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技術 電子レンジを用いる焼き魚の調理器具

出願人 株式会社九州パック
発明者 木福和義竹内景祐山村英二
出願日 2014年6月26日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2014-131840
公開日 2016年1月18日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2016-007509
状態 未査定
技術分野 電子レンジ 食品の調整及び処理一般 加熱調理器
主要キーワード 装着シート さわら 対称部分 立体形 加熱具合 透視状態 立体面 出来具合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月18日)のものです。
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図面 (10)

課題

電子レンジで簡単に調理できる上に、加熱系調理器魚焼き器炭火ガスレンジグリルなど)で調理した場合と、味、見た目食感において遜色の無い、電子レンジを用いた焼き魚調理器具を提供する。

解決手段

本発明の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具は、電子レンジを用いる焼き魚の調理器具であって、焼き調理対象となる対象魚を収容する容器と、前記容器の上部開口部に装着される装着シートと、を備え、前記容器は、前記対象魚を乗せる底部と、前記対象魚を装入する前記上部開口部と、前記底部と前記上部開口部とを結ぶ側面部材と、を有し、前記装着シートは、前記電子レンジでの調理中に、前記対象魚と非接触状態を維持可能である。

概要

背景

近年、我が国おいては、食生活の西洋化が進んでいるために、魚介類消費量が減少している。また、核家族化の進展一人暮らしの進展に伴って、調理に手間のかかるよりも肉や加工肉製品を、一般の人々が食する機会が増えている。

加えて、単身世帯共働きの夫婦世帯、年配の方の多い世帯においては、住居がどうしても狭くなりやすく、台所が手狭となることが多い。このため、台所に、魚を焼くグリル加熱機が設置されていないことがあったり、設置されていても、部屋や台所の狭さから、加熱調理における臭いを気にしたりすることが多く、これらの世帯では、魚を調理することを避ける傾向がある。

また、飲食店においても、ランチや昼食では、唐揚げ定食、とんかつ定食、野菜炒め定食、ハンバーグ定食などの肉を中心とした食事注文率が高く、魚を中心とした食事の注文率が低い傾向がある。午後の仕事を考慮する会社員労働者が、肉製品を中心とした食事を注文したい欲求を有するからである。これは、夜の食事でも同様であり、居酒屋などにおいても、刺身などの加熱不要の食品電子レンジで温めるだけの食品、肉製品の揚げ物や炒め物の注文が多くなる傾向がある。

このような状況では、飲食店においても、魚を調理する機会が少なくなり、特に、魚を焼く(焼き魚を作る)機会が減少して、焼き魚を作る調理器具焼き魚用ガスレンジやグリル)が設置されていなかったり、設置されていても少なかったりする問題がある。このため、上記のような世帯だけでなく、飲食店でも焼き魚を調理する機会が減少している問題がある。

また、近年の高齢化の進展に合わせて老人ホーム老人用住居施設が増加している。このような住居は、老人そのものの自立を促すために、各戸に台所を設置していることがある。しかしながら、焼き魚を調理する場合には、火を使う必要があるので、危険性の面から焼き魚を作る調理器具を設置することができない場合も多い。これは、病院でも同様である。

以上のように、日本人の食事の嗜好の変化に加えて、各世帯、飲食店、特殊施設などの設備上の都合によって、焼き魚を作る調理器具が、設置されない傾向が進んでいる。

一方で、DHAやEPAといった栄養素を多く含む魚(特にアジさわら、いわし、刀魚などの青魚であって、焼き魚に適した魚)は、健康維持や老化防止の面で、非常に好適であるといわれている。様々な実験臨床結果からも、これらの傾向が確認されている。加えて、日本は、周囲を海に囲まれた漁業大国であり、魚の消費量は他国に比べて多い。漁業従事者も多く、魚の消費量が減少することは好ましくない。2011年の東日本大震災からの復興を考慮しても、魚の消費量が増えることは、我が国にとっても好ましいことである。

更には、近年の中国での魚消費ブームによって、日本商社が魚を競り落とすことができない問題も起きている。あるいは、日本の漁業活動が停滞すると、日本と近隣諸国で生じている領土問題にもデメリットが生じる。この点からも、日本での魚の消費量が増加する(少なくとも減少を抑える)ことは、国益にも適っている。

ところで、上述のように、焼き魚を作る調理器具を設置していない、あるいは設置しにくい世帯、飲食店、特殊施設であっても、電子レンジが設置されていることは多い。中食や惣菜広がりに従って、調理済み食品を、温めるだけの作業を必要とする人が増えているからである。もちろん、火を使わない安全性の点からも、飲食店、単身世帯、老人世帯、老人ホーム、病院などでも、電子レンジが設置されることが多くなっている。

このため、電子レンジで焼き魚を調理できれば、日本人の魚離れを防止でき、魚の消費量減少に歯止めをかけて、魚の消費量を増加させることができる可能性がある。もちろん、魚の消費量が増えることは、漁業関係者を始めとする日本の産業に好適であるだけでなく、日本人の健康増進にも繋がって、年々増大する健康保険費用にも好適な結果をもたらす。

電子レンジで焼き魚を調理するための技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

概要

電子レンジで簡単に調理できる上に、加熱系調理器魚焼き器炭火、ガスレンジ、グリルなど)で調理した場合と、味、見た目食感において遜色の無い、電子レンジを用いた焼き魚の調理器具を提供する。本発明の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具は、電子レンジを用いる焼き魚の調理器具であって、焼き調理対象となる対象魚を収容する容器と、前記容器の上部開口部に装着される装着シートと、を備え、前記容器は、前記対象魚を乗せる底部と、前記対象魚を装入する前記上部開口部と、前記底部と前記上部開口部とを結ぶ側面部材と、を有し、前記装着シートは、前記電子レンジでの調理中に、前記対象魚と非接触状態を維持可能である。

目的

本発明は、これらの課題に鑑み、電子レンジで簡単に調理できる上に、加熱系調理器(魚焼き器、炭火、ガスレンジ、グリルなど)で調理した場合と、味、見た目、食感において遜色の無い、電子レンジを用いた焼き魚の調理器具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電子レンジを用いる焼き魚調理器具であって、焼き調理対象となる対象魚を収容する容器と、前記容器の上部開口部に装着される装着シートと、を備え、前記容器は、前記対象魚を乗せる底部と、前記対象魚を装入する前記上部開口部と、前記底部と前記上部開口部とを結ぶ側面部材と、を有し、前記装着シートは、前記電子レンジでの調理中に、前記対象魚と非接触状態を維持可能である、電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項2

前記装着シートは、前記側面部材に取り付けられる、請求項1記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項3

前記装着シートは、前記上部開口部を密封する、請求項1または2記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項4

前記装着シートは、前記上部開口部を密封する、前記容器と対応する蓋である、請求項1から3のいずれか記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項5

前記容器は、前記装着シートと共に真空パックを形成可能である、請求項1から4のいずれか記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項6

前記対象魚は、第1所定方向および第2所定方向の少なくとも一方に、切れ目を有している、請求項1から5のいずれか記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項7

前記切れ目は、前記対象魚の立体面のいずれか一つの面に設けられる、請求項6記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項8

前記立体面は、前記対象魚の皮目の面および身側の面を含む、請求項7記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項9

前記対象魚の立体面のいずれか一つの面には、調味液が塗布されている、請求項7または8記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項10

前記対象魚の前記立体面の内、前記装着シート側の面に、前記調味液が塗布されている、請求項9記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項11

前記容器の前記底部および前記側面部材の内面の少なくとも一部は、凸部および凹部の少なくとも一つを有する、請求項1から10のいずれか記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項12

前記凸部は、複数のリブを含む、請求項11記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項13

前記凹部は、電子レンジでの加熱中に前記対象魚から生じる余分な水分および油分を受ける、請求項11または12記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

請求項14

前記調味液は、小麦たんぱく質加水分解物、酒、水あめ食塩甘味料増粘剤酸味料および酒糟を含む、請求項9から13のいずれか記載の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具。

技術分野

0001

本発明は、電子レンジを用いる場合であっても、ガスレンジグリルなどのように、直接的な加熱機を用いたのと同じような見た目食感、味を有する焼き魚を作る、電子レンジを用いる焼き魚の調理器具に関する。

背景技術

0002

近年、我が国おいては、食生活の西洋化が進んでいるために、魚介類消費量が減少している。また、核家族化の進展一人暮らしの進展に伴って、調理に手間のかかるよりも肉や加工肉製品を、一般の人々が食する機会が増えている。

0003

加えて、単身世帯共働きの夫婦世帯、年配の方の多い世帯においては、住居がどうしても狭くなりやすく、台所が手狭となることが多い。このため、台所に、魚を焼くグリルや加熱機が設置されていないことがあったり、設置されていても、部屋や台所の狭さから、加熱調理における臭いを気にしたりすることが多く、これらの世帯では、魚を調理することを避ける傾向がある。

0004

また、飲食店においても、ランチや昼食では、唐揚げ定食、とんかつ定食、野菜炒め定食、ハンバーグ定食などの肉を中心とした食事注文率が高く、魚を中心とした食事の注文率が低い傾向がある。午後の仕事を考慮する会社員労働者が、肉製品を中心とした食事を注文したい欲求を有するからである。これは、夜の食事でも同様であり、居酒屋などにおいても、刺身などの加熱不要の食品、電子レンジで温めるだけの食品、肉製品の揚げ物や炒め物の注文が多くなる傾向がある。

0005

このような状況では、飲食店においても、魚を調理する機会が少なくなり、特に、魚を焼く(焼き魚を作る)機会が減少して、焼き魚を作る調理器具(焼き魚用のガスレンジやグリル)が設置されていなかったり、設置されていても少なかったりする問題がある。このため、上記のような世帯だけでなく、飲食店でも焼き魚を調理する機会が減少している問題がある。

0006

また、近年の高齢化の進展に合わせて老人ホーム老人用住居施設が増加している。このような住居は、老人そのものの自立を促すために、各戸に台所を設置していることがある。しかしながら、焼き魚を調理する場合には、火を使う必要があるので、危険性の面から焼き魚を作る調理器具を設置することができない場合も多い。これは、病院でも同様である。

0007

以上のように、日本人の食事の嗜好の変化に加えて、各世帯、飲食店、特殊施設などの設備上の都合によって、焼き魚を作る調理器具が、設置されない傾向が進んでいる。

0008

一方で、DHAやEPAといった栄養素を多く含む魚(特にアジさわら、いわし、刀魚などの青魚であって、焼き魚に適した魚)は、健康維持や老化防止の面で、非常に好適であるといわれている。様々な実験臨床結果からも、これらの傾向が確認されている。加えて、日本は、周囲を海に囲まれた漁業大国であり、魚の消費量は他国に比べて多い。漁業従事者も多く、魚の消費量が減少することは好ましくない。2011年の東日本大震災からの復興を考慮しても、魚の消費量が増えることは、我が国にとっても好ましいことである。

0009

更には、近年の中国での魚消費ブームによって、日本商社が魚を競り落とすことができない問題も起きている。あるいは、日本の漁業活動が停滞すると、日本と近隣諸国で生じている領土問題にもデメリットが生じる。この点からも、日本での魚の消費量が増加する(少なくとも減少を抑える)ことは、国益にも適っている。

0010

ところで、上述のように、焼き魚を作る調理器具を設置していない、あるいは設置しにくい世帯、飲食店、特殊施設であっても、電子レンジが設置されていることは多い。中食や惣菜広がりに従って、調理済み食品を、温めるだけの作業を必要とする人が増えているからである。もちろん、火を使わない安全性の点からも、飲食店、単身世帯、老人世帯、老人ホーム、病院などでも、電子レンジが設置されることが多くなっている。

0011

このため、電子レンジで焼き魚を調理できれば、日本人の魚離れを防止でき、魚の消費量減少に歯止めをかけて、魚の消費量を増加させることができる可能性がある。もちろん、魚の消費量が増えることは、漁業関係者を始めとする日本の産業に好適であるだけでなく、日本人の健康増進にも繋がって、年々増大する健康保険費用にも好適な結果をもたらす。

0012

電子レンジで焼き魚を調理するための技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

先行技術

0013

特開2011−78392号公報
特開2006−25773号公報

発明が解決しようとする課題

0014

上述のように、家庭、飲食店、特殊施設などにおいては、魚を焼く調理器具が設置されていなくても、電子レンジが設置されていることが多い。このため、電子レンジで焼き魚を調理することができれば、好ましい。

0015

ここで、魚は、身と皮を有しており、その内部には、水分、油分、うまみ成分(アミノ酸など)を含んでいる。特に、焼き魚に適している青魚(上述のような種類の魚)は、皮目および身側がしっかりと焼かれることで、水分、油分、うまみ成分が最適なバランスとなり、おいしくなる。もちろん、白身の魚なども同様であり、適切な加熱によって、魚そのものに火が通るだけでなく、水分、油分、うまみ成分のそれぞれが最適なバランスとして、魚の中に残る。もちろん、適度な焦げ目焼き目が付くことも、味と見た目を良くし、おいしく食べられるようになる。

0016

グリル、炭火焼、ガスレンジなどは、実際に熱を発生させて、この発生させた熱を、魚に加える。このため、これらの加熱系調理器具は、魚を直接的に加熱できるので、適当な焦げ目や焼き目をつけることができる。これによって、味のみならず、見た目もおいしくできる。当然ながら、加熱系調理器は、魚の表面から熱を内部に浸透させていくように加熱するので、水分、油分、うまみ成分が最適なバランスを保ちながら、魚を焼くことができる。これは、肉を焼く場合でも同じである。もちろん、焼きすぎや焼き不足などがあれば、こげたり生焼けになったりすることもあるし、味の不具合が生じることもある。とはいえ、これは、調理スキルの問題であって、加熱系調理器具の問題ではない。

0017

これに対して、電子レンジは、いわゆる水分の分子運動活発にさせることで、対象物の温度を内部から上昇させる機能を有している。実際に熱を発生させているのではなく、対象物の内部での温度上昇を行わせているに過ぎない。このため、魚を電子レンジで加熱する場合には、魚が含む水分が分子運動して内部から温度が高まっていくだけである。

0018

このため、魚の水分が抜けすぎたり、乾燥しすぎたりして、ぱさぱさの焼き魚ができてしまうことがある。あるいは、水分だけが高温となって、焼き魚の味に重要な油分が、飛び出したり、その際に身が破裂したりしてしまうこともある。詳細なメカニズムは不明であるが、うまみ成分にも、悪影響が生じている。このように、電子レンジで生の魚を加熱するだけでは、加熱系調理器で調理するような焼き魚は、できない問題を有している。もちろん、焦げ目や焼き目もつけられないので、見た目にもよろしくなく、電子レンジは、おいしそうな焼き魚を作ることができない問題を有している。

0019

特許文献1は、電子レンジで焼き魚を作る際に、表面に焦げ目を生じさせる特殊な調味液を開示する。特殊な調味液を、魚の表面に塗布して電子レンジで作業することで、調味液が魚の表面で焦げ目を生じさせることを企図している。魚の表面に焦げ目が生じれば、見た目上は通常の焼き魚に似るようになり、見た目上のおいしさ表現することができる。

0020

しかしながら、あくまでも見た目を改善するだけであり、電子レンジによる水分の分子運動の活発化による内部からの温度上昇が行われていることに変わりがない。このため、水分、油分が抜けてしまったり、あるいは残りすぎてしまったりして、実際にはおいしい焼き魚を作ることは困難である。また、レンジでの調理中に、身が破裂することも生じる。調味液の味によって、焼き魚風の味が生じることはありえるが、あくまでも雰囲気であって、実際の焼き魚の味とは言えるものではない。

0021

特許文献2も、特許文献1と同様に、表面に焦げ目を生じさせる特殊な調味液を開示する。特許文献1と同様の狙いを有している技術である。

0022

このため、特許文献2も、特許文献1と同様の問題を有している。

0023

以上のように、特許文献1、2に開示される調味液の技術だけでは、電子レンジで、加熱系調理器と同様のレベルの味と見た目を生じさせる焼き魚を調理することが困難であった。調味液だけではない、根本的な解決が求められていた。特に、家庭だけでなく、飲食店や施設の厨房で、電子レンジを使って焼き魚を作らざるを得ない場合には、実際の加熱系調理器で調理したのと遜色の無い焼き魚が求められる。

0024

本発明は、これらの課題に鑑み、電子レンジで簡単に調理できる上に、加熱系調理器(魚焼き器、炭火、ガスレンジ、グリルなど)で調理した場合と、味、見た目、食感において遜色の無い、電子レンジを用いた焼き魚の調理器具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0025

上記課題に鑑み、本発明の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具は、電子レンジを用いる焼き魚の調理器具であって、
焼き調理対象となる対象魚を収容する容器と、
容器の上部開口部に装着される装着シートと、を備え、
容器は、
対象魚を乗せる底部と、
対象魚を装入する上部開口部と、
底部と上部開口部とを結ぶ側面部材と、を有し、
装着シートは、電子レンジでの調理中に、対象魚と非接触状態を維持可能である。

発明の効果

0026

本発明の電子レンジを用いる焼き魚の調理器具は、予め魚の身や皮目に、特殊な調味液を塗布することに加えて、魚に事前処置を施しておくことで、水分、油分、うまみ成分のバランスを最適に保った焼き魚を作ることができる。また、水分の過剰放出や過剰滞留を生じさせず、調理中に身が破裂することもない。

0027

特に、電子レンジでの調理中において、容器の上部を覆うフィルムが魚に付着しないことで、調味液が魚の表面から剥げたりせず、きちんと魚が焼ける。加えて、フィルムが魚に付着しないことで、魚を押さえつける圧力が働きにくく、電子レンジであっても、魚の水分が抜けやすくなることがない。

0028

また、調味液によって、表面に適切な焦げ目や焼き目をつけることができるので、実際の味だけでなく、見た目も通常の焼き魚と同じになる。この結果、一般家庭ではもちろんのこと、飲食店や施設などで、客や入居者に提供する焼き魚であっても、十分なものとして通用する。

0029

これらの結果、電子レンジのみで焼き魚を調理でき、魚の消費量の増加や食生活の改善が期待でき、日本産業の発展や健康増進が期待される。

図面の簡単な説明

0030

本発明の実施の形態における焼き魚の調理器具の側面図である。
本発明の実施の形態における容器の斜視図である。
本発明の実施の形態における焼き魚の調理器具の側面図である。
本発明の実施の形態における対象魚の正面図である。
本発明の実施の形態における対象魚の正面図である。
本発明の実施の形態における対象魚の側面図である。
本発明の実施の形態における焼き魚の調理方法を説明するフローチャートである。
本発明の実施の形態における調理前の魚の写真であって、上記の第1工程から第4工程までが完了している状態の魚を示している。
図8で示される魚を、電子レンジで調理した後の焼き魚の写真である。

実施例

0031

本発明の第1の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具は、電子レンジを用いる焼き魚の調理器具であって、焼き調理対象となる対象魚を収容する容器と、容器の上部開口部に装着される装着シートと、を備え、容器は、対象魚を乗せる底部と、対象魚を装入する上部開口部と、底部と上部開口部とを結ぶ側面部材と、を有し、装着シートは、電子レンジでの調理中に、対象魚と非接触状態を維持可能である。

0032

この構成により、電子レンジでの単純加熱でも、グリルや網で焼いたような焼き魚を調理できる。

0033

本発明の第2の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第1の発明に加えて、装着シートは、側面部材に取り付けられる。

0034

この構成により、装着シートが上部開口部を密封しつつ固定され、対象魚との非接触を維持できる。

0035

本発明の第3の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第1または第2の発明に加えて、装着シートは、上部開口部を密封する。

0036

この構成により、電子レンジでの加熱を、対象魚に十分に付与できる。

0037

本発明の第4の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、装着シートは、上部開口部を密封する、容器と対応する蓋である。

0038

この構成により、装着シートの固定性が高まり、加熱中での非接触状態の維持がより容易となる。

0039

本発明の第5の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、容器は、装着シートと共に真空パックを形成可能である。

0040

この構成により、様々なバリエーションでの調理器具が実現できる。

0041

本発明の第6の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、対象魚は、第1所定方向および第2所定方向の少なくとも一方に、切れ目を有している。

0042

この構成により、加熱による調理が確実となる。特に、内部の水分、油分による焼き調理と排出とのバランスが最適化される。

0043

本発明の第7の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第6の発明に加えて、切れ目は、対象魚の立体面のいずれか一つの面に設けられる。

0044

この構成により、切れ目の効果が高まる。

0045

本発明の第8の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第7の発明に加えて、立体面は、対象魚の皮目の面および身側の面を含む。

0046

この構成により、切れ目をさまざまな特徴のある場所に設けて、対象魚の態様に合わせた調理が可能となる。

0047

本発明の第9の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第7又は第8の発明に加えて、対象魚の立体面のいずれか一つの面には、調味液が塗布されている。

0048

この構成により、より焼き魚に近い仕上がりを得ることができる。

0049

本発明の第10の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第9の発明に加えて、対象魚の立体面の内、装着シート側の面に、調味液が塗布されている。

0050

この構成により、一方の面に焦げ目や焼き目が付いている、いわゆるグリルなどで調理された焼き魚に近い仕上がりが実現できる。

0051

本発明の第11の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、容器の底部および側面部材の内面の少なくとも一部は、凸部および凹部の少なくとも一つを有する。

0052

この構成により、対象魚の余分な水分や油分を逃がすことができる。

0053

本発明の第12の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第11の発明に加えて、凸部は、複数のリブを含む。

0054

この構成により、凸部が容易に形成できる。

0055

本発明の第13の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第11または第12の発明に加えて、凹部は、電子レンジでの加熱中に対象魚から生じる余分な水分および油分を受ける。

0056

この構成により、電子レンジでの調理中に、容器のなかで水分や油分に対象魚が浸かることがなくなり、仕上がり感がパリッとする。

0057

本発明の第14の発明に係る電子レンジを用いる焼き魚の調理器具では、第9から第13のいずれかの発明に加えて、調味液は、小麦たんぱく質加水分解物、酒、水あめ食塩甘味料増粘剤酸味料および酒糟を含む。

0058

この構成により、見た目にも味的にも最適な焼き魚が調理される。

0059

以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。

0060

(実施の形態)

0061

(全体概要

0062

まず、実施の形態における電子レンジを用いる焼き魚の調理器具(以下、必要に応じて「焼き魚の調理器具」と略す)の全体概要について説明する。

0063

図1は、本発明の実施の形態における焼き魚の調理器具の側面図である。焼き魚の調理器具1の内部が透視状態として側面から示されている。焼き魚の調理器具1は、容器2、装着シート5と、を備える。

0064

容器2は、焼き魚の調理器具1で調理する調理対象となる対象魚6を収容する。このため、容器2は、対象魚6を乗せる底部3と、対象魚6を内部に装入する上部開口部7と、底部3と上部開口部7とを結ぶ側面部材4を有している。

0065

図2は、本発明の実施の形態における容器の斜視図である。容器2を上から見た状態を示している。容器2は、図2に示されるとおり、対象魚6を装入する上部開口部7を有している。この上部開口部7から対象魚6が挿入される。

0066

容器2は、底部3とその外周から立設して囲むように外壁を作る側面部材4を有した立体形状である。底部3は、部材によって閉じられた状態であり、側面部材4によって、外壁も閉じられた状態である。上部開口部7のみが解放された状態の態様を有している。

0067

この態様を有する容器2に、上部開口部7から対象魚6が挿入されて、底部3に対象魚6が乗せられる。対象魚6は、焼き魚の調理器具1により調理される間は、この底部3に乗った状態である。

0068

上部開口部7は、図1図2では、立体形状となる容器2の上部全体が開口しているように示されているが、全体が開口してもよいし、一部のみが開口してもよい。また、側面部材4は、その一部が開口していたり切欠きが設けられていたりしてもよい。

0069

装着シート5は、この上部開口部7に装着される。底部3に対象魚6が置かれた状態で、上部開口部7に装着シート5が装着される。この装着シート5の装着によって、容器2は、その内部が密封された状態となる。なお、密封とは、物理的に厳密な密封を絶対条件とするものではなく、一定の密封とみなされる程度でもよい。

0070

装着シート5が装着された状態で、焼き魚の調理器具1が電子レンジに設置されて、対象魚6が調理される。調理としては、電子レンジに設置された後は、対象魚6の種類、大きさ、厚み、調理における好みに合わせて、電子レンジでの電力や時間が調整される。この調整された電力や時間に基づいて、電子レンジによる加熱のみで、焼き魚の調理器具1は、収容している対象魚6を調理できる。すなわち、生の状態であった対象魚6を、グリルや網で焼いたような焼き魚の状態にできる。

0071

ここで、装着シート5は、電子レンジでの調理中に、対象魚6と非接触状態を維持可能である。すなわち、装着シート5は、電子レンジでの調理中に、垂れ下がったり凹んだりして、底部3に乗っている対象魚6に接触することがない。結果として、装着シート5は、装着シート5と対象魚6との間の空隙8を維持できる。

0072

このように、装着シート5が対象魚6と非接触状態を維持できることで、電子レンジを用いるにも関わらず、対象魚6をグリルや網で焼いたような焼き魚の状態に仕上げることができる。

0073

(調味液)
加えて、対象魚6に調味液が塗布されてから電子レンジでの調理が行われる。例えば、対象魚6の立体面のいずれかの少なくとも一つの面に調味液が塗布されている。対象魚6が切り身魚の場合には、表面に調味液が塗布されてもよいし、裏面に調味液が塗布されてもよい。あるいは、側面に調味液が塗布されてもよい。

0074

場合によっては、複数の面あるいは全面に調味液が塗布されてもよい。これは、対象魚6が切り身魚でなくても同様である。

0075

対象魚6に調味液が塗布されてから対象魚6が容器2内部に装入されてもよいし、対象魚6が底部3に乗せられてから調味液が塗布されてもよい。調味液は一定の粘度を有していることで、対象魚6の塗布面において塗布状態を維持できることも好適である。

0076

ここで、調味液は、対象魚6の有する立体面の内、装着シート5側の面に調味液が塗布されていることでもよい。電子レンジによって加熱される際には、上部側に熱分布偏りやすい。焼き魚としておいしそうに見えるのは、焼き目がはっきりとしていることである。このため、調味液が装着シート側の対象魚6の面に塗布されていると、調味液が程よく色づいて対象魚6の面にしみ込んだような状態となる。

0077

このような状態となることで、電子レンジでの加熱後に、対象魚6がグリルや網で焼いたような焼き目を見せることができる。もちろん、加熱分布の高いところで調味液と対象魚6とが加熱されるので、調味液の対象魚6への浸透も高まる。これらの結果、加熱具合、味、見た目も含めて、より焼き魚に近い調理結果を得ることができる。

0078

ここで、調味液が対象魚6の装着シート5側に塗布されることが、上述のように好適であることと合わせて、装着シート5が対象魚6との非接触状態を維持できることで、加熱調理が最適化される。装着シート5の接触によって、調味液がはぎとられたり、加熱分布が高くなることが適切である対象魚6の上部の加熱温度が装着シート5から奪われたりすることが低減できるからである。

0079

このように、調味液の塗布、塗布の仕方が、装着シート5の特性と相まって、焼き魚の調理器具1は、電子レンジのみで最適に焼き魚を調理できる。

0080

(底部の形状)
容器2の底部3はおよび側面部材4の少なくとも一部は、凸部91および凹部92の少なくとも一つを有することも好適である。図3は、本発明の実施の形態における焼き魚の調理器具の側面図である。図1と異なり、底部3に凸部91と凹部92が備わっている。

0081

凸部91は、リブ9を含むことでもよい。言い換えれば、リブ9によって凸部91が形成される。あるいは、底部3や側面部材4が、凹凸を有する内面構造を有することで、凸部91や凹部92が形成されてもよい。もちろん、凸部91が形成されれば、底部3においては、凸部91以外の部分が、凹部92となる。

0082

この凹部92は、電子レンジでの加熱中に対象魚6から生じる余分な水分および油分を受ける。この余分な水分や油分を受けることで、電子レンジでの加熱中に、対象魚6が水分や油分に使った状態とならない。このことにより、対象魚6は、グリルや網で、余分な水分や油分を落としながら焼かれる状態と同じになり、電子レンジによる単純な加熱にもかかわらず、グリルや網で焼かれたのと同じような焼き魚が出来上がる。

0083

また、凸部91の上に対象魚6が乗ることで、対象魚6が底部3から浮いたような状態となる。このように浮いた状態での電子レンジによる加熱によって、加熱が対象魚6において広くいきわたりやすくなる。この点によっても、単純な電子レンジでの加熱にもかかわらず、対象魚6は、グリルや網で焼いたような焼き魚として仕上がる。

0084

このように、凸部91および凹部92が底部3や側面部材4が形成されることが、装着シート5や調味液と相まって、焼き魚の調理器具1は、電子レンジのみで、対象魚6をきれいに焼き魚とすることができる。

0085

以上のように、実施の形態における焼き魚の調理器具1は、容器2、底部3、装着シート5などの構成によって、対象魚6を電子レンジによる単純加熱だけで、焼き魚として調理できる。加えて、調味液や底部3などの形状も相まって、電子レンジの加熱だけで焼き魚を調理できる。

0086

(各部の詳細)

0087

(装着シート)
装着シート5は、側面部材4に取り付けられる。図1では、このように側面部材4に取り付けられた状態が示されている。

0088

装着シート5は、フィルム状のシートでもよいし、容器2の上部開口部7を封止する蓋状のものでもよい。また、装着シート5は、使い捨てでもよいし、繰り返し使用できるものでもよい。

0089

装着シート5は、側面部材4の外周に取り付けられることで、上部開口部7を密封できることも好適である。ここでの密封は上述の通り、厳密な状態が要求されるわけではない。例えば、装着シート5がフィルム状のシートである場合には、側面部材4の外周に貼り付けられることで(接着剤ではなく、摩擦によってでもよい)装着シート5が上部開口部7を密封する(封止する)。

0090

あるいは、装着シート5が容器2と対応関係にある蓋である場合には、蓋が上部開口部7に取り付けられることで、上部開口部7が密封される。

0091

また、装着シート5と合わせて、容器2は、真空パックを形成可能であることもよい。この場合には、装着シート5や容器2の形状は、図1などに示される立体形状に限られない。柔軟性を有する立体であり、この内部に対象魚6が挿入されてレンジで加熱される。ただし、この場合も装着シート5に対応する部分が、対象魚6と離隔した状態を維持可能である。

0092

装着シート5は、対象魚6と非接触状態を加熱中も維持可能であるので、加熱に対しての変形に強い素材であることが好適である。あるいは、変形を一定レベルに制限できる素材であることでもよい。あるいは、装着シート5ではなく、側面部材4の高さを調整することで、装着シート5が対象魚6と非接触状態を維持できるようにしてもよい。

0093

(対象魚)
対象魚6は、第1所定方向および第2所定方向の少なくとも一方に、切れ目を有していることも好適である。

0094

図4は、本発明の実施の形態における対象魚の正面図である。対象魚6のある面を示している。例えば、この面は、対象魚6の皮目の面であったり、身側の面であったりする。対象魚6は、当然であるが立体であるので、立体面を有している。不定形であっても立体面を有しているので、対象魚6は、この立体面のいずれかに切れ目61を有していることが好適である。

0095

図4では、皮目に切れ目61が設けられている。

0096

ここでは、皮目には第1所定方向に沿って設けられている。矢印Aは、第1所定方向を示している。第1所定方向Aは、対象魚6の横方向である。

0097

図5は、本発明の実施の形態における対象魚の正面図である。図5は、図4の対象魚6の逆側を示している。対象魚6の身側の面を示している。この身側にも、必要に応じて切れ目61が設けられることが適当である。皮目と身側の両方に、切れ目61が設けられることで、電子レンジでの単純加熱でも加熱がより内部まで浸透しやすくなるからである。また、調味液の浸透もよくなり、焼き魚らしい仕上がりが高まる。

0098

ここで、身側においては、第2所定方向に切れ目61が設けられることが好適である。矢印Bは、第2所定方向を示している。第2所定方向Bは、第1所定方向Aとは交差する方向である。皮目と異なる第2所定方向Bに切れ目61が設けられることで、電子レンジでの加熱において、対象魚6内部への加熱の浸透がより高くなる。

0099

また、図6に示されるように、対象魚6の種類によっては、側面に切れ目61が設けられてもよい。図6は、本発明の実施の形態における対象魚の側面図である。対象魚6の種類や形状によっては、側面に厚みがあることもある。例えば、鮭などは、側面に厚みがあったり、側面に皮目が生じたりすることもある。

0100

この場合には、図6に示されるように、対象魚6の側面に切れ目61が設けられることも好適である。このような切れ目61によって、電子レンジによる単純加熱での対象魚6への内部の熱上昇が促される。結果として、最適な焼き魚を調理できる。

0101

切れ目6は、単数でもよいし複数でも良い。しかしながら、切れ目6が図4などに示されるように複数であることが、電子レンジでの調理時における内部の均一的な加熱にとって好適である。加えて、水分、油分、うまみ成分のバランスを、皮目内部の身の部分で実現しやすくなる。

0102

また、図5に示されるように、第2所定方向Bに切れ目61が設けられると、背骨65の両側のそれぞれに切れ目61が設けられることになる。このような背骨65を中心とした対称部分に切れ目61が設けられることで、電子レンジでの加熱時に、内部の加熱が均一になるメリットがある。加えて、水分、油分、うまみ成分のバランスが最適になる。

0103

また、身側が底部3に接する場合には、電子レンジでの調理時に、身側から余分な水分や油分が、この切れ目61から排出される。図5のように、第2所定方向Bに設けられていると、切れ目61からの水分や油分の排出がスムーズである。上述したように、底部3の凸部91や凹部92などによって、これらが対象魚6に浸ることもない。

0104

このような水分や油分の最適な排出によって、電子レンジでの加熱によっても、対象魚6の身が破裂することがなくなる。

0105

一方、皮目などの上部を向く側に設けられる第1所定方向Aに沿った切れ目61や、側面の切れ目61は、熱の内部への浸透や調味液の浸透を促す。更に、対象魚6が有する油分が調味液と混ざりながら加熱されることで、調味液の味の浸透がよくなる。また、調味液が焦げたような色味を有するようになる。結果として、電子レンジでの加熱のみで、グリルや網で焼いたような焼き魚を調理できる。

0106

(調味液)
調味液は、しょうゆ、みりん、糖分、出汁などの和食の基本的な成分に、いくつかの成分を添加した特殊な調味液である。

0107

発明者が試行錯誤で到達したこの調味液が、対象魚6の表面に塗布される。皮目、身側のいずれに多く塗布されるのが好ましいかといった点は、調理担当者や食する人の好みで使い分けられればよい。

0108

この調味液は、皮目や身側の切れ目61から内部の身に浸透しつつ、表面にも残る。また、切れ目61から浸透する際に、対象魚61が有している水分や油分と交じり合って、調理後の焼き魚の味を更に引き立てる。

0109

また、上述のように、調味液は、切れ目61の蓋となりつつ身にも浸透する役割を有し、切れ目61からの、余分な水分、油分、うまみ成分の放出を調整できる。この結果、魚1の身が破裂したりすることもなく、べたつき感とパサパサ感を生じさせることもないままに、その味をも最適にできる。

0110

また、調味液は、電子レンジでの調理における加熱によって、対象魚61の表面に焦げ目をつける。実際には、対象魚6の表面がこげているわけではなく、この調味液がこげることで、対象魚6の表面がこげるように見えるだけであるが、見た目がよくなって、電子レンジで調理しただけの焼き魚とは思えないものとなる。

0111

完全な焼き魚ではないが、簡単かつ安全な調理で、一定レベル以上の焼き魚を欲する人にとっては、味に加えて、見た目も十分となる。調味液には、このような役割もある。

0112

また、調味液は、皮目および身側のいずれにも塗布されてもよいし、片側のみに塗布されてもよいが、両方に塗布される場合には、身側よりも皮目に多く塗布されることが好ましい。

0113

皮目に多く塗布されることで、上述の焦げ目が皮目に多く生じ、調理後の見た目が非常においしく感じられるからである。また、皮目に多く塗布されることで、皮目のぱりぱり感も高くなって、焼き魚としての完成度が更に上がるメリットもある。

0114

また、調味液は、種々開発されればよいが、一例を示す。調味液は、小麦たんぱく質加水分解物、酒、水あめ、食塩、甘味料、増粘剤、酸味料および酒糟を含む。これらの成分比率は、種々に定められれば良く、対象魚の種類、大きさ、食する人の好み、電子レンジの特性で決定されれば良い。また、これら以外に、味を良くしたり、見た目を良くしたりできる他の成分が加えられてもよい。

0115

調味液は、刷毛ヘラで対象魚6の表面に塗布されればよいし、調味液に対象魚6が漬け込まれてもよい。

0116

以上のように、実施の形態の焼き魚の調理器具1は、電子レンジの加熱のみで、グリルや網で焼いたような焼き魚を調理できる。

0117

(調理方法)
次に、実施の形態で説明した焼き魚の調理器具1を用いた焼き魚の調理方法の一例を説明する。

0118

図7は、本発明の実施の形態における焼き魚の調理方法を説明するフローチャートである。図7のフローチャートは、電子レンジを用いて、グリルやガスコンロなどのような直接的な加熱調理器と同様に焼き魚を調理する調理方法を、そのステップごとに示している。多少の前後や多少の追加等があることはあっても、実施の形態における焼き魚の調理方法は、図7に示されるステップに従って進められる。

0119

まず、ステップST1にて、第1工程が行われる。第1工程の前には、既に調理対象となる対象魚6が切り身にされている。例えば、図4に示されるような切り身の対象魚6である。

0120

例えば、商店スーパーマーケット販売されている魚は、既にこのような切り身にされていることも多い。このため、調理を行う調理担当者は、ステップST1に必要な切り身の対象魚6を容易に入手可能である。

0121

あるいは、魚が半身や一本売りで売られており、その状態で入手された場合には、三枚におろされた状態から、調理担当者が切り身に切り分ける。こうして、ステップST1で示される第1工程に必要な切り身となった切り身の対象魚6が得られる。

0122

第1工程では、調理対象となる切り身の魚の皮目に、第1所定方向に切れ目が入れられる。図4は、この第1工程後の状態を示している。皮目に切れ目61が入れられている。ここで、対象魚6は、身側を底部3に接触させておかれている。もちろん、皮目と身側との置き方が逆であってもよいし、切れ目61の方向(第1所定方向、第2所定方向)が逆であってもよい。

0123

次に、ステップST2において、第2工程が実施される。第2工程では、第1工程と逆に、調理対象の切り身の対象魚6の身側に切れ目が入れられる。図5は、この第2工程後の調理対象の対象魚6を示している。身側から見た状態であり、第2所定方向に、切れ目61が設けられている。

0124

次に、ステップST3にて、第3工程が実施される。第3工程では、調理対象となる対象魚6の表面に所定の調味液が塗布される。

0125

調味液は、調理される焼き魚の味を決定すると共に、電子レンジで調理したにも係らず、グリルやガスレンジなどの直接的な加熱機で調理した場合と同様に、対象魚6の表面に焦げ目をつけることができる。この焦げ目が付くことで、見た目にも、通常の加熱機を用いて焼いた焼き魚と遜色の無いものとなる。もちろん、味においても同様である。

0126

次に、ステップST4にて、第4工程が実施される。

0127

第4工程では、底部3に第1工程から第3工程まで完了している対象魚1が乗せられる。こうして図1のような状態が得られる。この状態で、電子レンジに投入される。

0128

最終的に、ステップST5にて、第5工程が実施される。第5工程では、電子レンジに投入された対象魚6が、焼き魚の調理器具1ごと調理される。このとき、電子レンジの性能や機能、および対象魚6の種類や大きさに応じて、その電力量、時間数が設定されればよい。これは、調理担当者の経験や知識によって定められても良いし、調理担当者の好みによって定められても良い。あるいは、一定のマニュアルが用意されても良い。

0129

この第5工程が完了すると、焼き魚の調理は完了する。この結果、電子レンジであるにも係らず、グリルや網のような直接的な加熱機器を用いた場合と同じような見た目、出来具合、味を有する焼き魚が調理される。もちろん、使用される器具は電子レンジだけであるので、直接的な火や加熱機器を使わないことで、安全に使用できる。

0130

従来技術で述べたように、(1)単身者世帯、(2)狭い台所の世帯、(3)加熱機器が使えないもしくは少ない台所を有する世帯、(4)加熱機器が肉料理などに占有されやすい飲食店、(5)病院や老人ホームなどの特殊施設で、火を使った加熱機器が使えない(使いにくい施設)、などの様々な場所であっても、電子レンジさえあれば、気軽においしい焼き魚を堪能できる。

0131

これ等の結果、魚の消費量が増加し、漁業関係者にとって好適であるだけでなく、周辺を海に囲まれた日本の領土問題や購買力における優位性も高まる。もちろん、魚の消費量が増えることで、健康増進にもつながり、我が国の破たん寸前の社会保険にとってもよい結果をもたらす。

0132

(実際の実験)
発明者は、上述のような第1工程から第5工程を用いて、実際に魚を電子レンジで調理した。魚としては、鯖の切り身を用いた。手順としては、上述のように説明した第1工程〜第5工程の順序と同じである。

0133

また、調味液としては、上述で説明したものを用いた。これを刷毛で鯖の切り身の両面に塗布した。

0134

図8図9に、調理前および調理後の結果を写真で示す。図8は、本発明の実施の形態における調理前の魚の写真であって、上記の第1工程から第4工程までが完了している状態の魚を示している。図9は、図8で示される魚を、電子レンジで調理した後の焼き魚の写真である。図9の写真から明らかな通り、調味液は適度に焦げ目を生じさせ、魚の身が破裂したり、ぱさぱさしすぎていたり、べたべたしすぎていたりする様子も見られない。

0135

また、魚の形もほとんど崩れておらず、そのまま出せば、グリルやガスレンジなどの直接的な加熱機器で調理されたものに見える。このため、食する人にとっても、見た目から喜ばれる。また、写真から明らかな通り、容器2の底部3は、凸部や凹部を有することが分かる。加えて、この凸部と凹部とに跨るように、魚が載せられていることも分かる。こうして、調理後の写真のように、身が破裂することもなく、きれいでおいしい焼き魚ができる。

0136

実際に、発明者は、実験した図9の焼き魚を数名で試食したが、全員が、通常の焼き魚の味、食感と遜色の無いことを確認した。もちろん、非常に手間隙をかけて、高価な炭火で焼いた場合に比べれば劣る部分はあるが、既に説明した、手軽に電子レンジだけで調理したいことを望む世帯や調理担当者にとっては、非常に適したものとなっている。

0137

以上のように、実験結果からも、本発明の焼き魚の調理器具が従来技術に比較して優れており、電子レンジで焼き魚をちゃんと調理できる優れた発明であることが立証された。

0138

なお、実施の形態で説明された電子レンジによる焼き魚の調理器具は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。

0139

1焼き魚の調理器具
2容器
3 底部
4側面部材
5装着シート
6対象魚
61切れ目
65背骨
7 上部開口部
8 空隙
9リブ
91 凸部
92 凹部

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