、カブ内部障害ブロッコリー花蕾生育障害キャベツ及びレタスチップバーン症(縁腐れ病)、ハクサイの内部障害、トマト腐れ病等の野菜ホウ欠乏症の改善又は予防剤であり、植物の必須元素であるホウ素の供給に有用な組成物の提供。

解決手段

糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩を含有する植物へのホウ素供給用組成物。上記糖アルコールはソルビトールイノシトールマンニトールキシリトールから選択される1以上の化合物であることが好ましい。上記糖アルコールと、上記ホウ酸又はホウ酸塩の重量比が1/2〜20/1であることが好ましい。組成物100重量部あたり糖アルコールを0.01〜50重量部、ホウ酸又はホウ酸塩を0.005〜40重量部含有する組成物。

概要

背景

ホウ素(元素記号:B)は、植物や動物に必須の微量元素の一つである。農作物にあってホウ素が欠乏すると細胞伸長阻害され、先端部の萎縮果実の亀裂などの症状が現れる。これは、ホウ素が細胞壁の構成成分であるラムガラチュナンII分子共有結合させるために必須であり、このためホウ素が不足すると細胞壁の正常な生育が妨げられてこのような症状が発症する(非特許文献1)。特にダイコン黒芯症、カブ内部障害ブロッコリー花蕾生育障害などは代表的なホウ素欠乏症である(非特許文献2)。これらのホウ素欠乏症は農業生産上の大きな問題になっている。ホウ素欠乏症は、土壌中のホウ素濃度の低下のほか、土壌中の窒素カリ石灰の過剰、土壌の乾燥によっても発生する。

また、ホウ素欠乏による細胞壁の結合阻害とカルシウム不足によるペクチン質結合阻害は、症状が類似しており、カルシウム不足と診断されるキャベツレタスチップバーン症(縁腐れ病)、ハクサイの内部障害、トマト腐れ病なども、ホウ素欠乏が原因の一つである。土壌中に十分なカルシウムが含まれている場合にはホウ素欠乏が原因である可能性が高い。特にカルシウムの葉面散布によっても症状が改善しない場合はホウ素欠乏が原因であるといわれる。
ホウ素欠乏症の改善のため、ホウ素入り肥料も開発されているが、ホウ素は土壌内遊離水中ではホウ酸イオン陰イオン)として存在するため、土壌には保持されにくく、その効果は限定的であった。また、ホウ素入りの葉面散布用組成物も開発されているが、ホウ素は植物体内において転流しにくいため、ダイコン黒芯症、カブの内部障害、キャベツやレタスのチップバーンといった作物体内に発生する生理障害に対しては効果が限定的であった。
多くの植物は葉で光合成によって得られた炭水化物ショ糖の形で転流するが、木本類の中でネクタリンリンゴクルミといった植物は炭水化物をソルビトールとして転流することが知られていた。また、これらの植物はホウ素欠乏症状がほとんど現れず、ホウ素が効率よく転流されていることも明らかにされてきた。そこで、遺伝子組み換えによってソルビトールを合成できるようにしたタバコ作出したところ、分裂組織へのホウ素の転流が著しく促進されることが明らかにされ(非特許文献3)、ホウ素はソルビトールなどの糖アルコールと植物体内で結合することにより転流が促進されることも判明し(非特許文献4)、現在はホウ素欠乏症に対する種々の対策が提案されつつあるところである。

ホウ素は通常肥料中に微量元素群として配合されており、肥料を用いることで土壌や野菜補給されている。特許文献1(特開2013−43800号公報)にはアミノ酸を含む液体肥料に窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウムマンガン、鉄、モリブデン、ホウ素、亜鉛から選ばれた1種又は2種以上を配合することが記載されている。特許文献2(特開2007−153654号公報)にはの葉やけ防止用肥料に酸化マグネシウム珪酸、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、コバルトから選ばれた1種又は2種以上を配合することが記載されている。特許文献3(特開2005−229865号公報)には土壌改良剤とホウ素などのミネラルを含む液状の農園芸用組成物が記載されている。
ホウ素の水溶解度は土壌pHで大きく変化する。酸性土壌ではホウ素は水に溶けやすい。この時に降雨潅水が多すぎると土から流失してしまい、欠乏症の原因となる場合がある。反対にアルカリ土壌では不溶性となり、これも欠乏症の原因となる。また、土壌が乾燥しすぎても発生しやすい。このため、肥料によるホウ素供給の配合が過剰になりがちである。
しかしホウ素は過剰に供給するとホウ素過剰症が発症する。土壌中にホウ素が1ppm以上存在するとホウ素過剰症が発症するといわれている。ホウ素過剰症は葉脈間が黄化し、更に症状が進むと葉縁部が黄褐変化して壊死する症状がみられる。このような過剰症を発生させないためには、必要とするホウ素を効率よく吸収させることが必要である。しかし肥料中に配合されるホウ素は、ホウ酸ホウ酸塩であり、上記のように配合量が少なければ土壌から流出し、欠乏症を発生させやすいし、配合量が多すぎれば過剰症を引き起こすため、常に適正な濃度を維持することが難しかった。
また一般に、ホウ素欠乏に対する耐性作物により異なるが、ハクサイを含むアブラナ科野菜は欠乏症になりやすい作物として知られている。ハクサイであれば作物体中に10ppm以下では欠乏症の心配があり、きめ細かな土壌診断が必要とされていた。ホウ素欠乏症は、生長点枯死新葉の黄化、壊死、組織コルク化などさまざまな症状を引き起こす。

概要

ダイコンの黒芯症、カブの内部障害、ブロッコリーの花蕾生育障害、キャベツ及びレタスのチップバーン症(縁腐れ病)、ハクサイの内部障害、トマトの尻腐れ病等の野菜のホウ素欠乏症の改善又は予防剤であり、植物の必須元素であるホウ素の供給に有用な組成物の提供。糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩を含有する植物へのホウ素供給用組成物。上記糖アルコールはソルビトール、イノシトールマンニトールキシリトールから選択される1以上の化合物であることが好ましい。上記糖アルコールと、上記ホウ酸又はホウ酸塩の重量比が1/2〜20/1であることが好ましい。組成物100重量部あたり糖アルコールを0.01〜50重量部、ホウ酸又はホウ酸塩を0.005〜40重量部含有する組成物。

目的

本発明の課題は、植物、特に野菜へのホウ素供給に有用な組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩を含有する植物へのホウ素供給用組成物

請求項2

糖アルコールがソルビトールイノシトールマンニトールキシリトールから選択される1以上の化合物である請求項1記載の組成物。

請求項3

糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩の重量比が1/2〜20/1である請求項1又は2に記載の組成物。

請求項4

組成物100重量部あたり糖アルコールを0.01〜50重量部、ホウ酸又はホウ酸塩を0.005〜40重量部含有する請求項1又は2に記載の組成物。

請求項5

さらにカルシウム塩及び/又はマグネシウム塩を含む1〜4のいずれかに記載の組成物。

請求項6

さらにマンガン塩を含む請求項5に記載の組成物。

請求項7

葉面散布用である請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。

請求項8

液剤である請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。

請求項9

野菜のホウ素欠乏症の改善又は予防剤である請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。

請求項10

請求項1〜8のいずれかに記載の組成物からなるダイコン黒芯症、カブ内部障害ブロッコリー花蕾生育障害キャベツ及びレタスチップバーン症(縁腐れ病)、ハクサイの内部障害、トマト腐れ病の改善又は予防剤。

技術分野

0001

本発明は、植物の必須元素であるホウ素を植物に供給するための組成物に関する。

背景技術

0002

ホウ素(元素記号:B)は、植物や動物に必須の微量元素の一つである。農作物にあってホウ素が欠乏すると細胞伸長阻害され、先端部の萎縮果実の亀裂などの症状が現れる。これは、ホウ素が細胞壁の構成成分であるラムガラチュナンII分子共有結合させるために必須であり、このためホウ素が不足すると細胞壁の正常な生育が妨げられてこのような症状が発症する(非特許文献1)。特にダイコン黒芯症、カブ内部障害ブロッコリー花蕾生育障害などは代表的なホウ素欠乏症である(非特許文献2)。これらのホウ素欠乏症は農業生産上の大きな問題になっている。ホウ素欠乏症は、土壌中のホウ素濃度の低下のほか、土壌中の窒素カリ石灰の過剰、土壌の乾燥によっても発生する。

0003

また、ホウ素欠乏による細胞壁の結合阻害とカルシウム不足によるペクチン質結合阻害は、症状が類似しており、カルシウム不足と診断されるキャベツレタスチップバーン症(縁腐れ病)、ハクサイの内部障害、トマト腐れ病なども、ホウ素欠乏が原因の一つである。土壌中に十分なカルシウムが含まれている場合にはホウ素欠乏が原因である可能性が高い。特にカルシウムの葉面散布によっても症状が改善しない場合はホウ素欠乏が原因であるといわれる。
ホウ素欠乏症の改善のため、ホウ素入り肥料も開発されているが、ホウ素は土壌内遊離水中ではホウ酸イオン陰イオン)として存在するため、土壌には保持されにくく、その効果は限定的であった。また、ホウ素入りの葉面散布用組成物も開発されているが、ホウ素は植物体内において転流しにくいため、ダイコン黒芯症、カブの内部障害、キャベツやレタスのチップバーンといった作物体内に発生する生理障害に対しては効果が限定的であった。
多くの植物は葉で光合成によって得られた炭水化物ショ糖の形で転流するが、木本類の中でネクタリンリンゴクルミといった植物は炭水化物をソルビトールとして転流することが知られていた。また、これらの植物はホウ素欠乏症状がほとんど現れず、ホウ素が効率よく転流されていることも明らかにされてきた。そこで、遺伝子組み換えによってソルビトールを合成できるようにしたタバコ作出したところ、分裂組織へのホウ素の転流が著しく促進されることが明らかにされ(非特許文献3)、ホウ素はソルビトールなどの糖アルコールと植物体内で結合することにより転流が促進されることも判明し(非特許文献4)、現在はホウ素欠乏症に対する種々の対策が提案されつつあるところである。

0004

ホウ素は通常肥料中に微量元素群として配合されており、肥料を用いることで土壌や野菜補給されている。特許文献1(特開2013−43800号公報)にはアミノ酸を含む液体肥料に窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウムマンガン、鉄、モリブデン、ホウ素、亜鉛から選ばれた1種又は2種以上を配合することが記載されている。特許文献2(特開2007−153654号公報)にはの葉やけ防止用肥料に酸化マグネシウム珪酸、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、コバルトから選ばれた1種又は2種以上を配合することが記載されている。特許文献3(特開2005−229865号公報)には土壌改良剤とホウ素などのミネラルを含む液状の農園芸用組成物が記載されている。
ホウ素の水溶解度は土壌pHで大きく変化する。酸性土壌ではホウ素は水に溶けやすい。この時に降雨潅水が多すぎると土から流失してしまい、欠乏症の原因となる場合がある。反対にアルカリ土壌では不溶性となり、これも欠乏症の原因となる。また、土壌が乾燥しすぎても発生しやすい。このため、肥料によるホウ素供給の配合が過剰になりがちである。
しかしホウ素は過剰に供給するとホウ素過剰症が発症する。土壌中にホウ素が1ppm以上存在するとホウ素過剰症が発症するといわれている。ホウ素過剰症は葉脈間が黄化し、更に症状が進むと葉縁部が黄褐変化して壊死する症状がみられる。このような過剰症を発生させないためには、必要とするホウ素を効率よく吸収させることが必要である。しかし肥料中に配合されるホウ素は、ホウ酸ホウ酸塩であり、上記のように配合量が少なければ土壌から流出し、欠乏症を発生させやすいし、配合量が多すぎれば過剰症を引き起こすため、常に適正な濃度を維持することが難しかった。
また一般に、ホウ素欠乏に対する耐性作物により異なるが、ハクサイを含むアブラナ科野菜は欠乏症になりやすい作物として知られている。ハクサイであれば作物体中に10ppm以下では欠乏症の心配があり、きめ細かな土壌診断が必要とされていた。ホウ素欠乏症は、生長点枯死新葉の黄化、壊死、組織コルク化などさまざまな症状を引き起こす。

0005

特開2013−43800号公報
特開2007−153654号公報
特開2005−229865号公報

先行技術

0006

O'Neill et al. 2001.Requirement of borate cross-linking of cell wall rhamnogalacturonan II for Arabidopsis growth. Science 294:846-849.
農林水産省農園芸局農産課監修.作物栄養診断カードI.全国農村教育協会.
Bellaloui N et al. 1999. Manipulation of in vivo sorbitol production alters boron uptake and transport in tobacco. Plant Physiol. 119: 735-742.
Hu et al. 1997. Isolation and characterization of soluble boron complexes in higher plants. Plant Physiol. 113: 649-655.

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の課題は、植物、特に野菜へのホウ素供給に有用な組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩を併用することで、効率よく植物にホウ素を供給することができ、ホウ素欠乏症の発症を改善又は予防することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩を含有する植物へのホウ素供給用組成物。
2.糖アルコールがソルビトール、イノシトールマンニトールキシリトールから選択される1以上の化合物である1記載の組成物。
3.糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩の重量比が1/2〜20/1である1又は2に記載の組成物。
4.組成物100重量部あたり糖アルコールが0.01〜50重量部、ホウ酸又はホウ酸塩が0.005〜40重量部含有する1又は2に記載の組成物。
5.さらにカルシウム塩及び/又はマグネシウム塩を含む1〜4のいずれかに記載の組成物。
6.さらにマンガン塩を含む5に記載の組成物。
7.葉面散布用である1〜6のいずれかに記載の組成物。
8.液剤である1〜7のいずれかに記載の組成物。
9.野菜のホウ素欠乏症の改善又は予防剤である1〜8のいずれかに記載の組成物。
10.1〜8のいずれかに記載の組成物からなるダイコンの黒芯症、カブの内部障害、ブロッコリーの花蕾生育障害、キャベツ及びレタスのチップバーン症(縁腐れ病)、ハクサイの内部障害、トマトの尻腐れ病の改善又は予防剤。

0010

本発明により、植物へのホウ素供給用組成物が提供される。本発明の組成物は、植物へのホウ素吸収効率が高いため、最小限の用量で植物体が要求するホウ素量を供給でき、速やかに植物体のホウ素欠乏症を改善又は予防が可能となる。また投与量が必要最小限ですむため、ホウ素過剰症を発症させない。

図面の簡単な説明

0011

圃場におけるキャベツに発生したホウ素欠乏症の改善効果を確認した画像である。左2列が本発明の組成物を投与したキャベツの切断画像、右側2列が非投与キャベツの切断画像である。右側対非投与キャベツには→で示す箇所に顕著なチップバーン症状が出現している。

0012

本発明は、植物のホウ素欠乏症の予防又は改善のための、糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩を含有する植物へのホウ素供給用組成物に係る。

0013

本発明に用いることが可能な糖アルコールとしては、エリスリトール、イノシトール、マルチトールラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールが例示できる。好ましくはソルビトール、イノシトール、マンニトール、キシリトールであり、さらに好ましくはソルビトール又はマンニトールなどのヘキシトール類であり、特に好ましくはソルビトールである。ソルビトールは植物組織内のホウ素の移動の際にホウ素と結合しキャリアーとして作用すると推測されている。
本発明の組成物におけるホウ素源としては、水溶性ホウ素化合物が好ましく、より具体的には例えばホウ酸またはその塩(例えば、ホウ酸ナトリウム等)などが挙げられる。ホウ素の含有量は、組成物全体に対して約0.001〜0.2質量%が好ましく、約0.005〜0.05質量%であることがより好ましく、約0.01〜0.02質量%であることがさらに好ましい。0.02質量%以上にするとホウ素過剰症の危険が出てくるので好ましくない。
ホウ素に併用する糖アルコールは、ホウ素に対して質量比で、ホウ酸又はホウ酸塩の1〜100重量部、好ましくは10〜20重量部である。
本発明の組成物は、水溶液とすることが好ましい。水溶液中にホウ酸又はホウ酸塩を約0.005〜0.25質量%濃度になるように配合する。さらに糖アルコールを0.01〜5重量%配合し、最終的に糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩が1/2〜20/1の重量比で含まれるように糖アルコールと、ホウ酸又はホウ酸塩の比率及び水の添加量を調整する。

0014

本発明の組成物は、上記の水溶液をそのままホウ素欠乏症が発生した植物に直接葉面散布するか土壌に散布することができる。水和剤乳剤粒剤粉剤界面活性剤など、通常の肥料や農薬で用いられる担体を用いて製剤化してもよい。例えば、固体担体としては鉱物質粉末カオリンベントナイトクレーモンモリロナイトタルクケイソウ土雲母バーミキュライトセッコウ炭酸カルシウムリン石灰など)、植物質粉末大豆粉小麦粉木粉、タバコ粉、デンプン結晶セルロースなど)、高分子化合物石油樹脂ポリビニルアルコール樹脂ポリビニル酢酸樹脂ポリ塩化ビニルケトン樹脂など)、更に、アルミナワックス類などを使用することができる。また、液体担体としては、例えば、アルコール類メタノールエタノールプロパノールブタノールエチレングリコールベンジルアルコールなど)、芳香族炭化水素類トルエンベンゼンキシレンなど)、塩素化炭化水素類クロロホルム四塩化炭素モノクロルベンゼンなど)、エーテル類ジオキサンテトラヒドロフランなど)、ケトン類アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサンなど)、エステル類酢酸エチル酢酸ブチルなど)、酸アミド類(N,N−ジメチルアセトアミドなど)、エーテルアルコール類(エチレングリコールエチルエーテルなど)、又は水などを使用することができる。

0016

本発明の組成物にあっては、製剤の形状も制限はなく、粉剤、顆粒剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤及びペースト剤等のあらゆる製剤形態成形することができる。その他の成分を常法に従い、混合、撹拌噴霧乾燥等することにより製造することができる。

0017

本発明の組成物の適用対象となる植物としては、特に限定されないが、ホウ素欠乏症が発生することが確認されている野菜類、例えば、トマト、ピーマントウガラシナス等のナス類、キュウリカボチャメロンスイカ等のウリ類、セルリー、パセリー、レタス等の生菜・香辛菜類、ダイズラッカセイインゲンエンドウアズキ等の豆類イチゴ等のその他果菜類、ダイコン、カブ、ニンジンゴボウ等の直根類、サトイモキャッサババレイショサツマイモナガイモ等の芋類アスパラガスホウレンソウミツバ等の柔菜類、トルコギキョウストックカーネーションキク等の花卉類、イネ、トウモロコシ等の穀物類ベントグラスコウライシバ等の芝類、ナタネヒマワリ等の油料作物類、サトウキビテンサイ等の糖料作物類、ワタイグサ等の繊維料作物類、クローバーソルガムデントコーン等の飼料作物類、リンゴ、ナシブドウモモ等の落葉性果樹類ウンシュウミカンレモングレーフルーツ等の柑橘類が挙げられる。
ホウ素欠乏症が観測されている症状としては、黒芯症(ダイコン)、内部障害(カブ、ハクサイ)、花蕾生育障害(ブロッコリー)、チップバーン症(キャベツ、レタス)、尻腐れ病(トマト)、心ぐされ症(ダイコン、カブ、セルリー)、赤心症(ダイコン、カブ)、すいり(ダイコン)、根ぐされ症(ダイコン)、トップモザイク症(トマト)、くき割症(トマト)、やに症(トマト、ぶどう)、あんいり症(ぶどう)、裂開症(ぶどう)、落果症(みかんりんご)、縮果症(りんご)、樹脂症(りんご、ぶどう、もも)、枝枯れ症(りんご、ぶどう)、花弁色抜け症(チューリップ)などを例示することができる。このような症状や兆候発見された場合には、本発明の組成物を葉面散布あるいは土壌散布することで症状を改善し、あるいは症状の拡大を予防することができる。

0018

また、本発明の効果向上を目的として、他のミネラルを配合することもできる。特にカルシウムの欠乏症は、ホウ素欠乏症と類似の心ぐされ症(キャベツ、ダイコン)、赤心症(ダイコン、カブ)などを伴う。また前述したチップバーン症を伴う。したがって葉面散布する場合は、カルシウム塩又はマグネシウム塩を配合することで、ホウ素欠乏症と区別のつきにくい症状にも対処可能となるので農業作業上有利である。一般的には塩化カルシウム硫酸マグネシウムなどが配合に適している。

0019

また本発明の組成物は、各種殺虫剤殺菌剤微生物農薬、肥料等と混用又は併用することも可能である。

0020

次に、製造例、試験例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0021

製造例
(ホウ素供給組成物の製造例)
ホウ酸3,600g、ソルビトール3,625g、無水硫酸マグネシウム2,500g、硫酸マンガン275g(合計10kg)を撹拌機でよく撹拌し、ホウ素供給用組成物を製造した。このホウ素供給用組成物は、水で100〜20,000倍に希釈して、葉面散布剤として用いることができるものである。
本配合により、ホウ素を供給できるほか、欠乏すると光合成抑制が起こるマグネシウムや、土壌中のマンガン酸化菌の働きにより畑地状態で吸収されにくくなる場合があるマンガンの補給も合わせて可能となる。

0022

試験例1
(ダイコンのホウ素吸収量に及ぼす糖アルコールの効果試験)
1/5000aワグナーポットに土壌として「すくすく倶楽部30」(種苗社製)を充填し、ダイコン品種「葉根っこ」(雪印種苗社製)を播種北海道江別市雪印種苗(株)技術研究所内の温室内栽培した。
播種後20日後から、週1回の割合で、表1に示すホウ酸濃度及びソルビトール濃度に調製した溶液に、さらにポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル含有展着剤アプローチBI、花王社製)を0.1%加えたものをスプレーヤーで葉が十分濡れる量を葉面散布した。
葉面散布は一日3回行った。
播種後52日目にサンプリングし、可食部(根と胚軸肥大部)および葉部の生重を測定後、70℃3日間乾燥させた。乾燥後すみやかに乾物重を測定し、乾物率を算出した。
乾燥物超遠心粉砕機MRK−RETSCH(三田理研工業社製)で粉砕した後、0.5gを量し、精密分析用硝酸和光純薬社製)5mLを加え、テフロン登録商標密閉加圧分解容器にて分解した。分解液を一定量に定容し、その液をICP発光分光分析装置SPS4000(セイコーインスツルメンツ社製)によってホウ素含有量を測定した。
得られた定量値を乾物率から逆算して、採取時の植物体の生重あたりのホウ素含有量を算出した。
その結果を表1に示す。

0023

0024

表1に示すとおり、試験溶液のホウ酸の葉面散布によって葉部・可食部ともホウ素含有量が高まった。特にソルビトールの添加によって、ホウ素の吸収量は増大し、その効果は根及び胚軸部まで及ぶことが明らかとなった。すなわちホウ酸とソルビトールを併用することで、植物体の各組織に効率的にホウ素を供給できることが確認された。

0025

試験例2
(圃場におけるホウ素欠乏栽培でのダイコンの黒芯症状発生抑制試験)
あらかじめホウ素欠乏症の発生が予測される栽培条件においてダイコンの栽培試験を実施した。
北海道長雪印種苗(株)北海道研究農場内の試験圃場において、ダイコン品種「葉根っ子」(雪印種苗社製)をホウ素欠乏症が発生しやすいように銀ネズミマルチ(畦間45cm、株間27cm)で被覆栽培した。基肥は窒素50kg/ha、リン酸113kg/ha、カリウム38kg/haとした。
ダイコンの播種は6月12日に行い、発後7月5日、7月12日、7月20日の3回にわたって表2に示す組成のホウ酸及びソルビトール濃度に調製した溶液に、さらにポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル含有展着剤(アプローチBI、花王社製)を0.1%加えたものを、背負動力噴霧器SHR061(共立社製)を用いて100mL/m2の量を葉面散布した。
次いで8月4日に欠株を除いた9〜10本のダイコンをサンプリングした。ダイコン食部を切断し、切断面の一部が飴色に変色したものを「軽度の黒芯症状」、褐色〜黒色に変色したものを「明確な黒芯症状」として、その発生個体の全体に対する比率で評価した。 評価結果を次の表2に示す。

0026

0027

表2に示すとおり、ホウ素欠乏条件で発生するダイコン黒芯症状の発生を、ホウ酸0.005%とソルビトール0.01%以上を葉面散布することで黒芯症状の発生を顕著に改善できることが明らかとなった。

0028

試験例3
(圃場におけるキャベツのチップバーン症状の発生抑制試験)
ホウ素供給がなされている千葉県長沼原町雪印種苗(株)千葉研究農場内の試験圃場において、キャベツを栽培し試験を実施した。あらかじめ「闘根入り培土」(大園芸社製)を充填したセルトレイに2月5日に播種を行い、温室内で育苗した。生育後、基肥を窒素96kg/ha、リン酸128kg/ha、カリウム96kg/ha、ホウ素1.6kg/haを施した圃場に移植した。
結球中期の6月7日とその12日後の6月18日に、製造例1で製造したホウ素供給組成物を水で300倍希釈したもの(ホウ素0.066%,ソルビトール0.121%となる)にポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル含有展着剤アプローチBI(花王社製)を0.1%加え100mL/m2葉面散布した。対照群には水のみを散布した。
収穫は7月2日に行い、10個のキャベツを収穫した。収穫したキャベツを中心から二分割されるように切断し、切断面を観察し、切断面、変色葉が1〜2層のものを「軽度の発生」、変色葉が3層以上のものを「明確な発生」としてその発生個体の全体に対する比率で評価した。評価結果を下記表3に示す。

0029

0030

表3に示すように、散布区、対照区ともにあらかじめ基肥としてホウ素が施用されているにも関わらず明確なチップバーン症状が発生した。しかし本発明の製造例によるホウ素供給用組成物の葉面散布によって明確なチップバーン症状の発生が抑制された。
本発明の組成物によって、キャベツのチップバーン症状が抑制できることが明らかとなった。

0031

試験例4
(圃場におけるブロッコリーの黒花症状の改善試験)
ブロッコリー品種「ピクセル」(サカタタネ社製)を培養土ばりばり根ばり」(北海道農材工業社製)を充填した128穴セルトレイに播種した。
播種は5月15日に行い、温室内で育苗栽培し、6月12日に北海道江別市の圃場に畦間66cm、株間45cmで移植した。
圃場の基肥は窒素140kg/ha、リン酸187kg/ha、カリウム140kg/ha、ホウ素2.3kg/haを施した。
期である7月15日と7月22日に、製造例で配合したホウ素供給用組成物を500倍希釈したもの(ホウ素0.04%,ソルビトール0.07%となる)に前記の試験例と同様にポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル含有展着剤アプローチBI(花王社製)を0.1%加え、100mL/m2葉面散布した。なお対照区は水のみを散布した。収穫は7月30日に行い、36個のブロコリーを収穫した。収穫したブロコリーに褐変した蕾が観察された発生個体の全体に対する比率で評価した。
評価結果を下記の表4に示す。

0032

実施例

0033

表4に示すように、対照区で、散布区にはあらかじめ基肥としてホウ素が施用されているにも関わらず明確な黒花症状が発生した。一方,本発明の製造例1によるホウ素供給用組成物の葉面散布によって明確な黒花症状発生の個体比率は明らかに抑制された。
本発明の組成物によって、ブロッコリーの黒花症状が抑制できることが明らかとなった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本製鉄株式会社の「 リン酸肥料原料の製造方法」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】高P溶銑を脱リンしてリン酸肥料原料を製造する際に、製造条件の制御をより緩和した肥料効果が高いリン酸肥料原料の製造方法を提供する。【解決手段】転炉もしくは取鍋において、C濃度が3.0〜5.0質量... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 リン酸スラグ肥料の製造方法」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】製鋼スラグを還元して高リン溶銑を製造し、次いで高リン溶銑に脱リン処理を施して高リン酸スラグを製造し、リン酸スラグ肥料とする方法において、脱リン処理炉として転炉を用いる必要がなく、また脱リン処理... 詳細

  • 太平洋セメント株式会社の「 加里肥料およびその製造方法」が 公開されました。( 2019/09/05)

    【課題】本発明は、塩化カリウムが選択的に除去されて、りん酸加里肥料としてそのまま直接使用するできる加里肥料とその製造方法を提供する【解決手段】本発明は、硫酸イオンの含有率がSO3換算で2質量%を超え、... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ